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映画「勝手にふるえてろ」感想ネタバレあり解説 松岡茉優にふるわされろ。

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12月23日

勝手にふるえてろ

 

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決して西野カナへのアンサーソングではありません。これは映画です。

 

みんな大好き松岡茉優の長編映画初の主演作がついに公開だよ!!!ここ数年で演技と容姿とモー娘。愛に磨きをかけ成長してきた彼女が、とうとう主演作ですか!

高まりますね~!!

しかも何ですか、主人公の女がひねくれてて自分勝手で夢見すぎな現実逃避ガールですか?お~っとこれは色々と人間こじらせすぎですね~。いやどう演じるんですか??むっちゃ楽しみですね~。

まさか今年最後に観賞する新作映画がこれとは思わなかったなぁ。確か去年は「バイオハザード」だったもんなぁw

一体何度鑑賞中に「勝手にふるえてろ!!!」って心の中で叫ぶんだろう。

 

 

 

とりあえず、早速観賞してきましたよ!!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

蹴りたい背中」で芥川賞を受賞し話題を呼んだ綿谷りさの同名小説を、現代の女性を優しく描く新進気鋭の監督と、TVドラマ、バラエティ、そして映画にと今最も注目を浴びている女優・松岡茉優を主演に映画化。

恋愛に臆病で、片思いしか経験のない24歳OLが、脳内彼氏とリアル彼氏という理想と現実の狭間で揺れる姿を、皮肉をこめたたユーモアと、眩しすぎるほどキラキラした乙女心で、目を瞑りたくなるほどイタイと感じつつも、どこか応援してあげたくなる痛快ラブコメエンタテインメントに仕上がっています。

 

 

勝手にふるえてろ (文春文庫)

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あらすじ

 

 

早朝のハンバーガーショップにて。

金髪店員に向かって語りかける江藤良香(ヨシカ/松岡茉優)、24歳。趣味は絶滅した動物をネットで調べること。アンモナイトの化石を愛でる毎日。

「本能のままにイチ(北村匠海)と結婚しても絶対幸せになれない。結婚式当日もイチが心変わりしないようにって、野蛮に監視役続けてなくちゃならない、そんなんで幸せなんて味わえるかよ。その点ニ(渡辺大知)ならまるでひと事みたいにお式堪能できちゃう。ドレスのままチャペルから何だか知らんが丘駆け下りてわがままにニのこと放ったらかして、波と戯れたりデコルテあらわなドレス肩上下させてハーハーしたりして花嫁タイムをエンジョイできちゃう。」

 

そう、ヨシカには彼氏が2人いる――。

1人は中学時代からの片思いの相手 イチ

同級生からマスコット扱いされ、いじられているのを教室の片隅から見つめることしかできなかった相手。好きだから見たい、見たいけど気づかれちゃダメという屈折した感情から、視野の隅で見る“視野見”という攻略法を編み出し、イチをモチーフに漫画を描くほど恋心はこじれていた。

10年前の運動会で言われた一言が、今も胸に残っている。

「こっち見て、俺を見て」

 

もう1人は同じ会社の営業として働く同期 ニ

経理と営業として出会い、同期会という名の飲み会で連絡先を交換した。正確には少々強引に交換させられた。テクノの流れるクラブでのデートの後、酔っ払ったニから「俺と付き合ってください」と本気の告白をされる。「人生初、告られた!」とテンションが急上昇するも、正直タイプではない。

 

ある夜、電気ストーブが布団に引火するというボヤ騒ぎを起こし、死ぬ前にせめてもう一度イチに会いたいと覚悟が固まる。

「一目でいいから、今のイチに会って前のめりに死んでいこうと思ったんです。」

そこからヨシカは、アメリカに転校した同級生の名を騙って同窓会を計画。ニとのデートも上の空。そして、ついに待ちに待ったイチとの再会の日が訪れるが、会話に全然入っていけないヨシカ。イチを含む上京組のグループに何とか加わり、ニが使った強引すぎる方法で無理やり連絡先を交換、東京で再び会う約束をとりつける。

 

2度目の再会。夜明けのベランダでアンモナイトの生態で盛り上がるヨシカとイチ。

「あの頃に君と友達になりたかったな。」

しかし、次にイチの口から発せられたのは、衝撃の一言だった・・・(HPより抜粋)

 

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監督

今作を手掛けるのは大九明子監督。

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すいません、全く存じ上げないお方です。

経歴見ると、あ、この映画は彼女だったのか!と今頃色々合点がいってますw

 

さてどんな作品を撮ってきたのかザックリご紹介。

元々はタレントとして活動していたそうですが、99年に監督としてデビュー。

都会に暮らす3人の男女が引越しをきっかけに奇妙な偶然で結ばれ心を通わせていく姿をさわやかに描いた青春ラブストーリー「恋するマドリ」が新垣結衣の初主演映画として話題を呼びました。

その後も、美に異常なほど執着しながらも純粋な愛を求める女性の物語「モンスター」や、岡山を舞台に転校生とクラスメイトの女子高生の友情と決別、そして再会を通じて描かれる青春ドラマ「でーれーガールズ」など、女性を中心にした作品を数多く手掛けています。

 

恋するマドリ 通常版 [DVD]

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キャスト

主人公ヨシカ演じるのは松岡茉優。

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桐島、部活やめるってよ」で彼女の存在に気づいて以降、彼女の出演する作品を見るたびいい演技する子だなぁと感心しておりました。

演技もできるし、バラエティでは気のきいたコメントや返しをしてMCをうならせ、それが実って去年「ちはやふる」で主役の広瀬すずを食うほどの強烈なインパクトを残した彼女。もはやベテランの風格すら漂う彼女ですが、今回初主演てことがまあ驚き。

正直彼女は脇でこそ輝く人だと思っていたので結局やるのか、と思っていましたが、まぁ遅かれ早かれやっておいて損はないですからね。

 

それでは彼女の主な出演作をご紹介。

あの子誰?と映画好きの間で話題になり、名を知られるようになったのはやはり「桐島、部活やめるってよ」でしょう。

 

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 バレー部のエースが突然退部したことで生徒達の間に動揺が広がり、やが校内での複雑な人間関係が浮き彫りになって行く様を、様々な生徒達の視点から描いた青春ドラマ。

この作品で彼女は東出昌大演じるイケメン生徒菊池の彼女で、桐島の彼女梨沙と友達の沙奈という生徒の役を演じていました。

学校ではイケてる側の部類の、イマドキの女子高生で、真面目に頑張ってるヤツを貶したり、長いものに巻かれるようなタイプの女子を、まぁ~むかつく腹が立つ!てくらい演技がうまくてですね、素晴らしかったんですよ。明らかに回りにそこまで演技ができる人たちがいないので余計目立ちましたよね。

ちょっとふっくらしてるのが懐かしいw

 

 

あとはTVドラマになるんですが、今回の役柄と少し似てるかなぁということでこちら。

 

問題のあるレストラン Blu-ray BOX

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 男社会で理不尽な目にあった主人公と色々と、問題を抱えた女性たちとゲイがビストロレストランを開店し、ライバルの男性達に勝負を挑んでいく女性応援コメディ。

 

このTVドラマで松岡茉優は、精神的に病んでしまった母の原因を作った父を憎む過去を持ち、極度の対人恐怖症という設定で、見事にヒッキーで頑固な役柄を演じていました。

キャスティングが見事に加え、脚本家である坂元裕二が作る、軽妙なセリフのやり取りやトレンディなワード、現代社会に巻き起こる問題を真っ向に描く様が痛快で、非常に楽しんだドラマでした。

中でも、松岡と二階堂ふみ高畑充希の次世代女優3人が仲睦まじく調理にオーダーに奮闘し掛け合う姿は、今となっては非常に貴重なシーンであり、このドラマが一番やりたかったのってここじゃね?と製作側の思惑が垣間見えた瞬間でもありました。

 

 

この後控える作品として、斉藤工監督作品「blnak13」、「ちはやふる 結び」が公開予定です。

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

リアル彼氏のニ役に、「色即ぜねれいしょん」、「くちびるに歌を」に出演し、ロックバンド「黒猫チェルシー」のボーカルとして主題歌も担当している渡辺大知。

脳内彼氏イチ役に、「恋と嘘」、「ディストラクションベイビーズ」、「君の膵臓をたべたい」の北村匠海。

ヨシカの同僚・月島来留美役に、「 22年目の告白~私が殺人犯です~」、「泥棒役者」の石橋杏奈

金髪店員役に、「彼女の人生は間違いじゃない」の趣里

最寄り駅の駅員役に、「桐島、部活やめるってよ」の前野朋哉

釣りおじさん役に、「淵に立つ」の古舘寛治

オカリナ役に「かもめ食堂」、「沈黙 サイレンス」の片桐はいりと個性溢れるキャスト陣です。

 

 

 

 

 

 

 

現実と虚構の狭間で揺れ動く乙女の暴走と奮闘を、どう描いているのか非常に楽しみな作品です。いい演技魅せてくれよ松岡!!

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

 非モテ女子はこんなにこじらせているのか!!笑いを通り越して怖さを感じさせた松岡茉優の演技に震わされろ!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これを語らずにはいられない

頭の中の天然王子とリアル世界のモテテクの引き出し少ない営業リーマン、生まれてこの方彼氏ナシの成人女子が理想と現実の狭間で揺れる心情の悲喜こもごもをコメディかつシリアスにに綴った1作。

 

僕は初めて気づいた。松岡茉優はそこまで可愛く見えないと。

いきなり失礼な話ですが、これ褒めてますからw

実際絶対かわいいはずなのに、ここまで処女臭のする色気のない女性を演じるのはこの芸能界、しかも20代前半の世代でいないよなぁと。

要は、内面から作り上げた役柄が容姿からもにじみ出ていて、そうすることで理解させる説得力を持っているというやつでしょうか。ややこしや。

 

そこからはもう彼女の一人舞台です。情報量の多いセリフをテンポよく滑舌よく軽快にしゃべり、時に笑い時にディスり時に絶妙にツッコみ、時に落ち込み時に涙し極めつけは叫び罵りのオンパレード。アナタ引き出しいくつ持ってるんですか。

ちょこちょこ個性的な面々が彼女の妄想浮かれ話をの聞き手として登場しますが、爪痕残してる奴はそんないません。

やはり下積みのおかげなのかバラエティ番組での活躍のおかげなのか、非常に化のjがスクリーンで輝いておりました。

今までの彼女は2番手3番手という立ち位置だったので、主役の受け身になることが大方なのですが、意外や意外攻めとしてもイケるんですね。これは彼女を主演としてキャスティングした方に拍手であります。

 

しかし、あえて苦言を言うのであれば、まだポテンシャルを秘めている彼女の魅力を監督は引き出せていたのか?というと否!だと思います。

彼女が一生懸命役作りをした結果でここまで演じられたとは思うのですが、その彼女をた監督がただ撮っているだけのようにしか見えなかったです。それは多分芝居をつけていないから。

やはり顔しか撮らない監督は、彼女の可能性を引き出せていない、ただの被写体でしか撮っていないように感じます。後光が射して神々しいヨシカも、そういう画を撮りたいだけで何か演技指導したのか。

ここまで役を作ってきたのだから仕上げをしてあげないと、松岡茉優は成長しないんじゃないだろうか、と応援してるがゆえに今後の事まで飛躍して考えてしまうわけで。

 

とにもかくにも彼女はこれでまた一つ成長したことにかわりはないので、次の作品でまた別の松岡茉優を堪能したいですね。

 

人物設定に難あり

これはヨシカとニに言えることなんですが、この物語はヨシカがイチに実際あって現実を突き付けられることで一旦ピークを迎えるんですよね。

そこからヨシカがどうやって現実を受け入れて浄化していくのかで物語は結末を向得るというのがスムーズな流れだと思うんですが、その後「ニ」とのやり取りがはじまるんですね。

正直あれ?まだ続くの?と感じて引っかかってしまったのですが、これを機にヨシカの暴走がもんのすごいことになってて、おいおいなんかキャラが変わってるじゃねーかと。

まぁこれがヨシカの中にある深い闇だと思えばそれでいいのですが、せめて前半でその片鱗だけでも見られるような描写があってもよかったのでは?と考えてしまいました。

 

あとは「ニ」ですね。彼は登場するや否や、社内にいる、俺ってこんなに疲れてるんだぜ、こんなに寝てないんだぜ、こんなに金動かしてるんだぜという、自慢アピールをあからさまにヨシカに見せつけたり、ヨシカと面識を作るために飲み会をセッティングしてもらい半ば強引に連絡先を交換するという少々汚いやり口。

最初のデートに誘う際、相手が行きたいところでとして指定したのに、ここはうるさい、話ができないと愚痴をこぼし、挙句の果てによってラブホの前で嘔吐してしまう失態をするのですが、これはもう典型的な相手の事を考えないオレ主導の男で。

だってこれもう完全に酔わせてホテルへ誘おうコースじゃないですか。結果失敗したってことは、常套手段ではなくて誰かにそそのかされたか、マニュアル本でも見たのかですが。

あぁこんな奴に惚れられるならヨシカはイチをまだ追いかけてもいいななんて思いましたね。

 

ただ後半から急にいい奴になってくるんですよね。おいおいキャラが変わってるじゃねーかと。

もしかしたら、彼もヨシカのように現実に向き合えない男だったのかもしれませんが、そうなるとちょっと無理があるよなぁと。

 

 

ヨシカという女

彼女が演じたヨシカは24歳B型趣味は絶滅危惧種を調べるという変わり種。同じB型だから共感できますが、これと決めたらなかなかぶれないその一直線な考えや思考は正にB型。

血液型で物事を決めてしまうのは良くないことですが、そんなB型女子は、人生で日陰の道を歩くとここまで視界が狭まっていくのかと思うと非常に恐怖を感じるわけで、中学の時に好きになった男子を10年間思い続けるだけの日々を送り、大人へと成長してしまったわけです。

いったいどうしたらそんなことになってしまうのか、その後の高校生活大学生活で、酸いも甘いも汗も涙も笑いも含めた青春の日々を、失恋して大人になる通過儀礼すら通っていないのか。

 

そんなヨシカに惚れた営業課の通称「ニ」の登場で、ヨシカのこれまでの理想だけでしかなかった片思いは、非リア充からの脱却に繋がるかと思われたわけですが、長年こじらせてきたヨシカにとって彼は所詮イチバンではなくニバンなのです。理想を上回ることは難しいのです。

 

ここから見えてくるヨシカという女性は、とにかく現実逃避して生きているわけで、自分の世界を構築していることがうかがえます。ですが現実に現れた自分を好いている男性が現れた途端、それが崩壊しかけているわけです。

今まで視野見でしか現実を見てこなかったヨシカにとって、これを受け入れることで理想という名のイチが消えてしまうのではないか。ニを選ぶということはそういうことに繋がるわけです。

だから自分の世界を守るために、絶滅させないためにイチと会う決心をするのです。

だけどその理想は思いもよらない形で彼女が嫌がっていた現実という名の奈落の底へ落されるわけです。

 

同僚が狙う高杉という男性を出来杉と呼び、サスペンダーに髭というだけで課長をフレディと呼び、オカリナを吹く隣人をただオカリナと呼び、おまけに自分に言い寄ってきたキリシマをイチではなくニと呼ぶ、有吉には及ばないがあだ名付けの天才たるゆえんは、相手と向かい合って接していないことの現れであり、それが自分に降りかかってくることを知った時の彼女の落胆ぶりは、自業自得に見える反面誰か救ってあげる奴はいないのかと心配させたくなる気持ちにもなります。

 

彼女に足りないモノは何だったのか。それは「勇気」だったのではないでしょうか。いや実際にこれを持ち合わせている描写は多々ありました。イチが黒板にひたすら「僕は忘れ物をしません」と書いたときも話しかけることができた。実際にアメリカへ行った同級生の名を騙って同窓会まで開き、妄想の後押しもあり上京組で鍋パーティーを開くことまでこぎつけた。

その一歩踏み出す勇気が常にあれば、ここまでこじらせることなかったろうに、と。相手と向かい合う勇気があれば、もっと親交も深めたろうにと。

地味な花は気づいちゃくれないかもしれんが未来は明るいんだよ。その殻壊せばいいんだよ。なんつって。

 

イチとの決別を一度は決意し、現実の彼氏「ニ」と向かい合おうと努めるヨシカですが、ここでまた大きな壁にぶち当たります。ここからヨシカの誇大妄想並びに被害妄想が爆発し、物語はヨシカの深い深い闇へと誘うわけですが。

後はどうなるかお楽しみに。

 

最後に

まぁ色々と難癖つけたりヨシカの様な存在をわかった風な書き方をしましたが、普通に楽しく鑑賞できたしフィクションですから。

自分も身につまされることでもありますし。

 

理想と現実をきちんとすみ分けて生きていくことが大人であり、ヨシカは最後ようやく理解します。ようやく大人になったのであります。

仕事でも恋愛でも家庭でも嫌なことがあったらそれから逃げるのではなく受け入れることが大事なのです。それを繰り返していくことで自然とやり過ごす技を身に着けるのです。何ともないふりをして生きる術を身に着けるのです。

どうやったって思い通りに生きていくことはできないのですから。もしそれができないのなら「勝手にふるえてろ」ってことです。

 

ホント色々書いたけど、素直に笑えて楽しいからwあえて書かなかったのはなぜだ?

どうでもいいですが、中学時代のヨシカ、めっちゃかわいくないですか?

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

 


モンキー的2017年映画ベスト10ランキング 1位はやっぱり揺るがなかった。

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12月27日

モンキー的2017年映画ベスト10ランキング

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はじめに

この記事を持ちまして丸3年を迎えた「モンキー的映画のススメ」も累計アクセス数500万を超えるブログとなりました。

いろいろな映画ブロガーの方や熱心にコメントを下さる方から、お褒めの言葉やご意見をいただき、まだまだ駆け出しな存在だと思っていたのが、いつしかみられる立場になってしまっていることに気づかされました。

それもこれもたくさんの方からのご支持あってのことであり、それ以上に今年を彩ったたくさんの映画の魅力あってこそのことだと思っております。

 

これからも思ったことを正直に、そして情熱かつ冷静に感想を述べていきたいと思います。

 

この場を借りて一度でも訪れてくれた方に、このブログにたくさんの価値をつけてくれた読者の皆様に感謝を述べつつ、今年最後の記事とさせていただきたいと思います。

 2017年もたくさんの良作が生まれ、それと同時にたくさんの駄作が生まれたわけですが(おーっとこれは失言w)、皆さんはいったいどんな作品が心に残ったでしょうか。

 

去年の映画業界が盛り上がった一方で、今年も負けず劣らずな作品がたくさんあり、その中から順位を決めるのは例年時間のかかる作業で、今回も非常に悩みました。

1位は決まってます。これは揺るぎませんでした。これを超える作品は今年ありませんでした。あくまで僕の中で。

所詮好みなので、批判は受け付けませんよwww

 

一応各作品ごとにつけた満足度を中心に順位を付けました。ただ、上から順にというわけにはいかないので、そこはいろいろ吟味してつけてみました。

 

 

今年上半期ベストはこちらをどうぞ。

 

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今年映画館で鑑賞した新作映画は配信作品も含めて127本!同じ映画を何度も鑑賞してるので、それを入れると映画館ではもっと行ってるはず。金使ったなぁww

自宅でおさらいしたり、まだ見てない旧作なんか入れたら300くらいいくのかな・・・。ええ暇人ですよ!!

 

 

それでは発表です!!!

 

 

 

 

 

 

 

第10位

スウィート17モンスター

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スウィート17モンスター [Blu-ray]

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どうしても青春映画や、ダメな主人公が成長していくような映画には目がなくて。

その中でも、単純に笑えてダメなのに憎めなくて、尚且つこれ、かつての俺とダブるな・・・あれなんか目が熱くなってきた・・・!みたいな作品に出会っちゃうと高い評価をつけてしまう癖があるんですが。

 

そんな自分の好みにドンピシャだったのがこの作品だったのかなと。

 

誰もがあの頃モンスターだった。親に友達に先生に迷惑かけてばかりのティーンズ女子が、唯一心の拠り所だった親友にあることで裏切られたことで孤立してしまうが、自分と向き合うことでほんの少しだけ大人への階段を上っていく青春コメディ。

 

本作の見どころは何といっても主役を演じたヘイリー・スタインフェルドのコメディエンヌとしての才能と、ウディ・ハレルソンのユルさと心意気がすんばらしい先生を演じているところ。

勝手ながらアメリカの指原莉乃といっていいほど、特別かわいくもないけど自分の魅力を最大限わかっているヘイリーちゃんが、まぁイラつかせるイラつかせるw

自己中度MAXなかき回しっぷりを体現していき、ラストにすんごく大人びた顔を見せるあのギャップ!あれはですね、まったくタイプじゃないのに妙にドキッとしましたよ、あたしゃ。

そして、それとは相反してザ・大人な対応で主人公をうまくなだめる、ウディハレルソンの落ち着いた演技。これは見事でした。

 




 

第9位

新感染 ファイナルエクスプレス

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新感染 ファイナル・エクスプレス [Blu-ray]

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2017年は韓国映画が良作な年でした。話題作品すべて見てはいないんですが、その中で一番面白かったのがこの映画。

 

新幹線(正確にはちょっと違うんだけど)という密室で、バンでミックが発生。次々とゾンビ化していく人間たちの中で何とか生き残ろうとする一般人たちが、知恵を絞り武器を活かし戦い抜いていく。

時には自ら犠牲となり散っていく者、その中で生まれる愛の数々、それとは逆に人間の醜い部分までしっかりと描き、実はこのゾンビが攻めてくる構図が、韓国の歴史や経済状況を物語ってるという背景も入れてくる、日本よマジで見習え!な超エンタメ映画です。

 

近年ゾンビパニック映画であげられるのが「アイアムアヒーロー」。それと肩を並べるほどゾンビのクオリティが良く、やはりアジアでは銃がないからどうやってゾンビを倒すのかという疑問点もうまくクリア。

そんなゾンビ要素の上を行く見どころが、人間描写。

モンキーは1回の鑑賞で3度も涙を流すほど感動してしまったわけで、非常にべたな展開ではあるんですが、よくこれだけごちゃごちゃした内容の中で、こういう部分をうまく入れられるな!すげーよ!と。

中でも力持ちでやさしい男ソンファのこの映画に対する貢献度は半端じゃないです。見たら絶対好きなるキャラです。

 

 

 

 

第8位

T2 トレインスポッティング

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鬼才ダニー・ボイルの出世作「トレインスポッティング」。その20年後を同じキャストで描いた続編。

 

階級社会であるが故に、俺たちに未来なんかないぜ!とやんちゃばかりしていたろくでなし4人。そこから出し抜いて人生を選んだはずの男と、出し抜かれた野郎3人がその後どうなったのか。

それは決して抗える運命ではなかったという悲しくも開き直った様を、監督らしいセンスの応酬で刺激された1作。

 

移り行く時代の中で、一番楽しかったあの頃に戻ってしまった大人たちの、取り残されながらも、これでいいんだという決意の表れが見えたラストカットがせつなくもあり、彼らにとってはその方がよかったのかもと感じ、何とも言えない描かれ方に監督のらしさが出ていたように思えます。

 

この映画はやはり音楽のチョイスが絶妙で、過去作をミックスした楽曲を入れたかと思えば、当時使っていた曲を寸止めで流すなどの演出もあり、当時リアルタイムで見てハマった人にとっては、非常に懐かしく感じることのできる演出だったのではないでしょうか。

 

 

 

 

第7位

わたしは、ダニエル・ブレイク

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わたしは、ダニエル・ブレイク [Blu-ray]

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 職場で病に倒れた老人を軸に、国の制度によって苦しい状況下に置かれた人たちの、人間の尊厳を訴えた作品。

 

映画というには基本フィクションである。だけど時に現実と地続きで問題を提唱する作品もあって、特に洋画はそういうメッセージ性の強い作品が多く、いま世界ではこういう問題が巻き起こっているということを教えてくれることがあります。

 

この映画は正にイギリスが抱えている問題に対し、引退を撤回までして伝えたいと監督が手掛けた作品で、そこで描かれていた内容に非常に心を揺さぶられた作品でした。

このままだと日本もこうなるのではないか、自分の身に降りかかってくるのではないかという危機を感じる一方で、どんなに辛い状況下でも他人を思いやる心を決して忘れないダニエルの姿を見て、彼のような人間でありたいと心に刻んだ、監督の魂がこもった作品でした。

 

決して映画的な演出を施さずに描いたことで、ダニエルブレイクという人が本当にいて、こんな風に生涯を終えたんじゃないかというほどドキュメンタリー的タッチで描かれており、その幕引きがあっけないにもかかわらず、こんな理不尽なことがっていいのか!という怒りと悲しみが今でも余韻として残るほど。

 

8位のトレインスポッティングと対照的な作品だったかもしれません。

 

 

 

第6位

三度目の殺人

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三度目の殺人 Blu-rayスペシャルエディション

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勝ちにしかこだわらない主人公の弁護士が、 2度目の殺人を犯した男の二転三転していく供述に、徐々に真実を知りたくなる欲求にかられていくヒューマンサスペンス。

 

カンヌ常連の監督が久々にベネチアに出品した今作は、人気キャストと宗教性を織り交ぜるという、興行と世界的評価を両方狙った意欲作で、その結果、観賞した人がラストの真実は一体なんだったのかという答えを明確にしない終わり方にチンプンカンプンし、わからない=つまらないという残念な方程式でこの映画を片付けてしまった人も多いはず。

昨今の日本映画は何でもかんでもセリフで説明してしまいがちな風潮の中、一切ぶれずに、しかも名の知れた豪華キャストで挑んだ、監督の心意気と日本映画に対する愛と、わかりやすい映画ばかり見ている人たちへの皮肉をたっぷり詰め込んだ作品だったのではないでしょうか。

 

かくいうモンキーも事の全てを理解したとは毛頭思ってなく、これはこういう意味なんじゃないかと考えたうえで感想を述べてみたわけですが。他の映画ブロガーの記事を読むやいなや、なるほどそういうことか!と、みんなすげえなと。

 

 モンキー的には福山雅治のベストアクトを見れたと感じており、役所広司の安定した演技に舌鼓をし、広瀬すずの新たな可能性を見れたというとても贅沢な時間に、観賞後声をうならせ劇場を後にしたあのときの衝撃が今でも焼きついております。

 

 

 

 

 

 

第5位

レゴバットマン・ザ・ムービー

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 ゴッサムシティを悪の手から守るヒーロー・バットマン。実は裏では超超さみしいのに強がってる奴だった。そんな彼にライバルとして認めてもらいたいジョーカーは、今までにない悪さを始める。

 

ド頭からいきなりぶっこんでくる自虐ネタからひたすら笑わせてくれる本作は、実は家族というものがどれだけ素晴らしいものなのかということを、どストレートに描いてくれるハートフルな作品でした。

中々自分以外の人間を認めようとしないバットマンが、なぜそんな人間になってしまったのか。散々実写映画で語られてきた彼の生い立ちをここでもあえて描き、バットマンという人物をただこじらせた男という形に変換するだけで、彼のヒーローたる所以にぐっと深みが増し、彼を取り巻く人物達が手を差し伸べるクライマックスは、笑いと涙で顔がしわくちゃになる楽しさ。

 

ノーラン版バットマンからずっとダークシリアスな展開で描かれてきた分、このギャップがたまらなく、もうこのテイストで久々に実写やってくれないかなwとまで思ってしまう、新たな、いや原点回帰なのか?よくわからんが、とにかく超楽しいバットマンムービーでありました。

 

 

 

 

 

 

第4位

ギフテッド

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 生まれて間もなく母を失った特別な才能を持つメアリーと、彼女を育てる叔父フランクが、時にはぶつかり合うも互いを思いやりながら絆を深めていく中で、突如訪れる親権問題。

はじめてのおつかいならぬ、初めての学校での数々の問題行動もかわいいもんで、そのかわいさはメアリーとフランクのほのぼのとしたエピソードで心を温めたていくたびにいとおしくなっていくわけですが、フランクとメアリーを引き裂こうとする超教育おばばの登場から徐々に暗雲立ち込める展開に。

このおばばの本性が暴かれたときの、子供のことを何でもわかったつもりでいる親の考えという、恐怖のギャップで揺さぶられ、後はもうお分かりですね、涙、涙です。

 

頭はめっちゃいいけどやっぱりコドモ、なメアリーを演じた天才少女マッケナ・グレイスちゃんと、あなたはどうして他の映画でもそんなにマッチョで真っすぐな目と心を持ってるのですかぁ!と問いかけたくなるキャプテン・クリエヴァとの掛け合いが最高にマッチ。

その二人の間で微動だにせず、今ある幸せをかみ締めて日向ぼっこしてる片目のネコ・フレッドもまた効果的で、いいアクセントとなって和みを与えてくれました。

 

 

 

 

 

 

第3位

ベイビー・ドライバー

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 グラサンにウィッシュ手袋、そして耳にはイヤホンを付け、抜群のカーテクニックをノリノリで見せつける銀行強盗の逃がし屋ベイビーが、運命の女性に恋をし、カタギになろうと決意をするが、事はそううまくいかない。

 

今までコメディ色の強かったエドガーライト監督も晴れてハリウッド映画デビューということで、いったいどんなぶっ飛んだ作品を作ったのか、期待に期待を寄せていたわけですが、ふたを開けてみれば、めちゃめちゃカッケークライムカーアクション映画だったわけで。

 

それでいて一つのラブストーリーでもあり、ベイビーという男が大人になるまでの成長譚でもある本作を、ミュージックビデオかのような音と映像のシンクロで彩り、それが一つのミュージカルとして構成されていく展開に、見てるこっちもアクセル全開フルスロットルときたもんで。

 

また、往年のカーアクション映画にしっかりリスペクトを込めたカットや演出もふんだんに盛り込まれ、クライマックスの激しいバトルは、口をハフハフしながら興奮し、完全に童心に帰った瞬間でもありました。

 

 

 

 

 

 

第2位

メッセージ

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 突如飛来した未確認飛行物体と接触を試みようとする言語学者が、彼らとコミュニケーションをとっていくうちに、自分の人生を思い出させるような奇妙な感覚にとらわれていくSFヒューマンドラマ。

 

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作 「灼熱の魂」で衝撃を受け以降、彼の作品を追いかけてきたモンキーですが、実はそれ以降の作品は正直はまらず、俺はこの人の作品は今後受け入れられそうにないな・・・なんて思ってたわけですが、この映画を見てやっぱこの人スンゲー映画作るんじゃん!今までごめんよ!!ドゥニドゥニ!!!と改心した作品でありました。

 

やはり彼の作品はラストでの複線の回収が圧巻であり、今作でもそれが見事に炸裂。

このヘプタポッドという未知の生物が一体何のために来たのかというミステリーが、まさか主人公の人生へとスライドしていく構成に涙。

 言語という壁を壊したとき、新たな世界が広がるというのは我々現実の世界でもきっとあることで、そういった意味でも非常に深イイお話だと思います。

 

これから見ようと思う人はあまり情報を入れずに、そして先を読もうなんて探りを入れずに映画に身を任せて見て頂きたい作品です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、栄えあるモンキー的2017年映画ベスト10、第1位は!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1位

ラ・ラ・ランド

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 ロサンゼルスでの最悪の出会いから夢に恋に夢中な二人が、理想を求め現実にぶつかりもがいていく四季物語を、往年のミュージカル映画オマージュで構成された色とりどりの演出で描く青春ミュージカル映画。

 

夢を見ることや叶えることの素晴らしさ、その反面夢見ることへの厳しさといった現実的な部分を惜しみなく極彩色で描き、その夢に向かっていく中で支えた人への想いまでも詰まった、夢見る愚か者たち、夢見た愚か者たち全てを称える大傑作でありました!!

 

2016年夏あたりからこの映画がヤバいと聞きつけ、試写会、劇場、そして自宅で何度も何度も見ては同じシーンで必ずニヤつき泣いてしまう程、心揺さぶられ大好きになった作品でした。

 

もうですね、感想読んでくださいw思いの丈が書き記されてます。読み返したらちょっと気持ち悪いな自分・・・とも感じてしまいましたが、当時の正直な気持ちなんだと思います。なんてたって、当ブログ始まって以来の満点なので。

 

 

 

 

 

 

 

次点

ブレードランナー2049

 

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キングコング 髑髏島の巨神

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ナイスガイズ!

 

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ノクターナル・アニマルズ

 

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 惜しくもベストテンに漏れてしまった作品4つ並べてみました。

ブレードランナーに関しては、映像美と音楽に見惚れ、そしてKの悲哀とジョイへの愛おしさに翻弄され、長尺など全くに気にならないほど没頭できた作品でした。ただモンキー的には「メッセージ」を入れてしまったために泣く泣く除外。ドゥニ・ヴィルヌーヴの凄さに圧倒された2017年だったように思えます。

キングコングに関しては、監督のこれ見よがしな画に心をつかまされた1本。やはり怪獣映画はダイナミックな暴れっぷりに限るな!と改めて感じ、最初から最後まで興奮の連続でした。やはりエンドロール後の映像はテンションが上がります。

ナイスガイズに関しては今年最高のバディムービーで、ライアンゴズリングの新しい面を見れたことと、シェーンブラック監督のこれまでの作品をブラッシュアップしたような作品にも感じた1本。というか次点を含めてライアンゴズリング出演作3本も入るってのが自分でもびっくりw

ノクターナルアニマルズは、モンキー的には初のトムフォード作品で、現在過去劇中劇という複雑な構成の中で、こんなにも美しくこんなにも暴力的でこんなにも後を引く終わり方をする映画を作る人だと思っておらず、人間関係を簡単にあきらめてしまいがちな今に警鐘を鳴らすメッセージ性もうまく盛り込んだ良作映画でした。

 

 

 

 総評と今年を振り返って

 ということで、今年のモンキー的2017年映画ベストはこんな感じになりました。

正直言うと1位から2位はかなりの差があり、4位以下はほぼ同順位といってもいい順番です。これ書いてる時の気持ちの表れだと思ってもらっていいです。はい。そんなもんでしょうランキングなんてw

 

さて今年の映画興行はどんな感じだったのか。ここから書いてる内容はあくまで個人の意見ですのでよろしくお願いします。

 

 邦画ヒット作なし

やはり邦画が今年弱かったですかね。興行的にも振るわなかった作品が多々あり、モンキー的にも去年以上にインパクトがあるような邦画に出会えなかった。

去年は「シン・ゴジラ」をはじめ「君の名は。」、「この世界の片隅に」など日本の実写、アニメが大ヒットし、また映画好きもこぞってベストテンに入れる人も多かったように思えます。

そして今年ですが邦画ヒット作は乏しく、コナン、ドラえもんと定番作品以外で当たったのは「銀魂」くらい。お世辞にも日本映画が良かったとは言えない結果になったと思います。

 

ただこれはあくまで興行成績の話で、こんなに良い邦画なのに日の目を見なかった作品が多々あることも事実で。

彼らが本気で編むときは、」や「彼女がその名を知らない鳥たち」、「美しい星」、「散歩する侵略者」など名の知れたキャスト、名の知れた監督、中身はもちろん良作なのに興行が良くなかった作品も目立ちました。

まぁこの辺りは「全く映画に興味のない人たちからは遠い位置にある作品にしちゃってる」ことが問題で、何かムーブメントを起こせるような仕掛けとか、もっとうまく宣伝すればどうにかなったと思うのになぁと毎回感じます。きっと賞レースでノミネートすれば注目されるであろう作品ばかりなので、そこに期待ですね。

 

そして今年は「東宝の迷走」が際立った年にも感じました。

今年の大ハズレ作品「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」はなぜ今これをアニメーションでやろうと思ったのか?と疑問に感じたし、ワーナーと共同で制作した「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第1章」は、評価が分かれたものの、映画に興味のない人を巻き込むほどの求心力がなく、挙句の果てにはSNSで見せ場を見せて興行につなげようとする強行作戦に出る始末。それは逆効果だから絶対w

ポスト宮崎駿を生み出す実験がここ数年続くアニメ映画も、「メアリと魔女の花」が当たらず、つくづく裏目に出てしまった大作が東宝は多かった気がします。

意外と興行が当たったのは「君の膵臓をたべたい」でしょうか。ほぼ無名のキャスト二人にもかかわらず、中高生から口コミで広がった青春映画。東宝って映画業界からしたら横綱だから大作ばかり作っているイメージだけど、こういう口コミでしり上がりで人気になる映画って中々ない気がして新鮮でしたね。

 

来年は「君の名は」マネーでがっつり予算投入してヒット作はもちろん、良い作品を作ってほしいですね。

 

 アカデミー賞作品公開問題

洋画に関しては、やっぱりアカデミー賞作品は例年通り素晴らしい作品が多く、「ムーンライト」を筆頭に、「ハクソーリッジ」、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」など良作が登場する中で、いつになったら授賞式近辺で日本で公開してくれるのかなぁと

作品賞ノミネート作品だけでいうなれば、「ラ・ラ・ランド」とNetflixで配信された「最後の追跡」のみ授賞式前に公開されており、あとは受賞後に公開されるかどうかが決まるという仕組み。ビデオスルーの作品もあるし。

そして「ドリーム」なんか9月だぞ9月!!!サブタイトル問題とかあったけど、それ以前に突っ込みたいのはこの公開日の遅さだよ!半年も経ってんだよ!しかも地方はもっと遅い。

来年はいったいどれだけの作品が授賞式前に鑑賞できるのか。せめて作品賞の半分くらいは授賞式前後で公開していただけないだろうか。配給会社の皆さん、どうかこの映画バカの願いを叶えてください。

 

 アメコミ映画について

大作モノでいえば、今年はアメコミ映画が6本も公開される盛り上がり。どれもキャラクターを生かした笑いあり涙あり、アクションもCGも凄まじい、とても満足のいく内容だったんですが。

どうもですね、アメコミ映画大好きモンキー的には物足りなかったです。正確に言えば、あと一つ卓越したものが欲しかった、というとこでしょうか。

一番期待をしていた「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・リミックス」も前作を超えたものが感じられなかったんですね。笑いの要素があんなに無くてもよかったなぁというか。「ドクターストレンジ」も「マイティソーバトルロイヤル」もMCUなのに単体として確立させた特徴ある内容でしたが、これも楽しいけども、といったところ。

これはもう超個人的なことなんですけど、「シビルウォー」に対する満足度が今でも高く、見るたびにあれを求めてしまってるのかなぁと。だからきっとモンキー的には「アベンジャーズ・インフィニティ・ウォー」まではきっとこう感じてしまうんだろうなぁと。

 

MCU作品は合計で17作品あります。今から見てみようかなという人にとっては、非常に高い壁になってますよね。それを考えると今年は過去作見なくても楽しめるような内容になっていたなぁというのが感じられました。

ファンとしてはもちろん最初から見て、ようこそMCUの世界へ!ってなりたいんだけど、ここまでの道のりって相当大変。だからディズニーは新規の顧客を開拓することも考えてるかもしれないですね。

 

 DCEUは今年頑張った賞をあげたいですねwこれからDCはワンダーウーマン推しで来ることでしょう。

その「ワンダーウーマン」も非常に良かった。よかったけど色々な部分を取り込みすぎてバランスを考えてしまっていること、エンタメにしようとしていることが逆効果に感じてしまい、もっとダイアナの内面を前面に持ってきて、ラストでのスティーブとの結末を盛り上げてほしかったですね。あとは島での戦いがもっと見たいw

で、「ジャスティスリーグ」も楽しかったけど、ジョス・ウェドン色が強すぎたのが良くなかった。そのおかげでザックが恋しくなったのも事実ですがw

確かにジョスは3時間にも及ぶはずだった作品をうまく2時間に収めた手腕はすごいと思う。しかしながらいろいろと強引な部分も目立ち、やってることはアベンジャーズと何ら変わらないものになってしまった。そこは差別化を図ってほしかったですね。

結局次回作はどれをやるのかもわからない。フラッシュかアクアマンかどちらかだとは思いますが、早く公開日決めて!

 

 

他にもネットフリックス映画の躍進、日本のコミック実写映画がドル箱として通用しなくなっていることへの言及、韓国映画の当たり年、ユニバース問題、もっと語りたいことがあるんですがここまで。誰か語ろうぜ。

 

 

 

来年のラインナップはすげぇぞ!(毎年言ってるけど)

 

モンキーが来年、超!超!!!!!楽しみにしている作品を、現在情報がわかる範囲で並べてみました。みんなでワクワクしようぜ。

1月
  • キングスマン ゴールデン・サークル(人気スパイ映画続編)
  • デトロイト(「ハートロッカー」のキャスリン・ビグロー最新作)
  • ダークタワー(S・キング原作映画)
2月
  • スリー・ビルボード(アカデミー賞おそらく入ります)
  • マンハント(ジョン・ウー×福山雅治「君よ憤怒の河~」リメイク)
  • 犬猿(吉田恵輔監督最新作)
  • グレイテスト・ショーマン(ヒュージャックマン×「ララランド」スタッフ)
  • サニー32(白石和彌最新作)
3月
  • ブラックパンサー(MCU第18作目!)
  • 15時17分、パリ行き(クリント・イーストウッド最新作)
  • シェイプ・オブ・ウォーター(アカデミー賞本命ギレルモ・デル・トロ最新作)
  • ダウンサイズ(マットデイモン小っちゃくなる)
  • リメンバー・ミー(ディズニーピクサー最新作)
  • トゥームレイダー・ファースト・ミッション(ララ・クロフトをアリシア・ヴィキャンデルが演じる)
  • ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書(スピルバーグ最新作)
  • レッド・スパロー(ジェニファー・ローレンスが女スパイに)
4月
  • ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル(ドゥエイン・ジョンソンであの名作をリメイク)
  • クソ野郎と美しき世界(元SMAP3人主演のオムニバス映画)
  • レディ・プレイヤー1(スピルバーグ最新作その2!)
  • パシフィック・リム/アップライジング(再びロボットが怪獣と激突!)
  • いぬやしき(奥浩哉原作コミック実写化)
  • アベンジャーズ・インフィニティ・ウォー(今年の大本命アメコミ大作)
  • 犬ヶ島(ウェス・アンダーソン最新作)
  • ジ・オンリー・リビング・ボーイ・イン・ニューヨーク(原題)(マーク・ウェヴ最新作)
5月
  • 孤狼の血(白石和彌今年2本目)
  • モリのいる場所(沖田修一最新作)
6月
  • 50回目のファーストキス(ドリューバリモア代表作を山田孝之×長澤まさみで)
  • ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(SW人気キャラの前日譚)
7月以降
  • アイ、トーニャ(原題)(トーニャハーディングの半生)
  • デッドプール2(アメコミ人気キャラ第2弾)
  • インクレディブル・ファミリー(あの家族が帰ってくる!)
  • 検察側の罪人(キムタク×ニノ!)
  • SUNNY 強い気持ち強い愛(韓国ヒット映画を日本でリメイク)
  • ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(ハリポタスピンオフ第2弾)
  • アントマン&ワスプ(MCU第20作目!)
  • ミッション・インポシッブル6(トム・クルーズ代表作第6弾)
  • 未来のミライ(細田守監督最新作)
  • アクアマン(JLで初のお披露目となったヒーローの単独映画)
  • バンブルビー(トランスフォーマーの人気キャラスピンオフ)
  • ジ・アイリッシュマン(スコセッシ×Netflix)
  • BLEACH(少年ジャンプで人気の作品がついに実写化)

 

 

 どれも見たい作品を中心に並べてみましたが、洋画では春にレディプレイヤー1&パシリム&アベンジャーズということで、GWに男の子に戻ることが確定しましたw

さすがに夏以降は洋画は公開が決まってないのですが、ジュラシックワールドもありますし、ミッションインポッシブルもありますし、洋画は盛り上がりそうですね。

 

邦画に関しては、東宝と松竹が2018年4月から公開日を金曜日初日にするという発表があり、土日で混雑する映画館がちょっと緩和されたり、興行にとってプラスになればいいなあぁと。モンキー的には金土が休日ということもあり、非常に助かるんですけどねw

現時点で白石和彌作品が2本控えてること。この2つは2018年を席巻しそうな気がします。

あと好みとしては、韓国映画「サニー永遠の仲間たち」を大根仁監督がリメイクする「サニー 強い気持ち強い愛」。今年久々に音源をリリースしたりフジロックに出たりと精力的に活動したこともあってオザケンの名曲をサブタイにもってくるあたりがもう憎い。

 TVドラマ「モテキ」でも使われていた楽曲だけに監督も相当な思い入れがあるはずだし、きっと彼のことだから90年代を彩ったサブカル要素をガンガンぶち込んでくることでしょう。オレ絶対これ興奮するわw

 

 

 

 

 

 ということで、今年も1年間ありがとうございました!

来年もよろしくお願いします!!!

モンキー的2018年1月期待の新作映画

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1月2日

モンキー的2018年1月期待の新作映画

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あけましておめでとうございます。

昨年は酉年ということで、飛ぶ鳥落とす勢いでアクセスも伸び、一昨年に比べ随分と大きく成長した年でした。

今年も欲を張らずにマイペースに続けていこうと思っております。

 

 

さてさて昨年の年末大作がしばらく動員を引っ張っていくであろう年始の映画興行。

近年はスターウォーズという横綱が暮れに居座り、三役すら寄せ付けない年末年始巡業ならぬ年末年始興行。確かにこいつは強え!強えんだよ!

だけど1度2度ならまだしも、3度も続くと、他の大関関脇いやいや小結級の映画たちまでがブルブル震えて前に立とうともしない。

何とか一泡吹かせてやろうぜ!位でぶつかってくれないと、せっかくの年末年始がてんでつまらない。

 

是非各相撲部屋、もういいかw映画会社の皆さんは打倒スターウォーズ!のような作品をぶつけてもらって映画興行というものを盛り上げて頂きたいものです。

 

というわけで1月期待の新作映画紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キングスマン ゴールデン・サークル

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

1月5日公開

 

  • 出演 

 

ハリー・・・コリン・ファース

ポピー・・・ジュリアン・ムーア

エグジー・・・タロン・エガートン 他

 

 

  • 解説

 

世界的ヒットを記録したイギリス製スパイアクション「キングスマン」の続編。

イギリスのスパイ機関キングスマンの拠点が、謎の組織ゴールデン・サークルの攻撃を受けて壊滅した。残されたのは、一流エージェントに成長したエグジーと教官兼メカ担当のマーリンのみ。2人は同盟関係にあるアメリカのスパイ機関ステイツマンに協力を求めるが、彼らは英国文化に強い影響を受けたキングスマンとは正反対の、コテコテにアメリカンなチームで……。(映画.comより抜粋)

 

 

 

  • 期待どころ

 007をはじめとした名だたるスパイ映画のオマージュをふんだんに盛り込み、階級社会の下層でくすぶっていた青年が一流のエージェントになっていくと同時に、紳士とは身分なのか、いやそうじゃねえ!マナー(気の持ちよう)だ!という成長譚を描いた「キングスマン」。

まさかのハリー復活!?え、どうやって助かったのさ!?という疑問が頭から離れませんが、まずは続編が作れるほどヒットしたことに安堵。

しかも今度はあれだけ小ばかにしていたアメリカとタッグを組んで事件を解決するのですからどんな内容か楽しみ。

前作でザ・アメリカだったバレンタインを超えるヴィランなのだろうか。

やや批評家サイトでは低いようですが、そんなの気にしねぇ!てか、もっと早くやってほしかったなぁ。

日本でも角川配給から20世紀FOXに変わったことでスクリーン数も大幅に増えることでしょう。「キックアス」のような大惨敗にならなければいいけど。

 

 

 

 

 

嘘八百

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

1月5日公開

 

  • 出演

 

小池則夫・・・中井貴一

野田佐輔・・・佐々木蔵之介

野田康子・・・友近 他

 

 

  • 解説

 

中井貴一と佐々木蔵之介がダブル主演を務め、「幻の利休の茶器」をめぐって繰り広げられる騙し合いを軽妙に描いたコメディドラマ。千利休を生んだ茶の湯の聖地、大阪・堺。大物狙いだが空振り続きの古物商・小池則夫は、腕は良いのに落ちぶれてしまった陶芸家・野田佐輔と出会う。大御所鑑定士に一杯食わされた2人は、仕返しのため「幻の利休の茶器」を仕立て上げて一攫千金を狙う。そんな彼らの行動が、家族や仲間、文化庁までも巻き込む大騒動に発展し……。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 あぁ、年始恒例の松竹のやつね。これはシニア層が行く映画だな・・・と思ったら大間違い。低予算映画だった「百円の恋」の監督脚本コンビが、とうとう大物キャストでギャガ配給で映画を撮るまでになったのだから、映画ファンは見逃してはいけない。

 互いに腕は確かなのになかなか日の目を見ない、ダメなオヤジ2人が、一発逆転の大博打に出る、何ともわかりやすいお話。

骨董品の鑑定ってことで、「なんでも鑑定団」でおなじみの中島誠之助先生が出演して「いい仕事してますね~」なんて流れも入ってるのかどうなのか。

 

 まぁモンキー的には骨董品の目利きに関しては、「ハンターハンター」のゼバイルさんで学んだくらいで、あとはちんぷんかんぷんなので、初心者でもわかりやすい説明も混ぜて楽しませてほしいところ。

 

 

レディ・ガイ

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

1月6日公開

 

  • 出演

 

フランク・キッチン・・・ミシェル・ロドリゲス

Dr,ガレン・・・トニー・シャルーブ

Dr,レイチェル・ジェーン・・・シガニー・ウィーバー 他

 

 

  • 解説

 

「ストリート・オブ・ファイヤー」「48時間」などで知られるウォルター・ヒル監督が、性転換手術で男から女にさせられた殺し屋の戦いを描くアクション映画。

銃撃戦によって意識を失った凄腕の殺し屋フランク・キッチンは、見知らぬベッドの上で目が覚める。全身に巻かれた包帯を取り去り、鏡を見たフランクは、自分の姿がまぎれもない女に変貌していたことに驚愕する。フランクは正体不明の女性医師によって性転換手術を強行されており、しかも、それが医師のフランクへの復讐を意味しているという。大切なものを奪われたフランクもまた、自身の姿を男から女に変えた者への復讐を開始する。(映画/comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 ミシェルロドリゲス、そんなに好きじゃないんですよね・・・。どうしても「ワイルドスピード」のイメージが強くて、あぁドクの彼女・・・もっといい女いるのに・・・と常々思っていたほど。

そんなイメージが先行してるんだけど、この予告を見ておもしろそーじゃん!とテンション上がって、ワイスピのことなんか忘れました。

殺し屋が勝手に性転換手術されて女にされてしまい復讐する、なんだこれB級?と思ったら監督ウォルターヒルかよ!じゃあアクションカッケーに決まってるわwはい見ます!

 ってことで、これは楽しそうです。

 

 

 

 

ネイビー・シールズ ナチスの金塊を奪還せよ!

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

1月12日公開

 

  • 出演

 

マット・バーンズ・・・サリバン・ステイプルトン

スタントン・ベイカー・・・チャーリー・ビューリー

ジェイコブ・レヴィン少将・・・J・K・シモンズ 他

 

 

  • 解説

 

リュック・ベッソンの原案、脚本、製作で、ナチスが残した金塊を手に入れるため奮闘する精鋭部隊を描いたアクションアドベンチャー。

1995年、紛争末期のサラエボで大胆な戦略を展開するマット率いる5人のネイビーシールズのもとに、ある日、湖に重さ27トン、総額は3億ドルに及ぶナチスの金塊が眠っているとの情報が入ってくる。この金塊があれば、戦争に苦しむ避難民を救うことができると、メンバーの1人が恋に落ちたウェイトレスから懇願された5人は、金塊を奪取するため作戦を計画。敵陣の真っただ中に位置する水深45メートルの湖から、8時間という限られた時間で金塊を運び出すミッションがスタートする。(映画.comより抜粋) 

 

  •  期待どころ

 これまた面白そうな内容のお宝ミッション。主役は泥棒でなくて特殊部隊の奴らってのが面白い。

湾岸戦争でフセインが隠した金塊を奪おうとする軍兵たちを描いた「スリーキングス」と似たような流れですが、スリーキングスは反戦的な内容を強く意識していたのに対し、本作は完全に娯楽的なにおい。

ネイビーシールズのならず者たちってのが、すでにいい雰囲気だし、それぞれキャラが立っていてどういうチームワークを見せるのか。そんな不良集団に目を光らせるJKシモンズってのもいいw「You're fired!」っていうのかな今回もw

 

 「イントゥザストーム」の監督ってことで期待。

 

 

 

5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生

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期待度☆☆☆★★

 

1月13日公開

 

  • 出演

 

サリヤ・・・コスティア・ウルマン

マックス・・・ヤコブ・マッチェンツ

ラウラ・・・アンナ・マリア・ミューエ 他

 

 

  • 解説

 

95%の視力を失いながら「5つ星ホテルで働きたい」という夢のために大芝居を打った学生の実話を、「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」のマルク・ローテムント監督のメガホンにより映画化。

先天性の病気により95%の視覚を失ってしまったサリー。5つ星ホテルで働くという夢を実現させたいサリーは、無謀にも目が見えないことを隠して一流ホテルで見習いをスタートすることに成功する。周囲からの助けも借りながら、持ち前の明るさと機転を利かせ、サリーは次々とホテルの研修課題をクリアしていった。しかし、完璧かに思えた偽装計画は、ある女性との出会いによって、徐々にほころびが出るようになってしまう。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 今月の掘り出し物的扱いですが、見なかったら後悔しそうなヒューマンドラマ。

あきらめなければ夢は叶うってテーマはいつの時代の映画も色あせることなく感動を与えてくれるもんで、視力のせいであきらめかけたホテルマンが仲間の助けを経て夢を実現させようと奮闘するお話。

ただのホテルじゃねえ5つ星だ!雇われる側はいいかもしれんが雇う側は大変だよこれ。どうやってバレないように働くのか。楽しみですね。

「ぼやけた明日が輝きだす」ってのキャッチコピーも素敵ですやん!

 

 

 

 

ジオストーム

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

1月19日公開

 

  • 出演

 

ジェラルド・バトラー

ジム・スタージェス

アンディ・ガルシア 他 

 

  • 解説

 

地球の気候をコントロールすることを可能にした人工衛星が暴走し、世界中が異常気象や大災害に見舞われるなかで、未曾有の危機に立ち向かう人々の姿を描いたディザスターパニックアクション大作。

世界各国の最新テクノロジーを集結し、天候を完璧に制御することを可能にした気候コントロール衛星の運営開始から3年。突如として衛星が暴走を始め、世界中で異常気象を発生させる。衛星の生みの親でもある科学者のジェイクは、衛星の暴走原因を突き止めるため宇宙へ向かうが……。(映画/comより抜粋) 

 

  • 期待どころ

 ジェラルドバトラー主演の大作映画ということで、すでに大やけどしそうな予感がプンプンしますが、1月はキングスマンとこれくらいしか大作モノがないので、ミーハー魂で一応候補に。

もう天候を管理してる時点で地球はヤバいじゃん、ツケが回ってきたんだよって思ったらそうじゃないんですね。天候を管理する衛星が暴走して、その原因究明と復旧作業すんのがジェラルドバトラーのようで。てか科学者かよ、見えねーよ。

あれなんですか、「アルマゲドン」ですか?「インターステラー」ですか?非常に似たような流れですが、まぁ目を瞑りましょう。

 

 

 

 

 

パディントン2

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期待度☆☆☆☆★

 

1月19日公開

 

  • 出演

 

パディントン・・・ベン・ウィショー(声)

ブラウン・・・ヒュー・ボネビル

フェニックス・ブキャナン・・・ヒュー・グラント 他

 

 

  • 解説

 

1958年に第1作が出版されて以降、世界40カ国以上で翻訳され、3500万部以上を売り上げるイギリスの児童文学「パディントン」シリーズの実写映画化第2弾。

ペルーのジャングルの奥地からはるばるイギリスのロンドンへやってきた、真っ赤な帽子をかぶった小さな熊のパディントン。親切なブラウンさん一家とウィンザーガーデンで幸せに暮らし、今ではコミュニティの人気者だ。大好きなルーシーおばさんの100歳の誕生日プレゼントを探していたパディントンは、グルーバーさんの骨董品屋でロンドンの街並みを再現した飛び出す絵本を見つけ、絵本を買うためパディントンは窓ふきなど人生初めてのアルバイトに精を出していた。しかしある日、その絵本が何者かに盗まれてしまう事件が発生し、警察の手違いでパディントンが逮捕されてしまい……。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 恥ずかしながら1を見ておりません。ですが、まさか続編をやるとは思ってなくて、ちょっと気になってきましてw

前作をおさらいしてから見に行こうかと思っています。

だあらですが、このクマが何なのか全くわかっておりませんw「テッド」とどう違うのかってとこから始めないとついていけなそうですw100%下品ではないと思うけど。

 

 

 

 

 

嘘を愛する女

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

1月20日公開

 

  • 出演

 

川原由加利・・・長澤まさみ

小出桔平・・・高橋一生

木村(キム)・・・DAIGO 他

 

 

  • 解説

 

長澤まさみと高橋一生が共演し、恋人の大きな嘘に翻弄されるキャリアウーマンの運命を描いたラブサスペンス。

食品メーカーに勤める川原由加利は、研究医である優しい恋人・小出桔平と同棲5年目を迎え、公私ともに充実した日々を送っていた。そんなある日、自宅で桔平の帰りを待つ由加利のもとに、警察が訪ねてくる。桔平がくも膜下出血で意識を失っているところを発見されたのだが、桔平の所持していた運転免許証や医師免許証はすべて偽造されたもので、職業も名前も全てが嘘であると判明したのだ。ショックを受けた由加利は桔平の正体を突き止めるべく、私立探偵の海原匠と彼の助手キムに調査を依頼。やがて、桔平が書き溜めていた700ページにも及ぶ未完成の小説が見つかる。その内容をもとに、いまだ病院で眠り続ける桔平の秘密を探るため瀬戸内海へと向かう由加利だったが……(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 すんごく東野圭吾のにおいがしますが、なんとオリジナル作品。東宝はしれっとこういうのを配給するから偉い。ちゃんと次世代を育てようとする心意気は買いますよ。変な大作ばっかだけど。

なんかもうこの二人が素敵すぎて今をときめきすぎて、それだけでおなかいっぱいなんだけど、目の前にいる愛する人はほんとに本人ですか?と。あなたは相手の何を見てそう認識しているのか、そんなことまで考えさせられそうな作品なんでしょうか。

てか、長澤まさみに嘘つくなんて許さん。

 

 

 

 

 

デトロイト

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

1月26日公開

 

  • 出演

 

ディスミュークス・・・ジョン・ボイエガ

クラウス・・・ウィル・ポールター

グリーン・・・アンソニー・マッキー 他

 

 

  • 解説

 

「ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」のキャスリン・ビグロー監督が、1967年のデトロイト暴動の裏で実際に起こった、ある一夜の出来事を映画化。

67年、夏のミシガン州デトロイト。暴動発生から2日目の夜、ミシガン州兵隊集結地付近で銃声の通報が入った。デトロイト警察やミシガン州警察、ミシガン陸軍州兵、地元の警備隊たちが、ピストルの捜索、押収のためアルジェ・モーテルの別館に乗り込むが、そのうち何人かの警官が捜査手順を無視し、宿泊客たちを脅迫。誰彼構わずに自白を強要する不当な強制尋問を展開していく。(映画/comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 相変わらず社会的な映画を作り続けるキャスリンビグロー監督の新作は、暴動時の夜に無慈悲なやり方で黒人を脅す警官と、それから何とか逃げようとする黒人たちのお話。

デトロイトという街で何が起こったのか歴史的背景を調べてから見るのがよさそうな気がします。

最近の監督の作品は臨場感あふれる画で魅了し、そこからあぶりだされる問題に考えさせられるわけですが、今度も今アメリカが抱える問題を過去の事件から掘り起こし、あの時のようなことがおきてはいけないというメッセージなのかどうなのか。

 

 

 

祈りの幕が下りる時

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youtu.be

 期待度☆☆☆★★

 

1月27日公開

 

  • 出演

 

加賀恭一郎・・・阿部寛

浅居博美・・・松島菜々子

松崎脩平・・・溝端淳平 他

 

 

  • 解説

 

阿部寛主演、東野圭吾原作による「新参者」シリーズの完結編。

父との確執、母の失踪など、これまで明かされることがなかった加賀自身の謎が明らかとなる。東京都葛飾区小菅のアパートで滋賀県在住の押谷道子の絞殺死体が発見された。アパートの住人も姿を消し、住人と押谷の接点は見つからず、滋賀県在住の押谷が東京で殺された理由もわからず捜査は難航する。捜査を進める中で加賀は、押谷が中学の同級生で演出家の浅居博美をたずねて東京にやってきたことを突き止めるが……。(映画.comより抜粋) 

 

  • 期待どころ

 毎回毎回事件の犯人よりも、疑われた人の過去を暴くことでその人を解放する、それって刑事のすること?と感じていた新参者シリーズ。

今回は主人公加賀の過去が明かされるということですが、このパターンだと全く事件と関係ないって予想してしまうんですが、いったいどうなのか。

とりあえずドラマをおさらいするのは時間がかかるので、麒麟の翼は見直そうかなぁ。ガッキーのやつ。

いつも買えないたい焼きは出てくるのか。

 

 

 

 

 

ダークタワー

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

1月27日公開

 

  • 出演

 

ローランド・・・イドリス・エルバ

ウォルター・・・マシュー・マコノヒー

ジェイク・・・トム・タイラー 他

 

 

  • 解説

 

スティーブン・キングが1970年代から30年もの歳月をかけて完成させたライフワークともいえる小説「ダークタワー」シリーズを実写映画化。

ニューヨークで暮らす少年ジェイクは不思議な夢に導かれ、時空を超越する荒廃した異世界に迷い込んでしまう。現実世界と密接するその世界では、世界の支柱である「タワー」を巡り、タワーを守る拳銃使いの戦士=ガンスリンガーのローランドと世界の崩壊をもくろむ黒衣の男ウォルターが壮絶な戦いを繰り広げていた。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 え?これスティーヴンキングなの?と思うほどSFチックなお話。いや西部劇?いったいどんな話なのか本編見ないとわからないけど、いろいろ設定やらセリフがかっこいいみたいなので楽しみ。

もう主役やるくらい売れてしまったイドリスエルバの孤高っぷりがかっこいいし、それに対峙するマシューもまたいい味出してる。

 

 

 

 

その他の話題作

 

  •  12日公開

伊藤くんAtoE(自意識過剰男と5人の女をめぐるお話)

  • 13日公開

劇場版マジンガーZ INFINITY(今もなお人気のアニメの劇場版)

悪と仮面のルール(人気小説か中村文則原作を映画化)

  • 20日公開

ガーディアンズ(マーベルもびっくりのロシア版ヒーローアクション)

ルイの9番目の人生(9年で9度死にかけた少年の物語)

  • 26日公開

ザ・リング/リバース(ハリウッド版リング3作目)

 

 

 

 

これさぁ、申し訳ないけど小粒作品ばかりじゃないか?どれだけスターウォーズにビビってんだ?何かお正月映画なのにそこまで魅力を感じないのは自分だけだろうか。

そんなこと思いながら足繁く映画館に通うつもりのモンキーです。今年も一年よろしくお願いします。

モンキー的2017年記事別PVランキング

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1月3日

モンキー的2017年記事別PVランキング

 

はいどうも~モンキーで~す。

去年1年間で一番読まれた感想はどれか集計したよ!っていう超自己満足な記事で~す。いえ~ぃ。

 

去年の10月以降アクセス数が半分になってしまい、いまだ回復しない状況なんですが、それまでは順風満帆だったんすね。なので、恐らくそれ以前の新作映画の感想ばかりがランクインしてるんだろうと思うんですが、まぁあくまで自分のために?一応作ろっかな?的な?ってことで、だいぶ文章ゆるゆるでやってみよ~ってことでおつきあいくださぁ~い。

 

とりあえず上位10記事を下から順に紹介しま~す。

あい、行きまーす。

 

 

 

 

 

 

 

 

第10位

新宿スワンⅡ

 

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 PV数:約5万5000

 

ソニーピクチャーズとしては数少ない邦画配給作品、前作のヒットを受けて続編でしたが、原作を読んでない自分としては面白みに欠ける内容で。

どうしても酷評した方がアクセス伸びてしまうわけで、そうなると絶賛派からボッコボコにされるんですが、これに関しては全くレスポンスが無く、逆に気味が悪かったですね。

みんな共感したってことか?

とりあえず言いたいのは園子温監督は商業映画やらない方が・・・。 

 

 

 

 

第9位

アウトレイジ最終章

 

www.monkey1119.com

 PV数:約5万7000

 

基本うちのブログ、全く映画に興味のない人たちからアクセスが集中するんですが、やはり巷で話題ということで、アップした途端アホみたいに伸びましたね。

で、長続きするかと思ったら、3日後にはあっという間に検索から埋もれるという。

これはやはり実力のある方の記事の方が読みごたえもありますし、わかりやすいですから。

そういう方たちの記事が上位に来るのは当たり前で、その分実力不足な僕のブログが埋もれるのは仕方のないことで。

 

まぁそれでも6万に行くかというところまで来たのはびっくりです。

 

 

 

 

第8位

チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~

 

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 PV数:約7万

 

これは結構持続した記事で、結果的に自分は酷評したんですが、それでも今青春真っただ中の中高生には絶対見てほしいとメッセージを添えました。

どうしても評判を気にしてこういうブログを探す人が多い中、一番お金にシビアである中高生が自分のブログを見に来て「なんだぁつまんないんだって~やめよ~」って思わないように、俺はこうだったけど君たちには絶対胸に刺さるから感動するから、と最後に書き記しました。

届いたかどうかはわかりませんが、レンタルでもいいから見てもらって、これをきっかけに部活でもいいし夢中になってることでもいいし、何かに限界まで頑張るってことがどれだけ素晴らしいかを体感してほしいです。

 

ちなみにコメントで、演出がどうとか色々ケチつけるのはおかしい、誰誰のせいとか、あなたは映画の何を見てるんですか?おかしいです、と言われました。

俺は映画の全部を見てるつもりなんですけどね。

 

 

 

 

 

第7位

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

 

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 PV数:約7万3000

 

正確には2016年の記事ですが、年をまたいでレンタルされるまでと息の長いアクセスを頂戴しました。

最初こそ検索下位だったんですが、気が付いたら上位にいて。大作映画は皆さんこぞって書いているので激戦なんですが、とりあえず熱を帯びた内容が功を奏したのか、詳しい解説見たさに訪れた方がたくさんいたのか、理由はともかく感謝です。

 

ちなみに、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」は完全に埋もれましたw

 

 

 

 

第6位

パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊

 

www.monkey1119.com

 PV数:約8万2000

 

今年ディズニーは前売り券を作らない、という噂が流れて、実際「ドクターストレンジ」なんかはイベントでしか購入できないという、いけなかった人や地方の人からしたらふざけんな!ってやり方だったんですが、このパイレーツオブカリビアンも実はギリギリまで作らない方向だったんだとか。

 

でも販売したおかげで、ネームバリューもあって普通に大ヒットなんですからさすがです。

話といえばジャックは特に何もしてないって中でバルボッサの男気というか父としてのけじめをとり幕を下ろしたわけですが。

続編は果たしてやるのでしょうか。やらないって噂ですけどね。

 

記事としては初日3日間くらいで軽く5万は越えたので、それだけ注目度の高い作品だったってことですかね。

 

 

 

 

 

第5位

グランド・イリュージョン/見破られたトリック

 

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 PV数:約8万4000

 

 これいつの映画だっけ?と思うほど忘れていた作品の記事。なんだかんだでず~っとアクセスを積み上げていた、うちのブログの縁の下の力持ち。

内容はまぁツッコミどころもあるけど普通に楽しい。しかし1の方が好きだ程度。

きっとレンタルビデオ屋さんにいって、サスペンスのコーナーで、「あ、これ1見たことある!2出てるんじゃん!面白いのかなぁ、調べてみる?」という流れでこのブログにたどり着いたのでしょう。

ありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

第4位

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

 

www.monkey1119.com

 PV数:約10万1000

 

 とうとうPVも10万まで行きました。去年では考えられなかったことです。

何かこうやって並べると戦闘力みたいで笑けるなwモンキーの戦闘力がぐんぐん上がっていく!何っ!?戦闘力10万だと!?ま・・・まさか、アイツが伝説の・・・っ!!!

ってね。

 

8月は夏休み真っ只中ってことで、大作映画がひしめくということもあり、気合を入れて臨んだわけですが、中々アクセスの伸びない日が続き凹んでおりました。

あれ~、みんなジョジョとかスパイダーマンとか興味ねぇのか・・・。

そんな8月前半から一気にガツンとアクセスが集中したのが本作の感想。

公開日ギリギリまで製作中で、マスコミ試写も少なかったようでもちろん一般試写もあったかないかレベル。そりゃあ評判は気になるってか。

まぁいつものように初日観賞で勢い任せの愚痴を並べたのが、早くも検索上位に食い込み、情報の価値が高かったのでしょう。

 興行の足を引っ張ったんだろうなぁでもつまんなかったんだもん。

 

 

 

 

 

 

第3位

バイオハザード・ザ・ファイナル

 

www.monkey1119.com

 PV数:約15万2000

 

 2016年の一番最後に見たであろう今作。これまでのシリーズの中ではよくやった方だという評価だったんですが、今回この感想を書いたことで、え!?これそんなにファン多いの!?というほどコメントをもらい、その中のほとんどが絶賛派かゲームや原作からのファンて方で。

無論ゲームなどやったこともないモンキーですので、何でそんなにこの映画を擁護するんだ・・・と驚きを隠せなかったですね。

 

 ここからですよ、評価の悪い感想を書くと原作を読んでくれ!って絶賛派から言われ始めたの。

もちろん読んでみたい気持ちはあるけど、あくまで映画としての評価なんだから、観賞後に補足で原作読んだって映画そのものの評価は変わらないんですよ。

 原作をそのまま2時間でやるのは無理があるんだから、監督なり脚本家がうまくまとめないと。それで1本の映画にしないと。

で、先入観ってのはどう足掻いたって拭えないわけで、今年で言えば「3月のライオン」は原作が好きで読んでから見に行ったので、まぁ比較しちゃて楽しめなかったんですよね。

 だから原作は読まずに映画を楽しむ、を今後も心がけていこうかと。

「メッセージ」はねぇ未だに原作読みたい気持ちはある。ただ時間がない。

 

 

 

 

第2位

ワイルドスピード/ICE BREAK

 

www.monkey1119.com

 PV数:約16万3000

 今年になって初めて映画館で観賞したワイスピ。

自宅で軽く1を見た途端はハマり、アマゾンプライムで5まで見た後、レンタルビデオ屋に駆け込んで残り2作をレンタル、結果1日で全て観賞。ある意味有意義な1日だったわけで、その気持ちを保ったまま見に行ったから非常に楽しく観賞できた。

そんなワイスピ童貞だったオレの記事がこんなに読まれていいのかと、ちょっと恐縮気味でしたが、逆に言えばまだ見たことない人にも見てみたいと響いたら本望だなと。

 

 

 

 

 

 

 

 

第1位

ソーセージパーティー

 

www.monkey1119.com

 PV数:約16万8000

 

「モンキー的映画のススメ」がこれだけアクセスを稼げるようになったのは、この記事がずっと読まれているからです。感謝です。

未だに「ソーセージパーティー」と検索すればトップに来ますし、公開当初は公式より上だった、オレにとっての神記事です。

 

そもそもこれマイナーというかコア層しか見ない作品だったし、公開スクリーン数もめっちゃ少なかったわけで、なのに公開時からたくさんアクセスがあり、レンタルするともっと跳ねたんですね。

そういう点を考えるとこの10記事の中では特に異例のもので、それが一番アクセスが多かったことを考えると、おお化けしたなぁと。

 

 

 

 

 

 

 

というわけで、2017年記事別アクセス数ランキングでした。

この10記事で1年の総アクセスの約3分の1を占めるほどの人気記事となりました。

今年はこの調子だと、この半分くらいのアクセス数になりそうで気が滅入る毎日ですが、続けることに意味があると思っておりますので、引き続き「モンキー的映画のススメ」よろしくお願いします。

というわけで以上!あざっした!!

映画「キングスマン2ゴールデンサークル」感想ネタバレあり解説 秒でアガッた!!

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1月5日

キングスマン:ゴールデンサークル

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2018年1発目に大好きな映画の続編を鑑賞できるという幸せ!!!

イギリス大好き、スパイ大好き、マシューボーン大好きなモンキーにとってこんなに嬉しいことはありません!

今回英国紳士たちがアメリカに協力を求め事件を解決する話だそうですが、前作でアメリカを軽視したユーモアはどう描かれるのかも気になります。

まさに今年のお正月映画のオープニングを飾るに相応しい「秒でアガる」今作。

「Manners maketh man」の精神で早速観賞してきましたよ!!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 

表向きはロンドンの高級テーラー。しかしその実態は、どの国にも属さない世界最強のスパイ機関だった!

人生を半ば投げやりに過ごしていた青年の前に現れた英国紳士の、「礼儀が人を作る」という言葉に導かれ一流のスパイエージェントに育った主人公が、今回さらに活躍するだ人気スパイ映画の続編。

アクションもガジェットもスケールもキャストもパワーアップした今作。舞台をアメリカに移し主人公エグジーが暴れまくる!!!

 

 

キングスマン ゴールデン・サークル (竹書房文庫)

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  • 作者:ティム・ワゴナー,ジェーン・ゴールドマン&マシュー・ヴォーン,平澤薫
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Kingsman: The Golden Circle - O.S.T.

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あらすじ

 

キングスマン壊滅!英国紳士は世界を飛ぶ!

世界的麻薬組織、ゴールデンサークルの攻撃により壊滅したキングスマン。

残された二人、エグジー(タロン・エガートン)と、メカ担当のマーリン(マーク・ストロング)は、バーボン・ウイスキーの蒸留所を経営するコテココテにアメリカンな同盟スパイ機関:ステイツマンと合流。

さらに、彼らの前には死んだはずのハリー(コリン・ファース)まで現れる!

 

一方、上品な見た目に反して超サイコなゴールデンサークルのボス、ポピー(ジュリアン・ムーア)は、世界中の麻薬使用人を人質にした驚愕の陰謀を始動させていた。

果たしてエグジーの前に現れたハリーの秘密とは?

そして、一流エージェントに成長したエグジーは、敵の陰謀を阻止することができるのか!?(HPより抜粋)

youtu.be

 

 

 

 

 

監督

前作に引き続き監督は、マシュー・ボーン。

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はい、スパイ映画しか近頃撮ってないと専ら噂のマシューですが、それもそのはず、念願だった「007」シリーズの監督に抜擢されるかと思いきや結局お声がかからず、悔しくて悔しくて原作者のマーク・ミラーと作ったってのがこの「キングスマン」なんだとか。

だから1作目が興行的にも批評的にも成功だったもんで、結果このキングスマン、3部作構想になると報じられてましたね。それはそれで嬉しいんだけども、別の映画も作って欲しいなぁ。

 

そんな彼の作品をサクッとご紹介。

 ガイ・リッチー監督作品をプロデュースを経て、イギリスの裏社会が舞台のスタイリッシュな群像クライムサスペンス「レイヤー・ケーキ」で監督デビュー。評価がよかったことから監督として作品を手掛けはじめます。

その後、ヒーローに憧れる平凡なオタク高校生の行動がやがて思わぬ事態へと発展していくバイオレンスアクションコメディ「キック・アス」が大ヒット。

その腕が変われ、遺伝子の突然変異で力に目覚めてしまったミュータントを描く「X-MEN]シリーズの前日譚を描いた「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」の監督に抜擢。こちらも高評価を得るなどしてキャリアを積み重ねていきます。

 

 

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キャラクター紹介

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左上から。

  • ゲイリー・“エグジー”・アンウィン(タロン・エガートン)・・・ハリーの後をついで「ガラハッド」のエージェント名を継いだストリートあがりのキングスマン。亡き父がキングスマン候補生であったが、任務中に命を絶ってしまう。その命に救われたハリーによって、キングスマンにスカウトされ成長を遂げていく。

 

  • ハリー・ハート(コリン・ファース)・・・冷静沈着ながら時に激情を垣間見せるキングスマンのエースエージェント。エグジーをスカウトしキングスマンに育て上げていくが、ヴァレンタインの巧妙な罠によって殺されてた、ハズだった。

 

  • マーリン(マーク・ストロング)・・・キングスマンの頼れるブレーにしてメカ担当。候補生を訓練する教官も兼任しており、エグジーたちを影で見守っていた。

 

  • テキーラ(チャニング・テイタム)・・・ショットガンを愛用するミスター・アメリカン。強くて自信満々だが、ステイツマンの問題児でもある。

 

  • ジンジャー(ハル・ベリー)・・・ステイツマンの紅一点にしてメカ担当。実はエージェントになることを望んでいる。

 

  • ポピー(ジュリアン・ムーア)・・・世界的麻薬組織ゴールデンサークルのボス。その物腰や風貌からは想像できないほどのサイコパス。

 

  • シャンパン(ジェフ・ブリッジス)・・・ステイツマンの豪快なリーダー。アル中を克服した今でも酒を愛し、なにかと口に含んでいる。

 

  • ウィスキー(ペドロ・パスカル)・・・レーザー投げ縄を操るステイツマンのエース。陽気な性格で女性を口説くのも大好き。

 

  • チャーリー(エドワード・ホルクロフト)・・・キングスマンの試験に不合格となった元候補生。ポピーの“右腕”としてエグジーの前に立ちはだかる。

 

  • ロキシー(ソフィー・クックソン)・・・試験に合格し、晴れてエージェント・ランスロットとなったキングスマンの紅一点。高い場所が苦手だったが、エグジーとの訓練と任務によって克服。

 

  • エルトン・ジョン(本人)・・・ポピーに誘拐されたナイトの称号を持つ世界的スーパースター。ポピーのためにピアノを弾かされる毎日を送る。

 

 

 

前作のおさらい

 

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 ある日、エージェントの一人が何者かに殺害され、その欠員を補充するためハリーは、貧困地区で無軌道な生活を送っていた若者エグジーをスカウトする。

彼の父はキングスマンのエージェントで、17年前、その犠牲的行為でチームを救い、命を落としたハリーの恩人だったのだ。

こうしてエグジーは、父の後を継ぐべくキングスマンの過酷な新人試験に身を投じていく。一方ハリーは、天才IT富豪のリッチモンド・ヴァレンタインが水面下で進めていた恐るべき陰謀の謎を追っていくが…。

 

 

労働者階級で無為な生活を送っていた青年が、紳士を作るのは階級ではなく、マナーからだ、という言葉に引き寄せられ一流のスパイとして成長していくシンデレラストーリーにして、バイオレンススパイアクション。

雰囲気や組織、ガジェットや衣装などあらゆる面においてスパイ映画の金字塔「007」を意識した作りになっており、特にロジャームーア版ボンドからインスパイアされてる節があります。

そして一番印象的なのはイギリスがアメリカを皮肉っているユーモア。キリスト原理主義者を教会でボッコボコにするシーンや、ハンバーガーもてなす件も爆笑。

敵のヴァレンタイン演じるサミュエル・L・ジャクソンもいつもと違うタイプの役柄で、不気味さ漂うエコテロリストも抜群にキャラが立っています。

前作ではそのヴァレンタインの罠により殺されていしまうハリー。「これは映画ではない」というセリフから、ほんとに死んでしまったと思っていたわけですが、一体どうやって死の淵から蘇ったのか、いやその前にあんな至近距離で撃たれてどう助かったのか。

謎は深まるばかりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで、軽く前作をおさらいして臨む続編は、アメリカ組織との掛け合いが楽しそうですね。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

感想

秒でアガった!!!

ファンならグッとくる感動の連続!!故郷を失ったか彼らにカントリーロードが突き刺さる!!さぁ、みんなで帰ろうホームに!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1を見ないとこの感動は味わえない。

敵に詳細を知られ、自宅やアジトや仲間もろとも壊滅させられたエグジー。しかし、彼らにはいとこがいた!

アメリカの組織、そして恩師であり上司でありよき友である男の復活。

泣くな!エグジーこれは任務だ!情に流されずこらえにこらえた男の任務遂行と復讐の炎が一気にスパークしていく怒涛のスパイアクションでした!!

 

 

まず率直に感じたのは、1を見ていないとエグジーとハリーの絆や師弟関係から生まれる感動の連続が薄れてしまい、ひっじょーーーにもったいないということ

 

出勤の朝、テーブルマナーだけでも覚えておいた方がいいという彼女に、大丈夫それはもう完璧だからと、ハリーからテーブルマナーを教わる回想シーン、それを思い出し涙ぐむエグジー。

後ろをむけば彼が飼っていた犬、Mr,ピックルのはく製に再び涙。

 

そして突如訪れる再会にも涙、しかし彼には記憶がないという状態に涙、そこから何とか記憶を取り戻すべく荒療治が続くも回復しないハリーに対し涙、記憶の回復への突破口を見つけ、ついに記憶を取り戻したハリーとエグジーのハグに涙!!

あれ・・・エグジー以上に俺が泣いている!!!

 

ハリーに会いたかったのはエグジーだけじゃねぇ!!俺もだよ!!!

 

そんな感動の連続があってか、監督お得意のアメリカ風刺ギャグもなかなか笑えない!なんて副作用だ!!

 

礼儀が人間を作る、今の自分がどうあるべきか、それは身分で決まることではなく、マナーがそれを決めるのだ。そんな格言から徐々に成長を遂げるエグジーにとって、ハリーはかけがえのない存在でした。

鏡の前でこれは何なんだ?と戸惑ったとしても、常に彼を鼓舞し励まし導いてくれる。

彼によってハエの幼虫のような奴だった男が、彼によって青虫へと変化し、やがて羽が生え大きく羽ばたいている。

 

 

自分がいなくなっても立派なエージェントとして紳士として成長したハリーからの目線、どんなに成長しても未だハリーが恋しくてたまらない仕草を見せるエグジーの目線で見ても泣けてくるシーンがたくさんありました。

 

そんな二人がクライマックスで共闘するシーンは最高です!!!とうとうこの二人が対等になって敵に立ち向かい、鮮やかなコンビプレイで一網打尽にするんです!

 

なのでぜひ今作を鑑賞する際は1をおさらいし、映画館でどっぷり感情移入することを薦めます。

 

 

もちろんユーモア描写もおもろいぞ!

今回一番びっくりしたのは、前作でバレンタインに捕らえられていたスウェーデン王女ティルデと真剣交際をしているというサプライズ!!

労働者階級の身分だった彼が、とうとう王室の女性と付き合うまでに!マナーが紳士を作るという言葉を着々と実行しているエグジーにびっくりです。

 

そんな展開に笑いながら淡々と物語は進み、ちょいちょい挟んでくるアメリカ小バカギャグも痛快。

 

ステイツマンの面々の恰好がまず小バカにしてますよねw。テンガロンハットかぶって、ジーンズにブーツといったラフな格好。そのいで立ちはカウボーイときたもんだ。武器も投げ縄と鞭。これが進化した武器だからカッコイイんですけども。

 

アメリカのスパイ組織「ステイツマン」のエージェント、ウィスキーとの合同任務で、追跡装置内蔵コンドームを見せる際、あまりの小ささに何でもデカいものを好むんだろ?とおちょくったり、ゴールデンサークルのボス、ポピーのアジトが50年代風のダイナーというのもどこか馬鹿らしい設定。

 

ステイツマンの本部がケンタッキー州にある事に気付いたエグジーが、マーリンにそれを話すとフライドチキンは好きだぞ!と言い返すあたりも、ケンタッキーといえばフライドチキンだろという共通意識あってのユーモア。

アメリカ西部劇を見たことある人ならあるあるネタなのが、奴らはとにかくツバを吐く。

テキーラが登場するや否や唾を吐く姿もあれば、シャンパンの座る席の横にしっかりたんツボが置かれており、しっかりぴゅーっと飛ばしておりましたw

 

そして何といっても一番小バカにしているのが、麻薬使用者を全て犯罪者扱いにしてしまう大統領。

ポピーの企みは、これだけ稼いでいるのに表に出られないのは、麻薬が違法だから、だったら合法にしてもらえばいい。ということでドラッグに毒を仕込ませ、世界中の麻薬使用者を人質にし、その解毒剤を差し出す代わりに合法にし、尚且つ自分と関係者に恩赦を与えろというもの。

これに対し大統領は、苦肉の策で了承するかと思いきや、逆に麻薬を使用している奴らを一掃することで犯罪者がいなくなり、加えてポピーも捕まえられる、と企むわけです。

どうしても麻薬となると日本では非常に危険であり有害であり、持っているだけでも捕まってしまうほど厳しく取り締まっている薬物ですが、アメリカでは州ごとで法律が違い、州によっては大麻も合法なところもあります。

それに加え医療用としても非常に役立つ場合もあり、人によっては有効になることだってあるわけで。

ただ単に使用している人も同罪にしてしまうという、非常に倫理に反するやり方をするんですね。

 

そこまでドラッグ事情に精通してないんでよくわかりませんが、民衆の声を聞かずなんでもかんでも強行突破してしまうという姿勢を小バカにした演出だったのではないでしょうか。

 

下ネタも健在。体内の血液に追跡装置を仕掛けるコンドームというガジェットを渡されたエグジー。このガジェット、なんでも粘液でないと意味がないそうで、要は鼻の穴とかでもいいんですが、今回はこれをですね、いわゆる下の穴の方に指を入れるという何ともエロ~い描写で使われる、男としてはアガる演出になっております。

 

ホントに秒でアガる。

日本公開のキャッチコピーで記載された「秒でアガる。

最初すげぇだっせーキャッチコピーだなぁと思ったんですが、始まった途端繰り広げられるバトルアクションに、なるほど、これはピッタリだ!!ゴメン!!!と心でつぶやきました。

 

高級テーラー「キングスマン」から出てくるエグジーの前に、前作でテスト失格の烙印を押され、バレンタインの配下になてしまったチャーリーが登場し、エグジーと車内でバトルをおっ始めます。

プリンスの「Let's Go Crazy」にのせて暴れまわる2人の攻防は、正にクレイジーにさせてくれるぶっ飛びアクション。

後部座席という狭い空間で、殴る蹴る!義手が飛ぶ!毒針が飛ぶ!ドアが開いて外へ投げ出されてもくらいつくエグジー!何度ぶっ飛ばしても死なないチャーリー!エグジー危機一髪!!なアガるシーンの連続でございました。

 そしてさらに事態はカーチェイスへと発展し、ロンドンの道路を失踪するシーンもまたアガる部分です。

なんか途中車がかなり走ってるコーナーをスルスルーってキレイに弧を描いてすり抜けた箇所ありましたけど、あそこはすごかったですね。

 

 

あれこれ解説

ここからは色々わかる範囲、調べた範囲で恐らくこれはこれを指しているよ!ってのを紹介したいと思います。

 

ゴールデンサークル

ポピーが仕切る麻薬組織「ゴールデンサークル」。彼女に服従するものには、全員金の輪っかのタトゥーを入れなければいけないんですが、一体元ネタは何なのでしょうか。

これは黄金の三角地帯、通称ゴールデントライアングルが元ネタと思われます。

黄金の三角地帯とは、タイ、ミャンマー辺りにあるメコン川の山岳地帯にある、麻薬の密造地帯だそうで、世界的にも大きな場所なんだそうです。

実際にポピーランドもカンボジアの山奥深くにあるという設定もこれに絡めて来てるのではないかと思います。

 

さらにいうと、このポピーという名前。花の名前にも思いつく人多いかと思いますが、このポピーという花はケシ科です。そうケシは麻薬の原料になる植物

まさに今作の敵にふさわしい名前というのが分かります。

 

エルトン・ジョン

今回本人役で出演をしているエルトンジョン。アメリカ人の女性に誘拐され、ひたすら名曲を惹かされてるかと思いきや、別の曲を弾かされる屈辱を味わってましたw

今回ただピアノを弾くだけではなく、ちゃんとセリフもあり、ジャージ姿でFワードを連発し、挙句の果てには、飛び蹴りを披露するなどの大活躍。

劇中でも彼の曲がふんだんに使われており、「Daniel」や「Rocket Man (I Think It's Going to Be a Long, Long Time)」、エンドロールでも「Jack Rabbit」といった初期のプログレッシブが主流だったころの彼の曲が多々使われていました。

中でもクライマックスでのポピーランドでのバトルで使われた「Saturday Night's Alright for Fighting」は、前作でハリーが洗脳されて教会で暴れるシーンを彷彿とさせるものでした。

劇中では水曜日にぶちまかそうぜ!みたいなことを言ってますが、実際の曲は土曜日です。てか何で水曜日だったのか・・・。

 

Xーメンファーストジェネレーション

マシューボーン監督は、以前「X-メン/ファーストジェネレーション」を手掛けたことでも有名ですが、実は本作でこの作品の曲を使っています。

「Rage And Serenity」という曲なんですが、「X-メン」では、まだ能力をコントロールできないエリックに対し、チャールズが彼の奥底に眠るものを引き出させようと彼の脳内に入り込み解放し、遠くにある衛星アンテナを動かすときに流れる曲なんですが、本作では、ハリーが自分の記憶を取り戻すときに使われていました。

 

007オマージュ

イギリスのスパイということで、前作でも「007」へのオマージュが多々盛り込まれていました。

今回も冒頭のカーチェイスの後、緊急時合流地点に向かうため湖に車ごと入るエグジー。何と車は潜水艇へとチェンジし、キングスマンが所有する地下の車庫にたどり着くんですが、この車が潜水艇へとチェンジするのは、「007 私が愛したスパイ」が元ネタだと思われます。

 

他にも、時計を駆使したアクションが今回大活躍しており、電子機器をはハッキングして操るという仕掛けがありましたが、「007 死ぬのは奴らだ」でも時計に強力な磁石を装備しており、金属を吸い寄せる機能として描かれていました。これも元ネタのひとつかもしれません。

 

きっとほかにもあると思うんですが、ガジェットばかり目が行ってたので、エピソードやネーミングなどもオマージュがあるかもしれません。

 

viva las veganの意味

ウィルスの進行を防ぐために一刻も早く解毒剤の配布をしなければならないエグジーたちは、ポピーにその解除コードを問いただすのですが、ここでポピーは「ビバラビーガン」と答えます。

これどういう意味だ?と思う方も多いかと思います。

英語はちんぷんかんぷんなので、あくまで考察ということでご理解ください。

 

まずvegan という意味ですが、これは完全なベジタリアン=菜食主義を指します。これどうやらイギリス発祥の言葉らしいですね。

それをviva la というスペイン語の後に付けてるので、直訳するとベジタリアン万歳!という意味になるかと思います。

 

で、これをバリバリ肉ばっか食ってるアメリカ人代表であり、序盤で人肉バーガーを作って振舞っていたポピーが言うというのが、きっと野菜指向が増えてきてるアメリカ人に皮肉を込めたギャグになってると思われます。

しかもこれをイギリス人に向かって言うというw

 

 

 

 

 

最後に

今回ジョン・デンバーの名曲「カントリーロード」が重要な場面で流れるんですが、前作で威風堂々が流れたのと同じように、イギリス人にとって威風堂々が国歌のようなものなのなら、アメリカ人にとってカントリーソングもそれと同じであって、それを代表する曲カントリーロードが使われたのも、同等の意味を成しているのかなぁと感じました。

故郷を奪われたエグジーたちにとって、故郷へ帰ろうと歌い上げるある人物の姿は感慨深いものがありました。僕の中ではあそこが一番グッときましたね。

 

と、褒めてばかりですが、どうしても前作と比較してしまうと盛り上がりに欠ける部分は多々あり、ご都合主義すぎる点もかなりあるわけで。悪党度も考えると、ポピーはヴァレンタインを超えられなかったなぁというのが残念なポイントです。

 

 

とはいえ、アクションシーンは必見です。愛かわらずワンカット風に撮影してアクロバティックなバトルを繰り広げ、残虐な殺し方もコミック調にサクッと描いてしまうあたりはこれぞマシューボーン、といったところでしょうか。

是非鑑賞したい方は前作は必見です。でないと感動しないから。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「嘘八百」感想ネタバレあり解説 劇中にウソが800個出てくる話です。嘘です。

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1月5日

嘘八百

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正月映画に必ず佐々木蔵之介が出演してる説。今年もその通りになりましたw

若年層にはあまりウケそうにない、このポスターの感じ。しかもお宝コメディ?骨董品?益々ウケないじゃないか!

何だよシニア層狙った松竹映画かぁ?

ノンノン、これ配給がギャガなんですよ。意外ですよね。

 

 

その意外さも理由の一つですが、あの「百円の恋」の監督脚本コンビが作った新作ということで結構期待しております。あんな低予算映画から、こんな2大キャストでしかもギャガ配給なんですから大出世です。きっといい作品が作れたんだと思います。

というわけで早速新春初笑い、かましてきましたよ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

ぐうたら女子が一人の男との出会いからボクサーとして成長していく青春映画を、低予算ながら見事に構築された物語で観客を歓喜に沸かせた「百円の恋」で、2016年日本アカデミー賞優秀作品賞並びに、最優秀脚本賞受賞という快挙を成し遂げた監督脚本コンビが、再びオリジナルストーリーでダメンズたちの再起をかけた物語を作り上げた。

千利休の幻の茶器が発見されたという、ウソか誠かの真贋を巡る大騒動を、うだつの上がらない古物商と陶芸家の掛け合いを軸に、どんでん返しの一発逆転劇をユーモラスに描く。

嘘八百から生まれたマコトとは一体どんなものなのか。新しい年の幕開けにふさわしい、極上の骨董ロマンをお宝コメディに仕上げた、開運エンターテインメント映画です。

 

嘘八百

嘘八百

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

大阪・堺。千利休を生んだ茶の湯の聖地に、目利きだが大物狙いで空振りばかりの古物商小池則夫(中井貴一)が娘のいまり(森川葵)を連れてやってきた。

「西に吉あり」。ラジオの占いに導かれるように車を走らせてると、蔵のある屋敷にたどり着く。門から様子を伺うと、主らしい男・野田佐輔(佐々木蔵之介)が帰ってきた。蔵の中を見せてくれという。庭にはジオラマづくりに夢中の息子・誠治(前野朋哉)がいた。

佐輔は「骨董の事はわからない。これ一つでも車一台は買えると聞いている」と言って茶器を差し出す。則夫は名物に似せた贋物だと見抜き、売りつけた古美術店の名前を聞くと、茶器を譲り受けた。

 

則夫は早速、その店を訪ねる。素人に贋物を掴ませた証拠をネタに高額で引き取らせる魂胆だ。ところが店主の 樋渡(芦屋小雁)と大御所鑑定士の棚橋(近藤正臣)に軽くあしらわれてしまう。

くさっていると佐輔からの電話。屋敷に再び呼ばれた則夫は、書状を見せられ絶句する。利休直筆の譲り状だ。「お宝でっか?」と尋ねる佐輔にしらばくれる則夫。

譲り状があれば茶器があるはず。はやる心を抑えながら蔵の中を探すと、ついに利休の形見の茶器が現れた。国宝級だ。

「蔵の中のもの全部、百万円で引き取りましょう。」すました顔で申し出ると、佐輔は快く応じた。

 

翌朝、支払いを終え、お宝を積んだ車を上機嫌で走らせていると、ラジオから「油断大敵」の声。不安になって箱を開くと茶器は真っ赤なニセモノだった。

大慌てで戻ると、屋敷の主は全くの別人(寺田農)だった。佐輔は留守番を頼まれただけだったのだ。則夫が佐輔の行きつけの居酒屋に乗り込むと、百万円を山分けしている。

警察の筆跡鑑定も潜り抜ける達筆のマスター(木下ほうか)、紙に詳しい表具屋のよっちゃん(坂田利夫)、どんな箱でも作って見せる材木屋(宇野祥平)。彼らは贋作に関わる仲間たちだった。

隙を見て逃げ出した佐輔を追いかけると、さびれた家に着く。そこには佐輔の妻・康子(友近)と誠治、そして、いまりがいた。屋敷に通ううち、誠治といまりは心を通わせていたのだ。息子に恋人ができた事に安心した康子は家を出ていく。陶芸家としての才能があるにもかかわらず、樋渡と棚橋にそそのかされ、贋物を作り続け、くすぶっていた佐輔に愛想をつかしたのだ。

 

利休形見の茶器の本物の<譲り状>と<箱>がある。だが肝心の<茶器>がない。則夫は一瞬でも自分の目を惑わせた佐輔の腕を見込み、一世一代の大勝負を持ち掛ける。「悔しかったら、やり返せよ。」実は則夫自身にも樋渡と棚橋に一杯食わされた過去があった。

利休に関わる博物館を訪れた二人は、利休を愛してやまない学芸員(塚地武雅)に出会う。

昔の情熱を次第に取り戻す佐輔。それを支える則夫。力を合わせて作り上げる茶器はきっと「本物よりも凄いモノ」になるはず。

2人が仕掛けた一発逆転の大勝負は、樋渡や棚橋だけでなく文化庁をも巻き込み、前代未聞の大騒動に発展する、

果たして人生の借りを返し、一獲千金の夢を叶えられるのか—。(HPより抜粋)

youtu.be

 

 

 

 

 

監督

 監督は武正晴

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原作コミックや小説が映画になるのがほとんどの中、オリジナル作品にこだわって悪品を作り続ける数少ない監督。

そういう場合中々予算がもらえないのが、現在の日本の映画産業の欠点なんですが、金なんかかけなくてもいい映画は作れる!と示してくれたのが「百円の恋」だったと思うんです。

もちろん監督だけの力ではなくて、コンビを組んだ脚本の足立紳の面白さがあり、主役を演じた安藤サクラ新井浩文の役者魂があってのことなんですが、よくまとめたなぁと。

去年もオリジナル作品「リングサイドストーリー」が公開されましたが、こちらはちょっと期待外れだったので、その分今回楽しませてほしいですね。



監督に関してはこちらをどうぞ。

 

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キャスト

主人公の小池則夫を演じるのは中井貴一。

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実はお父さんも佐田啓二という名優であり、二世俳優だというのをご存知の方は少ないのではないでしょうか、かといって俺も親父さんの映画1本も見てないんですけどもw

今や大御所俳優としてあらゆる作品で存在感を発揮している「ぴっちり横分け鼻デカ兄さん」。

モンキー的にはこの方は、DCカードのCMと「最後から二番目の恋」、あとNHKの「サラめし」のナレーションのイメージが強くて、今回コメディをやるというのが凄くしっくりきます。とぼけた顔が好きですねw

昔から活躍されてる方なのでほとんどの作品をみてはいないんですが、「ビルマの竪琴」、「激動の1750日」、「壬生義士伝」といったシリアスな作品や、「寝ずの番」、「グッドモーニングショー」といったコメディまで幅広い演技で魅了してくれる人です。

 

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もう一人の主演である、売れない陶芸家・野田佐輔を演じるのは佐々木蔵之介。

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独身俳優唯一の砦。彼が結婚したらどれだけの世の女性たちが悲しむのでしょうか。

離婚弁護士」で散々ラクダ顔としていじられてきたので、モンキー的にはもうラクダにしか見えないんですが、やはりかっこいいですよね。

 

彼の代表的な作品をご紹介しましょう。

映画として一番大きな役に出演したのは、森田芳光監督作品「間宮兄弟」。

いい年して仲良く暮らしている兄弟の平凡だけどささやかな日常に満たされる人情コメディで、本作にも出演しているドランクドラゴンの塚地武雅と兄弟役で出演しています。

その後もコンスタントに映画に出演し、1979年の田舎町を舞台に、悪戯好きの高校生たちと新米警官との、アイデア溢れる憎めないイタズラを巡る攻防を綴った「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」、中学からの親友の行方を怪しい探偵と共に探す主人公が巡る予想できない物語「アフタースクール」、最近では、幕府の陰謀でたった5日で参勤交代を命じられた貧乏藩が、維持と知恵で立ち向かう時代劇コメディ「超高速!参勤交代」が続編まで製作される人気を博しました。

去年は、舞踏はヤクザとへっぽこ建設コンサルタントのコンビが、だまし取られた金を取り戻すべく奮闘するコメディ「破門 ふたりのヤクビョーガミ」、ごく平凡な家族がある日宇宙人に覚醒し、地球滅亡の危機から救おうとする姿を描いた異色のSFヒューマンドラマ「美しい星」などに出演しています。

 

 

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他のキャストはこんな感じ。

則夫の娘いまり役に、「恋と嘘」、「TOO YOUNG TO DIE ! 若くして死ぬ!」「渇き。」の森川葵、

佐輔の妻・康子役に、「酒井家のしあわせ」、「地獄でなぜ悪い」の友近、

佐輔の息子・誠治役に、「桐島、部活やめるってよ」、「勝手にふるえてろ」の前野朋哉、

大御所鑑定士・棚橋役に、「龍三と七人の子分たち」、「海賊と呼ばれた男」の近藤正臣、

学芸員・田中役に、「間宮兄弟」、「アイアムアヒーロー」の塚地武雅などが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

馬面とラクダ面(失礼w)のコンビがどんな掛け合いをし、どんな一発逆転劇を見せてくれるのか。そこからどんなウソを並べたてダマしてくれるのか?非常に楽しみです!

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 感想

獺とトカゲが古狸に過去の借りを返す一発逆転リベンジマッチ!

骨董品わからなくても笑って楽しめる正月ならではの喜劇映画でした!!

 以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人生を取り戻す戦い

共通の敵に人生を台無しにされた骨董商と陶芸家が協力し合って、人生最大の大博打に打って出る様を、大阪ならではのにぎやかな掛け合いや、「セッション」でのクライマックスを思わせる緊張感高まるドラムソロの音楽、そして何よりどう見ても負け臭しかしない、おっさん二人の絶妙な演技が化学反応を起こし、最後までワクワクしながら見てしまうコメディ映画でございました。

 

正直申し上げれば、劇中で扱った骨董品に何の興味もなく、千利休についても全く知識のない、その筋ではド素人のモンキーではありますが、そういった部分に疎い人でも、この主演二人を見ているだけでどこか楽しく見えてしまう芝居に見とれてしまうわけであり、どうかこの冴えない二人に救いの手を!と最後まで目が離せない展開に楽しく鑑賞できた作品でありました。

 

 

まぁあれですよ、自分も仕事柄、商品に値をつけて買い取りそれ相応の値をつけて売るという点において、この則夫の職業とは近からず遠からずなわけで、それなりの親近感があります。決してダマすわけではないんですけどねw

まぁこういう職業はちゃんとした値をつけないとお客さん来なくなっちゃう、信用がものをいう商売なわけで。それで人生躓いた則夫に同情してしまうというか。

 

とはいえ、あくまでベースはいかにダマして吹っかけてのやり取りで、骨董品というものの目利きをすることに、いかに勉強しなければならないかが、則夫のセリフからも読み取れます。どの歴史にも精通してないと無理ですからね。

まぁ則夫はクライマックスでかなりのハッタリかましてますけども、かなりの弁が立たないと相手を説得できないですし、大変な職業だなぁと。

 

そして佐輔も物を作る仕事という点においての苦労もちゃんと描かれていいるのがこの映画のいいことろ。

まだ夢に向かって一直線な時に評価され、ようやく一人前だと自信をつけたのに、フタを開けていればただ騙されていただけ。そんな夢と結果にぶら下がったまま年老いてしまった中年が、陶芸から足を洗えず、贋作ばかり作っているというのもどこか同情してしまうわけで。負け癖もついてしまっているからか、妻が出ていくといっても、今の自分を俯瞰で見ても全く悔しがらない佐輔に、自分だったら絶対いやなのにどこか愛おしく感じてしまう。俺もしかして枯れ専か?

 

そんな枯れに枯れた中年二人が、家族を取り戻すために、自分の人生を取り戻すために、なくしたものを取り戻すために共闘して立ち向かう姿は、アクション映画でもよくある構図であり、こういうダメな男の再起をかけた姿、再生を描く姿をずっと撮り続けている監督に拍手を送りたいですね。

 

 

ダマしダマされの連続

冒頭からダマしダマされが描かれているのがこの映画の最初の見どころ。

蔵のある家を探しながらうろうろしている則夫は、ラジオの占い通り西に向かい、見事にお宝が眠っていそうな家を発見。娘を使って隙を作る計算も見事にあたり、早速お邪魔します。

値打ちのない茶碗なのに、高い値段で買ったという茶碗を譲ってもらい、その店に行っていちゃもんをつけいにいくと、こっちの目利きは本物だ、TVにも出てる大物鑑定士もそう言ってる、言いがかりも体外にしてくれ、と逆にいちゃもんを突けられる始末。

明らかに嘘をついていると自分の目を疑わない則夫だが、それに論破できずへこんでしまう。

再び佐輔に呼ばれ蔵の中を漁ると、値打ちの匂いがする書状を発見。

お宝でっか?と顔を覗き込む絹田に対し、則夫は百姓一揆の書状だと嘘をつく。

これ全部譲ってくれたら100万でいいよ、という問いにあっさり承諾する絹田。

いやぁ~いい買い物した~!!と言っていたのもつかの間。中を開けると茶碗は入ってなく箱と書状だけ。あれ確かに茶碗は言ってたし、あの茶碗は本物だったよなぁ・・・。

 

急いで戻ると絹田はいない。代わりに別の老人。なんとその人こそ絹田であり、立ち会った人物はただの留守番だった!まさに狸が狐につままれたのです。

 

ここから互いの能力を認め合い、ここは協力して俺らを騙したあの骨董品店主と鑑定士に一泡吹かせてやろうぜ!とチーム結成!

筆跡鑑定もダマしてしまう腕を持ち、その腕で店にディカプリオのサインまで飾っている居酒屋の店主、紙を舐めればどれだけの価値があるかひと味でわかる阪神ファンの表具屋の親父、同じく阪神ファンでどんな箱でも簡単に作ってしまう材木屋、そして今となっては贋作ばかり作っているが、一瞬でも則夫の目を騙したほど腕のある陶芸家、絹田改め佐輔。

役者はそろった!あとはあの古狸2人にうまく言いくるめて競りに呼び出せば完璧。

 

物語は決戦の舞台へと移っていくのです。

 

 

千利休について

今回主人公2人が作ったのは千利休が最後に作ったとされる茶碗だったのですが、そもそも千利休ってどんな人だったっけ?ってことで軽く調べてみました。

ざっくり言えば、安土桃山時代に茶人として信長や秀吉にかわいがられ、わび茶というお茶そのものを楽しむ道を作りながらも、影で秀吉を操っていた人物ってのが、一般的ですが、最後はどうなったのかってのはイマイチわからないって人も多いんじゃないでしょうか。

 

派手好きな秀吉と、渋くて素朴なものを好む利休の間に次第に溝が生まれていったそうです。そして貿易の利益を独占しようと堺の町に圧力をかけていく秀吉に対し、それを煩わしく思っていた利休。愛弟子も口のきき方がなってねえ!!って理由で秀吉に殺されてしまうというショッキング出来事も重なり、ますます関係は悪化。

その後利休にとって後ろ盾であった、秀吉の弟秀長が亡くなってしまったことで、利休は徐々に窮地に立たされます。

秀吉の独りよがりなやり方は徐々に強まり、ついには上下関係をはっきりさせるべく利休を自宅謹慎にして、誤りに来させようと計らいますが、利休はこれを拒否して自宅から出なかったそうです。

秀吉の怒りも頂点に達し、ついには利休に切腹を命じます。それに応じ利休は切腹し死んでしまうのでした。

 

秀吉のちっちゃい器のせいで死ななければならなかった利休。彼もまた茶を愛するがゆえに譲れないものがあったわけですが、やはり上には逆らえなかったってことですかね。にしても互いにプライド高いなぁ。

 

と、こんな最後だったそうですが、本作ではこの直前に作った器を巡っての騙し合いというわけです。

実際にそんな器が存在するのかわかりませんが、物語では死を覚悟した利休がようやく自分が求めていた場所を大海原の上を飛ぶカモメに例えて読んだ俳句が詠われており、主人公の二人もまた、次の舞台へと足を運ぶ姿をカモメに例えた画で幕を閉じるという、利休の最期と重ねた流れになっていました。

 

 

最後に

「百円の恋」ほどの熱はおびていませんでしたが、この監督脚本コンビは実に映画作りが巧いなぁと感心します。ふと思ったのですが、この二人は「スティング」でもやりたかったのかな。

監督の手持ちカメラでワンカットで見せるやり方や、佐輔が丹精込めて器を作る画も丁寧に描く技術は素晴らしいし、足立さんの脚本もちゃんと端にいる人物設定まで目を配り必要最低限だけ描いて、キチンと終着させる話の無駄のなさに今回も納得の出来でした。

 

あえて言うなら今度は王道のネタでいってほしいですね、全く知識が無くても楽しめるとはいえ、興味のない世界の話なので中々セリフ理解できない部分もあり、そこが残念だったなぁと。あくまで俺が悪いんですがw

 

何が本当何がウソなのかわからない世の中で、こういうウソもいいもんだ、と笑ってしまえる喜劇だったのではないでしょうか。ただこれはあくまで映画ですので、なるべく嘘は言いたくないもんですw

ちなみにこの映画の感想はウソではありません。僕の本当の想いです。大したこと書けてませんがw

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「レディガイ」感想ネタバレあり解説 ミシェル姉さんカラダ張ってます。

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1月6日

レディ・ガイ

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 女に改造されても、弾丸(タマ)はある。

ナイスキャッチコピーですぞこれは!!

凄腕の殺し屋が、目覚めたら女になってました、てめぇふざけやがって!ぶっ殺してやる!って流れの、奇抜な設定ながらも単純明解なお話。

正直ミシェルロドリゲス好きじゃないんだけど、この設定は面白そうだ!しかも監督がウォルターヒル!ドンパチガンアクションがきっとすごいんだろうなぁ。

 

というわけで早速観賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

80年代のアクション映画でその名をとどろかせた名匠ウォルター・ヒル監督の最新作は、凄腕の殺し屋が、性転換手術で女にさせられ、その手術をした女医から奪われたものを取り戻す復讐劇。

監督自らグラフィックノベル化した企画を、自身が得意とするハードボイルドな世界観に仕上げ、主人公を女性にすることでセクシーでスリリングなアクション映画へと昇華させた。

演じるキャストも、男勝りなセリフと動きで男性ファンから圧倒的支持を得ているミシェル・ロドリゲスと、監督が脚本に携わった「エイリアン」シリーズで世界的人気となったシガニー・ウィーバーが敵対する、新旧最強女優対決となっている。

 

 

 

 

あらすじ

 

 

男の名はフランク・キッチン(ミシェル・ロドリゲス)。裏社会からの依頼を受け、邪魔者をこの世から消し去る凄腕の殺し屋だ。

ある日、フランクの隠れ家にマフィアのボス、オネスト・ジョン(アンソニー・ラバリア)が手下を連れてやってくる。ジョンはフランクに数々の殺しを依頼している上顧客。1週間後にラスベガスから来る一人の男を暗殺する仕事も請負い中だ。だが、ジョンの様子はいつもと違っていた。

「お前は敵を作りすぎた」ジョンがそう言った瞬間、彼の手下が銃を取り出した。必死に応戦するも、銃撃戦の果てに被弾したフランクは意識を失ってしまう。

目覚めると、フランクは見知らぬ安ホテルのベッドで全身を包帯で巻かれた状態で寝ていた。包帯を取って鏡の前に立った彼は変わり果てた自分の姿に驚愕する。そこにいたのは、まぎれもない女だった。フランクは意識を失っている間に性転換手術を施されていたのだ。

ベッドの脇に置かれたテープレコーダーを再生すると、見知らぬ女の声が流れ始めた。その声によると、自分は手術をした医者で、それはフランクへの復讐を意味しているという。怒りに打ち震えるフランクは、大切な《もの》を奪った女医を見つけ出して落とし前をつけるため、女アサシンとなって復讐に立ち上がる―。 (HPより抜粋)

 

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監督

 

 今作を手掛けたのは、ウォルター・ヒル。

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ほとんどの作品を見てるわけではありませんが、「ストリート・オブ・ファイヤー」、「48時間」など、80年代のアクション映画でその名を馳せた監督の一人ではないでしょうか。

特徴は何と言っても、熱い男の生き様とすさまじいアクションの数々を描いていることですかね。

 

そんな監督の代表作をサクッとご紹介。

助監督や脚本家を経て、全米の町を放浪しストリートファイトで金を稼ぐ男とマネージャーを、C・ブロンソンJ・コバーンの2大俳優で描いた「ストリート・ファイター」で監督デビュー。

その後、泥棒の逃亡を助けるドライバーと、それを執拗に追いかける警察、そこに絡む美女が夜のロスを舞台にスタイリッシュなハードボイルドアクションに描き、ライアン・ゴズリング主演「ドライヴ」の元にもなった「ザ・ドライバー」や、NYのストリートギャングたちがとある事情で逃走を続けるアクション映画「ウォリアーズ」、南北戦争後に暴れたギャング団の誕生から終息を描いた西部劇「ロング・ライダーズ」では、カンヌ国際映画祭に出品されるなどして注目されていきます。

 

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80年代には、数年ぶりに帰って来た男がかつての恋人を無法者グループから助け出すまでを、ミュージックビデオさながらのロックな演出で観る者を熱くさせるアクション「ストリート・オブ・ファイヤー」や、白人刑事と黒人囚人の凸凹コンビが短時間限定で犯人を追うバディムービーの名作「48時間」などでアクション映画に磨きをかけていきます。

 

 最近は、エドガー・ライト監督「ベイビー・ドライバー」にちらっとカメオ出演してたのが印象的です。

 

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キャスト

主人公フランク・キッチンを演じるのはミシェル・ロドリゲス。

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どういうわけかこの女優さん好きになれないんですよねぇ。単純に顔がタイプではないw

それだけで映画見るか見ないか決めちゃう悪い子です。

とはいえちゃんと彼女を認識したのは去年一気観した「ワイルドスピード」シリーズからなんですがw

そういえば「バイオハザード」にも出てたなぁ。

 

そんな彼女の代表作をサクッとご紹介。

ひとりの少女がボクシングと出会い様々な経験をしていく「ガールファイト」で主演デビュー。その後、ストリートレーサーたちの熱い友情と大掛かりな強奪ミッションを繰り広げ、第8作まで続く一大シリーズ作品へと拡大する「ワイルドスピード」に主人公の恋人レティ役でレギュラー出演し知名度を上げていきます。

他にもパンデミックと化した街でゾンビと戦う女性を描いた、人気ゲームの実写映画「バイオハザード」や、警察特殊部隊の活躍を描いたポリスアクション「S.W.A.T.」、異性人が暮らす星の資源を奪うべく解く主任務に就く青年の苦悩を中心に、圧倒的大スケールと3D技術を駆使した革新的映像で魅了した「アバター」、ロバート・ロドリゲスクエンティン・タランティーノが製作し2本立て映画「グラインドハウス」の中で流れた架空の映画の予告編を、長編映画として完成させたバイオレンスアクション「マチェーテ」など、アクション映画を中心に活躍する女優さんです。

 

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他のキャストはこんな感じ。

フランクを女性に変えてしまった女医、Dr,レイチェルジェーン役に、「エイリアン」シリーズ、「アバター」のシガニー・ウィーバー。

Dr,ガレン役に、「メン・イン・ブラック」、「ギャラクシー・クエスト」のトニー・シャルーブ

フランクの顧客オネスト・ジョン役に、「依頼人」、「アナベル 死霊人形の誕生」のアンソニー・ラバリア

ジョニー役に、「ソーシャル・ネットワーク」、「マジック・マイク」のケイトリン・ジェラードなどが出演しています。

 

 

 

 

 

男時代のフランクを演じるミシェルロドリゲスの漢っぷりも見所な今回の作品。一体どんな復讐劇を見せてくれるのか。監督がどんなアクションを演出してくれるのか。

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

 感想

 俺の身体を返せ!!!悲しみと怒りを45口径に詰め込んでぶっ放す復讐劇!!でも、お話はかなり退屈・・・。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイデアは最高。なんだけど。

刑務所での精神鑑定で、女医であるジェーンがいったい何があったのかを雄弁に語り始め、物語は回想シーンを含んで構成されていく。

 殺し屋として仕事をこなすフランク・キッチンは、マフィアのボスに拉致され、ふと起きると女に変わっていた。

なぜこうなってしまったのか。いったい誰が何のために。それは憎しみの連鎖によって生まれた悲劇だった。

 

凄腕の殺し屋が女になっちまった!マジこんな俺にした奴ぶっ殺す!という斬新なアイデアということでいったいどんな映画なんだろうと楽しみにしていましたが、いざ鑑賞してみると、えら~く会話の続くお話で、上映時間90分にもかかわらず、体感時間が非常に長く感じた退屈な作品でした。

ほんとこれね、もったいない!と。

一応監督がグラフィックノベルを作って企画しただけあって、いちいちそれっぽい画を挟んでくるんですよ。コミックっぽい静止画のようなものを。そして場面転換もページをめくるような感じで変わったりとか。

シンシティ」みたいな感じって言ったら通じるでしょうか。

 

だから総合してみると、孤独な殺し屋の悲哀と怒りの描写をコミックっぽくしながらも、どこかノワール調にした雰囲気になっていて、アイデア任せのおバカな内容になってないから、ものすごく不自然に感じたし、視点が変わるからややこしいんですよ。

 

ジェーン女医の回想から始まるのに、気が付くと、フランクが自撮り初めて語り出すんですね。いやいや、今これ誰の頭の中の話してんのよ。なんでジェーンの頭の中で別の人間の視点になって語り出してんのよ。

で、この説明をダラダラ話しちゃうんですね。その後俺は誰々を殺しに行った、とかとにかく説明。

アクションも銃撃戦のみで、体を使ったアクションは一切なし。まぁ殺し屋ですから銃だけで十分なんですけども。

このアクションもフランクが優秀過ぎてそこまでの危険もなく淡々と殺すばかり。一度捕まりますけどスリリングな展開には感じません。

 

 

何故同じ役者に。

最初こそですね、女医が精神鑑定を受けている、現場で唯一生き残っていてその場所では整形手術をしていた形跡があり、いやあなた医師免許剥奪されてるでしょ?ダメダメ!ちょっと異常だから分析しますってんで、事件の詳細を尋問するところから、フランクキッチンてダレ?って回想で始まるんですけども。

 

そこからミシェル姉さん、素っ裸で男を演じてるんですね。シャワーでひとっ風呂浴びて、カメラは彼女、いや彼の裸体を上から下へ映すんです。

そうするとまず胸がない。長い髪でうまく隠してるんかなぁと思ったらそうじゃなくてほんとに胸がない。そして大きな十字の傷が施されており、肝心のお股にはそれはそれは立派なヴィンディーゼル・・・じゃねえや、イチモツ様が振り子の法則にしたがってゆっさゆっさしてるわけです。

ここで思わず心の中でガッツポーズしたわけです。あ、これはおもしろい予感!!!

 

ミシェル姉さんも男の役を自分で演じるということで、頑張ってお顔に髭なんかつけちゃって、いつもより声のトーンも低くして頑張ってました。

なんだこの胸は!?って自分の胸鷲掴みにしたり、俺のイチモツはどこだ!?ってんで指ツッコんだりして落ち込む姿は、女なのに男の気持ちでうまく演技してたと思います。

あ、そうそうこのシーンはミシェル姉さんモロ全裸です。

なぜかうれしい気持ちにならなかったのは、タイプの女性ではないからか、ミシェル姉さんが本気で男になり切って演技してるからかはわかりません。とにかく俺の股間はうずきませんでした。

 

そんな体を張って男を演じたミシェル姉さんですが、やっぱり体つきは女ななのでシャワーシーンでも方のラインから背中の肉付きなんか逞しさは感じますが、やっぱり男特有のゴツゴツ感がない。

髭面も思いっきり男装している女性そのものでコント臭もする完成度。

 

やっぱりここはですね、男くさいロン毛のおっさんが、手術してミシェル姉さんに変わってしまうという方が、説得力あるなぁと。

そうすることでですね、ジェーンの医者として腕がものすごく伝わるというか、ジェーンアホすぎるだろ!というか。

サイコパスっぽくも見えないんですよねぇ。ジェーンが。

 

後はせっかく女性になったのだから色気を武器にして戦ってもいいと思うんです。

一応、敵に捕まってるときに、ぶっきらぼうな言葉で「おい、俺女なんだぜ、この胸も本物見たいだろ?下だってちゃんと機能してんだよ、一度試してみるか?」みたいなことを言って隙をつくんですけど、何つーかもろ男だから色気はほとんどないんですね。

一応手術して顔が変わってるのだから、女殺し屋として体を使って誘惑して殺すという手段をやるってのも面白いんじゃないかなぁと。

そしたらそこで混戦して、寝技決めたり拳で殴ったり見たいなアクションも生まれるだろうし、手下を一人一人同じパターンで殺してもそれは消化してるだけになってしまって物語がトーンダウンしてしまうわけで。

 

 

最後に

家族を殺された腹いせに女にさせられてしまった殺し屋。復讐を果たしていく過程で新たな家族を迎え入れ、別の人生を歩み始める物語。

ミシェル姉さんの体を張った演技と、元に戻ることができないが故の葛藤に拍手を送りたいですが、いかんせん話がシリアスで会話と説明の多いB級映画でした。

 

 

最初から最後まで愚痴っぱなしの感想になってしまいましたが、そこそこ期待してただけに残念でした。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆★★★★★★★3/10

映画「ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!」感想ネタバレあり解説 ちゃんと金塊は海底にあります!

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1月12日

ネイビー・シールズ/ナチスの金塊を奪還せよ!

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正月からスカッとしそうなミッション型アクションムービーの登場です。

特殊部隊が戦争するんではなく、特殊部隊がお宝を奪うというトレジャーハンティングな内容。そして登場人物は曲者のニオイで、戦車つかって大砲撃ってやりたい放題!

楽しそうじゃないか!アガりそうじゃないか!

 何というか「エクスペンダブルズ」と「ナショナルトレジャー」を掛け合わせたようなお話なのでしょうか。とにかく今月の大穴作品で見る予定に入れましたが、予告を見る時点では非常に良さそうです。

というわけで早速観賞してきましたよ!!!

 

 

 

 

 

 

作品情報

高い水泳スキルで海や河川から隠密進入、陸では苛酷な環境にも対応し、パラシュートをつけ空中からの進入も可能、そんな陸海空どこからでも任務を遂行できる特殊部隊、それがネイビーシールズだ。

そんな彼らが、ナチスの秘宝が眠る場所へ8時間以内に奪還に挑むというアクションエンタテインメントを、3月に作品公開が控える「レオン/LEON」のリュック・ベッソンが製作と脚本に携わり、「イントゥ・ザ・ストーム」で注目を浴びた監督が手掛けた。

登場人物演じる俳優陣も本格的なトレーニングを重ねていくうちに絆も生まれ、ハードな撮影を乗り越えた作品となっている。

ド迫力なアクションと制限時間の迫るスリルを同時に味わえる、2018年正月にもってこいのお祭りアドベンチャー映画です!!

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ 

 

1995年、紛争末期のサラエボ。

強引かつ大胆な戦略で敵の将軍を拉致、敵に囲まれたら戦車で大暴走とやりたい放題のマット(サリバン・ステイプルトン)率いる5人のネイビーシールズ。上官のレヴィン少将(J.K.シモンズ)も手を焼く毎日。

そんな中、メンバーの一人が恋に落ちたウェイトレスから聞いた、湖に沈んだナチスの金塊・総額3億ドルの話。それさえあれば、戦争に苦しむ避難民を救うことが出来ると懇願され、5人も作戦を立てることに。

タイムリミットはわずか8時間。敵陣真っただ中にある湖の水深45mの湖底から、重さ27トンの金塊をどう運び出すのか? 彼らのとんでもない奇策とは!? 史上最強のアウトサイダーたちが挑む、前代未聞の奪還作戦、遂に始動!!(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのはスティーブン・クォーレ

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うん、裏方向きの顔ですね(失礼)。

 モンキーが彼の作品で唯一鑑賞済みの作品がこれ。

 

イントゥ・ザ・ストーム [Blu-ray]

イントゥ・ザ・ストーム [Blu-ray]

 

 アメリカの片田舎で超規模な竜巻が発生し、住民達を恐怖に陥れる様を臨場感溢れる映像でリアルに再現したパニックアドベンチャー。

90分という短い時間ながら、教頭とその息子達、竜巻を追うストームチェイサーを要所要所でPOVを入れながら描き、ちゃんとドラマとして成立してるのが素晴らしいです。

映像もかなり迫力あります。しがみついていないと体ごともっていかれ、家屋の屋根は吹っ飛び、炎まで食ってしまうことでとてつもない火柱へと変貌を遂げる。それがどこへ向かうのか予想もつかない。そんな臨場感溢れる映像が見事です。

巨大竜巻に巻き込まれることなんて、桃鉄のハリケーンボンビーくらいしか経験のない僕らにとって、ここまで脅威となることも想像できないし、あんなに街をめちゃくちゃにしてしまうものなのかと。

 

こんな作品を手掛けた監督ですから、今回も面白いに決まってると信じてます!

 

 

 

キャラクター紹介

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左上から。

  • マット・バーンズ(サリバン・ステイプルトン)・・・ならず者のネイビーシールズを束ね、冷静沈着で仲間思いなチームのリーダー。
  • スタントン・ベイカー(チャーリー・ビューリー)・・・チーム一の色男。恋人ララから金塊の話を聞く。
  • ララ・シミッチ(シルヴィア・フークス)・・・避難民を救うため、金塊奪還をチームに持ちかける。
  • ベン・モラン(ジョシュア・ヘンリー)・・・数学の天才。金塊の搬出方法を算出する。
  • カート・ダッフィー(ディアミッド・マルタ)・・・集められない資材はない、腕利きの調達屋。
  • ジャクソン・ポーター(ディミトリー・レオニダス)・・・重火器のエキスパート。通称JP。
  • ジム・レイニー(ユエン・ブレムナー)・・・海軍一のパイロット。腕もノリも最高。
  • ジェイコブ・レヴィン少将(J.K.シモンズ)・・・チームに手を焼きながらも信頼を置く、頼れる上司。

 

 

 

 

 

 

 

最強軍団の男達が一体どうやって海底から金塊を運ぶのか!彼らの暴走に期待膨らむ本作!

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

 感想

俺たちハミ出しネイビーシールズ!こっそり隠れて金塊見つけて街を救っちゃうぞ!

わかりやすい話だけどちょっとスケール小さくないか?そんなことは気にせず大きな期待をせずに観れば楽しいぞ! 

 以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怒涛のオープニング

ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中のサラエボ。そこで平和維持活動で派遣されたネイビーシールズたち。敵セルビア軍のペトロビッチ将軍を捕獲する任務を遂行するも、白昼堂々やりたい放題で、作戦は成功したものの上官にこっぴどく叱られ、追って処分を受けることに。

その間酒場の女性から聞いた海底に眠る金塊の話。これでサラエボの町を復興できる、だから協力してほしいという願いに、俺たちはここで何か成し遂げたのか?俺たちが本当にすることはこういうことなんじゃないのか?と自問自答を繰り返し、彼らは上官たちに内緒で極秘作戦を開始する。

しかし、将軍をさらったことで怒り心頭のセルビア人勢力が、彼らを血眼で探していたのだった・・・。

 

はい、つーわけでそこまで大きな期待はしていませんでしたが、鑑賞後の率直な感想としては、こんなもんだけどつまらなくはなかったし、そこそこ楽しめた!といったところでしょうか。

これきっと予算とかやり方によってはめっちゃエンタメ指向の大作映画にできるんだけど、時代背景が現代でもなければ第二次世界大戦とかでもない、一応大きな紛争での出来事だけど、イラク戦争や湾岸戦争とか我々が詳しく知るようなものではないから、中々設定を理解するのも難しいところ。

正直申し上げれば、そんな時代背景なんか全然無視しちゃってオッケーです。

なんてたって、「特殊部隊が金塊を探す」。これだけですからw

 

じゃあいきなり探し始めるのかってわけではありません。モノには順序ってものがあります。

  • どういう経緯で海底に金塊が眠ってしまったのか。
  • このネイビーシールズはどんだけの力やぶっ飛び具合なのか。

この辺をですね、ちゃ~んと丁寧に見せているのです。

 

で、やはりツカミは大事ってことでいきなり本作の見せ場がお出まし。それは「ペトロビッチ将軍誘拐作戦」。こいつを捕らえればこの紛争も終結に近づくという理由なのでしょう。

そんな極秘任務に我らがネイビーシールズの出番であります!

 

まずカートとスタントンが、将軍のインタビューと称し、報道員の恰好をして潜入。ゲートに着くや否や、「お前ら服を脱げ!!」と銃を突き付けられなんか隠してないか、部はないか入念にチェックされます。

ここでカートは星条旗柄のおパンツをはいてきてしまったことにちょっぴり後悔。おぉこういう細かいユーモア入れてくるのね?いいよいいよぉ~w

まぁそもそも報道のやつがこんなマッチョなバディってことに敵は何も感じないのか・・・。お前ひたすら不眠不休でこの紛争を取材してんのに偉いマッチョだな!怪しい!撃てぇ~っ!!

とか行かないよね映画だもんねw

 

その間、隊長とJP,ベンは川から潜入!おぉ!これぞネイビーシールズ!上で2人が将軍にインタビューしている間、一気に基地の裏手から地下へもぐりこみます。

そして爆弾を設置部屋に穴を開けてそこから将軍をかっさらっていくという魂胆です。

作戦は無事成功!さぁてとっとと引き上げだ!と思ったら川に敵が!

はいここからドンパチドンパチの大乱闘です!

 

訓練の成果なのか、こんなの朝飯前なのか敵を一発で仕留めるんだけど、敵はどんどん増えていきます。ここは空から援護してもらって逃げるしかない!と思ったら直ぐ来れないって!マジかよどうする隊長!!

 

なかなか追っ手を撒くことができないネイビーシールズ!気持ちもネイビーってか?何だ気持ちがネイビーって。淡いんか、なぁ淡いんか。意味わからん。

倉庫へ避難すると戦車あんじゃん。ここで隊長、わ~お、これいいぢゃん!ニヤリ!

 

はい壁ぶっこわしてどおおぉ~ん!ある意味これも壁ドン!と戦車で反撃開始!

隊長戦車操縦できんすか!あぁ?操縦したことねーよ!でも俺ならできる!頼もしいっす隊長!!!とりあえずね、JPちゃん、あの鉄塔倒しちゃおうか、イエッサー!!いくぜ!ちゅどーーーんっ!!はい、後ろの敵全滅~っ!

モンキー的になぜかここは「特攻野郎Aチーム」のテーマが脳内を駆け巡るのでありました。

 

てな具合で、来る敵来る敵大砲ぶっ放してガンガン進んでいきます。

しかし前方に敵が待ち構えており、橋の上で挟み撃ちになってしまいます。どうするんだ隊長!よし!大砲を10時の方角へ!な、なんて?こうなったら川へ飛び込むのさ!泳いで逃げるぜいいなっ!イエッサー!!

ちょっと待って!捕まえて眠らせた将軍を川にいれたらどうやって呼吸するのさ!

そんな細かいことは忘れてこの窮地を楽しもうじゃないか!

 

てな具合で川を泳ぎボートを奪い、何とか撒いて、養鶏車と共に基地へ到着。

少将!任務完了です!!

 

 

はい、こんな具合で序盤はスリリングでアクション満載。僕らのハートを鷲掴みにしてくれます。

ただ残念ながらこれを超えるアクション映像はこの後ありませんwオープニングがピークです。

 

 

Jkシモンズのアメとムチ

 

ぶぁ、ぶぁ、ぶぁかもおおおぉ~~~~~んっっっ!!!

 

無事将軍をさらってきたのに、上官である少将にこっぴどく怒られるシールズ。

 

いいか、俺はな、将軍をさらって来いといったんだ!誰が戦車乗り回して街を破壊してこいって頼んだっ!!あぁん!

そんなに怒ってばっかじゃ血圧あがっちゃうぜ少将?と心の中で何人が思ったのか、いやきっと誰も思ってないだろう。早くこの説教終わってくれとシールズの誰もが思ってるに違いない。

 

お前らな、俺がこの後始末をどれだけ根回しして穏便に済ませてると思ってるんだ!感謝しろ!ったく、とりあえず処分は追って報告するからそれまで休め!

お、ちょっと待て。これ持ってけ。全員分あるぞ。とりあえず今日は飲め!

と隊員全員分のウイスキーを渡して労う少将。

 

何だよ!!優しいじゃねえか少将!!!

 

そうです、ここんとこ怒鳴り散らしてばかりの役(いや昔っからそんなのばかりだったけど)が多いJKシモンズですが、今回はちゃんとアメとムチをつかいわけてめっちゃカッコイイ上官を演じています。

上にも書いたように、とにかく暴れまわる部下たちをまずはめいいっぱい叱るんです。で、とりあえず言いたいことをしっかり言ったあと、ちゃんとフォローも怠ることなく彼らを褒めるんですね。

 

序盤の説教では、これで任務の疲れを癒せとばかりにウイスキーをプレゼントし、処分の結果が帰国ということで、よかったなお前ら命があってというニュアンスの言葉で彼らを讃え、彼らがピンチだと分かった瞬間彼の権力で援護を送り、ラストではめっちゃ粋なことをしてくれます。

もちろんこの直前までは、隊員たちをめっちゃ叱るんですけどねwバカヤローコノヤロー何勝手なことしてんだアホンダラッ!!って具合に。

 

まぁこれがJKシモンズだから逆にウケるんですね。なぜかって、「スパイダーマン」の編集長の時も、「セッション」での鬼教師でも、または「ララランド」のチョイ役でのクラブのオーナーでも、とにかく「クビだっ!」とか「ファッキンテンポっ!!」とか罵りまくってますからw

それをわかったうえで、この役をやってると妙にツボです。何というか彼以外がこの役をやると説得力がないです。おそらく。それくらいこの少将を演じたJKシモンズ、かっこいい、いやオイシイです。

 

 

中盤からはトーンダウン

この調子で、荒くれ者的な感じでバカみたいに暴れまくってくれたらいいんですが、どうもそれ以降はもたもたした展開が続きます。スタントンと町の娘ララとの水中デート、どうやって金塊を盗むかをサクッと見せずに右往左往してしまう件、突然命じられる帰国命令、で、これがタイムリミットってわけでもない。

極めつけは、なぜ海底に金塊が眠っているかという回想シーン。

 

これはララのおじいちゃんの少年期、つまり第二次世界大戦の頃に町の住民たちを大虐殺をして、そこに金塊を隠そうとしていたという事実が明かされ、そのナチス軍を全滅させようとダムを爆発して決壊させ、町ごと水没させた、というものだったんですが、なぜかこれをちょっとお涙頂戴的なテイストで描いてるんですね。

史実に基づくのかどうかはわかりませんが、ここはもうナチスが金塊隠したってことだけでおバカな雰囲気を貫いてほしかったですね。

 

あと途中で隊長がなぜ独身なのか過去に何があったのかを説明するシーンがありますが、それが明かされたことで何か物語に味付けが加わるのかというと、そうでもない。変に物語の雰囲気を変える程度のもので、だったらこれもおバカらしく貫いてほしかったですね。

 

 

で肝心の強奪作戦なんですが、やっぱりピンチは訪れます。それも水中で。そう水中でアクションする場合、普段よりスピードが落ちるので編集や音楽でうまく見せないとめっちゃピンチのはずが大したことないように映ってしまいます。

 

ここが非常にもったいない流れで、一つ一つのシーンだけで考えるとよくできてはいたんです。水中で敵が何人かやってきて、これぞネイビーシールズ!ってな感じでいとも簡単にやっつけるんですね。殴っても効果あるのかわからないからナイフなんか出してそれを交わして奪って逆に刺し殺す。こんな感じで。

これをうまくスピーディーに見せていたし、手榴弾を落として爆風で海底の建物が崩れていく中でどうやって金塊を水面に上げるか、酸素ボンベの残圧が残りわずかの中、この危機をどうやって脱するかって色々ヤバイ状況を作れていたので、結構スリル合ったんですが、この要素をうまく使えずにあっさり事が片付いてしまう展開。

 

やはり敵が手榴弾しか持ってないのがまずおかしくてランチャーやらバズーカぶっ放して大爆破して、隊員たちがもっとピンチな状況を作ってほしかったし、ボンベの残りがわずかな中で奴らが攻めてきて苦しい状況の中で、ネイビーシールズの本気を見せてほしかった。

要は危機的状況を劇的に回避するような描写が弱かったんですね。

 

後はやっぱりオープニングのド派手な破壊シーンと比較してしまうから、この水中戦が弱いんですね。夜ってのも大きいかな。

 

 

 

最後に

時代背景が分からないって人はですね、このツイートを見てください。非常にわかりやすく4コマで教えてくれます。

 

 

過度に期待を寄せて見に行くと残念に感じますが、頭空っぽで観て、細かいとこツッコまなければ非常に楽しく鑑賞できます。単純明解ですし。

あとあれです、ゴリゴリの男たちの中に混ざって、ララ演じるシルヴィア・フークスの美しさがマジでこの映画のオアシスです。「ブレードランナー2049」のラブの時と全然印象が違います。こんなの俺だって頼まれたら金塊獲りに潜るってんだい!だろ?男どもよ!

 

てなわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10


Twitterユーザー500人が教えてくれた「女性が元気になれる映画」ランキング

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Twitterユーザー500人が教えてくれた「女性が元気になれる映画」ランキング

 

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はいどうも~モンキーです。

 

いつも新作映画の感想を書いてるんですが、今回は嗜好を変えまして企画記事です。

その名も「Twitterユーザーが教えてくれた『女性が元気になれる映画』」!!

仕事に恋愛におしゃれに子育てに毎日忙しく過ごしている女性の皆さんを労うための、僕からのささやかなプレゼンテーションなんですが。

実は元から企画して目論んでってわけではなくて、個人のちょっとした事情から生まれたものなんです。

 

 

 

色々突っ込みたいことも多いかと思います。なぜ男性じゃないのかとか、いやお前!映画の感想ばっか書いてるなら、映画詳しいんとちゃうんかいっ!!とか、Twitterユーザー500人から教えてもらったって少なくない?とか。

是非このようなツッコミはこらえて頂いて、詳しい経緯を読んで頂いてからランキングを読んで頂けたらと思います。

その辺のまとめ記事よりちゃんとしてると思います。まず僕目線じゃないですから。みんなが教えてくれたんだから。

 

 

 

 

 

 

ことの始まり

 僕がお世話になってる女性が入院することになりまして。

もちろん手術をすればぜんぜん問題ないものなんですが、その人にとって初めての大きな病気、初めての入院、初めての手術ということに加え、非常にメンタルの弱い方でして。

誰かといるときは平静を保てるそうなんですが、1人になるととてつもなく恐怖と悲しさがこみ上げてきて耐えられないとのことで、そんな気持ちを紛らわすために、または勇気付けてもらうために、「女性が元気になれる映画」を探していたわけです。

 

で、バカみたいに映画を見てる僕に相談してきたので、パパッとオススメの映画を教えることができるかなぁと思ったら、意外と出てこない・・・。

あれ・・・どうしよう・・・と。

しかも条件がありまして、

  • 入院中気持ちが滅入らない作品
  • 病気・死を連想させるものはNG

てことと、入院までの時間、それから入院中含めてかなり時間があるので、それ相応の本数を挙げないといけない。

それプラス以前から「女性がお仕事で活躍する映画」にハマってたそうで、それ系の映画は既にススメており、それを省くとホントに出てこなかったんですね。

 

その日は保留にさせてもらって、後日Twitterでこんなツイートをしてみたんです。

 

ツイート当初はフォロワーさんからちょこちょこリプをいただいて、一人一人丁寧にお返事してたんですけど、あれよあれよですんげー拡散されまして。

結果約500名(※Facebookなどの他SNSも含む)の方から映画を薦めていただいた訳です。

 

で、最初こそ、こういうことをブログに書くのってどうなんだろうって躊躇していたんですが、これだけの声を無駄にするのはもったいない、これを他の人にも参考にしてもらえないだろうか、という答えに行きつき、ブログに書いて読んでもらおうと。

 

相手の方を気遣う言葉や、作品の見所の詳細を細かくメモ帳に貼り付けて教えてくれたり、Youtubeで予告を貼ってくれたりと、様々な形で教えていただきました。

ここまで反響があると思っておらず、全部お返事すると自分の生活に影響が出るのと、一通り数が揃ったこともあり、途中でお返事しなかった方が数多くいらっしゃるんですが、この場を借りて感謝を申し上げます。本当にありがとうございます!!

 

 

というわけで前置きが長くなりましたが、皆さんから教えてもらった作品を、票数の多かった上位20位まで発表したいと思います!!!

あ、一応ですね。全部で約350作品ありました!!!スゲェッ!!!

 

 

ではどうぞ!!

 

 

 

 

 

票数の少ない作品の中で気になった作品たち

 んだよっ!もったいぶるなぁ!

なんて思わず、票数が少なかったけど、モンキー的にも見てみたい!って思った作品をちょこっと紹介したいと思います。

 

マルタの優しい刺繍

 

マルタのやさしい刺繍 [DVD]

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  • 解説

 夫に先立たれて生きる気力をなくしたおばあさんが、若い頃に見た夢を実現しようと奮闘する、スイスのヒューマンコメディ。

  • Twitterユーザーからのコメント

・年を取ることが前向きになれる

・タイトルに優しいと入ってるのに全然優しくないwおばあちゃんが大復活!

  •  ひとこと

タイトルこそ知ってはいたのですが、そんな話なのか!と。ヨーロッパ映画というのも中々薦められないと手を伸ばさないっていうのもあり見てみたいと思いました。

 

 

こねこ

 

こねこ [DVD]

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  •  解説

子猫と家族のふれあいをさわやかに描いたドラマ。大都会に迷い込んだこねこと仲間たちの冒険の物語。

  • Twitterユーザーからのコメント

・ネコがひたすらかわいいので、ほぼ全ての人が元気になれると思います。

  • ひとこと

予告編を見た途端、犬派の僕でさえ、「ニャンだっ!この可愛さはっ!!これは映画ニャのか!」と発狂しました。

 

フォロー・ミー

 

フォロー・ミー【Blu-ray】

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  •  解説

夫婦の些細な疑惑から訪れる危機までのなかで、私立探偵が彼らを修復していくロマンティックラブストーリー。

 

  • Twitterユーザーからのコメント

・元気になるかはわかりませんが気が滅入ることはないと断言できる作品です。

  • ひとこと

実はレンタルビデオ店員時代から気にはなっていた作品。今回教えていただいたのを機に見てみたいと思いました。

 

バグダッド・カフェ

 

バグダッド・カフェ 完全版 [DVD]

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  •  解説

寂れたモーテルでの切り盛りに嫌気がさした女性。だが訪れた女性客によってそこはオアシスへと変わって行く。た女同士の友情の物語。

 

  • Twitterユーザーからのコメント

・見終わった後の気持ちがとても穏やかになった。

  • ひとこと

これも未見だったのと、前から気になってた作品。女性の友情をテーマにした作品をあまり見ていないのもあり、今回非常に興味を持ちました。

 

アタック・ナンバーハーフ

 

 

アタック・ナンバーハーフ〈デラックス版〉 [DVD]

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  •  解説

オカマのバレーボール選手達が国体を目指す実話を基にしたタイのコメディ。

  • Twittwerユーザーからのコメント

・笑えて前向きになれる。

  • ひとこと

これも知ってはいたけど当時完全スルーしていた作品。どうやら続編もあるみたいなので、観賞後面白かったら続編にも手を出してみたいところ。

 

 

ランキング発表

 

ハイ、ここから本番です。では、20位からどうぞ!!

 

 20位~11位

第20位 タイピスト! 7票

 

タイピスト!(吹替版)

タイピスト!(吹替版)

 
  •   解説

 1950年代のフランスを舞台に、保険会社で働く女性秘書が、上司の徹底的指導の下、世界早撃ちタイプライター選手権で優勝を目指し挑んでいくロマコメ映画。

  • Twitterユーザーからのコメント

 ・オシャレでかわいくて主人公がひたむきに頑張る姿に元気がもらえる!

・かわいく見せかけたスポ根モノなのでとっつきやすい。

 

  • ひとこと

これは僕も大好きな作品。

お互い思いあってるのに、社長と秘書の関係以上に、またコーチと選手の関係以上になれない二人のもどかしさに王道ラブストーリーの要素をいれながら、がっつりスポ根モノとしてテンションも上がる!そんないい素材しかない元気になれる映画です。

 

 

第19位 川の底からこんにちは 7票

 

川の底からこんにちは [DVD]

川の底からこんにちは [DVD]

 
  •  解説

 妥協を重ねたことで「中の下」まで落ちた女性が、どん底を迎えたことで開き直り、逆境に立ち向かっていく姿をオフビートなユーモアでつづった1作。

  • Twitterユーザーからのコメント

・最初から最後まで見ていて元気になれた!

・♪しーじみの、パック詰め~♪しじみのパック詰め~♪と歌いたくなりますw

  • ひとこと

 モンキーはこれ見てないんですが、当時勤めていたレンタルビデオ店でも同僚のススメもあって高回転だったのを憶えています。ジャケットに載っている衛生服を着て口を魚のように開けている満島ひかりの姿が、この作品のユーモラスな部分を映しているのではないでしょうか。

 

 

第18位 お買い物中毒な私 7票

 

  • 解説

 カード限度額を超えてまで買い物に夢中な女性が、持ち前のポジティブ精神で切り抜けていく様と、突円訪れる恋の行方を描くロマンティックコメディ。

  • Twitterユーザーからのコメント

 ・途中ビターなとこもありながら、笑えるしハッピーになる。

・色使いも主人公も破天荒で元気が出る!

  • ひとこと

 ストレス発散をするために服を衝動買い!なんて女性も多いはず。この映画はそんな買い物しすぎなこじらせ女子の奮闘ぶりがかわいいです。プロデューサーもジェリーブラッカイマーということでめちゃめちゃご都合主義なお話ではありますが、深く考えず彼女に身を任せて楽しめる映画だと思います。

 

 

第17位 マダム・イン・ニューヨーク 8票 

 

  •  解説

 家族のために人生をささげてきたインド人主婦が、英会話教室に通い始めることで人生の新たな喜びを見出していくヒューマンドラマ。

  • Twitterユーザーからのコメント

 ・元気出ること間違いなし!

・迷いながらも一歩ずつ自分の世界を広げていくところが素敵です。

  • ひとこと

 家族のためにあれこれやっていても果たして感謝されているのか。私を尊重してくれているのか。そんな思いを抱えている方にはお勧めの作品ではないでしょうか。

今回の件をきっかけに鑑賞したんですが、しっかりインド映画でのお決まりのアレを入れて楽しくさせながらも、新しいことに挑戦したことで、今までの古い生活の意味を教えてくれる映画だと思います。

そしてほんと英語を学びたいなぁとも感じてしまうステキな作品です。

 

第16位 ホリデイ 8票

 

ホリデイ (吹替版)

ホリデイ (吹替版)

 
  •  解説

 アメリカとイギリスに暮らす2人の女性が、クリスマス休暇だけ互いの家を交換し、それぞれ運命の恋人と出会っていくロマンティックコメディ。

  • Twitterユーザーからのコメント

・とてもほっこりした恋愛映画。仕事休んだ時こそ観ると元気になれる!

  • ひとこと

 こちらも今回の件をきっかけに鑑賞。非常にオトナでステキなお話です。

ナンシーマイヤーズ監督は基本エンタメ路線でラブストーリーを描いてくれるので楽しく見れるし、あとは古い物や人に対してのリスペクトも忘れない。そういう部分に非常に好感を持てる映画でしたし、何よりこの頃のキャメロンディアスはかわいいw

 仕事に恋に疲れたらこれを観てリフレッシュできる映画なのではないでしょうか。

 

第15位 シュフ 三ツ星フードトラック始めました 8票

 

  •  解説

 ちょっとした怒りから務めていたレストランを首になってしまった料理人が、キューバサンドと出会ったことで移動販売で大陸横断を目指しながら、家族の絆を取り戻していくヒューマンコメディ。

  • Twitterユーザーからのコメント

 ・決して滅入らない。お腹は空くけど。

・悪者を作ろうとしてないところがいい。

  • ひとこと

 とにかく見てる途中でお腹が空いてしまうのは当たり前。劇場で鑑賞後キューバサンド無性に食べたくなったんだけど、どこにもないからドトールのミラノサンドで我慢した記憶があります。

そして父と息子の関係が少しづつ深まっていく描写がうまいし、Twitterを多用していること、そして音楽がすごく良い!そんな全部いいとこどりの映画です。ジョン・ファヴローモテ過ぎってのがちょっとやりすぎw

 

 

第14位 エリン・ブロコビッチ 8票

 

  •  解説

巨大企業相手に訴訟を起こし勝利した実在の人物、エリン・ブロコビッチの活躍を描いたヒューマンドラマ。

  • Twitterユーザーからのコメント

 ・悪事は必ず暴かれる!圧巻です!

・弱ってた時見てたけど力強さもらえた映画です。

  • ひとこと

学歴もない、仕事もない、夫もいない、そんな崖っぷち女にあるのは、寄せた胸とガッツだけ!やはり女性は強いんだということを思い知らされるし、なんつってもこの役を演じたジュリア・ロバーツの逞しさが素晴らしい!実はアーロン・エッカートもフリーダムなイケメンでグッドです!

 

第13位 スウィングガールズ 8票

 

スウィングガールズ [Blu-ray]

スウィングガールズ [Blu-ray]

 
  •  解説

 ひょんなことからブラスバンド部でスウィング・ジャズを演奏することになり、徐々にその世界のとりこになっていく女子高生たちの青春物語。

  • Twitterユーザーからのコメント

 

  • ひとこと

 すべての人間は2種類に分けられる、スウィングする者としない者だ!という名ゼリフを残し、日本全国スウィング旋風を巻き起こした青春映画の傑作であります。話は単純で楽器も弾いたことない、学校生活も満喫してない、サボってなんぼの女子高生たちが、ブラスバンド部にしてしまった責任と、充実したスクールライフをスウィングジャズによってつかんでいく最高の物語なのです。

音楽にはちとうるさいモンキーですが、このリズムこそ元気にさせてくれる要因で、劇中で高橋一生が表でリズムをとる観客に気持ち悪さを感じ、一人裏のリズムで手拍子をすることで会場全員も裏でリズムをとる件があります。

ここが一番盛り上がるシーンなんですが、要はこの手の楽曲って裏拍を意識して音楽を聴くと、自然に心も弾む=元気になる=スキップしたくなる=空も飛べるはずってな感じになるわけで、そういう意味でもこの映画は元気なれる作品として十分に効果のある作品なんだ!ってことが言いたかっただけです。はい。

 そういう意味では岡本喜八監督の「ジャズ大名」とかもモンキー的には元気になれるかな。バカバカしいしw

 

 

第12位 かもめ食堂 9票

 

かもめ食堂

かもめ食堂

 
  •  解説

 フィンランドのヘルシンキを舞台に、3人の日本人女性と地元の人たちの交流を緩やかな流れの中で綴っていく、心温まるコメディドラマ。

  • Twitterユーザーからのコメント

 ・もたいまさこの演技にクスッとするし、おいしそうな食事がたくさん出てくるので元気になれます。

・この映画を見て食欲が湧いた。

  • ひとこと

荻上尚子監督作品は、「彼らが本気で編むときは、」ではじめて鑑賞し、そのオフビートなユーモアを堪能させてもらったこともあり、いつか過去作も見ようと思って未だ見れてないんですが、監督作品の中ではこれが一番有名ですよね。

その「彼らが本気で編むときは、」でも「かもめ食堂」同様、フードコーディネーターの飯島奈美さんが料理を担当しており、監督はきっと料理を映すということをとても重要視しているんだと思います。

 だからこれを見ればきっとお腹が空いて元気になれるって方のコメントが理解できますね。

 

 

第11位 ドリーム 10票

 

ドリーム (吹替版)

ドリーム (吹替版)

 
  •  解説

 NASAの「マーキュリー計画」を陰で支えた3人の黒人女性数学者の知られざる活躍を、心地よいソウルナンバーと、色鮮やかなファッションで彩り、見るものに感動を与えるヒューマンドラマ。

  • Twitterユーザーからのコメント

 ・女性が活躍していてすっきりする!

・芯が強くて自分で人生を切り開いていくからオススメ!

  • ひとこと

 去年話題になった作品が早くも「元気になれる映画」にランクするとは!

どちらかというと人種差別が色濃く出た話ですが、自分の力を周りから認めてもらい活躍していくという点でも楽しめるし、明日への活力の源になってくれますよね。

とりあえずですね、「肌の色は違くても、おしっこの色は一緒だ!!」ですw

僕の感想についてはこちらでどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

10位~1位 

第10位 魔法にかけられて 10票

 

魔法にかけられて (吹替版)

魔法にかけられて (吹替版)

 
  •  解説

 魔女に騙され、おとぎの国から現実世界へ追放されたプリンセスの大騒動を、ディズニーの自虐ネタをふんだんに取り入れ、アニメと実写の融合を実現させたファンタジックコメディ。

  • Twitterユーザーからのコメント

 

  • ひとこと

 なんでしょう、ほんとこの手のジャンルはほとんど見ていないわけで、これも実は見てません・・・。

みんな大好きディズニーが、セルフパロディとしてプリンセスの大騒動を描いたのであれば、絶対楽しい映画なんだろうなぁというのがうかがえます。

 

 

第9位 南極料理人 10票

 

南極料理人

南極料理人

 
  •  解説

 南極の地で観測隊として男8人が共同生活していく中で、代り映えのない日常生活に少しでも潤いを与えようと、調理担当が限られた食材で隊員たちをもてなしていき、喜怒哀楽様々な人間模様を、その料理とともに優しいタッチで描いたコメディドラマ。

  • Twitterユーザーからのコメント

・美味しそうな御飯がたくさん出てきてほっこりする!

・のんびりした内容ですが、堺雅人が作る料理がすべて美味しそう!

  • ひとこと

 これはもうジャンル関係なく鉄板のおすすめ映画です。モンキーも太鼓判ですw

あたり一面白銀の世界。周りにはいつも同じメンツ。しかも全員男!仕事以外で楽しみなのはメシしかないわけです。そんな彼らの乾いた生活をちょっとでも楽しくしようと、堺雅人演じる主人公が腕のよりをかけて毎日おいしいご飯を作ってもてなす。これだけでなんか元気になれるし、クセがすごい登場人物たちも物語を楽しくさせてくれます。

とりあえずこれを見て学んでもらいたいのは、伊勢海老はフライにしちゃダメですw

 

第8位 ピッチパーフェクト 10票

 

  •  解説

 渋々入った大学でアカペラ部に入部したヒロインを中心に、個性的な面々が衝突しながらも絆を深め成長していく姿を、本格的な迫力あるアカペラや、かっこいいパフォーマンス、そして過激な下ネタも飛び出す学園音楽コメディ。

  • Twitterユーザーからのコメント

 ・歌が好きなら楽しめる。

・続編もあるからそっちも見てほしい!

・キャストさんの歌唱力が素晴らしい!

  • ひとこと

 海外TVドラマ「glee」を思わせる極上のアカペラが魅力の映画です。それに加え、ひとくせもふたくせもあるメンバーが笑わせてくれます!

主演のアナ・ケンドリックが劇中で「カップス」をやってるのでそちらも必見です。

 

第7位 バーレスク 16票

 

バーレスク(字幕版)

バーレスク(字幕版)

 
  •  解説

 スターを夢見るヒロインと、ショー・クラブの再建を目指す人々との人間模様を、華麗で迫力あるパフォーマンスとともに描くミュージカルドラマ。

  • Twitterユーザーからのコメント

・ストーリーはシンプルなので疲れることもなく、パワフルな歌とダンスですっきりできる。

・赤いヒールで踊りたくなる。

  • ひとこと

 これも今回の件をきっかけに鑑賞。

とにかくシェールとクリスティーナアギレラの伸びのあるパワフルな歌声と、セクシーなダンスに魅了される、カッコイイ女性の物語だと思います。

ライバル役の女性がどっかで見たことあると思ったら、「ヴェロニカマーズ」のクステン・ベルだったのも驚き。

信じていれば夢はかなう、なんて使い古した言葉ですが、それを体現する主人公を見てるだけで元気になれる映画だったのではないでしょうか。

 

第6位 キューティーブロンド 20票

 

キューティ・ブロンド 1 & 2 ダブルパック [DVD]

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  •  解説

 陽気で天然ブロンド美人の主人公が、持ち前のガッツとボジティブシンキングで、目標に向かって突き進んでいくコメディドラマ。

  • Twitterユーザーからのコメント

・とにかくおバカでカワイイ

・オシャレでかわいくて元気になれる!

・弁護士を目指す女の子の話でスカッとする

  • ひとこと

 これ未見なんですが、多くの方からご支持をいただいたロマコメ映画です。

続編もあるくらいですし、当時勤めていたレンタルビデオ店でも多くの女性がレンタルしていた記憶があります。

モンキー的にはリースウィザースプーンが苦手ってのがあるんですが、彼女の代表作ですし、これを機に鑑賞して見ようと思います。

 

第5位 マンマ・ミーア! 20票

 

マンマ・ミーア!(字幕版)

マンマ・ミーア!(字幕版)

 
  •  解説

 人気ポップグループ「ABBA]のヒットナンバーにのせて構成された傑作ミュージカルを映画にしたロマンティックコメディ。ギリシャのリゾート地を舞台に、結婚式を目前に控えた娘と突如現れた父と名乗る3人の男性、そして母を巡っての1日を歌と踊りで楽しく描く。

  • Twitterユーザーからのコメント

・ABBAの歌が好きなら最高の映画!

・無条件にものすごく元気が出る!

・音楽も秀逸で画面も明るく繰り返し観られる!

  • ひとこと

 アマンダ・セイフライドの笑顔を見るだけでも元気が出るし、メリル・ストリープのパワフルな歌もいい。そしてナイスミドルな3人の父親候補もステキ。それ以上に美しいギリシャをバックにキャスト全員が「ダンシング・クイーン」や「マンマミーア」、

「Gimme!Gimme!Gimme!」、「Money、Money、Money」、「チキチータ」といった往年のヒット曲を歌い踊るシーンはどれも心をウキウキさせるものばかり。

これは僕もおすすめの元気が出る映画です。

 

第4位 マイ・インターン 23票

 

マイ・インターン(吹替版)

マイ・インターン(吹替版)

 
  •  解説

 ファッションサイトを運営する女社長が、文化も考えも違う70歳のインターンに戸惑いながらも、彼の振る舞いやアドバイスによって次第に絆が芽生えてくるハートフルコメディ。

  • Twitterユーザーからのコメント

・仕事や人間観っ形に疲れた時にこれを観て、明日も頑張ろうと思えます。

・ロバートデニーロが最高です!

・アン・ハサウェイだけでなくデニーロに勇気をもらえます。

  • ひとこと

これはアンハサウェイが主役何ではなくて、デニーロが主役なんですよね。日本ではアンハサウェイを前面にした方が女性の集客が見込めるということでこのタイトルになったと思うんですが。

仕事と家庭を両立する完璧な女性社長。だけど悩みは尽きない。そんな彼女の前にあr割れた一人の老人インターンによって職場や家庭での問題が解消されていく様を、これまたフェミニズム映画の伝道師ナンシーマイヤーズ監督が見事なエンタメドラマに仕上げています。

何事も今を楽しむことを忘れないデニーロ演じるインターンの生き様に元気がもらえる映画だと思います。

 

 

第3位 天使にラブソングを・・・ 25票

 

  •  解説

 ウーピーゴールドバーグの人気を不動にしたミュージックコメディ。とある殺人現場を見てしまったことで命を狙われる羽目になってしまった売れないクラブ歌手が匿ってもらった修道院で聖歌隊をゴスペルチックに改造していく。

  • Twitterユーザーからのコメント

・何度借りても何回リピートしても見てしまう。

・元気なれれる映画でこれはハズせない!

  • ひとこと

一応お題が「死や病気を連想させるものがNG」ってことだったんで、大体の方が1よりも2を薦めてくださったんですが、これは1も2もどちらも元気が出る映画だと思います。

ゴスペルってリズムも大事だけど、歌い手の圧倒的なパワフルボイスも大事で、そういう意味ではこの映画はストーリーもそうだけど音楽面でも非常に元気になれる要素が多い作品なんだと思います。

音楽は偉大です。 

 

第2位 ヘアスプレー 31票

 

ヘアスプレー (吹替版)

ヘアスプレー (吹替版)

 
  •  解説

 差別や偏見がまだ色濃かった60年代のボルチモア地方を舞台に、人気TV番組のダンサーを目指す女子高生を中心に描くミュージカルドラマ。

  • Twitterユーザーからのコメント

・キレイになって見返すのではなく、ありのままの自分を好きなってもらう映画。

・ダンスや歌がとにかく楽しい!

・明るく芯のある主人公に励まされます。

 

  • ひとこと

こちらも今回の件をきっかけに鑑賞。見た目や偏見で差別などしない主人公がやがて町全体を変えていくステキなミュージカルです。

彼女もまた魅力的ですが、彼女の母親を演じたジョン・トラヴォルタもある意味魅力的w人ひとつの所作というか仕草がめっちゃ女性的なのがさすが役者だなぁと感心してしまったし、あの体でダンスもしっかり踊れるのか!という部分も見てて感じました。

お話の方も、黒人が差別される時代の中で、ぽっちゃりな女子高生がその境界線を何の躊躇もなくぶっ壊していく様は爽快ですし、ザックエフロンが惚れてしまうのもわかるなぁと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして栄光の第1位は!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1位 プラダを着た悪魔 39票

 

プラダを着た悪魔 (字幕版)

プラダを着た悪魔 (字幕版)

 
  •  解説

ひょんなことから一流ファッション雑誌で働くことになった主人公が、鬼上司に振り回されながらも恋に仕事に奮闘し本当の自分を見出していく姿をユーモラスに描いたコメディドラマ。 

  • Twitterユーザーからのコメント

・アンハサウェイがどんどんキレイになって、キャリアアップしていくので女子力が上がります。

・オシャレして高いヒール履いて仕事頑張る女性がカッコよく見える。

・私も元気がない時に繰り返し観ています。

・目まぐるしく変わる衣装にワクワク!

  • ひとこと

 堂々の1位はもはや女性が元気なれる映画以上に、女性におすすめの映画といっても過言ではない作品ですね。

 なんだかんだで女性は恋も仕事もどっちも成功したいんですよね。最初こそ冴えない主人公ですが、見違えるほど美しくなって仕事もバリバリこなしていく姿に、みんな見惚れてしまうのもわかります。

そういう意味で、これぞ今の私を応援してくれる、明日からまた頑張れる映画としてみんなから愛されているのではないでしょうか。

主題歌の「Suddenly I See」も映画に合ってるし、モンキー的には、彼女をサポートするスタンリートゥッチが印象的。彼の役めっちゃ切ないじゃん。

 

 

 

次点

 チャーリーズ・エンジェル

 

コヨーテ・アグリー

 

コヨーテ・アグリー(吹替版)
 

 

 

 

 

 

最後に

 はい、というわけでこんなランキングになりました。

傾向を見てみると、やはりミュージカル映画や音楽がテーマの映画は非常に元気になれる映画として好ましく、またアンハサウェイはこの手のジャンルにはうってつけの女優というのも見て取れるのかなぁと。あとは、メシがテーマの映画もみんな好んで推してくれる。これ見てお腹が空いて元気になれるって最高じゃん。

 

 そしてTwittterで頂いて分かったのですが、この手の作品て俺全然見てない・・・。

東京の片隅で映画の感想書いてるくせに、俺ってまだまだだなぁと。

 

でもってみんなすごく映画見てんじゃん!!!これが何よりうれしかった!350作品も挙げてくれたんですよ!ちゃんとみんな映画見てるんだなぁと。映画館に足を運ぶ人は減ってしまってるけど、日常生活において映画ってまだまだ需要あるんだなと改めて感じました。

 

 そしてお相手の方ですが、先日皆さんからいただいた作品の中から選別してリストをお渡ししました。貸したDVDの中にこっそり入れて。見つけた途端嬉しくて泣いてしまったそうです。

ま、まぁ、見つけてくれて、よ、よかったですよ、とにかく。ね。

これも皆さんの「やさしさ」がもたらした小さな感動だと思います。本当に感謝しております。

僕もこの記事で元気になりたい人の力になれればと思っております。

 

というわけで以上!あざっした!!

映画「パディントン2」感想ネタバレあり解説 彼が会釈をするだけで街は華やぐ。

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1月19日

パディントン2

f:id:monkey1119:20171220163703j:plain

甲: あ?なんだって?それアレだろ?あの~「きかんしゃトーマス」の~新しい版みたいなの。

乙:それは「チャギントン」。乗り物じゃないから・・・。

甲:あ~あれだ!この前買った時計のことだっ!ジャズマスター!

乙:それは「ハミルトン」。付けるモノじゃないから・・・。

甲:え~じゃあの人か!あのぉ~俺の好きな「大脱走」とかぁ、「荒野の七人」とかぁ、ああとあれだ!「狼よさらば」とかぁ・・・、

乙:それはチャールズ「ブロンソン」。モノじゃなくなったね・・・。動物だよ動物!

甲:え?なに動物なの?おし今度こそわかったっ!!あれだ!5人組の!ふら~いあげ~いん♪イエッ♪イエッ♪ってやつ!

乙:・・・・・・それは「MAN WITH A MISSION」。もう!最後の「ン」しかしか合ってないよ!

 

はい。

というわけで、今回TV放送で前作を観賞したことで、なぜオレはこれを劇場でスルーしてしまったんだっ!!!めっちゃ楽しい映画じゃねえか!!子供向け映画だと思ってたよ!大人でも十分笑って泣けるじゃねえかよ!!

と後悔し、続編は必ず劇場で見ようと堅く心に誓った「パディントン2」が公開です。

 

今回はどんな騒動を巻き起こすのでしょうか。非常に楽しみです。

というわけで早速鑑賞して来ましたよ!!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

おっちょこちょいだけど誰に対しても親切で礼儀正しい、どんなときも挨拶と感謝を忘れない“紳士”なクマ・パディントン。

ペルーからロンドンへとたどり着き、ブラウン一家にお世話になるまでの騒動を笑いと感動で包んだ前作は、本国イギリスで公開され、瞬く間に世界中でパディントン旋風を巻き起こした作品。

モフモフボディに赤い帽子、青いダッフルコートをを纏った彼が、再び世界中に笑いと感動をマーマレードと共にやってくる!

 

 

パディントンベア 映画版 ぬいぐるみ M 座高20cm

パディントンベア 映画版 ぬいぐるみ M 座高20cm

 
クマのパディントン

クマのパディントン

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

 

ロンドンのウィンザー・ガーデンで、ブラウン家の“家族”として、幸せに暮らすパディントン(声:ベン・ウィショー)。
誰に対しても礼儀正しく親切なパディントンは、たくさんの友達に囲まれていた。
もうすぐ、ペルーでひとりぼっちだったパディントンを育て、ロンドンへと送り出してくれたルーシーおばさんの100歳の誕生日。
完ぺきなプレゼントを探していたパディントンは、グルーバーさん(ジム・ブロードベント)のアンティークショップで、ワンダフル! な飛び出す絵本を見つける。
だが、世界にたった1冊しかないその絵本は、とても高価だ。
パディントンは、働いてお金を貯めようと決意する。

 

 

まずは、理髪店の雑用係を始めるパディントンだったが、店主の留守の間に訪れた客の髪をバリカンでごっそりと刈ってしまったのがバレて即刻クビに!
気を取り直して、ブラウン家の人々と今日からオープンする移動遊園地へ出かけると、昔は人気俳優だったが、今は落ち目のブキャナン(ヒュー・グラント)が司会を務めていた。
開会宣言の役に指名されたパディントンは、ブキャナンからかなえたい夢は何かと聞かれ、飛び出す絵本を手に入れることだと答える。
するとなぜか、ブキャナンの目がギラリと光るのだった。

 

翌日から、窓ふきの仕事を始めるパディントン。
最初は失敗続きだったが、徐々に腕を上げ、貯金箱代わりのボトルに着々とコインが貯まっていく。

ある夜、帰り道にグルーバーさんの店のウインドウを覗き、「もうすぐだよ」と瞳を輝かせていたその時、何者かが窓から侵入し、飛び出す絵本を盗んで逃げて行く。
必死で追いかけるが、男は跡形もなく消え失せ、なんと駆け付けた警官にパディントンが逮捕されてしまった!

 

実は絵本には、驚くべき秘密が隠されていた。
それを知って長年探し求めていたブキャナンの仕業なのだが、舞台衣装とメイクで変装していたため、パディントンの証言による似顔絵では誰だかわからない。
裁判で有罪を言い渡されたパディントンは、すっかりしょげるが、刑務所一凶暴な囚人ナックルズ(ブレンダン・グリーソン)のハートをつかみ、食堂のメニュー改革を成し遂げて人気者となり、意外にも楽しいプリズンライフを送り始める。

だが、ルーシーおばさんの誕生日までには、何としても無実を証明しなければならない。
果たして、パディントンはブラウン家の人々と共に、絵本の秘密と真犯人にたどり着くことが出来るのか──?(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

 

監督

 

監督は前作同様ポール・キング

 

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監督としてのキャリアは、前作と「Bunny and the Bull」という作品のみなんですが、プロデューサーであるデヴィッド・ヘイマンは、前作の世界的大ヒットの要因は彼の完成のおかげだということで今回も続投をお願いしたんだとか。

やはり続編やるなら同じ監督が良いですよね。

 

 

 

 

 

キャラクター紹介

 

f:id:monkey1119:20180119001123j:plain

左上から順に。

  • パディントン(声:ベン・ウィショー/吹替:松坂桃李

 

ペルーからロンドンへやって来て、ブラウン一家の一員となったクマ。
人に親切で礼儀正しい“紳士な”性格から、たちまち街の人気者に。
育ての親のルーシーおばさんのレシピで作るマーマレードが大好物。
トレードマークは赤い帽子とダッフルコートだが、
今回は別のファッションもまとうことに。(HPより)

 

 

 

  •  ブラウンさん(ヒュー・ボネヴィル/吹替:古田新太

 

リスク管理の会社に勤める。
“中年の危機”を迎え、仕事では部下に追い越され、
妻にも「最近、心が狭い」と責められる。(HPより)

 

 

  • ブラウン夫人(サリー・ホーキンス

 

冒険物語のさし絵画家。
今は水泳にハマっていて、フランスまで泳ぐ練習中。
大らかな性格で、想像力豊かで好奇心旺盛。(HPより)

 

 

  • フェニックス・ブキャナン(ヒュー・グラント/吹替:斉藤工

 

 若い頃は有名だったが、今は落ち目のローカル俳優。
豪邸に住み、ブラウンさんの会社のプラチナ会員だが
本当は金欠中。(HPより)

 

  • ナックルズ(ブレンダン・グリーソン)

 

パディントンが入れられた刑務所で一番凶暴な囚人。
食堂のシェフを務め、超マズい料理を出すが、
誰も文句を言えない。(HPより)

 

  • ジュディ(マデリン・ハリス/吹替:三戸なつめ

 

ブラウン家の長女。
失恋のショックを乗り越え、今は新聞作りに夢中。
プロ並みの取材力で絵本泥棒の犯人探しにも貢献。(HPより)

 

 

  • ジョナサン(サミュエル・ジョスリン

 

ブラウン家の長男。
SLオタクだが、ダサいからと内緒にしている。
学校ではラッパーを気取り“Jドッグ”と呼ばれている。(HPより)

 

 

  • バードさん(ジュリー・ウォルターズ

 

ブラウン家に同居する親戚で、家事を一手に引き受けている。
口が悪くて不愛想だが、人並外れた度胸を誇る。
手品が得意。(HPより)

 

 

  • グルーバーさん(ジム・ブロードベント

 

アンティークショップの店主。
自身も移民だったために、パディントンの良き理解者で、
何かと親身に相談にのってやる。(HPより)

 

 

  • カリーさん(ピーター・カパルディ

 

ブラウン家の隣人。
会員は自分一人だけの“街を守る会”の会長。
クマは危険な動物だからとパディントンを嫌っている。(HPより)

 

 

 

 

前作のおさらい

 

 

パディントン [Blu-ray]

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 ペルーの山奥でおじいちゃんクマとおばあちゃんクマと暮らしていた1匹のクマ。祖父母が若い頃にロンドンの探検家と出会った事から、言葉や文化などを学び、ロンドンに憧れるようになっていた。

しかし地震が起きたことでおじいちゃんは亡くなってしまい、住処も移さなくてはならない状況に。まだ幼いクマを隠居させるのは惜しいと感じたおばあちゃんは、憧れの街ロンドンへ行くよう薦め、彼はカバンにたくさんのマーマレードを詰めて単身ロンドンへ向かいます。

英国紳士が行き交う街ロンドン。ここで暮らすにはきちんとした言葉で、挨拶と感謝を心掛けなくてはいけない、そう教えられすれ違う人たちに挨拶や会釈をするも誰も相手にされない。

日が暮れて落ち込みを隠せないクマの前に、ブラウン一家が声をかけます。ブラウン夫人は、彼を引き取ってくれるかもしれない探検家の家が見つかるまで、しばらく預かることを決心。そして名前も出会った駅から「パディントン」と名づけることに。

こうして、パディントンは都会での生活をブラウン一家と始めるのですが、それはドタバタの連続の始まりでもありました――。

 先日自宅にて観賞したんですが、見終わった後、劇場での観賞しなかったことを後悔しました。

これは楽しいっ!心が温まる喜劇でございました。パディントン自体かわいくてめっちゃ紳士なんだけど、メシ食うときはめっちゃケモノ!このギャップがたまらないです。

彼が巻き起こすドタバタ劇もワチャコラスイッチとでも申しましょうか、そんなうまい具合にいくかよwwってくらい見事なぶっ壊し方。

そして一番うまいと思ったのは複線の回収です。

ブラウン一家の性格や長所短所悩みを、物語がクライマックスに近づくにつれて、きちんと解決又は有効活用していく素晴らしい使い方。

ブラウンさんはリスクマネンジメントという職業柄、何事にも心配性でしたが、それも克服してかつての自分を取り戻し、ブラウン夫人は娘を変なあだ名で呼ばなくなり、挿絵の顔もきちんと埋まり、また下水道の下見が役に立つ。

ジュディもクラスメイトに変に見られないようにしていたけど、パディントンによって克服。中国語の勉強からヒアリング能力が長けており、クマ語もマスター。これが後に発揮される場面もあり、ジョナサンの宇宙飛行士になる夢というのも、後にパディントンを助ける大きな役目を果たすなどなど、最初に説明されたものが全て後に繋がっていく、キレイな展開でした。

 

 なんというか「ホームアローン」を観ていたときの気持ちを思い出す良作です。オレこれ劇場で見てたらベスト入れてたかもw

 

 

 

 

 

 

はい!前置きが長くなりましたが、今回パディントンがどんな騒動を巻き起こすのか。そして彼がロンドンの街の人たちや我々をどのように笑いと感動で包んでくれるのか。

ここから観賞後の感想です!!!

 

 感想

今回も最高にかわいくてドタバタでみんなから愛されるクマでした!!話もシンプルで非常に丁寧!ラスト泣いちゃったよ!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歪んでた心をキレイにしてくれる。

ロンドンに住み始めてから街の一員としてみんなと仲良く楽しく暮らすパディントンに事件が起こる。濡れ衣を着せられたパディントンとブラウン一家の絆が試される。

 

前作同様、いやそれ以上に楽しめる良作でした!

もうはちみつを下半身丸出しでなめてはしゃいでいるクマの時代は終わった!これからは親切心と礼儀を重んじる赤い帽子と青いダッフルコートのママレード好きのクマなんだ!

ママレードベアーだ!だ・け・ど・気になる♬(わかる人には伝わるかな・・・)

相変わらず色々とやらかしちゃうパディントンのピタゴラスイッチならぬ、ワチャッコラスイッチも健在だったし、色んな伏線を最後にきれいに回収する丁寧な脚本は圧巻であります!

前作と比較するとロンドンのロケーション風景が各段に上がっていましたし、そこで追いかけっこしたり、ブキャナンが忍び込んであれこれやったりと、そういう意味でもロンドンの雰囲気を味わえたのは前作よりもよかったですね。

そして何といっても今回はブラウン一家との絆、街の人との絆によって生まれるパディントンへのささやかなプレゼントが描かれるラスト!!

はい、号泣しました!!

え?ウソ?マジで?うわぁ!!で余韻に浸らせることなく締めてしまう終わり方がニクい!!でもって湿っぽく終わらせないのがまたいいところ。エンドロールが始まったからといって席を立たないでください。

後日談とこれ一生懸命頑張ったんだろうなぁというある人の努力の結果が描かれてますw笑えますw

 

実際連勤続きで疲労困憊だったのですが、あさイチでこれを観て心が晴れやかになりました。もうね、親切されたら親切しか生まれないよね。

 

 

伏線の回収は今回も見事

前作を自宅で鑑賞して最も感動したのはキレイに伏線を回収してキレイに終わらせる巧さでした。

今回もどのように回収していくのか楽しみにしていました。

基本的には、ブラウン一家の面々が今どういう状況なのかを、パディントンがルーシーおばさんに手紙をしたためることが伏線になっていて後に繋がってくるわけです。

今回、ブラウン夫人は冒険モノの本の挿絵を描いた影響で冒険心が芽生え、海峡を泳いで渡ろうと泳ぎの練習にハマっているということが明かされます。

ブラウンさんは会社で後輩に出世されたことで中年の危機に突入。色々と考えが無難になり、若かりし頃の移動遊園地でのデートで、ボールでの的当てを一発で仕留めるようなワイルドなカッコよさはなく、ピラティスにハマっている。

ジュディは前作では語学力に長けていたことや気になる男子がいましたが、今回はその彼と破局し、学校で見つけた印刷機械に惹かれ、新聞を独自で作ることにハマってます。

ジョナサンは、夢見ていた宇宙飛行士から現在はSLにハマってますが、それを知られるとオタク扱いされることからヒップホップ好きな今どきの男の子を偽って暮らしています。

 

パディントンに至っては、街の人とも打ち解け仲良くなり、しまいには野良犬の得るファーとも仲良くなっていました。

 

ここに書かれていることが終盤全てうまく使われていき、パディントンをブラウン一家が助けるという、前作同様うまい構成になってます。

さらに言えば、劇中で出てくるリンゴ飴、バイトで使っていたはしごなどなど小物も見事にキーアイテムとしてちゃんと出てくるのでどの部分も見逃せないのです。

 

相変わらずやらかすパディントン

今回パディントンはルーシーおばさんの誕生日を祝うため、世界にひとつしかない飛び出す絵本を購入するため、初めての労働をすることになります。

まずはじめに理髪店で掃除のバイトを始めます。

主人がちょっとの間留守にしてた時にお客さんが。自分しかいないのでとりあえずやるかと電気バリカンを手にするとあまりの振動に驚き、たちまちそのコードで体がグルグル巻きに。

棚に置いてあったブラシの毛はその影響で刈り取られ、どんどんお客さんに近づいていきます。

寸でのところでバリカンが届かなかったことにほっとしたのもつかの間、コードはお客さんお座っている座席のレバーに引っかかっており、見事にシートが倒れ、きれいに頭のど真ん中を刈ってしまいます・・・。

とうとうコードは天井扇に引っかかり一人メリーゴーランド状態。

外で髪を切ることを躊躇している親子の前にべたっと窓に張り付くパディントン。・・・別の店で切りましょう。それ正解。

何とかバレないように刈ってしまった髪の毛をママレードで張り付けるという暴挙。はいもちろん気疲れドヤされ、ちょうどそのとき主人が帰宅。

これは違うんですという言い訳もむなしくクビになってしまいます。

 

その後窓ふきに挑戦。バケツ一杯に溜めた洗剤水を2階の窓まで運ぼうとしますが、重くて持ち上がりません。そこで排水溝に紐をくくり持ち上げる作戦に。

これは頭がいい。いい調子で持ち上がるかと思いきや力が足りずロープでぶら下がります。それでも持ち上がらないので、2階の窓においてあった鉢をもって重くすると、バケツ持ち上がった~良かった~って自分が今度下がってるよ!結局下まで降りてしまい持っていたロープを離してしまいます。

はいお分かりですね。見事に水の入ったバケツは自分の元へ落ちてきて水浸し。しかもバケツが抜けない。もうドリフ。

 

だけど、それが功を奏したのかモフモフの身体が潜在まみれになったことで自らがブラシとなりキレイに窓が更けていくという結果に。

これを機に住宅の窓や高層ビルの窓まで拭いていくというナイスアイディアでお金をためていくのです。

この窓ふきをするパディントン。今までで一番かわいいですw

 

その後刑務所に入ってしまうパディントンですが、ここでも彼はいつも通りやらかしていき、やがて薄暗い刑務所をハッピーなものに変えていくという素晴らしい場所へと変貌させていきます。

 

洗濯係を担当することになったパディントン。みんなの囚人服を洗濯機に入れるんですが、その中にひとつだけ赤い靴下を入れたことによってすべての囚人服がピンク色に変色してしまいます。

何でしょう囚人服ってピンクになるだけでこんなにも印象が変わるものなんですね。みんな犯罪者なのにちょっとかわいいw

そして食堂で出された食事にいちゃもんをつけるパディントンは、料理を担当する囚人ナックルズさんと一触即発になりますが、いつも忍ばせている防止の中から出て来たママレードサンドによって、仲良くなり、みんなの朝食作りを担当。2人で作ったママレードサンドは、食卓の場を明るくさせていきます。

なぜ飯が不味かったか。それはナックルズが1パターンしか料理ができなかったことに加え、その悪い評判からふてくされていただけでした。パディントンの提案により誰か料理が作れる人はいないか問いただすと、みんな怖い顔してるのに、意外と家庭自慢の洋菓子が作れることが判明。

その後みんなでプリンやケーキなどお菓子作りに奔走し、刑務所はどんどん乙女チックな雰囲気に。

なんなんだこれはww

 

誰にでもどこかいい心は持っていると信じているパディントンは、刑務所の雰囲気までも変えていくというエピソードとなっていました。

 

 

考えると深い物語

今回はパディントンがブラウン一家にとって、そして街の人たちにとってどのような存在なのか、というのが強く描かれていた作品だったと思います。

彼がいることで朝食を食べられる人、彼がいることで試験勉強ができる人、彼がいることで家のカギを忘れず出かけることができる人、彼がいることで曇っていた心を晴れやかにし、最愛の人と出会うことができる人。

そうウインザーガーデンは、彼によって毎日がうまくいき、苛立つことも無くなってしまうほど穏やかな日々を過ごしていたのでした。

 

そんな彼が泥棒に入ったという濡れ衣を着せられ、彼は刑務所へ入ってしまいます。そうするとどうなるか。街の人たちはやっぱりクマなのか。所詮動物なのかという不信感が芽生えていき、彼がいなくなったことでいつもの調子が出なくなり些細なことで苛立っていくのです。

前作でもそうでしたが彼は親切心の塊なのです。その親切を忘れてしまうと人々の心はくすんでいき、やがて軋轢が生じてしまうのです。

 

でも彼を家族の一員として迎え、暮らしているブラウン一家は違いました。パディントンは確かにクマだが、決して泥棒をするような野蛮な動物ではない。彼こそイギリス人が忘れかけていた英国紳士であり、親切と礼儀を重んじるとても優しい生き物なのだ。

隣人であるカリーさんは、前作以上に彼をクマというだけで偏見を持ち警戒していましたが、それに対しガツンと一言声を荒げるブラウンさんはカッコよかった!その後がカッコ悪いんだけどw

 

そうです。移民を大量に受け入れることで、自国民の不満は爆発し結果EU離脱に発展してしまったイギリスという国の背景を考えると、今彼らに必要なのはパディントンのような心なのではないか?

そしてそれはイギリスに限らず、ギスギスした世の中に対しても言えること。すれ違う人には軽く会釈をし挨拶をし、困っている人がいたら手を差し伸べる。そうする事で生まれる笑顔、感謝。

こんなに素晴らしいことはないです。そんなことをパディントンは教えてくれている気がします。

 

 

最後に

今回悪役として登場するブキャナンを演じたヒューグラントも素晴らしかったですね。あまり彼の作品を見てないんですが、あんなにコミカルな演技をできるとは思ってませんでした。彼あっての楽しさだった気がします。

終盤ブラウン夫人が水中でパディントンを助けるシーンがあるんですが、あれはどう考えても夫人演じるサリーホーキンス主演の「シェイプ・オブ・ウォーター」のオマージュにも見えたんですが考えすぎでしょうかw

 

とにかく今作もまたパディントンに笑い、パディントンに泣き、パディントンに心をキレイにしてもらえた、そんな作品でした。

嫌なことがあった人、毎日に疲れた人、心が重く感じる人は是非これを観て心の洗濯をしてみてはいかがでしょうか。晴れやかになりますよ!!

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆☆★★8/10

映画「ジオストーム」感想ネタバレあり解説 行け兄貴!暴走衛星を食い止めろっ!

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1月19日

ジオストーム

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 ジェラルド・バトラーが主演・・・。これは危険なニオイだっ!!!

正直観てもなぁ、と思っていましたが、今月はこれといって話題作、期待作が少ないし、せっかくの休日だから映画館いきたいじゃん!!てことで観ることを決めました。

なぜ危険なニオイかと申しますと、こういうことです。

 

 

ね?批評サイト「ロッテントマト」でことごとくトマトが腐ってます。

ここまで来るとさすがです。彼が出てるだけでって理由ももしかしたらあるかもしれない。

だからまぁ怖いもの観たさ?まではいきませんが、期待値低めで観にいってまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 相次ぐ自然災害や異常気象をコントロールすべく開発された人工衛星が暴走し、それに立ち向かう人々を描いたディザスターパニックアクション映画。

もし地球で大災害が起きたら、という極限状態を、実際のデータに基づきシミュレーション。竜巻や氷結、熱波などの自然災害をハリウッドの最新技術によって臨場感豊かに再現。

宇宙規模にまで発展する壮大なドラマがここに。

 

ジオストーム

ジオストーム

 

 

 日本語版主題歌をB'zが担当とのこと。

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あらすじ

 

 

ある日、気象コントロール衛星が暴走を始めた。

度重なる異常気象、頻発する自然災害。

この深刻な事態に世界はひとつとなり、「気象コントロール衛星」を開発。全世界の天気は精巧なシステムで完璧に管理され、人類は永遠の自然との調和を手に入れたかと思えた。

ところが!

ある日突然、衛星が暴走を始めた!

リオデジャネイロが寒波に、香港が地割れに、ドバイが大洪水に、そして東京も・・・。

この星をすべて破壊し尽さんばかりの、想像を絶する空前絶後の巨大災害が次々勃発。

なぜ!?いったい地球はどうなる!?

この地球滅亡の危機を受け、科学者ジェイク(ジェラルド・バトラー)は、再び人類の英知を信じて、仲間の待つ宇宙ステーションへと旅立った・・・。(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

監督

 

今作を手掛けたのは、ディーン・デブリン

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はい。誰ですか??

というのも無理はありません、何と今回が初の長編監督作だそうです。

じゃあ今まで何やってたのさ?ってなりますよね。なんと、ディザスター映画の金字塔「インデペンデンス・デイ」および「~リサージェンス」の脚本や製作に携わってたそうえ、今回こういう作品を作ったのも納得できます。

他にも、「スターゲイト」やローランド・エメリッヒ監督の「ゴジラ/GODZILLA」の製作にも名を連ねているそうです。

ちょっとだけ口出してスタッフロールに乗ろうとしてたりしてw

 

 

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キャスト

地球存亡を防ぐ唯一の希望である科学者ジェイク・ローソンを演じるのは、ジェラルド・バトラー。

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何というか、この人大作の主役をいつからやるようになったのか?そもそも俳優として評価されてるのか?日本で言う芸能事務所のごり押しで売れた、というイメージがどうしてついてきてしまいますw

まぁ向こうは個人エージェントでの契約なんで、相当腕のいい人が側近にいるんでしょう。

 

ここまで言うのもやはり最近主演の作品がことごとく不評なので、いいかげん主役辞めろやと。

 

とりあえず彼の代表作をザックリ紹介。

ジョエル・シューマッカー監督版「オペラ座の怪人」で主役ファントムに抜擢され、注目を浴びていきます。

その後、100万の大軍にわずか300人で迎え撃ったスパルタ軍の姿を斬新なビジュアルで描いた歴史スペクタクルアクション「300/スリーハンドレッド」で人気を不動のものにします。

顔や体つきからアクションばかりのイメージですが、最愛の夫を亡くしたヒロインが、亡き夫から届いた手紙によって勇気と希望をもらい、次の人生への一歩を踏み出していくヒューマンラブストーリー「P,S,アイラブユー」、

ロンドンの裏社会で一儲けしようと企む有象無象が繰り広げるクライムコメディ「ロックンローラ」、

借金まみれの賞金稼ぎの新た標的が元妻、という知ったもの同士が繰り広げる追いかけっこを描くクライムアクションコメディ「バウンティー・ハンター」と、コミカルな演技や、恋愛劇もこなすなど多彩な面を持ち合わせています。

近年は、元シークレットサービスの主人公が国のリーダーを敵から守りぬく「エンド・オブ・ホワイトハウス」、「エンド・オブ・キングダム」が人気のようで、第3弾も公開予定とのこと。

 

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 他のキャストはこんな感じ。

ジェイクの弟、マックス役に、「ラスベガスをぶっつぶせ」、「ワン・デイ23年のラブストーリー」のジム・スタージェス

サラ・ウィルソン役に、「エンジェル・ウォーズ」、「ロボコップ(2014)」、「スリー・ビルボード」の公開が控えるアビー・コーニッシュ

レナード・デッコ国務長官役に、「ライトスタッフ」、「アポロ13」、「スノーピアサー」のエド・ハリス

そしてアンドリュー・パルマ大統領役に、「アンタッチャブル」、「ゴッドファーザーパート3」、「パッセンジャー」のアンディ・ガルシアなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

どこをどう切っても、既存のパニック映画、ディザスター映画、SF映画とカブる要素が盛りだくさんなんですが、そういう部分も突っ込みながら楽しもうと思いますw

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

 感想

ディザスターじゃねえよ!人災じゃねえかよw

ツッコミどころはさ、まぁたくさんあるんだけど意外と楽しめたってのは正直な所よ、うん。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

意外とヒューマンドラマでした。

熱波や竜巻、荒し、洪水などによる視野が相次ぐ地球。度重なる異常気象に音を上げた人類は協力し、天気をコントロールする衛星を打ち上げ、各国からえりすぐりの技術者たちを宇宙へ送り出す。

オランダの少年が指一本で洪水を止めたということから名付けられた気象コントロール衛星「ダッチボーイ」を作ったジェイクは、議会に召集され、許可ない行動に出たせいで責任者となった弟からクビを告げられる。

それから3年後、アフガンの砂漠にある集落だけが氷漬けになる異常事態が発生。アメリカが主導権を持っていたダッチボーイは、あと2週間で運営委員会の手に渡る直前になって起きた事態に、選挙を控えたこともあり、大統領を中心に政府は公表するかしないかで議論を重ねていた。

保身よりも人命優先。そう判断した政府は、ダッチボーイを作ったジェイクに再び白羽の矢を立て彼を交際宇宙ステーションへ送り出す。

一体ダッチボーイはなぜ暴走したのか。そしてその暴走を止めることはできるのか。

 

結論から言いますと、色々とおかしい部分は多々あることは事実であり、それによって全然つまらない映画になってるのかというと、そうとは言い切れない面白さはありました。

 

そもそも気象をコントロールすることが果たしていいことなのか悪いことなのか。こうなってしまったのは生活している我々が悪いわけで、それを科学でカバーすることによって代償は絶対出てくると思うわけです。

さらにこんなもの作って悪用なんかされちゃあ溜まったもんじゃない。大国が独自に作ってしまったらもっと大ごとでこれって核と同レベルなんじゃないの、と。

でも一応世界各国が参加してるってことなんで安心じゃん?と思っても、嫌々そこはもう宇宙ステーションで派閥争いとか起きちゃうんじゃないの?とか国のトップから色々指示されて他国を気象コントロールして壊滅することだってできちゃう。

要するにとんでもないもの作っちゃったよなぁと。

そんなものを題材に作った映画なんか面白いわけないじゃん。とみる前からあれこれ想像できたりする映画だと思うんです。この映画。

 

で、映画が始まる前からそんなことを言ったらきりがない。とりあえずフィクションなんだからそこはぐっとこらえて見ておくんなまし、と言いたい。

 

もちろんテーマは衛星の暴走を、どこをどう見ても科学者には見えないガチムチ髭もじゃジェラルドバトラーがどう鎮めるかってことなんだけど、この主人公ジェイクと弟マックスの溝を埋める絆ってのがもう一つのテーマになっていて、これがなかなか良かったなぁと。

 

弟マックスは政府の人間なんです。結構大統領に近しい存在で。で、公聴会に出席したジェイクが暴走しないように、何度も携帯に抑えて!とかそれ以上言うな!とかなだめるんだけど、兄ちゃんはまぁあんなド―ベルマンみたいな顔してるもんだからまぁ吠えるわけですよ!

結局俺が作った衛星をお前らが勝手に管理して、なんで俺が権限モテねえんだ!あれ使わなかったら、アジアのモンスーン止められずにたくさんの命が失われる所だったんだよ!お前らそうやって上から眺めてじゃねえと物事決めらんねんだよ!

で、なんだ!家族とかおねえちゃんに自慢するんだろ?あれ俺が作らせたんだよ、どうだいすげえだろ!って。

 

まぁ後の祭りです。この態度によってクビになってしまうのですが、それを告げることになったのはまさかのマックスだったんですね。公聴会の後マックスはダッチボーイの責任者に選ばれたことを打ち明けます。だから兄ちゃんの処分も彼が決めなくてはいけなくなった。

この出来事によって今まで積もり積もったものがお互い爆発するんです。俺はいつも兄ちゃんの尻拭いばかりしてきた。今度もこのざまだ!もっと兄貴らしくしてくれよ!

ジェイクは、いやちげーよ!お前は俺を兄貴として見てないんだよ!立場じゃ自分の方が上だからそういうことが言えんだよ!弟なら兄を敬え!みたいな。

幼少期から兄弟間でいろんなことがあったのでしょう。何したんかは聞き逃しましたがw

てかジェイク、お前心が狭いなぁ・・・。

 

それから3年も経って音信不通だったことが分かります。本気のやつだねこれ。で、事故が起きてそれを食い止めるのは俺の兄貴しかいないじゃんてことで兄ちゃんのところへ行き、責任者として宇宙へ行くよう要請するんですが、未だに根に持ってる兄貴。知らない人だなあ、娘に近づくんじゃねえ、みたいな。

まぁNASAの近くにトレーラーハウスおいて生活してるのでめっちゃ未練たらたらなんですが、そこを突いて現場復帰させるんです。

 

そこからは衛星通信でやり取り。色々調べていくうちにこれは誰かの仕業ということが分かり兄弟は力を合わせて真相を追っていくんですね。

そうやって世界の危機を二人で阻止しようとする内に、兄弟間のわだかまりなんか無くなってるんですよ。で、お互いが無事を祈ってる。あ~家族って兄弟っていいよね。

そしてクライマックス。二人はようやく本音を打ち明けます。俺は兄貴らしいことひとつもしてやれなかった、だからここでそれを果たすぜ。嘘だろ兄ちゃん!!なんで兄ちゃんがそんなことしなきゃいけないんだよ!!娘はどうするんだよ!!みたいな。(3回目)←これもはっきりとしたセリフ覚えてませんw

 

とまぁ、こんな感じで世界の危機と同時に、兄弟の不仲という危機も乗り越える普通にいい話もきちんと入れているんですね。

ちゃんと小さい時に俺たちは秘密の暗号で繋がってた、なんて会話の通り、誰にも知られないように暗号で通信したりする件なんかは、兄弟だから隠密に行動できたし、不仲とはいえ、勝手知ったる兄弟ですから性格もちゃんとわかってる。

もうこれがなければ正直☆1個でしたw

 

 

マックスのエピソードもいい。

マックスには彼女がいます。普通の彼女かと思いきや、シークレットサービスとして大統領を守る女SPだったんですね~。それがアビー・コーニッシュ演じるサラだったんですが、仕事上交際は禁止だそうで、しかも政府の人間と付き合ってるなんて知れたらさぁ大変。

でもお前ら普通に職場でコソコソ話してたらウワサたつだろうが。

どうしても彼女結婚したいマックスですが、仕事を愛するサラはそれを受け入れることができないというお話の流れでした。

だけど色々と真実に近づくにつれて、マックスだけではクリアできない壁にぶち当たっていくんです。そこでサラの登場。

仕事にクソまじめなサラ。俺と大統領どっち守る?「大統領」。よくできた子w

そんなサラは、マックスのお願いお願いお願いいっしょ~~うのお願い!一緒にホテル入るだけでいいから、いや隣に寝るだけでいいから、ね、ね、ね?

と、ナンパで強引にホテルに誘う男に匹敵する頼み事でようやく承諾し、極秘の任務に協力します。

そして人目を避けるようにして香港から逃げてきたマックスの元同僚チャンが消されてしまったことから核心に迫っていくうちに、彼に本当に協力していくんですね~。

あれだけ仕事第一だった人が、反逆罪になるかもしれないレベルの事をしてしまうのですから。

 

この二人のエピソードで一番笑ったのは、二人の恋仲が大統領にバレてしまうところです。嵐巻き起こる中、追手に追われながら車で逃げているときに、事の全てを打ち明けるのですが、ついでに俺たち付き合ってます!と。顔をしかめる大統領ですが、サラのナイス運転と、追手をしっかり銃で仕留める姿を見て大統領一言。

結婚しろ

いいね!いいね!今まで全然笑うところなかったけど、こんなピンチな中でサラッと真面目にアドバイスwww

これには不意を突かれました。

ジェイクとの兄弟愛も堪能できますが、マックスとサラのロードトゥマリッジも楽しめる作品になってます。

 

ここがひどいよジオストーム

さて、人間関係の面では意外と楽しめたということを書きましたが、ここからはツッコミたい所をあれこれ書いていこうかと。まぁこれがつまらなかったってことじゃなく、こういう馬鹿っぽい設定や場面も含めて面白いぜ!っ事を踏まえておきます。

  • 科学者はあんなにガチムチじゃない。

これは映画を観る前からツッコみたかったですが、いやツッコんでたかw。あんなガタイのいい科学者なんかいねえよ!と。無精ひげまでは許そう。でもってたるんだ二十顎も許そう。しかし顔が怖い!目つきが殺意しか感じない!劇中で科学者っぽいことしてない!言葉が乱暴!

一昔前に300人で大軍相手にして様な役柄をやってた人なので、どこをどう見ても理系には見えません。はい。

  • ジェラルド無双がない。

一応ジャンルで括るならジェイク演じたジェラルドバトラーは、モンキー的にはアクション俳優に分類されるんですが、きっとどこかでバッキバキに敵を倒すような描写があるんだろうなぁ、と思って、それが来たらはいキターこれ!全然主旨が変わってるぅ~とかツッコみたかったんですが、その逆でしたね。

全然ボコボコのシーンがないw

一応拳が交わるシーンはありましたが、サシでの勝負ですし無双でもなかった。

さすがにこれは仕方ないか。

  • 宇宙ステーションに拳銃

実際どうかはわかりません。宇宙空間に武器を持ち込んでもいいのかどうか。しかしながら、映画でそんなシーンがあったか?

ジェイクと主任の女性であるファイルを探していると、何やってるんだ?と同じクルーのやつが拳銃持って構えてるんですね。ん?ここ地球だっけか?宇宙ステーションの中だよなぁ。なんでこいつ拳銃持ってんだ?と。

 

また別の場面でもあるクルーが装置の下に拳銃を隠し持っていました。いやだからそれ宇宙ステーションで使う時あるのか?エイリアンが来るのかエイリアンが。それともなんだここでも身の危険を感じることがあるのか。

これに関しては非常に疑問を感じました。

  • 衛星の暴走の仕方がおかしい

香港でマックスの元同僚チャンが、買い出しにいくと猫が冷蔵庫に入ったきり出ようとしません。夜なのにかなり熱いということが理解できます。チャンの額も相当汗をかいており、車のトランクに食料品を入れようとすると卵を落としてしまうんですが、その卵が地面で目玉焼きになっちゃうんですね。

ここでまず一つ疑問。そんなに地面が熱かったらチャンが履いてるコンバースっぽい靴も熱で溶けやしないかと。

その後地面の中からマグマが噴き出してくるんですね~。え~~~っ!?ダッチボーイってそんなこともできちゃうの!?と。気温を上昇させ過ぎるとそういうことが起きるのでしょうか。ちと無理があるような気が・・・。

 

その後世界各地でいろんな荒れ模様になるんですが、非常に安易だなぁと思ったのは、雪が降るロシアにはめっちゃ気温を上げるようにして、アフガンは気温を下げるようにダッチボーイを操作してるんですね。これ何で逆のことをするんだろうと。

結果誰かの陰謀だったわけですが、それを悟られないように、寒い地域ならもっと寒くして熱いところならもっと熱くさせた方が、自然現象で片づけられそうだからバレないんじゃね?と。

後はリオデジャネイロでの大寒波もそうですが、あんなに一瞬で人って凍っちゃうんですかね。しかもものすごいスピードでやってくる。空からカモメがぼたぼた落ちてくるのはちょっと怖いなと思いましたが。

ちなみにそれ、「デイ・アフター・トゥモロー」でやってますから。

  • 米中主導なのに中国人絡んでない。

冒頭でジェイクの娘による現在までの説明がされてたんですが、このダッチボーイは全世界が協力しているとはいえ、アメリカと中国が主導になって作ったと語られています。

しかし劇中では中国側の件が一つもない!チャンは香港の人なのでギリギリ中国に入るかもですが、それにしたってアメリカだけで色々決められるような立場じゃないと思いますよ?主導ってことは。

しかもいま中国のスポンサーがハリウッド映画に出資して製作してることが中、今回そういった描写一個もなかったですね。今回出資してないのか?

  • ミスリードなし。

今回脇には大御所が名を連ねているのですが、彼らがその立ち位置なのか、じゃあ犯人はアイツだろうなぁと思ったら見事にあいつでしたね。

そういうミステリー要素はこれ入れてないってのが、逆に清々しくてありですw

  • 国際色入れる必要ある?

世界中の国が参加しているダッチボーイ。シャトルにめっちゃ国旗が貼られてるんですね。宇宙ステーションのクルーもドイツ、イギリス、メキシコ、あと~わかんないけどいろんな国の人がいました。

何かに活かすならそれ映すのはわかりますが、あまり関係のない部分は入れないでほしいですね。国旗なんか見せなくたってどの国の人がいるのかは最初紹介されてるし。

そして終盤メキシコの奴がジェイクを助けるんですけど、いちいち国旗見せつけて「メキシコに感謝を」とか言うんですね。これってトランプ大統領へのメッセージ?

 

最後に

色々良かったところツッコみたいところ書いてきましたが、一応褒めてますのでwええ。悪くないです。これまで作られてきたディザスタームービーやSF映画のいいところだけをつまんでできた映画です。それって案外面白くできるのね、というのが新たな発見でしょうかw

とにかく肩肘張らずに、リラックスして楽しんで鑑賞できる作品でした。後ね、予告編で映ってる災害シーン、あれがほとんどです。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

映画「嘘を愛する女」感想ネタバレあり解説 ウソから始まるホントの愛の物語

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1月20日

嘘を愛する女

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 今月2作目の「嘘」を題材にした作品です。1月頭に公開した「嘘八百」のようなコメディではないというのがポスターからも感じられるのではないでしょうか。

 

www.monkey1119.com

 

「あなたは誰?」というキャッチコピーから、これは嘘によって翻弄された女性の映画というところまでは察しのつく方も多いかと思います。

そして何と言っても今をときめく美男美女の共演というのも非常に魅力的です。

 この2人が一体どんな「嘘」によって愛を紡いでいくのか、非常に楽しみであります。

 

、とか堅いこといってますが、まさみ目当てですから要はw

というわけで早速観賞してまいりました~い。

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

新たな才能を発掘するために開催された「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2015」にて初代グランプリを獲得した作品が映画となってついにお披露目となる。

「夫は誰だった?」という実在した新聞記事から着想を得た本作は、CM業界でその才能で頭角を現しつつある若きクリエイターが企画したもので、今回脚本と監督も兼任し映画監督デビューも果たした。

一流企業に勤めるキャリアウーマンが恋人の大きな嘘に翻弄されていく中で、全てを失った先の本当の愛を見出していく、新しいカタチのラブストーリーです。

 

嘘を愛する女 (徳間文庫)

嘘を愛する女 (徳間文庫)

 
嘘を愛する女

嘘を愛する女

 

 

 

 

 

あらすじ 

 

その姿は世の女性が憧れる理想像。

食品メーカーに勤め、業界の第一線を走るキャリアウーマン・川原由加利(長澤まさみ)は、研究医で面倒見のいい恋人・小出桔平(高橋一生)と同棲5年目を迎えていた。

ある日、由加利が自宅で桔平の遅い帰りを待っていると、突然警察官が訪ねてくる。

 

「一体、彼が誰ですか?」

 

くも膜下出血で倒れ意識を失った所を発見された桔平。なんと、彼の所持していた運転免許証、医師免許証は、全て偽造されたもので、職業はおろか名前すらも「嘘」という事実が判明したのだった。

騙され続けていたことへのショックと、「彼が何者なのか」という疑問をぬぐえない由加利は、意を決して、私立探偵・海原匠(吉田鋼太郎)と助手のキム(DAIGO)を頼ることに。

調査中、桔平のことを“先生”と呼ぶ謎の女子大生・心葉(川栄李奈)が現れ、桔平と過ごした時間、そして自分の生活にさえ疑心暗鬼になる由加利。

やがて、桔平が書き溜めていた700ページにも及ぶ書き換えの小説が見つかる。

そこには誰かの故郷を思わせるいくつかのヒントと、幸せな家族の姿が書かれていたのだった。海原の力を借りて、それが瀬戸内海のどこかであることを知った由加利は、桔平の秘密を追うことに・・・。

なぜ桔平は全てを偽り、由加利を騙さなければならなかったのか?

そして、彼女はいまだ病院で眠り続ける「名もなき男」の正体に、辿り着くことができるのか・・・。(HPより抜粋)

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監督

今作を手掛けたのは、中江和仁

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数々のCMやミュージックビデオを製作し、徐々に短編映画にも着手。海外の広告祭でグランプリを獲るなど、クリエイターとしてのキャリアを積んで、今回「TSUTAYA CREATORS PROGRAM FILM 2015」に企画を応募、グランプリを受賞し、念願の長編映画デビューということです。

 

CMクリエイターから映画監督になるというパターンは、近年よくあることなんですが、その大体が映像にこだわるという点。今作もポスターやフォトショットを見る限り被写体が非常にきめ細かく美しく写っているのがわかります。

その鮮明さから、嘘というものをどう捉え焼付け、愛の物語へと昇華させるのか楽しみです。

 

 

 

キャスト

 

 

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左上から順に。

  • 川原由加利(長澤まさみ)・・・大手食品メーカーの企画開発担当として、ウーマン・オブ・ザ・イヤーにも輝くキャリアウーマン。5年間同棲している恋人・桔平との結婚を考えている。仕事に恋愛、完璧な女性像を体現するかのように生きていた由加利だが、桔平が倒れたことによって、彼の“嘘”に翻弄されていく。

今年は6月にドリューバリモア主演の名作をリメイクした「50回目のファースト・キス」が、来年には木村拓哉との共演で話題の「マスカレードホテル」が公開予定となっています。

 

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  • 小出桔平(高橋一生)・・・同棲中の由加利の恋人。仕事に打ち込む彼女に代わって家事全般を担っていた。ある日突然、くも膜下出血で倒れ、こん睡状態に。由加利には研究者と伝えていたが、名前はおろか、職業、免許証、戸籍などすべてが“嘘”だったことがわかる。

去年のTVドラマ「カルテット」以降大ブレイクを果たし、今年は斉藤工監督作「blank13」、「空飛ぶタイヤ」と話題作が控えています。

 

  • 木村(DAIGO)・・・長い髪とメガネがトレードマークの海原の助手。愛称はキム。デジタル系に強く、理系。海原の部下でありながら、パソコンに疎い海原を乱雑に扱っている。飄々としていて愛想もないが、ハッカーとしての腕はきわめて優秀。

 

  • 心葉(川栄李奈)・・・ゴスロリファッションに身を包む女子大生。バイト先の常連客である桔兵を一途に思っているが、愛が重すぎてストーカーまがいの行動を繰り返す。愛読書は芥川龍之介で、芥川似の桔平のことを“先生”と呼んでいる。

昨年公開の「亜人」では元アイドルとは思えないアクションで魅了した彼女。今年は初主演作「恋のしずく」が控えています。

 

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  •  海原匠(吉田鋼太郎)・・・元警察官の私立探偵。バツイチで、あることをきっかけに娘にも会わせてもらっていない。無愛想で言葉が足りず、誤解も受けることもしばしば。ひたむきに“嘘”を追う由加利の姿に、次第に影響を受けていく。

 

 

 

 

 

 

というわけで、嘘に翻弄された先に待つ、真実とは一体何なのか。新進気鋭の監督が2人の行方をどう描くのか。長年温めてきただけにステキな風景を見せてくれることでしょう。

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

 

感想

静かに明かされていく真実に、今までとは違う愛が生まれる感動の物語。

しかし粗が目立つのも透けて見える凡庸な作品。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

役者は濃いのに物語は淡く浅い。

5年間同棲していた恋人がくも膜下出血で意識不明の重体に。そこで発覚した身元不明という大きな嘘。彼女は戸惑いと不安と怒りを抱えながら、本当の彼を探し始める。

 

広告業界でキャリアを積んだ映像クリエイター上がりの監督だからこそ活かせる、一つ一つこだわった画作りで強みを見せ、役者の一呼吸一呼吸をしっかり捕らえた現代的な作品。

そこから描かれるのは、信じていた人から明かされた「嘘」というものが、紆余曲折を経て二人の絆を強くさせていく静かな愛の物語でした。

その確信を得るまでの道のりを、ミステリーとして、またはロードムービーとして、深く言えばバディムービーとしても括ることができるエンタメ要素も取り入れた意欲的な映画だったと思います。

 

ただ率直な感想から申し上げれば、可も不可もない凡庸な作品だったというのが正直なところ。役者の演技や瀬戸内の美しい風景に心を動かされ堪能できた良かった部分もあれば、退屈に感じるエピソードや場面、無駄な部分、役柄に好感を持てないなどが見られ、評価をするにはちょっと難しいです。

だからと言ってつまらなかったわけではないので、その辺を細かく感想を述べていこうと思います。

 

物語について

未だ男が上に立つことが普通の社会で、この物語は女性が上の立場という設定で描かれています。由加利はキャリアウーマンとしてバリバリ働き「ウーマンオブザイヤー」まで受賞する華々しい活躍。一方桔平は病院の研究員としてバイト並みの給料。その代り家の家事は彼が中心。

これからこういった家族構成が増えるような意味合いを持たせながら都会的なライフスタイルという設定は、働くことに重きを置いている女性としては非常に理想的な設定だったのではないでしょうか。

そんな順風満帆に思えていた由加利に起きる悲劇。または試練とも言えるでしょうか。恋人は偽名であり身元が不明であり、尚且つ意識不明の重体。

 

女性は過去にこだわる、というのをたまに聞きます。

今の桔平の状況よりも、これまで積み重ねてきた二人の暮らしが、彼の「嘘」によってなかったことのように感じ、怒りと困惑の表情を見せる由加利が印象的でした。

これじゃアタシの人生台無し、こうなったら徹底的に調べてやる!という意気込みだったのでしょう。同僚の叔父である探偵を雇い捜査を依頼していきます。

 

この時由加利は、決して彼のためではなく、傷ついた自分自身のために行動を起こすわけです。

捜査を進めていくうちに自宅の集合ポストを勝手に開けて、郵便物をチェックするゴスロリの女がいることに気付き、しかもそれが桔平と繋がっていたことで、ますます気持ちはエスカレートし、手がかりである瀬戸内まで足を運ぶという流れなんですが。

 

この瀬戸内での道中では、探偵である海原とのロードムービーが始まるのですが、非常にバディムービーとしても見られる要素が盛り込まれています。

長旅で疲れた海原に対し躍起になっている由加利という構図や、真実に近づくことで気持ちが揺らぎ怖気づく由加利に対し、逆にもうすぐでゴールにたどり着くことにやる気が出る海原。このように気持ちや行動が真逆の立ち位置になっているのがバディムービー的になっており、この辺は巧く描かれているなぁと感じました。

 

そして、由加利は桔平の「嘘」によってここへ赴き、真実を知ることが本当にいいのかという局面に立たされるのですが、海原は疑惑を追及するあまり失態を侵した過去が明かされ、俺のようになるかもしれないぞ、と彼女を諭します。

この場面は移動中ではなく、瀬戸内での旅の途中で思わぬ事故により足止めを食らった時に語られる場面なんですが、由加利の気持ちが前に向かなくなり立ち止まるという心的変化とリンクしています。

しかも海原も「嘘」によって翻弄されたという過去が共通しており、由加利が前を向くことで自分も過去にけじめをつけようと決心していくことに繋がるので、この辺りは丁寧に巧みに描かれていたと思います。

 

しかしながら、設定に難ありというのが頭から離れません。

5年間同棲をしていたのに、携帯も持たない、カードも持たない、通帳もない、そういった部分になぜ疑問を持たず由加利は同棲をしたのでしょうか。

他に、馴れ初めがあまりにも唐突過ぎます。

由加利は駅構内で気分が悪くなったところを、桔平に介抱してもらい回復。会社までヒールで歩くという彼女に自分の靴を貸すことで、由加利の中に気持ちが芽生えていくというのが出会いです。

そして再び桔平を駅で見かけたことで、彼を家に呼び由加利から同棲を持ちかけるのが馴れ初めなんですが。非常に不自然です。そこまでが抜け落ちてます。

由加利は仕事では完璧主義な面が見えるのですが、それ以外はめちゃめちゃ甘々で隙があり過ぎるなぁと。恋は盲目ってことなんでしょうか。

監督も画や構成、場面をしっかり作っているのに、こういう部分を緻密に描いてないのはなぜなんだろうと疑問に感じました。

 

後は、ゴスロリストーカー心葉の存在の意味ですね。

喫茶店で働く彼女は桔平のことを先生と呼び、彼に思いを寄せていたわけで、彼の過去を知る手掛かりになるキーパーソン的立ち位置なんだろうと思っていたのですが、結果的には桔平がパソコンを持っていて小説を書いていたことを告げ、桔平との密会や、由加利の知らない面を暴露することで、由加利の怒りを増幅させるだけの人物。そこからはたいして意味を成しません。

活かすなら、思いを寄せるのだから安否を願うシーンを入れるとか、捜査に協力させるとかもうちょっと工夫ができたのではないでしょうか。

しかも彼女は桔平とコンタクトをとっていたので、最悪浮気レベルまでいっていたのかもしれないことを考えると、せっかくの美談が台無しなので、結局のところどういう関係だったかを明かしてほしかったですね。

 

役者について

監督がカメラ固定で回しっぱなしのやり方をする場合、役者の表情だったりセリフの間だったり行間だったりは、役者の力次第で大きく左右されるパターンが多いのですが、主演の2人は、やはり場数をこなしてきただけあって、あらゆる場面に説得力がありました。

 

由加利演じた長澤まさみですが、この役非常に好感を持てない役柄でした。キャリアウーマンてみんなこうなのか?と思うほど、傲慢でプライドが高く見えました。

仕事での態度で気になったのは、社長とのアポイントをずらしてもらったにもかかわらず、当日寝坊して遅刻。同僚が場をつなぎますが、私がやらないと意味がないから代わらせてと上司に言うんですね。で、上司が遅れてきてそれか、と。そう、謝らないんですね。

他にも、瀬戸内の人に対してお辞儀が適当な所だったりとか、海原を雑に扱うところとか。

とにかく由加利の裏の顔が表面に出る件が多々ありました。だから非常に嫌な女だなぁと思ったのですが、この嫌な女を体現する長澤まさみの演技力って見事だなぁと。

ちょっとした目配せやしぐさ、感情、表情すべてを由加利として表現し、それを見せることでいやな女だと認識させる技術が素晴らしかったですね。

 

桔平演じる高橋一生も良かったです。あの華奢な体から放つ包容力というか優しさの塊というか、高橋一生と書いて「やさしい」って読むんじゃないかってくらい、表情から優しさが溢れていましたね。

今一番人気の俳優でもある彼を、家事ができる恋人に設定したのは、女性客からしたら夢があるというか、それだけでこの映画を評価しそうなお客さんが溢れそうな予感です。

 

海原演じた吉田鋼太郎も男くさくて良かったですね。ちょいちょいコミカルに持っていくことで作品全体を和ませたのが好感を持てます。探偵なので地域の方との距離を縮めるコミュ力も自然でしたし、由加利とのやり取りも阿吽の呼吸でした。

 

監督について

上でも書きましたが、今回が長編映画初ということでデビュー作としてはいい出だしだったのではないでしょうか。

やはり役者の表情や演技をいかにカメラでキレイに捕らえるか、または風景をいかにきれいに映し出すかを丁寧に描いていたと思います。今の彼にとってこういう部分が強みなんだろうなとも考えられる作りにも感じました。

ラストカットでの病室の窓から由加利アップで映すシーンは、かなり光沢を上げて映しており、窓から舞い散る桜の花びらが効果をもたらし、非常に美しいカットでした。ここはかなり気合を入れて映したカットだと思います。

他にも、灯台のてっぺんから射す夕日の写真なんかも、きっと監督が撮ったものでしょうし、波打ち際にはだしで歩く姿や、瀬戸内の風に髪をなびかせ何かを思う由加利の姿もものすごくキレイに撮っていたと思います。

 

ただこのブログで何度も言っていますが、こういう映像にばかりこだわる人は芝居をつけることができないため役者任せな部分が多いです。

 

一番気になったのは、桔平の本当の名前かもしれない「トシ」の詳細を探るため、造船所へ赴くのですが、ここで喫煙している作業員さんに話を伺うところで、妙な間がありました。

感じたのは演技がへたくそすぎること。たぶんこの作業員さんは地元のエキストラなのかな?と。

これがこの後登場する「トシ」を映すための、溜めの芝居だったらいいのですが、明らかにその作業員の立ち方や目線、動きが不自然なんです。

これよくこのままやったなぁと。本当なら監督が気になって芝居の修正をするべき箇所だったと思うんですが。

 

後は、病室で泣きながら由加利が本音を打ち明けるクライマックスのシーンもそのままカメラを長回しで撮る手法でしたが、これはちょっときつかった。

何回か桔平の視点から由加利を映すなどの工夫があってもよかったように思えます。そうすることで意識はないけど彼女がどう見えるのかという構図ができるし、そもそもこれ病室のベッドの脇から2人を映しているので、我々が第3者の視点になってるから由加利がどれだけ涙を流して打ち明けても感情移入しないんですよね。

 

という部分が目立ちましたが、これだけいい画を撮れる人なのであと何作か作ってキャリアを積んでいい作品を作ってほしいですね。

 

 

最後に

 

知らないほうが良かった「嘘」もありますが、この物語はそれを知ったことで嘘をついたものを受け入れ、再び関係を築いていこうと決心するものでした。

困難な道のりではありますが、この二人の絆はこれまで以上に深くなっていくことでしょう。そんな「嘘」なら悪くないよなぁと感じた作品でした。

最後だから言いますが、もっとやり様があったよなこの話!!

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10

モンキー的2018年2月期待の新作映画

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1月25日

モンキー的2018年2月期待の新作映画

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2月ってのは経済的には閑散期ってことで、消費が冷え込む時期なんですが。

こと映画業界に関しては、冷え込むってのに供給が多すぎっ!!!

やはり1月の新作映画が小粒すぎたんですよ。これスターウォーズのせいね!!だから2月は映画好きにとっては久々に忙しい時期に突入です。

話題の洋画、邦画がひしめきあってます。興行が見込めるかは別にして。

 

というわけでいってみよう!!

 

 

 

 

 

 

 

 

スリー・ビルボード

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期待度☆☆☆☆☆

 

 

2月1日公開

 

  • 出演

 

ミルドレッド・・・フランシス・マクドーマンド

ウィロビー・・・ウディ・ハレルソン

ディクソン・・・サム・ロックウェル ほか

 

  • 解説

2017年・第74回ベネチア国際映画祭で脚本賞、同年のトロント国際映画祭でも最高賞にあたる観客賞を受賞するなど各国で高い評価を獲得したドラマ。

米ミズーリ州の片田舎の町で、何者かに娘を殺された主婦のミルドレッドが、犯人を逮捕できない警察に業を煮やし、解決しない事件への抗議のために町はずれに巨大な広告看板を設置する。それを快く思わない警察や住民とミルドレッドの間には埋まらない溝が生まれ、いさかいが絶えなくなる。そして事態は思わぬ方向へと転がっていく。(映画.comより抜粋)

 

  • 期待どころ

 これは既に去年の東京国際映画祭で観賞済み。公開日に感想アップしますが、はっきり言ってどういう流れになっていくのか掴めない展開が非常に面白い

あらすじに書いてあることから予想する人、多いと思います。

でも最後は全然違う終わり方です。そしてサム・ロックウェルが素晴らしい!

これ以上言うと楽しみを奪ってしまうので、是非映画館へ。僕ももう一度行きます。

ゴールデングローブ賞でも4部門受賞に加え、アカデミー賞6部門7賞ノミネートということで、今年のアカデミー賞の目玉です。

 監督賞にノミネートされず、助演男優賞に2人がノミネートというのも意外。

 

 

 

不能犯

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期待度☆☆☆☆★

 

 

2月1日公開

 

  • 出演

宇相吹正・・・松坂桃李

多田有子・・・沢尻エリカ

百々瀬麻雄・・・新田真剣佑 ほか

 

  •  解説

集英社「グランドジャンプ」連載中の人気コミックを、松坂桃李主演、沢尻エリカ共演で実写映画化し、思い込みやマインドコントロールでターゲットを殺害する「不能犯」の男と彼を追う女性刑事の対決を描いたサスペンススリラー。

都会のど真ん中で連続変死事件が発生し、現場では必ず黒スーツの男が目撃されていた。その男・宇相吹正はSNSで「電話ボックスの男」と噂される人物で、とある電話ボックスに殺人の依頼を書いた紙を貼ると実行してくれるのだという。彼に狙われた者は確実に死亡するが、その死因は病死や自殺、事故など、いずれも殺人が立証できないものだった。警察はようやく宇相吹の身柄を確保して任意聴取を始める。宇相吹の能力にベテラン捜査官たちも翻弄される中、女性刑事・多田だけが彼にコントロールされないことが判明し……。(映画.comより抜粋)

 

  • 期待どころ

 去年「彼女がその名を知らない鳥たち」で、ゲス不倫野郎を見事に演じた松坂桃李が今回はどんな悪い奴を演じるのか。

原作コミックがあるそうですが、これは読まずに見に行くでしょう、恐らく。いや確実に。

あらすじを読むと、これ完全に「MONSTERZ」と同じ設定のような気がするんですが気のせいでしょうか。

誰にでも能力が通じる奴と、それが唯一効かない奴。

 

 

 

RAW 少女のめざめ

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期待度☆☆☆★★

 

2月2日公開

 

  • 出演

ガランス・マリリエール

エラ・ルンブフ

ラバ・ナイト・ウフェラ ほか

 

 

  • 解説

 

2016年・第69回カンヌ国際映画祭で批評家連盟賞を受賞した、フランス人女性監督ジュリア・デュクルノーの長編デビュー作品。

厳格なベジタリアンの獣医一家に育った16歳のジュスティーヌは、両親と姉も通った獣医学校に進学する。見知らぬ土地での寮生活に不安な日々を送る中、ジュスティーヌは上級生からの新入生通過儀礼として、生肉を食べることを強要される。学校になじみたいという思いから家族のルールを破り、人生で初めて肉を口にしたジュスティーヌ。その行為により本性があらわになった彼女は次第に変貌を遂げていく。(映画.comより抜粋)

 

  • 期待どころ

 TwitterのTLにやたらこのポスター画像が回ってくるもんだから気になって気になってw

Vegan(キングスマンで覚えたw)に育てられたのに、家が獣医!面白い設定です。

そして生肉を新入生に食わせるしきたりってのも怖いw調理したお肉食べさせてやれやぁ。酷じゃ。

まぁタイトルがRAWなので生肉でないとダメだってことはわかるんですが。あぁなんかホラーの予感・・・。

 

 

 

 

羊の木

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期待度☆☆☆☆★

 

 

2月3日公開

 

  • 出演

月末一・・・錦戸亮

石田文・・・木村文乃

杉山勝志・・・北村一輝 ほか

 

  • 解説

「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八監督が錦戸亮を主演に迎え、山上たつひこ原作・いがらしみきお作画の同名コミックを実写映画化したヒューマンミステリー。

寂れた港町・魚深にそれぞれ移住して来た6人の男女。彼らの受け入れを担当することになった市役所職員・月末は、これが過疎問題を解決するために町が身元引受人となって元受刑者を受け入れる、国家の極秘プロジェクトだと知る。月末や町の住人、そして6人にもそれぞれの経歴は明かされなかったが、やがて月末は、6人全員が元殺人犯だという事実を知ってしまう。そんな中、港で起きた死亡事故をきっかけに、町の住人たちと6人の運命が交錯しはじめる。(映画.comより抜粋)

 

  • 期待どころ

大八先生のことなので、きっと面白い終わり方をしてくれるはず。

 テーマ的には狭い環境で人間同士がどれだけ信じあえるか、みたいな良心に語りかけてくるお話なのかな、と。

それにしても脇役がいいメンツすぎて錦戸くんが霞む・・・。

 それにしても過疎化が進んでるから、元受刑者を受け入れるってのがとんでもない発想。

 

blank13

 

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

2月3日公開

 

  • 出演

松田コージ・・・高橋一生

西田サオリ・・・松岡茉優

松田雅人・・・リリー・フランキー ほか

 

  • 解説

俳優の斎藤工が「齊藤工」名義でメガホンを取った長編監督デビュー作。放送作家のはしもとこうじの実話を基にした家族の物語が描かれる。

13年前に突然失踪した父親の消息が判明した。しかし、がんを患った父の余命はわずか3カ月。父と家族たちの溝は埋まることなく、3カ月後にこの世を去ってしまう。葬儀に参列した人びとが語る家族の知らなかった父親のエピソードの数々によって、父と家族の13年間の空白が埋まっていく。(映画/comより抜粋)

 

  • 期待どころ

 去年の「したまちコメディ映画祭」の目玉だった斉藤工監督デビュー作。どうみてもコメディには思えない内容ですが、予告を見る限りこちらが思ってるような展開にはならない気がする。

どんなに映画が好きでも映画を撮ったら痛い目に遭うぞ、ってのをきっとわかった上で彼はやってくれると思ってます。どんな期待だw

てか、斉藤さん、あれだけ働いて好きな映画観て、あなたいつ寝てるんですか?

 

 

 

 

マンハント

 

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期待度☆☆☆☆★

 

2月9日公開

 

  • 出演

ドゥ・チウ・・・チャン・ハンユー

矢村聡・・・福山雅治

遠波真由美・・・チー・ウェイ ほか

 

  • 解説

「レッドクリフ」「男たちの挽歌」シリーズの名匠ジョン・ウーが、「戦場のレクイエム」のチャン・ハンユーと「三度目の殺人」の福山雅治をダブル主演に迎えたサスペンスアクション。日本でオールロケを敢行し、1976年に高倉健主演で映画化された西村寿行の小説「君よ憤怒の河を渉れ」を再映画化した。

製薬会社の顧問弁護士をつとめる男ドゥ・チウは、パーティの翌朝、社長秘書・希子の死体の横で目を覚ます。現場の状況証拠はドゥ・チウが犯人だと示しており、罠にはめられたと気付いた彼は逃亡を図る。独自の捜査でドゥ・チウを追う敏腕刑事・矢村は、ドゥ・チウに近づけば近づくほど事件に違和感を抱くように。やがてドゥ・チウを捕らえた矢村はドゥ・チウの無実を確信し、警察に引き渡さずともに事件の真相を追うことを決意する。(映画.comより抜粋)

 

  •  期待どころ

 これは高倉健主演の「君よ憤怒の河を渉れ」ではなく、あくまで原作を再映画化したって認識しておいたほうが良いですね。だってあのリメイクやるなら、熊に襲われないといけないし、東京の街のど真ん中でたくさん馬を走らせないとw

 それはまぁいいとして、ジョン・ウー監督を見るのが久々。

ハトと二丁拳銃、そしてスローモーションは今回も健在、のはず。

そこへスーパードライ!に演じるマシャ!きっと日本ではヒットすることでしょう。

一体どんなおもろいアクションが飛び出すやら。

 

 

今夜、ロマンス劇場で

 

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期待度☆☆☆★★

 

2月10日公開

 

  • 出演

美雪・・・綾瀬はるか

健司・・・坂口健太郎

成瀬塔子・・・本田翼 ほか

 

  • 解説

綾瀬はるかと坂口健太郎が共演し、モノクロ映画の中のヒロインと現実世界の青年が織りなす切ない恋の行方を描いたファンタジックなラブストーリー。

映画監督を目指す青年・健司はモノクロ映画のヒロインである美雪に心を奪われ、スクリーンの中の彼女に会うために映画館に通い続けていた。そんなある日、美雪が実体となって健司の前に現われる。モノクロ姿のままの彼女をカラフルな現実世界に案内するうち、健司と美雪は少しずつ惹かれ合っていく。しかし美雪には、人のぬくもりに触れると消えてしまうという秘密があった。(映画.comより抜粋)

 

  • 期待どころ

 この映画年末からやたらCMで宣伝してますよね。公開2月なのに。結構宣伝費もらえてるのか?やっぱ配給がワーナーだからなぁ。

恐らく女性層をターゲットにしたロマコメなんでしょう。綾瀬はるかですし。

でも、どこか古き良き映画を匂わせる演出なんかあるのかなぁと

2月2周目は観たい映画がひしめき合ってるんで、もしかしたら後回しにしてしまうかも・・・。

 

 

 

 

犬猿

 

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期待度☆☆☆☆☆

 

 

2月10日公開

 

  • 出演

金山和成・・・窪田正孝

金山卓司・・・新井浩文

幾野由利亜・・・江上敬子 ほか

 

  •  解説

「ヒメアノ~ル」の吉田恵輔が4年ぶりにオリジナル脚本でメガホンをとり、見た目も性格も正反対な兄弟と姉妹を主人公に描いた人間ドラマ。

印刷会社の営業マンとして働く真面目な青年・金山和成は、乱暴でトラブルばかり起こす兄・卓司の存在を恐れていた。そんな和成に思いを寄せる幾野由利亜は、容姿は悪いが仕事ができ、家業の印刷工場をテキパキと切り盛りしている。一方、由利亜の妹・真子は美人だけど要領が悪く、印刷工場を手伝いながら芸能活動に励んでいる。そんな相性の悪い2組の兄弟姉妹が、それまで互いに対して抱えてきた複雑な感情をついに爆発させ……。(映画.comより抜粋)

 

  • 期待どころ

 ハイ来ました~っ!吉田恵輔監督最新作~っ!!これだけでもう満足度☆6個確定です~!!

ってそんないい加減に決めませんけど、それくらい楽しみにしています。

キャスティングが面白いんですよね。男性陣はまぁ吉田組では珍しいですが、演技は折り紙つき。舞台調で声を張り上げる窪田君を、あえておとなしく兄の前では強く言えない弟にするのが良いかと。

そして女性陣!これは驚いたwどちらも役者じゃなくてタレントで来たか。

ニッチェはまぁわかるとして筧美和子って大丈夫なのか!?見た目良いけど要領悪い=バカってことね。だからグラビアアイドル起用なのか。

まぁみてのお楽しみ。

 

 

 

 ロープ 戦場の生命線

 

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

2月10日公開

 

  • 出演

マンブルゥ・・・ベニチオ・デル・トロ

ビー・・・ティム・ロビンス

カティヤ・・・オルガ・キュリレンコ ほか

 

  • 解説

紛争地帯で人々を救うため奔走する国際援助活動家たちの戦いを実力派キャスト共演で描いたスペイン製ヒューマンドラマ。

1995年、停戦直後のバルカン半島。ある村で井戸に死体が投げ込まれて生活用水が汚染され、国際活動家「国境なき水と衛生管理団」のマンブルゥらが現地に派遣される。しかし死体を引き上げている最中にロープが切れてしまい、代わりのロープを探しに行くことに。1本のロープを求め、武装集団や地雷の恐怖にさらされる危険地帯へと足を踏み入れるマンブルゥたち。やがて不良にいじめられていた少年ニコラと一緒に彼が住んでいた家を訪れたマンブルゥたちは、そこで驚くべき事実に直面する。(映画.comより抜粋)

 

  • 期待どころ

 製作は2,3年前の作品のようですが、デル・トロ、ティムロビンス、オルガってちょっと豪華なキャストに惹かれました。

新宿武蔵野館に行く回数がここ2,3ヶ月多く、その度にこのポスターが目に入って興味が湧いたんですよね。

 結構シリアスな内容ですが、ロープ1本のためにヤバいとこを渡り歩くって光景がコメディになってたりするのだろうか。いや、無いか。

 

 

グレイテスト・ショーマン

 

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

2月16日公開

 

  • 出演

P・T・バーナム・・・ヒュー・ジャックマン

フィリップ・カーライル・・・ザック・エフロン

チャリティ・バーナム・・・ミシェル・ウィリアムズ ほか

 

  • 解説

「レ・ミゼラブル」でも華麗な歌声を披露したヒュー・ジャックマンの主演で、「地上でもっとも偉大なショーマン」と呼ばれた19世紀アメリカの実在の興行師P・T・バーナムの半生を描いたミュージカル。

劇中で歌われるミュージカルナンバーを、「ラ・ラ・ランド」も手がけたベンジ・パセック&ジャスティン・ポールが担当した。

貧しい家に生まれ育ち、幼なじみの名家の令嬢チャリティと結婚したフィニアス。妻子を幸せにするため努力と挑戦を重ねるフィニアスはやがて、さまざまな個性をもちながらも日陰に生きてきた人々を集めた誰も見たことがないショーを作り上げ、大きな成功をつかむ。しかし、そんな彼の進む先には大きな波乱が待ち受けていた。(映画.comより抜粋)

 

  • 期待どころ

 「ララランド」のスタッフと「レ・ミゼラブル」のヒュージャックマン。出会うべくして出会った!!な感じのミュージカル映画なんでしょうきっと。しかも普段忌み嫌われてしまうようなマイノリティたちに光を当てることで、如何に誰かと違うということが輝いて見えるのか、それって素晴らしいことじゃん!てのがテーマなんじゃないでしょうか。

ちなみにララランドのスコアを書いたジャスティン・ハーウィッツが曲を手がけてるわけじゃあないようです。

 

 

 

サニー 32

 

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youtu.be

期待度☆☆☆☆☆

 

2月17日公開

 

  • 出演

藤井赤理・・・北原里英

柏原勲・・・ピエール瀧

小田武・・・リリー・フランキー ほか

 

  • 解説

「凶悪」の監督・白石和彌と脚本・高橋泉が再タッグを組み、ネット上で神格化された殺人犯の少女「サニー」を信奉する男たちに誘拐・監禁された女性教師の壮絶な運命をオリジナル脚本で描いたサスペンスドラマ。

仕事も私生活も今ひとつの中学校教師・藤井赤理は、24歳の誕生日に2人組の男に誘拐されてしまう。誘拐犯の柏原と小田は、「犯罪史上、もっとも可愛い殺人犯」と呼ばれ世間を騒がせた少女サニーの狂信的な信者で、赤理を「サニー」と呼んで監禁するのだが……。(映画.comより抜粋)

 

  • 期待どころ

 今年大注目にして最重要課題と言ってもいい白石和彌監督作品。あの「凶悪」の脚本で株を上げた脚本家高橋泉と再びタッグを組んで、キャストもあの悪~い二人なもんだからこれは見ないわけにはいかない。

しかも、監督5月には東映でヤクザ映画をやるんだから期待大

来年の賞レースではきっと名前が挙がることでしょう。じゃ無かったら映画業界おかしすぎるわマジで。

何はともあれ観ないとね、何も言えません。

 

 

 

ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ

 

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

2月23日公開

 

  • 出演

クメイル・ナンジアニ

ゾーイ・カザン

ホリー・ハンター ほか

 

  • 解説

パキスタン出身の男性コメディアンとアメリカ人女性のカップルが、結婚に向けて文化の違いによる数々の障壁を乗り越えていくさまを、実話をもとに描いたコメディドラマ。

パキスタン出身でシカゴに暮らすクメイルは、アメリカ人の大学院生エミリーと付き合っていたが、同郷の花嫁しか認めない厳格な母親に従い見合いをしていたことがバレて破局。ところが数日後、エミリーは原因不明の病で昏睡状態に陥ってしまう。エミリーの両親は、娘を傷つけられたことでクメイルに腹を立てていたが、ある出来事をきっかけに心を通わせ始め、クメイルもエミリーが自分にとって大切な存在であることに改めて気づいていく。(映画.comより抜粋)

 

  • 期待どころ

 去年末に映画好きの風物詩である「2017年映画ベスト」の中に、ちょこちょこ混ざっていて、何これ?ってなったんですが、どうやらアメリカではかなりの高評価の様子。

 人種の違いや文化の違いを滑稽に描きながらもハートフルに語られるエピソードなんでしょうきっと。

そして僕の好きなゾーイ・カザンの作品を久々に見られるというのも嬉しい要素のひとつ。あなたまだポール・ダノと付き合ってるんですか?

 こちらは、アカデミー賞脚本賞にノミネート。競合ひしめく中から受賞できるのかも注目ですね。

 

 

 

その他の話題作

  • 3日公開

・アバウト・レイ16歳の決断・・・エル・ファニングがトランスジェンダーを演じたヒューマンドラマ)

・スリープレス・ナイト・・・同盟映画をリメイクした作品で、ジェイミー・フォックスが悪徳警官を演じたクライムサスペンス。

  • 10日公開

・アウトサイダーズ・・・マイケル・ファズベンダー主演のクライムアクション。

・悪女/AKUJO・・・「殺人の告白」監督最新作。女暗殺者の悲痛な運命をスタイリッシュアクションで描く。

・スターシップ・トゥルーパーズ/レッドプラネット・・・昆虫型生命体バグと人類が死闘を繰り広げる人気SFアクション第5作をフルCGアニメーションで描く。

  • 16日公開

・リバーズ・エッジ・・・岡崎京子の同名漫画を行定勲監督、二階堂ふみ主演で映画化。

  • 23日公開

・The Beguiledビガイルド 欲望のめざめ・・・ソフィア・コッポラ監督が、トーマス・カリナンの同名小説を女性視点で描く。

  • 24日公開

・空海KU-KAI美しき王妃の謎・・・チェン・カイコー監督が染谷将太ら日本人キャストを迎えて、空海の若き日を日中合作で描く。

 

 

 

 

どちらかというと、前半に話題作、期待作が固まってる気がします。だって、3月も頭からラインアップがやべぇんだよ!!!

とりあえず、アカデミー賞作品は今のうちに見ておこうぜ!

というわけで以上!あざっした!!

 

映画「デトロイト」感想ネタバレあり解説 への字眉毛に震える夜。

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1月26日

デトロイト

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 デトロイト。ときいて思い出すのは、ロックシティ。メタルシティ。野球チーム。自動車産業。そしてモータウンサウンド。そんなところでしょうか。

そんな音楽か車くらいしか連想できないこの街で、かつてとてつもなく大きな暴動が起きたという事実を、ここ最近重苦しい内容の作品ばかり撮り続ける、ジェームズ・キャメロン監督の元妻が手がけた作品が公開です。

アワードシーズンにあわせて来たということでアカデミー賞最有力と宣伝されてますが,

見事にカスりもしなかった本作。

映画評論家の松崎健夫さん曰く、今のアメリカは白人が悪い!みたいな傾向が強いようで、それを考えるとこの映画は、そこまで白人を非難してない内容だから今回ノミネートされなかったんじゃないのか、と指摘。

 では、黒人側にも何らかの落ち度があるような描き方をしているのか?

とりあえずラスト40分がヤバイということなので、それなりの覚悟で観賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

作品情報

昨今の作風が戦場を舞台にしたものが多く、その内容と明かされる真実、緊張高まるシーンの連続に批評家達をうならせ、ついには女性初のアカデミー賞監督賞を受賞したキャスリン・ビグロー

彼女が最新作に選んだのは、アメリカ最大級の暴動といわれる「デトロイト暴動」の最中に起きた戦慄の一夜を描く。

白人警官による黒人への不当な尋問からエスカレートしていく恐怖の一夜を綴る本作は、事件から50年がたった今もなお続く人種差別に対して監督が訴えたいことがこの映画に詰め込まれている。

 

 

 

 

あらすじ

 

 

1967年、米史上最大級の暴動勃発。
街が戦場と化すなかで起きた“戦慄の一夜”

 

1967年7月、暴動発生から3日目の夜、若い黒人客たちで賑わうアルジェ・モーテルに、銃声を聞いたとの通報を受けた大勢の警官と州兵が殺到した。

そこで警官たちが、偶然モーテルに居合わせた若者へ暴力的な尋問を開始。やがて、それは異常な“死のゲーム”へと発展し、新たな惨劇を招き寄せていくのだった…。(HPより抜粋)

 

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監督

今作を手がけたのはキャスリン・ビグロー。

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アカデミー賞作品「ハートロッカー」以降、戦地での内情を抉り出し、センセーショナルで臨場感溢れる映像を突きつけてきた監督。

今回もまた戦争をテーマにした内容なのかと思ったら、暴動と来ました。いわんとしていることはわかります。今のアメリカはこの暴動のギリギリの所まで来ているというのですね。

一体どんな作品を作り出したのか楽しみです。

 

というわけで簡単に監督作品代表作をご紹介。

81年に「ラブレス」で長編映画監督デビューを果たした彼女。

バイオレンスアクションに特化した作品を作り続けた後、新人のFBI捜査官が潜入捜査をしていくうちにボスとの友情が芽生え葛藤していくポリスアクション「ハートブルー」を製作。

ただその後の作品が大赤字を記録し低迷期を迎えてしまっていたが、テロの脅威が続くイラクを舞台に、死と隣りあわせを生きる爆発物処理班の男達を力強く描いた「ハートロッカー」でアカデミー賞作品賞を含む6部門を受賞し、その名を轟かせた。

オサマ・ビンラディン暗殺を巡る驚愕の舞台裏を、CIAの女性分析官中心に描いた問題作「ゼロ・ダーク・サーティ」も話題となりました。

 

 

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キャスト

黒人警備員ディスミュークスを演じるのはジョン・ボイエガ

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はい!「スターウォーズ」のフィン役でも世界的に有名となった彼。

一躍スターダムにのし上がったこの男は、今年も要注目作品が控えているほど引っ張りだこです。

 

 

 そんな彼の出演作を簡単にご紹介。

ロンドンの低所得向けの公団住宅を舞台に、不良集団とエイリアンが死闘を繰り広げていく「アタック・ザ・ブロック」で映画初主演。この出演が決め手となったのか、人気映画の新たなる3部作となった「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」で元ストームトルーパー兵・フィン役として主要キャストに大抜擢。

昨年は、巨大IT企業の行き過ぎた会社戦略を背景に、匿名からもたらされ加熱するネット社会の闇を描いたサスペンス「ザ・サークル」、「スターウォーズ/最後のジェダイ」に出演。

 

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今年は巨大怪獣に立ち向かう巨大ロボットとの地球存続を賭けた戦いを描いたSF映画「パシフィック・リム」の続編「パシフィック・リム/アップライジング」が4月に公開されます。

 

 

 

ホテルに残された黒人達を不当に暴力的に尋問する白人警官クラウスを演じるのは、ウィル・ポールター

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タンタンの冒険」のタンタンが悪い顔になったらこんな顔じゃないですかねw

それか昔のミスドのマスコットの男の子が大きくなったら。

 

ここ最近映画でよく見かけるまでになりましたが、実は彼は少年時代から映画に出演しています。その辺も混ぜて簡単に出演作を紹介したいと思います。

 

厳しい家庭で育った少年が悪ガキと共に、S・スタローンの代表作「ランボー」を模倣した映画作りをしていく中で友情を育んでいく青春物語「リトル・ランボーズ」で映画デビュー。

 

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その後世界的ベストセラーの児童文学を実写化したシリーズ第3弾「ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島」、トラブルに巻き込まれたマリファナの売人が、仕事を成功させるため偽装家族を作り、危険な密輸の旅へと繰り出すコメディドラマ「なんちゃって家族」、巨大な迷路に巻き込まれた若者たちの過酷なサバイバルを描いたヤングアダルト小説の映画化「メイズ・ランナー」、開拓時代のアメリカを舞台に、過酷な大自然の中で一人の男が息子の命を奪った男を復讐する姿を壮大なスケールで描いた「レヴェナント:蘇えりし者」に出演しています。

 

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他の出演者はこんな感じ。

デメンズ役に、「シング・ストリート 未来へのうた」、「フリー・ファイヤー」のジャック・レイナー

フリン役に、「ハクソー・リッジ」、「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」のベン・オトゥール

ロバーツ准尉役に、「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」に出演したオースティン・エベール

アウアーバッハ弁護士役に、「かけひきは、恋のはじまり」、「恋するベーカリー」のジョン・クラシンスキー

グリーン役に、「ハート・ロッカー」、「キャプテン・アメリカ/ウィンターソルジャー」のファルコン役でお馴染み、アンソニー・マッキー

カール役に、「ストレイト・アウタ・コンプトン」、「キングコング/髑髏島の巨神」のジェイソン・ミッチェルなどが出演します。

 

 

 

 

 

一夜の出来事がどれだけ驚愕でおぞましいものなのか。その描写を監督がどう映し出すのか。しっかり目に焼き付けたいと思います。

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

感想

目を背けたくなる映像の連続!!冷酷無慈悲な白人警官の尋問、それに怯える黒人たち。歴史が繰り返されようとしている今へ送る痛烈な社会派ドラマでした!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

胃に胸に心にズシっと重くのしかかる。

無免許の深夜酒場の摘発が発端となり、計5日間もの間、黒人たちによって行われた通称「デトロイト暴動」。国境警備隊や州兵、軍隊まで送り込まれるほど過熱してしまった暴動の中、些細な出来事がきっかけで起きてしまったモーテルでの一夜を、歌手、警備員、そして白人警官の視点から描いた作品。

 

正直言って映画的に面白いのかといわれると素直にYesと返答はできないが、見て損はない作品でした。日本では肌の色からくる差別が行われていないこともあり、いま世界で起きていることを中々知る機会がないわけですが、そういった意味でも非常に価値のある作品だったと思います。

上でも書いたように、白人がとにかく悪い!という描写ではなく、中には白人が黒人を助けるようなシーンもあったり、モーテルでの一連の騒動は、黒人の悪ふざけから起きたことを考えると、白人が絶対的な悪とは言い切れない気はします。

しかしながら、その後の白人警官たちの極悪非道な尋問があまりにもひどすぎて観てられません。

証拠もないのにひたすら脅して暴行を加えて、挙句の果てには銃で人を殺してしまう。それを仕方のないことで片づけようとする。誰かに話したらただではおかない。自分たちに、非は、ない。

その事件のあと描かれる裁判のシーンも決して気持ちが晴れやかになるような流れにはならず、最後まで重く釈然としないまま終わるので、スッキリすることはないかと思いますが、今現実で再び起きるかもしれない状況を考えると、避けて通れない映画だなぁと。

 

ダムが決壊するとき、一つの小さい穴から水が漏れたことで、その穴が大きくなりやがてせき止めていたものが壊され、歯止めが効かなくなるんですよね。止め方がわからないわけです。全部流れるまで待つしかない。

この映画で描かれている暴動も尋問も一緒で、一つの些細なきっかけが大きな騒動へと拡大していってとんでもないことになってしまう。

 

そんな事の顛末をあらゆる視点から描き、徹底的にリアルを追求したことで緊張感を生み出した監督の手腕が光る作品だったのではないでしょうか。

 

 

本筋までの経緯

黒人たちが北部への移動を開始した20世紀初めから、事件直前までのデトロイトでの歴史をアニメーション形式で語られる冒頭。これから描かれるお祭り騒ぎのような暴動がどれだけ見るに堪えないものか、この時はまだ想像もできなかった。

 

劇中では黒人たちが腹いせに白人たちを傷つけるようなことはしない。ひたすら店の中を荒らし、モノを盗み、火炎瓶を投げて火事を起こし束になって喚いている。

今まで溜まった鬱憤を晴らすかのように、とにかくやりたい放題だ。

 

そんな彼らを暴力で鎮めようとする警察官たち。力には力で抑えることが近道なのは招致だが、あまりの大事に見境が無くなり、無抵抗な黒人にまで手を下す画があちこちで描かれている。

しかも窓から覗く少女を狙撃者と勘違いし一斉射撃をする。どこから狙われてもおかしくない状況から漂う緊張感が、大きな悲劇を招いたとされる象徴的なシーンに感じた。

 

それを横目にパトロールを続ける3人の白人警官。今回問題を起こすクラウス、フリン、デメンズだ。彼らは僕らに頼っている、僕らでないとできないことがあると強い正義感を持っている様子が言葉から読み取れるが、その正義感が歪んだものというのもここではまだ想像できていなかった。

 

店から食材を盗んだ黒人を見つけ現行犯逮捕しようと車から降り、走って追いかけるクラウスとフリン。足の速い黒人に追いつくことができず、発布禁止令が出ているというのにもかかわらず、クラウスは無抵抗の黒人を背後から狙撃。脇腹に命中するも結局捕らえることはできない。

後に彼は病院に運ばれるも命は持たなかった。その報告はデトロイト警察に届きクラスは上司に呼び出される。

 

なぜ銃で撃ったのか。それは彼の過大解釈からの選択だった。略奪者は犯罪者だ。盗みに入った時にもしかしたら殺人を犯していたかもしれない。そんな奴かもしれない黒人を警察は取り逃がすようなことをしたら、住民からどんな目で見られるか。だから発砲しないわけにはいかない。

こんなことを真顔で平然と自分が正しいかのように喋るクラウス。

実際相手はモノは盗んだかもしれないが武器を持っていない、ただ逃げているだけ。捕まえられないのは警官の足が遅いせい。そして無抵抗な市民に向かって銃を向け傷を負わせ、結果死んでしまったのである。いくら警官とはいえ立派な殺人だ。

 

こんな権力を盾に差別的行為を平気で行うクラウスの本性がこれから暴かれるわけです。

 

ウィルポールターが魅せる狂気。

この映画で抜群に僕らを怖がらせるのがクラウス演じるウィル・ポールターです。

決して怖い顔つきではなく、どこか温和で若干幼さの残る、笑顔の似合う青年の顔つきですが、その人懐っこさとのギャップが観る者をすくみ上らせるわけです。

序盤での「え?俺悪いことしてないよ?」みたいな善悪の分別もつかない態度なんて序の口。

モーテルに突入するや否や逃げる男を銃で瞬殺。おい、さっきそれやって怒られたばかりだろ。またやっちまった!って顔すらもしない。平然と正当防衛だったという証拠を作り、モーテル内にいる男女を壁に手を付けさせ尋問開始。

この中に犯人がいるのはわかっている。いったい誰が撃ったんだ!

もう決めつけです。この中に犯人がいるていで尋問しています。そしてここから白人警官たちによる「死のゲーム」が始まるわけです。

 

一人ずつ個室へ呼び、喋らないと撃つぞ!と脅し、耳元で銃声を聞かせビビらせたのち、黙ってひざまずいていろと命令。こうすることで、仲間が死んだものと思わせ、他の誰かが自供するだろうと画策するんですね~。

ちなみにこの間、クラウスのへの字眉毛は、もはや反りあがり過ぎて定位置を見失っている蛯原友里の笑顔と同じ状態。歌舞伎役者も顔負けの眉毛っぷり。

もう怒っているんだか笑っているんだか、感情がごっちゃになっています。

 

全員あれこれ尋問しても犯人が出てこないことや、口答えする奴も出てきて苛立ちが隠せないのか、額は油汗をかき、徐々に焦り出してくるクラウス。これも狂気に拍車をかける感じで、緊迫状態はさらに高まってきます。

 

この白人警官たち、すごく決めつけるんですよね。こいつらの誰かが銃を持っていて俺たちに発砲してきたこととか、美容師の女の子が黒人と部屋にいたからというだけで売春婦と決めつけ、その黒人のグリーンも戦争帰りで仕事探しているっていってんのに、違うとか言ってひたすら殴る蹴る。

どうしてそうなっちまうのか。

 

この一夜の後裁判に突入するんですが、その時のクラウスの顔も嫌味な顔をしています。頬杖をついて早く終われみたいな態度だし、とにかく自分がやらかしたことに、早く銃を出さないからこうなるんだと、全く非がない、自分に落ち度がないと思っているのがマジで怖い。

 

どこか腑に落ちない。

見終わってふと思ったのは、尋問の時、なぜ黒人たちは「あれはオモチャの銃だったんだよ!誤解だよ!」と誰一人言わなかったのか。そして、なぜ警官たちは殺してしまった男の遺体から銃を探そうとしなかったのか。

どこかお互いがお互いを信用しな過ぎて、肝心の事をスルーして事が運ばれているように思えました。

確かに序盤モーテル内でポールたちが、黒人たちはちょっとのことで警官に職質されて、何かの拍子で逮捕させられるような理不尽なことばかりだっていうのを冗談半分でやっていて、実際なんか言っても聞いてくれない、何か言ったら殺される、というのが条件反射になってるとすると、本当のことを言えなかったというのは理解できるんだけど。

警察側も最初こそ躍起になって銃を探していたのかもしれないけど、途中から言うことを聞かない黒人たちにただただ怒りをぶつけていただけのようにも見える。

実際脅して吐かせる「死のゲーム」だって言ってるくらいだし、クラウスに関しては一度無抵抗の黒人を撃ったことできついお灸をすえられてるから、それの鬱憤晴らしだったのかもしれないし。

 

まとめ

色々切り取っての感想になりましたが、無抵抗の黒人を白人警官が射殺するという事件は今も起きています。近年はそれが多発しているそうで、かつてアメリカではこんな哀しい出来事があったのに、あなたたちはまだ繰り返すつもりですか?という監督の痛烈なメッセージとも取れる作品でした。

この事件を機に、心にしこりを残したまま暮らしている人物を配置していることから、どれだけ悲惨な事件だったのかが理解できるかと思います。

 

しかし、終わり方もどこかしっくりきません。

ジョン・ボイエガ演じるディスミュークスは、黒人でありながら警官側にも立てる中立的立場で、事のすべてを目撃しています。このモーテルでの非人道的な事件で黒人を救えるのは彼しかいないのに、彼は何もできません。しかもその後起きる事に軽く衝撃で。

何が言いたいかって、一夜での出来事はどう見たってクラウスたちが悪いので、こいつらに怒りの鉄槌を食らわせられるのは彼しかいないはずなんです。なのに、全然予想してない事態が起きて、結果何もできずに終わってしまう。結局彼の立ち位置は何だったのか?って話です。

 

事実に基づく話なので、なんでもかんでも結末をキレイにできるわけではないのですが、このモヤモヤを何かしらキレイに締めてくれるような流れが欲しかったというのは本音です。

納得できないことがいくつかありましたが、それ以上に劇中の黒人たちは警察のやり方に裁判の判決に納得がいかなかったでしょう。そう考えたら俺のこの映画に対する納得できなかったって感想なんてかわいいもんです。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

映画「ダークタワー」感想ネタバレあり解説 超大作の原作を凝縮し過ぎて旨みナシ。

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1月27日

ダークタワー

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1月公開の洋画は、娯楽モノの中規模作品が毎週公開されるようになって来たので、気楽に観賞できるのがいいんですが、まぁお客さん少ないよね・・・。

何年か前から危惧されてますけど、大規模と小規模はお客さん入るけど、中規模はここんとこ最近めっぽうダメ。

せめてこれはお客さんはいってほしいなぁ。

 というわけで、「IT」で大ヒットを記録したスティーヴンキング原作の映画がまたしても公開。しかも西部劇っぽいニオイとSF要素が混ざった男VS男の映画!

楽しそうだ!!

というわけで、早速観賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 

昨年中高生を中心に話題を呼び大ヒットした映画「IT/“それ”が見えたら終わり」。この原作を執筆したスティーブン・キングの原点ともいえるべき小説を今回満を持して映画化。

塔を守る男とそれを壊そうとする男の熾烈な戦いを、現実世界と中間世界をまたに駆けて繰り広げられる。

今までの原作作品とは一線を画した、スティーブンキングの壮大な世界観と壮絶なアクションを堪能できる1作。

 

ダーク・タワー1 ガンスリンガー (新潮文庫)

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あらすじ

 

 

ニューヨーク。

少年ジェイク(トム・テイラー)は毎夜同じ夢にうなされていた。“巨大なタワー”“拳銃使いの戦士”そして“魔術を操る黒衣の男”…


ある日、この現実世界と夢で見た≪中間世界≫と呼ばれる異界が時空を超えて繋がっている場所を発見する。すべては実在したのだ――。


中間世界に導かれたジェイクは、そこで拳銃使い<ガンスリンガー>(イドリス・エルバ)に出会う。彼は2つの世界のバランスを保つ塔=ダークタワーの最後の守護者であり、タワーの破壊を目論む<黒衣の男>(マシュー・マコノヒー)を倒すため旅を続けていた。


一方、ジェイクこそが唯一タワーを破壊できる特殊能力を秘めた存在であることに気づいた黒衣の男は、その強大なパワーを求め、ジェイクたちの前に立ちはだかるが――。(HPより抜粋)

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監督

監督はニコライ・アーセル

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今回はじめて聞く名の監督なんですが、ハリウッド映画はこれが初のようです。

どんな作品を手がけてきたかというと、ジャーナリストと天才女ハッカーが、孤島に暮らす大企業経営一家の謎に迫る「ミレニアム/ドラゴン・タトゥーの女」で脚本を担当し、英国アカデミー賞脚色賞にノミネートされます。

その後、監督作として評価されたのが、デンマークでは王室史上最大のスキャンダルとも言われた18世紀後半の実話を映画化した歴史エンタテインメント「ロイアル・アフェア/愛と欲望の王宮」で、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされました。

 

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 次回作は、マット・デイモン主演でロバート・ケネディの伝記映画に挑戦とのこと。そちらも楽しみですね。

 

 

 

 

キャスト

ガンスリンガー/ローランド・デスチェインを演じるのはイドリス・エルバ。

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最近は話題作に引っ張りだこの彼。一時は「007」のジェームズ・ボンド役候補にまで名を連ねましたが、ダニエル・クレイグ続投ということで、初の黒人ボンドは次の機会に。でもなったらなったで反発多そうだなぁ。

 

そんな彼の代表作を簡単にご紹介。

28日後・・・」の続編に当たる「28週後・・・」などのイギリス映画で出演を重ね、神の世界から追放された男がヒーローとして成長を遂げるマーベル映画「マイティ・ソー」で、アスガルドの門番ヘイムダル役として後3作に出演。

これを機に大作映画に顔を出すようになり、人類の起源を探す旅に出るクルー達を描いたリドリースコット監督のSFホラー「プロメテウス」や、巨大怪獣に立ち向かうロボット操縦士たちの姿を描いた「パシフィック・リム」、新たなる惑星を探索するクルー達の冒険活劇第3弾「スタートレックBEYOND」などで存在感を発揮しています。

また、「ズートピア」や「ジャングル・ブック」で声の出演もしています。

 

www.monkey1119.com

 イドリス・エルバが注目されたのはこのNetflix映画。この中で反乱軍の司令官として、少年達を兵士に育てる男を熱演しています。怖いです。

 

 

 

黒衣の男/ウォルターを演じるのは、マシュー・マコノヒー。

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去年は「ニュートン・ナイト/自由の旗を掲げた男」、「SING/シング」、「ゴールド/金塊の行方」、そして「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」とアニメーション映画や小規模映画に出演。

恥ずかしながら「SING/シング」しか見てないモンキーは、マシューに飢えていますw

既に写真からかなりおっかない表情になってますけど、どんな悪役をやってくれるのか楽しみですね。

 

そんな彼の代表作をザックリ。

アメリカの人種問題をテーマにした法廷サスペンス「評決のとき」で主役の座を勝ち取りブレイク。その後、一人の女性が地球外生命体とコンタクトしていく姿を、宗教や政治などを織り交ぜて描いたSF映画「コンタクト」、奴隷制度が横行していたアメリカを舞台に、それに疑問を投げた元大統領の姿を描いた「アミスタッド」などで、若手俳優としての地位を確立していきます。

近年は歳を重ね、演技に貫禄も出てきたことで演技面で高い評価を獲得。高級車の後部座席で仕事をこなすやり手弁護士の姿を描いた法廷サスペンス「リンカーン弁護士」、謎のとことであった少年達のひと夏の冒険と成長を描いた「MUD-マッドー」、男性ストリッパーの世界で巻き起こる葛藤と友情を華麗なショーと共に描く「マジック・マイク」など賞レースにも顔を出すほどに。

そして、実在したエイズ患者が未承認でも有効な治療薬の販売ルートを確立していくヒューマンドラマ「ダラス・バイヤーズ・クラブ」での体当たりな演技が評価され、念願のアカデミー賞主演男優賞を獲得

実在の株式ブローカーの成功と転落をユーモラスに描いた「ウルフ・オブ・ウォール・ストリート」や、新たな惑星へ移住するための探索と、その計画に翻弄させられる一組の父娘の絆を壮大なスケールで描いたSF超大作「インターステラー」にも出演し、ハリウッド映画に欠かせない一人となっています。

 

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他のキャストはこんな感じ。

鍵を握る少年ジェイク役に、TVドラマ「女医フォスター 夫の情事、私の決断」に出演中のトム・テイラー。

アラ役に、「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」でチョ博士を演じたキム・スヒョンなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

2大ハリウッドスターの攻防戦に期待のSFアクション映画。一体ダークタワーとは何を現してるのか。いつもどおり原作読んでませんが楽しみです!

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

 

 感想

少年と孤高の男が力を合わせて世界を救う!現代西部劇の匂いを醸し出しながらSFファンタジーの世界観を見事に融合させた、冒険譚にして成長譚映画でした!しかし尺が足りない・・・。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界観は好きだ。

子供たちが大きな機械に座らされ苦しみもがく。それを原動力に機械から大きな光が叫び声と共にタワーめがけて放たれる。それと同時に少年ジェイクは夢から覚める。現実の世界では、大きな地震が起きていた。NYや東京、ベルリンでも同じような地震が相次ぎ、原因はわかっていない。

しかしこの地震は夢の世界で起きていることと繋がっているとジェイクはセラピストに話す。

父が亡くなってから彼は1年以上も同じ夢を見てスケッチに残し、訴えてきたが誰も信じてくれない。唯一血のつながった母でさえも。

見かねた母と再婚した父は彼を別のクリニックへ行かせる。そこへ迎えに来た2人の男女の様子がおかしい。よく見ると手は痙攣し、耳の後ろにはツギハギの痕。

夢で見た人物と同じだった。

 

ジェイクは確信する。夢で見たことは現実と繋がっている。そして何かが起きていると。

ジェイクは手がかりを頼りに追っ手を撒き一人旅立つのだった。

 

父を亡くしたことで塞ぎ込んでいた主人公ジェイクが、ガンスリンガーに父の面影を重ねながら少しづつ成長していく過程を見せ、同じように父を亡くした孤高の戦士ガンスリンガ―もまた、ジェイクと触れ合うことで心を開いていく姿を見せていく成長譚でありました。

そして荒れた砂漠、夜の薄暗い森の中、寂れた集落といった西部劇さながらの世界観と対照的に、黒衣の男ウォルターが拠点とする巨大建造物と周囲の施設が近未来的であり、この2つを合体させた中間世界と現実世界のNYを行き来することで、なんともいえないSF映画としてうまく構成されていたように思えます。

 

キャラクターも面白い設定で、黒衣の男ウォルターは魔術を使うことでいとも簡単に人間を操り、自分の分身をどこへでも投影したり、サイコキネシスを多用したりと、結構なんでもできちゃう強さ。

はっきり言って強すぎます。

彼の手下たちも人間に扮した化け物で、全員が耳の後ろにツギハギの痕があり、ウォルターがいない時はそれをはがして作業していることも。

 

逆にガンスリンガーローランドは、仲間をすべて失い、塔を守ること以上にウォルターに復讐することで頭一杯の男。二丁拳銃スタイルで敵を仕留めます。

なぜ彼だけが生き残っているのか。それは心が強いからです。心の強い者にはウォルターの能力が効かず、それを逆手にとってウォルターは仲間たちを殺すことでローランドの心が乱れることを狙う作戦だったわけで。

だからうかつにウォルターはローランドに近づけないので、とにかく投影した姿で現れ精神的に追い詰めるんですね。

 

現実世界もその他の世界も、塔が存在することで均衡を保っているんですね。で、この塔を中心とした円の外側は宇宙の外側として果てしなく闇が広がっており、この塔が壊れると闇から化け物たちが放たれてしまい、どの世界も崩壊の一途をたどってしまうのであります。

それをしようとしているのがウォルターであり、それを阻止しようとしているのがガンスリンガーなのであります。

この膠着状態を打破できるのが主人公ジェイクなんですね。

 

こういった設定がどう機能していくのかが楽しみにしていたわけなんですが。

 

序盤はワクワクしていたが・・・

スティーブンキング原作の映画は大体同じ感じがするんですが、徐々に恐怖感を煽っていくことで、好奇心と緊張感を与え、物語に没入させてくれるのがいいことろだと思っていて、まさに序盤のジェイクが疑惑から確信に入っていくまではすごくよかったんですね。

夢の中の話を見せた後、その夢を誰も信じてくれない孤独さをきちんと表現してるんです。

それが爆発するのが、学校で画をクラスメートから奪われて、感情が爆発して殴りかかるというもの。「IT❝それ❞が見えたら終わり」でもそうでしたが、やはり主人公の少年はいじめられっ子だったり、クラスの中心的存在ではないのがお決まりで。ただ今回はやり返しているのが違ったかな。

家に帰っても、母親は新しい父親の言いなりになっていて自分を信じてくれない。その連れ子も、仲は良いようですが、お前イカれてるよ~くらいで話を流してしまう。

 

全ては消防士だった父親が事故で亡くなってしまったことからくる弱さだったのかもしれません。

学校で問題を起こしてしまった以上、これはどこか施設に預けたほうがいいという新しい父親の意見で、学校が提供してくれた施設に週末いくことになり、その迎えの人が来るんですが、これが明らかに変だとジェイクは気づくんですね。

もうこの辺はどうやって逃げるんだジェイク!いちいち親を説得してもしょうがねえだろ!早く逃げるジェイク!と気持ちが入っていました。

 

そしてうまく撒いたことで、夢で見た一軒家の場所へ向かい、中間世界へと入っていくんです。

 

しかしここからのガンスリンガーとの旅路はイマイチ。旅の途中で起こるアクシデントはそれなりにファンタジーで西部劇でかっこいいし魅力のある描写だったんですが、肝心のこの二人の掛け合いが微妙。

最初こそ誰も寄せ付けない空気を持っていたローランドですが、急に優しくなるんですよね。できればガキは嫌いだ!くらいの孤独さを出してもらって、ジェイクがピンチを重ねるごとに少しづつ優しさが芽生えていき、絆が生まれるみたいな方が物語的に二人の関係性が活きてくると思うんですが。

夜中むくっと起きて森で迷子になったジェイクが闇に襲われるときも、もっと怒ればいいんですよローランドは。森に近づくなといったろ!とか。

 

銃弾に限りがあるからって現実世界で調達する件とか、化け物から受けた傷が現実世界での病院で点滴と投薬で完治しちゃうってのもショボすぎる・・・。

最後ウォルターと対峙するときに傷だらけでジェイクを守りながら戦うから画になるし、物語が映えるってもんで、それを途中で回復してしまうのはなんか物語的にどうなんでしょうか。しかも残り何発って方がラスボスと戦う時に緊張感が生まれるし、そっちも充填しちゃったらドラマ性に欠けるじゃんと。

 

クライマックスはアガる!

この不満を解消してくれたのは最後のドンパチバトルでした。

当初ローランドは銃をリロードするときに、もんのすごい速さで弾を充填するんです。これはこれでカッケ―ってなるんですけど、現実世界で銃弾を調達してからはベルトにきちんと6発ずつ弾が入るポケットのついたベルトをつけて戦うんですね。

これにしたらだいぶ早くなって、リボルバーをベルトで滑らせながら充填して、振り返ってばBANG!BANG!BANG!ですよ!!お~っ!!っと思わず声をだしてしまいましたねw

それからは大人数で敵がガンガン銃でぶっぱなしてきても、スルリとかわして銃を撃ちまくる姿は圧巻です。

アクロバティックに華麗に飛んで撃ち殺したり、上下左右に散らばる敵を瞬時に察知して二丁拳銃を交互に撃ったり、手をクロスして撃ったり、高いとこからジャンプして敵を仕留め、そのまま敵に突っ込む!(思いっきりワイヤーでしたけどw)。

視点がスナイパーのスコープに切り替わったらそこへローランドがひょこっと顔を出して弾が命中!こういう敵から視点で彼の活躍を見せるのも非常に効果的でしたね。

最後はガスボンベ投げて銃で大爆発!いいねぇ良いねぇ!とニコニコしながら見てましたw

 

そしてウォルターとの一騎打ちですが、例えていうならマトリックスのようなバトルでしょうか。どっちがマトリックスってウォルターのほうですけどw

ローランドの銃弾を能力で止め、瓦礫を能力で飛ばし、ガラスの破片も能力で飛ばしってほぼ無敵じゃねえかっ!これをローランドはどうやって打破するか。まさかの銃弾が壁に反射して攻撃するというもの。こっちもある意味超能力じゃねえかw

途中で「我は心で撃つ」って言って敵の居場所を聴覚で感じ取って狙いを定めて仕留める件があるんですが、そっちの方が現実的というかガンマンとしてカッケー!!って思ったんですけど、ラストでこんなのみせちゃ、その途中の件が意味ないじゃんと。

 

しかもウォルターをどう仕留めるのかってのも意外なとどめでちょっとがっかり。

なんかもっと工夫を凝らしたとどめを刺してほしかったですね~。

その後の件もまぁ雑な片づけ方で。

あれ、結局グチになっちゃった・・・。

 

最後に

きっと面白くなかったと思える原因は全7作もある原作を100分にも満たない上映時間でまとめてしまったことでしょう。せめてあと30分延ばして、ジェイクとローランドの関係性をもっと密にしてほしかったなぁと。

世界観は素晴らしいのに、登場人物の魅力が削がれちゃってて、結局ガンスリンガーたちはこれまでどんなことをしてきたのかとか、ウォルターはどうやって中間世界へ攻めてきたのかとか、もしかしたら過去に二人は戦っていたのかもとか、色々背景を描けたはずだし、ジェイクが持つ能力「シャイン」が勝手にどんどん開花してきたけど、あれも使い方によっちゃもっと活用できたんじゃないか?とか、とにかく要素をうまく生かしてない背景が弱いなど、もったいないことばかりなんです。

 

イドリスエルバの孤高の戦士としての立ち振る舞い、そこから魅せるほのかな優しさのギャップがめちゃめちゃかっこいいし、マシューマコノヒーの頬のコケっぷりから醸し出される怪しいいで立ちは見事。キャラがハマっていたのでこれも非常にもったいないなぁと。

結局あの塔は何なの?何があるの?

 

続編はやるんでしょうか。てかこれTVドラマ案件じゃないの?

とりあえずNetflix辺りでご検討よろしくお願いしますw

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10


映画「祈りの幕が下りる時」感想ネタバレあり解説 丁寧に施した展開に引き込まれる涙のミステリー。

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1月27日

祈りの幕が下りる時

 

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一応TVドラマ「新参者」は当時見ていて、異色の刑事ドラマ、いや刑事ミステリーといったほうがいいのか、それなりに楽しませてもらって。山下達郎の主題歌が良かったんですよね。

麒麟の翼」もレンタルですけど観賞してるし、最後の新参者シリーズだからチェックしとくかってことで今回観賞しようと。

TBSも映画にするコンテンツがないから大変ですね。過去の実績のあるものでないと企画も通らないのでしょう。まぁ業界の心配はさておいて、早速観賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

東野圭吾原作の「加賀恭一郎」シリーズ。後にTVドラマ「新参者」として放送され、2本のスペシャルドラマ、1本の実写映画と人気を博してきた作品が今回で最終章を向かえる。

日本橋署に配属された加賀が、謎に満ちた事件を解決していくと同時に、傷ついた人の心の謎も解いていく、ミステリーとヒューマンが混ざった「泣けるミステリー」の代名詞ともなった今作は、主人公・加賀自身最大の謎が明らかになることでも話題を呼んでいる。

「事件によって心が傷つけられた人がいるなら、その人だって被害者だ。そういう被害者を救う手立てを探し出すのも、刑事の役目です」そんな信条を持つ刑事・加賀恭一郎の最後の事件が幕を開ける。

 

祈りの幕が下りる時 (講談社文庫)

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映画「祈りの幕が下りる時」オリジナル・サウンドトラック

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東京

東京

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

東京都葛飾区小菅のアパートで女性の絞殺死体が発見される。
被害者は滋賀県在住の押谷道子。
殺害現場となったアパートの住人・越川睦夫も行方不明になっていた。
やがて捜査線上に浮かびあがる美しき舞台演出家・浅居博美(松嶋菜々子)。
しかし彼女には確かなアリバイがあり、捜査は進展しない。
松宮脩平(溝端淳平)は捜査を進めるうちに、
現場の遺留品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることを発見する。
その事実を知った加賀恭一郎(阿部寛)は激しく動揺する。
それは失踪した加賀の母に繋がっていた――。

加賀恭一郎“最大の謎”がついに明らかに。(HPより抜粋)

youtu.be

 

 

 

 

 

監督

監督は福澤克雄

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出演者からは「ジャイアン」ににてることから「ジャイさん」という愛称で親しまれてるお方(A-studioで度々ゲストが言ってますよね)。

半沢直樹」を機に「下町ロケット」、「ルーズヴェルトゲーム」、そして去年の「陸王」と池井戸潤原作ドラマは彼ばかり。TBSの売れっ子監督さんなんですねー。

まぁどれもこれもカメラ目線で顔のどアップばっかりの演出ですけども。あとスローモーションでしょ、話が先に進まない勿体つけるやり方。あと甲高いオーケストラのBGMね。おっと悪口ばっかりだ。

この方は監督というよりかは、TBSの社員なのでTVマンという呼び方のほうがいいはずなんですが、一応1作は監督を務めてるということで。

で、彼の記念すべき監督作がこれ。

 

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命令されて米兵を殺したってことで戦犯扱いされた男の悲しい末路を描いた戦争ドラマ。

なんだかんだいってもですね、この中居くんは最高の演技してますよ。 判決下った時と、死刑執行をまもなく迎えるときの絶望的な表情。あれは切羽詰るものがありましたね。

 

 

 

 

人物紹介

 

 

左上より。

加賀恭一郎(阿部寛)・・・警視庁日本橋署刑事。鋭い洞察力で複雑な事件を解決に導いてきた。剣道の実力者。

浅居博美(松島菜々子)・・・事件のカギを握る美しき舞台演出家。

松宮脩平(溝端淳平)・・・警視庁捜査一課の若手キャリア。加賀が日本橋署に配属され手から共に捜査にあたる。加賀の従兄弟。

金森登紀子(田中麗奈)・・・看護師。加賀の父親・隆正を看取った。

加賀隆正(山崎努)・・・病死した加賀の父。元刑事。

田島百合子(伊藤蘭)・・・失踪した加賀の母親。

浅居厚子(キムラ緑子)・・・行方不明になっている博美の母。

大林(春風亭昇太)・・・警視庁捜査一課刑事。

???(小日向文世

???(及川光博

 

 

「新参者」シリーズのおさらい

 

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舞台となるのは「日本橋・人形町」。一人の女性が殺害された。その捜査にあたるのは、日本橋署に転属したばかりの新参者=刑事・加賀恭一郎。被害者の女性は、誰に、なぜ、殺されたのか…。捜査線上に浮かび上がる商店街の住人達を、1話に1人クローズアップしながら真相に迫っていくという、連続ドラマとしては非常に斬新な構成となっている。事件を解決するだけではなく、持ち前の鋭い洞察力と推理力で、加賀は人形町の人々の「心の謎」をも紐解いていく。(HPより抜粋)

 1話完結ではありますが、ひとつの事件を追っていく過程で一人ずつあたり、結果事件と関係ないんだけど、その人を救っちゃう人情味溢れる刑事のお話になってます。

毎回たい焼きが食べられないというお決まりのシーンで笑いを誘っていたのを良く覚えてます。

黒木メイサ向井理がレギュラーとして出演していたほか、ゲストとして香川照之波瑠などが出演しています。

 

 

 

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「新参者」の2年前、加賀が練馬署にいた頃の事件。

住宅街で少女の遺体が発見され、捜査線上に、ある平凡な家族が浮かび上がる。「新参者」とは対照的に、最初に犯人が提示され、加賀の鋭い洞察力と推理力により、家族の中で起こった悲劇が次第に明らかになる。そして元刑事である加賀の父・隆正が登場。事件の捜査と並行して、加賀親子の間にある深い悲しみと愛情の物語が描かれる。(HPより抜粋)

 

 スペシャルドラマを見ていないので、なぜ麒麟の翼で父親の件が語られているのかわからなかったんですが、ここで描かれていたんですね。

ドラマから2年前の話ということで、レギュラーキャストの関係性のきっかけを描いているとのこと。

 

 

 

 

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映像化されたシリーズの中でも時系列的に最も古い物語。

本作は、加賀の捜査スタイルを形成した過去が明らかになるヒントも秘められ、いつも冷静で硬派な加賀が、ヒロインに抱く恋愛的な感情を垣間見ることができる珍しい作品。(HPより抜粋)

 

 「麒麟の翼」の後に放送しながらも、「赤い指」よりも前の話ということで、これが新参者シリーズの中で一番時系列が古い作品だそうです。

そのため脩平は登場せず、父親は元気に登場、加賀の階級も低いと様々。

 

 

 

麒麟の翼~劇場版・新参者~ Blu-ray通常版

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東京・日本橋、翼のある麒麟像の下で男性の刺殺体が発見される。被害者・青柳武明(中井貴一)のバッグを持って現場から逃走した容疑者・八島冬樹(三浦貴大)は逃走中に車に轢かれて意識不明の重体に。八島の恋人・中原香織(新垣結衣)は八島の無実を訴え、加賀恭一郎は独自に捜査を進めていく。(HPより抜粋)

 既に6年が経ってるため細かい内容は正直覚えてませんw

ですが、キャストが今考えるとハンパない。ガッキーは当たり前として、松坂桃李菅田将暉山崎賢人と今主役を張る役者が勢ぞろい。

そして中井貴一演じたサラリーマンの真相に涙です。

 

 

 

 

 

 

ハイ、全然おさらいって内容ではありませんが、ずっと見ていたはずなのに、パッと思い出せない人にとっては、いい引き金になったのではないかとw

今回最後の新参者、加賀は一体どうなるのか、そして今回の事件の顛末は。

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

感想

人はなぜ嘘をつくのか、その裏に潜む謎を丁寧にあぶり出し、明かされる真実に涙する。「新参者」シリーズの中でもかなり見ごたえのある作品でした!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グイグイ引き込まれる。

アパートで絞殺された腐乱死体の捜査に乗り出した松宮ら刑事たち。共通項が多いことから、河川敷でのホームレス焼死体事件と関係していることに目を付けた松宮は、叔父である加賀に相談をする。

すると、ある手掛かりが加賀の母親の遺品と繋がっていく。なぜ加賀の母親の事件が関係していくのか。アパートで殺した犯人は誰なのか。そして焼死体は誰なのか。

いくつもの推理が振出しに戻る中、ある一人の女性が捜査線上に浮かんでくる。彼女もまた加賀と大きくかかわる人物だった。

 

そこまで期待していなかったものの、意外と丁寧に順を追って推理していく話の運び方や、ドラマとはひと味違った物静かな雰囲気、謎解きで明かされる壮絶な過去など、要所要所で人物の感情を見事にとらえ、観衆の心をうまくつかみ、最後まで飽きの来ない工夫を凝らした作品だったと思います。

 

モンキー的には、加賀が登場するタイトルバックまでのシークエンスに、おぉ~そうやって加賀に繋がってくるのか!なるほど!と感心しながら見ていたこともあり、序盤は好奇心が高まりました。

ここ凄くよくて、何がいいって冒頭が16年前から始まって、死んだ母親の過去を知人から聞く加賀が出てくるんですけど、現在になるとパタッと出てこないんですね。それまでは松宮主導で事件の捜査を中心に物語が進むんです。松宮も成長したなぁとか思いながら彼の推理を楽しむシーンだと思うんですけど、やっぱりあるところで足踏みしてしまう。

手がかりになる人物まで行くんだけど、これといったものがなく帰ろうとしたその時に、その人物と加賀の写真が写ってタイトルバック!

よ!待ってました!名推理!みたいな感じですよ。ここからあなたがどんどん人の心を読み取っていくんでしょ~?なんてすごく期待値が上がるように描かれてるんですね。

 

そして加賀が登場してからというもの、これはもう阿部ちゃんがすごいんですけど、彼のセリフひとつひとつに説得力があり、蕎麦もうまそうに食うし、人魚や気もうまそうに食うし、カレンダーに書いてあった橋の名前を聞いた時の、微動だにしない真顔を見て、いい芝居するなぁ阿部ちゃんと。

 

それから仙台や滋賀を足で捜査する刑事たちや、個室にこもって虫メガネで何百枚もある写真から手がかりを探そうとする汗だくの加賀、何度も行われる捜査会議など、昨今のプロファイリングやら科学捜査みたいな、汗をかかない刑事モノではなく、男クサくて泥臭くて、どこか昭和の刑事ドラマを見ている気にもなりました。

 

謎が次々に明かされる。

冒頭なぜ16年前の出来事を描かなければいけなかったのか。

これは加賀が16年もの間日本橋署に居続けた理由に繋がってくるんですね。

加賀の母、田島百合子は一度旅行おで訪れた仙台に身を寄せスナックで働いてましたが、心不全により他界。それまで仲良くしていた男性がいたようで、彼が時々日本橋に行っていた事を聞かされ、加賀が母の手掛かりが日本橋にあるかもしれないということで、ひたすら日本橋署に勤めていたわけです。

 

これが加賀にまつわる最初の謎についての種明かし。

 

そして本題もタイトルバックまでに一気に真相に近づきます。

アパートの遺留品は数少なく、タオルや歯ブラシといった日用品以外ほとんど何もない、いわばその日暮らしのような生活だったのです。ただカレンダーには日本橋にある12の橋の名前が月ごとに書かれており、松宮はそれだけが分からずじまいでした。

そして気になったその日ぐらし。まるでホームレスのようだな生活と感じた松宮は、すぐ近くでホームレスが焼死体で発見された事件が関係あるのではないかと睨みます。

 

事件の被害者の女性は滋賀からわざわざ東京へ出てきて殺されました。なぜ彼女は東京へ赴いたのかを調べるため、滋賀へ行き関係者や知人から聞き込みしていきます。すると訪れた老人ホームに身元不明の女性がおり、その人に浅井博美さんのお母さんですよね?と声をかけ、その女性が取り乱し騒然となったというエピソードを耳にした松宮は、すぐさまその浅居博美という女性の元へ聞き込みするため、東京へ戻ります。

被害者は浅居博美と会っていました。その時に老人ホームにお母さんがいたよ、引き取りに行ってあげてと伝えたそうですが博美は断りました。

 

博美は小さい頃に、母が男を作って出ていき、しかも印鑑を持ち出され多額の借金を背負っていたのです。そのせいで父は飛び降り自殺を図り、施設で孤独に十代を過ごした辛い過去を持っていました。そんな辛い日々を過ごしてきた元凶である母を今でも憎んでおり、たとえそれが母だとしても引き取りに行く理由はないと豪語します。

 

その場はいったん引き上げることにして帰ろうとした松宮の目に一枚の写真が目に飛び込みます。それが博美と加賀が一緒に映っている写真でした。

こうして事件の全容が少しづつ見えてくるわけです。

 

加賀は剣道の元チャンピオンということもあって、博美から直々に子役たちに剣道を教えてほしいと頼まれた過去がありました。しかしこの時加賀は、あって間もない自分に子供を堕ろしたことを話す博美の事を不思議がっていました。

 

松宮の推理によりホームレスの焼死体とアパートの借主が同一人物でないかとDNA鑑定した結果、残念ながら別人だったことに意気消沈した松宮。しかし加賀から、そんなものすり替えてるだろうという一言により別のもので鑑定した結果、焼死体とアパートの主が一致します。

 

そして未だ謎の残るカレンダーに書いてある橋の名前。

たまたま非番で橋の上で人形焼きをほおばりながら川を眺めていた加賀を発見。去り際に「時は金なり常盤橋」と上司直伝の親父ギャグで別れを告げようとした松宮。

若いのになんておっさんギャグ言ってんだよwいや上司が・・・てかアパートのカレンダーに6月は常盤橋って書いてあったんですよ・・・何の意味か全然分からなくて・・・。

すると加賀の顔が豹変します。

1月は柳橋、2月は浅草橋、3月は・・・左衛門橋・・・7月が日本橋、8月が江戸橋・・・12月が豊海橋。そうだろ!

なんで全部わかるんですか・・・。

俺の母親がいたアパートのカレンダーにもおんなじ日本橋の12の橋の名前が書いてあったんだ!!

 

こうして加賀の母親と事件がつながっていくんです。ちょっとこの辺は鳥肌が立つほど順序良く物事が進んでいってドキッとしてしまいましたが、2つの線が交わった時の驚きったらありませんよね。

 

こんな具合でどんどん操作は進んでいくんですが、やはりどうしても壁にぶつかるんですね。そして加賀は気づきます。一番捜査しなきゃいけないのは自分だということに。

 

ここからは是非映画館で堪能してください。

 

やっぱり余計な演出はあった。

監督の紹介でもいっていましたドアップ大好きジャイさん。今作でもこれ見よがしなドアップ万歳だったわけですが、意外とそんなに苦ではなかったんですね。

多分それは映画館という大きなスクリーンだったということと、役者の迫真の演技、顔よりも話に目がいった、などが理由なのかなと思います。

 

阿部ちゃんに関しては上でも書いた通り、そのセリフ回しや歯切れのいいしゃべり方、そして掘りの深い顔立ちが心情を物語っているので、彼がどんなに無精ひげだろうとうまいもん食ってようと、それなりに画になるのでアップでも良かったですw

一方松嶋菜々子ですが、頬が垂れてきて瘻つきおばさんになっていたのと、ほうれい線や目じりの皺がえらく気になって、ちょっとアップ勘弁したって!と心で叫んでいましたが、母親の前で涙と鼻水流しながらドスを利かして脅すシーンは、貫禄と迫力があってよかったです。ここはドアップで正解。

 

そんなドアップ問題はこの辺にして、なんでこんな演出するかなぁってのが、冒頭からありまして。

いきなりテロップです。

加賀の母親・田島百合子は仙台にいた。みたいな字幕がど真ん中にドンと出た後、アパートでの腐乱死体現場に到着した松宮を映しながら、この事件の詳細をこれまた字幕。

捜査を開始すると、被害者の住んでいた滋賀へ捜査に乗り出した、といった物語の説明が序盤字幕で施されているのです。

説明調のセリフはいやですが、こんなにもテロップ表記される映画も何回やだなぁと感じた瞬間でありました。

 

そして事件が迷宮入りしそうになり、夜の歩道でたたずむ加賀。事件をはじめから整理しようとしたとき、まだ手を付けていない人物にたどり着きます。それが加賀自身です。で、一人捜査会議室で自分の写真を黒板に張り付け、事件をもう一度辿ってみるという件があるんですが、ここまで全て心の声なんですね。

どうしてそこまで優しく導くんだwと思わず苦笑してしまった場面でした。

そこは普通に会議室で頭を掻き毟りながら、悩んで悩んで窓越しの自分観て、はっと驚く顔をクローズアップして、黒板を見直すとかで十分伝わると思うんですよ。せめてそこから心の声で捜査を洗い直すみたいな方がスムーズだし、そんなに時間賭けてやるような場面ではなかったと思うんですけど。

後は回想シーンが何度も入る箇所ですかね。今回相当ありましたね。母親の場面は仕方ないとして、事件の真実が明かされる場面からの回想が2回もあったのはちょっとしつこかったですね。

もしかしたら原作通りなのかもしれませんが。

こういうところがTVっぽくて残念だったなぁと。

 

 

ちなみに演出面でいえば、博美の自宅の壁が赤を基調とした画で埋められているところは、博美の心理描写を表しているようでよかったのと、回想シーンで少女時代の博美が、ある男のワゴンに入ったまま無音状態ですこ~しづつフェードアウトしていくシーンは、観衆の心をめちゃめちゃ煽った演出でよかったと思います。

あそこはハラハラしました。いったい中で何をやっているのか。まさか、そんなことが、やめてくれやめてくれ!!ってなりましたから。

 

 

曽根崎心中。

浅居博美は舞台演出家ということで、事件のあった週末は彼女が初めて舞台に立った明治座で、自分が演出を手掛けた「異聞・曽根崎心中」がやってるんですね。

これって、物語に何か絡めたことなのかなぁと思い調べてみました。

 

曽根崎心中とは、江戸時代に近松門左衛門が作った人形浄瑠璃であり、後に歌舞伎の演目にもなった、若い男女の心中の物語だそうで、これを浅居博美流にアレンジしたのが、「異聞・曽根崎心中」なんですね。

 

どうアレンジしたかは劇中ではよくわかりませんが、一体どんな話なのかというと、

以前から恋仲だった二人が再会したことから物語は始まり、男は奉公先で無理矢理結婚させられそうになり、断り続けていたら旦那様から勘当を言い渡されてしまいます。

何とか結納金を返してもらったんだけど、それを後で返さなければいけない。しかも金に困っていた親友にその結納金でお金を貸してしまうわけです。

しかし、金なんか借りた覚えはねえと親友に裏切られ、結納金を横領してないことを死をもって身の潔白を証明しようと考えます。

その夜思いを寄せる女の元へ行き死ぬ覚悟を伝え、二人は手を取り合いながら曽根崎の森の松の木に縛って、覚悟を決めます。

女の命を奪うことに躊躇してしまいますが、女の励ましに助けられ短剣で命を奪った後自分も命を絶つ、というお話。

 

この映画のタイトルは「祈りの幕が下りる時」、祈りの幕ってのは、相手の人生の成就を祈って、人生の幕を下ろそうするときの事を言うのかなと思います。

実際物語の最後に、ある人物が今まで苦しんで生きてきたことへの、せめてもの償いと相手を思う気持ちが高まり、愛しているからこそその人物の人生の幕を下ろそうと手をかけるシーンがあります。

それがこの曽根崎心中の心中と重なってるのかな、と。

まぁ心中はしないんですけどね。

 

というちょっと強引な結び付けでしたw

 

 

 

最後に

物語に触れるとほぼネタバレになるので後半以降は何も触れずに書いて見ましたが、加賀もそうだし、劇中の人物もそうですが、親と子の物語でありました。

加賀のお父さんが遺した「空の上にいたほうが、いつでもあいつを観ていられる。肉体なんていらない」というセリフが、クライマックスでも響いてきます。正に親心なんでしょうね。どこにいたって我が子を見守る親の想いが劇中でにじみ出る涙なしでは見られない作品だったと思います。

ちなみにエンドロールでは、人形町を歩く加賀の前に懐かしの人物たちが登場します。ドラマ観てる人はピンとくるでしょう!豪華です!

そして「さらば、新参者」というキャッチコピー。新参者ってのは加賀が日本橋署に配属になりそこではまだペーペーだからってので新参者って意味だったと思うんですが。

・・・はい、そういうことです。もしかしたら・・・?

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「嘘八百」感想ネタバレあり解説 劇中にウソが800個出てくる話です。嘘です。

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1月5日

嘘八百

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正月映画に必ず佐々木蔵之介が出演してる説。今年もその通りになりましたw

若年層にはあまりウケそうにない、このポスターの感じ。しかもお宝コメディ?骨董品?益々ウケないじゃないか!

何だよシニア層狙った松竹映画かぁ?

ノンノン、これ配給がギャガなんですよ。意外ですよね。

 

 

その意外さも理由の一つですが、あの「百円の恋」の監督脚本コンビが作った新作ということで結構期待しております。あんな低予算映画から、こんな2大キャストでしかもギャガ配給なんですから大出世です。きっといい作品が作れたんだと思います。

というわけで早速新春初笑い、かましてきましたよ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

ぐうたら女子が一人の男との出会いからボクサーとして成長していく青春映画を、低予算ながら見事に構築された物語で観客を歓喜に沸かせた「百円の恋」で、2016年日本アカデミー賞優秀作品賞並びに、最優秀脚本賞受賞という快挙を成し遂げた監督脚本コンビが、再びオリジナルストーリーでダメンズたちの再起をかけた物語を作り上げた。

千利休の幻の茶器が発見されたという、ウソか誠かの真贋を巡る大騒動を、うだつの上がらない古物商と陶芸家の掛け合いを軸に、どんでん返しの一発逆転劇をユーモラスに描く。

嘘八百から生まれたマコトとは一体どんなものなのか。新しい年の幕開けにふさわしい、極上の骨董ロマンをお宝コメディに仕上げた、開運エンターテインメント映画です。

 

嘘八百

嘘八百

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

大阪・堺。千利休を生んだ茶の湯の聖地に、目利きだが大物狙いで空振りばかりの古物商小池則夫(中井貴一)が娘のいまり(森川葵)を連れてやってきた。

「西に吉あり」。ラジオの占いに導かれるように車を走らせてると、蔵のある屋敷にたどり着く。門から様子を伺うと、主らしい男・野田佐輔(佐々木蔵之介)が帰ってきた。蔵の中を見せてくれという。庭にはジオラマづくりに夢中の息子・誠治(前野朋哉)がいた。

佐輔は「骨董の事はわからない。これ一つでも車一台は買えると聞いている」と言って茶器を差し出す。則夫は名物に似せた贋物だと見抜き、売りつけた古美術店の名前を聞くと、茶器を譲り受けた。

 

則夫は早速、その店を訪ねる。素人に贋物を掴ませた証拠をネタに高額で引き取らせる魂胆だ。ところが店主の 樋渡(芦屋小雁)と大御所鑑定士の棚橋(近藤正臣)に軽くあしらわれてしまう。

くさっていると佐輔からの電話。屋敷に再び呼ばれた則夫は、書状を見せられ絶句する。利休直筆の譲り状だ。「お宝でっか?」と尋ねる佐輔にしらばくれる則夫。

譲り状があれば茶器があるはず。はやる心を抑えながら蔵の中を探すと、ついに利休の形見の茶器が現れた。国宝級だ。

「蔵の中のもの全部、百万円で引き取りましょう。」すました顔で申し出ると、佐輔は快く応じた。

 

翌朝、支払いを終え、お宝を積んだ車を上機嫌で走らせていると、ラジオから「油断大敵」の声。不安になって箱を開くと茶器は真っ赤なニセモノだった。

大慌てで戻ると、屋敷の主は全くの別人(寺田農)だった。佐輔は留守番を頼まれただけだったのだ。則夫が佐輔の行きつけの居酒屋に乗り込むと、百万円を山分けしている。

警察の筆跡鑑定も潜り抜ける達筆のマスター(木下ほうか)、紙に詳しい表具屋のよっちゃん(坂田利夫)、どんな箱でも作って見せる材木屋(宇野祥平)。彼らは贋作に関わる仲間たちだった。

隙を見て逃げ出した佐輔を追いかけると、さびれた家に着く。そこには佐輔の妻・康子(友近)と誠治、そして、いまりがいた。屋敷に通ううち、誠治といまりは心を通わせていたのだ。息子に恋人ができた事に安心した康子は家を出ていく。陶芸家としての才能があるにもかかわらず、樋渡と棚橋にそそのかされ、贋物を作り続け、くすぶっていた佐輔に愛想をつかしたのだ。

 

利休形見の茶器の本物の<譲り状>と<箱>がある。だが肝心の<茶器>がない。則夫は一瞬でも自分の目を惑わせた佐輔の腕を見込み、一世一代の大勝負を持ち掛ける。「悔しかったら、やり返せよ。」実は則夫自身にも樋渡と棚橋に一杯食わされた過去があった。

利休に関わる博物館を訪れた二人は、利休を愛してやまない学芸員(塚地武雅)に出会う。

昔の情熱を次第に取り戻す佐輔。それを支える則夫。力を合わせて作り上げる茶器はきっと「本物よりも凄いモノ」になるはず。

2人が仕掛けた一発逆転の大勝負は、樋渡や棚橋だけでなく文化庁をも巻き込み、前代未聞の大騒動に発展する、

果たして人生の借りを返し、一獲千金の夢を叶えられるのか—。(HPより抜粋)

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監督

 監督は武正晴

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原作コミックや小説が映画になるのがほとんどの中、オリジナル作品にこだわって悪品を作り続ける数少ない監督。

そういう場合中々予算がもらえないのが、現在の日本の映画産業の欠点なんですが、金なんかかけなくてもいい映画は作れる!と示してくれたのが「百円の恋」だったと思うんです。

もちろん監督だけの力ではなくて、コンビを組んだ脚本の足立紳の面白さがあり、主役を演じた安藤サクラ新井浩文の役者魂があってのことなんですが、よくまとめたなぁと。

去年もオリジナル作品「リングサイドストーリー」が公開されましたが、こちらはちょっと期待外れだったので、その分今回楽しませてほしいですね。



監督に関してはこちらをどうぞ。

 

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キャスト

主人公の小池則夫を演じるのは中井貴一。

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実はお父さんも佐田啓二という名優であり、二世俳優だというのをご存知の方は少ないのではないでしょうか、かといって俺も親父さんの映画1本も見てないんですけどもw

今や大御所俳優としてあらゆる作品で存在感を発揮している「ぴっちり横分け鼻デカ兄さん」。

モンキー的にはこの方は、DCカードのCMと「最後から二番目の恋」、あとNHKの「サラめし」のナレーションのイメージが強くて、今回コメディをやるというのが凄くしっくりきます。とぼけた顔が好きですねw

昔から活躍されてる方なのでほとんどの作品をみてはいないんですが、「ビルマの竪琴」、「激動の1750日」、「壬生義士伝」といったシリアスな作品や、「寝ずの番」、「グッドモーニングショー」といったコメディまで幅広い演技で魅了してくれる人です。

 

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もう一人の主演である、売れない陶芸家・野田佐輔を演じるのは佐々木蔵之介。

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独身俳優唯一の砦。彼が結婚したらどれだけの世の女性たちが悲しむのでしょうか。

離婚弁護士」で散々ラクダ顔としていじられてきたので、モンキー的にはもうラクダにしか見えないんですが、やはりかっこいいですよね。

 

彼の代表的な作品をご紹介しましょう。

映画として一番大きな役に出演したのは、森田芳光監督作品「間宮兄弟」。

いい年して仲良く暮らしている兄弟の平凡だけどささやかな日常に満たされる人情コメディで、本作にも出演しているドランクドラゴンの塚地武雅と兄弟役で出演しています。

その後もコンスタントに映画に出演し、1979年の田舎町を舞台に、悪戯好きの高校生たちと新米警官との、アイデア溢れる憎めないイタズラを巡る攻防を綴った「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」、中学からの親友の行方を怪しい探偵と共に探す主人公が巡る予想できない物語「アフタースクール」、最近では、幕府の陰謀でたった5日で参勤交代を命じられた貧乏藩が、維持と知恵で立ち向かう時代劇コメディ「超高速!参勤交代」が続編まで製作される人気を博しました。

去年は、舞踏はヤクザとへっぽこ建設コンサルタントのコンビが、だまし取られた金を取り戻すべく奮闘するコメディ「破門 ふたりのヤクビョーガミ」、ごく平凡な家族がある日宇宙人に覚醒し、地球滅亡の危機から救おうとする姿を描いた異色のSFヒューマンドラマ「美しい星」などに出演しています。

 

 

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他のキャストはこんな感じ。

則夫の娘いまり役に、「恋と嘘」、「TOO YOUNG TO DIE ! 若くして死ぬ!」「渇き。」の森川葵、

佐輔の妻・康子役に、「酒井家のしあわせ」、「地獄でなぜ悪い」の友近、

佐輔の息子・誠治役に、「桐島、部活やめるってよ」、「勝手にふるえてろ」の前野朋哉、

大御所鑑定士・棚橋役に、「龍三と七人の子分たち」、「海賊と呼ばれた男」の近藤正臣、

学芸員・田中役に、「間宮兄弟」、「アイアムアヒーロー」の塚地武雅などが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

馬面とラクダ面(失礼w)のコンビがどんな掛け合いをし、どんな一発逆転劇を見せてくれるのか。そこからどんなウソを並べたてダマしてくれるのか?非常に楽しみです!

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 感想

獺とトカゲが古狸に過去の借りを返す一発逆転リベンジマッチ!

骨董品わからなくても笑って楽しめる正月ならではの喜劇映画でした!!

 以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人生を取り戻す戦い

共通の敵に人生を台無しにされた骨董商と陶芸家が協力し合って、人生最大の大博打に打って出る様を、大阪ならではのにぎやかな掛け合いや、「セッション」でのクライマックスを思わせる緊張感高まるドラムソロの音楽、そして何よりどう見ても負け臭しかしない、おっさん二人の絶妙な演技が化学反応を起こし、最後までワクワクしながら見てしまうコメディ映画でございました。

 

正直申し上げれば、劇中で扱った骨董品に何の興味もなく、千利休についても全く知識のない、その筋ではド素人のモンキーではありますが、そういった部分に疎い人でも、この主演二人を見ているだけでどこか楽しく見えてしまう芝居に見とれてしまうわけであり、どうかこの冴えない二人に救いの手を!と最後まで目が離せない展開に楽しく鑑賞できた作品でありました。

 

 

まぁあれですよ、自分も仕事柄、商品に値をつけて買い取りそれ相応の値をつけて売るという点において、この則夫の職業とは近からず遠からずなわけで、それなりの親近感があります。決してダマすわけではないんですけどねw

まぁこういう職業はちゃんとした値をつけないとお客さん来なくなっちゃう、信用がものをいう商売なわけで。それで人生躓いた則夫に同情してしまうというか。

 

とはいえ、あくまでベースはいかにダマして吹っかけてのやり取りで、骨董品というものの目利きをすることに、いかに勉強しなければならないかが、則夫のセリフからも読み取れます。どの歴史にも精通してないと無理ですからね。

まぁ則夫はクライマックスでかなりのハッタリかましてますけども、かなりの弁が立たないと相手を説得できないですし、大変な職業だなぁと。

 

そして佐輔も物を作る仕事という点においての苦労もちゃんと描かれていいるのがこの映画のいいことろ。

まだ夢に向かって一直線な時に評価され、ようやく一人前だと自信をつけたのに、フタを開けていればただ騙されていただけ。そんな夢と結果にぶら下がったまま年老いてしまった中年が、陶芸から足を洗えず、贋作ばかり作っているというのもどこか同情してしまうわけで。負け癖もついてしまっているからか、妻が出ていくといっても、今の自分を俯瞰で見ても全く悔しがらない佐輔に、自分だったら絶対いやなのにどこか愛おしく感じてしまう。俺もしかして枯れ専か?

 

そんな枯れに枯れた中年二人が、家族を取り戻すために、自分の人生を取り戻すために、なくしたものを取り戻すために共闘して立ち向かう姿は、アクション映画でもよくある構図であり、こういうダメな男の再起をかけた姿、再生を描く姿をずっと撮り続けている監督に拍手を送りたいですね。

 

 

ダマしダマされの連続

冒頭からダマしダマされが描かれているのがこの映画の最初の見どころ。

蔵のある家を探しながらうろうろしている則夫は、ラジオの占い通り西に向かい、見事にお宝が眠っていそうな家を発見。娘を使って隙を作る計算も見事にあたり、早速お邪魔します。

値打ちのない茶碗なのに、高い値段で買ったという茶碗を譲ってもらい、その店に行っていちゃもんをつけいにいくと、こっちの目利きは本物だ、TVにも出てる大物鑑定士もそう言ってる、言いがかりも体外にしてくれ、と逆にいちゃもんを突けられる始末。

明らかに嘘をついていると自分の目を疑わない則夫だが、それに論破できずへこんでしまう。

再び佐輔に呼ばれ蔵の中を漁ると、値打ちの匂いがする書状を発見。

お宝でっか?と顔を覗き込む絹田に対し、則夫は百姓一揆の書状だと嘘をつく。

これ全部譲ってくれたら100万でいいよ、という問いにあっさり承諾する絹田。

いやぁ~いい買い物した~!!と言っていたのもつかの間。中を開けると茶碗は入ってなく箱と書状だけ。あれ確かに茶碗は言ってたし、あの茶碗は本物だったよなぁ・・・。

 

急いで戻ると絹田はいない。代わりに別の老人。なんとその人こそ絹田であり、立ち会った人物はただの留守番だった!まさに狸が狐につままれたのです。

 

ここから互いの能力を認め合い、ここは協力して俺らを騙したあの骨董品店主と鑑定士に一泡吹かせてやろうぜ!とチーム結成!

筆跡鑑定もダマしてしまう腕を持ち、その腕で店にディカプリオのサインまで飾っている居酒屋の店主、紙を舐めればどれだけの価値があるかひと味でわかる阪神ファンの表具屋の親父、同じく阪神ファンでどんな箱でも簡単に作ってしまう材木屋、そして今となっては贋作ばかり作っているが、一瞬でも則夫の目を騙したほど腕のある陶芸家、絹田改め佐輔。

役者はそろった!あとはあの古狸2人にうまく言いくるめて競りに呼び出せば完璧。

 

物語は決戦の舞台へと移っていくのです。

 

 

千利休について

今回主人公2人が作ったのは千利休が最後に作ったとされる茶碗だったのですが、そもそも千利休ってどんな人だったっけ?ってことで軽く調べてみました。

ざっくり言えば、安土桃山時代に茶人として信長や秀吉にかわいがられ、わび茶というお茶そのものを楽しむ道を作りながらも、影で秀吉を操っていた人物ってのが、一般的ですが、最後はどうなったのかってのはイマイチわからないって人も多いんじゃないでしょうか。

 

派手好きな秀吉と、渋くて素朴なものを好む利休の間に次第に溝が生まれていったそうです。そして貿易の利益を独占しようと堺の町に圧力をかけていく秀吉に対し、それを煩わしく思っていた利休。愛弟子も口のきき方がなってねえ!!って理由で秀吉に殺されてしまうというショッキング出来事も重なり、ますます関係は悪化。

その後利休にとって後ろ盾であった、秀吉の弟秀長が亡くなってしまったことで、利休は徐々に窮地に立たされます。

秀吉の独りよがりなやり方は徐々に強まり、ついには上下関係をはっきりさせるべく利休を自宅謹慎にして、誤りに来させようと計らいますが、利休はこれを拒否して自宅から出なかったそうです。

秀吉の怒りも頂点に達し、ついには利休に切腹を命じます。それに応じ利休は切腹し死んでしまうのでした。

 

秀吉のちっちゃい器のせいで死ななければならなかった利休。彼もまた茶を愛するがゆえに譲れないものがあったわけですが、やはり上には逆らえなかったってことですかね。にしても互いにプライド高いなぁ。

 

と、こんな最後だったそうですが、本作ではこの直前に作った器を巡っての騙し合いというわけです。

実際にそんな器が存在するのかわかりませんが、物語では死を覚悟した利休がようやく自分が求めていた場所を大海原の上を飛ぶカモメに例えて読んだ俳句が詠われており、主人公の二人もまた、次の舞台へと足を運ぶ姿をカモメに例えた画で幕を閉じるという、利休の最期と重ねた流れになっていました。

 

 

最後に

「百円の恋」ほどの熱はおびていませんでしたが、この監督脚本コンビは実に映画作りが巧いなぁと感心します。ふと思ったのですが、この二人は「スティング」でもやりたかったのかな。

監督の手持ちカメラでワンカットで見せるやり方や、佐輔が丹精込めて器を作る画も丁寧に描く技術は素晴らしいし、足立さんの脚本もちゃんと端にいる人物設定まで目を配り必要最低限だけ描いて、キチンと終着させる話の無駄のなさに今回も納得の出来でした。

 

あえて言うなら今度は王道のネタでいってほしいですね、全く知識が無くても楽しめるとはいえ、興味のない世界の話なので中々セリフ理解できない部分もあり、そこが残念だったなぁと。あくまで俺が悪いんですがw

 

何が本当何がウソなのかわからない世の中で、こういうウソもいいもんだ、と笑ってしまえる喜劇だったのではないでしょうか。ただこれはあくまで映画ですので、なるべく嘘は言いたくないもんですw

ちなみにこの映画の感想はウソではありません。僕の本当の想いです。大したこと書けてませんがw

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「スリービルボード」感想ネタバレあり解説 アカデミー賞最有力作は人間臭さが面白い!

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2月1日

スリー・ビルボード

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先日発表された「第90回アカデミー賞」ノミネーションにて、作品賞含む6部門7賞にノミネートした作品がいよいよ公開です。

何が嬉しいって、本命の作品がアカデミー賞授賞式前に観賞できるというのがいいですよね。

 モンキーとしては、去年の東京国際映画祭で既に観賞しておりまして、生で町山さんのお話が聞けたこともあり、貴重な経験をしたことも手伝って、非常に心に残る作品となりました。

冒頭からこんなこと言うのもアレですが、非常に面白いです。その辺を感想部分で書いていきたいと思います。

ではいつもどおり作品情報からどうぞ!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

カナダのトロント国際映画祭で観客賞を受賞したのを皮切りに、ベネチア国際映画祭では脚本賞ゴールデングローブ賞でも4部門受賞、そして米アカデミー賞に6部門ノミネート今年度の賞レースの大本命ともいえる本作。

田舎町で立てられた3枚の看板のメッセージによって、そこに住む住人達と登場人物たちに徐々に波風が立ち、予想もしない道に逸れていくブラックユーモア満載のクライムサスペンスです。

 

スリー・ビルボード

スリー・ビルボード

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

アメリカはミズーリ州の田舎町エビング。

さびれた道路に立ち並ぶ、忘れ去られた3枚の広告看板に、ある日突然メッセージが現れる。──それは、7カ月前に娘を殺されたミルドレッド・ヘイズ(フランシス・マクドーマンド)が、一向に進展しない捜査に腹を立て、エビング広告社のレッド・ウェルビー(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)と1年間の契約を交わして出した広告だった。
自宅で妻と二人の幼い娘と、夕食を囲んでいたウィロビー(ウディ・ハレルソン)は、看板を見つけたディクソン巡査(サム・ロックウェル)から報せを受ける。

一方、ミルドレッドは追い打ちをかけるように、TVのニュース番組の取材に犯罪を放置している責任は署長にあると答える。努力はしていると自負するウィロビーは一人でミルドレッドを訪ね、捜査状況を丁寧に説明するが、ミルドレッドはにべもなくはねつける。

町の人々の多くは、人情味あふれるウィロビーを敬愛していた。広告に憤慨した彼らはミルドレッドを翻意させようとするが、かえって彼女から手ひどい逆襲を受けるのだった。

今や町中がミルドレッドを敵視するなか、彼女は一人息子のロビー(ルーカス・ヘッジズ)からも激しい反発を受ける。一瞬でも姉の死を忘れたいのに、学校からの帰り道に並ぶ看板で、毎日その事実を突き付けられるのだ。

さらに、離婚した元夫のチャーリー(ジョン・ホークス)も、「連中は捜査よりお前をつぶそうと必死だ」と忠告にやって来る。争いの果てに別れたチャーリーから、事件の1週間前に娘が父親と暮らしたいと泣きついて来たと聞いて動揺するミルドレッド。彼女は反抗期真っ盛りの娘に、最後にぶつけた言葉を深く後悔していた。

警察を追い詰めて捜査を進展させるはずが、孤立無援となっていくミルドレッド。ところが、ミルドレッドはもちろん、この広告騒ぎに関わったすべての人々の人生さえも変えてしまう衝撃の事件が起きてしまう──。(HPより抜粋)

 

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監督

今作を手がけたのは、マーティン・マクドナー

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初めて聞く名前の方です。作品自体は知っていたんですが監督までは目がいってなかったですね・・・。

舞台の戯曲からキャリアをスタートしたそうで、劇作家としても高い評価を得ているようです。

長編映画3作目にしてオスカーを獲れるところまで来たってもんのすげ~才能ですよね。

 

そんな監督の過去作をご紹介。

最初に手がけた短編映画「six shooter」がいきなりアカデミー短編映画賞を受賞したことにより注目されます。

新人ヒットマンが訪れた先で、なぜか味方から命を狙われ巻き起こる攻防を描いたクライムアクション「ヒットマンズ・レクイエム」で長編映画デビュー。こちらもアカデミー賞脚本賞にノミネートされ話題となります。

その後作られたのが、スランプ中の脚本家が悪友のせいで危険な世界に巻き込まれていく様をコミカルに描いたクライムコメディ「セブン・サイコパス」。

2作ともユーモア溢れるクライムモノということで、その軽妙さと凶暴さに楽しめる作品だと思います。

 

 

 

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キャスト

主人公ミルドレッド・ヘイズ演じるのはフランシス・マクドーマンド。

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鬼の形相・・・。そもそもこの人の笑顔ってのが想像できないw

モンキー的には「ファーゴ」での妊娠中の署長しかイメージがないのですが、今作も「ファーゴ」同様、田舎で正義感を振るう女性ということで、共通点はあれど違う方向性を持った役柄ということで、これまた彼女の代表作になるのではないかと。

 

そんな彼女の代表作をご紹介。

コーエン兄弟の作品に多く出演している彼女は、デビュー作も彼らの作品。その後兄ジョエルとも結婚しています。

そんな彼らの4度目のタッグ作で、アメリカの雪降りしきる田舎町で起きた偽装誘拐からの惨劇と、それに関わる人々をユニークに描いた犯罪ドラマ「ファーゴ」で、アカデミー賞主演女優賞を獲得します。

その後も、スランプに陥った大学教授兼作家の主人公の身に、災難が降りかかって来るシリアスだけどコミカルなヒューマンドラマ「ワンダー・ボーイズ」、ロックバンドのツアー同行取材を任された15歳の少年の青春映画「あの頃、ペニー・レインと」、全米で最初にセクハラ訴訟に勝ったとされる実在の女性を描いたドラマ「スタンドアップ」など、アカデミー賞を中心に各賞で名前の挙がる活躍をしています。

近年は、テレビや舞台へと活動の幅を広げ、その才能を出し惜しむことなく発揮。そのせいか映画の出演ペースは落ちてはいますが、50年代のハリウッドを舞台に、スタジオ内のトラブルバスターが大物スターの探索をしながらどたばたを繰り返す、コーエン監督のハリウッド愛が満載の「ヘイル、シーザー!」に出演しています。

 

 

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エピング町の署長、ウィロビーを演じるのはウディ・ハレルソン。

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今年度のアカデミー賞、実はこの作品から2人も助演男優賞にノミネートされ快挙になりました。そのうちの一人が彼であります。

正直彼もノミネートされるとは思ってませんでしたが、今回も抑えた演技で存在感をアピールしておりました。

 

去年は、こんな先生いたら最高じゃん!!だった「スウィート17モンスター」や、それとは真逆のおっかな軍曹を演じた「猿の惑星:聖戦記」に出演。

 

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 今年は「スターウォーズ」シリーズスピンオフ作品、「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」に出演、6月公開予定です。

 

 

 

暴力的な白人警官・ディクソンを演じるのはサム・ロックウェル。

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彼が出演している作品を見たのはいつ振りだろう・・・「アイアンマン2」以来か?それくらい久々に彼の演技を見ましたが、今回の彼はすごかった!とりあえずそこまで言っておきましょうw

今年度アカデミー賞助演男優賞にノミネートしたもう一人が彼であります。果たして受賞なるか。

 

とりあえず彼の出演作をサクッとご紹介。

どちらかというと存在感のある脇役というのが彼の持ち味。

刑務所内での物静かな巨体の男が魅せる奇跡を描いたドラマ「グリーンマイル」では凶暴な殺人犯として、放送打ち切り後も人気を博したSFドラマの出演者が、本気で宇宙を救う羽目になるコメディドラマ「ギャラクシークエスト」ではメンバーに入りたいけどひれないイベントMC役として、姿を見せないボスの探偵事務所で働く3人の美女の潜入ミッションを描いた「チャーリーズ・エンジェル」では、通信ソフト会社の創設者で、一癖ある役どころを熱演。

お茶の間の人気者だった男が、CIAの工作員と暴露したした本を基に作られた「コンフェッション」で初主演を果たします。

その後も、潔癖症の詐欺師が突然現れた14歳の娘と共に大仕事に挑む「マッチスティック・メン」、仕事のためたった一人でつきに旅立った男が、不可解な現象に陥っていくSFサスペンススリラー「月に囚われた男」、突如ヒーローとなった男の更なる試練を描いたマーベル映画「アイアンマン2」でトニーのライバル、ハマー役として出演し活躍しています。

 

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 他のキャストはこんな感じ。

ミルドレッドの息子・ロビー役に、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のルーカス・ヘッジズ。

ミルドレッドの元夫・チャーリー役に、「ウィンターズ・ボーン」のジョン・ホークス。

ミルドレッドに思いを寄せる男性、ジェームズ役に、「ピクセル」のピーター・ディンクレイジ

ウィロビーの妻、アン役に「ジオストーム」のアビー・コーニッシュ。広告業を営む男・レッド役に、「X-MENファースト・ジェネレーション」、「ゲット・アウト」のケイレヴ・ランドリー・ジョーンズなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

感想

 

あらすじから話がガラリと変わる!田舎町で起きた出来事で人間臭さがにじみ出るユーモア炸裂の人間ドラマでした!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間の表と裏。

閑散とした町の道路に立てられた真っ赤な大きな3枚の看板。

「私の娘はレイプで焼き殺された」、

「犯人は未だに捕まっていない」、

「警察署長は何をしているのか?」。

殺された娘への悲痛な思いと、黒人ばかり相手して何もしない警察に向けての痛烈なメッセージを、大枚はたいて広告費になげうった主人公。

街は騒然とし、住民の信頼も厚い警察署長が嘆願する。

「我々は決して職務怠慢などしていない。お願いだからはずして欲しい」

それでも自身を曲げない主人公。

娘の犯人は捕まるのか。それとも自ら復讐を実行するのか。

 

 

 

・・・・なんて書いてみましたが、こんな展開になんてなりませんw

 

見終わった後の感想は、え?ここで終わり?でもなんだろう、すげぇいいもん見た気がする!というようなザックリな気持ちを抱いたのですが。

思い返してみると、当初のあらすじなどから抱いた展開や予想など全く無意味だったことに気づき、 いざ観てみると、暴力がパない!暴言がパない!そこから溢れるブラックユーモアが面白い!と思ったら、センチメンタルな展開!何だそのオレンジジュース!笑えるのにウルウルしちゃったじゃねえか!

 

でもって、物語があれよあれよと表情を変えていき、人物の立ち位置も変えていき、犯人探しか復讐劇だと思っていた物語は、見事なまでの人間賛歌へと変貌を遂げていました。

何これ、奥が深ぇっ!さすが海外で評価されるだけあるし、アカデミー賞本命にもなるなぁと、あれこれ感じわけであります。

 

3人の物語。

この映画では、被害者であるミルドレッド、暴力ばかり繰り返すけどオツムの足らない警察官。信頼は厚いけど、実はあるものを抱えている警察署長3人が、見た目のイメージとは違う人間味ある部分を見せていく、というお話でした。

 

3枚の看板から始まる物語は、この3人の人物が、看板に書かれているような「表」の部分と、何も書かれていない「裏」の部分をみせていくことで、序盤まで見せていた面とは違う面を3人が絡むことで見せていき、それを皮肉さや不可思議さ、強さや弱さ、醜さ、優しさといったあらゆる表情や行動をユーモア満載で綴ったヒューマンドラマでありました。

 

 

 

そして何と言ってもこの映画で特筆すべきなのは、この後の展開が全く読めないということ。

 

ミルドレッドは、周りがどんなに喚こうが騒ごうが、一転の曇りも無くブレることのない復讐心の固まりなワケです。

悲しみに暮れている場合じゃない。一刻も早く無念を晴らさなければならない。例え周りの奴らが私を差別しようとも。

その勢いで神父が忠告に来ても追い返し、歯医者に行って文句を言われたら徹底的にやり返す。

アレ?この人被害者じゃなかったっけ?全然同情したくなるようなことしてないなぁって見てて思う人もいるかもしれません。

しかしながら、彼女にも弱さが見えてしまう部分が突然訪れたり、今まで暴力で行動してきた彼女が、ある人物によって態度を変えたりと変化していきます。

 

ウィロビーは、良心的な警察署長ですが、やはり看板を先に見てしまうと彼がちゃんと仕事して内容に見えてくるんですね。

で、今回の騒ぎを早く穏便に済まそうと奔走します。それには深い理由があるわけなんですが、彼のある行動によって事態が大事になっていくのです。

それはよき警察署長である前に、妻と娘の前でもよき父でありよき夫でありたいという願いから来るものだったわけです。

だから事件の早期解決というのは、本当に望んでいたことなんだというのがより理解できるのだと思います。

 

そして暴力的白人警官ディクソンですが、恐らくミルドレッドよりも彼のほうが主役だったんじゃないかというほど、見た目のイメージとは180度変わり、立ち居地も変わる活躍を見せます

とにかく頭の悪さが要所要所で爆発するディクソン。国家機密だからいえないといっておきながら砂がいっぱいあるところといわれても、どこのことだかさっぱりわからないおバカっプリに大爆笑なんですが。

そして警察官に逆らうやつはみな逮捕なのだ~みたいな横暴な態度。差別的で暴力的な考えを持つ彼は、ミルドレッドが作った看板を見て、警察への冒涜と捉え様々な嫌がらせをします。

ホント嫌なやつです。

そしてある出来事がきっかけで彼はとんでもないことをやらかすんですね~。

 ここからが彼の見せ所になるので伏せますが、序盤は彼の言ってる事やってる事で是非腹を立てておいてくださいw

 

と、このような人物設定から、徐々に姿を変えていき、人は見た目や言動だけでは図ることが出来ない部分を持っているというのを、この3人を通じて描いていました。

 

 そして最初こそ自分の考えこそ正義と謳い、いがみ合っていた者たちが、年齢や性別価値観を超え、自分を理解してもらうために相手に歩み寄り同じ方向に向いていくという、人間の良心に基づいていくドラマでありました。

 

気づいてほしいのは、ミルドレッドはあくまで被害者で、事件を解決しようとしない警察は加害者的立ち位置で描かれてるにもかかわらず、実はそうではない事実が明かされ、終盤に向かうと、そこに正義と悪という対立構造は存在しておらず、人間と人間の感情で同じ方向へ向いていくドラマへと変貌を遂げているのです。

 

こういう映画は中々ない、大袈裟に言えば見たことないというほど、面白みのある作品だったと思います。

 

役者陣がすんげー!

今回主要人物3人がアカデミー賞主演と助演にノミネートする快挙を成し遂げた今作。

それもそのはず、ミルドレッド演じるフランシスマクドーマンドは今作でほとんど笑いません。常に怒り苛立ち暴言を吐きまくるおばちゃんと化しています。

服に至っては、バンダナにツナギと男らしい恰好。その姿はクリントイーストウッドそのもの、なんて声も聞こえますが、決して間違っていない例えです。

彼女がこの立ち位置で、この感情でやりたい放題しながら物語が進むので緊張感が生まれます。この緊張感を醸し出しながら演じているのが素晴らしかったですね。

 

ウィロビー演じるウディハレルソンも、ネタバレになりますが、途中でフェードアウトするまでの短い出演時間だったものの、のらりくらりと田舎町の警察署長をやっている風でありながら、実はものすごく街の事を、そして事件の事を考えていたという思いが表情からにじみ出ていました。

正直ね、このいかつい顔はまぁ間違えますよ、色々。しかもこの作品の前「猿の惑星聖戦記」ですからね。そんなこと考えるとナイスキャスティングだったなぁと。

 

そしてディクソン演じるサムロックウェル。

はい、上でも書きましたが、彼こそこの物語を引っ張っていた立役者だというのが見ているとわかると思います。むっちゃ暴力的で差別主義な不良警官ですよ。おまけに頭が悪い。こっそりABBAなんか聞いちゃってるお茶目な所もあれば、家に帰るとマザコン炸裂。

こんな人物どうやって演じるかってのをサムはやってのけちゃうんですね~。

そして徐々に内面から変わっていく姿や、意を決してミルドレッドのために体を張ってボコボコになる演技も見事。

 

他にもちょっと小生意気な広告業の男・レッドを演じたケイレヴ・ランドリー・ジョーンズも、どこかボンボンチックで鼻につく若者で、若干面白半分で広告引き受ける感じとかよかったし、ミルドレッドの息子を演じたルーカス・ヘッジズも、母に逆らえない感じとか表情から出ていて好感を持てましたね。

 

で、モンキー的にはジェームズ演じたピーターディンクレイジが凄く効果的な役回りを見せていて良かったです。彼体が小っちゃいっていう見た目のハンデを背負ってながらも、ミルドレッドを思って積極的にアプローチする役柄を演じていて、後半ミルドレッドに対して三下り半を突き付けるんですね。ここが彼の見せ場になっていてむちゃくちゃカッコイイんです。

あ~いかん、なんて言ってたかセリフを忘れた・・・。これじゃあカッコイイなんて説得力無いなぁ・・・。でもカッケーからw

 

 

アメリカの今の問題

さて、日本公開時のタイトルは「スリー・ビルボード」ですが、本国アメリカではタイトルが「Three Billboards Outside Ebbing, Missouri(スリービルボーズ・アウトサイド・エビング、ミズーリ)」となります。

ミズーリ州エビング街の外れの3枚の看板、という意味合いだと思うんですが、エビングというのは実は架空の町の名前だそうなんです。で、ミズーリというのはアメリカのミズーリ州の事を指します。

いやそんな長いタイトルにして~、日本と一緒でスリービルボードの方が覚えやすいじゃん!なんて思う人も多いかと思いますが、実はこの映画にとってミズーリを入れなければならない大きな理由があります。

 

このミズーリ州という場所は、アメリカ中西部のミシシッピ川沿いにある内陸の州として存在し、そこではかつて南北戦争での分断地点として合衆国から離脱するか、それとも残留するかという選択を迫られた上に、争いが頻繁に行われたという歴史があります。

 

州内では戦争以外でゲリラ戦が勃発し、無駄な血を流すような小さな争いが絶えなかったそうです。そんな対立が根付いてしまってたこの州では、最近も大きな事件が暴動へと発展してしまう事態がありました。

 

それがマイケル・ブラウン射殺事件です。

黒人で18歳の少年ブラウンは、大学入学を控えた8月、コンビニから友人と帰宅している最中、白人警官と言い合いになったのち、丸腰であったにもかかわらず発砲され死亡してしまったという事件がありました。

これに対し、地元の黒人たちは抗議デモを起こし反発。しかも、ブラウンくんがコンビニで窃盗したのではないかという防犯ビデオが流出し事態はさらに悪化。ミズーリ州は非常事態宣言を出すなど荒れる一方。

その後白人警官は裁判で不起訴処分となり事態は収まるかと思いきや、陪審員の白人と黒人の比率が平等ではなく、白人の方が多かったとして再び黒人たちが反発。暴動が起こるまで発展してしまう事態となったわけです。

 

ちなみに、この事件ではありませんが、無抵抗の黒人が白人警官によって射殺されたという実在の話を映画化した作品がありますので気になったら観賞してみてください。

 

フルートベール駅で(字幕版)
 

 

アメリカではこれを機に各州で似たような事件が相次ぎ、アメリカ社会の中で人種問題が再び過熱してしまう事態となっています。

 

それに加え、トランプ大統領の誕生により、差別意識が高まり社会全体がかつてのミズーリ州のように分断されてしまうかもしれないところまで来ていることを考えると、この映画は非常に意味深いものとして描かれている作品なのではないでしょうか。

 

また、これを監督したマーティン・マクドナーはイギリス人なんです。イギリス人から見たアメリカという見方もできます。実際劇中では黒人はほとんど出てきません。キーパーソンもいますが、基本は白人たちが中心です。ディクソンも差別主義とは言っていても、黒人を痛めつけるような描写はありません。

ここも一つの見どころだと思います。白人同士がいがみ合っているのですから。きっとアメリカ人監督なら、黒人の比率をもっと高めて人種差別への問題提起なんかを色濃く描くのかもしれないけど、この物語はもっと大きなもの=肌の色以前に人間と人間のことを指している作品なんだと監督が言っている気がします。

 

そして娘がレイプされたという設定も、現在映画の大物プロデューサーが告発されたことでその声がどんどん大きくなっているセクハラ問題、性差別問題に関わってくるということもポイントになっています。

そういうことを踏まえてみるとこの映画が一体どんなメッセージを発しているのか理解しやすいのではないでしょうか

それに加えこういった今のアメリカを象徴する作品はアカデミー賞にも有利になりやすいので、作品賞も獲れる、かも。

 

 

最後に

なんかすごく褒めまくっていますが、好き嫌いの多い作品かもしれません。どうしたってこういう展開になるんじゃないかってある程度予想しちゃうんで、それと違った展開になった時にどう受け止めるかによって評価は分かれるんじゃないかなと。

 

僕は初見が東京国際映画祭で鑑賞したので、これといった評判や内容なんかは一切入ってこなかったこともあって、久々にまっさらな気持ちで鑑賞できたこともあって楽しめたんですが、映画ニュースなんか見てるとどうしても色々情報が入っちゃうので、いろいろ想像なんかしちゃう人も多いかと。

 

逆にがっつりどういう展開になるのか想像しちゃってもいいと思うんですけどねwきっとそう来たか!って思えますから。

 

とにかくですね、サスペンス要素はそこまで大きくないのですが、全く予想できない展開のヒューマンドラマです。希望でもない、救済でもない、見終わった後にちょっとだけあたる木漏れ日のような、ほんの少しの温かさが残る映画でした。途中までは暴力ばっかりですけどねw

一応甘目で評価をw

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆☆★★8/10

映画「不能犯」感想ネタバレあり解説 人間も脆いが、この映画もそれ以上に脆い。

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2月2日

不能犯

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松坂桃李の演技がかなりいいと評判の新作映画が公開です。コミック原作らしいんですが、全くコミックなど読んでない僕としては、どんな物語なのか全くの未知数。

なんか雰囲気がワーナー配給っぽいんだけど、あまり映画館で予告とか観てないからおかしいなぁと思ったら、これショウゲート配給なんすね。どおりで予告観てないわけだ。

 というわけで毎度のことながら、どんな物語なのか事前に軽く頭に入れてから鑑賞しようかと意気込み、早速鑑賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

「グランドジャンプ」にて連載中の宮月新原作の人気コミックを、フェイクドキュメンタリーやオカルト映画で力をつけてきた監督によって映画化。

思い込みやマインドコントロールで相手を死に導く男。行動や目的が分からないまま、一切手を加えず犯罪を重ねる彼を、一体どうやって止めるのか。そんな時、ただひとり彼にコントロールされない女刑事が現れる。立証不可能な彼=不能犯にどう挑むのか。

そして彼の目的は一体何なのか。

上映開始5分であなたの心は彼に支配されている!

息もつけない、めくるめく新感覚スリラーエンタテインメントの誕生だ。

 

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あらすじ

 

「・・・愚かだね、人間は。」

 都会のど真ん中で、次々と起きる変死事件。

現場では、必ず黒スーツの男が目撃される。

男の名は宇相吹正(松坂桃李)、ある電話ボックスに殺してほしい理由と連絡先を残すと、❝願い❞をかなえてくれる男だ。

ただし、依頼人の殺意が純粋でないと、恐ろしい事態を招くという。

さらに、ターゲットは確実に死に至るのだが、その死因は病死に自殺に事故——

そう、宇相吹の犯行は<見つめるだけで相手を死に追いやる>ため、罪には問われない<不能犯>なのだ。

果たしてその手口は。

 

CASE1

TARGET:木島功/金融会社社長

「人生、終わりにしたくなかったら用意しとけ!」真昼のカフェで、金を返さない客に向かって、携帯電話で木島(水上剣星)。

そこへ宇相吹が近づき、ガムシロップを注いだグラスの水をいきなり木島の顔にぶっかける。

いきりたつ木島だが、ニタァと笑う宇相吹の赤く光る目に魅入られ・・・。

■依頼人:後に意外な人物と判明。

 

CASE2

TARGET:島森広志/町内会会長

■依頼人:羽根田健/島森の近隣に住む会社員

羽根田(忍成修吾)は怒りに震えていた。部屋を覗いたり、ゴミ袋の中を確認したりするなど、異常な行動を重ねていた町内会会長の島森(小林稔侍)が、妻の桃香(水上京香)に乱暴したのだ。

羽根田は警察に通報すると島森詰め寄るが、いったい何のことなのか、警察に全部しゃべるぞ、と脅される。

恐怖を抱いた羽根田は、宇相吹に殺人を依頼する。

 

CASE3

TARGET:夜目美冬/多田刑事の上司

警察はようやく宇相吹の身柄を確保し、ベテラン刑事の夜目(矢田亜希子)が任意で取り調べる。

「僕はやってません」という宇相吹の言葉にピクリと反応する夜目。

以前、夜目は電車で痴漢した高校生を現行犯逮捕したのだが、彼は無実を主張した末に、拘置所で自殺してしまっていた・・・。

■依頼人:河津村宏/鑑識官

 

CASE4

TARGET:夢原理沙/ジュエリーデザイナー

■依頼人:木村優/離れて暮らす理沙の妹

「絶対、許さない。お願い、こいつを!」と、風俗で働く優(真野恵里菜)は、両親の離婚が原因で別々に育った姉の理沙(芦名星)への嫉妬と憎悪を宇相吹にぶつける。

父親の借金返済に苦しんだ自分と違って、母親に引き取られて幸せに育った姉は、もうすぐ大病院の院長候補の男と結婚するのだ。

そして優は宇相吹に抹殺よりももっと恐ろしい依頼をする。

 

連続爆破事件

多田友子刑事(沢尻エリカ)が自ら更生させた元不良少年、タケル(間宮祥太郎)が料理人を務める店で飲んでいると、TVから公園での大爆発のニュースが流れる。

去年の暮れで起きた神社での爆破事件と手口が酷似していた。

多田は悪の撲滅にあらためて闘志を燃やし、部下で新人の百々瀬麻雄(新田真剣佑)と共に捜査を進めるが、何の手がかりもつかめぬまま、3度目の爆破が起こり、またしても犠牲者が出てしまう。

だが、彼女は思いもしなかった。まさか連続爆破事件と宇相吹の事件が繋がり、壮大な事件へと発展するとは——。

そしてついに、2人の壮絶な対決の時がやってくる!(HPより抜粋)

 

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監督

今作を手がけるのは白石晃士

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レンタルビデオ店時代、同僚がこの監督大好きで「ノロイ」やら「シロメ」といったホラー系の作品を薦められたんですけど、ホラーは苦手なので完全にスルーしてたんですね。

気がついたらこういう商業映画も撮るようになってたんですねw

きっと彼の作品性を理解した上での抜擢なんでしょう。ということはこれ怖いのか!?

あぁどうしよう・・・。

 

というわけで監督の代表作を簡単にご紹介。

石井聰互(現:石井岳龍)監督や矢口史晴監督の下でスタッフとして参加後、「呪霊 THE MOVIE 黒呪霊」で長編監督デビュー。

行方不明となってしまった怪奇実話作家が残した呪いをテーマにしたビデオ映像を基に事件に迫った異色ホラー「ノロイ」や、当時一世を風靡した都市伝説のキャラをモチーフにした「口裂け女」、同じく都市伝説となった下半身のない女性をモチーフにした2部作「テケテケ」、謎の化け物が潜むと噂の廃校に番組収録で向かったアイドルが挑むフェイクドキュメンタリーホラーを、当時駆け出しで6人編成だった「ももいろクローバー」が初主演した「シロメ」など、オカルトホラー映画を中心に作品を手がけています。

近年は、角川が有する2大ホラーキャラを対決させるという、前代未聞の試みで話題を呼んだ「貞子VS伽椰子」も手がけています。

 

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 またモキュメンタリーホラーの人気シリーズ「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」も彼が手がけています。

 

 

 

キャスト

視線ひとつで人間を死に導く男、宇相吹正を演じるのは松坂桃李。

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去年は「彼女がその名を知らない鳥たち」でゲス不倫野郎を見事に演じていたのが印象的ですが、今回も特殊な役どころというか、いやぁ~な役柄をうまく演じてくれていそうです。

 

そんな彼の代表作を簡単にご紹介。

スーパー戦隊シリーズ「侍戦隊シンケンジャー」のシンケンレッド役で俳優デビューし、その劇場版で初主演。

カンボジアで小学校を建てようと思いつきでボランティア活動を始めた大学生達の挫折と奮闘を描いた青春映画「僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia」や、それぞれ心に傷を持つ若い男女が遺品整理業の仕事を通じて生と死に向き合っていく「アントキノイノチ」、現在絶賛公開中の人気シリーズ「新参者」の劇場版「麒麟の翼」など話題作に立て続けに出演し存在感を発揮していきます。

 

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死者との再会を一度だけ叶えてくれる役割を持つ青年を中心に、3組の再会を描く感動ドラマ「ツナグ」や、地味な昭和女のヒロインが、乙女心を軽く弄ぶイケメン最低男に恋をすることから始まる純愛ラブストーリー「今日、恋をはじめます」、70年代を代表する人気アニメを、ダークシリアス調にアレンジし、葛藤を抱えたリアルなヒーロー像を描いた「ガッチャマン」など主演作も徐々に増え、若手俳優としてトップクラスに上るまでに成長。

 

 

近年は、敗戦を受け入れた1945年8月14日から15日の玉音放送までの激動の1日を描いた「日本のいちばん長い日」で決起仕様と奔走する陸軍少佐役、優柔不断で恋愛体質のヒロインが思いがけずめぐり合った男性と恋に落ちていく「ピースオブケイク」ではノンケのオカマ役、

警視庁公安のエースが秘密裏に巨悪を追い求めていくハードボイルドな刑事ドラマの劇場版「MOZU」では残虐非道な殺し屋役、そして愛にカネに男にだらしのない女と、その周囲の男達が織り成す恋愛模様から予想だにしない結末を迎える「彼女がその名を知らない鳥たち」では、安易に主人公に近づき弄ぶクズ男役を好演するなど、変わった役柄で役者として演技の幅を広げているのがうかがえます。

 

www.monkey1119.com

 

今年はそれに拍車をかけるように、際どい作品に出演。広島の暴力団組織の抗争とそれを追う警察の姿を描く「孤狼の血」、女性にもセックスにも楽しみを見出せない男が娼夫として働くひと夏を描く「娼年」が春に公開予定です。

 

 

 

長くなっちゃったんで、あとのキャストはザックリ紹介。

宇相吹が唯一コントロールできない正義を貫く女刑事、多田友子役に、「ヘルタースケルター」、「新宿スワン」の沢尻エリカ。

熱血新人刑事・百々瀬麻雄役に、「ちはやふる」、「パシフィックリム・アップライジング」に出演の新田真剣佑。

更正した元不良少年・川端タケル役に、「全員死刑」の間宮祥太郎

借金まみれの風俗嬢・木村優役に、「新宿スワン」、「みんな!エスパーだよ!」の真野恵里菜。

多田の先輩でキャリア女刑事・夜目美冬役に、「クロスファイア」の矢田亜希子。

ベテラン鑑識官・河津村宏役に、「俳優・亀岡拓次」、「銀魂」の安田顕などが出演します。

 

 

 

 

 

いくつかのエピソードから宇相吹の実態を浮き彫りにして、多田との対決を描くような流れなんでしょうか。何か人間の強欲だったり罪深さなんかも色濃く描いてそうですね。

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

 感想

人間の悪しき欲望に付け込む都市伝説的存在。彼に打ち克つには己の強さだ!

しかしその強さを、この映画は全く描いていない!メッセージ性が弱い!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間の脆さ。

自分を苦しめる者、自分を戒める者、自分を痛めつける者、そこから生まれる憎しみ、怒り、羨望、妬み、そういった負の感情から生まれる最上級の思い、それが殺意。

いつしか人は簡単に「死ね!」「殺す!」など声に出したいこともあれば、心の中で叫びたいことが、生きているうえで何度も訪れる。

 

だが、その声が叫びが純粋に欲望になることがあるのだろうか。

大半は思いつきや衝動によるものだと願いたいが、この映画に出てくる登場人物は皆そういった感情が卓越して行動に出てしまっている。

 

ある者は妻が暴行されたことで直接苦情を言うものの、何か弱みを握られ踏みとどまってしまうが、怒りを鎮めることができない。

ある者は冤罪をかけられた後、自殺を選んだ子供を鋳込んだ刑事への恨み。

ある者は自分よりも格下なのに腕を認められた後輩への妬み。

ある者は自分と別々に暮らすことになったことで天と地の生活を送っている姉に対する嫉妬。

誰も彼もが憎しみや怒りを殺意に変え行動に移してしまう。だがそれを自分で手を加えることはしない。他人の力で殺めるのだった。

 

目を赤く光らせることで相手の心をコントロールし、思い込みによって相手を死に追い込む能力を持つ男。決して手は加えず人を殺す能力は、現在の法では捕まえることも裁くこともできない。それを不能犯と呼ぶ。

 

この思い込ませる能力は、自分の体内で起きている現象は他人には見えず、例え刺されたといっても相手からは刺されてるようには見えない。しかしコントロールされた当事者はどんどん苦しみだし、やがて死に至る。

決して毒を盛られたわけでもなく薬物を入れられたわけでもない。ただただ思い込みによって苦しみ命を落としてしまうのだった。

 

この思い込みというのは、実は劇中で殺意を覚えた依頼人たちにも存在する。

妻が暴行された男は、相手がなぜ妻に暴行を働いたのか事実を知らぬまま感情が先走り、宇相吹に殺しを依頼。

またある者は相手のふとした行動が決定打となり殺しを依頼する。

 

これがふたを開けてみると依頼人がきちんと相手に歩み寄らなかったことで独りよがりに思い込んだ結果だったことを知る。

妻が暴行された男は、依頼が完了した後自宅へ帰ると妻が大麻を吸っていたことを知る。妻を暴行した男は、実は彼の妻が大麻を吸引しているところを偶然発見し必死で止めただけの事だった。

 

両親の離婚で別々に暮らすことになったことで、借金を背負い水商売をしなければならなくなった妹は、自分のやりたい夢を実現し優雅に暮らしている生き別れた姉に、思い切って会いに行ったが観て見ぬふりをされたことに腹を立て殺しを依頼。

しかし、姉は観て見ぬふりをしてはいたが、自分画面と向かって合う決心がつかずにいただけの事だった。

願いが叶った妹の元に、姉から結婚式の招待状と心情が書かれた手紙が届けられ、姉の本当の気持ちを知った妹は、自分がしでかしてしまったことに激しく後悔する。

 

この2ケースは、もっと自分が歩み寄ったり、他者と深いコミュニケーションを取っていればこんなことにならなかったのかもしれない。

要は勝手な思い込みから生まれた殺意だったのだ。

 

そんな本末転倒ともいうべき出来事をまるで分っていたかのように、依頼を受けマインドコントロールし殺人を繰り返す宇相吹。「愚かだねえ、人間は。」と人間の心の脆さを弄ぶ彼を止められる者はいるのだろうか。

 

 

その人物こそが、多田友子刑事だった。彼女には強い心が存在する。相手に裏切られても信じ抜く心だ。人間というものに対し希望をもって接していれば、負の感情など生まれないというのを劇中で体現している。

彼女が少年課にいた時に親身になって説得し更生させたタケルとの交流がそうだ。

どんなに悪い奴でも本気でぶつかればこうやって立派な大人になれる、ということを実践した結果がタケルの表情に現れている。

 

そんな彼女に宇相吹は「これ以上悲劇を繰り返したくなければ僕を殺すしかない」とほのめかす。

彼を止めるには本当に殺すしかないのか。多田は葛藤の後、答えを見つける。

結局は彼の思うつぼであり、殺意はあってはならないことだと悟る。相手を信じぬくことで、いずれ人間がそういった感情を持たず彼を頼らなければ、彼の存在意義はなくなり悲劇は止まる。それがいつになるかはわからないが、自分の信念を貫き信じぬくことでそうなることを願う、それが彼女の希望だったのだ。

 

希望と絶望。脆さと強さ。相反する存在の二人の間で揺れる人間たち。そして今日もまた電話ボックスに依頼のメモが貼られていく。再び繰り返す絶望に希望はどう立ち向かうのか。

 

 

色々と難あり。

はい!

いきなり片っ苦しいこと書いてしまいましたが、やっぱり俺こういう書き方無理っす~、もっとやりたい放題気楽に書いた方がやりやすいっす~ということで、結局この映画楽しかったの?つまらなかったの?ってところから言いますと、つ~まらなかったですぅ~wwwぷりぷり~~。

 

だってだって!キャスト全員セリフ棒読み過ぎて演技ヒドイし!エピソードいくつも無理矢理入れるもんだからどれもこれも薄っぺらいし!さっさと次行っちゃうし!

 

んでもって宇相吹がマジシャンのように急に現れて急に消えて、しかも場面を変えちゃうイリュージョンまでする奇術やっちゃうのに、ナイフで刺したら案外致命傷って強いのか弱いのかわかぁんなぁ~い!

 

そんでそんで!この依頼って沢山ある中から、事前調査して確実に双方に落ち度や原因がある奴だけ選んでんじゃなないの~??って思ったんだけど、どう?図星じゃね?

だって純粋に殺したい奴ってホントもっといると思うんだけど、劇中でそういうやつ一人も出てこないから、無作為に選んでるって感じでもなさそうだし、その辺がなんかリアリティに欠ける?って感じで~。

 

で!で!これ宇相吹って偽名でどこから湧いて出たとか出生の秘密とか、いわゆるバックボーンがないから、なんでこいつがこんなことを繰り返すのかも理解できないし、その反面多田の意志の強さとか行動原理とか全く紐解かれてないから、いざ多田の視点になっても全然説得力がないし、宇相吹と対等の存在になってないのね!

要するに視点がコロコロ変わってるようで誰の視点にもなってないし、何もかもが弱いんだよね~、うんうん。

 

 

 

とまぁ、こんな具合にツッコミどころ満載の作品だった、というのが率直な感想でございます。

キャスト全員演技下手くそってのは言い過ぎで、宇相吹役の松坂桃李と、間宮祥太郎はハマってたと思います。やっぱりここ最近クセありすぎな役ばかりやってるだけあって、今作も不敵な笑みから猫背と不眠症みたいな真っ青な表情といった外見は、かなり役作りしたんだろうというのがうかがえました。

 

間宮くんも、更生した元不良少年て感じがよく出ていて、後半まんまと裏切られましたね。てか君はあんなもの作る技術はどこで覚えて、不良時代何して少年院行ったんだい?昔からああだったのかい?わからんね~w

 

それに比べて沢尻エリカが刑事ってのがちょっと無理ありましたね。正義感の強いというのはわかるんですが、なんか背伸びした子供がやってるみたいで貫禄がありません。ここは是非アンフェアの篠原涼子やストロベリーナイトの竹内結子を見習ってほしかったですね。デキる女ってのはああやって演じるんだってことです。

一番ひどかったのは矢田亜希子です。何ですかあの嘘くさい困惑顔と死に様。笑わせないでください。大根役者もいいとこです。叫び声ひとつとして感情ができっておりません。まぁ早々にフェードアウトしてよかったのがせめてもの救いでしょうか。

あとはテラハの哲っちゃん、君はまだ素人臭が出ているね。もっと演技の勉強をしなさい。死に様はお遊戯レベルです。壁をぶち壊しきれてません。全ての演技において照れがあります。もっと役に入ってください。要するに頑張れ!

 

 

エピソードいくつも入れちゃう問題に関しては、最後の姉妹のエピソードだけでよかったかもしれません。

結果として物語に深く携わってるのはあれだけですし、それ以外のエピソードは宇相吹の能力をわからせるためのものでしか機能していないので、だったらそれを大きなエピソードで少しづつ明かしていった方が物語に深みが出て展開がスムーズになったことでしょう。

どうしても入れるなら最後すべて繋げるとかするべきだったのではないでしょうか。

 

そしてどれも急ぎ足で描くもんだから、感情移入もへったくれもありません。泣いた途端に首つって自殺。で、次の場面。宇相吹に依頼してたのが同僚にバレた!5秒後即死。で、このエピソード終わり。妻が大麻吸ってた!自暴自棄になるんだけどすぐ手が出ちゃって相打ち。はい、このエピソード終わり。

早いよ!片づけるの!!余韻もへったくれもねえのかよ!

 

 

宇相吹という存在に関しても深掘りできていません。

まぁ都市伝説のような男だから実体すらなく、人間の醜い欲望が生み出したものなんだろうというのが正しい見方なのかもしれませんが、それならそれであいつはいったい何者なんだという説明を、警察側がきちんとミステリーチックに語らなければ彼の不可思議さが活きてきません。

殺したいという思いを持つ人間がいる限り、僕は消えないよwニタニタ・・・っていう存在なのはわかるんですが、なぜ彼が生まれてしまったのか、なぜこんなことをし続けるのかという宇相吹の根幹のようなものがきちんと描かれなければ、彼はもしかしたら必要悪なのかもしれない、とか、やっぱり彼のような存在は不必要だ!とか、彼に頼る人間が悪いんだ!みたいな、議論を抱かせるように観衆に仕向けないと面白みがないし、せっかくのいい題材がもったいないです。

 

 

最後に

前半は真面目に後半はダラダラ本音で書いて見ましたが、結果的にこの映画は漫画で描かれてることを映画的にまとめたんだろうけど、頭脳戦もなければ心理戦もない、命を扱う癖に重さを感じさせないテイストに、作り手はこれをどう見せたいのかが伝わってきません。

正直フェイクドキュメンタリーやオカルトを得意とする白石監督ですが、それすらも活かされてない気がします。

何もかもがもったいないですが、松坂桃李の存在感だけは良しとしましょう!

続編とかマジ勘弁ね。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆★★★★★★★3/10

映画「RAW少女のめざめ」感想ネタバレあり解説 理性をもって大人になりましょう。

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2月2日

RAW~少女のめざめ~

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このポスター、決して湯船に浸かりすぎてノボせている女の子、ではありませんw

まぁ非常にインパクトのあるポスターだなぁ、というくらいの興味しかなかったんですが、お肉の味を知ってしまった少女の青春映画、というのを知って、は?何だそりゃww

と思ってたんだけど、意外とシリアスなお話のようで、俄然興味が湧きスタコラサッサと鑑賞してこようと。

 ただ海外では失神者続出するほどのショッキングな映像があるということで、ビビりすぎて全編ちゃんと見られるだろうか、とちょっと不安であります。

ホラーではないだろうから過度の描写はないとは思いますが、是非その辺も観賞後の感想で伝えられたらと思います。

てなワケで早速観賞してまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

2016年のカンヌ国際映画祭批評家週間でワールドプレミア上映し、大喝采を浴びたフランス・べルギー合作のセンセーショナルな青春ドラマ。

才色兼備を誇るフランスの女性監督によって作られた今作は、人が人を喰らうカニバリズムを扱いながらも、グロテスクな描写といった生々しい映像ではなく、息を呑むほどスタイリッシュな映像美と独特のユーモアを交えた、オリジナリティ溢れる作品として完成されている。

隠された自分の本性に目覚めた思春期真っ盛りの少女は、どんな変貌を遂げるのか。

 

 

 

 

あらすじ

 

 

16歳のべジタリアン、ジュスティーヌ(ギャランス・マリリエ)は、両親と姉と同じ獣医科大学に入学する。

初めて親元を離れて、見知らぬ新しい環境である大学の寮で暮らし、生活する不安に駆られる彼女。

両親に車で寮まで送ってもらうが、寮にいるはずの姉アレックス(エラ・ルンプフ)に電話をかけるもつながらない。途方に暮れつつも、仕方なく一人で寮に向かいルームメイトと対面するが、女性との相部屋を希望したはずなのに、そこにいたのはアドリアン(ラバ・ナイト・ウフェラ)という男性。「俺はゲイだから」と言われてもなんの慰めにもならない。

さらに追い討ちをかけるように、『フルメタル・ジャケット』も真っ青の上級生による新入生歓迎のハードコアな儀式としごきが突然始まり、地獄の日々が幕開け。ようやく姉と出会えて安堵するが、狂乱かつ過酷な日々が続く。

 

ある日、そんなしごきの一環として、全身に血を浴びせかけられ、さらにうさぎの生の腎臓を強制的に食べさせられたジュスティーヌは、体に異変を感じるようになる。

身体中に発疹ができ、皮がむけ、体調はすこぶる悪い。悪夢にも悩まされるようになる。学業では優等生として本領を発揮するが、原因不明の精神的、肉体的なドラスティックな変化についていけない。ストレスもマックスで、最悪だ。

学食で衝動的にハンバーグを万引きしようとしたジュスティーヌの姿を見たアドリアンは、彼女を連れて寮を抜け出し、バスで小旅行に出かけて夕食を共にする。

アドリアンにすすめられて、そこで生まれて初めて自発的に肉を、ケバブを口にしたジュスティーヌは、肉の美味しさに衝撃を受け、がつがつとむしゃぶりつく。その後も夜中に無性に腹が減り生肉にかぶりつくなど、さらなる変化に戸惑うジュスティーヌは、次第に自分の内に秘めた恐ろしい本性と秘密に気づくことになる……。(HPより抜粋)

 

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監督

今作で長編映画デビューを飾ったジュリア・デュクルノー

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フランスの有名な監督、フランソワ・オゾンを輩出した名門映画学校「ラ・フェミス」を卒業し、映画界で若い女性監督が著しく活躍し始めた中でも、今後が楽しみ監督の一人として挙げられているようです。

今作でカンヌ国際映画祭の国際批評家連盟賞を受賞したそうで、次回作も期待されています。

 

 

 

キャスト

主人公ジェスティーヌを演じるのは、ギャランス・マリリエ。

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子役の頃から監督の短編映画に出演していたそうで、今回も主役に抜擢ということは監督から信頼を得ている証拠でしょう。

デヴィッド・リンチやクローネンバーグを愛する注目の若手女優さんだそうです。

彼女はベジタリアンではないそうですw

 

 

他のキャストはこんな感じ。

ジェスティーヌの姉アレックス役に、スイス人女優エラ・ルンプフ。

寮のルームメイト・アドリアン役に、「パリ20区、僕たちのクラス」でデビューした、ラバ・ナイト・ウフェラなどが出演します。

 

 

 

うん、薄っぺらいイントロダクションwwだってフランス映画精通してねえもんw

しかも新人監督や若手の役者ばかりで情報が全くないしw

たまにはいっかwとりあえず失神しないように楽しみたいです!

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

 

 感想

何度目を伏せたくなったことか・・・大人になるための通過儀礼や成長を、他者への愛の表現を、「肉を食べる」ことで描いた異色の青春ホラー映画でした!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大人になるってどういうこと?

ベジタリアンの主人公に訪れる大学寮という新しい環境。神童と呼ばれるほど秀才の彼女は、親元を離れ不安に駆られる。その予感は的中しいきなり先輩たちから文字通り血の洗礼を浴びるのだった!

お父さんもお母さんも同じ学校出身ということで安心していたがとんでもない!いきなり廊下に並ばせられ、妙な地下室で酒池肉林の夜会に参加させられ困り果てる主人公。

お姉ちゃんもこの学校で獣医学を学んでいる。しばらく離れていた内にお姉ちゃんは派手になっていた。せっかく久々の再会なのに、こんな場所でこんな再会。

そんな中儀式は続き、ウサギの生の腎臓を食さなければいけない事態に。

これからお前たちは獣医として一人前にならなければいけない。人間と動物は違うのだ!こんなことで躊躇してたら立派な獣医にはなれんのだ!

でもアタシベジタリアンでお肉食べちゃダメなの・・・。お姉ちゃん助けて!

はぁ?んなもん気合いで食いなっ!ここで拒絶したらあんたの大学生活肩身の狭い思いするよ!

ルームメイトのフォローもあり何とか口に帆張った。しかし体は痒くなり食欲もおかしい。

どうしたのアタシ・・・お肉欲しがってる。

そして彼女は肉を欲しがるあまり、禁断の人間の肉までも欲しがってしまう・・・。

 

 

とまぁこんな感じで話は進むわけですが、簡単な感想としては、フランス映画特有の風景や映像の美しさはもちろんのこと、血と肉体と衝動が艶めかしく、そして生々しく鮮やかに描かれることで、ホラー的要素を含みながらも、そこはどこか芸術的。

 

そして、「肉を食べる」ということが、少女が大人への階段を登る上での通過儀礼として、そこから姉との間にある溝を埋めていく愛の行いであって、相手を性の対象として求めていく愛欲であって、もっと大きく言うならば「性」と「生」と「愛」のメタファーとして描かれていました。

女性が大人になるってこんなにむず痒い気持ちで迎えるのか、男には決して理解できない歯がゆさというか恥ずかしさというかもどかしさというか。

そんなものを表現していたんだなと感じました。

 

男も思春期を迎えた時の苛立ちや悶々としたものがあったり、下の毛やら脇やらに毛が生えた時の「俺も男になったかぁ~~~っ!!」みたいなアホ臭さがありましたけど、女の子ってそういう感じではないんだなと。

 

「肉を食べる」ことのメタファー

ベジタリアンというのも結局は親の言いなりとしてのツールとして設定されていて、それが解放され肉を食することで、今までは拒んでいたけどそれって親に言われてたから頭でそう思い込んでいただけで、実は全然違くて。

で、それまでものすごく拒んでいたからその反動もめちゃめちゃデカい。

中学の時に門限17時を守ってた子が、つい反動で夜遅く帰った時の、ダメなのにいけないことをしてしまった時の妙な感動と一線を越えてしまったあの感じ。例えていうならそういった制限からの解放ってのも実は孕んでいたのかなと。

 

今まで言いつけを守ってきた主人公が、洗礼を受けついに頬張ってしまった肉。そこから彼女の中でアレルギー反応が起きます。これって要は内面の葛藤ですよね。

今までいい子にしてきたのに悪いことしてしまった事に対して、自分の中のいい子ちゃんが、ダメ―!!って。

その葛藤の現れとして、蕁麻疹が出て、皮膚が赤くかぶれて、やがて皮がはがれるほど掻き毟ってしまう。

もうこれ一種の脱皮です。少女から大人への。

肉を食べ体は拒絶して痒くなって皮をはぎ、を繰り返して少しづつ大人へと変化していく。

 

で、それがエスカレートして学食のハンバーグを無意識に盗んで、外で肉が挟まったバケットをむさぼるように頬張って、頭の中がお肉の事でいっぱいになっていく。

しまいには夜な夜な生肉を食べたくなってかじりついてしまう。

 

体の中は既に革命的な変化をしようとしてるけど、頭がそれに追いついていない。大人になるということは外見も変化していくわけで、身だしなみやムダ毛処理なんかもして女を磨いていかないといけない、ということをお姉ちゃんから教わるんですね。

お下がりのクラブの衣装をもらい、パンツからはみ出たムダ毛も処理してもらう。痛みは伴うけどそれは決してただの痛みではない。大人になる痛みだ。

しかしここで事故が起きてしまう。お姉ちゃんが処理に失敗し、ハサミで毛を斬ろうとしたが、お姉ちゃんのはさみを持つ手が震えていたことに不安を覚え、蹴とばしてしまう。

 

その勢いでお姉ちゃんの左手中指が切断してしまうのだ!!

おおおおぉぉおぉおぉぉぉぉぉっっっっ!!!!唐突!!!その直前買ってた犬が股間の匂いを嗅ぎに来るというコミカルで和やかな描写の後の痛ましいカット!

お姉ちゃんは失神してしまい、急いで電話して運んでもらうけど来るのに15分かかるから処置だけでもしようと氷を探すけど冷蔵庫に氷がねえ!

ああどうしよう・・・と落ち込む主人公。しかし、彼女は切り落としてしまった指を見て、そこから垂れる血を観て、ついにとうとう指を食ってしまう!!!

ああああああぁぁあああぁぁぁっぁぁぁっ!!!!!!

何ですかそのちゅぱちゅぱ音をたてながら吸いついて、スペアリブでも食べるかのようにかぶりつくその食べ方っ!

 

とまぁこれを機に人間の肉を欲するようになるんですけども。

実はこれには一つ大きな真実が隠れていまして。この人間の肉を食べるという行為、彼女だけだと思ったらとんでもないわけです。

実はお姉ちゃんも人間の肉を食べる人だったんですね~。

 

とうとうあなたも目覚めたのね。じゃあ我慢できなくなったらこうやって食べるのよ!と教えてくれるわけですが、単純にやっちゃいけない行為で人間を食べるわけです。

なんでそんなことまでして食べるの!?我慢すればいいじゃない!

そうです、我慢してくださいお姉ちゃん。僕もそう感じました。なんでもかんでも本能のまま行動してはいけません。それでは動物です。

 

人間と動物の違い。

序盤で新入生たちが食事している最中に猿を強姦するのかしないのかという話をしていました。それに対し主人公は、人間も動物も同じで猿にも自己がある。いやなものは嫌だと思うはず、という見解を示します。この時彼女の中では、人間も動物も同じ生き物であることが示されています。

ベジタリアンというのもそういう考えから来てるのかもしれませんが、果たして人間と動物は同じなのか。

 

ここでお姉ちゃんの行動を考えると疑問になります。

冒頭、車道をフラフラと歩きながら車が来た途端飛び出して事故を引き起こし、事故って重傷を負った人間に近づくシーンが流れます。

これが結局お姉ちゃんの仕業だったということが後々明かされ、お姉ちゃんは本能に従い食べたくなったらそれをやって人間を食べていたのです。

 

本能のまま生きる。これは非常に動物的な行動ではないか、ということです。

では人間は本能のまま生きているのか、違いますよね。人間には理性があります。

今からやろうとしていることは本当にやっていいことなのかどうか、判断する能力があります。それがあるから人間は道理に対して判断し見極め人間らしい行動をとるわけです。

 

もちろん主人公はお姉ちゃんのやってることに反発します。でも欲求を抑えることができません。

気が付くと同じ部屋でゲイのアドリアンの裸を目で追って、異性として意識していき、彼と寝るのですが、それと同時に彼を食べたくなるのです。

彼に止められ何とか自分を取り戻しますが、どうしても我慢できない。

夜中シーツにくるまって身悶えます。これまたメタファーです。胎内で正に生まれようとしている新生児のよう。第二次性徴期みたいなものでしょうか。

 

ここでまたお姉ちゃんの登場です。お前さぁ何我慢してんのよ、ほらこっち来な、お前は人間の肉を欲しがる家畜なんだよ!!と酒に酔ってるからといえやりすぎだろ・・・という行動を主人公にさせるのです。

それをまわりの生徒たちは動画で撮影して拡散。アドリアンに見せてもらったことでついに怒りが爆発。屋上でのお姉ちゃんとのキャットファイトが始まります。

首根っこを掴みマウントポジションを取り髪を引っ張り、ついには顔をかみちぎり腕を噛みと、犬と犬が本気でケンカしているかのよう。

この姉妹のケンカを他の生徒が止めるんですが、まさに飼い主が飼い犬を紐で引っ張って離しているような構図。

 

やはりお姉ちゃんは動物のような考えで行動していたのです。そしてこの時ばかりは主人公も動物でした。

 

考えてみれば、獣医のための大学という設定も振り返ると非常に理にかなった設定です。

人間は動物と違う、ということを動物を解剖したりケアする描写を入れることで画として説明していますし、新入生たちを束ねて誘導する先輩たちも、まるでヤギや羊を大移動させるような画にもみえます。最初の地下室でのパーティーに行くまでの道中、よっつんばいで移動させてたのもつじつまが合います。

 

 

この衝動を抑えるにはどうすればいいのか、お姉ちゃんのように本能のまま生きるしかないのか、それとも我慢していくしかないのか。人間は食べていかないと生きていけない。肉が欲しい。でも食べるとまた欲しくなる。食欲がない。でも食べないと生きていけない・・・。

主人公は解決法を見つけ出すことができるのか。

 

 

大きな愛。

お姉ちゃんは捕まるのを覚悟で肉を提供します。

結果として今までの一連の行動はお姉ちゃんなりの愛情表現だったことがわかります。

全ては妹のため。ちょっと異常なことまでさせたけど、人間の味を知ってしまったあなたは後戻りなんてできない。だったらアタシがあなたに手取り足取り教えてあげる、そんな風に振る舞っていたのかなぁと。

 

動物は愛情表現の一環で体を舐めたり噛んだりすることがあります。

屋上でのケンカもお姉ちゃんからしてみればそんな感じだったのかもしれません。

そしてそれはエスカレートし大きな事件へとなっていくのですが。

 

で、結末に大きなオチが待っています。いきなり突拍子もなくぶっ根でくるんで笑ってしまうんですが、これも大きな愛だな、と。

相手を受け入れる事ってこの上ない愛の表現なんだなというのが感じられた結末でした。

 

親からの愛、姉からの愛、異性を求める愛、それを拒まず受け入れてくれる愛、主人公は他者から様々な愛をもらっていたんですね。

それを知った時また一つ主人公は成長していくんだと思います。そうやって大人になるんだなぁと。

肉の味を知って、少女から脱皮し、もがきながらも本能と戦い、我慢を覚え、それを分かち合ってくれる理解してくれる人がいて、愛を知る。

一見ホラー的描写の多い作品ですが、なんと奥が深い映画だったことでしょう。

ダラダラと書きなぐり、結構ネタバレしてしまいましたが、モンキー的には観てよかった!良作でした!

 

最後に

公開日、東京は雪が降っていた関係で、いつも初日朝イチで見に行くのが当たり前だったんですが、前日ブログを夜中まで書いていたこともあり、昼からの回に見に行ったんです。ネットで予約したら朝と夕方はスカスカなのに、昼だけ座席が残りわずか。

なんで?と思いながらも今回昼の回で鑑賞したんですが、終わってもみんな帰らない。

なんで?そんなに席を立てないほどみんなショッキングだったの?

 

なんと上映後にトークショーがあったんですね。しかも映画評論家の町山智浩さん!

え!?ウソ!?マジで!?聞いてないよ~wてか超ラッキーww

短い時間でしたが、色々お話を聞かせていただきました。親から見たら子供って食べたくなるほど愛おしい存在なんだ、自分の手がうんこまみれになっても、それすらも愛と思える。これはそんなことを教えてくれる映画だと仰っていました。

 

今まで親からのいいつけで「肉を食べる」行為をしてこなかった子が、親の監視下から離れ、酒の味を知り、醜態をさらし、おしゃれに目覚め、男を異性として見はじめ、初めての経験をし、性に食に欲求が高まり、親へ初めて反発をし、姉にも反発をし、それを経て大人になる、成長譚でありました。

大人になった誰もが通る道を、肉を食べることで表現した異色の青春成長物語。

ショッキングな映像連発だし、実はものすごく笑える場面も多々あり、エンタメ要素としても抜群でした。

是非見ていただきたい1本でした。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10

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