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映画「ミッションインポッシブル6/フォールアウト」感想ネタバレあり解説 カラダ張り過ぎ張杉くん。

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8月3日

ミッション・インポッシブル/フォールアウト

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デン デン デンデン デン デン デンデン~♪

デン デン デンデン デン デン デンデン~♪

おはよう、諸君。

現在夏本番の映画興行だが、その中で一番の目玉となる作品が公開される。

それは撮影中に大怪我を負って全治9ヶ月と診断されても、奇跡の回復力で数週間で完治してしまう、とんでもない治癒能力を持つ不死身の男、トム・クルーズが主演の人気スパイアクション映画シリーズ「ミッション・インポッシブル」の最新作、フォールアウトだ。

 

そこで今回の指令だが、今作の感想を誰よりも早くアップしようと躍起になっている、勢い任せのポンコツ映画ブロガー・モンキーの感想の記事のアップを阻止して欲しい。

ターゲットは必ずTOHOシネマズ新宿で行われる今作の深夜最速上映に顔を出し、上映終了後一目散に歌舞伎町の喫茶ルノアールで始発まで黙々と水出しアイスコーヒーを飲みながら書いているに違いない。

 

そこで君は、その道中風俗のキャッチに変装し、彼にひたすら声を掛け店に連れ込み時間稼ぎをするという作戦だ。

手段は厭わない。事前情報として彼はムチムチした女性よりもスレンダー女性のほうがタイプだそうだ。

まぁ最悪ボッたくってもかまわない。

あくまで最終目標は彼に感想を書かせない事だ。

衣装や小道具は、新宿サブナードから西武新宿駅へ向かう地下コインロッカー054番に用意してある。

その後歌舞伎町シネシティ広場で、エージェントの犬ドッグと解析担当の鳥バードと合流し実行せよ。

 

例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないから、そのつもりで。
なお、このメッセージは5秒後には自動的に消滅する。

成功を祈る。

テテェ~!!!♪

 

 

はい~というわけで、IMF長官からの指令を受けたあなた!!

もう書いちゃったから任務は失敗なのだぁ!!

そして消滅もしませんww

 

 

 というわけで、3年ぶりに新作が公開されるミッション・インポッシブル。

ゴーストプロトコルからどんどん加速する娯楽っぷりに、期待している人も多いのではないでしょうか!

 

怪我のニュースを聞いた時は、撮影長引いて公開延期とかにならないかホント心配だったんですが、無事公開されて嬉しい限りです。

今作ではそれだけ無茶なアクションをしたのでしょう!トムすげえよ!あんたホントに地球人なのか!?

 

てなわけで早速観賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

当時人気TVドラマであった「スパイ大作戦」をトム・クルーズ主演で映画化するやいなや、回を重ねるごとに大ヒットを連発。

今回その6作目となる「フォールアウト」が公開される。

IMFのエージェントである主人公イーサン・ハントと彼を支えるチームが、文字通り不可能な任務を遂行し、世界の危機を未然に防ぐために奮闘する姿をアクション満載で描く。

前作から監督キャストが同じというシリーズ初の試みに、トムの絶対的信頼が垣間見え。自信作になっているに違いない。

果たしてイーサンたちは無事危機を乗り越え阻止できるのか。

 

 

 

 

 

SCREEN(スクリーン)2018年09月号

SCREEN(スクリーン)2018年09月号

 

 

 

Mission: Impossible - Fallout (Music from the Motion Picture)

Mission: Impossible - Fallout (Music from the Motion Picture)

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

 

何者かが複数のプルトニウムを強奪する事件が発生。

その標的になったのは、世界各地の三都市。イーサン・ハント(トム・クルーズ)とIMFのチームは、“同時核爆発を未然に阻止せよ”とのミッションを命じられる。

猶予は72時間。

 

だが、手がかりは少なく、名前しか分からない正体不明の敵を追うミッションは困難を極める。

刻一刻とタイムリミットが迫る中、IMFの前に立ちはだかるCIAの敏腕エージェント、ウォーカー(ヘンリー・カヴィル)。

ウォーカーとの対決を余儀なくされたイーサンに迫る危機の数々。

 

果たして彼らは、絶体絶命の危機を乗り越え、核爆発を阻止することができるのか……?(Movie Walkerより抜粋)

 

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監督

今作を手がけるのは、最近、手かかなり前からトムとべったりのクリストファー・マッカリー

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元々は脚本家として素晴らしい才能を発揮していた彼。

なんてたってあの「ユージュアル・サスペクツ」の脚本ですからね。

そしてトムの主演作である「ワルキューレ」で脚本を担当。

徐々に親密になっていったのかトムのMIシリーズに告ぐシリーズ作、ジャック・リーチャーの1作目「アウトロー」で初めて監督。

他にも「オール・ユー・ニード・イズ・キル」や「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」の脚本なども手がけているほど、トムからたくさんお仕事をもらっています。

 

そして彼の監督業を決定付けたのが前作「ローグネイション」でしょう。

 

 

これまで単独で動いて事件を解決するイーサンだったわけですが、今作で確実にチームとして行動し事件を未然に防ぐというコンセプトにシフトしていき、このシリーズのエンタメアクションとしての可能性を広げ、面白さを上げたと思っています。

だってもういきなりド頭クライマックスみたいな飛行機しがみつきから始まり、ヒロインとのアクション、江頭も真っ青の潜水だのバイクでの追走劇ですからね~。

飽きさせない工夫というのもがたくさん感じられる娯楽アクションでしたね。

 

今作にスーパーマンで知られるヘンリー・カヴィルが出演しているとあって、記者から「マン・オブ・スティール」の続編やらないの?なんていわれてやってみたいね、と仰っていたようですが、リップサービスとはいえ実現して欲しいタッグではありますよね。

でも多分トムが離さないだろうな・・・。

 

 

 

キャラクター紹介

 

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左上より

  •  イーサン・ハント(トム・クルーズ)・・・IMFのレジェンド的ベテランエージェント。さすがベテランとあって頭脳明晰、危機回避能力やとっさの判断能力はもちろんのこと、宙吊り、フリークライミング、バイク、超高層ビルの壁にぺったり、飛行機しがみつき、そして美しくダッシュ。今作ではヘリコプターの操縦に挑戦。隠密行動が基本のスパイとしては、毎度毎度派手にやらかすのでオレが長官なら激オコ。

 

  • ベンジー・ダン(サイモン・ペッグ)・・・シリーズ3作目から登場のエージェント。当初はガジェット開発担当としてチームに加わっていたが、ゴースト・プロトコルから現場担当に昇格。前作ではIMF解体によりCIAの職員となっていたのを、見事イーサンに誘われチームに合流。しかもヒロインの座を勝ち取るというサプライズ。果たして今作ではどんな活躍が期待されるのだろうか。

 

  • ルーサー・スティッケル(ヴィング・レイムス)・・・シリーズ1作目からイーサンを陰で支えるメカニック担当であり長年の友人。結婚したイーサンにスパイは奥さん持っちゃいかんでしょうと苦言を呈すも、なんだかんだで奥さんとも仲良し。前作ではブラントとタッグを組んでイーサンに協力、今作でも大いに活躍してほしいところ。

 

  • イルサ・ファウスト(レベッカ・ファーガソン)・・・前作から登場した謎の美女。敵の組織の構成員でありながらイーサンを助けるその正体はMI6のエージェントだった。イーサンとイイ仲になりそうだけど、今作で奥さん出てくるんでその辺注目。ネバーイナフとかせつなくなるから歌わないでね。

 

  • アラン・ハンリー(アレックス・ボールドウィン)・・・前作ではCIA長官として散々IMFさぁ、これだけやらかしてさぁ、いるぅ?ねぇ?と文句たらたら言いながらブラント(ジェレミー・レナー)に詰め寄り、言うこと聞かないイーサンを国際手配する。なんだかんだで協力しIMF長官として迎え入れられる。今回長官としてイーサンたちを守れるか。

 

  • オーガスト・ウォーカー(ヘンリー・カヴィル)・・・今作登場のキャラ。プルトニウムを奪い返す任務を受けたイーサンは、CIAから彼を監視役として同行させる条件を付けられる。イーサンに疑惑の目を向けやがて対決する羽目となっていく。

 

  • ソロモン・レーン(ショーン・ハリス)・・・前作の敵の組織シンジケートのボスにして元MI6のエージェント。前作での暗躍をイーサンに阻止され捕獲される。今作では彼が率いたシンジケートの生き残りによる事件とあって彼が深く関わってくるようだ。

 

  • エリカ・スローン(アンジェラ・バセット)・・・IMFへ移ったアランに代わって長官の座に着いた女性。今回の事件をCIAの管轄下に置き、監視をつけるという要求をアランとイーサンに言い渡す。

 

  • ホワイト・ウィドウ(ヴァネッサ・カービー)・・・今回のプルトニウム強奪の中心的人物とされるジョン・ラークに接触する謎の女性。イーサンは彼女に近づき事件の真相を追う。

 

 

 

 

 

 

 

 

いつもならおさらいと行きたいところですが、めんどくさいんでパス!

要は前作の残党とボスが絡んでくる、イーサンたちチームは前作と同じ。あれ?やっぱり前作おさらいしといたほうがいいかな?やっぱいいや。

あ、今回ブラントがいねぇ!!もう管理職だから出る幕ないのかな、ギャラのせいかな。

もう今年はアベンジャーズでも姿を見せなかったんだから、せめてこっちくらい出てよジェレミー!仕事してんのか?

 ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

トムよ、なぜ君はそこまで体を張ってアクションをこなすんだ!!

前作が表なら今作は裏の雰囲気を終始匂わせた、ガチガチのスパイアクション映画でした!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もはや神の領域。

ボスを捕らえたことで無事壊滅したかに思えた犯罪組織シンジケートの残党による、大規模テロを阻止するエージェントたちの生死をかけたミッションに立ち向かう様を、重厚的なオーケストラの音楽にのせてシリアス且つスタイリッシュに物語を綴り、はるか上空からのダイブ、パリ市街をノンストップで逆走するバイクチェイス&カーチェイス、そしてクライマックスでのヘリコプターバトルなど本人がスタントをこなすことで生まれる緊張感マックスのドキドキアクションを融合した、シリーズ史上一番ハラハラしてしまう映画でございました!

 

 

前作「ローグネイション」では、チームIMFとして舵をとった作品だとすれば、今作は再びイーサンハントの物語として生まれ変わったように思えます。

 

それを象徴するのが、イーサンがミッションを遂行する度、敵から逃げる度、敵を追いかける度に映し出される壮大なアクションの数々。

やはりイーサンくらい命を賭けて敵の悪事を阻止しないと世界を救うことはできないだろうと誰もが思ってしまう、本気で頭おかしいだろレベルのカラダの張りっぷりなのです。

 

パーティーを催しているホワイトウィドウに接触するために、パリのはるか上空を飛ぶ飛行機から酸素ボンベつけて決死のダイブ!

HALOジャンプ(高高度降下低高度開傘)という名称のついた潜入方法の一つだそうで、約1万メートル上空から飛び降りるのに、パラシュートを開くのが地面ギリギリという、ギリギリにもほどがある方法。

こうすれば敵に見つからないってことで、昔からあるやり方だそうですが、がっちり装備して飛び降りないと、減圧により体に異常をきたしてしまうとても危険なアクション。(普通に潜入することはできなかったのか・・・)

 

そして中盤、ホワイトウィドウとの取引のために憎き相手であるソロモン・レーンを護送車から苦し捕らえ引き渡すというミッションでは、あらかじめ用意してあったバイクのエンジンがかからず、そんな小さなミスが積み重なったことでパリ市街の道路をバイクで逆走する羽目に!

かなりのスピードを出しながら向かってくる車をスルスル抜けたと思ったら、そのまま赤信号無視で突っ走る!!わおわおわお!!あぶなっ!てか怖っ!

凱旋門前のラウンドアバウトでもひたすら逆走し、追ってくるパトカーから難なく逃げる、手に汗握るバイクチェイス!(なんでバイクのメンテナンス怠ったんだ・・・)

 

後半ではとにかく走る!

発信気をつけて逃走中のある男を追いかけるため、ベンジーのナビゲーションで走りまくるイーサン。

とりあえず言われた通り進み言われた通り曲がる。だけどホントにこっちであってるの?そんな疑問を抱きながらも必死で任務を遂行するイーサンは、街の中建物の上オフィスの部屋などなどとにかく走ります。

そしてケガを負ってしまったビルとビルの間をジャンプするシーンもちゃんとあります。あぁここでトムはやってしまったんだな・・・このニュースを知っている人ならだれもが頭をよぎることでしょう。それでもひたすら標的を追いかけるイーサンの美しいダッシュフォームに酔いしれてください。(ベンジーのナビしっかりしてください・・・)

 

そしてそして!クライマックスではプルトニウム爆弾の起爆装置を持ってヘリコプターで逃げる敵を追いかけるため、もう一基のヘリコプターの積み荷に捕まりそのままお空へ行ってらっしゃいコース。

ようやくヘリコプターの足に捕まったかと思ったら、急に傾いたことでそのまま落下!あぁ!終わった・・・今度ばかりはミッションインポッシブルになってしまった・・・と悪い予感が頭をよぎった瞬間、見事に積み荷にしがみ付き九死に一生を得たイーサン!これは運か実力か、とにかくすげーっ!(すごすぎて笑える・・・)

そして気合いと根性でヘリコプターの操縦を奪い、敵を追いかけるわけですが、ここで超困難度とされるらせん落下なる、アクロバット飛行を披露してしまう超人ぶり。

実際2000時間の訓練を経て習得したそうですが、それでもあまりに危険な操縦をいとも簡単にやってのけてしまうわけであります。

 

このすべてのアクションを御年56歳のオジサンがすべて一人でやってしまうわけです。

映画では不可能な任務を遂行し無事阻止するというお話ですが、それと同じように普通の役者ならやらない、スタントマンに任せるのが普通の危険なアクション=ミッションインポッシブルなシーンを今回も全てトム自身が演じ、さらにこれまで以上に危険なアクションをやってしまうわけですから、これを観るだけでも楽しいのであります。

 

いや正直ね、パリの街とかヘリチェイスするカシミール地方の美しい山々とかバックに映ってるわけですよ。

そこでやるアクションてのがまたいいですよね。

 

 

今回ばかりはヤバかったんじゃない?

そもそもイーサンハントってのは、優秀なベテランエージェントではありますが、決してスマートに任務をこなすんじゃないんですよね。

敵に騙されてピンチになっても、うっかり自分のミスで窮地に陥っても、そこから臨機応変に対処して危機から逃れ無事任務を成功させるからすごいわけです。

で、今回はかなり追い込まれたんじゃないかと。

 

  • 冒頭からプルトニウムを確保できたはずなのに、任務よりも仲間の命を優先したことで作戦は失敗。立場も危うくなってしまう。
  • ホワイトウィドウに接触するジョン・ラークらしき男に変装しようとするも、そいつが強くて結果殺してしまい顔をスキャンできずマスクが作れない、急きょイーサンそのものがジョン・ラークになりすまし接触。
  • プルトニウムを手に入れるにはソロモン・レーンの身柄と交換することが条件。しかし作戦途中での目撃者は全て殺せというウィドウの兄のやり方に納得できず、結果独自で行動。警察からも兄の手下からも追われる。
  • レーン移送中でたまたま警備中の女性警官とばったり遭遇してしまい、そこに兄の手下が現れる。罪のない人たちを巻き込みたくないイーサンは大ピンチに。
  • チームの中の誰かに裏切り者がいるという密告が長官の耳に入り、それがイーサンだと疑われる。
  • 敵をもう少しで捕らえることができたが、ここでイーサンの妻であるジュリアがどうなってもいいのか、と脅され立ち止まってしまう。

 

とまぁこんな風に次から次へとピンチが訪れるんですね。

これをイーサンはとっさの判断で計画を変更。明らかに無理な計画だ!と慌てるベンジーに対し、ヤバくなったら考える!の一点張り。

おいおいそれ大丈夫かよ・・・と思うんですが、こういうの前にもよくあったなと過去作を思い出した瞬間でもありました。

そう、イーサンはこれまで作戦実行の際に予期せぬ事態が起きると、必ずと言っていいほど俺が何とかする、大丈夫危なくなったら考える!そして俺はできる!やってやる!と気持ちを吐き出し、どんな危険な場所でもエージェントとしてのプライドと俺がやらなきゃ誰がやる!俺が世界を救って見せる!と根性むき出しで挑むんですね。

その結果が今回の決死のアクションだったんじゃないかと思うんです。

 

そしてこれまでの過去作ってそれなりに役に立つ武器だったりアイテムだったりハイテク機器が存在していたと思うんです。

例えばシリーズ1作目で、噛んだガムをガラスに投げて爆弾に変わるやつとか、4作目ゴーストプロトコルでの高層ビルのガラスの壁にピタッと張り付く磁気がついたグローブとか、コンタクトレンズで見たものをコピーできるやつとか、前作でも使われた瞬時に顔を認証してそっくりのマスクを作るやつとか、ベンジーが使ってた雑誌型のノートPCとか、あとは水中潜るときに体内の酸素濃度計るスーツとか。

007でもこういうカッコよくて魅力あるガジェットのおかげで、これぞスパイ映画だと感じられたと思うんです。

 

しかし今作ではそういったガジェットだったりハイテク機器が出てくるんだけど、使う直前で壊されたり機能していない。

唯一まともだったのは、発信機とそれを使ってポリゴンで映し出された地図くらい。

それ以外はひたすら頭と体で任務を遂行してるんですよね。

特に冒頭のプルトニウム爆弾を作った科学者を尋問する件とか、 裏切者をあぶりだすトラップとか。こういう仕掛けが今回目立ったのはすごくよかった。

 

そういう意味で言うと、これまでのミッションインポッシブルシリーズを壊して再び作り上げていく、という監督の意図が現れていたんじゃないでしょうか。

 

終始一貫してシリアス。

僕はこのミッションインポッシブルシリーズって、超娯楽映画だと思ってみてきました。

特にゴーストプロトコル以降、チームとの軽妙な掛け合いだったりちょっとマヌケな部分も見せたりと、しっかりユーモア描写をしっかり入れながらハラハラドキドキさせたり、アクションはアクションでしっかり見せたりしててすごくいい空気感を漂わせながら楽しめた映画だったのかなと。

 

しかし今作はベンジーの相変わらずのビビリ癖とか、そんな彼によって敵を追いかけてたらオフィスに入っちゃったイーサンくらいしかユーモア描写がなく。それ以外はひたすら緊張感あふれる描写ばかりなんですよね。

なんだろ、例えていうと、バットマン&ロビンMr,フリーズの逆襲からのバットマンビギンズ007ダイ・アナザーデイからの007カジノロワイヤル、みたいな。

なんとなくわかりますよねw

要はこれまでがっつりエンタメ路線だったのに、急に主人公の陰の部分をずっと匂わせる作風で、ひたすら哀愁が漂うというか、総じてスタイリッシュにしちゃってるというか。

 

せっかくイーサン単独がメインだった3までのシリーズから4でガラリとチームで戦うことで映画の良さが引き立ったのに、それを再び元に戻したあげく、なんかカッコイイイーサンばかりが目立った映画になってしまっていて。

 

上でも書きましたけど、これまでのミッションインポッシブルを壊そうとしているって思ったのは、まさにこの描き方なんですよね。

そもそもあなたローグネイションで4のあの雰囲気をちゃんと引き継いでくれたのに、それぶち壊すんだね。なんで?と思ってしまったわけです。はい。

 

 

実際物語は、シンジケートはまだ残っていて、それとようやく決着をつけるという筋書きになっているんですが、本当はイーサンはレーンを生かしておくべきではなかった、捕らえるのではなく殺しておくべきだった、みたいな後悔の念がずっとついて回ってるように描いてるんですね。

それによってイーサンは再び彼と出会う羽目になり、あの時の怒りがこみ上げるわけで。

しかもレーンによってイーサンが愛すべき女性2人が危険にさらさせる状態になってしまうことで、さらに必死になるような展開になっていくんです。

それがシリアスさを助長させてるので、そういう意味では見応えがあるんですが、モンキー的に言わせてもらえれば、この映画に個人の怨念というか私情ってのは二の次にしてもらって、任務メインで描いて欲しいなぁってのはあります。

それ以上にやっぱりユーモアはもちろんなんだけど、緩急つけた楽しさをもっと入れてほしかったなぁと。

 

ただでさえ今回のお話、ややこしいです。

クライマックスでプルトニウムの爆弾を作動させないために中を解体するんですが、一人でやるのは不可能で、しかもカウントダウンさせないと止められない、そのうえそのカウントダウンを起爆装置の停止ボタンを押さないと止まらない、という二重にも三重にも複雑な構造になっていて、しかもその爆弾が2つもあるというとんでもなく厄介なものになってるんですね。

これを3手に分かれて阻止する流れになってるんですが、物語の脚本がこの爆弾作動阻止と同じくらい複雑なんですよ。

どうしてこんなにややこしいんだよこの物語・・・と。しかもこれが2時間半もあるという。そしてユーモアあまりない、シリアス。ずっと重厚な音楽。

 

単純に言うと観るの結構しんどい。

 

監督は元々脚本家ですからこういう複雑なの好きなんでしょうね。だから会話ばかりなのはうなづける。

 

 

最後に

今回は最低でもローグネイションを見ていないと、色々わからないことだらけです。もっと言えば3を見てないとジュリアの存在すらもよくわからないでしょう。

まぁ最悪それをすっ飛ばしたとしてもアクションは見ごたえバッチリなのでご心配なく

 

ただ物語の構造が複雑だし上映時間長いしずっとシリアスで緊張感が続く状態。過去2作とは比べ物にならないくらいテンポも良くないので、そこを楽しめるかが評価の分かれ目かもしれません。

 

細かいところを言うと長官になったアランが今回カッコイイです。そしてベンジーもエージェントとして軽くアクションもしているので、そこも見どころ。

ヘンリー・カヴィルが演じたウォーカーが、トイレでジャケット脱いでシャツの背中からうっすら汗にじませて、腹に何発もボディブロー入れるアクションも僕は好きだなw明らかにミッションインポッシブルのアクションスタイルじゃないし。

そういうキャラが一人いると面白いよね。

 

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10


映画「スターリンの葬送狂騒曲」感想ネタバレあり解説 恐怖と笑いが入り混じるブラックコメディ。

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8月3日

スターリンの葬送狂騒曲

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毎月末に来月の期待作の記事を書いてるんですが、今回観賞する映画はその中に入れてなかった作品です。

まずなぜこれを期待作に入れなかったのかというと、単純に予告を観てなかったってのもあるんですが、僕歴史上の悪い人って括りは変ですが、ヒトラーが好きでなくて、でスターリンも同じ括りで入れてて。

だから彼らを題材にした映画って興味が無かったんですね

いわゆる食わず嫌いってやつなんですけど、Twitterのフォロワーさんからのススメもあり予告編観賞。

そしたらこれが実はブラックジョーク満載のコメディだっていうんで、あれ面白そうじゃん!

で何、しかも結構実際にあった話なのかい?あまりの内容にロシアで上映中止!?あれ久々にブシェミがいる!て、これソ連なのに英語じゃん!

どうしてオレはこんな面白そうな作品を期待作に入れてなかったんだ!?

 

もう気持ちはビズリーチのCMの部長と同じです。

よしこうなったらスケジュール調整して見に行くしかない!

というわけで早速観賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

長期にわたってソビエト連邦を指揮してきた独裁者スターリン。

後継者を指名せず亡くなった事でできた最高権力者のイスをめぐって、嘘、裏切り、罠といった、姑息で卑劣で残忍な駆け引きを側近達が繰り広げるブラックコメディ。

国を引っ張っていかなければならない者たちによる何でもアリな行動は、ゲスそのものなんだけど、驚くことにほとんど事実というからたまったもんじゃない。

そんな事実をまとめた原作コミックがベストセラーとなり今回の映画化に至った。

 

翻刻ロシアでは上映中止となるが、ヨーロッパやアメリカでスマッシュヒットを連発。批評サイトロッテントマトでも97%を獲得する高評価!

このドス黒い実話をあなたは果たして笑えるか、それとも。

 

スターリンの葬送狂騒曲 (ShoPro Books)

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あらすじ

 

 

“敵”の名簿を愉しげにチェックするスターリン。

名前の載った者は、問答無用で“粛清”される恐怖のリストだ。

時は1953年、モスクワ。スターリンと彼の秘密警察がこの国を20年にわたって支配していた。

 

下品なジョークを飛ばし合いながら、スターリンは側近たちと夕食のテーブルを囲む。

道化役の中央委員会第一書記のフルシチョフ(スティーヴ・ブシェミ)の小話に大笑いする秘密警察警備隊長のベリヤ(サイモン・ラッセル・ビール)。

スターリンの腹心のマレンコフ(ジェフリー・タンバー)は空気が読めないタイプで、すぐに場をシラケさせてしまう。

 

明け方近くまで続いた宴をお開きにし、自室でクラシックをかけるスターリン。

無理を言って録音させたレコードに、ピアニストのマリヤ(オルガ・キュリレンコ)からの「その死を祈り、神の赦しを願う、暴君よ」と書かれた手紙が入っていた。

それを読んでも余裕で笑っていたスターリンは次の瞬間、顔をゆがめて倒れ込む。

 

お茶を運んできたメイドが、意識不明のスターリンを発見し、すぐに側近たちが呼ばれる。

驚きながらも「代理は私が務める」と、すかさず宣言するマレンコフ。

側近たちで医者を呼ぼうと協議するが、有能な者はすべてスターリンの毒殺を企てた罪で獄中か、死刑に処されていた。

仕方なく集めたヤブ医者たちが、駆け付けたスターリンの娘スヴェトラーナ(アンドレア・ライズブロー)に、スターリンは脳出血で回復は難しいと診断を下す。

 

その後、スターリンはほんの数分間だけ意識を取り戻すが、後継者を指名することなく、間もなく息を引き取る。

この混乱に乗じて、側近たちは最高権力の座を狙い、互いを出し抜く卑劣な駆け引きを始める。

表向きは厳粛な国葬の準備を進めながら、マレンコフ、フルシチョフ、ベリヤに加え、各大臣、ソビエト軍の最高司令官ジューコフまでもが参戦。

進行する陰謀と罠――果たして、絶対権力のイスに座るのは誰?!(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

 

 

監督

今作を手がけたのはアーマンド・イアヌッチ

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すいません、名前もはじめて知りました・・・。

やっぱり今作のような政治を扱う作品を多く手がけてるのだと思いますが、今回の映画が原因でプーチンに消されるとかないよな・・・。

 

というわけで監督作品を調べてみました。

スコットランド出身ということもあり、基本は国内映画が中心のようで、ロンドンの地下鉄を舞台に異なる9つのオムニバス映画をまとめた「チューブ・テイルズ」で監督をしています。

 他に、アメリカとイギリス両国が中東への軍事介入を始めるまでの経緯を官僚達中心に描いた風刺コメディ「In The Loop(原題)」でアカデミー賞脚色賞にノミネートしています。

チューブ・テイルズ [DVD]

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それ以外ではTVドラマがほとんど。

英国の高級官僚の実態をリアルにそしてシニカルに描いたポリティカルコメディドラマ「官僚天国~今日もツジツマ合わせます~」や、アメリカ女性副大統領の悪戦苦闘を描いた「Veep/ヴィープ」では企画と製作総指揮で携わっています。

 

次回作は「LION/25年目のただいま」のデーヴ・パテール主演、ベン・ウィショーティルダ・スウィントンらをキャスティングし、チャールズ・ディケンズの長編小説「デビット・コパフィールド」を映画化するようです。

 

 

 

 

 

キャスト

中央委員会第一書記フルシチョフを演じるのはスティーヴ・ブシェミ。

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いやぁ・・・いくら役作りだからとはいえ、ブシェミさんこんなに老けましたかぁ

最近はお目にかかることがあまりなくなってきましたが、80年代から90年代にかけてあらゆる作品で存在感を出してきたお方。

 

それこそタランティーノ(「レザボア・ドッグス」、「パルプ・フィクション」etc)やコーエン兄弟(「ファーゴ」、「バートン・フィンク」、「ビッグ・リボウスキ」etc)の作品はよく出演してましたよね。

あ、それこそ先日BSでやってた「コン・エアー」にも出てたな。

あと忘れちゃいけない「アルマゲドン」ね。掘削員の一人だったな確か。

 

久々に彼を観るのが楽しみですね。

 

 

登場人物多いんで他のキャストはざっくりこんな感じ。

NKVD警備隊最高責任者ペリヤ役に、シェイクスピア俳優として知られる舞台俳優サイモン・ラッセル・ビール。

スターリンの補佐役マレンコフ役に、「メリーに首ったけ」、「ハングオーバー」シリーズのジェフリー・タンバー。

外務大臣モロトフ役に、モンティパイソンの創設メンバー、マイケル・ペイリン

貿易大臣ミコヤン役に、「ハリーポッターとアズガバンの囚人」、「アリス・イン・ワンダーランド」のポール・ホワイトハウス

ソビエト軍最高司令官ジューコフ役に、「ハリーポッター」シリーズでルシウス・マルフォイを演じた、ジェイソン・アイザックス

スターリンの娘スヴェトラーナ役に、「ノクターナル・アニマルズ」、「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」の主演が記憶に新しい、アンドレア・ライズブロー。

スターリンの息子ワシーリー役に、「プライドと偏見」のルパート・フレンド

ピアニストのマリヤ役に、「007/慰めの報酬」、「オブリビオン」のオルガ・キュリレンコ。

連邦共産党書記長スターリン役に、舞台やTVで活躍するアドリアン・マクローリン

労働大臣カガノーヴィチ役に、TVドラマ「刑事ジョン・ルーサー」、「鑑定士と顔のない依頼人」のダーモット・クロウリー

国防大臣プルガーニン役に、「ノッティングヒルの恋人」、「ハッピーボイスキラー」に出演していたポール・チャヒディなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

悲劇とコメディは紙一重なんて聞きますが、喜劇と恐怖も紙一重、って思ってしまいそうなブラックコメディになってる気がします。

なんというかソ連だけでなく、他の国とかもしかしたら会社でもこんなことありそうですよね。

果たして。

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

その空いた席は俺が座る!

絶対的権力欲しさにあの手この手で出し抜く小者たちのしょーもない争い!

大爆笑!・・・とまではいかないが、要所要所で小美味よく笑わせてくれるブラコメでした。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フフッと笑えるユーモア描写

長きに渡り自分に反するものは処刑!と大粛清を行い恐怖政治で支配してきたスターリン。

彼が亡くなったことで空席を狙うべく、側近たちがあの手この手で画策していく姿を、一歩間違えれば即死という恐怖を下地に敷きながら、欲のために手段を択ばない人間の醜さを滑稽に描いたブラックコメディでございました。

 

ロシアやソ連の歴史、何もわからない状態で見るのはさすがにきついぞ、ということでサラッと歴史に関する情報を頭にインプットしてしていったおかげで、大まかにではありますが全容をつかみながら鑑賞することができました。

 

これはネタバレにはならないだろうと思うので書きますが、スターリンの死後誰が代わりに司令官になったのかというとフルシチョフてことで、彼の視点で見ると物語が分かりやすいのかと思います。

その彼に対抗するのがぺリヤってことで、ざっくり言うとスターリンのポストを狙うのはこの二人の争いだと。

で、残りの官僚たちはどっちにつくか、みたいな構図で物語は進みます。

歴史に疎い人でもこれだけ抑えていれば、あとは彼らのおかしな行動に集中できるのではないでしょうか。

 

 

スターリンを取り巻く連中による後継者争いって、本当なら事前にスターリンが決めておかなければいけなかったんだけど、それをしていなかったために誰がその席に座るかってことで醜い争いが勃発するんですが、要はどれだけ周りを固めて自分の立場を有利な方向へ持っていくかというのを、相手の弱みだったり恩を売ったりして力を強めていくわけです。

まぁ今の日本でも色々あるんでしょうし、戦国時代なんかでもよくある光景で。もっと言えばどこの国でもあるだろうと。

そういう駆け引きとかが面白かった「帝一の國」を思い出すかのようなコメディだったなと。

まぁそれとは比べ物にならないほどブラックだったわけですが。

 

ただ何がブラックてのはぶっちゃけよくわかってなくてw

死んだ人を弔わなきゃいけない、統率できるリーダーがいなくなったことで国民を不安にさせないようにしなければならないのが取り巻きたちの最優先事項なのに、こいつらそんなの無視してテメェの保身と地位への欲求、邪魔者の足を引っ張る行為がまさにブラックなんだとは思うんですけどね。

 

もちろん彼らのそういう一挙手一投足がこの映画の面白いところで、今まで散々スターリンの前でご機嫌伺いや完全イエスマンだったのが、いざ危篤になったら永遠に寝てろ!とかうわ!ションベンくせえ!とかコロッと態度を変える姿で笑えるし、重体なのにもかかわらず、みんなで医者を呼ぶかそのままにしておくか決めようとのんきなこと言ってる姿がこれまた痛快。

しかも優秀な医者は以前スターリンに歯向かった者たちばかりでほとんどが収容所送りにされ、残ってるのがヤブ医者しかいないw

苦肉の策でヤブ医者をかき集め、何とかしろ!と脅しつつも、これはもう死んだなと誰もが思ったその時にヤブ医者たちが力を結集して意識を取り戻した時のペリヤのしまったぁ~~クソ~~!!って態度がまた面白いし、そこからフルシチョフVSペリヤの派閥争いに発展し、スターリンの娘や息子に媚売ったり、スターリンの補佐役であるマレンコフがあまりに空気読めない奴でそれに四苦八苦する姿に、あとからじわじわ来るユーモアで楽しめる作品ではありました。

 

 

笑えるのにどこかシリアス。

 

冒頭からスターリンがどれだけの影響力を持っているのかというのが分かる入り方。

ラジオの生放送でオーケストラの演奏を聞いていたスターリンは、その演奏を痛く気に入り、録音してたやつ今から持ってきて~と直接電話で伝えるんですね。

はいかしこまりました同志!

ラジオディレクターは国を仕切る男に逆らうわけにはいきませんから、そこはもう仰せのままに、と一言返し電話を切るんですが、これ演奏終了後のやりとり。

相方に居間の録音したよね?お願いだからうん!て言って!!

いやいやこれ生放送よ?録音なんかしてるわけないじゃ~ん。

 

オー!ジーザス!!おれ死んだ~っ!!粛清リストにいれられたぁ~~~!!!

やばいやばいどうしよう、こうしよう!すいません皆さんもう一度着席して!もう一回演奏してください!じゃないと私殺されてしまうんですぅ~~!!

途中なんで私が暴君のためにもう一度弾かなきゃいけないの!いやよ!と拒絶するピアニスト、ディレクターの慌てぶりに自分も命の危険を感じたのか気を悪くし意識を失った指揮者と大混乱。

ピアニストには金を積み、指揮者の代わりを急いで探し何とか再演奏し、その場を収めたものの、あまりの遅延に警備隊は遅れたことも報告しとくよん♬さぁ~てどうなることやらぁ~、みたいに言い残し、不安を煽ったまま立ち去る。

 

この演奏会の模様と同時に、スターリンが持つ粛清リストから新たに処刑される人たちをリストアップし実行に移すペリヤの仕事ぶりを同時進行で描くことで、どれだけスターリンという男が恐れられているかというのを見せるんですね。

 

恐怖という点においてはペリヤが仕切っている警備隊がスターリンの別荘を去る際に、スターリンが死んだことを漏らさないためにそこにいた者たちを全員殺すもしくは収容所へ送るというのも非常に怖ったですね。これじゃあペリヤがトップになっても何も変わらねえぞと思わせるシーンだったなと。

 

だからこの恐怖と不安で渦巻く空気を、取り巻き連中がどう笑いでかき消してくれるのだろうと序盤から期待して見ていたんですが、中々晴れようとはしない流れになっていて。

1個1個の笑い処は確かに面白いです。

だけどそれがあったからと言って物語が明るい方向へ向かうわけではなく、淡々とペリヤの裏工作だったり、その行動によってなかなか自分の思い通りにいかないフルシチョフの苦しい展開が描かれ、その状況から彼がどうやって打破するかという、至って真面目な内容になっていました。

 

 

ペリヤという男がホントに早い段階で動いていて、危篤状態のスターリンの部屋にいち早く入り、粛清リストからモロトフの奥さんの名前を抜いて、あとでそれを貸しにして彼から票をもらおうとするところとか、警備隊を仕切っているからソビエト軍を追い出して自分に何かあったらすぐ対処できるようにスタンバイしておくところとか、委員会でも重要なポストを兼任できるようにマレンコフを使って有利な状態に持っていくところとか、ピアニストが書いた手紙がスターリンへの冒涜で、そのピアニストがフルシチョフの姪のピアノの先生ってことで弱みを握ったりとか、こいつなかなかやるなぁと。

 

そんなペリヤとは対照的にフルシチョフは自分と同じ考えを持つ仲間がいるにもかかわらず、中々有利な場に持っていけない。葬式を仕切るという面倒なポストを与えられたリ、鉄道を管理しているのはずなのに、ペリヤの強権によって勝手に仕切られてたりとか、粛清によって捕まった人たちを解放しようという案を考えていたのに、国民からの支持を得ようとその案をペリヤに奪われたりと、どれだけこいつはついてねんだ、計算弱いんだ、ヘタレなんだと。

 

で、これだけ不利な状況をどう逆転してペリヤに一泡吹かせるかってのが後半の肝なんですが、ワクワクするような逆転劇でなく、そんな簡単に逆転しちゃうの?てか結構強引でないかい?と思ってしまい拍子抜けしてしまいました。

もしかしたら史実通りなのかもしれないけど、そこはもうちょっと脚色してエンタメに持っていくこともできたのに、とは思うんですが、監督の意図はそうでなかったんでしょう。その結末に僕が頷けなかったというだけの事です。

 

 

最後に

当時の権力争いの顛末を、クソまじめに描きながらもバカバカしいやり取りで軽妙にみせる反面、それでもこいつらのやってることめちゃめちゃ怖いんですけど!という二つの視点で物語った政治コメディでありました。

半ば独裁的で強硬的な政治のやり方が今世界中で物議をかもしているし、ぶっちゃけ日本だって遅かれ早かれそうなってしまうんじゃないか、と思ってしまう節があるわけですが、今作を見ると、これは昔の話じゃねえぞともとれる不気味さを孕んでいたように思えます。

笑っていられるのも今のうち、ってことですかね。

とまぁ難しいこと言ってしまいましたが、映画的には概ね満足した個所はあったものの、物足りなさの残る作品だったかなというのが僕の感想です。

 

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

映画「オーシャンズ8」感想ネタバレあり解説 艶姿8人衆の華麗なる盗みに酔いしれよう。

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8月10日

オーシャンズ8

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かつてジョージ・クルーニーブラッド・ピットマット・デイモンジュリア・ロバーツなどなど超豪華なメンツが一同に揃い、ラスベガスという華やかな場所で豪快なダマシを魅せお宝を盗む「オーシャンズ」シリーズというのがありました。

 

このシリーズ、ナンバリングがちょっと変わってて普通1から順に数えるんですが、11から始まるんですよね。

なぜかというと元の作品(そもそもリメイクだって知ってた?)である「オーシャンと十一人の仲間」からとっているからオーシャンズ11が最初、次回作が12、そして13てカウントしていくんですね。

決してオーシャンズシリーズ11作目!とかではないわけです。

 

で、今回新たに女性版として再出発ということで「オーシャンズ8」が公開されるんですが。

なぜに「8」?って思うんですよ

もちろんポスターみたら登場人物8人だからだろ!!って思うんですけど、だったら登場人物増やして「オーシャンズ14」でもいいわけですよ、元々続きなんですし、オーシャンズ13の続きだってわかりやすいわけじゃないですか。

でもあえて8にしたのにはワケがあるんじゃないだろうかと。

 

これ、8から始めて、9、10と3部作にするんじゃないか?そしてオーシャンズ11の面々と絡んで14を製作する。すげ~先の話ですけど、仮にそう目論んでいたら14はすごいことになりそう。

と、予想してみました。

まぁこうなるかは、今作がヒットしないことには実現できないわけで、皆さん見に行きましょうww

 

というわけで早速観賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

凄腕の泥棒で詐欺師のダニー・オーシャンが率いる「オーシャンズ」。

カジノの金を盗み、美術品を盗み、最後には報復までしてしまう最高のダマシ屋たちを束ねるダニーに、なんと妹が存在した。

そんな妹デビーを中心に、世界最大のファッションの祭典「メットガラ」に潜入し宝石を頂く。しかし総額1億5000万円の宝石にはそれ相応のセキュリティが。しかもネットで生配信されるなかでの強奪計画。

一体彼女たちはどんな作戦でお宝を盗むのか。

 

今作は女性メンバーだけで構成された豪華キャストに加え、エレガントでゴージャスなファッションも注目してしまう、盗みも美貌もファッションも全て美しいショーとなっています。

 

この夏新たなオーシャンズが、あなたのハートも盗む!

 

 

 

 

「オーシャンズ8」オリジナル・サウンドトラック

「オーシャンズ8」オリジナル・サウンドトラック

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

5年の刑期を終え、晴れて仮出所を果たしたデビー・オーシャン(サンドラ・ブロック)。

かつて“オーシャンズ”を率いたダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)を兄に持つ、生粋の強盗ファミリーの一員だ。

 

出所して早々、刑務所の中で考え抜いたプランを実行に移すべく、デビーの右腕となるルー(ケイト・ブランシェット)と共に個性豊かな犯罪のプロたちに声を掛け“オーシャンズ”を新結成するデビー。

集まったのはいずれも一流の才能を持ちながら冴えない毎日を送っている、ハッカー、スリ師、盗品ディーラー、ファッションデザイナー、宝飾デザイナーたち。

 

彼女たちのターゲットは、世界最大のファッションの祭典“メットガラ”で、ハリウッド女優(アン・ハサウェイ)が身に付ける1億5000万ドルの宝石!

しかしそこには、網の目のように張り巡らされた防犯カメラ、屈強な男たちという世界一厳しいセキュリティが立ちはだかる。

 

たった一秒の狂いが命取り。しかも世界中に生配信されるこの祭典のさなかに宝石を盗み取るという、前代未聞で型破りな計画は果たして成功するのか――?

そしてこの計画に隠された更なるデビーの計画とは――!?(HPより抜粋)

 

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監督

今作を手がけるのはゲイリー・ロス監督。

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これまで「オーシャンズ」シリーズを手がけてきたスティーブン・ソダーバーグ監督は今回製作総指揮に回っており、彼がメガホンを取るという事に。

そもそもソダーバーグはもう作らないとか言ってたような気がしたんですけどね。

 

監督作品としては「ハンガーゲーム」しか観てないんですけど、今回はそれ以来の大作映画を撮ってるんじゃないですかね。

 

そんな監督の過去作をサクッとご紹介。

トム・ハンクス主演の「ビッグ」や、大統領の影武者が主人公のロマコメ「デーヴ」で脚本を手がけたのち、TVの中に入り込んでしまった兄妹の騒動をユーモラスに描いた「カラー・オブ・ハート」で監督デビュー。

その後デビュー作に出演したトビー・マグワイアを再び主演に迎え、世界恐慌を起こった時代を舞台に、1頭の馬に賭けた3人の男たちのドラマ「シー・ビスケット」がアカデミー賞作品賞含む7部門にノミネートされる快挙を成し遂げます。

 

 

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 他に、独裁国家を舞台に、最後の一人まで殺し合いをするサバイバルゲームに参加せざるをえなくなったヒロインの過酷な運命を描いた「ハンガー・ゲーム」、南北戦争時、貧しい白人や黒人奴隷を率いて自由州を作り戦った実在した白人の伝記ドラマ「ニュートン・ナイト~自由の旗をかかげた男」などを手がけています。

 

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キャラクター紹介

 

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左上より。

 

  • デビー・オーシャン(サンドラ・ブロック)

 

 

「司令塔」

兄に伝説の強盗=ダニーを持つ“オーシャンズ8”の司令塔。

刑に服していたため、最愛の兄の死に立ち会えなかったことを悔いている。

奇想天外且つ大胆なアイディアで、今回の強奪計画を刑務所で考え抜いた張本人。

どんな窮地に陥っても常に冷静さを失わない、頭脳明晰なカリスマ司令塔。

 

 

 

  •  ルー・ミラー(ケイト・ブランシェット)

 

「右腕」

デビーの右腕的存在の、良き相棒。

現在は偽酒の販売で細々と日銭を稼いでいる。

独自の犯罪美学を持ち、デビーさえも一目置く存在。クールで誰よりも頭の回転が早く、常に他人の裏をかく天才。

 人を惹きつける“人たらし”の魅力を持ち、希有な才能を持つ”オーシャンズ8”のメンバーを言葉巧みにスカウトしていく。

 

  • ダフネ・クルーガー(アン・ハサウェイ)

 

「ターゲット」

ハリウッドで今最も高い人気と強い影響力を誇る女優。

美貌と高いファッションセンスを買われ、今回の“メットガラ”のホストを務めるまでに。

デビーたちのターゲットである宝石を身に付けて舞台に登場する。

オーバーな話し方や身のこなしで、常に世間の注目を集め続ける天性の女優。

 

  • ナインボール(リアーナ

 

「天才ハッカー」

天才的才能を持つハッカー。

大企業のPCから、他人の家の電気経路まで、ありとあらゆるものに僅か数秒でハッキングすることができる。

しかし人とコミュニケーションをとるのが極端に苦手で、孤独を好む典型的な一匹オオカミタイプ。

趣味のビリヤードをこよなく愛している。 

 

  • アミータ(ミンディ・カリング

 

「ジュエリー職人」

1mの狂いも見逃さない天才宝飾デザイナー。

手先の器用さは天性のもので、その才能を買われ“オーシャンズ8”にスカウトされる。

プライベートでは「早く結婚しろ」と口うるさい母親が一番の天敵で、絶賛婚活中である。

 

  • タミー(サラ・ポールソン

 

「盗品ディーラー」

盗品売買のエキスパート。現在は平凡な主婦で、一児の母としてまっとうに暮らしている。

どんな職場でもすんなりなじむことができるコミュニケーション能力の高さには、ナインボールとは対照的。

あらゆるアクシデントに神対応する器用さを持ち合わせるため、イベントプランナーとしての才能も豊か。 

 

  • コンスタンス(オークワフィナ

 

「スゴ腕スリ」

一級品の腕を持つスリ師。

都会の雑踏が職場で、観光客を相手に手品を披露しながら、次々にスリを働く。

相手はスラれたことに全く気づかないその鮮やかな盗みっぷりは、もはや神業!

抜け目のない性格で、普段から隙あらばスリを働こうとするのがやや厄介なところでもある。

 

  • ローズ(ヘレナ・ボナム=カーター

 

「ファッションデザイナー」

かつて一時代を築き上げた有名ファッションデザイナー。

だが自身の名で発表したファッションショーがメディアからひどい酷評を受け、現在のキャリアはがけっぷち状態。

もともと気弱で神経質な性格だが、いざとなると周囲も驚くほど大胆な行動に出ることがあるため侮れない存在。

 

 

 

 

 

 

 

うん、アンハサウェイがターゲットなら、オーシャンズは8ではなく7なんじゃないの?これもしかして既にだまされてるのか?

ソダーバーグ監督は、溜めに溜めて一気にオチをパパパーっと見せる手法で、我々を唸らせましたが、今回はどうなんでしょう。どうやって我々をダマしてくれるんでしょうか。

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

ダニーたちと違って全てが鮮やか!

艶姿8人衆の豪華で華麗な盗みに酔いしれろ!!

隠れキャラもいたぞ!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5年と8か月と2日。

凄腕の泥棒ダニーを兄に持つ妹デビーを中心に多様性に富んだ各メンバーそれぞれが長所を活かし、1億5000万ドルの宝石を用意周到に練った計画を基に鮮やかに盗んでいく姿を、これまでのシリーズ同様オールディーな音楽やテンポのいい編集、デビーの回想シーンを挟みながらいい意味で淡々と描いていき、豪華絢爛なドレスや宝石を身に纏ったセレブたちが集うファッションショーを舞台にすることで、決して日常では味わうことのできない極上の体験を映画で表現した、これぞオーシャンズと断言できる映画でございました!!

 

 

まず全体を通しての感想を申し上げるならば、女性だからこそ憧れる衣装やアクセサリーをこれ見よがしに魅せ、それを盗むという非日常体験を大きなスクリーンで見せてくれたことがまず素晴らしい!

冒頭から鮮やかに化粧品を盗み、いとも簡単に豪華なホテルで一泊してしまうダニーの巧みなテクニックに脱帽だし、どうやってダフネに近づくか、ターゲットの宝石をどうやって外へ出すか、そしてそれをどうやってアンバサダーであるダフネに装着させるか、といった序盤でのテンポのいい計画にさすがダニーの妹とその仲間たち!と拍手

そして本番で発揮される登場人物たちの特技を生かした窃盗術や華麗な宝石パス回し、いや宝石リレーとでも言いましょうか、7人が冷静に計画を実行することで、公の場でこんなにも簡単にしかも大胆に盗めてしまうのか!と唖然と見てしまいました。

 

オーシャンズの醍醐味ってこれだよなぁ、この鮮やかな盗みだよなぁと改めて感じた作品でした。

 

他にも、それぞれのキャラが過去作にはいない人物ってのも印象的。

まずちゃんと多様性を意識したキャスティングってのがいいですよね。

アメリカ人、イギリス人、オーストラリア人、インド系、アジア系、黒人と様々な人種が手を組んでひとつの事に取り組む。

やってることは盗みですけど理想的なキャスティングだなと。

ダニーは計画を、ルーはそのサポートと裏方、ナインボールはハッキングと監視で実行組がピンチにならないようにエスコート、アミータは宝石そっくりにのダミーを作り、その器用な手先で宝石を素早く細分化、タミーはコミュ力の高さですんなり会場に潜れることができる優れた適応力、コンスタンスは素早く動き一瞬でスリを働き、ローズは自信の無さが表面に出てしまうけど、いざとなると大胆な行動で周囲を驚かせる度胸を持っている。

それぞれの特性を生かしてチームワークを発揮する彼女たちがとてもカッコよく、終盤でドレスを着飾った姿はとても美しかったですね。

 

 

あまりにもワクワクしながら見てはいましたが、冷静に考えると、計画的とはいえ予想だにしないアクシデントやトラブルに見舞われることでハラハラドキドキし、実はそれもまた計画の一部だったという種明かしを終盤で披露するソダーバーグお得意の展開が大好きだった過去のシリーズと比べると、今作はそれに匹敵する爽快感は弱かったようにも見えます。

 

しかし、ダニーが5年と8か月という長い年月での服役中に脳内で1000回もシミュレーションして考えたとんでもない計画だったこと、しかも罪から逃れた元恋人に対しての復讐も兼ねたことを考えると、全てが用意周到で完璧なのは当然であり、一人の女の執念と死んでしまったダニーへの思いが詰まっていたわけで、そういった部分に重きを置いた感じがします。

 

実際に過去シリーズでそんな長期間考えて盗みを働いたことはなく、短期間でアドリブも含めてやっていたんですよね。

だからトラブルやアクシデントによるピンチや、その結果ぶっつけ本番で乗り切ろうとするような展開ではなく、彼女たちが放つ美しさや賢さでいとも簡単に盗んでしまう鮮やかさを楽しむようになっていた気がします。

 

 

過去作に関わるネタ。

オーシャンズシリーズ最新作ですから、過去作に結び付くような部分が多々ないとシリーズじゃないわけで、そんなリンクした部分が今回沢山あったよ!ってのを並べてみました。

 

  • 過去作のメンバーが登場!

仮釈放を受けたデビーがまず訪れた場所。それはダニーが眠るお墓でした。

といっても屋外にあるようなお墓ではなく、屋内のきれいな施設で何人もまとめて埋没されてる場所。

そこで座って墓石に刻まれたダニーの名前を見つめていると、影からルーベンが登場!

 

ルーベンは、過去の3シリーズに登場するホテル経営者でオーシャンズのメンバー。

ダニーは彼からクラップスというギャンブルを教えてもらったことで繋がった仲。第1作目でベラージオの金庫を盗むときにラスティと真っ先に相談に行ったのが彼だったことを考えると、ダニーにとってはとても信頼のおける仲間だったことが窺えます。

3作目では、ホテル王バンクに騙されたことがきっかけで心筋梗塞になってしまい、オーシャンズのメンバーは敵をとろうとするんですよね。

 

そんな彼がダニーの妹であるデビーともつながっていたとは驚き。

ルーベンも本当にダニーが死んでしまったのか半信半疑といった様子。これからやろうとするデビーの計画を、不安そうに見つめながらも応援する姿が今回印象的でした。

 

 

そして終盤、ターゲットの宝石を皆が必死で盗んでいる中、実はルーがほかの宝石も盗んでいたことが明かされるんです。

会場にいる全員が場外へ締め出され持ち物チェックをしている時に、誰もいないところを見計らって大胆に宝石を盗むんですね。

ただ会場に展示された宝石の周りには赤外線センサーが張り巡らされており、さすがのルーもお手上げ状態。

もちろんそんなのは想定済みってことで、赤外線センサーをうまくかわすことができる身軽で小柄な人材をあらかじめ用意していたのです。

それは誰かというと、イェンでした!

 

イェンはオーシャンズメンバーで唯一の中国人で雑技団からスカウトした軽業師。

1作目では金庫内に潜入し、地面を突かずに宙返りして棚の上に着地するアクロバットを披露。

2作目では大きなスポーツバッグに身を隠してサッカーチームの荷物に紛れて警察から逃亡することに成功しましたが、手違いでみんなとは別の場所に運ばれてしまうというアクシデントに見舞われる不運なシーンがありました。

3作目では、超高速で動くエレベーターをうまくかわしながら屋上にたどり着く荒業を披露し、オーシャンズには欠かすことができないメンバーとして大活躍していました。

 

今作でもカートの中に体を丸めて隠れて移動し、赤外線センサーで張り廻られた展示場の上をポンポンと渡り、片っ端から宝石を盗むという彼にしかできない技でルーを助けます。

 

 

きっと誰かしら出るだろうと思ってましたが、まさかこの二人だとは思いませんでしたね。登場した瞬間ニヤリとした人もきっと多かったことでしょう。

てっきり僕はライナスが出るとばかり思ってましたが、コンスタンスという素晴らしいスリ師がいるのに彼が出るのもちょっと変か、と見終わった後思ったまでです。

 

 

  • デビーとルー。

オーシャンズの中心人物デビーとルーって、よく観察すると、過去作の中心メンバー、ダニーとラスティの関係と設定に似てるなぁと。

 

まずは単純に容姿ですね。

ダニーとデビーは兄妹ですから、どことなく雰囲気は似てますよね。

髪は黒髪ですしちょっと地味なのも似てるというか、共通点は多いです。

実際ダニーは2作目で老けているとネタにされてますからね。

 

ルーの髪色は金髪。これはラスティを思わせる雰囲気かなと。

もちろんデビーと対になるようにした結果だとは思いますが、ダニーとラスティも黒髪と茶髪または金髪でしたから、そういう意味で言うと二人を連想させる容姿だったなぁと。

 

さらに似ている点は、デビーが今回の主旨が元恋人への復讐を兼ねた計画だったということ。

それを知ったルーはデビーに詰め寄り、私は降りる!と言い放ちます。

このやり取り、実は1作目でもあるんです。

ベラージオの金庫の金を盗む計画の最中、ラスティはべラージオのボス、ベネディクトの彼女がダニーの元妻テスであることを知り、この計画は金を盗むんでなく、テスをベネディクトから取り戻す作戦だったことにを知り、それに腹を立てダニーに詰め寄るというシーン。

まさに俺は降りる!とダニーに怒ってるんですね。もちろんちゃんと弁解して計画を実行するんですが、今作でもまさに同じようなシーンがあったわけです。

 

といっても過去作は取り戻す、今作は突き放すと違いはありますが、きっと意識した脚本だったと思います。

 

 

カメオ出演多すぎ!

今作はメットガラという世界最大のファッションショーということで、多くのタレントたちが登場してます。

 

序盤、ローズをダフネの専属デザイナーにさせるために、彼女を惹こうとするんですね。それがメットガラにモデルとして出演予定している若手女優と接触しているスクープをダフネに見せること。

その若手女優というのがダコタ・ファニング

恐らく本人役ではないと思うんですが、アナウンスされてなかったサプライズ出演だったので、見ていてあれ?と思った人も多いのではないかと。

 

他にもVOGUE編集部に採用されたタミーのシーンでは、アナ・ウィンター編集長が本院役で出演。ブロンドでボブの髪型をした人がそうです。

編集部のシーンとメットガラの会場で映っています。

 

あと気づいたのは、宝石が盗まれたことを知った警備員たちが会場を締めだし、ボディチェックをしているシーンで、ある男女3人組が映るんですが、一体何があったの?みたいことを言う女性がいるんです。それがプロテニスプレイヤーのマリア・シャラポワ選手。しっかりセリフ付きでカメオ出演していました。

その隣には、「X-MENアポカリプス」でサイロックを演じたオリヴィア・マンがいましたね。

 

あとメットガラの入り口の大階段でラッパーのコモンとテニスプレイヤーのセリーナ・ウィリアムズがインタビューを受けてましたし、ダフネが食事をするシーンでは、同じテーブルにケイティ・ホームズが映っていました。

 

他にもたくさんいると思うんですが、自力でわかったのはこの程度。

きっと海外のセレブ事情やファッション業界に詳しい方はもっと見つけられるのではないでしょうか。そんな楽しみ方もできる作品だったと思います。

 

 

 

最後に

それにしても収容所にいるのに化粧がっつりかい!とサンドラブロックが登場した時思わず笑ってしまいましたが、やっぱりきれいですね。

それ以上にアンハサウェイのムチムチっぷりと美貌にうっとりだし、世間から色々バッシングを受けていることを逆手にとったかのような役柄も面白かったですね。

ケイト・ブランシェットの女性ならではのカッコよさも最高。全身緑のスパンコールのスーツを着こなせるのは彼女しかいませんよマジで。

 

今回オーシャンズ8ってタイトルに加え、登場人物にリアーナが演じたナインボールって名前に関してひとつ。

もちろんビリヤードの事を連想させるし、ナインボールは実際9番のボールを常に持っていたわけですが、これって次回作の伏線?ともとれるかなぁと

ビリヤードのナインボールってゲームは、9より下と上の数字に分かれて順番いボールをポケットに収めてから最後に9番を落とす競技なんですが、これを次回作であろう「オーシャンズ9」で彼女の取り合いになるような内容になるんじゃないかなぁと勝手に妄想しましたw

で、相手が過去作のメンバーたち。

そんな意味合いはないかもしれないけど、僕が脚本家なら取り入れてみたい設定ではありますw

それやらないならわざわざビリヤード関係ない話なのにナインボールなんて名前つけるな!って思っちゃうんですよw

まぁあくまで妄想ってことで。

 

まとめとして過去作ほどのドタバタやユーモア、逆転劇ってのはなく、平坦な物語ではありましたが、過去作にはない美しさと華やかさそして鮮やかさが際立った映画だったと思います。

なんてたって男臭がない!

お金を盗むんじゃなくて宝石を盗むってのがまた女性らしさを匂わせますよね。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

映画「銀魂2」感想ネタバレあり解説 掟を破るにもほどがある(笑)

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8月17日

銀魂2/掟は破るためにこそある

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去年の夏人気コミックの実写化が2本公開されました。

ひとつは「ジョジョの奇妙な冒険」、そしてもうひとつは今回観賞した作品の前作。

どちらも前評判は低く、また人気コミック実写化の黒歴史にひとつ加わってしまうのではないかと誰もが思っていました。

「ジョジョ」に関しては賛否分かれたものの興行収入は奮わず。

第1章と銘打ったにもかかわらず未だ続編の話が出てこないのはそういうこと。

しかしもう片方は、場内爆笑!という声が知れ渡り、あれよあれよで去年の興行成績実写No.1を記録する大ヒットとなりました。

 

僕といえば、ジョジョは第3部をちょこっと読んだ程度、銀魂に関しては読んだこともアニメを観たことすらない身でして。

ということでジョジョのみ観賞したんですが、まさか銀魂そんなにハネるかと。

 

時は経ち今年の6月。

WOWOWで放送するってことで、試しに観てみるかと録画しておいて後で観賞したんですが、なるほど!これは誰もがわかるネタの宝庫でつい笑ってしまうシーンがてんこ盛りじゃねえか!と。

映画云々は置いといて、これくらい振り切ってくれるなら劇場でみんなと一緒に笑ってみても全然お釣りくるなぁと、前作を劇場で観賞しなかったことをちょっと後悔。

 

このブログでちょいちょい福田雄一の映画は苦手と言ってきておいて、なんだよ!

50回目のファーストキス」に続いてまた懲りずに観るのかよお前!と、もう一人のモンキーが耳元で叫んでいるんですが、劇場のみんなと笑いを共有できれば、と早速観賞してまいりました!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

週刊少年ジャンプに連載中の同名人気コミックを2017年実写映画化。

キャラそっくりに演じた役者とありとあらゆるネタのオンパレードが、原作が醸し出す空気感とマッチし爆笑の連続となった前作から僅か1年でこのたび続編が公開。

今作では原作で最も熱く最も笑えるとされる「真選組動乱篇」と「将軍接待篇」をミックスし展開される。

 

監督キャストは前作と全て同じにくわえ、新キャラも登場することで、さらなる銀魂ワールドになること間違いなし。

前作では扱うパロディネタがあまりにもギリギリ過ぎて大丈夫か!?という声も出たが、今回は一体どこまでギリギリを突いてくるのか、はたまたサブタイトルから連想させる掟=業界のルールを破ってしまうほどのとんでもない内容なのか!?

 

平成最後の夏、銀魂で熱くなれっ!!

 

 

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あらすじ

 

 

時は幕末――。

地球人と宇宙人・天人(あまんど)が共に暮らす江戸・かぶき町。

仕事が無く金欠の〈万事屋(何でも屋)〉メンバー=銀時(小栗旬)、新八(菅田将暉)、神楽(橋本環奈)は、キャバクラに床屋とバイトを始めるが行く先々で将軍・徳川茂茂(勝地涼)に出くわしてしまい、打ち首覚悟で接待する羽目に――。

 

その頃、真選組始まって以来の大事件が勃発!

局長・近藤勲(中村勘九郎)の暗殺計画が企てられ、副長・土方十四郎(柳楽優弥)は第2の人格=ヘタレオタク“トッシー”に体を乗っ取られ真選組を追われてしまう。

 

犬猿の仲の銀時に頭を下げて助けを求める土方だが、裏では銀時の因縁の相手・高杉晋助(堂本剛)率いる鬼兵隊が将軍・徳川茂茂の命を狙い、幕府の転覆を企んでいた。

 

果たして、銀時は、江戸の町を守れるのか――!?(HPより抜粋)

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監督

今作を手がけるのは、前作に引き続き福田雄一。

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今年はリメイク、というか元の作品コピーじゃん!?とガックリしてしまった「50回目のファーストキス」に続いての監督業。

冒頭でも書きましたが、僕は彼が作る映画は苦手でして。

50回目の~も元の作品が好きだったのに加え、ヒロインへの猛烈アプローチを福田流にアレンジしたら案外イケるんじゃないのか?と思い観賞したら、まさかの完全コピーでこれは手抜きだろう、ハワイに行きたかっただけだろう、長澤まさみと仕事したかっただけだろう、などなど悪いことばかり考える始末。

 

www.monkey1119.com

 

もうやめよう彼の映画を観るのは。そんな矢先WOWOWで放送していた前作をあらかじめ録画。

仕事から帰り、映画でも観るか、でも疲れてるからなるべく頭使わねえやつにしよう、そんなコンディションで前作を観賞したんですが、不覚にもひたすら笑ってしまったわけであります。

原作を読んではいなかったものの、なんとなくこのコミックはギャグの評判がいいってことくらいは認知していて、それが今回監督の作家性と見事にマッチした結果の楽しさだろうと。

やってることは基本「勇者ヨシヒコ」と変わらずで、本筋とは全く関係のないところでネタをブチかまし尺を使いすぎる悪い癖が今作でも出ているものの、50回目の~ときとはぜんぜん違う爽快さ、いや自由度の高さに天晴れと感じた映画でした。

 

今作の予告では、きっとあのネタを入れてるんだろうな、と予想できる部分もあるし、それ以外で一体なにをブッこんでくるのか楽しみであります。

あくまで楽しみなのはどのネタやるかだけですw

 

 

 

 

 

 

 

キャラクター紹介

 

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左上より。

 

  • 坂田銀時(小栗旬)・・・伝説の侍。今はやる気なしのぐうたら店主。
  • 志村新八(菅田将暉)・・・万事屋のツッコミ担当。
  • 神楽(橋本環奈)・・・宇宙作業“夜兎族”の美少女。大食&怪力。
  • 土方十四郎(柳楽優弥)・・・真選組・鬼の副長。別の人格に乗っ取られ・・・。
  • 伊藤鴨太郎(三浦春馬)・・・真選組参謀にして一流の剣の腕を持つ才人。
  • 河上万斉(窪田正孝)・・・“千人斬りの万斉”の異名を持つ伝説の剣豪。
  • 沖田総悟(吉沢亮)・・・真選組の一番隊隊長。戦闘力と剣術はピカイチ。ドS。
  • 徳川茂茂(勝地涼)・・・江戸幕府第14代征夷大将軍。城下にお忍びで現れるがいつもトラブルに巻き込まれる。
  • 志村妙(長澤まさみ)・・・新八の姉。美人だが狂暴。
  • 桂小太郎(岡田将生)・・・銀時の幼馴染でかつての盟友。江戸に潜伏する攘夷浪士。
  • 猿飛あやめ(夏菜)・・・銀さんLOVEなドMの始末屋。
  • 山崎退(戸塚純貴)・・・真選組の観察役。地味が取り柄。
  • 平賀源外(ムロツヨシ)・・・江戸一番の発明家を自称するカラクリ技師
  • お登勢(キムラ緑子)・・・万事屋の大家。強面で口が悪い。
  • ?(佐藤二朗)・・・演者自体は前作で武市変平太を演じたが、今回は役柄不明。
  • エリザベス(???)・・・桂の右腕の宇宙生物。
  • 近藤勲(中村勘九郎)・・・幕府の特殊警察である真選組を率いる局長。信頼を集める精神的支柱。
  • 高杉晋介(堂本剛)・・・鬼兵隊を率いて幕府転覆を企む。
  • 松平片栗虎(堤真一)・・・警察組織の頂点に君臨しながら、キャバクラで豪遊する帝王。

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず僕は映画全体でなく、ネタ祭りとして楽しみたいと思いますw

それ以外は何も期待しておりません!

ここから観賞後の感想です!!

 

感想

今回もネタ祭りは健在!!

今回もイケメン無駄遣い!!

だけど話の作り方はへたくそすぎる!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

笑いの前半、真剣な後半。

ぐうたら店主の主人公含む3人組のひもじいバイト生活でのギャグパートから、徐々に幕府転覆と真選組内の謀反が浮き彫りになっていく今作。

原作が持つユーモアの全てを監督の演出で惜しみなく描くことで観衆の心と表情をほぐし、後半は国を統率する者と隊を率いる者を敵から守るために命を賭けて戦う姿を、怒涛のアクションと登場人物たちが胸に秘めた思いをぶちまけることで表現し、笑いと感動をたっぷり時間をかけて積み上げ楽しませてくれた作品でございました。

 

はい、前作を劇場でなく自宅で鑑賞した身としては、今回劇場で鑑賞できたことに喜びを感じております。

やっぱり映画館でみんなで笑いながら見るのっていいですよね~。

ただ笑いが爆発していなかったことがちょっと心残り。

朝イチで見たからなのかみんなまだスイッチ入ってなかったのかな?

それともネタがよくわからなかったのかな?

確かにネタのいくつかはこれ中高生に理解できるネタなのか?みたいなのはいくつかありましたが、それでもみんなよく笑っていた気がします。はい。

 

僕としては原作も読んだこともなければ、アニメも観たことがない銀魂素人並びに銀魂童貞だったわけですが、今回ようやくその世界観に触れることができ、あぁみんなが楽しいと言っていた理由がようやく理解できた次第であります。

 

今回のエピソードはどうやら原作で一番笑えるエピソードと一番泣けるといわれるエピソードをうまく融合してのお話だったそうで、そう考えると前半はぶっちゃけ本筋とは全く関係のない笑いとユーモア連発のコントのようなお話中心で、後半は近藤暗殺を狙う鴨太郎中心の真選組のエピソードと、将軍暗殺死幕府転覆を企む高杉一派のエピソードに銀時たちが絡んでいくというお話で、こちらはもう完全に笑いなしのシリアスな話と斬って斬って斬りまくるアクション連発のお話でございました。

 

僕は今作を見るうえで、これはネタ映画=とにかく監督が詰め込んだギャグだけを拝むために見ようと決めていたわけで、それ以外の話の流れとかアクションとかそんなの一切期待せず見に行くという覚悟で鑑賞したわけで、ものすごく面白かった部分とものすごくつまらなかった部分の差がありすぎて少々困惑しております。

 

まぁまずは前半のギャグ連発コント連発なエピソードから解説がてら感想を書こうかと思います。

 

 

とにかくネタ祭りでした。

ド頭から何かしらやらかすんだろうなとニヤニヤしながら見ていましたが、やっぱりやってくれました。

 

万事屋の家を映しながら、銀時と新八、神楽のやりとり。

概要としては前作大ヒットでこうやって続編で来てよかったね、今作も楽しみにしてね、という前置きだったわけですが、ヒットしたにもかかわらず、「日本アカデミー賞」をとれなかったことに言及。

銀ちゃん頑張ったのに、主演男優賞カスりもしなかった、で、誰が獲ったの?菅田将暉って私服ダサい奴w歌とか歌い出して調子乗ってる奴wとイジリだし、小栗旬手相いや主演男優賞ノミネートすらしたことないよねwwと自虐w

終いにはそんな日本アカデミー賞に対して、ピー音連発の暴言を吐きまくる暴挙w

 

そしてようやくワーナーのロゴが登場(ちなみにこれ2回目)し本編・・・かと思ったら、桂が映画泥棒に扮し、上映前に必ず流れる「NO MORE 映画泥棒」をやってしまうギャグww

しかも後ろで驚いてるお姉さん、実際の映像に出てくる本人だったよ!!やるな!!ここまでやったら拍手だよww

 

そしてようやく本編に突入。

多分ワーナーのロゴを3回も冒頭で流す映画ってこれが初めてなんじゃないかなw

 

 

前半はギャグエピソードということで、様々なネタが放り込まれてきます。

家賃を払えない銀時たち。

とりあえず飯食って作戦会議!とおもったら、サンマの匂いだけでご飯を5合も平らげてしまった神楽にぶち切れ。

じゃあバイトは私の手下どもにやらせるってふすま開けたら、黄色い肌と青い服を着た奴らが「バイト、バイト、バイト、バイト」と連呼して登場。もちろんモザイクかかってます。

これは恐らくユニバーサルスタジオのあいつらではないかと・・・。

 

それから新八の姉である妙のつてで、キャバクラで面接することに。

どうやら佐藤二朗の役はキャバクラの店長の役でした。

ここではネタではなく、二朗さんの独壇場。

二朗さん独特のしゃべりで他のキャスト演技忘れて笑ってんじゃねえか!!

妙に殴られた銀時を解説する二朗さん。

ノウズからブラッド、そしてマウスへ。なんだその解説w

そしてひたすら連呼するワード。

ある種ある種ある種ある種ある種・・・とか、あるいはあるいうはあるいはなるいはなるいは・・・って「あ」が「な」に変わるほど同じ言葉を繰り返し喋ることで、場の空気を一気に笑いにかえてしまう二朗さん、さすがですw

その後、将軍がお忍びでキャバクラに来店。人数が足りないためにキャバ嬢に扮すsる銀時と新八。小栗よ、体鍛え過ぎて胸筋で谷間できてるよw

そしてドレスがタイトだからおちんちん浮いてるよw

「王様ゲーム」改め「将軍様ゲーム」では、何度やっても指令が下されるのが将軍。

3番が下着姿になる~、4番が服を着せる~。はいすっぽんぽんの出来上がりw

前作では近藤がすっぽんぽんで素振りをしている姿が爆笑でしたが、今回すっぽんぽんになるのは将軍様でしたかw

 

翌日床屋のバイト。「ゴルゴ13」ならぬ、「ゴルゴ17(だったかな?」の18巻を探す神楽。そこへ、将軍を浄化へ連れまわす松平が18冠を返しに登場。その後ろにはやっぱり将軍様。

マゲを結い直してくれということで、理洋氏免許のない3人がやる羽目に。

新八も神楽もあまりの緊張に嘔吐。

何とか神楽が頭を剃刀で剃り始めますが、見事にマゲも剃ってしまう。

やると思ったよw

それをゴールデンレトリバーのうんこをあえて勘違いをし、プロも顔負けの投球フォームでマゲを外へ放り投げる銀時。

残った髪の毛でマゲを結おうと試みる銀時。すると将軍様の顔がどんどん引っ張られ、あられもない姿に。もはやホラーだよ!怖えよ!

結果、岩崎宏美のものまねをするコロッケみたいなおかしな笑顔でマゲを結い直した将軍様。そして極めつけはその頭の上にゴールデンレトリバーのうんこを乗せて完成w

これ原作通りですか?

いやぁ笑った笑った。

 

このエピソードの最中に土に異変。

どんどんヘタレオタクへと覚醒していくことで、本作のサブタイトルである「起きては破るためにこそある」の通り、隊の掟を破ってしまうことで真選組をクビになってしまいます。

重役会議に遅れた理由が、ワンピースの最新刊とドラクエ11を探していたというから、まさにオタクw

しかもその前に喫茶店でアイマスだかラブライブだがよくわからんアニメ動画を見ている土方。

これはもう完全にオタクと化しています。

その後もアイドルオタクVSアニメオタクの討論番組に新八と共に出演。

2次元対3次元のキャラに本気で恋している者たちの低次元すぎる結婚観で取っ組み合い勃発。

土方からトッシーに成り代わってしまったそれを新八が家へ連れていき、どれだけ本物のお宅になってしまったかを現すシーンへ。

へたくそな同人誌やカメラ小僧の件は逆にオタクたちに怒られるんじゃないか?と思ってみてましたが、柳楽優弥の本気の演技に笑わずにはいられないシーンでした。

 

その後源外の研究所へ行き、土方の性格が変わってしまった原因は何かを探る一同。

どうやらヘタレオタクになってしまうカプセルを体内に埋め込まれたようで、どんな手術をしてもこれは取り出せない、と源外。

すると、前作でシャア・アズナブルの姿で登場した、あの「相棒」の鑑識の人(六角精児)が今回は法外な手術料をとる外科医として有名な手塚治虫原作作品のキャラで登場。

それだけのために出演してくれるなんてさすがっす。

 

今度はVRを使って精神的に本来の土方に戻そうと試みますが、まさかのエヴァンゲリヲンネタ!

目の前の使徒と戦うことができない碇シンジ(土方)に、やっぱり駄目だこいつはと罵る碇ゲントウ(神楽)、諦めないで!と声をかけるミサトさん(銀時)、アタシが代わりに出動するわ!と訴えるアスカ(源外)、そして冷静に見つめる綾波レイ(新八)という設定で演じるも結果は失敗。

 

こんな感じで前半はネタ、ネタ、ネタのオンパレードでございました。

トッシーがしゃべるセリフの中にもガンダムドラゴンボール、アラレちゃんなどの名セリフが含まれており、わかる人には笑えないわけがないセリフ連発でありました。

 

後半でももちろん用意されていますよ。

箱根で鴨太郎たち率いる隊士や鬼兵隊と戦う銀時が将軍ピンチの一報を聞いて、早く向かわないといけないけど江戸まで遠すぎる!どうしよう!となるんですが、ここで源外が登場。

前作でも同じ件があり、そこでは「風の谷のナウシカ」のメーヴェが登場してしまうギリ切りアウトなネタをぶち込んでくるシーンでしたが、今回は「となりのトトロ」の猫バスをモチーフにしたアライグマバスの登場。しかもメインテーマまで歌ってしまうこれまたギリギリアウトなオマージュ!もちろん「とな・・・」のあとはピー音でしたけどw

そしてエンディングではTVドラマ「踊る大捜査線」の「Love Somebody」のパクリ歌と共に全く同じ感じのエンディングシーンを入れる、パクリ過ぎ度200%の映像!

ドラマ放送当時、まだお台場は発展途上で空き地ばかりに加え建設途中の建物が並ぶ場所だったんですが、今作はしっかりそこも再現!

緑のコートを羽織る銀時が手を温めながら歩く姿は完全に青島だ!!

これ中高生は知ってるのか?いやこれを機に知ってくれ!

前作では反町隆史の「POISON」をパクった歌を小栗旬が歌ってましたが、今回はこれですかwあなた「踊る~」に出てますよね・・・。大丈夫ですか?

 

とまぁこんな具合に終盤にも「勇者ヨシヒコ」並みにぎりぎりのオマージュ、いやパクリネタがたくさんぶっこまれており、私モンキー、ひたすらゲラっておりました。

楽しかったなぁw

 

 

 

後半のひどすぎる演出

結論から申し上げますと、いくら原作が一番笑えるエピソードと一番泣けるエピソードだからって、きっちりユーモアサイドとシリアスサイドに分ける必要ねえだろ,ひたすらネタとギャグ入れたらいいじゃん!ていうことでして。

 

後半から急に面白くなくなるんですよ・・・。

きっと見どころは土方の覚醒と鴨太郎の過去、そして近藤の隊士に対する思いだとは思うんですが、どれもこれもセリフ長すぎて早く見せ場に行けよ、早く戦えよ・・・ってなっちゃうんですよね~。

もちろん役者は与えられた役を一生懸命演じていることは観ていて伝わります。みなさん一流ですからそりゃあ迫真です。

 

ですが、撮り方と見せ方がひどい

顔アップは当たり前ですし、周りが大きな音に囲まれてるのに普通に会話できてるのが不自然だし、それに加え光の具合とか加減とかもどこか下手だし、せっかく役者がマジ演技してるのにそれはないだろうと。

もったいなかったですねぇ。

そこは福田監督なんで予測はできてましたけど。

 

そして鴨太郎の過去のシーン。

これだけ頑張っても誰も僕を認めてくれない、慕ってくれないというジレンマから出来上がってしまった鴨太郎の悪意。

彼が本当に欲しかったものは実は目の前に転がっていた、というミスチルの「名もなき詩」のような彼の答えに泣いてしまう人も多かったでしょう。

ですが、それは鴨太郎の過去のシーンを見ていた観衆だからこそ感動できるのであって、その過去を知らない近藤たちが手を差し伸べるのはどこか不自然。

百歩譲っての見方として、近藤は自分のふがいなさに対し謝意を込めての差し出した手、という解釈をしたんですが、それでもやはり強引というか腑に落ちないというか。

ただそうなると土方があれだけ敵対視していたのに助けるのがもっと不自然で、土方はどこで彼を助けようと感じたのか全く分かりません。近藤に命令でもされたのか?

 

他にもムダにスローモーションで取るアクションも古いというか、ダサいというか。

見せるところを見せない撮り方にモヤモヤするというか。

とまぁ粗を探せばどんどん出てくるわけで、そういう意味では福田監督はネタだけに集中していただく方がいいなと改めて感じた瞬間でもありました。

 

 

最後に

まぁざっくり言えば、ネタは面白いが映画としてはこれはダメだよねってのが率直な感想です。

しかしながら笑って楽しめたことにかわりはなく、そこは大いに評価したいと思います。

あらゆるネタをオマージュというかパクりまくり、ギャグにすることで、版権問題などの映画のルール=掟をガンガン破っていくその手法は、福田監督だからこそできるやり方で、それこそが彼の持ち味だということを今回再認識したように思えます。

福田監督作品の中では一番面白かったですよ。

やはりネタなんだなぁ。そして福田組常連のムロツヨシと佐藤二朗の2人あってなんだよなぁ。

 

今作が当たればまた続編もやるんでしょう。その時はまた楽しませてもらいたいと思います。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

映画「ペンギンハイウェイ」感想ネタバレあり解説 この謎が解けたらお姉さんに会いに行こう。

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8月17日

ペンギン・ハイウェイ

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 夏休み。子供にとってはそれはそれは贅沢な期間。宿題とか家の手伝いとかやりたくないこともいっぱいあるんだけど、その間いろんな経験をすることでちょっとだけ逞しく成長を遂げる期間でもあります。

今回観賞する作品は、そんなたくさんの可能性を秘めた子供たちを軸に、夏に起きた不思議な経験をすることで成長していく冒険譚のような匂いが端々から感じます。

 大人になると子供のときのような体験や経験てのをすることがなかなかできなくなってしまうわけで、また子供ながらの視点でこそ感じることができない瞬間があるわけで、今回のこの映画を通じて子供の頃に経験した夏の思い出を想起させてくれたらなぁと思っております。

 

普段あまり観ないアニメーション映画ですが、アニメだからこそできる表現を期待して観賞してまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

夜は短し歩けよ乙女」で知られる小説家・森見登美彦が2010年に発表した同名小説を、「陽なたのアオシグレ」などを手がけるスタジオ・コロリドと監督の手によってアニメーション映画として製作され、森美作品に数多く携わってきた脚本家の手によって、ひと夏の少年の成長譚を鮮やかで心弾む青春ファンタジーに描いていきます

多感な時期である少年時代、一体彼らはどんな不思議な冒険を経験していくのだろうか。その瞳からどんな景色を観るのだろうか。

 

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

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ペンギン・ハイウェイ 完全設定資料集

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ペンギン・ハイウェイ 公式読本

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あらすじ

 

 

小学4年生のアオヤマ君(声:北香耶)は、一日一日、世界について学び、学んだ事をノートに記録している男の子。

利口な上、毎日努力を怠らず勉強するので、「きっと将来はえらい人間になるだろう」と自分でも思っている。

 

そんなアオヤマ君にとって、何より興味深いのは、通っている歯科医院の“お姉さん(声:蒼井優)”。

気さくで胸が大きくて、自由奔放でどこかミステリアス。

アオヤマ君は、日々、お姉さんをめぐる研究を真面目に続けていた。

 

 

夏休みを翌月に控えたある日、アオヤマ君の住む郊外の街にペンギンが出現する。

街の人たちが騒然とする中、海のない住宅地に突如現れ、そして消えたペンギンたちは、いったいどこから来てどこへ行ったのか・・・。

 

ペンギンへの謎を解くべく【ペンギン・ハイウェイ】の研究を始めたアオヤマ君は、お姉さんがふいに投げたコーラの缶がペンギンに変身するのを目撃する。

ポカンとするアオヤマ君に、笑顔のお姉さんが言った。

『この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?』

 

 

一方、アオヤマ君と研究員のウチダ君(声:釘宮理恵)は、暮らす異名とのハマモトさん(声:潘めぐみ)から森の奥にある草原に浮かんだ透明の大きな球体の存在を教えられる。

ガキ大将のスズキ君(声:福井美樹)たちに邪魔をされながらも、ペンギンと同時にその球体“海”の研究も薦めていくアオヤマ君たち。

やがてアオヤマ君は“海”とペンギン、そしてお姉さんには何かつながりがあるのではないかと考えはじめる。

 

 

そんな折、お姉さんの体調に異変が起こり、同時に街は異常現象に見舞われる。

街中に避難勧告が発令される中、アオヤマ君はある【一つの仮説】を持って走り出す!

 

果たして、お姉さんとペンギン、“海”の謎は解けるのか――!?(HPより抜粋)

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監督

今作を手がけるのは石田祐康

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はい。もちろん存じ上げません。

アニメーターはみんなメガネに髭がトレードマークになるんでしょうか。これは失敬。

 

一体これまでどんな作品を手がけてきたのか調べてみました。

高校時代からアニメーション製作に勤しみ、京都精華大学マンガ学部アニメーション学科に進学。

え?大学にそんな学部あるの!?すごっ!

そのときに手がけた自主制作作品で、女子高生のフミコの恋路を描いた「フミコの告白」が文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を始め、数々の賞を受賞し話題になります。

その後小学生の男の子を主人公が淡い恋心を抱えながらひた走る胸キュンラブストーリー「陽なたのアオシグレ」が劇場デビュー作として公開。

そして満を持して今回初の劇場長編映画デビュー作となります。

 

この数年アニメーター達による熾烈な「夏休みアニメ映画」争いが繰り広げられていますが、その中に新風を吹かすことができるでしょうか。

 

 

 

キャラクター紹介

 

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左上より。

  • アオヤマ君(声:北香耶)・・・郊外の街に住む小学四年生。頭がよく、探究心旺盛。少し大人びていて、生意気なところもある。毎日発見したことをノートに記録し研究しており、“お姉さん”と“ペンギン”についても調べている。

 

  • お姉さん(声:蒼井優)・・・アオヤマ君が通う歯科医院に勤めるお姉さん。無邪気な明るい一面と、ミステリアスな雰囲気を併せ持つ女性。アオヤマ君のチェスの先生でもある。突如現れたペンギンと関係があるらしい。

 

  • ペンギン・・・アデリーペンギン。学名:ピゴスケリス・アデリアエ。

 

  • ウチダ君(声:釘宮理恵)・・・アオヤマ君のクラスメイト。内気な性格。アオヤマ君と一緒に探検隊を組織し、“プロジェクト・アマゾン研究”をしている。

 

  • ハマモトさん(声:潘 めぐみ)・・・アオヤマ君のクラスメイト。頭がよく、自信家でチェスが得意。森の奥の不思議な球体について、アオヤマ君との共同研究を申し出る。

 

  • スズキ君(声:福井美樹)・・・アオヤマ君のクラスメイト。声が大きく力が強い。ガキ大将的な存在で、絶対服従の“スズキ君帝国”を作っている。

 

  • アオヤマ君のお父さん(声:西島秀俊)・・・アオヤマ君にノートを与え、学び方を指南した。息子の研究を程よい距離感で見守っている。

 

  • ハマモトさんのお父さん(声:竹中直人)・・・大学の研究所で働いており、熱中すると甘いものばかり食べてしまう。街で起きた奇妙な現象について、調査隊を率いて詳しく調べている。

 

 

 

 

 

 

 

ペンギンというとどうしても忍空のヒロユキが出てきてしまうんですが、アレとは全く違うことでしょう。何とかオレの中のペンギンのイメージを変えてくれ!

果たしてペンギンはなぜ現れたのか、お姉さんとの関係は、アオヤマ君たちのまたとない研究と冒険がここに!

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

ペンギンハイウェイを歩んでいくことが大人への近道だ!

夏休みに多くの子供たちに是非見てほしい、ファンタジーな冒険映画でした!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深く考えると難しいが。

早く大人になりたい、偉くありたいと願う好奇心盛んなマセガキ小学生を中心に、ふと町に現れたペンギンたちと、森の中に存在する謎の物体の謎を追う姿、そしてそれについてあらゆる面から研究や考察を重ねていくうちに、壮大な冒険へと昇華していく物語を、ペンギンたちをはじめとした愛くるしく可愛らしいアニメーションや高揚させるBGM、そして何よりお父さんの言葉が胸に染みる、ファンタジームービーでした。

 

率直な感想を申し上げますと、観ているうちはなるほど!そうかそうか!それでそれで、うんうんと、きっとこれはこういうことなんだろうなと色々あれこれ推測して見ていたわけですが、結局のところ断言できることは一つもなく、あれってどういうことなんだろうといった疑問や不可解なことが多く、顔をしかめてしまうような感じにはなりました。

しかし内容を深く考えずに観たら、小学生の夏休みに起きた不可思議な現象を彼らなりに考え研究していったことで、きっと今後の人生において大きな財産になるような出来事で、しかもそれが壮大な冒険へと進んで成長していくわけですから、そういう意味では非常にジュブナイル映画として楽しく鑑賞できる作品だったし、何より見終わった後の清々しさが胸に残った映画だったのではないかと感じています。

 

子供たちはきっとペンギン可愛いと思えるでしょうし、アオヤマ君たちが地図を作って街を探検したり、その道中で見たこともない物体に遭遇したこと、それによって新しい発見をしたことなどに夏休みの偉大さを感じるでしょうし、大人たちは昔自分たちが夏休みに経験した様な、今ではできないかけがえのない日々を思い出させてくれるような物語だったのではないかと。

それを実写にしたら難しいであろう描写をアニメーションにすることで実現可能にし、夢と希望とロマンと好奇心が詰まった作品に仕上がっていたのではないでしょうか。

 

そしてそして!この映画、僕はお父さんの言葉そのものがこの映画のメッセージなんじゃないかと感じています。

アオヤマ君は、町内で起きている様々な出来事に行き詰るわけなんですが、そこでお父さんが、こんなことを言うんですね。

とりあえず1枚の紙にすべて書いてみてそれをじっと眺めて見ろ、そうすれば答えに近づく。それでもだめならいったん考えることを止めろ。ご飯を一杯食べてよく寝て普通に生活しろ、そんな時にふと答えが下りてくるかもしれない。人はそうやって気づいていないうちに無意識に頭の中で整理して考えているんだ。

エウレカだよ、と。

 

エウレカとは、何かを発見、発明した時に喜ぶ時の言葉だそうなんですが、要するに、なんでもかんでも研究だ考察だとあれこれ頭の中に知識やら何やら詰め込んでいるアオヤマ君に対して、それももちろん大事だけどそれ以外の事も大事だぞ、早く大人になりたいならまずは普通の生活とか学校では教えてくれない外での出来事とか、それこそ今君が体験しているこの不可思議な現象を肌で感じることが大切で、そういうことを子供のうちに経験してほしい、そうすればいつかその答えはやってくる、解くことができる、遠回りすることも大事だぞ、みたいな、父親から息子への奥が深い言葉だったのかなぁと感じております。

 

ほんとね、アオヤマ君がまぁ~勤勉というかがり勉というかクソまじめすぎて全てにおいて理論思考といいますか数学的考えといいますか、これはこうでこうであるからこうなのであるってお前常日頃証明問題みたいに物事考えて疲れねえか?だから乙女心も理解できないんだよ、そこはほらあれだよ感覚でわかるだろ?感覚。あのブルース・リーも言ってるだろ、「Don't think,feel」って。

.そのくせお姉さんのおっぱいばかりに興味を持った、一癖も二癖もある男の子でして。

 

普通大人のおっぱいに興味があるなら、何とか子供の特権で触らせてくれ!とかいえるだろ。それを何かノートにいっぱい書いて、お椀型がどうとか、おっぱいケーキから見るおっぱいの素晴らしさとかわけわかんないこといっぱい書きなぐってさぁ。

そのノートよく両親から怒られなかったなぁ、一体どんな言い訳言ったんだw

しかも正々堂々とお姉さんのおっぱい凝視して、怒られてるのにもかかわらず「観てるけど観てません」てなんだそれ。観てるんじゃねえかw

いいなぁ子供は!大人がそれやったらアウトだよ。睨まれて終わりだよ。

 

・・・おっとどうやら暴走していたようです、とにかく小学生のくせに小学生らしくない男の子なのです。

 

そんなアオヤマ君が体験した出来事と周りの大人たちから教えてもらったことなどを夏休みに経験体験することで、少しだけ成長をしていくステキな映画でありました。

 

 

 

謎多すぎ

さてさて肝心の中身ですが、非常に多くの謎を含んだお話になっており、大人も子供楽しめる!とか言っておきながら肝心の大人である私モンキーにはちんぷんかんぷんが多すぎる映画でした。

挙げればキリがありません。

  • お姉さんはいったい何者だったのか
  • なぜお姉さんのおっぱいばかりクローズアップされるのか
  • なぜペンギンなのか
  • 海の正体は?
  • ジャバウォックは一体何なのか

などなど、明確な答えは物語ではきちんと説明されていません。

いや答えは出ていて俺が見逃したのか?

 

そんな疑問の数々を自分なりに考えてみたいと思います。まったく不得意な考察のお時間ですww

 

まずはじめにお姉さんの存在ですが、お姉さんは人間ではない、と劇中で説明されています。生まれた町の事も覚えているし、普通に人間の生活をしています。

違うことといえば、なんでもかんでもペンギンにしてしまう能力、怖い夢で見たジャバウォックを具現化してしまう能力、街を離れると体調を崩してしまうこと、何日も食べなくても平気なところ、などなどたくさん。

 

これは一体何のためのものなのかって話になるんですが、きっと彼女は何らかの原因で現れた海が、街を破壊されてしまうのを防ぐためにやってきたのかと思います。それも意識的でなく。

それを防ぐためには彼女の能力が必要であり、現に町から離れると体力を消耗して体調不良になってしまうことから推測できるのかと。

だから彼女は海が現れたことへの因果によって街を訪れたのではないかと。

所々で出てくるシロナガスクジラってのも彼女の事を指してるのかなぁと。海の中で一番デカい動物ってことで。

あ~この時点で案外強引w

 

次になぜお姉さんのおっぱいばかりクローズアップされるのかですが、アオヤマ君は劇中でお母さんのおっぱいは何とも思わないのに、お姉さんのおっぱいには惹かれてしまうとあります。

これに関しては単純に思春期の始まりなのかなぁと。

小学4年生ですから色々Hなことに興味を抱いてもおかしくない年齢ですし、早けりゃ成長期に入る子もいるでしょう。

だからおっぱいに興味津々。

・・・で片づけるには芸がないので、もうちょっと考えます。

お姉さんは海と因果関係にある、という点から考えると、彼女は大きく括ると地球の母なる存在なのかなと。

だから町を守る存在であり、その母の胸に恋焦れる少年、という構図なのかなと。

ほらよく言うじゃないですか、母なる海とか、母なる地球とか。そういうことかなぁと。

はいこれまた強引で非論理的w

 

 

はい、続きましてなぜペンギンなのか、ということですが、これはよく分かってませんw

多分海がない町と対照的な動物の代表ってことで出した、あとはペンギンハイウェイというのが、海から陸へ上がるペンギンたちが連なって歩く道のことを指すそうで、それを少年の成長とかけたくて、ペンギンを使ったのかなと。

・・・そろそろ疲れてきたよ~w

 

そして海についてですが、これもはっきり言ってよくわかりませんw

劇中では森の奥に存在する、宙に浮いた球の形をした物体のことを「海」と呼んでいて、触れるととげのような形で威嚇したり、中に物を放り込めば飲み込んでしまうという特徴を持った謎の物体なんですが、ペンギンが近づくと共鳴するんですね。

で、クライマックスではペンギンを使って海を消滅させようと試みる、という流れなんですが、これもまた海のない町に対照的なものを出すという計らいだったりするのかなぁと。

また劇中では「世界の果て」について言及しており、お父さんの説明では外の世界を裏返すと内側の世界になる、で、我々のいる世界が内側だとしたら外側にあるものが世界の果てなんじゃないか(めっちゃ自信ないですw)みたいなことを言っていて、その外側にあった海が我々の住んでいる内側の世界に出てきてしまったってことなのかなぁと。

要は海そのものが世界の果てだと。

うぉ~~頭こんがらがってきた!!

 

最後にジャバウォックに関してですが、これはお姉さんの体長が悪い時に出てくる生き物で、ペンギンを喰うのが特徴なオオサンショウウオみたいな奴なんですが、これはもう単純にペンギンが世界を救う存在ならそれを防ごうとする存在なのかなと。

それがお姉さんの体調によってどっちかになることから、お姉さんの体調次第で何が具現化されるかわからないと。

で、このジャバウォック、お姉さんがチェスのお話を読んでたら出てくるキャラで、それを読んだ途端夢に出てくるようになったと劇中で言っています。

で、調べてみたらどうやらこのジャバウォック「鏡の国のアリス」に登場する生き物のようで、だからチェスなのかと合点がいったんですが。

だからと言って、もっと深い意味があるのかどうかは俺にはわかりません!

 

 

はい、というわけで僕にはアオヤマ君のお父さんがいう「エウレカ」には至りせんでしたw

あ~一回でいいからまともな考察がしてみたいw

あとで物語る亀さんに聞こうw

 

 

最後に

まとめとして、少年の心を思い出させてくれる夏休みに持って来いのジュブナイル映画であり、その内容は色々考察のし甲斐がある奥深い物語でありました。

明らかにトンチンカンで浅はかな考察を挙げてみましたが、この考えが正しいとは毛頭ないですけど、意味が解らないで終わらせてはいけない映画だったと思います。

実際に主人公のアオヤマ君はあれだけ考えてもわからないことばかりで、仮説を立ててもそれが果たして正解かどうかもわからないといってるんですから、我々も彼のようにこの物語をもっと考えてみていいと思うわけです。

きっと映画の感想ブログで色々な方が考察をしていると思うので、僕も覗いてみようと思います。

でもまずは考えましょう。

それでもダメならお父さんの言うように、1枚の紙に色々書いてみましょう。小さく細かく。それでも答えが出なければいったん諦めて普通に生活しましょう、そしたらそのうち答えが見つかるかもしれません。

そして僕らもあの大きなおっぱいのお姉さんに会いに行きましょうw

何じゃその締めw

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「タリーと私の秘密の時間」感想ネタバレあり解説 世の旦那さん、奥様に任せっきりじゃないですか?

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 8月17日

タリーと私と秘密の時間

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7月に公開した細田守監督の「未来のミライ」。

4歳のくんちゃんがほんのちょっと成長するお話でしたが、それと同時に子育てに奮闘するお父さんお母さんの視点もしっかり描かれていました。

そこでたどり着いた答えは「そこそこでいいんだよ」ということ。

 

何でもかんでも完璧にやろうとするから疲れてしまう、イラついてしまう、怒ってしまう、やがて心が折れてしまう。

だから手を抜けるところは抜く。常に100点でなく、たまの100点でいい。むしろ常に60点くらいでいい。だって知らないうちに子供たちは育ってるのだから。

そんな事を伝えた作品だったと思います。

 

 

で、今回観賞する映画、仕事も家庭も育児もそこそこでやることができず、完璧にこなしてきたことで心の疲労が積み重なり、とうとう爆発してしまう女性に謎の女性がやってきてお手伝いをしてくれる、というお話。

もちろんそれだけじゃないんだけど、毎日頑張りすぎて疲れてしまっている女性に手を差し伸べてくれそうな作品です。

 

早速観賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 

人に頼ることができない完璧主義により心が折れてしまった主婦と、彼女をサポートするためにやってきた素性のわからない若いナイトシッターの交流を境に、明るい将来を抱いていたあの頃とは違う現実を生きている大人たちへ、つい共感してしまう女性の魂の叫びと、驚きの仕掛けによって目の覚めるエンディングを含んだ、ミステリアスな人生のリフレッシュムービー。

いい歳して未だに大人になれないヒロインによる帰郷での騒動と悲哀をユーモアに描いた「ヤング≒アダルト」の監督主演タッグで贈るヒューマンドラマです。

 

 

タリーと私の秘密の時間 オリジナルサウンドトラック (180グラム重量盤レコード)

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あらすじ

 

 

もうすぐ3人目の子供が生まれるマーロ(シャーリーズ・セロン)は、大忙しの毎日を送っている。

娘のサラ(リア・フランクランド)は手がかからないが、息子のジョナ(アッシャー・マイルズ・フォーリカ)は情緒が不安定だ。

 

今日も姉弟が通う小学校の校長に呼び出され、ジョナをサポートする専属教師を自分で雇ってほしいと言われてしまう。

夫のドリュー(ロン・リヴィングストン)は優しいが、家事も育児も妻に任せっきりで、マーロもそれが当たり前だと思っていた。

 

 

ある日、事業で成功して贅沢な暮らしを送るマーロの兄のクレイグ(マーク・デュプラス)が、出産祝いに夜専門のベビーシッターを手配してくれると言う。

見知らぬ人に赤ん坊を預けることに抵抗と罪悪感のあるマーロは断るが、クレイグは妹に強引にシッターの電話番号を渡すのだった。

 

 

無事に女の子を出産したマーロだが、家事は膨大に増えていた。さらに、再び校長に呼び出され、ジョナには違う学校へ行ってもらうと言われ、遂に感情が爆発し、校長を怒鳴りつけてしまう。

 

帰宅したマーロは、もはや限界と夜間のベビーシッターを頼む。

22時半に現れたタリー(マッケンジー・デイヴィス)と名乗る若い女性を見て、唖然とするマーロ。

おへその見えるTシャツにジーンズのファッション、いきなりタメグチのイマドキの女の子だったのだ。

だが、戸惑うマーロにタリーは、「私を頼って」と自信たっぷりに宣言し、2階でゆっくり眠るようにと促すのだった。

 

翌朝、目覚めると、タリーの姿はすでになく、代わりに8年間全く掃除していなかった1階のリビングとキッチンが、ピカピカになっていた。

マーロは夫に、「彼女は何もかも完璧。なんだか、世界が明るくなった」と、久しぶりに晴れ晴れとした顔で微笑むのだった。

 

それからというもの、タリーは“完璧”を更新し続ける。

さらに、「人生の全部をケアしなきゃ」と、昔話や愚痴を聞いてくれ、悩みごとの相談にまで乗ってくれ、いつしか二人は友情を結んでゆく。

 

だが、タリーは何があっても夜明け前に姿を消し、昼間は何をしているかなど、自分のことは一切語らないのだった――。(HPより抜粋)

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監督

今作を手がけたのは、ジェイソン・ライトマン

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久々の新作のような気がするんですが、どうやら僕が観てなかっただけのようですw

これまで10代の妊婦やクビ宣告人、クチの達者なPRマン、そしてこじらせバツイチ女などちょっと変わった主人公を描いてきましたが、今作は案外普通です。

でもいいんです。この人の作品はちゃんとユーモアがあるから、例えヒューマンドラマだとしてもリラックスして観られる、笑いに走りすぎないのもいい。丁度いい空気感とでもいいましょうか。

 

そんな監督の作品をサクッとご紹介。

ゴーストバスターズ」や「ツインズ」などのコメディ映画を手がけたアイヴァン・ライトマンを父に持つ監督は、そのDNAをしっかりと受け継ぎ、自身の作品にもユーモアを取り入れています。

巧みな話術と情報操作でタバコを推奨するPRマンを描いた社会風刺コメディ「サンキュー・スモーキング」で監督デビュー。

その後、16歳で妊娠してしまったヒロインが産むのかおろすのか、はたまた誰かに育ててもらうのかなどの悩みや葛藤をコミカルに綴った「ジュノ/JUNO」がアカデミー賞4部門ノミネートと脚本賞を受賞することで注目を集めます。

続いて製作された、全米を飛行機で飛び回るリストラ宣告人が、2人の女性を通じて人間関係を見つめなおしていくヒューマンドラマ「マイレージ、マイライフ」でもアカデミー賞5部門にノミネートされます。

 

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そして今作でも主演するシャーリーズ・セロンとのタッグ作で、高校時代のイケイケっぷりを大人になって引き摺る30代バツイチ女性が、故郷で現実を突きつけられる様をユーモア満載で描いた「ヤング≒アダルト」や、父に捨てられた母と息子が、かくまうことになった脱獄犯と心を通わせていく「とらわれて夏」なども手がけています。

 

ヤング≒アダルト スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]

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 次回作はヒュー・ジャックマンJ・K・シモンズを迎え、政治家ギャリー・ハートの大統領選挙予備選を描く「The Front Runner(原題)」が控えています。

 

 

 

 

キャスト

主人公マーロを演じるのはシャーリーズ・セロン。

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おおおぉ・・・ザ・3児の母な体格。リアルだなぁなんか。

過去にも、「モンスター」で醜い姿になったり、「マッドマックス/怒りのデス・ロード」で坊主頭になったりと、様々に風貌を変えての演技で我々を驚かせてくれますが、今回も18キロ増量しての演技。

これだけ美しいのに容姿を変えて挑み、撮影が終われば元に戻すためにまた努力する。

 

アクションもすんごいですからねこの方は。

イーオン・フラックス」では柔軟な体を生かしたしなやかでアクロバティックなアクションを披露してましたし、「ハンコック」ではウィル・スミスとスーパーパワーを使っての夫婦げんか、上でも書いた「マッドマックス/怒りのデス・ロード」ではガンアクションもカーアクションも逞しく演じ、去年の「アトミック・ブロンド」では本格的に体を鍛えてリアリティある格闘アクションで魅了してくれました。

 

とにかく美しい美貌と努力を惜しまない超S級女優であります!

彼女に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 待機作には、マリファナの新薬開発をきっかけにトラブルに巻き込まれるアクションコメディを、ジョエル・エドガートンと共演で贈る「Gringo(原題)」、落ち目のジャーナリストが強大な権力を持つ女性の秘密を暴こうとするコメディ映画を、セス・ローゲンと共演で贈る「Flarsky(原題)」が控えています。

 

 

 

 

その他のキャストはこんな感じ。

謎のナイトシッター、タリー役に、「ブレードランナー2049」で注目され、「ターミネーター」リブート版の出演が控えているマッケンジー・デイヴィス。

マーロの兄クレイグ役に、「ゼロ・ダーク・サーティ」に出演していたマーク・デュプラス。

マーロの夫ドリュー役に、「アダプテーション」、「死霊館」、「SEX AND THE CITY」のジャック役でも知られるロン・リヴィングストン。

マーロの息子ジョナ役に、本作が長編映画デビュー作となるアッシャー・マイルズ・フォーリカ。

マーロの娘サラ役に、こちらも本作が長編映画デビュー作となるリア・フランクランドなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

「ヤング≒アダルト」が大好きなので、ある意味精神的続編みたいだったらいいなとは思うんですが、さすがにそれはないよなw

果たしてタリーとどんな交流をして心を開放していくののでしょうか。

そしてタリーは何者なのか?

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

またまたシャーリーズセロン体を張った迫真の演技!

そして世のお父さん!子育て奥さんに任せっきりで夜中ゾンビ倒してる場合じゃねえぞ!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人生のケアとは。

2人の子供を育てながら家事も育児も完ぺきにこなすが、3人目を宿し出産することで心身共に限界に達してしまう主人公が、ナイトシッターという救世主によって徐々に生気を取り戻していくまでの心の再生を、意味深な描写や優しさと穏やかな毒気のあるBGM、そしてグサッと心に刺さるセリフなどを要所要所に置き、ナイトシッターがいったい何者なのかという謎を少しづつ解き明かす手法で楽しませ、結果子育てに苦労するお母さんたちへのエールと過去に思っていた将来への憧れを思い出させるステキな佳作映画でございました。

 

正直言いますと、タリーがいったい誰なのか勘のいい人なら予想はできてしまうかと思います。

しかし僕はその大オチよりももっと重要な部分がこの映画にはあるのだと感じました。

それは何でも完ぺきにこなすからと言って家事も育児も奥さんに任せっきりの旦那さんへ向けてのメッセージ。そして、同じように繰り返す毎日にうんざりしてしまっているお母さんたちに、あなたが描いていた将来はこういうありきたりな日常で、しかも明日には別人になってしまう成長の早い子供の一瞬一瞬を、ありきたりな日常だからと言って見逃すことなくちゃんと目に焼き付けてほしいということ、なのかなと。

 

旦那さんは大きな仕事を任されたり出張の繰り返しでさぞ大変な毎日を送っているのでしょう。そして奥さんは子育てによってなかなか眠ることもできず、他の事がおざなりになってしまい疲弊してしまっていることでしょう。

そんな時こそ人生のケアが必要なのだということをこの映画は訴えているのではないでしょうか。

じゃあ人生のケアってなんだよって話なんですけど、それはもう夫婦でもっと話し合って毎日の作業を分担制にするとか、もっと子供たちの事を考えてあげるとか、それこそ劇中に登場するベビーシッターを頼って、空いた時間を有効に使うとか、そんなの百通りです。

お互いが疲れ切ってコミュニケーションをとらずイライラを募らせれば逆効果だということです。

毎日の夜中の楽しみがヘッドフォンつけてゾンビ倒すゲームでいいんですか?夜中にソファでお菓子食べながらジゴロのドキュメンタリー見てただただ悶々としていていいんですか?

まず必要なのはそのヘッドフォンを外し奥さんと会話をすること、奥さんは真っ直ぐ旦那さんの元へ行き肌を重ねること。それがだめなら旦那さんのために趣向を凝らしてウェイトレスの恰好したっていいんです。

まずは向かい合うこと、それが人生のケアへの第一歩なんじゃないかと。

 

あくまで映画に沿って感じたことを書いてるので、決してこれが正しいとは限りません。

なんてたって僕は独身ですしこういう家庭も持っていないからあくまで想像です。

ただとにかく変わらない毎日を変えることが大事なんじゃないかということです。

 

 

 

序盤から痛々しすぎる・・・。

今作で特筆すべきなのは、18キロも増量して3人の子供を産んだ奥さんの役を演じたシャーリーズセロンの演技でしょう

冒頭、3人目の子をお腹に抱えながら、2人の子供の子育てに奮闘するお母さんが映るんですが、もう顔がですね、ひきつってるといいますか目が死んでるといいますか。

生気がない状態で生活してるんですね。

学校に送る際も次男坊がいつも違う駐車場だということにぐずり出すんですよ。それがどんどんエスカレートしていくことで心と頭がパニックになるような演出になっていて、こっちはヤバイセロン姐さん爆発しそう!みたいな気持ちになっていくんです。

その後も次男坊にちょっとした障害があるんじゃないかと学校側から指摘され、特別に先生を雇った方がいい、いやいや確かにうちの子はちょっと手がかかりますけどいい子ですよ?それ以前にうちにはそんな費用出す余裕ないです、と、悩みが一つ増えてしまう。

でもって子供が生まれたことで、ただでさえ忙しく苦労の絶えない毎日を送っているのにさらに負担が増えてしまう。

授乳の度に夜中に何度も起き、母乳を絞り、おしめを換え、泣き止まない子供をあやしながら毎日の炊事洗濯をこなしていく。

これをテンポよく秒ごとで刻んでいくことで、いかにこれが繰り返しの毎日なのかというのを表現し、さらに徐々にいやぁなBGMで感情を煽っていくんですね。緊張感を高めるとでも言いましょうか、マーロ爆発寸前、心が崩壊寸前みたいな。

そんな日々を続けていくことで、どんどんマーロの表情はやつれていくわけです。

 

そしてとうとう学校からそろそろ先生を雇うことをする準備を始めたほうがいいといわれ、心が折れたのか本心むき出しで先生に八つ当たり。

車に子供を置いて、外でファ~~~~~~ック!!!!!と叫んでしまいます。

夕食も冷凍ピッツァに適当な野菜。マーロのルールでは食事中のスマホは禁止ですが、それすら注意することができないくらいくたびれています。

そこに追い打ちをかけるかのように帰宅した旦那さんの皮肉にも聞こえる一言、お、冷凍ピッツァか、ごちそうだな。

 

マーロはようやく兄さんから預かったナイトシッターの電話番号に電話をかける決心をするのです。

 

この時のセロン姐さんの顔は冒頭の時よりもさらに悪化。

ここまでの序盤はホント辛そうで泣きそうでした。

でもこんな感情を抱くことが既にお母さんたちの苦労を知っていない証拠であり、今回そういう意味では、自分の母親がこんな風に自分を育ててくれたのかと思い知らされた次第です。

 

 

タリーへの疑問。

多分始まって10分もしないうちに登場してくるんだろうなぁと思っていたナイトシッターのタリー。

意外にもマーロの心の崩落までをじっくり忠実に描いてるので、中々登場しないんですね。登場するの始まって20分くらいかなぁ、体感的に。

 

夜10時半に来て、授乳以外は彼女が赤ちゃんの面倒をみるんですが、朝起きるとこれまで8年間ほったらかしだった床掃除を完璧に終わらせていたり、有能なお母さんてのはホームパーティーしたりカップケーキ焼いたりするのが、完璧なお母さんなのよと話すと、翌朝カップケーキが作ってあるなど、赤ちゃんのお世話以外もしっかりやってくれる超有能で万能なナイトシッターだったのです。

 

彼女のおかげもあって、夜は熟睡、日中も余裕のある生活を送れ、子供たちからも旦那さんからも表情の変化に気付いていきます。

 

そこで疑問がわくのは、一体彼女は何者なのか?ということ。

もちろんその答えは終盤で明らかになるんですが、意外とえ?これナイトシッターの割にこんなことやあんなこともしちゃうの?いや、させちゃうの?みたいな場面がいくつもあるのです。

まず僕が疑問に思ったのは、彼女が家に到着してすぐの部分。

最初の2,3日はちゃんとノックをしたりチャイムを鳴らして家に入ってくるんですが、次第にノックもチャイムもせず入って来たり、他人の家の冷蔵庫を勝手に開けて腹ペコ~とか言ったり、終いにはちょっと不機嫌な表情で冷蔵庫を開けぶつくさ文句を言う。

おいおい、いくら君の存在がマーロを助けているからって図々しいにもほどがあるぞ!アメリカじゃどうか知らんが、日本じゃ勝手に他人の家の冷蔵庫は開けないって!お母さんから教わらなかったか!?

しかも何が怖いってその行動に何ひとつ文句を言わないマーロ。

 

う~ん、親しい関係だからとりあえずオッケーなのか?

 

タリーはマーロに夫婦関係は良好かどうかを根掘り葉掘り聞いてきます。

きっかけは、気が付くと何気なく見ていた「ジゴロ」というドキュメンタリー番組。

女から金を得ることで生活する男を指す言葉ですが、番組の内容はそんなジゴロがどうやって女を満たすかについて放送されていました。

なぜこんな番組を見ているのか、タリーは不思議でしょうがなく、もしかして旦那とあっちの方はうまくいってる?と聞いてくるんですね。

マーロ自身、妊娠もしていたわけだし子育ても大変で、もちろん返答は「ご無沙汰」なわけで、なぜご無沙汰なのかの原因はマーロではなく旦那の方なんじゃないかとタリーは指摘。パワーが足りないんじゃない?と。

そのパワーを引き出すためには、マーロの色仕掛けが必要、みたいなことを言い出し、旦那の性癖を聞いてきます。

旦那は基本ノーマルだそうですが、高校時代に見たダイナーのウェイトレスのタイトな制服に妙に興奮したというエピソードを思い出し、昔こっそり買ったことがある、でも着たことがない、とマーロは打ち明けます。

タリーはそれを私に着させて!とねだり出し、実際に着て寝ている旦那の上にマーロと一緒にまたがり、耳元で囁いたり、挙句の果てにはボタンをはずしだし、キスまでしてしまうんですね。

 

ちょっとちょっとスト―――――ップ!!!

おいマーロ!!いくらタリーが完璧で人生のケアまで手伝ってくれるからって、自分の旦那の活力を発揮させるためにそこまでする必要あるのか!!!

まぁ確かに了承を得た上に?自分の目の前で行為を始めるのだから?まぁいっか?じゃねえよ!それ色々はみ出しすぎでしょうよ!

さすがにこれは見ていて引きました。一体何考えてるんだマーロ。もうタリーと契約解除しなさい。その方が夫婦仲は向上しないが破たんはしない。

うん、断言する。

 

翌朝昨日はどうだった?と旦那に聞くマーロ。旦那は引き締まった顔で良かったんじゃないか?みたいな返答。お前奥さん以外の女と奥さんの前で寝たんだぞ。普通ごめんとかあんだろ。

ぼ、僕は、き、君という存在がいながら、と、と、とんでもないことをしてしまった!申し訳ないと思っている・・・ぼ、僕にできることは、も、もうこんな過ちは二度としない・・・か、神に誓って・・・

みたいなさぁ。

 

 

そしてとうとうタリーは、赤ちゃんをおいてマーロと小1時間かけてくるまでブルックリンの街へ夜な夜な飲みに繰り出します。

これまでの行動は百歩譲って目を瞑るとしよう。しかし!!今回ばかりは本来しなくてはならない職務を放棄し、しかも授乳中は控えなくてはならない飲酒を薦めるという、とんでもないことをしでかしているではないか!!

タリーよ!!君はいくら若いからって奔放過ぎるぞ!!

何を考えているんだ!!バカ者!!

 

 

と、まぁタリーの行動にいちいち怒り心頭だったわけですが、これ彼女の正体を理解するとすべてつじつまが合うのです

なるほどぉ~~~!!と。

だからかぁ~~~!!と。

 

彼女の行動のほかにも、いくつか謎の描写が存在します。

例えば水中を泳ぐ女性のシーン。映画では大体水中を泳ぐシーンてのは、お腹の中の子供のメタファーだったり、何かが生まれる瞬間だったりを現す描写としてよく用いられるんですが、それも当てはまってはいるんです。

実際マーロはこの夢を見て起き上がり破水するので、あ、子供が生まれるからこの映像が出るんだ、と合点がいくんですが、実はそれ以外でもこの映像が流れます。

 

そしてこの映像と並行して、マーロがマーメイドのアニメを何気なく見ているシーンがサラッと出て来たりするんですね。

 

他にも冒頭久々に再会した女友達が登場するんですが、その後彼女は出てきません。伏線になるはずが回収されていません。これも意味があるんです。

 

果たして一体彼女は何者なのか。その真実が明かされた時彼女の行動を思い出してみてください。

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最後に

女の20代はそれはそれは華やかで何をやっても輝いて見えるけど、女の30代はあっという間でゴミ収集車に乗ってるかのような嫌な思いなのよ、そしてこれまで受けてきた傷をコンシーラーで隠してるだけ。

とこのようなセリフを吐くことで、いかに女性が毎日を生きるのが大変かということを物語っているわけですが、タリーはこう返します。

あなたが夢見ていた将来は、決して華やかな世界じゃない、毎日毎日同じことの繰り返しで苦労の絶えないことばかり。

でも見方を変えてみることで、人生はいつだって見違えるように変化する、そして明日になれば子供たちはまるで別人のように成長してしまうのだから、ちゃんと眠るときはキスをしてあげて。

若干デフォルメしましたがこんなようなことを言ってマーロを励ますんですね。

 

そんな色々自分で抱え込んでしまったせいで負のスパイラルを作り出してしまった主婦に、エールを送る映画でございました。

 

マーメイドの件とかすごく大事なんですけど、これ言うと核心に触れてしまうので伏せますが、彼女の正体が分かった時きっと腑に落ちるしそういう意味だったのかと納得できるかと思います。

ここまで強調したら察しがついちゃうかなw

 

楽曲もいいですよ。007は二度死ぬ。なるほど!

冒頭で「未来のミライ」を引き合いに出しましたが、旦那さん、あなたたちはこっちの映画を見たほうがいいです!よっぽどリアルだ!

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「検察側の罪人」感想ネタバレあり解説 正義の剣を武器に向かい合う2大アイドル。

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8月24日

検察側の罪人

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この夏非常に注目度の高いキムタクとニノの初共演映画がいよいよ公開です。

 

共に2大アイドルとして君臨してきたSMAP

仲が悪いわけではないのに、事務所内の派閥争いに巻き込まれ、お芝居で共演する事ができなかったわけですが、とうとう今回実現になりました。

 といってもSMAPが解散させられたからできたことで、SMAPに思い入れの強いモンキーとしては、正直手放しで喜べる感じではなく、本当ならグループが存続していたときに実現して欲しかった、というのが本音です。

 

まぁ派閥とか解散したから実現したとか、あくまで憶測に過ぎませんが、このタッグは日本人なら見逃すわけにはいかないんじゃないでしょうか。

ある意味歴史が動いた、と言っても過言ではない。

 

いやそれ言いすぎでしょうw

と思ってる方。ポスター観てください。

これまで中央ど真ん中に堂々と立っていた木村拓哉がですよ?

絶対的主役として数々の作品で演じてきた木村拓哉がですよ?

ニノと主役を分け合ってるんですよ?

ニノと肩を並べてるんですよ?

これすごくないですか?人生は上々だ」以来ですよ、2人が主役の作品に出るなんてw

そういう意味でも歴史が、木村拓哉史が動いたと思うんです。

 

数字が取れないからとか世代交代とか色々見えてきそうな部分もありますが、そんなのはどうだっていい!この共演、いやこの対決を楽しもうではないか!と。

そんな僕のちょっとしたジャニーズ愛を感じてもらったところでww

早速観賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 「犯人に告ぐ」や「クローズド・ノート」などで高い評価を得る小説家、雫井脩介原作の同名小説を、社会派映画や戦争映画、時代劇など、膨大なセリフの量と骨太で重厚感のある画作りで観客を魅了する原田眞人監督によって映画化。

 

時候廃止以前の起きた殺人事件や、捜査機関によって生み出されてしまった冤罪など、司法制度が抱える問題に鋭く切り込み、その中枢にいる登場人物たちの葛藤から、この作品のテーマである「正義とは何か?」を問いかけていく原作を基に、エリート検事と駆け出しの若手検事の二人がある殺人事件を巡る対立を描いていく。

 

 

検察側の罪人

検察側の罪人

 

 

 

検察側の罪人

検察側の罪人

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

都内で発生した殺人事件。犯人は不明。

事件を担当する検察官は、東京地検刑事部のエリート検事・最上(木村拓哉)と、刑事部に配属されてきた駆け出しの検事・沖野(二宮和也)。

 

最上は複数いる被疑者の中から、一人の男に狙いを定め、執拗に追い詰めていく。

その男・松倉(酒向芳)は、過去に時効を迎えてしまった未解決殺人事件の重要参考人だであった人物だ。

最上を師と仰ぐ沖野は、被疑者に自白させるべく取り調べに力を入れるのだが、松倉は犯行を否認し続け、一向に手応えが得られない。

 

やがて沖野は、最上の捜査方針に疑問を持ち始める。

「最上さんは、松倉を犯人に仕立て上げようとしているのではないか?」・・・。

 

互いの正義を賭けて対立する二人の検事。

彼らの戦いに待ち受けていた決着とは――。(HPより抜粋)

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監督

今作を手がけるのは原田眞人監督。

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数々の社会派エンタメを作り上げてきた監督。去年の「関ヶ原」では正直あまりのセリフのスピードの速さに頭がついていけず、低い満足度をつけてしまいましたw

 

www.monkey1119.com

 こればっかりは再度観賞して理解を深めようと思ってるわけですが、今回も関ヶ原と同じようなめまぐるしい会話量とハイスピードな流れになってるんでしょうか。

 

まぁでもあれですよ、僕の好きな監督作品に「クライマーズ・ハイ」という作品があるんですが、これもやはり早口で話すし、野郎たちの汗と根性と野心と正義がプンプン蔓延した暑苦しい画が終始続くので、きっと今回もこのテイストで行くんだろうなとある程度は覚悟してます。

そこにキムタクとニノをどう調理するか、楽しみです。

 

 

 

 

 

キャラクター紹介

 

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左上より。

 

  • 最上毅(木村拓哉)

東京地検刑事部本部係検事。

昇進間近と目される、刑事部きってのエリート検事。自らが担当する老夫婦殺人事件被疑者として、過去の未解決殺人事件の重要参考人、松倉の名前が挙がってきたことに、激しく動揺する。松倉の犯行を強く疑う最上に、警察も同調し、捜査方針は「松倉犯人説」へと傾倒していくのだが・・・。

 

  • 沖野啓一郎(二宮和也)

東京地検刑事部検事。

入庁5年目。刑事部に着任したての若手検事。入庁時の研修担当検事であった最上の言葉に感銘を受け、以来、「最上流正義の継承者」と称するほど心酔している。しかし、事件の捜査が進むにつれて、最上は松倉を犯人に仕立て上げようとしているのではないかと疑問を抱くようになる。

 

  • 橘沙穂(吉高由里子

東京地検刑事部検察事務官。

入庁2年目の検察事務官。希望していた刑事部への異動が叶い、沖野の担当事務官に着任。率直であけすけな発言は時に周囲を驚かせるが、実は、誰にも言えない秘密を持っている。

 

  • 諏訪部利成(松重豊

ブローカー。

用意できないものは何もない、囁く闇社会のブローカー。かねてから最上に特別な関心を抱いており、今回の事件でも、最上の立てた捜査方針に有利となる証拠集めのため、陰で動くのだが・・・。

 

  • 丹野和樹(平岳大

衆議院議員

最上の大学生時代からの親友。義父である、政界の大物議員・高島進の秘書を務めている。収賄事件の参考人として、近く東京地検の取調べを受ける予定。

 

  • 弓岡嗣郎(大倉孝二

被疑者

老夫婦殺人事件の捜査過程で、新たに浮上してきた被疑者。居酒屋で酔って、犯行をほのめかす様な自慢話をしていたという目撃証言があり、事件への関与が疑われることになる。

 

  • 小田島誠司(八嶋智人

弁護士

国選弁護人として松倉の弁護を担当することになる。情報提供を持ちかけてきた意外な人物に驚くのだが・・・。

 

  •  白川雄馬(山崎努

大物弁護士

人権派の大物弁護士。小田島を後援する形で、松倉の弁護団を結成する。

 

  • 千鳥(音尾琢真

暴力団員

殺害された老夫婦の息子。警察を信用せず、独自に被疑者への接触を図るのだが・・・。

 

  • 前川直之(大場泰正

弁護士

最上・丹野と法学部時代に同じ学生寮で暮らした旧友。刑事事件も担当する町の弁護士=マチ弁。久住由季の事件を知る一人。

 

  • 青戸公成(谷田歩

警視庁捜査一課警部

老夫婦殺人事件の担当刑事。最上・沖野ら刑事部の検察官と連携しながら捜査を進めていく。

 

  • 松倉重生(酒向芳)

被疑者

老夫婦殺人事件の被疑者の一人。時効となった未解決殺人事件の重要参考人であった男。事件当日に被害者宅をうろついていたという証言から、被疑者として取調べを受けることになる。

 

  • 高島進(矢島健一

衆議院議員

政界・財界に多大な影響力を持つ、大物代議士。収賄事件で、丹野に罪をかぶせて保身を図る。

 

  • 桜子(キムラ緑子

割烹の女将

最上が法学部同期との酒宴で使っている割烹の女将。最上たち常連とも旧知の仲で、大きな声では話せないような裏の話も飛び交う。

 

  • 運び屋の女(芦名星

闇社会の運び屋

諏訪部の指示で動く、謎の女。諜報活動や妨害工作なども行う。

 

  • 最上奈々子(山崎紘菜

最上の娘

最上の妻・朱美は、結婚前にバツイチ子持ちだった。奈々子は前夫との間にできた娘で、最上とは血がつながっていない。最上を「モガ様」と呼んでいる。

 

 

 

 

 

 

 

自分の正義を貫こうとする最上と、その正義に疑問を抱き対立していく沖野。

一体どっちの正義が正しいのか。それとも。

ジャニーズきってのスターと演技派がどんな火花を散らすのか。おおぉ楽しみだ!!

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

権力という剣は、その持ち主次第で神剣にもなれば諸刃にもなる。

正義とは何かをとことん問い詰めた重厚感たっぷりの映画でした!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それぞれの正義。

エリート検事と期待の新人検事による見解の相違から巻き起こる対立を軸に、登場人物それぞれの正義を全うしようと努める姿を、テンポのいい編集と情報量の多いセリフ、時効や冤罪、果ては戦争と政治、宗教的観点からも訴えてくる強いメッセージ性を盛り込んだ脚本で物語の重厚感を構築した、原田節満載の社会派エンタテインメント作品でございました。

 

自分の立場をフル活用して正義を全うしようとする最上。

何か運命めいたものを感じ自分の配下に沖野を置き、これが正義だと言わんばかりの行動や言動を見せつける彼だったが、事件の真相を追うと過去の因縁が立ちはだかり、やがてそれは復讐という名の正義に駆り立てられていく。

 

それに対し最上信者と自称する新人検事の沖野は、最初こそ彼の言うがままに事件の真相を追求するが、神と崇めてきた男の暴走に徐々に不信感を募らせ、ついには対峙していく。

時効を迎えてしまった事件の犯人を、別の事件の犯人に仕立て上げ罰することが正義なのか、それとも法の名のもとに真実を追求することこそ正義なのか。

 

上司と部下

この映画が面白いなと思ったのは、この二人が同じ職場にいる上司と部下だということ。

同じ検事とはいえ立場が対等ではなく、上司と部下なんですね。

上司に絶対的信頼を置いていた沖野は、彼のイエスマンだったので最初こそ彼の言うとおりに取り調べしたり、自分の意見を否定されても心の中で彼の言うとおりだ!と思って自分を殺して捜査を進めていくんですが、ちょっと待てよ?これ何かおかしくないか?と疑問は大きくなっていき、明らかに暴走して職権乱用レベルの事をしでかしてしまっている上司に、言いたいけど言えないもどかしさを序盤で表現しています。

 

うんうんわかるよ、上司の言うことは絶対って空気ありますもんね。

あなたの言ってる事僕は容認できないけど、これで文句とか反発したら色々めんどくさいしややこしいもんなぁ・・・。

でもこれは止めないと冤罪になってしまう、止めなければ!ということで沖野はある決断をするという流れなんですが。

 

まぁこのまま彼の言うとおりにしておけば出世の道も開けたことでしょう。なんてたって上司はエリートで自分をかわいがってくれている、色々親身になって動いてくれる。いい上司じゃねえか。

でも、でもだ、この上司はどこをどう見てもこの事件に私情をはさんでいて、しかも法律を自分のいいように使い、自分の思うような筋書き、ストーリーを描こうとしているではないか。

果たして法という権力をそのようなことに使ってもいいのか?

きちんとそのルールに沿って罪人を裁くべきなのではないか?

と自問自答していくんですね~。

 

だから予告でも流れる二人の緊迫した対峙のシーンでは、沖野が今まで言えなかったことを、ついに最上の前で打ち明けるんですが、沖野の最上に対する尊敬の念と自身の主張で葛藤する姿が非常に印象的でした。

めっちゃ頭掻き毟ってたもんなぁ。

 

 

この物語はそんな上司と部下、先輩と後輩、という日常でもありふれた上下関係から、いかに現在が上のものに物申せない状態なのかを映し出し、それが実は太平洋戦争から始まり、下に罪を着せる政治家、そして歯車の噛みあっていない三権分立などのエピソードも絡めて、どう足掻いても変えることのできない社会そのものを描いてたお話だったのかなと思います。

だからこそラストの沖野の叫びだったのかなと。

ざっくり言えば「言いたいことも言えないこんな世の中はPOISON」だと。

 

最上の正義

じゃあ最上は力を持った悪い奴なのかと簡単には言えない存在なわけで。

過去に自分と親しかった存在が殺され、何度も聴取を重ねても証拠が挙げられず結果事件は時効を迎えてしまい犯人は野放し状態。

そのことがずっと心に残ってたわけなんですね。

そして担当することになった事件の容疑者リストに、その時の容疑者の名前が挙がったことで、ようやく無念を晴らすチャンスが来たと。

今こそおおれの力、いや法の力を使って彼を罰するチャンスが来たと。

ただ闇雲に犯人をでっちあげるとかじゃないんですよね。

 

なんというか「ダークナイト」のトゥー・フェイスを思い出しました。

光の騎士とまで言われた男が、ジョーカーによって最愛の人とどっちが死ぬ羽目になるかをバットマンによって試された結果、いとも簡単に悪の道へと墜ち、コインの裏表だけで有罪か無罪を決めてしまう凶悪な男。

最上もまた今回の事件で親しい人物を殺した犯人に巡り合わなければこんなことにはならなかったのになぁと。

そして正義も悪もコイン同様簡単に裏返ってしまうということを、街の風景を反射して対称に映した冒頭のシーンにも通じるなぁと。

 

沖野の正義

じゃあ沖野は純粋な正義心を持った男なのか?ってのもまた難しいところで。

それこそ研修での最後の最上の言葉に感化され、自分こそ彼の正義の継承者だと自負し検事という職を全うしてきた。

そして共に仕事できたことは彼にとって例えようのない喜びったでしょう。

そんな神のような存在である最上の行動に疑問を抱き、ついには正しいのは彼ではなく自分だと確信する。

結果検事を辞めてしまうんですが、今度は弁護士事務所に行って最上のやろうとしていることを阻止しようとするんですね。

しかも自分を証言台に立たせてくれと。

大人のやる流儀じゃないと小田島と橘に止められるんですが、自分もそこは共感しましたね。だったら辞めずに検事として内側から戦えばいいじゃないか。

いくら相手が正義の道から外れているとはいえ、そこまでしなきゃいけないのかな?と。

まぁどちらかというと彼派なんですが、どうもこのエピソードは腑に落ちなかった部分であります。

 

 

この二人以外にも、事務官の橘の視点やブローカーである諏訪部の視点も加わることで、それぞれの正義が絡む非常に中身の濃いお話だったのではないでしょうか。

 

 

 

キムタクとニノ。

とまぁ、お話に関しては中々答えを出すことが難しい「正義とは何か」という映画だったんですが、監督の前作「関ヶ原」まではいかないにしても、1度では把握できないくらいのセリフの量でして、素直にいやぁ~おもしれえ!!とは言い表せないんですが、役者に関して言えば中々見どころのある作品でした。

 

やはり木村拓哉と二宮和也という平成が生んだ2大アイドルの共演は非常に見ごたえがありました。

 

まずキムタクに関してですが、いつも通りカッコイイ佇まいだったってのは言うまでもなく、どのお姿もスクリーンに映えるオーラを放っていたことは間違いありません。

ピシッと髪の毛を決め、ピシッとスーツを着こなし、タンクトップ姿でひたすら穴を掘り汗ばむ姿もカッコイイ。

そして木村拓哉が検事を演じるということ。

そうです、あのお化け視聴率をたたき出した「HERO」を誰もが思い浮かべるかと思いますが、もうあの久利生公平のような人当たりが良いながらも破天荒で人をかき回し、迷惑ばかりかけてきたチャラい検事の姿はそこにはなく、同じく正義を志すものとはいえ、ここまで違うかというほどの変わり様。

久利生が眩しくて目も充てられないほど輝かしい光ならば、最上は光は光でも眩しいのではなく薄い影を覆ったかのような感覚。うまくいえねえなw

 

これまでどの作品でも弱気を助け強きを挫くヒーローとなって演じてきた木村拓哉が、自分のためだけの正義を掲げ突き進む役柄を演じたのであります。

そして彼の代表作である「HERO」と同じ役職の役。

これは何といいますかこれまでの過去からの脱却といいますか、彼の意志表明といいますか、今後はこういう役もやっていきますよ!という現れにも感じます

またその「HERO」で共演した松重さんや八嶋さんなども参加しているということで、これは「HERO」とは切っても切れない映画だったなと。

 

演技に関してですが、これまでの「座長・木村拓哉」のパターンが多かった作品と比べると、今作はニノと主役を分け合っただけあって、常に存在感を放つような作品でなく、ニノに華を持たせるように引く部分もあれば、いつものように主張する場面もあり、これまでとは違った演じ方をしているなぁと。

それに加え、膨大なセリフの量をひとつひとつ感情を込めて会話する演技は、原田監督作品ならではであり、そこにうまく嵌めてきた、いや準備してきたように思えます。

 

 

そして対するニノですが、僕は彼の事を特に何も考えずその場の空気でサラッと演技してしまう天才気質の役者だと思っていて、今回もその天才気質な演技を堪能できたなと。

しかも大先輩である木村拓哉に物怖じしない演技。

細かいところで彼の人間味が見て取れるんですよね。最上が沖野に何か物申すときとか注文するときに一言発するんですけど、その言葉のチョイスが部下としては100点満点の返しというかw

きっと脚本に書いてあったことを言っただけだと思うんですが、ニノが言うだけでほんとに彼は上を持ち上げるのが巧いなぁて思ってしまう感じ。

だからこれだけ上司にうまく取り繕いヨイショできちゃう柔軟さを持つ沖野を彼が演じるということは必然といいますか、ナイスキャスティングというか。

それあっての中盤以降の葛藤だなと。

 

そして松倉を取り調べするシーンは鳥肌ものです。

被害者の遺体写真を一つ一つ机に並べてくことで場面に緊張感を起こし、それを一気に爆発させる沖野の怒りと罵り。

またニノの怒鳴った声って通るんですよね。室内で響くから余計緊迫する。

ものすごい剣幕で詰め寄る沖野に壊れかける松倉もまた見物なんですが、このシーンは一番インパクトのあるシーンだったんじゃないでしょうか。

 

 

他にも前髪ぱっつんの橘演じた吉高由里子も二人に邪魔にならないような控えめな演技でしたし、諏訪部演じた松重豊もつかみどころのないブローカーで存在感マシマシでしたね。

あとは原田組常連の平武大や刑事役の谷田歩なんかが脇にいるから男クサさが増すしなんてったって画が締まる。

てか久々に真中瞳みたなぁ。あ、今は東風万智子って名前なんですね。

 

まぁ後はモンスター松倉演じた酒向芳さんですね。あんな人どこにいた?めっちゃ怪演でした。

人の目を見ずに挙動不審で、なんかあったら句読点みたいに「ぱっ」と唇を鳴らすあれ。マジで気持ち悪い。

もっと気持ち悪いのは過去の事件を話した時に腰を動かしてたんですよね・・・。あれはさすがに顔をしかめたなぁ。

 

 

 

最後に

最初から画も流れもスタイリッシュだったり、登場人物がどういう者かってのをうまく描き、3部構成で淡々でありながらも順序よく深みを入れてきた事で、重厚感がありながらもそこまでの難解さはなく楽しめた作品ではありました。

しかし後半でのいかにも無理があるところや、緻密さの無い部分が目立ち、ちょっとトーンダウンしちゃったかなぁというのはあります。

橘との恋愛要素も唐突過ぎるしこの作品にそれ要る?それが大人の流儀なのかい?

 

まぁ前半が良すぎたってだけなんですが。

 

法という権力はその持ち主によってどんな剣になるか、という冒頭でのセリフがまさに物語を象徴していた映画でした。

その力によってどんなものも捻じ曲げられることができてしまう怖さ、またそれを止めることができないやるせなさ、そんな構造が今の世の中を作り上げてしまい、蔓延してしまっている、そんなことを訴えた作品だったのかなと。

 

相変わらずとっ散らかった感想ですが、この辺で。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「マンマミーア2/ヒアウィーゴー」感想ネタバレあり解説 前作の設定無視ですか?

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8月24日

マンマ・ミーア!/ヒア・ウィー・ゴー

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続編のニュースを観たときは驚きました。

これ続編どうやんの!?と。

でもやるんですね~。

ソフィに子供が生まれる事をきっかけに、お母さんの過去を知りたくなった。

そのお母さん、ドナの若き日を演じるのがリリー・ジェームズ

あ~彼女が年取ったらメリルみたいになる・・・かなぁ・・・。

まぁいいや。

10年のときを経て、あの陽気で楽しい映画の続編が公開です。

 

話は変わりますが、去年こんなランキング記事を書きました。

 

www.monkey1119.com

 個人的な事情がきっかけで、女性を元気になれる映画をTwitterで募ったところ、たくさんの方から映画を紹介して頂き、せっかくこれだけ集まったのだから記事にしようってことで書いたんですけども。その中で見事5位に選ばれたのが、今回観賞する映画の前作にあたる「マンマ・ミーア!」なんですね。

 

やっぱりミュージカルは受けがいいんですね~。

僕ももちろん好きですし、この映画はとにかく終始明るい、楽しい、加えてABBAなら1曲くらいは知ってるって人も多いでしょうし、親しみやすく耳に残る、そしてロケーションも美しい。

こんなに元気になれる要素がつまった作品の続編なんだから、今回も期待しますよね。

 

というわけで、おさらいも済ませ、早速観賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

世界中の人々に笑顔を与えた母と娘が、さらに多くの人々に幸せを届けるためスクリーンに戻ってきた!

 

愛の女神アフロディテの泉の伝説が残る、ギリシャの夢の楽園カロカイリ島を舞台に、花嫁の本当の父親が誰なのかを探し当てるため、母に内緒でこっそり式に招待することで起きてしまう騒動を、男女混合ポップグループ「ABBA」の名曲たちにのせて豪華俳優陣が踊り歌いながら、陽気に楽しく描いた「マンマ・ミーア!」の続編。

 

今作では母娘の夢だったホテルが完成され、そのパーティーの最中に娘の妊娠が発覚することから物語は始まっていく。

気持ちのすれ違いから夫との危機を迎えていたソフィは、自分の母親ドナは自分を身篭ったときどう乗り越えたのか、、またなぜ3人の父親となぜ出会い別れたのか、という過去と、これから訪れるソフィの未来を展開し、母から娘へ受け継がれていく愛の軌跡を、前作同様歌と踊りで明るく楽しく描いていく。

 

 

マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー ザ・ムーヴィー・サウンドトラック

マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー ザ・ムーヴィー・サウンドトラック

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

どこまでも青く輝くエーゲ海に浮かぶ、ギリシャのカロカイリ島。

母のドナ(メリル・ストリープ)との夢だったホテルを、ついに完成させたソフィ(アマンダ・セイフライド)は、支配人に任命したセニョール・シエンフエゴス(アンディ・ガルシア)と共に、オープニングパーティーの準備に駆け回っていた。

 

人生で最高に晴れやかな日を迎えたソフィだが、その心は揺れていた。

ニューヨークでホテルビジネスを学んでいる夫のスカイ(ドミニク・クーパー)が、そこで働かないかと誘われたのだ。

ニューヨークで新たな人生を始めることに魅力を感じるスカイと、母の夢にこだわるソフィとの間に、かつてない危機が訪れていた。

 

そんな中、ソフィの妊娠が発覚!

ソフィは思わず、若き日の母と自分を重ねる。

ママは一人で私を身篭った時、どんな気持ちだった?

3人のパパたちはどうやって出会って、なぜ別れたの?

 

 

時は遡り、オックスフォード大学を卒業した若き日のドナ(リリー・ジェームズ)は、“自分を見つけるため”に広い世界へと飛び出すことを決意する。

たった一人の家族である母のルビーは、歌手として活躍していた。

ツアーで忙しいとはいえ、娘の卒業式にも来てくれなかった母のもとへ戻る気もなかった。

 

親友のロージーとターニャに見送られ、まずパリへと旅立ったドナは、宿泊先ののホテルで若きハリー(ヒュー・スキナー)と出会う。

父親の経営する銀行を継ぐためパリへ来たというハリーは、自分にはない“自由・情熱・勇気”に満ち溢れたドナに瞬く間に恋をする。

ハリーの一途な思いに心を動かされたドナは、彼と一夜を共にするのだった。

 

だが、ドナの冒険は始まったばかり。

彼女には目指す場所があった。

 

その昔、人々が世界の果てだと信じていたギリシャのカロカイリ島だ。

ところがドナは、数日に1本しかでないフェリーに乗り遅れてしまう。

そこへヨットで気ままな旅を続けている若き日のビル(ジョシュ・ディラン)が現れ、島まで乗せてくれる。

いかにも遊び人のビルからの誘惑をこの時は軽くスルーしたドナだが、彼とのドラマはこれで終わりではなかった。

 

 

宝石のように美しい島に到着したドナは、なぜか丘の上にポツンと建つ、壊れかけた家に引き寄せられる。

人の気配は無く、1頭の馬だけが取り残されていたのだが、突然の激しい嵐に馬小屋が壊れ始める。

助けを求めて外へ飛び出したドアが出会ったのが、若きサム(ジェレミー・アーヴァイン)だった。

力を合わせて馬を救出した二人は、たちまち恋に落ちる。

ドナはこの島でサムと暮らすことこそが“運命”だと感じるが、“レールに敷かれた人生”を始める前に、ひと息の休息をとっていた建築家のサム、ある重大なことをドナに隠していた――。

 

 

そして現在――。

駆けつけたロージー(ジュリー・ウォルターズ)とターニャ(クリスティーン・バランスキー)に、ゴージャスなボールルームロマンティックなテラスなど、ホテルの見どころを案内するソフィ。

ところが突然、嵐の到来を告げる雷が鳴り響く。

このままではフェリーが欠航し、スペシャルゲストのニューヨークのセレブやパーティーを盛り上げるバンド、さらには取材のメディアも来られず、パーティーは台無しだ。

 

慌てるソフィを“3人のパパ”の一人であるサム(ピアース・ブロスナン)が助けてくれる。

20年ぶりに再会したときのプロポーズ以来、サムはドナ愛を捧げ続けていた。

だが、頼りになるサムにも嵐を止めるには不可能だ。

あとの“2人のパパ”からは、パーティーに出席できないと言われていた。

ハリー(コリン・ファース)は東京でビジネスの重要な契約があり、冒険家のビル(ステラン・スカルスガルド)は作家としても成功し、ストックホルムで授賞式があるのだ。

 

果たしてソフィはパーティーを成功させることができるのか?

スカイとの愛の行方は?

そしてソフィの中に宿ったかけがえのない命は――?(HPより抜粋)

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監督

今作を手がけるのは、オル・パーカー

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前作は「マーガレット・サッチャー/鉄の女の涙」のフィリダ・ロイド監督でしたが、今作は彼に白羽の矢が刺さったようです。

僕は全く聞いたことない監督なんですが、ジュディ・デンチ主演のヒューマンコメディ「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」の監督だそうで、あ、この人ならいけるかも?と感じました。

 

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ちゃんとユーモアもあるしエンタメに仕上がっていたところから、とにかく明るく楽しい「マンマミーア」にはピッタリの監督ではないかと。

しかも今作は原案と製作総指揮に「ラブ・アクチュアリー」、「アバウト・タイム」のリチャード・カーティスが加わっています。頼もしい!

 

 

 

 

 

キャラクター紹介

 

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思いっきり書き写しですが・・・。

 

  • ソフィ(アマンダ・セイフライド)・・・母との夢である新装ホテルオープンが間近に迫るも、スカイとはすれ違いが多く危機的な状況にある。そんな中様々な出来事通じて母の強さや深い愛に気づいていく。

 

  • ドナ(メリル・ストリープ)・・・シングルマザーとしてホテルを切り盛りしながらソフィを育て上げる。前作で娘の父親候補3人と再会しサムからプロポーズを受ける。
  • 若きドナ(リリー・ジェームズ)・・・大学卒業後、ギリシャのカロカイリ島を目指し運命探しの旅に出る。その先々で後のソフィの3人のパパ候補に出会う。

 

  • ルビー(シェール)・・・ドナの母でありソフィの祖母。世界中を飛び回自由奔放な人生を謳歌してきたが、ホテルのオープニングパーティーに突然姿を現す。

 

  • サム(ピアース・ブロスナン)・・・建築家。ホテルの改装を手伝いながらオープン準備に追われるソフィを傍で支える。
  • 若きサム(ジェレミー・アーヴァイン)・・・カロカイリ島でドナと恋に落ちるがある重大な事実を隠していて・・・

 

  • ハリー(コリン・ファース)・・・エリート銀行家。日本に出張中だったが急遽ソフィのために駆けつける。
  • 若きハリー(ヒュー・スキナー)・・・パリ滞在中にドナと出会い人生で最高の〈初体験〉をする。

 

  • ビル(ステラン・スカルスガルド)・・・冒険家兼作家。栄誉ある授賞式をほっぽり出してソフィの下に向かう。
  • 若きビル(ジョシュ・ディラン)・・・ドナ曰く“キケンな女たらし”。ヨットでドナをカロカイリ島まで乗せてくれる。

 

  • セニョール・シエンフエゴス(アンディ・ガルシア)・・・ホテル支配人。スペイン語を話すこと以外謎に包まれている。

 

  • ターニャ(クリスティーン・バランスキー)・・・ドナの親友。結婚と離婚をくり返しイイ男には目がない。相変わらずクールだが、懐の広さは変わらない。
  • 若きターニャ(ジェシカ・キーナン・ウィン)・・・ドナの島暮らしに反対するなど現実的な一面を持つ。友達思いのしっかり者。

 

  • ロージー(ジュリー・ウォルターズ)・・・皮肉屋な一面は増しつつも最近は涙もろい。もうビルには未練はないと言っているが。
  • 若きロージー(アレクサ・ディヴィーズ)・・・ビルに一目惚れするがドナに気を遣い身を引く。失恋の痛手から食に走りがち。

 

  • スカイ(ドミニク・クーパー)・・・ホテル経営を学ぶためにNYに滞在中。本当h亜ソフィを呼び寄せたいのだが・・・。

 

 

 

 

 

 

 

前作と同じメンツに加え、過去のエピソードには新しいキャストも加わる大所帯になっております。

きっとウキウキワクワクするような歌と踊りのオンパレードなんでしょう。

ここから観賞後の感想です!!

 

感想

いつも通りの歌って踊ってに心も体もリズムをとってしまう楽しさ!

でも監督や、前作みてますか?

色々設定が変わってて全然繋がってないんですけど・・・。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

簡単な見どころ。

母と共に切り盛りしてきたホテルのリニューアルパーティー。そこで起きる夫婦間のすれ違いやアクシデントなど、前日から当日までに起こる問題から解決までを、母であるドナの若かりし頃の回想シーンと共に描くことで、いかにして一人の女性が母となっていくか、そして子を授かることで改めて理解する母の偉大さ素晴らしさを惜しみなく映し、前作同様ABBAの楽曲による歌とダンスで終始観衆を魅了させるひたすらハッピーな作品でございました。

 

相変わらずの底抜けに明るいシーンの連続で、鑑賞中指や足でリズムをとりたくなるほど素晴らしい歌の数々、その歌を歌う役者陣の歌のうまさに惚れ惚れしてしまいます。

そしてその歌とダンスを彩る熱い日差し、青々とした海、島の人々たちといったカロカイリ島の絶景、この二つが合わさって初めてマンマミーアになるんだなと感じた続編でありました。

 

役者陣も全作と同じキャストでこれも嬉しい。10年も経った成果みんな貫禄が出てしまってはいますが、特にスリーファーザーズが揃う瞬間は待ってました!と声に出したくなる喜び。

いいですか皆さん、今回はこの3人にアンディガルシアが加わるんですよ!!なんですかこの豪華さ!!

劇中でもなんどかこの4ショットが映るんですが、たまりません!おじ様好きでなくてもこれは贅沢だなぁと感じるシーンでありました。

 

もちろん女性陣も。

今回はソフィを真ん中にして「ドナ&ザ・ダイナモス」の復活があり、終盤ではミディアムテンポの歌で感動を誘ってくれます。

え?ソフィが真ん中?ドナは?

・・・そこは後で書きます・・・。

過去パートでもリリージェームズの抜群の歌唱力と、ターニャとロージーそっくりの若かりし2人のおかげで、前作では見れなかったキレッキレの動きを見せてくれる「ドナ&ザ・ダイナモス」が拝めます。

 

 

そして今作の肝は、母がどうやってこの島へたどり着き自分を生む決心をしたのか、党う前作では語られなかったエピソード。

なぜパパ候補が3人になってしまったのか、ドナの身に何が起きていたのか、どうしてこの島でホテルを経営しようと決意したのか、そしてどうしてソフィを産もうと決心したのかといういくつもの謎を、現在のソフィの身に起きる出来事とリンクさせて描くことで、一人で育てたドナの献身的な愛に、そして生まれてくる子供に父親がいることに感謝し、母から子への愛を受け継いでいく、そんな物語になっておりました。

 

と、このように前作の雰囲気をキチンと継承し、ホテルの再建のさなかに起きる出来事を親子別々の視点で描くことで絆を紡いでいく、これぞマンマミーア!な映画でありました。

 

主役はソフィと若いドナ。

で、お話に関してですが、前作から何年後の話か知りませんが、今回の主役は娘ソフィと若かりし日のドナであります。

2人にとって人生が変わる特別な日を現在と過去の2つの時間を並行して描いていく、という構図で展開されていくんですが、まず言わせてほしい。

前作の設定は無視ですか?と。

 

詳細については後で書きますが、僕の満足度としてはこの時点でだいぶ下がってます。

まずはこれだけ先に言わせてください。

前作の設定無視してます。

 

 

とはいうものの、相変わらず登場人物たちは素敵な歌とダンスを見せてくれるのでひたすら楽しいことに変わりありません。

冒頭からソフィがベランダで歌を歌えばすぐ回想シーンが始まり、リリー演じる若かりし日のドナの卒業式で先生や生徒たちを巻き込んでの熱唱。

あ~今回もどんなにうれしいことがあっても悲しいことがあってもハッピーを貫いてくれるんだね!そうそうこれだよ俺が見たかったのは!!とウキウキモードで見ていたわけですが、今回は前半部分に関してはかなり静かな歌を中心に構成されていてオープニングの勢いはどこへやら。

 

それもそのはず。

これは核心に触れてしまうんですがド頭から衝撃なので言っておくと、ドナは死んでしまってます・・・。

思わずえっ!?死んでるの!?と。

どうやら1年前に亡くなっていて、その悲しみからまだ抜け出せないでいるソフィという心境から物語が始まっているので、どうしても前半はその悲しみが水面下で漂っていて、しかもソフィとスカイはカロカイリ島のホテルを切り盛りするか、それともスカイが働いているNYで二人で暮らすかで言い争ってしまうという展開。

なのでここで歌われる楽曲もしんみりしたもの。

 

しかも前作で思いを告げ20年後押しに結ばれたドナの夫、サムもまたドナを思って「S.O.S.」をしんみりバラード調で歌う始末。

 

おいおい・・・前作で描かれたような「どうしよう・・・そうだ歌おう!」精神はどこへ行った!いや歌ってるが歌で笑い飛ばすようなあの感覚はどこへ行った!って感じでどうにもノレない・・・。

 

しかもパ―ティーの準備の最中に嵐がやってきて、会場はめちゃくちゃ、お客さんも島へやってこれない。せっかくの料理や装飾が台無しに。

きっとこの後ステキな流れにはなるってわかってるとはいえ、なかなか気分が乗れないんですよね。

 

 

しかし現在パートはこんなアクシデントや問題が降りかかっているんですが、過去パートはドナの明るく前向きな性格が前面に押し出された内容で見ていて楽しいです。

 

卒業を終え単身パリに向かいまず出会うのがハリー。

若かりしハリー、ちょっとヘタレです。

何故なら彼童貞だったんですねw

前作でも一番最初で最後の女性と言っていたので、その理由がここで明かされるのかと。

彼との食事では「恋のウォータールー」にのせて熱意たっぷりに愛を歌うハリー。それにこたえるドナ。

これがハリーとの一夜に繋がるわけで、ソフィはもしかしたらこの時にできた子かもしれないと前作では悩むわけだったんですね。

 

その後カロカイリ島へ向かう船に乗れず、たまたまそこにいたビルと船に乗って島へ向かうことに。

途中どうしても恋人に愛を伝えたいという男に遭遇し花嫁のところまで送る2人。

そして島へたどり着くもビルとはここでは何も起きず、一人島を堪能するドナ。

 

後のホテルとなる場所にいた馬を助けようと嵐の中走り回るドナの前にバイクでさっそうと現れる男、それがサムでした。

彼と一気に恋に落ち、彼が島を離れるまでの間夢中になる2人でしたが、サムには秘密が。

その秘密がバレてしまい、ドナは怒り悲しみに暮れます。

 

そこへ再びやってきたビルと船で楽しいひと時を過ごす、こうやって3人と関係を持ってしまうんですね~。

これでようやく前作で描かれなかった馴れ初めが明かされるわけです。

 

 

前作の設定はどこへ?

とまぁ、こうやってようやく観てるこっちはドナが島で暮らす謎を知れたわけですが、前作を憶えている方なら色々疑問がわくと思います。

 

 

前作でヤギ小屋に押し込められた3人の男たち。そこに人の気配がしてドナはそっと屋根裏部屋を覗くんですが、その時ドナの目には当時出会った頃の3人に見えるんですよね。

 

その時の3人はハリーがヘビメタの恰好、ビルはロン毛で遊び人的風貌、そしてサムはヒッピーでした。

きっと今回もそんないで立ちで現れるのだと思ってましたが、おい!全然前作の時と違う設定じゃねえか!と。

 

今作で描かれた若かりしハリーは一応革ジャンを着ており、ギターケースを背負っているので、まぁ遠からず近からずなファッション。しかしとてもロックを愛する男のような感じには見えません。ヘビメタでなくパンクファッションの方が近かったなぁ。

そんなハリーは前作で自分がゲイにであることに目覚め、カロカイリ島で新たな相手を見つけたんですよね。

今回その彼、出てきません。

いやいやそこ出しておこうよぉ~。サイドストーリーとして必要でしょ~。しかも今回ハリーがゲイであることをあまり大っぴらにしてない感じで話が進んでいて、何のための前作の設定だったんだよ、と。

 

ビルはまぁギリギリセーフですかね。船を持っていてチャラチャラしている。

ただ若かりしビルにロージーが一目ぼれしてるんですね。

あれ?確か前作でロージーの猛烈アプローチによってビルと結ばれたんはずですが、あれって昔から募らせた思いが実を結んだってことなの?

そんなセリフ前作であったっけ?

今回この件はどっか後付けの匂いがしてなりませんでした。

あとね、ドナが経営するホテル、あれビルの大叔母から譲ってもらっただったか、遺産で立て直したとかそんなセリフがあったと思うんですが、その大叔母が今回出てこないんですよね。もしかしたら、あの土地の持ち主だといったダイナーのおばちゃんがそうなのかな?と思ったんですが、そこには触れず。

ここも回収してほしかったですね。

 

そしてサム!

彼ヒッピーでも何でもねえじゃねえか!めっちゃ好青年でした。

彼に関してのツッコミはそこらへんかな。

あとは前作で語られた通り、既に婚約者がいて君を思いながらも島を離れてしまった、というのはちゃんと前作から引き継がれていますね。

ただこの3人の中で一番重要視しなきゃいけないサムのはずなのに、全然エピソード薄くて出番も少なくて。

何なら2度登場したビルの方が印象に残るエピソードになっていて。

しかもなぜこの順番で寝ておいて、ソフィの父親はきっとサムだと前作で睨んでいたのか理解ができない。何だ一番ヤッた回数が多かったからか?

 

で、一番僕がこれがなきゃダメだろうと思ったのはドナの日記です。

これが一度も出てこない

彼女が残した日記は前作で大事なアイテムでそこにすべてが書かれていたにもかかわらず、今回書く素振りもなければ日記というワードすら出てこない。

ここで彼女が想いを認めないと前作が活きてこないでしょうが。

すみません、コメント下さった方々からご指摘があり、日記は普通に登場し書いているシーンがちゃんんとあったそうで、完全に見落としていました・・・。

ただこのアイテムは前作の物語のきっかけをもたらす重要な役割があったのでもっと活用してほしかったですね。

 

とまぁこのように前作でできた伏線や設定を全く活かすことなく進んでく過去のエピソードに疑問ばかりだったわけであります。

 

 

最後に

今回ドナの過去のエピソードと並行するんですが、ぶっちゃけ現在の物語と何のかかわりも持たないんですよね。

誰かが回想するわけでもなく、急にドナの若い時のエピソードが始まる。だから明らかに観衆用に用意されたシーンなんですよね。

例えばソフィが再び母を思い出して日記を引っ張り出して想像するとかならまだわかるんですが、何の前触れもない。

すごく悪く言うと意味がないんです。

単純に最後の子供の洗礼式でのシーンに深みを与えるためのものでしかなく(とはいえここでめっちゃ泣いた・・・)、

それ以外は特に物語として絶対必要というわけではないんですよ。

これは何とかしてほしかったですね。

ハリーの会社の会議室になんて書いてあったか見ました?「整合性」って書いているんですよ。全然整合性ねえじゃんw

あ、このシーンで一瞬日本の女性お笑い芸人が映るんですが気づきましたでしょうか。思わず笑ってしまいましたw

 

でもでもでも!!

「ダンシング・クイーン」を歌いながら島を訪れてくるハリーとビルご一行のシーンから始まる後半はアガること間違いなしです。

そうそうそう!俺が見たかったのはこの何十人もの人たちが名曲を歌って踊るシーンなんだよ!と。

前作では女性たちだけで入江まで走りながら歌って踊るシーンでした。ちゃんと途中枝を持ってるおばあちゃんも出て来たし。

それを今回は島民と島へやってきた人たちで喜びを分かち合うシーンになっていて非常にこの場面は満足しました。

 

まとめとしていいところと悪いことろが極端すぎてとても高い満足度にはならなかったんですが、それでも前作が好きな人には見てほしいなとは思うし、なによりABBAの歌は素晴らしいのです。元気が出るのです。

欲を言えば、アンナスローテンポな歌ばかりでなく、前作みたいに「gimme gimme gimme」とか「money money money」とか、あとは「S.O.S.」も「チキチータ」もオリジナルに近いので歌ってほしかったですね。

 

 

とりあえずエンディングは前作同様ダサくて派手なあの衣装で歌ってくれますよ!あれがないと締まらん!

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10


モンキー的2018年9月期待の新作映画

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8月25日

モンキー的2018年9月期待の新作映画

 

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こんにちは。夏休み映画でおなかいっぱいのモンキーです。

やっぱり繁忙期の映画館てのは賑わっていていいですね。

その分マナーの悪いお客さんもいらっしゃるので大変ではありますが。

 

9月は基本的にはド派手で大規模な作品よりも中規模だったりおとなしめの作品が多いのが印象的。

ランキングも上旬こそ夏休み映画が席巻してそうですけど、下旬になればガラッと秋興行の雰囲気に変わっていくでしょう。

というわけでモンキー期待の映画、9月もかなりあるんです!

どうぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

寝ても覚めても

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

9月1日公開

 

  • 出演

 

 

丸子亮平/鳥居麦・・・東出昌大

泉谷朝子・・・唐田えりか

串橋耕介・・・瀬戸康史 ほか

 

 

  • 解説

 

 

数々の国際映画祭で主要賞を受賞した「ハッピーアワー」で注目された濱口竜介監督の商業映画デビュー作。

大阪に暮らす21歳の朝子は、麦(ばく)と出会い、運命的な恋に落ちるが、ある日、麦は朝子の前から忽然と姿を消す。2年後、大阪から東京に引っ越した朝子は麦とそっくりな顔の亮平と出会う。麦のことを忘れることができない朝子は亮平を避けようとするが、そんな朝子に亮平は好意を抱く。そして、朝子も戸惑いながらも亮平に惹かれていく。(映画.comより抜粋)

 

  • 期待どころ

 今年のカンヌ国際映画祭では「万引き家族」がパルムドールを獲り話題を独占しましたが、共に日本代表としてコンペディションに選出されたのが今作。

話題としては万引き家族の陰に隠れてしまったわけですが、演技経験のない女性4人を使って5時間弱という上映時間で作られた「ハッピーアワー」の濱口監督の商業映画第1作目ということで興味。

残念ながらハッピーアワーは観てないんですが、彼の作品を知るには今回の作品のほうが入りやすいのかなぁと。

同じ顔を持つ二人の男ってのはどういうメタファーなんですかね。

一人の人物の二面性とかを現しているのか。もしかしたらそんな難しい話ではないのかなw

 

 

 

 

 

 MEG ザ・モンスター

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youtu.be

期待度☆☆☆★★ 

 

 9月7日公開

 

  •  出演

 

 

ジョナス・テイラー・・・ジェイソン・ステイサム

スーイン・・・リー・ビンビン

ジャック・モリス・・・レイン・ウィルソン ほか

 

 

  • 解説

 

 

未知の深海で太古の巨大ザメ「メガロドン」に襲われる人々のサバイバルを描いた海洋パニックアクション。

人類未踏とされるマリアナ海溝をさらに超える深海が発見され、沖合に海洋研究所を構えた探査チームが最新の潜水艇で調査に乗り出す。幻想的な未知の生物が生きる深海の世界を発見し、心躍らせる一同だったが、その時、巨大な「何か」が襲いかかってくる。レスキューダイバーのジョナス・テイラーは、深海で身動きがとれなくなった探査チームの救助に向かうが、そこで200万年前に絶滅したとされる、体長23メートル、体重20トンにも及ぶ巨大ザメのメガロドンに遭遇する。(映画.comより抜粋)

 

 

  •  期待どころ

 恥ずかしながらジェイソンステイサム主演作品をほとんど観たことがありません。

あるのはリボルバーくらいかな・・・w

もしかしたら今作はスルーするかもしれませんが、一応話題作ということで。

 

ステイサムがサメと戦うというお話ということで、一体どうやって戦うのよw。

MEGという名のサメは、あのジョーズの3倍以上だそうです。

て、言われてもピンときませんw

要はクソでかいってことですかね。とりあえず逃げろステイサム。

 

 

 

 

 


 泣き虫しょったんの奇跡

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★ 

 

 9月7日公開

 

  •  出演

 

 

瀬川晶司・・・松田龍平

鈴木悠野・・・野田洋次郎

新藤和正・・・永山絢斗 ほか

 

 

  •  解説

 

 

「青い春」「ナイン・ソウルズ」「I'M FLASH!」などでタッグを組んできた豊田利晃監督と松田龍平が、棋士・瀬川晶司五段の自伝的小説「泣き虫しょったんの奇跡」を映画化。

おとなしくて何の取り柄もなかった「しょったん」こと瀬川晶司は、将棋で初めて周囲から認められたことをきっかけに棋士の道を目指す。ライバルや師匠との出会いを経て着々と実力をつけた彼は、プロ棋士の登竜門である奨励会に入会。しかし「26歳までに四段昇格できなければ退会」という規定へのプレッシャーに負け、退会を余儀なくされてしまう。大きな挫折を味わい絶望に打ちひしがれる晶司だったが、将棋を愛する気持ちや仲間たちに支えられ、再びプロ棋士を目指すべく立ち上がる。(映画.comより抜粋)

 

 

  •  期待どころ

年齢というリミットを過ぎてもなお、プロ棋士の夢を諦めず追いかけ成し遂げた男の物語。

藤井聡太7段というとんでもない天才のおかげで将棋ブーム再燃の真っ只中ですが、向こうが才能ならこっちは努力の天才なのかな。いやどっちも努力かw

 

3月のライオン」や「聖の青春」と 昨今の将棋映画はどれも良作揃いですが、まさか「青い春」コンビが将棋の話をやるとは誰が思ったでしょうか。

監督はどうやら奨励会にいたほどの腕の持ち主だそうで、いつかは将棋をテーマにした映画を撮りたいと思っていたのでしょう。

しかも実話だそうです。こんな方がいたんですね。 

 楽しみな1本です。

 

 

 

 累 かさね

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youtu.be

期待度☆☆☆★★ 

 

 9月7日公開

 

  •  出演

 

 

淵累/丹沢ニナ・・・土屋太鳳

淵累/丹沢ニナ・・・芳根京子

烏合零太・・・横山裕 ほか 

 

  •  解説

 

 

キスをすると顔が入れ替わる不思議な口紅に導かれた2人の少女を主人公に、美醜をめぐる人間の業を描いた松浦だるまの同名コミックを実写映画化。

伝説の女優を母に持つ淵累は、天才的な演技力を持ちながら、顔に大きな傷がある自身の容姿に強いコンプレックスを抱きながら生きてきた。一方、舞台女優の丹沢ニナは美貌に恵まれながらも花開かず、女優として大成することに異常な執念を募らせていた。累の手元には、その口紅を塗ってキスをすると顔が入れ替わるという、母が遺した1本の不思議な口紅があり、ある日、導かれるように出会った累とニナは、互いの足りない部分を埋めたいという目的のため、口紅の力を使って入れ替わることを決断する。(映画.comより抜粋)

 

 

  •  期待どころ

 え~実はこれ公開日よりも3ヶ月早く観賞させて頂く機会がありました。

 

 

土屋太鳳という女優をちゃんと観るのは初めてで、僕はこの方を勝手なイメージで膨らませていましたが、この方の演技には驚かされました。

こういう引き出しも持っているのかと。いい意味で裏切られましたね。

感想に関しては公開日にアップします。

 

 

 

 

 

 500ページの夢の束

 

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

 9月7日公開

 

  •  出演

 

 

ウェンディ・・・ダコタ・ファニング

スコッティ・・・トニ・コレット

オードリー・・・アリス・イブ ほか

 

 

  •  解説

 

 

ダコタ・ファニングが自閉症を抱える少女を演じ、ある思いを胸に500ページの脚本を届けるためハリウッドを目指す旅の中で、少しずつ変わっていく少女の姿を描いたハートフルストーリー。

自閉症のウェンディは「スター・トレック」が大好きで、自分なりの「スター・トレック」の脚本を書くことが趣味だった。ある日、「スター・トレック」の脚本コンテストが開かれることを知った彼女は、渾身の一作を書き上げる。しかし、郵送では締め切りに間に合わないことに気づき、愛犬ビートとともにハリウッドを目指して旅に出る。(映画/comより抜粋)

 

 

  •  期待どころ

 妹に負けじと女優業を頑張っているダコタファニングの主演作。

恐らく「ザ・ランナウェイズ」以来の観賞になるのかなぁ。だいぶ前だなw

自分の目的のためにハンディを克服しながら旅をすることで彼女にどんな気持ちが芽生えるのか、そして無事脚本を渡し採用されるのか。

なんとなく結末は予測できるんですが、僕はそこよりも「スタートレック」を扱っていることに興味津々。

あくまでにわかではありますが、僕スターウォーズよりスタートレックのほうが好きです。

映画版はすべて見てますがドラマはさすがに追いかけるのが厳しすぎる。

精神と時の部屋があったらドラマ版全話観賞のために使いたいですよホント。

 

 ちょっと目線がずれてますが総じて楽しみ。

 

 

 

 愛しのアイリーン

 

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youtu.be

期待度☆☆☆☆☆ 

 

 9月14日公開

 

  •  出演

 

 

宍戸岩男・・・安田顕

アイリーン・・・ナッツ・シトイ

塩崎・・・伊勢谷友介 ほか

 

 

  •  解説

 

 

「ワールド・イズ・マイン」「宮本から君へ」など社会の不条理をえぐる作品で知られる新井英樹が、国際結婚した主人公を通して地方の農村が内包する問題を描いた同名漫画を実写映画化。新井の漫画が映画化されるのはこれが初めてで、安田顕が主演、「ヒメアノ~ル」の吉田恵輔監督がメガホンを取った。

42歳まで恋愛を知らず独身でいた岩男が、久しぶりに寒村にある実家に帰省する。しかし、実家では死んだことすら知らなかった父親の葬式の真っ最中だった。そんなタイミングで帰ってきた岩男がフィリピン人の嫁アイリーンを連れていったため、参列者がざわつき出し、その背後からライフルを構えた喪服姿の母親ツルが現れる。(映画.comより抜粋)

 

 

  •  期待どころ

今年の吉田監監督は、 兄弟姉妹が抱える愛と憎しみを、笑いと涙のヒューマンドラマに仕上げ世に解き放った「犬猿」を2月に公開したばかり。

確かその試写会のトークショーで、もう少ししたら情報が解禁されるといってたんですがこの映画のことだったんですね。

原作は知りませんが、予告を観る限りあの良作「ヒメアノール」よりもシリアスでバイオレンスな予感がします。

でもそこは吉田監督なので、何かしらのユーモアはぶっこんでると思いますけどねw

 

 

 

 

 プーと大人になった僕

 

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

9月14日公開

 

  • 出演

 

 

クリストファー・ロビン・・・ユアン・マクレガー

ヘイリー・アトウェル

プー(声)・・・ジム・カミングス ほか

 

 

  • 解説

 

 

ディズニーの人気キャラクター「くまのプーさん」を初めて実写映画化し、大人になった親友クリストファー・ロビンとの再会と、その先に待ち受ける新たな冒険を描いたファンタジードラマ。

かつて「100歳になっても、きみのことは絶対に忘れない」と約束を交わしてプーさんと別れた少年クリストファー・ロビンは、大人になった現在は愛する妻や娘とロンドンで暮らしながら、多忙な日々を送っていた。そんなある日、仕事のことで悩んでいた彼の前に、プーさんが姿を現わす。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 今僕にとって一番カワイイクマはパディントンなんですが、この映画を機に再びカワイイクマの代名詞を奪還することができるのか。

 というのはおいといて、今作はかつて共に過ごしていたくまのプーさんが、大人になったロビンの前に再び現れたというところから始まるようで、そこから予想するに、当時の少年の気持ちを忘れてしまったロビンに、もう一度あのときの気持ちに戻ってもらおう、そんなお話なのかなと。

そう考えると非常にディズニーらしい作品になっているのではないでしょうか。

 

どうでもいいですが、なんで「プー」でなく「プーさん」てさん付けなんですかね。

 

 

 

 

 

響 HIBIKI

 

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

9月14日公開

 

  • 出演

 

 

鮎喰響・・・平手友梨奈

祖父江凛夏・・・アヤカ・ウィルソン

花井ふみ・・・北川景子 ほか

 

 

  • 解説

 

 

これが映画初出演となる「欅坂46」の平手友梨奈主演で、文芸の世界を舞台に15歳の天才女子高生小説家を主人公にした柳本光晴の人気漫画「響 小説家になる方法」を映画化。

出版不況が叫ばれる文芸界。文芸雑誌「木蓮」編集部に一編の新人賞応募作が届く。応募要項を一切無視した作品のため、破棄されるはずだったその作品に編集者の花井ふみが目を留めたことから、状況は大きくは変わり始める。「お伽の庭」と題されたその小説は、15歳の女子高生・鮎喰響によって書かれたものだった。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 欅坂46でセンターを務める彼女の主演作。若くしてグループのセンターで踊り歌う彼女も、カリスマ性とかスター性とか含めて、ある意味天才だよなぁってのは感じる。

めっちゃ堂々と踊ってるじゃん。動き堅いけど。

そんな彼女が天才を演じるのだからきっと嵌るんだろうとは思う。

 

ただ違和感があるのは、小説がすごいことよりも彼女の存在が異質でそれでいて説得力があるみたいな話になってそうで。

原作読めってことか。ちょっと読んでみるかな。

 

あとは予告がかっこいいのに中身がなかなかのスベりっぷりだった「センセイ君主」の月川監督だけあって今回も予告はドキドキする。

今回もそれにつられて見に行きます。

 

 

 

 

 

ザ・プレデター

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

9月14日公開

 

  •  出演

 

 

ボイド・ホルブルック

トレバンテ・ローズ

ジェイコブ・トレンブレイ ほか

 

 

  •  解説

 

 

1987年の1作目公開以来、世界中に多くのファンを生み出した「プレデター」シリーズの正統続編として製作されたSFアクション。

1人の少年が謎の装置を起動させたことにより、かつて人類を恐怖の底に突き落とした危険なハンター「プレデター」を宇宙から呼び寄せるシグナルが発信された。驚異的な格闘センスや戦闘能力、そして侍を彷彿とさせる武士道を持ち合わせるプレデターは、異種交配により遺伝子レベルでアップグレードして再び人類の前に出現。さらに、規格外のパワーを誇る究極のプレデターまでもが姿を現す。(映画.comより抜粋)

 

 

  •  期待どころ

 僕はプレデターの新作を観にいくんじゃなくて、シェーン・ブラック監督の新作を観る、という形で観ようと思ってます。

プレデター自体にそこまでの興味はないので。

今回「ワンダー/君は太陽」のジェイコブ君が出演ということで、彼と誰かのバディムービーという監督得意の方向になってたら面白いんだけど、きっとかねてからのプレデターファンは怒るんだろなぁw

 

 

 

 

 

 

 スカイスクレイパー

 

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youtu.be

 期待度☆☆☆★★

 

 9月21日公開

 

  •  出演

 

 

ドウェイン・ジョンソン

ネーブ・キャンベル

ノア・テイラー ほか

 

 

  •  解説

 

 

人気アクション俳優ドウェイン・ジョンソンが、片足を失い義足となった元FBI人質救出員の主人公を演じ、高さ3500フィート=約1000メートルの超高層ビルで発生した火災から、家族を守るため奮闘する姿を描くアクション。

元FBI人質救出チーム隊長のウィルは、香港のビクトリア湾の一角に建つ超高層ビル「ザ・パール」の98階に、家族とともに暮らしていた。ある日、ビルのオーナーであるツァオに呼び出されたウィルは、ビルの安全管理システムを24時間以内に分析してほしいと依頼され、ビルのセキュリティに関する権限を与えられるのだが……。

 

 

  •  期待どころ

 今年はジュマンジランペイジ、とケモノと戦うザ・ロック様が続きましたが、なんですか今回は炎ですか?

超高層タワーマンションを舞台にしたパニックアクションとなると、「タワーリング・インフェルノ」を思い出すんですが、当初モロパクリじゃんwと思ったら、どうやら火災が起きてドウェイン・ジョンソンが助けに行くって話じゃないんですね。

あっちは自然発火と責任者の怠慢からなる火災で、こっちは誰かの仕業で、その罪を擦り付けられる主人公って構図。

 予告を観る限り高いところからのジャンプが見せ場のようですが、他にもドキドキするアクションが観たいなぁ。

ただなんだろう、彼の映画って年1回でいいんだよなぁw

 

 

 

 

 クワイエット・プレイス

 

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youtu.be

 期待度☆☆☆☆☆

 

 9月28日公開

 

  •  出演

 

 

エヴリン・・・エミリー・ブラント

リー・・・ジョン・クラシンスキー

リーガン・・・ミリセント・シモンズ ほか

 

 

  •  解説

 

 

「ボーダーライン」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のエミリー・ブラントが主演、ブラントの夫でもある俳優のジョン・クラシンスキーが監督・脚本を手がけ、全米でスマッシュヒットを記録したサスペンスホラー。

音に反応して人間を襲う「何か」によって人類が滅亡の危機に瀕した世界で、「決して音を立ててはいけない」というルールを守り、生き延びている家族がいた。彼らは会話に手話を使い、歩くときは裸足で、道には砂を敷き詰め、静寂とともに暮らしていた。しかし、そんな一家を想像を絶する恐怖が襲う。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 多分この映画なら、連れと喋りながらとか、大きな音を立ててモノを食べるとか、携帯の電源ONのまま、もしくはマナーモードにした状態で観ることはできないんだろうな。

だって音出したら即死なんでしょ?こうなったら劇場にも「決して音を立ててはいけないルール」を発動してさ、スタッフが監視してマナーの悪い奴らを一斉摘発して劇場から出てってもらおう。

今までこういうことして周りに迷惑かけたやつらを罰することができるいい機会だと思うの。

 

と、ここまでやったらかなりの臨場感が出そうなこの映画。なんてったってクワイエットプレイスなんですから。

きっとBGMも本筋に入ったらないんでしょう。それがウリなんだろうから。無音状態にすることで極限まで緊張感を高めて、何かが襲ってきたところでぎゃああああああっ!!!!!!となるんでしょう。

ホラーめっちゃ苦手ですが、昨今の良質スリリングホラーだった「イット・フォローズ」も「ドント・ブリーズ」も劇場で見逃した僕にとっては、アメリカでヒットしたホラーも頑張って見に行こうと思ってるわけで。

 

 ちなみに子役のミリセント・シモンズちゃんは実際に聾唖の方で、「ワンダーストラック」でも聾唖の子役として演技をされてました。

きっと彼女今回も活躍してくれるはず。

 

 

かごの中の瞳

 

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

9月公開

 

  • 出演

 

 

ジーナ・・・ブレイク・ライヴリー

ジェームズ・・・ジェイソン・クラーク

カーラ・・・アナ・オライリー ほか

 

 

  • 解説

 

 

「007 慰めの報酬」「ネバーランド」のマーク・フォースター監督、テレビシリーズ「ゴシップガール」のブレイク・ライブリー主演によるサスペンス。

夫のジェームズと赴任先のバンコクで幸せな結婚生活を送るジーナは、子どもの頃に遭った交通事故が原因で失明してしまったが、献身的な夫の支えで何不自由のない生活を送っていた。ある時、医師のすすめで受けた角膜移植により片目の視力を取り戻した彼女は、心から喜ぶ一方で、初めて目にした夫の姿が夢想していた素敵な夫ではなく、地味で冴えない中年男だったという現実に直面する。これまで眠っていた好奇心や冒険心が目覚め、流行りのファッションで着飾り、外の世界へと飛び出していくジーナ。そんな妻にジェームズは疑念と嫉妬を感じるようになる。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

スターリンの葬送狂騒曲」を観賞した際、今作の予告が流れて興味。

 この映画を作った監督マーク・フォスターは、14日公開の「プーと大人になった僕」も監督しており、両方今年作ったのかと思ったら、こっちはなんと2年前の作品のようです。

でも正直プーさんよりこっちのほうが楽しみではあります。

今まで見えなかったものが見えたとき、そりゃあ世界観変わるでしょう。

あれアタシ結構いい顔してんじゃね?で何、こんなきれいな顔したアタシのダンナはきっとハンサムなんでし・・・ってあれ?と。

 目を治さなければ関係は良好だったのに、それをしてしまったことで生まれる新しい世界への欲望、その行為に抱く嫉妬と疑念、夫婦はこの歪を埋めることはできるのか。

あぁ面白そう!

 

 

 

 

その他の話題作

 

  • 1日公開

・SPL 狼たちの処刑台(「イップ・マン」監督による人気シリーズ第3弾)

・君の膵臓をたべたい(昨年実写映画となった作品をアニメ映画化)

  • 7日公開

・ブレス/しあわせの呼吸(アンディ・サーキス初監督作品)

  • 21日公開

・コーヒーが冷めないうちに(有村架純主演のハートフルヒューマン)

・食べる女(豪華女優陣で「食」と「性」について描く)

・パパはわるものチャンピオン(人気プロレスラー棚橋弘至主演で映画化)

  • 22日公開

・純平、考え直せ(野村周平がチンピラ役で主演)

  • 28日公開

・散り椿(岡田准一主演×木村大作監督の時代劇)

 

 

 

 

 

 

9月は3連休があるのでその前日である14日に話題作が集中しています。

僕も4本あるのでこれはしんどいなぁ。どれを後に回すか悩み中です。1本でも試写で見ておいたらラクなんだけどなぁ。

 

というわけで以上!あざっした!!

映画「アントマン&ワスプ」感想ネタバレあり解説 前作以上にユーモアもアイディアもいっぱいだった!

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8月31日

アントマンアンドワスプ/アントマン2

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シビル・ウォー」以来の登場となる「アントマン」。その2作目がいよいよ公開です。

 

今年はキャラもスケールも倍増した「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」が結末も含めて世界的に話題となりましたが、彼は登場しませんでした。

なぜアントマンは登場しなかったのか。

それが今回に明らかになるのでしょう。

 

 

そして今作が来年公開の「アベンジャーズ」最新作に繋がる内容になっているそうなので、非常に楽しみです。

ま、そこも大事ですけど、「アントマン」はコメディとしても十分に楽しめるお話ですし、なんてったってキャラがいいですからね、そこも注目です。

そして!アントマンに相棒ワスプが加わるのですから、この掛け合いも楽しみ

おっちょこちょいで頼りなさ過ぎるヒーローと、気の強い完璧すぎるヒロインがどんな共闘をするのかこれも楽しみ!!

 

う~ん、みどころ多すぎるぞアントマン!!

というわけで早速観賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

バツイチ、子持ち、前科持ちの男が娘の期待にこたえるため、体長1.5cmになるスーツを装着し、アリを率いて戦うヒーローとなり、ついにはアベンジャーズの仲間入りも果たした男アントマンの続編。

「シビルウォー」での戦いの結果、FBIの監視下に置かれてしまったスコット・ラングのその後が今作で明らかになる。

今作ではパンク・ヒム博士の娘ホープがアントマンの相棒ワスプとして登場。

伸縮自在のヒーローコンビが、博士の研究所を狙う敵たちと激闘を繰り広げていく。

 

 

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あらすじ 

 

頼りなさすぎるヒーロー、アントマン(ポール・ラッド)と完璧すぎるヒロイン、ワスプ(エヴァンジェリン・リリー)。

2人の前に、すべてをすり抜ける神出鬼没の謎の美女ゴースト(ハンナ・ジョン=カーメン)が現れる。

 

ゴーストが狙うのは、アントマン誕生の鍵を握る研究所。

敵の手に渡れば、世界中であらゆるもののサイズが自在に操られてしまう。

さらに、金目当ての武器ディーラーからの襲撃や、アントマンを監視するFBIの追跡も加わり、人や車、ビルなど全てのサイズが変幻自在に変わる“何でもアリ”の大騒動に!

ユニークなパワーと微妙なチームワークで、アントマンとワスプは世界を脅かす“秘密”を守り切れるのか……?(Movie Walkerより抜粋)

 

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監督

今作を手がけるのは、前作に引き続きペイトン・リードf:id:monkey1119:20180821100019j:plain

 ここ最近のMCU作品は興行がいいということ、それと世界観を崩さない事を優先させているのか、基本監督を続投させている傾向が強いです。

ガーディアンズもスパイダーマンもそうですね。

きっとブラックパンサーもライアン・クーグラーでやるんでしょうし、ドクターストレンジもスコット・デリクソンで作るんでしょう。

非常にいいことです。

 

1作目の時はエドガー・ライト監督が製作するはずが降板。代わりに白羽の矢がたったペイトンリード監督に、少々の不安とやっぱりエドガーのが観たかった!なんて気持ちもありましたが、ふたを開けてみればヒーローの特性を生かしたアクションとコメディセンスを最大限に生かし、ヒーロー映画でありながらしっかり監督の作品性が出ていた良作映画でした。

 

そんな監督の過去作を簡単にご紹介。

アメリカの高校を舞台に、チアリーディングに情熱の全てを賭けた女子高生たちによるスポ根青春映画「チアーズ!」で注目を浴びたあと、女流作家とプレイボーイのロマンティックコメディ「恋は邪魔者」、そして監督作品で一番有名とされる作品で、ネガティブ男が全て答えをイエスということを誓ったことで起きる騒動を描いた「イエスマン/“YES”は人生のパスワード」などがあります。

 

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キャラクター紹介

 

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左上より。

 

  • アントマン/スコット・ラング(ポール・ラッド)

 

元々は優秀なシステムジニアだったが泥棒することになってからは転落人生まっしぐら。しかしヒム博士の自宅に侵入し、スーツを盗んだことがきっかけで博士と交流をもち、2代目アントマンを襲名し人生を変えるために生まれ変わる。

サイズを縮小して潜入したりそれを駆使視して戦闘を行う。アリと電波で意思疎通を行い操ることも可能。

「シビルウォー」でキャプテンアメリカに加担し、ソコヴィア協定に背いたことからFBIの監視下に置かれてしまい、自宅軟禁状態となっていた。そのため「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」には出演していない、らしい。

今作ではこのシビルウォーでの戦いがきっかけで、博士とホープから任務を依頼されるとのこと。

 

  • ワスプ/ホープ・ヴァン・ダイン(エヴァンジェリン・リリー)

 

天才科学者ハンク・ヒム博士の娘にして2代目ワスプ。

前作のラストで父から母が来ていたスーツの改良型を渡されワスプとして活動することに。

スコットに格闘技を教えていただけあって、戦闘スキルはかなりの上級レベル。その身体能力を活かしアントマンと共に研究所を守るミッションを遂行していく。

あらゆるもののサイズを変えられるブラスターで敵を攻撃できる。

 

  •  ハンク・ヒム博士(マイケル・ダグラス

 

人間の体を小さくするヒム粒子を開発した天才科学者。

かつてはシールドに在籍していたが、トニーの父ハワードらと袂を分かつ形に。

初代アントマンとして妻と共にヒーローとして活躍していたが、任務中に妻が原子よりも小さい量子世界に入ったため行方不明となった過去がある。

今作では研究所を謎の女ゴーストに狙われてしまい、彼女に対抗すべく再びアントマンに協力を依頼する。

 

  • ジャネット・ヴァン・ダイン(ミシェル・ファイファー

 

ヒム博士の妻であり初代ワスプ。

夫との任務中に原子世界から量子世界へ入ってしまったことにより消息不明となっていた。

夫のヒム博士は妻を捜すために量子世界の研究を進めていた。

 

  • エイヴァ/ゴースト(ハナ・ジョン=カーメン)

 

その名の通り体を消し、どんなものでもすり抜ける能力と脅威の破壊力を持つ今作の敵。

アントマン誕生の秘密が隠された研究所を狙う神出鬼没の女性。

 

  • ビル・フォスター(ローレンス・フィッシュバーン

 

 かつてハンク・ピムとジャネットの研究仲間だった科学者。ハンクとは互いに尊敬し合う仲だったが、とある共同実験にまつわることから友情が壊れ、ある種の恨みを抱き合う関係に。“量子の世界”からジャネットを捜し出すというハンクの計画に、不承不承ながら巻き込まれていく。(HPより)

 

  • キャシー・ラング(アビー・ライダー・フォートソン

 

生意気で大人びた態度も可愛いスコットの9歳の娘。

両親の離婚によって、ママのマギーやそのパートナーであるパクストンと暮らしているが、パパとも会うことができる環境にいる。

どんな時でもパパのことが大好き。スコットが再びアントマンとなって活躍できるよう、パパのために願っている。(HPより)

 

  • ジミー・ウー(ランドール・パーク

 

スコットを監視するFBI捜査官のチーム・リーダー。生真面目すぎて空回りすることも。(HPより)

 

  • ソニー・バーチ(ウォルトン・ゴギンズ

 

 ブラックマーケットで暗躍する武器ディーラー。金目当てで“アントマン誕生の秘密”が隠されたハンク・ピム博士の研究所を狙う。(HPより)

 

  • ルイス(マイケル・ペーニャ

 

スコットの泥棒仲間にして親友。

前作でスコットと共に博士の部屋からお宝を盗む事を計画した仲で、本題はいるまでが異様に長く、相手を度々イラつかせてしまうほどのおしゃべりだがスコットへの信頼は厚く、何気に強い。

前作ではスコットに協力を依頼され、イエロージャケット退治に一役買ったことで更正。

今作では警備会社“エックス・コン・セキュリティ”を設立し社長として忙しい日々を送っている。 

 

  • マギー・ラング(ジュディ・グリア

 

 スコットの別れた妻。

娘のキャシーや今の夫パクストンとともに暮らしている。相変わらず頼りないスコットに少々あきれ気味だが、スコットを含む4人のユニークな“家族関係”を大切にしている。(HPより)

 

  • パクストン(ボビー・カナヴェイル

 

マギーの現在の夫で警官。

以前は、トラブル・メーカーとしてしかスコットを見ていなかったが、アントマンとしての活躍とキャシーへの献身的な愛情を知ってからは、良好な関係に。

互いにキャシーの父親としての立場を尊重し合っている。(HPより)

 

  • カート&デイブ(デヴィッド・ダストマルチャン/ティップ・“T・I”・ハリス

 

ルイスと共に警備会社“エックス・コン・セキュリティ”に勤務するスコットの泥棒仲間。

デイヴはあやゆるものを盗むプロで車の運転も担当。カートはハッキングのプロで前作ではスコットの侵入のサポートをし活躍。

 

 

 

 

 

 

 

 

はい、というわけで再びヒム博士によって依頼されたお仕事は、研究所を守ること。

ワスプと共に素晴らしいコンビプレイを見せてくれることでしょう!そしてホープの母ジャネットを見つけることができるのか?

前作で量子世界に飛び込み何とか脱出できたアントマンでしたが、アレは奇跡でした。

今回うまく入ることができるのでしょうか!

そしてそして!この物語がどうアベンジャーズに繋がっていくのでしょうか!?やっぱり量子世界に関係が?

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

でっかくなって!ちっちゃくなって!

母ちゃん救うために大活躍するアントマンとワスプのコンビが超楽しい!

しかし!敵が弱くないか・・・。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前作以上にアイディアがたくさん!

シビルウォーでのアントマンの活躍によって、博士の研究が知れ渡り追われる羽目になったハンクとホープ。その償いと彼らの母親探しのために自宅軟禁中の中、再びスーツを着て奮闘するアントマンの姿を、前作以上にユーモアを織り交ぜ、愉快痛快なコメディアクションへと昇華し、さらには親子の愛はたとえ監獄だろうが軟禁状態だろうが、果ては量子世界だろうが思いは必ず伝わるという普遍的な絆でハートフルに仕上げた、マーベルシネマティックユニバース史上、最もミニマムで最もノーマルでストレートな娯楽映画でございました!!

 

 

語ることは沢山なりますが、まず感想として言いたいのは、前作以上にアイディアとユーモアに富んでいたことでしょう。

 

前作でも普通の世界が小さくなることで視野もアイディアも広がり、普段我々が過ごしている世界を小さくすることで、何気ない現象が実は小さな視点で見るとよりオーバーなものになるという、大小の比較を見せることで笑いに持っていく、画期的かつ斬新なヒーロー映画を構築したわけですが、今作はさらにそれを活用しております。

 

例えば、予告編でもあった博士のラボは、リモコンで作動すればキャリーケースサイズになり、持ち運びが可能になる場面や、カーチェイスに至っては、車にシステムを組み込み伸縮自在にすることで、追われていたとしても小さくなることで回避出来たり、車の下にもぐりこんでそこで元に戻せば、相手の車をひっくり返すことができる。

今作はこのラボと車が非常に物語に重要なアイテムになっていて、何度も登場しますし、これを活かしたアクションだったり、争奪戦へと展開していきます。

 

 

このアイディアを活かしてのアクションバトルも非常に楽しく見せるわけですが、今回はアントマンとワスプ2人いるので、絶妙なコンビプレイを見せてくれます。

敵であるゴーストと戦う際には、パンチを小さくなってかわしたと思ったら、小さくなってたもう片方が普通サイズに戻り打撃をお見舞い、今度はゴーストがそっちに気をとられている間また小さくなり、もう片方がパンチやキックをおみまいする一連のアクション。

他にも任務を分担してのラボ奪還作戦や一連のミッションで、前作ではなかったコンビプレイで楽しませてくれます!

 

そしてワスプ初お披露目ということで彼女単体のアクションもアイディア満載。

まず量子世界へ行くために必要な素材を闇ルートで手に入れるべく、武器ディーラーのバーチと接触。そこで取引に問題が発生し、強引に奪うことに。

ワスプにはアントマンと違い背中に羽根がついており、自由自在に飛ぶことが可能。しかもブラスターで相手を攻撃できるので、アントマンよりも効率よく敵を仕留めることができるというもの。

銃弾を見事に交わしたり、小さくなって相手を錯乱させ、その隙を見計らって相手を一撃で倒す戦闘能力も披露。

素材をもって厨房に逃げた相手とのバトルでは、モノを大きくできるブラスターで、ソルトケースを大きくし出口を塞いだり、投げつけてくる包丁もうまく交わしたり、小さくなった状態から敵に肉たたきでモグラたたきゲームの要領で追いかけられるも、見事に交わすなど、アントマンとはまた違った戦い方を見せてくれます。

 

 

また今作の敵であるゴーストの存在もアクションをさらに面白くさせます。

彼女は量子世界の実験の事故により体の細胞がバラバラになってしまうことで、どこでも何でもすり抜けられる体になってしまっていました。

だから姿を消すこともできるし、体内に手を突っ込むことも可能。

これがバトルになると打撃は当たらないし、チョークスリーパーをかけてもすり抜けられてしまう。

この透明な体の敵と伸縮自在なヒーローが、かわしてかわしてかして!からの、一瞬の隙をついての打撃というアクション。

 

力と力のぶつかり合いでなく、技と技との繰り出し合いでもない戦い方であり、特殊能力を使ってのスピード感あふれるアクションバトルとして非常に面白く仕上がっておりました。

 

これまでのマーベル映画は規模が大きい作品ばかりでしたが、普通サイズまたはミニマムサイズになったとしても、アイディア次第でここまでアクションを面白くできるということを、今回新たに加わった相棒や敵の能力、さらにはアイテムによって改めて証明させてくれた映画だったのではないでしょうか。

 

 

 

ユーモアだって盛りだくさん!

アントマンの面白いところはコメディ俳優ポール・ラッドのコメディセンスももちろんながら、ヒーローとしてのユーモアもふんだんに取り入れていることろ。

それが今回は前作以上にたくさんありました。

 

 

まずはアントマンとしてのユーモア。

アントマンスーツ改良版の伸縮システムのコイルが故障していることで、何度も不具合を起こしてしまい、それが笑いに変わるというもの。

博士の人生の結晶でもあるアントマンスーツを壊したといってたスコットでしたが、実は隠してあった。

それをトロフィーの中に隠していたが、娘のキャシーが学校にもっていってしまった。ということで学校に侵入しトロフィーを取りに行くんですが、ここでスーツに不具合が生じ、中途半端に小さくなってしまい小学生サイズ、いやそれ以下になってしまい、教室のドアを開けるにも娘のロッカーからかばんをとろうにも一苦労してしまうという一連のアントマンギャグ!

しかも学校の先生に後ろ姿を見られ、必死に逃げるわけですが、体が小さいがためにめっちゃ遅いw終いには、博士に学校楽しかったか?みたいなことを言われ、いじられるというオチw

 

他には、ラボを持って逃げるバーチを追う場面。

船で逃げてしまったために海辺までいかないと彼に追いつけないんですが、ここで飛ぶことができない彼は羽アリを呼ぶんです。しかし、何匹も呼ぶたびにカモメに食われてしまうw

やっとのことで羽アリ、名称アントニオ・バンテラス(アリだけにw)に乗れたのもつかの間、カモメが追いかけてきて、あっけなくアントニオとお別れ・・・。

ここでもスーツに不具合が生じ、大きすぎる体に。

そこで船のガイドが、このサンフランシスコ沖にはクジラが繁殖していて…なんて説明があり、遠くから大きな波が立つんですね。あ、クジラが早速お目見えですよ!なんてガイドが言ってたら、きれいなドルフィンキックを見せるアントマンの足w

ジャイアントマンになったアントマンはバーチの持っているラボを奪い返すことに成功する、笑い満載のシーンでした。

 

 

他には、スコットは自宅軟禁中のため、外出したらFBIにすぐ連絡がいくように足に追跡装置をつけて生活しているんですね。

そこに博士とホープのために、母親探しを手伝わなくてはいけない任務が。

でも自宅から出ることができない!どうしよう!ということで、ここでデカくなったアリさんの登場。

アリの足に追跡装置をはめて、スコットが普段している行動を信号で送ることで、FBIにバレないようにするんですが、スコットは普段家でサイレントドラムをたたいて日常を過ごしていて、アリも同じことをするというもの。

劇中で家が心配になったスコットでしたが、博士が映像で確認するとアリがドラムをたたいており、君は15歳か!?とツッコまれる一連の流れに腹抱えて笑いましたw

 

このアリは他にも、家を荒らしたりしているところをルイスに叱られる場面や、風呂に使っている場面などで笑わせてくれます。

 

 

あとですね!

今回はポール・ラッドのコメディセンスも最高に際立ってるんです。

スコットは前作で量子世界に足を踏み込んでいたこともあって、その世界で行方不明になっているホープの母親・ジャネットと精神的に繋がっているんですね。

その繋がる時ってのが、博士が作った量子トンネルを解放した時なんです。

 

素材とラボをゴーストから奪還し、いざ量子トンネルを解放したけどうまくいかない。

どうして!?と困惑するホープと博士でしたが、画面はスコットに。急に首をかしげてアルゴリズムを変えなきゃ!と勝手にパソコンをいじり出すスコット。

おいおいお前プログラミングできないだろう!何勝手にいじって・・・え?ジャネット?

んふ♡30年ぶりにいじるから大丈夫かしら!

そうです、ジャネットがスコットの身体に乗り移ってるんですね~。

この時のポール・ラッド、完全に心も体も女性になり切っていて、表情も手の動作も完全に女性化してました。

これがまぁ笑えて笑えて!!

またその姿を見てお母さんだ!とちょっと涙目になるホープもおかしいし、感極まる博士もウケるw3人でしっかり手をつないでいたと思ったら、元に戻るスコット、からのさっきまで繋いでた手を映して、またひと笑いw

この時のポール・ラッドの演技がとにかく面白く、場内は爆笑でした。

 

 

もちろん僕らのマイケル・ペーニャのユーモアセンスも健在。

バーチが博士の行方を捜すため、FBIに手を回しルイスの存在を知り、彼らの会社に乗り込むんですね。で、精神をコントロールする薬を注射して全てを吐かせようとするんですが、ルイスはあ!自白剤だ!っていうんですよ。

手下は自白剤じゃないといってるのに。

そこからは自白剤だ、そうじゃねえ!の繰り返し漫才的掛け合い。

そして前作でも描かれた、本題になかなか入らないルイスの漫談w

結果自白剤だったんですけど、自白するする部分がスコットとの出会いからで、そこからホープとスコットの馴れ初めやら何やらで、バーチが聞きたい博士の居場所にたどり着くまでめっちゃ時間がかかる長いなが~いルイスの漫談。

何でしょう、よ!待ってました!って気持ちと、話長えよ!というツッコミと両方が入り混じった時間でございましたw

やっぱり彼の活躍は絶対見たかったので見れてよかったですね。そして前作以上に早口だった気がw

 

他にもたくさん笑い処があるんですが、全部話すわけにはいかないのでこの辺で。

 

 

ちょっと不満も。

アイディアとユーモアで楽しませてくれた今作ですが、お話に関してはちょっと不満。

というのも、ここ最近のMCUは途中でも書きましたが、規模がデカいんですよね。

それこそここの前やったアベンジャーズ/インフィニティ・ウォーは宇宙にまで行く壮大なお話になっており、その後のこういうこじんまりとしたヒーロー映画ってちょうどいいちゃいいんです。

きっとそういうのも見越しての公開順だったと思うんですけど。

 

で、今回アントマンが戦わなければいけない敵がゴーストという敵。

博士がビルという旧友をクビにしたことで、助けられなくなった少女がその正体だったわけで、過去の行いが火種を生んでしまったという、よくあるパターンだったわけですが、そこまで強い敵ではないんですよね。

きっとそれを考慮したと思うんです。これだけじゃ物足りなくない?と。

だからアントマンを追う役目を他にも増やした。

それがFBIであり、武器ディーラーであるバーチだった。

結果アントマンは3つの敵から追われる羽目になるんですが、どれも別に大して強くないわけです。

なんというかきっと3つ合わせればそれなりの強さだけど、ゴーストをメインにしたいから強さを分散して物語を作り上げているというか。

 

まぁ簡潔に言うと、敵に強さや魅力がない、バックボーンが弱いなぁと。

もちろんエイヴァは事故によって両親を失ったことに加え普通の人間ではなくなり、体を直してあげるからというエサにつられ、S.H.I.E.L.D.によってエージェントに仕立て上げられてしまった、しかも命残りわずか、などといった悲しい過去がありました。

だから彼女が普通の身体に戻したいがために博士の研究を執拗に狙うというのは気持ちとして同情できるんですが、そのために命がけで血眼で追いかけているかというと、その気迫さが足りないというか描写が弱いというか、もっというと卑怯になれてない。

その卑怯になれてないのも、ビルという博士と犬猿の仲でありながらも科学者として一人の善良な人間としてプライドを持っている、いかにも中途半端なキャラのせいもあり。

だから博士の行方を探すときにキャシーをさらうって考えをとめないでやらせたら、必死さが伝わるのになぁと。

あとは特殊能力オンリーで武器とかあったらよかったのに、とか。

で、一番のそれないわーってのが、ジャネットによって普通の身体に戻っちゃうという締め。

もちろんハッピーエンドだからアリっちゃあアリなんですけどねぇ。ちょっと残念。別に死んでほしかったとかそんな話ではないんですけども。

 

彼女に関してはこれくらいにして、あとはバーチってそこまで必要な存在だったのかなぁと。

彼の後ろにいる黒幕が今度のMCUあるいはアントマン続編に絡むような新たな敵の片鱗を見せてくれたら重要なんだろうなぁとも思ったんですが、彼もやはりキャラとして弱いよなぁと。

 

 

 

最後に

とはいえ、全体を通してみれば僕が望んでいたアントマンとしてちゃんとお話は成り立っていましたし、アクションも楽しい、ユーモアもある、全然満足でございます!

 

で、こんな明るく楽しいアントマン続編なのに、エンドクレジットのオマケ映像!!!

ここでそう繋げてくるわけですか!!

アントマン&ワスプ ウィルリターン?ですよ。

やべえ、超気になる!!!

 

MCUの今後がどうなるかものすごく気になる終わり方でしたが、今回のアントマンも親子の愛や絆をテーマとし、例え離れていても時が経っていても子を思う気持ちは変わらない、素晴らしい家族の在り方を見せてくれました。

 

まさかね、スコットの元奥さんの旦那バクストンがあんなにスコットを受け入れてるとは…wこれも家族の愛ってやつかw

是非次回は彼もルイスと同じくらいのパフォーマンスをお願いしたいですね。

 

あとマイケルダグラスがそんなの着てくれるの!?って驚きもありましたねw

大御所なのにまだそういうの着てくれるんだ!と。

細かい部分でのちょっとした喜びでした。

 

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「SUNNY(サニー)/ 強い気持ち強い愛」感想ネタバレあり解説 平成最後の夏、あの頃に会いに行きませんか。

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8月31日

SUNNY(サニー)/強い気持ち強い愛

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スタンダップ♪ダ~ンスをしたいのはだ~れ?

スタンダップ♪ダ~ンスをしたぁいのはだ~れ?

はいはいはああ~~いっ!!!

 

 とハイテンションで始まる今回の映画感想。

そうです!僕の大好きな韓国映画「サニー/永遠の仲間たち」を大根仁監督がリメイクすってんでこりゃあよくやった!よくリメイクした!

しかも舞台は現在と音楽シーンが彩った1995年。

音楽はTKこと小室哲哉

完璧でしょう!

 

地下鉄サリン事件や阪神淡路大震災といった暗い話題ばかりが多かった年。(あれ、さっきのテンションは・・・)

それ以外にも社会や経済、テクノロジー、流行など全てにおいて90年代を象徴する出来事が多かった年。(なんかクソ真面目だな・・・)

それが1995年。

 

そんな時代の移り変わりや大きな事件を見つめ、あの桜井和寿

「何が起きても変じゃない そんな時代さ覚悟はできてる」

と、秩序のない現代にドロップキックをかましたにもかかわらず、時代を憂い嘆いた末の答えをサビにぶつけ、自分の中の快楽欲求へ訴える愛の歌でリスナーの心を癒していったわけです。

 

そんな90年代を代表するモンスターバンドと共に、90年代のポップカルチャーを彩った小沢健二は、この「強い気持ち強い愛」で世の中の人たちに、どんなに辛い出来事がおきたとしても、日々の中での些細な出来事や他者とのかかわりによって、僕らは夢や希望を持ち、それによって赦され救われていくことが生きていくことなんだ、そんな思いを胸にこの街は深く僕らを抱いていくんだよと、悲しい出来事が続くこの年に、極上のポップチューンから来る神々しさでパーッと華やぐ魔法をかけ、いくつの悲しみも残らず捧げあう気持ちを歌い上げ、いつしかあらゆる人々の心のベスト10第1位へとさせた、J-POP史に燦然と輝く素晴らしい楽曲を作ったのであります!!!

 

それを今回サブタイトルにまで使ったわけですから、ちゃんと演出しねえと許さねえぞ!オレの心のベスト10第1位に何してくれてんねん!!とならないようにお願いしたいのであります。

そして引用しておきながらこの映画にミスチルは一切関係ないという・・・。

 

 

前置き長くてスイマセン!

そしてうまいこと何ひとつ言ってねえ!

うるせえ!いつものことだ!

 

それだけこの年は良くも悪くも印象に残った年なんですよ、だから思いはひとしおですし、それだけこの映画にかける期待もいつも以上なのです。

というわけで多くの期待を寄せて早速観賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 末期がんを患ったかつての親友に再会した主人公が、彼女の願いをかなえるために昔の仲間探しをしていく物語を、現在と当時の回想をめぐりながら綴ることで、当時の時代背景に懐かしみ、かつて苦楽を共にした仲間たちに思いを馳せていく傑作青春映画「サニー/永遠の仲間たち」。

今回「モテキ」の大根仁監督により、現在とコギャルで賑わった95年を時代背景にリメイク。

また当時を象徴するファッションや音楽を徹底的にリサーチし表現したことも話題となっており、当時を懐かしむ要素が満載の、あの頃の日本を思い出させてくれる青春映画へと生まれ変わった。

これまで作品ごとにJ-POPをうまく使い分けて演出し、心の琴線を刺激してきた監督。

今作で一体どんな仕掛けを施すのか。

今年一番笑ってなける青春映画が平成最後の夏を駆けめぐる!!

 

 

「SUNNY 強い気持ち・強い愛」Original Sound Track

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SUNNY 強い気持ち・強い愛 (幻冬舎文庫)

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あらすじ

 

 

日本中の女子高生がルーズソックスを履き、空前のコギャルブームに沸いた90年代、そんな時代に青春を謳歌した女子高生の仲良しグループ「サニー」のメンバー6人は、20年以上のときを経てそれぞれ問題を抱える大人になっていた。

 

専業主婦の奈美(篠原涼子/広瀬すず)は、ある日、久しぶりにかつての親友・芹香(板谷由夏/山本舞香)と再会するが、彼女は末期ガンに冒されていた・・・。

 

「死ぬ前にもう一度だけ、みんなに会いたい。」

 

芹香の願いをかなえるため、奈美が動き出す。

 

裕子(小池栄子/野田美桜)、心(ともさかりえ/田辺桃子)、梅(渡辺直美/富田望生)、そして奈々(池田エライザ)、かつての仲間は無事、芹香の前に再集結できるのか?

 

夢と刺激で溢れていた高校時代と、かつての輝きを失った現在の2つの時代が交差して紡がれる物語は、ラスト、“強い気持ち”と“強い愛”によって、予想もしていなかった感動を巻き起こす!!(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

監督

今作を手がけるのは大根仁。

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モテキ、バクマン。SCOOP!、民生ボーイ狂わせガールと、どの作品も当時の自身を投影したかのような青春模様とサブカル要素と楽曲チョイス。

どの主人公も監督の生き写しみたいに見えてきたりもするんだよなぁ。

でもそれが全然アリ。てか、僕は大好きなんですよ監督。どこもツボなんだよなぁ世代が違うのに。

 

で、これまでの監督作品て、ナタリー(モテキ)、集英社(バクマン。)、写真週刊誌(SCOOP!)、そしてライフスタイル誌(民生ボーイ)と、必ず編集マン及び編集室が舞台の話だったんですよね~。

今回はさすがにないでしょう。まさか「egg」の編集室とか出てくるのか?

 

今回ヒットしなかったら監督業から少し離れると仰っている監督。

是非ヒットしていただきたいですが、事と内容によっては怒りますけどねw

 

監督に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

登場人物紹介

 

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左上より。

 

  • 奈美(2018篠原涼子/90's広瀬すず)

 

 

淡路島出身。

高校時代、東京の転校先で「サニー」に加わり、刺激に溢れた日々を送っていた。

卒業後、奈美は高収入の夫と一人娘に囲まれ、生活に不自由なく専業主婦として暮らしているが、そんな日々に何か物足りなさを感じていた。

そんな時、音信不通だった「サニー」のリーダー・芹香と再会。

芹香に「サニー」の再集結を託されたことによって、生活があわただしく変化していく。(HPより)

 

  • 芹香(2018板谷由夏/90's山本舞香)

 

 

高校時代、友達のためなら何でもするカリスマ的存在で「サニー」のリーダーだった。

大人になった彼女はビジネスで成功をおさめており、そのカリスマ性は健在。

しかし、病に倒れ、余命1ヶ月。

独身で身寄りもないため、偶然再会した奈美に「サニー」のメンバー捜しを頼む・・・。(HPより)

 

  • 裕子(2018小池栄子/90's野田美桜)

 

 

成績優秀だが、口が悪く、楽しいことが大好き。

現在は口の悪さ、素行の悪さを封印し、夫の浮気に悩みつつもセレブなマダムとして暮らしている。

昔の自分を知っている奈美たちとの再会に戸惑う。(HPより)

 

  • 心(2018ともさかりえ/90's田辺桃子)

 

 

かつてはブランド品で身を固めコギャルブームを謳歌していた。

美容師になるのが夢だったが、現在はある事情があってスナックで働いている。

5歳の娘がいるが、実家に預け、離れ離れ。(HPより)

 

  • 梅(2018渡辺直美/90's富田望生)

 

 

底抜けに明るい性格の「サニー」のムードメーカー。

現在はブラック企業に勤めているが仕事の成績はさっぱり・・・。(HPより)

 

  • 奈々(2018?/90's池田エライザ)

 

 

雑誌「egg」に載ったのがきっかけでモデルになった、クールでミステリアスな美少女。

最初は継母と同じように方言を話す奈美に冷たかった。

現在は消息がわからなくなっている・・・。(HPより)

 

  • 中川(リリー・フランキー

 

 

奈美の依頼で「サニー」のメンバーを探す探偵。(HPより)

 

  • 藤井渉(三浦春馬

 

 

奈美の初恋の相手。

梅の兄の友人で、大学2年生。

DJ志望でファッション、音楽、佇まいすべてが奈美を魅了する。

奈美が不良に絡まれるのを助けてくれ、いよいよ奈美は恋に落ちるが・・・。(HPより)

 

 

 

 

 

 

 

既に安室ちゃんやTRFといった小室サウンドやオザケン、CharaPUFFY、ジュディマリなど90年代を代表する楽曲が使われると予告されてますが、きっと他にも使われていそうな気がするのは僕だけでしょうか。

もしよろしければ、ともさかが出演してるんですから「エスカレーション」、いや篠原涼子なんだから「愛しさとせつなさと心強さと」を是非お願いしたいもんです。

いや監督のことだからわかってるか?w本人が歌うのか?w

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

女性たちよ、もっと元気であれ!騒げ!輝け!

監督お得意の小ネタが満載で懐かしい!

ただ懐かしさをウリに出し過ぎて、そこ止まり・・・。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オリジナルが好き過ぎて・・・。

末期がんである当時の親友との出会いを境に、当時の仲間たち探しをし、あの頃を懐かしむことで、今を憂いながら過ごす彼女たちが、母でもなく、妻でもなく自分自身をもう一度輝かせようという新たな一歩を踏み出す青春群像劇を、現在と90年代中期を行き来しながら物語を掘り下げていくことはもちろん、90年代を代表するヒットメーカー小室哲哉の劇判や楽曲、その他アーティストのヒットチューンを惜しみなく使い、当時のトレンドをこれでもかと盛り込み、当時を謳歌した世代にはたまらない作品でございました。

 

 

はい、というわけでオリジナル作品である「サニー/永遠の仲間たち」が好き過ぎて、今回の日本版リメイクにかなりのハードルを上げて臨んだ自分でしたが、やはり避けては通れないオリジナルとの比較によって、その期待には応えられなかった作品だった、というのが率直な感想であります。

 

正直悔しい、この一言だった映画でした。

 

全体としてはオリジナル作品と「ほぼ」同じ物語構成で展開されていくわけですが、オリジナル作品で一番印象的だった、仲間たちがどうして離れ離れになったか、そしてその時のリーダーの誓いのシーンがごっそりなくなっており

それがあるからお前らまた再び会う気になったんじゃないの?、あの約束を果たそうとしたから集まったんじゃないの?そして誰よりも仲間を想ったリーダーだったからこそ彼女の最期を看取ろうと思ったんじゃないの?などなど、一番説得力を持つ大事なシーンが無くなっていたことが一番がっかりしたのであります。

 

またオリジナルでは当時の若者たちによる労働闘争なる背景があり、これをどう日本版として改変するか、要はあの時代に何があったかということをさりげなくでもいいから入れてほしかったわけですが、せっかく奈美の出身地を淡路島にしているのに、阪神大震災に触れているわけでもなく、またオウムサリン事件にも触れていない。

とにかくコギャル中心の世界としてしか描かれていないのが非常にもったいないなぁと感じたわけであります。

 

 

 

そしてやはりコギャルに小沢健二ってのはどうしても無理がある。

劇中でダンスコンテストにどの楽曲を使うか、どうせみんな流行っていたTRFで来るから、ウチらは小沢健二で!って選択がちょっとなぁ・・・。

ぶっちゃけそこでアムロだと思うんですよ。ええ。TRY MEとか。

てかユーロビートって選択はなかったか。

 

他にも、三浦春馬演じる渉がDJやってるのに、ヘッドフォンから流れてくるのがCharaってのもどこか無理がある。

明らかに監督がここでこの曲をかけたいという思いが強すぎて、それが逆に不自然になっていて、どこか気持ち悪い。総じてダサい。

 

楽曲の使い方に関しては、監督の前作「民生ボーイと狂わせガール」でも言ったんだけど、下手に消費していて物語にインパクトを与えていない。

水着でバトルシーンでも「これが私の生きる道」。いやいや女同士がケンカするんだから、ユルさをウリにしていたPUFFYって選曲は違うだろ。

このが曲の中だったらノリ重視で「そばかす」か「survival dAnce」の方がまだ効果あると思う。

 

また監督はミュージカルを好む人で劇中でよくダンスシーンを取り上げるんですが、序盤でコギャルたちが通学路で急に踊り出すシーンはちょっと辛い・・・。

何かしら前触れがあっても良かったし、やたら「egg」を持たせて強調してるし。

 

書き出すと愚痴が止まらなくなってしまうのは、世代は違えど90年代に青春時代を過ごした身であることと、オリジナル作品が好き過ぎる故のこと。

ここに関してはやはり譲れないのです。いくら好きな大根監督、とはいえ。

だからきっとオリジナルを見ていない人たち、特に当時コギャルだった世代、もしくはそんなコギャルたちと共に過ごした男性たちにとっては、すごく懐かしく感じて素敵な映画だと思う人も多いかと思いますが、そんな方々には是非オリジナル作品を見てさらに感動していただけたらと言いたいです。

 

 

なんだかんだで懐かしい。

ただ!やはりそこは大根監督。

リメイクという観点でうまく改変し、日本版として完成させていたことに対しては、ものすごく評価したいところ。

だって!90年代の小ネタ結構完ぺきだったでしょう!

多少の無理があるのはしょうがないとして、コギャルたちの実態まで踏み込んだこと、コンプライアンスにうるさい現代の声から逃げずに、未成年の裏側まで描いたことは偉いと思います。

 

 

コギャルに関しては完全再現ですよね。

茶髪に超ミニ、ラルフローレンのセーターにルーズソックスで、ガングロ。

そして手には「昭和第一高校」のスクールバッグに、ミジェーンやアルバローザのショッパー、私服はヒステリックグラマー。

でもって普通に、テレクラ、リーマン狩り、ドラッグ、援助交際といった、コギャル=こういう悪さをしてる子たちみたいなステレオタイプからも逃げずに描いてる。

これをちゃんと一人の登場人物に集約させ、それをやってる奴はウチらの仲間じゃない!というある意味コギャルの正義的立ち位置にいる芹香がめちゃくちゃかっこいい。

 

男どもは、「CISCO」や「マンハッタンレコード」の袋をぶら下げ、エイプやレッドウイングなどのファッションで当時のDJスタイルを完璧に再現していて。

でもってこのファッションを三浦春馬が頑張ってやってるんだけど、さすがにロン毛をかきあげたアップの画はちょっとキモかったなぁw

なんでアップで撮ったんだろw

 

街中には、「globe」、「EAST END×YURI」の新譜、そして「C.C.Lemon」の看板があり、「私、脱いでもすごいんです」というTBCのCMのセリフや、ガムが紙に付いたらサラダ油で取れるって「伊藤家の食卓」で言ってたよ、奈美の兄が「新世紀エヴァンゲリオン」にうつつを抜かし引きこもりになったり、ノストラダムスの大予言に言及したり、などの懐かしい番組や流行語をふんだんに脚本にいれることで、非常に懐かしく感じました。

 

監督はどの作品もちゃんとその世代が「わかる~流行ったよね~」、「これ超好きだった!」みたいなツボをちゃんとわかっているから僕は支持していて、今回そういう意味ではちゃんと90年代の世界を作り上げていたことが、リメイク版サニーとしてちゃんと機能していたと思います。

 

 

強い気持ち強い愛。

物語の登場人物は、20年の時経て再会することで、あの頃はやりたい放題でとにかく騒いで毎日が楽しかったという、過去を懐かしみ昔話に花を咲かせるわけですが、それぞれ今を生きる上で悩みや迷い、そして堕落した日々を送っていました。

 

奈美は事あれば金で済まそうとしたりする夫や、反抗期を迎えた娘といった母として妻としての毎日に。

梅はブラック企業に勤め、営業成績を上げることができず、それに加え夫のギャンブル癖も重なって、毎日のやりくりに悪戦苦闘。

裕子は、玉の輿に乗れたものの、夫の浮気発覚に、離婚すべきかどうか悩む日々。

心は、アルコール依存症に加え、借金返済に追われ挙句の果てに娘と離れ離れに。

 

どうしてあの頃あんなに楽しかったのに、今こんな風に辛い日々を送っているんだろうと。

 

だけど彼女たちは芹香という確固たるリーダーやサニー仲間たちとの再会によって、自分の人生自分が主人公でなくてどうする、という答えに結び付き、輝きを取り戻していくんですね。

だからあの頃輝いてた、のではなく、これからも輝いていく、そんな女性であってほしいという、監督からの強い気持ち強い愛がこもった作品だったのではないでしょうか。

 

それを示したのがラストのダンスシーンであり、4人の踊る姿はものすごく楽しそうで美しく輝いています。

 

キャスト頑張ってた。

出演者はすごくよかった。

奈美演じた広瀬すずは頑張って関西弁をしゃべり、田舎者感を見事に出していました。

お腹が空いて暴れるシーンは、奥歯ガタガタいわしたろか!とブチ切れ暴れまわるんですが、ここでスローモーションにしててもんのすごい表情で駆け回ってましたね。

芹香演じた山本舞香も、他のコギャルたちとは違いちょっとヤンキーチックでいることで、グループのリーダーとしてみんなを引っ張る姿をカッコよく演じていましたね。

 

そしてブリタニ!彼女いいですね!

中学までは芹香と仲良かったけどクスリに手を出して仲間から外されたことを根に持ち、奈美に八つ当たりする彼女。

パンツ売ったり、リーマン狩りしたり、ドラッグ持ってたりなどなどコギャルは普段こんな悪さをしてますってのを彼女が全部やるんですけど、完全に不良になり切れてない小者感というかヘタレ感をうまく演技に出していて、だからこそブリタニって苗字で呼ぶなってのが、ギャグというか鉄板ネタみたいになってるんですけど、彼女だからこそ成立するキャラになってたなぁと。

最後のラリッてる感じもちょっと怖かったし、でもそこで怖さを出さないとやっぱりただの小者で終わっちゃうからすごく存在感があってよかったですね。

 

大人の方は、小池栄子と渡辺直美の芸達者だからこそできる掛け合いが見事でしたね。二人で罵声を浴びせ合う小競り合いとか様になってたし、この二人が暴れるから普通に振る舞う篠原涼子が活きてくる、そんで最後にぶっこんでくるのがともさかりえで、彼女も彼女でアル中で人生詰んでます的女性を見事に演じておりました。

てか女子高生の心役の子、ともさかにちょっと似てますよね。よく見つけたなあ。

 

これはみんな思うけど池田エライザはキレイ過ぎる・・・。

 

 

最後に

というわけで、監督の90年代愛が詰まった作品ではありましたが、僕の中でオリジナルを超えるほどのものではなかった、非常に悔しい作品でした。

 

なんかね、この楽曲をどうしても使いたいっていう監督の気持ちが強いせいか、コギャルと曲がうまく合ってない気がするんですよね。

globeを看板に使っておきながら、楽曲はスルーってのが諸事情あるんだろうなってのが見えるし、ここと華原朋美まで入れて初めてTKで彩るコギャルの時代で成り立つし、安室奈美恵をメインにしたいならもっとやり様があったというか、むしろ彼女の曲だけで構成しても良かった気が。

平成最後の夏に、しかも平成のファッションアイコンにして最大の歌手なわけじゃないですか。そんでもって引退でしょう?もっとフィーチャーしちゃえばよかったのに。

まぁそれでもオザケン使いたかったんだろうな。いい曲だし。

 

やっぱね、サニーってグループ名を日本人でやるのはダサくないか?

もうそこも変えてしまった方がよかったんじゃないだろうか。

俺にとって「サニー」ってバックホーンだからね。これはどうでもいいか。

 

最後にひとつだけ素晴らしいシーンについて。

海辺を泣いて歩く広瀬すずに「SWEET19BLUES」は最高だよ!

毎日を楽しく生きてたって誰にも見せられない顔がある、これを見事に表現した場面でした。

 

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10

映画「累-かさね-」感想ネタバレあり解説 こんな土屋太鳳見たことねぇ!

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6月9日

累-かさね-

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 自分の顔を好きな人はどれくらいいるのでしょう。あまりいないんじゃないでしょうか。

僕は自分の顔が嫌いです。コンプレックスの塊です。

なぜこんなかっこ悪い顔なのか。カッコイイ顔だったらいったいどんなモテ人生を送れただろうか。

もし、理想の顔と入れ替えることができたなら。

 

この物語は、ある不思議な口紅を使って、美しい顔を入れ替えていくことで欲望を抑えきれなくなっていく女性と、自分の顔を貸すことで名声を手に入れようとする女性の対峙を描いたお話です。

 今回久々に東宝試写室で行われたスニーク試写会で、公開日よりかなり早く観賞する事ができました。

全くノーマークだった作品だったため、どんな話か事前情報などなく観賞したわけですが、果たして。

まずは作品情報からどうぞ!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

「イブニング」で連載中の松浦だるまの原作コミックを実写映画化した作品。

舞台に立つ事を夢見ながらも、醜い容姿ゆえ似劣等感を抱いて生きてきた主人公が、大女優の母から受け継いだ口紅を使い、「キスをして顔を入れ替える」ことで、今まで味わうことのなかった優越感に浸り、抑え切れない欲望を満たそうとしていく、美醜による人間の業をテーマにしたサスペンススリラー。

 

ストロベリーナイト」の監督によって、清純派女優二人が怪しくも美しく欲望をさらけ出していく演技を披露していく。

 

 

 

累 コミック 1-12巻セット

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あらすじ

 

 

伝説の女優・淵透世(ふちすけよ)(檀れい)を母に持つ少女・累(かさね)(芳根京子)は、母親譲りの天才的な演技力を持って生まれながらも、容姿は母に似ず、顔の大きな傷にも強いコンプレックスを持って生きてきた。

そんな彼女に母が遺した一本の口紅。

その口紅は、キスした相手の〈顔〉を奪い取ることができる不思議な力を秘めていた――。

 

一方、美貌を持ちながらも、決して他人には言えない理由により花開かずにいる舞台女優・丹沢ニナ(土屋太鳳)。

彼女は女優として大成することに異常な執念を募らせながら日々を過ごしていた。

 

ある日、累は母・透世に世話になっていたという男・羽生田(はぶた)(浅野忠信)を通じて、ニナと出会う。

“美貌”と“才能”、自分の足りない部分を埋めるように導かれ、出会った二人。

互いの目的の為、口紅の力を借りて、入れ替わる事を決断する。

 

ニナの“美しさ”と累の“演技力“、どちらも兼ね備えた完璧な女優“丹沢ニナ”は、一躍脚光を浴び始める。

二人の欲求が満たされていく。

しかし、二人がともに恋に落ちた一人の演出家・烏合(うごう)(横山裕)をめぐり、秘密の共同作業に亀裂が生まれる。

累とニナ、二人の女優の欲望むき出しの愛憎劇が、今、幕を開ける――。(HPより抜粋)

 

 

youtu.be

 

 

 

監督

今作を手がけるのは、佐藤祐市

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テレビ業界の方ですが、映画も結構作っているようで。

ドラマのほうも90年代から最近まで数々のヒット作を作っているお方。

 

そんな監督の映画作品を簡単にご紹介。

 若手キャストとクリエイターのプロジェクトによる作品「絶対恐怖Pray」で監督デビュー。

その後ソルトレークオリンピックのカーリング女子代表として挑んだ4人の少女の実話を基に映画化した「シムソンズ」、マイナーなグラビアアイドルの一周忌のオフ会に現れた5人のファンたちが、ある推測から彼女の死の真相を辿っていくワンシチュエーションコメディ「キサラギ」、ブラック会社と呼ばれる過酷な職場で働く元ニートが困難を乗り越え成長していく姿を描いた、2ちゃんねるの人気スレッドを映画化「ブラック会社に勤めてるんだが、もう僕は限界かもしれない」などコメディや青春映画を中心に手がけています。

 

 

 

 

その後自身が監督したTVドラマを映画化した作品で、男社会のなかで異例のスピード出世をした女性班長とその部下達が数々の難事件をを解決していくとともに、班長の過去や警察内部の抗争を描いた「ストロベリーナイト」を手がけています。

 

 

 

ストロベリーナイト Blu-rayコレクターズ・エディション

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キャスト

丹沢ニナを演じるのは、土屋太鳳。

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演技に行き詰まり悪魔の契約を交わす美人女優を演じます。

 

ただいま大人気中の女優さんですね。

正直僕は好みでもないし、彼女出演の映画もドラマも見たことありません。

去年公開した映画「8年越しの花嫁」の演技がすごかった、というのは耳に届いていて見とけばよかったなぁなんて思ってました。

イメージとしてはとにかく頑張り屋で良い子、ってとこでしょうか。

そのイメージだけで今回観賞したわけですが。その辺は感想にて。

 

そんな彼女の出演作を簡単にご紹介。

黒澤清監督の「トウキョウソナタ」で映画デビュー後、釣りの才能を持つ少年を題材にした同名コミックの映画化「釣りキチ三平」、社会の常識に捉われない教育理論を武器にクラスの問題に取り組み、時に空回りしながらも解決へと導いていく中学教師の奮闘を描いた「映画 鈴木先生」では鈴木先生の妄想に出てくる生徒として注目を浴びます。

その後人気コミックの実写化で、最大の敵との戦いを描いた2部作「るろうに剣心/京都大火編」と「伝説の最期編」に操役として出演。華麗なアクションを披露しています。

 

 

るろうに剣心 コンプリートBlu-ray BOX

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人気女優になってからは、青春恋愛モノ作品に多く出演。

10年後の自分から手紙を受け取ったヒロインの切ない恋の行方を描いた「orange-オレンジ-」、吹奏楽部に入部したヒロインと、野球部のクラスメイトが甲子園を夢に互いに成長していく「青空エール」、真面目な警察官と一途な女子高生の夫婦生活を描いた「PとJK」、結婚式目前で難病に冒されたヒロインを懸命に看病し奇跡を信じる主人公を描いたラブストーリー「8年後の花嫁 奇跡の実話」などに出演し活躍しています。

 

 

 

 

待機作に「春待つ僕ら」が2018年冬に公開予定です。

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

容姿に強いコンプレックスを持ち、女優に憧れる累役に、「心が叫びたがってるんだ。」、「わさび」の芳根京子。

新進気鋭の演出家、烏合役に、「エイトレンジャー」、「破門/ふたりのヤクビョーガミ」の横山裕(関ジャニ∞)。

ニナのマネージャーで今回の一件を画策する羽生田役に、「淵に立つ」、「クソ野郎と美しき世界」、「パンク侍、斬られて候」の浅野忠信。

累の母で伝説の大女優、淵透世役に、「武士の一分」、「ラプラスの魔女」の檀れいなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

秘密を抱えながら欲望をむき出しにしていく2人。ニセモノからホンモノへと変貌を遂げた先にあるものとは。

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

感想

おおおっ!!ガンガンキスするなぁ!!

清純派女優二人が互いの役を入れ替わりながら見事に演じる素晴らしさ!

欲望を満たすために一線を越えるスリリングな展開が心地よい!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

細かいあらすじはこうだ!!

子供の頃の回想。

大女優の母、淵透世から口紅をもらう幼少期の累。

何かあったらこの口紅を使いなさい、と母は告げ、現在へ。

 

母の十三回忌にもかかわらず、髪を垂らし無愛想にしている一人の女性。

叔母にしかられながらも、自分のせいで酒がまずくなるからと立ち去るその女性こそこの物語の主人公・累である。

彼女は顔に大きな傷があり、その醜い容姿のせいで幼い頃からいじめられきたこともあり、常に劣等感を抱えて生きてきた。

 

その法事に来ていた男、羽生田は生前の母である透世を知っており、今度舞台を見に行こうと累を誘う。

その舞台では一人の女優が、いかにも下手な芝居をしながら演じている。

羽生田は累に、自分ならもっとうまく演じられると思ってるだろ?大女優の娘ならその才能を活かすべきなんじゃないか、と問いかける。

そこへ現れたのは舞台を終え、身支度を済ませた丹沢ニナだった。

羽生田は彼女のマネージャーをしており、女優として現在伸び悩んでおりスランプに陥っているニナをどうにか売れさせたいと望んでいる。

そこに累を連れてきたのは計画であった。

 

一度舞台を見ただけでニナのセリフを完璧に覚え演じる累。

高飛車で傲慢なニナは、そんな芝居をしても累の顔を見るやいなや激しく罵る。私がこんな顔なら生きていけない、と。

今まで耐え忍んで生きてきた累は彼女に侮辱されたことで、首からぶら下げた口紅を塗り、強引に彼女にキスをする。

すると、二ナの顔と累の顔が入れ替わったのだ。

激しく動揺するニナに対し、羽生田はそう驚かない。

 

羽生田は口紅の事を既に知っており、女優としての才能がありながらも、醜い容姿のせいで一歩踏み出せない累と、美しい顔を持ちながらも中々大成できないニナとを引き合わせ、口紅を使って顔を入れ替えることで互いの望みが叶う計画を明かす。

 

土砂降りの雨が降りしきる屋外へ飛び出した累は、羽生田に説得され、互いの願いをかなえる為悪魔の契約を結ぶ決心をするのだった。

 

2人はやがて共同生活を始める。

新進気鋭の演出家烏合が、アントン・チェーホフの代表する戯曲「かもめ」を演出することを羽生田から聞く。

ニナは一度彼のワークショップに参加しており、彼から容姿を褒められた事がきっかけで女優の道を進もうと決意した事を累に話す。

だから今回はニナにとってどうしても手にしたい役だったのだ。

まずはオーディションを勝ち抜くために、ニナの指導の下基礎を磨く。

容姿は入れ替わるが、中身は本人のまま。才能はあれど、それを活かす体型や心構えができていなければ勝ち抜くことはできない。

ニナの厳しい特訓は、セリフの話し方から食事の順番、姿勢まで細かく指導していく。

 

やがてオーディション当日。

全てセリフを言う前に演技を止めてしまうほど、厳しい目で女優を見る烏合の前に、緊張をほぐすことができずにいる累だったが、呼吸を整えた瞬間、彼女の演技に烏合の目が止まる。

演じている間、ニナとしてでなくその中身である累の顔を見透かされているような感覚を味わいながらも必死に演じる累。

オーディションは合格。顔合わせと台本読みに参加した累は、今まで味わうことのできなかった女優としての立場に、感極まり涙してしまう。

 

2人が入れ替わる時間は12時間が限界。朝9時にキスをしたら夜9時までに姿を消さなければならない。

読み合わせのあと、懇親会に参加した累はみんなからチヤホヤされる。

しかし魔法が解ける時間が刻一刻と迫り、その場を去ろうとするが、車に乗る手前で烏合に呼び止められてしまう。

彼は累を期待しており、その事を伝えたかったと彼女に近づく。

既に魔法は解けていたが、何とかその場をしのいで立ち去ることに成功。

 

それから稽古のたびにニナになりかわり、出かける累。

ニナはというと、累の顔でプライベートを満喫しているようだが、雑誌での烏合と累のインタビューを読んで、自分の趣味嗜好でないことばかり答えている累に憤慨し、羽生田に電話をかけ罵声を浴びせてしまう。

その羽生田も彼女の目のクマに言及、寝不足に気をつけろと注意をする。

ニナは電話を切った後、すぐさま薬を飲み始める。

 

段々累に苛立ちを募らせてきたニナ。

自分の顔がメディアに取り上げられたとしても自身が喜びを感じられることはない。それは自分の顔を借りた累だから。

そしてその苛立ちの根源は、烏合への想いからだと気づいたニナは、私にだってできる、彼を振り向かせることもと感じ、累の稽古場に乗り込むのだった。

 

服を着替え元に戻り、演技を始めるニナだったが、烏合は騙されなかった。

自信を喪失したニナは累に説得され契約を続けることに。

 

しかし、累にも壁が立ちはだかる。

本番まで数日をきっての稽古の大詰め。見せ場であるキスシーンに躊躇してしまう累。

彼女は今まで男性とキスしたことがなく、演技とはいえどうしてもためらってしまうのだった。

どうしたらいいかわからないまま、一人稽古に励む累の下に、烏合が声を掛ける。

未経験の事を話すと、烏合は練習と称して累と何度もキスをするのだった。

烏合は累に惹かれていた。演じているときは強気なのにそれ以外は臆病な彼女に。

累もまた烏合に惹かれていった。

 

やがて恋人同士となった累は、烏合の仕事以外でも会いたいという願いを聞くため、ニナに打ち上げと嘘をついて延長を申し出る。

しかし、羽生田に事前に確認を取ったニナは、隠れて烏合と会うつもりだと確信し、累に詰め寄る。

所詮お前は仮の姿。調子に乗るのもいい加減にしなさい!と累を押し倒し、背中を踏みつける。

 

今まで感じることができなかった優越感を覚えた累。初めて好きになった男を奪われたことに失望する彼女は、欲望を抑えニナの代わりのままで生きていくのか。

それともニセモノからホンモノになろうと欲望の限りを尽くすのか。

 

 

 

ハイ、大体ここまで半分くらいです。ここから徐々に登場人物の秘密が明かされていくので、物語もヒートアップしていきます。

そのあとは是非劇場で。

 

 

 

見どころはここだ!!

僕が今作を見終えたときに最初に抱いた感想は、土屋太鳳すげえじゃん!!!でした。

イントロダクションでも書いたとおり、彼女の演技ってちゃんと見たことがなかったわけです。

正確に言えば、「るろうに剣心」見てるし、他作品の予告然り、CM然りと彼女の演技ってのはなんとなく把握してるつもりでした。

そこはやはりイメージ通りで、超良い子ちゃん。

役柄もそんなイメージ通りなのが多く感じ、それが元で見てなかったんですね~。

要するに、期待値は低かった。

そもそもこの映画見る気なかったですからねw

 

しかししかし!フタをあけてみたらどうだ!!

いきなり超下手な芝居をしているニナからの、超嫌な女!

売れてもいないのに、なぜこの女はこんなにも上から目線で高圧的なんだ!

そうです、お高くとまった傲慢女、丹沢ニナを見事に体現しているではありませんか。

あれ?この子、こういうイヤミな役できんの?様になってんじゃん!

 

ハスキーな高笑いから、ドスをついたような声で罵るその姿は、あれ太鳳ちゃんの素ってこれなんじゃ??と思わせるほどの気合度。

 

かとおもえば、二ナの姿になった累を演じるのも彼女ですから、普段のニナのような演技ではなく、あくまで累として演じなければいけません。

ニナに慣れるために外を歩くんですが常に怯えています。入れ替わる前とは全然違うオーラで二ナの顔をした累をうまく演じているのです。

 

そしていざオーディション。急に舞台役者のスイッチが入り、かもめのように高く空を舞い上がるかのような晴れ晴れとした表情で演じる二ナ改め累!ややこしい!

 

まだまだあります。

 累はまだ誰のものにもなったことがなく、いざ男性を前にするとどうしても躊躇してしまう。そんなピュアな一面を見せたあと烏合との熱烈な口づけ!!

後半では舞台「サロメ」に向けての猛特訓で得意のダンスも披露。

クライマックスでの情熱且つ優雅な舞いと、生首を持って愛を乞う演技はとにかく素晴らしいです。

 

もう土屋太鳳無双です。彼女の持っている要素、演技をこの映画で全て堪能できるのではないでしょうか。

こういうのもっと作品見てから言うもんなんですが、見てない僕でもそう思ったわけで、ファンの方ならきっとかなりのインパクトがある作品になっているのではないでしょうか。 

 

芳根京子ももちろんよかったんですね。太鳳ちゃん同様、累とニナを行ったり来たり演じてるわけですから。

ただどうしてもニナをやってるときは、仏頂面になっても派手な服を着ても太鳳ちゃんと比べると弱いんですよね。

その分累をやってるときの彼女の、弱々しい態度とか、形勢逆転したときの開き直りの表情とかよかったと思います。

 

 

 

かもめとサロメ

劇中では、ニナと累が演じる舞台が2人の心理描写に大きく関わっていることがわかります。

どんなお話なのか簡単に調べてみました。

 

 

 

まずは「かもめ」。

 

 

かもめ (集英社文庫)

かもめ (集英社文庫)

 

 

 

久々に舞台演出に復帰した烏合が手がける作品で、ここで主役を射止めるためにニナと累は猛特訓し、主役の座を手に入れます。しかし話は、同じ人を好きになってしまったことで泥沼化していくのですが。

 

このめだかというのは、ロシアの劇作家アントン・チェーホフの四大戯曲のひとつだそうで、その中では最初の作品と言われています。

大女優アルカージナが所有する田舎の別荘を舞台に、劇作家志望の息子トレープレフ、その恋人で女優志望のニーナ、別荘管理人の娘でトレープレフに思いを寄せるマーシャ、マーシャを慕う教員のメドヴェジェンコ、アルカージナと共に別荘に来た若い恋人で作家のトリゴーリンらが織り成す人間模様を描いたお話。

 

 

かもめのように惹かれて湖に来たの・・・〈イタイな・・・)といいながら、作家志望の男トレープレフに会いに田舎へやってきた女優を夢見るニーナは、やがて人気作家のトリゴーリンに惹かれます。

名声を得ることができるのならば、他のものはいらない!彼にぞっこんです。

それを知ったトリゴーリンは、トレープレフが撃ち落したかもめをみながら、「かもめのように湖が好きで自由で幸せな娘は、たまたまやってきた男に弄ばれて、そこにいる死んだかもめのようになってしまった」、と即興で作った短編をニーナに話すのですが、結局彼を追って女優を目指します。

 

やがて時が経ち、再び田舎を巡業で訪れたニーナ。

トリゴーリンに捨てられてからの絶望は計り知れず、彼に言われた死んだかもめが頭から離れない日々だった、わたしはかもめ、わたしはかもめ。ふわふわ飛んで撃たれて死ぬの・・・。しかし、彼女は気づきます。

女優という仕事をする上で必要なのは耐える力。試練に耐えることで信念を持つ。それが私を女優たらしめてくれる。

そう作家志望のトレープレフに手紙で伝えるのです。

わたしはかもめ、いいえそうじゃない、わたしは女優、と。

 

 

累も本当は母親のように女優になりたくて、この契約を結んだ。

そして好きな人もでき彼と結ばれたい欲望を持つのですが、そうじゃない、私は女優になるのだ、ふらふらと湖に惹かれて飛んでくるかもめなのではない

ニナの姿を借りることで、女優として生きる道を選んだ累の姿とぴたりと嵌る舞台だったのではないでしょうか。

 

 

 

 そして後半累が挑む舞台は「サロメ」。

オスカー・ワイルドによって作られた新約聖書を基にした内容の戯曲。

 

 

 

サロメ (岩波文庫)

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ユダヤの王様エロドは、兄を殺して兄の奥さんを奪い、王座も手にした欲深き男。

しかもその娘であるサロメにも興味津々。超クソ野郎です。エロドじゃなくてどエロですね。

 

サロメはエロドの視線に耐えられなくなり、テラスに出ると井戸から不気味な声が。

そこには王からの命令で幽閉されていた預言者ヨカナーンがいました。

 

ヨカナーンは不吉なことばかり言うので嫌われてしまい、接触を禁じられていたのですが、どうしてもひと目見たいサロメは門番を誘惑。禁を解きいざご対面。

サロメは彼を好きになります。しかしヨカナーンは、お前の母ちゃんダンナの弟と再婚とかしてっけどそれってやばくネ??それって良かなん??の一点張り。

 どうしても口づけしたい、あなたの愛を頂戴とメロメロのサロメ。

フン、呪われろ!と吐き捨て井戸の深くへ潜るヨカナーン。

 

相変わらずサロメにゾッコンの「どエロ」ことエロド王は、サロメに踊って踊ってぇ~とせがみますが、サロメはノーサンキュー。

じゃあさ、踊ってくれたら願いをかなえてあげるよ!なんでもいいよ!というと、サロメはここぞとばかりに超絶ダンスを披露。

 

 いやぁ美しいよサロメ!さすが妃の娘!で、褒美は何を?

サロメはすかさずヨカナーンの首をくださいを申し出ます。

いやいやいやいや!ちょっとまってよぉ~普通さぁ、女の子なんだから、アクセサリーとかさぁ、新しいお洋服とかさぁあんじゃん?いやお父さんあんまりこういうことしたくないけど最悪お小遣いでもいいと思うんだよね、うんうん。

でもあいつの首欲しいって、一応アイツ軟禁状態だけど一応聖人なのね?だからちょっとそれだけは勘弁してくれないかなぁ~・・・。

いくら説得してもサロメは首を縦に振りません。

 

諦めた王は、ヨカナーンの首をサロメに差し出し、念願の口づけを交わします。

そして王はサロメを殺すよう命じるのでした。

 

 

 

演出家の大物によって演出されたこの大きな演目で累はサロメを演じるのですが、クライマックスでは毎度毎度演出家に怒鳴られます。

愛を語るのだからそんな生半可気持ちで演じるんじゃないと。

 

どうしてもこの舞台を成功し女優としてのはくを付けたい累の欲望は底知れぬものとなり、とうとうニナとの駆け引きがエスカレートしていきます。

 

やはりヨカナーンの首は、累からみると二ナの顔であることが読み取れるのではないでしょうか。

そうすると如何にその首が欲しくてたまらない、ヨカナーンの愛を欲しいままにしたいと欲望にかられるサロメと累が重なってくると思います。

 

 

このように、劇中で演じる舞台が物語において重要であることが理解できるかと思います。

あらかじめ知っておいても大丈夫ですし、実際、邦画ならではの誰に説明してんのこれ?あぁ~観客ね!な説明パートもあるので全然大丈夫です。

 

 

最後に

すごくどうでもいいんですが、全く経験のない累はニナという女性と毎日毎日キスすることで性の対象としてみるってことはなかったのかなぁ、ドキドキすることはなかったのかなぁなんてどうでもいいこと考えてしまったんですが、物語には全く関係のない見方でしたねw

 

途中明らかに顔を重ねているように見せるだけのキスシーンもあるものの、結構しっかり口づけしてます。なんかドキドキ。

それ以上に横山くんとのキスはがっつりです。妙に生々しいです。

ファンの方はですね、演技ですから。太鳳ちゃん叩かないであげてくださいw

 

とにかくモンキー的には作品としての満足度はそこまで高くないですが、土屋太鳳という女優に魅せられたことに関しては。満点をあげたいくらいです。

公開前なので後半部分は伏せて書いてみましたが、なかなかの映画だったんじゃないでしょうか。

ジャンルは一応サスペンスな感じになるのかな?ホラーともまた違うし。難しいところですが、サスペンスとかオチとかを重視しちゃうとちょっと楽しめないかも。

 

そういう話ではなく、欲望って止められないよねってのがテーマだと思うので。

そりゃ自分よりも秀でた容姿と入れ替わることができたら、誰だって代わりたいですよ。まして劣等感の塊が、優越感に浸れたら・・・ねえ。

 

というわけで以上っ!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「泣き虫しょったんの奇跡」感想ネタバレあり解説 彼の「諦めない」が運命の糸を手繰り寄せていく。

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 9月8日

泣き虫しょったんの奇跡

 

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 3月のライオン」、「聖の青春」に続く将棋映画の誕生です。

まだ10代だというのに、怒涛の勝利数で駆け上がった藤井聡太七段が、今、将棋界を盛り上げておりますが、今回の主人公は、奨励会が定める年齢制限を過ぎ、一度は諦めた将棋人生でしたが、再び将棋のプロになるべく2度目の夢への挑戦に立ち向かう35歳の青年のお話。

 私モンキーの場合、子供の頃から憧れていたミュージシャンという夢に向かってひた走ったんですけど、残念ながら夢半ばで力尽き諦めました。理由は聞くな!

でね、まぁ夢失うと人生つまらないですよ。

なんもない。

そのなんもないときに映画と出会えたので、何とか今まで生きてこれました。めでたしめでたし。いやまだ終わってねえよ。

 

とまぁ、夢を諦めるってのは、自分しだいでいつでも区切りを付けられるわけです。

続けたいだけ続ければいい。世間体がどうとか親がどうとか体力的にどうとか関係ない。やれるだけやればいい。誰も止めはしない。

だからこそ区切りは自分でいつでも付けられる。

諦める=明らかに見極めるってこと。

 

でも、自分以外の何かによって夢を諦めざるを得なかった場合。

この自分以外の何かが働き、夢を追うことができない世界が将棋界なんですね。

まだやりたいのにさせてもらえないんですね。

そんな、一度は敗れた夢に再び立ち向かい奇跡を起こした実在の人物。

どんな困難があり、それを乗り越えた先にどんな景色が待っていたのか。

早速観賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

将棋の世界には、26歳になってもプロ棋士になれなければ、奨励会を退会しなければならないルールがある。

そんな年齢制限の壁にぶつかりプロ棋士の夢を立たれた主人公が、たくさんの困難にあいながらも、周りの人たちによって再びプロ棋士へ挑戦し、実際にアマチュアからプロとなり将棋界の歴史を変えた男の姿を描いていく。

 

監督自身も奨励会に在籍していた経歴があり、その思いがこもった徹底した演出で観衆を魅了させる。

その監督が選んだ主演とは16年ぶりのタッグ。さらに日本映画を牽引する豪華キャストが加わり、一人の男の夢の再挑戦を軸にした熱い人間ドラマが誕生した。

 

泣き虫しょったんの奇跡 完全版<サラリーマンから将棋のプロへ> (講談社文庫)

泣き虫しょったんの奇跡 完全版<サラリーマンから将棋のプロへ> (講談社文庫)

 

 

 

棋士 瀬川晶司―61年ぶりのプロ棋士編入試験に合格した男

棋士 瀬川晶司―61年ぶりのプロ棋士編入試験に合格した男

 

 

 

夢をかなえる勝負力!

夢をかなえる勝負力!

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

生まれてから小学5年生までの10年間、何かに熱を入れ ることもなく日々を過ごしていた“しょったん”こと瀬川晶司(松田龍平)。


中学生でプロ棋士になった谷川浩司棋士のニュースを見て、 初めて“プロ棋士”という職業を知る。
時を同じくして、隣家に住む鈴木悠野(野田洋次郎)も将棋が好きなことを知り、二人で将棋 を指すようになる。

 

やがてしょったんの父・敏雄(國村隼)の勧めで将棋道場へ通うことに。
週末ごとにめきめきと上達していったしょったんは、 中学3年生で奨励会の試験を受け合格した。


奨励会には年齢制限という鉄の掟がある。

26 歳の誕生日 までに四段になれなければ退会となってしまう。
22歳の夏に三段に昇段したしょったんだったが、残された チャンスも徐々に減っていく…。

 

様々な理由で先に奨励会を退会していくライバルたちを見 て、将棋を指す意味を自問自答するしょったん。

現実から目 を背けるように棋士仲間たちと遊びまわっているうちに、悠 野がアマ名人になったことを知る。
そして、最後の三段リーグでそのチャンスはあっけなく潰え てしまう――。

 

 

奨励会退会後、大学を卒業し会社員となったしょったんは、将棋盤に向かうこともなくなり、平凡な生活を送っていた。

 

そんなある日、しょったんの夢をずっと応援してくれていた父・敏雄が事故に遭い突然他界してしまう。

 

傷心の中、居場所を求めるように訪れた悠野の家でふとしたきっかけから久しぶりに将棋を指すことに。

その対局でしょったんは改めて将棋の面白さに気づく。

 

将棋を再開したしょったんは、アマチュアの大会でめきめきと頭角を現し、ついにアマ名人に。

その活躍を目の当たりにしたアマチュア強豪の藤田(小林薫)と新聞記者の新條(三浦誠己)は、しょったんにプロ編入試験の話を持ちかけた。

 

しょったんの人生を賭けた<夢>への再挑戦が、今、始まる――。(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

監督

今作を手がけるのは、豊田利晃

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 監督の作品を観るのは「クローズEXPLODE」以来でしょうか。

そもそもそんなに追いかけてない監督なので、話題作しか観てないのが現状であります。

今回を機に過去作でも観賞してみようかなぁ。

 

そんな監督の代表作をサクッとご紹介。

阪本順治監督の新世界3部作の第2作目「王手」の脚本をお手がけたことから映画界に進出。

渋谷の街を舞台に、青年とヤクザとの奇妙な交流をバイオレンスに描いた「PORNOSTAR/ポルノスター」で監督デビューします。

その後日々生きることに無気力な高校生達の日常を描いた松本大洋原作の青春映画「青い春」が、旬の俳優をキャスティングしたこともあり、当時の若者を中心に高い評価を得ることで注目を浴びます。

 

 

青い春 [DVD]

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 他にも、脱獄囚が次第に連帯感を深めていき、それぞれが生きる目的を見出していく様を、ユーモアを織り交ぜて描いた「ナイン・ソウルズ」、一見幸せそうな家族が、それぞれ秘密を抱えていることでバラバラになっていく様をシニカルに描いたヒューマンドラマ「空中庭園」、大ヒット不良映画「クローズZERO」の続編として製作された「クローズEXPLODE」などがあります。

 

クローズEXPLODE スタンダード・エディション [Blu-ray]

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キャスト

主演のしょったんこと瀬川晶司を演じるのは松田龍平。

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監督と主演という関係では「青い春」以来16年ぶりだそうで、きっと本人も高校生の役から時がたって、棋士の役をやるとは思ってなかったでしょうね。

彼の演技は大好きで、基本どれもつかみどころが無く、すっとぼけていてふわふわした感じの役柄ばかりなんですが、これが松田龍平だよなぁと毎回ニヤニヤしながら彼の出演作品を観ております。

モヒカン故郷に帰る」、「ぼくのおじさん」、「散歩する侵略者」、「探偵はBARにいる3」、そして「羊の木」と、ここ最近の作品も正に龍平節炸裂でどれも面白かったですね。

今回は泣き虫しょったんだそうですが、彼泣くんでしょうか?wそれも見てぇ~!

彼に関してはこちらをどうぞ。

 

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他のキャストが多すぎるのでみんな簡単に紹介!

  • 晶司の幼馴染・鈴木悠野役に、「トイレのピエタ」、「犬ヶ島」に出演し、RADWIMPSのヴォーカルとしても活躍する野田洋次郎。
  • 奨励会時代の晶司の心の支え・新藤和正役に、「I'mFLASH」、「クローズEXPLODE」と監督作品には3度目の出演となる永山絢斗
  • 料理が得意な明るい奨励会の先輩・畑中良一役に、「サイタマノラッパー」シリーズ、「ヒメアノ~ル」の駒木根隆介
  • ちょっと生意気な奨励会時代の後輩・村田康平役に、「ヒミズ」、「空海ーKU-KAI-美しき王妃の謎」の染谷将太
  • 晶司の大事な一局の対戦相手・清又勝役に、「青い春」、「葛城事件」の新井浩文
  • 晶司の兄貴的存在のプロ棋士・山川孝役に、「ポルノスター」などほとんどの監督作品に出演している渋川清彦
  • プロ入り間違いなしといわれた男・冬野渡役に、「悪人」、「怒り」の妻夫木聡
  • 神経質でストイックな勝負師・加東大介役に、「クローズEXPLODE」、「BLEACH/ブリーチ」の早乙女太一
  • プロ編入の支援者でアマチュアの強豪・藤田守役に、「秘密」、「深夜食堂」の小林薫。
  • 晶司の夢を肯定してくれた担任教師・鹿島澤佳子役に、「告白」、「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~」の松たか子
  • 晶司を奨励会に導く恩師・工藤一男役に、「それから」、「沈黙ーサイレンスー」のイッセー尾形
  • 晶司の母・千香子役に、「ピンクのカーテン」シリーズの美保純
  • 晶司の父・敏雄役に、「コクソン」、「マンハント」、「パンク侍、斬られて候」の國村隼。
  • 奨励会時代に晶司が通う喫茶店の店員・真理子役に、「羊と鋼の森」、「君の名は。」の上白石萌音
  • 晶司のファンである見知らぬ男性役に、「I’mFLASH」、「22年目の告白」の藤原竜也

などが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

ほとんどのキャストが豊田監督作品に出演しているということで、改めて監督ってすごい役者陣から慕われているんだなと。

恐らくチョイ役ばかりなんでしょうが、それでも豪華。

一体どんなストーリーに仕上がっているんでしょうか。

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

しょったんの周りの大人たちの言葉に涙・・・。

これは「あきらめる」ことをしなかった男の奇跡の物語だ!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

好きなことを仕事にすること。

小学校の頃から好きだった将棋のプロを目指すために、一度は挫折しながらも将棋の世界から離れることで、いかに将棋が好きだったかを改めて感じ、周りの人たちの心を動かし、将棋界から異例の快挙を成し遂げ35歳にしてプロ棋士になった主人公の姿を、決してドラマチックに描くことなく淡々と進むものの、時代背景や役者の表情、セリフによって物語に深みを与え、人生とはいかに他者の存在や言葉、支えによって築き上げられているかを教えてくれた作品でございました。

 

26歳の誕生日を迎えたらプロの可能性の道を絶たれてしまう、とっても厳しい将棋の世界。

中学生から奨励会に入り、学校にも行かずプロになるために黙々と将棋に打ち込んできたのに、26歳になったら強制的に引退ですよ。

劇中でも何人かがその年齢制限によって将棋から離れてしまうわけですが、これは見ていて辛かったなぁ。

その後の人生どうすりゃいいんだよ、と。

中には将棋を呪ってしまう奴なんかもいるそうで。

そりゃあヤケを起こす人もいるでしょう。これまでの人生棒に振ったようなもんなんだから。せっかく好きが高じてプロになろうと決めたのに、気持ちのやり場に困るよなぁ。

いざ普通の社会に放り出されて、同年代はちゃんとお仕事して一人前の大人として働いてるわけですから。

これってホント怖い現実。

しょったんも引退することになり、何か月もニート状態だったわけで、この先どうするか、とか、第2の人生何して生きようとか相当考えたことでしょう。

 

でもしょったんは気づくんですね、自分がどれだけ将棋が好きなのかということを。

多分奨励会という勝負の世界から離れたことで肩の荷が降りたのか、心の思うがままに将棋を指すことに没頭できた。

あとはプロになれないのだから、というあきらめの部分も大きかったでしょう。いわゆる趣味としてアマチュアとして楽しくできた。

他の引退した人たちは、将棋に人生狂わされて好きだったことを続けることができなくなっている中でですよ。

それでもやっぱり将棋が好き、だったわけですから。

 

そして忘れてはならない彼を取り巻く周囲の人たちの支え。

決してお互いを讃えることをするのでなく、互いが強くなっていくことで認め合う存在になり、将棋の道を志すきっかけを与えてくれた親友の悠野。

信じていれば道は拓かれる、だからあなたはそのままでいいんだよ、と声をかけてくれた担任の先生。

強くなるきっかけを作ってくれ、プロの世界できっとやっていけると励ましてくれた将棋道場のオーナー。

奨励会で負けた時、寂しさを紛らわせてくれる奨励会の仲間たち。

もう一度プロになる挑戦をさせてくれた雑誌の記者やアマチュアの名人や、会社の同僚上司。

そういう周囲の人たちの存在や言葉が彼を突き動かしてプロになれたし、彼が頑張ってる姿をずっと見てきたから周りの人たちも応援できた。

 

だからなんていうんんだろうなぁ。この実話は奇跡なんだけど、奇跡なんかじゃないんだよなぁ。彼の努力と人柄と熱意が、運命の糸を手繰り寄せた結果なんだよなぁ。

神さまはそういう人を見放したりしないんだよ。

 

 

僕の場合、ミュージシャンになるべくバンド組んでそれなりに一生懸命やってきたわけですが、自分で見極めて夢を諦めてからは楽器触ってません。

一応普通の人と同じように働いて過ごせていますが、そういう生活を送っていても趣味としてバンド組んでライブやったりとかできるんですけど、結果ギターも捨てて歌い方も忘れ、あの頃の俺どこに行った?あの熱意はどこへ行った?状態ですよ。

ホントに音楽好きだったのかな?と、今回の映画を自分に当てはめてみていました。

 

まぁミュージシャンは年齢制限ないですから、プロになるまでやりたいだけ続ければいいんですけど、将棋の世界はそうじゃねえということで、お前のちっちぇ~夢に当てはめてんじゃねえって言われたらそれまでなんですけど。

 

 

何が言いたいのかわからなくなってきたw

要は好きなことを仕事にすることって、叶えられない夢を叶えることって、諦めなければ何とかなるんだよなぁ。

きっと子供の頃描いていた理想の将来とは違うんだろうけど、諦めなければ、好きなことへの情熱を失うことなく続けていれば、きっと道が拓かれていくんだなと。

もちろん自分の努力も大事だけど、それを見ている誰かが力や知恵を貸してくれて、背中を押してくれる。

そんなことを教えてくれた映画だったなぁと。

 

 

松田龍平の涙。

今回の主人公しょったんを演じた松田龍平。

この映画のタイトルが泣き虫しょったんということで、あ、松田龍平が泣きじゃくるんだな、と勝手に想像して臨んだんですが、あれちょっと待てよ?松田龍平が泣く?

彼のお芝居観ていて泣いているとこ俺観たことあるか?それ以前に彼ってそういう感情をあらわにするような演技がウリの役者だったっけか?と。

 

そうです、僕は彼の作品を少なくとも半分くらいは見てきましたが、大体彼の演技っていつも飄々としているというか、顔の表情筋あまり使わずに演技してるなぁとか、腹の底から叫んだりするような演技なんてしないよなぁとか、要するにほぼ顔で演技しないから、感情をあらわにしなきゃいけない役柄って演じてきてないんですよね。

 

だから彼の演技が活かされるような役柄って、基本何考えてるかわからないやつとか、あの鋭い目つきで平気で悪いことするやつとか、すごくオクテで内向的なやつとかの役がピッタリだったりするんですよね。

だから泣き虫しょったん=泣いてばかりの主人公って大丈夫か?と。彼につとまるのか?とちょっと疑問に思ってた節がありまして。

 

そんな思いを胸に鑑賞したんですが、松田龍平しっかり泣きます。

普通に自然に涙流したり、嗚咽して泣くもんだから、感情持ってかれて俺ももらい泣き。

やっぱり役者だなぁと今回の映画を見て改めて感じました。

 

正直言うとですね、そんなに何度も何度も泣きじゃくるような泣き虫ってわけではないんです。

劇中で子供時代含めて3~4回程度かな、泣いてるシーンは。

まず中学時代のアマチュア名人戦で、親友の悠野に負けてトイレに駆け込んで悔し泣き。

これは子役がやってるので松田龍平が泣いてるわけではないんですが。

 

で、お父さんが不慮の事故で亡くなってしまうんですが、遺体と対面した時に号泣するんですね。

このお父さんがまためっちゃいい人で、子供の頃からしょったんのために将棋道場に連れてったり、好きなことを仕事にするのはいいぞ!って言って奨励会に入りたいというしょったんに決して反対しない、年齢制限過ぎて引退してニート状態を続けていてお兄ちゃんん位めっちゃ叱られる中、お前はこれまで将棋の世界でプロになるために頑張ってきたんだから今はとにかく休め、しっかり休んでから次のこと考えろ、とかとにかくしょったんに優しいんですね。

でも実際のしょったんは奨励会にいる間、年齢制限の恐怖から逃れたくて遊びほうけていたわけですよ。真剣に将棋に向き合っていなかったんです。

だからいつも優しくしてくれるお父さんに対し、後ろめたさがあった。

心に秘めた思いを打ち明けることなく逝ってしまったお父さんを目の前にして後悔から大粒の涙を流すんですよね。

俺努力なんて全然してなかった、真面目に将棋と向き合っていなかった、お父さんに嘘ついてきた、ごめん、と。

 

この時松田龍平の顔ドアップです。

彼が感情を露わにするんですよ。あの飄々な芝居しかしない彼が、心ここにあらずみたいな芝居をする彼が。

すごく自然に感情爆発して泣くんです。声を詰まらせて。

なんというかですね、僕これだけでもこの映画見てよかったなぁと思えた瞬間でした

ときたま松田龍平作品のレビューとか読んでいると、いつも同じ演技しかしないとか、ワンパターンとか言っている人がいるんですけどね、一理あるとは思うんですが、むしろそれが彼の味じゃん!と思うわけです。

だから彼の演技ワンパターンと思っている人ほど、今作の彼の泣きの演技って貴重というか、そう思ってる人ほど見てほしいというか

 

あと小学校時代の担任の先生から絵葉書が届くんですが、ここでも泣くんです。

ここはさすがにサラッと泣く程度なんですが、ここもすごく自然で。

俺もまたもやもらい泣きw

 

 

というわけで泣きの演技をする貴重な松田龍平を堪能していただければと。

 

 

豪華キャスト。

さすが豊田監督の人脈だけあって、キャスト陣はめっちゃ豪華ですよね。

主人公以外は正直チョイ役ばかりですが、ちゃんと存在感がある。

 

担任の先生演じた松たか子は、ずっと笑顔で小学生時代のしょったんを褒めまくるんですが、めっちゃいいこと言うし。

 

奨励会の仲間たちもキャラが立ってる。駒木根隆介はおいしそうにナポリタン作るかと思ったら、急にやりたいだけやりあえばいいんだよとか怖い顔して言うしw

染谷将太は先輩に散々生意気なこと言うやつかと思ったらプロになった途端清々しい笑顔で接する二面性をちゃんと演じていたし。

渋川清彦もナイス兄貴キャラでいつも笑顔でみんなとわちゃわちゃしてる。「それが大事」の歌唱シーンで、やっぱ繰り返し同じ部分歌うのきついな(笑)ってセリフは正にその通りw

永山絢斗もしょったんを励ましていて好印象。なんかあったらストⅡだったけどw

 

妻夫木聡もホントチョイ役だったけど、彼によっていかに奨励会から引退しなければならないことがどれだけ辛いことかってのを痛感させられるし、早乙女太一も引退のリミットが近づいていて焦燥感をうまくだしてたし。

 

イッセー尾形の演技で何度泣いたかw

将棋道場のオーナーとして、時に厳しく時に健気に支えたいいオジサン役だったんですが、名人戦で負けてしまった2人にうんと励ますんですよね。自分がプロになりたいと思った時には既に遅かった、だからお前たちはまだこれかだ、そんな落ち込んだ顔すんな、頑張れ!って。

で、その後自分が2人を優勝させることが出来なくて、別れた後ごめんな・・・っていうんですよね。

あぁ号泣!

その後もプロ試験を仕事そっちのけでラジオで聞いていた時に、このシーンを思い出して再び号泣・・・。

なんだろう、しょったんを支える大人たちの言葉や行動でずっと泣いてましたね俺wどうしたんだw

 

とまぁ、豪華キャストがほんのちょっとしか出てないのに、素晴らしい存在感のおかげでずっと出てるかのようでした。

 

最後に

最後にこんなこと言うのもあれなんですが、この物語すごくよかったんですが、ほとんど努力してるシーンとか葛藤しているシーンがないんですよね。

夢を諦めなかった男のサクセスストーリーにしては、あまりにもうまく事が運ばれていて、どうも簡単に見えてしまう節がある。

 

コネで師匠を紹介してもらい弟子入りして奨励会に入り、仲間と遊んでばかりいて全く棋譜やら詰将棋やらやってないから、そこしか映してなかったらそりゃあ年くって引退だよなぁとか、引退後も案外簡単に神大法学部に入学してアマチュア名人になってと、えらくトントン拍子で進んでしまっている。

そういう意味で言うと熱さが全く感じられなくて、そこは多少の不満があります。

 

勝ちに慣れてないから勝利一歩手前で縮こまってしまうという弱点の指摘も、実際価値を逃している描写があるから理解はできるんだけど、そこにドラマ性がないからうまくハマっていかない。最後の勝負では活きてくるんですけどね。

 

ここをうまく描いてくれたらモンキー的には良作だったんですけども。

 

とにかく好きなことを仕事にすることの大変さ、その道が絶たれてしまったとしても、続けていくことで遠回りだったとしても夢はかなうぞ!ちゃんと周りの人は見てくれてるぞ!諦めんな!という映画でございました。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

映画「500ページの夢の束」感想ネタバレあり解説 スタートレックのためならどんな困難にも負けない。

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9月7日

500ページの夢の束

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 かつて天才子役の名をほしいままにした女優。ダコタ・ファニング

子供の頃はそのかわいらしさ、愛くるしさから多方面でもてはやされたとは思います。

しかし子役は短命と誰が言ったか、彼女が大人になるにつれて目立った活躍は見られなくなってしまいました。

いや、ただ単純に僕が観たい映画に出演していなかっただけなのか?

 妹であるエル・ファニングが女優として日の目を浴びてきたからなのか?

 

そして今回彼女主演の作品を久々に観賞することに。

彼女主演の作品だから、という理由で観るのではなく、あくまで映画の内容、いやスタートレックを扱ってるからなんですけど、それが気になり今回の観賞に至りました。

 

自閉症の女の子が、自ら書いた脚本を持って、コンテストのために初めての一人旅。

大人になったダコタが一体どんな演技を見せてくれるのか。

楽しみな1本です。

早速観賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

1966年のTV放送以来、沢山のシリーズを経て現在も製作されている人気SF大河ドラマ「スタートレック」。

その脚本コンテストに参加するべく、自閉症を持つ女性が初めての一人旅に出る。

人生の大きな目標のために、つまづきながらも目的地へ向かう彼女と、それを支える家族たちの愛とユーモアが溢れるハートフルストーリーです。

果たして脚本は無事届けることができるのか、そして彼女が脚本に込めた本当の想いとは。

 

天才子役から時を経て、成熟した大人のダコタファニングの、新たな代表作になるかもしれない1本です。

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

『スター・トレック』が大好きで、その知識では誰にも負けないウェンディ(ダコタ・ファニング)の趣味は、自分なりの『スター・トレック』の脚本を書くこと。

 

自閉症を抱える彼女は、ワケあって唯一の肉親である姉・オードリー(アリス・イヴ)と離れて暮らし、ソーシャルワーカーのスコッティ(トニ・コレット)の協力を得てアルバイトも始めた。

 

ある日、『スター・トレック』脚本コンテストが開催されることを知った彼女は、渾身の作を書き上げるが、もう郵送では締切に間に合わないと気付き、愛犬ピートと一緒にハリウッドまで数百キロの旅に出ることを決意する。

500ページの脚本と、胸に秘めた“ある願い”を携えて― (HPより抜粋)

youtu.be

 

 

 

 

 

監督

今作を手がけるのは、ベン・リューイン

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名前までは存じ上げなかったんですが、調べてみると「セッションズ」を作った監督さんでした。

え?セッション?あのドラムのやつ?

違います、セッションズです。

 

 

セッションズ [DVD]

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 これ。

確か僕の大好きな制作会社「FOXサーチライト」の20周年記念の作品てことで公開され映画館で観賞したんですが、首から下が麻痺してしまった詩人が、童貞を喪失するためにセックスサロゲートという職の女性とセックス・セラピーを介して交流を重ねていく、というお話です。

まぁすごいですよね、障がい者とセックスするお話ですよ。

しかもまったく聞いたことのないセックスサロゲート=性行為の代理人みたいな職業の女性が、性に対して不満だったり前向きになれない、また今作のように障がいを持つ人たちに身を持って改善していくというわけで。

なかなか踏み込んだ内容の映画でした。

 

なんだか娼婦みたいだな、と思う人もいるかと思いますが、あくまでセラピーの一環で性の改善をするので全く違いますし、性の解消のための相手でもありません。

この映画では、今まで障がい者としてしか相手に見られず男としての自信を得るために、仕事を依頼された事をきっかけに体験していくんですね。

しかもシリアスに感じそうなお話ですが、主人公が詩人ということで非常にユーモアに富んだセリフで描かれてるので、楽しく観賞できることでしょう。

 

 

そんな前作から引き続き障がいを持った主人公のお話ということで、本作をきっかけに監督の過去作を観賞されてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

キャスト

主人公ウェンディを演じるのは、ダコタ・ファニング。

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先日公開された「オーシャンズ8」にちょっとだけ出演していましたね。

 

www.monkey1119.com

 

一瞬誰?と思いましたが彼女でしたw

 

やっぱりダコタっていうと、「アイ・アム・サム」とか「マイ・ボディガード」、「アップタウン・ガール」や「宇宙戦争」なんてのが思い出されるのかなぁと。

どれも素晴らしい名演技で、彼女のとびっきりの笑顔と目いっぱいにためた涙に、心を動かされたことでしょう。

 

そんな彼女の代表作を簡単にご紹介。

知的年齢の低い父親が、引き離されてしまった娘を取り戻すべく勝ち目の低い法廷闘争に挑む姿を描いた「I am Sam/アイ・アム・サム」で注目を浴びた彼女。

天才子役と賞賛された彼女はたくさん作品に出演を重ねていきます。

わがまま放題の元金持ちお嬢様と大人びた少女が、いがみ合いながらも友情を築いてくガールズコメディ「アップタウン・ガール」、心を閉ざし生きる希望を見失った元CIAの特殊部隊員の男がボディガードとなり、少女と交流していくことで生きる希望を見出していくアクションサスペンス「マイ・ボディガード」、異星人による地球への侵略に混乱しながらも家族の愛と絆を深めていく主人公の奮闘する姿を描いたSF超大作「宇宙戦争」など大小問わず様々な作品に出演し話題を呼びます。

 

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少しずつ成長していくと共に作品の役柄も変わり、10代の女性から絶大な支持を得たヤングアダルト小説の実写化「トワイライト」シリーズにレギュラー出演したり、1970年代に一世を風靡したガールズバンドの栄光と挫折を描いた青春群像劇「ランナウェイズ」では奇抜なメイクと挑発的なファッションで観衆を驚かせました。

 

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他のキャストはこんな感じ。

ソーシャルワーカー、スコッティ役に、「シックス・センス」、「リトル・ミス・サンシャイン」のトニ・コレット。

ウェンディの姉オードリー役に、「セックス・アンド・ザ・シティ2」、「スタートレック・イントゥ・ダークネス」のアリス・イヴ。

フランク役に、「ヤング≒アダルト」、「LIFE!」のパットン・オズワルトなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回旅のお供に愛犬も加わるみたいなんですが、僕はこれに癒されそうな気がしますw

もちろんそこだけじゃない!

ダコタの大人になった姿の演技に注目です。しかも自閉症ですからこれまた難役じゃないでしょうか。

ここから観賞後の感想です!!

 

感想

これは人生初の大冒険で人生うまくいかないことも描いたロードムービーだ!

スタトレネタにクスっと笑えるし、何よりダコタだ!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人の少女の物語。

自閉症を抱えるスタートレックオタクの主人公が、「スタートレック」の脚本コンテストに自身の思いを投影した脚本を届けるべく、勇気を振り絞ってロサンゼルスまで旅に出る姿を、ファンにはクスっと笑ってしまうスタトレネタでユーモアに描きつつ、人生順風満帆に行くことなど無理に等しいといわんばかりのアクシデント、そこで触れ合う人たちとのコミュニケーションなどを通じて、主人公を一回りも二回りも成長させていくロードムービーでございました。

 

はい、僕はスタートレックを扱ったロードムービーで、ダコタ主演という部分に惹かれ今回鑑賞したわけですが、スタートレックネタがたくさん出てきてはいるものの、それはあくまで記号的な意味合いでしかなく、決してネタだったりどこのなんのセリフかまで把握していなくても、全然オッケーな映画でした。

 

ただ、これを知っておくと作品における登場人物の関係性だったり、主人公が誰に何を伝えたいのかってのがより深く理解できるのかな、とも思います。

 

 

そもそもスタートレックって何よ?ってところから始まるわけですが、すげぇざっくり言えば、「スターウォーズ」みたいに宇宙を舞台にしたもので、様々な種族と交友しながらまだ見ぬ宇宙を開拓してく一大スペクタクルSFロマンストーリーなわけです。

そこにはカークという勇敢な艦長がいて、スポックという宇宙人がいて、エンタープライズ号という宇宙船に乗って旅するんですけど、その道中で時には対立したりするんだけど友情を深めていくのがたまらない素晴らしい作品で。

 

で、これに自閉症のウェンディは脚本コンテストに自身の思いを投影したオリジナルストーリーを書いて届ける、というお話なんですね。

で、どんな脚本をウェンディが書いたのか、というと、エンタ―プライズ号が事故に遭い、カークとスポック以外のクルーは全滅、瀕死のカークをスポックが支えながら、彼を見捨てることなく惑星をさまようというお話。

 

これのどこに自身を投影しているのか、って話になってくるんですけど、ウェンディはスポックというバルカン人を自分の事のように見てるんですね。

スポックというのはバルカン人という宇宙人と地球人のハーフなんです。

元々バルカン人は常に合理的に物事をすすめ、論理的思考に基づいて動くために感情的にはならないんです。しかしスポックは地球人という感情を持つ人種の血を引いているせいで時に感情を露わにすることがあります。

スタートレックイントゥダークネス」でもカーンによって瀕死の状態になってしまったカークを見てブチ切れるスポックってのが、ここ最近のスタトレの中での名シーンなんですが、この時に感情的になるスポックが、自閉症のために感情的になってしまう自分と重なって見えたわけです。

だから彼女はスタートレックにハマッたわけなんですね。

 

そしてこの脚本を届けるために旅に出るという行為そのものが、スタートレックのようにまだ見ぬ惑星の中でさまよいながらも前進していく壮大で困難な旅と重なったりしていく面白さが劇中で描かれているんですね。

 

 

では一体彼女はこの脚本に何を込めたのかというと、唯一の家族である姉ともう一度暮らしたいという思いが詰まった脚本だったんです。

姉夫婦に子供が生まれたんですが一緒に暮らすとこができなくなり、彼女はソーシャルワーカーのスコッティと共に施設で暮らすことになってるんです。

劇中でも赤ちゃんを抱く女性が登場するんですが、ウェンディは赤ちゃんを抱くことができません。

これは姉夫婦の間に生まれた姪っ子を抱くことができない現在のウェンディの状態を示唆したシーンになっていることが分かると思います。

抱きたいけど抱けない、だけど姪っ子を抱っこしたい。それが出来れば姉とまた暮らすことができる、これがウェンディの願いなのです。

それを脚本に込めていたというわけなんですね。瀕死の状態のカークを見捨てることなく抱えて歩き出すスポック。私はあなたがどんな状況でもこうやって助けることができる、それが例え困難な状態であろうとも。

 

 

ここまで書いてしまうと完全に核心をついているネタバレになってしまってそうなんですが、とりあえず僕が言いたいのはスタートレックはあくまで記号的な意味合いだから全く知らなくてもいいけど、せめてスポックがどういう人物なのかってのをわかっているだけでも、彼女が脚本に込めた思いだったり、なぜスタトレにはまるのかってのが理解できるかと思います。

そしてこの物語はウェンディから姉への思いを描くと共に、自分の子供のために施設へ送ってしまった姉の複雑な思いという視点も描かれていて、ラストにはこの姉妹がどうやってこの歯車の噛みあわないすれ違いの思いを一つにつなげていくかが見どころとなっています。

 

他にも、クリンゴン語を使うことでウェンディの警戒心を解こうとする警察官のシーンだったり、「長寿と繁栄を」というバルカン人の挨拶だったり、細かいところにも色々な小ネタがあるので、そこを見つけるのも楽しさの一つだったのではないでしょうか。

・・・結局スタトレ見ないとダメ、みたいな文になってしまってるなw

 

 

非常に困難な旅路。

はっきり言って自閉症がどんなものなのかってのは詳しく分かりませんが、そんな方にでもこの障がいが、どれだけ一般的な生活をするのに苦労するのかというのをキチンと冒頭で描き、それによっていかに単独で街に繰り出すことが大変かというのを表現しているので、作品に入りやすくなっていたと思います。

 

例えば、主人公は1日のルーティーンが決まっているところ。

朝起きてシーツを変えて、シャワー浴びて、決まった朝食をとり、曜日ごとに色の違うセーターを着て、大通りを渡らないで仕事場へ出かけ働く。

このルーティーンに予想外の事が起きたり順番を間違えると癇癪を起してしまうわけであります。

 

そして人と目を合わせて話すのにも一苦労だし、何よりメモ帳がないとコミュニケーションがうまくいかないわけで、如何に単独での外出が厳しいかがわかるはずです。

 

そんな中でどうしても脚本を直接届けたいという一心で、一念発起し旅立つ主人公。

普通の人なら相手を信じたり疑ったり、または的確な距離でコミュニケーションを計れるから、何かトラブルがあったとしても対処できますが、彼女の場合それすらも大変なわけで。

 

それでも一歩ずつ前に進む彼女の行動力だったり、危機回避能力ってのを見ていて驚きを隠せません。

ロス行きのバスを途中で降ろされてしまい、歩いて目的へ向かう彼女。しかも目的地まで270キロ・・・。赤ちゃんを抱いた女性に頑張って心を開くけど、開いた結果置き引きされipodを強奪されてしまったり。

老婆に助けてもらい、ワゴンにのせてもらうけど運転手が居眠りしていて事故に。

病院に運ばれるけど、看護師の目を盗んでうまく逃げだしたり。

どうしてそこまでできるのか、彼女は普通の人とは違う・・・

って思っちゃうんですよ。

やはり脚本を届けなくては、という原動力が彼女を突き動かしてるんですよね。

 

そして彼女が冒険に出る中で、様々なトラブルに見舞われるのは、まさに人生の縮図といえるでしょう。

決まった時間に決まった場所で決まった服を着て決まった行動をしながら生きていくことなど無理に等しいわけで、まさに彼女はそれを旅路で体感していくんですよね。

そんな時にスタートレックのセリフが彼女を平常心にさせ、一歩ずつ前進させていくんです。

好きな作品がここまで彼女を大胆にさせるのかと。

 

 

最後に

今作で自閉症を持つ主人公を演じたダコタ・ファニング。

彼女の役者人生第2章ともいうべき名演技だったのではないでしょうか。

こういう障がいを持つ役柄を、いかに自然に演じられるかが大事な作品だったわけですが、もう完璧でしょう。

目線を下に向けて、たどたどしいと思ったら急に早口になったり、同じことを何度もいったり、頭を何度もたたいて癇癪を起したりなど、過剰に演じるのでなくあくまで自然に演じていたと思います。

 

旅先で起きる出来事によって少ずつ心情が変化し、やがて大きく成長を遂げていくという流れは正にロードムービーに適した内容。

そんな旅の主人公ウェンディは冒頭、自身を光に例えて語ります。目的地まで何百万光年も離れた場所から旅に出るものの、あまりの広大さに目的さえも見失ってしまう。いったいこのたびは無事ゴールにたどり着けるのだろうか。

是非ウェンディの旅路の果てに見た景色を目に焼き付けてほしいと思います。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「プーと大人になった僕」感想ネタバレあり解説 くまのプーさん、良いこと言い過ぎ。

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9月14日

プーと大人になった僕

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「くまのプーさん」。

正直どんな話なのか知りません。

 

かなり昔の話ですが、友人がティガーのぬいぐるみを持っておりまして。

僕はそのぬいぐるみを、ケロッグ「コーンフロスト」のトニー・ザ・タイガーだと本気で思っていて、またマニアックなところついてくるね~トニーのぬいぐるみ~、なんて言って大恥かいたことがあります。

もちろんプーさん自身は知っていますが、サブキャラがいるなんて思いもよらず。

 そんな僕の中で認知度の低いプーさんの実写映画。一体どんな内容なのか。

ここ最近のディズニーは、アニメーションの実写化に力を入れていますが、こればっかりは男の子を大人にしないと無理があったのかな。

アニメも原作も知らないからよくわからん!

 

どうせあれだろ?パディントンという新たなクマアイコンの登場に焦ったかなんかだろ?ディズニーさんや。

オレの心はパディントンでいっぱいだぜ?

そこにどう漬け込んでくるんだい?プーさんや。

いや、プーや!お前に「さん」など要らん!

プーよ、オレの心のパディントンと勝負だ!

というわけで早速観賞してまいりました!!!

 

・・・どうでもいいけど昔「クマのプー太郎」ってのあったね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

世界中で愛され続けるA・A・ミルンの児童文学「クマのプーさん」。

森の中で共に過ごした少年とクマの微笑ましいエピソードに、誰も夢中になった原作又はアニメーションのその後を実写映画として描く。

大人になり仕事に負われるクリストファー・ロビンの前に、プーや森の仲間たちが現れ奇跡の再会をしたことで、ロビンが忘れていた何かを思い出していく姿を描く。

「本当に大切なモノ」とは何か。プーはどんな事を教えてくれるのでしょうか。

 

 

 

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プーと大人になった僕

プーと大人になった僕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

少年クリストファー・ロビンが、“100エーカーの森”に住む親友のくまのプーや仲間たちと別れてから長い年月が経った──
 

大人になったクリストファー・ロビン(ユアン・マクレガー)は、妻のイヴリン(ヘイリー・アトウェル)と娘のマデリンと共にロンドンで暮らし、 仕事中心の忙しい毎日を送っていた。

 

ある日クリスファー・ロビンは、家族と実家で過ごす予定にしていた週末に、仕事を任されてしまう。

会社から託された難題と家族の問題に悩むクリストファー・ロビン。

そんな折、彼の前にかつての親友プー(声:ジム・カミングス)が現れる。

 

プーに「森の仲間たちが見つからない、一緒に探してほしいんだ」と頼まれたクリスファー・ロビンは、子供の頃プーたちと過ごした“100エーカーの森”へ。

何一つ変わらないプーやピグレット、ティガー、イーヨー、カンガとルーの親子。

仲間たちとの再会に喜びと懐かしい日々を感じながらも、仕事に戻らなければならないことを思い出す。

「仕事って、ぼくの赤い風船より大事なの?」と、悲しむプーたち。

 

急いでロンドンに戻ったクリストファー・ロビンは、森に会議の重要な書類を忘れてしまう……。

 

 一方、クリストファー・ロビンの忘れものに気づいたプーと仲間たちは、マデリンの助けを借り、親友のため、初めて“100エーカーの森”を飛び出し、ロンドンへと向かう。

クリストファー・ロビンが忘れてしまった、本当に「大切なモノ」を届けるために──(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

 

 

監督

今作を手がけるのはマーク・フォスター

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監督の作品はアクションとかヒューマンものを何作か観ていて。

ワールド・ウォーZ」とか「007慰めの報酬」とかが有名ですかね、最近ので言うと。

モンキー的には「君のためなら千回でも」って作品で号泣したので、これが監督作品で一番かなぁ。

 

とりあえず監督の代表作をザックリご紹介。

人種差別主義者の元看守が、ある悲劇を堺に自分の行き方に疑問を抱き、黒人女性と恋に落ちていく姿を描いた「チョコレート」を監督。この時出演したハル・ベリーが初めて黒人女性がアカデミー賞主演女優賞を受賞し話題となります。

その後も「ピーターパン」誕生にまつわる物語を描いたヒューマンドラマ「ネバーランド」、アメリカに亡命し夢をかなえた主人公が、少年時代に犯した罪を償うために、タリバン政権下のアフガンへ帰郷する姿を描いたヒューマンドラマ「君のためなら千回でも」など、ヒューマンドラマを中心に手がけていきます。

 

 

近年はアクション映画にも挑戦。

往年のスパイ映画シリーズ007初めての続編で、最愛の女性を失い復讐心に駆られるボンドが闇の組織へ立ち向かう「007/慰めの報酬」、パンデミックの救命を担うことになった元国連職員が、ワクチン開発のために危険を冒しながら世界を飛び回る姿を圧倒的スケールで描いたゾンビ映画「ワールド・ウォーZ」なども手がけています。

 

監督はこのあとすぐにも公開作品が控えています。

失った視力を取り戻した妻と、それによって美しく変貌を遂げていく妻に疑いと激しい嫉妬心を覚える夫の愛の結末をミステリーチックに描く「かごの中の瞳」が今月28日に公開です。

 

 

 

 

キャラクター紹介

 

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左上より。

 

  • クリストファー・ロビン(ユアン・マクレガー)・・・少年時代に、サセックスのハートフィールドにある“100エーカーの森”でプーたちと過ごす。現在は、ロンドンにあるウィンズロウ商事のかばん部門で働いている。
  • イヴリン(ヘイリー・アトウェル)・・・クリストファー・ロビンの妻。 仕事ばかりのクリストファー・ロビンとすれ違っている。
  • マデリン(ブロンテ・カーマイケル)・・・クリストファー・ロビンとイヴリンの娘。クリストファー・ロビンに言えずにいることがある。
  • プー(声:ジミ・カミングス)・・・いつもハチミツの事ばかり考えているクリストファー・ロビンの親友。
  • ピグレット(声:ニック・モハメッド)・・・プーのことが大好きな、心優しいがとても臆病なコブタ。
  • ティガー(声:ジミ・カミングス)・・・お調子者で、いつも陽気。飛び跳ねる事が大好きなトラ。
  • イーヨー(声:ブラッド・ギャレット)・・・シッポをよく失くす、おっとりしたお人好しのロバ。
  • カンガ(声:ソフィー・オコネドー)・・・ルーのお母さんで、森のみんなを見守る優しいカンガルー。
  • ルー(声:ワイアット・ディーン・ホール)・・・カンガの子で、やんちゃな頑張り屋さん。
  • ラビット(声:ピーター・カバルディ)・・・森で一番の働き者だが、頑固で怒りっぽいウサギ。

 

 

 

 

 

 

 

果たしてプーは、現代に疲れた大人たちにどんな言葉と癒しをもたらせてくれるのでしょうか。

さすがにプーたちCGだよね?マジぬいぐるみじゃないよね。

ここから観賞後の感想です!!

 

感想

プーさんの金言が目白押し!

あ~俺も「何もしない」ことしてぇ!!

シンプルでありながら見ごたえ十分な映画でした!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おつむは小さいが心は大きい。

100エーカーの森で共に遊んだぬいぐるみたちに別れを告げ、気が付けば大人への道を歩み、家庭を顧みず仕事漬けの日々を送っていたクリストファーロビンが、プ―との再会や数十年ぶりの森への訪問、そして娘の父への思いを知ることで、本当に大事なものは何なのかというう意味を見出し、行動し実行していく姿を、豪華絢爛な映像描写でお馴染みのディズニーらしからぬシンプルな構成と演出、プー達ぬいぐるみ勢のきめ細かでぬくもりのあるCGのクオリティ、そのぬいぐるみたちと娘とのちょっとした冒険譚が微笑ましい、十分に見ごたえのある作品でございました。

 

 

大人になったからには労働しないわけにはいかず、まして家庭を持てばそれを支えなければならない。

気が付けば人生で一番大事なのは、家族でもなく、子供の成長でもなく、自分の趣味でもなく、「仕事」になってしまっている。

そんな何もかも人生のサイクルが「仕事」を起点に回ってしまっている大人たちに、プーという子供の頃の一番大事な友達が「働き方改革」をしてくれる、とてもすんばらし~~映画だったと思います。

 

なんといいますか、現実はこの映画のように全てが丸く収まるような人生ではないと思うんです。いや絶対そうですw

しかしながらこの映画を見た後、果たして俺の人生7時起床20時退社1時に寝るの繰り返しでいいのか、一体何のために休日も仕事しなければいけないのか、休日って何のためのものなのか、いやいや仕事ってそもそも人生を豊かにするために必要だけど、今の俺豊かな人生か、こんなにがむしゃらに働いて果たして幸せなのか?

といった自問自答をし、劇中でプーが言っていたように最高の人生を導くのは「何もしない」事から始まるのではないか、といった、今歩んでいる道を一度立ち止まて考えてみたくなる、そんな気持ちにさせてくれる映画でした。

 

僕らが子供の頃、今日という日を一生懸命楽しんでいたと思います。

例えそれが効率が悪くて人生に全く意味のないことでも、とにかく楽しむことが大前提。それってプーが言う「おつむは小さいけど心は大きい」から楽しかったのだと。

だけど年を重ねるにつれて現実が押し寄せ、責任を負い、自分を犠牲にし、妥協を繰り返し、大人になっていってしまっている。

そう僕らは大人になるにつれて知識や教養を身に着けうまく立ち回るようになり賢くなったけど、その分今日という一日一日を犠牲にしているだけで楽しめていない=心は小さくなってしまっている人間になってしまってる。

プーが言ってたことと逆になってしまっている。

本当に大事なものが赤い風船からかばんへと変わってしまっている。

君は君のはずなのに、なぜ子供から大人になったことで変わってしまうの?

そんなことをプーは我々に問いかけてくれるのです。

 

そして子供の頃の一番の親友であるプーが、かつてのクリストファーロビンではなく、家庭を顧みない仕事漬けの大人になり下がってしまったクリストファーに、はちみつだらけの手を差し伸べ、か細い声で金言を投げかけ、娘というクリストファーが一番大事なものを味方に、彼を変えていくのであります。

 

 

途中までの俺の気持ちと見終えた後の俺。

見終わった後はとても清々しい気持ちになったのですが、正直途中まではプーの行動にイラついていたんですよね実はw

劇中で大人になったクリストファーロビンは仕事でとても大きな壁にぶつかります。

業績悪化を一途をたどる旅行かばん部門を仕切るクリストファーは、上司から命令された経費削減案を早急にまとめなければならず、それには週末約束していた家族旅行を返上し、休日出勤して案を考えなければならない。しかも高い目標数値をクリアするために人件費削減=リストラも避けて通れないという極めて厳しい問題を向き合わなければならない状況なのです。

 

この状況を家族は理解してくれません。当然です。約束を破るわけですから。いくら会社の大事な仕事が急に決まったからといって、仕方ないわね頑張って!なんていうわけがありません。

 

奥さんもあなたの仕事を好きになったんじゃない、一緒に踊っている時に笑ってくれるあなたが好きになったのよなんて、ステキなこと言うんですよ。

 

娘も今回の旅行を楽しみにしていたのに、結局仕事でキャンセル。もうすぐ寄宿学校という厳しい環境が迫ってきている中での貴重な一家団欒だったのに、そりゃあねえぜパパ!じゃあよ!せめて本読んでくれよパパ!・・・って何の本読んでるんだよ!はぁ?産業革命?寝る前にイギリス史かよ!結局勉強かよ!もういいよ!眠ぃよ!寝させろよ!てか出てけよ!(こんな口調ではありませんw)

とふてくされてしまいます。

ここでクリストファーは会社の上司から言われた言葉を娘にも言うんですね。

「夢はタダではないんだ、何もしなければ何も始まらないんだよ。」

と。

 

言いてえことはわかる。さすがおつむはデカいが心は小せえ大人の言うことだ。

でもなそれが現実なんだよスイートハート。そうやって大人たちは社会の歯車の一部になって動いていかなきゃならねえんだ。だから今頑張らないといけないんだよ将来のために。

 

そしてしかめっ面の家族を旅行へ送り出し会社へ。上司も一緒に仕事してくれるって言ってたけど・・・いねえじゃん。まぁいいや仕事仕事。

 

夜になり帰宅しようとすると、お隣さんもちょうど帰宅。何度も何度もジン・ラミーの誘いをしてきてやんわり断ってきていたクリストオファーは、また誘われると思い自宅の前の庭へ行くと、そこにはプーがいるではありませんか。

 

おい久しぶり!てか何でいるの!?いやその前によく俺が分かったね!どうした元気?そうかそうか、じゃおれ仕事あるから…ってなに、ピグレットたちが消えた?手伝え?いやいやいや無理だよ、仕事やらなきゃいけないんだって。君の気持ちはわかるけどもう子供の俺じゃないんだよ!君にかまってあげられるほど暇じゃないんだよ!

 

するとさっきのお隣さんが声を聞きつけやってきます。

すかさずコートの中にプーを隠して逃げるようにお隣さんを煙に巻いて自宅へ。

早速プーはあれこれやらかします。

お腹空いたってことではちみつを。皺が増えたけど子供の時のままだね!とそのはちみつをすくった手でクリストファーの顔をさすりべちゃべちゃ。

そして足をはちみつに突っ込んで、その足で家の中を散策。君の家は歩きにくいね。こらこら。

終いにはレコードプレーヤーをひっくり返し、散らかしてしまう始末。

翌朝も台所の棚に登ってぶっ壊す失態を犯すプー。こら何テメー人ん家でやりたい放題やってんだ。転がったビンによって台所の棚が全部崩壊してしまうドリフ的展開。

 

このままプーを家においておけば仕事がはかどらない。ならさっさとこいつをあの森へ帰してしまえばいい。そう思い達クリストファーはプーを連れて森へと向かいます。

 

この道中でも人がワンサカいるロンドンの街で普通に通行人に声をかけて驚かせたり、風船ねだったり、子供にさらわれたり、汽車内で仕事に集中したいのに、目の前のものを言葉にするゲームで邪魔したりと、子供のころ遊んだプーそのまま。

 

まぁここまでの流れでですね、僕かなりイラついていましたw

ホントにプーが邪魔臭いんですよ。

家族にそっぽ向かれる件はクリストファーにも悪い部分があるから仕方ないなぁとは思っていましたが、その気持ちのまま話が進んでこいつ登場ですよ。何をするにもおっちょこちょいすぎてイラつかせる。

時に奔放さは諦めを通り越して怒りに変わるといいますか、クリストファーが大事な仕事だって言ってるのに、気を遣わずに奔放に心の赴くままにやってしまうプーの一挙手一投足がホント腹立って。

 

て事は俺もプーの言う「おつむはデカいが心は小さい」大人として見ていたんですよね。

 

でもクリストファーが森へ行き、イーヨーたちを探し出し徐々に子供の頃の表情に戻っていくと同時に、僕自身も心が洗われていったというか。

もうこのまま遊び倒しちゃえよクリストファー、大事な仕事ほっぽりだしてそのまま家族と遊んじゃいなよ、その後はなるようになるぜみたいなケセラセラな気持ちになって。

「何もしない」が最高の何かに繋がるって、こういうことなんだなぁって。

その後の娘のちょっとした冒険もプラスになって、最後には笑顔で見終えることができたというか。

 

だから映画を見ている自分とクリストファーが完全にシンクロしたことで、僕もクリストファー同様、本当に大事なものは何かってことに気付かされた気持ちになったんですよね。

 

 

プーさんの金言集

というわけで、クリストファーと同じ気持ちになって見終えた私モンキーが、なぜこんな気持ちになったのか、それはプーによる素晴らしいお言葉によって生まれたといっても過言ではありません。

そんな彼のおつむが小さいながらも大きな心が詰まった言葉を紹介しましょう。

 

  • 「何もしない」が最高の何かにつながる

これは会社の上司が、部門縮小にならないための打開策を休日返上でやれ、という時のシーンで上司が言う言葉「夢はタダではない、何もしないは何も始まらないことなんだ、沈みかけた船で君は何もしないでいるかそれとも頑張って泳ぐのか」という言葉に対しての言葉にあたるものだと思います。

実際に少年クリストファーがプーに言った言葉であり、言った本人が大人になって忘れていた気持ちをよみがえらせた魔法の言葉でもありました。

実際この言葉によって、部門縮小の打開案を閃くという大逆転の展開にもつながっており、この映画の一番の名言だと思います。

 

 

  • 行ったことのないところへ進まなきゃ。

起床したプーは外へ出ると霧がかかっており、イーヨーやピグレットの姿が見えないことに不安になります。このまま待つかそれとも前に進むべきか、少年クリストファーの家に立ち止まり、プーは考え家の中へと入っていくんですね。

現状維持という無難な道を歩むのでなく、それを打破し前へ進もうとするプーの気持ちが現れたシーンでした。

 

  • どこかへ行きたいと決まっていると、どこかが来てくれる

上の言葉とは逆に、決まった目的地があればおのずと向こうからやってくる、要は道は拓かれるということでしょうか。

実際クリストファーとはぐれたプーは待っていることで再会を果たし、ロンドンで娘たちとはぐれたティガーたちは、クリストファーと奥さんの車に遭遇できた。正井にどこかが来てくれた展開。(すいませんどこで言ってたか忘れてしまって無理矢理結びつけましたw)

 

  • 今日が一番好き。

100エーカーの森で眠り込んでしまい会議当日になってしまったクリストファー。

明日になってしまったことに慌てるクリストファーに対し、今日は明日ではなく、今日だよとプー。

その後も、今日は何曜日だっけ?と話すプーに対し、今日は今日だよと返すクリストファー。

今日という日は今日しかない。明日だと思っていた今日は昨日思っていた明日でなく、今日は今日。その一日一日を楽しもうというプーの気持ちが現れた言葉だったと思います。

 

  • 君は君でしょ。

何十年も時が経ち風貌も様変わりしたクリストファー。もう子供じゃないんだという言葉に対し、君は君でしょ、大人になっただけで何も変わってない。クリストファーそのものだとプーは返します。

大人になったことは果たして別人なのか、そんなことを考えさせられる言葉だったのではないでしょうか。

 

 

他にもたくさんありましたがこの辺で。

 

最後に

人生を生きていく上で本当に大事なものは何か、幸せとは何か、ということを子供の頃を共に過ごしたぬいぐるみによって教えられ変貌を遂げる仕事人間クリストファーの姿が、現代を生きる大人たちに刺さるとてもいい作品でした。

これは不満という過去の身でありますが、それでもボクはやっぱりプーよりパディントンの方が好きで仕方ありませんw

だって向こうは紳士なんだものw

たかがそれだけで優劣キメるのも変な話ですが、まぁあくまで僕の好みということで。

 

とはいえいい映画だったことにかわりはありません。是非仕事漬けのお父さんお母さん、お兄さんお姉さん、休みはこの映画で一度今の人生を考えなおしてみませんか?立ち止まって見ませんか?

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10


映画「響/HIBIKI」感想ネタバレあり解説 平手友梨奈が青く荒んだ心を赤く抉る。

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9月14日

響-HIBIKI-

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甲「お、響映画化かぁ~。マジかぁ~。なるだろうとは思ってたけどねぇ~。楽しみだなぁ。」

 

乙「 えーっ!?響が映画になるんですかっ!!なんで今頃っ!?だって全然話題にもなってないじゃないですか!?い、いやそれ以前に映画にする意味が・・・」

 

甲「はぁ?お前何言ってんの?今映画にしないでいつ映画にするんだよ?意味がナイとってどういうことだよ。」

 

乙「だって!だってですよ?響って、ほらなんていうんですか?旬じゃないっていうか、もう誰も覚えてないっていうか、なのに先輩映画化楽しみとか言って!あれ?オレもしかして時代についていけてない?」

 

甲「そうだよ、このおかっぱの女子高生がさ・・・」

 

乙「そうです!そうです!やっぱりその響ですよね!?すごくふてくされた顔してて!」

 

甲「ふてくされてる?あぁ見方によっちゃあそう見えなくもないか。」

 

乙「そうですよ!それで体格がデブで!」

 

甲「デブ!?お前響のどこがデブなんだよ!お前いい加減にしろよ?何と勘違いしてんだよ!とりあえず響に謝れ!」

 

乙「え、言うんですか・・・どうもすいませんっ!」

 

はい、久々の、いや久々でもないか。

茶番劇から入る今作の感想でございます。

ちょっとアンジャッシュ的な感じ、伝わったでしょうか。

今回の映画と、太っちょ女子高生と男子生徒のコントでお馴染み、レッドカーペット芸人の「響」をかけた・・・という。

 

忘れてくれ!

 

 

 はい、仕切りなおして。

現在人気絶頂のアイドルグループでセンターを務めるあの子が、いきなりの映画初主演。

いいですね。最近アイドル主演の映画ないですもんね。昔はいっぱいあったんだよ。全然観てないけどw

歌ってるときも、ものすごい目つきというかオーラを放つ彼女ですから、曲がったことがだいきらぁい~♪は~らぁ~だたいぞぉ~です!・・・じゃなくて曲げない性格の天才小説家ってことで、一体どんなお話なのか、また彼女のお芝居はどんなものなのか。

いつもどおり原作未読でありますが、ミーハー心をウズウズさせながら早速観賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

2014年の連載開始から爆発的人気を博し、「マンガ大賞2017」で見事大賞を受賞した、柳本光晴の漫画作品「響~小説家になる方法~」が、人気アイドルグループ「欅坂46」でセンターを務める平手友梨奈主演で実写映画化。

 

圧倒的な文才を持つ現役女子高生小説家の、才能と破天荒な性格が巻き起こす出来事によって、彼女とその周囲の人間達の成長を描いていく。

 

圧倒的な才能を前にしたとき、私達は何を思い、何が変わるのか。

 

小説 響 HIBIKI (小学館文庫)

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響?小説家になる方法? コミック 1-9巻セット

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あらすじ

 

 

スマートフォン・SNSの普及により、活字離れは急速に進み、出版不況の文学界。

そこに現れた一人の天才少女、彼女の名は『響』(平手友梨奈)。

 

15歳の彼女の小説は、圧倒的かつ絶対的な才能を感じさせるもので、文学の世界に革命を起こす力を持っていた。

文芸誌「木蓮」編集者の花井ふみ(北川景子)との出会いを経て、響は一躍世の脚光を浴びることとなる。

 

しかし、響は、普通じゃない。

彼女は自分の信じる生き方を絶対曲げない。

世間の常識に囚われ、建前をかざして生きる人々の誤魔化しを許すことができない。

響がとる行動は、過去の栄光にすがる有名作家、スクープの欲だけで動く記者、生きることに挫折した売れない小説家など、様々な人に計り知れない影響を与え、彼らの価値観をも変え始める。

 

一方、響の執筆した処女作は、日本を代表する文学賞、直木賞・芥川賞のダブルノミネートという歴史的快挙にまで発展していく。(HPより抜粋)

 

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監督

今作を手がけるのは月川翔

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月の川を翔ぶ男、月川監督はなんとこれが今年3作目。

となりの怪物くん」、「センセイ君主」、そして今作と、学園モノ青春恋愛モノの原作漫画はとりあえず彼にやらせたら間違いない!と業界内でいってるのかいってないのか。

とにかく現在売れっ子監督であることは間違いないです。

やはり昨年の「君の膵臓をたべたい」の大ヒットの恩恵を受けていることが大きいのでしょう。

 

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泣いたもんなぁ。

今作ではその「キミスイ」のキャストも脇に置くキャスティングもしております。

ここまで推しといてなんですが、先月観賞した「センセイ君主」はひどかったです・・・。

 

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今回はこれまでの監督作品とは、ちょっと違うテイストのような気もします。一体どういう作品になっているのでしょうか。

 

 

 

 

キャラクター紹介

 

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左上より。

 

  • 鮎喰響(平手友梨奈)・・・圧倒的な文才を持った現役女子高生。絶対に”曲げない“性格で、自分の信念と反する相手には手を出すことも。

 

  • 花井ふみ(北川景子)・・・響が作品を送った出版社の文芸編集部に勤務する、入社3年目の若手女性編集者。

 

  • 祖父江凛夏(アヤカ・ウィルソン)・・・日本を代表する小説家の父を持ち、自身も小説家を志す文芸部の部長。

 

  • 神田正則(高嶋政伸)・・・「木蓮」編集長。ふみの上司。自分の利益になることを最優先に考え動く男。

 

  • 田中康平(柳楽優弥)・・・響と同じタイミングで木蓮新人賞を受賞した青年。響に挑発的な態度をとる。

 

  • 鬼島仁(北村有起哉)・・・過去に芥川賞を受賞し、現在はメディア露出も多い作家。
  • 矢野浩明(野間口徹)・・・週刊誌記者。木蓮新人賞授賞式をきっかけに、響を執拗に追及する。
  • 藤野弘(小松和重)・・・山本の担当編集者。
  • 大坪正人(黒田大輔)・・・小論社の編集者。花井ふみの先輩。
  • 椿涼太郎(板垣瑞生)・・・響の幼なじみ。

 

  • 祖父江秋人(吉田栄作)・・・凛夏の父であり、ヒット作を次々に生み出す世界的人気作家。

 

  • 山本春平(小栗旬)・・・芥川賞受賞を狙う青年作家。

 

 

 

 

 

 

 

今旬の作品である原作と、今旬である女性アイドル。

この出会いが偶然でなく必然であったくらいのインパクトが、果たしてあるのかどうか。

というか、そもそもオレは平手を知らない!何を期待してるんだ!知らないのに期待させるほどのオーラに、オレはやられてしまっているのか!?

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

こんな子が世の中まわしたら、どれだけ面白いだろう。

天才小説家はやること全てが非凡だった!

話としては非常に満足です!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある意味世直し。

文芸誌の新人賞に応募した無名の女子高生が、周りの評価や世間の目によって、文芸界を揺るがす存在へとなっていくまでを、欲や傲慢さや自分の意志の無さがにじみ出た周囲の人物たちを、決して自分を曲げない意志の強さから啖呵と暴力と純粋な正論で一刀両断していく姿に見惚れてしまう、カッコイイ女子高生の物語を彼女中心に描いた群集劇でございました。

 

原作も読んでいなければ主人公を演じるアイドルの顔は知ってるけど名前まで知らない程度のレベルでの鑑賞で臨んだわけですが、まずは簡単な感想を。

結論から言いますと、はっきり言って面白かったです。

 

主人公の行動や言動によって、核心を突かれ自身を改めていく周囲の人物たちというエピソードをつなげていき、直木賞と芥川賞という文芸界で一番大きな賞を史上最年少の小説家が獲るか否か、という流れであったわけですが、

個々のエピソードは正直弱いし、主人公がを曲げない性格なのではなく、自分が気に入らないことは何としてでも阻止する、または暴力で解決する、要するに大人の解決を知らないタダのガキンチョという気持ちで途中までは思ってみててしまったわけです。

 

しかし、この一連の流れを何度も見ていくうちに、あ~彼女が悪いんじゃない、俺の考えや価値観がそもそも普通というか一般的、むしろその一般的な考えってほんと俺自身の考えで物事観てるのか、などなど自分の思うこと全てが間違っているのではないか?という気持ちになり、どんどん響の魅力に憑りつかれていく、そんな気分になっていき、最後には彼女のやることなすこと全てを応援したくなっていくにまで至りました。

 

最初こそ天才小説家、って何?要は人と違うだけの事だろくらいの斜め上からの視点で見させてもらっていたわけですが、小説を書くことが天才なのではなく、人の目とか世間とか体裁とか常識とか他者によって作られた考えに、一切合わせることなどしないで自分自身をしっかりもった性格だからこそ、すごく惹かれていったわけであります。

 

そうなんです、劇中では彼女は天才だ、なんてセリフが何度も出てくるんですが、この物語、彼女がどれだけの才能なのかとか、なぜ彼女は小説を書こうとしたのか、とかそういったことは特に深掘りしてないし言及さえもしていないんですね。

そこにクローズアップせずに、響きという人物の行動言動性格などにスポットを当て、普段我々が我慢しているであろうあらゆるハラスメントを響が暴力と心にグサッとくる言葉でコーナーまで追いつめ、相手に何も言えなくさせる、むしろ相手がそれを言われて納得してしまうまでになっていく流れになっているんです。

 

例えていうとって古いんですけど「ショムニ」の坪井千夏とか、「半沢直樹」、もっというと「水戸黄門」ばりの悪による不条理をバッサバッサと斬っていく、そこで生まれる快感というか爽快感に浸れる作品だったのかなと思います。

 

かといって、響きの周りの人物が何か犯罪的な悪いことをしているのではないです。

文芸部の部室で喫煙して溜まり込んでいる男子の先輩がケンカを売ろうとすれば、真っ向勝負で指を折り、落とし前という言葉をそっくりそのまま返して何も言わせなくするシーンや、響の才能に嫉妬しながらも本心を隠し友達として付き合う凛夏の気持ちをあえて察することなく本気で話す件、勝手な思い込みで相手を見下しこき下ろす新人賞作家にも堂々と立ち向かい、スクープを狙い世間の声で煽ろうと画策する雑誌記者にも、みんながこういっているのではなく、あなたはどう思うのかと問い詰める場面などなど、自分の意志のない登場人物たちが響によって変えられていくのです。

 

 

ある意味ヒーローかもしれない。

こうした響の一連のやり取りは、今の世の中に必要な気がする、とさえ思います。

 

 

我々はいつの間にか相手の意見に合せたり、みんががそういうからと普通でいることが正しいと思い込んでいる節があります。

それを勝手に自分の意見と勘違いし主張し、相手につきつける。

響はそれに対し本当のあなたはどう思っているのか、ということを逆に問い詰めます。すると、本当は響の言うことが正しい、けど世間はそうは思ってないと切り返し揉めるわけですが、響は決して世間と話しているのではなく、あなたと話していると突き詰めるんですね。

大人になるにつれて、いや子供の時からそうかもしれませんが、空気を読むということを重んじる集団生活が個人を殺してしまっているというか、多数が正義という論調だったりとか、そういった事に対し、個人の意見をもっと主張して言いたいことを言うことが響にとっては大事で、みんなもそうであるべきだということをこの映画では伝えてるような気がします。

 

例えば凛夏。彼女は本心が言えず暮らしてきたこともあり、劇中では彼女本心というのがなかなか見えません。それを表情や仕草で見せているんですね。

例えば序盤の文芸部入部の件。

面白い本、つまらない本と分けて整理している本棚の中に響きがつまらない本が面白い本の中に混ざっていて、それを凛夏が元に戻したり響がつまらない方の棚にいれたりの繰り返しをするシーンがあります。

普通ならここでアタシが並べたんだから勝手に移動しないで!といえば済むのに言わないんですよね。

結果響の幼馴染が響が届かない場所に本を置いてこのやり取りが終わると思ったら本棚ごと倒して、私が整理するという強引なやり方で響は我を貫くわけです。

 

そして当初は有名な小説家である父の苗字を伏せて小説を発表しようと思っていましたが、響の小説家の才能に嫉妬したこと、響きが新人賞の候補に残っていることを聞いて対抗心が生まれ、結果父の苗字をつけて本名で発表する決意をします。

 

そして小説の感想を響に言われることで、ようやく凛夏は本気でぶつかれるんですね。

初めて彼女の本気の感情が出た瞬間でもあります。

 

そうやって響は本当の気持ちを言えない人間に本当のことを言わせてくれる、言わなくていいことでなあなあに生きてきた人間に喝を与えてくれる存在として描かれていた気がします。

 

 

平手友梨奈はこれをやるために生まれたんじゃないか。

今回初めての映画にして主演という大役を演じた彼女。

初めてなのにここまで堂々と響という役柄を演じられていたことに驚きを隠せません。いやお世辞でもないし決してファンから叩かれてるのを恐れているのではないですw

 

普段は純粋に本が好きで動物が好きな普通の女子高生という面をちゃんと見せながら、言いたいことを言う時の真っ直ぐな眼差しだったり、芯がある表情は見事だったと思います。

セリフだって棒読みではない、というかもしかしたら棒読みかもしれないけど、この響というキャラは感情の起伏が少ない設定にしてることで、演技が下手に見せないようにしているから気になりません。

劇中で常にタメ口でしたけど、彼女ならどこか許せてしまうw

途中コスプレしたり、砂風呂状態になりながら本を読むシーンでもあえての真顔にすることでコミカルにしてる面も、うまくハマっていたように思えます。

総じてこの響という役がピッタリでしたね。普段の生活でも蹴りとか食らわせてるんじゃないかと思い込んでしまうほどですw

逆に北川景子の演技がちょっと辛かったですね。響をほめるところとか受賞シーンでの質疑応答とかの真面目っぷりがどこか嘘くさく見えてしまって。もっとオーバーにえんじればよかったのに。

あとはアヤカ・ウィルソン。彼女キレイになりましたね。今どきの女子高生というか本心が言えないヘラヘラした表情が様になっていたし、何より水着姿がステキ!

他の出演者も元々脇役として実力ある方たちばかりですから文句の言いようがありません。

小栗旬はキミスイに続いて暗い役でしたねw彼はむしろ影を背負った役の方が役者としてあっていると思うんですけどねぇ。

 

 

最後に

キャラ的にすごく魅力ある映画でした。

自分はそこにすごく惹かれて楽しめましたし、何よりあの全然面白くなかった「センセイ君主」の監督がこっちではちゃんと映画監督してるじゃん!て思うほど。

小栗旬が耳栓してタイプしてるシーンとか、受賞シーンでの暗転スポットライトからの赤いライトとか際立ってたし、何より平手友梨奈をすごくきれいに撮ってた気がします。

出来ることなら登場人物をもう少し減らして時間かけてキャラをあぶりだす、もしくはあと15分くらい時間増やして響以外の人物にもスポットをあてる、そうすれば物語に深みが出たかもしれません。

 

漫画原作だからとか、アイドルが主役だからとかでスルーせずに観てほしいですね。

とりあえずモンキーは楽しめました!

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「ザ・プレデター」感想ネタバレあり解説 ならず者軍団全員ホーキンス説。

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9月14日

ザ・プレデター

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一体何度目の新作なのか。

80年代後半に公開されて以来、今もなお愛され続けている地球外生命体プレデター。

森林から市街地にまで現れ、時にはあのエイリアンとも一戦交えた好戦的種族が再び地球にやってくるのであります。

 

個人的な話ですが、僕は映画をちゃんと観るようになったのが10年前くらいで、それまで全く映画に興味の無かった人間でして。

で、子供の頃この「プレデター」ってTVで散々やってたんですよ。

散々やってたのに観てこなかったこともあり、このプレデターという存在に愛着も無ければ思い出も思い入れもない人間なんです。

 

恥ずかしい話、ホント数年前まで「プレデター」と「コマンドー」の区別すらもついてなかったw

笑っていただいて結構ですw

無知は恥w

 

じゃあそんなやつが何でプレデターの新作なんか観にいくんだよ?ってなると思うんですが、今作の監督は僕が大好きなシェーン・ブラックが手がけるということで、その理由だけのために観ようと前々から楽しみにしていました。

 

登場人物がひょんなことからコンビを組むことになり話が進んでいく、いわゆる「バディムービー」の申し子と言っても過言ではないシェーン・ブラックがまさか「プレデター」をもバディムービーにしてしまうのか!?

 

そんな期待を胸に早速観賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

戦うことを最大の喜びとする戦闘種族・プレデター。

その生態は未だ謎に多く包まれているものの、強敵には敬意をはらい、弱きものには手を出さない武士道精神を持ち、戦いに崇高な精神と、高度な知能を備えた地球外生命体だ。

そして過去何度も地球に訪れては人々を恐怖に陥れてきたあの最強ハンターが、少年が起動させてしまった謎の装置によって呼び寄せられ、再び人類を恐怖のどん底に突き落とす。

強さ賢さといった能力をさらに高め、レベルアップして地球に襲来してくるヤツに、人類はどう立ち向かうのか。

 

過去最強クラスのプレデターに劇場で脅えるがいい!!

 

 

 

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ザ・プレデター (竹書房文庫)

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THE PREDATOR フジティブ・プレデター アルティメット 7インチ アクションフィギュア

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あらすじ 

 

少年が最凶最悪のハンターを呼び寄せてしまう!

元特殊部隊員で現在は傭兵の父親クイン(ボイド・ホルブルック)がメキシコで手に入れた謎の装置を、息子のローリー(ジェイコブ・トレンブレイ)が箱の中から発見。

彼が起動させてしまったその装置は、地球にプレデターを呼び寄せるシグナルを発信するものだった・・・。

父親とならず者兵士たちは、少年と人類を救えるか!?

プレデターと接触したことで、事態を隠蔽しようとする政府の極秘機関に監禁されてしまったクイン。

彼はルーニーズと呼ばれるならず者の兵士達と共に脱走し、危機が迫っている息子と人類を救うために奮闘する!

“究極のプレデター”出現!果たしてその正体は・・・?

 再び人類の前に姿を現したプレデターは、他の種のDNAを利用し、遺伝子レベルでアップグレード。

より強く、より賢くなっていた。

さらに、通常のプレデターをもはるかに上回る圧倒的なパワーをを秘めた、“アルティメット・プレデター”までもが突如出現!

人類はどのように立ち向かえばいいのか!?(HPより抜粋)

 

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監督

今作を手がけるのはシェーン・ブラック。

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せっかくなんで今のじゃなくて、当時の画像でw

はい、実は監督、シュワちゃん主演の「プレデター」にホーキンス兵士役で出演していたんですね~。最初のほうでプレデターに無残に殺されてしまいますがw

劇中でも全然笑えない下ネタを仲間に話すキャラ設定が印象的でした。

 

そんな監督が今回プレデターを撮るということで、それなりに強い思い入れがあるに違いないと思うので、その気持ちが画面に溢れていたらいいですね。

 

さて、冒頭でも触れましたが、シェーン・ブラック監督といえばこれまで「リーサル・ウェポン」や「ラスト・ボーイスカウト」といった作品の脚本、そして「アイアンマン3」や昨年公開した映画「ナイスガイズ!」など数々の作品を世に送り出してきました。

その全てがバディムービーになっているということで、今回もその手法を使ってプレデターを描くのか気になるところ。(アイアンマン3もちゃんとトニーと少年がバディになってますからね!)

おそらく父と子の物語になるとは思うのですが果たして。

 

監督に関してはこちらをどうぞ。

 

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キャスト

元傭兵の主人公クインを演じるのはボイド・ホルブルック。

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わ~おイケメン。

正直名前だけだと全然誰だかわからなかったんですが、写真見たら「あ!」ってなる人も多いかと。

そうです、去年公開した「LOGAN/ローガン」で、ローラを奪いにやってきたドナルド・ピアーズ役の人です。腕が機械のやつ。

まだそんなにたくさん大きな役で出演しているわけではないようで、これを機に注目されていくことでしょう。

 

そんな彼の出演作をサクっとご紹介。

2011年から本格的に映画に出演し始めた彼。

近未来の地球を舞台に、宇宙生命体ソウルに寄生されるも抵抗し、二つの魂を宿った女性の活躍とロマンスを描いた「ザ・ホスト/美しき侵略者」や、妻の突然の失踪に、渦中の人物になってしまう夫の秘密と衝撃の顛末が描かれる「ゴーンガール」などに端役で出演。

その後、息子を守るため親友である組織のボスを敵にまわすことになった殺し屋の逃亡劇「ラン・オールナイト」、愛する夫と娘を守るために銃を手にし戦うヒロインを描いた西部劇「ジェーン」などにも出演し、少しずつ存在感を出していきます。

そして、アメコミ映画「X-MEN」のメインキャラウルヴァリンの最後の死闘と親子愛を綴った現代西部劇「LOGAN/ローガン」で敵役を演じ、認知度を高めていきます。

 

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他のキャストはこんな感じ。

ネブラスカ役に、「ムーンライト」、「ホース・ソルジャー」のトレヴァンテ・ローズ

クインの息子・ローリー役に、「ルーム/ROOM」、「ワンダー/君は太陽」のジェイコブ・トレンブレイ。

コイル役に、「LEGOムービー」、「ピッチ・パーフェクト2」のキーガン=マイケル・キー

ケイシー役に、「X-MENアポカリプス」、「チャーリー・モルデカイ/華麗なる名画の秘密」のオリヴィア・マン

バクスリー役に、「ディープ・ブルー」、「ミスト」のトーマス・ジェーンなどが出演します。

 

 

 

 

プレデターの強さ

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そんな事知っとるわ!という人も、そうでない人も簡単な予備知識を、ということでザックリ説明を。

  •  特徴

基本的に彼らは宇宙を舞台に、自分の腕試しを繰り広げており、過去にも地球を訪れています。気候的に暑く、さらに人と人が争うことで熱を持った場所に現れ狩りをしていくんですね。

そして戦い方ですが、強い敵には敬意を表して挑み、弱きものには手を出さないという彼らなりのルールや思考が過去作からも何度か観られます。「プレデター2」では子を身篭った女警官は武器を持っていたものの、殺されはしなかったですからね。

 

そんな武士道精神とも呼べる崇高な心で戦いを好むプレデターは、基本は高いところからよじ登ったりジャンプしたりして獲物を観察。始末したら頭部の骨と寝骨を抜いて持って返り、それ以外は皮を剥ぎ、臓物は抜き、足からつるした状態で死体をみせしめるという手口で人々を殺していきます。

 

 

  • 武器

ヘルメット。

目にはサーモグラフがついており、赤外線によって標的を把握する役目を持っています。

ちなみに「プレデター」では、泥をかぶったダッチ(シュワちゃん)を探せなかったことで、ダッチはプレデター討伐の糸口を見つけます。

 

右腕にはリストブレイドとショルダープラズマキャノン。

リストブレイドは、接近戦用の武器として使われ、自由に格納できる切れ味のパない爪。

プラズマキャノンは、ヘルメットの連動し、狙いを正確に定め相手を攻撃する破壊力抜群の武器。

 

左腕にはリストコンピューターなるリモコンを装備。

ここから武器を稼動させたり、ケガした時のための救護キットを出したり、そして自爆をするときもこのリモコンで操作します。

 

他の武器にレイザーディスクという円盤型の武器も装備。切れ味は抜群で、建物も切るし多少離れた場所でも攻撃できる優れモノ。

そして全身は光学迷彩を施しており、光の屈折を利用してカメレオンのようにカムフラージュし、完全に姿を消すことができます。

 

過去作では刀やヤリなども用いて戦闘していましたが今作では果たして使われるのか期待ですね。

 

ちなみにヘルメットを取ると、と~っても醜い顔をしてます

過去作でも「なんて・・・醜い顔なんだ」と地球人から絶句されてましたw。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回通常のプレデターを凌駕する「アルティメットプレデター」なる存在が登場するようで、プレデターの顔と背骨を持っているプレデターの手が写ったポスターが、それを想起させているように思えます。

果たしてパパは世界を救えるのか!?

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

だああぁっ!!忘れてたよシェーンブラックの持ち味を!

久々に支離滅裂な物語だけど、ダメな奴らが集結して勝利に向かって頑張る映画だよこれ!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正統的続編でした。

愛すべき醜いキャラクター・プレデターの、何度目かの地球襲来による人類の危機を脱するために、寄りにもよって我らエクスペンダブルズなヘタレ軍団とどうして銃まで扱えるんだ女性科学者、そして発達障害という裏を返せば人類のさらなる進化である息子というチーム編成で立ち向かう血沸き肉躍る戦いぶりを、ユーモアと下ネタ満載の楽しい会話とこれでもかといわんばかりの激しい銃撃戦、そして無残な死体と残骸から感じるグロ描写、そしてついに現れるスタイル抜群のアルティメットプレデターa.k.a.ウーピー・ゴールドバーグとの熾烈な争いに、もはや脚本や後付設定などどうでもいい、俺のプレデターはこれだ!という監督の熱い熱い思いが詰まった最強映画でございました!!

 

はい!というわけでプレデター新作鑑賞してきましたが、はっきり言って物語は散々なものでした!

プレデターよりも強いプレデター―が出てくるのに、その強さが全く持って発揮されない可笑しさ、最初にやってくる1号プレデターが一体何のためにやってきたのかを理解した時、じゃあなんでお前人間殺したんだよwという可笑しさ、1号からくすねたヘルメットとアームリモコンをなぜもっと活かして戦おうとしないんだバカたれ!という可笑しさ、人間の血が混ざったっておいおいとうとう人間とヤッたのかよ!なおかしさ、そしてとうとうプレデターがまともに喋る可笑しさ、色々とおかしいだらけな話だったんです!

そもそもプレデターといいう意味が捕食者だそうなんですが、こいつらは狩りをしているとはいえ、守るためでなく戦うために狩りをしているので、どちらかといえばハンターが正しい呼び名だそうなんですが、それでもプレデターの方がカッコよくね?って言ってるんですね。

だから!そういうことなんですよ!こういうプレデターの話の方が楽しくね?くらいの感覚で作られているんですよこの映画は!

 

で!もっと言えば!これプレデターよりも人間たちの方が魅力的に描かれてるわけです。

監督はバディムービーの申し子とイントロダクションでも書きましたが、私もう一つ忘れていました。監督の持ち味を。

それは人生ダメな奴が時には勝つことだってできる、というメッセージ性です。

これを僕はすっかり忘れていました。

たまたま護送車に居合わせた軍人たち。ロクな奴らじゃないですよ。

アヘンのやり過ぎによる自殺願望、聖書好き、あとよく覚えてねえけどとにかく色々やらかして干されてしまったやつらだったわけです。

そんな彼らがクインの一声で一致団結し、時にサボりながらもきちんと見せ場で活躍するわけです。曲がりなりにも最前線で戦ってきた奴らですよ!肝が据わってます。

そんな彼らと紅一点の科学者、そしてプレデターが持つテクノロジーを解読してしまう天才的頭脳を持つ息子という、肉体戦士と頭脳派2人というほぼオフェンシブな陣営で、醜いプレデターの子、いや狩りぐらしのプレデッティ、違った、どこのスーパーモデルだよってくらいスタイル抜群だけど顔はおブスなモンスターエイリアンと命がけで戦うわけです。

 

この彼らのキャラ立ち具合が凄く愛らしいんですよ。

なんていうかどいつもこいつも知能指数低いんだけど、やるときはやる。みたいな。

ケイシーを保護した時に、起きたらくつろいでたようにしようって、ベッドの上にあれこれ並べたり、なぜかそこにユニコーンの折り紙置いたり、しかもその後彼女がどう出るか賭けてたり、アホだなぁwと。

その後クインの息子ローリーが行方不明って時に、みんな協力しない、しかもそのうち二人は奥さんとテレビ見ようとしてネブラスカに怒られたり。

そのネブラスカも自分自身を銃で撃って一人で病院まで歩いて命からがらだったなんて過去バナも出てきて、マジでお前らどうかしてるぜレベルなんですよね。

護送車内でもずっと下ネタですよ、ケンカの入り口がお前の母ちゃんのあそこユルいからここにいる5人分入るぜ!みたいなどぎつい下ネタぶっこんでくるし、ヘリ盗んで来いって言って、お天気ギャルって書かれたクソエロイお姉ちゃんの写真が貼られたヘリ盗んでくるし、おまけにプレデターと一触即発って時に「チ〇ポ!」って声出しちゃうやついたし、もうすべてがバカで愛おしい!

 

そんなおバカなこいつらが命を削ってプレデターとやりあい、終いには最高にかっこいい死に方で見ている我々を感動させるわけです。

 

監督は実際にプレデター1でホーキンス兵士役で出演していました。役柄としてはひたすら下ネタばかり言ってるちょっと近寄りがたい奴で、仲間にその下ネタジョークを言って笑わせようとしていたんですが、そのホーキンスの遺志を継いだのかホーキンス5人分がでていたような感覚ですよね。

実際軍人チームってのもプレデター1で出てくるわけで、そういう点においては原点回帰、もしくは1作品目のオマージュともいうべき人間描写だったのかなと感じております。

 

 

 

プレデターに関して

今回プレデターが2体登場する時点で、だいぶ方向性を変えてきたなぁと感じました。

 

もう冒頭からこれプレデター?ちょっとしたスターウォーズになってない?と思える始まり。宇宙船が宇宙船を追いかけるシーンから始まりますからね。そこに地球が映って「ザ・プレデター」のタイトルバックですから。

しかもちゃんと1と2の続編として描かれていて、すでに政府の秘密組織がプレデターを追っていて、過去の武器とかヘルメットを押収してあるという新事実。プレデターズはなしなのか。

またプレデターのデザインも結構スタイリッシュになっているのも僕は好き。ヘルメットもどこかかっこいいのですよ。あと腕のやつも。トランスフォーマーとかアベンジャーズのウルトロンみたいなどこかアメリカチックでメタリックな感じ。よくわからんけど。

 

そこからはもう、新しい試みだらけですよ。

プレデターが犬を飼っている、プレデターが翻訳機を使って英語を話す、プレデター語も字幕が出た後いちいち英語に変わる、プレデター異種交配して進化している、しかも人間をも交配しようと企んでる、もはや狩りの目的が変わってきてるじゃん。

まだまだありますよ、プレデター脱走して普通に施設の上を走る、プレデターまさかの人間保護、プレデター3メートル越え、プレデター軍隊の手を使ってサムズアップするギャグまで披露などなどこれでもかとリニューアル、いいやアップグレード?どっちでもいいや、とにかく監督がやりたかったプレデターというものを見れた気がします。

 

そんなプレデターさん、今回まぁ人間たちをこうもあっさり殺しちゃいますかってくらい殺しちゃいます。その切れ味といったらもう。

毎回恒例の人間つるし上げ血まみれからの、臓物ドーン!大腸だらーん。

首チョンパもあれば胴体真っ二つまで描かれてます。

カニのようなお口で科学者の腕ガブリ、血がブシャー!からの腕もぎり。

殺戮描写は徐々にエスカレートしますし、実際プレデター1号はアルティメットプレデターに瞬殺されるんですが、これがもう圧巻といいますか、何もそこまでしなくてもというくらい木っ端みじんになりますし、そんなアルティメットプレデターも最後は無残な幕切れですし。

多分プレデターシリーズ史上一番血が流れた作品だったんじゃないですかね。1と2しか見てないんですけどwR15指定になったのもわかります。これヘンにレーティング下げようものなら全カットなんじゃないかってレベルですから。

 

こうだったらもっと盛り上がったのに。

物語のラスト、プレデター1号がなぜ地球にやってきたのか、アルティメットプレデターから追われながらも地球まで来て何を託そうとしたのか、という答えが描かれて、あ、これは続編に繋がっていくんだろうな、というところで終わった今作。

このシーンを見て僕が感じたのは、てっきり今回の映画でこれやるんじゃない?って思ったことがまさに描かれていて、その1号の答えをむしろ今回でやったら僕としてはもっと胸アツだったのに、と思って観てました。

えらく遠回しですが、ここ核心に触れるのご容赦ください。

 

要はですね、クインがメキシコでの任務の時にプレデターのヘルメットと腕に装着するリモコン、そして光学迷彩になれるアイテムを盗んで、自宅に送るんですね。

これを新しいゲームが届いたと思い込んだ息子のローリーが開けてしまい勝手にいじり出すことで、アルティメットプレデターに居場所を特定されてしまうわけです。

ローリーは学校でいじめられているので、お母さんが買ってきたハロウィンで着る衣装を着ずに、このヘルメットとアームを付けて出かけちゃうことから大変なことになってくるってのが今作の流れなんですけど。

 

で、何が言いたいかって、ローリーは発達障害ではあるものの、めちゃめちゃ頭いいわけです。勝手にヘルメット覗いてプレデターのテクノロジーを理解するし、そのヘルメットから爆撃もできちゃうわけです。

これをですよ、うまく使えば1号より強いアルティメットプレデターにと対等に戦えるじゃないかと。息子が指揮してお父ちゃんがそれ使って戦う。

例えばプレデターが光学迷彩使って姿を消したとする、それをローリーがヘルメットで探し出してお父ちゃんに指示する、3時の方角!とか。

そうすることで親子の物語に深みが増し、監督お得意のバディムービーへと変貌を遂げる。

みたいな。

こんな風にして戦うと、本来のプレデターの本質をだいぶ失う結果になってしまいそうですが、既に冒頭からかなりSFチックなわけでしたし、なんなら行くとこまで行っても良かった気がするなぁと。

 

これはあくまで僕がプレデターをバディムービーにするなら、という願望なので、まぁ聞き流してくださいませw

 

だからきっとこの展開が次回作でやったりするのかな、なんてちょっと思うわけですよ。息子が指示してお父ちゃんが戦うという構図。しかもプレデターの武器を使って。

あーだいぶ核心を突いてしまったか、大丈夫か。

 

 

最後に

きっとプレデターファンや、映画を真面目に見ている方は、今回のプレデターのあまりにグダグダな話の流れにつまらないと仰る方も少なくないと思います。

どうしてそうなった、プレデターが弱い、人間描写ばかり、とか。

そこはもう視点を変えていただいてですね、あくまでプレデターを使った男たちの熱いブロマンス映画だと思ってみていただいてですね、グロとアクションとバカっぷりを堪能していただけたらと思っております。

僕は監督ファンという立場から鑑賞したので、こんなことが言えると思うんですが、どうか頭で考えてみるのではなく、体で感じて楽しんでほしいなと。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「愛しのアイリーン」感想ネタバレあり解説 様々な愛のむき出しに笑いと狂気が止まらない。

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9月15日

愛しのアイリーン

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私モンキーが全幅の信頼を寄せている吉田恵輔監督。

男兄弟女姉妹による愛と憎しみの数々を怒涛の笑いと涙で綴った「犬猿」という上半期トップクラスの作品を世に出したばかりだというのに、今年もう1本公開するんですくわぁっ!!

 

おいおいおいおい、ただでさえ今年は「カメラを止めるな!」って超ダークホースだったり、「うなぎ」以来の快挙とタイトルだけ観ただけで日本の恥とか言われて大問題に発展したけど、そのおかげで大ヒットになった「万引き家族」、ぶっちゃけ話は全然面白くなかったけど積み重ねてきた10年の月日はいつのまにか国民の心に根付いていた「劇場版コードブルー」とか、もう今年も残すところあと4ヶ月切ったけど、今年ってどうみたって日本映画盛り上がってるんじゃないの?って。

 いやこれが興行収入も大事だけどさ、中身だよ中身。

「犬猿」なんて数字じゃどこまでいったか知らないけれど、間違いなく映画ファンは賞賛に値する面白さだったでしょう。

何、それをもう一度俺たちに喰らわすわけ?

あ~~~~~どうしよう。

も~~~~~楽しみ。

 

はい、ここまで書いてまだ作品の中身に何も触れていないバカ猿です。

 

もう終わるからね~~。前置き~~。

 

過疎化した村で育った40歳童貞のおっさんが若いフィリピン人の女性を半ば金で買って結婚!村に帰ってきてさぁ大変!!という、それって本当の幸せなのかい?という思いと、過疎化した村に外国人なんか連れてきて大丈夫か!?というハラハラ感。

ヒメアノ~ル」でエロスとバイオレンスをシンクロさせ、観衆の感情を弄んだ監督が今度は一体どんなマジックで我々を魅了してくれるのか?

もしくは「ヒメアノ~ル」のエロスとバイオレンスを越える映像を作り上げたのか?

 

早速観賞してまいりましたぁ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

ザ・ワールド・イズ・マイン」や「宮本から君へ」などの原作で知られる漫画家・新井英樹が、「少子高齢化」や「嫁不足」「外国人妻」「後継者問題」から「国際結婚が内包している様々な問題」をベースに描いた「愛しのアイリーン」を、最も影響を受けた漫画と豪語する監督によって製作された。

 

嫁不足の農村に両親と暮らす40代の童貞男と、貧しく若いフィリピン人の女性との国際結婚によって、夫婦とは、親子とは、家族とは、幸せとは、そして愛とは何かを、壮絶でダイナミックに描く。

これまでの恋愛や結婚への憧れや幻想を打ち砕く、平成最後の「事件」をスクリーンで拝め!

 これが地獄のバージンロードだ!!

 

愛しのアイリーン コミック 全6巻完結セット (ビッグコミックス)

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あらすじ

 

 

一世一代の恋に玉砕し、家を飛び出した42歳のダメ男・宍戸岩男(安田顕)はフィリピンにいた。

コツコツ貯めた300万円をはたいて嫁探しツアーに参加したのだ。

30人もの現地女性と次々に面会してパニック状態の岩男は、半ば自棄になって相手を決めてしまう。それが貧しい漁村に生まれたフィリピーナ、アイリーン(ナッツ・シトイ)だった。

 

岩男がとつぜん家を空けてから二週間。

久方ぶりの帰省を果たすと、父の源造(品川徹)は亡くなり、実家はまさに葬儀の只中だった。

ざわつく参列者たちの目に映ったのは異国の少女・アイリーン。

これまで恋愛も知らずに生きてきた大事な一人息子が、見ず知らずのフィリピーナを嫁にもらったと聞いて激昂するツル(木野花)。

ついには猟銃を持ち出し、その鈍く光る銃口がアイリーンへ……!(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

 

監督

 

今作を手がけるのは吉田恵輔。

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今年公開した監督の前作「犬猿」。

 

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実は僕監督のトークショーつき試写会で観賞しまして。

前に座っていたおっさんとずっと同じタイミングでゲラっていたんですがw

その時にまだ情報伏せてるんだけど、もう少しで解禁されるから楽しみにしてて!みたいな事を言っていて、それが今回の映画だったと。

 

「犬猿」のように基本監督はオリジナル脚本作品が多く、今の映画業界でオリジナル脚本で映画撮れるのは希有な存在なんですが、「銀の匙~Silver Spoon~」と「ヒメアノ~ル」と一応コミック原作も手がけてるんですよね。

むしろヒメアノ~ルのせいで、コミック原作の監督って変な認知されてないかな、大丈夫かな・・・。

 

 

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キャスト

 主人公・宍戸岩男を演じるのは、ヤスケンの相性で知られる安田顕。

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どちらかというと脇役のイメージが強い彼ですが、今作が実は2度目なんですね~。

観てないんですけどw

 

 作品も脇役だからいっぱいありますもんね。何が代表作なんだろうw

僕好きなのはドラマですけど「下町ロケット」の役柄ですかね。技術者の。

頭ぐしゃぐしゃで太い淵のメガネかけて髭ボーボーで。

あまり小奇麗な役柄よりもだらしない感じで庶民的な役のほうが似合ってるかなぁ。

あまりエキセントリックな役柄もモンキー的にはアクが強すぎてイヤかなw

銀魂のやつとかノイズでしかなくてあの役あまり笑えなかったし・・・。

 

そんなヤスケンの代表作をサクッとご紹介。

TEAM-NACSの一員としてTVや舞台で活躍し、少しずつ東京でのお仕事を増やしてきたヤスケン。

福田雄一監督作品によく出演しており、真冬の海に呼び出された6人の男達の妄想バトル「大洗にも星はふるなり」、少年ジャンプで連載していたパンティをかぶると突如正義のヒーローに変身してしまう「HK変態仮面」、戦隊モノのパロディとイマドキの女子事情をふんだんに盛り込んだ「女子ーズ」などに出演しています。

 

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他にも、北野武監督に抜擢されインテリヤクザ役を演じた「龍三と七人の子分たち」、未解決事件を担当する刑事達が超能力を持つ犯人達と熾烈な戦いを繰り広げる「SPEC」シリーズでは、物腰柔らかい医者の顔とは一変、相手に病を処方する能力を持つマッドサイエンティストの役を演じています。

他にも、歌舞伎町での仕上がろうとする若者の激しい抗争を描いた「新宿スワン」、突然超能力に目覚めた地方の男子高校生たちを描いたSFコメディ「みんな!エスパーだよ!」などがあります。

 

今作は、現場を行き来する脇役俳優のロマンスを機に、大きなチャンスが訪れていく「俳優 亀岡拓次」以来の単独初主演となっています。

 

俳優 亀岡拓次 Blu-ray(通常版)

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他のキャストはこんな感じ。

岩男の妻・アイリーン・ゴンザレス役に、フィリピンの実力派女優ナッツ・シトイ。

岩男の母・宍戸ツル役に、80年代小劇場ブームの旗手的存在となり、現在でもたくさんの作品に出演している木野花。

塩崎裕次郎役に、「あしたのジョー」、「ジョジョの奇妙な冒険」の伊勢谷友介。吉岡愛子役に、「あゝ荒野」、「さよなら歌舞伎町」の河井青葉などが出演しています。

 

 

 

 

 

 

 

今回監督はどんな人間模様を見せてくれるんでしょうか。休む間もなく笑いと涙が押し寄せるのか、はたまたこれまでにないバイオレンス描写が待ち構えているのか。

ここから観賞後の感想です!!

 

感想

「ヒメアノール」以上に胸糞悪くて心掻き毟られた・・・。

田舎町で起きた様々な愛に、性と生の叫びを見た。

今年一番の劇薬映画かもしれない・・・。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

何と表現したらいいか・・・。

田舎町で未だ実家に住みながら生活している未婚の中年男性を中心に、登場人物全てが愛を望むあまり性に憧れるあまりにそして幸せを願うばかりに暴走していく姿を、過疎化の一途をたどる小さな町から浮き彫りになる、嫁問題、国際結婚問題、偏見や差別問題、親の介護から姥捨て山という必要悪などを細部に至るまで描き、「ヒメアノール」で培った下ネタユーモアとバイオレンス描写を愛の絶頂期を境にうまくスライドしていくことで、笑いと涙、そして愛とは何か幸せとは何かを深く考えさせられた今年一番の劇薬映画かもしれない作品でございました。

 

上映時間137分。吉田惠輔監督にしてはかなり長いお話だったわけですが、見終わった後の僕の気持ちとしては、愛という見えそうで見えないものにここまで心を振り回せれてしまうのか、というものでした。

前半でのどストレート過ぎる下ネタの数々とヘタレ過ぎる岩男の行動、そしてカタコトの話すアイリーンの健気さにとにかく激しく笑う部分もあればほっこりする場面もあり、非常に心地いい時間を過ごせたはずなのに、ある事件を境にこの映画のBsideへと物語は形を変え、さっきまで笑えた下ネタにも笑えず僕の表情もどんどん曇っていったわけで。

 

一体この気持ちどう昇華したらいいのか、手探りで書いております。まぁいつもだけど、いつも以上です。

もう幕が下りてライトがついたとき、一人で見てるのに思わず「うわぁ…」と言ってましたから。これ相当です。

もちろん非常に満足してます。満足してるんだけど爽快感なんてありません。失望感とも達成感とも違う。ラストカットに何を思うかで皆さんどう感じるかですよね。

 

ただ僕はこの感想としては是非皆さんに見てほしい、皆さんで愛の表面と側面の何たるかを見届けてほしい、そんな気持ちであります。

 

 

 

下ネタストレート過ぎるだろ!!

吉田惠輔作品は基本健康的なエロスというモノが随所にちりばめられていて、それが作品の中で効果的になっている時があるんですが、今回の作品に関しては健康的なエロスなんてものは存在せず、非常に生々しく描かれていてこれこそ人間本来のむき出しの欲なんじゃねえかって感じのものになっていたように思えます。

その大きな理由の一つとして、田舎町だからこそ成立するんじゃないかという包み隠さず語られる下ネタの数々です。

もうこの町には、今問題となっている女性に対するセクハラ問題の波なんて来てるわけがありません。

 

これまで色々と映画を見てきましたが、こんなにも「オマ〇コ」という言葉を聞いたことがありませんw正確には「オマ〇"ゴオォォォォっ!!!」ですがw

岩男は最初こそ大人しい男でしたが、中身は性欲を満たしたいと渇望しており、夜家に帰ればオナニーを繰り返したり、たいして興味もない中年女性スタッフと寝てしまったりしてしまってるんですね。

ただ気持ちとしては純なもので、愛子が別の男と成り行きで寝たことを知り、憧れだった人の本性を知って失望すると、フィリピンパブの女性を買春するんだけど、結局それでは気持ちが満たされないことは鼻からわかっていて結局寝ないんです。

だけれど欲望は消えない。夜の町をさまよいひたすら「オマ〇コ」と叫び、不注意で車に轢かれても「オマ〇コ」と叫ぶ。何かが爆発したんでしょうねw

そして一念発起しフィリピンでアイリーンをカネで買い、日本へ連れて帰るもなかなかさせてもらえない毎日を繰り返すわけで。その時も「オマ〇コさせろ」の繰り返しです。あまりに溜まりすぎて岩男のあれがギンギンに反り立ってるシーンは爆笑モノです。あまりのでかさにアイリーンは実家に電話までしてしまうんですからw

色々あってようやくアイリーンと結ばれるわけですが、岩男をある恐怖が襲うことで岩男のアイリーンに対する愛情が歪んでいくんです。その愛情は再び性欲へと変換していき、再び「オマ〇コ」ワード連発。

ここまでストレートで言われるとみてるこっちが恥ずかしくなりますw

 

一番強烈なのは、岩男が務めるパチンコ屋の同僚。まさかの物まね芸人古賀シュウさんが演じてるなんて聞いてないですw(ぜひカラオケを歌うシーンでものまね披露してほしかったwww)

朝礼から女性スタッフがいるにもかかわらず「おはようごザーメン」と言い放ち、勤務終了後カラオケに行こうと誘う時も、超セクハラワード連発。

でもそんな奴に限って案外モテたりして、岩男が好意を抱いていた愛子と流れでセックスをしたと、岩男本人に話してしまうといった、空気の読めない男をオヤジ節全開でやっちまっております。

 

こんな具合に下ネタは沢山出てくるんですが、性描写に関して言えばものすごく生々しかったように思えます。

今年「娼年」なんて生々しいセックスを描いた映画がありました。

 

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 あまりの生々しさに見てるこっちが恥ずかしい気持ちになりましたが、娼年は性癖に対する多様性という生々しさはあったものの、映像としては美しく映すことに重きを置いていたように思えます。それはきっと女性が見るであろう映画だからかなと。

 

しかし今作は下ネタがストレートだけあって完全男向けになっており、性描写も岩男の性に対する欲望が抑えられない感じを見事に表現した荒々しさでした。

 

ゲスな話ですが、やっぱり男も女も性欲の度合いがみんな同じで、いつどこで消化するかで平静を保てるというか理性を保ててると思うんです。

例えば恋人と、例えば夫婦で、例えば風俗で、例えば…一人で。

で、この一人での状態を続けていると岩男みたいに暴走しだすというか。よく言いますよね、初体験が遅い人こそ、セックスに憧れを抱き過去を取り戻したいがためにセックスに没頭する、執着するみたいな。

 

岩男がそうだと思うんです。彼は何度も何度も愛を求めては願いかなうことなく今に至ったわけで、愛とはセックスだみたいな気持ちが強かったのろうと。

だからこその「オマ〇コ」であり、ちょっとした隙の醜態だったり、行為を抱いていた人への強引なアプローチだったのかなと。

 

 

登場人物から見る様々な「愛」への思い。

このように、岩男は愛というモノをピュアに捉えていたのか大事に抱えてたんですよね。

なぜそうなったのかは、やはりおとなしい性格ゆえに異性へのアプローチをうまくできずにいたのも一つの理由だと思いますが、そのせいでこの年までうまく恋愛関係に結ばれなかったことが大きいのかなと。

そしてもう一つは人口の少ない田舎町、ということ。岩男にも好みはあるはず。しかしなかなか理想の女性というのがいない現実も見えてくるわけで。

だから愛を手に入れるには、お金が必要だという考えにたどり着くわけです。

それがフィリピンでのお見合いだった。

金で女性を買って嫁にもらえば、自分の思うようにメイクラブできる、しかしアイリーンはまだバージンであり、中々セックスさせてもらえないわけです。

岩男は多分自分の金で買ったからアイリーンを所有物だと勘違いしてるんでしょうね。でもアイリーンは言葉が通じないとはいえ、れっきとした人間。血も通ってるしロボットなんかじゃない。

せっかく嫁をもらったのに満たされない性欲。途中寄り道しそうになりますが、とある出来事を境に、岩男は愛するということの意味を知るわけです。

しかし、岩男は愛に不器用だった。あの出来事が脳裏に焼き付き、その愛はどんどん歪んだものへとなっていくんですよね。

今の今まで恋愛してこなかった男は相手に優しさだったり思いやりだったりすることも愛だということを知らないからアイリーンをどんどん傷つけるんですよね。

傷つけるんだけど、根っこにはちゃんと愛があったことが後々明かされるんですが、これがもう切なくて切なくて。

心ではちゃんとアイリーンの事を愛しているのに、言葉で体で表現できない。誰が岩男をこんな人間にしてしまったのか。環境なのか親なのか、それとも自分自身なのか。

 

 

そんな岩男を手塩にかけて育てた母・つるもまた、偏った愛情を持っていたと思います。

2人も流産し3人目は2歳の時に肺炎で亡くしてしまった。そしてようやく生まれたのが岩男。8歳までおっぱいに縋り、10歳まで寝小便をしていた我が息子を大きくなった今でもいい嫁を探そうと躍起になっている。

この母の息子に対する愛情も正直異常なもので、居間の隣でが岩男の部屋なんですが、障子に穴開けて岩男のプライベートをのぞき見してるんですね。

で、岩男も男ですからそりゃ家に帰ってオナニーの一つや二つしますわ。てか岩男に限っては性欲が異常ですから回数も尋常じゃないんでしょうけども。

で、つるさん、このオナニーしてるところをのぞき穴からずぅ~っと覗いてるんですね。息子の立場からすると非常に不愉快です。不愉快極まりない!

これ岩男は気づいてるんですかね。気づいてるか。てか気にしてないんだろうな。

そして風のウワサで、コブつきで元夫が受刑者である愛子と何やら親しい関係にある事を聞きつければ、岩男の勤めるパチンコ店へいき、愛子に詰め寄ってうちの息子はおめえみてえな女相手にしねえからな!と毒づく。

今度は岩男が突如消えてしまう。

近所の人や勤務先に電話を入れて息子の行方を探そうとするんですね。

これに関してはもう普通の母親像といいますか、どの親もそうするよねと同情しました。

そしてとうとう東南アジアの国からやってきた虫ケラゴミ女・アイリーン。

コブつきのおんなでさえ嫌悪感を抱くお母さんは、むろんどこの国から来たかも割らない肌の色の違う言葉も通じない女に殺意すら芽生えるわけで、猟銃構える姿勢をするわけで。

それからというモノ、この女をどう追い払おうか悩むわけです。刺客としてお見合い相手を岩男に向けますが、岩男の性欲むき出しのせいで作戦は失敗。

ならば悪魔と契約するほかない、とヤクザである塩崎と手を組みアイリーンをさらってもらおいうと画策します。

しかしつるの思惑とは違う方向に向かい、ついに岩男はアイリーンと結ばれていくんですね。その光景を覗き穴から覗くつる。あ~とうとう息子はどこぞの女と本気で愛し合ってしまった。

それからというものアイリーンとつるは同じ屋根の下に住むものの、何かあれば口論になり、うまくいかない。

それよりも岩男にある疑惑が向けられそっちも心配。

と、このように息子に対する異常なまでの愛をつるさんはもっていたんですね。

これまた岩男同様歪みに歪みまくった愛情表現で、岩男自身をダメにしてるようで、モンキー的には観てられない面が多かったわけですが、きっとこれは僕自身が未だに息子であるから故の母に対する抵抗心といいますか、母親からしたら子供はいつまでたっても子供だということの現れなんですよね。ただ、ずっと一緒に住んでいるからということもあってどうにかして息子の幸せを自らの力で叶えてあげたい一心だったように思えます。自身の年齢もかなり高齢ですから孫の顔も見たいという思いもあったでしょう。そして岩男がやってしまったことにも献身的に支えようとする面は、息子であるがゆえに突き放せないことだったんでしょうね。

正直あなたのせいでもあるんですが・・・。

 

 

 

ではアイリーンはどうだったのか。

フィリピンの大家族で育った彼女は、家族を養うために岩男のもとに嫁ぐ決心をします。

ただ彼女はバージンだったことから、愛に対して岩男同様大きな憧れを抱いていました。初めての人は愛する人と。決して自分をお金で買うような岩男とはセックスしないわけです。

岩男の町にはフィリピンパブがあって、そのフィリピ―ナをあっせんする塩崎のようなヤクザもいる。彼女たちは日本という国で男たちに買われることで幸せを手に入れようとしていたんですね。半ば奴隷のような形だとしても。

そんな女性たちが集まるパブでも、アイリーンは流されません。愛はお金では買えないことを解っている。お金で買われたとしても心は決して売ろうとしないわけです。

とりあえず岩男のもとで妻として寄り添うアイリーンは、日本語を覚えようと努力をしていきます。

中々自分の思いが伝わらいことに苛立ちもしたんでしょうけど、彼女は強かった。なぜならそれは家族を幸せにするためだから。

そして事件が起きます。ようやく岩男を夫として好きになろうとしていた時にそれを割こうする人たちが自分をさらおうとしていた。

しかし岩男は自分を決して見捨てることなく追いかけてきて、自分を守るためにある行動をした。その光景に体中が震え恐怖を拭うことができないでいたところを岩男は、もうフィリピンへ帰れというのですが、アイリーンはようやく岩男に対して愛を感じたことを知るんですね。

初めての人は愛する人と。アイリーンは愛を手に入れるのです。

ただこれを境に岩男は豹変してしまい、アイリーンは少しづつ追いやられていくのですが。

愛とはお金では買えないもの。家族を養うためのしたたかさはあったが理想は譲らなかった。岩男は自分をどう扱うのか優しいけれどそれだけでは愛をささげることはできない。そして想定外の出来事によって岩男という男は自分を守り、彼の自分への愛は本物だと確信した。ただどんどん豹変していく彼の対応に自分への愛は何だったのか、こんなにも愛しているのに、と悩んでいく。

しかし岩男は不器用だっただけだった。根っこは自分への愛を確かに持っていた。なぜ彼をもっと理解してやれなかったんだろう。そのやりきれない気持ちはつるとの関係へと繋がり、彼からもらった愛をつるにも注いでいくんですね。

 

 

他にも塩崎は、フィリピン人のハーフで子供の頃から日本での自身への偏見に悩まされ苦しい思いをしてきた。その復讐を果たすべくフィリピーナをあっせんし日本人からたくさん金を巻き上げる事だった。彼もまたその闇のせいで間違った方法でアイリーンを幸せにしようとさせていた。

俺たちフィリピンの血を引く者たちは、日本人から金を巻き上げられるだけ巻き上げることが幸せであることを、いつまでも夢見ているアイリーンに押しつけていく。でもそれは彼女が自分の母親に似ているからという愛の面影によってのものだった。

非常に悲しい男でした。

 

そして忘れちゃいけないのが岩男のお父さん。序盤早々フェードアウトしてしまう人物でしたが、ほとんどボケていたんですよね。でも最後の最後で新婚当初の記憶でつるさんと接し、この世を去っていったわけです。ボケてはいたけど幸せだったころの記憶のまま逝くってある意味幸せだったんじゃないだろうかと。

しかも岩男はどうせ結婚できない、こいつは親を捨てる。そう思ってたわけで、そういう現実の状態のまま死んでしまうよりかは良かったのではないかと。

 

 

最後に

このように、登場人物全てが愛に飢え、愛に縋り、愛を欲しがり、愛に裏切られ、愛に染まり、愛を与え、愛を受け取り、愛に生きた者たちのドラマだったわけです。

愛は一体どこにあるのだろう。

それは人と人との間に存在する。

そしてその愛は一方的だとある程度の幸せは感じられるが、満たされることはない。

愛し愛されてこそ幸せは存在する。

そして生きる悦びへと昇華していくのだ。

しかし人間には欲望が存在する。

愛を感じていながらも心の隙間を何かで埋めようとしたくなる。愛子の行動がそうだったように、子を思う愛が存在しながらも自身の心はそれだけでは満たされず性欲で満たそうとする。

そんな欲望で満ち溢れた我々人間が見る愛って果たして本物なんだろうか

そこに現れたアイリーンという天使。もしかしたら彼女の愛は本物だったかもしれない。

「キリストは墓から蘇った」という看板のあと、雪降る中天を仰ぐ彼女の見る先に、春は訪れるのだろうか。

 

 

 

あ~~全然言いたいことまとまらないww

とにかく圧倒されっぱなしだった作品でした!!

木野花さんのザ・田舎のお母さんの演技最高でした!ヤスケンの内向的だけど止まらない性欲爆発っぷりと後半の暴走っぷりは見事!アイリーン役の女優さんもすごくキュートで可愛らしかったですね。

最後にうっすら希望の光を照らしてほしかったなぁ。

そして村社会での風のウワサはたちまち広がり全て筒抜け、同じ人間なのにちょっと違うだけではじかれてしまう偏見や、フィリピン人と結婚させる怪しい商売などといった社会問題も背景にちゃんと織り交ぜたのも非常に巧い。

前半は下ネタ全開の笑い、そして後半のバイオレンスと人間の醜い部分が混ざり、愛のむき出しを鈍器にしてぶん殴ってくる非常に劇薬な映画でした!もう一回見に行こうかなぁ。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆☆☆★9/10

映画「コーヒーが冷めないうちに」感想ネタバレあり解説 4回ツッコめます。

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9月21日

コーヒーが冷めないうちに

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 「4回泣けます」。

この映画を観た一般の人たちが、この映画の感想でこう言ってしまうのなら説得力はある。

しかし宣伝の謳い文句でこう言い切られてしまうと、本当にそうなの?という疑問の前に、そんなわけねえだろ、もし違ったら覚悟しろよ!という気持ちになる、のが捻くれ者である僕のこの映画の観賞前の気持ちです。

 

 そもそも今回観に行く予定が無かったのですが、9月第4週は3連休にもかかわらず、先週のプレデター、響、プーさん、のような話題作が少なくて、若干仕方なくこれを選んだ次第であります。

 

この映画TBS製作による映画だってことは、監督のこれまでの仕事ぶりを調べればわかるし、作品の中にいくつかのエピソードが盛りこまれたファンタジーテイストのヒューマンドラマっていうのを毎年、いや2~3年に1回のペースでTBSは映画製作していて、今回もそれをやろうとしているのだなと。

黄泉がえり」のヒットで味をしめたのか、「この胸いっぱいの愛を」とか「イキガミ」やら「ツナグ」など同じパターンの作品を制作し作り続けるTBS。

 

でもさぁ、あれだよね。こういうテイストの映画って需要あるもんね。口コミで広がれば女性なんてすぐ飛びつくもんね。

いいと思うんだよ「泣ける映画」。

いや「泣ける映画」だってのをゴリ押しする映画。

 

あ、すいません、冒頭から噛み付いたようなことばっかり。

あくまで期待値低めで臨む姿勢なのでこういう入り口になってますが、もし面白かったら4回中1回でも泣いたら、手のひら返すようにベタ褒めで感想述べますんで。

というわけで早速観賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

口コミでなけると評判になり、2017年本屋大賞にもノミネートされた川口俊和のデビュー小説「コーヒーが冷めないうちに」。

 

自分の望んだとおりの時間に戻れるという喫茶店を舞台に、様々な後悔を抱えた人物が噂を聞きつけ訪れ心を清らかにしていく人間模様を描いた作品を、シリーズ続編の「この嘘がばれないうちに」と合わせた内容にアレンジし、今旬の役者陣によって映画化。

 

いくつかのルールの沿って過去に向き合う登場人物に、4回泣いてしまうかもしれません。

この秋、暖かな感動をあなたに。

 

 

コーヒーが冷めないうちに

コーヒーが冷めないうちに

 
映画 「コーヒーが冷めないうちに」オフィシャルブック

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  • 作者: 2018「コーヒーが冷めないうちに」製作委員会
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この嘘がばれないうちに

この嘘がばれないうちに

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

時田数(有村架純)が従兄で店主の時田流(深水元基)と切り盛りする、とある街のとある喫茶店「フニクリフニクラ」。

そこには、不思議な都市伝説があった。

それは【店内】のある席に座ると、望んだ通りの時間に戻ることができるというもの。

ただし、そこにはめんどくさい・・・非常に面倒くさいいくつかのルールがあった。

 

  1. 過去に戻って、どんなことをしても、現実は変わらない。
  2. 過去に戻っても、喫茶店を出ることはできない。
  3. 過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ。コーヒーが冷めないうちに飲み干さなければならない。
  4. 過去に戻れる席には先客がいる。席に座れるのは、その先客が立った時だけ。
  5. 過去に戻っても、この喫茶店を訪れたことのない人には会うことができない。

 

「ここに来れば、過去に戻れるって本当ですか?」

 

今日も不思議な噂を聞いた客がこの喫茶店に訪れる、

アメリカに行ってしまった幼馴染の賀田多五郎(林遣都)とケンカ別れをしてしまった三十路直前の独身キャリアウーマン清川二美子(波瑠)。

若年性アルツハイマーに侵された妻・高竹佳代(薬師丸ひろ子)と、そんな高竹をやさしく見守る夫・房木康徳(松重豊)。

故郷の妹(松本若菜)を裏切って、一人スナックを営む喫茶店の常連客・平井八絵子(吉田羊)。

数に次第に惹かれていく常連客の大学生・新谷亮介(伊藤健太郎)。

過去に戻れるという【あの席】にいつも座っている謎の女(石田ゆり子)・・・。

 

どんな事をしても現実は決して変わらない。

それでも過去に戻り、会いたかった人との再会を臨む客たち。

そこで彼らを待っていたものとは?

 

そして、主人公・時田数に隠された真実とは?(HPより抜粋)

 

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監督

今作を手がけるのは塚原あゆ子

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スイマセン、存じ上げない方です。

今回が映画監督デビュー作とのこと。

調べてみると、これまでTBSドラマでヒット作を手がけてきたかただそうで、「Nのために」や「夜行観覧車」、「リバース」、「重版出来」、そして「アンナチュラル」などの監督やプロデューサーを務めてきたんだそう。

ここ最近TVドラマを全く観てなくて、監督が手がけた作品をひとつも観てないんですが、TBSとしては彼女に新しい仕事をどんどんやらせて、そこで得たものをTVに持ち帰って欲しいんでしょうね。

 

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キャスト

主人公・時田数を演じるのは有村架純。

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完成試写のときに一度生で彼女を観たことがありますが、きれいな方でしたね。

SPEC」の時はまだアイドル感が残っていましたが、気づけばもう主役をはれる立派な女優さん。

彼女の作品を観るのは、恐らく「何者」、「関ヶ原」以来かな。

てか今回の女性キャスト、ほわっとした雰囲気の女優さん多いの、気のせい?

 

彼女に関してはこちらをどうぞ。

 

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待機作にとしてRAILWAYSの続編、「かぞくいろ -RAILWAYS わたしたちの出発ー」、百田尚樹原作の映画化「フォルトゥナの瞳」が控えています。

 

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

数に惹かれる新谷亮介役に、「チア☆ダン」の伊藤健太郎。

幼馴染に会いたいと願うキャリウーマン・清川二美子役に、「オズランド 笑顔の魔法教えます」の公開が控える波瑠。

その幼馴染・賀田多五郎役に、「風が強く吹いている」の林遣都。

喫茶店の店主・時田流役に、「みんな!エスパーだよ」の深水元基。

事故で亡くなった妹・平井久美役に、「愚行録」の松本若菜。

若年性アルツハイマーの女性・高竹佳代役に、「8年越しの花嫁」の薬師丸ひろ子。

喫茶店の常連客・平井八絵子役に、「ハナレイ・ベイ」の公開が控える吉田羊。

高竹をやさしく見守る夫・房木康徳役に、「検察側の罪人」の松重豊。

ある席にいつも座っている謎の女役に、「ぼくだけがいない街」の石田ゆり子などが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

ひとつの大きな軸に、いくつかのエピソードを混ぜたオムニバス形式の映画。

TVドラマで培った能力を映画館という場所にどう活かすのか、監督の力が試されます。

4回泣けるというのは、4つのエピソードがあってどれも泣けるから、そういう謳い文句なんでしょう。

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

いやぁ~4回泣ける?俺は泣けなかったなぁ。

でも決してつまらないわけではない!

なぜなら有村架純と伊藤健太郎のエピソードが微笑ましいからだ!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

起きてしまったことは変えられないが。

とある喫茶店を舞台に、様々な人たちがある席に座り過去での出来事を清算しようとする姿を、各エピソードをつなげて綴るオムニバス形式のストーリーを、TV業界で力をつけた監督の手腕と演出によって、淡泊ではあるものの淹れたてのコーヒーからたちこめる香りや風味のように心にスゥ~っと入り込んでくる心地よさを映像に抽出することで、見終わった後にアロマのように心地よくさせる効果をもたらし、過去を変えるのではなく、自分自身自らを変えることがこれからの未来を変えていくという、使い古された言葉ではあるが、あらためて気づかせてくれるステキな映画でございました。

 

人生は後悔の連続だ。

変えることのできない過去を受け入れて進むしかないのだ。

だが過去にとらわれ過ぎて今を疎かにしてしまう人がいるのも事実。

あの時こうしていれば、あの時あんなことを言わなければ。

そんな気持ちから解放してくれる場所がもしあるとしたら。

 

この喫茶店では奥にあるある席で主人公・時田数が淹れたコーヒーによって、戻りたい時間に戻れるという不思議な現象が起きる。

なぜ世間一般に口コミで広がらないのか疑問ではあるが、それは恐らくあるルールの存在によっての事だと思う。

そのルールが「過去にいって、どんなことをしても、現実は変わらない」からだ。

ウワサは広がるものの、皆このルールを見て、現実が変わらないなら意味がない、と諦めてしまうのが原因だと思う。

 

そしてもう一つが、ある席には常に謎の女が座っていて、彼女が席を立たないと空席にならず、それがいつになるかはわからないから、結局席が空くのをひたすら待つしかないからだ。

この2つによって、仮に口コミが広がったとしても混雑しない理由がなんとなくではあるが納得ができる。

 

とりあえずその辺の設定は忘れるとして、この物語では4人の人物がこの席に座ることに成功し、コーヒーが冷めないうちに飲み干し現実の世界へ帰り、すっきりした表情でこれからの未来を変えていこうと気分一新していく姿が描かれている。

現実を変えることができないのに、どうして彼らは気持ちを切り替えることができたのか。

 

まず幼馴染がアメリカに赴任してしまうことで口論になり、それ以降煮え切らないでいるキャリアウーマンの女性。

雰囲気としては独身女性のキャリアウーマンという設定もあり、やや強気な性格。ついつい口走って言ってはいけないことを言ったり、本心を言えずじまいなことが多々ある様子。

その性格もあり、幼馴染に本当の気持ちを伝えられずにいた。

だがその強気な性格から彼に言ってほしかったのだ。好きだという気持ちを。

ただこれも厄介なことに、お互い本当の気持ちに気付いていながら色々な恋人と付き合ってはうまくいかないことばかりを繰り返していたのだ。もうあれだ、「あと1センチの恋」だ。

幼馴染ともなると相手の性格や行動パターンなどすべて把握しているし、近すぎて本心を言えないなんてことがよくあると思う。

正にその典型的な2人であった。

意を決して過去に戻ったが、結局口論になり彼はアメリカへ行ってしまった。しかし、ある事実を聞いたことで、知らなかった彼の今の現状を聞いたことで、彼女はこの後どうすればいいかを考え行動に移すのだ。

 

このエピソードによって気づかされるのは、「過去を変えることはできないが、自分自身を変えることはできる」ということ。

彼が恋人と別れたことを知り、彼女はアメリカに行くことを決意する。彼に会いに行くために。

そう、伝えるなら今だ、と行動に移すのである。

彼女が彼にLINEで「好き」でもなく「付き合って」でもなく、「会いに行く」という言葉を選択したシーンは、彼女の性格が見て取れる。今の姿勢を崩せるまではいかないが、少し素直になったかのような。

これもあれだ、AAAの「逢いたい理由」だ。変換してまた消して、だ。

 

このように、過去の出来事に向き合うことで、その人自身が心や気持ちを入れ替え次の未来へ向かうことができることを、タイムトラベルというSF要素を使って我々に教えてくれるのだ。

 

彼らのほかにも、認知症の妻と今の付き合い方にわだかまりを持っていた夫が、過去に戻ることで、彼女の本心を聞くことで、これからどういう夫婦生活を送ればいいかを決断するエピソードや、実家の旅館を妹に押しつけ自分の好きなように生きていた女性が、妹の死を機に自分がこれまで妹にしてきたことへの謝罪とこれからの決意を示していくエピソード、そして主人公・時田数にまつわるエピソードへと繋がっていく。

 

 

決してツッコミにはならないが、ここに出てくる登場人物は皆自分自身の主張が強いせいで、自分以外の何かが変わればこんな気持ちにはならないのに、と思ってる人たちばかりだと思う。

相手がそうしてくれたら今はこんな気持ちになってないのにと。

自分の気持ちをすぐ切り替えられる、人生を臨機応変に生きることが出来たらわざわざコーヒーを淹れて貰って過去に戻る必要なんてないのだ。

あの時こんなこと言ってしまったけど仕方ない、と切り替えたり、あの時の事をすぐ謝れる素直さがあれば、後悔はだいぶ減るのだと思うわけで。

 

だけど、人間みんなそんな強くないし、意外と周りが見えてないし、相手よりも自分なんだよなぁ。

それがコーヒー1杯によって、気づかされて教えられて、そして相手の気持ちを知れるのならなんてリーズナブルでコスパの良い店なんだろう。

コーヒーが冷めてしまうまでの、ほんの僅か時間ではあるが、それで未来が切り開かれていくのなら、ぜひ僕も利用してみたいものだ。

 

 

 

とはいえ映画的には・・・。

とまぁ、断定的な言葉ばかりで感想を述べましたが、正直映画的に見るとまぁこんなもんか、これTVドラマでやりゃ良いのにレベルの出来に見えました。

まず何がひどいってBGがひどい。

感動を押し付けるようなオーケストラ調のBGMや、時間が迫ってくると焦らせるかのようなスリリングな音楽、ここはコミカルな場面んですよ!みたいなのを解らせるかのような音楽などなど、普段の映画でもよくあるパターンなんですが、すごく物語にノイズになっていて、逆に心が冷え切ってしまう演出。

 

展開としてはあまり抑揚がないから音楽で抑揚をつけたのかもしれないけど、こういう話こそ実は無音の方が効果的だったり、そっと添えるような抑え目のBGMの方が合っているように感じます。

あくまで僕の好みですが。

 

まぁ後はカメラの撮り方がTVサイズだなぁと。大きいスクリーンで見せることを意識していない人物の撮り方で非常に萎えます。

これは今に始まったことではないですけど、TV局が製作した映画は大体そうです。映画館で見せる撮影を努力していない。

タイムスリップする場面とか、ある席に光をあてて印象付ける部分はわかりやすくていですし、壁に貼られた風景写真を季節ごとに分けて飾っている小さな気配りはありですが、人物をアップで撮ったり会話するときの撮り方は、やはりTVドラマ止まりにしか見えないんですよね。

特にこういうドラマテイストのお話は。

 

あとは役者任せの部分。

どうしても最近の監督さんは役者に芝居を任せていて、それをただ撮るだけのように思えます。

松重さんも吉田羊もすごくいい演技をしていた。特に泣きの演技は。

しかし、泣きの演技をしている役者をアップで撮るだけで、それを見ている相手を一緒に見せていないから一人芝居を見ている感覚に陥る。

泣いている時誰に向かって訴えているのか、それは観衆ではなく伝えたい相手のはずなのに。

まぁ今に始まったことではないのでこの映画でそれを突っ込むのは野暮な話ですが、そろそろこういう見せ方やめませんか?

 

そしてツッコミどころも多々あります。

認知症の妻が夫に渡したかった手紙を、夫は現在の世界に持ってくることができましたが、それっておかしくないかと。現実の世界ではまだ妻が持っているわけで、それは勝手に消えてしまったことになるのか。

 

過去に戻るときに、コーヒーから湧きたつ湯気が天井に溜まり液体になってそれがぽたぽた垂れることによって、体ごと水中に落ちて過去に行くという演出が施されていましたが、スナック経営の平井だけ、ゴーグルに耳栓をつけて過去に行くんですね。

これは何?ギャグ?話の中でアタシ泳げないの?みたいなセリフ合ったっけ?てか数ちゃんもマスターもツッコまないのね。ボケ放置でしたよ。

 

数が淹れたコーヒーはめっちゃ湯気が立ってるのに飲むとぬるいとか、そんなの常にあったかいように火かけたままにするとか、もっと過去にいられる時間を延ばすことはできたんじゃないか。

 

新谷が過去に行く人物の一部始終を見て感激し、すごいですね!といった後、数は素っ気ない態度で、簡単な手品みたいなものです、と答えたけどその種明かしは見せてくれないのね…

 

一番は数のエピソードでは未来からある人物がやってくることで、時田家の女性しかコーヒーを淹れることができない性で、数自身が過去に行くことができないという掟の目をかいくぐることができるのですが、これを考えた人物は一体どうやってそれを実行するまでに至ったのか。

劇中では未来に行くこともできるがその場所を強く念じてもその場所がわからないから行くことは不可能と言っていたので、考えた人物はそこへ行って未来からやってくる人物にそれを伝えることが現在の時点ではできない。

だから時が経たないと伝えることはできないわけで、一体それをどうやってやり遂げたのか。

ややこしい説明ですいません、核心に触れるのでだいぶボカシて書いてますw

要は数がずっと拭うことのできなかった想いを何年か先まで描いて、そのある人物を過去へ飛ばす、というエピソードを順序良く描けば矛盾を感じなかったんですけど、それをしていないせいで、すごく不自然なんですよね。

 

やはり時間を行き来する設定の映画は、こういう部分もしっかり想定して作ってほしいなと。

 

 

最後に

やり様によっちゃもっとうまくできるお話だっただけに、色々気になる部分が鼻についてしまった作品ではありましたし、キャッチコピーへの強い反感が災いして手放しでは褒められない気持ちもありました。

しかしながら、人間誰しも思う節がある過去に対する後悔という部分に、どう決着をつけるかどう見切りをつけるか、それはあなた次第なんだよ、ということを様々な事情を持つ人物によってメッセージとして伝える点においては、見る価値のある作品だったのではないでしょうか。

 1回も泣けなかったからつまらない、という風に簡単に結び付けるのは非常にもったいないかなと。

 

そんなこと言っておきながら僕が一番ぐっと来たのは、数と大学生の新谷君のエピソードで、新谷が数に寄り添っていく、その思いによってこれまで引っ込み思案だった数が心を開いていく姿が、めっちゃ微笑ましくて、あ~俺もこんな恋愛してぇwなんて気分に浸れました。

すごく純愛なんですよこれが。たぶんかすみんと健太郎君がどちらも清純なイメージだからなんでしょうけど。

 

あ、どうでもいいですけど、有村架純は髪を結ってまとめると、顔の輪郭が丸すぎて頭の大きさより顔の方が大きく見えてしまうので、髪をおろした方が可愛いです。

ファンの方ごめんなさい。あくまで個人の意見ですw

 

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10

映画「スカイスクレイパー」感想ネタバレあり解説 家族のためならたとえ火の中ビルの中。

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9月21日

スカイ・スクレイパー

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スカイスクレイパー」ってどういう意味なのかがよくわからないんですけど、やっぱりスカイスクレイパーって聞いたら、「冷たい泉に素足を浸して見上げるスカイスクレイパー」ってフレーズが出てくるんですね。

 

よく思い出すからといって、このフレーズ読んでもスカイスクレイパーって何?ってなるんですけど。

 

でもわかってることはあって、決してこの映画の中で、冷たい泉に素足を浸してるドウェイン・ジョンソンが観られるってわけじゃないし、そんなドウェイン・ジョンソン観てもなんも面白くねぇし、やっぱり彼は体張ってナンボって人なんで、超高層ビルに向かってたっか~くジャンプってことしかないってことなんですけどね。

 ええ、いきなりド頭からこいつ何言ってんの?って思う人も多いと思うんですけど、じゃあみんなスカイスクレイパーってどういう言葉なのか知ってるの?

あ、オレだけか知らないの。

ハイ、調べます。

調べました。

手っ取り早くプリンセスプリンセスに聞きました。嘘です。

どうやら高い建物の事を言うようです。または「摩天楼」とか。

ありがとう、プリプリ。いや、Google。

 

というわけで、今年のザ・ロック様はゲームの中で暴れたり、白ゴリラとタッグ組んで巨獣を倒したりと、いつも以上にコテコテのアクション大作で映画業界を沸かせてくれていますが、今回はなんですか?ザ・ロック版「タワーリングインフェルノ」かなんかですか?

ただビルに向かって飛ぶだけの話じゃ映画になりませんぞ!飛んで火事をとめるのか?

まずは観てからですな!

早速観賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 世界一高い超高層ビルといえば、ドバイにある「ブルジュ・ハリファ」(「ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル」でトム・クルーズが壁を走った名シーンでお馴染み)だが、今作のある意味主役である超高層ビルの高さは、なんと1キロメートル。ブルジュハリファよりもおよそ100メートルも高いビルだ。

香港にあるその世界最高ともされる超高層ビルで武装グループによる火災が発生。

中にいる家族を助けるために、元FBI捜査官の主人公が決死の大ジャンプに挑むなど、たった一人で戦いに挑むというアクションパニック大作だ。

 

果たして無事救出することができるのか。また大ジャンプ以外に見せ場はあるのか!?

 

 

Skyscraper

Skyscraper

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

 

香港、ビクトリア湾の一角にそびえ立つ1000m超えの史上最大の超高層ビル、ザ・パール。

住居だけでなく、ホテルや公園、ショッピングモール、コンサートホール、果ては展望台まで設備された、ひとつの街のようなビルだ。

 

ビルの安全性を証明するため、元FBI人質救出チーム隊長で、当時起きた事件によって片足を失い義足となったウィル・ソーヤー(ドウェイン・ジョンソン)とその家族が98階で暮らしている。

 

ある日、ビルのオーナー・ツァオからビルの安全管理システムを24時間以内に分析するよう依頼されたウィルは、ビルのアクセス権限のマシンコードを託されるが、突如ビル内で大規模な火災が発生!

ウィルは警察から事件の容疑者として指名手配されてしまう。

 

果たしてウィルを嵌めた真犯人の目的とは、そしてウィルは警察に負われながらも家族を火災から救うことができるのか!?(HPより引用)

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監督

今作の監督を務めるのは、ローソン・マーシャル・サーバー

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映画好きならこの名前を聞くと、あの映画を思いだす人も多いのではないでしょうか。

そうです、あの名コメディ映画にして名ファミリー映画ともいえる傑作「なんちゃって家族」の監督さんです。

しかも「マイティ・ソー/バトルロイヤル」の監督候補にもなったそうで、コメディセンスはかなり買われているようです。

今回主演を務めるドウェイン・ジョンソンとも今回が2度目のタッグだそうで、もしかしてこれパニックアクションだけどコメディだったりするのか?

 

う~ん、期待が高まります!

 

そんな監督の過去作をサクッとご紹介。

スポーツジムの閉鎖を守るために、優勝賞金目当てでドッジボールをすることになった個性豊かな面々のダメっぷりと奮闘を描くコメディ映画「ドッジボール」で監督デビュー。

その後、麻薬の売人とワケアリ男女3人が、メキシコからブツを運ぶために偽装家族となって危険な旅に出る姿を、過激なギャグ満載で送りやがて絆を結んでいくファミリー映画にしてギャグ映画「なんちゃって家族」が大ヒット。注目を浴びます。

そして本作でも起用したドウェイン・ジョンソンとの初タッグ作で、幼馴染の会計士とCIAエージェントが、危険な逃避行を繰り広げる羽目になる痛快アクションコメディ「セントラル・インテリジェンス」を手がけています。

 

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キャスト

義足で元FBI捜査官の主人公ウィル・ソーヤーを演じるのは、ドウェイン・ジョンソン。

 

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もう今年3本目ですよ、観るの。

紹介しなくてもいいと思うので、手を抜きますw

 

え~元プロレスラーですので、相変わらずのバッキバキのバディです。アクションもガンガンやります。

しかもこの方、コメディも素晴らしいです。笑いのセンスもピカイチ。自虐もできる。

なので現在一番のエンターテイナーです。

終わり。

はい、あとはこれ見てください。

 

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今後待機している作品は、ワイルドスピードシリーズで犬猿の仲になっているあの二人がコンビを組んで主演をするというワイスピ初のスピンオフ「ホブス&ショウ(原題)」、WWEの美人レスラーの一家の実話コメディ「Fighting with my Family(原題)」、あとディズニーの人気アトラクションの映画化「ジャングル・クルーズ」、そして今年の大ヒット作「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」の続編などなど、全部大作映画というラインナップ。

まぁオレようやく好きになったから観るよ、きっと。

 

 

 

 

ほかのキャストはこんな感じ。

ウィルの妻サラ役に、「スクリーム」シリーズのネーヴ・キャンベル

ツァオ・ロン・ジー役に。「ダークナイト」、「2012」のチン・ハン

武装グループのリーダー・ピース役に、「トゥームレイダー」、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のノア・テイラーなどが出演ています。

 

 

 

 

 

 

 

 

一体どんなド派手アクションと家族の物語が描かれているのか、またユーモア描写もたくさんありそうですね。

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

炎に包まれ超高層タワーマンションにロック様が救助に突っ込む!

単純明快!話はシンプルなのが一番だよね!

しっかし楽しいなこれ!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○○すれば大体何とかなる。

香港にそびえ立つ世界最高峰のタワーマンションの管理職に就いた主人公が、何者かによる陰謀によって大火災となったマンション内に家族を救出に向かう姿を、超大迫力でスリリングなアクションと展開で描き、二転三転しない脚本と内容によって超シンプルに綴った、家族を愛する男の命がけの救出劇と、絵に書いたような家族の物語でございました!!

 

いやぁ超楽しかった!!

これに尽きます!!

冒頭でも書いたように「タワーリング・インフェルノ」や「ダイ・ハード」といった往年のアクション映画を彷彿とさせ、クライマックスでは「燃えよドラゴン」での鏡張りの部屋へのオマージュなのか、そしてまさかの「ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル」でイーサン・ハントがやり遂げたギネス級のアクションを、いや俺にもできる!!しかしハンディが必要だな!よし俺は義足でやるぞ!そんな気持ちで挑み、その記録を破ったアクションまで見せてくれる出血大サービスな、既視感ありありの内容だったにもかかわらず、あまりにももろにパクリ過ぎていて逆に、いや1周回っておもしれえじゃん!と思わせてくれるアクション映画でございました。

 

今年のドウェイン・ジョンソンはなんだか大きな怪物を倒すことに意識を捉われ過ぎているのか、今回はまさかの超高層タワマンに果し合いを挑む展開となっておりました。

なんてたって相手は超ハイテクな設備を整えており、しかも最上階は天国とまで言われるほどの高さ。

それが火災となり、しかもその火災の容疑者となってしまい、大ピンチのロック様になってしまっているわけであります。

 

しかぁし!今回のロック様はいつもと違う!

このビルのセキュリティや設備を完全に頭に叩きこんでいる管理者なのであります!

向こうがそう来たならこっちはこうだ!と、隣で工事中のクレーンからビルで大ジャンプをかまし、ビルの外からほんのわずかな足場で移動し、グルンルン回る風力タービンの間を潜り抜け、最上階にある球体での映像パネルを駆使しして敵を錯乱し娘を助けるという、頭と体を張って大火災となっているビルを義足と粘着テープを使って命がけで攻略し、家族を危機から救う最高の展開を見せてくれるのであります。

 

劇中でオレってバカか?と自分に問いかけるロック様。

ええ、はっきり言って無謀過ぎてバカですw

でもそのバカなことをやってのけてしまうのが彼であります!

もはやその義足はハンディではなく武器やアイテムとして何度もロック様の命を救い、粘着テープがあればビルの外を渡れるし傷はふさがるし、何でも役に立つことまで教えてくれるのであります。

 

そしてこの映画の本質はスマホを再起動すれば大体治る、という序盤での妻への助言を皮切りに、義足を使えばどんなに重い扉でも抑えられる、クレーンからジャンプすれば向こうのビルへ到着できる、止まったエレベーターのケーブルを切ってギリギリのところで手動でブレーキかければ無事1階までたどりつける、粘着テープを使えばビルの窓に張り付くことができる、などといった、かつてアントニオ猪木が私たちに教えてくれた「元気があれば何でもできる」という後世まで残る名言になぞって、「家族のためなら何でもできる」ことを教えてくれる映画だったのであります!

 

 

もちろんアクションだって最高です。

今回この作品を見て思い出したのは、「タワーリング・インフェルノ」も「ダイ・ハード」も「ミッション・インポッシブル/ゴーストプロトコル」もそうなんですが、「ザ・ウォーク」という映画を思い出しました。

 

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「ザ・ウォーク」という映画、大道芸人である主人公がワールドトレードセンターの上で綱渡りをするという、実在の人物がかつて実際にやってのけたお話を映画にしたものなんですが、高所恐怖症の人は絶対に直視できないような映像をずっと見せる映画でして、しかもこれ3Dでないとその臨場感が味わえないドキドキが止まらない映画だったんですね。

 

もう肛門ちゃまがギチギチに縮こまってしまう緊張感を味わった作品だったんですが、今回も高所恐怖症の方には直視できないドキドキの展開が用意されているのであります。

 

かつての同僚に今回の仕事を紹介されたロック様は、彼が悪者側についているなどつゆ知らず、彼に銃を向けられた結果逆に彼を発砲してしまい容疑者扱いになってしまう。そんな中ビルが火災、家族はその中。

ビルの構造全てを把握している俺が助けないで誰が助けるんだ!と警察に追われている中ビルへ向かうわけですが、正面玄関は警察が包囲している上に、セキュリティシステムを乗っ取られてるせいで入ることができない。

 

どうしよう、こうしよう!

ふと目に入ったのは、マンションの隣で工事途中の建設用のクレーン。おぉし、あそこから飛び移っちゃおう!

ムチャだ!ムチャ過ぎるわ!!

でもロック様なら何とかなるかもしれない!

急いで現場へ向かうがエレベーターはチェーンで巻かれていて使うことができない!

こうなったら鉄柱を登るしかない!

ロック様の筋肉の見せ所です。

 

グングン上っていく姿を報道陣がヘリから生中継することでやじ馬たちは驚きとドキドキを隠せない姿が度々映ります。まさに見てるこっちもそんな状態。

とうとうてっぺんまで登ったはいいものの、クレーンの上に上ることはできない。ここでなぜか「SASUKE」のように用意された雲梯チックな鉄の棒が見事にいくつもあるではないか。

意を決してジャンプし、鉄の棒にぶら下がるロック様。もちろん下を見ると足場なんてございません。そこから2つ3つと動物園のゴリラのようにポンポン渡るロック様。

ようやくクレーンの上までたどり着くと、今度はそのクレーンをマンションに向けて移動させ、ぶら下がったアームをマンション向けて振り子の法則に沿って揺らします。

しかしギリギリで届きません。そこへ到着した警察たちが。

ヘリからも警察の人間が発砲してきます。

こうなったら目標に向かって飛ぶしかない!!

そうです、予告編で散々流れたあのマンションへの大ジャンプが、クライマックスでなく序盤で出てしまうのであります。

 

おおい!ここで見せ場かよ!早ぇよ!!

と一瞬感じるも、見事成功した姿を映す報道陣、それを大ビジョンで見るやじ馬たちの完成とともに、我々観衆もニヤニヤしながら心の中で拍手を送るのであります。

 

そう、見せ場はここだけではないのです。

無事妻と息子を外へ送り出すことに成功したロック様でしたが、敵の武装集団に娘とともに捕まり、外から開けることができない部屋に閉じこもったマンションのオーナーが持つあるものを、人質に取られた娘を救出するために強奪しなければならない状況に。

 

しかしどうやって外から開けることができない扉を開けるのか。そこはマンション全てを把握しているロック様。ここをこうこうこうすれば開いちゃうんだよぉ~ん、と我々に説明してくれるのはいいが、明らかに無理過ぎる。

このマンションは外に付いているクソデカい風力タービンが回り続けることで電力が十ている仕組みなっていて、その中にあるブレーカーを遮断してしてしまえば扉が開く構造になっている、そうです。

 

じゃあどうやってそこまでたどり着きゃあいいんですか?

はい、それはビルの外からそのタービンの場所まで移動して、グルングルン回るタービンの隙間からタイミングよく中に入って止めればいいのです。

いやだから明らかに無理でしょう!!

 

そんな不可能を可能にする男ロック様。

部屋の前に飾られたナイフを持ち耐久性の強いロープを体に巻き付け、そして今回大活躍の粘着テープを手足にグルグルに巻き付け、ビルの外から移動するのであります。

明らかにビル風が強いはずですが、そんな風にも負けません。ビクビクしながら足の指を立てるくらいの幅しかない縁を使って横移動。

少しづつ移動したのち、突起物にロープを巻き付けタイミングよくタービンの中へ!

ここもしっかり報道陣が生中継し、それを見ているやじ馬たちは大喝采!僕らも心の中で大喝采!

 

しかしブレーカーを切った途端下からものすごい勢いで炎が竜巻の如く襲いかかってきます!

もうタイミングなんて計ってる場合じゃない!急いでジャンプして元の位置へ戻りますが、ロープを支えていた突起物が曲がってしまいロック様真っ逆さま!!!

落ちる!!と思った瞬間、ロープの輪っかが左足に絡み宙づり状態で九死に一生。

しかし左脚は義足。徐々に義足が外れる感覚がロック様をさらに窮地に追い込みます。

ここでロック様の筋肉パワーMAX!見事に外れかけた左足にしがみ付き、無事ミッションを遂行するであります!!

またまた野次馬も僕らも大喝采の場面であります!

 

 

 

最後に

このように、常にアドレナリンが出まくるドキドキのアクションとアクシデントの連続なのです。

ここを徹底的に魅せ楽しませるために、ぶっちゃけ他の部分は何の捻りもございいません。

犯人が誰なのか、犯人は何を狙ってるのか、その動機は。はっきり言ってアクションが凄すぎて頭に入ってきません。意外性もありません。

でもそれでいいのです。だってこれを観に来た人はロック様の大活躍が見たいのですから。

 

そして主人公は元FBIの捜査官。目の前で人質の家族を救うことができなかった過去を冒頭で描くことで、なぜそこまでして必死に家族を守るのかという部分を強調した映画でもありました。

そしてその夫を支える妻の頑張りも今回際立ち、家族の理想の姿もオマケでついて来る素晴らしさ。

 

そんなありきたりな内容ではありますが、非常にハラハラしてドキドキしてアゲアゲな、頭空っぽで楽しむ映画でございました。

 

ザ・プレデター」や「MEG/ザ・モンスター」など、9月公開作品はアクションスターや名物キャラで描く往年のアクション映画を思わせる作品が目白押しです。

僕はこういう単純明快でゴリゴリのアクションエンターテインメント映画がもっと増えてほしいと切に願っております。

いいんですよ、むちゃくちゃな設定でも楽しけりゃ。オチだってハッピーエンドに決まってるんですから。

みんなで楽しもうぜ!

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

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