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映画「レディバード」感想ネタバレあり解説 離れて気づく近しい人たちの愛情。

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6月1日

レディ・バード

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 未だ女性への評価や待遇が厳しい状態にある中、今年度アカデミー賞で史上5人目の監督賞ノミネートを果たした作品が公開です。

しかもデビュー作。そしてインディペンデント映画界のミューズとも呼ばれ、次世代のスター女優でもある監督がつくった作品は、自身の地元でもある街を舞台に、女子高生が大人になるまでを描いた青春物語。

 奇しくも去年の僕が選んだベスト映画に「スウィート17モンスター」というこじらせティーンズ女子の成長物語を入れたんですが、明らかに僕はこの手の映画が大好きなんで、恐らく今回も手放しで絶賛してしまうかもしれませんw

 

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やっぱりねぇ、当時の学生時代を振り返るとみんなイタイことしてんのよw

で、こっぱずかしいと思いながらもなんか胸が熱くなるというか。

今ももがいてるけど、当時ももがいてたんだなぁとか。

そういう意味で言うと青春映画ってのは初心に戻れるような要素も孕んでるんですかね。

 

と言うわけで早速観賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 18歳という子供から大人へと成長を遂げる一番多感な時期を迎えた主人公が、学業に友人に、家族や恋人に、そして自分の将来について悩み揺れ動く様子、痛々しくも愛おしく感じさせる姿をユーモアたっぷりに描いた作品。

女優として活躍するグレタ・ガーウィグが今作で長編映画監督デビューし、自身の出身地でもあるアメリカ・サクラメントを舞台に作り上げ、自伝的要素も含めた今作は、米国で公開するやいなや口コミで評判が広がり、瞬く間に拡大上映するまでになるヒットを遂げた。

そして批評サイト「ロッテントマト」で100%大絶賛される新記録を樹立し、今年度アカデミー賞にて、作品賞&主演女優賞&助演女優賞&監督賞&脚本賞と主要部門にノミネートする快挙も達成。

女性監督としても史上5人目となる監督賞ノミネートも果たすなど、記録尽くしの作品となった。

 

青春の痛みと輝きを真正面から捉えた、誰もが共感できる青春映画です。

 

 

Lady Bird

Lady Bird

 

 

 

 

 

あらすじ

 

2002年、カリフォルニア州サクラメント。

高校生活最後の年を迎え、東部の大学に行きたいクリスティン(シアーシャ・ローナン)は、地元の大学に行かせたい母(ローリー・メトカーフ)と大ゲンカに。

クリスティンは癇癪を起して走っている車から飛び降り、右腕を骨折する。失業中の父ラリー(トレイシー・レッツ)、看護師の母マリオン、スーパーで働く養子の兄ミゲルとその恋人シェリーの5人暮らしのクリスティンは、自分を“レディ・バード”と名付けて周りにも呼ばせている。

 

親友ジュリー(ビーニー・フェルドスタイン)と一緒に受けたミュージカルのオーディションで、ダニー(ルーカス・ヘッジズ)と出会う。ダニーと高校のダンス・パーティーでキスをするが、帰宅して母に叱られ、また衝突する。

それでも恋は順調で、感謝祭には彼の祖母の家に招待される。夜はそのまま、ダニーやジュリーたちとクールなバンドのライブに行く。

帰宅すると、寂しかったと母に告げられる。

ミュージカルは成功を収めるが、アフター・パーティーでダニーが男子とキスしているのを見つけ、彼と別れる。一方、東部の大学に入るための助成金の申請書を母に内緒で父に頼む。

年が明け、アルバイトを始めたカフェにダニーたちと見たバンドの美少年カイル(ティモシー・シャラメ)がやってくる。彼とまた会う約束をしたクリスティンは、学校ではカイルと同じ人気者グループのジェナとつるむようになり、ジュリーと疎遠になる。

 

ある日、ジェナの家のパーティーでカイルとキスした後、母に「初めてセックスするのって、普通は何歳?」と尋ねる。ところが母の意見も聞かず、カイルとすぐに初体験を済ませるが、彼の言葉で傷つき、母が迎えに来た途端泣き出してしまう。

 

その後、東部の大学からの不合格通知の中に一通だけ補欠合格があったが、まだ母には言えなかった。高校卒業が近づき、プロムのドレスを選びながら、再び母とぶつかり合う。自分の将来について、クリスティンが出した答えとは……。(Movie Walkerより抜粋)

 

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監督

今作を手がけたのはグレタ・ガーウィグ。

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女優として活躍する傍ら監督業にも意欲的だったそうで、今回念願の長編映画を作れたわけですが、今回脚本も手がけてるんだとか。

 

調べてみたら、既に脚本を何作か書いていたそうで、恋に友情に振り回されながら自分探しをしていく「ハンナだけど、生きていく!」、全編モノクロで描かれた作品で、プロのモダンダンサーを目指しながら夢見る日々を送る27歳の主人公の、ほろ苦くもユーモラスなやり取りを週の人物達と織り成す青春コメディ「フランシス・ハ」、ニューヨークの女子大生が年上の女性と交流することで成長していく青春ドラマ「ミストレス・アメリカ」など、自身が出演する作品で脚本を手がけています。

 

元々マンブルゴアといって、低予算でアマチュア俳優を使ったインディペンデント映画で、現代的な口調で若者の日常を描いた作品に傾倒していることもあり、どれも女性が成長していく物語なのも、彼女の意向なんでしょうね。

 

女優としては「フランシス・ハ」や「20センチュリーウーマン」などで、世間とちょっとずれてるけど、そんな事にめげずもがいてるといった、似たような役柄を演じているように思えます。

 

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ウェス・アンダーソン監督の「犬ヶ島」にも声で出演していますのでそちらも是非チェックしてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

キャスト

主人公レディバードことクリスティンを演じるのは、シアーシャ・ローナン。

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今作でアカデミー賞主演女優賞にノミネートした彼女。若いうちから賞レースにノミネートされる常連ですが、まだアカデミー賞は獲れてないなんだなぁ。

ベテランや中堅にあげるのもいいけど、是非若手を育てて欲しいものです。

 

彼女に対してあまりコミカルというかユニークな演技って想像つかないんですけど、今作でどんな演技をするのか見ものですね。

 

彼女に関してはこちらをどうぞ。

 

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他のキャストはこんな感じ。

クリスティンの母親マリオン役に、「トイストーリー」シリーズ、「JFK」のローリー・メトカーフ。

ダニー役に、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」、「スリー・ビルボード」のルーカス・ヘッジズ。

カイル役に、「君の名前で僕を呼んで」、「インターステラー」のティモシー・シャラメ。

クリスティンの父ラリー役に、「マネー・ショート/華麗なる大逆転」、「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」に出演したトレイシー・レッツ。

クリスティンの親友ジュリー役に、「ネイバーズ2」、TVドラマ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」に出演し、最近激ヤセ振りが話題のジョナ・ヒルを兄に持つビーニー・フェルドスタインなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

思春期ならではの好奇心旺盛な部分や親に反応的になってしまっていた、あの頃やらかしてしまった時代に思いを馳せつつ、彼女がどう成長を遂げるのか。そしてそれを観て僕は何を思うのか・・・w

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

感想

なぜ十代の頃ってこんなに自分の事しか考えていなかったのかを思い知らせてくれるのだろう。

離れて初めて気づく様々な出来事をハイスピードで描いた青春映画でした!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あたしレディバード!!

カリフォルニア州にある少し田舎町のサクラメントを舞台に、友情、恋愛、親子関係、に悩み、もがき、苦しみ、喜び、涙し、感謝していく女子高生の高校生最後の一年間を走馬灯のようにハイスピードで描き、ユーモラスにそしてハートフルに綴った青春映画でございました。

 

レディバードというのはてんとう虫の事を言うようなんですが、僕が見終わった後の解釈は、レディ(女性)でバード(女の子)。

なんでバードが女の子って知ってんだよ、といいますと、僕が当時組んでいたバンド名にこの「BIrd」という単語を使っていて、女の子って意味で使ったんですが、まさか今になって役だったというw

 

とすると、丁度少女から女性に移り変わる思春期真っただ中の女の子の事なんだろうなと。

そんな主人公はクリスティンという親からもらった名前を名乗らず、これがアタシだと強く主張するかのように、家族にも学校の人たちにも「レディバード」と名乗って接する。

 

あ~~~~イタい!!

これはヤバイ。いい方じゃなくて悪い方のヤバイですよ。

家族に言わせるならまだしも(ちびまる子ちゃんだってみんなももこじゃなくてまる子だもんなぁってのを思い出した)、学校の生徒とかに知れてごらんなさい。

 

甲:ねえ、知ってる?クリスティンて子。

乙:え?知らない。

甲:ほらアタシ数Ⅱの授業取ってんじゃん、そこで一緒の子なんだけど、先生に刺された時にさぁ、アタシクリスティンじゃなくってレディバードですっていったのね?

乙:はぁ?何それ、意味わかんないんだけどw

甲:なんかぁ、他の子たちにもアタシレディバードだからとか言ってるらしくてぇ。

乙:え、何、芸名?アイドル活動とかってこと?

甲:いやなんかぁ、よくわかんないんだけどさぁ、あだ名ってさぁ、友達がつけるもんじゃない?アタシだってピエール瀧に似てるからってんで瀧子とかいうじゃん、みんな。てか気に入ってねぇし、むしろ似てねぇし!

乙:いや似てるからww

甲:うっせえよ!お前こそその広瀬すず意識の髪型にあってねえから!で!それをさぁ、自分でこう呼んでってのなんかおかしくない?てかキモくない?てかウザくない?

乙:確かにひくわぁ~、アイツと口きいた奴絶交とか手紙回しちゃう?

甲:何それ面白そ~wあんた書いてよ。

乙:え~アタシがぁ?ま、アタシもその子見てからね。

甲:マジでサブイボだからw

 

 

こんなようにされてしまうんですよ!きっと!

まぁさすがにいじめられるような描写は一切ないですが、明らかに地に足ついていないような行動や言動、周りが全く見えていない自分だけ良ければそれでGOOD!な考えを持ってるんですね。

 

例えば。

お母さんとの進路についてのパート。

お父さんがリストラに遭い家計が苦しい状況の中、NYの大学に行きたいとごねる娘。もちろん口論です。

レディバードからしたらこんなクソ田舎町で収まるようなアタシじゃない、この可能性を家庭のお財布事情なんかで決まられてほしくない!

いやいやお金を出すのはこっちだから!地元の大学に行けばお金もかからずに済むし、ちゃんとした立派な学校なんだから十分でしょ!

はぁ?お母さんは私の事愛してないの?私が羽ばたく姿を応援してくれないの!?

だって私レディバードよっ!!!

 

他には、

ミュージカルサークルに入ったレディバードと友人のジュリー。

そこで仲良くなったダニーといい仲になります。しかし感謝祭の時、女子トイレで並んでいたけどいつまで経っても列が進まない、そうだ男子トイレが空いてる!

ジュリーと共に男子トイレのおっきい方に入るとダニーが男子とキスしてるではありませんか!

はぁっ!?なにっ!?アタシがちょっといいなぁと思ってたダニーってソッチの人だったの!?

マジ勘弁なんだけど!アタシの思いどうしてくれるのよ!

だって私レディバードよ!!

 

 

今度はバンドのベースを担当していたカイルに惹かれていくレディバード。

イマイチ何考えてるかわからないミステリアスな雰囲気がどこかセクシーでカワイイカイルといい仲になっていきます。

そして流れでついにバージンを捨てる時。アタシ初めてなの、俺もだよ。

初めての人は初めての人でした。それは永遠に刻まれるメモリー。今まで大事にして良かった、好きな人と愛し合えて幸せ!

しかし家でイチャイチャしていた時にカイルは君が初めてでないとカミングアウトします。

え?ウソ?この前初めてって言ったよね?アタシちゃんと聞いたから?なに6人目かも?なんで覚えてないの?ふざけないでよ!あたしのバージン返してよ!

アタシのレディバード返してよ!!

 

 

そしてジュリーとも疎遠になっていきます。

カイルとの関係が深くなっていくうちに、そのバンドのメンバーの彼女と仲良くなっていきます。

学長の車にイタズラしたり、パーティーに遊びに行ったり。

要はスクールカーストの下の方だった彼女が上の階級の連中とつるむパターンですね。

気が付くと授業を一緒に取っていたはずのジュリーの姿がありません。

彼女を捕まえて聞いてみると、離れてしまったレディバードに嫉妬し怒りをあらわにしていたのです。無理もありません、友達だったのに付き合い悪くするレディバードがいけないのです。

ですが口論はエスカレート、ついにはジュリーのお母さんの豊胸疑惑まで言及。おまえの母ちゃんでべそ級の悪口です。

 

 

このように、母親とは進路のことでケンカをし、彼氏や友達とは自分と合わないとすぐ拒絶。

かまってちゃんでありながら、ちょっと違うだけでふてくされ直ぐ感情をあらわにする残念な女の子だったのです。

 

離れて気づく大きな存在

レディバードはあらゆる場所で口論をし、自分をの正しさを主張し自分の近しい人たちを困らせていきますが、ちゃんときれいな心を持っています。

 

ダニーとキスまでしたのに、彼がゲイだと知ったことで拒絶しますが、彼の痛みや苦しみを知ってそれを理解する一面を見せたり、カイルたちとプロムに行くために出かけるも、同行した連中らがプロムに行かないことを知り、車中でかかっていたお気に入りの曲をけなされたことが決定打となり、ジュリーの元へ向かい彼女との中取り戻していきます。

 

私の知らない一面を打ち明けてくれた、そんなに苦しんでいたのか、なぜ私は拒絶してしまったんだろう、なんでそんな可哀想なことをしてしまったんだろう。

彼女と離れて普段つるまない人たちと遊んだりしたけど、こんなに価値観やフィーリングが合わないなんてなんでもっと早くに気付かなかったんだろう、ジュリーは今どうしてるだろう、プロムに出かけたのかな、心配になってきた。ちゃんと謝ろう。

 

一度離れてしまうと中々修復するのは難しい友人関係。

しかし彼女はキチン自分の良心と向き合うことで、少しずつ今までこじらせていた自分に見切りをつけていく姿を見せていくのです。

 

そして母親。

進路の事で何度もぶつかってきたレディバード。

部屋を散らかしたままでかけては怒られ、バスタオルを2枚使っても怒られ、朝食を自分で作ると言っても怒られ、停学処分になった時も怒られ、勝手に助成金を申請しNYの大学に補欠合格していたことがバレてしまい、ついには口をきいてくれなくなってしまいます。

 

劇中レディバードは母親に自分のことを愛しているかを訪ねます。

もちろん答えはYES。てか子を愛してない母親なんていません。イレギュラーを除いて。

ただお母さんはあまりにも軽率な行動や身勝手な言動ばかり言うので、そういうことを直してほしい、最高のあなたでいてほしいという願いから怒るんだということを伝えます。

この母娘、常にケンカばかりではありません。

感謝祭の服選びの時には色々言い合っていますが、お母さんが選んだ服はレディバードの好みのもので、その感謝祭の時には夜遅くまで遊んで帰ったことでお母さんを寂しがらせてしまった、夜勤明けで休みが出来れば二人で大きな家を見に回ったりする一面もあり、仲睦まじい姿も。

どう見たって素敵な親子で、愛していないようには見えませんが、レディバードには日ごろの自分の行いのせいでそう思われていないように感じていたのです。

 

そしてNYへ一人旅立ったレディバード。

何度もぐしゃぐしゃに丸めては認めた娘への手紙。お母さんは渡しませんでしたが、父親がこっそりゴミ箱から拾って娘に渡していたのです。

文章力がないからと渡すことをやめてしまったお母さん、しかしそこには彼女を生む時の様々な困難があったことが記され、奇跡的に彼女を生むことができたことが書かれていました。

そしてようやく彼女は母親のありがたみを知り感謝を伝えるわけです。

 

 

劇中学長の車にイタズラをして呼び出されてしまうシーンがあります。ここで学長はそれを許すんですが、その時に「愛情と注意を払うって同じ表現じゃない?」というセリフがあるんです。

これは素晴らしいセリフだなぁと感じた瞬間でした。

相手に愛情を注ぐ、それは強く意識して目を向けることがそれであり、母親が娘に対して行ってきた小言や行動はまさにそういうことなんだなと。

だから終盤その注意を払わなくなった時の母親に気付いた娘の一生懸命謝る姿はとても印象に残るシーンでした。

それだけ自分は取り返しのつかないことをしてしまった、これまでの母親の自分に対するしつけや説教は愛情だったのだと。もうそれすらもしなくなってしまった母親のマジな感情に怯えるのもすごくわかります。

 

 

経験談ではありますが、僕もレディバードならむジェントルメンモンキーだったわけで、自分の主張ばかりで周りの目など気にしないかなりこじらせ野郎だったのだと思います。

地元の大学に行ってほしいという母親の願いを無視し、てめえで金稼いでやりたいことをやるからと、音楽の学校に行くために上京し、初めての一人暮らし、計画性のない金の使い方に苦しみ仕送りをしてもらい、自分で自炊し洗濯し掃除し、何もかも自分でやらなければならない生活に、親のありがたみを感じたものです。

数年帰らなかった時があったのですが、さすがにマジで怒られた時は反省したなぁ。

 

まぁ自分の話はいいや、とにかく今でもそういう部分があるかもしれませんが、あまりにも近すぎるとありがたみや感謝って感じなくなってしまうんだけど、離れてみて気づくんですよね偉大さとか大事さとか。

そんなことをこの映画は教えてくれるような気がします。

 

 

最後に

主人公演じるシアーシャローナンの一挙手一投足がグレタ・カーウィグに重なって、もうちょっと彼女が若ければ自分でやったんだろうなってのが伝わる、当時のグレタが憑依したかのような演技でした。

 

作り方もノア・バームバックに通じる、淡々とした中に笑いを入れたりサラッと大事なセリフを入れたり画で現したりってのが似ていたなぁと。

とにかく1年の月日があっという間で、気持ちいくらいのテンポで進むのが爽快で楽しいです。要は今思い返すとあの頃ってあっという間の日々だったって解釈どうですか?

 

途中ミュージカルサークルの顧問がが2軍のアメフトのコーチに変わった時の練習が非常にツボでした。

ミュージカルの練習の常識を覆すかのような説明。戦術を説明するかのようなフォーメーションでの説明にみんなマジになってノートに書く件は笑えましたねぇ。

で元々やってた神父さんはなんでやめてしまったのかがよく分からなかったんですが、あれは重病ってことですかね?レディバードのお母さんに相談していて黙っててくれって言ってたのでそうなのかぁと。

 

最後のお母さんの行動には涙溢れたし、終始楽しかったんだけど、僕の好みではなかったのがちょっと残念。やっぱり僕は「スウィート17モンスター」の方が好きかなぁ。

シアーシャもいいんだけど、ヘイリーちゃんの方がなんかリアルなんだよなぁ。

後はあまりにも断片過ぎたんだよなぁこの映画。それをグレタはやりたかったんだろうけど。

とにかくこじらせた十代を送った全ての人に引っかかるであろう青春映画だったのではないでしょうか。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10


映画「万引き家族」感想ネタバレあり解説 納得のカンヌ映画祭パルムドール作品。

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6月2日

万引き家族

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第71回 カンヌ国際映画祭最高賞パルムドール受賞おめでとうございま~~~~す!!!

今村昌平監督「うなぎ」以来21年ぶりの快挙ということで、映画ファンにとってこんなに喜ばしいことはないですよね。

今イニエスタがヴィッセル神戸に入団とかやってますけど、それに匹敵するすごさですからね。

ネット上ではまだ見てもいないのにあーだこーだ批判してる人たちがいますが、ぶっちゃけほっときましょう。映画を見ない人たちですから。

 

で、受賞したときに、これは絶対先行上映やるな、と。

そして父になる」が審査員賞を受賞したときも、公開が遅すぎてせっかくのブームが台無しだってことで前倒しとかしましたからね。

 そして見事に予想通り1週間早めの先行上映をやるということで、早速観賞してまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 

昨年ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門に正式出品し、日本アカデミー賞6冠を制覇した「三度目の殺人」。

 

あれからまだ1年足らずにして、カンヌ国際映画祭パルムドールという最高の栄誉を獲得した是枝裕和監督入魂の作品が公開される。

これまで幾多の家族を描き続けてきた監督は、今回も家族の姿を描く。

 

しかし今までと違うのは、犯罪でしか繋がれなかった家族。

 

万引きと祖母の年金で生計を立て、社会の海のそこでひっそり漂うも、笑いの絶えない日々を過ごす家族。

そんな家族にある少女が加わることで物語は動いていく。

 

生計を立て軽犯罪を重ねていくと同時に深まる絆は、社会では決して許されない絆だった。

人と人との繋がりが希薄になった現代に、真のつながりとはなにかを問う衝撃と感動の作品が誕生した。

 

 

万引き家族【映画小説化作品】

万引き家族【映画小説化作品】

 

 

 

 

 

あらすじ

 

街角のスーパーで、鮮やかな連係プレーで万引きをする、父の治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)。

肉屋でコロッケを買っ、寒さに震えながら家路につくと、団地の1階の廊下で小さな女の子(佐々木みゆ)が凍えている。

母親に部屋から閉め出されたらしいのを以前にも見かけていた治は、高級マンションの谷間にポツンと取り残された平屋に女の子を連れて帰る。

母の初枝(樹木希林)の家で、妻の信代(安藤サクラ)、彼女の妹の亜紀(松岡茉優)も一緒に暮らしている。

信代は「もう少し金の匂いするもん拾ってきなよ」とボヤきながらも、温かいうどんを出してやり名前を聞く。

「ゆり」と答える女の子の腕のやけどに気づいた初枝がシャツをめくると、お腹にもたくさんの傷とあざがあった。

深夜、治と信代がゆりをおんぶして団地に返しに行くが、ゆりの両親が罵り合う声が外まで聞こえる。

信代には、「産みたくて産んだわけじゃない」とわめく母親の元に、ゆりを残して帰ることはできなかった。

翌日、治は日雇いの工事現場へ、信代はクリーニング店へ出勤する。

学校に通っていない祥太も、ゆりを連れて“仕事”に出掛ける。

駄菓子屋の“やまとや”で、店主(柄本明)の目を盗んで万引きするのだ。

一方、初枝は亜紀を連れて、月に一度の年金を下しにいく。

家族の皆があてにしている大事な“定収入”だ。

亜紀はマジックミラー越しに客と接するJK見学店で働き、“4番さん(池松壮亮)”と名づけた常連客に自身と共鳴するものを感じ、交流が始まる。

 

春の訪れと共に、「荒川区で5歳の女の子が行方不明」というニュースが流れる。

両親は2ヶ月以上も「親戚の家に預けた」と嘘をついていたが、不審に思った児童相談所が警察に連絡したのだ。

ゆりの本当の名前は「じゅり」だった。呼び名を「りん」に変え、髪を短く切る信代。

戻りたいといえば返すつもりだったが、じゅりはりんとして生きる事を選ぶ。

信代は「こうやって自分で選んだほうが強いんじゃない?」と初枝に語りかける。

「何が?」と聞かれた信代は、「キズナよキズナ」と照れながらもうれしそうに答えるのだった。

 

 

時は流れ、夏を迎え、治はケガが治っても働かず、信代はリストラされるが、それでも一家には、明るい笑い声が響いていた。

 

ビルに囲まれて見えない花火大会を音だけ楽しみ、家族全員で電車に乗って海へも出掛けた。

だが、祥太だけが、“家業”に疑問を抱き始めていた。

 

そんな時、ある事件が起きる――。(HPより抜粋)

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監督

今作を手がけたのは是枝裕和。

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 ベネツィアやカンヌで高い評価を得る一方で、近年は国内の興行での結果も出す。

こんな器用な映画監督中々いないですよ。

 

きっとそれはある家族の風景を描くことで、誰にでも共感を得る作品を提供し続けているからなのではないでしょうか。

今作も社会の片隅に生きる家族をテーマにしているということもあり、ますます是枝=ホームドラマを印象付ける代表的な作品になるのではないでしょうか。

表面的にはすごく透明性のある純粋な心を持ってそうな監督ですが、作品をいくつか見てくと、意外とかなり闇を持ってて、そしてちょっと変態な部分も持ってるんだろうなってのも感じます。

どこを切ってもピュアな人だったら逆に気持ち悪いですから、こういう面もこの人は持ってるんだろうなぁってのを作品から感じると、人間くささもちゃんと持ち合わせているんだなと。

 

今回悲願のカンヌでのパルムドール受賞は、もっと騒がれなくてはいけないことだとモンキー的には思うんですが、タイトルから日本人を貶めるような主旨の意見が多発し、違う方向で盛り上がっているようで同じ日本人として非常に情けないです。

なぜ素直に喜べいなのだろうか。

 そしてメディアはなぜもっとこの素晴らしいニュースを取り上げてくれないのだろうか。

それには映画館へ行ってヒットしないといけないんでしょうね。

でもきっと監督の作品なら確実に興行は成功すると信じてるので、まずは見てみてですね。

 

監督に関してはこちらをどうぞ。

 

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キャスト

一家の主、柴田治を演じるのはリリー・フランキー。

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ヤクザまがいの社長や、老人をゴミ扱いする権力者、元ボクサーの情報屋、医者、ホームレス、編集長、盲目の学者、障碍者などなど、ありとあらゆる役を演じてきてますが、僕はリリーさんといえば、こういうろくでもない親父が一番しっくりきます。

 

彼は大根仁監督と是枝監督作品には欠かせない存在になりましたし、そこでの活躍からいつのまにか安定感のある役者になりましたもんね。

あ、リリーフランキーがこの役やるのか、じゃあ大丈夫だな、なんて思う人結構いるんじゃないでしょうか。

 

彼に関してはこちらをどうぞ。

 

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他のキャストはこんな感じ。

クリーニング店で働く治の妻、信代役に、「百円の恋」、「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」、「奥田民生になりたいボーイと出会う男全て狂わせるガール」の安藤サクラ。

信代の妹・亜紀役に、「桐島、部活やめるってよ」、「ちはやふる」、「勝手にふるえてろ」の松岡茉優。

治の息子・祥太役に、「となりの怪物くん」の城桧吏。

母・初枝役に、「海よりもまだ深く」、「海街diary」、「モリのいる場所」の樹木希林。

他にも、緒方直人森口瑤子山田裕貴、柄本明、高良健吾などが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

一見悪い事をしている家族ですが、我々はこの家族の顛末を見て何を感じられるでしょうか。何を考えるのでしょうか。

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

感想

社会の片隅でひっそりと暮らす家族の絆とその先にある闇。

ガツンと揺さぶられるラストにあなたは何を思うのか。家族ってなんだろうね。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監督渾身の一作。

高層ビルの陰に隠れてひっそりと暮らす家族の犯罪を犯しながらも、ささやかな日常を描いていく中で、次々に明かされていく秘密を明らかにしていくことで、絆とは何か、家族とは何かを、細部にまでこだわった演出、物語にそっと彩を加える音楽、徐々に真実を明らかにしていく緻密な脚本、そして役者陣の卓越した演技によって、賞を獲るべくために作り上げられた作品でした。

 

 

とりあえず見終えた直後の感想は、モヤモヤが抑えられませんでした。

一見普通の家族に見える6人だけど、繋がっているのは血ではなく、絆。その絆もしっかりしているように見えてものすごく弱い。弱いし脆い。簡単に切れてしまうような絆なんだけど、そのつながりはものすごく優しくてものすごく愛おしく感じるものでした。

そんな彼らに次々と浮かび上がる真実。

彼らはそうなることを選び集い幸せを感じ暮らしていたのに、法律はそれを許してくれない。法律なら幸せに暮らしている家族を壊してもいいのか。

そして壊されたことで次々に押し寄せる刹那。

正しさを突き付けられどうにもできないながらも、それでも共に暮らした家族を思う一同の姿に胸を掻き毟られました。

 

監督の過去作「そして父になる」では、育てた息子が他人の子供だったことにテーマを置き、親子とは何か、家族とは何で繋がっているのかを提示した傑作映画でした。

あれから5年、監督はそこに社会的弱者と犯罪を加えることで、家族としての在り方や絆の一歩先に踏み込んだ映画を作ったように思えます。

 

既に高層ビルの片隅に住む家族という時点で、この家族がいかに社会において陰に隠れているかというのが暗示されており、そんな日陰に住む一家は、日々の生活を送るために、日雇労働に出稼ぎ、勤務先でワークシェアリングに遭い、風俗店で働き、年金を家計の足しにし、とうとう万引きや車上荒らしといった犯罪に手を染めなくてはならなくなるわけです。

それでも彼らは毎日を明るく楽しく生きているわけですが、物語の中でどうも会話の端々に歪なものが見え、彼らは本当に家族なのか?いったい何を隠しているのか、一体それが何なのかわからないまま進んでいくのですが、その答えが終盤一気に明かされるちょっとしたミステリー要素も孕んでおり、真実を突き付けられたとき、観衆は彼らがやってきたことは正しいことなのかそれとも間違ったことなのかと戸惑い考えさせられるように作られていたと思います。

 

 

公開前からネット上であれこれ叩かれている作品ですが、見終えて感じたのは実は監督はそれを狙って作っているようにも思えました。

タイトルが既に意味深であり、波風を立てることで話題性を作り動員を見込もうと。

あれはいい、これはダメと変に正義感ぶる人たちが横行するSNSで様々な意見が飛び交うことで作品自体に興味が沸くのではと。

それに加え今回のパルムドール受賞は大きな追い風になったことと思います。

 

実際劇中では巧みなテクニックによって万引きをするシーンが乱発しており、そこだけを切り取れば犯罪を助長するようにも見えますが、決して犯罪を許すような結末にはなっていません。

むしろ問題はもっと根深い部分であり、きちんと彼らはそれによって裁きを受けるようになっています。

確かに犯罪は良くないのですが、そうせざるを得ない人たちがいるということをこの映画は浮き彫りにしており、我々は一方的にこの登場人物を切り捨てるような感情にはどうしてもなれず、この先生きていく上で今の社会が果たしてこれでいいのかということを考えさせられるのです。

 

僕は監督を社会派だとは一度も思ったことはなくて、今作でどうやらそういうレッテルを張られてしまいそうではあるんですが、やっぱり監督は様々な家族を撮ることに徹していると思うんです。

「そして父になる」もそう、「奇跡」もそう、「三度目の殺人」もある側面からすればそう見える。「海よりもまだ深く」も。

今回たまたま一歩踏み込んだだけのことでしかないよなと。

というか、この手の映画国内は少ないんですよなぜか。もっとあっていいと。

これを機に弱者に光を照らすような作品が増えてほしいなと願いたいですね。

 

 

スイミーが使われた意味

劇中で祥太は谷川俊太郎の「スイミー」を読み上げるシーンがあります。

治と万引きをすることが生活の中での楽しみだった祥太でしたが、そこに百合が加わることで楽しみを削がれてしまい、苛立ちを募らせます。

彼は家に帰らず駐車場にずっと止められたままの車の中で夜を過ごしていました。そこへ治が迎えにやってきます。

祥太はまだ百合を家族として妹として受け入れることができませんでしたが、百合が家族と一緒に何かをすれば一緒に暮らしやすくなることを祥太に理解させます。

納得した祥太は治に「スイミー」の話を知っているか問います。

英語がわからないと治は祥太に話しますが、スイミーは教科書に載っていたお話だよというと、治は国語はもっとわからないと話します。

 

そして夜の駐車場で治の周りを駆け回る祥太の姿をカメラは建物の上からおさめるのです。この時治は赤いジャケットを着ており、祥太は暗い色をした服を着ています。

 

僕も小学校の頃、このスイミーを教科書で学んだことがあります。

兄弟がみんな赤いのに対し自分だけ黒い小魚のスイミー。ある日大きなマグロに兄弟みんな食べられてしまうが、泳ぎの速いスイミーはかろうじて助かります。

そして様々な放浪を続けるうちに、自分の兄弟そっくりな赤い魚たちに出会います。

一緒に泳ごうと誘いますが、彼らは大きなマグロに怯えながら岩の影に隠れて暮らしていました。

そこでスイミーはみんなで一緒に泳げば怖くない、みんなが赤いのに対し自分だけ目が黒いので目の役目になり大きな魚の振りができることを提案し、無事マグロに襲折れることなく海の中をすいすい泳げるようになる、というお話。

 

この話を踏まえて考えると祥太は自信をスイミーになりたいと望んでいたように思えます。

何か大きなものに怯えながら過ごしている柴田家。そこに自分が加わることで、そんなものに恐れず堂々と暮らしていける。

一人一人の力は弱くて脆いかもしれない、だけどみんなが集まって家族になれば幸せに暮らしていける。

祥太はスイミーを読んだことでそんな思いを抱いたのではないでしょうか。

 

駐車場ではしゃぐ祥太は正に夜の海を泳ぐスイミーそのものに見えます。治が赤いジャケットを着ていたのも意図した演出だったのではないでしょうか。

 

そしてこういう家族のような弱者はスイミーのように寄り添って暮らしていくことでもしかしたら幸せを手に入れることができるのかもしれないということも伝えてるような気がします。

役者陣の極みの演技

相変わらずクソ親父を演じたら右に出る者はいないであろうリリー・フランキー。

今回も祥太のよき父親になろうとステキなパパの姿を見せていますが、彼らがいなければ初枝をババアと呼んだり、年金だけをあてにするような言動、仕事行きたくないオーラなどなど、本当ロクでもないながらも憎めない父親を熱演しておりました。

で、意外にも今回一番体を張っているのは彼なのではないかと。

中肉中背な肉体を惜しげもなく披露し、汗ばんだ体がなぜかセクシーに見えてしまうw

 

妻の信代を演じた安藤サクラ。

カンヌ国際映画祭の審査員長を務めたケイト・ブランシェットから、「今度私が泣く演技をしたときは彼女の演技を真似したと思ってください」とまで言わしめたクライマックスでの泣くシーン。

子供産めないからって盗んじゃダメでしょう、みたいなことを言われ、捨てた人ってのはほかにいるんじゃないのかというような反論をするんだけど、同様と悔しさを隠せず泣いてしまう。

その泣き方は何度もおでこに手を置き髪をかきあげながらそのついでに涙を拭うというもの。何度も何度もやっても涙が止まらない。

ここは非常に感情移入してしまうシーンでした。

 

亜を演じた松岡茉優も素晴らしかった。

たまに是枝監督って性を意識した様な画を撮るんですが、今回その役目を担ったのが彼女。

学校の制服を着て胸をゆすりながら自慰行為を見せつける風俗店で「さやか」という名前で働く彼女。

ためらいもなく真顔で行為を見せつける彼女を直視することができなかったなぁ。

そして海での水着姿。あんな華奢な体なのにふくよかな胸をお持ちで・・・。

どうしても男なので伝えずにはいられませんでした!

もちろん彼女はそんな容姿どうこうだけではありません。

特に印象的だったシーンは風俗店で4番さんというお得意さんをトークルームで膝枕して自身の事を語るシーン。これまで明かされなかった本当の気持ちを打ち明け、自分を殴って手にあざを作った相手を抱きしめることで、自分も同じことしたことある、と自分を受け入れ赦すかのような温かさが感じられる演技でした。

このシーンピンク色のカーテンがその柔らかさと温かさを表現していて映像自体もステキでした。

そして遺体の髪をくしでほぐしながら見つめ涙を浮かべるシーン。あなたにならすべて話せると絶対的信頼をおいていた人の死を見つめ絶望に暮れる姿は心揺さぶる演技だったように思えます。

 

祥太役を演じた城桧吏くん。

やまとやで万引きをする際、妹のユリの万引きを手伝うのですが、そこの主人委は全てお見通しでした。

妹にはさせるなよ、と言われた時の動揺。

瞳孔を開いて明らかに心が揺れ動いてる姿から、彼の中で万引きすることに対しての罪悪感が生まれ、そこからの演技は常に何か心に引っかかった状態で演じてるんですね。

彼もまた素晴らしい演技でした。

 

ゆりちゃん演じた佐々木みゆちゃんも、最初でのおどおどした演技から中盤自らこの家族と共に暮らすことを選んでからの元気な演技の変わりようは見事。

最初は所々虐待の名残を言葉で表現することで、彼女が本当の家族からどれほど辛いことをさせられたのかが覗ける演技をしており、後半では祥太と共に仲睦まじい姿を演じていたのが非常に印象的です。

蝉が木を登るシーンで頑張れ~っていうところとか、祥太が万引きをするルーティーンを真似する姿がかわいらしかったですね。

 

初枝演じた樹木希林。

いつもと雰囲気違うなぁと思ったら、あぁ歯がないのか!顔がアップになるシーンになるまで気づきませんでした。

つい先月「モリのいる場所」を鑑賞した時の演技も見事でしたが、今回もまた名演技。

もちろんおばあちゃんとして家族の柱となって優しさを振りまいてるんですけど、あるシーンを見て以降、こちら側からはそうは思えないように見えてしまうんですね。

何だけど家族の前ではいつも通り愛想を振りまいている。

凄いの一言に尽きます。

そして海に行くシーン。みんなが浜辺ではしゃぐ中一人パラソルの下で見つめる初枝。

脛に砂を落としながら声にならない声で「ありがとうございました」と囁く。

どうやらアドリブだそうなんですが、この言葉がこの後凄く効いてくるんですよね。

お見事でした。

 

 

最後に

一応この映画ネタバレが大きすぎて、中盤以降核心に触れてしまうためにうまく書けない上に、映像で何を伝えてるかまだ分からないことが多くて、もう一度見ようと思ってる次第です。

監督の作品はいつもなぜかわからないままで終わらせたくないという気持ちが芽生えるんですけど、それだけこの映画が魅力的だってことなのかなと。

 

映像の色合いも終始日陰感が強くジメジメとした空気を色でうまく表現しています。それと対比するように人肌は温かい。

取調室もものすごく暗くすることで彼らを法が追い込んでいるような感じにさせてます。

 

この家族は何で繋がっているのか。愛か、血か、ウソか、それとも金なのか。

一筋縄ではないかない絆にどう思うか考えさせられる作品だったのではないでしょうか。

とりあえずこれから見る方は、決して自分の正しさというメガネで見ないことを薦めます。なんというか、単純に切り捨てることができないんですよ。もちろんそういう意見も無視はできないんですけども。

あ~モヤモヤする。誰かと語りたい。そんな気分です。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆☆★★8/10

映画「30年後の同窓会」感想ネタバレあり解説 いくつになってもバカ騒ぎ出来る友が欲しくなる作品。

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6月8日

30年後の同窓会

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 同窓会。

あってもいきません。

というかあったのも知りません。

何やら当時仲のよかったグループか集まって催してるってのは聞きましたが、それを僕の中では同窓会と呼びたくない。ただの集まり。

今じゃLINEでパパッと連絡まわして参加を募るみたいですが、それでは全員に連絡いかんだろう。

ちゃんと幹事がしっかり実家の住所調べて葉書で全員に連絡するのが筋だろう。

 

 とか何とかいちゃもんつけてますが、俺に連絡ない時点でハブられてるし、それ以前に会いたい気持ちなどこれっぽっちもないし、ただの僻みやっかみなのでほっといてください。

 

というわけで今回はそんな僕とは無縁の「同窓会」と題したお話。

再会のほうがしっくり来るんですが。

さすがにまだ30年ぶりに再会するような友人や同級生など現れてないし、そんなヤツに腹割ってあれこれしゃべったり悩みを打ち明けたり頼ったりするほど本性は明かさないのですが、この先生きていく上でどうなるかわかりませんから、そういう意味でもこの物語に浸れたらと思います。

なんか冒頭からオレの文章冷たいなぁw

 

というわけで早速観賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 

「さらば冬のかもめ」で有名な小説家ダリル・ポニックサンが発表した「Last Flag Flying」を、「6才のボクが、大人になるまで」やビフォアシリーズでお馴染みのリチャード・リンクレイター監督が12年間暖めて企画し、ポニックサンと共同で脚本を手がけた作品。

 

かつてベトナム戦争で共に戦った3人。酸いも甘いも経験し大人になった彼らが30年ぶりに再会し、親友の息子の遺体を連れ帰る旅に出る様子を、苦しみに向き合いつつも仲間とのユーモラスな会話をベースに描いたロードームービー。

現在と当時で起きた戦争での拭いきれない喪失感を、仲間との旅路で癒していき、やがて心を再生していき、人生の新たなる出発へと向かっていく。

 

30年ぶりの再会にもかかわらず一瞬にして当時の関係性を取り戻した3人を、リアル且つ緻密に作り上げるため3週間のリハーサルを敢行したようで、作品の中で大きな役割を担う3人の距離感が伝わる映画へと完成させた。

 

Last Flag Flying

Last Flag Flying

 

 

 

 

 

あらすじ

 

男一人、酒浸りになりながらバーを営むサル(ブライアン・クランストン)と、破天荒だったミューラー(ローレンス・フィッシュバーン)の元に、30年間音信不通だった旧友のドク(スティーヴ・カレル)が突然現れる。


2人にドクは、1年前に妻に先立たれたこと、そして2日前に遠い地で息子が戦死したことを2人に打ち明け、亡くなった息子を故郷に連れ帰る旅への同行を依頼する。


バージニア州ノーフォークから出発した彼らの旅は、時にテロリストに間違われるなどのトラブルに見舞われながら、故郷のポーツマスへと向かう――。


30年前に起きた悲しい出来事をきっかけに出た再会の旅。語り合い、笑い合って悩みを打ち明ける旅路で、3人の人生が再び輝き出す。(HPより抜粋)

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監督

今作を手がけたのはリチャード・リンクレイター。

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インディペンデント映画の雄、リンクレイター監督。

一夜限りの恋に落ちた男女の再会を3作にわたって描いたビフォアシリーズ。一人の少年の大人になるまでの成長を同じキャストで描いた「6才のボクが大人になるまで」、そして大学入学直前の野球部の寮に入った主人公中心に、ひたすら遊び倒す3日間を描いた「エブリバディ・ウォンツ・サム!!~世界はボクらの手の中に~」など、長きに渡って根気よく撮影をし、作り続けることで生まれるリアリティや、ほんの僅かな時間でのひと時にフォーカスをあてた作品だったりと、時の流れの残酷さと美しさをベースに作っているように思えます。

 

今回も30年ぶりに再会した男3人の物語ということで、過去での悲しい出来事に向き合い、現実も乗り越え、その先の姿を見据えていくような作品なんだろうと。

 

監督に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

キャスト

 

妻に先立たれ、息子も亡くしてしまった失意の主人公、ラリー・“ドク”・シェパードを演じるのはスティーヴ・カレル。

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コメディ俳優の印象が強かった彼ですが、「フォックスキャッチャー」以降コメディ映画に出ていないのがちょっとさみしい。

今作も完全に落ち込んでいる役柄なので、彼の持ち味であるユニークな面が見られるかなぁ。

モンキー的には彼の次回作である「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」のほうも楽しみなので期待したいですね。

 

彼に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

飲んだくれのバー経営店主・サル・ニーロン役に、「トランボ/ハリウッドに最も嫌われた男」、「パワーレンジャー」、そして「犬ヶ島」で声の出演もしているブライアン・クランストン。

破天荒ながら現在牧師のリチャード・ミューラー役に、「マン・オブ・スティール」、「ボビー・フィッシャーを探して」、そして「マトリックス」ノモーフィアス役でお馴染みローレンス・フィッシュバーン。

ラリーの息子の友人ワシントン役に、監督の前作「エヴィリバディ・ウォンツ・サム~世界はボクらの手の中に~」で映画デビューしたJ・クイントン・ジョンソンなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悲劇によって集った3人が、旅路の果てで得たものは何なのか。また、再会した3人がどんなたびを送るのか。どうやら湿っぽいだけではなさそうですね。やんちゃするのかな?

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

感想

何のための戦争だったのか。

反戦のメッセージを下敷きにしながらも、かつての友との再会によってバカ騒ぎしながら、これからを見つめていくロードムービー!

ただちょっと単調過ぎて眠気が・・・。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かつてを思い出し、今を生きる。

イラク戦争時の2003年を舞台に、ベトナム戦争で苦楽を共にした3人が、息子の遺体を持ち帰り埋葬するまでの道中で、かつての戦争から抜け出そうとするもの、未だ引きづっているもの、家族を亡くした者の3人の登場人物が、神父と無神論者との立ち位置を踏まえて、当時を思い出しながらのバカ騒ぎする掛け合い、戦争でどのように死のうがそれはヒーローなのかという問題提起、そして本当に3人が昔から仲が良く思えてしまうほど緻密でユーモアに富んだ会話で進んでいくロードムービー。

 

一切の回想シーンを入れず当時の状況を会話で語ることで、彼らがどれだけ国のために戦い、若気の至りをしたのかが伝わるのがうまく、また行きよりも帰りの方が長いということが、彼らがあの頃に戻る意味にも見える、監督の脚本が素晴らしい。

 

やはり今作も30年ぶりに出会った中年3人が当時を思い出しながら、仲を取り戻していき、過去の反省をしていく姿が、時の流れの残酷さと美しさを描いており、時は流れても再会すれば一瞬であの頃に戻れる楽しさを映しながら、かつての戦争がそれだけではなかったことをしっかり会話の中で表現しているのはさすがでした。

 

しかしながら物語は大きな転換点がなく、やや単調で綴られていくせいもあって、いや作品のせいにしちゃあいかん、僕のコンディションのせいです、ちょっと眠気が襲ってきて会話が頭に入ってこなく・・・。

中盤はごっそりっとまではいってませんが、ちょっと覚えてません・・・。

 

アマゾンスタジオなので、近いうちにプライムビデオで見れるでしょうから、その時にリベンジしたいと思っております。はい。

 

中年のバカ騒ぎ

劇中では、妻に先立たれたあげく2日前に息子を亡くしたラリーが意気消沈している状態、未だベトナム戦争を引きずりアル中で神など信じないバー経営者サル、ベトナム戦争を忘れるために神父になり、当時のキレっぷりが全くなくなったミューラーと、きちんとおキャラ設定ができております。

 

基本道中では、無神経ながらも筋の通ったサルの行動や言動に、ミューラーが神父としての立ち位置でたしなめ、そのやり取りを見てほほ笑んでいるラリーという画が前半続きます。

 

息子の遺体を回収するシーンでは、大佐が立場的に頑なに彼は国の英雄の一点張りでなかなか本当の死因を話さないんだけど、そこに一緒にいたワシントンにサルが詰め寄ると、戦闘中の死ではなく、パシリに行った際に狙われたことを知る。

ここでもやはりサルが、ジャブをかます度にミューラーが止めろと制止。

本当の事を教えてもらい、ラリーに話そうとするとこれまたミューラーが制止。

だったらと筋を通してラリーに教えるという件が、彼らの性格などを表していたように思えます。

 

最初こそ久々の再会、というかなぜ彼らがベトナム戦争から会わなかったのかという部分が明かされぬまま進み、若干ギクシャクしていますが、そこはサルのぶっ飛んだ性格で徐々に距離を詰めていくんですね。

気が付けばみんな当時の関係に戻り、戦争時のやんちゃぶりや下ネタなどに花を咲かせ、いい年した大人たちがバカ騒ぎする姿は癒されます。

 

特に携帯電話を購入するシーンは素敵でした。みんなで買ってさ、電話しまくろうぜ!!だって無料なんだからさぁ!とはしゃぐサルにラリーが乗っかる、早くしないと電車に乗り遅れるから!あ~わかった!買えばいいんだろ!って掛け合いがこの物語でいちばん印象に残るシーンでした。

その後も俺は神だ!と目の前にいるミューラーに向かって電話をかけしゃべるサル。

これは別れた後もきっとこの手の電話をかけまくるんだろうなw

楽しいおっさんだw

 

 

きっとラリーはあの時のように、彼らと過ごすことで笑顔を取り戻せるんじゃないか、そんな風に考えたのではないでしょうか。

結果彼らと行動を共にしたことでかつての関係が蘇り、またかつてしでかしてしまったことへの反省と懺悔をすることで精算していく。

自分が前に進むためには、彼らが必要だったというのが、最後のシーンで感じたことです。

 

もし自分も歳をとって悲劇に見舞われたら、当時を懐かしみながら旅をしてくれる友人はいるのだろうか。彼らの掛け合いを見たらそんなことを考えてしまいました。

 

最後に

何のための戦争なのか。何のための戦いだったのか。

無心で国のために尽くした戦いは、あとになって何の意味もなかったことに気付き、大きなトラウマだけが残った状態。

恐らく軍人になった者やその家族には、そんな辛い部分を抱えながら生きているのでしょう。

戦争によって生まれた悲劇を抱えて生きている人に焦点を充て問題を浮き彫りにし反戦を訴えながらも、友情の素晴らしさをユーモア満載で描いた映画でございました。

 

しかしまぁひたすら会話なのがちょっときつかったんですよねぇ。正直そこまで笑えなかったのもある。

文章量がいつもよりかなり少ないのがその証拠ですw

要はつまらなかったわけじゃない。眠かったのだ。コンディションが良くなかった自分が悪いのだ。映画のせいではない。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

映画「ワンダー/君は太陽」感想ネタバレあり解説 下ばかり向いていないで見上げてごらん。

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6月15日

ワンダー/君は太陽

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TOHOシネマズで映画を見るとやたら流れるこの映画の予告。

閑散期に入る6月で推せる作品がないのか、はたまた俺が思っている以上にこの映画がワンダーなのか。

とりあえず、主人公を演じるのがあの「ルーム」の子役の男の子というだけで、お芝居に関してはきっと最高にうまいんだろうし、きっと彼を見て泣いてしまう、感動してしまうことは何度も何度も劇場画見る予告を見れば約束されているにちがいない。

 ずっと宇宙飛行士のヘルメットを被って生活している男の子。

将来の夢や成長は他の子達と同じ普通の子なんだけど、どうやら見た目が違うようで、人と異なる顔で生まれてしまったそう。

 

いや俺もよ?

正直イケてない顔よ?

学生の頃からラブレターのひとつももらった試しねえっぺよ?

告られたこともねえっぺよ?

鼻もでかくてちょっとしゃくれてて芋みたいな顔でさ。東京きたって未だ垢抜けてねえんだからよ?

コンパ行っても成果なんかねえ!

それでも踏ん張って生きてんよ?

人と違う顔だからってぇ、何もヘルメット被らなくても・・・って、あぁ・・・そうか、ごめん。

私の悩みなど彼に比べたら鼻くそ以下でした。

 

 

初めて出る外の世界で彼に待ち受ける試練とやがて訪れる奇跡とはどんなものなのか。

僕も彼のワンダーな体験を見るため早速いってまいりました!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 

元グラフィックデザイナーのR・J・パラシオが初めて書いた小説「ワンダー」が全世界で800万部を突破し、映画権を巡っての大争奪戦の結果、「美女と野獣」のプロデューサーが見事獲得、映画へと実現した。

 

顔に疾患のある少年が、5年生にして初めて学校へ行くことで起きる様々な困難の連続に立ち向かいながらも、周りの生徒が彼の魅力に徐々に気づき、やがて忘れられない出来事が待ち受ける、主人公とその家族のワンダーな心の旅です。

 

 

ワンダー Wonder

ワンダー Wonder

 
もうひとつのワンダー

もうひとつのワンダー

 

 

 

 あらすじ

 

 

オギーは10歳、普通の子じゃない

10歳のオギー・プルマン(ジェイコブ・トレンブレイ)は、普通の子には見えない。遺伝子の疾患で、人とは違う顔で生まれてきたのだ。

27回もの手術を受けたせいで、一度も学校へ通わずに自宅学習を続けてきたオギーだが、母親のイザベル(ジュリア・ロバーツ)は夫のネート(オーウェン・ウィルソン)の「まだ早い」という反対を押し切って、オギーを5年生の初日から学校に行かせようと決意する。

 

 夏休みの間に、オギーはイザベルに連れられて、校長先生に会いに行く。先生の名前はトゥシュマン(マンディ・パティンキン)、「おケツ校長だ」と自己紹介されて、少し緊張がほぐれるオギー。だが、「生徒が学校を案内するよ」と言われたオギーは動揺する。

 紹介されたのは、ジャック・ウィル(ノア・ジュプ)、ジュリアン(ブライス・カイザー)、シャーロット(エル・マッキノン)の3人。いかにもお金持ちの子のジュリアンはオギーに、「その顔は?」と聞いてきた。オギーは毅然とした態度をとるが、帰宅してからは元気がなかった。だが、イヤならやめてもいいと言いかけるイザベルに、「大丈夫、僕は行きたい」と答えるのだった。

 

学校というまだ見ぬ宇宙へ

 初登校の日、両親と姉のヴィア(イザベラ・ヴィドヴィッチ)に校門まで送られるオギー。ネートは息子の頭から宇宙飛行士のヘルメットを外すと、「孤立してもお前は一人じゃない」と励ます。だが、生徒たちはオギーを遠巻きにしながらジロジロと眺め、ランチタイムでは誰もオギーのテーブルに座らない。それどころか、ジュリアンに食べ方がおかしいと指摘され、『スター・ウォーズ』のパダワンを真似た三つ編みを「ダサいぜ」とバカにされる。

 

 帰宅するなり三つ編みをはさみで切り、夕食の席でヘルメットをかぶったまま黙りこくるオギー。たしなめるイザベルにオギーは、「なぜ僕は醜いの?」と涙ながら訴える。イザベルは「顔は人の過去を示す地図」だから、「あなたは絶対に醜くないわ」とキッパリと答えるのだった。

 

オギーという太陽の周りの、家族という惑星

その日は、ヴィアの高校の初日でもあった。数週間前から、幼なじみで大親友のミランダ(ダニエル・ローズ・ラッセル)からの連絡が途絶え、ようやく学校で顔を合わせたら、髪を派手に染めて変身し、新しい友達を作っていた。ショックで涙ぐんでいると、演劇クラスのジャスティン(ナジ・ジーター)という魅力的な男の子から声をかけられる。
 

だが、両親から“世界一手のかからない子”と呼ばれているヴィアは、心配をかけるようなことは何一つ話さない。本当は自分にも注目してほしいけれど、絵本のイラストレーターと美術の先生になる夢を封印している母に、甘えることなどできなかった。

そんなヴィアの心の支えは、最大の理解者のおばあちゃん(ソニア・ブラガ)だった。でも、「お前は私の宝物なの」と言ってくれたおばあちゃんも、今では天国の住人だ。

 

オギーによって変わり始めた世界

 一方、オギーは触れたらペストがうつると噂されて増々孤立していくが、得意な理科の授業で目覚ましい才能を発揮する。ある日、ジャックに理科の小テストの答えをこっそり教えてあげたことをきっかけに、二人は意気投合する。オギーの自宅に招かれたジャックは、息子の初めての友達を大歓迎する家族とも仲よくなっていく。
 

そして、オギーが心待ちにしていたハロウィンがやって来る。ジャックに約束していた『スター・ウォーズ』のボバ・フェットの衣装を愛犬のデイジーに汚されたオギーは、『スクリーム』のゴースト・フェイスで登校したので誰もオギーと気付かない。ウキウキしながら教室へ行くと、ジャックがジュリアンに耳を疑う“本音”を打ち明けていた。

 

 でも、オギーはもう一人じゃない。頭がよくて面白くて、前向きで優しいオギーの魅力に気付く生徒たちが現れ始めたのだ。オギーの存在の大きさに気付いたジャックとも劇的な仲直りを果たすが、理科研究大会に野外学習、ヴィアの演劇発表会とイベントの度に騒動が巻き起こる。  
 オギーと彼に関わるすべての人にとって、忘れ難い1年が終わろうとしていた。そして修了式の日、一生忘れられない出来事が彼らを待っていた─。(HPより抜粋)

 

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監督

今作を手がけたのはスティーヴン・チョボスキー

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まだ今作が2作目という短いキャリアですが、、ミュージカル映画「RENT/レント」や今作までに去年大ヒットした映画「美女と野獣」の脚本を手がけており、呪いによって醜い姿になってしまった野獣を扱ったことから、今回の作品にも何か通じるものがあるかもしれません。

 

そんな監督は小説を執筆した後、作品として手がけた「ウォールフラワー」で高い評価を得ます。

 

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 壁の花の絵のように、息を潜めるように学園生活を送っていた主人公の前に、一組の兄妹との出会いをきっかけに、今までくすんでいた世界が輝き始めるも、ほろ苦い顛末を綴った青春映画です。

劇中で流れる音楽に当時の記憶を蘇らせ懐かしむ人も多いといわれるこの映画は、それぞれの人物が過去に傷を負っていて、それを隠しながら生きているんですが、紆余曲折を経て乗り越えていく姿は、正に青春映画の王道とも言うべき作品だと思います。

 

 

 

キャスト

主人公の少年オギーを演じるのは、ジェイコブ・トレンブレイ。

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監禁された部屋で子を身篭り育てる母親とその息子の物語「ルーム」で大ブレイクを果たしたジェイコブ君。

 

www.monkey1119.com

 

先日、今作のプロモーションで来日した際、同時期に「デッドプール2」ジャパンプレミアで日本にいたライアン・レイノルズを探している姿がインスタグラムで写っており、その結果見事に彼に会う事に成功したようです。

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次回作は若き天才監督グザヴィエ・ドランの作品「The Death and Life of john F.Donovan」、そしてあの「プレデター」の新作映画に出演とのこと。

 

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

オギーの母、イザベル役に、「プリティ・ウーマン」、「8月の家族たち」、「食べて、祈って、恋をして」のジュリア・ロバーツ。

オギーの父、ネート役に、「ザ・ロイヤルテネンバウムズ」、「ナイトミュージアム」、「ミッドナイト・イン・パリ」のオーウェン・ウィルソン。

学校の校長トゥシュマン先生役に、TVドラマ「シカゴ・ホープ」、「クリミナル・マインド/FBI行動分析課」のマンディ・パティンキン。

英語教師ブラウン先生役に、Netfrixドラマ「ゲットダウン」に出演していたダヴィード・ディグスなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

普通じゃないことに怯えていた彼に、どんな試練と奇跡が待ち受けているのか。

そして彼がどんな感動を僕らに与えてくれるのか。

ここから観賞後の感想です!!

 

 

感想

我慢してたけど・・・やっぱり涙が止まらない!!

オギーと彼を囲む人たちの、様々な葛藤と勇気を描いた涙なしでは見られない感動映画でした!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

序盤から涙が溢れる。

5年生になったオギーの入学と彼の学校生活での孤立から少しづつ育まれていく友情を軸に、人と関わる上で何が大事かを優しい筆致で説くとともに、彼の周囲の人物もまた何かを抱え生きている描写も同時進行で描くことで、いかにオギーの影響が強いか、いかに一歩踏み込む勇気が大変か、また踏み出したことでどれだけ素晴らしい世界が待っているかを描いたとてもとても素敵なお話でございました。

 

普通の顔でないせいで、今まで外の世界に触れることなく自宅学習をしていたオギーの前に訪れた試練。それは学校に行くこと。

親の立場からすれば、これからもずっとこんな生活をしていくことが決して良くないことだって思うはず。今の彼にとってはいいかもしれないけどこの先の人生を考えたらどっかで決断しなければならない。

辛いことから避けてばかりの人生ではきっとダメになってしまう。

外の世界ではどうしても冷たい視線を受けるけど、きっとそれ以上にステキなことが待っている、そう信じて決断したのでしょう。

 

でも、オギーの気持ちになって考えたら相当な怖さだったと思います。

いろんな人からじろじろ見られてひそひそ話をされ、そんな光景を見ればみんな僕を見て気持ち悪いって言ってるに違いないって感じるのは容易で、息苦しくなるスクールライフになることは間違いないと。

やっぱり思ってたことは現実に起きて、みんなジロジロみる、後ろ指さす、好奇心を隠さずにいられない。

結果面白がられからかわれ異物扱いされ、それを排除しようと攻撃をする。

 

初めての登校日その被害者となってしまったオギーは塞ぎ込んでしまうんだけど、お母さんがいいこと言うんですよ。

顔はその人の過去を示す地図で、心はその人の未来を示す地図。

所詮顔なんて過去でしかないと。心を見てもらうように、また心を見る目を持つことが大事だと。

 

もう目頭が熱くなる言葉でした。

 

 

予告編を見る限り、これ絶対泣くんだろうなぁなんて思ってたので、変な意地で泣いてたまるか!なんて気持ちで臨んだんですが、序盤からこんな感じでやっぱり涙をこらえることができませんでした。

どのエピソードにもステキなセリフがあり、ステキな出会いや友情、心温まるエピソードが詰まっており、またオギーが入学してからの1年を描いていることもあり、ステキなことばかりじゃない悲しい出来事もあり、大袈裟かもしれないけど10分に1度は泣いていたような気がします。

 

やっぱりね、子供たちが中心のお話はどうしたって泣いちゃいますよ。なんででしょうね。みんなピュアだからかな。無邪気だからかな。悪いことしてもすぐ反省して仲直りするからかな。

 

 

 

那由多に広がる宇宙、その中心は小さな君。

オギーがみんなと違うのは顔だけなんですよね。

それ以外は普通の男の子でスターウォーズやゲームが大好きでユーモアだってあるし、勉強だってできる。

だけど学校の子たちはすぐそれに気づかない。どうしたって顔が普通の人と違うからそれだけで判断してしまう。ピュアゆえの行いというか。善悪の分別がついていないからなのか。

そんな完全アウェイ状態のオギーが、ちょっとした出来事をきっかけにみんなと距離を縮めていくことで、最後彼にとってとても大きな奇跡が生まれていくんですね。

 

 

最初は理科のテスト。

オギーは宇宙飛行士になりたい夢を持っているため、理科が大好きなんですね。だから彼が学校で一番楽しみにしていたことは理科の授業。

いくら自宅学習していても、実験とかはさすがに自宅でできないですからね。

その小テストで、オギーは隣に座っていたジャックにテストの答えを見せてあげるんですね。

それをきっかけにオギーとジャックは仲を深めていきます。

もうすぐ訪れるハロウィンの仮装で盛り上がったり、オギーの家でスターウォーズごっこをしたり、お父さんも混ざってゲームに没頭したり。

 

オギーにとって初めての友達。みんな自分から遠ざかっていたのに彼は受け入れてくれた。

誰も自分の事を理解してくれなくて孤立している時に、手を差し伸べてくれた人と心で通じ合えた時の喜びの瞬間て、なんで今まであんな塞ぎ込んでいたんだろうって、世界って素晴らしいなって、いつも同じ帰り道が違って見えた・・・(春樹先輩)って思えますよね。

 

ただジャックとはすれ違いが生じてしまって距離を置くことになるんですが、少しづつクラスの子たちが彼の良さに気付いていくんですよね。

気づけばいじめてた奴まで彼を受け入れていくという。

 

それもこれもオギーがいじめられているからといって心をふさぐことをせず他者を受け入れたからであり、彼が恐れることなく行動した結果によって、最終的には太陽のような存在になると。

 

君は太陽っていうタイトルがついている通り、彼は正に太陽系の中心にいるような存在で、みんなと違いハンディキャップを持っているから、家族はオギーが傷つかないように沢山愛を注ぐ。

で、オギーもたくさん愛情を注がれているから、彼が笑うことで家の中がとてもハッピーになる。

それは学校に行っても同じで彼がみんなを驚かせるようなことをすれば、その輪が広がっていきみんな笑顔になっていく。

彼が光を絶やすことなく放てば誰もが暖かな気持ちになれる。

 

だから君は太陽ってのが凄くピッタリな映画だったと思います。

 

オギーだけじゃない。

主役はもちろんオギーであって、彼が学校でどんな辛い目に遭いながらも、その人柄ともともと持っていた才能、一歩踏み出す勇気によって素晴らしい1年になっていくって話なんですが、今作は彼以外にもフォーカスが当てられているんですね。

 

 

まず一つはお姉ちゃんのヴィア。

いつだって家族の中心はオギー。なんでってそれはもちろん彼が普通とは違う分両親や自分は最善の配慮とケアを心掛けなきゃいけない。

何かあれば真っ先にオギーの事を考える。それは彼が生まれてからずっとのこと。

でもお姉ちゃんもまだ高校生であり、子供なのです。

親からの愛情が欲しいのです。

 

でもオギーが最優先だから小さいころから我慢してきた。親に迷惑かけてはいけない一心で、オギーが入院したりすれば待合室で勉強したりしていた。

そんなお姉ちゃんの唯一の心の拠り所はおばあちゃん。

いつだっておばあちゃんはお姉ちゃんの味方でした。おばあちゃんはわかっていたのです。彼女がオギーのせいで犠牲になっていることを。

だけどおばあちゃんが亡くなってからは、再び自分を抑えての生活。

だからと言って両親からの愛情を独り占めするオギーを憎んだりしない。だってオギーは唯一の弟で自分が望んでいた兄弟で、心から愛しているから。

 

オギーが入学する日は、お姉ちゃんにとっても新しい日々の始まりでした。

お姉ちゃんには、おばあちゃんと同じように彼女にとって大切な存在である親友のミランダがいました。

ですが、彼女がサマーキャンプに行ったきり連絡が途絶え、久々にあったかと思えば避けられてしまい、お姉ちゃんは戸惑ってしまいます。

そのことを家族に話したかったけど、家に帰ればそれどころじゃない。オギーの初日が散々だったことから食卓は暗いムード。とても自分の事を話せる状況じゃない。

 

お姉ちゃんは演劇サークルに入ってみることを決めましたが、そこにはミランダがいました。ですが今までとは違い距離をとる日々。

練習でもこれまで自分を抑えてきたことに慣れていて、自己アピールすらできない状態。

でも、そんな彼女をほおっておけない人物が現れ、その彼と恋仲になっていくのです。

 

 

その仲睦まじい姿を見てる女性が一人。

それがお姉ちゃんの親友だったミランダでした。

正直彼女が登場した時、いやな印象でしかなかったですね。

今まで仲良かったのに急に距離を取って別の女の子たちと仲良くなるって現場、僕が小学校の頃でもありましたよ。

何が原因かわかりませんけど女同士色んなことがあったんでしょう。

先日鑑賞した「レディ・バード」でもありましたね。親友とずっと一緒だったけど、彼氏の付き合いでスクールカーストでいう上の人たちと仲良くなって、親友と距離を取ってしまう。

 

劇中でお姉ちゃんのヴィアも言ってましたけど、人は変わるの、と。

ジャックから聞きたくない事を聞いてショックを受けていたオギーにヴィアはそう語るんですよね。そんなの外の世界じゃ当たり前だと。確かに辛いことだけどしょうがないのと。

だからくよくよしてないで傷ついた者同士楽しみましょと。

 

話がそれましたが、ミランダにも実はヴィアと距離を取ったのには深い理由があったんですね。

今までは家族ぐるみの付き合いだった。オギーにヘルメットをプレゼントしたのも実はミランダだったんですね。

だけど自分の家の中がどんどん悪い方向へいき、気分を変えるためにサマーキャンプに赴いたわけです。

そこで話したことは自分の実生活でなく、親友のヴィアの家の事。

そう、彼女は別の人間に成りすますことで現実から目を背けて過ごすことを決めたのです。

しかしそれはそう長くは続かない。ヴィアに彼氏ができ楽しい表情をしている彼女を見つめ、楽しそうにクリスマスの準備をしているヴィアの家を外から覗いて気づくんですね。なんてことをしてしまったのだろうと。

 

劇中でヴィアの家に電話するシーンで、オギーが電話に出るんですが、その時「トム少佐、元気?」とオギーに声かけるんですね。

このトム少佐とは、デヴィッド・ボウイの名曲「スペース・オディティ」に出てくるトム少佐の事を指していると思われます。

ヴァレリアン」でも使われてたし、「ワンダーストラック」でも使われた曲ですが、宇宙に旅立ったトム少佐と管制塔のやり取りを語ったこの歌は、宇宙空間での人間のちっぽけさに無力感を抱き、管制塔との交信を絶ち、孤独な旅に出るという内容。

これに倣ってミランダは家の中で孤独に暮らしてるであろうオギーの事をトム少佐と呼んだのだと思うんですが、電話に出たオギーの話を聞けば、離れていた間に学校に行っており友達もできたことを知り驚くんですが、そのことが彼女を余計に追い込んだのでしょう。

ヴィアという管制塔との交信を勝手に遮断し一人孤独になって過ごしている自分こそトム少佐になっていいるんではないかと。

そんなこともあってついに本音をこぼしたように思えます。

「ヴィアに伝えて、寂しいと。」と。

 

一体彼女はどうやってヴィアとの仲を取り戻すのか。それは一歩踏み出す勇気だったんですが、それは見てのお楽しみということで。

 

 

 

そしてオギーの親友ジャックにもスポットが当てられます。

入学前にジャックはオギーに学校の中を案内する役目を校長から仰せつかりました。

そこにはジャック以外に、お金持ちのジュリアン、ひたすら自分の輝かしいタレント実績を語るシャーロットもいました。

最初こそ戸惑ったものの、理科の小テストを境に友達になりますが、ハロウィンを境に距離をとられてしまいます。

彼には原因がわかりませんでした。とりあえずそっとしておこう、そんな気持ちだったのかもしれません。

 

元々彼に学校を案内するのが乗り気じゃなかったジャック。お母さんにいいように思われたいから、そんな些細なことで受けた役目が、いつしかオギーと友達になりたいと心から思うように。

どうしても学校内にはカーストができてしまいます。

奨学金をもらって学校に行ってるジャックは、金持ちでオギーをいじめるジュリアンのグループとも仲良くしなければいけない環境だったんですね。

だから彼に嫌われれば自分がハブられてしまう、本心を言えずにいたんだと思います。

 

その行いが災いを呼んでしまいます。

ハロウィンはオギーにとって顔をさらさずに楽しめる行事とあって、誰とでも気軽に接することができる絶好の機会でした。

しかしそれが裏目に出てしまいます。

マスクをかぶったゴーストフェイスがオギーだとわかっていないがゆえに、教室を訪れたオギーは、ジュリアンのグループといたジャックがオギーの顔の事をバカにしていた事を聞いてしまうんですね。

 

そのことを解らずに「なぜ?」がずっと付きまとっていたジャック。

しかし彼はその事実に気付き、理科の自由研究コンテストでオギーと組むことを決心します。

当初はジュリアンのグループと組む予定でしたが、それを覆したことでジュリアンに問い詰められます。

相変わらずオギーをいじめるジュリアンにぶち切れたジャックはジュリアンに殴りかかり停学処分を受けてしまいます。

 

今まではジュリアンに逆らうことなくオギーとも仲良くするなどしていた、いわゆるどっちもいい顔していたジャックでしたが,彼はついに決心するんですね。本当に大事な友達はどっちかを。

なぜ自分は親友だと思っているオギーをいじめる奴とつるむ必要があるのか。

 

彼もまた一歩踏み出す勇気によって本当の友情を築いていくという物語が描かれていたんですね。

 

 

このように、太陽のような存在であるオギーを取り巻く太陽系の惑星たちにもまたフォーカスしていくことで、この映画の登場人物たちが太陽によって軌道が保たれているような小さなユニバースであることを示すかのような作品で構成されているような気がします。

 

 

最後に

これは言うまでもありませんが、やはりジェイコブくん、演技うまいっす!!

何で僕は醜いの?と声を震わせていうところなんかズルいですよ。あんなふうに言われたら誰だって心つかまされるわ。

他の子役たちも非常に良かったですね。ジャック役の子は大きくなったらイケメン俳優になるようなポテンシャルがありましたね。

すごく些細な表情とかうまかったですよ。ほんとさりげなく困った表情とかあざ笑うような表情とか。日本の子役でこういうちょっと斜に構えてすかした雰囲気でありながらやんちゃで無邪気な感じの演技できる子いないですよ。

 

もちろんジュリアロバーツの優しいけど鬼の形相をするお母さんぶりもよかったし、それに怯えながらもオギーに優しく接する良きパパを演じたオーウェンウィルソンも素晴らしかった。

ヴィア役の女優さんもキレイだったなぁ。柔らかい表情がねぇすごく素敵なのです。そんな顔して泣かれたら俺ももらい泣きしちゃうよお~~(泣)

犬のディギーも可愛かったなぁ。

 

あえて不満な所を言うのであれば、色々とエピソードを詰めてしまっていて、細かい部分でいいところを殺してしまっているように感じました。

ヴィアとミランダのエピソードももっと膨らませてほしかったし、いじめっ子のジュリアンがどう改心していくかって描写ももっとあったら素晴らしかったろうにと。

その辺は原作読んでねってことですかね。

 

とにかく感動を押し付けるような描写ではなく、もう自然と涙を流してしまうようなステキなお話だったことは強く言いたいです。

ちょっとした勇気で世界は変わっていく、そんなことをオギーが、そんなことをオギーを取り巻く人たちが教えてくれる映画だったのではないでしょうか。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「オンリー・ザ・ブレイブ」感想ネタバレあり解説 山火事に立ち向かう男たちの勇姿に泣け!

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6月22日

オンリー・ザ・ブレイブ

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 日本版テーマソングがEXILEってだけで、全く見る気がしなかった映画なんですが、僕が敬愛してやまない映画ブロガーのナガさんが、やっぱり僕と同じ感覚でこの映画を見る気がなかったようなんですが、海外版予告観たら気持ち変わった!みたいなことツイートしてて。

えぇ?ほんとにぃ~??と半信半疑で見たら、あれ?面白そうじゃん!!

となりまして。

なので、6月期待の映画に入れてなかったんですが見ることに決めました。

 まぁあれですよね、山火事止める男たちの話ですよね。ざっくりw

 

これ逆に長淵剛が主題歌のほうが、見たい気が起きると思うんだけどなぁ。

「バーニンマウンテン」てタイトルの歌で。あ、ダメか、消さなきゃだもんなw

まぁいいや。

 

やっぱり火事ですからね~もんのすごい映像になってるんでしょうね~。

きっと隊員が全員助けるために逃げ遅れた人助けたと同時に、火に囲まれて動けなくなるんでしょうね~。

・・・とベタな展開だったとしても、面白そうじゃないか!

男はいつだって漢(ヒーロー)の映画に憧れるもんよ!!

 

てなわけで早速観賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

落雷や自然発火が原因で発生する山火事。広大な範囲の森林を焼き尽くすその炎は、人々が暮らす場所まで燃え広がっていく。

そんな災害を防ぐため作られた農林省のエリート精鋭部隊「ホットショット」。

ただ今回描かれるホットショットはこれとは全く違う経歴の持ち主だった。

それは地方自治体のチーム。

この物語は、そんなアメリカ史上初めてホットショットを名乗ることができた男たちがアリゾナ州で起きた巨大山火事に立ち向かうストーリー。

 

普段はどこにいてもふざけてばかりの男たちが、街の人たちを守るため、勇気だけで火の海に飛び込んでいく。

その勇姿に興奮と感動があふれ出すスペクタクルドラマです。

 

 

オンリー・ザ・ブレイブ

オンリー・ザ・ブレイブ

 

 

 

林野火災対策の解説

林野火災対策の解説

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

猛烈な勢いで山を焼き尽くす炎。

近隣住民も森に住む動物たちも一斉に逃げ出す中、炎に突入しチェーンソーで次々と木を切り倒す男たちがいる。

 

アリゾナ州プレスコット市の森林消防隊員たちだ。

火の動きを読んだ指揮官のマーシュ(ジョシュ・ブローリン)は、迎え火を焚き、火をもって火災を抑え込もうとする。だが、現場の権限を持つ米国農務省の“ホットショット(精鋭部隊)”に、「“市”レベルの消防隊員が余計な口出しをするな」と言われてしまう。


麻薬にセックスに・・・と堕落した日々を過ごしていたマクドナウ(マイルズ・テラー)は、ある日、数か月前に別れた恋人が妊娠している事を知る。

動揺し彼女に会いに行くが、「この子は私と家族で育てるから、あなたは関わらないで」と拒絶され、むしゃくしゃした勢いで駐車中の車から携帯を窃盗、その場で逮捕される。

何とか仮釈放されるも、母親に家からも追い出され、何処にも居場所が無くなったマクドナウが向かったのは、新人募集の案内を出していたマーシュ率いる森林消防隊だった。

 

採用面接中、一目でマクドナウが薬物中毒だったことを見抜くマーシュ。他の隊員が「あいつは何でも中途半端なダメな奴だ」と猛反対する中、マーシュは窃盗罪で保護観察中の彼を採用する。

「生まれたばかりの娘を幸せにしたい」、「人間として生まれ変わりたい」という決意を買ったのだ。

 

新しいメンバーも増え、またいつも通りの地獄のような訓練を始める消防員たち。

マクドナウのことを信じていなかった他の隊員たちとも、命を預け合う現場を通して次第に絆が深まっていく。

 

そんな隊員たちを誇りに思い、自分たちも“ホットショット”になりたいという夢を捨てきれないマーシュは、妻のアマンダ(ジェニファー・コネリー)に勧められ、市の消防署長で親友でもあるデュエイン(ジェフ・ブリッジス)に、自分たちのチームを“ホットショット”に認定してほしいと相談する。

地方自治体の消防隊が“ホットショット”に昇格した前例はなかったが、彼らの実力に惚れ込むデュエインに説得された市長は、審査を受けられるよう手配するのだった。

 

そんなある日、チリカウア山脈で発生した火災へ駆けつけ、まさに本番で認定審査を受けることになるマーシュたち。

強風にあおられる火災を食い止めるために、マーシュは炎の“燃料”となる木々を焼くという判断を下すが、審査官から迎え火で火事がさらに勢いを増すと静止される。

二人は激しい口論となり、マーシュは審査官に「あんたは黙ってろ!」と怒鳴ってしまう。

 

結果は、マーシュの勝利だった。マーシュを心から敬愛する副官ジェシー(ジェームズ・バッジ・デール)は、「審査がダメでも俺たちは森を救った」と誇らしげに胸を張り、隊員たちも深くうなずくのだった。

 

審査発表の日、「君たちのボスは生意気だが、君たちは最高の消防士だ」という審査官からのメッセージと共に“ホットショット”への昇格が告げられる。

 

だが、隊員たちの歓喜も束の間、愛する家族を残して火災に立ち向かう彼らを、アメリカ史上最も恐ろしい、山を飲み込むような巨大山火事が待ち受けていた──。(HPより抜粋)

 

 

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監督

今作を手がけたのはジョセフ・コシンスキー

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今回が3作目。

監督としての知名度は低いですが、過去作の名前を聞けば。あ~あれ撮った人!!となる人もきっと多いはず。

ただ僕は監督ってSF映画の人とばかり思ってたんですが、こういう映画も撮るんだなぁと。

一応これも大規模な巨編なので、そういう意味ではしっくりくるか。

 

そんな監督の過去作をご紹介。

彼が最初に手がけたのは「トロン・レガシー」。

世界初めてCGを本格導入し話題となった1982年の映画「トロン」の続編で、失踪した父が作り上げたコンピューターシステムの内部世界に入り込んだ息子が、人類の存亡を掛けて敵と戦う様を驚異の3D映像でスタイリッシュに描いています。

その後、エイリアンの侵略によって全人類が他の惑星に移住し荒廃と化した地球を舞台に、監視するため地球に残った主人公に待ち受ける数奇な運命を、これも前作同様スタイリッシュに描いた「オブリビオン」を監督しています。

 

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キャスト

街の森林消防隊員の隊長エリック・マーシュを演じるのはジョシュ・ブローリン。

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今年は「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の強敵サノスや「デッドプール2」のケーブルなど、悪役キャラばかり演じてますが、今回はモーションキャプチャなしの熱い男ということもあり、非常に素晴らしい演技を見せてくれるのではないでしょうか。

 

そんな彼の代表作を簡単にご紹介。

伝説の海賊が遺したお宝探しをする少年達の冒険活劇「グーニーズ」で、主人公の兄ブランドン役で映画デビュー。

その後数々の作品に出演を重ねていきます。

テキサスを舞台に、麻薬がらみの大金を持ち逃げした男が、容赦のない追跡に翻弄されていく姿を神話的視点も取り入れ描いた、コーエン兄弟監督のサスペンス映画「ノー・カントリー」が転機となっていきます。

 

 

その後も、第43代アメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュの半生とその人物像をシニカルに描いた伝記ドラマ「ブッシュ」、マイノリティの社会的地位向上のために奮闘した活動家の半生を描いた「ミルク」ではアカデミー賞助演男優賞にノミネート

他にも、殺された父の復讐のため2人の男を従えて荒野を駆け追跡する14歳の少女のタフな姿を描いた「トゥルー・グリット」、ロサンゼルスの街を牛耳るギャングを一掃すべく本性を隠して戦いを挑む男たちを描いた「L.A.ギャングストーリー」、麻薬撲滅の特殊チームに抜擢された正義感溢れる女性捜査官が、麻薬戦争の最前線で目の当たりにした衝撃を極限の緊張感で描いた社会サスペンス「ボーダーライン」など、渋い悪役や、正義を掲げる熱い男などを数々の作品で熱演しています。

 

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最近は「アベンジャーズ」の最大の敵サノスを演じ、CGで加工された姿とはいえ計り知れない存在感で観衆を圧倒しています。

 

待機作には「ボーダーライン」の続編「Sicario: Day of the Soldado」が控えています。

 

 

 

 

そのほかのキャストはこんな感じ。

妻と子供ために変わろうと決意する新人ブレンダン・マクドナウ役に、「セッション」、「ファンタスティック・フォー」のマイルズ・テラー。

隊長を心から尊敬する副長ジェシー・スティード役に、「ディパーテッド」、「ワールド・ウォー・Z」、そしてTVドラマ「24」シーズン3でジャックの部下チェイスを演じていたジェームズ・バッジ・デール。

マーシュの親友で市の消防署長デュエイン・スタインブリンク役に、「最後の追跡」、「クレイジー・ハート」、「キングスマン/ゴールデン・サークル」のジェフ・ブリッジス。

隊員クリストファー・マッケンジー役に、「バトルシップ」、「ローン・サバイバー」、「野蛮なやつら/SAVAGES」のテイラー・キッチュ

マーシュの妻アマンダ役に、「ビューティフル・マインド」、「ブラッド・ダイヤモンド」、「スパイダーマン・ホームカミング」でピーターのスーツのAIであるカレンの声も担当したジェニファー・コネリーなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

一体どんなドラマが描かれているのか、そしてどれだけの規模の炎がスクリーンを埋めるのか、そんなところに注目したい思います。

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

な、な、なんて衝撃!!!

山火事を守るため命を賭けて戦った男たちの勇姿と、それに立ち向かうための葛藤を渋く熱く大スケールで画が言いた力作でした!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

命を賭けるために。

街の消防団員たちが森林と市民と町を守るために精鋭部隊として訓練と鍛錬を重ねていく姿と、集団で行動を共にしていく上で紡がれていく絆、その使命を全うする上で迫ってくる大きな葛藤にフォーカスをあてた本作。

 

山々に囲まれた大自然を大きな炎が覆うスケールは迫力満点であり、彼らがどうこの大きな災害を食い止めるかというワクワク感とは裏腹に、危険を顧みず立ち向かうも死と隣り合わせでいるという現実を突き付けてくる。

 

それを日常にしているがゆえに、常に勇気を振り絞って立ち向かうには守るべき者を作った状態では戦えないという覚悟を決めておきながらも、愛するもののために向き合わなければいけない問題を抱える姿を、主人公と新人を軸に物語は進んでいく。

 

 

 

今月ノーマークだった今作ですが、正直見てよかったというのが率直な感想。

 

危険を顧みず命をかけて挑むと同時に、それ以外はやんちゃしたりバカなことしたり、ふざけ合って過ごす彼らを見る姿ってのは、ものすごく微笑ましくもあり真剣な眼差しに心が熱くなるもので、この手の作品は何度見てもいいなと。

 

集団スポーツの世界を描いた映画で、こういうのをよく見て胸が熱くなるんですが、今回はスポーツ映画のように勝利を掴むのではなく、災害を防ぐ男たちの話。

 

しかも中々触れることのない山火事ですから、どれほどの規模でどれほどの災害なのか全く予測がつかない。

 

特に小さな島国に住む私たちですから、この映画の舞台であるどこを見ても山ばかりで、しょっちゅう自然災害が起きるような場所とは無縁なわけで、そういう意味でもこの映画を新鮮に鑑賞できるのではないでしょうか。

 

そして特筆すべきなのはこれが実際にあった話を基に作られた映画であるということ。

実際に訓練に訓練を重ね地方自治体でありながら州が認める精鋭部隊になった男たちの記録をこういう形で世間に知らしめるというのはとても素晴らしいことで、あれだけの大きな炎に立ち向かっていくには、自分が思っている以上の勇気と並々ならぬ信念、そして共に戦う仲間たちとのゆるぎない絆がなければ成しえることができないということを学ばせてもらった気がします。

 

そしてこれから見る人に伝えたい。

この映画が事実に基づいた話だからと言って、見る前にその記録を調べてはいけないということを!

一応核心に触れずネタバレする感想なので、オチは伏せますがクライマックスは衝撃の一言です。

海猿と非常に似た構造を持つこの映画ですが、違うのはこの映画が彼らを称えるための記録であり、街を守った彼らを忘れないための映画だったということ。

その勇姿に涙してご覧いただければと思います。

ラストは胸が締め付けられます。

 

指揮官と新人。

今作で一番ぐっと来たのは、命を賭けて災害に挑むにはいったいどういう覚悟が必要なのかということ。

 

主人公のマーシュは、妻がいますが子を持っていません。

この部隊をホットショットにしたい一心で仕事に没頭するマーシュは、結婚した当初の約束通り子を持たないことで関係が保てると思っていました。

妻は妻で馬を保護してクライアントに売るような仕事をしており、お互いが好きなこと、やり遂げたいことをしながらもそれを尊重して暮らしているように見えました。

 

ですが、物語が進むにつれ彼らは衝突を繰り返します。

妻は結婚した当初こそマーシュとかわした約束を忠実に守っていましたが時が経つにつれて、私たちはこのまま子を持たず暮らしていく事が果たして良いことなのか悩んでいきます。

ホットショットに認定されてからも仕事漬けの毎日、たまの休みには休息するために寝てばかりの夫に徐々に苛立ちを募らせていくのです。

それでも彼が夢に見ていたホットショットなのだからと我慢してきたのでしょう。その静かな怒りが妻演じたジェニファー・コネリーの表情から読み取れるのではないでしょうか。

 

だから居眠りして事故に遭いケガを負ってもマーシュにそれを伝えなかったのは、仕事に支障をきたせないための配慮だったわけですが、あとで知らされたマーシュは感情的になってしまうわけで。

 

現場の最前線で体を張っている夫の帰りを待つ妻の気持ちがものすごく表れたエピソードですが、その妻の気持ちを感じながらも自分の仕事のためと眉間にしわを寄せるマーシュの気持ちもわからなくはありません。

もし妻の望むように子供を作ってしまうと守るものができる。

そうすると危険な場所での判断が鈍ったり、火に立ち向かう上での覚悟が揺らいでしまうことをマーシュは誰よりもわかっていたのでしょう。

 

 

それとは逆にヤク中でクズ同然だったブレンダンは、別れた彼女との間に子供ができたことを知り、みすぼらしい姿を見せたくないがために、そして娘を守るために消防隊に入り改心していくんですね。

訓練で足をひぱってばかりだった彼ですが、鬼のような指揮官の指導と、彼を茶化しながらもサポートしてくれる仲間たちのおかげで一人前となっていきます。

 

やがてその頑張りが実を結び、娘に会わせてもらうまでになりますが、ホットショットになってからの仕事は多忙を極み、山火事のシーズンともなると中々家族に会えないことが続いていくことで、幼い娘は父親の顔を忘れてしまい抱っこしても泣いてしまうばかり。

そしてガラガラヘビに足を噛まれ入院した時に彼はある事に気付いていくんですね。

家族を守るためと命を張って頑張ってきた仕事。

でもそれは帰って心配させてばかりなのではないだろうかと。

 

このように二人の対照的な人物によって、命を賭けて挑む仕事によって起こる問題や葛藤などをしっかり捉えていて、色々考えさせられる部分でもありました。

守るべきものがいるから戦える、と思っているマーシュと、守るものがいると意志が弱くなり戦えなくなってくると感じてしまうブレンダン。

2人はそのことで衝突しますが、それはマーシュがブレンダンを過去の自分と重ねたことで理由が見えてきます。

結果マーシュはこの問題にどんな答えを出すのか。やっぱりそうだよね、と感じたエピソードでした。

 

ブレンダンとマックの友情

今作は常にシリアスなことばかりが描かれてるわけではありません。

山火事に立ち向かっているとき以外は、この精鋭部隊は基本バカなことばかりしています。

バカなことといってもハメを外したり人様に迷惑をかけるような行為ではなく、男同士でじゃれ合うような、部活動とか男子校のノリとかあの感じです。

 

例えば防火テントを急速で用意し身を防ぐ訓練で、名前の書かれた靴下を放り投げてふざけたり、

その靴下の応用でマックの背中にマックの名前の書かれた靴下を貼り付け恥をかかせるバーデの件、

ヘリに乗る際ブレンダンのヘルメットの顎紐がなく、それが無いとヘリに搭乗できないからとガムテープでぐるぐる巻きにしてヘルメットを固定させ、ヘリに乗るんですが、実は顎紐はあらかじめ仲間がいたずらで取っておいたことが分かり、中指を立てるというおふざけ、

災害区域へ移動するバスの中でゴリゴリのハードロックをみんなで歌い騒ぎ、その結果ケツを出すなどといった光景が多々描かれています。

 

その中で、一番の友情を築いていくのが新人のブレンダンと、彼と当時救命士の資格を取る際に同じクラスだった先輩のマックです。

 

街で噂のヤク中だったブレンダンは、空きができた消防隊に志願する際、マックにあれこれヤジを言われます。

面接に合格しジョギングに参加する際、靴がなくマックの新品の靴を借りて走ることに。

おニューの靴を埃まみれにされるのを嫌がり、貸すのを拒んだマックですが指揮官命令で結局貸すことに。

結果、みんなとは遅れてのゴールでしたが、しっかり折り返し地点をお写真に収めちゃんと走ったことを伝えたガッツに、マックは少しばかり彼の見る目が変わっていきます。

しかし訓練でヘマばかりするブレンダンをいじります。足を引っ張るなよ、とか、家族の事をなじったり。

さすがに家族の事には頭の来たブレンダンは殴りかかりますが、指揮官の言葉で我に返り、淡々と腕立て100回の罰をこなします。

 

当初はお互いが嫌な間柄でしたが、マックが彼女の浮気によって家を出ることにナタのを境に同居することになり、彼らの関係が良好になっていくんですね。

ブレンダンの娘が初めてお泊りする際には、マックは赤ちゃんの事を第一に考え家を軽く内装したり、娘が夜に急に高熱を出した際には、近くの店で体温計を買ってくる献身ぶり。

ただ買ってきた体温計が口に入れるタイプではなく、肛門に射して計るタイプというオチw

ガラガラヘビに噛まれた時も、仕事からそのまま彼のお見舞いに来てはいびきをかいて寝てしまい、ブレンダンから臭いしいびきうるさいから帰ってくれと言われてしまいますが、これってマックはマックで心配で病院に駆けつけたことがわかるし、ブレンダンもブレンダンで、彼があまりにも疲れてるから、俺は大丈夫だからかえって疲れを癒せと言っているように見える光景でしたね。

お土産で蛇のオモチャを持ってくるいたずら心は、ついつい笑えてしまいます。

 

このようにいつの間にか彼らの間にはわだかまりは無くなり、仲間として関係を築いていくまでになってくんですね。

サイドストーリーではありますが、こういった友情のエピソードも見逃すことができない作品となっていました。

 

 

 

最後に

ちゃっかりプチ「クレイジー・ハート」をやってくれるジェフ・ブリッジスが、影でマーシュを支えるサポートぶりも観てて微笑ましいし、久々に見たジェニファー・コネリーの美しさがたまりません。馬にまたぐ姿がステキです。

 

火事を消すには水ももちろん大事ですが、彼らがやることは一面に広がる美しい山々に生える木々たちが火が起きれば格好の燃料源であるという美しいくも恐ろしい存在であるということを理解し、そしてその被害を町にまで広げないために、火を起こして燃料源を絶つことで延焼を食い止める仕事なんですね。

火には火を、ってやつです。

 

そしてそんな美しくも恐ろしいものに魅せられ、それに立ち向かうために情熱を注いで生きてきた男の葛藤の末の決断、それにもかかわらず彼に待ち受ける大きな試練に是非胸を打たれてくれればと思います。

 

是非彼らの勇姿を称えるこの映画に涙してもらえればと思います。

なんか今日の感想、紹介文みてえだなw

というワクワクあざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「カメラを止めるな!」感想ネタバレあり解説 こんなに楽しくて笑えるゾンビ映画があっただろうか!

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6月23日

カメラを止めるな!

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名だたる映画業界の著名人の方たちが絶賛しているこの映画。

ゾンビ映画だから?B級映画だから?ワンカットだから?

とにかくすごい!面白い!と評判の映画がいよいよ公開です。

 

 いきなり私事で恐縮ですが、10年以上の付き合いになる友人が俳優やっておりまして。

先日も彼からの依頼で映画祭のコメントまで書くことになるくらい公私共にお世話になってるんですけどもw

そいつが去年からこの映画は来るぞ!!と豪語していたんですね。

 

どうやら去年この映画が期間限定で上映されたそうなんですが、もうその時点で話題沸騰だったらしく、彼も監督作品に出演したよしみで観賞したようで、とにかく面白かったと。

普段彼が薦める映画は僕好みじゃないんだけど、絶対話題になる!という熱量を感じ、ミーハーな僕も興味が湧きました。

 

だからいち早く見て欲しい、と彼から関係者向け試写に何度も誘われたんですが、時間が合わず一般公開まで待つことに。

 

商業映画に分類されているとはいえ、監督は代表作わかんないし、キャストに至っては誰?レベル。

小さな映画館の1週間限定のレイトショーでもおかしくないです。

しかし国内ではもちろん海外のファンタスティック映画祭で賞を掻っ攫っているようで、僕の興味は高まるばかりでした。

 

 徐々に拡大上映するそうですが、都内でも2ヶ所。しかも新宿と池袋だけ。

週末は混みそうだなぁと思いながらも早速観賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

監督と俳優を養成するENBUゼミナールのシネマプロジェクト第7作目となる今作。

「37分ワンシーンワンカットのゾンビサバイバル映画」を撮った人々の姿を描く。

 

短編映画であらゆる映画祭に爪あとを残してきたとされる新人監督が、無名の俳優陣をオーディションで選び、数ヶ月に及ぶリハーサル、緻密な脚本、そして37分にわたるワンカットシーンを取り入れた挑戦的で意欲的且つ野心的作品。

 

今年のゆうばりファンタスティック映画祭で観客賞を受賞後、イタリアのウディネ・ファーイースト映画祭にて観客賞2位、そして先日ブラジルで行われた南米最大級のファンタスティック映画祭「FANTASPOA 2018」のインターナショナルコンペティション部門・最優秀作品賞を受賞する快挙を成し遂げました。

 

無名の新人監督と俳優陣が作った、まだどこにもないエンタテインメントが日本国内を感染していく!!!

 

 

 

 

あらすじ

 

 

とある自主映画の撮影隊が山奥の廃墟でゾンビ映画を撮影していた。​

本物を求める監督は中々OKを出さずテイクは42テイクに達する。

 

そんな中、撮影隊に 本物のゾンビが襲いかかる!

​大喜びで撮影を続ける監督、次々とゾンビ化していく撮影隊の面々。

 

”37分ワンシーン・ワンカットで描くノンストップ・ゾンビサバイバル!”……を撮ったヤツらの話。(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

監督

今作を手がけたのは上田慎一郎

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天パと帽子がトレードマークの監督。

短編映画ではたくさんの映画祭で賞をもらうほどの方だそうなんですが、今回が初めての劇場長編映画とのこと。

 

去年新宿K’scinemaで6日間限定のイベント上映があり、今作は全てソールドアウトという異例の状態だったそうで。

冒頭でも書いたとおり、俳優やってる友人から誘われたんですが、見事に時間が合わず。

しかし1日だけ監督が約7年位前に一番最初に撮った長編映画「お米とおっぱい」を見ないか?と誘われて自主映画ってどんなもんなのか、またそういう作品を大きなスクリーンで鑑賞できるまたとない機会だったので、もっといえばそれに友人が出演してるってことで鑑賞して来ました。

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「お米」と「おっぱい」、この世からどちらか消さなければならないとしたら、あなたはどっちを選ぶか!

という議論を、わけもわからず集められた良い大人の男6人が議論する、という話。

 

僕はこの手の議論して決着をつける映画ってなんとなく「十二人の怒れる男」を思い出すんですが、あんなシリアスなものとは違い、非常にユルくて笑えるんだけど、彼らがなぜそっちを選ぶのか、なぜ頑なに主張するのかというのが、実はそれぞれが抱える闇みたいな部分から来ていること少しずつ明らかになり、最後には何故か心温まるような展開になっていくんですね。

 

パンしか食えないだとか、データで語るやつとか、早く終わりにしたくてテキトーにあしらうおっさんとか一癖も二癖もある男たちが、ああだこうだ言うわけですよ。

僕はおっぱいを残す!

バカか!米が無くなったらメシどうすんだよ!

パンがあります!

オレは朝は米しか食わねんだよ!

まぁこんな感じでやりあうわけですw

 

そもそもどうでもいい議論なのに、なんだかんだ白熱していくんですよ。この時点で面白いw

これね、女性だったらコメディになりませんよ。馬鹿な男たちが無駄にロマンを掲げたり頑固だったりするから面白いんですよね。

 

監督はこれを25歳のときに作ったそうで、その時の苦労話なんかを舞台挨拶で語った後、初めて劇場で自分の最初の作品を流せたことに感極まっておりました。

ちなみに僕の友人はパンパンに太っている上に、セリフがたどたどしくて見てられませんでしたw

 

 

あとはですね、その友人が所属する事務所が役者のPR動画として作った作品を劇場で上映する「バウムちゃんねる映画祭」というのが先日ありまして。あ、僕がコメント書いたっていう映画祭です。

せっかく書いたのでこちらも観賞させて頂いたんですね。

 

いくつもの作品の中に監督が撮影した短編映画も入っておりました。

 「ナニカの断片」という3本のオムニバス作品で、「サングラス」、「炊飯器」、「ガゼルがパインツ」の3編。

公園でベンチに座ったおっちゃんの前に現れる人たちを、ただ見てぽかぁ~んとするという内容のもの。

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日常の中で気になってない振りして聞き耳立てたり、見入っちゃったりといった人間の心理を突いた感じのテイストで、そこに明らかに日常に不自然な光景を入れることで、監督独自のユーモアが炸裂した作品でした。

 思わず何これ?wとなってしまい、面白さがジワジワ来るお話でしたね。

 

 こういった作品を作ってきた監督さんです。どんなお話になっているのか楽しみですね。

 

 

 

キャスト

 

 え~すいません誰も知らないので、配役だけで。

日暮隆之役・・・濱津隆之

日暮真央役・・・真魚(まお)

日暮晴美役・・・しゅはまはるみ

神谷和明役・・・長屋和彰

細田学役・・・細井学

山之内洋役・・・市原洋

山越俊助役・・・山崎俊太郎

古沢真一郎役・・・大沢真一郎

笹原芳子役・・・竹原芳子

吉野美紀役・・・吉田美紀

栗原綾菜役・・・合田純奈

松浦早希役・・・浅森咲希奈

松本逢花役・・・秋山ゆずき

 

 

 

 

 

 

著名人たちの絶賛コメントがほんとすごいんですよ。変な芸能人のウソ臭いコメントよりもよっぽど信頼できますw

ゾンビ映画は苦手なんですが、怖さよりも笑いのほうが多いのかな。果たして。

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

だあああああぁっ!!!

超絶面白い!ゾンビ映画の歴史を新たに塗り替えた、斬新な構造の妙!!

でもどうやって伝えたらいいかわかんねえくらいネタバレ厳禁な映画でした!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何をどう書いていいのか・・・。

とある廃墟で42テイクものカットを重ねても、中々OKを出さずイラついている監督、それにこたえようと必死でもがく俳優陣。

一時中断し談笑している一同だったが、メイク担当の女性からこの廃墟のウワサが語られた時、事件は起きてしまうのだった・・・。

 

率直な感想から申し上げますと、この映画はまず一人で見たらもったいないくらい面白かったということ。

なぜならば、場内で度重なって沸き起こる笑いによって、この映画がとんでもなく面白いという感覚が明らかに一人で見るよりも数倍膨れ上がっていく、ということは最高のいい思い出として心にのこり、素晴らしい映画体験になっていくからだ!

 

 

いきなり始まる30分長回しのゾンビ映画を見ていくと、所々「ん?」という箇所が気になり、ジワジワとこれは何かあるぞ?と思わせるような展開になっていき、やがてその疑問が「フフッ」と声に出るほどの笑いに変わっていく。

この、ふと声に出てしまった笑いが徐々に場内で派生していき、後半描かれていくその疑問の答えによって、より大きな笑いへと発展していき、最後にはなるほど~と、マジかよ!と、ハートウォーミングな結末へと流れていき、最高に楽しい作品となっていることに気付くのだ。

 

 

そして何より声を大にして言いたいのは、普段我々がシネコンなどで見る商業映画とは違い、無名の監督と役者が低予算で作ってしまっているということ。

 

知ってる役者が誰一人いない=先入観がないということであり、誰がどんな役回りなのか、とか、どういう演技をするとか事前情報もないから、そういう邪念がない状態で楽しめるということも大きな利点になっているように思います、

 

低予算という面に関しても、いかにお金をかけずにアイデア勝負しているのかというのが、見ていて気付くかと思います。

もうあれですよ、お金かけてディズニーランドに行くよりも、実は近くの公園で遊ぶ方が楽しいことだってあるという考えといいますかw

もはやゾンビ映画などありとあらゆる作品が世に出回っていますが、(とか言っときながら未だに怖くて全然見れてないモンキーですw)、やり方次第でこれだけ手あかのついた作品をこんなにも面白くできる監督の渾身のアイディアに脱帽すること間違いなしです。

 

 

あれ?なんかモンキー今回随分と遠回しに褒めてるじゃねえか、なんか歯に物が詰まったような言い方するなぁ、おいどうした?

と思ってらっしゃる方。

そうです、このブログ、いつも核心に触れずネタバレをするをモットーに感想を述べておりますが、この映画ネタバレするも何も、事の流れを語ろうものなら、それが既にネタバレになっているくらいネタバレしたら面白みが欠けてしまう作品なのです。

 

なので、まずはこの映画がどう素晴らしいのかを先に書き記そうと思い、遠回しに書いております。

ただでさえ、文才の無い頭の悪いモンキーですから、非常に今回は書くのが難しいです。

とりあえず伝えたいのは、これゾンビ映画だからって怖いのやだぁ~とか抜かしてる奴にこそ見てほしい映画ですし、役者や監督で見るか決めてる人にこそみてほしいし、たいして映画見てないくせに妙に「映画とは」を語るようなボンクラ(こ、これ僕の事ですよ!!)どもにも見てほしい映画だと思うんですよ、ええ。

 

またですね、この映画表向きはゾンビ映画になってはいますが、実はその中には、依頼されてモノづくりしている人たちには、ものすごく痛感するようなことが描かれているし、夢を諦めてしまった人への願いが叶うような仕掛けも施されているし、妥協を嫌い本物だけを追求する人が、浮かばれていくようなエピソードもあったりといったお仕事映画でもあり、その葛藤を抱いている主人公家族が鬱憤を晴らし絆を深めていくファミリー映画でもあるということなんですね。

 

もうこの映画ジャンル何よ?

といわれてもわかりませんw難しいです。でも、今こう言うの主流ですよね、ジャンルに縛られない作品作りというか。そういう意味でもトレンドにのっかった作品だったんじゃないかと。

 

 

あ―――――もう我慢できねえ!!

ここから内容に関して触れていきます。

まだ見てない人知りませんよ?

読まない方がいいですよ、楽しみにしてるなら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

知りませんよ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何かがおかしい・・・。

まぁとはいえ核心には触れませんので。

 

とりあえずですね、冒頭から廃墟での30分ワンカットのゾンビ映画が始まります。

その中で、ん?何だこれ?という箇所がたくさんあるのでそれに関して言及したいと思います。

 

 

  • なぜか趣味の話

42テイク目を取り終えても中々OKを出さない監督。

どうやら女優の演技に不満があるようで、いったん休憩をはさむことに。

2階へ上がりメイクさんとゾンビ役の男、そして主役の女優3人で談笑。

そこで、不自然な間が起き、メイクさんに趣味は何ですか?とゾンビ役の男が質問をする。

護身術を勉強しているとメイクさんはこたえるが、何のためにと聞き返すと、こういう時間に若い子に教えられるからと、どこか歯切れの悪い返答。

そして弾まない会話。

すると、この廃墟でのウワサをメイクさんが話し始める。

この廃墟は昔人体実験をしていたらしいというウワサがささやかれているそうで、実はその話には続きがある、というところで大きな物音が。

 

この辺りは序盤ということもあり、さほど気にはならないように見えますが、既に何かがおかしい、という雰囲気が漂っております。特に不自然な間がそれを助長させています。

 

  • 何度も繰り返す「ケガはないか?」

突如ゾンビと化したスタッフが襲いかかり、逃げ惑う3人。

無事を確認するために、あなたは大丈夫?と聞く一同。

しかし、全員が無事だということが見てるこちら側にも明らかなのに、執拗に繰り返しして安否の確認をする。何かがおかしい。

 

  • 坊主頭のスタッフ

本物のゾンビが現れたことに興奮気味の監督。

何やらこの廃墟のウワサが本当になってしまった要因は彼にあるような言葉を語ろうとした瞬間、逃げ回っていた丸坊主のスタッフが急に外へ出ようとする。

監督がちょっとどこ行くんだよ?と聞くと、ちょっと・・・ちょっと・・・としか発しない。

外にはゾンビがおり出るのは危険だからと、あまりにも監督が行く手を遮るが、頭に来たのか終いにはちょっと!!!と怒鳴って外へ出て行ってしまう。

 

既にここで今流れているのが、ゾンビ映画を撮っている最中本物のゾンビが襲ってきた、というシチュエーション映画になっていることに誰もが気づくような部分ではあるが、なぜかあいまいなことを言って外で飛び出してしまう彼に疑問が生まれる。

なぜちょっとしか言わないのか、周りの人物には言えない事情があるのか。

 

 

  • それ誰に言ってるの?

廃墟の奥の方でドン!と大きな物音。女優の子が何か物音がする!というセリフをなぜか2回言う。

そして本物のゾンビが襲ってきたという展開に興奮気味の監督は、なぜかカメラ目線で「カメラはそのまま!」と叫んで外へ向かう。

 

 

  • 倒れたままのカメラ

この場から脱出するために、ワゴン車に向かう一同。しかし車のキーが見つからず四苦八苦している間に、腕をちぎられたスタッフゾンビが襲いかかる。それと同時に興奮気味の監督がカメラを回しながら、もっと怖がれ~っ!!と撮影をしながら近づいてくる。

外へ飛び出してスタッフゾンビのカバンから車のキーを奪おうと女優が孤軍奮闘するが、突如カメラが横に転がったままの状態で撮影されていく。

 

転がったカメラはこちら側の視点で撮影されているカメラの事。ここまでずっとワンカットで話は進んでいるが、ここのシーンは地面に横に転がった状態でスタッフゾンビに襲われている女優を撮っている。

特にこれといった意図が見えてこないので、何かがおかしい。

 

 

  • 最初と動きが違うゾンビ

一番最初にゾンビ化した年配のスタッフ。最初はしどろもどろな動きで襲ってくるが、途中から登場した際、なぜか腕の動きがきびきびとした動きになっている。

 

 

  • 豹変するメイクさん

何とかゾンビの猛攻から逃げることに成功した女優と、それを助けたゾンビ役の男。

廃墟に再び逃げた一同だったが、女優の足首に噛まれたような痕が。

それを見たメイクさんは、ゾンビを殺したことがきっかけとなったのか、やけに鬼の形相。斧をもって女優を殺そうと襲いかかる。

逃げる女優とゾンビ役の男。

途中襲ってくるゾンビたちを蹴りで成敗するメイクさん。

屋上に逃げたが、逃げ場のない状態に困惑する2人。

ゾンビ役の男がメイクさんを制止しようと向かうところで、カメラはずっと女優が叫んでいる姿しか映さない。

 

ひたすら叫んでいる女優のアップしか撮らないのはなぜだろうか。

 

 

  • 物置小屋に隠れた女優

メイクさんを斧で殺したゾンビ役の男が女優に近づく。

恐怖と感染した自分から離れてほしい思いから、その場から逃げる女優。

廃墟の片隅にある物置小屋で身をひそめる女優。

足首の傷を触っていたが、なぜかビリビリッと音が鳴り傷がはがれる。

そしてドラム缶の奥に隠れていると、ゾンビが現れるが足だけしか映らず、しかもゾンビは女優に気付かない。

ゾンビがいなくなったことを確認して、物置小屋から出ると、そこには斧が。

 

明らかに見ているこちら側に向けて、ここに斧があるということを説明しながら拾う女優。何かがおかしい。

 

  • 急に起き上がるメイクさん

再び屋上に上がる女優。

ゾンビ役の男は感染しゾンビとなっており、近づこうとすると死んだはずのメイクさんが起き上がり「何あれ!?」と叫ぶ。

再び気絶したメイクさんをよそに、物語は冒頭と同じシチュエーションに。

襲いかかってくるゾンビ役の男に、斧で遮る女優。

 

この二人は隠れて付き合っている。

冒頭でも女優が何か言うと動きを止め、意識を取り戻そうとするが再び襲いかかってくるゾンビ役の男、というシーンになっており、クライマックスはそれと同じ流れになっている構造。

ここでも何度か立ち止まるのだが、ここも何かがおかしい。

 

  • 殺される監督

リアルを求める監督はなかなかOKテイクを出さなかったシーンが実際に起きていることに興奮して女優を助けようとしないまま、撮影を続ける。

「愛してる」といった後、ゾンビ役の男を殺した女優は、標的を監督へとむける。

屋上の鉄塔の下に落ち、仰向けになった監督をマウント状態で斧を振りかざす女優。

そして物語は、監督がやったとされる血の呪文が書かれた場所に立つ女優の姿を上から映して幕は閉じる。

 

鉄塔の下に落ちた監督は姿が見えないようなアングルで撮られている。クライマックスなのに重要な部分を映さずに監督は殺され、しかも女優は何度も刺すのだ。

これも何かがおかしい。

 

 

 

 

はい。

書いてしまった・・・。

冒頭から始まる映像はいわゆる劇中劇だったという始まりなんですが、この劇中劇がなかなかおかしいところが多々あり、あ~やっぱりインディーズ映画だからこれくらいの粗は仕方ないのかなぁ・・・なんて思う人もいるのかもしれません。

しかし、この「何かがおかしい」部分こそが伏線となっており、この「One Cut Of The Dead」という作品の謎が、ここから明らかになっていくのであります。

 

これ以上は物語の核心に触れてしまうので言えません!!

ぜひ劇場で楽しんでください!

 

もし誘惑に負けてここを読んでしまった人、まだ大丈夫です!

物語はここから意外な展開へと進んでいくし、意外とこの可笑しい箇所を先に抑えていることで、さらに楽しめるかと思います。

 

最後に

今回観て感じたのは、映画ってまだまだ面白くなれる素質を持ってるなって思ったのと、こういう小規模映画に疎かった僕としては、こんなに面白い作品が作り手の技術と脚本とアイディアで、しかも低予算でできるのか!と言うことを思い知らされました。

 

監督売れるだろうなぁこの映画でw

 

あ、一応舞台あいさつで起きたハプニングを。

開場には一般客に紛れて、フジテレビの笠井信輔アナウンサーがご鑑賞されてました。

そこに目をつけた司会者が、自分があまりにも緊張して進行できないことをいいことに、笠井さんに司会進行をお願いするという状態に。

一応アナウンサーも会社員。さすがに会社を通さないと問題になるんじゃ?と思いましたが、飛び入りで強制的に無理矢理やらされた、という程で司会進行をすることに。

もちろん場内は拍手喝采。

その後も手慣れた進行で盛り上げてくださいました。

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とにかく監督が見てる人たちを楽しませたい一心で作った渾身の一作でございました。

是非笑ってみていただきたい作品でした。

僕はもう一度見に行きます!

というわけで以上!あざっした!!

あ、「よろしくで~す♡

満足度☆☆☆☆☆☆☆☆☆★9/10

モンキー的2018年7月期待の新作映画

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6月27日

モンキー的2018年7月期待の新作映画

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2018年下半期突入です。

夏です!

女の子達の二の腕が眩しいです!!

その油断した二の腕!

好きです!!

ごめんなさい!!!

 

 

・・・ここから夏休み興行に突入するのですが、7月って意外と見るものが限られてて今回期待したい作品が少ない・・・。

その分8月が渋滞気味なようなので、前倒しして欲しいなぁという気持ちを抑えつつ、何作かご紹介したいと思います。

 

というわけで早速どうぞ!!!

 

 

 

 

 

 

 

セラヴィ!

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

7月6日公開

 

  • 出演

 

マックス・・・ジャン=ピエール・バクリ

ギイ・・・ジャン=ポール・ルーブ

ジェームス・・・ジル・ルルーシュ ほか

 

  • 解説

 

 

「最強のふたり」のエリック・トレダノ&オリビエ・ナカシュ監督が、パリ郊外の古城で開かれる結婚式を舞台に、人々の人生や思惑が交差していく様子を軽妙なタッチで描いたコメディドラマ。

30年間にわたり数多くの結婚式を手がけてきたベテラン・ウェディングプランナーのマックスは、近頃、引退を考え始めていた。そんなある日、ピエールとヘレナというカップルからの依頼で、17世紀の城を式場にした豪華絢爛な結婚式をプロデュースすることに。いつも通り、式を成功させるため様々な準備を整えて当日に臨むマックスだったが、ウェイターはシワシワなシャツに奇妙なヒゲ、スタッフのひとりは新婦を口説き始め、オーケストラはワンマンショー気取りだったりと、トラブルが続発。マックスの努力は全て泡と消え、感動的になるはずの式は大惨事と化してしまう。(映画.comより抜粋)

 

  • 期待どころ

 ソフトまで購入してしまうほどハマってしまった「最強のふたり」。

その監督の新作ということでチェック。

引退を考える男の前で行われてしまった大惨事の末に、どんなサプライズが待っているのか。人生を生きる上で通じそうなメッセージなんかもこめられてそうな作品、な気がする。

ケセラセラ的な。

どうしても「ハン・ソロ」というビッグバジェットが1週間前にあるので、公開されていることが薄れてしまういそうだけど、フランス映画祭も直前にあったりするので話題性はありそう。

 でも「最強のふたり」ほど爆発はしないかなぁ。

 

 新生渋谷シネクイントのオープニング作品なので、そこで見ようと思います!

 

 

バトル・オブ・ザ・セクシーズ

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

7月6日公開

 

  • 出演

 

 

ビリー・ジーン・キング・・・エマ・ストーン

ボビー・リッグス・・・スティーブ・カレル

マリリン・バーネット・・・アンドレア・ライズボロー ほか

 

 

  • 解説

 

 

 「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーンが実在のテニスの女王を演じ、1970年代に全世界がその行方を見守った世紀のテニスマッチ「Battle of the Sexes(性差を超えた戦い)」を映画化。

73年、女子テニスの世界チャンピオンであるビリー・ジーン・キングは、女子の優勝賞金が男子の8分の1であるなど男女格差の激しいテニス界の現状に異議を唱え、仲間とともにテニス協会を脱退して「女子テニス協会」を立ち上げる。そんな彼女に、元男子世界チャンピオンのボビー・リッグスが男性優位主義の代表として挑戦状を叩きつける。ギャンブル癖のせいで妻から別れを告げられたボビーは、この試合に人生の一発逆転をかけていた。一度は挑戦を拒否したビリー・ジーンだったが、ある理由から試合に臨むことを決意する。(映画.comより抜粋)

 

  • 期待どころ

 これどうしてアカデミー賞に入らなかったのか不思議でしょうがない、女性に対する格差を謳った作品。しかも現実にあったお話。

だからといって調べてしまえばオチがわかってしまうので、ここは見終わってから調べることいしたいですね。

 女が男に勝てるわけないんでしょうが、相手の男はピークを過ぎた選手ということで勝ち目はあるか。そもそもなぜこの挑戦状を彼女が受けるのか。なんとなく理由は想像つきますが、いわゆる誇りを懸けた戦いなのでしょう。

また監督も「リトル・ミス・サンシャイン」のジョナサンデイトン&ヴァレリー・ファリスということで期待。

まぁ僕の中で安定の評価のFOXサーチライト配給なんで、堅いですね。

 

 

 

 

 

ジュラシック・ワールド/炎の王国

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

7月13日公開

 

  • 出演

 

 

オーウェン・・・クリス・プラット

クレア・・・ブライス・ダラス・ハワード

ジェフ・ゴールドブラム ほか

 

 

  • 解説

 

 

シリーズ14年ぶりの新作として2015年に公開され、記録的な大ヒットとなった「ジュラシック・ワールド」の続編。

前作でハイブリッド恐竜のインドミナス・レックスとT-REXが激闘を繰り広げ崩壊したテーマパーク「ジュラシック・ワールド」を有したイスラ・ヌブラル島に、火山の大噴火の兆候が表れ、恐竜たちの生死を自然に委ねるか、あるいは危険を冒してでも救い出すか、人間たちは判断を迫られていた。そんな中、恐竜行動学のエキスパートのオーウェンはテーマパークの運営責任者だったクレアとともに、恐竜たちを救うべく行動を開始するが、その矢先に島の火山で大噴火が発生する。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 恥ずかしながら僕前作見ておりません。

3年前あんなに盛り上がるなんて思ってもいなかったです。

元々恐竜の映画ってそんなに好きじゃなくて、ジュラシック・パークも、ここ2年くらい前に見た程度の熱量。

 

 前作はネットフリックスにマイリスト登録しているので、公開前に観賞してから臨もうと思います。

 

 

 

 

BLEACH

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

7月20日公開

 

  • 出演

 

 

黒崎一護・・・福士蒼汰

朽木ルキア・・・杉崎花

石田雨竜・・・吉沢亮 ほか

 

 

  • 解説

 

 

「週刊少年ジャンプ」で連載され、アニメ版も人気を博した久保帯人原作の大ヒットコミック「BLEACH」を、福士蒼汰主演で実写映画化。

幽霊が見えてしまう高校生・黒崎一護は、ある日突然、人の魂を喰らう巨大な悪霊「虚(ホロウ)」に遭遇する。命を狙われる一護と家族の前に死神を名乗る謎の少女・朽木ルキアが現われ虚に立ち向かうが、重傷を負ってしまう。窮地に追い込まれたルキアは最後の手段として、本来は人間に与えてはならない死神の力の一部を一護に渡す。それ以来、一護は高校生活を送りながら死神代行として戦いの日々に身を投じていく。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 ここんとこ毎年夏に公開されるコミック人気作実写映画化。

去年はジョジョに銀魂があり、冬にはハガレンと公開されましたが、今年はこれ。

もちろん!原作は読ん・・・でませんw

でもアクションすごそうですんで。それが見たいと思う理由でしょうか。

あ、あとは佐藤信介監督ってのも理由のひとつ。

いぬやしき」が意外とドラマ要素が強く描かれてたので、もしかしたらそっちの要素も今回多いのかも。

役者は正直演技がうまいの花ちゃんしかいないので、そこに注目。

 

とりあえずまっさらな気持ちで見ようと思います。

 てか、民放のワールドカップ中継のCM、こればっかり流れるよね。

 

 

 

 

未来のミライ

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

7月20日公開

 

  • 声の出演

 

 

くんちゃん・・・上白石萌歌

ミライちゃん・・・黒木華

おとうさん・・・星野源 ほか

 

 

  • 解説

 

 

「バケモノの子」「おおかみこどもの雨と雪」の細田守監督が手がけるオリジナルの長編劇場用アニメーション。甘えん坊の4歳の男児くんちゃんと、未来からやってきた成長した妹ミライの2人が繰り広げる不思議な冒険を通して、さまざまな家族の愛のかたちを描く。

とある都会の片隅。小さな庭に小さな木の生えた、小さな家に暮らす4歳のくんちゃんは、生まれたばかりの妹に両親の愛情を奪われ、戸惑いの日々を過ごしていた。そんな彼の前にある時、学生の姿をした少女が現れる。彼女は、未来からやってきた妹ミライだった。ミライに導かれ、時を越えた冒険に出たくんちゃんは、かつて王子だったという謎の男や幼い頃の母、青年時代の曽祖父など、不思議な出会いを果たしていく。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 年々満足度が落ちてきている細田守監督は今回も家族というか兄弟をテーマにしたSFアニメーション。

相変わらず夏に見る映画としては非常に見やすいテーマや内容なので、ぼくみたいにひとりで行くより誰かと見に行って欲しい映画なのでは。

前作「バケモノの子」は主題歌にミスチル起用したので甘めの満足度にしたのを覚えてますが、今作は果たして。

 

 

 

 

 

 劇場版コード・ブルー/ドクターヘリ緊急救命

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youtu.be

 期待度☆☆☆★★

 

 7月27日公開

 

  •  出演

 

  

藍沢耕作・・・山下智久

白石恵・・・新垣結衣

緋山美帆子・・・戸田恵理香 ほか

 

 

  • 解説

 

 

山下智久と新垣結衣らの共演で、リアルな医療・災害・事故現場の描写や主人公たちの成長と絆の人間模様を描き、2008年7月の放送以来、連続ドラマ3シリーズ、スペシャル版1作品が放送された人気テレビドラマを映画化。

舞台は17年に放送された3rdシーズンで描かれた地下鉄トンネル崩落事故から3カ月後。東京湾を運行していたフェリーが濃霧の影響で海ほたるに衝突し、さらに成田空港でも異変が生じる。未曽有の連続大事故現場から藍沢たちに出動要請が入る。(映画.comより抜粋)

 

 

  •  期待どころ

医療系ドラマに滅法強いフジテレビが満を持して人気ドラマを映画化。

もうドラマの映画化は流行ってないんだっけどなぁ・・・。

第3期は主要キャストが先輩としての葛藤を中心に描くとともに、新人研修医が新たに加わり登場人物が増え、ボリュームがアップしたことはいいのですが、第1期から追いかけている身としてはどうにもついていけず、途中で断念してしまいました。

恋愛模様とかいらねえんだよ、このドラマに。

というか新人研修医を育てるような描写入れるなら、世代交代とかして主要キャストを下げてもいいのではないかと。

たとえば海外TVドラマの「ER」のように登場人物がめまぐるしく変わるけど軸はぶれてないというか。

まぁ日本じゃムリだなw

 

そして節目節目に大きな事故での犠牲者を助けに行く彼らが描かれるのですが、ポスター見る限りなんかもう「海猿」化してないか?と些細な疑問が生まれてしまいました。

映画だからスケールを大きくする必要はないと思うんですけど、そうでもしないとファンは劇場に来ないか。

 

 

 

 

 

 

ウインド・リバー 

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

 7月27日公開

 

  •  出演

 

 

コリー・ランバート・・・ジェレミー・レナー

ジェーン・バナー・・・エリザベス・オルセン

マット・・・ジョン・バーンサル ほか

 

 

  •  解説

 

 

「ボーダーライン」「最後の追跡」で2年連続アカデミー賞にノミネートされた脚本家テイラー・シェリダンが自らの脚本をもとに初メガホンをとり、「ハート・ロッカー」のジェレミー・レナー主演で撮りあげたクライムサスペンス。

ネイティブアメリカンが追いやられたワイオミング州の雪深い土地「ウィンド・リバー」で、女性の遺体が発見された。FBIの新人捜査官ジェーン・バナーが現地に派遣されるが、不安定な気候や慣れない雪山に捜査は難航。遺体の第一発見者である地元のベテランハンター、コリー・ランバートに協力を求め、共に事件の真相を追うが……。(映画.comより抜粋)

 

  •  期待どころ

 脚本家テイラーシェリダンの初監督作品。「ボーダーライン」はそこまで好みではなかったですが、「最後の追跡」は素晴らしかった。

今回も色濃い差別も背景にしたクライムサスペンスとなっていることに加え、ジェレミーとエリザベスといったら、アベンジャーズの師弟コンビじゃないの何それそっちでも楽しめそうじゃん!なふたり。

真夏の映画館で真冬の雪山での殺人事件て背筋凍りそうでいいんじゃないでしょうか。

色々考察できそうだなぁ。

作品としてはアーロン・ソーキンが初監督した「モリーズゲーム」のように脚本家目線が強すぎない作風でお願いしたいところ。

 

 

 

 

 

 その他の話題作

 

  •  7日公開

 エヴァ(イザベル・ユペール主演の官能サスペンス)

菊とギロチン(瀬々敬久監督のオリジナル映画)

君が君で君だ(松居大悟監督最新作の異色の恋愛ドラマ)

ルームロンダリング(池田エライザ主演のファンタジー映画)

  • 14日公開

キリング・ガンサー(シュワちゃん主演のヒットマンズアクション)

  • 20日公開

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス(前作から18年後の最後のツアーを追ったドキュメンタリー)

 

 

 

 え~、大期待できる作品がないっ!!

とりあえずカリコレでも行くかな・・・。

カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2018

というわけで以上!あざっした!!

 

映画「ハンソロ/スターウォーズストーリー」感想ネタバレあり解説 楽しいのだけど飽きているのも事実。

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6月29日

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

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 「スター・ウォーズ」シリーズの版権がディズニーに移って以降、約1年に1回のペースで新作が公開されておりますが、「最後のジェダイから正統な続編ではないとしても、半年後の公開というのはいかがなものか。

 満腹感もあり、プレミア感も薄れてきたスターウォーズブランドは、このままのペースで作品を作り続けていくのか。

 正直僕としては、ディズニーのスターウォーズは、見終わった後の満足度は高いですが、やっぱりフォースの覚醒以外は、色々思うところがあり満足はできていません。

 

というか普通に飽きてきているのかもしれません

そんな中で一番人気キャラといわれている「ハン・ソロ」の若き日を別の人間でやるというのも、ちょっと受け入れることが容易ではないというか。

 

興行の時期が海外とは違うってこともあるけど、情報が飛び交う現代社会に、世界中にファンがいるシリーズを、いくらスピンオフだからって日本の公開遅らせるのもどうなのかと。

 

 

とか何とかいってますが、いざ公開すればですね、楽しみなんですよ!!!はい。

チューイに会えるし!!

だから今回も最速上映かましてきましたよ!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

世界中で長きに渡り人気を博している「スター・ウォーズ」シリーズ。

ルーク・スカイウォーカーやダース・ベイダーのように、フォースの力を持たないにもかかわらず、かつて密輸業者だった無法者が銀河帝国との戦いに加わり、大胆不敵に活躍を見せたことで、ファンから不動の人気を得ることになった「ハン・ソロ」の若き日々、いかにして愛すべき悪党になっていくのかが明らかになっていく。

 彼の相棒チューバッカや、盟友ランド・カルリシアン、そして彼の愛機ミレニアム・ファルコン号との出会いが描かれていくなかで、銀河一最速のパイロットの男になるべく危険な旅が始まっていく。

 

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー オフィシャルガイド

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー オフィシャルガイド

  • 作者:パブロ・ヒダルゴ,高貴準三,富永晶子,村上清幸
  • 出版社/メーカー:実業之日本社
  • 発売日: 2018/06/26
  • メディア:単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

 

 

アート・オブ・ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

アート・オブ・ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

銀河帝国の影覆う暗闇の時代。

辺境の惑星コレリアで宇宙の彼方に思いをはせる若いカップル、ハン(オールデン・エアエンライク)とキーラ(エミリア・クラーク)は平凡で退屈な日常に嫌気がさし、愛の逃避行を試みる。

しかし、直前にキーラは捕らえられ、仕方なくハンは一人で出国する。

 

やがてハンは帝国航空学校に通い、飛行機の操縦を学ぶ。

瞬く間にパイロットの腕を上げていき、期待の新星となったハンだが、心の中では故郷への哀愁が募り、いつかコレリアに帰ることを夢見ていた。

そんな中、ハンは思いがけない形でキーラと再会するのだが・・・。(wikipediaより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

 

監督

今作を手がけるのは意外や意外、巨匠ロン・ハワード監督。

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ダヴィンチ・コード」や「バック・ドラフト」、「アポロ13」など数々の名作を生んだ監督。

スターウォーズを大御所が監督するって、なんか新鮮な気がします

 

当初は「LEGOムービー」のフィル・ロードクリス・ミラーが抜擢されていましたが、創作面での意見の相違ということで降板。

製作が難航する中、白羽の矢が立ったのが彼だったんですね。

なんというか無難な気がしてならないんですが、残りを引き継ぐとなると経験豊富な人のほうが仕上がりは良いでしょうから、これはこれでよかったのかと。

 

どうやらフィル&クリスは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」的な斬新なスターウォーズを作りたかったそうですが、それはそれで見たいw。

でも僕はスターウォーズに監督の作風は入れちゃいかんでしょという考えなので、是非彼らはオリジナルで思う存分やってください。

 

監督に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

 

 

キャラクター紹介

 

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左上から。

 

  • ハン・ソロ(オールデン・エアエンライク)・・・惑星コレリアで生まれ育つ。帝国軍が治める厳しい時代の中、子供の頃からワルで自力で生きてきた。今の人生から成り上がりたいと願っている。

ヘイル、シーザー!や「ブルージャスミン」などに出演した期待の若手俳優です。

 

  • キーラ(エミリア・クラーク)・・・惑星コレリアでハン・ソロと共に育った幼なじみ。知的かつ野心的。謎めいた美しい女性。

ターミネーター新起動/ジェニシス」やTVドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」で活躍中です。

 

  • チューバッカ(ヨーナス・スオタモ)・・・惑星キャッシーク出身のウーキー族。ハン・ソロと出会うが、互いを信用してよいものかどうかわからず、探り合い、時にぶつかり合うが、やがて、長く続く友情を育むことに。年齢は190歳。怪力を持ち、機械にも強い。

僕が一番好きなキャラですw

 

  • ランド・カリジアン(ドナルド・クローバー)・・・腕利きの運び屋としてハン・ソロの前に現れる。スタイリッシュでチャーミングな反面、仲間からも盗みをはたらく悪名高きギャンブラー。ハン・ソロと仲間になるが、互いを完全には信用していない。

オデッセイ」や「スパイダーマン・ホームカミング」に出演した彼ですが、今はなんといっても「This Is America」が世界的ヒットしているおかげで、チャイルディッシュ・ガンビーノ名義でのラッパーとしての活動の方が有名ですかね。

 

  • L3-37(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)・・・宇宙工学機械部品やプロトコルを使って自分自身を作り上げた、頭の良い、ユニークな女性型ドロイドで、ランドの副操縦士であり、相棒的存在。ランドにとって信頼できる相手。

ローグ・ワン」でもK-2SOなるドロイドが登場しましたが、今作も登場するんですね。果たして愛くるしいキャラになるか。

 

  • トバイアス・ベケット(ウディ・ハレルソン)・・・幾多の困難を切り抜けて生き残ってきた男。ハン・ソロを、ギャングたちがうごめく危険な世界へ、人生をかける価値のある冒険へと導く。ハン・ソロに多くのことを教える、いわばハン・ソロの師。

スリー・ビルボード」「猿の惑星/聖戦記」に出演した彼ですが、次回作は「ヴェノム」とのこと。大作ばっかりだなぁ!

 

  • ヴァル(タンディ・ニュートン)・・・ベケットの長年のパートナー。自信家で恐れを知らぬ女性。射撃の名手でもあり、ベケットの率いるクルーの中でもかなり有能な人材と言える。

ミッション・インポッシブル2」、「クラッシュ」に出演していた方です。

 

  • ドライデン・ヴォス(ポール・ベタニー)・・・冷酷さで名高い新進の犯罪組織を率いる、ギャング界のボス。一見、紳士的で礼儀正しい。

アベンジャーズ」のヴィジョン役でお馴染みの彼です!

 

 

 

 

 

 

 

スター・ウォーズ/新たなる希望」の10年前を描くとされる今回の作品。我々がよく知るキャラが他にも登場するのか、「ローグ・ワン」のようなワクワクするエンディングなのか?

なんだかんだいって期待してきた「ハン・ソロ」!

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

感想

さすがロンハワード!

面白く作ってるよね~。うんうん。普通に楽しい。

でもこれ作る必要あった?

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自由に生きるって難しい。

銀河一のパイロットになる夢を抱く主人公が、暗い生活を抜け出し生き抜くために数々の大冒険をしていく姿を、ダイナミックなアクションやバトルシーンや、離れてしまった恋人への思い、相棒や悪友との出会いといった原点を交えることで、愛すべきキャラクターをより好きになれる作品として作られた今作。

 

遠い昔、はるかかなたの銀河系で・・・から始まるオープニングはもちろん、初めてチューバッカの言葉に字幕がつく場面があったり、ハン・ソロの名前の由来、過去作に登場したあのアイテムや、セリフの中でサラッと明かされる意外な真実、終盤にはとんでもないサプライズが待っていたりと、ファンにはたまらない作品になっていたのではないでしょうか。

 

そして何よりハン・ソロという男は昔もムチャをしてハッタリで危機を脱し、ワルなアウトローな雰囲気を出しながらも、やっぱり最後はこいつ根はいい奴だよなぁ、となぜ彼が今でも愛されているかが納得できるキャラ像を描いていたと思います。

 

 

物語は、どう生き抜くかに焦点を充てた内容で、ハンのように自由を武器に自分に忠実に生きて運を味方につける者もいれば、ベケットのように誰も信じないことで生き抜いてきた者、ランドのように人を欺きダマすことで隠居生活を送っていた者、ドロイドにも人権をという思想を持ったドロイドが、彼らを解放し自由を与えようとする様や、生きるためなら悪に忠誠を誓う者、自由を掴み取るために悪と戦う者と、様々な生き抜くための道を歩んできた者たちが交錯したお話でした。

 

ハンはそんな彼らと出会うことで、悪知恵をさらに増幅させながらも、それそれが抱える事情を見つめ、自分が求める自由を追求していく姿が今作では印象的でした。

 

 

とはいえ中身は。

と、まぁここまでこの映画が何をテーマに描いていたのだろうか、と自分なりに考えて着地しようと試みましたが、単純にこの映画、スターウォーズという物語の1ページに加えるような驚きの内容もなければ、中身もすごく濃いわけでもなく、果たして作るべき映画だったのか?と考えると、別に作らなくても良かったんじゃない?と思えてしまう作品でした。

 

何でしょう、すごくつまらないわけではないんです

いきなりカーチェイス的なシーンから、脱走劇、突然の別れ、そして自由と夢を掴むための苦しい道のり、相棒や盗みのプロとの出会い、そしてコアクシアム強奪作戦と、序盤からものすごくハイテンポでアガるような展開が用意されており、ワクワクすることはするんです。

その後も、ランドとの出会いやミレニアムファルコンの登場、ケッセルランを12パーセクで飛ぶ伝説が実際に描かれたりと山場の連続なんですよね。

 

 

そんなに盛り上がるシーンが目白押しなのに、どうしてか面白い!と素直にいえない理由として僕が思ったのはキャラの弱さかなぁと。

 

正直キャスティングが決まってから、若きハン・ソロを演じたオールデン・エアエンライクという俳優に期待がもてませんでした。

やはりハン・ソロはハリソン・フォードでないと、って思ってる人多いかと思います。僕もその一人で、他の役者にやってほしくないってのはどこかにあって。

 

でも、実際ふたを開けてみたら意外とハマってたんです。

色々やんちゃしたり悪いことばっかしてるけど、若いということもあって経験値の少なさが表面から醸し出されていたし、なんといっても廃れてない、夢も希望も捨てていない清々しさが溢れていて、あの無難なことばかり考えてたハンも、昔は無謀なことまでしてでもやんちゃしてたんだなぁとか正しいことを素直に行動してたんだなぁってのをすごく感じて。

そんなハンを彼が見事に体現してたんですよね。

セリフの抑揚とかだいぶつけてたし、おでこにしわを寄せて目を吊り上げて人を見る、ハリソンフォード特有の「だろ?」みたいな顔つきとかも、どことなく寄せてた気がしたし、ブラスター銃を持つ構えも、そうそう彼ってこんな構え方してた!みたいな気持ちになれたし、エアエンライクはちゃんとハン・ソロというキャラになりきっていた気がします。

あえて苦言を呈すのであれば、劇中で彼がどうやってハリソンフォードのハン・ソロのような保身ばかり考えるアウトローになっていくかみたいな変化があったらよかったなぁと。

もしかして続編やるのかこれ?

 

 

それに比べると、それ以外の新キャラクターの魅力があまりなかったように見えたんですよね。

ハンの幼馴染のキーラもキレイでかわいいけど、一体彼女はなんでそこまでしてトライデンに仕えなきゃいけないのかって理由が明確でなくて、善悪の線引きもわかりづらくて。なんかもっと葛藤するようなシーンをちょいちょい入れてくれたらわかりやすかったなぁ。

 

ベケットも雇われの身で盗みを働くリーダーでしたけど、誰も信じないと言ってる割には序盤から結構人を信じやすいような感じに見えたし。信じてなきゃあんなに悲しむような表情せずに心を閉ざしたような表情すればいいのに。ただこれはウディハレルソンから出る温厚なイメージがそうさせたってのが一番ですかね。

 

ランドも強烈なインパクトを残したかというとそうでもない。ちょっとナルシシスト入ってましたけど、エピソード5と6でそんなイメージありましたっけ?この時から相当丸くなったってこと?

 

彼の相棒L3も、萌えるキャラではなかったですかね。デザインがまずしっくりこないし、言動がちょっと怖いw主張が強いし行動派だし、自信過剰だし。

ドロイドのイメージを変えたかったって制作サイドの気持ちはわかるんですよ。やっぱり今までのドロイドは主人に仕えるってのが普通で、しかも女性というのが今っぽいわけで、そんな彼女が声高に自由と人権を訴えるってのは、ほんと今だなぁと。

でも彼女がいたにもかかわらずその後の物語にはそんなドロイド出てこないですからね。誰も作らなくなったってことですよね。それやるならレイ3部作で出せよと。

 

一番ダメなのはドライデンですかね。

恐らくこの物語の中で一番の敵は彼にあたると思うんですけど、彼はそこまでの強さを持っていないし、ボスとしての怖さってのがあまり醸し出されてなくて。クライマックスもちょっとあっけなかったかなぁ。

 

 

とまぁ、簡潔に言うと、山場ばかりで緩急がないし、キャラが弱くてハン以外に魅力がない、というところでしょうか。

なんか簡潔に言うとつまんなかったみたいな感想に聞こえるけど、つまらないわけではなかったんだよなぁ。う~ん天邪鬼w

あれだな、結末がしっくりこなかったんだな。それと「ローグワン」のような正史に直結していくお話ではないってのも大きいのかな。一応なるほどそう繋がってくるのね、とはなるんですけども。

 

 

 

小ネタを解説。

スターウォーズに関しては知識は人並みなのですが、詳しく知りたい欲求が出たので、どんな小ネタがあったのか、気づいたところも含め調べたことをここで書こうかと思います。

ネタバレしてるのでご注意を。

 

 

  • ダイスのネックレス

金色のさいころが二つ付いたネックレスは、ハンがファルコン号のコクピットに常にぶら下げているもの。

劇中ではキーラに預けたり、キーラから返されたりとちょこちょこ登場しているアイテムとして登場しています。

 

  • オーラ・シング

劇中のセリフでベケットがオーラ・シングを殺したというエピソードが明かされています。

オーラ・シングとは「スターウォーズ/エピソード1」のポッドレースの場面に登場した白い肌のバウンティハンター。「クローン・ウォーズ」にも登場したキャラだそうです。

 

  • 嫌な予感がする・・・?

スターウォーズで必ずと言っていいほど言うセリフ「嫌な予感がする」。

今作ではこのセリフは出てきていないんですが、逆に「いい予感がする」とハンがしゃべるシーンが出てきます。

ランドとカードゲームで賭けをする際に話していました。

 

  • 大物ギャング

劇中でベケットが、この仕事を終えたら惑星タトゥイーンに行って大物ギャングに会えばいい、みたいなことを言い、実際にハンとチューイはそこへ向かうところで幕は閉じるんですが、この大物ギャングとはジャバ・ザ・ハットのこと。

 

メインストーリーに繋がる片鱗が見えた、ファンでなくともアガる部分だったのではないでしょうか。

 

  • ビッグサプライズ

キーラはトライデンに仕えていた、かと思いきや大元はまさかのダース・モール。

ん?彼は死んだはずじゃ?なぜ生きてる?てかこの時代はEP1よりも前?

彼が出て来たことで僕の中で時系列がごちゃごちゃになったんですが、調べてみると彼は死んだと思いきや生きていたそうです。

 

  • チューイの言葉

初めてソロと対面したチューバッカ。

殴り合いの中で押されてばかりのハンは、ウーキー語で話し始めます。

なんとスターウォーズ史上初めて、ウーキー語で何を言っているかがわかるための字幕が出る作品となりました。

 

  • バトルチェス

ファルコン号で惑星ケセルに向かう際、チューバッカとベケットはバトルチェスをするシーンが登場。

過去作でもファルコン号の船内のシーンでバトルチェスのシーンはちょこちょこ登場しているので見ればわかるはず。

チューバッカは見事にベケットに負けてしまいます。机をたたくも駒はホログラムなので壊れないよと注意されるオチも。

 

  • 伝説の語り草

惑星ケセルから惑星サバリンに向かう途中、惑星ケッセルへの航路であるケッセルランに突入。ブラックホールやら化け物やらとにかく不安定な道を、ハン・ソロはたった12パーセクという最短距離をたたき出す。

エピソード4でもルークにファルコン号をオンボロ船と呼ばれた際、「あのケッセルランをたった12パーセクで飛んだんだぜ」と語ったり、エピソード7のフォースの覚醒でもレイが14パーセクと間違ったりと、ファルコン号がどれだけすごい船かを語る際に用いる語り草として有名であり、劇中ではその真実が明かされています。

 

 

他にもまだまだあるそうですが、僕が把握できたのはこの辺くらい。

ファンならもっと探せているんだろうなぁ。

 

 

最後に

楽しく鑑賞できたものの、どこかハマらない部分がいくつかあり、感想部分では色々考えてみたものの、なんだかんだで結果的には僕はスターウォーズに飽きているという冒頭でも書いたような部分が色濃く感じてしまった作品でありました。

 

ファルコン号が活躍する場面も多々ありましたが、正直フォースの覚醒でのファルコン号の描き方の方が迫力あったし、何よりワクワクしたんだよなぁ。

 

あ、あと全体的に画面が暗いです。火花が散るようなシーンはものすごくチカチカして目が痛かったです。

 

スターウォーズファンはきっと僕以上に楽しめる作品になっている気がします。

好きだけど「クローンウォーズ」とか見てないし小説も読んでないので細かい部分はよく分かりませんでした。とにかく劇中では色んな聞きなれないワードが羅列していて、これ何のこと言ってるの?という部分がたくさんあったんですよね。

まぁ、そんなの気にしなくてもバトルシーンや雪山での強奪シーン、ハン・ソロが帝国軍にいた時の戦争シーンは迫力満点です。そこだけ切り取ったらスターウォーズには見えないくらいw

 

2回は見に行こうかと思いましたが、僕は「カメラを止めるな!」をもう一度見てこようと思いますw

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10


モンキー的2018年上半期映画ベスト10選

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6月30日

モンキー的2018年上半期映画ベスト10選

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歳を重ねるごとに1日1日が足早に去っていく今日この頃。

皆様いかがお過ごしでしょうか。

当ブログ管理人のモンキーでございます。

2018年もあっという間に過ぎ、早半年。

加熱しては次の話題へと移るスパンがどんどん早くなり、今年一体何があったか思い出すのも一苦労。

 

とはいえ映画となれば一つ一つが鮮明に蘇るのは、やはり好きなものだからなのか。

今年もヒット作、駄作、話題作、隠れた名作などなどが熾烈を極めた上半期。

その中から私モンキーが超独断と偏見で選んだ、「今年上半期に公開された新作映画ベスト10作品」を発表したいと思います。

 

満足度の高かった作品から選出しますが、まだ上半期ということもあり、順位は付けず公開日順での紹介になります。

 

上半期に観賞した新作映画はなんと77本!去年は65本だったようではるかに回数が増えております。それだけ見たい映画があったんだなぁ。

ヒマしてるなぁ・・・いや!趣味を謳歌してるなぁ!!!

 

ではどうぞーーーーっ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その約束が世界で一番の宝もの

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 パディントン2

 

 

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満足度☆☆☆☆☆☆☆☆★★8/10

 

今回も最高にかわいくてドタバタでみんなから愛されるクマでした!!話もシンプルで非常に丁寧!ラスト泣いちゃったよ!!

 

 

ロンドンに住み始めてから街の一員としてみんなと仲良く楽しく暮らすパディントンに事件が起こる。濡れ衣を着せられたパディントンとブラウン一家の絆が試される。

 

今思えばなぜ前作を映画館で観賞しなかったのだろうか

正月に自宅でのほほんと観賞していたら、あまりにも面白くて急遽予定に組み込んだ続編。

落ち目の俳優によって濡れ衣を着せられたパディントン。嵌められたとしても底抜けのポジティヴシンキングで刑務所の人間達とも仲良くなってしまうステキな性格。

そして前作同様、どうしたらこんなに丁寧に伏線を回収しながら物語を進められるのか。

 

ラストもずるい!

こんだけ笑わせてハラハラさせて、で、最後に泣き落としかよ!!ずりぃーぞ!!パディントン!!

でも決して湿っぽく終わらせない潔さもこの映画のいいところ。

エンディングでしなやかに踊るヒュー・グラントがまたたまらなく可笑しい。

 

上半期はクマ対ウサギのモフモフ対決でしたが、どうやら僕の軍配はクマだったようです。

 

 

 

 

その看板広告は、嵐の前触れだった――。

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スリー・ビルボード

 

 

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 満足度☆☆☆☆☆☆☆☆★★8/10

 

あらすじから話がガラリと変わる!田舎町で起きた出来事で人間臭さがにじみ出るユーモア炸裂の人間ドラマでした!!!

 

娘を殺された母親が立てた3枚の看板。警察への誹謗中傷とも取れる文言に反発を持つ警察官。何とか穏便に済ませようとする警察署長の3人を軸に、人間を一側面でしか判断できない人たちがその側面を見せていき、やがて赦す事で生まれる何かを見せていく、予想不可能な展開で綴った人間ドラマ。

 

これを最初に観賞したのは去年の東京国際映画祭。

ホントは「ローガンラッキー」を見たかったんですが、仕事の都合上どうしても間に合わず、泣く泣くこれを見に行った記憶があります。

しかしその低い期待値が理由かどうかはさておき、何だこの映画!?話が全然変わっていってるのに面白えじゃん!!

と。

相変わらず抽象的なことしかいえないモンキーですが、見終えた後の余韻がずっと残り、公開後も2度観賞して堪能したのであります。

 

特筆すべきなのは、登場人物たちの感情や考えが180度変わって行くこと、そして犯人は誰だ?というような話ではなかったことへの驚き。

イギリス人監督が見たアメリカ人という皮肉をこめた部分も決して見落としてはいけない素晴らしい作品でした。

 

 

 

 

愛憎が、溢れ出す

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 犬猿

 

 

 

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満足度☆☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10

 

 

安定の男性陣!意外にうまい女性陣!そして笑いに富んだ内容!

男兄弟女姉妹のしこりをこれでもかと浮き彫りにした人間ドラマでした!

 

誰もが理想とする容姿端麗、才色兼備、勇猛果敢、無私無欲。

なぜかそれを兄弟姉妹で分け合ってしまった2組=仲良くすれば無敵の存在のはずの2組が、相手に対して抱く憧れや羨望、嫉妬や憎悪からくる、小さな口論が積み重なり、やがて大きな取っ組み合いのけんかになっていく過程の中で、細かな笑いを散りばめ、時に激しく時に柔らかく、血の繋がったたった一人の兄弟姉妹がどれだけ愛おしい存在なのか、どれだけ尊い者なのかというのを、ラストに持ってくることでハートフルにさせてくれる良作映画でした!!

 

一見けんかして仲直りの話かと思えばそうなんですが、そこは吉田恵輔監督。

中堅と人気若手俳優という置きに行ったキャスティングとは相反して、これまで演技など大してやったことのないグラビアアイドルとお笑い芸人をぶっこむという無謀ともいえる実験。

アンサンブルなんてできっこねえし、どうせ棒読みだろと思ったら大間違い。

この二人が役者以上に際立つ存在感を放つのです。

特にクライマックスの情に訴えてくる場面では感動必至。 

 

それだけではなく、細かく笑いを取り入れる監督のセンス、演者が作る間に黙ってみていられない映画であります。

 

 切っても切れない間柄で生まれた嫉妬とないものねだり、それが実は憧れであり尊敬のまなざしであり、そんなこと面と向かって言えないこっぱずかしさを持ちながら愛憎を繰り返す、醜くも美しい兄弟の物語を堪能できる作品でした。

 

 

 

 

その時、3人の若者が乗ったのは運命の列車だった。 

 

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15時17分、パリ行き

 

 

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 満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10

 

監督はもはや神の領域にまで達したのか!?

徹底したリアリズムを追求した、名もなきヒーローを称える映画でした!!

 

ヨーロッパを旅行中出くわしたテロ事件を阻止した3人の若者たち。

彼らはなぜ犯人の犯行を未然に防ぎ死者を出すことなく対処できたのかを、3人の出会いと一時の別れ、つかの間の休暇を回想しながら物語を展開。

随所で事件勃発時の映像を少しづつ明かすことで緊張感を醸し出しながら、クライマックスでそれを加速させる、監督の巧みなテクニックが光った作品でした。

 

正直言うと、これは映画なのか?という疑問はどうしてもついて回ってしまうさくひんではありました。

事件の当事者3人が本人役で出演。それって一体どういうことなのか。ドキュメンタリーなのか、再現VTRみたいなものなのか。

誰もが思ったことを監督は見事にひとつの作品として完成させ仕上げた腕がまずすばらしいし、作品の内容も僕が鑑賞前に抱いてた疑問も忘れさせ没頭させてしまう説得力を持った話でした。

 

この物語のゴールは既に決まっている、そこまでの過程をいったいどう物語として構築するのか。

3人がこの列車に乗って事件を未然に防ぐことは運命であったということを、過去からさかのぼって描いていくんだけど、そうやって紐解いていくと彼らは本当に神さまによって導かれていたのかなと感じてしまうんですよ。

 

はっきりいって、余計なエピソードもあります。そこいる?みたいな。

でもそれって日常においてよくあることで、危険というのはいつどこで襲ってくるかという前触れとして絶対必要な部分だったんじゃないかと。

そうることでクライマックスの事件簿発に一気に緊張感が高まってくるんですよね。これも監督の演出なんだろうと。

 

監督の新作映画があと何本観られるんだろう。

高齢にしてなお挑戦していく監督の好奇心と野心が詰まったとても素晴らしい映画でした。

 

 

 

 

 

最高の、初体験。

 

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レディ・プレイヤー1

 

 

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満足度☆☆☆☆☆☆☆☆☆★9/10

 

一度見ただけでは探せないキャラの数々はもちろんのこと、現実に生きがいを感じられない若者たちが、ゲームを通じて現実の素晴らしさを教えてくれる、最高にアドベンチャーで最高にハッピーになれる映画でした!!!

 

人々が現実に生きがいを感じられなくなり理想の生活が出来なくなった近未来。

オハイオ州コロンバスで生活する主人公が、オアシス内で仲良くなった仲間と友情を築き上げながら、世界企業第1位になりたい一心で汚い手を使いながらゲーム攻略を企む悪の企業IOIの魔の手から、ゲームの秩序を守るため、そして1位を目指すために冒険していく友情、努力、勝利の3拍子揃ったジュブナイルムービー。

 

原作上下巻を公開前に購入したのを機に、4月のほとんどはこの映画のことばかり考えていたほど、ハマりにハマった今作。

気が狂っているんじゃないかと思うほど、ありとあらゆる箇所に数多のイースターエッグがあるだけでも楽しめるし、それ以前に現実に楽しさや夢を見出せないティーンズがゲームを攻略していくうちに、現実で繋がっていくことの意味に気づき、VRでなりたい自分になれたとしてもそれはあくまで仮の姿であり、辛いこともあるけれど現実でしか味わえないことがたくさんある事を忘れないで、ということを決して説教くさくなく私達に伝えてくれるのです。

 

今回あまりにハマり過ぎて原作くり返し読んで、劇場3回に、普段滅多に買わないパンフレット購入、そしてひとつの映画に2つも記事を書くという異例続き。

今年の春はレディプレ祭りでした。

 

特に解説記事には多くの方にRTしていただき、コメントも多数いただきました。

ちょっとだけでもお役に立てたかなと。

ただ、ソフト購入して検証しないとこの記事完成じゃないと思ってるんで、色々間違ってたらごめんなさい。

 

 

何ひとつ忘れない。

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君の名前で僕を呼んで

 

 

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満足度☆☆☆☆☆☆☆☆★★8/10

 

痛みを葬るな!

まばゆい光と美しい緑の中で描かれる美しくも儚い初恋の物語でした!

 

考古学教授を親に持つ主人公の前に現れた大学院生。

夏の終わりが訪れるまで彼と生活していくうちに、少しづつ芽生えていく恋愛感情を、主人公の細かい仕草や小道具などでもどかしさやとまどい、衝動、葛藤などをキチンと映すことで観衆に伝える演出に加え、北イタリアの照り付ける日差し、それに呼応して光り輝く緑と川のせせらぎが静かに心に染み入って、極上の初恋物語へと昇華していき、最後に語られる父親の言葉が全ての報われない人たちへエールを送る、狂おしくて儚くて痛みが溢れてるんだけど、確かに愛があった、君の勇気は決して無駄ではなかったと語ってくれる映画でございました。

 

隅から隅までティモシー・シャラメという男に目を奪われてしまう映画

ルックス最高、演技も抜群、ピアノもギターも外国語もおてのもの。これを見るだけで既に☆5個は確定ものです。

 

そんな至福の時間で描かれていく内容は年上の同姓とのひと夏の恋。

相手に惹かれ恋をしていく姿は、たとえで同姓だとしても人を好きになっていく表情は一緒。

自分をかまってほしくて注目されたくて独占したくてしょうがない。

そんな思い通りには行かないもどかしさに苛立ったりモヤモヤしたりするのも一緒なのです。

2人が美しいからでもありますが、もはや性別など記号でしかなく、人が人を好きになり喜んだり悲しんだりすることで、見てるこっちも一喜一憂。どこか思春期だった頃の自分と重ねてみてしまうのです。

 

街の風景や光の具合なども素晴らしいですが、この物語は音楽が特に素晴らしい。

照りつける夏の光の中で揺れる恋心を思わせるかのようなピアノ音楽が、冒頭から流れることで没入させてくれると同時に、北イタリアの爽やかな風を運んでくれそうな気持ちにさせてくれる素晴らしい音楽でした。

 

 

 

 

警察じゃけぇ、何をしてもえぇんじゃ

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孤狼の血

 

 

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満足度☆☆☆☆☆☆☆☆★★8/10

 

昭和の終わりに生きた男たちの生き様を、猛烈な血とバイオレンスで濃厚に描かれたヤクザ映画でした!

 

 昭和63年の架空の街を舞台に、暴力団同士の抗争や一人の刑事の疑惑の追求、それを追うキャリア警官の葛藤を軸に、この時代を生き抜こうと必死にもがきながら戦う男たちの姿を、血と暴力とエロス、そして小さなユーモアをフィルムのような質感と圧倒的熱量で描き切り、正義とは何か、人情とは何かを浮かび上がらせることで、単なるヤクザ映画としてでなくヒューマンドラマとして昇華させた作品でした!!

 

これってヤクザ映画なのか?東映ヤクザのまんまじゃね?大上ダークヒーローでなくただのヒーローでないか?なんてレビューを目にして、少々落胆してしまったのではありますが、何よりこの平成の終わりに大々的に暴力を真正面から描き、ひとつの正義を貫いた男の背中はやっぱりカッコいいんですよ!!

だから僕は終始松坂桃李演じる日岡の視点で物語を追い、大上に心奪われていきました。 

モンキー的にはもうちょっと下ネタをナチュラルにいって欲しかったなぁなんて思いもありますが、大満足の映画でございました。

 

興行的にはそこまでの成功には及んでいないようですが、まさかの続編製作決定というニュースも驚き。

 原作を読んでいないのでわかりませんが登場人物はまた大上と日岡なのか?

てか原作手出してみようかな。

 

 

 

 

 

オートクチュールのドレスが導く、禁断の愛。

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 ファントム・スレッド

 

 

 

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満足度☆☆☆☆☆☆☆☆☆★9/10

 

 

ぐわあぁぁぁっ!!女って怖い・・・。

マザコンデザイナーVS元ウェイトレスの主導権争いをエレガントな世界で描いた一流芸術映画でした!!!

 

 50年代のロンドンのオートクチュールハウスを舞台に、マザコン完璧主義の仕立て屋が惚れた女性との愛の主導権争いを、フィルム撮影によって統一されたクラシックな質感、ため息が漏れてそうなくらいきらびやかなドレスファション、当時の世界を感じさせる美術品、美しくもディスコードなBGMと時折訪れる静寂が相乗効果をもたらすことで男女間の狂気を掻き立て、2人の愛情表現が醜くも美しく描かれた、究極の愛の物語へと昇華した今年必見の映画でございました!!!

 

恥ずかしながらダニエル・デイ=ルイス作品を見たことが無く、一応何か見ておこうと、未だ手を出していなかった「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」を見てからの観賞だったのですが、この人はすごいですね。

品があって野心的な匂いをかもし出しながら、ちょっと異質な部分も見せる。

今作でも、おでこの血管をが浮き出るほど苛立ちを見せながらも、仕事では紳士に対応するんだけど、やっぱり常に神経質。

で、この超めんどくさいおっさんを、垢抜けない女性がまさかそんな風に手なずけてしまうとは!って驚きがコワくて、でも面白くて。

 

僕はこれをステキな愛の物語だと感じてます。こんな間係嫌だなんていう人もいますが、2人がどういう立場でどういった愛を育もうが、僕らは入る余地もないのです。

僕もこの凝り固まった価値観や自分中心の生活をぶっ壊してくれる相手が現れないかなぁ。

 

 

 

 

 

盗んだのは、絆でした。 

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万引き家族

 

 

 

 

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満足度☆☆☆☆☆☆☆☆★★8/10 

 

社会の片隅でひっそりと暮らす家族の絆とその先にある闇。

ガツンと揺さぶられるラストにあなたは何を思うのか。家族ってなんだろうね。

 

高層ビルの陰に隠れてひっそりと暮らす家族の犯罪を犯しながらも、ささやかな日常を描いていく中で、次々に明かされていく秘密を明らかにしていくことで、絆とは何か、家族とは何かを、細部にまでこだわった演出、物語にそっと彩を加える音楽、徐々に真実を明らかにしていく緻密な脚本、そして役者陣の卓越した演技によって、賞を獲るべくために作り上げられた作品でした。

 

今年度カンヌ国際映画祭パルムドールという、とてつもなく大きな冠を手にした今作は、ネット上では、「万引き肯定映画」だとか、「助成金もらって政権批判」だとか、作品を見ていなそうな人たちによる、とんちんかんな先入観と歪曲された考えが横行し、 右対左の論争へと発展してしまった問題作。

これに関してはTwitterのTLで流れてくるのを読むたび、いやな気持になるというか、悲しい気持ちになるというか、一時はTwitterを開くのも疲れてしまう時期がありました。

 

純粋にこんなに素晴らしい作品なのに、みんな何を言っているのだろうと。もっと映画の中身を話し合おうよ、と。

あそこがよかった、このセリフが良かった、誰々の演技が素晴らしかった、とかそういう感想をもっと読みたかったんだけどなぁ。

というか、なぜこれを日本という小さな島国基準で見ているのだろう、これ世界基準で見たらどの国でもあり得ることじゃないか、と。

 

と、映画以外の話はここまでにして、中身はそれはそれはいま社会が抱えるありとあらゆる問題をぶち込んだことで、家族って何をもって家族と呼べるのだろう、もはや血だけで家族と呼ぶのは、難しい時代へと日本もなってきているのではないか、やっていることは決して良くない行為ばかりだけど、そうまでしないと生きていけない人たちがいることを描いたことで目を背けている場合ではないだろう、などなど色々な思いや感情がこみ上げる作品でありました。

 

 

 

 

 

最後まで席を立つな。この映画は二度始まる。

 

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カメラを止めるな!

 

 

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満足度☆☆☆☆☆☆☆☆☆★9/10

 

超絶面白い!ゾンビ映画の歴史を新たに塗り替えた、斬新な構造の妙!!

でもどうやって伝えたらいいかわかんねえくらいネタバレ厳禁な映画でした!!!

 

 とある廃墟でゾンビ映画の撮影をしていたクルーと役者陣の前に、突然本物のゾンビが襲いかかってくる様を、37分ワンカット長回しで撮影した挑戦的サバイバルムービー。

そしてこの映画は二度始まっていくことで、どこか歪で不自然に感じてしまう子のゾンビ映画が思いもよらぬ映画へと昇華していく、1度見て2度も3度もおいしい超娯楽映画でございます。

 

無名の役者、無名の監督、そしてインディーズ映画。

6月23日から公開しているこの映画、都内でもこの記事を書いている現在2館しか上映しておらず、メイン劇場の新宿ケイズシネマでは、この口コミを聞きつけ公開から1週間を立っても満席状態が続く異例の過熱ぶりを見せております。

 

本文でも書きましたが、ディズニーランドのようにお金をかけた遊びも楽しいけど、近所の公園でお弁当持って過ごす、お金をかけない遊びも楽しいよねってことで、まさにこの映画は後者にあたる作品だと。

アイディアと才能が見事に調和してとんでもない傑作を作ったと思います。

で、これをですね、家で一人で見るとちょっともったいないと思うんです。なんでって、劇場で見ることで笑いが派生して、一つの映画体験として心に刻まれるからです。

今や応援上映とか主流になりつつありますけど、もっとシンプルにみんなが同じもの観て笑うって昔からある映画体験の一つで、それをこのお金をかけていない映画が楽しませてくれるわけですよ。最高じゃない?

 

僕も感想を超ぎりぎりネタバレで書かせていただきましたが、果たしてこの人気に拍車をかけるようなものになっているか。だとしたら超嬉しいんですけどねw

 

これから順次拡大して全国で上映するということで、気になる方は僕の感想読まないでくださいw他のレビューとかも見ない方がいいです。何も知らない方がいい時だってある、ということの基本的事例作品ですよこれは。

 

 

 

 

 

 

 

今年の下半期の話題作はこれだ!

 

 

 

下半期に控える新作映画もありすぎて渋滞中ですぞ!!

心してかかれっ!!

 ※赤文字は大期待作品。

7月
  • バトル・オブ・ザ・セクシーズ(6日公開)
  • ジュラシック・ワールド/炎の王国(13日公開)
  • BLEACH(20日公開)
  • 未来のミライ(20日公開)
  • 劇場版コード・ブルー/ドクターヘリ緊急救命(27日公開)

 

8月
  • インクレディブル・ファミリー(1日公開)
  • センセイ君主(1日公開)
  • ミッション・インポッシブル/フォールアウト(3日公開)
  • オーシャンズ8(10日公開)
  • 銀魂2(仮題)(17日公開)
  • ペンギン・ハイウェイ(17日公開)
  • 検察側の罪人(24日公開)
  • マンマ・ミーア!/ヒア・ウィー・ゴー(24日公開)
  • アントマン&ワスプ(31日公開)
  • SUNNY 強い気持ち・強い愛(31日公開)

 

9月
  • 君の膵臓をたべたい(1日公開)
  • 寝ても覚めても(1日公開)
  • MEG ザ・モンスター(7日公開)
  • 累ーかさねー(7日公開)
  • プーと大人になった僕(14日公開)
  • 散り椿(28日公開)
  • スカイスクレイパー(詳細未定)

 

 

10月
  • 音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!(12日公開)
  • 億男(19日公開)
  • 旅猫リポート(26日公開)

 

秋以降公開予定

 

  • ア・クワイエット・プレイス(原題)
  • 泣き虫しょったんの奇跡
  • ビブリア古書堂の事件手帖
  • ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
  • GODZILLA 星を喰う者
  • ボヘミアン・ラプソディ
  • 映画ドラゴンボールZ超(スーパー)(仮題)
  • シュガー・ラッシュ オンライン
  • アイネクライネナハトムジーク
  • アリータ/バトル・エンジェル
  • グリンチ
  • アリー スター誕生
  • ヴェノム ほか

 

 

 

 

 

 最後に

 他にも、久々にシリアスな内容ととんでもなく最高にカッコイイ悪役の誕生に歓喜した「ブラックパンサー」、久々の続編を現代風にアレンジして笑いに特化した「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」、裏ダンケルクと称された、国の今後の運命を担た男の数週間をエンタメチックに描いた「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」、音楽を誰かと奏でることの素晴らしさを改めて教えてくれた「坂道のアポロン」などなど、10作品には惜しくも漏れてしまいましたが、心に残る素晴らしい映画の数々でした。

 

というわけで、今年の上半期僕が面白いと思った作品を公開日順に10本挙げさせていただきました。

特に2月と4月5月はかなりの量の映画を、しかも複数回見たので、今年も豊作だなぁと感慨深くなりましたね。

 

 下半期は一体どんな素晴らしい作品公開されるのか非常に楽しみです。

というわけで以上!あざっした!!

映画「パンク侍、斬られて候」感想ネタバレあり解説 この世のすべては茶番なのか。

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6月30日

パンク侍、斬られて候

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 豪華キャストに加え、クドカン脚本。色鮮やかな衣装によって、時代劇だけど斬新さがある、それでいて内容がぶっ飛んでいそうな雰囲気。

予告を見る限りでは、そんな予感のする映画ですが、ボクにとっては、90年代後半から2000年代前半にかけて日本の映画界を始めとしたポップカルチャーを牽引してきたカッコイイ俳優たちが再び共演してくれたことがとにかく嬉しいのであります。

彼らをなんて括ればいいんだろうか。

 モデル俳優?いや違うかぁ、オシャレ俳優?なんだそりゃw

とにかく石井監督だから集まったんだということでしょう。

きっと今作を見たら、彼らが共演した作品を見たくなっちゃうのかなぁ。

 

果たしてどれだけ破天荒でぶっ飛んだお話なのか楽しみです。

早速観賞してまいりました!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

芥川賞作家の町田康が2004年に発表した同名小説を、数々の若者たちの暴力と憤りを画面にぶつけ、ジャパニーズパンクムービーを描き続けてきた鬼才・石井岳龍監督、そしてパンク魂を胸に掲げた作風で若い世代の心を掴みながら、とうとう大河ドラマの脚本まで手がけるほど売れっ子になった、現代を代表する脚本家・宮藤官九郎という、破天荒な3人のクリエイターによって映画化。

 

自称超人的刺客と名乗る侍を中心に、幕府の重鎮、謎の宗教団体、そして猿の軍団らが絡まっていき、そろいも揃った曲者達が戦いぶつけ合いばかし合うトンデモストーリーと昇華してゆき、疾風怒濤にして予測不可能な展開が繰り広げられていく。

果たして観る者たちは、出会うべくして出会い互いがリスペクトを欠かさない、3人のパンク魂を持ったクリエイター陣による、ハチャメチャでありながら現代社会を投影した、奇想天外な超ド級のディープインパクトを受け止めることができるのだろうか。

 

 

 

パンク侍、斬られて候 (角川文庫)

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あらすじ

 

 

ある日、とある街道に一人の浪人が現れ、巡礼の物乞いを突如斬りつける。

自らを“超人的刺客”と表すその浪人の名は掛十之進(綾野剛)。

 

掛は「この者たちは、いずれこの土地に恐るべき災いをもたらす」と語るが・・・。

 

次々と現れるクセもの12人。

ある隠密ミッションの発令によって始まる前代未聞のハッタリ合戦。

 

そして一人の女をめぐる恋の行方と、一人の猿が語りだす驚きの秘密。

 

今、あなたの想像をはるかに超える、驚天動地の戦いがはじまる!!(HPより抜粋)

youtu.be

 

 

 

監督

今作を手掛けたのは石井岳龍。

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以前は「石井聰亙」名義で活動しておりました。僕としてはそっちの名前の方がしっくりくるのですが。

正直ほとんどの作品を見てるわけではありませんが、この方の作風はパッションといいますか、自分自身の内なるものから社会に対しての怒りといいますか、とにかく感情をぶつけるようなパターンの作品が多い気がします。

近年はそういった作品があまり多くは見受けられませんでしたが、今回久々の大きな作品で、やりたい放題やってるような気がします。

そんな監督の作品に、石井組常連の俳優陣が取穴したのも嬉しい材料ですよね。いったいどんな映画になってるのか。

きっとぶっとんでて怒ってるに違いないでしょうw

 

 

そんな監督の代表作をサクッとご紹介。

近未来の幻の街を舞台に、暴走族たちが権力や右翼に戦いを挑んでいく「狂い咲きサンダーロード」でインディーズ映画界の旗でとして君臨。

その後「マッドマックス2」の影響を受けて荒廃した近未来都市を舞台に描かれた「爆裂都市 BURST CITY」ではロックミュージシャンを中心に多数出演するという試みをし話題になります。

他にもマイホームを手に入れた家族の前に祖父が登場することで、家庭内暴力が吹き荒れていくバイオレンスコメディ「逆噴射家族」ではベルリン国際映画祭で注目を浴びていきます。

 

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90年代から00年代になるとさらに監督の世界観が深みを増していきます。

危険な恋に落ちていく一人の少女の心象を描いた全編モノクロ映画「ユメノ銀河」、牛若丸と弁慶の物語を新解釈し最新のCGで描いた「五条霊戦記/GOJOE」、電気と感応する男と、怪電波をキャッチする男の一触即発のバトルを繰り広げていくエキセントリックアクションバトルな短編映画「ELECTRIC DRAGON 80000V」などを製作。浅野忠信永瀬正敏という後に日本映画をしょって立つ俳優たちを起用し話題となります。

 

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その後しばらく映画製作を休止していましたが近年から活動を再開。

病院に併設された大学キャンパスを舞台に、日常を送る人々が次々と原因不明の死を迎えていく様をオフビートで描いた群像不条理劇「生きてるものはいないのか」、ごく少数の女性の胸に咲く不思議な花をモチーフに、男女の愛の行方をミステリアスに描いたファンタジードラマ「シャニダールの花」、社会の底辺に暮らす男が現状を向けだすために盗みを働くことで自らの宿命を知ることになる様を描いた、ブラッドサースティーブッチャーズの曲から着想を得た監督14年ぶりとなるロック映画「ソレダケ/that's it」などを手がけています。

 

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キャラクター紹介

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左上より。

 

  • 掛十之進(綾野剛)・・・超人的剣客にしてプータロー。自らのハッタリで未曽有の事態を招く。
  • ろん(北川景子)・・・茶山の身の回りをしているミステリアスな美女。
  • 幕暮孫兵衛(染谷将太)・・・大浦の家臣。いわゆる❝ゆとり❞世代。窮地に陥ると気絶する特異体質を持つ。
  • 黒和直仁(東出昌大)・・・黒和藩の藩主。別名❝正論公❞。堅物で機転が利かないザ・お殿様。
  • 茶山半郎(浅野忠信)・・・腹ふり党の極悪非道な元幹部。顔に刺青があり、2人の付き人に自分の言葉を代弁させる。
  • 大臼延珍(永瀬正敏)・・・国中の猿を集める力を持ち、人間の言葉を巧みに操る。
  • 真鍋五千郎(村上淳)・・・大浦より掛十之進の暗殺依頼を受けた刺客。超人的剣客養成所・通称「そこの穴」で育つ。
  • オサム(若葉竜也)・・・想像も絶する阿保だが念動力が使える。食べ物を与えたものの言う事だけを聞く。
  • 長岡主馬(近藤公園)・・・内藤の家臣。失脚した大浦に帯同するよう命じられ、屁高村で猿回しの才能を開花させる。
  • 江下レの魂次(渋川清彦)・・・腹ふり党に関する情報収集のために内藤が放った密偵。ろんに激しい恋心を抱く。
  • 大浦主膳(國村隼)・・・黒和藩の次席家老。幼少から犬猿の仲とされる内藤の策にはまって失脚。
  • 内藤帯刀(豊川悦司)・・・黒和藩の筆頭家老。掛十之進のハッタリをいち早く見破り、利用する。

 

 

 

 

 

 

 

 

一応「dTV」がスポンサーとなっており、配信コンテンツでの製作予定だったそうですが、ちょいちょい待ち待ち!この製作陣でこのキャスト?配信もったいないじゃん!!てことになったそうです。

いや当然でしょw

そんな配信コンテンツから劇場公開映画となったパンク野郎たちによるパンクな時代劇、一体どんな物語なのか!そして何を背景に伝えようとしているのか!

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

超絶ぶっ飛びエンタテインメント時代劇の誕生にして、その正体はこの世の中を茶番と嘆く社会風刺の塊だった!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宇宙が砕けましたよ。

江戸時代の弱小藩を舞台に、ハッタリ侍と策士な家老による大きな嘘によって巻き起こってしまう夏フェス規模の大参事と、その策略の渦中の人物たちによるどパンクなハチャメチャ合戦の模様を、時代劇なのに現代用語バリバリ、7色に彩られたファッションやデザインというニューウェーヴなテイストで描き、我々にこの世のすべては全て茶番劇なんだぜ!だからお前ら、心にパンク魂を植え付ける!、いつかこんなことになっても知らねえからな!と軽くお説教を受けているかのような、痛烈な社会風刺を織り交ぜた最高にロックでパンクでファンキーな時代劇シニカルコメディでございました。

 

何なんだこの映画は!はっきり言って理解するには難しいのかもしれない、でもいいたいことはわかる!

 

いつも心にパンクを、なんて信条はこれっぽっちもない、ごくごく普通に暮らすその辺の大人代表モンキーではありますが、元ミュージシャンてこともあり、こういうわけわかんないけどそういうわけわかんない感じがさ、なんつーかロックだよな(ゴールデンスランバーの渋川清彦がそんなこと言ってましたねw)と、この映画を見終えた時感じました。

ただこれはロックとはいえパンクなのです。

一体何が違うんだよモンキーさんよぉ?と言われても、そもそも俺ロックは好きだけどパンクはちょっと・・・な人間なもんで、大雑把なことしか言えませんが、ロックという反骨精神に自由なスタイルを貫くのがパンクなのではないかと。

いやいやロックだって自由だろと思うでしょうが、だから言ったでしょう、大雑把なことしか言えないって。

そこ論点じゃないんでw

 

この映画が一体どんなものだったのかってことへの僕の超ざっくりな感覚ということで、一言「何つーかロック、でもパンク」ということでしたが、じゃあ細かく感想を述べなさいよ、ということで、申し上げますと、いわゆる普通に見てはいけない映画だったってことです。

なんでってそりゃあ念動力で花火は上がるわ、猿がしゃべるわ、終いには空が渦巻いて踊り狂ったやつらが浮かび上がって蒸発とか、もうすでに正気の沙汰じゃあないですよこの映画。

しかもいきなりウィンウィンの関係とかネットワークとかバリバリ横文字、衣装だって、赤や緑や黄色紫などなど時代劇にはふさわしくない彩り。音楽だって基本ロックです。スイングドラムから始まるBGMもあれば、ギターをかき鳴らすのもあったりで、とにかく時代劇という仮面をつけた現代的演出の数々なのです。

 

何が言いたいって、すごくフザケた映画でありました。

大真面目にフザケた。大人が真剣にふざけてるんですよこれ。

何かにつけて怒りをぶつける不穏な時代に、何かにつけて正論振りかざして真面目腐ったことばかり言う時代に、こういう最&高なおふざけパンク映画を作ってくれてありがとうです、はい。

東出昌大が演じたお殿様がですね、正論んばっかいうやつなんですが、そんな頭の固い奴が見たらあなたの宇宙は砕けませんよ、そんな目で世の中観てちゃあいけませんよええ。

ドントシンクフィールです。はい。

 

でですね、これだけフザケた映画なのに、何を描いてるかって現代社会の縮図ですよ。

掛は浪人ではありますが、とりあえずいい腕持ってるけどそれを真面目に使わずにハッタリばっか言って楽してぐうたら生活を送りたいフリーター。

幕暮は藩士ですが、ちゃんと言いたいことが言えず、ピンチになると気絶=全てを投げ出す、いきなり君付け、そしてマニュアル第一、でもそれは目の前にあるピンチを切り抜くための策なんだけど全く臨機応変に対応できない典型的ゆとり世代。

協調性のない個人主義の密偵や、力を持つあまり周囲からせっかんばかりされて頭おかしくなったオサム。

内藤達お役所の人間は、自分の地位や保身ばかり気にし、問題が生じればどう解決するかより誰のせいばかり議論し、そいつを切って解決する今の国会そのもので、責任を向けられれば部下を切り捨て自分だけ助かろうとする私利私欲なやつらばかり、そんなごたごたをただただクソまじめな目でしか見ることができないお殿様。

そして切り捨てられたことでようやく大事なものを見つける時すでに遅しなジジイ。

そんな面々を言語化し我々にストーリーテラーとしてこの茶番劇を伝え、言葉をしゃべることで気味悪がられ罵られ差別や偏見ばかりされる大臼。

そんなサルが目上の立場である人間を小バカにすることで、社会を風刺した芸であることを猿回しを通じて訴える。

 

そんな彼らはまさに今僕らが活きている現代に当てはまるような存在ばかりなんです。縮図なんです。

 

そして描かれるのは、今自分がこんななのは社会のせいだ世の中のせいだと自分自身のせいにせず憂い嘆く、そういう時こそ何かを信じたい、いや信じるしかないのかと、とにかく踊って騒いで社会にぶつけようぜ!みんなで騒げば何やったっていいんだよ!城に火を放とうぜ!落書きもしちゃおうぜ!やべえヤりてぇ!あれ欲しい盗んじゃおう!などなどもはや法はそこにはなく、混沌としていくわけです。

ワールドカップで渋谷スクランブル交差点に集い勝利しようが負けようがとにかくみんなとこの時を共有したい!騒ぎたい!などただただ鬱憤晴らしのきっかけが欲しいだけのような輩と一緒なんです、ここに出てくる腹ふり党に魅せられる奴らは。

 

しかもハッタリから始まったこの物語は自作自演という茶番のせいで混沌を極め、しまいにはパンク魂でかたをつけるという、爽快でもあり強引でもある形で終息していくんですね。

てことは今僕らの目に蔓延している停滞している問題をですよ、何物にも流されず己の考えで自由なスタイルで、君だけの精神でぶつかっていけって言ってるんじゃないかと。壊せよお前のその価値観スタイル精神全て、そしてこの世の中を斬っちゃおうぜと。

勝手に括られて決めつけられる我々ですが、それでいいのかとお前はお前だろと。

この世の中どうしたいかは、ぶったぎってくぜゲッチョファイヤ!ってことだろうと。

 

相変わらず文才の無いモンキーですが、なんつーか?これもパンク魂ってことでご勘弁をw

 

 

とりあえずざっくりあらすじ。

掛十之進が道中でいきなり切りつける場面から始まるこの物語。

その一部始終を見ていた黒和藩家臣長岡。

こいつは腹ふり党っていうやつらで、こいつらがここにいるってことはこの街奴らにのっとられちゃうよ?俺がなんとかしてやるぜ?と掛はハッタリをかますんですね。

で、長岡は城へそれを伝え彼を呼ぶわけです。

実は掛が斬ったのは、ただの物乞い。腹振り党なんかじゃなかった。とりあえず、家臣の目の前で嘘ついておけば、もしかしたら侍として雇ってくれるかも?というわけ。

 

でもそんなインチキハッタリほら吹き野郎をあっさり見破った家老内藤は、君の嘘バラしちゃうよ~どうするぅ~死んじゃうよ~と掛を脅し、彼の嘘を利用して、俺の長年の目の上のたんこぶである、家老大浦を失脚させようと画策。

殿の前で腹ふり党の事を話す掛は、大浦を茶化したことで怒り心頭。部下である幕暮に刺客を送るよう命じます。

 

内藤の屋敷でグータラ生活を送っていた掛ですが、酔い覚ましに外で掛け散歩していると、ロン毛に紫メッシュの謎の刺客真鍋が現れます!

彼は大浦が幕募を使って用意した黒和藩の刺客だったのです。

超人的刺客だけあって剣裁きもなかなかな掛。それとほぼ同じ力を持つ真鍋との文字通り真剣勝負は互角の争い。

秘技・人間炬燵!(ただのプロレス技)

睾丸稲荷返し!(ただの顔面騎乗)

睾丸稲荷返し返し!(ただの顔面騎乗交代)

睾丸稲荷返し返し返し!!(ただの顔面騎乗2回表)

そうこうしているうちに、股の匂いを嗅いでいるとどこか懐かしい匂い。

あれ?何コレ?臭いけど臭くない!

そうです、二人は幼馴染だったのです。

 

意気投合した二人を目にした幕暮は、全ては大浦さんが仕組んだことと殿に報告。

結果大浦は、民が暮らす屁高村のさるまわ奉行所で、猿回しをする羽目に。なぜか長岡も同行。

こうして内藤の策略は見事成功。派閥争いに勝利したのです。

 

しかし、腹ふり党はいつまでたってもやってこない。

内藤の犬、密偵の魂次の徹底的リサーチによると、岐阜羽島で生まれた腹ふり党は、この世はサナダムシの中にいて、我々はそこから出ることでおへどになれるという、なんとも理解不能な教えを説く超怪しい新興宗教でありましたが、腹にグルグル巻きの絵を描いて踊ることでおへどに近づくということで、貧困にあえぐ民たちを中心に勢力を増やし、あまりに踊るもんだから首切られても踊ったままの状態なんて逸話もあるほどのなかなかのヤバさ。

そんなヤバい宗教でしたが、見事に滅んでおり、既に腹ふり党は存在しないという事実が発覚。

 

掛ちゃんお前やってくれたねと怒り心頭の内藤。どうしてくれんのよ、これバレたら俺の身ヤバいじゃん、てかお前もやばいんじゃないの?ということで、腹ふり党を新たにこちらで作りそれを討伐する自作自演計画を企てます。

その名もHDP。腹ふり党・D忘れたww・プロジェクト。

メンバーは、掛と魂次、幕暮にオサムという馬主。

オサムは飯をくれた奴の言うことだけを聞く忠実な奴なんですが、とにかくアホ。阿保といっても相当なアホ。ただしこいつには念動力と言ってモノを念で動かす特技を持った奴だったのだ。内藤はオサムを痛く気に入り同行させたのです。

 

魂次のリサーチにより残党の元幹部が隠れ家にいるとの情報をたよりに探す一同。

元幹部である茶山は、額に大きな刺青を入れた変わった風貌の男。しかも自分の言葉を付き人が代弁するという不思議な人物だったのです。だから幹部になれたのか。

とりあえず幕暮と掛は、NEO腹ふり党を作ってくれと依頼します。

承諾した茶山は、彼の手伝いをしていた謎の超美人ろんと、出島から連れ出した黒人の大男ジョージらとともに、スラム街に行き、信仰を促します。

瞬く間に腹ふり党に魅せられたスラム街の民たちは、暴動強姦強盗などありとあらゆる悪事を働き、踊りに踊りまくります。

 

気づけば1000人規模の状態となり、城の財政難に伴いリストラだなんだで藩士を必要最小限にしていた内藤の計画は想定外の事態に。

果たして掛は、この状況をどう収めるのか。

そうもしているうちに、腹ふり党は城を攻めて来るのだった!!

 

 

最後に

何か久々に勢いで書いているので収集つかないですが、とにかく圧倒的カオスによる画力が半端ない、あ、ハンパないって!な映画でございました。

石井監督の作品を久々にみたわけですが、全然大作映画でも問題ない面白さでエンタメで誰でもってわけではないけれど、見る人によっては相当笑える映画だったのではないでしょうか。

 

クライマックスで目を覚まして目の前のあらゆる者をたちをバッタバッタと斬りつける掛の姿は非常に痛快です。そんなこいつにも顛末は訪れるんですけどね。

だからこその「パンク侍、斬られて候」だったわけで。

 

クドカンはやっぱり脚本だけの方がいいですね。監督やるとちょっと疲れる。こういう題材なら別の監督にならせた方が彼の味が出るな思えた脚本でした。

そして北川景子が美しすぎる・・・・。魂次の気持ちがわかるぜw

といいうわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」感想ネタバレあり解説 女は男の玉拾いではない。

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7月6日

バトル・オブ・ザ・セクシーズ

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ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーンが、今度は肉体改造して地味な女性に!?みたいな出だしでエンタメ情報を「めざましテレビ」で放送していたのを今でも覚えてるんですが、その時に、あ、そうだこれアカデミー賞ノミネート無かったな・・・と。

 

去年から楽しみにしていたんですけど、日本での公開がこんなに遅れるなんて思ってもみなかったですね~。きっとアカデミー賞ノミネートすればGW前くらいには公開したんだろうと。

それだけ世界の賞レースはマーケットにも影響を及ぼすんですよね。

 

 さてさて、もうすぐ25周年の「FOXサーチライトピクチャーズ」は、「スリー・ビルボード」、「シェイプ・オブ・ウォーター」、「パティ・ケイク$」に続き、4本目の公開作品。

どれも良質な作品ばかりを輩出してるので、今作ももちろん大注目なのであります。

 

そんな今作ですが、僕はテニスのダブルスのお話なのかな?と思ったら、男VS女のガチンコテニスバトルだったんですね~。しかも事実に基づいた話。based on true storyってやつです。

一体なぜそうなったのか?

気になるけど、これ調べたらダメなやつだよね?結果わかっちゃうもんね!

ガマンガマン!

というわけで早速観賞してまいりました!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 

1973年、男女平等を求める運動が、まだ始まりに過ぎなかった時代。

女性アスリートにも男子と同じ賞金をと訴える女の行動に目をつけた男性優位主義の男が挑戦状をたたきつけてきた。

そして女子現テニスチャンピオン29歳VS男子元世界チャンピオン55歳の、まさしく性差をこえた戦いが繰り広げられる。

 

スポーツ界はもちろん、政治や社会、課程といった日常の全てにおける男と女の関係を変えた世紀の戦いの全貌を、パワフル且つユーモアを交えて描く。

 

「ベストを尽くせば世界を変えられる」と信じる女が全女性の敵に挑む。

 

 

 

 

Battle Of The Sexes (Original Motion Picture Soundtrack)

Battle Of The Sexes (Original Motion Picture Soundtrack)

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

全米女子テニスチャンピオンのビリー・ジーン・キング(エマ・ストーン)は怒りに燃えていた。

全米テニス協会が発表した次期大会の女子の優勝賞金が、男子の1/8だったのだ。

仲間の選手たちと“女子テニス協会”を立ち上げるビリー・ジーン。

資金もなく不安だらけの船出だったが、著名なジャーナリストで友人のグラディス・ヘルドマン(サラ・シルヴァーマン)がすぐにスポンサーを見つけ出し、女子だけの選手権の開催が決まる。

 

時は1973年、男女平等を訴える運動があちこちで起こっていた。女子テニス協会もその機運に乗り、自分たちでチケットを売り、宣伝活動に励む。
トーナメントの初日を快勝で飾ったビリー・ジーンに、かつての世界王者のボビー・リッグス(スティーヴ・カレル)から電話が入り、「対決だ! 男性至上主義のブタ対フェミニスト!」と一方的にまくしたてられる。

 

55歳になって表舞台から遠ざかったボビーは、妻に隠れて賭け事に溺れていたのがバレ、夫婦仲が危機を迎えていた。

再び脚光を浴びて、妻の愛も取り戻したいと考えたボビーの“名案”が、男対女の戦いだった。

ビリー・ジーンに断られたボビーは、彼女の一番のライバルであるマーガレット・コートに戦いを申し込む。

マーガレットは挑戦を受けるが結果は完敗、ボビーは男が女より優秀だと証明したと息巻くのだった。

逃げられない運命だと知ったビリー・ジーンは、挑戦を受ける。

その瞬間から、世界中の男女を巻き込む、途方もない戦いが始まった──!(HPより抜粋)

youtu.be

 

 

 

 

監督

今作を手がけるのは、ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス

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このふたり、夫婦で映像製作しています。

元々はミュージックビデオ製作だったそうですが、ディスコグラフィーを見てみると、トンでもねービッグバンドたちのMVを手がけてるんですよ。

スマパンの「Tonight,Tonight」をはじめ、R.E.Mオアシストラヴィス、そしてレッチリ

 

彼らの近年の曲では一番有名であろう「By The Way」は彼らがMV製作したんですね~!!知らなかった!!!

youtu.be

アンソニーがレッチリの熱烈ファンであるタクシー運転手に拉致られちゃうやつねw

当時スカパーに入ってたので、スペシャやらM-ONなんかで死ぬほど見た記憶があります。もち、歌も大好きっ!

 

 

そんなMV畑で実力をつけてきたお二人は、今作が長編映画3作目と少なめ。

ですが!

この二人はあの名作「リトル・ミス・サンシャイン」と、男の夢と刹那を描いた良作「ルビー・スパークス」を手がけたお二人なんですね~。

今年FOXサーチライトのまとめ記事を書いたので作品に関しては是非そちらでどうぞ。

 

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キャスト

主人公ビリー・ジ-ン・キングを演じるのは、エマ・ストーン。

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彼女とジェニファーローレンスは20代最強の女優だと思います。

シリアスな演技も素晴らしいし、コメディやらせたらとてつもなく面白い!

てか好きだ!あ・・・心の声が・・・

 

日本でも「ラ・ラ・ランド」をきっかけに知名度が上がったし、ファンも増えたでしょうから是非今作も見て欲しいですね。

彼女に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 次回作はなんと「ロブスター」、「聖なる鹿殺し」のヨルゴス・ランティモス監督作品なんだとか!Netflix映画も確かやるはずだからどっちも楽しみです!

 

 

 

男性勇姿主義の元テニス男子世界チャンピオン、ボビーリッグス演じるのは、スティーヴ・カレル。

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今作で一番楽しみにしている所、それは彼のユニークな演技。

ここ最近の彼は「フォックスキャッチャー」で味をしめたのかシリアスなものばかり。

マネー・ショート」は一応コメディではありますが、カレルの役どころはぶちギレ手ばかりの性格。あれも笑えましたけど、なんか違うというか。

カフェ・ソサエティ」のときも、作品のテイストがロマコメっぽいとはいえ、彼が何か笑わせるようなことはしてないし。

先日公開した「30年後の同窓会」も、息子を亡くして落ち込んでいる状態から、友によって笑顔を取り戻していくけど、笑わせてくれたのはブライアン・クランストンだし。

 

なので久々に彼のコメディアン俳優としての、ぶっ飛びぶりを堪能したいのであります。

ただこれコメディ映画ではないでしょうから、はみ出るようなことはしないと思いますけども。

彼に関してはこちらをどうぞ。

 

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他のキャストはこんな感じ。

マリリン・バーネット役に、「オブリビオン」、「ノクターナル・アニマルズ」のアンドレア・ライズブロー

グラディス・ヘルドマン役に、「メリーに首ったけ」、「テイク・ディス・ワルツ」のサラ・シルヴァーマン。

ジャック・クレイマー役に、「インデペンデンス・デイ」の大統領役でお馴染みビル・ブルマン

テッド・ティンリング役に、「007/ゴールデンアイ」、「チョコレートドーナツ」のアラン・カミング

プリシラ・リッグス役に、「リービング・ラシベガス」、「31年目の夫婦げんか」のエリザベス・シューなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

現在でも男女の性差は日常に潜んでいますが、当時は今よりもっと表面的だったのでしょう。ビリージーンキングの一世一代の大勝負に、ボビーのクソ野郎振りが楽しみです!

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

 男どもの主張があまりにも情けない・・・。

女は男のためにあるんじゃねえ!と戦った一人の女性の逞しさとその裏での苦悩を描いたウーマンリブ映画でした!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この勝負があったからこそ。

1973年のアメリカを舞台に、テニス最強女子プレイヤーによる男子と対等の賞金をと訴えることをきっかけに、フェミニズムとウーマンリブを突き進む姿ともに、ギャンブル依存症に苦しむ男子テニス元世界チャンピオンの家庭内での主権をもてない悲哀と、自ら広告塔になり繰り広げるさまざなパフォーマンスをユーモア全開で描いていきながら、テニスという競技を前面にだすのではなく、敬意を払えられていない女の苦しみ、男性優位主義と謳いながら家庭内や自身における心の苦しみ、そしてセクシャリティによる苦しみなどを丁寧に物語に組み込むことで、性別を問わず誰の心にも優しく問いかけてくる大変楽しい映画でございました!

 

 

なぜ男と女で優勝賞金が違うのか?しかも8分の1も!

チケット料金一緒なのに?試合の数も一緒なのに?

それは男は家族を養わなれけばいけないし、何といっても男の試合の方が面白い。という何ともナンセンスな考えの持ち主であるプロモーターの考えにぶち切れテニス協会を抜け、仲間や同志を集い女子テニス協会を立ち上げるビリー・ジーン・キング。

 

確かに男性と女性で身体的な差は一目瞭然である。だからどうしたって、男が強くって女が弱いって構図が我々の中に根付いていることは容易だ。

しかし、この物語はそういう男性優主義の超偏見に対し、論点が違うということを強く訴えている。

 

力がどうだということではない、生物学的な話ではない。

なぜ男の方が女より優れていると思っているのか、なぜ男より女の方が劣っていると思い込んでいるのか。

そういう考えがあるからいつまでたっても男は女を見下し、何か権利を主張すれば力で抑え込もうとする。私たちは性別がどうであれ同じ人間であって、権利は平等にあるということを、テニスでの勝負を通じて痛烈に訴えている作品でありました。

 

これが1970年代に実際にあった出来事だということだというのに、歴史が変わった出来事だったというのに、現在でも女性の立場は劇的な改善がされていないのが現状ということが非常に悲しい。

確かに当時に比べれば見違えるほどオープンな社会にはなったと思うけど、ハリウッドの映画業界で言えば、「ゲティ家の身代金」での追加撮影の際、マーク・ウォールバーグミシェル・ウィリアムズの賃金の格差が実際にあったり、我々が住む日本でもまだ男の影に隠れてしまっている女性の存在が、男の力によって優遇されていない女性の存在が後を絶たない。

 

そんな肩身の狭い女性が権利を勝ち取るために、必死にもがき孤独に戦う姿に非常に感銘を受けた作品だったと思います。

ビリーは決して男より女の方が優れている、どっちが凄いかどっちが強いかということを証明するために戦っているのではなく、我々女性にも敬意を払ってほしいという願いを強く心に持っており、それがたまたま賞金の差が大きすぎたことに落胆し行動に移ったわけであります。

 

 

そしてビリーにひとつの大きな転換期が訪れることで、男が女がという性別をも超えた部分について悩み考えていきます。

ただ時代はまだそのことについては差別意識が強く、今それが明かされれば完全にテニスの世界から抹消されてしまうことは当然であり、ビリーはそれとも戦う宿命になっていくというのも物語に組み込まれていたんですね。

今回こういう勝負に出られたのは、ウーマンリブ活動が丁度始まった時期だからできただけで、彼女の身に起きた変化に対して大っぴらにすることはまだできなかったと。

それに関しての決着は描かれていませんが、ビリージーンキングという女性のその後の人生を劇的に変化させるエピソードとして非常に大事な部分だったんだなと。

 

で、実はさりげなくアプローチしているという点で面白かったのが、テニスコートという世界の中に何も染まっていない「白」というユニフォームの色に、様々な色をつけようと小さなアクションを起こすデザイナーのテッドの存在も大きかったなぁと。

その役をアラン・カミングがやっていたというのもすごく意味のあるキャスティングで、我々は同一ではなく、それぞれが違う色で構成されている生き物だということを、ユニフォームにいろんな色を付けることで主張してるんですよね。

さりげなくというのは、もちろん時代的なもので彼もビリーもまだ公にできない秘密を抱えているからということなんですが、いずれ僕らは堂々と主張できる、とラストで語るテッドの言葉に光を感じた瞬間でもあったなと。

 

 

他にこの物語はそんなビリーという女性を通じて、自由を勝ち取るために何をすべきかという部分と、その自由と地位を獲得するためには孤独とも戦わなければならない(劇中で流れるエルトン・ジョンのロケットマンがそれを示唆しているのもうまい)ということも盛り込んでいたなぁと。

踊る大捜査線」で和久さんが青島に言った言葉、「正しいことをしたければ偉くなれ」という名言があります。

ビリーは自分の主張を世間に知らしめるためには、トップにならなければいけないと考えており、頂点に立てば世界が変わるということで、テニスに没頭していたんですね。

そういう正しい考えの持ち主が上に立ち平等を訴えることができれば世界が変わる、正しいことができると。

それを体現しようとするビリーの意志に、僕は和久さんの言葉がふと思い浮かびました。

まぁ「踊る~」はいろんな人が批判してますけど、僕は大好きですということが言いたいw

 

 

 

女が辛いのと同様に。

あくまで主役はビリージーンキングであり、彼女が女性の権利を勝ち取るために戦う姿が主な軸ではあるんですが、この映画はそれだけが見どころではありません。

 

ビリーの敵になるボビー・リッグスにも様々な葛藤がありました。

元世界チャンピオンである肩書をいつまでもぶら下げるボビーは、奥さんのお父さんの会社にコネ入社したものの仕事をさせてもらえない退屈な日々。

引退後シニアとして活動していたものの、その賞金金額は少なく、ギャンブル依存症という問題も抱えていました。

 

夕食でも子供とコショウの粒がいくつあるか賭けようよ、と子供に提案されそれに乗ろうとするボビーでしたが、奥さんに咎められるんですね。

そりゃあ夕食の時にする話じゃないし、子供にそんなこと教えるもんじゃなりませんてことなんだろうなぁと思ったら、それが伏線になっていたわけで。

 

で、それを奥さんとかなり話し合ってきたのでしょう。絶対賭け事はやめて、夫として家庭を安心させるよう支えてと。

要はボビーの家庭では、彼が優位に立たされていない状況にあったわけで、彼もまたビリー同様お金を持たせてもらえてないと。

 

そんな彼にとっておきのアイディアが思い浮かぶんですね、それが性差を超えた戦いだったと。

ギャンブルがダメだというのは負けてしまうからであって、要は負けなきゃいい。勝てる勝負をすればいい。

男性優位主義の金持ちをスポンサーに向かえ、女子で一番強い奴と戦い自分が勝つことで彼らは喜ぶし、その中で自分も好きな賭け事ができる。そして大金を稼ぐことで夫として家長として家庭も安泰だと。

 

一石二鳥にも三鳥にもなるアイディアだと。

 

で、ボビーはとにかくこのエキシビジョンマッチを世紀の試合とともに、お金ががっぽり稼げる試合にしようと、男性優位な考えを持つ輩からとにかく金を稼ぐんです。

そのためにピエロになり、あらゆるパフォーマンスをしていく。

マリンブーツを履いてカッパを着て適当なラリーをしたり、羊をコートに放って羊飼いとなりながらテニスの練習をしたり、ブロンド美女軍団を従え、フライパンでテニスをして女は台所にいればいいなどとインタビューに答えたり、挙句の果てにはヌード撮影ww

 

テレビで過激な発言をして煽ることで、視聴者を増やそうとする原因は、掛けに勝って大金を稼ぐためなんですよね。

男が強い!とかはボビーにとっては二の次に感じます。

とはいえ女をなめてるのがこの練習風景を見ていると非常に理解できるんですがw。

 

そんなテキトーな練習とアミノ酸に頼って臨んだ試合。果たしてビリーが勝つのか、ボビーが意地を見せるのか。

 

ということで、ボビーもまたビリー同様戦わなければならない理由や、苦しみや悲哀、葛藤が描かれていることで、彼にも情が沸くような描かれ方をしているんです。

 

 

最後に

ビリーのエピソードもとても重要だけど、ボビーを敵にしてフェミニズムな映画にするんじゃなくて、ボビー側にもこうした側面を見せることで、わかりやすい善悪にせずに描いているのがこの映画は素晴らしいと思うんです。

 

そう、ビリーが戦う相手はボビーじゃないんですよね。その向こう側でふんぞり返って試合観てボビーに勝つ方に賭けている奴らなんですよね。

この試合に勝つことでこいつらの考えを変えてやろうと。その鼻へし折ってやろうと。子育てと家事だけするのが女じゃないんだよと。それをしている私たちに敬意を払ってよと。男が外へ出て稼いできてやっている、なんて考えはナンセンスですよと。

今じゃすごく敬遠されるような考えですが、このころはそれがまだ当たり前にように蔓延していたわけです。

 

ドラマ要素ばかりの感想になってしまってますが、もちろんそんな部分があるからクライマックスの試合を観てると手に力が入るんですよね。

これまでふざけていたボビーがマジになっていく姿が凄く印象的です。

 

是非その辺は劇場でご覧いただいて。

 

女性が活躍しやすくなった時代のきっかけはここにあったと言っても過言ではない出来事を作品にした映画。しかしまだビリーが見据えた世界は近づいてはいるもののいまだ実現はできていない。

日本のトップが女性になるのもいつのことやら。

 

女を軽く見ている奴らにこそ見てほしい映画だったのではないでしょうか。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「セラヴィ!」感想ネタバレあり解説 結婚式をテーマに人生の面白さを描いてみました。

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7月6日

セラヴィ!/C’est la vie!

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 2018年下半期1発目の作品は、年に1本、いや2本・・・までは見ないか、フランス映画です。

僕の勝手なイメージですが、フランス映画は女性が好みそうな映画、逆に男ならイギリス映画って思い込みがありまして。

決してそんな事はないとわかっているんですが、そのせいかなかなかフランス映画って手を出せない。

でもですね、今回の映画、僕が大好きな作品のひとつでもある「最強のふたり」の監督さんの最新作ということで、あ!これは見たい!と。

 しかも今回もコメディということで、大いに笑わせてもらおうと。

 

セラヴィ!って今CMでヴァンサン・カッセルと小峠がやってますけど、彼らは全く関係ないですwはい。

 

オランジーナ420ml×24本

オランジーナ420ml×24本

 

 

今作は新生渋谷シネクイントのオープニング作品ということもあって、そちらで観賞しようと思い、早速観賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 

 2015年11月にパリで同時多発テロが発生。フランス国民に不安と恐怖と悲しみが蔓延していくのを見て、彼らに明るい笑顔と喜びを与えたい、お祭り騒ぎのような雰囲気の映画を作りたいという強い思いが監督に芽生え構想に着手。

結果フランス国内で記録的ヒットをたたき出し、世界50カ国以上で大喝采を浴びた作品に。

そんな今作は、引退を考え出したウェディングプランナーによる豪華絢爛な結婚式が、ポンコツのスタッフによってハチャメチャな結婚式になってしまうトラブルコメディ。

一体どんな顛末が用意され、私達をハッピーにさせてくれるのでしょうか。

 

 

 

 

あらすじ

 

 

結婚式は社会の縮図!?

人生は人に泣かされ、人に笑う。

ポンコツなウェディングスタッフが集まったパーティーはトラブル続出の大惨事。

 

ウェディングプランナーとして30年間、数え切れないほどの結婚式をプロデュースしてきたマックス(ジャン=ピエール・バクリ)は、そろそろ引退を考えていた。

 

そんなある日、17世紀の城を舞台にした豪華絢爛な結婚式の依頼が舞い込んだ。

いつも通り式を成功させようと、完璧な準備を整えたのだが、なんと集まったスタッフたちが全員ポンコツ!!

 

バンドのボーカルは新郎の希望と真逆の歌を熱唱しワンマンショー気取り、カメラマンは写真撮影よりもつまみ食い、ウェイターは新婦にうつつを抜かし、おしゃべりに夢中…。

 

マックスの努力も虚しく、次第に式は大惨事と化す…。

前途多難すぎる結婚式、果たして、チーム一丸となって成功させることはできるのか!?(HPより抜粋)

youtu.be

 

 

 

 

監督

今作を手がけたのは、エリック・トレダノオリヴィエ・ナカシュ

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このふたりといえば、もちろん「最強のふたり」ですね。

 

最強のふたり スペシャル・プライス [Blu-ray]

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 首から下が麻痺の大富豪と貧困層の黒人が、介護を通じて身分も肌の色も越えて絆を深めていく、フレンドシップストーリー。

キチンと介護するかと思いきやイタズラされたりいじられたり、時に乱暴に扱われたりするんだけど、障碍者という目線でなく、一人の人間として接してくれるドリスに心を開いていくことで、、毎日を楽しく過ごしていくフィリップの姿に誰もが心動かされていく最高に楽しい作品です。

音楽もノリノリの70'sディスコサウンドを中心としたチョイスで、見てるうちに指を足を体を、心を揺らしてみることができると思います。

 

この作品によって大ブレイクしたオマール・シーを再び主演に向かえ、フランスで真面目に働くも国外退去させられそうになる移民青年と、彼を取り巻く周囲の人物の心温まる人間模様を綴ったハートフルドラマ「サンバ」などがあります。

 

過去作からもわかるとおり、基本はコメディでありますが、ただ笑わせるだけじゃなく、社会問題などもキチンと組み込んだ物語にもなってるんですよね。

今回は一体どんなテイストのコメディになってるのでしょうか。

 

 

 

キャスト

主人公のウェディングプランナーマックスを演じるのはジャン=ピエール・バクリ。

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フランス人は大体ジャン=ピエールかジャン=ポールなんで、誰が誰だかわかりませんw

フランスでは有名な方だそうですが、今回僕は初めて彼の出演作を観賞することになります。

主な出演作は、リュック・ベッソン監督作品で近未来が舞台でパリの地下水同をエキセントリックに描いたSFアドベンチャー「サブウェイ」、毎週金曜日に集まるのが決まりの家族徐々にかみ合わなくなっていく様を綴ったコメディ「家族の気分」、往年のシャンソンやフレンチポップスに乗せて描かれる男女7人ラブストーリー「恋するシャンソン」、父娘の不器用な親子関係を軸に、主意の人物の真の内面をユーモアを交えて描いた「みんな誰かの愛しい人」などがあります。

脚本も手がけているそうです。さすがっすね!

 

 

他のキャストはこんな感じ。

バンドボーカル兼司会ジェームス役に、ジル・ルルーシュ

ウェディングスタッフのジョジアーヌ役に、「わたしはロランス」、「Mommy/マミー」とグザヴィエ・ドラン作品に欠かせないスザンヌ・クレマン

新郎ピエール役に、国立劇団「コメディ・フランセーズ」の団員、バジャマン・ラヴェルヌ

カメラマンのギイ役に、「エディット・ピアフ~愛の賛歌~」のジャン=ポール・ルーヴ

マックスの義理の弟でウェディングスタッフのジュリアン役に、「女っ気なし」、「やさしい人」のヴァンサン・マケーニュなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

セラヴィとはこれも人生さ!という意味だそうですが、この言葉がどんな魔法をかけてくれるのか。何かに行き急ぎ疲弊してしまっている僕らに、一体どんな人生観を与えてくれるのでしょうか。

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

結婚とは人生の縮図なのか・・・。

カタブツ上司とポンコツ部下たちが結婚式をハチャメチャにしてしまう小笑い連発のフレンチコメディでした!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お仕事はいつだって大変。

引退を考えているウェディングプランナーの主人公が、最高の式にしようと気合を入れるも、想定外のトラブルや新郎の我儘、ポンコツ過ぎる部下たちのいざこざ、そして自身の家庭事情と愛人事情に悩まされ、ハチャメチャになっていくも大感動のフィナーレへと昇華していく様を、誰もが楽しくみられるようにと願いを込めた監督の渾身のユーモア描写が炸裂したフレンチコメディでございました。

 

結婚式に主役としても客としても縁の無いモンキーですが、今回この映画を見たことで、ウェディングプランナーという職業が、また式場スタッフの人たちが、どれだけ新郎の我儘に心労を重ね疲弊しているのか、華やかな表舞台とは裏腹に様々な問題をいかに対処し切り抜け、それがバレないように最善の策を考え実行していくかが手に取るようにわかる映画だったように思えます。

 

 

冒頭から豪勢に式を挙げたいけど予算は抑えたいという超ワガママカップルに、どうしようじゃあこうしよう!

まず前菜カット!いやメインディッシュもカットしちゃおう!あれだ!みんなにメシもってこさせよう!

で、装飾もあれだ!撃ちの姪っ子に花飾り作ってもらおう!

いいね!ガンガンコストカットできるね!

あと何?デザート?あれだ、フルーツ煮たやつ作ってさ・・・といいたい放題。

 

それもそのはず、沢山人数を呼んでパーッとやりたいんですから、それなりの予算はかかるのは承知のはず。なのに、あれはダメこれもダメと妥協を許さないカップルに、一生懸命案を出すのに、発想力が足りないといわれちゃあウェディングプランナーとして腹が立つ。

最近じゃ、結婚式を黒字にしたくてそこまでうまくもない料理で振る舞い、ご祝儀を浮かして、それをハネムーンに充てようという腹黒い輩がいるようですが、そんなのハナッから式なんかやるんじゃねえと僕は言いたい。

確かにお金の部分は大事ですが、一生に一度の晴れ舞台なんですから金がかかって当然なんです。そしてあなたたちを祝いにお客さんたちはやってくるのですからそれ相応に振る舞わなければいけないのです。

 

 

話はズレれましたが、そんな様々なクライアントの我儘を何とか対処してきたウェディングプランナーのマックス。

仕事に誇りを持っている彼も、その積み重ねによりその日の式を最後に引退を考えていたのです。他に大きな問題もあってかなりおつかれのよう。

 

午前中にワガママカップルの案件を片づけ午後は古城を式場に仕立て上げての大々的な結婚パーティー会場へ。

準備は万端だったはずですが、様々なトラブルが。

  • 頼んでいたDJが来れないため代理で頼んだバンドのボーカルのクセが凄い。
  • 中年が故に電子機器の扱いになれていなく、スタッフを用意してくれといったのに来なくていいというメールを右腕のアデルに送ってしまったために、1人欠員状態。
  • そんなボーカルのジェームスとアデルが犬猿状態
  • 旧友のカメラマンのタバコがリンゴ飴くさい

などなどあらゆる問題が生じてきます。

 

まぁこんなのは序の口でお前ら大人なんだからプロなんだから何とかしなさいと一蹴すればいいだけの話。

欠員も補充できたし、さあ本番!と思ったら、本番前にこれまた大きな問題発生!!

  • アデルが代役で呼んだ奴がいきなり呼ばれたから身なりが汚く、シェーバーで髭を剃ったのはいいが、プラグを使っていたのが冷蔵庫のコンセントが刺さっていたところで、そのおかげで冷蔵庫に入っていた羊の肉が腐る。
  • 本番前のスタッフの食事を式と同じものでと要求したバンドメンバーが、その羊の肉を食べてしまい相次ぎ腹痛。
  • 羊の肉が腐ったせいで、メインディッシュがない。
  • 旧友のカメラマンが本番中写真も取らずにオードブルをひたすらつまみ食い。
  • マックスの義理の弟(うつ病)をスタッフとして同行したのはいいが、新婦がかつて好きだった人だった。
  • 怒り心頭のマックスもまた、自分の愛人から愛想をつかされ、自分の目の前で若いスタッフといちゃついてる姿を見せられイライラ。

などなど、あれよあれよと負の連鎖が続きます。

 

そして新郎もまた一癖も二癖もあるめんどくさい男で、この式を格式高く清楚で品があるスタイルでいきたい、という割にはてめえで論文並みのスピーチ原稿を容姿それを読もうというKYなことをする始末。

そして準備や計画していたことと実際違うことに対してあれこれ文句を言ってくる。

 

この危機的状況を長年の経験から得た策で切り抜くマックスの采配は見事なもので、特にメインディッシュを調達するまでの策として、アンチョビで味付けしたパイと炭酸水を出すアイディアはなるほど!と。

塩気が強く腹持ちのいいパイを炭酸水で流し込めば、みんなお腹いっぱいになって空腹は免れると。

皆さんもし結婚式でそういう料理が真っ先に出て来たら、裏ではそういう事態になっているということを頭に入れておきましょうww

 

ただしそんな問題をその場しのぎで解決しても降りかかる問題の数々。

果たしてマックス達スタッフはこの式を無事成功させることができるのか。

 

 

結婚式を人生の縮図に見立てた内容。

フランスといえば様々な人種が生活している国。

もちろんこのスタッフたちもフランス人だけでなく、イタリア人やパキスタン人がいたり、もっと言えば肌の色も違う人たちがいるから、いわゆるアフリカ系だったり中東系だったりと様々。

そんな彼らが一つの場所で仕事をし、ケンカをし仲直りをし、笑ったり楽しんだりする姿はどこか国を象徴している、または生きていく上で体験する出来事を凝縮したような設定だったように思えます。

 

アデルは黒人でジェームスは白人。いきなりこの二人はすごい剣幕でけんかするんですね。あれこれ荷物を運ぶリフトをバンドメンバーが独占していることで仕事に支障をきたすから止めてくれというアデルの言い分に、俺らだって荷物運ばなきゃならねえんだ!と一歩も譲らないジェームス。

まさに今の人種問題を投影しているかのよう。

その後も古城というとこで電気系統がままならない状況を、うまく使い分けあって進攻しようと提案するも、これまた一歩も譲らないジェームスにぶち切れるアデル。

さすがに見かねたマックスはお前らいい加減にしろ、握手だ握手!!というですが、中々握手をしない。ようやく手を差し出したかと思えばタッチで終わり。

ダメダメダメダメ、よしハグだハグ。

ウソでしょ!勘弁しいぇよ!という空気の中、勢いでハグをすると・・・あれ、なんだこの気持ち・・・すごく心地いいじゃないか・・・あれだけ僕らいがみ合ってきたのに・・・なんだろうこの気持ち・・・、と二人の間に何かが芽生えてくんですね。

そうです2人の間に愛が芽生え始めていくんです。

いやいや唐突!!

とは思ってしまうんですが、そういう人種問題も実はこうやって抱き合えば解決するんじゃない?愛が芽生えるんじゃない?っていう監督の意図した演出にも見えて非常に感激しました。

 

こんなサイドストーリーもありながら進んでいく物語。

退屈しのぎに出会い系アプリをいじっていたら自分に興味雄ある人物がすぐ近くにいて、いきなり出会ってしまうというのも、どこか実生活に繋がるものがあるし、

その出会い系アプリで暇つぶししていたカメラマンが、目の前で起こっていることがものすごく悪い時だった時、人生を相対的に考えれば、その悪い出来事ってのはほんの一瞬の出来事でトータルで見たら大したことないぜって考えるようにしてるってポジティブシンキングがまたステキな言葉で。

この物語も最初こそ問題だらけでよくないことばかり、失敗の連続で思い通りにいかないことばかりなんだけど、最後には笑顔で幕が閉じられることを考えると、彼の言うことが凄く活きてくる、でもってタイトルである「セラヴィ!」これも人生さ!ってのに繋がるのではないかと。

 

人生いいことばかりではないんですけど、生きてりゃこんなハッピーなことも起きるぜ!ってのを、クライマックスではポンコツな全く人種の違うスタッフが考えて素晴らしいケミストリーを起こすんですね。

それを間近で見たマックスが心変わりしていくことで、引退=人生をリタイアするのではなく続けて行こうと決心していき、ああなんて人生は素晴らしいのだろうというのを結婚式を通して描いた楽しくて素敵なお話だったなと。

 

 

最後に

まぁ半ば強引な解釈を書いてみましたが、単純に楽しい映画であることには変わりありません。

誰かを傷つけるような笑いではなく、ちょっとした失敗だったり、ダメダメな仕事っぷりを重ねる登場人物たちの姿に笑ってしまう映画でございました。

何といっても新郎のクライマックスのサプライズは見ものです。俺絶対あんなこと式でやりたくないし、ゲストとしても観たくないww

どんだけ自分好きなんだこいつはwwと思ってしまうクライマックスでした。

 

まぁここまで褒めておきながら、大笑いするような映画ではなかったためにちょっと消化不良というか、作品としてのもったいなさというか、「最強のふたり」と比較してしまったこととかが積み重なって、そこまでの評価にはなってないのが現実でして。

何というか喜劇にするならもっとハチャメチャでよかったし、ちょこちょこハプニングを出すのもいいんだけど、一つのトラブルが数珠つなぎになって大きな災いをもたらすような仕掛けとかあると僕は大笑いしたのかなぁと。

まぁそこは好みの問題ということでお察しください。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

映画「ジュラシックワールド2/炎の王国」感想ネタバレあり解説 焼き増しなんかじゃない!命の価値を考える娯楽大作!

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7月13日

ジュラシック・ワールド/炎の王国

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 2015年の夏。超大作映画の続編が見事にぶつかりました。

着々と面白さを増し主人公以外のキャラも魅力たっぷりに仕上げた「ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション」。

それにガチンコ勝負を挑んだ、スピルバーグ監督の代表作であり久々の続編「ジュラシック・ワールド」。

僕は小さいときから映画を見てるわけではなく、この10年でガンガン見てるわけですが、なぜかこの「ジュラシックパーク」は完全にスルーしておりまして。

 

 なので2015年の夏はMI5にしか目を向けてなくて。

結果ジュラシックワールドが4D効果も手伝っての大大ヒット。

ミーハー野郎のモンキーは、このムーブメントに乗れなかったことにやきもきしていたのであります。

それを機に、ジュラシックパークから見てやろうと自宅で観賞し始めましたが、未だ1しか見てないという・・・。

 

現在ワールドカップも開催されているため、自宅で映画の時間が全くとれず、とりあえず付け焼刃ではあるものの、前作「ジュラシック・ワールド」をアマゾンプライムで目に焼き付けての本作観賞となりました!

まともな感想いえるのかオレ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

恐竜のDNAを使い現代科学で蘇らせてしまった「ジュラシックパーク」の興奮と感動を超えたとされる2015年大ヒット作「ジュラシック・ワールド」。

大人気テーマパークでの大惨事から3年後の世界を舞台に、恐竜達が生息する島で再び救出活動に向かう二人を軸に物語は展開していく。

恐竜、アクション、ドラマ部分など前作からさらにパワーアップし、より深いテーマ性も盛り込まれているとされる今作。

火山活動が活発した島こそ「炎の王国」なのだろうか。その全てはスクリーンで明らかになる。

今年の夏も恐竜達から目が離せない!!

 

 

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ジュラシック・ワールド/炎の王国 (小学館文庫)

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  • 作者:坂野徳隆,スティーヴン・スピルバーグ,コリン・トレボロウ,マイケル・クライトン
  • 出版社/メーカー:小学館
  • 発売日: 2018/07/06
  • メディア:文庫
  • この商品を含むブログを見る
 

 

 

あらすじ

 

 

ハイブリッド恐竜“インドミナス・レックス”とT-REXの死闘により崩壊したテーマパーク“ジュラシック・ワールド”が存在するイスラ・ヌブラル島。

この島で、火山大噴火の予兆が観測されていた。

 

危機的状況が迫る中、人々は恐竜たちの生死を自然に委ねるか、自らの命を懸けて救い出すか、究極の選択を迫られる。

 

救出を決意した恐竜行動学のエキスパート、オーウェン(クリス・プラット)は、テーマパークの運営責任者だったクレア(ブライス・ダラス・ハワード)と共にすぐさま行動を開始。

 

ところが、島に向かったその矢先、火山が大噴火を起こす。こうして、生き残りを賭けた究極のアドベンチャーが幕を開ける……。(Movie Walkerより抜粋)

 

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監督

今作を手がけるのはJ・A・バヨナ(フアン・アントニオ・バヨナ)。

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スペイン出身の方で、今作が4作目の長編映画監督作品とのこと

恥ずかしながら監督の作品を1本も見ていないので、作風やらなんやらわかりませんが、過去作からみると、VFXに長けた方なんだろうなというのが想像できるかなと。

そういう意味で言えば、今作の監督抜擢というのも納得できるのではないでしょうか。

 

そんな監督の過去作をサクッとご紹介。

突然姿を消した愛する我が子をを取り戻すべく、孤児院での不気味な因縁と退治してく母の物語で、ギレルモ・デル・トロ監督の支援もあり製作できたデビュー作「永遠の子どもたち」が、カンヌ国際映画祭で上映されたことで注目を浴びます。

その後、2004年のスマトラ島沖地震による大津波で被災したヨーロッパ人家族が、バラバラになりながらも最下位を信じて懸命に生き抜く姿を描いた「インポッシブル」、家庭環境などによって毎日悪夢にうなされる少年が、不気味な大木の怪物との奇妙な関係を描いた喪失と再生のダーク・ファンタジー「怪物はささやく」などがあります。

 

 

 

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キャスト

元海軍の軍人であり、元ジュラシックワールドの恐竜監視員オーウェン・グレイディを演じるのはクリス・プラット。

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みんな大好きクリプラです。

よくよく考えたら彼ってキャラの役柄のほうが多いから、ちゃんと彼の紹介をこのブログでしてこなかったので、ここで紹介をしようと。

そのマッチョな体格と無邪気で明るい表情。力強さとユーモアを兼ね備えた最高の俳優でございます。

 

急に出て売れた俳優かと思いきや、話題作の映画にちょこちょこ出演しながら存在感を出していたクリプラ。

ある女ヒットマンの教育によって殺し屋に覚醒した男の物語「ウォンテッド」では、主人公のジェームズ・マカヴォイを社内でいじる同僚を演じ、万年Bクラスのプロ野球チームが、出塁率優先でゲームを組み立てることで奇跡を起こしていく「マネーボール」では、守備が下手というだけで使われること無く過ごしていた選手だったが、バッターボックスに立った途端その才能を開花させたことで、連勝記録の立役者として脚光をあびた、スコット・ハッテバーグを演じ、はたまたビンラディン殺害の真実を若き女性CIA分析官の視点から描いた「ゼロ・ダーク・サーティ」では、海軍の隊員役として出演するなど、意外にも有名な映画に端役で出演し、活躍の場を少しずつ広げていったのです。

 

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そしてマーベルシネマティックユニバース作品である「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の主人公スターローロことピーター・クイルに抜擢されたことで爆発的人気に。

今年は「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」でピーター役として出演し、アベンジャーズへの参戦に歓喜した人も多いでのではないでしょうか。

 

www.monkey1119.com

 

他にも、宇宙船で一人目覚めてしまった男と女の悲恋を描いた「パッセンジャー」や、名作「荒野の七人」を黒人やアジア人などを起用したことで大胆リメイクし話題を呼んだ「マグニフィセント・セブン」など大作映画に引っ張りだこであります。

 

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待機作には、前作に引き続き声の担当をする「レゴムービー2」が控えています。 

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

元ジュラシックワールドの運用管理者クレア・ディアリング役に、「ヘルプ~心がつなぐストーリー」、「レディ・インン・ザ・ウォーター」のブライス・ダラス・ハワード

クレアが設立した恐竜保護グループの若きメンバーフランクリン・ウェッブ役に、話題のポケモンハリウッド映画「ディテクティヴ・ピカチュウ」の主役に抜擢され、Netflixドラマ「ゲット・ダウン」でも、才能ある若き詩人でありラッパーの青年エキゼキル役を演じ注目を浴びたジャスティス・スミス

同じく恐竜保護グループに所属する女性メンバージア・ロドリゲス役に、TVドラマ「オリジナルズ」に出演していたダニエラ・ピネダ

慈善活動を目的とする財団の人物ベンジャミン・ロックウッド役に、「ベイブ」、「L.A.コンフィデンシャル」、TVドラマ「24」でジャックの父を演じたジェームズ・クロムウェル

前作でインドミナス・レックスを作り出した張本人、ヘンリー・ウー役に、「ジュラシック・パーク」でも同名役で出演したB・D・ウォン

そして「ジュラシックパーク」での事件の当事者イアン・マルコム役に、「マイティ・ソー/バトルロイヤル」、「インデペンデンス・デイ」のジェフ・ゴールドブラムなどが出演します。

 

 

前作のおさらい

 

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 最新のテクノロジーにより現代に蘇った恐竜達が巻き起こす恐怖を描いた人気映画シリーズ「ジュラシック・パーク」。

その第4弾として描かれたのは、ついに実現したテーマパーク「ジュラシック・ワールド」。

連日大盛況と賑わう施設だが、新しいアトラクションで披露される新たな恐竜の暴走により、パーク内での大惨事へと発展してしまう。

恐竜飼育員のオーウェンと施設管理官のクレアは、この史上最大のパニックをどう鎮圧するのか。

 

 とりあえず2からワールドまで一気に観たんですが、結局の所人間の欲の強さが災いをもたらしてしまうんだな、のくり返しではある。

2は会社を乗っ取られた元社長のたっての願いで調査をしたものの、新社長の会社再建のためのプロジェクトのせいで、再び恐竜達を商品にしようと。

3は島に不時着し行方不明の息子救出のために両親が教授を巻き込むという、あまりにも身勝手な行動。

ワールドは、会社の利益ばかり考えていた結果、新種の恐竜を作ったことで巻き起こるトラブル。

あれだけの災いを起こしておきながら懲りない人間達。劇中でも誰かが言っていましたが、神にでもなったつもりかと。

 

そんな人間の恐ろしさを描きながらも、どの作品も恐竜のクオリティは高く、どこと無くホラー要素も入れてるもんだからなかなかコワい描写も。

ワールドは確かに4Dで見たらいい体験できそう。

そしてクリプラかっこよすぎ。何だあの最後のセリフ。オレが言われてえわwww

 

 

 

 

 

 

 

 

何とかおさらいを済ませ臨む炎の王国。

常に描いてきた人間の傲慢さと、恐竜への命の尊さという問題に今回はどう切り込むのか。

ま、クソ真面目に観ずに楽しめたらいいなぁ。だって映画館でこのシリーズ見るのが初めてなもんでw

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

真面目かwwでもすげー好き!!

過去作から積み上げた作品の構図にもう一段階テーマを底上げした、愚かな人間どもに命の価値を知らしめた快作でした!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1と2が混ざった感じ。

火山活動の活発化により恐竜たち保護するべく立ち上がったクレアとオーウェンを中心に、科学によって生み出されながらも生命を授かった恐竜を助ける側と、未来の発展のためと言いながら中身はやはり人間による愚かな行いを実行する側との対峙から、果たして科学によって作り出された命を人間はどう対処すべきか?という問題提起とその顛末を描きつつ、CGをフル活用したダイナミックさと、初期のジュラシックパークを彷彿とさせるホラー要素も加わった演出に終始ドキドキしてしまった、この夏必見の娯楽映画でございました!!!

 

 

恥ずかしながら初めて映画館でジュラシックパークシリーズをIMAX3Dで鑑賞してきたんですが、もっと早くこの経験をしていればよかったなぁ、と見終えた時に感じたほど楽しい作品でした。

やっぱりでけえ物体が暴れまわるのが見どころである映画は、劇場で見なくてはいけないと改めて心に刻んだ作品でもありました。

おさらいということで自宅で一気に鑑賞し、それなりに楽しく過去作を見られたわけですが、やはり映画館の比ではなく、是非過去作が劇場で上映される際は足を運んで鑑賞したいなと思った次第であります。

 

さてさて本作についてですが、どうしたって過去作と比べてしまうのが悪い癖ではあるんですが、1と2の要素をミックスした構成と演出だったなというのが率直な感想です

 

冒頭から忍び足感覚で人間に近寄ってくる大きな影にゾクッとさせられたリ、T-レックスの背中に乗って注射をぶっさす件や、コントロール室に閉じ込められたクレアとフランクリンが溶岩が垂れてくる中で恐竜から逃げ惑うシーン、恐竜の歯だいしゅきなハンターがが見事に罠にハマってガブリンチョされてしまう件、後半でも大きな屋敷の中を気配を消してあるきまわるヤツの恐ろしさなどなど、ダークな作風で知られる監督ならではのこだわりのカットがたくさんあって、モンキー的に非常に楽しめた要因の一つとなっておりました。

 

これってスピルバーグが作った1の雰囲気と似ているなぁと感じたのがこの辺り。

 

じゃあ2と似てるのはどこよ?ってのが内容の設定かなと。

前作でジュラシックワールドが崩壊し、人間が立ち入ることができない恐竜たちの住処として再び出来上がったわけですが、やはり人間はおろかであれだけ過去に何度も失敗したにもかかわらず、またまた銭感覚で恐竜を売り物にしようと画策するんですね。

その罠にまんまとクレアとオーウェンはハマってしまうわけで、この構図こそ2で描かれたマルコム博士とインジェン社と似ているということで、あぁこれじゃあロストワールドと何ら変わりないじゃないか、焼き増しなんじゃないの?と感じてしまうんですが、物語はもっと深い部分に言及していってるんですね。

 

 

僕はこの深い部分というのが非常に楽しめた理由の一つにあたるんですが、あえて苦言を言うのであれば、ちょっとクソまじめにジュラシックワールドを作りすぎてやしないかい?というところで、あれこのシリーズってこんなに真正面から大きなテーマを掲げるようなお話だったっけ?と。なんかもっと摩訶不思議アドベンチャーなドキドキワクワク感なかったっけ?と。

要は娯楽映画にしては娯楽感が物足りない気がするということです、はい。

 

ちゃんと人間が恐竜に追いかけられるって画は用意されていて、そこはしっかり迫力あるようにできているんですが、ややその描写が短い気がするというか、もっとあってよかったなと。

冷静に見れば予定調和な展開にも見えるし、スリリング要素も薄い。そして会話のシーンが多くそこにフォーカスをあててばかりで盛り上がりに欠ける。

 

というかどちらかというと主役は恐竜でなくなっていて、クレアとオーウェンの視点と、恐竜を売り物にしようとするイーライ、そしてロックウッドの孫娘メイジーの視点の2点を軸に描かれているので、恐竜の出番があまりないという展開になっているのであります。

 

これを受け入れることができるのか、はたまた新たなジュラシックシリーズの誕生と祝うかで賛否が分かれそうなところであります。

ボクは過去作をリアルタイムで見ていないという立ち位置にいるためか、新しいも古いもなければ、これといった思い入れもないためまっさらな気持ちでこの映画を受け止めることができたし、なんといってもメッセージ性が強く心に突き刺さったのでこの映画はすごくアリだと思っています。

 

 

命の価値。

 

夢、夢ってあたかもそれが素晴らしい物のように僕らはただ賛美してきたけれど
実際のところどうなんだろう?

何十万人もの命を一瞬で奪い去った核爆弾や細菌兵器
あれだって最初は名もない化学者の純粋で小さな夢から始まっているんじゃないだろうか?
そして今また僕らは僕らだけの幸福の為に
科学を武器に生物の命までをもコントロールしようとしている

 

人間の夢というのは果てしないもので、たとえそれが今後の未来を脅かすようなことになったとしても、夢追い人は未来を想像せずひたすら叶えたい一心で追求している点においては罪ではないのだけれど、その夢によって今後の未来が良くも悪くもなるのだから、夢ってのは非常に厄介だよね、だから未来は僕らの手にかかってるってことなんだという、僕が敬愛してやまないMr.childrenの「Everything made from a dream」の歌詞の一部分なんですが。

 

このシリーズではハモンド博士とロックウッドのふたりが、島で見つけた琥珀から恐竜のDNAを採取して、現代に絶滅した恐竜をよみがえらせることから始まる物語なんですが、まさにこの歌詞で書かれたようなことを描いていると思うんです。

 

恐竜をよみがえらせたことで夢を叶えたはずが、とんでもない事態になってしまったことでハモンドはせめてもの償いをとマルコムに託すんですが、所詮作られた生物ということでやっぱりモノ扱いする奴らが登場し、再び一悶着起こすロストワールドでのお話。

前作ワールドでも同様に、科学の力を結集して今度はハイブリッドした恐竜を生み出し、見世物にしようと考えてしまう始末。

何度も同じことを繰り返す人間の愚かさを描いてきたシリーズでしたが、今作ではそこに新たな視点を加えたものになっています。

 

それは一見素晴らしいものに見えてそれが実はただの傲慢だったという人間の夢の結果、科学によって生み出された存在に、命の価値はあるのかということ。

 

クレアは前作でテーマパークの利益のためにインドミナスレックスという化け物を作り出したものの、目の前で繰り広げられた惨劇を目の当たりにし改心、今作では恐竜保護団体を立ち上げ恐竜たちを守るために奔走してたわけです。

だからイーライから火山活動の活性化により命の危機にあったブルーを保護する仕事を依頼されたことで再びオーウェンと島へ赴くんですが、結果それはイーライの罠でしかなかった。

 

イーライはロックウッドから恐竜たちの未来のためと財団の運営を任されたわけですが、結局は恐竜は大きなビジネスになることに気付き、私利私欲のために恐竜を売り物にしていたわけです。

 

そんな二つの考えが対峙していく物語であるんですが、クライマックスで島から助けた恐竜たちを再び助けるか否かという壁にぶち当たっていくんですね。

ここである人物の出生の秘密と恐竜が重なってくるわけです。

 

 

神にでもなったつもりの人間が生んだ新たな命。自然に逆らわず絶滅すべきと説く者もいれば、誰がどう作ろうが与えられた命なのだからそれは尊重して人間が救うべきという者。はたまたそれをカネとしか見ない者。

そして出された答えは核心に触れてしまうので伏せますが、非日常な世界が日常になっていく事への恐怖を予測させるというとても皮肉なもので思わずニヤっと笑ってしまうんですが、現実的に考えたらものすごく怖いことで。

 

 

現代社会にいおいて医学や遺伝子工学といったテクノロジーの発達により、暮らしはますます便利になっていっています。そこには純粋によりよい未来のためと願う技術者や科学者の夢によって現実となっています。

しかしハモンドやロックウッドのように、私利私欲のために夢を追求したらその後の未来はどうなってしまうのか。また一つの発明が今後人類にどのような影響をもたらすのか。過去にも核爆弾や細菌兵器によっての戦争をはじめとした惨事によって人間は何度も悲劇を繰り返してきました。

このシリーズもまた人間の欲望が招いた結果起こる悲劇、それの繰り返しのようなものなのです。

 

夢というのは誰にでも与えられた平等なもので、それを追い求めることはとても有意義なことで生きる糧にもなる。

しかし側面から見ることでほじくってみれば人間の内にある欲でしかなく、その欲は果たして誰かを幸せにするためのものなのか、それとも私利私欲で自己満足のためのものなのか、その選択を間違えればもしかしたら未来を脅かすことに繋がってくるかもしれないということをこの映画は伝えているのかもしれません。

ただその過程で生まれた命は何者にも代えられない存在であり、今後どう向き合っていくのかと考えた時にその責任を取るのはやっぱり我々人間なのかなと。

 

飛躍し過ぎた考えですが、ハモンドとロックウッドが追いかけた夢が未来に何をもたらしたのか?という観点からこんなことを書いてみました。

この映画はそんな2人の科学者の発明によって生まれてしまった悲劇と解決への糸口、そして提示した答えによって地球はどうなってしまうのかということを娯楽大作でありながらうまく盛り込んでいたのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

最後に

相変わらず文章下手くそで何を言いたいのかよく分からなくなってますが、なんとなく伝わればいいなとww

安易に歌詞なんか出すからこうなるんですねw反省。

 

今作はオーウェンよりもクレアが逞しく描かれています。前作でのサバイバルを経験した強みからなのか、かわいさよりもかっこよさが際立ったキャラになっていたんじゃないでしょうか。

逆にオーウェンはちょっと前作よりも弱く感じてしまったんですが、ちゃんと見せ場もあるし、なんてたって彼がラプトルたちを育てていた頃の映像を見るシーンで、いかに恐竜たちを愛しているかが伝わるので、そういう点においては今回の彼の役割は物語にすごく重要でしたね。

残念ながらジアとフランクリンはもうちょっと見せ場があっても良かったかなと・・・。

 

今回島の火山の噴火によって死滅していく姿や、売り物にされる姿、そして恐竜たちの中で最も賢いとされるブルーの姿を見ることによって、恐竜たちがものすごく愛おしく感じ感情移入することでしょう。

ちょっと涙ぐんでしまいます・・・。

 

しかし最後のセリフを聞いたことで僕は、この恐竜たちに感情移入することすらも愚かな行為なんじゃないかと感じてしまいました。

恐竜たちに心を動かされてる場合かい?こいつら生かすって日常の脅威なんだよ?君たちの未来を脅かすんだよ?それでも彼らに感情移入してしまうっていうのかい?これはフィクションだけど現実に今の科学、医学や遺伝子工学は君たちの未来を美しくすることも壊すこともできてしまうんだよ?

気持ちはすごく分かるよ、でも果たして本当に救うことだけが正しいのかい?と監督は言っているような気がします。

 

 

とにかく続編がものすごく気になる結末なので、一体どんな物語になるのか今から楽しみです。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10

映画「未来のミライ」感想ネタバレあり解説 この映画好きくなぁい!!

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7月20日

未来のミライ

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照りつける日差しに汗が止まらない夏。皆様いかがお過ごしでしょうか。

毎年夏に必ず公開される大作アニメーション映画。

スタジオジブリが作品製作をしなくなった今、アニメーション映画は、そのあいた穴に埋まろうと様々なクリエイターが挑戦しております。

現段階ではジブリブランドに勝てるような逸材は僕の中ではおりませんが、やはり世間の目は「君の名は」の新海誠監督が有力なんでしょうかね。

 まぁそんなこといっても私モンキー、アニメーション映画に関してはど素人でございます。

そもそも洋画邦画実写を語るだけでも素人だと自負しているのに、アニメに関してはそれ以上に知識も興味もなく。

じゃあなんで見るのかって、何度もこのブログで書いてますが僕はミーハーなのです。

映画好き以前にその流行っている物に興味を抱くという、いたって普通の男の子なのです。いやおっさん・・・青年てことでw

 

え~~~前置きが長くなりましたが、そんなミーハー野郎のモンキーは!大作アニメ映画「未来のミライ」を見ます!

だって「サマーウォーズ」の細田守監督だから!

 

というわけで、テキトーに試写会応募したら東宝試写室での試写会に当たったので、早速見てきました!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

「サマーウォーズ」以降、次々とヒットアニメを手がけてきた細田守監督の最新作は、甘えん坊の小さい男の子と、未来からやってきた妹が織り成すちょっと不思議な物語

 家一軒と庭ひとつ。どこにでもあるたった一つの家族を通じて、生命の大きな循環、人の生の織り成す巨大なループを描く今作。

4歳の男の子とともに時間を越えた旅をすることで、過去とは未来とは、と思いをめぐらせ、命が持つ素晴らしさと一言では言い表せない不思議さをこの映画は伝えます。

 

小さな庭から時を越える旅へ。それは過去から未来へ繋がる、家族と未来の物語。

 

 

未来のミライ (角川つばさ文庫)

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ミライのテーマ / うたのきしゃ 【初回限定盤】

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未来のミライ オリジナル・サウンドトラック

未来のミライ オリジナル・サウンドトラック

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

 

とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家。

ある日、甘えん坊の“くんちゃん”(声:上白石萌歌に、生まれたばかりの妹がやってきます。
両親の愛情を奪われ、初めての経験の連続に戸惑うばかり。
そんな時、“くんちゃん”はその庭で自分のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ、
不思議な少女“ミライちゃん”(声:黒木華と出会います。

 

“ミライちゃん”に導かれ、時をこえた家族の物語へと旅立つ“くんちゃん”。
それは、小さなお兄ちゃんの大きな冒険の始まりでした。

 

待ち受ける見たこともない世界。
むかし王子だったと名乗る謎の男。
幼い頃の母との不思議な体験。
父の面影を宿す青年との出会い。

 

そして、初めて知る「家族の愛」の形。

 

さまざまな冒険を経て、ささやかな成長を遂げていく“くんちゃん”。
果たして、“くんちゃん”が最後にたどり着いた場所とは? 
“ミライちゃん”がやってきた本当の理由とは―(HPより抜粋)

youtu.be

 

 

 

監督

 

 今作を手がけたのは細田守。

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時をかける少女」から監督作品を見てきてはいますが、「サマーウォーズ」まではよかったものの、それ以降すごく面白い!何度も見たい!みたいな気持ちにならないのは何ででしょうね・・・。

おおかみこどもの雨と雪」が僕はすごくハマらなくて、もうこの人の作品観るのやめようかなぁとも考えたんですが、 「バケモノの子」はまだ僕の中では許せた〈何様やw)方だったので、というか主題歌がミスチルの時点で擁護したい気持ちが強かったんですけどw

そんなこんなで今作も見るか!ってことで。

 

監督はタイムリープものだったり〈時をかける少女)、異世界のような場所だったり(サマーウォーズ、バケモノの子)、家族や親子の物語(おおかみこども、サマーウォーズ、バケモノの子)を多く手がけているなぁというのが、過去作から見て感じられると思います。

今作も予告を見ると、これまでの細田作品を全て網羅していそうな画や設定になっている気がするんですよね。

いわゆる集大成というやつです。

監督のコメントにも野心的な作品と書かれてるので、そういう意味ではかなり意欲的な内容になっているのではないかと。

 

まぁ監督に関しては浅い知識しかないのでよくわかりませんw

とりあえず細田作品は人物のタッチが好きです。どれもかわいいよね。

 

 

 

 

 

 

キャラクター紹介

 

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  • くんちゃん(声:上白石萌歌)・・・甘えん坊の男の子(4歳)。
    お父さん、お母さん、そして犬のゆっこと小さな庭のある家に暮らしているが、妹が生まれたことで両親の愛情を奪われることに。

 

  • ミライちゃん(声:黒木華)・・・くんちゃんのことを「お兄ちゃん」と呼ぶ、未来からやってきた不思議な少女。
    庭から突然現れ、くんちゃんを“時をこえる冒険”に導く。

 

  • おとうさん(声:星野源)・・・フリーの建築家でくんちゃんのお父さん。自宅で仕事と育児の両立を目指すが、いつも失敗ばかり。抱っこが苦手。

 

  • おかあさ(声::麻生久美子)・・・くんちゃんのお母さん。子育てに仕事にと大忙しだが、いつもベストを尽くそうとしている。片付けが苦手。

 

  • 謎の男(声:吉原光夫)・・・かつてこの家の王子だったと名乗る謎の男。なぜか愛情を渇望し、くんちゃんに問いかける。

 

  • ばあば(声:宮崎美子)・・・くんちゃんの祖母。二人目の孫が生まれるにあたって、くんちゃんや犬のゆっこの世話を手伝う。

 

  • じいじ(声:役所広司)・・・くんちゃんの祖父。ひなまつりの日に、孫に会いにくる。

 

  • 青年(声:福山雅治)・・・くんちゃんが時をこえた先で出会う青年。父親の面影を宿している。くんちゃんに大きな影響を与えることに。

 

 

 

 

 

 

 

 

小さな場所から大きな世界へ、くんちゃんは一体どんな冒険を繰り広げるのか。

その冒険の先に何が待っているのか。

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

長男は手がかかるってのはホントなんだな・・・。

くんちゃんがお兄ちゃんになるまでの成長と、子育てに悩むお父さんの気持ちを監督目線でファンタジーに仕上げた映画でした!

でもモンキー的には好きくなぁいっ!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺もああだったのか・・・

初めて妹ができたことで親の愛情を独り占めできなくなった4歳の男の子が、過去や未来の不可思議な世界で様々な体験をしていくことで、今の自分はどうあるべきかを子供ながらに見出していく成長物語であると共に、今まで妻に任せっきりだった夫が育児に四苦八苦しながらも懸命に向き合っていく姿を交えることで親の観点からも優しく寄り添ってくれる描写、そして今の自分たちがあるのは誰のおかげか、両親や祖父母もかつては子供だった若かったという描写を加えることで、如何に人は大人になっていくのか、親となっていくのか、その遺伝子を受け継いでいくのかという大きなメッセージを盛り込み、やがてそれは太い根をはった大きな木=ファミリーツリーの一部だということを気づかせてくれる細田監督流の家族の物語でございました!!

 

既に言いたいことのほとんどを詰め込んでみましたw

 

これまでも家族をテーマに数々の作品を手掛けてきた細田監督。

今作は自身に子供が生まれたことで起きた実体験をもとに作ったそうですが、それを監督得意のSFファンタジー要素を入れることで娯楽大作に仕上げたなんだろうな、というのが随所に見て取れます。

やはり自身で子育てを経験したことで、さぞ苦労したことでしょう。

一生懸命良い父親になろうとしたんでしょう。

なのになかなかうまくいかなかったんでしょう。

自分の奥さんはこんなに大変なことを毎日していたのか!と感じたのでしょう。

それはどこの家庭も一緒なんだと、だったらそんな世のお父さんお母さんたちにそっと寄り添ってあげられる物語を作ろうじゃないか、そんな考えから生まれたんだろうなと僕は感じております。

 

誰にだって初めての経験てのはなかなかうまくいかないもので、ましてそれが育児となるとホントに大変なんだろうなというのが今作を見て思います。

 

なんてたってくんちゃんがクソガキなんですよ!!あ、失礼。

お母さんが妹を連れて家に帰ってきたことで、久々にかまってもらえると思ったのか泣きつき抱きつくくんちゃん。

でも妹におっぱいあげたりおしめ代えたり、仕事復帰するために家事をお父さんが代わりにすることになるってんで、炊事洗濯などなど家のアレコレをお父さんに伝授しなくてはいけなかったりとくんちゃんの面倒を見る余裕などないのです。

そんな時くんちゃんは必死に自分アピールするんですね。

僕を見て!僕にかまって!いつものように遊んで!などなどとにかく自分に目を向けるために猛アピール。

それでも全く見向きもしてくれないので、とうとうくんちゃんはやさぐれます!

オモチャひっくり返したり、喚き散らしたり、代わりにお父さんが面倒を見ようとしてもお母さんじゃなきゃ嫌だ!の一点張り。

くんちゃんはこれまでとは違うみんなの対応にどうしてこうなったのかと考え、すべての原因は妹にあるととんでもない勘違いをしだし、おもちゃの新幹線で妹を殴ってしまうんですね。

 

ああ子供ってめんどくせえっ!!!

 

もちろんお母さんに叱られますね。

当然です。

僕が親でも怒りますよ、お前何してくれてんねんと。

 

思い通りにいかないことに中庭でふてくされるくんちゃんでしたが、突然知らない男が現れるんですね。

ここからくんちゃんは、日常と非日常が混在する場所で様々な経験を積み、ほんのちょっとずつお兄ちゃんとしての自覚を芽生えさせていくんです。

 

 

見終えて感じたことのひとつとして思うのは、親は親なりに育児をする上でなかなかいう事を聞かない子供に苦労をするんだけど、実は子供って知らないところでちょっとずつ成長してるんだなっていうのを、こういうファンタジーテイストで描くことで伝えてるのかな?と。

 

正直僕は独身だし子育てもわからなければ家族を作ってもいないのでよくわからないのですが、監督が描いた家族の物語を鑑賞してなんとなくではありますが、そんなことを思ったのであります。

 

僕も3つ歳の離れた妹がいるので、もしかしたら子供の頃くんちゃんのように親の愛情を独り占めできなくてお兄ちゃんとしての自覚を持てないまま駄々をこねていたのかなぁ?と。

さすがに子供時代の自分は思い出せないので、めっちゃ恥ずかしいのをこらえて母親にLINEで聞いてみました。

すると返ってきた答えは、駄々をこねるような子ではなく、妹ができたことが嬉しくて保育園の先生や色んな人に妹自慢をしていたんだそう。

それでも色々ガマンしてたようにみえたのか、おばあちゃんがよく相手してくれたとか。 

 

あれw俺、ちゃんとお兄ちゃんだったんじゃね??

 

ああ~よかったぁ!

とはいうものの、僕も子供でしたから色んなことで親を困らせたことでしょう。妹を泣かせた記憶ってのも残ってるし、かなり手を焼いたという母親からの一言も。

決してくんちゃんのような子供でなかったとしても、彼の行動を否定するようなことはどう考えても言えないねこりゃ。クソガキとか言ってごめんよ、くんちゃん。

 

 

 

作品の評価としては。

ここまでは自身の過去に触れながら、監督の実体験だよねこれ、といった部分まであれこれ書いて見ましたが、話の内容は、出来はどうだったのよ?ってところに言及しようと思います。

 

もちろんアニメーションとしてのクオリティは僕が言うまでもなく素晴らしいモノでありました。

風景はもちろんキャラの細かい表情までリアリティがあり繊細で可愛らしく描けていたのではないでしょうか。

くんちゃんや犬のゆっこは特に可愛かった。

 

ただ!

話が全然面白くない。

多分予告を見る段階で、これは未来のミライちゃんとくんちゃんが、小さな庭からまるで見たことのない世界へと旅立ち、家族の昔の時代を知ることで子供ながらに理解し吸収し成長をしていくんだろうと予想する人も多いのかと思います。

 

もちろん僕のその一人で、それはそれは大冒険をしていくんだろうと。夏休み映画ですから監督の集大成として壮大なアドベンチャーになるんではなかろうかと、そんなことを思って期待していたんですが、ふたを開けてみるとなんというかすごくミニマムなお話で。世界を広げるような展開ではなく、小さな場所から深く掘り下げていくような展開になってるんですね。

 

で、一度そっちの世界に行ってミッションこなさないと帰れないような制限とかがあるわけではなく、小さな体験でしかない。

 

しかもこの小さな体験を何度も何度も繰り返していくので、くんちゃん自体が劇的な成長をするのではなく、ほんのちょっと成長したのはいいが、また別のエピソードに入ると元の駄々っ子に戻ってしまっているという、非常に物語としては見づらい構成になっているんですね。

 

感覚的には、テレビでサザエさんドラえもんクレヨンしんちゃんの番組でよくある、短い3本のお話を見てるかのよう。

のび太が道具を使って難題を解決してちょっといい子になったのように思ったら、別の話で元の怠けものののび太に戻ってドラえもんやお母さんに叱られてる、みたいな。

 

こんな構成で映画を作るってなかなか勇気のいることだなぁと。

映画って見る人の事を考えて徐々に感情が高まっていくようにクライマックスに向けてボルテージを上げるために場面場面で波を重ねて重ねていくものだと僕は思うんです。

しかしこの映画はその波を上げたと思ったら、元に戻すように仕向けている。

元に戻すから次の波が来たとしても、前の波が既にない状態だから中々感情の起伏が起きない。

だから僕はこれを観ていていつ本筋に入るんだろう、さっきの話はこの後どうつながるんだろう、と色々様子を見ながら鑑賞していましたが、結局くんちゃんが貴重な体験をしたのに元の駄々っ子に戻ってるので、全く気持ちが乗らずしかめっ面で見る羽目になってしまいました。

ただある意味これはこれですごい作りだなぁとは思います。何というか挑戦的。

 

でもこれはあくまでくんちゃんという4歳の男の子の話であり、子供が急に何か体験をしたことで劇的に心境の変化を遂げるってのもおかしな話でリアリティに欠けるよなぁという点も一つの視点ではあるなと。

そう考えた時にやっぱりこの物語構成は正しかったのかな?とふと思いとどまった次第です。

 

まぁそんな真面目なことを言ったとしても僕の評価は変わらずで、普通に監督作品の中では面白くない作品に入りますかね。

笑えるところもクスッとするところもなかったし。

辛口御免。

 

ファミリーツリー

ジョージクルーニーが主演した作品に「ファミリーツリー」という作品があります。

 

ファミリー・ツリー [Blu-ray]

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 ハワイを舞台に一族で受け継いできた土地の処遇を巡って決断を迫られる深刻な時に、妻が事故で昏睡に陥り、しかも妻に関する衝撃の事実を告げられるというとんでもない事態に陥った男が、それでも身を粉にして家族を一つにまとめようと努力し奔走する物語。

このファミリーツリーというタイトルは「家系図」という意味だそうで、一族の血を引く男が代々守ってきた土地を手放すかどうか、またバラバラになった家族をどう修復するのか、という問題に、主人公の男がどう答えを出すのかというのがこの映画の終着点になるんですが、その答えというのがこれまで先祖たちが代々受け継いできたものを自分の代で絶やしてしまうことはやっぱりしてはいけない、みたいな考えにたどり着くんですね。

 

要は今の自分が存在するのは父と母が出会ったから、その両親を生んだ祖父母がいたから、と自分が生まれるずっと前から続いてきた奇跡があったからこその自分というわけで、そんな彼らが大事にしてきたモノを自分の手で終わらせるわけにはいかない、家族とはどういうことなのかということを謳った映画なんですが。

 

もちろんこの映画は他にも魅力的な部分があるんですが、この代々受け継がれてきたものという点が、今回鑑賞した「未来のミライ」と共通するなということで引き合いに出してみました。

 

どうして自分は今存在するのかということを物語の終盤で描いていて、母親の子供時代や父親の子供時代、果てはひいじいちゃんの悲惨な体験から辛くも生き延びたことで自分は生まれている、そしてなぜ自分はこんなに物を散らかすのか、自転車にうまく乗れないのか、そのきっかけを知ることでくんちゃんは自分の中に家族の血が流れているからということを子供ながらに知り、決して自分だけがこんな子供だったんじゃないみたいなことをなんとなく知っていくことで、ほんのちょっと成長していくんですね。

 

そして行きついた先で、今自分はどんな立場になるのかという明確な答えをみつけることで、くんちゃんはお兄ちゃんとしての自覚を手に入れ、ミライちゃんに手を差し伸べていくんです。

 

ちょっと強引な引き合いではありますが、この映画はそんな家系図的な視点を入れることで家族の意味を教えてくれる映画だったのではと思います。

 

 

最後に

冒頭、舞台となるくんちゃん家が空撮で写るんですが、くんちゃん家がねぇ、他の家より敷地面積狭いんですよ。隣の家の半分くらい。

で、ミライちゃんが生まれると、くんちゃん家がリフォームされてることに気づくんですね。

これがまぁ劇的ビフォーアフターとでもいいましょうか

庭を全部つぶし、駐車スペースだけ確保。

段々構造になっていて、下はくんちゃんの部屋、2階部分は中庭、3階部分はLDK兼お父さんの仕事場所。その上にバストイレと両親の寝室ってな具合になっていて、非常に面白い作りになっているんですね。

お父さんの職業が建築家ということで、考えに考え抜いた設計になってます。

これなら日当たりもいいし、狭さを感じない。お父さんやるな!と。

実はこれが一番感動した所でw

こういう家いいなぁ!!と。

余談でしたww

 

くんちゃんがお兄ちゃんとしての自覚を持つと同時に、この映画は子を持つ親の苦悩と葛藤をお父さんの初めての子育て目線で描いています。

そしてたどり着いた答えは無理に完璧にこなそうとしなくていい、「そこそこでいいんだよ」ということ。

あくまでくんちゃんは非日常な世界を体験することで、知らぬ間にちょっぴり成長をしてますが、実は子供は親の観てないところで成長してるってことを暗喩している映画だったのかと。

だから、お父さんもお母さんも安心して子育てをしてほしい、という監督の経験故の願いが込められた映画だったのではないでしょうか。

 

あれ、なんかおんなじことループして書いてる?いつものことかww

 

とりあえずですね、これまでの細田監督映画の面白さをイメージしてると、明らかに肩透かし食らう映画なんじゃないかと思います。

僕はハマれませんでしたが、いわゆるイクメンと呼ばれるお父さん方は観て損はないと思います。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10

映画「BLEACH/ブリーチ」感想ネタバレあり解説 実写化ということで原作未読ですが観てきました。

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7月20日

BLEACH/ブリーチ

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 週刊少年ジャンプ。

男は大体読むよね~。そりゃあ僕も男ですから?ドラゴンボール世代なので毎週買ったりしてましたよ、当時は。

今でも読んではいるけれども、ぶっちゃけワンピースと休んでは再開のHUNTER×HUNTERだけ。

今回の映画も銀魂NARUTOもヒロアカもハイキューもソーマも読んでおりません・・・。

この10年間そんな感じ。いやもっとか。

そもそもコミックを読む習慣というのがもうない!映画に時間取られて。

多分勢いでレンタルした「テラフォーマーズ」が最後でしょう、新しく読んだのはw

みんなどうやって時間作ってるのよ・・・。

 

 とにかく最近自分が読んでない原作コミックの映画化の波が進んでおり時代の流れについていけない自分がいるんだけどちょっとでも抗うために追いつくために這いつくばってでもこういうコミック実写化映画だけは観ようと心に決めているモンキーは予備知識や話の内容などといった事前学習を全くせず臨むわけでありましてもしワケわかんない感想を書いていたとしてもどうか原作ファンの皆様温かい目で見てやってくださいと言うことを冒頭で書き記しておこうという次第でございます!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

・・・ぐあ゛ぁ・・・ハァ・・・ハァ・・・ふぅ~。

 

 

とりあえずですね、民放のワールドカップ放送にガンガンCM入れて宣伝しまくることで既におなかいっぱいなんですけど、普通に映画として楽しめたらいいなということで原作読まずに早速観賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 

単行本の累計発行部数が1億2千万部をほこり、「週刊少年ジャンプ」を代表する金字塔漫画となった、久保帯人原作の人気コミックが満を持しての映画化。

 

幽霊が見えること以外は普通の高校生が、謎の女によって死神を代行する役目を担うことで、人間が住む世界と死神たちの世界(尸魂界(ソウル・ソサエティ))を行き来しながら、壮絶な死闘を繰り返していくファンタジーアクション大作。

 

常に革新的なCGとアクションで観る者を魅了する佐藤信介監督の手によって、原作で味わうことのできなかった圧倒的スケールバトルを実現することに成功。

それと同時に、主人公が背負った死神としての運命と成長をドラマチックに演出。

 

この夏誰もが熱くなる娯楽大作を劇場で!

 

 

 

 

映画 BLEACH 写真集 DEATHBERRY DAYS DOCUMENT

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映画ノベライズ BLEACH (JUMP jBOOKS)

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あらすじ

 

 

死神代行VS悪霊・虚(ホロウ)

そして、現れる更なる敵・・・

 

亡き母・真咲(長澤まさみ)の思い出を胸に、高校生・黒崎一護(福士蒼汰)は父親・一心(江口洋介)と幼い妹ふたりと暮らしていた。

幽霊が見えること以外は普通の生活だったが、自らを“死神”と名乗る少女・朽木ルキア(杉咲花)が目の前に現れたことで、平和だった世界は突然壊れてしまう。

 

「虚〈ホロウ〉」と呼ばれる悪霊が一護の家族を襲い、助けに入ったルキアは瀕死の状態に。

絶望的な状況下、彼女は最後の手段として、本来は人間に譲ってはいけない死神の力を一護に分け与える。

起死回生、死神となって悪霊・虚〈ホロウ〉を退治した一護だが、ルキアは死神の力をほとんど失ってしまう。彼女は自身の力が回復するまで、一護のクラスメイトになりすまし、死神代行としての務めを迫るが、一護は頑なに拒み続けていた…。

 

 

ある日、同級生であり、死神に怨みを持つ滅却師〈クインシー〉一族の生き残りの石田雨竜(吉沢亮)が一護に勝負を仕掛け、大量の虚が空座町に現れる非常事態が発生!

嫌々ながらも、虚退治を行う中、“力の譲渡”という掟を破ったルキアを罰するため、死神・阿散井恋次(早乙女太一)と朽木白哉(MIYAVI)も目の前に現れる…。

ルキアを助ける条件は、最悪の虚グランドフィッシャーの討伐。

 

謎の商店主・浦原(田辺誠一)の予感が的中したのか、クラスメイトの織姫(真野恵里菜)やチャド(小柳友)にも危険が迫る中、一護はルキアとともに虚退治の覚悟を決めるのだった。

 

母を虚に殺された過去を背負って。ついにグランドフィッシャーと対峙することになった一護だったが、ルキアを追ってきた恋次と白哉も目の前に立ちはだかり、絶体絶命の窮地に立たされてしまうーー。

 

凶敵との壮絶バトルが、今始まる。(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

監督

今作を手がけるのは佐藤信介監督。

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右じゃないですよ、左です。

今年は「いぬやしき」で新宿上空ハイスピードバトルなんてのを実現させましたが、僕としては洋画ばかり観てしまってる分、おおやったな!って気持ちもあったんですけど、なんかしょっぱいなぁ・・・とも感じてしまったわけでありまして。

それに比べたらこっちは剣術メインですからね。

役者の殺陣の部分も重要なんでうまくCGと融合していいアクションして欲しいですね。

 

とにかくアクションはどんどんよくなってくるんだけど、作品の評価がなかなか安定しないので、今回は果たして吉と出るか凶と出るか・・・。

 

監督の過去作に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

キャラクター紹介

 

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左上より。

  • 黒崎一護(福士蒼汰)・・・霊が見える高校生。義理に厚く、優しい心の持ち主。
    幼いころに母を亡くし、父とふたりの妹と暮らしている。
    死神・朽木ルキアと出会い、その力を譲り受けたことで、
    “死神代行”として虚(ホロウ)と呼ばれる悪霊と戦うことになる。

 

  • 朽木ルキア(杉咲花)・・・“死神”を名乗る、不思議な少女。
    古風な口調と高飛車な性格。虚(ホロウ)退治のために現世へやって来たが、
    一護に死神の力をほとんど吸い取られてしまい、元の世界に戻れなくなってしまう。
    そのため、力が戻るまで一護の力を借りて虚退治を続ける。

 

  • 石田雨竜(吉沢亮)・・・普段は目立たない一護のクラスメイト。
    実は、弓状の武器を操る、滅却師(クインシー)の生き残り。
    死神を憎み、死神代行として戦う一護にも敵対心を燃やしている。

 

  • 朽木白哉(MIYAVI)・・・常に冷静沈着で厳格な死神。
    “死神の掟”を破ったルキアを追って、恋次と人間の世界に現れる。
    義理の妹のルキアに対し、一護を殺すように命じる非情な男。

 

  • 阿散井恋次(早乙女太一)・・・伸縮自在の刀を操る、赤毛の死神。
    人間に死神の力を与えてしまったルキアを捕らえるため、一護の前に現れる。
    幼馴染のルキアとは、ともに貧しい地区で育った過去を持つ。

 

  • 井上織姫(真野恵里菜)・・・天然な性格と、アイドル顔負けの容姿を持つ一護のクラスメイト。
    いつも笑顔で明るく、ひそかに一護に想いを寄せている。
    ルキアとの仲が気になって仕方がない。

 

  • 茶渡泰虎(小柳友)・・・ケンカが強く、屈強な身体を持つクラスメイト。
    寡黙で無表情だが、一護が信頼を寄せている友達のひとりで、
    周りからはチャドの愛称で呼ばれている。

 

  • 浦原喜助(田辺誠一)・・・風変わりな出で立ちの商店主。
    街の片隅で古びた店を営んでいるが、
    裏では現世で虚(ホロウ)と戦う死神に武器などを援助している。
    死神の情報にやたらと詳しい。

 

  • 黒崎一心(江口洋介)・・・前向きで熱血な、一護の父親。
    妻の真咲を亡くして以来、男手ひとつで子育てに奮闘している。
    反抗期に突入した子供たちが悩みの種。

 

  • 黒崎真咲(長澤まさみ)・・・黒崎家の中心的存在だった一護の母親。
    幼い一護をかばい、虚(ホロウ)に殺される。
    それが後に、一護が死神代行として戦うきっかけとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 キャスト的にはフレッシュな人選だし、MIYAVIや早乙女太一ってのがちょっと面白そう。二人とも動けるし福士くんとのアクションが映えそうですね。

何しろ原作もアニメも全くわからないのでどんなお話しなのか楽しみです。

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

決して駄作とは思わないけど、もうちょっと工夫できたんじゃない?

男は護ってこそ!を体現した王道バトル映画でした!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原作未読ですが。

母親を守ることができなかった後悔を背負いながら生きてきた霊感の強い高校生が、ひょんなことから虚を倒す死神代行として戦わなくてはいけない宿命を背負う姿を、苦悩と葛藤を繰り返しながら成長していく、週刊少年ジャンプが掲げてきた努力・友情・勝利を見事に体現した王道バトルストーリー。

 

一護という名の通り、誰かを守ることに執着してきた男が、過去に背負った大きな傷を癒すため、そして宿命を背負わせながらも自分を日々鼓舞してきた死神少女との熱い絆と友情を築くために、大きな覚悟をもって戦う姿を描いた映画だったと思います。

母親を護れなかったという傷を、どんな者でも守るというかさぶたで塞ぎ生きていく。

やがてそれは家族や友達やクラスメイト、良い幽霊にまで目を配り、彼らを守ることで傷を癒していく。

しかし死神代行の宿命を背負ったことで己の力の無さに嘆き、守れるはずの者たちを守れないことに痛感していく。

そんな男が相棒を守るために気合と根性で成長していく姿を軸に描いた作品だったのではないでしょうか。

 

一応「死神代行篇」と名の付くエピソードのようで、内容としては主人公が死神として覚悟をもって戦いに挑むというところでしょうか。

原作単行本も相当長いようで、きっとこれからが面白くなっていくのでしょう。その序章として今回は登場人物の紹介や経緯、設定などに重きを置いて描いていたようにおもえます。

いいとこだけを抜いて全巻を網羅するような作りにしなかったのは大正解でしょう。

ただでさえ世界観がホラーファンタジーですし、バトルがウリのお話ですから無理に詰め込んだらものすごくとっ散らかっていたことでしょう。

そういう意味では成功に値する内容だったのではないでしょうか。

 

色々言いたいことはある。

全体を通しての感想は、まぁこんなもんだよなぁと。

CGで描いた虚とのバトルは人間側の動きが不自然ではあるものの、それなりに表現できたと思うし、クライマックスでの恋次とのバトルは良かったんじゃないでしょうか。

いや、そうでもないか・・・。

色々と思うことがあるので、つらつらと書いていこうと思うのですが、基本僕が思うツッコミどころばかりですので、ご容赦ください。

 

 

元々原作読んでないからどういう話なのか、主人公が一体どんな人物でどんな性格で、この世界がどういう状態で、死神の世界がどういう設定なのかってのを序盤はわかりやすく説明してくれてはいますが、そこはさすが日本映画。

全部セリフで説明し、しょうもないアニメ―ションでかわいく画で表現する辺りはもう絶句です。

登場人物のステータスなんかもしっかり文字でドドンと表示する辺りも苦笑です。

それいるか?と。

やっぱり僕はこういう演出は大嫌いです。

丁寧に説明してくれるのは一向にかまいませんが、その方法は他にもあるはず。

この演出を絶賛している人はいるのでしょうか。

そうそう!これがあったおかげで映画の世界観に浸れました!という人が果たしているのでしょうか。

いないだろう。いい加減気付け制作サイド。

 

ちょっと口が過ぎましたが、そこを我慢出来れば一気にBLEACHの世界に入れることでしょう。

いきなり現れたバケモノを前にいきなり負傷してピンチのルキア、この状況を打破するためにはお前が代わりに死神として戦え、という超ムチャぶり。

僕ならの他の死神に応援要請をするという選択肢が出るんですが、どうやら死神はすぐ駆け付けられるほどいないようです。

一護からしたらこんな時にそんな注文言われたらやるしかないよね。八方塞というやつだ。

そして死神代行誕生と、決めポーズ。

でかい刀を片手で軽々と操り、普通の人間では到底無理があるハイジャンプをかまし、さくっと虚を退治してしまう。

どうやらルキア曰く、一護の霊圧が半端ないようで、いとも簡単に虚を倒せたのはそれが理由のようで。

できればそれをですね、オーラかなんか纏ってる姿を映してもらってですね,表現できなかったモノかと。

 

 

こんな感じで物語は進むわけですが、一護が死神代行を断固拒否することで物語は停滞気味。

死神返して➡いいよ➡あ、ダメだ➡なんで?➡お前の霊圧が低すぎて今戻したら本体がもたない➡え~聞いてないよ~➡修行しなきゃいけませんね➡なんだそれ。

ここから修行しろ!やだ!やれ!やだ!の流れ。

一護には一護の言い分がある。ルキアにはルキアの言い分がある。

俺普通の高校生だから、こんな能力要らねえし、返せるものなら返すけど修行しろって意味わからん。

とにかく私の言うとおりにしろ!

 

いやいやルキアよ、互いの生死に関わることなのになぜそんなに真実を話そうとしないのだ。

情があるのならまず素直に話せよ。確かにお前には自分が負傷したことで巻き込んでしまった責任と助けてもらった恩義がある。

そしてそのことによって代償ができてしまったわけなのだから、そのタイムリミットが刻一刻と迫ってるのに、その言い草はないだろう。

 

じゃないとお前も、巻き込んでしまった一護も死んでしまうのだよ?

そんな事情を話さず命令口調で言ったところで普通はい頑張ります!というほど人間は従順ではないのですよ。

イマイチ状況を飲み込めない一護が拒みたくなるのも無理はない。

 

それから一度も話したことのないメガネ男子が急に馴れ馴れしく話しかけてきて、俺死神恨んでるんだよね~何勝負してくれないの?じゃあどうしよう?こうしよう、と虚をおびき寄せるために餌撒いてややこしくしてしまう始末。

どうやらこのメガネ男子、死神も虚も恨んでるそうで、代々その討伐を目的に生きてるそうですが、その餌持ってるんならお前が虚を退治しなさいよ。

彼にかまってる場合じゃないんじゃないのかい?

 

とりあえず良い幽霊である子供が襲われそうになってるので助けようと張り切る一護。

ちょっとお待ち!これからあなたがその姿で整(プラス)を助けるのなら、覚悟が必要です!

あん!?

覚悟はねえが、助けを求める奴を見過ごすほどクズでもねえ!

その戦いぶりを影で見ているメガネ男子。

 

結局恋次が登場、あっさり虚を倒し、死神代行をやることの危機感を少しづつ肌で感じてきてる一護。

 

どうやら死神の力を人間に譲渡するのは重罪であり、ルキアも一護もこのままだと殺されちゃうよ?という警告を告げられてしまうわけであります。

だからルキアよ、ちゃんとあの時説明しておけばよかったのだ。

 

はてさて二人は無事助かることができるのか、というお話。

 

 

 

まだまだ言いたいこと。

この物語、どうやら真の敵はバカでかいバケモノでなくメガネ男子でもなく、ルキアの義理の兄白哉と手下の恋次のようで。

そのバカでかいバケモノ、グランドフィッシャーという何十年も死神が追ってた大物を、死神代行として華々しくデビューを飾ったやつが、まるで部活動のようなタイヤ引きや至近距離でのバッティングマシーンのボール除け、木刀での剣術稽古だけで力をつけ、メガネ男子と協力プレーの末倒してしまうわけで。

そこから本当の闘いが始まるという流れ。

 

 

まぁまず言いたいのは、霊圧ってのはその素質持ってる奴なら部活動を真剣にやれば霊力があがるって構図が僕にはよくわからん。

玄海ばあさんにボロボロにされながらも、なんとか霊光波動拳の修業を経て一段と強くなる浦飯幽助のような修行風景ってのはないんですねこれ。

ある意味リアリティがあるけれども。

あ、ごめんなさいね原作読んでないもので。

きっとここも原作通りなんでしょうが、どうしても言いたくて。

 

それから何十年もかけて追い求めていたグランドフィッシャーを小童が倒したことで、白哉のメンツは傷ついたりしないのかなと。

てかお前らそんな大物バケモノを高みの見物ですか。あ、一護がやられたらあなたたちが倒すって計画だったのかな?

 ルキアが一護と共に暮らすことで情が沸きかばっていることに対し、病だと白哉は言い放つのですが、結果あなたは一護にとどめを刺さなかったのはルキアに情が沸いたのではないですか?

大体こんなことを思いながら観てしまってしました。悪い子だ。

 

 

他に言うこととすれば、白哉が登場するときのオーラの無さね。

音楽で箔をつけてるようだけど、騙されません。役者がどうこうの前に強さが全く見えてきません。やっぱりここもオーラを纏うようなCG演出でも入れれば凄みが出るというか、そういうのも大事だと思うんです、はい。

 

まぁ後はクライマックスのバトルですね。

グランドフィッシャーがデカくてやばいってのは伝わりますが、どうしても撮影は目に見えない者との戦いってことで、なんか動きが不自然というか。

よくはできてるけど所々ん?てのは感じましたね。

 

そもそもこのデカい刀やりづらいですよね戦うの。

きっとそんなこと無いように原作では描かれてるんでしょうけど、実写にしたらそう思っちゃうような動きの鈍さで。

それを感じたのは恋次との戦いで、明らかに相手の動きが速いのに、その速さをあのデカい刀でうまく受け止めてるのが、どうも画として無理があるだろうと。

きっとあの刀が重いんだよってのを音とかつけて見せてるからだとは思うんですが。う~んうまい言葉が出てこない。

 

 

最後に

キャスティングが合っているかどうかってのは原作ファンで出ない僕からは何とも言えませんが、福士蒼汰君はやっぱり演技うまくないですね・・・。

完全に杉咲花の方が巧いです。ルキアに適役かどうかは別にして。

早乙女太一の狂犬ぶりは「クローズEXPLODE」でも思いましたが嫌いではないです。プライベートでの夫婦げんかで鍛えた吠えっぷりなんでしょうか。失礼!

MIYAVIはビジュアルだけでいいですね。しゃべっちゃダメだ。「アンブロークン」での鬼軍曹はよかったんですけどね~。どうしちゃったもんか。

真野恵里菜が女子高生ってのはもう無理がある。肌荒れが気になった。

チャドてのはこの後重要なキャラになるのかい?やけに目立ってたけど。てかあいつが後ろに気をつけろよってセリフは、一護は後ろが弱いって伏線になるかと思ったらならんかったw

 

一護の部屋にやけにバッドレリジョンのポスターが貼ってありましたが、あれも原作通りなんでしょうか。だったら曲流せよ。何の意味だ。

 

あ~~~こんなに愚痴やツッコミを書いてしまった・・・。

原作ファンの皆さんには申し訳ありませんが、映画を見ても原作を読もうという気持ちは芽生えませんでした。それは映画のせいではなく僕のせいですね。

こう言い訳しておかないと、また原作読め!ってコメントが来るもので・・・。

 

とりあえず続編をやるのか気になりますが、やらなくてもいいように幕を閉じてるので興行次第ですね。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆★★★★★★★3/10


モンキー的2018年8月期待の新作映画

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7月25日

モンキー的2018年8月期待の新作映画

 

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夏の映画興行も本番。洋画は続編ばかり、邦画はタレント先行にコミック実写化。

こんなもんだよね。

でも映画館がお客さんでいっぱいになることはいいことだと思うんだよね。

繁忙期はそれがいいと思う。うん。

それにしても7月はあまり見たい作品が少なく、おうちでゆっくりしていた日が多かったです。

ワールドカップで寝不足もたたって。

 

だから8月に入ったらギアを上げて勢力的に行こうと思います!!

待ってろTOHOシネマズ!!フリーパス発動すんぞぉ!!

 

てなわけで、期待の新作映画どうぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インクレディブル・ファミリー

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youtu.be

期待度☆☆☆☆☆

 

8月1日公開

 

  • 声の出演

 

 

ボブ・パー/Mr.インクレディブル・・・クレイグ・T・ネルソン(吹替:三浦友和

ヘレン・パー/イラスティ・ガール・・・ホリー・ハンター(吹替:黒木瞳

ヴァイオレット・パー・・・サラ・ボーウェル(吹替:綾瀬はるか)ほか

 

  • 解説

 

 

第77回アカデミー長編アニメ映画賞を受賞したディズニー/ピクサーの大ヒット作「Mr.インクレディブル」の14年ぶりとなる続編。

スーパーパワーを持つボブたち家族は平凡な日常を送っていたが、ある出来事をきっかけに、母ヘレンがイラスティガールとしてヒーロー活動をすることに。多忙になった彼女の代わりに家事と育児を任されたボブは、底知れない能力を秘める息子ジャック・ジャックの世話に悪戦苦闘。そんな中、新たな敵が家族の前に立ちはだかる。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 ジョン・ラセターのセクハラ問題浮上、休職、そして今年いっぱいで退任という、暗い話題をこの映画で払拭できるのか。

そんな事日本ではどうでもいい問題かと思うので(いや、よくはない)、とりあえず楽しけりゃいいんですよディズニーは。うん。まずはそこ。

 

とかナマ言っておきながら私、この前作Mr.インクレディブルを見てないっていうねw

インクレディブルって言ったら僕はハルクのほうが先に出てきてしまうので。

 

一応「アイアンジャイアント」や「ミッション・インポッシブルゴーストプロトコル」のブラッドバード監督ということで、期待していいんじゃないかと。 

 まずは前作見てからということで。はい。

 

 

 

センセイ君主

 

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

8月1日公開

 

  • 出演

 

 

弘光由貴・・・竹内涼真

佐丸あゆは・・・浜辺美波

澤田虎竹・・・佐藤大樹 ほか

 

 

  • 解説

 

 

幸田もも子による人気少女漫画を、竹内涼真と浜辺美波という注目若手俳優共演で実写映画化した学園ラブコメディ。

恋に恋する16歳の元気娘・佐丸あゆは。現在のところ告白7連敗中の彼女は、ふとしたことがきっかけで、ひねくれ者の新任数学教師・弘光由貴を好きになってしまう。感情がすべて顔に出てしまうため、告白する前から「高校生相手の恋愛なんてない」と弘光にフラれてしまうあゆはだったが、それでもくじけない彼女は「先生を落としてみせます」と宣言。猛アタックするあゆは、冷たくあしらう弘光に、それぞれの幼なじみも加わって恋の攻防が繰り広げられる。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 僕は女子高生の恋に恋してるような映画=キラキラ映画をどうこう言うよりも、そのての映画しか女子高生は観ないんだろ?と考える配給会社が大丈夫なのか?と。

もうキラキラ映画は落ち目です。10代だってわかってますよ。

別に映画館行かなくてもレンタルでいい。

 

と、偏見な目を持っているモンキーが、思わず予告を見て、あれ?これ面白そうじゃね?と不覚にも思ってしまった作品です。

監督の前作であるキミスイでの浜辺美波が最高に可愛かったので、今回も監督やってくれるでしょう。

お願いだから場内が女の子ばかりでありませんように!!

 

 

 

 

 

ミッション・インポッシブル/フォールアウト

 

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youtu.be

期待度☆☆☆☆☆

 

8月3日公開

 

  • 出演

 

 

イーサン・ハント・・・トム・クルーズ

ベンジー・ダン・・・サイモン・ペッグ

イルサ・ファウスト・・・レベッカ・ファーガソン ほか

 

 

  • 解説

 

 

トム・クルーズ主演の人気スパイアクション「ミッション:インポッシブル」シリーズ第6作。

何者かにより複数のプルトニウムが奪われる事件が発生。世界の3つの都市が核の標的になってしまう。イーサン・ハントとIMFのチームは、核爆発を未然に防ぐため、72時間という限られた時間と少ない手がかりをもとに、正体不明の敵を追う。しかし、タイムリミットが迫る中、イーサンを疑うCIAが敏腕エージェントのウォーカーを送り込んできて、イーサンはウォーカーとの対決を余儀なくされる。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 トムクルーズという男はホント何でもできてしまうし、怪我したってケロッとして戻ってくるんだからすごいですよ。もうヒューマンドラマとかはやらないんですね?アクションばかりなんですね?

もうそれでいいですw

限界までギリギリまでやってください。

 

前作で完全にヒロインがサイモン・ペッグとなったミッション・インポッシブルですが、今回はイーサンの単独行動のほうが多そうですね。

前作みたいに協力プレーをたくさん見せて欲しいんですけども。

そしてジェレミー・レナーがいないんですが、彼は引退ってことですかね?管理職みたいな立場だったからなぁ。

 あとね、3で奥さん役だったミシェル・モナハンが出演するようなんですが、あそこの夫婦って離婚でしたっけ?別居でしたっけ?

4からおさらいだな・・・。

このシリーズ尻上がりに面白くなってるので、もうワイスピと同等の扱いしてますwとりあえず楽しませてくれ!と。

 

 

 

 

2重螺旋の恋人

 

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

8月4日公開

 

  • 出演

 

 

クロエ・・・マリーヌ・バクト

ポール/ルイ・・・ジェレミー・レニエ

クロエの母・・・ジャクリーン・ビセット ほか

 

 

  • 解説

 

 

「スイミング・プール」「8人の女たち」のフランソワ・オゾン監督が、アメリカの女性作家ジョイス・キャロル・オーツの短編小説を大胆に翻案し、性格が正反対な双子の精神分析医と禁断の関係にのめり込んでいく女性の姿を、官能的に描き出した心理サスペンス。

クロエは原因不明の腹痛に悩まされ、精神分析医ポールのカウンセリングを受けることに。痛みから解放された彼女はポールと恋に落ち、一緒に暮らし始める。ある日、クロエは街でポールに瓜二つの男性ルイと出会う。ルイはポールと双子で、職業も同じ精神分析医だという。ポールからルイの存在を聞かされていなかったクロエは、真実を突き止めようとルイの診察室に通い始めるが、優しいポールと違って傲慢で挑発的なルイに次第に惹かれていく。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

先日映画ライターのヒナタカさんを交えての映画ブロガー飲みのときに、チラッとこの映画が面白いと仰っていたので、今回期待作にいれようかなと

 

 フランソワ・オゾン監督は僕の中では「スイミングプール」で、なんともよくわからんサスペンスを作る人だなと思っていて。

あとはフランスの人ということで官能的なシーンがあったり。

 

今回は二人の性格の違う双子に翻弄される女性を描くとのことですが、一体どんな話なのか。双子ってのは一人の人間の表と裏を表してるのかな?

観ないとなんとも言えませんが、見てみようと思います。

 

 

 

 

 

 オーシャンズ8

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

 8月10日公開

 

  •  出演

 

 

デビー・オーシャン・・・サンドラ・ブロック

ルー・・・ケイト・ブランシェット

ダフネ・クルーガー・・・アン・ハサウェイ ほか

 

 

  • 解説

 

 

スティーブン・ソダーバーグ監督が手がけ、主演のジョージ・クルーニーほかオールスターキャスト共演で話題を集めた「オーシャンズ」シリーズを、新たにオール女性キャストで描くクライムエンタテインメント。

クルーニーが演じたダニー・オーシャンの妹デビー・オーシャンが主人公となり、女性版オーシャンズが結成される。史上最強の犯罪ドリームチーム「オーシャンズ」を率いたカリスマ的リーダー、ダニー・オーシャンの妹デビーが仮釈放された。出所したデビーは犯罪プロフェッショナルである7人の女性に声をかけ、ニューヨークで開催される世界的ファッションイベント「メットガラ」の会場で1億5000万ドルの宝石を盗み出すという前代未聞の計画を実行に移す。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 オーシャンズ復活は例えソダーバーグがやらずとも素直に嬉しいですよね

 ホントはやってほしいけど。

 予告を見るとアン・ハサウェイはチームの一員じゃなくて金持ちの女役みたい。ん?そしたらオーシャンズ7じゃね?まぁいいや。

きっとパブリックイメージのせいで叩かれている現状を逆手にとってイヤミにやるんだろうと僕は読んでいるのですが、果たして。

 

てかこれも予告見てショックなんですけど、ダニー死んでるみたいですね・・・。

 

オーシャンズの男どもはゲストで出てくることに期待ですね。出るとしたら誰だろうなぁ。最近カメオ出演ばかりのマット・デイモンが一番だなww 

 

銀魂2/掟は破るためにこそある

 

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

8月17日公開

 

  • 出演

 

 

坂田銀時・・・小栗旬

志村新八・・・菅田将暉

神楽・・・橋本環奈 ほか

 

 

  • 解説

 

 

空知英秋による人気コミックを小栗旬主演&福田雄一監督のタッグで実写映画化し、2017年の邦画実写でナンバーワンの大ヒットを記録した「銀魂」の続編。

原作の「真選組動乱篇」と「将軍接待篇」を融合させたストーリーが展開される。金欠で家賃も払えない万事屋の3人は、ついにアルバイトをすることを決意。しかし、バイトに行く先々で天下の将軍様と遭遇する羽目に。同じ頃、内紛に揺れる「真選組」はかつてない危機に見舞われていた。それはやがて将軍をも巻き込む陰謀へとつながり、江戸中で大騒動が勃発。万事屋と銀時も最大の危機に立ち向かうことになる。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 「50回目のファーストキス」でも書きましたが、福田雄一の映画はつまらないというのが僕の持論です。

にもかかわらずなぜ期待作に入れるのか。

先日WOWOWで放送してたのを見たんですけど、自宅で見てても笑ってしまうほどたくさんのネタがぶっこまれてまして。

あ。ここまでやってんなら劇場でも見てみようかなと。

みんなと一緒に笑ったらまた見方も変わるだろうなぁと感じております。

話はどうでもいいです。原作読んでませんから。

 

今回おばたのお兄さんが小栗の代わりに出演するというネタが絶対ぶっこまれてると睨んでいます。

 

 

 

 

 

タリーと私の秘密の時間

 

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

8月17日公開

 

  • 出演

 

 

シャーリーズ・セロン

マッケンジー・デイビス

マーク・デュプラス ほか

 

 

  • 解説

 

 

「JUNO ジュノ」「マイレージ、マイライフ」のジェイソン・ライトマン監督が、「ヤング≒アダルト」でもタッグを組んだシャーリーズ・セロンを再び主演に迎え、3人の子を育てる母親と不思議な魅力をもったベビーシッターの女性との交流や絆を、コミカルかつハートウォーミングに描いたドラマ。

仕事に家事に育児にと何でも完璧にこなしてきたマーロだったが、3人目の子どもが生まれて疲れ果ててしまう。そんなマーロのもとに、夜だけのベビーシッターとしてタリーという若い女性がやってくる。自由奔放でイマドキな女子のタリーだったが、仕事は完璧で、悩みも解決してくれ、マーロはそんなタリーと絆を深めることで次第に元の輝きを取り戻していく。タリーは夜明け前には必ず帰ってしまい、自分の身の上を語らないのだが……。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 僕にとって久々のジェイソン・ライトマン作品。

ヤング≒アダルト」で、最高にこじらせていたシャーリーズ・セロンを再び主演にしたのはホント楽しみです。

もしかしたら精神的続編みたいなことには・・・なってないかw

 

 洋画を見てると大体登場するベビーシッター。なんでも向こうではバイトとしては非常に人気のお仕事のようで、日本もそんな人たちがたくさんいればお母さんの負担も少なくなるだろうにと。

でも日本は他人に子供預けると不安か。

 

 とにかくベビーシッターとの交流がどんなものなのか楽しみです。

 

 

ペンギン・ハイウェイ

 

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

8月17日公開

 

  • 声の出演

 

 

アオヤマ君・・・北香耶

お姉さん・・・蒼井優

ウチダ君・・・釘宮理恵 ほか

 

 

  • 解説

 

 

「夜は短し歩けよ乙女」「有頂天家族」などで人気の作家・森見登美彦による日本SF大賞を受賞した小説をアニメーション映画化。

毎日学んだことをノートに記録している勉強家の小学4年生アオヤマ君は、通っている歯医者のお姉さんと仲良し。お姉さんも、ちょっと生意気で大人びたアオヤマ君をかわいがっていた。ある日、彼らの暮らす街に突然ペンギンが現れる。海もないただの住宅地になぜペンギンが現れたのか。アオヤマ君は謎を解くべく研究を始めるが、そんな折、お姉さんが投げ捨てたコーラの缶がペンギンに変身するところを目撃する。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 アニメーション映画なのでそこまでの期待はしてないんですが、予告観ててなんでペンギンに変わっちゃうのか気になって気になってw

一応原作がSFなのですが、侵略とかそういう話ではないよねぇ・・・。

 

小学生の冒険モノということで親子で見ても楽しいのかもしれませんね。

 

どうでいいですが、このペンギンどもが「忍空ーNINKU-」のヒロユキを思い出してしまうのは僕だけでしょうか。

うんこしねえかな。

 

 

 

 

 

検察側の罪人

 

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

8月24日公開

 

  • 出演

 

 

最上毅・・・木村拓哉

沖野啓一郎・・・二宮和也

橘沙穂・・・吉高由里子 ほか

 

 

  • 解説

 

 

木村拓哉と二宮和也の初共演で、「犯人に告ぐ」などで知られる雫井脩介の同名ミステリー小説を映画化。「クライマーズ・ハイ」「わが母の記」「日本のいちばん長い日」「関ヶ原」など、話題作や名作を多数手がける原田眞人監督がメガホンをとり、ある殺人事件を巡る2人の検事の対立を描く。

都内で発生した犯人不明の殺人事件を担当することになった、東京地検刑事部のエリート検事・最上と、駆け出しの検事・沖野。やがて、過去に時効を迎えてしまった未解決殺人事件の容疑者だった松倉という男の存在が浮上し、最上は松倉を執拗に追い詰めていく。最上を師と仰ぐ沖野も取り調べに力を入れるが、松倉は否認を続け、手ごたえがない。沖野は次第に、最上が松倉を犯人に仕立て上げようとしているのではないかと、最上の方針に疑問を抱き始める。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 実現しそうでできなかったキムタク×ニノの共演作品。

SMAPが解散し事務所に残留したから実現できたとはいえ、あ~彼はこのまま残りのメンバーと合流しないんだろうなぁという決意の表れともとれてしまう。

勝手な深読みではありますが、そうでなければ二大看板での作品はありえなかったわけで。、要は嬉しいけど複雑。

これから番宣とかふたりで出るんでしょう、それで慣れて行こう。うん。

 

そんなアイドル二人がどっぷり重い作品に挑むというので、是非ファンだから見に行くという人は、二人がかっこよかったとか中身のない感想を乱発せずしっかり中身のある感想をいっていただきたいです。

これは正義とは、というお話ですから。多分。

なぜこの作品に二人が挑むのか。じゃなきゃ二人が報われません。

 

そんな難しく考えるなって?

 

 

 

マンマ・ミーア!/ヒア・ウィー・ゴー

 

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

8月24日公開

 

  • 出演

 

 

ドナ・・・メリル・ストリープ

若き日のドナ・・・リリー・ジェームズ

ソフィ・・・アマンダ・セイフライド ほか

 

 

  • 解説

 

 

母娘の絆の物語を、人気ポップグループ「ABBA」のヒットナンバーで彩ったミュージカル劇。

前作では、母子家庭で育ったソフィが母親ドナの日記を盗み見し、父親の可能性がある母の昔の恋人3人に結婚式の招待状を出したことから、予想外のハプニングが巻き起こるさまを描いた。今作は、妊娠したソフィが島に戻ってくる現在パート、ドナとソフィの父親候補3人との出会いがつづられる過去パートから成り、現在と過去を交錯させて描く。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 

今回もABBAの曲オンリーで最高に明るい映画に仕上げたことでしょう。どうやらソフィの過去に触れる内容だそうですが、メリルの若い頃をリリージェームズが演じるってのもたまりませんな。

正直メリルの歌声あまり好きじゃないんですけど。

ピアースブロスナンよりかはマシかなw

コリンファースステランスカルスガルドも登場ということで前作から誰もいなくなってないのは嬉しいこと。

てか、おばあちゃん役にシェールか。これはエンディングで全員大熱唱だな。

 

 ちなみにABBAの曲で好きなのは「money, money ,money」です。あ、「SOS」も好きかな。

今回歌わないかな。

 

 

 

アントマン&ワスプ

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youtu.be

期待度☆☆☆☆☆

 

8月31日公開

 

  • 出演

 

 

スコット・ラング/アントマン・・・ポール・ラッド

ホープ・ヴァン・ダイン/ワスプ・・・エバンジェリン・リリー

ハンク・ヒム・・・マイケル・ダグラス ほか

 

 

  • 解説

 

 

マーベルコミック原作で「マーベル・シネマティック・ユニバース」に属する映画「アントマン」のシリーズ第2弾。

体長1.5センチにまで小さくなることができる異色のヒーロー、アントマンと、同じく伸縮自在な戦うヒロイン、ワスプの活躍を描く。元泥棒でバツイチ、愛娘にはなかなか会えず、いまもFBIの監視下に置かれているアントマンことスコット・ラング。そんな彼の前に、アントマンのスーツの開発者であるハンク・ピム博士と、博士の娘のホープ・ヴァン・ダインが現れ、スコットに力を貸してほしいという。2人は、アントマンの秘密を探る謎の組織「ゴースト」に追われているというが……。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 みんな大好きアントマンの続編。

実は前作そこまで面白みを感じてなかったんだけど、自宅で久々に見たら、やっぱり面白いなマーベルだもんなという結論に至りました。

 MCUとしては来年のアベンジャーズに繋がる重要な立ち位置にある作品だそうで、これまたネタバレ厳禁作品になっていることでしょう。

既にアメリカでは公開されてるので、観賞するまであれこれネタを探さないようにしないと。

スコットもシビルウォー後、何をしていたのか気になりますね。

その辺のギャグやユーモアとかもペイトン・リード監督がうまくやってくれるんでしょう。

 とりあえずペーニャの活躍を2割り増しでお願いします。

 

 

 

SUNNY/強い気持ち・強い愛

 

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youtu.be

期待度☆☆☆☆☆

 

8月31日公開

 

  • 出演

 

 

奈美・・・篠原涼子

奈美(高校生時代)・・・広瀬すず

裕子・・・小池栄子 ほか

 

 

  • 解説

 

 

2011年に製作され、日本でもヒットした韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」を篠原涼子、広瀬すずの主演、「モテキ」「バクマン。」の大根仁監督でリメイクした青春音楽映画。

90年代、青春の真っ只中にあった女子高生グループ「サニー」。楽しかったあの頃から、20年以上という歳月を経て、メンバーの6人はそれぞれが問題を抱える大人の女性になっていた。「サニー」の元メンバーで専業主婦の奈美は、かつての親友・芹香と久しぶりに再会する。しかし、芹香の体はすでに末期がんに冒されていた。「死ぬ前にもう一度だけみんなに会いたい」という芹香の願いを実現するため、彼女たちの時間がふたたび動き出す。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 韓国映画「サニー」を大根仁監督でリメイク。

すごくやりたかったんだろうな。J-POPでミュージカル、そして青春、しかも自分が青春時代の頃の話。あ、いいのあんじゃんサニー。これ何とか日本でリメイクできないかな。そんな妄想。

モンキー的には是非サブカルクソ野郎の本領発揮を見せて欲しいです。

 

モテキ」ではその選曲と演出にサブイボ連発だった僕ですが、今回はなんというか全部ヒット曲なんですよね。これがちょっとコワい。

うまくいえないけど、サムい演出にならなきゃいいなってのはあります。希望として。

 

 あとね、強い気持ち強い愛ってヒット曲だけど大衆系じゃないっていうか、その曲コギャルやアムラーは聞いてたか?と。

どうもこれだけ選曲が浮いちゃうんだよなぁ。

あとね、Charaの曲もそう。これだけ94年~95年の曲じゃない。これ97年ね。この辺の時系列もちゃんと考えてるのかな、大丈夫かな。

 

あれ不安要素ばかり書いてるww

いやいやめっちゃ期待してますよ!はい!

当時マセガキだったオレはこの時代のJ-POPにどハマりしてた男ですからね。

「HEY!HEY!HEY!」も「うたばん」も「Mステ」も「ポップジャム」も毎週見てた。

で、部屋でひたすらFMとか聞いてましたからね。あ~懐かしいな「ミュージックスクエア」。

どちらかというと元の映画との比較とかよりも、曲優先になってますね、はい。

それなりに思い入れの強い曲たちなので、いい映画になってる事を祈ります。

 

 

 

 

その他の話題作

  • 1日公開

・青夏/きみに恋した30日(人気コミックを葵わかなで実写化)

  • 3日公開

・スターリンの葬送狂騒曲(スターリン死後の権力争いコメディ)

・僕のヒーローアカデミアTHE MOVIE/2人の英雄(ヒーロー)(少年ジャンプ連載の人気コミック原作アニメ劇場版)

 

  • 10日公開

・追想(シアーシャ・ローナン主演の異色ラブストーリー)

  • 25日公開

・クリミナル・タウン(アンセル・エルゴート×クロエ・モレッツ共演のクライムサスペンス)

  •  31日公開

・判決、ふたつの希望(小さな口論が国を動かす大問題へと発展する、アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品)

 

 

 

 

暑い日が続きますが、水分ちゃんと摂っておいしいものいっぱい食べて元気な気持ちで映画を楽しみましょう!

とりあえずいくら外が暑いからって映画館よ、空調抑え目でお願いします・・・。

 

というわけで以上!あざっした!!

 

映画「劇場版コードブルー」感想ネタバレあり解説 最後の5人を強く焼き付けたい。

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7月26日

劇場版コード・ブルー/ドクターヘリ救急救命

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10年に渡り続いてきた人気TVドラマが満を持しての映画化。

 

 かつてTVドマラの映画化は当たる!と見込んだTVマンたちが、とにかく視聴率の取れた作品を映画にして集客を見込んでいましたが、それももう昔の話。

もうみんなわかちゃったんですよね、TVドラマの映画化は飽きた、と。

 ですが、フジテレビは違う。

なんてたって未だに時代を読めてないですから。

失礼!好きだよフジテレビ。昔のだけど。

 とはいうものの、このTVドラマの映画化ムーブメントを作ったのは何を隠そうフジテレビであり、前社長の亀山さんのおかげであり、お客さんが映画館に行きやすくなった要因を作ったといっても過言ではないし、その分映画をダメにした人でもある。

失礼!亀山さん好きですよ!昔のだけど。

 

そんな時代錯誤な映画作りを未だにやっているフジテレビですが、しっかり真面目にやっているわけで、特に是枝監督作品はここ最近すべてフジテレビ。

作家性が強く、世界基準の映画にもかかわらず興行でもしっかり当ててくる戦略は実はフジテレビのおかげなのです。マーケティングってヤツですかね。

しかも、みんながみんな駄作(僕は好きですよ(小声))と言い放った「信長協奏曲」もTVドラマの映画化にもかかわらず興行収入50億を稼ぐという、ここ最近当たらないといわれてきたTVドラマの映画化で、久々に快挙を成し遂げてしまったわけです。

 

何が言いたいって視聴率悪いし、TV番組つまらないけど、みんなちゃっかり映画は見に行ってるわけですよ、フジテレビ映画。

 

そんな苦戦続きのフジテレビがやっとの思いで高視聴率をたたき出した人気ドラマシリーズをとうとう映画にしましたよ!というわけなんですが。

やはり10年も続くと各世代がちょっとくらいは見てきたドラマだと思うんです。子供の頃、学生の頃、社会人になりたての頃、このドラマに何かしら心震わされた、なんて人結構多いと思うんです。しかも出演するキャストみんな未だに第一線で活躍している。

だから今作はそれなりに集客が見込めるのでは?と業界の人みたいに勝手に分析してみましたw

 

僕も第1、第2シーズンは全話見てたクチなんですが、去年放送した第3シーズンは最初と最後しか見てないんですよね・・・。

どうも主要キャストが中堅になって新しいフェローを教育指導するって設定がなんかイヤだったのと、単純に仕事が忙しくなってリアルタイムで観られなくなった、まして映画に重きを置いていたので余計時間が取れなくなったなどなどありまして。

果たして劇場版の内容についていけるのか・・・。

 

前置き長くてすいません、というわけで早速観賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 2008年7月に放送されて以降、3つのシーズンと2つのスペシャルドラマを放送する人気ドラマとなり、10年の時を経てついに映画化となった連続ドラマ。

全く役に立たなかった研修医5人が、場数をこなし苦悩や葛藤を繰り返しながらも救える命を救い成長を遂げる姿と絆、また救急救命としては当時画期的だったドクターヘリを取りいれることで、他の医療ドラマとは一線を画したドラマに。

回を重ねるごとに増えていったファンのおかげもあり、実際の医療現場にもドクターヘリの導入が増え、大きく貢献もした作品になっていった。

 

今回その人気を博し映画になったコードブルー。

シーズンのクライマックスで必ず大規模災害を扱ってきたドラマ版ですが、今回の災害現場は成田空港と東京湾海ほたるでの未曾有の連続事故現場。

成長を遂げた5人とまだ未熟なフェローたちが、この大災害で困難に立ち向かいます。

 

この夏コードブルーの集大成となる劇場版が、興奮と感動を映画館で巻き起こします。

 

 

 

劇場版『コード・ブルー―ドクターヘリ緊急救命―』オリジナル・サウンドトラック

劇場版『コード・ブルー―ドクターヘリ緊急救命―』オリジナル・サウンドトラック

 

 

 

劇場版コード・ブルー ―ドクターヘリ緊急救命― (扶桑社文庫)

劇場版コード・ブルー ―ドクターヘリ緊急救命― (扶桑社文庫)

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

 

地下鉄トンネル崩落事故から3ヶ月後、旅立ちの時が迫る藍沢たち。

その「旅立ち」が別れを意味することに気づきながらも、彼らは10年間を共にした互いへの思いを抱えたまま、日々を過ごしていた。

 

しかしそんな彼らの思いに構うことなく、出動要請が入る。

成田空港への航空機緊急着陸事故と東京湾・海ほたるへの巨大フェリー衝突事故という、「空」と「海」を舞台にした未曾有の大事故が連続発生。

 

史上最悪の現場に、彼らはいかに立ち向かうのか。

そしてその先に、答えはあるのか――。(HPより抜粋)

 

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監督

今作を手がけるのは西浦正記

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今回初の映画監督ということですが、これまでこのコードブルーをずっと演出してきたことも合っての抜擢。劇場版になるからって監督変えるってのもおかしな話ですからね、当然です。

ということで一応バリバリのフジテレビ社員さんです。

 

 

 

 

 

キャラクター紹介

 

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左上より。(以下HPより抜粋)

  • 藍沢耕作(山下智久)・・・フライトドクター。自他共に認める高い技術と向上心を持つ。フライとドクターとして幾多の過酷な現場を経験する傍ら、脳外科医としてもキャリアを重ね、世界屈指の症例数医療水準を持つトロント医大のレジデントに推薦される。

 

  • 白石恵(新垣結衣)・・・フライトドクター。翔北救命センターを束ねるスタッフリーダー。自分のことは二の次に、常に周りの事を考えるそのやさしさでフェローたちを導き、災害現場では率先して指揮を取るが、日々自らのリーダーシップに悩んでいる。

 

  • 緋山美帆子(戸田恵理香)・・・フライトドクター。プライドは高いが、誰よりも患者の心に寄り添う情の厚さを併せ持つ。周産期医療センターの医局長として推薦されるが、自らのキャリア、恋人との将来、後輩フェロー指導への思いが交錯し、進むべき道を迷っている。

 

  • 藤川一男(浅利陽介)・・・フライトドクター。お調子者で、翔北救命センターのムードメーカー。フェロー時代は劣等性だったが、今では勇敢なフライトドクターとして救命になくてはならない存在に。結婚式を間近に控え胸を躍らせているが、妻の冴島や藍沢達からは冷めた反応を取られている。

 

  • 冴島はるか(比嘉愛未)・・・フライトナース。豊富な医療知識と高いスキルを持つ。大切な人を失う悲しみを経験するもそれを乗り越え、自らをそばで支えてくれた藤川と結婚し共に人生を歩む。末期がん患者の未知が結婚を目前に控えていた事を知り、どのように彼女の力になるべきか迷う。

 

  • 名取颯馬(有岡大貴)・・・フライトドクター候補生。総合病院の院長を父に持つ。初めは医療への熱意に欠けていたが、緋山ら先輩ドクターの真摯な思いに触れ、次第に医師としての自覚が芽生えていく。しかし、自らのせいで緋山が次のステージへ進めなくなっていると思い責任を感じている。

 

  • 灰谷俊平(成田凌)・・・フライトドクター候補生。真面目でやさしい性格だが、自分に自身が持てずコンプレックスを感じている。自らの不用意な発言でドクターへリ着陸失敗事故を引き起こし、PTSDを発症。ヘリに乗ることができなくなってしまう。

 

  • 横峯あかり(新木優子)・・・フライトドクター候補生。明るく物怖じしないマイペースな性格、医療ドラマの主人公に憧れ医者の道を志す天然キャラで、時に落ち込んでいる同期フェローたちを励ますなどやさしさも持つが、家族との再会で葛藤する雪村の気持ちに寄り添うことができない自分に無力さを覚える。

 

  • 雪村双葉(馬場ふみか)・・・フライトナース。劣悪な家庭環境から抜け出し、一人で生きていくために看護師を志す。プライドと向上心が強く、つい無愛想な態度を取るが冴島の仕事への姿勢に心を打たれ、変化していく。長年遠ざけていた母が急患で運ばれ、病院で再会する。

 

  • 新海広紀(安藤政信)・・・脳外科医。脳外科医として高いスキルを持ち、藍沢に対抗心を燃やしライバルとしてしのぎを削るが、自らの功名心から患者を巻き込んでしまった経験をきっかけに、命を救うことの本当の意味を見つめ直す。

 

  • 西条章(杉本哲太)・・・脳外科部長。藍沢と新海をライバルとして競わせ、彼らの成長を後押しする。救命に戻った藍沢の成長を認め、トロント医大への推薦を決める。

 

  • 橘啓輔(椎名桔平)・・・救急救命部部長。翔北救命センターの部長として、スタッフたちを時に厳しく、時に叱咤し見守る。息子の優輔は難病の拡張型心筋症を患うも、心臓移植が成功し一命を取り留めた。海ほたるへのフェリー衝突事故により、脳死判定を受けた少年の家族と向き合うことに。

 

 

 
  • 杉原剛志(平坐生成)・・・海ほたるへのフェリー衝突事故に巻き込まれた青年。船内で、かつて虐待をうけていた父親と10年ぶりに再会するが・・・。

 

  • 緒方博嗣(丸山智己)・・・ミシュラン一つ星を獲得した一流の料理人だったが、事故により両腕が不自由になる。翔北病院に運ばれたことがきっかけで緋山と出会い、やがて恋人になるが、近頃はうまくいかない日々が続いている。

 

  • 岩田彰生(新田真剣佑)・・・未知の元婚約者。結婚を目前に控えていたが未知の病気が発覚し、以来彼女を支えきれずに逃げ出してしまっている。

 

  • 富沢未知(山谷花純)・・・翔北救命センターに運び込まれた女性。末期の胃がんに冒されており、人生最後の旅行と思い乗り込んだ航空機も乱気流に巻き込まれ怪我を負い、成田空港で藍沢達に救助される。

 

  • 雪村沙代(かたせ梨乃)・・・双葉の母親。双葉の姉の若葉と暮らしていたが、長年のアルコール依存症により大怪我を負い、翔北救命センターに運びこまれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

レギュラーに加え、多数のキャストが出演する今作。問題が山積みですが、上映時間一体どれくらいなんでしょう・・・絶対2時間30分はあるなw

 

結婚や海外勤務、進むべき道への悩みなどなど、いつまで経っても迷ってばかりの彼らに安らぎは来るのか。答えは出るのか。

10年に渡り歩んできた彼らの絆と旅立ちを目に焼き付けろ!!

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

10年間の集大成をスクリーンで見られて嬉しかった!

そんなファンのために作られた映画だったけど、映画としては何ひとつ面白くないぞ!!困った!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感慨深い。

飛行機事故、フェリー事故、一組の男女の結婚に至るまでのエピソード、母と娘のわだかまり、父と子の確執、少年の脳死。

5人が別々の道を行く直前に起きる様々な大事故やドラマを、それぞれの登場人物の思いや葛藤を張り巡らしながら綴る、10年間の集大成群像ドラマでございました

 

とりあえず最初に褒めるというべきか感じたことを書こうと思いますが、このシリーズを追いかけてきた者として、10年間の月日というのは長いものであっという間だなぁというのを冒頭で感じる演出にまずちょっとウルっときますよね。

1stから3rdシーズンまでの彼らの成長を走馬灯のように流すわけですよ。

 

クソ生意気な藍沢、黒田先生の腕を失うことになってしまった白石、一つの選択によって訴訟を起こされることになる緋山、あまりにも未熟過ぎてドクターヘリにのせてもらえない藤川、恋人を失い落ち込む冴島。

 

皆それぞれ悩み壁にぶち当たりくじけそうになりながらも、仲間に支えられ共に成長を遂げた彼らを大きなスクリーンで見られるということはホントに嬉しい。

最後に藍沢が言ってたけれど、1日のほとんどをお前らと過ごしたことでオレたちはもう家族みたいなものだ、と。

だからこうやって逞しくなれたことを知っていてくれるのはお前らだけで十分だと。

 

そんな彼らが、トロント医大、別の病院、結婚、といよいよ別々の道へ進むということで、すごく名残惜しいと言いますか、まだまだ彼らが5人揃って同じ職場で働いていてほしいなと思うわけですよ。

だからなんといいますか、会いたくなった時の分まで寂しくなった時の分までもう1回もう1回この映画を焼き付けたいな、と1ファンとして感極まった次第でございます。

 

会話の端々にも。

また今作では過去作でのエピソードが会話の端々に出てくることで、そういえばこのドラマでそんなことがあったな、なんてファンサービスを施されているんです。

 

例えば藍沢とおばあちゃんのこと。

雪村の母親が酔った勢いで転んで頭に包丁突き刺して運ばれてくるんですけど、そこで彼女の生い立ちが明かされてくるんですね。

母親のせいで私はいい思い出がない、この現実から逃げるために私は一人頑張ってきた。だから藍沢先生に私の気持ちがわかるわけない、と。

その後のフェリー事故で、身体を鉄パイプが貫通して重傷になってる中年男性の救護にあたるエピソードでも、その場にいた息子が過去に受けた暴行によって一人で逃げ出し、それ以来の再会だったということが明かされ、つい口走って一人で惨めに死ねといった矢先の事故だったと。

でもそれは本心ではなく、本当はあなたなしでもこうやって一人前に育つことだ出来たことを報告したかったと。

その場で藍沢のフォローをしていた雪村は自分と同じような境遇の親子を目の当たりにして考えていくんですね。

そこで介護と仕事と一人でやってきていた藍沢の当時の想いってのを、あとで雪村は知るわけです。

 

他にも、飛行機事故で運ばれてきた胃がん患者の女性のエピソードでは、恋人に逃げられてしまい、尚且つあと数週間の命。自暴自棄になって色々八つ当たりします。

すると恋人がやってくるんですね心配で。逃げはしたが考え直しちゃんと向き合おうと覚悟を決めて見舞いにやってるんですね。

本当は嬉しいけど素直に喜ぶことができなくて彼の気持ちを拒否してしまうんですね。彼を受け入れたら自分がいなくなった後、果たして彼はその後の人生を自分のせいで幸せに過ごせなくなってしまうんじゃないだろうか。

そこで緋山がかつていた恋人を失っても幸せに過ごしている人を知っていると明かすんですね。それが冴島だと。

 

それ以外は3rdシーズンからの続きになりますが、仕事と恋人、そして研修生の指導と悩みが尽きない緋山に、彼女のおかげで進むべき道を見つけた名取が、せめて自分の負担だけでも軽減することができないかと考え背中を押してあげたり、ヘリに乗ることはできたが、自分は患者とその家族とどう向き合えばいいか判断できないでいる灰谷のエピソード、明るい性格で患者に寄り添うことができる癖に一番近しい存在の雪村をどうフォローすべきか悩む横峯、そして何といっても結婚式を間近に控えた藤川と冴島のエピソードなどなど、中堅という立場になって新たな問題を抱える主要キャストと候補生たちがどう次のステップを踏むか、人間としてドクターとしてどう成長するかを充填に描かれていました。

 

まぁ一番は終盤のサプライズです。

これは一番グッときました。核心に触れるので伏せますが、これまでシリーズを追いかけて来た人への一番のサプライズであり、5人に向けられたはなむけの言葉にグッとくることでしょう。

 

とにかく、10年続いたドラマ「コードブルー」だからこそできる過去作の伏線だったのではないでしょうか。

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とはいえ内容はつまらん。

まぁここまで色々褒めてきたというか、追いかけてきたから伝わるものがあったわけで、そういう部分としては大いに楽しめましたが、映画の内容としてはざっくり言えばエピソードを詰め込み過ぎてて、それそれのエピソードの感動がものすごく薄れてるし、こっちはてっきり飛行機事故とフェリー事故が同時に起きてそれにあたふたするドクターたち、って想定していたのに、いざ鑑賞したら飛行機事故は乱気流で引き返してきた飛行機の乗客をトリアージするだけで、未曽有の大事故ってほどのものではなく、そこからすぐ病院内でのドラマで。

 

フェリー事故も後半発生しますが、3rdシーズンの最終回でのトンネル事故の方が被害が大きく感じてしまくらいスケールとしては小さく。

まぁそこである人物に悲劇が訪れるのでそういう意味では大事な部分なんですけど、そこで思うわけですよ、白石お前藤川がドラマで事故に巻き込まれて、もうこれ以上仲間があんな目に遭わないように私がしっかりしなきゃって言ってたのに、再びこういうことが起きて全然しっかりしてないじゃないかと。

いや一応涙を流したり落ち込む姿は出てきますが、藤川の時以上の苦悩は見当たらいよなぁと。

 

 

まぁその辺は大目に見るとして、とりあえず映画なんだから大スケールで描くと思ったら大間違いで普通のドラマ版と何ら変わり映えの無い山積みのエピソードが短い時間で一気に起きるだけという物語の構成にひどくがっかりしたのであります。

 

せめて映画なんだから飛行機事故とフェリー事故が同時に起きて、やばいどうしようあっちにもいかなきゃこっちにもいかなきゃ!とか、あまりの大事故に候補生たちがうろたえて、そこに自分たちもそれどころじゃないけどしっかり彼らに道しるべを作ったり、灯台のように灯りをともすことで彼らに指導する5人の姿を描くとか、あとはせっかくドクターヘリを扱ってるんだから、こういう時のドクターヘリってどこまで機能するんだろうとか、そういう災害時のドクターたちの姿と、実際起きた時の医療の可能性みたいなのモノをですね、もっと物語に組み込んでみても良かったと思うわけですよ

 

当初ポスターや予告を見た時に、これはもう映画化できない「海猿」の代わりになるような作品になるんじゃないか、なんて目論んでいたんですが、まさか普通に青春群像劇だけで映画にしてしまうのは非常にもったいないというか。

いやもちろんドラマの続きとしての部分も必要で、旅立ちの時を前に起きる大参事ってテーマはわかるんですけど、あまりに登場人物にスポットを当てすぎていてそれはないだろうと。

製作費少なかったのかなぁ。

 

 

要は予想していたものと違う、映画版なんだから大スケールでやってよ、彼らの人間描写も大事だけどさ、というのが本音。というか愚痴です。

 

 

後ホントエピソードが多すぎなんですよ。

2時間半あって、次から次へと新しい話がぶち込まれてくるんですね。

一番ひどかったのは、胃がん患者の女性と恋人の結婚式のシーンですよ。

幸せの絶頂のあと、結局ドレスは血まみれになっちゃうんですけど、その手術をやろうという矢先にフェリー事故が舞い込んでくるんですね。

それを橘先生に任せてフェロー達は現場へ急行。

確かに運ばれてくる花嫁にと隣に座っていたギャルは号泣してました。うんうんわかるよ悲しいよね。だからさもうちょっと余韻を残していいと思うの。

実際こういう場所では余韻に浸ってる場合じゃないんだろうけどドラマなんだからさもうちょっとあってもいいと思うんですよ余韻。

しかもこの花嫁途中でフェードアウトしちゃってあと何もないんだもん。

一応名取のセリフでヤバイ状況からは抜け出せたみたいですけども、それ以降は全く物語に絡んでこない。

 

結局俺が3rdシーズンを途中で離脱したのはこの登場人物の多さによって描くエピソードが山積みになってる事なんですよね。やるなら5人でいい。

登場人物全てに光をあてようとするから、全てのエピソードが中途半端で感動が薄い。

 

それでもちゃんと物語にしたのはすごいといえばすごいんですが。

 

 

最後に

まとめとしてこのシリーズを映画館で見られたこと、彼らの成長を10年間追いかけてきたファンとしては非常に嬉しく思います。

ただ5人がそれぞれの道を歩む前の話だからこそ、途轍もない困難を用意してほしかった。劇場版なんだから。

いつまでも蒼く輝く彼らだからこそ、TVドラマではできない特別な出来事を描いてほしかった、そんな思いです。

 

とりあえずミスチルファンであるモンキーは、この主題歌であるHANABIがこのドラマに登場人物にものすごく寄り添ってくれた歌だったなぁと、いま改めて感じます。

理想を追い求めて希望を胸に抱えて毎日を過ごしてきたけど、彼らが仕事する医療の現場はそんな甘ったれたもんじゃなく、そんな気持ちは日常に葬られていくばかり。

それでも決して掴むことのできないくらい淡く光る希望や理想に手を伸ばし、明日を見据えて生きてきたわけで、そんな苦楽を共に過ごした5人を讃えるような歌だったなぁと。

 

うまく歌詞に当てはめて言葉にできないんですが、うまくドラマとマッチした歌だたよねと。

 

続編、というか僕は5人を卒業させて候補生たちだけのドラマを新たなコードブルーとして描いてくれたらいいなと。

白石が仕切って藤川と冴島がまだいて、候補生たち中心にドラマを作る。

それで友情出演みたいな形で藍沢が出たりとか、手伝いで緋山が出たりとか。

キャストが変わってもこのドラマ続けることができますよね、ERとかみたいに。

ファンのイチ妄想ですが、そんな発展もいいんじゃないかと。

 

とにかく10年の区切りとして感慨深く思った映画でございました。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10

映画「ウインドリバー」感想ネタバレあり解説 シンプルで奥が深くて面白い現代西部劇。

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7月26日

ウインド・リバー

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娯楽大作が並ぶ中でひっそり公開される映画好き好みの作品。

アメコミ映画好きからすると、MCU以外でホークアイとスカーレットウィッチが共演だなんて!あの師弟愛が再び!みたいな興奮もあるっちゃああるんですが、一旦そこは忘れて堪能したい社会派サスペンスでございます。

 今年「モリーズ・ゲーム」という映画があったんですが、それを監督したのが脚本家としてアカデミー賞も獲っているアーロン・ソーキンで、今作で監督デビューしたんですね。

 

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まぁ僕の好みではなかったんですがアーロン節が炸裂でして、ハイスピードでまくし立てるセリフの応酬とまるで劇を見てるかのような対話が特徴的な映画だったなと。

要するに脚本家としての彼の持ち味が存分に発揮されてた映画だったんです。

 

で、今回の映画も脚本家として名を上げた人の監督デビュー作品でして、彼がこれまでどんな作品を執筆してきたのかを意識してみると、なんとなくこの映画が何を伝えたいのかや演出面といった裏側が覗けるんじゃないかと。

 

そういう点において僕は今月一番見ごたえがある映画になるんじゃないかと感じております。

そんな思いを抱きながら早速観賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

ボーダーライン」、「最後の追跡」など、アメリカの地方を舞台に、我々の目に見えないアメリカの暗部を浮き彫りにし問題を投げかけ、そのテーマの奥深さから批評家達を唸らせ絶賛を受けた脚本家テイラー・シェリダンが、雪深いネイティヴアメリカンの保留地で起きた殺人事件を背景に、現代のアメリカが抱える闇にフォーカスをあてた作品を手がけた。

心に傷を抱えた孤高のハンターと新人女性FBI捜査官という対照的な二人を主人公として進む物語は、荒れ果てた大地での慢性的な問題を下地に、なぜ少女だけが殺されるのかという謎を、苦難の連続にあいながらも寄り添い心を通わせながら殺人事件の真相に近づいていく。

スリリングな演出やアクションシーンも要所にいれることで、圧倒的な緊迫感と重みを加えたミステリー仕立てのクライムサスペンスとして完成させた。

 

今作で監督デビューした彼の評価は軒並み高評価であり、ついには昨年度カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で監督賞を受賞する快挙を成し遂げた。

 

「ボーダーライン」、「最後の追跡」、そして今作とアメリカ西部開拓地域を舞台にした「フロンティア3部作」の最終章と位置づけした今作。 

少女殺害から浮かび上がるアメリカの闇にあなたは何を思うか。

 

Wind River (Original Motion Picture Soundtrack)

Wind River (Original Motion Picture Soundtrack)

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

 

なぜ、この土地(ウインド・リバー)では少女ばかりが殺されるのかーー 

 

アメリカ中西部・ワイオミング州のネイティブアメリカンの保留地ウインド・リバー。

その深い雪に閉ざされた山岳地帯で、ネイティブアメリカンの少女の死体が見つかった。

第一発見者となった野生生物局の白人ハンター、コリー・ランバート(ジェレミー・レナー)は、血を吐いた状態で凍りついたその少女が、自らの娘エミリーの親友であるナタリー(ケルシー・アスビル)だと知って胸を締めつけられる。

 

 コリーは、部族警察長ベン(グラハム・グリーン)とともにFBIの到着を待つが、視界不良の猛吹雪に見舞われ、予定より大幅に遅れてやってきたのは新米の女性捜査官ジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)ひとりだけだった。 

死体発見現場に案内されたジェーンは、あまりにも不可解な状況に驚く。現場から5キロ圏内には民家がひとつもなく、ナタリーはなぜか薄着で裸足だった。

前夜の気温は約マイナス30度。肺が凍って破裂するほどの極限の冷気を吸い込みながら、なぜナタリーは雪原を走って息絶えたのかーー

 

監察医の検死結果により、生前のナタリーが何者かから暴行を受けていたことが判明する。

彼女が犯人からの逃走中に死亡したことは明白で、殺人事件としての立件は十分可能なケースだ。

しかし直接的な死因はあくまで肺出血であり、法医学的には他殺と認定できない。

そのためルールの壁にぶち当たり、FBIの専門チームを呼ぶことができなくなったジェーンは、経験の乏しい自分一人で捜査を続行することを余儀なくされ、ウインド・リバー特有の地理や事情に精通したコリーに捜査への協力を求める。

 

コリーとジェーンはナタリーの父親マーティンのもとを訪ね、事件発生の夜にナタリーが恋人に会いに行っていたことを聞き出す。

心を病んだ妻とドラッグ中毒の息子を抱えるマーティンは、かけがえのない存在である愛娘の命を奪われて憔悴しきっていた。 

 

捜査を進めるコリーとジェーンは、鬱蒼とした森の中で白人男性の遺体を発見。彼の身元はナタリーの恋人のマット・レイバーン(ジョン・バーンサル)だった。

 

その夜、自宅にジェーンを泊めてやったコリーは、つらい過去を打ち明けた。

3年前に娘のエミリーを亡くしたコリーは、それが原因でネイティブアメリカンの妻と離婚し、幼い息子とも離れ離れに暮らしている。コリーの留守中に失踪を遂げたエミリーは、ナタリーと同じように自宅から遠く離れた場所で変わり果てた姿となって発見され、事件の全容は未だ不明のまま。

コリーはそれ以来ずっと、娘を守ってやれなかった罪悪感に苛まれ続けていた。

コリーの心の傷に触れたジェーンは、部外者の彼が献身的に捜査に協力してくれている理由を察するのだった。

コリーとジェーンはベンが応援に駆り出した若い保安官4人を引き連れ、マットの同僚たちが寝起きする山奥のトレーラーハウスに乗り込んでいく。

 

やがて不自然な言動を連発する警備員たちとジェーンらとの間に一触即発の緊張が走り、両者が一斉に拳銃を抜いて対峙する非常事態が勃発する。

 

はたして事件当夜、この人里離れたトレーラーハウスで何が起こったのか。

ウインド・リバーの静寂を切り裂く凄まじい銃声が鳴り響くなか、ついに明らかになる衝撃の真実とは……。(HPより抜粋)

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監督

今作を手がけるのはテイラー・シェリダン。

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冒頭や作品情報でも書いたとおり、脚本家として名を上げたお方。

「ボーダーライン」然り、「最後の追跡」然り、今回も似たような内容だなぁと思ったらこれ3部作だったんですね~。

しかも今作は過去2作で立場的に言えるようになったから、かねてより作りたかった、アメリカ最大の失敗ともされるネイティヴアメリカンの保留地問題を題材にしたんだとか。

なんかこの問題に共鳴してくれる監督がいなかったから、自分がやったって仰っていますが、今後監督業は考えてないのかな?

 

とりあえずモンキー的に「ボーダーライン」が重過ぎたのと、当時ドゥニドゥニの作品に好感が持てなかったことが重なってあまりいい満足度ではなかったんだけど、今年続編もやるということでおさらいしようかと。 

 

どちらかというとですね、僕は最後の追跡が大好きです。

これネットフリックスでしか配信してないんですが、その年のベストにも入れました。

よろしければこちらをどうぞ。

 

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次回作は脚本ではありますが、ボーダーラインの続編「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」が11月に公開です。

 

 

 

キャスト

 野生生物局の白人ハンター、コリー・ランバートを演じるのはジェレミー・レナー。

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冒頭でも書きましたが、「アベンジャーズ」のホークアイ役が有名ですね。

他にも「ミッション・インポッシブル」シリーズのブラント役や、「ボーン・レガシー」、去年の傑作映画「メッセージ」にも出演していたのが記憶に新しいところ。

 ホークアイに関しては、今年公開した「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」でキャスト陣から散々いじられていましたw

次回作は出るよねきっと!

 

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新人女性FBI捜査官、ジェーン・バナーを演じるのはエリザベス・オルセン。

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う、美しい・・・なんて美しいたぬき顔・・・

はっ!

取り乱しました・・・。

 

彼女の歴史ですが、一応子役時代からお姉ちゃんにくっついて作品に出演していたそうですが、途中から学業に専念したかなんかで活動していなかったそうです。

その後ガチで演技の勉強を積み、カルト集団から逃げ出し姉夫婦の下で暮らし始めるも、洗脳の呪縛から逃れられない苦悩の姿をスリリングに描いた「マーサ、あるいはマーシー・メイ」で劇場映画デビューします。

 

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その後、20年間監禁された末に、突然解放された男が復讐を胸に誓うも、あまりに悲惨で悲しい末路を辿ってく、韓国映画のリメイク映画「オールド・ボーイ」、日本が誇るポップアイコンが再びハリウッドで映画となって蘇った「GODZILLA」、戦後間もない時期に活躍したものの29歳の若さでこの世を去った伝説のカントリーシンガーの光と影を描いた「アイ・ソー・ザ・ライト」など大小問わずさまざまな作品で輝き続けています。

 

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そして彼女をスターダムに押し上げたのが「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」であり、以降スカーレット・ウィッチ役としてレギュラー出演を果たしています。

 

なんでしょうね、それまでブラックウィドウに目を奪われていたけど、彼女が出演してから、ぼかぁワンダ、いやエリザベ~スに夢中でございます。

 

で、彼女のフィルモグラフィーを見てみるとですね、実は共演者の多くがMCUに出演している人たちばかりってことに気づくんですね~。

オールドボーイでは、主人公の男役はサノスを演じているジョシュ・ブローリン。しかも濡れ場までやってますからね~。

そしてアイ・ソー・ザライトではロキ役のトム・ヒドルストンと共演。

アベンジャーズAoUでクイックシルバー役のアーロン・テイラー=ジョンソンとは兄弟という役柄でしたが、GOZILLAでは夫婦役で共演しているややこしさ。

そして今回ホークアイ役のジェレミー・レナーとですから!!

なんという偶然でしょうw

今後もMCU出演者と共演を重ねていくんでしょうか。逆に貫いて欲しいなw

 

 

 

他の出演者はこんな感じ。

殺害された少女のボーイフレンド、マット役にNetflixドラマ「パニッシャー」や、「ベイビー・ドライバー」、「ザ・コンサルタント」のジョン・バーンサル

殺害された少女の父親マーティン役に、「ローンレンジャー」、Netflix映画「最後の追跡」のギル・バーミンガムなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

この広すぎる場所でどうやって殺されたのか。その真実に近づいたときどんなアメリカの闇が浮かび上がるのか。

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

やっぱり映画はシンプルで奥深いのがいいよね。

またもや現代西部劇の傑作を作ってしまった監督の脚本が素晴らしい!

正にアメリカの闇だ!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

荒野を雪山に変えた西部劇。

ワイオミング州にあるインディアン保留地ウインドリバーで起きた一人の女性の遺体発見をきっかけに、いかにこの場所か不毛の地であり無法地帯であるということ、そして運などどこにもなく強者でなければ生き抜くことができない過酷な環境であるということを物語の端々で伝え、それが現在でも社会問題となっていることを念頭に置きながら、2人の主要人物の置かれた状況やバックボーンを丁寧に抽出していく運び、そして突如訪れる緊張感と激しい銃撃戦といったアクション要素も取り入れることで飽きさせない工夫をうまく施してあり、総じてシンプルでいて奥が深く作られた良質映画でございました。

 

監督の前作「最後の追跡」でもそうでしたが、アメリカ西部地方における貧困や過酷な環境、強さこそ正義みたいな場所におけるマイノリティだったり、そこで暮らすためには避けて通れないような行動を描くことで、今この場所で何が起きているかを下地にしながらうまく物語を作り上げるのが本当にうまいなぁと感心していて、今作でもそれがうまく映画として完成されていたのをみると、今後この人脚本の作品は俺全部高評価にしちゃうんじゃないかってくらいな気持ちになりましたね、今作も。

 

物語の構造は至ってシンプルで、過去に娘を殺されたハンターと正義感の強い女性新人捜査官が、雪山の中を裸足で10キロも走って死んでしまった少女の原因を探るべく、タッグを組んで雪山の中を捜索するという流れ。

その先々でこのウインドリバーという場所が、辺り一面何もなく、これだけだだっ広い場所なのに警察官は6人しかおらず、救急車を呼ぼうにも1時間もかかる、しかもいつ吹雪になるかも晴れるかもわからないような天候で、時期が春だってのにマイナス20~30度の世界で、いつだって他の場所に住むことはできたのにこの地に住み着いて、薬でラリって事くらいしかすることがないくらい娯楽もなければやることもない、しかもそいつらが何でやってるかってただただ今の人生に憂い嘆いてるからの結果で、まだそれに気づいてるのはいい方でそれでいいと思ってる奴らがうじゃうじゃいる、そんな奴らがすることは羊のようにか弱い女性に暴行を働き、強さを主張することでしかないどうしようもない連中ばかりってのを、順序良く描いてる。

 

しかも遺体で見つかった少女は冷気によって肺を痛め血で呼吸ができなくなって死んだというのが死因のため、FBIは関与できない、捜査できない。だから応援も呼べないというさらにやりづらい状態なわけで、結果少数精鋭で捜査しなくちゃいけない。新人女性捜査官と地元のハンターで。

 

全く立場の違う正反対の2人がタッグを組んで互いを理解し合って絆を深めていくって流れもいわゆるバディムービーとして成立しているし、こういう不利な状況で悪を追い詰めていくって設定がまた映画を面白くさせている、しかもこのハンターってのがいわゆる西部劇でいうガンマンになっているというか。

しかも彼は捜査官でも保安官でもないから犯人を裁くことができないっていう立ち位置なわけで、それが最後活きてくる構造になってるんですよね。その時のジェレミーがほんとカッコイイ。

 

そして西部劇でもよくあるように、こういう広い場所で何か起きた時自分で自分の身を守るしかないからみんな銃を持ってるんですよね。だから力がないと生きていくことができない。

で、誰かを殺したとしても警察官はこの地に6人しかいないもんだからちょっとやそっとじゃ死体なんて見つからない。

そして中盤と後半で行われる銃撃戦も用意されている、ハンターである男が自分の過去との決着を今回の事件でしようとするところ、などなど西部劇要素も盛りだくさんなわけで。

 

感想冒頭から読みづらい文章ばかり書いてますが、それだけシンプルなのに色々なものが詰まっていてさらに映画としてちゃんとエンタメになってるってのが、僕は非常に見ていて辛い描写もあったけど楽しく鑑賞できたわけであります。

 

 

あそここういう意味だよね。

まぁ大したことではないですが、あれこれ気づいた細かいことを。

最初ハンターのコリーが、雪山でうつぶせになって羊を襲おうとしているピューマを撃つシーンがあるんです。

彼は野性衛生局に勤めてるってことで、羊を守るためにハントをしているってわけですね。

で、この構図がそのまま終盤で描かれるんですよね

正にピューマが羊を襲ってる状況で、見えないとことからライフルで仕留めるという。

まぁピューマが誰で羊が誰かってのはなんとなくわかると思うんでその辺は本編で、ということで。

 

それとラスベガスから直行してきたFBI捜査官であるジェーンなんですが、こんな寒いばよだなんて想定しておらず、薄着で来てしまってるんですね。

だからコリーの義理の父親の家で防寒着を切るんですが、この防寒着がコリーの死んだ娘のもので。

この服を着ることで、ジェーンがコリーの娘の代わり、みたいに見せてるんですね。

だからコリーは終盤ジェーンを守るって行動に結び付くんじゃないかと。

守ることができなかった娘への思いを、ジェーンを守ることで補うというか、過去から脱却するというか。

そんな伏線になっていたんじゃないかと。

 

 

あとは銃撃戦ですよね。

これが凄い。

中盤殺された少女の弟を探しにあるトレーラーハウスへ行くと、ラリッてるやつが戸を開けて登場。浸かると思い催涙スプレーをかけてジェーンにダメージを与えるんですがここから一気に緊張感が高まります。

部屋の中に入り、奥の廊下を歩くとスプレーを巻いた奴がライフルでスドンと反撃。

ジェーンは普通の銃なんですけど、向こうはライフルなんですよね。

このライフルの音がでかいでかい!

うわ、銃の音こんなに大きいのかよと。

 

で、終盤がガチの銃撃戦。

掘削現場の作業員たちに少女の恋人の家を案内してもらう道中で、ある作業員が墓穴堀んですね、すると作業員たちがいつしかジェーンたちを囲むような歩き方をしていることに気付く警備員が急に気を高めて一触即発の状態に。

そしてジェーンがドアの前に立ってノックをし続けるんだけど、仲にいるはずの同居人が出てこない。すると警察官の無線にコリーから連絡が。

警察官はジェーンに大声でドアから離れろと警告します。

そこから一気に銃撃戦。ドアの向こうからライフルでジェーンをズドンとしたあと、作業員対警備員の乱れ撃ち。

おいおいこんなのみんな即死じゃねえか、と思ったら一応防弾チョッキ着ていたみたいで、ジェーンは何とか生きながらえるんですが、あとの警備員たちは即死。

ジェーンピンチ!と思ったら遠くの方からどんどん作業員を撃ち落とす銃弾が!

コリーが遠くから作業員を仕留めてるんですね。

ガンガン仕留めます。無敵です。無双です。

作業員たちはどこから狙ってきてるか把握できないんだけど、どんどん撃たれます。

しかもライフルだからすげ~吹っ飛ぶんですね。あれ、こんな映画だと思ってなかった。

 

とまぁこのように一気に緊張感が高まりドンパチしていく展開がまぁ最高で。

 

最後はこういう意味って話ではないですが、僕が唸ったシーンということで書いてみました。

 

 

最後に

この映画で伝えたいことは、ネイティヴアメリカンがこういう無法地帯な場所で暮らすことにアメリカ政府は何も対応してくれないということ、そしてその無法地帯で力の弱い女性が餌食にされてしまっていること。

これも政府は何も対応していない。しかもエンディングで明らかになりますが、不明者のデータを調べていないという事実。

常に恐怖と悲しみを抱えながら生きている彼ら。

そんな場所に追いやった彼らにも目を向けてほしい、と監督は強く願った映画だったのではないでしょうか。

 

他にもですね、ジェレミーレナ―がめっちゃいい演技します。

獲物を狙う姿や犯人を追い込むときは強く鋭く、ジェーンを誘導する姿は父親にも似た逞しさ、そして自分の過去を明かすときは、目にこぼれない程度の涙を浮かべて語り、悲しさと繊細さを魅せ、最後にはそっと心に寄り添うようなほほ笑みと優しさを表情で魅せる。

あれ?ジェレミーでこんなに心動かされるの初めてかも!ベストアクトなんじゃないのこれ!?

 

今年5年ぶりの猛暑という天候ですが、ぜひこの映画を見てゾクゾクしてほしいと思います。ホラーとか表面的なゾクゾクではなく、描かれている内容でゾクゾクしてほしい。しかも雪山が舞台ですから。

 

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆☆★★8/10

映画「インクレディブルファミリー」感想ネタバレあり解説 ママは外、パパはウチでヒーローになる。

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8月1日

インクレディブル・ファミリー/インクレディブル2

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キャッチコピー、いいですよね。「家事!育児!世界の危機!」って。この物語が一体どんな内容なのか、見事にまとめてくれてます。

超能力を持った家族を描いたお話で、今回は子育てになれないパパの奮闘と、世界の危機を同時進行で描いていくんでしょう。

そのてのパターンは「未来のミライ」でも描かれてましたが、明らかにこっちのほうが面白そうだ!

 しかし!私モンキー、前作観てませんww

ジュラシックワールド/炎の王国」でもそうでしたが、どうも一昔前のシリーズモノになると、これがホントに観てないものばかり・・・。

でもね、続編をやるってことは、僕にとっては過去作を観るきっかけになるし、そのおかげでまたひとつ新しい扉を開くことができる。

そうやってひとつひとつ観賞する作品が増えていけばいいなと。

 

今年のディズニーアニメは、春に「リメンバー・ミー」が公開され話題になりましたが、僕は正直楽しめなかったわけで。

 

www.monkey1119.com

 

ちょっとねぇ、いくら家族のルールが大事だからって、夢をつぶそうとする家族の行動には共感ができなくて。で、どう結びつけて終わるかと思ったらえらく薄味でまとめるし。

おい、ばあちゃん、あんたがした事覚えてるか?ギターぶっ壊したんだぞ!!!

アレはマジで許せん。

そんな評価でございました。

 

果たして今回のディズニーアニメは僕を楽しませてくれるのか。一応これヒーローアニメってことになるのかな?

そういう点で考えれば僕の大好きな分類ですから期待したいですね。じゃあ何で観てねえんだよw

というわけで早速観賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 

 世界中の人々を魅了してきたディズニー・ピクサーアニメーション。

その記念すべき長編20作目の今作は、前作からおよそ14年ぶりのヒーロー家族の物語。

これまでモンスターだったり、オモチャだったり、魚やといったモノを擬人化し楽しませてくれたピクサーが、あえて人間や彼らが住む社会をテーマにし、そこに超能力を持つ元ヒーロー家族という設定を加えることでエンタテインメントに仕上げた前作。

今作では、伝説のヒーローであるボブが、任務のために出動してしまった妻のヘレンの代わりに子育てに奮闘するという話から世界の危機へと発展していく。

実写アクションなどにも挑戦し成功を納めた監督の代表作、果たして家族の運命は!?

 

 

 

 

インクレディブル・ファミリー オリジナル・サウンドトラック

インクレディブル・ファミリー オリジナル・サウンドトラック

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

 

ヒーローたちの驚異的なパワーは人々の生活にダメージを与えてしまうことがあるため、今はその活動を禁じられ、能力を隠して生活していた。

 

かつてのヒーロー界のスター、Mr.インクレディブルこと怪力パパのボブ(声:クレイグ・T・ネルソン)もその一人で、彼の家族もスーパーパワーを持つヒーロー一家だった。妻ヘレン(ホリー・ハンター)はゴムのように伸縮自在のボディを持つイラスティガール、長女ヴァイオレット(サラ・ヴァウエル)は身体を透明にしたり鉄壁のバリアを張ることができ、長男ダッシュ(ハック・ミルナー)はハイスピードで走ることができる。そして、能力未知数の赤ちゃんジャック・ジャックもいた。

 

そんなある日、地底からアンダーマイナーが出現。

活動禁止のルールよりも人々を守ることを優先したMr.インクレディブルとイラスティガールが街を救う。

しかし、戦闘中にビルを破壊したため、感謝されるどころか警察で事情聴取されてしまう。

現実の厳しさを知ったヘレンは、仕事を見つけて家計を支えようと決意する。

 

一方ボブは、ヒーロー復活の夢を追い続けていた。

そんなとき、復活をかけたミッションが舞い込む。しかし任されたのは、建物などを破壊する恐れのないヘレンだった。

ボブはショックを隠し、ヘレンの代わりに家庭を守ることを約束するが、慣れない家事や育児に悪戦苦闘。

おまけにジャック・ジャックのスーパーパワーが覚醒し、振り回されたボブは疲労困憊に。

 

そのころ、イラスティガールは“ある事件”に遭遇していた。

リニアモーターカーが暴走したかと思えば、テレビ番組がジャックされる。

乗客たちを救った彼女は、人々を操る、スクリーンスレイヴァーと名乗る謎の存在に辿り着く。

そこには、世界を恐怖に陥れるさらなる驚愕の陰謀が待っていた。ヘレンの身にも危険が迫り、異変に気づいたMr.インクレディブルが駆けつける。

さらに、両親の危機を知ったヴァイオレットとダッシュも、ジャック・ジャックを守りながらある決意をする。(Movie Walkerより抜粋)

 

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監督

今作を手がけるのは前作に引き続きブラッド・バード監督。

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監督作品全作観てるわけではない(そもそも前作観てないし・・・)ですが、彼の作風というかどんな毛色の映画を作る人かというのを僕なりにまとめてると、大人になった僕らに子供心を思い出させてくれるような物語が多いかなぁと。

初めて実写に挑戦した「ミッションインポッシブル/ゴーストプロトコル」だって、テーマ曲をオリジナルに近い感じにしたのだって、これからどんな物語になるんだろう!ってワクワクするつくりになってたし、全編とおしてピンチの連続で、どう切り抜けるかって演出がホントハラハラするし。

他の作品もそうだけど、こんな感じで夢中にさせてくれる要素をいっぱい詰め込んで暮れてるから、なんというか子供ならなお一層なんだろうけど、大人でも童心に帰れるような、そんな映画を作り続けている方かなぁと。

 

そんな監督の作品をサクッとご紹介。

ニューヨーク東8番街の奇跡」の製作や、TVアニメ「ザ・シンプソンズ」に数年間携わった後、小さな少年と謎の巨大ロボットとの交流と顛末に涙無しでは見られない感動の傑作アニメ「アイアン・ジャイアント」を初監督。

批評家からの熱い評価に対し興行は振るわずだったデビュー作の後、かねてより交流のあったジョンラセターにより、ピクサーでのアニメーション製作へと入ります。

そして作られたのが「Mr.インクレディブル」。アカデミー賞長編アニメ賞を受賞する快挙を成し遂げます。

 次回作もディズニー作品を制作するようになり、パリを舞台に、シェフを夢見るドブネズミと料理の苦手な見習いシェフが奇跡を起こす「レミーのおいしいレストラン」を製作します。

 

 

 そして大抜擢だったのが「ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル」の監督。主演のトム・クルーズは自身の作品をプロデュースしているとあって、毎回自分が興味のある監督に依頼することが有名ですが、アニメーション作品しか作ったことのないブラッド・バード監督を抜擢するのは当時驚きでした。

その後も人類の命運を託されたヒロインが、不思議な少女と中年の男と共に大冒険を繰り広げる「トゥモローランド」などがあります。

 

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キャラクター紹介

 

 

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左上より。

  • ボブ/Mr.インクレディブル(声:クレイグ・T・ネルソン/三浦友和

怪力パパ

 妻のヘレンと子供たちを愛する、心優しいパパ。ヘレンがミッション遂行中のため、慣れない家事・育児に悪戦苦闘。 かつてヒーロー界のスターだったが、活動が禁止されている今なお、ヒーローであることに誇りを持ち、復活の夢を追い続けている。

 

パワー:車を軽々と持ち上げ、猛スピードの電車を止められるほどの怪力の持ち主。

 

  • ヘレン/イラスティ・ガール(声:ホリー・ハンター/黒木瞳

ゴム人間ママ

ボブの良き妻で子供たちの良き母親。優しくて強い、しっかり者の女性。普通の仕事を探して家計を支えようと考えていたある日、思いがけずにヒーロー復活をかけたミッションが舞い込み、ボブに留守を託して任務につくことを決意。

 

パワー:身体をゴムのように伸ばしたり縮めたり、薄くできる。パラシュート等どんな形にも自由に変えることができるイラスティガール。

 

  • ヴァイオレット(声:サラ・ヴォーウェル/綾瀬はるか

 

鉄壁バリアガール

一家の長女。ちょっぴりシャイだが意志の強い女の子。ヒーロー一家に生まれた運命や恋に悩むこともある。パパとママの危機を知ったとき、ジャック・ジャックを守りながら、ある大きな決意をする。

 

パワー:自分たちの周りにドーム状や球体状のバリアを張って、攻撃をはね返したり、身を守ったりすることができる。自分の身体を透明にすることもでき、敵の目から隠れたり、敵を翻弄したりもする。

 

  • ダッシュ(声:ハック・ミルナー/山崎智史

超高速ボーイ

 一家の長男でヴァイオレットの弟。元気いっぱい、好奇心旺盛でおしゃべりな10歳の少年。パパやママに反抗したり、姉・ヴァイオレットと喧嘩したりするけど、家族のことが大好き。

 

パワー:時速300㎞という超高速で走り抜けることができるスーパーランナー。その動きは、ビデオカメラでも捉えられないほど速く、水上を走り抜けることさえできる。

 

  • ジャック・ジャック

 能力未知数?!家族のアイドル
家族みんなに愛され守られている末っ子で、一家のアイドル的存在。好奇心いっぱい、怖いもの知らずの活発な赤ちゃん。その無邪気な笑顔を見れば、どんな人でも幸せな気持ちになる。

パワー:無邪気に放つ過激なパワーはボブにもコントロール不可能。おむつを叩いたら目からビーム、空中浮遊や分身の術も!

 

  • フロゾン(声:サミュエル・L・ジャクソン

 Mr.インクレディブルのヒーロー仲間
ボブ<Mr.インクレディブル>の古くからの親友。

パワー:空気中の水分から氷を発生させたり、指先から発射する冷気で、瞬時にしてすべてのものを凍らせることができる。ウィンター・スポーツの達人。

 

  • エドナ・モード(声:ブラッド・バード)

 カリスマ・デザイナー
 ヒーローのスーツを手がけるデザイナー。パリコレの常連で、そのデザインは独創的。仕事には高いプライドを持ち、いつでも自信満々で、どんなヒーローよりも態度が大きい。日本人とドイツ人のハーフ。

 

  • アンダーマイナー(声:ジョン・ラッツェンバーガー

 

 誰よりも深い地底に棲む。超巨大掘削ドリルに乗って地中から出現し、道路を破壊したり街の人々を危険な目にあわせたりとやりたい放題。その場に居合わせたボブたち家族が、ヒーローとして立ち向かう。

 

 

 

 

 

前作のおさらい

 

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 ピクサー初の人間キャラが主人公の作品。

引退したヒーローとその家族が世界の命運をかけて立ち上がる姿をユーモラス且つハートフルに描く。

15年前にその桁外れの破壊力が問題視されヒーロー活動禁止となり、現在普通に暮らし力を持て余しているボブたち家族。一方その頃、巷では元ヒーローたちが次々と行方不明になる不穏な事件が続発していた。そんな中、インクレディブル一家にも陰謀の影が迫っていた…。

 

シビルウォー」でも扱われた、単独行動の自警的ヒーローを組織の監視下におくという風潮。悪を倒し庶民を助けることはもちろんいいことだけど、その後の二次被害は誰が責任を取ってくれるのか。破壊された建造物、事件に巻き込まれてしまった無関係の人たち。

その声は大きくなり、結果特別だった存在は必要とされなくなった。

その後冴えない日々を送るパパ、現実を受け入れ普通の日々を送ママ、普通になりたい娘、特別であることを披露したい息子。

それぞれの思いや葛藤をキチンと伏線に置き、過去の行動が思いも寄らぬ悪を生み、ひとりではなくチームであること=家族であることの素晴らしさをものすごくいい塩梅でエンタメ映画にした快作でした。

 

今回の新作を機に観賞したわけですが、なるほど、これを経てミッション・インポッシブルに繋がったのかと思うようなアクションと音楽。

とにかくテンポがいいですよね。事件がおきる前の退屈な日常といったドラマの場面ではスローペースで、ふとアクションが始まればダイナミックに、そして家族にピンチが訪れるときは緊張を最大限に煽る演出に、完全に心を持っていかれました。

 ほぼ能力が似ているファンタスティック・フォーとかこういう風に作ればよかったのにw

 

 

 

 

 

 

 さてさて前置きが長くなりましたが、前作から何年後、とかではなく、そのまま続きをやりそうな予感です。ジャックジャックの覚醒と、地底からの新たなる敵、で前作終わってるので、そこから始まりそう。

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

アニメーションだからできる軽快でアップテンポなヒーロー活劇に大興奮!

問題提起もこれは怖い。

が、どうもしっくりこない部分も。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

純粋に楽しいよね。

ヒーロー活動禁止の法律を変えようと活動する支援者の手助けにより、新に現れた敵と戦うヒーロー家族の姿を中心に、アニメーションだからこそできた柔軟でしなやかな動きを表現し、本当に見たかったヒーローアクションとして楽しませてくれる娯楽要素満載な映像である一方で、子育てに奮闘するパパ、女性が社会で活躍することの悦びといった現代社会の課題、そしてメディアが発信する報道や宣伝に、どれだけ我々が依存しているか誘導されているかという問題提起を物語に組み込んだ意欲作でございました。

 

 

率直な感想としては前作以上に純粋に楽しめる作品でした。

冒頭から暴走するドリル戦車を必死に止める家族たちの能力全開の奮闘ぶり、強力な後ろ盾を得て単独で高速列車の暴走を食い止めるイラスティガール、敵のアジトに潜入し狭い部屋の中でアクティヴに戦う中盤での格闘シーン、そしてクライマックスでは船の暴走を止めようとする家族たちの激闘を冒頭のアクションと被せてくるあたりはお見事だしテンポの良さは抜群で、これ実写でやったらCGに相当お金がかかるであろう超能力アクションを、アニメーションによって実現させたことがとにかく素晴らしい

そしてその楽しさを増幅させるホーン隊中心で構成されたBGMが観る者をワクワクさせ、心をつかんで離さない。

 

あとはガジェットね!イラスティガールの能力を最大限に発揮できる電動バイクは最高!

高速列車を追いかけるシーンで、狭いところや道路逆走せざるを得ない場所、ビルとビルの間を飛び越えていかなければいけない時に、前輪と後輪を切り離し、イラスティガールの身体を伸ばすことで回避したり柔軟に対応できる仕組みになっていて、観ていて爽快!

他にもMr.インクレディブルがかつて乗っていた車も今回再び登場。前作で明かされなかった車の性能が今回フル活用されていてこれまた最高!

リモコン操作、オートドライビング機能、音声認識、潜水艇、運転席から飛び出すように脱出可能な仕組みなどなど、007で登場したボンドカーのすべての性能を全部網羅した様な車でした。

 

監督分かってるよなぁ!

ほんとね、一見既視感のあるようなアイテムやアクションにも思えるんだけど、それって実は実写でよくあっただけでアニメーションだとあまりこういうの見たことない。

しかもスパイ的要素と超能力を融合することでアクション活劇の高みへと誘い、実写では描くことが難しい部分をアニメーションにって映像化することで、ハイブリッドな娯楽を提供してくれてる。

アクションに関して言えば、ザ・男の子大好きムービーでしたよ。

 

お母ちゃんの喜び、お父ちゃんの奮闘。

前作ではヘレンに隠れてこそこそ鍛えてヒーローとしての単独行動にほくそえんでいたパパ・ボブでありましたが、今回は彼ではなくヘレン=イラスティガールが活躍します。

ヒーロー活動禁止法を無くし、かつてヒーローが溢れた時代に戻そうと水面下で動く通信会社の社長は、ボブとヘレン、フロゾンに声をかけるところから物語は動き出します。

これまで市民たちはヒーローたちがも街を壊し捕まる映像を見たことで、ヒーローなんかいらないと思い込み、禁止法に賛成するようにされてきた。

逆にこれをヒーローがどういう経緯で敵と戦うかを映像として記録し見せることで、考えを変えてもらおうと計画するんですね。

ただ、これをボブにやらせると街を破壊する部分が多くなってしまうから、ということでヘレンにお願いするわけです。

 

今までヒーロー活動をやめるべきと現実的で堅実な考えを持っていたヘレンですが、いざヒーロー活動を再開すると、かつてヒーローとして奮闘していた時の活き活きとした自分に気付き、溢れんばかりの喜びに浸る姿が描かれています。

 

女性は結婚し子供が出来たら家の事だけすればいい、なんてのはもう古い!そんな女性だってホントは仕事がしたいんだ!やりたいことをやりたいんだ!

そんな今の女性たちの声をヘレンによって描いていたわけです。

 

実際に家のことが心配で夜中にボブに電話するシーンでは、アタシ一人で列車の暴走を食い止めたのよ‼サイコーーーーー!!!と喜びを伝えているのが印象的でした。

 

 

そんなヘレンとは一転、これまで家の事を任せっきりにしてきたボブに試練が訪れます。外でヒーロー活動する妻の代わりにボブは家の事をすることになるのです。

最初こそ自分がやるべきだ!と主張していましたがヘレンが活躍しヒーローに対する世の中の考えが変われば自分にも再びチャンスが来る、ヒーローとして堂々と活動できると考えたボブは、自分を押し殺し、家の事は任せろとヘレンの背中を押してあげるんですね。

 

しかしいざ家の事をやると問題が山積み。

算数が苦手なダッシュにアドバイスするも、子供にはわからないやり方で問題を解いてしまい、ダッシュのためにならず。

思いを寄せるボーイフレンドとのデートをすっぽかされてふてくされ八つ当たりするヴァイオレットをどう宥めていいかわからずじまい。

オマケにジャック・ジャックの能力が覚醒したことに喜ぶのはいいが、あまりの能力の多さと予測不可能な能力の発動に夜も眠れずじまい。

とうとうギブアップ寸前に陥ります。

 

「未来のミライ」でも描かれていましたが、男の家事の苦悩と奮闘を本作でも取り入れており、その苦労ぶりを面白おかしく描いてるんですね。

でも偉いのは、それを投げ出すことなく妻に押し付けることなく、ひとつひとつの問題を解決法を自分なりに見つめ考え見出し実行する姿。

そしてお家でもパパはヒーローになっていくのであります。

子供たちもそれをちゃんと見ていて理解し始める姿は素敵な光景でしたね。

 

ジャックジャックの予測不能な能力発動ってのも、生命力の塊だとエドナが言っていたように、赤ちゃんは何をするか何をやり出すかわからないっていうメタファーにも通じてるし、目からビームが出た!とか火を放った!壁をすり抜けた!異次元で移動した!みたいなのって、いわゆるハイハイから立った、歩いた!みたいなことの例えだよなぁと。

それを見たボブの喜びとそれによって生じた悩みどころってのをこのシーンでは描いていたと思います。

 

 

 

今作の問題提起。

前作よりもメッセージ性が強いと感じた今作。

男性が育児と家事を、女性が職場復帰という部分に加え、今回メディアによって我々はどう影響されているか、どれだけの危険性があるかということと、超能力という力特殊な力=便利なものに頼りすぎていないか、というのを敵であるスクリーンスレイヴァ―によって投げかけていたように思えます。

 

もうね、敵の名前がスゴイですよ。スクリーンスレイヴァ―ですよ?画面の奴隷商人ってことですかね直訳すると。

スクリーンスレイヴァ―は市民を画面を通じて催眠をかけて混乱させようと暗躍しいてくんですね、それをヒーロー家族がどう食い止めるか、というのが今作の物語になるんですが。

 

彼はこういいます、お前たち市民はテレビで流れるヒーローの活躍を見れば見るほど気が付けば彼らに頼っている、なったつもりでいる。と。

彼らに街の事をやらせておいて自分たちは何もしない、そのニュースを見てただ消費してるだけ、それでいいのか?と投げかけてくるんですね。

 

これは要するに力を持ったものに任せて自分は何もしていないけどそれでいいのか、ということを言ってるんじゃないかと。

 

それに加えスクリーンスレイヴァ―による画面を通じて催眠をかける=洗脳する、という行為は、テレビでの報道や情報によって、我々を扇動してるのかもしれないという警鐘を鳴らしているようにも見えます。

 

実際にヒーロー活動禁止という法律を無くそうと通信会社の社長はメディアを通じて、見てる者たちに意識的にヒーロー不要論を無くそうと、メディアを通じて誘導しているわけで。

 

 

我々はスマホやテレビ、パソコンなど画面を通じて大きな恩恵を受けてきました。

遊ぶこともできるし、物を買うこともできる。テレビをつければネットを見れば様々な情報が溢れ、それに感化される。

便利な世の中になったけれど、気が付けば人を見るのでなく画面と向き合うことが多くなってしまっている、ざっくり言えば画面に依存している。

画面を通じてゲームの主人公になり切る、テレビに出ているコメンテーターになったつもりでいる。

気が付けば我々は画面に目を奪われ考えることを止め、依存してしまっている、そんな時代になってしまっている。

 

今作はそういったヒーローの力に任せっきり、そしてあらゆるメディアに依存することで、果たしてそれでいいのだろうか、ということを敵を通じて現代を生きる我々に訴えていたように感じます。

 

さすが現代の問題をしっかりエンタテインメントに取り入れるディズニーならではの皮肉と言いますか、問題提起だったんではないでしょうか。

 

そんな問題を出しておきながら。

とまぁ、この映画ではアクション描写といったエンタメ要素の中に、外で活躍する妻、家で頑張るお父さん、そしてヒーローの力やメディア依存といった現代に起きる様々な問題を組み込んだ見事な作りになってます。

がしかし、それをどう答えとして導くか、ということに関してはイマイチ機能を発揮していないというか、答えになってないというか。

 

これだけ現代の問題を取り入れておきながら、ただのヒーローアクションで片づけてしまってるんですね。

 

ヘレンが外で活躍する姿ってのも、一度はうまくいくもののあとに続かない。まぁこれはクライマックスで敵と対峙するのがヘレンてことでうまくいっているように見せて、それが女性が外で活躍することに直接つながっているかというと、ん?と思っちゃう。

ボブの子育てもエドナに頼ってしまっている。予測不能で出てくる能力を予測して食い止めるという別の力で解決してしまうし、ダッシュやヴァイオレットの面倒は、新たに生まれる算数問題を蔑ろにしてしまってるし、いささか強引な行動でボーイフレンドとの距離を縮めるって作戦は結果成功していない。

ただお父さんが頑張ってる姿に子供たちが理解しただけで、ボブが巧く家の事をできたという結果にはなってないように思える。

 

そしてスクリーンスレイヴァ―が提唱するメッセージに至っては、ヒーロー家族を通じて答えを導くようなシナリオになっておらず、ヒーローの能力を使って事故を未然に防いで終わりになってしまっている。

せめて私たちの行動が正しいかどうか、テレビやメディアを通じてでなくあなたたちの目で判断してほしい、そして私たちを見てあなたたちの心に何か自分たちでできることはないかという考えが芽生えれば、みたいなことを言えばそれなりの答えが出たのかなぁとは思う。

 

 

最後に

最後の不満はあくまで、せっかく突き刺さるようなメッセージや問題を入れたのだからその答えはあってもいいよね、ここまで意欲的なことをしたのにどこかもったいないよなぁという思いであって、別にこれ抜きにしたって抜群に面白い映画だってことは強く言いたいと思ってます。

 

やっぱねヒーローアクションは見ていて楽しいですよ。これをちゃんと描いてくれるれているので、そういう部分では大満足であります。お世辞抜きで。

 

今作は前作の終わりから直後のお話なので、映画館に行く前に自宅でおさらいしておくと、より楽しめるし話に入りやすいのではないかと思います。

まさか前作から14年も経ってるのに、その直後を描くってそれはそれですごいことだなと。

 

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「センセイ君主」感想ネタバレあり解説 浜辺美波の演技に頭ボンババぼん。

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8月1日

センセイ君主

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 面白そうなものは観たい!というモットーで新作映画を観続けてきたモンキーですが、とうとうキラキラ映画に手を出す形となった模様です。

 

こういう映画は、いわゆる10代前半の女子とかガールズとかその界隈が友達となけなしのお小遣いで休みの日に見に行って、〇〇君超カッコよかったぁ~!!ってキュンキュンしながら夢に夢見てるっつ~か、恋に恋してるつう~か、どうせそんなの恋に恋焦がれ恋に泣いて、おお愛しいティーンエイジメモリ~ズ!なわけで、結局イケメンが出ないと見に行かないような連中が帰りにプリクラかなんかとって、〇〇観てきた!、ってどうみても映画のこと云々の前に、おめぇたちの思い出とかあたし達観て!ってインスタやらTwitterにアピールのほうが強くて、それって映画見に行ってるのどなの?とあれこれ思ってきたわけです。

 

とりあえず先に言っておきますと、10代の女子小中高生さんたちが映画を見に行くのをそんな風に思っててごめんなさい。

 

予告観ててね、ふっつ~に面白そうだと思ったんですよ、ええ。

 

高校生活って恋愛だけじゃないし、他のことにも全力投球して欲しいなぁそういう映画もっと作って欲しいなぁそういう映画もっと観てほしいなぁとか思ってたんですけど、こと恋愛に情熱をかけてる子達もいるってことは事実で、それも青春のひとつで、そういう彼女たちを明るく応援したいっていうのを、真剣な感じでなくどこか突き抜けた明るさが映像にあふれてて、単純に恋するって楽しいじゃん!!て事を画面いっぱいに表現してて、これって素晴らしいことだなぁと。

そしてわりかしいい大人なのにもかかわらず、「キミスイ」以降浜辺美波の魅力にやられてから大体1年くらい経つんですけど、その1年の間に、あれ、またかわいくなってんじゃね?なんて感じてしまって。

 

なんか出だしからうだうだ書いてますが、頭の中で軽蔑と偏見に対する反省と後悔と今作の期待が混じった結果であります。はい。

とりあえず胸ボンババぼんな期待を寄せて早速観賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 

 桐谷美玲主演の大ヒット作「ヒロイン失格」の原作者幸田もも子の同名人気コミックを、今年もっとも旬なキャストによって実写映画化。

外見はイケメンで中身も頭脳明晰。だけど冷徹でヒネクレ者という一癖ある高校教師と、ちょっぴりおバカだけど、恋に恋する前髪パッツン、オンザマユゲなパワフル女子高生。

そんな冷たいイケメンと熱いヒロイン二人による禁断の恋をハイテンションでコミカルに描く。

 

この夏思いっきりPOPでキュートなミラクルハッピーラブコメディに心躍らそう!

 

映画ノベライズ センセイ君主 (集英社オレンジ文庫)

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あらすじ

 

 

告白7連敗中の佐丸あゆは(浜辺美波)は、恋に恋するパワフル女子高生。

ある日、クラス担任の代理でやってきた、イケメンだけど冷徹でヒネクレ者の数学教師・弘光由貴(竹内涼真)に恋をしてしまう。

 

どんなにバカにされても「絶対に先生をおとしてみせます」と大胆発言!

 

「そこまで言うならおとしてみなよ」

 

―ここからあゆはの全方向に間違った恋の猛アタックが始まる。

そんな二人の恋愛バトルにあゆはの幼馴染・虎竹(佐藤大樹)、あゆはの親友・アオちん(川栄李奈)、更に音楽教師で弘光の幼馴染・秋香(新川優愛)も参戦!?

果たしてあゆはと弘光の“恋”の行方は!? (HPより抜粋)

youtu.be

 

 

 

 

監督

今作を手がけるのは月川翔

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この手の映画を監督する人。老舗だと廣木隆一、青春を濃くすると三木孝浩、そして今撮らせるならこの方、といったところでしょうか。

去年観賞した「君の膵臓をたべたい」で彼を知ったわけですが、これまでの監督作品を観てみると、今作のようなピュアな恋愛モノや学園モノを数多く手がけてるんですね

今後もこういう作品を作り続けていくのでしょう。

 

そんな監督の作品をサクッとご紹介。

映像ディレクターとして、数々のショートドラマ、TVドラマ、MVにCMなどと平行して映画製作を手がけている監督。

悪魔級ドS男と女子の憧れの美少年の間でゆれるヒロインの故意の行方を描いた人気少女コミック原作映画「黒崎くんの言いなりになんてならない」で全国区デビューを果たすと、時間を巻き戻せる青年が、ヒロインの命を救うため奮闘する姿を描いたファンタジーラブストーリー「君と100回目の恋」とコンスタントに作品を制作。

 

そして去年、住野よる原作の同名ベストセラーを映画化し、余命僅かのヒロインとそのことを唯一知るクラスメイト男子の交流を、当時と12年後の世界を織り交ぜ描いた「君の膵臓をたべたい」が口コミで広がり興行収入35億円の大ヒットとなります。

 

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君の膵臓をたべたい Blu-ray 通常版

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今年は、勉強優先の冷血女子、予測不能の行動に回りから敬遠されてしまった不登校男子が個性豊かな面々に出会いながら不器用な恋の行方を描いた学園コメディ「となりの怪物くん」、夏には今作が公開、そして9月には昨年のマンガ大賞受賞作品を映画化した、15歳の天才少女小説家を主人公にしたヒューマンドラマ「響ーHIBIKI-」が公開予定と、今年3本の作品を制作するという忙しさ。

これからも目が離せません!

 

 

 

 

キャラクター紹介

 

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左上より。

  • 佐丸あゆは(浜辺美波)・・・ちょっぴりおバカで何事にも全力投球。弘光に恋してしまい、あらゆる作戦で猛アタック!
  • 弘光由貴(竹内涼真)・・・イケメン数学教師。冷静沈着な性格で、あゆはの猛烈アピールをウザがっていたが・・?
  • 中村葵(川栄李奈)・・・あゆはの親友で通称“アオちん”。超ド級のオタク。あゆはの弘光への恋を応援中。
  • 澤田虎竹(佐藤大樹)あゆはの幼馴染でツッコミ役。あゆはに恋心を抱いてるが告白できていない・・・。
  • 秋香(新川優愛)・・・弘光の幼馴染で美人の有名ピアニスト。臨時音楽教師として赴任してくる。
  • アオちんの彼氏(矢本悠馬)・・・ノリの良いアオちんの彼氏。アオちんと共にあゆはの恋を応援をする。
  • 詩乃(佐生雪)・・・あゆはのクラスメイト。女子力の高さを武器に、弘光へアプローチをかける。
  • 夏穂(福本莉子)・・・あゆはのクラスメイト。女子力の高さを武器に、詩乃と共に弘光へアプローチをかける。

 

 

 

 

 

 

 

キャスト陣がどれだけはじけりゃYeah!素直にGood!だからちょっと重いのはカンベンてな具合に、ハイテンションでコミカルな芝居をしてくれるのか楽しみです。

この後の感想でオレがノリノリで書けてたらいいなぁww

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

おおおぉ・・・もっと覚悟が必要だったかもしれない・・・。

浜辺美波のネジが緩んだ芝居にあなたはついていけるか。

てか今の女子高生はあそこまで恋に恋しちゃってるんですか・・・。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いきなり拒絶。

新たに赴任してきた高校教師の顔面偏差値に、エエロティックな鎖骨に、バックハグもどきに、頭ポンポンに、胸ボンババぼんとときめくヒロインの一方的な猛烈アタックをおもしろおかしく描いていくと共に、その猛烈アタックにどうにか理性を保とうともがき平静を装う高校教師が、夢に恋愛アプローチに逃げずに前を向く姿勢を描いた、生徒と教師の禁断の恋を扱いながらも、そういった匂いを全然感じさせず、むしろヒロインの真っ直ぐな思いに応援したくなる青春恋愛映画でございました。

 

率直な感想から言わせていただくとするならば、俺みたいなそこそこいい歳の大人が見なくても良かった作品ではありました。

その理由として、あまりにもハイテンション、いやこれは空回りという表現が正しいのか、常に頭のネジが外れていそうな「さまるん」こと浜辺美波の芝居があまりにも痛々しく、正面から受け止めることができなかったためです。

 

気になる男の子にフラれ、すき家で牛丼だバカ食いしながら、FacetimeだかLINEだが知らんがビデオ通話で親友の「あおちん」とバカでかい声で通話している姿を見て、中々のマナー知らずだなこの女、いくら映画とはいえその行為はどうなのよ・・・お前のフラれた気持ちは同情するが、周りの人たちは関係ないだろう、みたいなザ・曲がったことが大嫌い‼迷惑行為が大嫌いなモンキーというスイッチが入り、冒頭から拒否反応を起こしてしまい、さぁどうしたもんか、このままあと2時間俺はこの映画を受け止められないまま、しかめっ面をして見届けることになるのか、はたまた史上初の途中退席をしてしまうのか、というほど苦悩してしまっていました。

 

その後も何杯食ったか知らんが、4700円という高校生にしては中々な値段を支払えず、後ろに並んだ人たちを苛立たせる行動。

通話中のあおちんに一生のお願い!お財布持ってきて!とせがむもあおちん見事に拒否!そうだ!いくら親友だからと言って、男にフラれヤケ食いしてしかも金持ってねーってどんだけあれこれ把握してねえんだ!その前に財布の中身1杯も食える金入ってねーじゃねえか!

そんな奴のために財布持っていくことはない!

とまぁこんな具合に、作品を楽しむ以前の問題が自分の中で起きていました。

 

なるほど、このヒロイン「あゆは」、こと「さまるん」という役を浜辺美波はこんな調子で最後まで演じていくんだな。よしとりあえず冒頭のシーンで免疫はできたぞ、と思ってたら、それはあくまで序章に過ぎずギアもトップではなかったわけで。

 

それからというもの、教室でミスドでコンクール会場で楽器店などなど、ありとあらゆるところでセンセイを喜ばせるためにアピールする姿に、音量下げろタコ!周りに迷惑だろ!な具合にわめいたり、笑ったり困ったりといった喜怒哀楽を惜しげもなくカメラの前で披露し演じる浜辺美波に、耐えて耐えて我慢をこらえての時間を過ごしていました。

 

 

予告編を見た時にすごくポップに仕上がっていたので、ノリノリのBGMや♡いっぱいのCG、ユーモアに富んだセリフを巧みに利用し、画をカラフルに仕上げることで、ああ恋ってなんてすばらしいんだ!みたいな10代女子に捧げる恋愛応援映画!みたいになってるもんだと思ったんですが、着地的にはそう思える内容ではあったものの、意外と無音で物語が進んでいて、ポップだったのは浜辺美波の芝居だけっていう中身にこれじゃあ画が持たない間が持たないだろうと、あれこれ考えながら見てしまっていました。

 

 

あといちいち気になったのは、高校生たちが使う小ネタに関して。

序盤センセイがさまるんに「なぜあなたは恋愛するの?」みたいな問いかけの時にさまるんは、「愛、自由、希望、夢!」ていうんですね。

そこですかさず虎竹がツッコミで「ミスチルかよ!」というんです。

他にも、センセイがいる数学準備室にクラス全員の数学のノートをさまるんがもっていくと、その至近距離どうなのよ?ってくらいにセンセイに猛烈なアプローチを試みるクラスメイト2人がいるんですね。

そこでさまるんは彼女たちの戦闘力を計るために、サイヤ人が使うスカウターを取り出し、オラワクワクすっぞ!というんですね。

まだまだあります。

告白8連敗というさまるんを、桜木花道を例えに使ったり、カラオケBOXで大塚愛の「さくらんぼ」を引用したり、合唱コンクールでJUDY AND MARYの「Over Drive」を選曲したり。

 

何が言いたいかというと、高校生が使うネタにしては90年代から00年代のネタが多すぎるだろ不自然だろう、ということ。

今の高校生ってミスチルだったら「名もなき詩」でなく「HANABI」じゃないか?

ドラゴンボール超」が放送してるとはいえ、高校生の発想からスカウターってのもいささか無理がある、フラれ続けてばかりの代表って今もスラムダンクの桜木花道なの?

ジュディマリは知らないってのは劇中で言ってるからまだいいとして、そのチョイスはいかがなものか。

 

もしかしたら原作で扱ってるからかもしれないが、明らかに10代女子をターゲットにしているのに、その古いネタの数々は逆効果なんじゃないの?彼女たち知ってるのそれ?そのネタで彼女たち理解して笑えるの?とあれこれ疑問に残るネタのチョイスでありました。

 

とはいえ慣れてくるもので。

感想の初っ端からこんなダメ出しというか、俺ついけいけなくて困りました!みたいな口調で書いてしまっていますが、いくらバカな俺でも学習能力というか、こういう世界観なんだから腹をくくれ俺!という覚悟でしっかり見ていくと、不思議とこの恋愛気質で変態気質なヒロインさまるんの絶対叶いっこない片思いを応援したくなってくるんですね。

 

はっきりいってね、センセイ脈ありだな!ってのが結構序盤から感じるんですよ。

それこそさまるんが胸ボンババぼん確定になった時の3ねぇ~んベェぐみぃ~!!の件で、ふと笑ってしまったセンセイの表情を見てから、これは叶わない恋じゃないなと。

その前に、生徒を「さまるん」とあだ名で呼んでる時点で勝ちみてえなとことあんじゃん!みたいな。

 

そこからはさまるんのいかにも見え見えで応用力の無い一生懸命すぎる恋愛アプローチよりも、それをされることでセンセイが一体どんなリアクションを取るのか、の方に目が行ってまして。

これをまぁ大人の対応力といいますか、どうオレって冷静沈着だろ?お前のそんな見え見えで応用力の無い一生懸命すぎる恋愛アプローチに俺が屈すると思うのか?みたいな態度でかわし続けるんですね。

 

そんなことしときながら徐々にセンセイの方からさまるんとの距離を近づけてくるわけですよ。

ノートをもっていけば僕の手伝いをしてくださいとそばに置き、雨が降ってくれば傘を貸す、その傘が無くて外に止めてある車まで自分のジャケットを傘代わりにして一緒に雨の中を走る、家まで送って終わりかと思いきや家の鍵がないさまるんを見兼ねて一人暮らししている自分の家まで連れていき、宿題をみてあげ問題解いたら頭ポンポンとか、授業中にため息ついたりすぐれない表情をしているさ○ンに、あとで数学準備室に来なさいって、あぁ~これ怒られるパターンだなぁと思ったら、悩み聞きますよって恋愛相談し始めるし、合唱コンクールの課題曲が決まらなくて悩んでいるさまるんを休みの日に楽器店に連れてって一緒に選んであげるとか、こんなのどう考えても相手の気持ちを弄んでるか、完全に意識してるかのどっちかだろ!

 

いやこれもう弄んでない完全に脈ありだ、だからさまるんよ、あとはお前の押し次第だ!!押して押して押し倒せ!そこでうっちゃれ!寄り切れ!いつしかそんな風に見ておりました。

さまるんにほのかな思いを寄せている虎竹が苛立つのも無理ねえわ、申し訳ないがお前がさまるんの心に入る余地はどこにもねえ、そのドアを開ける鍵すらお前は手に入れてねえ、とりあえず応援するだけにしておけ、と既に彼を邪魔者のようにみてしまっているほど僕はさまるんを応援してしまっていました。

 

その後中盤から登場してくるセンセイの幼馴染・秋香という最大のライバルが出てきても、彼女を応援したいという気持ちは収まらず、合唱コンクール本番での涙を流しながら歌うさまるんにちょっともらい泣きしてしまったほどです。

 

 

最初こそ前髪ぱっつんでぎゃぽ~ん!!とのだめみたいな言動を今にもしそうなさ○ンを演じる浜辺美波に拒否反応を示してしまってはいましたが、あまりの一生懸命な姿にセンセイ同様僕も落ちてしまったのかもしれません。

大体自分のために一生懸命になってくれる女の子って、男からしたらものすごくうれしいことじゃないですか。しまいにゃ自分の思いを押し殺して夢を追い続けろと涙を言いながら言って背中を押してくれるんですよ。そりゃあ心動かされるわ。

 

最後に

あれこれ言ってきましたが、先生と生徒の恋愛をテーマにした作品で言えば、僕は去年公開した「先生!」の方が好みではあります。

 

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確かにこっちの方は登場人物の生徒ほとんどが先生に恋するという、想像するとちょっと気味が悪くリアリティに欠ける部分がありますが、純粋な思いを丁寧にくみ取り、光をうまく使って青春映画として表現しています。 

 

そんな「先生!」よりも今作はポップでおバカで、でも一生懸命なヒロインを明るく楽しく描いた作品でした。

結局僕はこういうノリは受け付けられなかったのかなぁ。そんなことないとは思うんだけどなぁ。

浜辺美波の演技を素直に受け止められたら、評価は変わったのかもしれません。

 

とにかく女子中高生の皆さん、恥ずかしがってないで自分の思いを好きな相手に伝えてください。難しいとは思いますがきっと届きます。ダメだったとしても悔いは残りません。相手に思いを伝えましょう。胸ボンババぼんでいきましょう。

そのためには闇雲に伝えるのではなく、しっかり数学的アプローチで臨みましょう。

ただ劇中で出てきた小林みたいに、「俺と付き合う気ある?」って上から目線で呼び出し、デートの日にタイトなジーンズに尖ったブーツで決めて、小指を立て酔いしれながら歌い上げ、自分の指をなめたその手でピザをあ~んさせ、手汗全開で手を握ってプリクラを一緒に取ろうとするような、こんな俺ってかっこいいだろみたいに考えてる奴はやめておきましょう。

いつか噴水に突き落とされます。

 

とりあえず熱烈アプローチをする、すると相手が振り向く、思いが成就するの三段論法で楽しいスクールライフを送りましょう。

 

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆★★★★★★★4/10

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