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映画「羊の木」感想ネタバレあり解説 元受刑者は元受刑者でしかないのか。

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2月3日

羊の木

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2月の新作映画の中でもかなり期待値の高い作品。なぜってそりゃあ吉田大八先生の新作ですから。

去年は「美しい星」でなんとも不思議なSFドラマを、マジでやってんのかギャグでやってんのかのギリギリの所を突いた意欲的な映画だったんですが、今回は一体どんな話なのか楽しみでありました。

どうやらジャンルはサスペンスだそうなので、ドキドキハラハラする内容なんだろうとふんでますが、その真相や如何に。

 脇を固めるのが実力派役者陣で、主役がアイドルなんでその辺のギャップというかアンバランスさが演技してるときに大丈夫か?とか思っちゃいますが、錦戸君なら大丈夫でしょう。

というわけで早速観賞してまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

日本ギャグマンガのレジェンド的存在の二人、山上たつひこいがらしみきおが原作と作画でタッグを組み、文化庁メディア芸術祭優秀賞に選ばれた作品が、これからの日本映画界を背負って立つ監督によって、原作を抑えながらもオリジナルな結末へと設定を変更し、衝撃の作品へと変化を遂げた。

過疎対策として元受刑者を受け入れた架空の街を舞台に、過去に凶悪な罪を犯した者たちと、今もそこで住む人々たちのせめぎあい、人間の恐怖の深淵に迫った作品に一体どんな結末が待っているのか。

 素性の知れない人を信じることが出来るのか、それとも疑うのか、心揺さぶる衝撃と希望のヒューマンサスペンスです。

羊の木 コミック 全5巻完結セット (イブニングKC)

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映画「羊の木」オリジナル・サウンドトラック

映画「羊の木」オリジナル・サウンドトラック

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

さびれた港町・魚深(うおぶか)に移住してきた互いに知らない6人の男女。

 

市役所職員の月末(つきすえ)は、彼らの受け入れを命じられた。

一見普通に見える彼らは、何かがおかしい。

やがて月末は驚愕の事実を知る。

 

「彼らは全員、元殺人犯。」

 

それは、受刑者を仮釈放させ過疎化が進む町で受け入れる、国家の極秘プロジェクトだった。

 

ある日、港で発生した死亡事故をきっかけに、月末の同級生・文(あや)をも巻き込み、小さな町の日常の歯車は、少しずつ狂い始める・・・。(HPより抜粋)

 

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監督

今作を手がけたのは吉田大八。

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コミカルな描写を入れながらも、背景に社会性を混ぜ人間の何たるかを照らす作品を作っている方だと思います。要はヒューマンドラマとコメディをやってるってことです、はい。

桐島、部活やめるってよ」以降、国内の賞レースでは逃すことなく絶賛される作品を作り続けております。

監督に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

キャスト

主人公の市役所職員・月末一を演じるのは錦戸亮(関ジャニ∞)。

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Twitterのフォロワーさんとも話したんですけど、彼には内に潜む狂気が発揮されたときこそ演者として魅力的になる、みたいなことを仰っていて、まさに同感だなと。

TVドラマ「ラスト・フレンズ」でのDV彼氏は圧巻でした。アイドルなのにそこに行くか!?という、批判覚悟で演じた度胸と役者として1ランクアップしたい彼の欲が重なった演技だったと思います。

とはいえ今回の役どころは、心の揺れが伴われる役なのでその辺をどう演じるのか見ものです。

 

そんな彼の代表作を簡単にご紹介。

現代にタイムスリップした江戸時代のお侍が、ひょんなことからパティシエとして活躍し、居候先の母子と絆を深めていくハートフルコメディ「ちょんまげぷりん」で映画デビュー。

その後、自身が所属するアイドルグループ関ジャニ∞のコンサート内で演じてきたキャラを映画化した「エイトレンジャー」が続編を製作するほどのヒット。

交通事故で下半身と記憶に障害を持った女性に恋に落ちたタクシー運転手との純愛を描いた「抱きしめたい~真実の物語~」などに出演しています。

 

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 これはオススメ。

 

 北川景子史上最高の演技です!

 

 

 

 

月末が思いを寄せる、帰郷してきた同級生石田文を演じるのは、木村文乃

 

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昨年は「追憶」、「火花」に出演。今年は「伊藤くんAtoE」に主演と徐々に映画にも出演が増えてきている彼女。

今後も映画にTVドラマに活躍して欲しいですね。

彼女の出演作に関してはまた今度。

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

傷害致死(懲役1年6ヶ月)、無邪気で好奇心旺盛な宅配業者・宮腰一郎役に、「探偵はBARにいる」、「まほろ駅前多田便利軒」の松田龍平

傷害致死(懲役8年)、傲慢ですぐ人に絡む釣り船屋・杉山勝志役に、「テルマエ・ロマエ」、「無限の住人」の北村一輝

殺人(懲役7年)、色っぽくどこか隙がある介護センター職員・太田理江子役に、「WOODJOB!」、「オーバーフェンス」の優香

殺人(懲役18年)、強面で寡黙なクリーニング屋・大野克美役に、「永遠の0」、「るろうに剣心」の田中 泯

殺人(懲役6年)、人見知りで几帳面すぎる清掃員・栗本清美役に、「シン・ゴジラ」、「三度目の殺人」の市川実日子

殺人(懲役7年)、大人しくて気弱な理髪店勤務・福元宏喜役に、「ぼっちゃん」、「幼な子われらに生まれ」の水澤紳吾

中小企業を継いだ同級生、須藤勇雄役に「シン・ゴジラ」の松尾諭などが出演します。

 

 

 

 

 

これからこんな未来が来てもおかしくない設定の物語。もしそうなった時、あなたは信じることが出来るのか、それとも疑ってかかってしまうのか。非日常的でありながら、日常へリンクしてしまうリアルさを孕んでいそうなヒューマンサスペンス。

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 感想

元殺人犯を受け入れられるか、それとも拒むのか。人間の真理を問うように、緊張と緩和で揺さぶったヒューマンサスペンスでした!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心を掻き乱す演出。

地方の小さな町。そこでは若者が離れていくことで高齢化が進み、過疎化が問題となっていた。

また罪を犯したものを収容する刑務所では、受刑者を国の税金で賄う故に、増えればその分費用がかさむ。

この2つの問題を解消する糸口として、刑期の軽い元受刑者を仮釈放させ、その町に10年間住ませることで、過疎問題も解消、刑務所の飽和状態や税金などの経費削減という、いわば一石二鳥の極秘国家プロジェクトが誕生した。

 

そんな一見理に適ってそうで、よくよく考えるとそれバレたら大問題だろ!という設定を冒頭でサクッと説明しながら、特に何も考えてなさそうな普通の人間の視点で6人の受刑者を迎える序盤が非常にコミカルに展開されており愉快。

 

一緒に来た人は友達ですか?

いいでしょう?人もいいし、魚もうまい。

 

開口一番キャッチコピーのように同じ言葉を繰り返したり、どう見ても友達じゃねえだろwな人を友達と思い込むような、人を見た眼で判断しないちょっと能天気な月末が、非常に地方に住む独身の好青年に見え、親近感が沸く。

 

その後も味噌ラーメンとチャーハンと餃子を「幸せの黄色いハンカチ」の高倉健よろしく、口いっぱいにかっこむ福元、来ている服がカビ臭いからとギフトショップで急ごしらえの着替えをしてパッツンパッツンのTシャツを着る大田、塀の高い場所で明らかにソッチの人だろ・・・と勘ぐってしまう大野など、淡々と受刑者を迎える月末。

さすがの月末も大野を迎えた時は疑問に思ったのか、上司に問い詰める。

その事実を知った途端、それまで同じリズムと同じ音符で刻んでいたBGMで構成されていたほのぼのとした空気が一変する。

これを同じBGMなのに、重さでエフェクトすることで一気に緊張感が芽生える。

正に月末の心情を音で表現した演出に序盤一気に引き込まれる。

 

この緊張感のまま杉山が登場した際には、タバコを買ってきてと言われると拒否する姿勢を取る、あからさまな態度。

かと思えば、宮越の登場では、逆にいつものキャッチコピーを宮越から言われる件で元ののほほんとした空気に戻る。

序盤で非常に良いフックになっていてよかったですね。

ここで、宮越という人物が物語において重要な役どころになるのでは?と想像できるのではないでしょうか。

 

 

音に関して言えば、表現する演出が非常に効果的で、月末と文、同級生の須藤とバンド練習をするシーンも、画的にはなぜバンドwwと俯瞰で見ると笑える場面なんだけど、やってる音楽がグランジwwなんて設定だw

 

この演奏を始める前に須藤が、「まだそんなバンドごっこなんかしてるのって妻がいうんです」という愚痴をこぼした後にかき鳴らされるギターのノイジーなストロークと、安定のリズムでベースを刻み、そこに感情をぶつけるようにタム回しをするドラムがそれぞれの今の想いを音で表現していた辺りも面白い。

 

須藤は家庭内の不満を、文は故郷にUターンしてしまった今の人生を嘆いてるかのように、そんな内心を全く理解せず、ただただ現状維持な自分に満足しているかのように淡々と同じ音階のベースを弾く月末。

この3者のアンサンブルが、複雑でありながらごくごくシンプルなアンサンブルを奏で騒音となる様は、地方に住む若者の声なのか?とも感じられる演出であり、これを繰り返すことで徐々に物語に緊張感が加わるのが非常にうまいと感じました。

 

ここから物語で感情のピークや物語の山場を迎える時に、このノイジーなギターの音が多用されていくので、効果的だなとも感じます。

 

 

緊張と緩和は中盤も続き、受刑者たちを合わせてしまうと後々大変なことになるから注意しろ、という上司の忠告がありながら簡単に後輩にバレてしまう点、しかもバレ方が後輩が課長のPCを勝手にいじって発覚するというセキュリティの甘さ!おいおいっ!極秘じゃねーのかよw

しかも町で行われるのろろ祭りの参加者が見つからないからって、受刑者全員に声をかける後輩のKYな人選!

祭り前に参加者で食事するシーンもやはり騒動は起こってしまいます。

理髪店の店主に酒を薦められた福元は、頑なに断っていましたが、祭りだし体を清めるって意味もあるからということで1杯飲んだ途端、ガンガン飲んで悪酔いしてしまい暴れてしまう。

徐々に緊張が積み重なっていく感じが非常に素晴らしかったです。

 

 

人間の本質を見極めるには。

東京に住んでいればすれ違う人すれ違う人、二度と出会うこともなければ、今後関わってくる人もいるかもしれない人口密集地帯なわけで、その人がどんな人かなんてのは気にすることもない無干渉な生活が当たり前なわけだけど、小さな町ともなるとそうはいかない。

良くも悪くも些細なことが一気に広まるような場所だから顔も素性も筒抜け。過去に何をやっていたとか、どこで働いてるとか、誰と付き合ってるとかまでも知られてしまう。

そんな狭い町に元受刑者が、しかも6人も転入してくるのだからざわつかないわけがない。そこに偶然起こる死亡事故。事情を知っている月末は、いやがうえにも受刑者と事件を結びつけてしまう。

これってすごく普通の考え、と思いつつも、早合点だろうとも思える場面でした。自分だってそう思って身構えてしまう。俺じゃねえよ、と杉山が話しても、だ。

 

だけど、話が進んでいくうちに受刑者たちはなぜ人を殺めてしまったのかというバックボーンが語られていく。

仁義を通すために、または殺意をもってという明らかに殺すために罪を犯した凶悪な者が何人かいる中で、ある者はもみ合いで打ちどころが悪く運悪く死んでしまった、ある者は相手を愛しているがゆえにエスカレートして、またある者は自分に暴力を振るわれ、パワハラを受けられ。このように仕方なく、はずみで、事故的に、偶発的に、というような形で殺めてしまった人もいる。

 

この話を受け月末は宮越と友達の関係を築き、太田と父は恋愛関係に発展していき、理髪店の店主は雇った福元の素性が分かっても、自分と同じ境遇の持ち主だとカミングアウトし距離を縮め、大野がカミングアウトして出ていこうとしても、クリーニング屋の女店主は引き留めるんですね。

 

月末の場合は宮越の犯した罪が偶発的だったこと、人当たりのいい好青年だと思ったから彼を受け入れた。

太田は好きになった人ともう離れ離れになりたくない気持ちを刑務所で肌で感じ、彼女が犯した罪を理解してもなお、好きな気持ちに嘘偽りはない、という父の気持ちを受け入れていく。

福元は素性がバレたことでいてもたってもいられなくなるが、実は理髪店の店主も元受刑者だった。お前の気持ちは痛いほどわかる、だからそばにいてほしいと彼を受け入れる。

大野は、客足が自分のせいで減っていくクリーニング店に迷惑をかけていると悟り、事実を全部話し出ていこうとする。しかし、女店主は私はあなたを悪い人と思ったことは一度もない、周りの人はそういうけど私の気持ちは?と自分の正直な気持ちを話し、彼を引き留める。

 

皆それぞれが殺人犯であることを理解しながらも、そのフィルターの先の人間の本質をそれぞれが見極め受け入れていく様が描かれていて、人間てまだまだ捨てたもんじゃないなと。

 

そして印象的だったのが、文のセリフ。

宮越と付き合うことになった文に、思いを寄せていた月末はつい要らんことを言ってしまう。彼は元受刑者だよ、と。

あなたは付き合うのに、過去をあれこれ気にするの?全てを理解したうえで付き合うの?そうじゃないでしょ?今までずっと一緒にいてあなたは私の何をわかってるの?

付き合うって、その人をわかりたいから付き合うんじゃないの?

 

人と共生していく中で、全てを疑ってばかりいたら何も始まらない。まずは信じて一歩踏み込んでみることだ。そんなことを思い知らされるセリフだったように思えます。

 

でもそれだけで終わらせないのがこの映画の肝といいますか。やっぱり更生してきちんと社会で他者と向き合おうとする者もいれば、なんも変わらない犯罪者もいるわけで。

 

例えその相手が犯罪者だろうが普通の人間だろうが、これから人と向き合っていく上で人間の本質を見極めて付き合っていくことが大切なのかな、と考えさせられる内容でした。

 

結局羊の木って何?

冒頭でこんな一節が流れます。

 

その種子やがて芽吹き タタールの子羊となる

羊にして植物

その血 蜜のように甘く

その肉 魚のように柔らかく

狼のみ それを貪る

「東タタール旅行記」

 

この一節に加え、清掃員の栗本がこの羊の木が描かれた缶のフタを海岸で拾い、玄関に飾るシーンがあります。

そして栗本は味を二尾購入し、一つは晩飯のおかずとして、もう一匹はアパートの庭に埋めるのです。その行動は他にも亀の死骸も埋めたりと不可思議な行動。

この件は、恐らく羊の木が描かれたフタを見て発想を得たのが理解できると思いますが、果たしてそれが何の意図なのかがわからない。

 

というわけで色々考えてみました。

 

まず羊の木に関してですが、調べてみるとバロメッツという伝説の植物に行き当たります。

これはヨーロッパなどで見られたもので、羊の実がなった木なんだそうです。

時期が来ると実をつけ、生きていない羊が収穫できるそうで、放置しておくと周りの草を勝手に食い散らかせていくとのこと。

辺りに草が無くなれば飢え死にし、それを餌に狼や人が群がってくるというもの。

 

あくまでこれは伝説であり、実際は木綿を誤解したヨーロッパ人の間違った言い伝えだとされているそうです。

 

では、これがこの映画にどういう意味をもたらすのか。

それは植物であり動物でもあるこの羊の木ないし羊の実が、人間そのものなんじゃないかということなのかなと。

目の前にいる人物が果たして植物のような人なのか、それとも動物なのか。羊の皮をかぶった狼なのか、はたまた本物の羊なのか。それは食べてみないとわからない、理解しないとわからない。逆に自分もまた羊の実なのかもしれない。

 

物語ではそんな風に元受刑者という羊の実ともいえる6人が登場し、それを見極める月末たち町の住民によって試されているのかなと。いや住民たちが試されているのか。

 

そして庭に死骸を埋める栗本に関してですが、彼女は唯一住民と触れ合う描写がありません。しいて言えば亀の死骸の件で子供たちと触れ合っていますが、そこに強い意味はないかと。

その代わり彼女は死骸を埋めて木を育てようとする役割があります。

これは恐らくこれから魚深でまた受刑者が転入することを示唆しているのかなと。それと同時に彼らがこの町で試されることで本当の自分を知ってほしいという願いが込められているのかなと。

 

きっと彼女は今後もああやって暮らす気がします。

自分は誰とも関わらない、私の本質など誰からも見なくていい代わりに、他の誰かが周りの人たちからきちんと見極めてほしいという現れなのかなと。

実際羊の木の画には5匹しか描かれていません。これは栗本以外の5人の受刑者の事を指すのかなと。

 

 

これはあくまで個人的な、あ、モンキー的考察ということでめっちゃ自信ないし不正解だとも思いますが、やはり思った事は書こうというスタンスでやっておりますので、どうかお前分かってねよ!みたいなツッコミはご勘弁をw

多分のろろ様とも関連付けたら違う見方ができるだろうし、きっと関連付けないとダメなんだろうけど、あえて切り離して考えてみましたw

難しいわこういうの。

 

 

 

最後に

癖のある受刑者たち6人の、普通でいながらも違和感ありありの空気感が見事でしたし、その中でとにかく普通を意識した錦戸君の佇まいも素晴らしかったです。

 

特に優香はむちゃんこエロかったwちょっと濃いめの口紅が、どこか地方の女感が出ていてエロかったですねwやっぱりこの人かわいいわw

 

とりあえずですね、受刑者によって試されている人間を描いたヒューマンサスペンスでございました。大八節炸裂でした。

というわけであざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10


Netflix映画「クローバーフィールドパラドックス」感想ネタバレあり解説 全ての始まりがここに。

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2月5日

クローバーフィールド・パラドックス

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毎年この時期アメリカでは、アメリカンフットボールの中で一番盛り上がりを見せる「スーパーボウル」が行われます。

ハーフタイムショーでは人気のミュージシャンやアーティストのパフォーマンスもよくニュースなので観る機会がある人も多いでしょう。

映画会社にいたっても、これだけ注目を集めるイベントだけあって、今年の大作映画の新しいトレーラーを流すというのも、ひとつの風物詩のようになっています。

 

そんな中、Netflixがやってくれやがった!!!

かねてから噂のあった「クローバーフィールドシリーズ第3弾を、ネットフリックスで配信することが決まり、しかもこのスーパーボウルの放送終了後に配信するという、前代未聞のサプライズ!!!

パラマウントが公開を遅らせている、なんて情報が以前からあったようですが、結局ネトフリ。しかも毎度毎度シークレットで内容を明かさない映画だけに今回ばかりは、今回ばかりは!!!

急すぎるぜ!!!!

 

で、これ知ったときですか?もちろんこうです。

 

 

は?え!?ええええっっ!!!!

です。2月5日の午前中にこの情報を知り、はっきり行って仕事が手に尽きません。

もう帰宅してこれを見る準備がしたい。そしてTVにかぶりつきたい。

そう思った人もたくさんいることでしょう。

 

ということで急ごしらえで、イントロダクションを作って感想をあげたいと思います。いつもと流れが違うのでご容赦ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

スター・ウォーズ」、「スタートレック」のJ.J.エイブラムスがプロデュースする「クローバーフィールド」シリーズ。その斬新な世界や未知の存在に翻弄する登場人物、そこから醸し出される緊張感や、謎だらけのスリラー要素などで多くのファンを持つシリーズの最新作がネットフリックスで配信される。

 

今作は、そう遠くない未来が舞台。

世界中から集められた宇宙飛行士たちが、地球の深刻なエネルギー危機を解決するため、宇宙ステーションで実験を行っていた。しかしある事故により、その任務は予想外の事態に陥る。宇宙に放り出された飛行士たちの運命は…。

この物語がこれまでのクローバーフィールドとどう繋がっていくのか。まだ心の準備のできていないファン達にとんでもないサプライズと、どのような展開でスリリングなストーリーが用意されているのか。

 

 

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監督

監督はジュリアス・オナー

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ナイジェリア生まれアメリカ育ちの監督。

日本未公開ですが「トラブルメーカー」という作品で長編映画デビューしたばかりの新人さんです。

「God Particle」なる作品をJ.J.と組んで製作するというニュースがありましたが、それがクローバーフィールドだったんですね~!!!どこまで秘密主義で行くんだ!!

 

トラブルメーカー [DVD]

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キャスト

 すいませんこちらもザックリご紹介。

ドイツの宇宙飛行士シュミット役に、「キャプテンアメリカ/シビルウォー」、「グッバイ・レーニン!」のダニエル・ブリュール

イギリスの宇宙飛行士ハミルトン役に、「オッド・トーマス」、「美女と野獣」のググ・バサ=ロー

アイルランドの宇宙飛行士マンディ役に、「ブライズメイズ 史上最悪のウエディングプラン」、「ソウルガールズ」のクリス・オダウド

中国の宇宙飛行士タム役に、「グランド・マスター」、「HERO」のチャン・ツィー

アメリカの宇宙飛行士で司令官キールを演じるのは、「グローリー/明日への行進」、「大統領の執事の涙」のデビッド・オイェロウォ

ロシアの宇宙飛行士ヴォルコフ役に、「ラスト・ナイツ」、「オデッセイ」のアクセル・へニー

ブラジルの宇宙飛行士モンク役に、「ワイルドスピード」シリーズでレティが潜入捜査したときの麻薬組織のボス・ブラガを演じていた、ジョン・オーティス

謎の宇宙飛行士ジェンセン役に、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・リミックス」のアイーシャ役で有名になったエリザベス・デビッキが出演します。

 

 

 

 

というわけで、雑すぎるイントロダクションですが、そもそも何も準備してないから事前情報用意できてねえんだよ!!

とりあえずおさらいとか~後回しっ!!感想の中にしれっといれるわw

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

感想

パラマウントさん!!!お願いだから映画館で上映してっ!!!

船内で起きる不可思議な現象、そこから巻き起こるパニックスリラー!!

クラシカルなBGMで臨場感を煽るエンタメムービーとなってました!!!

以下、ネタバレ全開で行きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シリーズはとうとう宇宙へ。

そう遠くない未来。地球は深刻なエネルギー不足となり、このままでは5年以内に枯渇してしまう。

シェパード粒子加速器を宇宙から地球へ放つことで、莫大なエネルギーを得ることができることを突き止め、世界中から選任された宇宙飛行士たちは、クローバーフィールド宇宙ステーションに搭乗し、地球のエネルギー危機を解消するため任務に就く。

 

だが任務はなかなかうまくいかず2年が経とうとしていた。

地球ではエネルギーを自国のものにしようと、石油戦争にまで発展。ロシアが他国を侵攻しようとする事態にまで陥っていた。

ドイツも戦争の準備を始めようというニュースもある中で、宇宙飛行士たちは苛立ちを隠せないでいた。

 

ある研究者の説では、この任務が次元の幕を引き裂き、多次元と衝突し予期せぬ事態が起こるでのは?と力説。

そんなことが起こるわけがない、と誰もが思う中、47回目の実験に挑むクルー。

ついにシェパードの稼働に成功した、かに思えた。

システムが異常をきたし、火災が発生。それぞれが復帰作業に勤しむ。

 

現在の状況を確認しながら最善策を探すクルー。通信システムを復旧させようとしていたハミルトンは、地球が無くなっていることに気付く。

一体何が起きたのか。地球は本当になくなってしまったのか・・・。

 

 

 

1作目では、都市部で起きた惨劇を記録した映像の暗号名として「クローバーフィールド」を名乗り、未知の生物によるパニックスリラーとして描かれ、2作目では、とある町の名が「クローバーフィールド」として使われ、外での危機から逃れるため地下室に隠れた3人の男女で描かれた密室スリラー劇だった。

 

果たして今作は何がクローバーフィールドなのか。

それは宇宙ステーションの名であり、前2作で登場した未知の生物がなぜ地球に現れたのか、という原点に通じる「クローバーフィールド・パラドックス」の名だった。

 

とうとう時間軸や次元を歪ませることによって彼らは地球に来てしまったということで、原点といえば原点だが、これじゃあ今後の成り行きをどうにでもできちゃうじゃないか!とも思えてしまう出来に、なかなか素直になれない自分がいたわけですが。

 

ただ実際のところ、これをクローバーフィールドだと思うから、肩透かし食らうだけで、そこを切り離してみたら、ちゃんと宇宙ステーション内で起きた不可思議な現象によパニックスリラーとしては十分楽しかったんですよね。

 

音楽からの臨場感は素晴らしい。

 

まず声を大にして言いたいのは、このクローバーフィールドシリーズに欠かすことのできない緊張感が、今作でも爆発していたこと。

 

何が起こるかわからない展開と、謎が謎を呼ぶ伏線、そして前作でもあった密室という空間など、緊張感を高め食い入るように見てしまう設定は今作からもガンガン伝わる。

 

特にモンキー的にはBGMが非常に良かった。

今回視聴時間を短縮するために、やむを得ず休憩中にダウンロードしておき、帰宅しながら途中まで鑑賞し挑んだわけですが、ヘッドフォンで聞くBGMがあまりにも効果的過ぎて電車の中で一人ビクっ!!!っとしてしまうほど、作品世界に没頭してしまい、そのおかげで電車から降りるのを忘れそうになったほど。

音量上げ過ぎだからじゃね?と言われても何も言い返せないけど、実際自宅で鑑賞しても同じ感覚でした。

とにかくBPMの速いストリングスと管楽器で煽る重低音。

スタンダードと言われればそうかもしれないが、このシリーズの中では一番いい音楽だったように思えます。

 

謎だらけの序盤

一体何が起きているのか、なぜこうなってしまったのか。

そんな疑問を登場人物と一緒に追うことができるのが、この物語の強みであり、没頭できる要因の一つに思います。

それを巧みなBGMで煽るのだから、なんともうまい仕掛け。

 

そして序盤で畳みかけるように、不可思議な現象が次々と起こる展開も非常に巧妙だったように思えます。

 

まず地球が無くなっているということ。ハミルトンが地球との通信を復旧させようと試みますが、周波数が見つからない。まずここで回線の段階で地球がない!ということに気付いた後、今度は全員が散らばり、各々で地球を目認しようとします。

そして自分たちは地球を破壊し、遠い銀河の果てまで飛ばされてしまったと思い込んでしまいます。

 

それから各々が普及作業にかかる中、ハミルトンとヴォルコフは、シェパードが正しい位置を向くためのジャイロ=高価なコンパスの復旧に取り掛かります。

しかし、中を開けると見当たらないことに気付きます。佐合したときにはきちんと挿入したはずのジャイロ。

一体どこへ消えたのか。

 

そしてこの時、ヴォルコフは右目に違和感を感じていました。

 

それからすぐステーション内で大きなうめき声が鳴り響きます。そうです、これクローバーフィールドですよ!もしかして奴らがステーション内に侵入したんじゃないか!?

恐らくみんながそう思ったと思います。なんてったってハンパない声ですからね。

すると壁のか中から声が。

全員がどうするか揉める中、意を決して開けると・・・

何と一人の女性が!!!

ぎゃああああああああっ!!!!

何で壁の中に女性が!!しかもクルー以外に人間がいるということはありえない!

手に送電線が貫通しているほど配線に絡まっている女性。しかもハミルトンの名を知っている。誰も心当たりがない中、とにかく救出を試みるクルーたち。

 

 

その後、司令官の命令を無視し、勝手にシェパードの復旧を始めるシュミット。消えたミミズの行方を考えるマンディ、とうとう右目の制御が効かなくなり鏡を前に誰かと話し始めるヴォルコフ。

タム意外全員知っているし、なんであなたがここにいるの?ハミルトン。あなたは地球にいるはずよ、と皆が理解できないことを次々としゃべる、壁の中にいたミーナ・ジェンセンと名乗る女性。

しかもシュミットに気を付けろという警告まで。

 

おい!なんなんだ!今回のクローバーフィールドは!!10クローバーフィールドレーンよりも謎すぎる展開に口開けっぱでほげぇ~っと見ていたモンキーは、完全にこの映画の虜となっていました。

 

このようにいくつもの謎がガンガン放り込まれてくることで、緊張感を高め、頭を混乱させ、物語に没頭させる素晴らしい序盤だったと思います。

 

 

徐々に理解していく真実

この謎だらけの現象は、地球のエネルギー不足を解消するために、シェパードを作動した結果、二つの異次元世界で粒子がぶつかったことにより、こちらの世界とあちらの世界が、同じ空間を奪い合う、いわばカオス状態になってしまったことが原因でした。

 

これがパラドックスであります。

一見理に適っているように思えて実は矛盾している、または矛盾しているように思えて正しいことを言っている、というのが一般的なパラドックスの説明ですが、今作は次元と次元がぶつかったことで、実際そこに自分が存在しているのに、自分たちの知らないことが別の自分によって起こっているようになっています。

正に、正しいのに間違っている、間違っているのに正しいことになっている現象です。

冒頭で研究家が熱心にテレビで訴えていることが本当に起きてしまったということです。

 

物語では、シェパードの作動によってクルーたちは別次元に飛んでしまった。

それによって、

  • ヴォルコフの体内にジャイロが埋め込まれていた。
  • ジェンセンという誰も知らないクルーが乗り込んでいた。
  • マンディの腕が別次元に飛んでしまった。
  • シュミットがスパイ扱いされてしまう。

などの現象が起きてしまってします。

 

とりあえずですね、何がどうなったのか色々と考えてみました。

要はですね、全て必然だったってことなんじゃないのかなと。

 

まずヴォルコフについて。

彼は突然右目がおかしくなり、鏡で知らない人物と話しているようでした。そして銃を作り出し、シュミットをスパイと思い込み銃で殺そうとします。

しかし突然吐き気をもよおし死んでしまいます。

このヴォルコフ、別次元の自分と同期していたんじゃないでしょうか。

シュミットは別次元でスパイ行為を働いていたのですが、こっちの世界ではそんなことしていません。それを知っているのは別次元のヴォルコフ。となると、鏡越しで話しているのはヴォルコフ自身ではないのか、というのが自然なのかなと。

 

そして体内にジャイロが埋め込まれた理由ですが、まぁ次元と次元がごっつんこした時に体内にスポッと入っちゃったのかなぁ、と最初思ったんですが、結末から辿っていくと結果ジャイロがあったことでシェパードは再び作動するので、そういった矛盾を解消するためのものだったのかなと。

あぁ~何言ってるか自分でもわからん・・・。

 

 

ジェンセンについてですが、彼女は完全に別次元の存在。

ハミルトンと友達ですが、クルーのハミルトンは彼女を知りません。

ジェンセンの知っているハミルトンは地球で家族と子供たちの事を考え宇宙に行くことを断っていることが明らかになります。

しかし、実際のハミルトンは自分の軽率な行動で子供を失っていることが明かされます。

結果ジェンセンは自分の次元で起きていることを守るためクルーたちを殺そうと企むんですが、これも結果を考えると、こちら側の世界がうまくいくように送られてきた存在に感じます。

彼女が問題を起こすけど、それによってこちら側の次元は無事シェパードを作動させるきっかけのようになっていたのかなと。

 

マンディの消えた腕に関してもそうです。

電気系統の修理をしていたマンディは突然壁に腕を飲み込まれます。

その後腕は切り離されてしまいますが、痛みがありません。ただ腕が無くなっただけ。

しかし、司令官によってスパイ容疑をかけられたシュミットは部屋に閉じ込められるのですが、自動的にドアが開いたことで外に出た途端、マンディの腕を発見します。

マンディはその腕を自分の意識で動かすことはできず、腕は腕で別の意識が働いている。要はこの腕は別次元のマンディの腕なのかなと。

これも結果から逆算すると、彼の腕が離れたことでジャイロを見つけ出すことができ、彼らが助かるきっかけになっていると考えられます。

 

あれこれ書いてますけど、自分でもよくわかってませんww

がしかし、どれもこれも結末から順を追って考えていくと、不可思議な現象がないと結果彼らは助かることができず、また彼らが元いた次元の地球も助かることはできなかった。

すなわち、次元の歪みによってすべてのつじつまが合うように事が運ばれていった、ということに繋がるのではないでしょうか。

 

パラドックスの例えとして、「急がば回れ」という言葉がいい例えとして出てきます。

急ぎたいのなら近道した方がいいのにもかかわらず、あえて回れと。

矛盾して聞こえる言葉ですよね。

でも実際は遠回りした方が実は近道であり目的に早く達成するという意味であり、一見急ぐと回るは矛盾してるけど、正しいといっていることになります。

 

だからこの作品も、急がば回れをやっていたってことなんですよね。

何度も何度も失敗したんだけど、それによって起こってしまった不可思議な現象は、実は辿っていくと地球を救うための正しい道のりだった。

ヴォルコフの変死も、マンディの腕も、シュミットが隔離されたのも、ジェンセンが現れたのも、全ては必然だったのかなと。

 

 

ただ!!これもまたある問題を引き起こしてしまった要因として、ラスト衝撃の事実を映して終わるわけですが、まさにクローバーフィールドパラドックスだったなと。

 

 

最後に

実は物語は、地球にいるハミルトンの恋人の視点も描いていて、話をどんどんこんがらがせていくのですが、この地球と宇宙の出来事がラスト重なり、悲劇の幕開けで物語は終わります。

正直最後の最後まであのモンスターが出てこないことを考えると、もうクローバーフィールドって何を根拠にシリーズ化しているのかわかんないなぁ、と思ってしまいますが、ぶっちゃけ前作での宣伝方法にブチ切れたモンキーから言わせてもらえれば、今作の方が百倍楽しめました。

 

www.monkey1119.com

 

なんてったってネトフリはネタバレしてませんからね。それだけで💮です。はい。

 

で、1作目の最後に海に隕石らしきものが落ちるシーンがビデオカメラの中に映ってたのに気づいた方いるでしょうか?

あの物体ってもしかして別次元の宇宙ステーションなんじゃないか?って思ったのは僕だけでしょうか?別次元の事だからもしかしたら全く関係ないのかもしれませんが、これってそこへ繋がる映像だったんじゃない?って勝手に思ってしまいました。

 

既に4作目が完成されていると噂の「クローバーフィールド:シリーズ。

僕は前作でも言ったんですが、これ「ゴッドパーティクル」ってタイトルだったんですよね?だったらもうそれで公開して、最後にクローバーフィールドのタイトルを出した方が、究極のサプライズになると思うんですけど、マジこれ採用してくれない?パラマウントさん。いやJJ!

多分アメリカ人だったら劇場で発狂すると思うんだけどなぁ・・・。

ま、出目お今回の情報操作もめちゃめちゃグッドサプライズだったので、ありがとうございますって感じです。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「マンハント/追補」感想ネタバレあり解説 君よツッコミの河を渉れ。

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2月9日

マンハント/ManHunt

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ひとつの拳銃を二人で構えて撃つという、翼くんと岬くんのツインシュートを連想させる、ちょっとBLっぽいけどバリ男くさいこのポスター。

アサヒスーパードライの縁あって、とうとうマシャも中国に本格的に進出を狙っているのでしょうか。いやいや待て待て、ライブでもアグレッシブなステージングをしないのに、あなたにアクションが務まるんですか?

 しかも「君よ憤怒の河を渉れ」のリメイク。

ちゃんと新宿で馬を走らせてくれるのか。

クマに襲われてくれるのか。

北海道からセスナで東京までいっちゃうのか。

え?そこをリメイクするわけないって?わかんねぇよ?だってこれ監督ジョン・ウーよ?

何でそんな所からハトが出てくんの?って人よ?

 

要は高倉健主演の元の作品がツッコミどころ満載の映画なので、これもそういう風に観ないと楽しめませんよってことです。

 

それにしてもジョン・ウーいつ以来だろう。「レッド・クリフ」以来かな?楽しみです!

というわけで早速観賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

1974年に刊行された西村寿行原作のサスペンス小説「君よ憤怒の河を渉れ」。

76年には高倉健主演で映画化し、中国では「追捕」というタイトルで、文化大革命後初の外国映画として大ヒットを飛ばし社会現象にまでなる作品となった。

そんな多くの人の心に刻まれた作品を、この映画の、そして高倉健のファンである、アクション映画の巨匠ジョン・ウーが、お馴染みの演出や革新的なアクションで大胆リメイク。

日本と中国を代表するキャストを従え、新たな作品として生まれ変わった。

 

無実の罪を着せられた弁護士と彼を追う刑事。運命を激しく交錯させた男達が、事件の真相を探るために奔走していく、2018年を代表するアクション映画です。

 

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あらすじ

 

 

酒井社長(國村隼)率いる天神製薬の顧問弁護士であるドゥ・チウ(チャン・ハンユー)がパーティの翌朝、ベッドで目を覚ますと、社長秘書・希子(TAO)の死体が横たわっていた。

現場には自身の指紋が付いたナイフが置かれるなど、突如として殺人事件の被疑者となった彼は、何者かにハメられたことに気づき、その場から逃走。

そんなドゥ・チウを大阪府警の敏腕刑事・矢村(福山雅治)は、新人の部下・里香(桜庭ななみ)とともに独自の捜査で追っていく。

カギとなるのは、天神製薬研究員だった婚約者を3年前に失った謎の美女・真由美(チー・ウェイ)。

次々と警察の包囲網を潜り抜けていく被疑者に近づくほどに、この事件に違和感を覚え始め、次第に見解を変えていく矢村だったが、ついに真由美の実家である牧場にいるドゥ・チウを捕らえることに成功。

だが、手錠をかけた彼とともに、女殺し屋・レイン(ハ・ジウォン)たちからの襲撃に立ち向かった矢村は、彼の無実を確信する。

何者かによって捜査が妨害されるなか、身分や国籍を超えた“強く熱い絆”が芽生えた2人はともに手を組み、事件の真相に立ち向かうことを決意する。

だが、そこには恐ろしくも、巨大な陰謀が待ち受けていた――。(HPより抜粋)

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監督

今作を手がけたのは巨匠ジョン・ウー。

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男なら彼の作品を1度は見ているはず。

手に血を染める男達の運命と悲哀をバイオレンスに描き、香港ノワールから世界へと羽ばたいたアジアが誇る映画監督です

これは超有名ですが、彼の作品には必ず「鳩」、「二丁拳銃」、そして「スローモーション」がつき物。今作の予告でもしっかりハトが彼らをさえぎって出てくるではありませんか!!!

そんな彼の作品はタランティーノや「マトリックス」といったハリウッドに携わる人や作品にまで影響を与えており、アクション映画を語る上で避けてはは通れない人物と言っても過言ではないでしょう。

 

そこまで言っておいて、モンキーは有名どころしか見ていない超ミーハーですが、「男たちの挽歌」はブルーレイ持ってますよ~!!これは大好き。

 

というわけで監督の代表作をサクッとご紹介。

それまでコメディとカンフー映画が主流だった香港映画に「香港ノワール」と呼ばれるムーブメントを起こし、組織の陰謀に関わった3人の兄弟と親友の友情と悲痛な運命を、度肝を抜くガンアクションで描いた「男たちの挽歌」で一躍有名になります。

その後、父を探す女弁護士が元軍人を護衛にし、捜索していくアクションドラマ「ハード・ターゲット」でハリウッドに進出。

憎むべき相手と顔を入れ替えた二人の男が繰り広げる死闘を描いたアクション巨編「フェイス/オフ」や、トム・クルーズの人気シリーズを、監督流に大胆にアレンジを加えた「ミッション・インポッシブル2」で成功を収めます。

異色の作品としては、監督作で唯一人を殺さない作品として語り継がれており、多額の報酬と引き換えに3年間の記憶を消された男が、陰謀に巻き込まれたことで、記憶と真実を追い求めるSFサスペンス「ペイチェック/消された記憶」があります。

約10年前に中国に戻り、三国志の有名なエピソードである「赤壁の戦い」を2部作で製作した「レッド・クリフ」が日本でも大ヒットしています。

それ以降は日本での公開が少なく、今作が久々の日本公開作品となります。

 

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人物紹介

 

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ドゥ・チウ(チャン・ハンユー)・・・天神製薬の顧問弁護士。殺人事件に巻き込まれ、無実の罪を着せられ逃亡する。一夜にして最重要指名手配者と転落する。

 

矢村聡(福山雅治)・・・大阪府警捜査一課係長。持ち前の気迫としぶとさが売りの孤高の敏腕刑事。愛する妻と死別した過去がある。

 

遠波真由美(チー・ウェイ)・・・地方で牧場を経営する中国人と日本人のハーフ。3年前の結婚式当日に婚約者の北川が自殺した過去があり、彼の死の原因を探っている。

 

酒井義廣(國村準)・・・天神製薬社長。新しい治験薬を開発し、会社をトップブランドに押し上げた製薬業界の大物。政界にも太いパイプを持つ。

 

百田里香(桜庭ななみ)・・・大阪府警の新人。矢村刑事の助手を務める。

 

伊藤(竹中直人)・・・矢村、浅野の上司。刑事部捜査一課課長。

 

酒井宏(池内博之)・・・天神製薬社長の息子で次期社長の野心家。

 

レイン(ハ・ジウォン)・・・謎めいた美貌の女殺し屋。跡を残さぬ完璧な仕事ぶりに裏社会で恐れられている。相棒のドーンにだけは心を開いている。

 

ドーン(アンジェルス・ウー)・・・大胆不敵な女殺し屋。レインと共に、ドゥ・チウの命を狙う。

 

 

 

 

 

なんとオール日本ロケだそうで、大阪の街を駆け回るアクションに期待です。

一体どこまで変更を加えリメイクしたのか。いつもの監督の演出は堪能できるのか。話ももちろんですが、アクションガッツリ観たいですよね。

というわけで観賞後の感想です!!!

 

 

 感想

そうか!日本でアクションやるならこの手があったか!

思わず笑ってしまうジョンウー節がこの映画を楽しませてくれる!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真面目に見てはいけません。

これを待ってた!

無実にもかかわらず罪を着せられた男の逃亡、それを追う孤高の刑事。やがて明らかになる巨悪の存在。

緊迫感漂う逃亡と追走の果てに男の友情が絡み、監督得意のアクション、お決まりの演出、ツッコミどころ満載の娯楽大作アクションサスペンス映画を堪能できました。

 

大筋は高倉健版「君よ憤怒の河を渉れ」と変わらず。

心当たりのない事件に巻き込まれ犯人にされ、結果ハメられた弁護士が、弁護士のくせにその身のこなし、アグレッシブな逃亡、鋭い勘などで見事に包囲網を潜り抜け、そこまで必死に逃げるのには何かワケがある、と刑事と結託し、巨悪の陰謀、そして事件の真実を追う、という流れ。

 

そもそも高倉健版の方もツッコミどころ満載であり、冒頭でも書いた通り、この映画は真面目に見たらバカを見る、というのが大前提なのであります。

それに加え誰もが愛すジョンウー監督が手掛けるのですから、ツッコみ具合に拍車がかかるのは見え見えであり、鑑賞後、これを待ってたんだよ!と拍手したくなる出来栄えでした。

 

日本人に中国語をしゃべらせる、または中国人に日本語をしゃべらせるというのは吹替えで対処。しょうがないとはいえ、ちょっとぎこちないしやや強引な会話ではありましたが、そういうところもこの映画を楽しむためには我慢して見てほしいですね。

 

ジョンウーといえばこれ。

二丁拳銃、鳩、そしてスローモーションというジョンウー三種の神器が今回も健在。

実際に丁拳銃をお使っていたのは殺し屋ドーンのみ、ジョンウー監督の娘さんが演じていたということで、父の意志を映画で表現したのが娘というのはなんか感慨深いものがあります。

なぜ崖の上に鳩小屋があるのか、なんて疑問はスルーしてもらってそこに車ごと突っ込み、ドゥ・チウと矢村の間を羽ばたく鳩。平和の象徴とされる鳩を彼らの間に飛ばすことで、後に彼らが手を取り合うという伏線孕んだ演出は今回もさすがであります。

スローモーションも、アクションシーンで随所に挿入する緩急をつけた演出。水上チェイスでも真由美の自宅でもうまく使っていたように思えます。

 

アクションごちそうさま。

この映画の醍醐味でもあるアクションも、監督お得意のカット割りで鮮やかに映画を彩ってくれていました。

何が凄いってこれ舞台が日本でロケも日本。

日本の大都会は、大掛かりなロケーションでアクション映画の撮影をするには規制がありすぎて、ハリウッド映画はセットを作って日本を描いてますが、さすがお隣の国だけあって、でたらめな日本という演出は一切ないし、その規制の隙間をうまくついた大掛かりなアクションは是非今後日本映画でアクションやるときの参考にしていただきたい。

 

中でも水上オートバイを使っての水上チェイスは一見の価値ありです。所々CGを使っている節はあるけれど、スピード感あふれる追走劇、接近戦、そして水も滴るイイ男の表情!よいではないか!よいではないか!!この手があったよニッポン!

カーチェイスも山の峠を使っての撮影。たぶん徐行運転でぶつけ合ってる気がしますが、そこは監督の見事な編集で疾走感と緊迫感を生み出すのだから素晴らしい。

 

その後繰り広げられる大草原の小さな真由美の家で行われる銃撃戦も息を飲むシーン。

ここで馬を使うのか!と元の映画を思わせる演出にニヤリ。

バイクで家に突っ込んでも、明らかに隠れ蓑からそれ貫通してるだろと思ってしまう銃弾の嵐。それでもなかなか死なない両者の攻防。手錠で繋がれたドゥ・チウと矢村の二人合わせて一人=二丁拳銃!!

銃がなければ日本刀!お前らどうやったらそんな息の合ったコンビネーションで戦えるんだ!?なんて考える間も与えない阿吽の呼吸で、刀を矢村に足で救って見事にキャッチ!振り向きざまにサクッと一刺し!お~カッケ~っ!!

 

クライマックスも銃撃戦が用意されてます。きちんとトライアングルで三者が銃を構える構図もあったり、なぜホームレスの坂口という男があの倉田保昭さんだったのかようやく理解できる場面も。そうだよあなたが出るんだからアクションしないわけがないw

 

マシャごちそうさま。

記事の冒頭で、ライブでアグレッシブなステージングをしない福山雅治にアクションは務まるのか?なんて書いてましたが、そもそも彼はるろうに剣心や龍馬伝で華麗に剣術を披露してましたもんね。

その華麗な動きは今作でも。

薄毛疑惑のマシャの髪がずぶ濡れになった!大丈夫か!次のカット、髪が整ってる~wなんて細かい部分は置いといて、最初から最後までアクティブに走る!動く!撃ちまくる!そして剣裁きまで拝める!極めつけはマシャのドアップでフィニッシュ!

ちゃんと水上チェイスも本人がやってるんですね。たぶん遠目でのシーンはスタントマンだと思いますが。

とにかく、あ~なんて美しいお顔立ち・・・。女性陣は是非彼の美しくも勇ましい顔を拝めるだけで見る価値ありでしょう。

 

ただ一言言わせてもらえれば、高倉健版では矢村の役は原田芳雄。彼の男くさい風貌や狼のように獲物を覆いかける野心的な役柄とは一転、クールで頭のキレる刑事という設定はちょっと残念。

一応今作はドゥ・チウが泥臭い感じなので、それとは対照的な人物にしたかったのかな?と考えるとアリなのかなと。健さんも泥臭かったから、もっと男クサいキャスティングでもよかったんだけどね。

 

 

 

ツッコミどころ満載だよw

冒頭から日本という場所を借りての中国映画感が出まくりの演出。

日本の小料理屋に中国人の女将ってだけで不自然で、古い歌謡曲が流れるのが逆に新鮮。

昔の映画のセリフ(あれは「君よ憤怒の~」で大滝秀治が高倉健に言ったセリフです)口説き文句に、いきなり歌い出すドゥ・チウ。

そこへヤクザっぽい奴が現れ、いきなり女将に胸ぐら掴むってどういうこと!?と苦笑の連続。

ドゥ・チウをいったん外へ出したと思ったら銃撃戦をおっぱじめるオープニングのツカミ!!

お~お~お~最高じゃねえかっ!!ww

全員ぶっ殺した後逃げる女殺し屋たち。昔の映画の話で一目ぼれしちゃう女殺し屋の心情って・・・。

そして戻ってきたドゥ・チウはその後どうしたんだい・・・。

 

 

場面は変わり天神製薬のパーティーへ。社長の挨拶で顧問弁護士を紹介するって普通どうなの?そしてなんだあの変な踊りはw

日本の会社のパーティーではあんなことしませんってw

 

で、このパーティーに真由美が既に登場。高倉健版では真由美お嬢様はこんなところにおりません。木の上でクマから逃げているのです。実はこのシーンを密かに待っていた自分としてはあっさり登場してしまっていることに少々がっかり。

 

ドゥ・チウが自宅へ帰り目が覚めるとベッドの隣に死体!

天神製薬から離れることになったドゥ・チウを引き留めるために社長が送った女刺客のぷりっケツがたまらない。ただ残念ながらモノの数秒で死体となってしまったTAO。ウルヴァリン:SAMURAIでも思ったけど、この人ほんとキレイね。

 

そんなこたぁおいといて弁護士だから死体が隣にいても超冷静。

しっかり警察に自分で電話して現場は荒らさない。さすがっす。ただ家政婦が取り乱し過ぎているのはちょっとw一応あなたのご主人さまだし、こいつが殺したのよ~!!ってwお前殺したとこ観てねえだろw

高倉健版ではここで矢村を呼べっていうんですけどね。今回は面識ナシって設定だったようです。

 

そしてめっちゃ隙を作って逃がす刑事。あ~これは怪しい。

そこからドゥ・チウの逃走劇が始まります。

 

場面は変わって子供を誘拐して身代金を要求している犯人2人を捕まえに行く矢村。

報道マンと嘘をつき近づき、いとも簡単に犯人を撃退してしまう矢村。その前に速攻で撃たれて死んだ警察官たち、矢村が来るまで何もできなかった他の刑事たちの無能さ・・・。てか、斎藤工一瞬で出番終わったな。

 

ここからこの映画で一番ウザくて必要あったのか疑問の百田刑事の登場。中国では確か知名度のある桜庭ななみをここに置くことで、映画で描かれる男くささを緩和させる役割なんでしょうが、まぁセリフ回しヘッタクソw

まぁ新人刑事ってことで、そのピュアさだけはハマってましたが、劇中ではそこまでのインパクトはなかったですね。まぁ後は矢村の過去を引き出す役割もあったけど、それは竹中直人が核心ついてるわけだから、やっぱりいらなかったなぁ。彼女成長するわけでもないし。

 

逃亡中に建設現場の作業員に紛れ、そのまま逃げればいいのに、なぜか鉄骨に上って足を踏み外しセメントに落ちてしまい、そこを百田刑事に保護されるという不運な展開。

 

それから矢村を人質に車で逃走。隙を狙って車内で銃の奪い合いによる格闘。鳩小屋に突っ込んで外で大乱闘!ここでジョンウー節炸裂。鳩はここ以外あまり出てこなかったですね。

 

ホームレスに保護され何とか逃げることに成功したドゥ・チウ。全国的にニュースになってる中、なぜかホームレスの坂口は彼の真意を一瞬で見抜き助ける。

これは後々明かされることなので伏せますが、どうしてそう簡単に心を許すのだ?とここで疑問に感じましたねw

 

とりあえず天神製薬の社長に会って話をしたいと電話で告げるドゥ・チウ。

そこで同僚の弁護士と落ち合って事情を話すも、冒頭の女殺し屋によって命を狙われる羽目に。

今作は女殺し屋の視点も描いてます。孤児院で育った2人の女性がある人物から殺人マシーンとして教育されたのですが、冒頭でドゥ・チウに優しくされたことで情が沸き、それからの任務でドゥ・チウが絡むと気持ちが揺らいでしまうという心情の変化が要所で加わっていました。

 

丁度この場面がそうで、レインは葛藤の嵐でしたね。それに引き換え任務をしっかりこなすドーンの乱射は逆に見てスカッとしますw

ここから矢村が到着し水上チェイス。

その頃社長は大阪の祭りに参加して神輿の上で景色を眺める。いやいやドゥ・チウと会う約束してたんちゃうんかいw祭り優先にして部下に行かせたってことですかw

しかもその下で水上チェイスしてるんですから。

あれだけドンパチやって警察がすぐに検問やら交通規制やるだろうに、普通にお祭りってw

 

その後真由美と合流。真由美の実家で匿ってもらうドゥ・チウ。

ここで3年前彼が携わった訴訟がきっかけでフィアンセを失ってしまうという事実が発覚。真由美は彼を憎んでいることを知ります。

なぜかそれを他人の青空結婚式を観ながら会話。他人の結婚式ってそんな簡単にみられるもんなんですか?

 

要は自分も3年前にここで結婚式をしたの、っていう意味があっての場所だったわけですが、その結婚式が訴訟で敗訴した翌日に挙げる予定だった、そこにわざわざ遅れてフィアンセが現れて、みんなの目の前で自殺。

わ~お。死ぬならせめてみんなのいないとこで死ねよwなんでこれ見よがしに挙式似合現れて死ぬんだよw婚約者めちゃトラウマになるだろそりゃあw何考えてんだw

 

そしてバイクで再び殺し屋登場。彼女たちはボスからターゲットの連絡が入り行動するんだけど、真由美の家ってどうやって分かったんだ?と疑問。

 

なぜかというと、真由美と合流したのは劇中ではこの時点で矢村と百田しかつきとめてないわけで、他の誰かに漏らす、もしは本部に報告はしないと思うんですが、どうやって情報が漏れたのか。ボスはどうやってこの情報を掴んだのか。

いやいやその前に、この女殺し屋たちはドゥ・チウを殺さなければならないのに、任務に失敗。で、次のターゲットが真由美って。まだドゥ・チウ追いかけなきゃいけないんじゃないの?

 

矢村も追いつきドゥ・チウを追いかける。色々考えた結果彼は無実だと確信し、手錠をかけ鍵を捨て二人で殺し屋から逃げます。

真由美の家で待機し殺し屋が来るのを待ちます。真由美は2回から猟銃を持参。6歳のころからやってるのよ、っていかにも強引な設定w

矢村もドゥ・チウに銃を渡して撃てと指示。いや俺撃てないから・・・殺せないよ・・・と躊躇。じゃあ足を狙えと矢村のアドバイス。

まぁ殺し屋たちに囲まれてるからこの場合自衛も含めて銃で応戦、ってのはわかる。

 

でこの後、ドゥ・チウは思いっきり胴体狙って銃を乱射するってていうねwそこの葛藤はナシかい。人普通に殺してるよw

 

真由美の家には鍵の掛かった部屋がるんですが、銃で鍵が外れその部屋に3人は逃げ込みます。そこには、3年前に行った挙式で使った血まみれのウェディングドレスと自殺したフィアンセのタキシードが飾られていました。

なんかいやだなぁ!そんなの飾っておくなんて!

まぁここを強調したいんでね、銃撃戦は一時中断です。ドラマモード突入です。

この間殺し屋たちは何やってたんでしょうね。ターゲット探してたんですかね。

 

この後コンビプレイもあって殺し屋ドーンを見事撃破。

ここでもう片っぽの殺し屋レインが唯一無二の親友を無くしたことで本当の悪は誰なのかという疑問にぶつかります。

 

そして負傷した矢村を病院へ送り、ドゥ・チウと真由美は今回の無実の罪の裏側に天神製薬の3年前の新薬を巡る訴訟、天神製薬の新薬の実態を掴むため、研究センターへ単身乗り込んでいくという流れ。

 

高倉健版でもここは一緒です。単身乗り込んで、新薬を飲まされ実験材料にされる件があります。こっちはうまく飲んだふりして吐いてをかなりの期間やっていて、組織の人間はよく気づかねえなぁと笑ってたんですが、今作はこの辺りを投薬ではなく脳波やら注射やら結構本格的な実験。

なんか急にハリウッド映画的な流れ。

 

実験材料になったドゥ・チウは凶暴になってセンターに訪れた矢村に襲いかかります。

矢村は病院で絶対安静だったんですが、抜け出してドゥ・チウを助けにきたんですね。でも結果ドゥ・チウによってフルボッコ。

その後も共闘して戦いますが、アナタ絶対安静ですよね。よく動けますね。

社長の息子とも激闘しますが、社長の息子、矢村が撃たれた箇所をなぜか知っていて、ひたすらそこを突く卑怯っぷり。

 

 

最後に

あ、結構ネタバレしちゃったな・・・。いや大丈夫か。事件の発端は書いてないし・・・。

まぁあれですよ、親父のものは俺のものっていうバカ息子が悪いってことで。

 

とにかく全編ツッコミどころ満載であります。ここがつまらないのではなく、ここが楽しいところだよ!って意味のツッコミです。

やっぱりね男同士の友情っていいっすよね。それを手錠でしっかりつないで戦う、二人で一つの銃を構える姿や、二人で一丁づつ銃を使うことで二丁拳銃になる。

この発想は結構発明なんじゃないかなと。他の映画で見たことないし。もしかして有名映画のオマージュなのか?いや違うよな・・・。

 

最後二人が握手して自己紹介するってのもなんかオツな感じ。今までの事はお互い水に流して友情を育もうぜって。

 

この映画の最大のツッコミは、日本てここまで銃が横行してるわけないじゃんてことだと思うんですが、そんなこと思っちゃダメwそれはジョンウーがかわいそうだ。彼からガンアクションを奪ったら何が残る。鳩とスローモーションだけだぞ。

やっぱりアクションはすごいし、中弛みも感じさせないテンポの良い作りなのできっと飽きずに観られる作品だったと思います。

 

今回もダラダラ書いてしまいましたが、楽しく鑑賞できたってことだけ伝わればいいかなw

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

 

映画「犬猿」感想ネタバレあり解説 愛憎ってこんなにも笑えて泣けるのか。

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2月10日

犬猿

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僕には妹がいるんですが、だいぶ仲のいい兄弟だと自分では思ってます。そりゃあ子供の頃はしょっちゅうケンカしてたと思いますけど、もう大人ですから変な嫉妬や妬み恨みなんかないわけで。

だから未だに仲の悪い兄弟って一体どんな積み重ねでそうなったんだろう、せっかく血の繋がった家族なのに、と想像がつかないんですね。

 

いきなりテメェの話ぶっこんでめんどくせえなぁ、なんて思わずにですね、今作はそんな仲の悪い兄弟2組を中心に描いたお話ってことで、僕にとって想像もつかない人物達がどう描かれるのか予想がつかないわけです。

 

で、早く観たいなぁってことで公開日を待ち望んでたんですが、たまたまTwitterの広告プロモーションツイートで監督トークショーつき試写会の募集、しかも土曜日!マジか!、毎週金土休みだと中々試写会にいけないから試しに応募すっか、と応募したところ見事当選!先だって観賞してまいりました。

 

2月は、吉田大八白石和彌、そして今回の吉田恵輔と、日本映画の未来を担う監督最新作が勢ぞろいというメッチャ贅沢な月なので、非常にワクワクしておりました。

 監督のお話も交えながら感想を書いていこうと思いますが、その前にいつものやーつで情報入れといておくんなまし。

 

 

 

 

 

 

作品情報

 監督自らオリジナル脚本で作品作りを続ける吉田恵輔が、「麦子さんと」以来4年ぶりにオリジナル脚本で挑んだヒューマンドラマ。

兄弟姉妹ならではの奇妙な感情と不可思議な関係性を独自のユーモアとシリアスを交え、おかしくも壮絶な愛憎劇へと昇華させた。

最大の理解者だけど、それが逆に鬱陶しく、ああはなりたくないけれど時々羨ましく思ったり、関わりたくない事もあるけれどそうは行かない存在。

そんな羨望、愛憎、嫉妬といった兄弟ならではの感情を描いた作品です。

 

空白の鳥

空白の鳥

 

 主題歌です。

 

 

 

あらすじ

 

 

金山和成(窪田正孝)は地方都市の印刷会社で働く営業マン。イケメンだが、真面目で堅実な彼は、父親が友人の連帯保証人になって作ってしまった借金をコツコツと返済しながら、老後のために毎月わずかな貯金をする地味な生活を送っていた。

そんなある日、彼のアパートに、強盗の罪で服役していた兄の卓司(新井浩文)が刑期を終えて転がり込んでくる。卓司は和成とは対照的に、金遣いが荒く、凶暴な性格でトラブルメーカー。娑婆に出てきて早々にキャバクラで暴れたり、弟の留守中に部屋にデリヘルを呼んだりとやりたい放題。

 

和成はそんな卓司に頭を抱えるが、気性の激しい兄には文句のひとつも言えない。しかし、和成はそんな卓司のことを密かに天敵だと思っていた。

 

 

一方で、そんな和成に仄かに恋心を抱いている女性がいた。

和成が頻繁に仕事を依頼する、小さな印刷所を営む幾野由利亜(江上敬子)である。親から引き継いだ会社を切り盛りする彼女は勤勉で頭の回転も速く、寝たきりの父親の介護もしながら仕事をテキパキとこなす“できる”女だが、太っていて見た目がよくない。

その彼女にも実は天敵がいた。

妹の真子(筧美和子)だ。由利亜の下で印刷所の手伝いをしている彼女は、姉と違って仕事の要領が悪く、頭も決してよくないが、顔やスタイルの良さから、時々グラビア撮影やイメージビデオに出演するなど芸能活動もしていて、取引先の男性にも人気がある。

由利亜は仕事もできないくせにチャラチャラして、チヤホヤされているそんな妹にいらつき、真子もまた節制できずにぶくぶくと太っている姉のことを小バカにしていた。

 

 

しかしある時、金山兄弟、幾野姉妹に変化が訪れる。

卓司が始めた胡散臭い輸入業の仕事が成功したことで和成の心に複雑な気持ちが芽生え出す。また、由利亜の仄かな恋心をよそに、和成と真子がつき合い出したことから、嫉妬に燃えた由利亜がストーカー化。

一方の真子は、エロまがいのグラビアを一向に卒業できない焦りから枕営業へと走り、ラブホテルで卓司と鉢合わせしてしまったために事態は急変するのだが……。(HPより抜粋)

 

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監督

今作を手がけたのは吉田恵輔。

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人間の奥底にある小さな醜い欲望から視点が広がり、彼独自のあたたかなユーモアと、ちょっぴり効いたスパイシーなシリアスさをうまくブレンドし、人間の奥ゆかしさを見終わった後に感じさせてくれる、そんな、人間て、いいな!な映画をたくさん作ってくれる希有な存在、それが吉田恵輔だ!

とまぁ、ファンなのでありますwはい。

これまで、「純喫茶磯辺」や「さんかく」、「ばしゃ馬さんとビッグマウス」、「銀の匙」、「麦子さんと」と定期的に作品を提供し、一昨年の「ヒメアノ~ル」では、これまでの笑いとマジメの比率を大きく変え、笑いとエロスと狂気をふんだんに取り入れることで、新境地を開拓しました。

彼に関してはこちらをどうぞ!

 

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キャスト

クソ真面目な弟、金山和成を演じるのは窪田正孝。

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去年の夏「僕たちがやりました。」ってTVドラマありましたよね。見てないんですけど。彼高校生の役やってましたよね。彼29歳ですよ?すごくないですか?大学生じゃなくて高校生役やったんですよwいくら事務所のゴリ押しだからって無茶でしょうそれはw

と、いきなり毒を吐いてしまいましたが、彼結構遅咲きですよね。やっとこの2年くらいで注目を浴びた感じ?

あまり彼の作品は見てないんですが、「僕たちは世界を変えることができない」で彼がブルーハーツの青空を歌うシーンがあるんですが、死ぬほど泣きましたw

というか、彼が演技なのか素なのかわからないくらい感情移入しててもらい泣きといいますか。

近年の演技もおっとりかと思いきや激昂型なので、彼の感情の起伏キライじゃないです、はい。今回もピッタリじゃないですかね。

 

そんな彼の出演作を簡単以後紹介。

こんな小動物みたいな顔をしてるのに、ヤンキーアクション映画で何作も主役を演じていた彼。歴代シリーズから3代目の主演を飾り、東京の西のはずれで恐れられているヤンキーが不良道を突き進む「ガチバン」シリーズ7作目、「ガチバンMAX」から「ガチバン ULTRAMAX」まで出演を果たしています。

その間にも映画には定期的に出演。

権力を盾に野蛮の限りを尽くす将軍の弟を殺すために集まった刺客たちを描いた「十三人の刺客」や、カンボジアに小学校を建てるボランティア活動を始めた大学生達の真摯に懲り組む等身大の姿を描いた「僕たちは世界を変えることができない But, we wanna build a school in Cambodia.」、天才音楽クリエイターの苦悩と切ない恋愛模様を描いた「カノジョは嘘を愛しすぎてる」などに出演。

近年は、地方都市で自警団を結成した変わり者の男女をコミカルに描いた「ヒーローマニアー生活ー」、5つのチームが拮抗した街で繰り広げられる男の戦いを描いた、EXILE TRIBE総出演にエンタテインメントムービー「HiGH&LOW THE MIOVIE」シリーズ、30年の眠りから覚めた熱血刑事と草食系刑事の凸凹コンビが事件解決に向かう様を、アクションと笑いで送る「ラストコップ THE MOVIE」、半喰種(グール)担ってしまった青年の苦悩と、喰種一掃を目指す人間の攻防を描いた「東京喰種/トーキョーグール」など重要な役どころや主演作が増えてきています。

 

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凶暴な兄、金山卓司を演じるのは、新井浩文。

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これまたピッタリなキャスティングw

いつもいつもいい脇役を演じてくれる新井さん。時に笑わせ、時にビビらせ、時にかけ離れた役までこなす日本映画界の宝です。

去年は「銀魂」、「斉木楠雄のΨ難」、「奥田民生になりたいボーイと出会う男全て狂わせるガール」に出演。控えめな本数ですが、今年はたくさんの映画に出演するのでしょうか。 

 

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彼の作品紹介に関してはまた今度ということで。 

 

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

賢すぎる姉、幾野由利亜役に、今回が映画初出演となる、お笑いコンビニッチェの江上敬子。

バカっぽい妹、幾野真子役に、「鍵泥棒のメソッド」、「闇金ウシジマくんpart3」に出演していたグラビアアイドル、筧美和子。

他、「先生、、、好きになってもいいですか」、「チアダン」の健太郎、「リベンジgirl」に出演していた竹内愛紗が出演します。

 

 

 

 

 

兄弟の物語って普通メッチャ美談だったりすることが多いですが、今作はドロドロした仲から兄弟の素晴らしさを描いていくお話なのでしょうか。そして今作も吉田節は健在なのでしょうか。笑わせてくれ!

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

感想

安定の男性陣!意外にうまい女性陣!そして笑いに富んだ内容!

男兄弟女姉妹のしこりをこれでもかと浮き彫りにした人間ドラマでした!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嫉妬とないものねだりの嵐!

親の借金を肩代わりしながら細々と小さな幸せを追いかける弟、それとは対照的に男は勝負してナンボの破天荒な兄。

頭が良くて仕事はできるが容姿に自信のない姉。これまた対照的に頭は悪いし仕事もできないけど容姿は抜群な妹。

 

誰もが理想とする容姿端麗、才色兼備、勇猛果敢、無私無欲。

なぜかそれを兄弟姉妹で分け合ってしまった2組=仲良くすれば無敵の存在のはずの2組が、相手に対して抱く憧れや羨望、嫉妬や憎悪からくる、小さな口論が積み重なり、やがて大きな取っ組み合いのけんかになっていく過程の中で、細かな笑いを散りばめ、時に激しく時に柔らかく、血の繋がったたった一人の兄弟姉妹がどれだけ愛おしい存在なのか、どれだけ尊い者なのかというのを、ラストに持ってくることでハートフルにさせてくれる良作映画でした!!

 

誰よりもうっとおしい存在でありながら、誰よりも心配で仕方ない。どうして兄弟というものはこうも放っておけない存在なのだろう。

こいつがいるとロクなことがない、こいつのせいでいつも迷惑、こいつのせいでいつも恥をかく、こいつのせいで、こいつのせいで。

 

だけど他人にあれこれ言われると腹が立つ。俺の兄ちゃんが何も考えてないだと?うちの姉ちゃんがプライド高すぎだと?

いいか、俺の兄貴はバカで何も考えてないけど俺にとってはかけがえのないたった一人の兄貴なんだ、うちの姉ちゃんは頭がいいから社長として立派にみんなの先頭に立ってやれてるんだ、プライドが高いのもそれだけ責任を感じてやっているんだ!

 

こんな風に切っても切れない間柄で生まれた嫉妬とないものねだり、それが実は憧れであり尊敬のまなざしであり、そんなこと面と向かって言えないこっぱずかしさを持ちながら愛憎を繰り返す、醜くも美しい兄弟の物語を堪能できる作品でした。

 

金山兄弟の憧れと妬み

やっぱり下っ端は上を見て育つというのはこの映画を見てわかる通りで、ろくでもない兄貴が反面教師となり、違うように育っていくんですね。

 

刑務所から出所していきなり現れたかと思えば、

金貸してくれ。

2、3日泊めさせてくれ。

灰皿は?ねえの?じゃコップでいいや。

家に帰ると知らない中国人の女性。

あ?デリヘル呼んだ。

あ~チンコ痒いぃ~。

と、我が物顔で弟の前でやりたい放題。

親しき仲に礼儀などこの男にはなく、遠慮という言葉など彼の辞書にはない。

どこへいってもその姿は変えることなく、元舎弟の店でハメを外し、店のおごりにさせ、いちゃもん付けられたら腕づくで解決。

ああ、俺はこんな奴になりたくない。人様に迷惑をかけるような男にはなりたくない。

そう心で感じながら兄貴を見て育ってきたんでしょう。

 

 

何事もコツコツやっていくことで人生うまくいく。

ビールも車もコスパ重視。

老後の事も考えて少しずつ貯蓄していく。

タバコも止めた。

親の借金も少しずつ返済していくことで親孝行もできている。

 

その反面兄貴は、人生男なら勝負しなくてはと一発逆転を狙う体質。

コネでもらったダイエット食品の輸入販売で大儲けしようと企む。ふん、人生そんなにうまくいくもんか、と心の底で兄をあざ笑う弟。

 

しかし事業はうまくいき、急にバブリーな生活を手に入れる兄貴。

マイカーはBMW。

マンションも高級。

親の借金も全額返済。

お前にもプレゼントやるよ、俺の気持ちだよ。

 

いいよ、要らないよ。欲しかったら自分で買うよ。

 

兄の気遣いも疎ましく感じてしまう弟。今まで俺がコツコツ返した親の借金を簡単に払いやがって。俺のメンツが立たねえじゃねえか。今まで自由気ままにやりたい放題やって奴が何であんな簡単にうまくいくんだよ・・・。こんなの不公平だ。

 

こうして弟の兄に対する怒りの感情は沸々と湧きあがり、やめていたタバコも吸うようになり、中々エンジンのかからない車に苛立ち、同僚からは人を殺すような目になってるぞと言われ、ついには兄に口答えするといった反抗の兆しが増えていく。

 

それでも兄の暴力には太刀打ちしようがない。

そしてある出来事が引き金となり、ド派手な兄弟げんかが幕を開ける。

 

 

幾野姉妹の憧れと妬み

金山兄弟とは逆に、幾野姉妹は姉の由利亜視点で描かれていく。

姉妹というのは、男以上に妬みが凄い。

やはり見た目が重要なのか小さいころから異性からどう思われるかによってこんなにも歪んでしまうものなのか、と。

 

家事も仕事も父親の介護もすべてこなす姉。

そんな姉にとって唯一の楽しみが取引先である和成との仕事上での付き合い。

彼が喜ぶなら単価がギリギリだろうが納期が超特急だろうが、下請け企業としてとにかく最善を尽くす。

 

だが妹は和成と会った瞬間ハイタッチ。取引先なのに君付けで名を呼び、ノリを大事にする。

これだからこの歳で芸能人だか女優だか知らないけど夢みたいなことばかり追いかけて現実見ないで、この仕事を片手までやりやがって。

ホント頭悪いんだから。

しかも何その髪の色。これだからいつまでたっても社会人として自覚持てないのよ。

 

妹は姉の和成へのほのかな恋心に気付いていた。

だから、姉のへたくそな食事の誘い方を妹がフォローすることで、何とか仕事外で彼と一緒になる時間が持てた。

それにしても何その恰好喪服みたい。

いやあんたこそ何その胸元開いた服!みっともない!

 

なんでこんな女にみんな視線が釘付けになるんだろう。

私の方が頭もいいし容量もいい。仕事だってできる。

バカのどこがいいわけ?和成さんだって、フィーリングが合えば見た目なんて気にしないって言ってるわ!

そうよ女は中身じゃない!

 

なのにあんたと来たら、ロクにジャガイモの皮も向けない。

エクセルだって英語だってまともにできない。

女優って言ったって再現ドラマとかその程度じゃない。

グラビアアイドルだっていつまで続けるつもり?業界の人と飲み会?

下らない!こっちの仕事だって大事なんだからちゃんとやってよね!

 

妹に対する嫉妬は、和成と妹が付き合うことを知った直後にエスカレートする。

なんで?

私とデートしたのに、

フィーリングが大事だって言ったのに、

誕生日プレゼントだってくれたのに、

しかもその絵柄の赤い菊の花ことばは、あなたを愛しますなのに!

結局顔なんじゃない!

 

由利亜はこれを機に、妹はおろか和成との仕事での席でも不愛想な態度。今まで下請けとして最大限の努力をして受け入れてきた仕事の依頼を一方的に断る。

こんな安い単価で納期ギリギリって全然誠意が感じられないじゃないですか!

うちだったらこれで大丈夫とか思ってるんですか?

慈善事業じゃないんですよ!

今回ばかりはお受けできません!

 

そして妹にもとばっちり。

山ほどの書類を押し付け今日中にかたづけるよう命令。

こんなの無理?

違うでしょ、あなたが無能でバカだからできないだけしょ!

みんなこれくらい普通にできるの!

何があたしも努力してるよ!

ここで給料もらってるんだから仕事なんだからちゃんとやりなさい!

それが社会人としての常識でしょ!

 

やがて和成への仕打ちに対し正気を取り戻すも時すでに遅し。いくら電話をかけても出ない。家を訪ねてもいない。やがて担当も別の人間となり押し寄せる不安。

何をやってしまったんだろう。そんな思いを抱えながら過ごす毎日。それはまるでストーカーのよう。

そしてついに妹の口から衝撃的事実を聞かされ、ついに姉は暴挙に出る。

とうとう妹も我慢の限界が訪れ、こちらのド派手な姉妹喧嘩が幕を開けるのだった。

 

 

だいぶ掻い摘んでの内容と人物の心情吐露ですが、弟と姉目線での心情吐露で構成してみました。

もちろん兄視点、妹視点、彼らが絡んでの交流もあり、細かい描写、緻密な構成が最後の大喧嘩へと発展していくのでそこも楽しめます。

 

 

 

犬猿はここが笑える!

終始笑えるセリフや描写、やり取りなどをピックアップしてみました。

 

 

  • 冒頭から笑える!

上映開始後、東映の三角マークが出たのに、あれ?別の映画の予告?なんだこれ?

女子高生が男子高校生とパラレルワールドの世界?桜並木をかける少女。そして鑑賞した女性たちの感動しました!のコメント!共感、共感、共感の嵐です!

と思ったら突如車内で運転する和成の画。なんとこれ妹の真子がサクラとして宣伝している映画の予告編を流すという演出。

明らかにキラキラ映画に対する予告あるあると、鑑賞後のコメントで感動を押し付ける女性客、それを作る配給会社へのディスであることが分かる場面。

これにはビックリしたし、監督やるな!と。

 

 

  • 卓司と由里亜

この映画で笑いを運んでくれるのは、兄の卓司と姉の由里亜の2人。

兄ちゃんは、やはり行動も言動も粗暴で無頓着でデリカシーのかけらもなく、絶対一緒にいたら和成同様迷惑だなぁと思うけど、思ったことをそのまま言ったり、行動に出たりするとこんなにも面白いヤツなのかと感じてしまいます。

 

和成の部屋に居座り、中国人のデリヘル嬢を呼んでことを済ませた後、股間がかゆくなり必至に風呂場でごしごし洗う様。

 

和成の部屋でタバコの不始末によるボヤを起こし、ペットボトルの水で消したんですが、「近くにペットボトルあってよかったわ!」w

いやいや他に消し方あるだろw

ペットボトル無かったらそのまま放置か!w

 

キャバクラで出所祝いと称してキャバ嬢の体をひたすら揉みまくる兄者。

そして和成にどうして現行犯逮捕されたのかを語りながら、キャバ嬢の乳首を直でひたすらイジるww

その間キャバ嬢はひたすら真顔ww

 

和成を訪ねに来た由里亜に食事を作ってもらう兄者。

お前和成のこと好きだもんなぁ。

え?妹と付き合ってんのアイツ?

でもこの前・・・あ、なんでもない。

てか見た目がこれじゃムリだろ。

てかお前付き合ったことあるの?

処女か?

じゃあよ、メシ作ってくれたお礼に俺が1発やってやるよ!

俺デリヘル界じゃ超有名なノーチェンジの卓司って呼ばれてんだよ。

失礼極まりない発言の連発ですが、ノーチェンジの卓司ってwww

 

この後由里亜はお菓子を投げつけるんですが、さすがに兄者、女性にはやり返さないんですね。で、そのお菓子がチャーハンの中に入ってしまってるんですが、何の拒絶も無くそのままチャーハンを食らう兄者w

結果。何これうめぇ!ってなって、由里亜に味見させる。すると由里亜も夜な夜なお菓子食べて肥えた体だけあって、真面目にお菓子がアクセントになっていけますねと返答。何味ですかこれ。あ~チキン。

何のやり取りだこれw

 

 

由里亜も負けじと笑わせてくれます。

和成を何とか食事に誘おうとする件で、出来上がったステーキ牛のポスターを眺めながら、

お肉食べたいですよね~、

そうですね~、

近くにおいしいステーキのお店あるんですよね~、

行きたいですよね~、

行きたいですね~、じゃそろそろ・・・、

とうまく誘えないやり取り。

その後かなり無理難題な仕事を和成から頼まれ、ごほうびにデートしてくださいと思い切ったお願いをします。

富士急ハイランドで、コーヒーカップではしゃぐ由里亜。その表情はあまりにも強烈。笑顔全開ですwもちろん和成は若干引いてます。

愉快なBGMが流れながら二人して歩いていると、突如由里亜が嘔吐!

それはそれは美しい放物線を・・・ってそんなわきゃないw

この後、これと対比するかのように真子と同じ件があるので和成の表情は覚えておくように。

 

ここで和成から誕生日プレゼントをもらう由里亜。

赤い菊がプリントされているタオルなんですが、自宅で赤い菊の花言葉をネットで調べると、「あなたを愛します」でという意味を知り、体は高揚し、聞いていたEDMの音量を上げ、由里亜の舞が披露されます。

にゃんこスターからの激しいステップ、結んだ髪をほどきソファーで悶える由里亜。

 

 

こんな感じで5分に一度くらいのペースで笑わせてくれます。

 

監督のお話。

今回観賞後に監督のトークショーがあり、貴重な裏話などを聞かせてもらいました。

 

やはり一番気になるのは今作でのキャスティング。

男性陣はいいとして、なぜ女性陣はこの2人なのか。出演作のない芸人と、グラビアアイドル。危険な匂いはしなかったのか。

監督は男性陣に関して、20代30代で今一番うまい役者ということで起用したそうです。でゃ女性陣はというと、藤山直美が大好きだということで彼女にそっくりと噂のニッチェ江上に白羽の矢を立てたんだそう。

筧美和子はというと、今こそグラビアアイドルで何とか芸能界やってるけど、5年後10年後どうやって生き残るのか、小池栄子になるのかそれともグラビア一本でやってるのか、そういうことをきっと考えていそうな子、ということで起用したそうです。

真子に関しては正にそういうときを迎えた役柄なので、ピッタリだったと思います。

 

で、女性陣は演技経験がないに等しいということで、そちらに時間をかけて撮影し、男性陣は半ば放任的に撮影したんだとか。

撮影前の読み合わせなんかでも、女性陣はかなりやばかったそうで、撮影を重ねるごとに監督は追い込んだそうです。

そしてクライマックスでの感情をマックスにもっていく山場では、きっとうまくいかないと思い、筧美和子のターンはかなり時間をとったそうです。なぜなら彼女が泣いて心情吐露するシーンが4人の中で最後だからです。

しかし、彼女のみが1発OKだったとのこと。時間が大いに余ってしまいどうしようか、となったそうです。

 

他にも、ラストシーンで4人が病院の屋上で談笑するシーンがあるんですが、ここではエチュードとして4人が好き勝手しゃべるシーンにして撮影。

ただカメラが2台あるので、どこかで切り替えられる編集点というものを話の流れで作らなければいけない。

こういうときに場数をこなしている男性陣が編集点を作るかと思いきや、ニッチェ江上が、うまいことステーキ店で食べたときの話を切り出し、作ってくれたとのこと。

何でお前ら男性陣じゃなくて、演技未経験の江上さんができるんだwと。

 

冒頭の劇中予告編に関しても、最初はイルカの「なごり雪」のサビ直前まで流してぶつ切りしてやろうしたそうですが、音楽著作権がバカ高いということで予算の都合上泣く泣く断念。

そこで思いついたのが、監督が昨今嫌だなぁと思っているキラキラ映画の予告編を挿入するというもの。

思いつきで考えた分撮影も悪ノリで行くつもりが、そこで演技初めての女の子が、一生懸命頑張ります!と瞳をキラキラさせていたそうで、初めての映画が自分の悪ふざけってのはあまりにもかわいそうだということで、ちゃんと指導して撮影したんだとか。

ちなみにその「恋とな」とよばれる劇中の予告編ですが、好評ならスピンオフでもやるかwとノリで仰ってました。もちろん助監督が主体でw

 

気さくに色々話してくれた監督に感謝です。

 

 

最後に

 

終盤では、ド派手なけんかの後に泣かせどころがくるんですが、やっぱり兄弟っていいな、姉妹って良いなと思える場面になっていて、思わずウルッと来ました。

子供の頃はなんだかんだいっても、お姉ちゃんやお兄ちゃんに頼って生きてきたはずの弟と妹なんですよね。そんな思いがこもった場面だったと思います。

これが友達なら憎み合ってるなら離れ離れになることもできるけど、血の繋がった存在だとそうも行かない。

 

今揺れる相撲界でも、渦中の貴乃花親方はお兄ちゃんと完全に疎遠になっちゃってますけど、この映画はそこまでいってないですからw

てか若貴も仲直りしてくれよw

 

気になる演技面ですが、女性陣全然問題ないです。ニッチェ江上も体当たりで演じてましたし、筧美和子もラストの大喧嘩と泣きじゃくる場面はよかったと思います。もちろんおっぱい、あります!

ちなみに窪田君ファンも興奮するであろう、上半身裸のシーン、あります!ガッリガリのバッキバキですねこの人。体脂肪絶対一桁だよこれ。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10

映画「blank13」感想ネタバレあり解説 工の巧みな作りで匠への一歩を踏んだ作品。

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2月9日

blank13

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映画好きが高じて映画監督をするという役者は最近結構増えたと思います。

何で今更ってのはあるかと思いますが、一昔前に比べると映画館が増えたり製作費が比較的安価で作れる時代になったからそういう方が増えた、という考えが適当なのかなと。

そして今映画が大好きな俳優って誰だ?ってなると真っ先に浮かぶ男が、今回初めて長編映画を監督した、斎藤工その人。

 子供の頃レンタルビデオ屋に通って、ア行からひたすらレンタルして鑑賞したという逸話を持ち(確か途中で断念したって言ってたかなw)、WOWOWで番組を持ち、その縁もあってアカデミー賞関連番組や、実際に現地リポートなどもするほど業界でも重宝されている役者。

そんな彼が一体どんな作品を作ったのか。

一応僕も彼には及びませんが、映画好きの端くれ。

映画好きが監督する作品て大概うまくいってないってのが通例の中、妙に期待してしまうってことで、早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

TVドラマや映画、バラエティなどその端正な顔立ちとエロス漂うナイスバディ、受け答えからも知性やユニークさを放ちお茶の間をにぎわせる希有な俳優・斎藤工。

シネフィルとしても知られる彼が今回満を持して長編映画を監督。

彼が選んだ題材は、突如失踪した父が13年の時を経て余命3か月で発見され、その空白を少しづつ埋めていく家族の物語。

回想シーンを多用しながら家族の歴史を紐解いていく前半と、何が飛び出すかわからないアドリブ主体で挑んだ後半を、真摯に丁寧に構築させ、実験的挑戦的ながら、監督の確かな手腕が光る作品へと作り上げた。

監督が放つ、至福の映画体験を是非スクリーンで。

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 ギャンブルに溺れ、借金を残して蒸発し、13年間音信不通だった父が余命3か月で見つかった。

母と兄は見舞いを拒否したが、コウジ(高橋一生)は子供の頃キャッチボールをしてくれた優しい父を思い、入院先を訪ねる。

しかし金を工面している父の姿に失望し、家族の溝は埋まらないまま、父はこの世を去った。

葬式に参列するのは、数少ない友人たち。彼らが語る父のエピソードによってコウジは家族の誰も知らなかった父の真実を知り、13年間の空白が少しずつ埋まっていく……。(HPより抜粋)

 

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監督

今作を手掛けたのは斎藤工。

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冒頭でも書きましたが、とにかく映画が好きな俳優が、今回満を持して長編映画に挑戦。毎回思うんですが、どのメディアでも見かける彼。そして映画のコメントもしっかりしてるところを見ると、この人いったいいつ寝てるんだ・・・、と毎回疑問に思います。

それに加え今回の映画製作でしょ?マジ働きすぎだしw

 

一応ですね、短編映画やドキュメンタリー、そしてミュージックビデオなんかも手掛けた実勢があるそうで、映像監督としては今回が7作目になるんだとか。

それに加え写真家としても才能を発揮してるそうで、CDのジャケット、オフィシャルスチールなんかも手掛けているなど、多彩な活動を続けているそうです。

今後の彼から目が離せませんね。

モンキー的映画のススメでは、彼を紹介する機会が今まで一度もなかったのですが、今回は監督ということで出演作は次回ということで。

 

anan (アンアン)2018/01/31[選択の技術(テクニック)]

anan (アンアン)2018/01/31[選択の技術(テクニック)]

 

 

 

 

 

キャスト

主人公松田コウジを演じるのは高橋一生。

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現在出演作「嘘を愛する女」が絶賛公開中の彼。早くも新作映画だなんてなんて計画的w。

彼が放つ空気感とこもった低い声は、場をすごく和やかにさせます。同じ男としてマジズルいw

彼に関してはこちらをどうぞ。

 

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今年はTOKIO長瀬智也主演作「空飛ぶタイヤ」に出演。6月に公開予定です。

 

 

 

 

コウジの彼女、西田サオリを演じるのは松岡茉優

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こちらも2017年末に映画ファンの心を鷲掴みにした、こじらせ女子の心的成長を描いた「勝手にふるえてろ」が絶好調公開中。これまたタイミング良すぎだろ監督!マジ公開日狙ったろw

相変わらずポテンシャルのカタマリを画面で存分に発揮するナンバー1次世代女優であります。色んな作品でいろんな表情をのぞかせ、一体幾つ引き出しがあるんだと毎回関心致します。

彼女に関してはこちらをどうぞ。

 

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今年は3月に「ちはやふるー結び‐」が公開。後編の時同様主役を食う演技で魅了するのか期待です。

 

キャストが多いので後はざっくり紹介。

コウジの兄、松田ヨシユキ役に、今作の監督であり、現在吹替えで出演している「パディントン2」が公開中、「去年の冬、君と別れ」が公開を控える斎藤工。

コウジの母、松田洋子役に、舞台女優として活躍する、「日本のいちばん長い日」、「武曲」、「河瀨直美監督)」の神野三鈴

父・松田雅人役に、「凶悪」、「ぐるりのこと」、2月に「サニー32」の公開が控えるリリー・フランキー

葬儀の弔問客・岡宗太郎役に、「銀魂」、「斉木楠雄のΨ難」など福田雄一監督作に欠かせないバイプレーヤー、佐藤二郎

その他弔問客に、村上淳、伊藤沙莉、くっきー(野生爆弾)、神戸浩、織本順吉、福士誠治、ミラクルひかる、波岡一喜、金子ノブアキ、蛭子能収など、監督の人徳によるバラエティに富んだ役者陣が集結しています。

 

 

 

 

 

海外の映画祭でも賞を受賞するといった、独自の世界観で評価される斎藤工監督長編映画第1作。

放送作家の実体験をもとに作られた、家族の物語は我々にどんな感動をもたらしてくれるのでしょうか。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 感想

どんなにクソったれなオヤジでも、親父。

あえて行間を沢山作ることで、主人公の想いを汲み取れる上質な作品でした!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余韻に浸らせてくれる。

借金を作り家族に嫌な思いをさせたまま、どこかへ消えてしまった父。

13年後余命3か月という状態で病院で発見されたことで、主人公の父に対する思いがふわふわと湧き上がっていく姿を、少ないセリフで心情を汲み取っていき、さらに現在と過去のシーンを織り交ぜることで作り上げた監督渾身の1作。

 

前半をシリアスに後半をコメディチックに分けた演出も、父の死という重たくなってしまうテーマをバランスよく描いた作り。

その結果上映時間わずか70分という短い時間の中で、余白の数多くある作品なのに、密度の濃ゆい作品を作り上げた監督のセンスに脱帽でありました。

 

正直言いますと、大きな期待は寄せていませんでした。

今旬の俳優を使い、彼の交友関係をフル活用したかのようなタレントや俳優をチョイ役で使うパターンに、鑑賞前から「これは大丈夫か?」と。

 

でも実際フタを開けてみれば、いい具合に行間をとることで、こちら側に登場人物が今何を思ってるか、何を考えているか、セリフから何を思わせるかというボールをどんどん投げつけ、それを投げつけるだけでなく、きちんと感情の導線を物語の中で作っていく手法で、ラスト涙を誘い運ばせていました。

 

これぞ、工の巧みな作りで匠への一歩を踏んだ作品だったと言えるでしょう。

なんちってw

 

監督の演出

全体を通して言えば、静かに淡々と画を撮っているような画作り。悪く言えば固いです。カメラを動かさないのでどうしても画は固くなります。

 

しかしながら、あえてそうすることで役者の表情をしっかりとらえることができたと思います。

13年間苦しい思いをしてきた彼らのどこか疲弊した表情の中に、父が生存していたことへの発覚にごくわずかな光が差し込む姿を映し出し、意地を張っていたはずの家族が、それを通じて解放されていく過程をくまなくカメラに収める。

きっとドキュメンタリーも撮ってるからこそ、役者が今どういう心境で演じているかの瞬間瞬間をおさめられたのかなと。

 

 

それに呼応するように、一つ一つの画にこだわっていたようにも感じます。

 

例えば、久々に家族3人が集まって父の詳細を知る件に関しては、手前の兄に影を背負わせ、バルコニーに腰かけ一服する弟のコウジには光をあてることで、父が見つかったことに対して、兄の抱く想いと弟の抱く想いに明確な違いを映す見せ方だったり。

 

父との再会で屋上に行くシーンでも、あえて距離をとることで、手放しで喜ぶことができない微妙な心境を映し出したり。そこで一瞬映る携帯ストラップがその後の伏線にもなってたり。

 

一度目の見舞いから2か月がたち、久々に訪れると痩せこけた状態でベッドに横たわっていた父。この父の姿をカーテン越しに映し、セリフだけで描くことで、観衆に想像力を与える手法もうまいなと。

 

他には、父の失踪直前タバコを買いに行くと出ていったまま帰ってこなくなった件も、まだタバコの入ったままのハイライトとライターをさりげなく映すといったセリフで片づけない演出。

朝、お弁当を作った時に感情が爆発する兄。それまではほとんどしゃべらず、暗い表情のまま映し出されていますが、兄は黙々と勉強をするシーンが多かったのも、この時から絶対親父みたいにはならないと心に固く誓った姿と思える場面。

 

こんな風に、これほんとに長編作品デビュー作?と疑ってしまうほど素晴らしい出来だったと思います。

 

13年間の空白から読み取る父の人柄

冒頭、同じ苗字の葬式を隣の家でやっているという設定。

その後の兄が話す「葬式って人生の価値が分かる」という言葉の意味が後でものすごく効いてくるセリフになっていました。

 

どういう意味かというと、隣の葬式は沢山の弔問客が訪れ、盛大に最後の別れを行っていました。一人号泣する年配の女性がそれを物語っていたのですが、実は彼女は雇われた人でした。

きっと葬式を盛り上げると言ってしまうと変ですが、そういう仕事を引き受ける業者があるんですかね。

これって要するに、派手に盛大に葬式をやっても実際は誰も彼の死を悲しんでいない=その人の人生の価値はその程度というものさしとして、あえて隣で同じ苗字の葬式をやっている設定にしたのかなと。

 

そうすることで、こっちは公民館ぽい場所で質素、弔問客も空席の目立つようなちっぽけな葬式。そりゃあろくでもない人生なんだから仕方ない、しかも来る奴来る奴変な奴ら。

という風に最初思わせて、実は彼らによって父がとてもお人好しで、他人のためなら平気で頭を下げ、金もないのに金の工面までして、居場所のない奴には自分の家に住まわせてなど、家族が知らない父親の姿を見せていたんですね。

ここで携帯ストラップが効果を見せたりするのも良いですよね。オカマちゃんとお揃いで、そのオカマちゃんは彼の家に住まわせてもらった恩がある。それを今でも肌身離さず両者がつけている。信頼の証ですよね。

 

その結果、冒頭での兄の「葬式は人生の価値が分かる」という意味が、弔問客の多さや、指揮の規模などではなく、来てくれた人たちが死んだ人にどんな気持ちをもっていたか、どれだけ世話になったか、などといったその人への想いの濃さで価値が分かるという意味を持つ言葉だったということがわかってくるんですね。

 

あれだけ彼を追い込んだ借金取りまで手を合わせに来るのだから、全ては悪はできないものの、コウジの父親がろくでもないクズオヤジだけど、人柄がいいというのが感じられる部分だったのではないでしょうか。

 

さすがの兄も締めの挨拶で感極まって途中で投げ出し外へ飛び出したり、コウジもまた、自分の知らない父親の一面を葬式という場で知り、たどたどしい挨拶の中に、どうにもならない気持ちが垣間見えた言葉でした。

ここにもありふれたセリフにもかかわらず行間がたくさんあり、そこから今コウジがどんな心境なのかを感じられるクライマックスでした。

 

あんまり覚えてないや

今作のラスト、ハナレグミの名曲「家族の風景」を笹川美和さんがカバーした歌が流れていました。

ハナレグミの柔らかくて抜けるような声もいいけど、笹川さんの低い声からちょっとブルージーでソウルフルな歌いまわしで歌う「家族の風景」も粋だなと。

キッチンにはハイライトとウイスキーグラス 

どこにでもあるような家族の風景

 

確かにこの映画にピッタリの曲だなとエンドロールを観ながらしみじみ余韻に浸っていたわけですが、劇中で自分はファンであるMr.childrenの「あんまり覚えてないや」という曲が浮かびました。

 

HOME(通常盤)

HOME(通常盤)

 

 昨夜抱いた好きな女の事も、世界中を幸せにできるメロディも次の日になると忘れてしまうのに、自分が幼い頃の父や母との些細な思い出は、ちゃんと覚えているんだ

という内容の歌なんですが。

 

劇中でコウジは父との幼い頃の思い出を何度も思い出すんですね。雀荘で作文を渡しに行ったけど真っ先に読んでくれなかった時の事、河原でのキャッチボール、八重樫のバッティングフォームを教えてくれた時の事。

いきなりいなくなっちゃったのに、家族にたくさん迷惑かけたのに、お母さんにものすごく迷惑かけたのに、確かに憎いはずなのに、親父がいきていたことで当時の思い出が蘇るんですね。

 

それがものすごくこの歌と重なってしまって。ファン故なんですがw

劇中もごく最近の事を描いてないんですね。もちろん意図があっての事ですけどもw

ちょっと強引ですけど、昨日の事は覚えてないのにあのころの事はすごく鮮明に覚えてるって解釈ができるのかなと。

 

借金取りに怯えながら暗がりの部屋で過ごした日々。あの日のカレーの匂い、3日連続卵かけごはんだった日々。お母さんとキャッチボールしてもちっとも面白くない時。3人で内職したときも、お母さんが交通事故でけがしても仕事に行こうとしたとき。兄と母親の代わりに新聞配達をした日々。

嫌な思い出だけどちゃんと覚えているんだなと。親父の所在を知ってここまで覚えているんだなと。

 

そして現在。兄も母親も見舞いにはいかなかった。だけどコウジは違った。真っ先に会いに行って父親がどんなリアクションするか知りたかった。

だって僕の知ってる親父はあの時で止まってるから。笑顔でキャッチボールしてくれる親父だから。自分に野球を教えてくれたから。甲子園に連れてってくれたから。

その時は失望を抱いてしまうコウジですが、葬式で再び彼の人柄を知り、やり場のない思いをつたない言葉で話す彼の心情に心動かされ、再びこの「あんまり覚えてないや」が脳内リピートされたんです。はい。

 

まさかのサプライズ

この作品本当は公開日初日の2月3日に行くつもりでした。

しかし2日前に座席予約しようとしたら、まだシネマート新宿しかやってない。しかも1日1回上映のみ。19時の回。スクリーン小っちゃい、座席数少ない。

なんだこの悪条件は!!!

結果初日に鑑賞することができず、先行で1週間先まで座席予約ができるということで翌週の金曜に予約。

しかもすでに真ん中は埋まっており、思い切って一番前の席に予約して鑑賞しました。

 

若干首が疲れる場所でしたが、上映時間70分だったのでそこまでの疲労度はなく楽しめたんです。

エンドロールを観ながら、板谷由夏さんの名前や松崎健夫さんの名前、そして福山雅治さんの名前もあって、一体どこに携わっていたの?と疑問を持ちながらも、今作の余韻に浸り、かえってブログを書こう、どんな風に書こう、あそこを中心に書こう、と色々作品い思いを馳せ、いざ劇場を後にしようとしたらスタッフから、

ただいまより監督からご挨拶がございますのでそのままお待ちください

とのアナウンス!!!

会場はどよめきます。

だってそんな告知ねえもん!!

会場内にはほとんど女性のお客さん。男性はほとんどいなかったように思えます。

俺も斎藤工好きだけどさ、あなたたちの方がもっと好きだよね。ホントよかったね!!

なんて思ってる場合じゃなかった。

 

俺一番前の席だよ!!!

 

しかも端っこだよ!!

 

そして監督登場!!やっぱり俺の目の前に立ったーーーーーっ!!!

きゃあああああああああああっ!!!!

たくみ~~~~~~~っ!!!!!

ハットを目深にかぶり、全身黒でコーディネートしたファッションスタイル。

えーとおんなじ男ですよね・・・どうやったらそんなかっこよく服が着られるんですか・・・。

テレビで見るとおりの容姿に、あの低い声。しかもぼそぼそと語る。

 

先日お会いして話をしたジョン・カーペンターという狂った監督がいるんですけども、って話し始めた時に俺しか吹いてなかったのを、監督は気づいてくれただろうか。気づかないよなw

とにかくその時にジョン・カーペンターは映画には魂が宿るという事を話したそうで、正にこの映画には奇跡が詰まった、魂が宿った作品だと監督は仰っていました。

 

ラストカットは本当に奇跡だったそうで、母親が吸うたばこの煙に、まさに父大矢の魂が宿り、外へ行かず家の中に入り込んだシーンを撮りながら、カットの声をかけられず、涙があふれてしまったとのこと。

 

そういった貴重なお話が聞けたことが本当にうれしかった。

 

残念ながらお写真は撮ることができなかったのですが、ビッグなサプライズでした。

もしかしたら毎日来てくれてるのかな?それだったらマジでお客さん大事にしてるよなぁ。仕事忙しいのに。

 

 

最後に

金子ノブアキの音楽も良かったですね。作品に邪魔にならないように、木魚を連想させる音をサンプリングして、物語の鼓動になっているのが良かったですし、あえて詳細は伏せましたが、後半のコメディ部分は、佐藤二郎がMCで、場を回し、それを無表情で傍観する高橋一生と斎藤工と松岡茉優という構図がむちゃんこ面白いです。

そして監督に対して一番絶賛したいのは、松岡茉優に喪服を着せたことです!

よくやった監督!!!俺たちの願望を一つ叶えてくれた!!!

わーーーーーーいっ!!!

 

・・・失礼しました。

 

これからきっと訪れる家族の葬儀。一体どんな人たちが訪れ、僕の知らない家族の一面を見せてくれるのでしょうか。そんなことを感じた作品でした。

満足度ちょっと高めにしました。監督観て興奮してしまったのでw

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10

映画「今夜ロマンス劇場で」感想ネタバレあり解説 愛する映画よ、俺の色に染まれ。

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2月10日

今夜、ロマンス劇場で

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2月公開なのに年末からTVでガンガンCMを投入してくる宣伝方法。これだけ見りゃあシェネルの主題歌のサビだって自然に覚えるし、なんとなくストーリーも理解できる。

やっぱりTVって影響力あるなぁって思う瞬間でもあり、金持ってる配給会社はさすがだなぁ、と。

これだけTVでCMうてる金があるなら、どんな映画もヒットしそうだし、そのカネあるならもっと「ジャスティスリーグ」の宣伝しろよ。ワーナーさんよぉ。

あれ10億しか行ってないんだぞ興行収入。

 とりあえずグチは置いといて、まんまとTVの宣伝によって見たい気持ちになってしまったので、特に好きでもない綾瀬はるかを久々に劇場で見ることになりました。

 

恐らくこの映画、ターゲット層であろう大人の女性たちが、坂口健太郎君にキュンキュンするような映画ではなく、僕のような映画好きの男たちのための映画、なんじゃないかなぁと勝手に想像しております。

違ったらショック!

早速観賞してまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

モノクロ映画のヒロインと、現実世界の青年が織り成す、ファンタジックでロマンス溢れるラブストーリーを、「のだめカンタービレ」や「テルマエ・ロマエ」などで、コミック原作を見事に再現した実力と、決して手を抜かないユーモアを表現したことで絶賛された監督によって映画化。

実現まで9年もかけて作られてきたオリジナルストーリーが、美男美女のキャストによって、どう色づけされていくのか。

徹底的にこだわった衣装や色遣いにも注目したい、この冬一番のロマコメ映画です。

 

今夜、ロマンス劇場で (集英社文庫)

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今夜、ロマンス劇場で(オリジナル・サウンドトラック)

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あらすじ

 

 

映画監督を夢見る青年・健司(坂口健太郎)が密かに思いを寄せるのは、通いなれた映画館・ロマンス劇場の映写室で見つけた古いモノクロ映画のお姫様・美雪(綾瀬はるか)。

今は誰も見なくなったその映画を、毎日のようにくり返し観ていた健司の前に、ある日奇跡が起きる。

美雪が健司の前に突然現れたのだ。

その日から二人の不思議な同居生活が始まった。

 

モノクロの世界しか知らない美雪にカラフルな現実世界を案内する健司。

同じ時間を過ごす中で二人は次第に惹かれあっていく。

しかし、美雪にはある秘密が合った。現実の世界に来るための代償で、人のぬくもりに触れたら美雪は消えてしまうのだ。

そんな中、美雪は映画会社の社長令嬢・塔子(本田翼)が健司に思いを寄せていることを知る。

 

好きだから触れたい、でも触れられない・・・。

この切ない真実に2人はどう向き合い、どんな答えを出すのか――。(HPより抜粋)

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監督

今作を手がけるのは、武内秀樹

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彼が監督ということは、これがフジテレビ製作だということです。

だからCMでガンガン宣伝できたってことですね。てか、俺フジテレビばっか見てたってことか・・・。

まぁいいや。

そんなフジテレビっ子のモンキーとしては、彼が手がけたTVドラマをかなり見ていたことが今回調べていくうちにわかりました。「神様、もう少しだけ」、「カバチタレ!」、「ロング・ラブレター~漂流教室~」などヒットドラマは数知れず。

そして彼のコメディセンスを覚醒させたのが「電車男」だったと思います。

 

そんな彼のコメディセンスと、実写化再現力を最大限に発揮した2作がこれ。

 

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のだめカンタービレ 最終楽章 前編 [Blu-ray]

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 ピアノに非凡な才能を見せるエキセントリックで不潔な女子大生・野田恵と、彼女の才能にほれ込んだ、何様俺様千秋様ことオーケストラの指揮者を目指す千秋真一が、日本からヨーロッパへと舞台を移し、彼らの成長と恋の行方を描く青春恋愛ドラマ。

 

TVドラマでの高視聴率を機に、前後編で映画化された、人気コミックの実写映画。

ドラマでも監督を務めた彼が、この作品で監督デビューを果たしました。

原作にハマッたモンキーとしては、恐らくコミック実写化作品としては、1,2を争う再現映画だったと思います。キャラ良し、ユーモア良し、ストーリー良しと申し分ない面白さでした。

クラシックブームを起こすほどの影響力だったことを考えると、この映画がクラシック会にもたらした効果は絶大だったことでしょう。

 

 

そんな完璧な再現で魅了した監督の次なる一手が、再びコミックを実写化したあの映画。

 

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テルマエ・ロマエII Blu-ray通常盤

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 古代ローマの浴場設計技師が、現代の日本にタイムスリップし、未知の風呂に遭遇。持ち帰ることで、古代ローマの歴史を変えるほどの偉業を成しえてしまう奇想天外なコメディドラマ。

 

のだめで培ったギャグセンスが今作でも発揮され、下馬評を覆すほどの大ヒットとなった作品。

やはりキャラ先行型は今作も活きており、掘りの深い俳優や芸能人を集めることで、存在自体がギャグと見た目だけで笑えてしまう、最高のツカミで魅了してくれました。

 

 

監督は今回初のオリジナル脚本の作品ということで、原作コミックの力を借りず、実力を発揮できるのでしょうか。

 

 

 

 

人物紹介

 

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左上より順に。

  • 美雪(綾瀬はるか)・・・モノクロ映画から飛び出したお姫様。スクリーンの中から見える色のついた世界に行ってみたいという想いから現実世界に飛びだしてきた。健司と恋に落ちるが・・・。

 

  • 牧野健司(坂口健太郎)・・・映画会社の京映で助監督として働く真面目な映画青年。馴染みの映画館・ロマンス劇場で見つけたモノクロ映画のお姫様・美雪に恋している。

 

  • 成瀬塔子(本田翼)・・・京映の社長令嬢。容姿端麗だが、恋愛には奥手な性格。映画監督を目指す健司のことを心から応援し、密かに恋心を抱いている。

 

  • 俊藤龍之介(北村一輝)・・・大人気映画「ハンサムガイ」シリーズの主演を務める、京映の看板スター。ナルシストだが超ポジティブな性格でもある。

 

  • 山中伸太郎(中尾明慶)・・・健司と同じく京映で働く映画青年。健司のよき友であり、よきライバル。塔子に片思いしている。

 

  • 本多正(柄本明)・・・健司が通うロマンス劇場の館主。お金にがめついが実は映画のことをとても愛している。健司のよき理解者。

 

  • 吉川天音(石橋杏奈)・・・老人が入院している病院の看護師。老人が持っている脚本に興味を示す。

 

  • 病室の老人(加藤剛)・・・余命いくばくもない病室の老人。結末が書かれていない映画の脚本を大事に持っている。

 

 

 

 

 

正直結末がなんとなく透けて見えてしまうのですが、そこまでの過程と映像表現は楽しめそうだなと。後は名作映画のオマージュもたくさんありそう。ガラス越しのキスなんかは、あれですよね~。

その辺も探ってみますかね。

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

感想

あの頃の映画を忘れてほしくないという作り手の想いが詰まった、無償の愛の物語。

ただ肝心の中身が平坦すぎてドラマ性に欠ける!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幾千もの忘れ去られた映画たち。

映画を愛する青年の前に突如スクリーンの中から現れたおてんばお姫様。

徐々に互いに心を寄せていく中、触れてはいけないという掟を作ることで、愛とは温もりを感じることなのか、それとも温もりを感じることができなくてもそばにずっといることなのかを問う、ファンタジーでありながら純愛を描いた作品でありました。

 

そして数多の映画が世に出る中で、心に残る作品もあれば誰からも忘れ去られてしまう映画が存在してしまうことに対し、一人でも多くの人がその映画に深く思い入れることで、その映画は生き続けるということを物語った作品であったと思います

 

舞台もカラーテレビが普及し始めた1960年。映画館への客足が少しづつ遠のいていく時期。

現在でも映画館に1年に1度行くか行かないかという人がほとんどを占める割合の中、それでもお客さんに楽しんでほしい、感動を与えたい、人生を変えるような1本を作りたいという、作り手の熱い思いを具現化したような作品だったのではないでしょうか。

 

近年ハリウッド映画ではカラーリストなる色の魔術師たちが映画に色で魅了させる魔法をかけることで注目されていますが、今作もそれに負けじと、美雪が着飾るドレスや衣装、ロマンス劇場のカラフルな壁やガラスや小道具、空にかかる虹や道端に咲く花に至るまで、ビビッドに色を誇張して映画そのものを華やかにした作り。

 

映画の撮影所が舞台のほとんどを占めるということもあり、当時の撮影所を細かい部分まで徹底的に再現した美術にも作り手の想いが感じられるものでしたし、役者のファッションや髪型、健司の住むアパートも昭和の匂いを感じさせるこだわり。

 

内容も名作映画のオマージュを散りばめがら、前半は美雪がやらかすハプニングのせいで痛い目に遭う健司を中心としたコミカル路線、後半は物語の核心へと迫っていくシリアスな展開。

人は好きな人に触れることなく暮らすことができるのかという健司の葛藤と、好きな人と触れることで愛を育むのやはり一番だと感じる美雪の想いといった両者の思いが交錯し、答えを出す結末に、涙する人もきっと多いはず。

 

やっぱり映画は映画館で見てほしい、そしてそれをずっと忘れないでほしい。

誰かを幸せにするために生まれてきた映画が、今夜ロマンス劇場で我々にそう語りかけている、そんな作品だったと思います。

 

 

そばにいるのに触れられない。

物語は坂口健太郎演じる映画好きの助監督が、映画のヒロインそのものに恋をし一生を添い遂げる決意をするという流れ。

綾瀬はるか演じる美雪は劇中の役を演じた女優ではなく、役そのものとしてスクリーンから飛び出てくるんですね。だから映画そのものということになります。

てっきり、映画の中で演じている女優がスクリーンから飛び出してきたのかと思ってました。

 

お転婆で我儘で高飛車な性格にずっと振り回される健司ですが、彼女を愛し映画そのものを愛する彼にとって、当初は勢いで見限ってしまいますが、やっぱり放っておけない。

去年鑑賞した「ギフテッド/gifted」の中でもありましたが、人間は時に思ってもないこと言ってしまう、言ってはいけないことを言ってしまうというセリフがありましたが、まさに健司はそれと同じことをしてしまったわけで。

 

きちんと謝罪し再び思いを寄せあっていく二人。

やがて助監督に脚本を書いて採用されたら映画を作れることが決まり、健司は美雪への想いを詰め込んだ脚本を書きはじめます。

シナリオハンティングのために美雪を色んな所へ連れていき、執筆に活かす健司。

恋愛映画なので実際に手をつないだり、口づけを交わしたりと、自身の願望も含め触れたい健司に対し、ひたすら拒む美雪。

脚本は採用されたものの、結末をハッピーエンドにという上からの要望で、再び練り直す健司。いろんな景色を彼女に見せたい、それも自分の隣で。

覚悟を決めた健司に対し、美雪はある告白をする。

人のぬくもりに触れたら私は消えてしまう。

 

転んだ美雪を起こそうと手を差し伸べても触れることができないシーンの後、健司に思いを寄せる社長令嬢の塔子が転びそうになった時、健司は手を差し伸べ彼女をフォローする。

塔子自身彼に触れたことでどれほどの温もりを感じただろう。その感触は言葉へと変わり、健司に思いを伝える。

 

やがて健司の覚悟を知った美雪は彼に会いに撮影所を訪れるが、健司の苦悩を目にし、彼の元から姿を消してしまう。

 

必死に探す健司に対し、美雪は塔子と接触を図り、健司とうまくいくよう助言をする。

塔子は当初伏せていようとしていたが、彼の事を思うとやっぱりそれはできなかった。

美雪の気持ちを知った健司は、彼女のいるロマンス劇場へと急ぐ。

 

ようやく両者が本当の気持ちを言い合う。最後に抱きしめてとお願いする美雪。

健司はどう行動するのか。

 

 

冒頭とクライマックスは核心に触れるので伏せますが、お互い好きなはずなのに、触れることができないという壁が二人を苦しめ、気持ちが離れてしまうんだけど、やっぱり自分の想いに逆らうことはできないことを知り、覚悟を決める健司の一途な思いが随所に表れていました。

 

美雪は美雪で序盤こそやりたい放題で、健司をひたすらしもべ扱いし、放っておかれればかまってちゃん状態。

健司が徹夜で書いた映画で使う風景を、個性的な風景に変えてしまったり、銀幕スター俊藤龍之介に対し、傘でぶん殴ったり、撮影本番中に勝手に入ったり、健司をぶったり蹴ったり、端から突き落としたり。

健司が夢中で脚本を書いてれば、かまってもらえずひたすらサクマドロップスを投げ続ける我儘っぷり。

 

なんでしょうね、これ「白鳥麗子でございます」を見てるかのような構図。

健司よ、よく耐えていられるな・・・好きな気持ちってそこまでさせるのか・・・。

でもだからこそ彼の覚悟が理解できるラストだったんじゃないかなと。

 

オマージュされた名作映画たち。

これはほとんど調べたものですが、見てる作品見てない作品含め解説したいと思います。

 

まず美雪が登場していた映画ですが、美雪はどこかの城のお姫様で、毎日毎日公務ばかりで退屈な日々を送っており、夜な夜な城を飛び出して発散するという設定でした。

これって「ローマの休日」そのものでしたね。

 

ローマの休日 (字幕版)

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 一般人である健司との身分違いの恋愛を描いているという点もこのオマージュだと思います。

 

美雪が劇中で演じていた作品「お転婆姫と三獣士」は、姫と森に住む動物たちと共に冒険していくという内容ですが、これは「オズの魔法使い」からだそうです。

 

オズの魔法使 [Blu-ray]

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映画をこよなく愛する健司は、いつもロマンス劇場に足を運び映画を楽しんでいます。その映画館を宇寧する映画館主本多との関係性は「ニュー・シネマ・パラダイス」を意識しているでしょう。

 

 中年男性に一報が入ることで、映画館主との思い出、初心な恋心など少年時代を回想していく作品。

少年トトと館主アルフレッドのやり取りに涙した人も多いでしょう。

 

 

他にも、落雷によって昭和35年に現れるという設定は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」から。

 

 

 

 

ここから先は鑑賞したことないんですが、京映のスター俊藤龍之介のハンサムガイシリーズは、当時日活で人気映画だった「ガイ」シリーズからだそうです。

石原裕次郎=タフガイ、小林旭=マイトガイ、二谷英明=ダンプガイ、高橋英樹=ナイスガイという具合に、当時の日活は所属の俳優たちをこのようにニックネームをつけることで売り出し、「日活ダイヤモンド・ライン」と名づけ、活気あふれていたそうです。

タフガイ、ナイスガイはわかるけど、マイトガイとダンプガイってどういうこと?

 

他にも、映画の世界と現実の世界をつなぐという設定は、「キートンの探偵学入門」という1920年代の映画からとのこと。

映写技師のキートンが、居眠りすると分身が銀幕の中に入り込んで、出たり入ったりするドタバタぶりをサイレントで劇で描いた作品だそうです。

 

こちらは現実の世界から映画の世界へ入っていくという設定ですが、その逆にあたるのが「カイロの紫のバラ」というウディ・アレン監督の作品。

熱心に映画館に通い詰めるウェイトレスに、突如映画の主人公が飛び出して連内へと発展させていくお話だそうで、これにもオマージュをささげたとのこと。

 

健司と美雪のガラス越しのキスシーンも、戦時中の悲恋を描いた「また逢う日まで」へのオマージュ。

これはほかの作品でも色々やっているし、恋愛映画においてベストともいえる名シーンだけに見慣れている人もいるかもしれませんが、2人を戦争をはじめとしたあらゆる障害をガラスに見立て、それが隔てようとも思いは通じ合うというのを表したものだと思うんですが、今作でもそんな二人を隔てる障害があろうとも通じ合う思いを象徴したシーンだったのではないでしょうか。

 

他にも探してみるともっとあるかもしれませんね。

 

 

最後に

ここまで書いておきながら言うのもなんですが、モンキー的には正直面白く感じませんでした。

物語に大きな波がなく、触れることができないという縛りがありながら、もっとつらい状況を描かないとこの二人の恋愛成就が活きてこないでしょう。

美雪の破天荒なふるまいにちょっとゲンナリ。このスタイルを最後まで貫くのにちょっと理解に苦しみました。

映画へのオマージュも直接的過ぎるかなとも感じましたし、目線は健司主体なのに、美雪の存在が強すぎるから気持ちの導線が作れておらず、ずっともやもやでした。

 

誰かを幸せにするために生まれてきた映画なんだったら、むしろ設定逆なんじゃないか?と。我儘で人生クソだって思ってる健司が、映画そのものである一途な美雪と出会うことによって人生観を変えていく、って方がある意味純愛で映画愛にあふれてるんじゃないか?と。

 

まぁほとんどは好みの差なので、僕には合わなかったし、美雪の存在が不快でした。

 

ただ作り手の想いってのは理解できたように思えます。もっと工夫できたと思いますが。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10

映画「グレイテストショーマン」感想ネタバレあり解説 これぞ王道エンタメミュージカル映画!

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2月16日

グレイテスト・ショーマン

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アカデミー賞主題歌賞にノミネートした作品がいよいよ公開です。

 筋肉モリモリ、野獣感むき出しで長きに渡り「X-MEN」のウルヴァリンを演じてきたヒュー・ジャックマン

彼の本当の顔は、アメコミ映画で見せたそんな姿ではなく、歌って踊れるミュージカル俳優であり、アカデミー賞で司会もこなしてしまうエンターテイナーなのだ!

 だから今作で伝説の興行師を演じるというのは、適役であり当然であり必然なのであります。

舞台での彼を拝むことはこの日本では難しいですが、映画「レ・ミゼラブル」での演技や、数年前にはTOYOTAのCMで「キセキ」を歌い、その美声を日本全国に届けてくれた実績を見れば、今回の作品は期待せずにはいられないのです。

 

上映時間も2時間に満たないということで、あっという間のサクセスストーリーを堪能できるのではないでしょうか。

というわけで早速観賞してまいりました!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

19世紀半ばのアメリカでショービジネスの原点を築いた伝説の興行師、P.T.バーナムが成功していくまでの物語を、「ラ・ラ・ランド」でアカデミー賞主題歌賞を受賞し、トニー賞でも受賞した音楽チームで構成されたオリジナルミュージカルドラマ。

 

妻への一途な愛を糧にひたすら夢を追いかけた彼は、差別や偏見によって行き場を失っていたエンターテイナーたちを招き、彼らがスターになれる場所を提供し続けることで、エポックメイキングなショーを創造したことで広く知られている。

多様性が求められる今、ありのままに生きることに対し背中を押してくれる、ロマンティックな感動ミュージカルエンタテインメントです。

 

グレイテスト・ショーマン(サウンドトラック)

グレイテスト・ショーマン(サウンドトラック)

  • アーティスト:オリジナル・サウンドトラック
  • 出版社/メーカー:ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2018/01/17
  • メディア: CD
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あらすじ

 

 

19世紀半ばのアメリカ。

幼馴染の妻チャリティ(ミシェル・ウィリアムズ)を幸せにすることを願い、挑戦と失敗を繰り返してきたP.T.バーナム(ヒュー・ジャックマン)は、オンリーワンの個性を持つ人々を集めたショーをヒットさせ、成功を掴む。

しかしバーナムの型破りなショーには根強い反対派もいた。

 

裕福になっても社会に認めてもらえない状況に頭を悩ませるバーナムだったが、若き相棒フィリップ(ザック・エフロン)の協力により、イギリスのヴィクトリア女謁見するチャンスを手にする。

レティ(キアラ・セトル)たちパフォーマーをつれて女王に謁見したバーナムは、そこで美貌のオペラ歌手ジェニー・リンド(レベッカ・ファーガソン)と出会う。

彼女のアメリカ公演を実現させれば、一流のプロもモーターとして世間から一目置かれる存在になれる。

そう考えたバーナムは、ジェニーのアメリカ・ツアーに全精力を注ぎ込むと決め、フィリップに団長の座を譲る。

 

そのフィリップは一座の花形アン(ゼンデイヤ)との障害の多い恋に悩みながらも、ショーを成功させようと懸命に取り組んだ。

しかし、彼らの行く手には、これまで築き上げてきたもの全て失いかねない危険が待ち受けていた。(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

 監督

今作を手がけたのはマイケル・グレイシー

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今作で長編映画デビューとなる監督さんだそうです。

これまでミュージックビデオなどを手がけ、エルトン・ジョンをはじめ数々のアーティストと仕事をしたんだとか。その後、CMの監督にも携わることになり、カンヌライオンズなどの広告賞でも賞をもらっているクリエイターです。

ちなみに彼、日本が世界に誇る超人気コミック「NARUTOーナルトー」の実写映画の監督も務めるとのこと。マジか・・・。

 

 

 

登場人物紹介

 

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左上より。

  • P.T.バーナム(ヒュー・ジャックマン)

 

 

芝居や音楽が上流階級の人々のものだった時代に一般市民向けの娯楽を編み出し、ショービジネスの原点を築いた伝説の興行師。

個性と才能に恵まれながら社会から疎外されてる人々をパフォーマーとして迎え入れたショーを考案し、成功させた。

幼馴染の妻チャリティと娘たちを愛するよきファミリーマンでもある。(HPより)

 

  • フィリップ・カーライル(ザック・エフロン)

 

 

上流階級出身で、ロンドンのステージで大成功した興行師。

P.T.バーナムの斬新なビジネススタイルに魅了され、全てを捨てて相棒になる。

空中ブランコ乗りのアンに恋するが、公私とも様々な障害にぶつかる。(HPより)

 

 

  • チャリティ・バーナム(ミシェル・ウィリアムズ)

 

 

P.T.バーナムの幼馴染の妻。

 裕福な名家の出身だったが、親の反対を押し切って、貧しいバーナムと結婚し、いかなるときも彼を支えた。

そんな彼女を幸せにしたいという思いが、バーナムを前に進ませる原動力になった。(HPより) 

 

  • ジェニー・リンド(レベッカ・ファーガソン)

 

 

バーナムがイギリスで出会うスウェーデン人の歌姫。

彼女の公演を一流プロモーターへの足がかりにしようと考えたバーナムは、破格のギャラを提示してアメリカに招き、ツアーを主催する。(HPより)

 

 

  • アン・ウィーラー(ゼンデイヤ)

 

 

空中ブランコのパフォーマーで、P.T.バーナム一座のスター。

フィリップ・カーライルと惹かれあうが、人種の違いと住む世界の違いに悩むことになる。(HPより)

 

 

  •  レティ・ルッツ(キアラ・セトル)

 

 

P.T.バーナムの一座で髭女として人気を博すパフォーマー。

ショーの中でスポットを浴びることで、「This Is Me」(これが私)と主張できる自分を獲得。

その感謝の気持ちを、失意にかられたバーナムに伝えて勇気付ける。(HPより)

 

 

  • W.D.ウィーラー(ヤーヤ・アブドゥル=マティーンⅡ

 

 

P.T.バーナムの一座に所属するパフォーマーで、アン・ウィーラーの兄。

妹とフィリップの恋愛を快く思っていない。(HPより)

 

 

 

 

 

ミュージカル映画は内容ももちろんながら、劇中で歌われる楽曲も魅力あるものばかりなのが素晴らしいと思います。

きっと今作も胸を打つ歌の数々が作品を彩り、その言葉に勇気付けられることでしょう。

そしてバーナムに起こる危険とは何なのか。それを乗り越えることはできるのか。

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

感想

パーナムの栄光と転落と再生をジェットコースターばりに描く、これぞ王道のエンタテインメントショー!!

しかし、パーナムの人間性にう~ん・・・。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見ていて気持ちいいよね。

常に向上心と自信とどん欲さを忘れないパーナムの、興行師としての成り上がり、転機、成功。

そして、そこから見えてくる強欲さと上流階級への歪んだ感情故の転落。

しかし暗闇から射す一筋の光に気付き、再び彼のショーマンシップが蘇っていく物語を、豪華絢爛なショーの数々、フリークスと呼ばれる演者たちの素晴らしい踊りと歌、歌に宿る力強いメッセージなどの様々な演出が随所で光り、どんなに後ろ指さされようとも、全てを否定されようとも、「これが私」と高らかに拳を突き上げる宣言に、涙なしでは見られない感動と興奮の104分でございました。

 

 

 

急に歌ったり踊ったり、セリフを言いながら軽くメロディラインを入れてくるあたりは、ミュージカル映画と謳っているだけあり、その唐突さにちょっとはにかんでしまうんですが、全然問題ありません。

だって、ヒュージャックマンもザックエフロンも、ミシェルウィリアムズもゼンデイヤもキアラセトルも素晴らしい歌声なんですから。

ミュージカル映画は苦手だって人もこのメンツならきっと気に入ってくれるんじゃないかなぁと。

 

大きな足音をリズムに大勢のコーラスで構成された曲で、華麗に歌い踊るバーナムのキレッキレのダンスと歌。

月明りに照らされて洗濯物のシーツが舞う幻想的な屋上で、バーナムがチャリティを抱き寄せクルクル回り幸せを噛みしめる姿。

フィリップを勧誘するため酒場へ飲みに誘い、コップをテーブルに置く音を皮切りにリズムを刻み、突如ショーへと突入していく展開。

フィリップとアンが彼の両親に悲痛な言葉を浴びせられたとこで、本当の気持ちを伝えながらも、やはり身分や肌の色などから見られる白い目を無視してこの恋は成就できないという思いを、空中ブランコをしながら赤い糸のように縄を手繰り寄せていくシーン。

そしてまばゆい光のど真ん中にいることで勘違いしてしまっているバーナムに屋敷から追い出されたことで、自身の存在を声高に主張するレティの迫力の歌声。

どのシーンをとっても圧巻のステージであり、心躍らせてくれる場面でありました。

演出もまるでサーカス。

テンポも非常に早く物語が進むので飽きることをさせません。

ジョットコースターのようと見出しで書きましたが、その所以はもちろん物語のスピードの事を指すのですが、暗転して次の場面へ進むのではなく、映像をつないで時間を早送りする手法をとっていて、これが非常にこの作品に合っていると感じました。

 

アパート暮らしをはじめ、幸せの絶頂にあるバーナムとチャリティが、その喜びを歌とダンスで見せる夜の屋上のシーン。

チャリティを後ろから抱き寄せ歌を締めるかと思いきや、場面はそのまま子を身ごもったチャリティを後ろから抱き寄せる姿へと変わり、月日が1年経ったことを伝える手法や、

娘の願いに応えるため、バレエシューズをプレゼントし、家の中で夢中で踊り始めるも、中々爪先立ちできないでいる姿を映しながら、そのままバレエ教室での発表会に場面転換するスピード術。

フィリップを勧誘するときも、商談成立するとバーにいるはずなのにカメラを逆方向に向けるとショーの舞台裏へと一気に場面転換し、空中ブランコをしている案の姿に目を奪われるフィリップが映る、とてつもなく速い流れ。

 

根本的にこの映画はショーを魅せるということ、そしてバーナムがショーマンシップを常に持っていたことから、それを徹底し我々にこのようなサプライズをいくつも用意していたんだと思います。

 

差別と偏見によって生まれた感情。

そしてこの物語には、幼少時から不遇の人生を送ってきたマイノリティや貧困層が、上流家庭や富裕層に対しての怒りや妬みなどを浮き彫りにした視点も強く描かれていました。

その中心人物がバーナムやショーのメンバーたちでありました。

 

特にバーナムは、幼馴染のチャリティに生涯をささげる覚悟で、花嫁学校に行って寂しい思いをしている彼女を励ますほど夢中になり、彼女を幸せにするためにとにかくお金を稼いで彼女の両親を見返してやるという、ハングリー精神の強い男というのが序盤で垣間見えました。

 

小さい時から彼女の父親から冷たくあしらわれ、親子揃って使用人としてしか見られていなかった想いが大人になっても根付いており、恐らくバーナムの心の中には、彼女を幸せにすること以上に、彼女の両親や上流家庭で育った富裕層に強い怒りや反骨精神を持っていたように思えます。

 

それが徐々に露骨になっていくんですよね。

特にそれが見えたのは、NYでのジェニーリンド公演をする辺り。

今までフリークスたちを集めてサーカスを繰り広げていた彼は、世間ではペテン師扱い。表向きには大歓迎さ!くらいのスタンスでしたが、実際腹の中は悔しい思いでいっぱいだったのでしょう。

批評家や上流階級にとにかく認めてもらい、彼らをぎゃふんと言わせたいという思いが水面下であったように思えます。

ジェニーリンドという存在に惚れ込み、誰の助言も受けず突っ走るバーナム。

 

結果は大成功でしたが、彼女の公演を観たいと訴えていたフリークスたちを特別席ではなく、立見席で見せるバーナムの考えにフィリップ同様我々も疑問に思ったはず。

あれだけ彼らの事を高く評価し、彼らを使って自分は成功したのに、その仕打ちはねえだろ・・・。

それは公演の後のパーティーで爆発します。

チャリティの両親から今回は良かったと褒めてもらえたのに、今までの借りを返すかのような仕打ちをチャリティや娘たちの前でしでかし、バーナムの成功を祝おうと集まったフリークスたちを、パーティー会場の人たちに見せたくない一心で追い払う始末。

 

奇人変人を集めお客さんを驚かすというのが彼のショーの醍醐味。

ただそれは単なる金儲けのためだけのことで、彼の中では外見や身分などの差別に対して手を差し伸べるような理解ある人間ではなく、自身がまるで被害者みたいな考えだったのかもしれません。

 

そういう愛がなければ結局何をやってもペテン師止まりだし、地位や名誉をいくら得たからといって、心は貧しいだけの男なんですよ。

だから転落するし、家族からも見放されるわけで。

キングスマン」でも言っていたでしょう。マナーが紳士を作るって。

心が礼儀を重んじてなければ、いくら見た目が良くなったって何も変わりゃあしないんです。

 

その後彼は歌で、光にとらわれ過ぎていたと歌います。

暗闇の中にずっといれば暗い気持ちになるのと構造は一緒で、光の中にずっといると眩しすぎて気持ちが高ぶったままなんですね。

人生において極端に暗くてもいけないし、明るすぎてもいけない。きちんと光と闇を持っていないと正しい心は生まれない。

プラネタリウムと同じで、僕らは常に暗い闇がくれる光を知っていないといけないし、太陽のような強い光を見続ければ目もおかしくなる、むしろサングラスのような遮るものがなければ目はおかしくなってしまうわけで。

正にバーナムはそういうことを体現し我々に教えてくれたのかもしれません。

 

 

そんな彼とは打って変わって、心は錦なフリークスたち。

小さい時からバーナム同様辛い目に遭ってきた彼らにとって、バーナムショーは本当の家であり、メンバーは家族のように強い絆で結ばれていました。

だから彼の成功をすごく喜んでいたし、彼のやることに疑問なんて感じていなかった。

それなのに何だその仕打ちは!

でもその憎しみを彼らは誰かにぶつけるのではなく、自分以外の人間に私という存在を見せつけることで、私という存在を証明させる。今までつけてきた傷はもう隠さない、再び同じような傷が増えたとしてももう逃げない、堂々とここを人前を歩き私が私であることをみんなに訴える。

そんな気持ちを堂々とパーティー会場の人たちの前に現れ高らかに歌う「This Is Me」は圧巻です。

 

 

で、ジェニーリンドという存在も物語の中ではバーナムのような思いを抱いていたことが分かります。

婚外子として生まれた彼女は、バーナムやフリークスたち同様不遇の人生を歩んできました。

とにかく成功して今まで私を見下していた奴らにぎゃふんと言わせてやるという強い気持ちが彼女を成功に導かせたのかもしれません。

だからバーナムと出会った時同じ匂いがすることを彼女は感じ取っていたと思います。

 

その貪欲な思いは歌の歌詞にも強く表れていました。

彼女が歌った「Never Enough」という歌は、まさに成功を勝ち取ったハングリー精神の強いバーナムへの愛の告白とも感じ取れる内容の歌でありながら、どれだけ成功してもどんなに光が当たってもこれしきの事で満足いくような私ではないというニュアンスの歌なんですが、

その貪欲な思いはバーナムを独占したいという思いもあったように思えます。

 

あなたもそうよね、今の幸せじゃあ満足できないのよね?アタシと同じ。じゃなきゃ家族や今やってるショーをほっぽりだして私に人生賭けたりしないですもの。だからあなたと私でもっと高みへ行きましょう?そしてあたしに常に光をもたらせて?

 

きっと彼女の意志にバーナムも気づいていたことでしょう。だから途中まではバーナムも同じ気持ちだったのかもしれません。しかし、彼女の取った行動に我に返り、ツアーの同行を途中で止め、家族の元へ帰ろうとするんですね。

そのことで一気に気持ちが覚めたジェニーの手のひら返しはすごかった。

 

 

このように歩んできた人生に決着をつけ新たな道を進もうとするものいれば、未だにそれに執着しつづけ貪欲に突き進もうとする者もおり、幸せの満足度はそれぞれなんだなぁと。

 

 

最後に

実は色々あれ?これ本人がやってる?みたいなところがいくつかあって、一つはバーナムとチャリティが屋上で踊るシーン。あれ多分二人とも本人ではないように思えます。バーナムがチャリティを持ち上げるシーンはいくつかありましたが、それとは明らかに持ち上げる時間やキープ力を考えるとあのシーンは本人ではない気がしますし、ミシェルウィリアムズもあんな軽やかな動きやってるところ見たことない。

というか激しい動きは全て遠目でのショットばかりで決めポーズの時だけ本人たちの顔アップだったのでそんな疑惑が生まれました。あくまで疑惑なんで確信ではないです。

 

もう一つジェニーリンドの歌声ですよね。ほんとにレベッカファーガソンってあんな声出せるのか~?と。

なんか地声と歌声にギャップがありすぎるんですよね・・・。

 

 

とにかく全体を通してみると幸福感に包まれた圧倒的なショーだったわけですが、バーナムという男の人間性に焦点をあててみると、アイディアとアクティブな行動力はショーマンとして十二分に素質のある男だというのはわかるのですが、一人の人間として見てみると、フリークスたちを見世物扱いしていたという部分はちょっとどうなのかなと。

 

もちろんそこは改心して彼らとともに歩んでいくわけだし、上流家庭育ちのフィリップとは最初利益の10%支払うという、上下関係だったのに対し、最後は50%50%にする=階級なんてもう関係ない、僕らは平等だという意味合いを持った場面だったわけで、バーナムは晴れて差別をなくし人々を平等に見ることができる興行師になったって結末になるのでいい終わり方だなとは思ったんですが。

 

そもそもこの物語はテンポとスピードとエンタメ性重視の作品だったので、人間性がどうとか登場人物に深みがないとか、あれこれ細かいところを突くのは野暮なことで、もっと楽しんでみられる作品なんだよなぁということも、このブログを書きながらふと感じました。

 

だから、ミュージカルそのものとして楽しめる作品だし、それ以上にショーならではの演出が光る作品で、尚且つ劇中歌がどれも素晴らしい作品だったということで、この部分が満足できれば十分素晴らしい作品だと思うわけです。

実際オイラ、フィリップとアンのダンスシーンは涙止まらなかったですよ・・・はい。

 

お~っといつも通りダラダラ書いてしまいましたが、是非カップルでお一人でお子さん連れて映画館で堪能していただけたらと思います!

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「オリエント急行殺人事件」感想ネタバレあり解説 この事件の終着駅は哀愁が待っている。

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12月8日

オリエント急行殺人事件(2017)

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 日本でこれ公開すると聞いたとき、あと2年くらい早くやってくれたら、みんなオチを知ることなくこの作品を楽しめたのかなぁと。

なんでって?ええ~それはですね、2015年のお正月に三谷幸喜脚本でTVスペシャルドラマを二夜連続やったからです。

今や国民的アイドルの地位を得た嵐のニノも出演していたこともあり、お茶の間の皆さんは自宅滞在率の高い正月の夜、家族揃ってみたって人も多いんじゃないでしょうか。

 

 正直アガサ・クリスティ原作映画なんて1本も観たことない私も、このドラマを観るちょっと前に気になって初めて74年版「オリエント急行殺人事件」を見たくらいで。

だからこのTVドラマのおかげでみ~んなオチを知っちゃったと思うんです。

 

それ以前に超有名な作品ですから、何を今更サスペンス映画をリメイクするのか疑問なんですけど、74年版同様本作も豪華なキャストですから、彼らの共演を楽しもうと思うわけです。

とりあえずどんなリメイクになったのか、早速観賞してまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

数多くの推理小説が映画化されたミステリー作家アガサ・クリスティの名作「オリエント急行の殺人」。エルキュール・ポアロという人気名探偵キャラクターを生み出した原作は、過去に豪華キャストで映画化されアカデミー賞にノミネートされた名作中の名作。

そんな名作を今回、再び豪華キャストによってリメイク。

パリとイスタンブールを結ぶ豪華寝台列車内で起きた殺人事件をたまた乗り合わせることになった名探偵が挑む。

乗客全員にアリバイがある中、名探偵は犯人を探し出すことができるのか。そして犯人はなぜ殺されたのか。あの名推理と真実が再び蘇る。

 

オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

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あらすじ 

 

エルサレムで教会の遺物が盗まれ、鮮やかな推理で犯人を突き止めた名探偵のエルキュール・ポアロ(ケネス・ブラナー)。イスタンブールで休暇を取ろうとした彼だが、イギリスでの事件の解決を頼まれて、急遽オリエント急行に乗車する。

 

出発したオリエント急行でくつろぐポアロに話しかけてきたのは、アメリカ人富豪のラチェット(ジョニー・デップ)だ。脅迫を受けているという彼は、ポアロに身辺の警護を頼む。しかしポアロはラチェットの要請をあっさり断るのだった。

 

深夜オリエント急行は雪崩のために脱線事故を起こし、山腹の高架橋で立ち往生してしまう。そしてその車内では殺人事件が起こっていた。

ラチェットが12箇所も刺され、死体で発見されたのだ。乗り合わせていた医師のアーバスノット(レスリー・オドム・ジュニア)は、死亡時刻を深夜の0時から2時の間だと断定する。

 

鉄道会社のブーク(トム・ベイトマン)から捜査を頼まれたポアロは、乗客たち一人一人に話を聞き始める。ラチェットの隣室のハバート夫人(ミシェル・ファイファー)が、「自分の部屋に男が忍び込んだ」と訴えるなど、乗客たちの証言によって、様々な事実が明らかになってきた。

しかし乗客全員にアリバイがあり、ポアロの腕をもってしても犯人像は浮上しない。

 

ラチェットの部屋で発見された手紙の燃えかすから明らかになったのは、彼がかつてアームストロング誘拐事件に関わっていた事実だった。

少女を誘拐し、殺害したラチェットが、復讐のために殺されたのか?殺害犯は乗客の中にいるのか、それとも・・・?(HPより抜粋)

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監督

この名作をリメイクした監督は、本作で名探偵ポアロとして主演も務めるケネス・ブラナー。

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舞台俳優としてキャリアを積み、映画では俳優、監督、製作、脚本もこなす多彩なお方。ただ日本ではそこまでずば抜けての知名度は無いんですよね~。あ、そうか「ダンケルク」に出演してたからそれで知った人も多いのかな?

彼をちゃんと認識したのは、恐らく「マイティ・ソー」の監督をやった時かなぁ。だから監督として認識しかなかったから、その後レンタルビデオ屋で返却してるときに演者の中に彼の名前を見つけて、えっ!?俳優もやってんのこの人!?と。

とにかくすんごいお方だってことですよ、えぇ。

 

とりあえず監督作で代表的なのをサクッとご紹介。

ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーという団体で舞台俳優として活躍した彼は、映画界にも足を踏み入れます。

 

舞台でシェイクスピアを演じてきたこともあり、最初に手掛けた作品もシェイクスピア。15世紀前半、百年戦争最中のイギリスを舞台に、若きヘンリー5世の活躍を描いた作品「ヘンリー五世」で監督と主演を務め、アカデミー賞監督ならびに主演男優賞にノミネートされます。

 

その後も、輪廻転生を題材に40年の歳月を越えて結びつく真実をヒッチコック調のサスペンスタッチで描いたハリウッドデビュー作「愛と死の狭間で」や、古典ホラーの大作映画化「フランケンシュタイン」、長年熱望し実現した「ハムレット」など、自身が深く思い入れのあるシェイクスピア作品や、あらゆるジャンルに挑戦しています。

 

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近年では、史劇などを手掛けてきた彼だからこそ抜擢されたであろう、北欧神話の神がヒーローとなって活躍するマーベルコミック実写映画「マイティ・ソー」、CIAエージェントとして何度も映画となったジャック・ライアンシリーズのリブート作「エージェント・ライアン」、ディズニーが誇る王道ファンタジーラブストーリー「シンデレラ」などを手掛けています。

 

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 次回作はヤングアダルト小説「アルテメス・ファウル」を映画化するとのこと。

 

 

 

キャラクター紹介

 

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わかりやすいかなぁということで、一応74年版の作品と三谷幸喜版の作品の配役も付け足して紹介しようと思います。

左上から。

 

 

  • エルキュール・ポアロ(ケネス・ブラナー)《74年版アルバート・フィニー》《日本版・野村萬斎》・・・ベルギー人の名探偵。ロンドンに向かうために急遽、オリエント急行に乗車。

 

  • ラチェット(ジョニー・デップ)《74年版リチャード・ウィドマーク》《日本版・佐藤浩市》・・・アメリカ人の富豪美術商。脅迫状が届き、命の危険を感じている。

彼がヴィランとして出演する「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」の続編が18年秋に公開予定。

 

  • ハバート夫人(ミシェル・ファイファー)《74年版ローレン・バコール》《日本版・富司純子》・・・アメリカ人。ラチェットの隣室で、深夜に部屋に男がいたと証言。

最近では「ダーク・シャドウ」に出演していたのが印象的。

 

  • ドラゴミロフ公爵夫人ジュディ・デンチ)《74年版ウェンディ・ミラー》《日本版・草笛光子》・・・ロシアの貴族。愛犬も連れて列車に乗り込む。

英国演劇界のスターです。「007」シリーズのボンドの上司Mが有名ですね。

 

  • ピラール・エストラバドス(ペネロペ・クルス)《74年版イングリット・バーグマン》《日本版・八木亜希子》・・・宣教師。かつては乳母の仕事をしていた。デブナムと同室。

オール・アバウト・マイ・マザー」や「パイレーツオブカリビアン生命の泉」などでお馴染み。

 

  • メアリ・デブナム(デイジー・リドリー)《74年版ヴァネッサ・レッドグレイヴ》《日本版・松嶋菜々子》・・・バグダッドで家庭教師をしていた。アーバスナットと親しい。

スターウォーズ新3部作の主人公レイでおなじみ。「スターフォース/最後のジェダイ」がまもなく公開。

 

  • ゲアハルト・ハードマン(ウィレム・デフォー)《74年版コリン・ブレイクリー》《日本版・池松壮亮》・・・オーストリア人の教授。人種差別発言が多い。

スパイダーマン」でのグリーンゴブリン、「グランド・ブタベスト・ホテル」、「ジョン・ウィック」などに出演している名脇役。

 

  • ヘクター・マックイーン(ジョシュ・ギャッド)《74年版アンソニー・バーキンス》《日本版・二宮和也》・・・ラチェットの秘書で帳簿を管理する。アルコール依存症。

アナと雪の女王」のオラフの声、そして「美女と野獣」ではル・フウを演じ話題に。

 

  • エドワード・マスターマン(デレク・ジャコビ)《74年版ジョン・ギールグッド》《日本版・小林隆》・・・ラチェットの執事。ガンで余命が短いと宣告されている。マルケスと同室。

「ヘンリー五世」や「シンデレラ」など監督作に多く出演。

 

  • ドクター・アーバスノット(レスリー・オドム・ジュニア)《74年版ジョージ・クールリス》《日本版・笹野高史》・・・従軍経験のある医師。ラチェットの遺体を調べ、死亡時刻を推測する。

※アーバスノットという名前は、74年版でショーン・コネリーが大佐役でこの役名になっていますが、ここでは医師を演じたコンスタンティンで置き換えています。

 

  • ピエール・ミシェル(マーワン・ケンザリ)《74年版ジャン=ピエール・カッセル》《日本版・西田敏行》・・・オリエント急行の車掌。深夜、ラチェットのうめき声を聞く。

ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」に出演していた方です。

 

  • ヒルデガルデ・シュミット(オリヴィア・コールマン)《74年版レイチェル・ロバーツ》《日本版・青木さやか》・・・公爵夫人のメイド。ミシェルとは別の車掌がいたと証言。

イギリスの女優さんで「ホット・ファズ」や「ロブスター」などに出演。

 

  • エレナ・アンドレニ伯爵夫人ルーシー・ボイントン)《74年版ジャクリーン・ビセット》《日本版・》・・・体調を崩して薬を常用している。

シング・ストリート」で一躍人気となった方。クイーンの伝記映画「ボメミアン・ラプソディ」に出演予定。

 

  • マルケス(マヌエル=ガルシア・ルルフォ)《74年版デニス・クイリー》《日本版・藤本隆宏》・・・キューバで脱獄し、アメリカにわたって自動車販売で成功。

マグニフィセント・セブン」に出演しブレイク。

 

  • ルドルフ・アンドレニ伯爵セルゲイ・ボルーニン)《74年版マイケル・ヨーク》《日本版・玉木宏》・・・ハンガリーの貴族。有名なダンサーでもある。

英国ロイヤル・バレエ団で史上最年少でトップダンサーになるも引退し、俳優業に進出。

 

  • ブーク(トム・ベイトマン)《74年版マーティン・バルサム》《日本版・高橋克実》・・・オリエント急行を運営する鉄道会社の重役

監督のシアターカンパニーのメンバーとなり多くの舞台作品に出演。

 

 

 

 

 

 

というわけで豪華なキャストで、元の作品から人種や設定などの改変もされているみたいですね。

配役から色々思い出せると思い一緒に書き込んでみましたが、ちょっとややこしいかな・・・。

世界一の探偵が豪華客船で謎解きに挑むミステリー映画の傑作映画。一体どんなリメイクになたのでしょうか!

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

 ようこそケネスブラナー劇場へ!!彼より豪華なキャストの見せ場がないぜ!

でもリメイクされてもいい映画なんだよなぁ。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お金かかってますね~。

エルサレムでサクッと事件を解決し、休暇を楽しもうとしたのもつかの間、寝泊りする部屋の番号「3」が、彼の中で不吉な数字を意味した通り、豪華寝台列車オリエント急行車内で起きた殺人事件の解決を求められ奔走する名探偵ヘラクレス・・・失礼、エルキュール・ポアロ。

車内いた乗客や被害者を調べていく中で、ガウンや車掌の制服、ハンカチや燃えカス、パイプクリーナーなど多すぎる手がかりに困惑しながらも、過去に起きたの事件に結び付いていく。

いったい誰が犯人なのか。そしてその動機は、過去に起きた事件とどう結びついていくのか。それが明かされた時名探偵は試練の時を迎える。

 

74年版では車内がほとんどの撮影だった中、今作は列車の屋根に上ったり、列車から逃げる男と追いかけっこ、はたまたポアロが窮地に立たされたり、真相解明シーンでは列車の外に出てトンネル内でまるで「最後の晩餐」のように横並び座らせて映したり、と推理以外でも楽しめる内容になっていました。

他にも、今だからこそ描ける雪山を走る列車を遠目から映す大スケールな風景にうっとりするし、雷が鳴って起きる雪崩もちょっとチープなCGではありましたが壮大でしたし、列車内の食堂や厨房といった部分の豪華さ、冒頭での船から眺める街並、エルサレムでのポアロの腕を示す事件の解決シーンなど、ロケーションにも力を入れることで、キャスト以上に華やかで美しい景色を堪能できました。

 

列車内で撮影してるから通路を歩く際は外からノーカットで乗客と会話したり、部屋の中を上から映す手法もまた面白い演出でよかったですね。

 

名作ミステリーを再び現代に甦らせたケネスブラナー監督主演というだけあって、彼がとにかくカッコイイ。てか男前すぎるだろw

74年版のアルバート・フィニーが演じたポアロは、背が小っちゃくぴっちり横分けおひげびっしりの太った体格という、原作のポアロに近い風貌でまぁクセが凄い演技でありましたが、こちらはクセはもちろんあるものの、スマートでスタイリッシュな紳士という容姿から、肌身離さず持っているステッキで軽くアクションもこなす鮮やかさも兼ね備えており、新たなポワロ像を確立したのではないでしょうか。

 

その分、これ見よがしなカメラ目線、愛するカトリーヌを思うが故の、誰に語ってんだ・・・な独り言の多さ、どこをとっても彼が映っているほど、そのギラついた視線に、その圧の強さによって、ケネスのケネスによるケネスのための映画となってしまっているようにも感じます。

舞台役者というだけあって彼の演技は素晴らしいのは当たり前だとしても、主役やって自身が監督しているのを理解したとしても、後ろに控える豪華なキャスト陣を活かしきれてないのが非常に残念でありました。

 

今作と74年版の上映時間はほぼ変わらないのですが、74年版は容疑者との取り調べでじっくり時間をかけての会話劇だったのに対し、今作は要点だけを絞ってテンポよく流れるように取り調べていました。

確かに今回はそれによって、軽快に事が運ばれ、その余った尺によって前作にはなかったポワロのピンチやアクション、列車外での出来事などを描き差別化を図ったことでエンタメ映画として完成されていましたが、観衆が誰が一体犯人なのかという考える余韻も与えず、どんどん話が進んでいくから置いてけぼりになる部分も多々あったように思えます。

単純にミステリーとして楽しみたかったモンキーとしては、この流れは少々残念に感じます。

 

そして、このケネス劇場を見ることによって、せっかく豪華なキャスト陣との演技合戦がほとんどないというのも残念だったひとつ。

食堂内でのやり取りもあまり長くなかったし、逆に前作ではなかった乗客たちのやり取り何か加えてもよかったんじゃないかなぁと。

 

とはいえですよ、やっぱりクライマックスのシーンは涙を誘う哀愁が漂っていてよかったです。ほんとラチェットを殺した理由がせつないんで、ここはどうしても感情移入しちゃいます。

そしてポワロは今回、冒頭のシーンからこの世には善と悪しかない、とか、ゆで卵が同じ大きさじゃないと食べないとか、片方の足でうんち踏んだらバランスが悪いからもう片方の足も踏んだ方がいいとか、とにかく自分の中の天秤が同じ重さでないと許せないという信念を持っている人物像なんですね。

今回ポワロがこの事件を自分の中でどう決着するかという葛藤を描いてるのもまた良くて、最後まで哀愁を漂わせながら幕を閉じる終わり方がオツでありました。

 

次回作を匂わせるキーワードが出て来たのも嬉しかったですね。お、アレやるのかい!?みたいな。

 

スターウォーズという横綱がドンと構えていることもあって、あまり大作映画が乱立しない冬興行なんですが、この映画はそういう意味では冬の大作映画らしく景色もキャストも豪華絢爛で、それでいて謎を解いた後の切なさに涙してしまう娯楽映画でありました。

 

 

 

74年版との改変箇所。

ここからはがっつりネタバレ含んでおりますのでご注意を。

 

原作未読のモンキーなので比較するのがどうしても74年版の作品に泣てしまうのですがご容赦ください。

エルキュール・ポワロ

上でも書いた通り、容姿はまるで違います。スラッとした体格で、いかにもモテそうな紳士ヅラ。蓄えた髭も髪も白髪交じりで、特に髭はもっさり。

今作ではカトリーヌという女性の存在がいたことを描いており、寝る前に彼女の写真を眺めて恋焦れる場面がありました。

冒頭でのエルサレムの事件解決シーンで、彼がどれだけの名推理をするかというを知らしめるのは前作にはなく、これによってグッと没入できたように思えます。

 

ラチェット

前作では彼は引退した身で、同業者から狙われているような設定でしたが、今作では美術商にもかかわらず、その目利きは素人以下で贋作を売り付けていたことで命を狙われてたという設定に変わっています。

彼はアームストロング家の娘デイジーを誘拐し、身代金を受け取ったにもかかわらず殺してしまうという残虐な男でした。今作はそのデイジーの敵を討つために彼を殺す計画だったというわけです。

 

ハバート夫人

彼女のカバンから短剣や制服のボタンが出てくる件は今回カットされ、その代わり、彼女が背中を刺されるというシーンが追加されていました。犯人に顔を覆われ背中を刺され、その隙に逃走を図ったよう見せていたということですね。

アリバイ作りのためラチェットが夜中うなされて声を発したのも、懐中時計を壊したのも彼女に改変されています。(74年版はマックイーンがやっています)

彼女は殺されたデイジーの祖母であり、娘の死により早期出産で母子ともに命を落としたソニアの母、そして名女優と称されたリンダ・アーデン。

事件によって魂が抜かれ隠居しているという噂でしたが、今回の計画の首謀者として、女優としておしゃべりな夫人のふりをしていました。

 

ドラゴミロフ侯爵夫人

特に大きな改変は見当たりませんでしたが、前作ほど年を取っているようなそぶりは見当たらず、車いすも使ってませんでしたね。確か前作ではグリーンサラダをドレッシングなしで頼んでいたのに、今作はドレッシングかけた野菜を頼んでいたようなw

彼女の正体はデイジーの名付け親で、ソニアの母親リンダ・アーデンの友人でした。

 

ピラール・エストラバドス

前作はスウェーデン人で片言の英語を話す宗教に没頭した女性でしたが、今作では人種についての説明は特にな買ったように思えます。何より取り調べの時間が短く人物像を掘り下げていないので、この役は特に目立ったエピソードがなかったのです。

彼女の正体はデイジーの乳母で、事件の夜ワインを飲み過ぎてしまってうたた寝をしてしまったところを誘拐されてしまい、それ以来彼女は宗教に入れ込んでいました。

 

メアリ・デブナム

冒頭からポワロと会話するシーンや、彼女だけ列車外での取り調べシーンなどがありました。前作では、恋仲であるアーバスノットと同席しての取り調べだったのでそのあたりが改変された箇所でしょうか。

74年版ではアメリカ人であることを言い当てられてましたが、今作ではなかったですね。

彼女の正体は、デイジーの家庭教師。冒頭でのポワロとのやり取りで袖にチョークがついていたことから推理されていました。

 

ゲアハルト・ハードマン

彼は人種差別発言の多いドイツ人大学教授ということでしたが、実際はドイツ訛りの男で、ピンカートン探偵社の探偵で、ラチェットに雇われていたということを自白します。

この雇われ探偵というのは前作も一緒なんですが、大学教授という部分と、正体が元警察官というのは改変されていましたね。

彼は、アームストロング家に仕えていたメイドの恋人であり、犯人に仕立てられた彼女が自殺したことに憤りを感じ今回の計画に参加しました。

前作のハードマンより年を取ってれていたので全く違う設定なのかなと思いましたが、そこは歳の差が離れていても彼女は自分を愛してくれていたと語っており、ハードマン自体はそこまで改変してなかったようですね。

 

ヘクター・マックイーン

ラチェットの秘書として彼をサポートしていましたが、目利きのない素人なラチェットに変わって彼が仕事を仕切っていました。74年版ではそこまで重要な仕事をしてなかったのが改変された箇所でしょうか。

他には彼の帳簿をごまかし金を横領していたというのが大きな改変箇所だと思います。

彼の正体は、検事として彼の父がデイジーの事件に関与しており、メイドを犯人にしたあげくそれが間違っていたことに非難を受け、亡くなってしまったという過去を持っていました。

74年版では幼くしてッ母を亡くていたことで、それをソニアで埋めていたような描写がありましたが今作ではありませんでしたね。

 

エドワード・マスターマン

ラチェットの執事として仕えているのは一緒ですが、彼に睡眠薬を飲ませる件はなく、またがんで余命わずかという設定も前作にはありませんでした。

彼の正体は軍人としてアームストロングの部隊におり、その後あー彼の家で執事として仕えていました。

 

ドクター・アーバスノット

前作では、アーバスノットは大佐のみの設定。別にギリシャ人医師がいたので、彼と合わせての設定になっています。デブナムと恋仲であるということは同じですが、前作はショーン・コネリーが演じているため人種が違うこと、取り調べでアームストロングの過去を語るなどの描写はなく、自ら正体をさらす運びになっていました。

彼の正体は、アームストロングと共に戦争で戦った仲で、その後彼の援助で医師になっったことを明かします。

 

ピエール・ミシェル

74年版では神の名を2つも持っているにもかかわらず、娘と妻を亡くしている設定でしたが、年齢をグッと若くした設定になっています。

彼の正体は、犯人に仕立て上げられたメイド・スザンナの兄。74年版ではメイドの父親という設定でした。

 

ヒルデガルデ・シュミット

74年版ではうっかり自分の正体を明かしてしまうような件がありましたが、今作ではそこはカットされ、その代わりドイツ語でのやり取りが加わっていましたね。

彼女にも目立った見せ場がなかったのでこれといった改変はなかったように思えます。

彼女の正体は、アームストロング家に仕えた料理人でした。

 

エレナ・アンドレニア伯爵夫人

彼女はずっと薬を服用している設定で、前作と大きく違うのはその体調の部分でしょうか。

パスポートの名前に「H」が消えていて、そこから彼女の正体が見えてくる流れは一緒でしたね。

彼女の正体は、ソニアの妹であり、デイジーは姪にあたります。事件のショックで薬を摂取しているため、昼と夜が逆転していました。

 

マルケス

彼は脱獄後、自動車販売で成功した男という設定でしたが、74年版では陽気なイタリア人ディーラーとして、とにかく話しかけて同室のマスターマンを困らせていたエピソードがありませんでした。

彼の正体はアームストロング家の運転手で、資金を出してもらいビジネスを成功した過去を持った男でした。

 

ルドルフ・アンドレニ伯爵

貴族でありながら有能なダンサーというのは、演じたセルゲイ・ボルーニンがバレエダンサーだからという理由だからだと思います。

カメラに獲られるのを執拗に嫌い、その身の軽さで華麗な攻撃を見せていたのが印象的でした。やはり俳優としては場数を踏んでいないためかほとんどセリフがなかったのが残念ですね。

すぐキレる、すぐ反抗するという点においては前作でも似ており、妻が疑われるようものならば、口が出る手が出る男でした。

彼の正体は、妻エレナの夫なので、デイジーやソニアと義理の家族にあたることになります。事件のショックで隊長のすぐれない妻を支えていました。

 

ブーク

74年版はビアンキという名の中年の重役でしたが、今作では若いコネ入社のチャラい男として設定されていました。また、事件を推理するポワロの手伝いをしていましたが、取り調べをするごとに「あいつが犯人だ!」という流れが今回一切なく、そこが坪だった自分としてはちょっと寂しかったですねw

クライマックスでもビアンキの一人でこの犯人たちを警察に突き出すか黙認するかを委ねられた立場でしたが、そんな見せ場もなかったのが残念でした。

 

 

というわけで、この事件はハバート夫人を中心に、アームストロング家の娘デイジーの命を奪ったラチェットを殺害すべく計画されたもので、計画に賛同したのはデイジーを、ソニアを、アームストロング家を愛した者で構成されていたということです。

そして計画当日たまたま乗車することになった名探偵を欺くべく、当初計画にはなった行動をする羽目となり、即興でのアリバイ作りをしたものの、それが糸口の見えない事件となりポワロを困惑させていたのであります。

 

最後に

ざっくりとネタバレしてしまってますが、モンキー的には74年版を鑑賞していても、今作は全然楽しめたクチで、やはりラチェットを殺した動機が明かされるシーンは何度見ても涙を誘うので、そこは非常に満足してますし、話を知ってる人でもきっと同じような気持ちになれるだろうと思っています。

ただ、感想の部分でも書いた通り、ケネスの独壇場になっているし、他のキャストの見せ場がない、そのキャストの役が深掘りされていない、意外と早く容疑者が正体を明かしちゃう、テンポはいいけどあっさりし過ぎていてミステリーとして楽しめないなど、多少の不満は出てしまったのが本音です。

 

デイジーリドリーとルーシーボイントンがかわいかったから案外それで満足だったりしてw

というわけで以上!あざっした!!

 

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満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10


映画「スターウォーズ8/最後のジェダイ」感想ネタバレあり解説 これからが本当の始まり。

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12月15日

スター・ウォーズ/最後のジェダイ

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遠い昔、遥か彼方の銀河系で・・・

 

 

デンッ!!!♪

 

 

 

はい~とうとうこの日を迎えることになりました!世界40億人(ホント!?)が待ちに待った「スターウォーズ」の最新作がついに公開でございます!!!

 

レイとルークが出会ったところで幕を閉じた前作「フォースの覚醒」から2年。今回はその後を描くということで、一体どんな物語へと進んでいくのか、早く見たくて気が気じゃないんですけども!!

 

 

予告編解禁後、あらゆる媒体で展開の予想や考察をする者もいれば、一切情報を入れないようシャットアウトしている者と、皆それぞれがそれぞれの期待と思いを抱きながらこの日を待っていたわけです。

全くSWシリーズに関心の無い人、どうか我々の馬鹿騒ぎを温かい目で見守ってくださいw。もしご興味があれば、私達はいかなる場合も受け入れますから!

ハイ、前置きはこれくらいにして、早速観賞してきましたよ!最速上映で!!!

フォースと共にあらんことを!!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

10年ぶりに「スターウォーズ」新シリーズとして爆発的大ヒットを記録した「スターウォーズ/フォースの覚醒」。その語を描いた続編がついに公開される。

シス、帝国軍と形を変えてきた悪の存在は今回ファースト・オーダーとして銀河の独裁をもくろみ、それに抵抗するレジスタンスは新たなる希望を武器に、壮大な攻防戦を展開していく。

そしてジェダイの唯一の生き残り、ルーク・スカイウォーカーを探す冒険は、大きな犠牲を受けつつも無事発見し、前作のラストシーンで主人公レイとルークはついに対面する。

この出会いからどんな物語が描かれるのであろうか。

誰も見たことのない“衝撃”のスターウォーズがついに幕を開ける。

 

 

 

一番くじ スター・ウォーズ 最後のジェダイ全17種

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スター・ウォーズ ぬいぐるみ S 最後のジェダイ ポーグ 高さ約16cm

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あらすじ 

 

『フォースの覚醒』のラストシーンで、万感の思いを込めてルーク(マーク・ハミル)にライトセーバーを差し出すレイ(デイジー・リドリー)。彼女をじっと見つめるルーク。そこに言葉はない。観る者の胸を感動で満たし、同時に様々な想像をかき立てずにはいられなかった、このラストシーン。――そして物語は、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』へと受け継がれる。

伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーとめぐり逢ったレイが知ることになる驚くべき真実とは? なぜカイロ・レン(アダム・ドライバー)はダース・ベイダーを受け継ごうとするのか? さらには、レジタンスを率いるカイロ・レンの母親レイア(キャリー・フィッシャー)と、ポー(オスカー・アイザック)、フィン(ジョン・ボイエガ)、BB-8らレジスタンスたちの新たなるミッションとは? そして、タイトルの“最後のジェダイ”が意味するものとは?
――知られざる秘密が明かされるとき、さらなる謎が生まれる。(HPより抜粋)

youtu.be

 

 

 

監督

前作「フォースの覚醒」のJ.J.エイブラムスからバトンをうけ、今作を手掛けたのはライアン・ジョンソン

 

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野球かバスケの選手みたいな名前ですが、映画監督ですよ~。

彼の作品といえばご存知「LOOPER/ルーパー」。

 

LOOPER/ルーパー [Blu-ray]

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 殺すべき対象が30年後の自分、というひねりの聞いた設定と巧みな脚本で、SF映画ファンをざわつかせたであろう1本。

自分も公開年の個人的ベストに入れたほど面白かった作品でした。

現在と未来の自分が鉢合わせることに、また過去と未来を行ったり来たりするとちょっとややこしくなることもありますが、そんなことも忘れさせてくれるほど順を追って描いてること、広大な畑を前にしてもSFになっている展開、心理描写もいいし人間ドラマとしてもしっかりしてる。ガジェットもカッコいい。

そして強烈なインパクトを与えたキーマンで、超能力をもつ男の子シド!。君が一番怖かったよ・・・。ウソつき!ウソつき!ウソつき!って。お母さんよくトラウマにならないなぁ。

 

どう考えても、ジョセフ・ゴードン=レヴィットの30年後がブルース・ウィリスってかわいそうだなぁ、でもジョセフちょっと頭髪が後退してるからハゲるのは確実かぁ、とか思ってたら、ジョセフの顔が既にブルースに寄った顔になってて、その時点でショックでしたねw

 

この作品の評価を得てのスターウォーズ抜擢だと思います。頼むぜライアン。

 

 

 

キャラクター紹介

既存のキャラに加え新しいキャラも登場。クソかわいいキャラから素性のわからぬ存在までわかった範囲で説明したいと思います。

 

既存のキャラたち

 

 

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左側から順に。

  • レイ(デイジー・リドリー)・・・砂漠の惑星ジャクーで孤独に暮らしていた少女。ひょんなことからフィンとハン・ソロと共に宇宙を旅し、やがてフォースを身につけた後、ルークの元へ向かう。
  • フィン(ジョン・ボイエガ)・・・ファーストオーダーから離反した元ストームとルーパー。識別番号「FN-2187」。組織の恐ろしさに逃げてばかりだったが、ソロやレイを思い、レジスタンスの作戦に参加。
  • ポー・ダメロン(オスカー・アイザック)・・・レジスタンスのパイロット。ルークの行方を捜す際にファーストオーダーに捕まるが、フィンの手助けにより脱出。一時行方不明だったが無事帰還し、スター・キラー破壊作戦の先頭に立つ。
  • カイロ・レン(アダム・ドライバー)・・・レイアとソロの息子。本名はベン・ソロ。ルークの元で修行を積むも、スノークの手によってダークサイドへと堕ちファーストオーダー側につく。祖父であるダースベイダーを崇拝している。
  • ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)・・・かつて銀河での大きな戦いで多大な功績を反乱同盟軍にもたらしたジェダイ。あれから30年後、ジェダイを育てるためにレイアの息子ベンを預かるも、彼が率いる「レン騎士団」によって機関は壊滅。自責の念にかられたルークは行方をくらまし、惑星アク=トゥーで隠居する。
  • レイア・オーガナ(キャリー・フィッシャー)・・・ルークの妹であり、私設軍隊レジスタンスの将軍。フィンとレイを連れてきた夫であるソロに、息子の帰還を託すもフォースで彼の死を悟る。兄の力を借りるためレイを彼の元へ送りだす。
  • スノークアンディ・サーキス)・・・ファーストオーダーの最高指揮者。顔に大きな傷跡があり、細身で蒼白。極めて冷静に判断しハックスに支持を促す。カイロ・レンをダークサイドへと導く。
  • ハックス将軍ドーナル・グリーソン)・・・ファースト・オーダー将軍。スノークに一目おかれているレをライバル視している。スターキラー基地の指揮を執り、レジスタンスへの見せしめに共和国の首都を壊滅させる。
  • キャプテン・ファズマグウェンドリン・クリスティ)・・・ファースト・オーダーに仕える女性士官。トルーパー兵を指揮し、レジスタンスとの戦いに従事。フィンによって一度捉えられダスターシュートに放り込まれるといった、見た目のカッコよさとは程遠い活躍だったが今回はいかに。
  • チューバッカピーター・メイヒュー)・・・ウーキー族の男性でハン・ソロの宇宙船「ミレニアム・ファルコン号」の副操縦士。レイとフィンと共に、ルークの捜索に参加し、その道中でソロを失う。戦いのあと、レイと共にルークのいる惑星アク=トゥーへ向かう。
  • R2-D2ジミー・ヴィー)・・・主に修理、整備用のドロイドとして幾多の時代を見届けてきた。ルークの失踪後、スリープモードになり口を閉ざしていたが、地図を持ったBB-8が現れると再起動し、ルークの居場所を導く。レイとともに主人の下へ向かう。
  • C-3POアンソニー・ダニエルズ)・・・知覚生物とコミュニケーションをとるために開発されたドロイド。R2-D2と共に銀河の重大事件を見届けてきた。レイアの下でレジスタンスで情報収集のリーダーとして活躍.。
  • マズ・カナタルピタ・ニョンゴ)・・・フォースを感じることができるヒューマノイド種族の女性。惑星タゴダナで城を構え、旅人達のたまり場として解放していた。ルークが持っていたライトセーバーを持っており、レイに託す。
  • BB-8・・・レジスタンスのパイロット、ポー・ダメロンに忠実なBBユニット。磁気キャスターで頭部を起こしたまま球状のボディを回転させて動く。時に勇敢に時に臆病な人間味溢れる存在。

 

今作から登場する新キャラクターたち。

 

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  • ローズ・ティコケリー・マリー・トラン)・・・レジスタンス所属の整備クルー。姉・ペイジも砲手として参加している。フィンと共に行動するとのこと。
  • アミリン・ホルドー中将ローラ・ダーン)・・・レジスタンスの中将。レイアに代わって指揮を執るのか、はたまた裏切るのか存在が謎。
  • DJ(ベニチオ・デル・トロ)・・・あくまで呼び名とのこと。レジスタンスにもファーストオーダーにも属さない人物で、暗号解読者らしい。フィンとローズをカジノの街カント・バイトから敵艦に侵入し役目を果たす。
  • ポーグ・・・ルークが隠遁生活を送っていた惑星アク=トゥーに生息する海鳥。つぶらな丸い目と丸い体を羽毛で覆った生物で短距離なら飛ぶことも可能。好奇心旺盛。
  • ウルプテックス・・・惑星クレートに生息する狐のような生物は、惑星の表面にある塩を摂取したことにより体が結晶のようになったとのこと。普段は地下の穴やトンネルで生活している。
  • BB-9E・・・ファースト・オーダーに仕える黒いボディのBBユニット。頭部がBB-8とは違いドーム型。

 

 

 

 

 

 

詳細もあらすじも全くわからず、ベールに包まれた内容ですが、レイは、ルークは、フィンは、どういう道をたどるのか。そしてレンは完全なダークサイドへと堕ちるのか。最後のジェダイとは一体誰のことなのか!? 

高まる期待を胸にいざ!!!

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

 やっぱり祭りは楽しいね!!

光と闇、善と悪に焦点を充てた、まだ何者にもなれてない者たちの大人への階段を登る物語でした!!!

以下、何を書いてもネタバレになりますが、一応核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この空気感が毎度素晴らしい。

東京に住んでいるということもあり、毎回大作映画は新宿で最速上映があるときは必ずといっていいほど鑑賞するのですが、スターウォーズともなると、これまでの大作映画とは比べ物にならないほど、場内の盛り上がりはお祭り状態で、皆それぞれ思い思いのコスチュームで参加したりライトセイバーを振り回したり、上映開始すれば拍手で迎え、ひとたびエキサイティングなシーンが始まれば再び拍手、もちろん上映終了後はほとんどの人たちが席を立たずエンドロールを見終え、再び拍手。

これなんですよね、映画館で見る利点て。皆がその映画を楽しみにしてて同じ空間を共有し、同じ気持ちになれる。

例え、例えですよ?これがつまらなかったと感じても、この空気感を味わえたなら許せてしまうわけで、それがまた思い出となり記憶となり、僕の脳内に心に細胞に刻み込まれることがすごくうれしいことだなぁと。

これを家で一人で見てたらだいぶ印象も変わるだろうし、翌日仕事だとしても見てよかったって気持ちを胸に仕事ができるってもんで、この環境に感謝したいなと今日改めて感じました

 

正直な感想

さてさて本題に入りますが、いったいどんな感想だったか。

ルークに会いに訪れたレイ、そのレイを心配しつつも再び逃げることを選択しようとするフィン、未だ悪に染まり切れない自分に苦悩するレン、周りの事を考えずに己の力を過信し無茶な行動を繰り返すポー、この4人の個々のエピソードをつなぎ合わせた本作。

その中で光と闇とは、善と悪とは、ジェダイとは、フォースとは何かを物語に組み込み、主要人物の心の内面にフォーカスをあてることで、より一層物語が深みを増し、今までにないスターウォーズへと変化させた意欲作であり、挑戦的内容にも感じた作品でした。

また、ジェダイマスターであるルークの枯れっぷりからの再び立ち上がるまでの活躍や、レイアが初めて見せるあの力、新たなキャラたちの見せ場、かわいいクリーチャーたちの仕草や行動、時にふと放り込まれてくるユーモア、ダイナミックに繰り広げる空中戦などなど、いつだってスターウォーズは僕らを楽しませてくれる作品だと改めて感じた作品でした。

 

いつからか僕らはジェダイが正義で光でいいもんで、ダークサイドが悪で闇でワルもんでと決めつけて見ていたんだと思います。

そんな頭の中で勝手に決めつけていた線引きを、今回まだ何者にもなれていない、これから自分はどうあるべきか見えていない主要人物たちを分岐点にたたせることで、全てボーダーレスにし、それぞれがどう進んでいくかを緻密に描いていたと思います。

 

新たなキャラDJのセリフにもあるように、この世の善悪はカラクリになっていて、誰がどうやって得をしているのかという背景を見せることで、それが正しいかどうかは抜きにして善も悪も操作されているということを描いてるのも特徴でした。

 

 

また新3部作の2作目ということで「帝国の逆襲」のような雰囲気もあって、今作を機に今まであったものを全て壊し構築させていく運びになっているのも一つの重要な部分だったように思えます。

その役目を担うのが今回ルークだったわけで、今作は誰よりも主役だったような気がします。

 

 

と、こんなことを述べつつも、実際のところ振り返ってみると、「今まで見たことのない衝撃のスターウォーズ」というキャッチコピーに振り回されたせいか、「フォースの覚醒」のような興奮と歓喜を感じるには程遠い作品だった、というのが率直な感想です。

この「衝撃」という部分が何を指すのか、きっとレイの両親の存在が明らかになりそれが今まで出て来たキャラの中の誰かで、フィンもきっとフォースが覚醒して、誰かと誰かにロマンスが芽生えて、などなどビッグなサプライズがきっと描かれるんだ!

そんな衝撃の連続が訪れるんだろうとモンキー的には思ってたわけです。

 

だが実際ふたを開けてみるとそんなことは一切描かれず。おいおい何が衝撃だ!と若干ふてくされながら見てしまったわけでして・・・。

 

まぁ他にも不満はあるんですが、それは後半書くとして。

 

 

核心までのあらすじ

デスキラーを破壊したことで、レジスタンス側に勝利の活路が見いだせたのもつかの間、総動員で奇襲してくるファースト・オーダー。レジスタンスの基地を見つけ出し総攻撃を仕掛けてきます。

そこへ小さな戦闘機が1機。レジスタンスのパイロットのリーダー、ポーが一人トレットノートに立ちはだかります。

明らかに不利なポーですが、見事にファーストオーダーは彼の作戦にまんまとハマります。小さな戦闘機は標的には小さすぎて素早く、大きな戦艦では撃ち落とすのに困難。そこを逆手に取り、トレッドノートのキャノン砲をひたすら撃ち落とすポー。そこに爆弾を積んだ船が現れ一気に撃ち落そうというポーの作戦でした。

しかし、ファーストオーダーの方が一枚上手で、数で圧倒されてしまう。

最後まで残った爆弾を積んだ船の砲手ペイジ・ティコは命を捨てる代わりに爆弾をドレッドノートに落とすことに成功。

見事勝利したポーは喜びに沸くが、その分多数の犠牲が出てしまったことを考えないポーの行動を問題視したレイアはポーを降格させます。

その場を逃れたはずのレジスタンスは、すぐさま追ってきたファーストオーダーから一目散に逃げ始めますが、カイロ・レン率いるTIEサイレンサー艦隊の攻撃になす術がありませんでした。

レイアのいる部屋をフォースで感知したレンは、ミサイルのスイッチを押そうとしますが躊躇。だが別の戦闘機がその場所を狙いレイアは宇宙空間へ放り出されます。

するとフォースの力で何とか船内まで生還しますが意識不明に。

彼女の代わりに指揮を執ることになったボルドー中将は、シールドを張りながら逃げることを選択。

その選択に疑問を感じるポーは反発しますが状況は変わらず。どうすればいいのか模索し始めます。

 

一方フィンは、レイの事を気遣いながらも再びレジスタンスから離れ逃げようとします。すると整備クルーのローズ・ティコに見つかりスタンガンのようなものであえなく御用に。

姉ペイジを先の戦闘で亡くしたローズにとって、この状況にもかかわらず逃げることを選択したフィンに怒りをあらわにしたローズ。フィンとのやり取りの中で、ファーストオーダーの追跡から逃れる事が出来る弱点があることに気付き、早速ポーに相談。

元トルーパー兵で戦艦のどこに何があるか把握しているフィンと、エンジニアの腕を持つローズが戦艦に侵入し破壊すればこの追われている状況から抜け出せると考え、ポーはマズ・カナタに相談。

敵艦に侵入するにはコードを解除できる人間が必要で、その人物はセレブ達とギャンブラーたちが集う惑星カント・バイトへ向かうよう指示。早速2人はその星へ向かう。

 

一方、レイアにルークのいる惑星アク=トゥーへ向かうよう頼まれたレイは、ルークに会うことに成功するも、門前祓いを食らう。

チューバッカと久々に再会し驚く表情を浮かべるルークだが、レイがいくらレジスタンスにとってルークが必要と説明しても頑なに首を縦に振らなかった。

彼の行動をひたすら追いながら説得を試みるレイは、ジェダイの書物がある場所に足を踏み入れる。

フォースが覚醒したとはいえ未だコントロールできないレイに、君は誰だ?と問うルーク。困惑する彼女を見ても一向に要求をのんでくれないルークだったが、ミレニアムファルコン号を訪れると、級友R2-D2と再会。

ルークにとって冒険の始まりだった、過去のレイアによるオビ=ワンへのメッセージ映像を見せられ、レイを修行することを決意する。

フォースとは何かを教えられたレイは、彼女の潜在意識にあった力が覚醒されるや否や、その大きさに驚きルークは修行を中断してしまう。

一人修行の続きを始めると、フォースによって遠い場所にいるはずのレンを感じ、お互いで会話する機会が増えていきます。

レンをひたすら攻めるレイ、それに対し君にも弱さがあるだろうと核心をついて来るレン。いつしか二人は互いが信じあえる存在になりつつあることを理解し始めます。

修行の第二段階に入るころ、ルークがレンを修行していた頃いったい何があったのか問い詰めます。

彼のフォースがあまりにも強大だったためそれが暴走し、寺院ごと破壊され自分も瓦礫の下に埋もれてしまい、いざ外へ出ると何もかもを失ったことに気付いたルークは身を隠したことを告げます。

その後レンと再びフォースで会話するレイ。レンとルークの話が食い違うことを知った彼女は再びルークに事の真相を問いただします。実際は闇の力が大きくなり過ぎていたレンを生かしておくわけにはいかないと夜中に仕留めようとしますが、自分の思ってもいなかった行動から我に返り、躊躇していたところをレンに気付かれてしまいます。

レンは師匠に裏切られたと思い込み暴走したのでした。

結果カイロ・レンを生み出してしまたのはルークであり、その失態から彼は身を隠していたことがわかります。

彼はまだ救えると確信したレイは修行半ばにもかかわらずファルコン号で彼の元へ向かいます。

 

果たして、レイはレンを救えるのか。レジスタンスはファーストオーダーから逃れることができるのか。そしてルークは。

 

 

 

良かった点

いつも通りといいますか、オープニングでの攻防戦はこれぞスターウォーズ!という展開で一気に心を掴まされました。

この「モンキー的映画のススメ」でも散々俺のオスカーアイザックと繰り返し言っている通り、彼演じるポー・ダメロンがいきなり大活躍する姿をいきなり見せてくれるなんて監督分かってんじゃん!!!と大興奮。

前作「フォースの覚醒」ではあまり見せ場のなかったので、これは良かった。てか今回ポーが暴走してかき回しまくるエピソードにかなりの尺を撮って描いてたので是非オスカーファンは楽しんでもらえたらと思います。

ポーはその過信ぶりから、勝つことにばかり執着していて周りの犠牲がどれほどのものなのか全く理解できていなかったんですね。そのことをレイアからたしなめられ、しかも彼女の代わりとなったホルドーからも直接ではないにせよ指摘されていたことに気付き、最後は勝つことがどういうことなのか、希望の火花であるレジスタンスがこれからも戦っていくのはどうすればいいかを理解していく姿が印象的でした。

 

一番アガッたのは、ヨーダが出てくるということでしょうか。しかもフルCGではなくパペットで。レイの勝手な行動に、そして自分が今どうするべきか困惑しているルークの前に現れ彼を導く姿にファンとしては感動してしまうシーンだったのではないでしょうか。いくらジェダイマスターといえども、ルークも迷える男だったわけで、ヨーダの存在は彼にとっては今でも大きなものなんだなぁと感慨深くなった瞬間でした。

神聖な木を燃やそうと立ち上がるも躊躇してしまうルークにヨーダは、書物なんか下らん!といってしまうのがいいんですよね。失敗を教えるのが師の務めでもある、頭に叩き込んだもの何かでなく目の前にあるものを見つめろと。

これで目覚めるルークのこの後の姿を目に焼き付けてほしいですね。

 

レイとレンが共闘するシーンもアガりました。まさかこういう展開になろうとは思っても見ず、剣裁きはかつてのスターウォーズに比べると劣ってしまう部分も多々ありましたが、今まで見ることの出来なかったとどめの刺し方とかカッコよかったですね。

 

 ハックス将軍は今回でヘタレキャラ確定になりましたね。小者は使いようによってはいい働きをするとスノークが言っていた通り、見事な小者っぷりを見せコメディリリーフとして大活躍でした。

序盤からポーにハグス将軍と小バカにされ、スノークに影でいい扱いされてることも知らず打倒レジスタンスに奮闘し、スノークがいなくなったことで誰が指揮を執るの?レン!お前じゃねえぞ!ってうわ~フォースヤベ~ごめんなさい閣下~・・・でも引き下がらないぞ!行け軍隊どもよ怯むな~!!ってまたまたフォースの力ヤベ~・・・という流れ。

次回作でもヘタレっぷりに期待です。

 

 

不満な点

まず一つ大きく挙げるとするならば脚本です。このエピソード要るか?だったり、結果的に意味ないじゃんというエピソードがあり、ここのエピソードが最後ひとつに繋がっても果たしてこれでよかったのか?と思える出来に不満を感じました。

 

フィンが敵艦に侵入したのは、ポーの独断によりレジスタンスをファーストオーダーから遠ざけるための作戦だったわけですが、結果的にポーを信用していなったホルドーが本当の作戦を言わなかったためにしてしまった早とちりで、ちゃんとホルドがポーに作戦の概要を伝えていればフィンはあんな無茶をする必要なかったわけで、ポーもクーデターみたいなことをする必要もなかったわけで。

こうなってくると、ここ全部レジスタンスの指揮系統の問題で話がこじれただけで全く必要ないじゃんと。

まぁ、このエピソードがあるからフィンは逃げずに立ち向かう強さを得たわけで、ポーもまた自分の立場を自覚するので、彼らの内面の成長を描くという点では必要だったのかもしれませんが、もっといいやり方があったろうにと。

せめてレイとフィンはもっと近しい存在で描いてくれないと前作での絆が活きてこないし、二人が互いを思うことで成長を遂げるようなストーリーラインでないと続編の意味がなくなってくるというか。

その分レイはレンと対になって何者かになっていく様子を描いてるからいいのか?となるともうフィンは次回作も後手に回っちゃうんだろうなぁ。

 

そして今回もまたファズマはコマ扱いでかっこいい見せ場が無くて残念でしたw

 

スノークの存在って何なのか。もんのすごいフォースの力でレイを圧倒したわけですが、隙を突かれてレンにあっさり殺されてしまうというオチ。

最高指導者なのにここで退場ですか?

で、彼がいる真っ赤な部屋がどこか安っぽくて何かショボかったですね。

 

カント・バイトのカジノが如何にも地球のカジノという雰囲気で全然宇宙っぽくない!やってる人たちは様々な人種がいましたが、今までのシリーズの酒場のようなものは全然違って残念。ここもシリーズと差別化を図ろうとしたのでしょうか。だとしたら失敗だと思います。はい。

 

これ多分なんですけど、「嫌な予感がする」てセリフありました?なかったですよね?

 スターウォーズといえば必ず登場するこのセリフまで排除してしまうのか。どんだけスクラップ&ビルドしようとしてんだ。

 

あとはこれ、過去作のファンだからという思いが強いからなんですが、やっぱり主要人物の誰かが血を受け継いでるような設定であってほしかったですね。

今回でレイの両親がただの何でもない人という事実が語られましたが、やはりそこで大きなサプライズを期待していただけに、残念で仕方ありませんでした。

ただ、もしかしたら次回作でこのことが実は…みたいな形で描かれるかもしれないので、そこはまだ期待していたいところなんですが。いや多分ないかなぁ・・・。

 

最後に

フォースとはバランスだ。闇を閉ざせばそのバランスは崩れてしまう。そして闇が大きくなれば光もまた大きくなっていく。そのバランスは善悪も同じように存在し、シスや帝国軍、そしてファーストオーダーと姿形を変えて現れる悪に対し、共和国軍やレジスタンスという光もまた存在する。

その善悪は古い体制を壊しては生まれ、常に争い、その中で多くの犠牲を生み、本当の勝利とは何なのかを問いかけてくる。そして何者にもなれてないレイたちはそんな戦いの中で本当の善悪を見出していく。

作品もまた、今までのスカイウォーカー家とジェダイの伝説という、古い体制を壊し、新たなスターウォーズを構築しようという企みが垣間見えた、衝撃のスターウォーズでありました。

 

とまぁ、まとまったんだかまとまってないんだかこんな裏テーマだったんではないでしょうか。

 

しかしながら脚本の弱さ、キャラの描き方などなど挙げればキリがない不満な点があるので、一応スターウォーズってだけで☆5個は確定ですが、それ以上は伸びないですね。

クライマックス以外は避けてネタバレしたわけですが、やっぱり今回に限っては観てから読むのをオススメします。

とりあえず観ましょう。年に1度のお祭りなのですから。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

Netflix映画「ブライト」感想ネタバレあり解説 人間と怪物のお巡りさんが魔法の杖を守る話。はぁ?

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12月22日

ブライト

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 とうとうネトフリでウィル・スミスの主演映画が配信なんて!

今年のNetflixのオリジナルコンテンツはドラマは当たり前として、見ごたえある映画も増えたなぁと非常に感心しております。

ただいつも思うのは毎回事前情報が少ないのが難点。公式HPがあるわけでもないので、誰が監督で誰がキャストでっていう位しかわからない。

しかも今回ウィルスミスの隣にいるの何!?

なんか青白いエイリアンみたいなのが警官の格好してるよ!?一体どんな話なんだよ!?

 人間とエイリアンの警察官バディものなのか?二人で難解な事件解決ってか?

てか、時代設定がわからん!未来なんだろうけども。

まぁ四の五の言わず配信開始まで楽しんで待てってか!

というわけで早速自宅にて観賞いたしました!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

DCコミックの悪役達を集結させた映画「スーサイド・スクワッド」の監督主演コンビがストリーミング配信サービス「NETFLIX」のオリジナルコンテンツで再びタッグ。

人間を含めた様々な種族が共存しているロサンゼルスを舞台に、人間と怪物の警官コンビが巡回中の夜に遭遇した謎の少女と魔法の杖によって、地球の運命を左右する大きな事件に巻き込まれていく様を、アクションあり、ユーモアありといった娯楽大作テイストに仕上げた1作。

ウィルスミスいわく、ウォルター・ヒル監督の名作「48時間」をにおわせると豪語する今作は、異なる人種間での問題を取り入れながら解決へと向かっていくメッセージ性も孕んでいるようだ。

 

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Ost: Bright

Ost: Bright

 

 

 

あらすじ

 

 

様々な種族が一触即発の空気の中で暮らすロスの街。

ある日人間ウォード(ウィル・スミス)と怪物オークのジャコビー(ジョエル・エドガートン)の警察官コンビは、絶大な魔力を持つある物体に遭遇。

種族間の抗争に巻き込まれていく。(HPより抜粋)

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監督

今作を手掛けたのはデヴィッド・エアー

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昨今のアクション映画にかかせない。銃撃戦やらせたらめっちゃいい画を撮る人。

色々と残念だった、DCEU映画「スーサイド・スクワッド」でも銃撃戦だけはド迫力で見ごたえがありました。まぁもう一度見るのかって言われるとちょっと・・・。

今回、人間と怪物と妖精が共存するという近未来でファンタジーな世界観はもしかしたらこのスーサイドスクワッドの雰囲気を取り入れているかもしれないですね。

もっと言えば警察ものってことで、「フェイクシティ ある男のルール」や彼の出世作「エンド・オブ・ウォッチ」も取り入れているかもしれないですね。さすがに今回POV方式ではなさそうなので、せめて警察官たちで犯人のアジトを制圧するようなシーンあったりするんじゃないかと。

 

彼に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

次回作でギャング映画の名作「スカーフェイス」のリメイクを手掛けるというニュースがありましたが、残念ながら降板。「スーサイド・スクワッド」から生まれた人気キャラ、ハーレイクインと女性悪役キャラを集めた「Gotham City Sirens(原題)」の製作を進めているとのこと。

 

 

 

 

 

キャスト

人間の警察官でめんどくさがり屋の男、ウォードを演じるのはウィル・スミス。

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彼の作品、実はそんなに見てなくて、特にこの4,5年は「アフターアース」と監督とのタッグ作になる「スーサイド・スクワッド」くらいで。

ちょっと前なら主演作絶対ヒットするくらい影響力持った人なんだけど、最近はおとなしいですかね。そういう意味では今回の作品はかつてのウィルスミスが活躍したような大作モノのニオイがするので楽しみです。

 

彼に関しては次の機会で紹介しようと思います。

 

 

 

ウォードの相棒となる怪物ジャコビーを演じるのは、ジョエル・エドガートン。

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は?誰?

 

一応素顔はこちら。

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あのですね、彼今ノリにノッてるわけですよ。

徐々におっきい映画にも出演して、顔売れて、でもって映画監督やったらめっちゃ評価よくて。

このままいい映画にめぐり合えたら、いい役にめぐり合えたら、オスカーだっていけるかもしれない。

どうしてこれ引き受けた??

 

まぁ自分がどう喚こうが彼の判断で出演したんですからこれ以上何も言いません。とにかく楽しませてくれたらオッケーです。

 

そんなジョエルの代表作を簡単にご紹介。

実はチョイ役でスター・ウォーズエピソード2と3に出演していた彼。ルークの里親役で出てたんですねぇ。

その後「アーサー王と円卓の騎士」の物語に挑んだ歴史スペクタクルロマン「キング・アーサー」でガウェイン役を演じたり、なき父親のあとを継ぎ工場を任された男とドラァグクイーンが二人三脚で工場再生に奮闘する「キンキー・ブーツ」では優柔不断な社長の息子役として主役に抜擢。

近年では総合格闘技の舞台を背景に、対照的な人生を歩んできた兄弟の普通な運命を、家族の葛藤と絆とともに描いた「ウォーリアー」で、教師という役から醸し出される知性と強靭な肉体を見事に体現し、劇場未公開ながら絶大な評価を獲得。

そして越してきた住居の隣に住んでいた、夫の高校時代の同級生の不可解な行動に恐怖と不安を募らせていくサスペンススリラー「ザ・ギフト」では監督デビュー。自らも執拗に贈り物を届ける隣家の男を熱演し、監督としても役者としても高い評価を得ました。

 

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 ウォーリアーは熱い兄弟の絆で泣けるし、ザ・ギフトはラストの描写で議論ができるような終わり方に妙な余韻が残るなど、どちらも良作ですよ!!

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

ダークロードなる悪の根源を甦らせようとする反社会組織「イルファーニ」のリーダーでエルフ・レイラ役に、「プロメテウス」、「セブン・シスターズ」のノオミ・ラパス

他にもエルフの魔法捜査官役に、「ガール・オン・ザ・トレイン」、「X-ミッション」のエドガー・ラミレス

魔法の杖を持つ若いエルフ・ティッカ役に、「ヴァンパイア・アカデミー」のルーシー・フライらが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

ファンタジーあり、ド迫力なアクションあり、そしてバディムービーありとごちゃ混ぜ感満載ですが、斬新と取れるか、はたまた欲張りな作品となるのか。面白そうですがちと怖いw

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

もっとバカバカしく描けばいいのに・・・。

人種問題を背景に、異種族警官2人が世界を救うファンタジーアクション映画でした!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

超ざっくり話の流れ

人間とエルフ、オークが共存し合う世界。

この物語に登場する種族に何があったのか、そしてこの世界で彼らがどういう目に遭っているかなどを、グラフィックアートで説明していく。

 

とある事件で重傷を負い職場復帰した人間のウォード。相棒の復帰を迎えようとオークであるジャコビ―は彼の家に赴くも、二度と来るなと煙たがられる始末。

オークはその見た目と、過去の人種間の争いから人間から敵視されており、そういった差別をなくす取り組みが盛んにおこなわれていた。そのひとつとしてロス市警では、オークであるジャコビ―を警官として迎え入れ、ウォードとコンビを組ませたわけで。

ウォード自身そういった差別の目は持っていないものの、重傷を負わされたオーク仁蔵を抱いており、尚且つその犯人をジャコビ―が逃がしたと思い込み、邪険に扱っているわけで。

 

念願の夢がかない相棒も帰ってきた、高い志で職務を全うしたいジャコビ―と、バディを替えたいことで頭がいっぱいのウォードは、巡回中にとあるアジトを見つけ潜入、銃を乱射させられ応援要請もせず2人出強行突破を果たしたところ、灼けて粉々になった死体や、壁にオブジェのように死んだ者もあり、何やら不気味。

そこに生存者を発見、追いかけるとそれは魔法の杖をもったエルフだった。

 

ティッカと名乗るそのエルフは、魔法の杖を奪いに来る女に追われていて、事情の分からない二人はとりあえず保護し警察へ連れていく。

何でも願いが叶うと言われる魔法の杖は、ブライトという特殊な存在しか触ることができず、そうでないものが振れれば木っ端みじんになり爆発を起こすとんでもないものだった。

それを持ち帰ったウォードたちは同僚たちにこのことを上に報告して任せようと持ち帰るが、目の前の欲に駆られた同僚たちは、画策しウォードたちを始末し杖を自分たちのものにしようと企む。

 

それに気づいたウォードは同僚たちを射殺し逃亡者となるが、自分たちのシマのものもは俺らのものと言い張るアルタミラという名のギャング集団、杖を盗まれティッカを追うエルフの反社会組織イルファーニ、ウォードたち警察に苦汁をなめられてきたオーク、そして魔法捜査官といった、あらゆる組織が、彼らの持つ杖を奪いに襲いかかるのだった。

 

 

ズートピアを目指したか。

超リッチなエルフ、低層階級にあたる怪物オーク、そして中間層を担う人間が共に暮らすロサンゼルス。

人種間の問題を取り入れながら、何でも願いが叶うといわれる魔法の杖とその杖を操る者を、警察、反社会組織、ギャングから守るために、いがみ合ってる警官2人が良心と預言に従い絆を深め戦い抜く物語。

 

さすがデヴィッドエアーだけあって、迫力ある銃撃戦の数々とカメラワーク、それと比例して増える爆発シーン、血を流し無様ながらも反抗する泥臭さなんかは観てて惚れ惚れ。「エンド・オブ・ウォッチ」でのリアルな銃撃戦の描き方が再び!といった白熱する攻防戦と、それによってどんどん追い込まれていき負傷していく主役2人の姿。

悪と戦う男たちはこうでなきゃ。

 

重傷を負って復帰した警官とロス市警初のオークの警察官。片方は差別はしないが一緒に働くのは嫌だと言い張る黒人で、もう片方は子供の頃から警官に憧れ、周りのオークからできそこないと言われても、人間たちから憎悪や偏見の目で見られても決して自身を曲げずに夢を叶えたクソまじめ。

バディムービーさながらの全く違う存在の男たちが、軽妙な掛け合いで和ませながら、悪の根源の復活を阻止するべく、事件に巻き込まれながらも解決しようと魔法の杖を守るファンタジーの世界へ誘う流れは、例えていうなら「ズートピア」ミーツ「スーサイドスクワッド」といったところか。

 

ノオミラパス演じるレイラも、ダークロードに心酔し怪しい表情を浮かべるヴィランとして立ちはだかる姿は妖艶であり、そのくせ強い。怖い。その強さに思わずわらけてしまうわけだが、その手下たちもめっちゃ強くて、こいつらとのアクションは中々楽しい。

これまでそういった警察ものや大規模な銃撃戦などの作品を手掛けてきた監督だからこそ描けたリアル指向な作品だったように思えます。

 

何となく予想はしていた

そんな主役2人の掛け合いとヴィランのキャラが際立った作品でしたが、まぁやっぱりいろいろ無理があるなと感じてしまったわけで。

まぁ何となく予想はしていたが、はっきり言って人種間の問題を訴えて描こうとするならば、リアルとファンタジーなんか一緒にせず、リアルならリアル、ファンタジーならファンタジーで分ければいいわけで、なぜにこんなややこしくしたのかと考えてみたわけです。

 

それはきっとこうすれば眉間にしわを寄せずに普通の娯楽映画として、警官二人があるものを守って悪と戦うというオーソドックスな話として楽しめるのではないかと。

 

いやいややっぱり無理ですよw

 

2000年前のある出来事を境にこの世界は異種族が一緒に共存して暮らすことになった、とか、ジラフ、クランの掟、光る盾、ダークロードなどなど一回で租借しにくいワードが散乱する会話の中で、最初こそ何とかついていこうとしたけれど、どうしたって覚えられない。

それに加え、警官という設定がクライマックスではもうどうでもいい感じになっていて、人間としてオークとしてどうあるべきか、みたいな種族の誇りみたいな話にスライドしちゃってる。

ようやくラストでそれを思い出させてくれるわけですが、人種的なことをメッセージに入れたいなら、単純にリアルでやればいいだけで、ファンタジー要素がものすごく邪魔をしてしまい、これ逆効果になってないか?と。

楽しませたいのか伝えたいのか、その線引きが非常にあいまいになっていてよく分からなくなってましたね。現代での人種問題と同様でリアルとファンタジーも共存できないってか。

 

ウィルスミスはやっぱりヒーローになりたい

普通バディムービーって全てにおいて真逆の二人が同じものを追いかけ絆を深めていくてのが定番だと思うんですが、これも種族の違う二人が最初こそいがみ合ってて、逃亡していく中で互いを認めていくという意味ではバディムービーだったんですよね。

 

ただ性格がね~微妙だったんですよ。

ジャコビ―は頭から爪の先までクソまじめ。子供の頃から警官になりたいと思い、人間みたいなオークとバカにされても、その信念だけは曲げずに生きてきた男。

だから会話のジョークもうまくないし、キャリアも浅いから人を撃つことも躊躇するほど。

要するに真面目で不器用でピュアな性格なんですね。

 

だからウィルスミス演じるウォードは不真面目だけど人懐っこくって器用みたいな、ジャコビ―とは真逆の立場にならなきゃいけないわけです。

ところがどっこい、ウォードはいたって普通の警官で、ジャコビ―を嫌う一方で差別主義者ではなく、仕事に誇りを持ったベテラン警官で。

だから、掛け合いこそ一見楽しいけどその会話にキャラから浮き出る面白みがなく、ジャコビ―はオークとして崇高な立場になっていく成長的部分が描かれていきますが、ウォードはそれ以上の活躍して、結果お前もヒーローかよwと。

そこはさぁ、ベテラン警官なんだから彼を受け入れるくらいの見せ場にして、後ろから見守る立場になるとか、杖で自分も欲に駆られようとする場面を入れるとか、ちょっと悪さを働くようなことしないとジャコビ―の存在が薄れちゃうんですよね。

 

だから「スーサイドスクワッド」でも、ウィルスミスは悪になり切れなくて結局いい奴みたいなことになって、話をつまらなくさせてしまったわけで、今回もまた同じことをして、バディムービーの楽しさを失わせてしまってるんですよ。

もういい加減あなたヒーローとして世界救ってきたんだから、そろそろ悪いことするとか違う役をやってみたらどうだい。トムクルーズだってやってるぜ?悪役とかハゲ頭とか色んな役。

 

 

最後に

警察官モノに魔法を取り入れた、蕎麦をナポリタンみたいにケチャップかけて炒めてみたら案外おいしいかも!という実験的なお話で色々ぶっ飛んだ内容ではありましたが、まぁ普通に世界観とか状況説明とかをなぁ~んも考えずに観ればどうってことありません。楽しい映画です。

ナポリタン蕎麦。ん~やっぱり不味かったよね・・・。

 

ただ、え?結局2000年前にオークと人間とエルフが何したの?レイラは結局何がしたいの?杖を3つ集めるとどうなっちゃうの?てか1つしかないよ?魔法捜査官は何がしたいの?

杖ってステッキっていうんじゃんくてワンドっていうの?などなど序盤から説明がややこしくてついていけなくなると、どんどん面白みが欠けてきてしまうでしょう。

 

なんせあれこれ説明してるのに、最後全く説明したヤバイ状況まで行きませんからねwそこまで説明したなら絶対的危機になれよ!

 

ネットフリックスですから何度でも視聴できるんで気になったら2回3回おかわりしましょう。俺はしないけど。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆★★★★★★★3/10

映画「勝手にふるえてろ」感想ネタバレあり解説 松岡茉優にふるわされろ。

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12月23日

勝手にふるえてろ

 

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決して西野カナへのアンサーソングではありません。これは映画です。

 

みんな大好き松岡茉優の長編映画初の主演作がついに公開だよ!!!ここ数年で演技と容姿とモー娘。愛に磨きをかけ成長してきた彼女が、とうとう主演作ですか!

高まりますね~!!

しかも何ですか、主人公の女がひねくれてて自分勝手で夢見すぎな現実逃避ガールですか?お~っとこれは色々と人間こじらせすぎですね~。いやどう演じるんですか??むっちゃ楽しみですね~。

まさか今年最後に観賞する新作映画がこれとは思わなかったなぁ。確か去年は「バイオハザード」だったもんなぁw

一体何度鑑賞中に「勝手にふるえてろ!!!」って心の中で叫ぶんだろう。

 

 

 

とりあえず、早速観賞してきましたよ!!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

蹴りたい背中」で芥川賞を受賞し話題を呼んだ綿谷りさの同名小説を、現代の女性を優しく描く新進気鋭の監督と、TVドラマ、バラエティ、そして映画にと今最も注目を浴びている女優・松岡茉優を主演に映画化。

恋愛に臆病で、片思いしか経験のない24歳OLが、脳内彼氏とリアル彼氏という理想と現実の狭間で揺れる姿を、皮肉をこめたたユーモアと、眩しすぎるほどキラキラした乙女心で、目を瞑りたくなるほどイタイと感じつつも、どこか応援してあげたくなる痛快ラブコメエンタテインメントに仕上がっています。

 

 

勝手にふるえてろ (文春文庫)

勝手にふるえてろ (文春文庫)

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

早朝のハンバーガーショップにて。

金髪店員に向かって語りかける江藤良香(ヨシカ/松岡茉優)、24歳。趣味は絶滅した動物をネットで調べること。アンモナイトの化石を愛でる毎日。

「本能のままにイチ(北村匠海)と結婚しても絶対幸せになれない。結婚式当日もイチが心変わりしないようにって、野蛮に監視役続けてなくちゃならない、そんなんで幸せなんて味わえるかよ。その点ニ(渡辺大知)ならまるでひと事みたいにお式堪能できちゃう。ドレスのままチャペルから何だか知らんが丘駆け下りてわがままにニのこと放ったらかして、波と戯れたりデコルテあらわなドレス肩上下させてハーハーしたりして花嫁タイムをエンジョイできちゃう。」

 

そう、ヨシカには彼氏が2人いる――。

1人は中学時代からの片思いの相手 イチ

同級生からマスコット扱いされ、いじられているのを教室の片隅から見つめることしかできなかった相手。好きだから見たい、見たいけど気づかれちゃダメという屈折した感情から、視野の隅で見る“視野見”という攻略法を編み出し、イチをモチーフに漫画を描くほど恋心はこじれていた。

10年前の運動会で言われた一言が、今も胸に残っている。

「こっち見て、俺を見て」

 

もう1人は同じ会社の営業として働く同期 ニ

経理と営業として出会い、同期会という名の飲み会で連絡先を交換した。正確には少々強引に交換させられた。テクノの流れるクラブでのデートの後、酔っ払ったニから「俺と付き合ってください」と本気の告白をされる。「人生初、告られた!」とテンションが急上昇するも、正直タイプではない。

 

ある夜、電気ストーブが布団に引火するというボヤ騒ぎを起こし、死ぬ前にせめてもう一度イチに会いたいと覚悟が固まる。

「一目でいいから、今のイチに会って前のめりに死んでいこうと思ったんです。」

そこからヨシカは、アメリカに転校した同級生の名を騙って同窓会を計画。ニとのデートも上の空。そして、ついに待ちに待ったイチとの再会の日が訪れるが、会話に全然入っていけないヨシカ。イチを含む上京組のグループに何とか加わり、ニが使った強引すぎる方法で無理やり連絡先を交換、東京で再び会う約束をとりつける。

 

2度目の再会。夜明けのベランダでアンモナイトの生態で盛り上がるヨシカとイチ。

「あの頃に君と友達になりたかったな。」

しかし、次にイチの口から発せられたのは、衝撃の一言だった・・・(HPより抜粋)

 

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監督

今作を手掛けるのは大九明子監督。

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すいません、全く存じ上げないお方です。

経歴見ると、あ、この映画は彼女だったのか!と今頃色々合点がいってますw

 

さてどんな作品を撮ってきたのかザックリご紹介。

元々はタレントとして活動していたそうですが、99年に監督としてデビュー。

都会に暮らす3人の男女が引越しをきっかけに奇妙な偶然で結ばれ心を通わせていく姿をさわやかに描いた青春ラブストーリー「恋するマドリ」が新垣結衣の初主演映画として話題を呼びました。

その後も、美に異常なほど執着しながらも純粋な愛を求める女性の物語「モンスター」や、岡山を舞台に転校生とクラスメイトの女子高生の友情と決別、そして再会を通じて描かれる青春ドラマ「でーれーガールズ」など、女性を中心にした作品を数多く手掛けています。

 

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キャスト

主人公ヨシカ演じるのは松岡茉優。

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桐島、部活やめるってよ」で彼女の存在に気づいて以降、彼女の出演する作品を見るたびいい演技する子だなぁと感心しておりました。

演技もできるし、バラエティでは気のきいたコメントや返しをしてMCをうならせ、それが実って去年「ちはやふる」で主役の広瀬すずを食うほどの強烈なインパクトを残した彼女。もはやベテランの風格すら漂う彼女ですが、今回初主演てことがまあ驚き。

正直彼女は脇でこそ輝く人だと思っていたので結局やるのか、と思っていましたが、まぁ遅かれ早かれやっておいて損はないですからね。

 

それでは彼女の主な出演作をご紹介。

あの子誰?と映画好きの間で話題になり、名を知られるようになったのはやはり「桐島、部活やめるってよ」でしょう。

 

桐島、部活やめるってよ (本編BD+特典DVD 2枚組) [Blu-ray]

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 バレー部のエースが突然退部したことで生徒達の間に動揺が広がり、やが校内での複雑な人間関係が浮き彫りになって行く様を、様々な生徒達の視点から描いた青春ドラマ。

この作品で彼女は東出昌大演じるイケメン生徒菊池の彼女で、桐島の彼女梨沙と友達の沙奈という生徒の役を演じていました。

学校ではイケてる側の部類の、イマドキの女子高生で、真面目に頑張ってるヤツを貶したり、長いものに巻かれるようなタイプの女子を、まぁ~むかつく腹が立つ!てくらい演技がうまくてですね、素晴らしかったんですよ。明らかに回りにそこまで演技ができる人たちがいないので余計目立ちましたよね。

ちょっとふっくらしてるのが懐かしいw

 

 

あとはTVドラマになるんですが、今回の役柄と少し似てるかなぁということでこちら。

 

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 男社会で理不尽な目にあった主人公と色々と、問題を抱えた女性たちとゲイがビストロレストランを開店し、ライバルの男性達に勝負を挑んでいく女性応援コメディ。

 

このTVドラマで松岡茉優は、精神的に病んでしまった母の原因を作った父を憎む過去を持ち、極度の対人恐怖症という設定で、見事にヒッキーで頑固な役柄を演じていました。

キャスティングが見事に加え、脚本家である坂元裕二が作る、軽妙なセリフのやり取りやトレンディなワード、現代社会に巻き起こる問題を真っ向に描く様が痛快で、非常に楽しんだドラマでした。

中でも、松岡と二階堂ふみ高畑充希の次世代女優3人が仲睦まじく調理にオーダーに奮闘し掛け合う姿は、今となっては非常に貴重なシーンであり、このドラマが一番やりたかったのってここじゃね?と製作側の思惑が垣間見えた瞬間でもありました。

 

 

この後控える作品として、斉藤工監督作品「blnak13」、「ちはやふる 結び」が公開予定です。

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

リアル彼氏のニ役に、「色即ぜねれいしょん」、「くちびるに歌を」に出演し、ロックバンド「黒猫チェルシー」のボーカルとして主題歌も担当している渡辺大知。

脳内彼氏イチ役に、「恋と嘘」、「ディストラクションベイビーズ」、「君の膵臓をたべたい」の北村匠海。

ヨシカの同僚・月島来留美役に、「 22年目の告白~私が殺人犯です~」、「泥棒役者」の石橋杏奈

金髪店員役に、「彼女の人生は間違いじゃない」の趣里

最寄り駅の駅員役に、「桐島、部活やめるってよ」の前野朋哉

釣りおじさん役に、「淵に立つ」の古舘寛治

オカリナ役に「かもめ食堂」、「沈黙 サイレンス」の片桐はいりと個性溢れるキャスト陣です。

 

 

 

 

 

 

 

現実と虚構の狭間で揺れ動く乙女の暴走と奮闘を、どう描いているのか非常に楽しみな作品です。いい演技魅せてくれよ松岡!!

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

 非モテ女子はこんなにこじらせているのか!!笑いを通り越して怖さを感じさせた松岡茉優の演技に震わされろ!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これを語らずにはいられない

頭の中の天然王子とリアル世界のモテテクの引き出し少ない営業リーマン、生まれてこの方彼氏ナシの成人女子が理想と現実の狭間で揺れる心情の悲喜こもごもをコメディかつシリアスにに綴った1作。

 

僕は初めて気づいた。松岡茉優はそこまで可愛く見えないと。

いきなり失礼な話ですが、これ褒めてますからw

実際絶対かわいいはずなのに、ここまで処女臭のする色気のない女性を演じるのはこの芸能界、しかも20代前半の世代でいないよなぁと。

要は、内面から作り上げた役柄が容姿からもにじみ出ていて、そうすることで理解させる説得力を持っているというやつでしょうか。ややこしや。

 

そこからはもう彼女の一人舞台です。情報量の多いセリフをテンポよく滑舌よく軽快にしゃべり、時に笑い時にディスり時に絶妙にツッコみ、時に落ち込み時に涙し極めつけは叫び罵りのオンパレード。アナタ引き出しいくつ持ってるんですか。

ちょこちょこ個性的な面々が彼女の妄想浮かれ話をの聞き手として登場しますが、爪痕残してる奴はそんないません。

やはり下積みのおかげなのかバラエティ番組での活躍のおかげなのか、非常に化のjがスクリーンで輝いておりました。

今までの彼女は2番手3番手という立ち位置だったので、主役の受け身になることが大方なのですが、意外や意外攻めとしてもイケるんですね。これは彼女を主演としてキャスティングした方に拍手であります。

 

しかし、あえて苦言を言うのであれば、まだポテンシャルを秘めている彼女の魅力を監督は引き出せていたのか?というと否!だと思います。

彼女が一生懸命役作りをした結果でここまで演じられたとは思うのですが、その彼女をた監督がただ撮っているだけのようにしか見えなかったです。それは多分芝居をつけていないから。

やはり顔しか撮らない監督は、彼女の可能性を引き出せていない、ただの被写体でしか撮っていないように感じます。後光が射して神々しいヨシカも、そういう画を撮りたいだけで何か演技指導したのか。

ここまで役を作ってきたのだから仕上げをしてあげないと、松岡茉優は成長しないんじゃないだろうか、と応援してるがゆえに今後の事まで飛躍して考えてしまうわけで。

 

とにもかくにも彼女はこれでまた一つ成長したことにかわりはないので、次の作品でまた別の松岡茉優を堪能したいですね。

 

人物設定に難あり

これはヨシカとニに言えることなんですが、この物語はヨシカがイチに実際あって現実を突き付けられることで一旦ピークを迎えるんですよね。

そこからヨシカがどうやって現実を受け入れて浄化していくのかで物語は結末を向得るというのがスムーズな流れだと思うんですが、その後「ニ」とのやり取りがはじまるんですね。

正直あれ?まだ続くの?と感じて引っかかってしまったのですが、これを機にヨシカの暴走がもんのすごいことになってて、おいおいなんかキャラが変わってるじゃねーかと。

まぁこれがヨシカの中にある深い闇だと思えばそれでいいのですが、せめて前半でその片鱗だけでも見られるような描写があってもよかったのでは?と考えてしまいました。

 

あとは「ニ」ですね。彼は登場するや否や、社内にいる、俺ってこんなに疲れてるんだぜ、こんなに寝てないんだぜ、こんなに金動かしてるんだぜという、自慢アピールをあからさまにヨシカに見せつけたり、ヨシカと面識を作るために飲み会をセッティングしてもらい半ば強引に連絡先を交換するという少々汚いやり口。

最初のデートに誘う際、相手が行きたいところでとして指定したのに、ここはうるさい、話ができないと愚痴をこぼし、挙句の果てによってラブホの前で嘔吐してしまう失態をするのですが、これはもう典型的な相手の事を考えないオレ主導の男で。

だってこれもう完全に酔わせてホテルへ誘おうコースじゃないですか。結果失敗したってことは、常套手段ではなくて誰かにそそのかされたか、マニュアル本でも見たのかですが。

あぁこんな奴に惚れられるならヨシカはイチをまだ追いかけてもいいななんて思いましたね。

 

ただ後半から急にいい奴になってくるんですよね。おいおいキャラが変わってるじゃねーかと。

もしかしたら、彼もヨシカのように現実に向き合えない男だったのかもしれませんが、そうなるとちょっと無理があるよなぁと。

 

 

ヨシカという女

彼女が演じたヨシカは24歳B型趣味は絶滅危惧種を調べるという変わり種。同じB型だから共感できますが、これと決めたらなかなかぶれないその一直線な考えや思考は正にB型。

血液型で物事を決めてしまうのは良くないことですが、そんなB型女子は、人生で日陰の道を歩くとここまで視界が狭まっていくのかと思うと非常に恐怖を感じるわけで、中学の時に好きになった男子を10年間思い続けるだけの日々を送り、大人へと成長してしまったわけです。

いったいどうしたらそんなことになってしまうのか、その後の高校生活大学生活で、酸いも甘いも汗も涙も笑いも含めた青春の日々を、失恋して大人になる通過儀礼すら通っていないのか。

 

そんなヨシカに惚れた営業課の通称「ニ」の登場で、ヨシカのこれまでの理想だけでしかなかった片思いは、非リア充からの脱却に繋がるかと思われたわけですが、長年こじらせてきたヨシカにとって彼は所詮イチバンではなくニバンなのです。理想を上回ることは難しいのです。

 

ここから見えてくるヨシカという女性は、とにかく現実逃避して生きているわけで、自分の世界を構築していることがうかがえます。ですが現実に現れた自分を好いている男性が現れた途端、それが崩壊しかけているわけです。

今まで視野見でしか現実を見てこなかったヨシカにとって、これを受け入れることで理想という名のイチが消えてしまうのではないか。ニを選ぶということはそういうことに繋がるわけです。

だから自分の世界を守るために、絶滅させないためにイチと会う決心をするのです。

だけどその理想は思いもよらない形で彼女が嫌がっていた現実という名の奈落の底へ落されるわけです。

 

同僚が狙う高杉という男性を出来杉と呼び、サスペンダーに髭というだけで課長をフレディと呼び、オカリナを吹く隣人をただオカリナと呼び、おまけに自分に言い寄ってきたキリシマをイチではなくニと呼ぶ、有吉には及ばないがあだ名付けの天才たるゆえんは、相手と向かい合って接していないことの現れであり、それが自分に降りかかってくることを知った時の彼女の落胆ぶりは、自業自得に見える反面誰か救ってあげる奴はいないのかと心配させたくなる気持ちにもなります。

 

彼女に足りないモノは何だったのか。それは「勇気」だったのではないでしょうか。いや実際にこれを持ち合わせている描写は多々ありました。イチが黒板にひたすら「僕は忘れ物をしません」と書いたときも話しかけることができた。実際にアメリカへ行った同級生の名を騙って同窓会まで開き、妄想の後押しもあり上京組で鍋パーティーを開くことまでこぎつけた。

その一歩踏み出す勇気が常にあれば、ここまでこじらせることなかったろうに、と。相手と向かい合う勇気があれば、もっと親交も深めたろうにと。

地味な花は気づいちゃくれないかもしれんが未来は明るいんだよ。その殻壊せばいいんだよ。なんつって。

 

イチとの決別を一度は決意し、現実の彼氏「ニ」と向かい合おうと努めるヨシカですが、ここでまた大きな壁にぶち当たります。ここからヨシカの誇大妄想並びに被害妄想が爆発し、物語はヨシカの深い深い闇へと誘うわけですが。

後はどうなるかお楽しみに。

 

最後に

まぁ色々と難癖つけたりヨシカの様な存在をわかった風な書き方をしましたが、普通に楽しく鑑賞できたしフィクションですから。

自分も身につまされることでもありますし。

 

理想と現実をきちんとすみ分けて生きていくことが大人であり、ヨシカは最後ようやく理解します。ようやく大人になったのであります。

仕事でも恋愛でも家庭でも嫌なことがあったらそれから逃げるのではなく受け入れることが大事なのです。それを繰り返していくことで自然とやり過ごす技を身に着けるのです。何ともないふりをして生きる術を身に着けるのです。

どうやったって思い通りに生きていくことはできないのですから。もしそれができないのなら「勝手にふるえてろ」ってことです。

 

ホント色々書いたけど、素直に笑えて楽しいからwあえて書かなかったのはなぜだ?

どうでもいいですが、中学時代のヨシカ、めっちゃかわいくないですか?

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

 

モンキー的2017年映画ベスト10ランキング 1位はやっぱり揺るがなかった。

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12月27日

モンキー的2017年映画ベスト10ランキング

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はじめに

この記事を持ちまして丸3年を迎えた「モンキー的映画のススメ」も累計アクセス数500万を超えるブログとなりました。

いろいろな映画ブロガーの方や熱心にコメントを下さる方から、お褒めの言葉やご意見をいただき、まだまだ駆け出しな存在だと思っていたのが、いつしかみられる立場になってしまっていることに気づかされました。

それもこれもたくさんの方からのご支持あってのことであり、それ以上に今年を彩ったたくさんの映画の魅力あってこそのことだと思っております。

 

これからも思ったことを正直に、そして情熱かつ冷静に感想を述べていきたいと思います。

 

この場を借りて一度でも訪れてくれた方に、このブログにたくさんの価値をつけてくれた読者の皆様に感謝を述べつつ、今年最後の記事とさせていただきたいと思います。

 2017年もたくさんの良作が生まれ、それと同時にたくさんの駄作が生まれたわけですが(おーっとこれは失言w)、皆さんはいったいどんな作品が心に残ったでしょうか。

 

去年の映画業界が盛り上がった一方で、今年も負けず劣らずな作品がたくさんあり、その中から順位を決めるのは例年時間のかかる作業で、今回も非常に悩みました。

1位は決まってます。これは揺るぎませんでした。これを超える作品は今年ありませんでした。あくまで僕の中で。

所詮好みなので、批判は受け付けませんよwww

 

一応各作品ごとにつけた満足度を中心に順位を付けました。ただ、上から順にというわけにはいかないので、そこはいろいろ吟味してつけてみました。

 

 

今年上半期ベストはこちらをどうぞ。

 

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今年映画館で鑑賞した新作映画は配信作品も含めて127本!同じ映画を何度も鑑賞してるので、それを入れると映画館ではもっと行ってるはず。金使ったなぁww

自宅でおさらいしたり、まだ見てない旧作なんか入れたら300くらいいくのかな・・・。ええ暇人ですよ!!

 

 

それでは発表です!!!

 

 

 

 

 

 

 

第10位

スウィート17モンスター

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どうしても青春映画や、ダメな主人公が成長していくような映画には目がなくて。

その中でも、単純に笑えてダメなのに憎めなくて、尚且つこれ、かつての俺とダブるな・・・あれなんか目が熱くなってきた・・・!みたいな作品に出会っちゃうと高い評価をつけてしまう癖があるんですが。

 

そんな自分の好みにドンピシャだったのがこの作品だったのかなと。

 

誰もがあの頃モンスターだった。親に友達に先生に迷惑かけてばかりのティーンズ女子が、唯一心の拠り所だった親友にあることで裏切られたことで孤立してしまうが、自分と向き合うことでほんの少しだけ大人への階段を上っていく青春コメディ。

 

本作の見どころは何といっても主役を演じたヘイリー・スタインフェルドのコメディエンヌとしての才能と、ウディ・ハレルソンのユルさと心意気がすんばらしい先生を演じているところ。

勝手ながらアメリカの指原莉乃といっていいほど、特別かわいくもないけど自分の魅力を最大限わかっているヘイリーちゃんが、まぁイラつかせるイラつかせるw

自己中度MAXなかき回しっぷりを体現していき、ラストにすんごく大人びた顔を見せるあのギャップ!あれはですね、まったくタイプじゃないのに妙にドキッとしましたよ、あたしゃ。

そして、それとは相反してザ・大人な対応で主人公をうまくなだめる、ウディハレルソンの落ち着いた演技。これは見事でした。

 




 

第9位

新感染 ファイナルエクスプレス

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2017年は韓国映画が良作な年でした。話題作品すべて見てはいないんですが、その中で一番面白かったのがこの映画。

 

新幹線(正確にはちょっと違うんだけど)という密室で、バンでミックが発生。次々とゾンビ化していく人間たちの中で何とか生き残ろうとする一般人たちが、知恵を絞り武器を活かし戦い抜いていく。

時には自ら犠牲となり散っていく者、その中で生まれる愛の数々、それとは逆に人間の醜い部分までしっかりと描き、実はこのゾンビが攻めてくる構図が、韓国の歴史や経済状況を物語ってるという背景も入れてくる、日本よマジで見習え!な超エンタメ映画です。

 

近年ゾンビパニック映画であげられるのが「アイアムアヒーロー」。それと肩を並べるほどゾンビのクオリティが良く、やはりアジアでは銃がないからどうやってゾンビを倒すのかという疑問点もうまくクリア。

そんなゾンビ要素の上を行く見どころが、人間描写。

モンキーは1回の鑑賞で3度も涙を流すほど感動してしまったわけで、非常にべたな展開ではあるんですが、よくこれだけごちゃごちゃした内容の中で、こういう部分をうまく入れられるな!すげーよ!と。

中でも力持ちでやさしい男ソンファのこの映画に対する貢献度は半端じゃないです。見たら絶対好きなるキャラです。

 

 

 

 

第8位

T2 トレインスポッティング

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鬼才ダニー・ボイルの出世作「トレインスポッティング」。その20年後を同じキャストで描いた続編。

 

階級社会であるが故に、俺たちに未来なんかないぜ!とやんちゃばかりしていたろくでなし4人。そこから出し抜いて人生を選んだはずの男と、出し抜かれた野郎3人がその後どうなったのか。

それは決して抗える運命ではなかったという悲しくも開き直った様を、監督らしいセンスの応酬で刺激された1作。

 

移り行く時代の中で、一番楽しかったあの頃に戻ってしまった大人たちの、取り残されながらも、これでいいんだという決意の表れが見えたラストカットがせつなくもあり、彼らにとってはその方がよかったのかもと感じ、何とも言えない描かれ方に監督のらしさが出ていたように思えます。

 

この映画はやはり音楽のチョイスが絶妙で、過去作をミックスした楽曲を入れたかと思えば、当時使っていた曲を寸止めで流すなどの演出もあり、当時リアルタイムで見てハマった人にとっては、非常に懐かしく感じることのできる演出だったのではないでしょうか。

 

 

 

 

第7位

わたしは、ダニエル・ブレイク

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 職場で病に倒れた老人を軸に、国の制度によって苦しい状況下に置かれた人たちの、人間の尊厳を訴えた作品。

 

映画というには基本フィクションである。だけど時に現実と地続きで問題を提唱する作品もあって、特に洋画はそういうメッセージ性の強い作品が多く、いま世界ではこういう問題が巻き起こっているということを教えてくれることがあります。

 

この映画は正にイギリスが抱えている問題に対し、引退を撤回までして伝えたいと監督が手掛けた作品で、そこで描かれていた内容に非常に心を揺さぶられた作品でした。

このままだと日本もこうなるのではないか、自分の身に降りかかってくるのではないかという危機を感じる一方で、どんなに辛い状況下でも他人を思いやる心を決して忘れないダニエルの姿を見て、彼のような人間でありたいと心に刻んだ、監督の魂がこもった作品でした。

 

決して映画的な演出を施さずに描いたことで、ダニエルブレイクという人が本当にいて、こんな風に生涯を終えたんじゃないかというほどドキュメンタリー的タッチで描かれており、その幕引きがあっけないにもかかわらず、こんな理不尽なことがっていいのか!という怒りと悲しみが今でも余韻として残るほど。

 

8位のトレインスポッティングと対照的な作品だったかもしれません。

 

 

 

第6位

三度目の殺人

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勝ちにしかこだわらない主人公の弁護士が、 2度目の殺人を犯した男の二転三転していく供述に、徐々に真実を知りたくなる欲求にかられていくヒューマンサスペンス。

 

カンヌ常連の監督が久々にベネチアに出品した今作は、人気キャストと宗教性を織り交ぜるという、興行と世界的評価を両方狙った意欲作で、その結果、観賞した人がラストの真実は一体なんだったのかという答えを明確にしない終わり方にチンプンカンプンし、わからない=つまらないという残念な方程式でこの映画を片付けてしまった人も多いはず。

昨今の日本映画は何でもかんでもセリフで説明してしまいがちな風潮の中、一切ぶれずに、しかも名の知れた豪華キャストで挑んだ、監督の心意気と日本映画に対する愛と、わかりやすい映画ばかり見ている人たちへの皮肉をたっぷり詰め込んだ作品だったのではないでしょうか。

 

かくいうモンキーも事の全てを理解したとは毛頭思ってなく、これはこういう意味なんじゃないかと考えたうえで感想を述べてみたわけですが。他の映画ブロガーの記事を読むやいなや、なるほどそういうことか!と、みんなすげえなと。

 

 モンキー的には福山雅治のベストアクトを見れたと感じており、役所広司の安定した演技に舌鼓をし、広瀬すずの新たな可能性を見れたというとても贅沢な時間に、観賞後声をうならせ劇場を後にしたあのときの衝撃が今でも焼きついております。

 

 

 

 

 

 

第5位

レゴバットマン・ザ・ムービー

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 ゴッサムシティを悪の手から守るヒーロー・バットマン。実は裏では超超さみしいのに強がってる奴だった。そんな彼にライバルとして認めてもらいたいジョーカーは、今までにない悪さを始める。

 

ド頭からいきなりぶっこんでくる自虐ネタからひたすら笑わせてくれる本作は、実は家族というものがどれだけ素晴らしいものなのかということを、どストレートに描いてくれるハートフルな作品でした。

中々自分以外の人間を認めようとしないバットマンが、なぜそんな人間になってしまったのか。散々実写映画で語られてきた彼の生い立ちをここでもあえて描き、バットマンという人物をただこじらせた男という形に変換するだけで、彼のヒーローたる所以にぐっと深みが増し、彼を取り巻く人物達が手を差し伸べるクライマックスは、笑いと涙で顔がしわくちゃになる楽しさ。

 

ノーラン版バットマンからずっとダークシリアスな展開で描かれてきた分、このギャップがたまらなく、もうこのテイストで久々に実写やってくれないかなwとまで思ってしまう、新たな、いや原点回帰なのか?よくわからんが、とにかく超楽しいバットマンムービーでありました。

 

 

 

 

 

 

第4位

ギフテッド

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 生まれて間もなく母を失った特別な才能を持つメアリーと、彼女を育てる叔父フランクが、時にはぶつかり合うも互いを思いやりながら絆を深めていく中で、突如訪れる親権問題。

はじめてのおつかいならぬ、初めての学校での数々の問題行動もかわいいもんで、そのかわいさはメアリーとフランクのほのぼのとしたエピソードで心を温めたていくたびにいとおしくなっていくわけですが、フランクとメアリーを引き裂こうとする超教育おばばの登場から徐々に暗雲立ち込める展開に。

このおばばの本性が暴かれたときの、子供のことを何でもわかったつもりでいる親の考えという、恐怖のギャップで揺さぶられ、後はもうお分かりですね、涙、涙です。

 

頭はめっちゃいいけどやっぱりコドモ、なメアリーを演じた天才少女マッケナ・グレイスちゃんと、あなたはどうして他の映画でもそんなにマッチョで真っすぐな目と心を持ってるのですかぁ!と問いかけたくなるキャプテン・クリエヴァとの掛け合いが最高にマッチ。

その二人の間で微動だにせず、今ある幸せをかみ締めて日向ぼっこしてる片目のネコ・フレッドもまた効果的で、いいアクセントとなって和みを与えてくれました。

 

 

 

 

 

 

第3位

ベイビー・ドライバー

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 グラサンにウィッシュ手袋、そして耳にはイヤホンを付け、抜群のカーテクニックをノリノリで見せつける銀行強盗の逃がし屋ベイビーが、運命の女性に恋をし、カタギになろうと決意をするが、事はそううまくいかない。

 

今までコメディ色の強かったエドガーライト監督も晴れてハリウッド映画デビューということで、いったいどんなぶっ飛んだ作品を作ったのか、期待に期待を寄せていたわけですが、ふたを開けてみれば、めちゃめちゃカッケークライムカーアクション映画だったわけで。

 

それでいて一つのラブストーリーでもあり、ベイビーという男が大人になるまでの成長譚でもある本作を、ミュージックビデオかのような音と映像のシンクロで彩り、それが一つのミュージカルとして構成されていく展開に、見てるこっちもアクセル全開フルスロットルときたもんで。

 

また、往年のカーアクション映画にしっかりリスペクトを込めたカットや演出もふんだんに盛り込まれ、クライマックスの激しいバトルは、口をハフハフしながら興奮し、完全に童心に帰った瞬間でもありました。

 

 

 

 

 

 

第2位

メッセージ

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 突如飛来した未確認飛行物体と接触を試みようとする言語学者が、彼らとコミュニケーションをとっていくうちに、自分の人生を思い出させるような奇妙な感覚にとらわれていくSFヒューマンドラマ。

 

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作 「灼熱の魂」で衝撃を受け以降、彼の作品を追いかけてきたモンキーですが、実はそれ以降の作品は正直はまらず、俺はこの人の作品は今後受け入れられそうにないな・・・なんて思ってたわけですが、この映画を見てやっぱこの人スンゲー映画作るんじゃん!今までごめんよ!!ドゥニドゥニ!!!と改心した作品でありました。

 

やはり彼の作品はラストでの複線の回収が圧巻であり、今作でもそれが見事に炸裂。

このヘプタポッドという未知の生物が一体何のために来たのかというミステリーが、まさか主人公の人生へとスライドしていく構成に涙。

 言語という壁を壊したとき、新たな世界が広がるというのは我々現実の世界でもきっとあることで、そういった意味でも非常に深イイお話だと思います。

 

これから見ようと思う人はあまり情報を入れずに、そして先を読もうなんて探りを入れずに映画に身を任せて見て頂きたい作品です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、栄えあるモンキー的2017年映画ベスト10、第1位は!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1位

ラ・ラ・ランド

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ラ・ラ・ランド スタンダード・エディション [Blu-ray]

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 ロサンゼルスでの最悪の出会いから夢に恋に夢中な二人が、理想を求め現実にぶつかりもがいていく四季物語を、往年のミュージカル映画オマージュで構成された色とりどりの演出で描く青春ミュージカル映画。

 

夢を見ることや叶えることの素晴らしさ、その反面夢見ることへの厳しさといった現実的な部分を惜しみなく極彩色で描き、その夢に向かっていく中で支えた人への想いまでも詰まった、夢見る愚か者たち、夢見た愚か者たち全てを称える大傑作でありました!!

 

2016年夏あたりからこの映画がヤバいと聞きつけ、試写会、劇場、そして自宅で何度も何度も見ては同じシーンで必ずニヤつき泣いてしまう程、心揺さぶられ大好きになった作品でした。

 

もうですね、感想読んでくださいw思いの丈が書き記されてます。読み返したらちょっと気持ち悪いな自分・・・とも感じてしまいましたが、当時の正直な気持ちなんだと思います。なんてたって、当ブログ始まって以来の満点なので。

 

 

 

 

 

 

 

次点

ブレードランナー2049

 

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キングコング 髑髏島の巨神

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ナイスガイズ!

 

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ノクターナル・アニマルズ

 

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 惜しくもベストテンに漏れてしまった作品4つ並べてみました。

ブレードランナーに関しては、映像美と音楽に見惚れ、そしてKの悲哀とジョイへの愛おしさに翻弄され、長尺など全くに気にならないほど没頭できた作品でした。ただモンキー的には「メッセージ」を入れてしまったために泣く泣く除外。ドゥニ・ヴィルヌーヴの凄さに圧倒された2017年だったように思えます。

キングコングに関しては、監督のこれ見よがしな画に心をつかまされた1本。やはり怪獣映画はダイナミックな暴れっぷりに限るな!と改めて感じ、最初から最後まで興奮の連続でした。やはりエンドロール後の映像はテンションが上がります。

ナイスガイズに関しては今年最高のバディムービーで、ライアンゴズリングの新しい面を見れたことと、シェーンブラック監督のこれまでの作品をブラッシュアップしたような作品にも感じた1本。というか次点を含めてライアンゴズリング出演作3本も入るってのが自分でもびっくりw

ノクターナルアニマルズは、モンキー的には初のトムフォード作品で、現在過去劇中劇という複雑な構成の中で、こんなにも美しくこんなにも暴力的でこんなにも後を引く終わり方をする映画を作る人だと思っておらず、人間関係を簡単にあきらめてしまいがちな今に警鐘を鳴らすメッセージ性もうまく盛り込んだ良作映画でした。

 

 

 

 総評と今年を振り返って

 ということで、今年のモンキー的2017年映画ベストはこんな感じになりました。

正直言うと1位から2位はかなりの差があり、4位以下はほぼ同順位といってもいい順番です。これ書いてる時の気持ちの表れだと思ってもらっていいです。はい。そんなもんでしょうランキングなんてw

 

さて今年の映画興行はどんな感じだったのか。ここから書いてる内容はあくまで個人の意見ですのでよろしくお願いします。

 

 邦画ヒット作なし

やはり邦画が今年弱かったですかね。興行的にも振るわなかった作品が多々あり、モンキー的にも去年以上にインパクトがあるような邦画に出会えなかった。

去年は「シン・ゴジラ」をはじめ「君の名は。」、「この世界の片隅に」など日本の実写、アニメが大ヒットし、また映画好きもこぞってベストテンに入れる人も多かったように思えます。

そして今年ですが邦画ヒット作は乏しく、コナン、ドラえもんと定番作品以外で当たったのは「銀魂」くらい。お世辞にも日本映画が良かったとは言えない結果になったと思います。

 

ただこれはあくまで興行成績の話で、こんなに良い邦画なのに日の目を見なかった作品が多々あることも事実で。

彼らが本気で編むときは、」や「彼女がその名を知らない鳥たち」、「美しい星」、「散歩する侵略者」など名の知れたキャスト、名の知れた監督、中身はもちろん良作なのに興行が良くなかった作品も目立ちました。

まぁこの辺りは「全く映画に興味のない人たちからは遠い位置にある作品にしちゃってる」ことが問題で、何かムーブメントを起こせるような仕掛けとか、もっとうまく宣伝すればどうにかなったと思うのになぁと毎回感じます。きっと賞レースでノミネートすれば注目されるであろう作品ばかりなので、そこに期待ですね。

 

そして今年は「東宝の迷走」が際立った年にも感じました。

今年の大ハズレ作品「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」はなぜ今これをアニメーションでやろうと思ったのか?と疑問に感じたし、ワーナーと共同で制作した「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第1章」は、評価が分かれたものの、映画に興味のない人を巻き込むほどの求心力がなく、挙句の果てにはSNSで見せ場を見せて興行につなげようとする強行作戦に出る始末。それは逆効果だから絶対w

ポスト宮崎駿を生み出す実験がここ数年続くアニメ映画も、「メアリと魔女の花」が当たらず、つくづく裏目に出てしまった大作が東宝は多かった気がします。

意外と興行が当たったのは「君の膵臓をたべたい」でしょうか。ほぼ無名のキャスト二人にもかかわらず、中高生から口コミで広がった青春映画。東宝って映画業界からしたら横綱だから大作ばかり作っているイメージだけど、こういう口コミでしり上がりで人気になる映画って中々ない気がして新鮮でしたね。

 

来年は「君の名は」マネーでがっつり予算投入してヒット作はもちろん、良い作品を作ってほしいですね。

 

 アカデミー賞作品公開問題

洋画に関しては、やっぱりアカデミー賞作品は例年通り素晴らしい作品が多く、「ムーンライト」を筆頭に、「ハクソーリッジ」、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」など良作が登場する中で、いつになったら授賞式近辺で日本で公開してくれるのかなぁと

作品賞ノミネート作品だけでいうなれば、「ラ・ラ・ランド」とNetflixで配信された「最後の追跡」のみ授賞式前に公開されており、あとは受賞後に公開されるかどうかが決まるという仕組み。ビデオスルーの作品もあるし。

そして「ドリーム」なんか9月だぞ9月!!!サブタイトル問題とかあったけど、それ以前に突っ込みたいのはこの公開日の遅さだよ!半年も経ってんだよ!しかも地方はもっと遅い。

来年はいったいどれだけの作品が授賞式前に鑑賞できるのか。せめて作品賞の半分くらいは授賞式前後で公開していただけないだろうか。配給会社の皆さん、どうかこの映画バカの願いを叶えてください。

 

 アメコミ映画について

大作モノでいえば、今年はアメコミ映画が6本も公開される盛り上がり。どれもキャラクターを生かした笑いあり涙あり、アクションもCGも凄まじい、とても満足のいく内容だったんですが。

どうもですね、アメコミ映画大好きモンキー的には物足りなかったです。正確に言えば、あと一つ卓越したものが欲しかった、というとこでしょうか。

一番期待をしていた「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・リミックス」も前作を超えたものが感じられなかったんですね。笑いの要素があんなに無くてもよかったなぁというか。「ドクターストレンジ」も「マイティソーバトルロイヤル」もMCUなのに単体として確立させた特徴ある内容でしたが、これも楽しいけども、といったところ。

これはもう超個人的なことなんですけど、「シビルウォー」に対する満足度が今でも高く、見るたびにあれを求めてしまってるのかなぁと。だからきっとモンキー的には「アベンジャーズ・インフィニティ・ウォー」まではきっとこう感じてしまうんだろうなぁと。

 

MCU作品は合計で17作品あります。今から見てみようかなという人にとっては、非常に高い壁になってますよね。それを考えると今年は過去作見なくても楽しめるような内容になっていたなぁというのが感じられました。

ファンとしてはもちろん最初から見て、ようこそMCUの世界へ!ってなりたいんだけど、ここまでの道のりって相当大変。だからディズニーは新規の顧客を開拓することも考えてるかもしれないですね。

 

 DCEUは今年頑張った賞をあげたいですねwこれからDCはワンダーウーマン推しで来ることでしょう。

その「ワンダーウーマン」も非常に良かった。よかったけど色々な部分を取り込みすぎてバランスを考えてしまっていること、エンタメにしようとしていることが逆効果に感じてしまい、もっとダイアナの内面を前面に持ってきて、ラストでのスティーブとの結末を盛り上げてほしかったですね。あとは島での戦いがもっと見たいw

で、「ジャスティスリーグ」も楽しかったけど、ジョス・ウェドン色が強すぎたのが良くなかった。そのおかげでザックが恋しくなったのも事実ですがw

確かにジョスは3時間にも及ぶはずだった作品をうまく2時間に収めた手腕はすごいと思う。しかしながらいろいろと強引な部分も目立ち、やってることはアベンジャーズと何ら変わらないものになってしまった。そこは差別化を図ってほしかったですね。

結局次回作はどれをやるのかもわからない。フラッシュかアクアマンかどちらかだとは思いますが、早く公開日決めて!

 

 

他にもネットフリックス映画の躍進、日本のコミック実写映画がドル箱として通用しなくなっていることへの言及、韓国映画の当たり年、ユニバース問題、もっと語りたいことがあるんですがここまで。誰か語ろうぜ。

 

 

 

来年のラインナップはすげぇぞ!(毎年言ってるけど)

 

モンキーが来年、超!超!!!!!楽しみにしている作品を、現在情報がわかる範囲で並べてみました。みんなでワクワクしようぜ。

1月
  • キングスマン ゴールデン・サークル(人気スパイ映画続編)
  • デトロイト(「ハートロッカー」のキャスリン・ビグロー最新作)
  • ダークタワー(S・キング原作映画)
2月
  • スリー・ビルボード(アカデミー賞おそらく入ります)
  • マンハント(ジョン・ウー×福山雅治「君よ憤怒の河~」リメイク)
  • 犬猿(吉田恵輔監督最新作)
  • グレイテスト・ショーマン(ヒュージャックマン×「ララランド」スタッフ)
  • サニー32(白石和彌最新作)
3月
  • ブラックパンサー(MCU第18作目!)
  • 15時17分、パリ行き(クリント・イーストウッド最新作)
  • シェイプ・オブ・ウォーター(アカデミー賞本命ギレルモ・デル・トロ最新作)
  • ダウンサイズ(マットデイモン小っちゃくなる)
  • リメンバー・ミー(ディズニーピクサー最新作)
  • トゥームレイダー・ファースト・ミッション(ララ・クロフトをアリシア・ヴィキャンデルが演じる)
  • ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書(スピルバーグ最新作)
  • レッド・スパロー(ジェニファー・ローレンスが女スパイに)
4月
  • ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル(ドゥエイン・ジョンソンであの名作をリメイク)
  • クソ野郎と美しき世界(元SMAP3人主演のオムニバス映画)
  • レディ・プレイヤー1(スピルバーグ最新作その2!)
  • パシフィック・リム/アップライジング(再びロボットが怪獣と激突!)
  • いぬやしき(奥浩哉原作コミック実写化)
  • アベンジャーズ・インフィニティ・ウォー(今年の大本命アメコミ大作)
  • 犬ヶ島(ウェス・アンダーソン最新作)
  • ジ・オンリー・リビング・ボーイ・イン・ニューヨーク(原題)(マーク・ウェヴ最新作)
5月
  • 孤狼の血(白石和彌今年2本目)
  • モリのいる場所(沖田修一最新作)
6月
  • 50回目のファーストキス(ドリューバリモア代表作を山田孝之×長澤まさみで)
  • ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(SW人気キャラの前日譚)
7月以降
  • アイ、トーニャ(原題)(トーニャハーディングの半生)
  • デッドプール2(アメコミ人気キャラ第2弾)
  • インクレディブル・ファミリー(あの家族が帰ってくる!)
  • 検察側の罪人(キムタク×ニノ!)
  • SUNNY 強い気持ち強い愛(韓国ヒット映画を日本でリメイク)
  • ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(ハリポタスピンオフ第2弾)
  • アントマン&ワスプ(MCU第20作目!)
  • ミッション・インポシッブル6(トム・クルーズ代表作第6弾)
  • 未来のミライ(細田守監督最新作)
  • アクアマン(JLで初のお披露目となったヒーローの単独映画)
  • バンブルビー(トランスフォーマーの人気キャラスピンオフ)
  • ジ・アイリッシュマン(スコセッシ×Netflix)
  • BLEACH(少年ジャンプで人気の作品がついに実写化)

 

 

 どれも見たい作品を中心に並べてみましたが、洋画では春にレディプレイヤー1&パシリム&アベンジャーズということで、GWに男の子に戻ることが確定しましたw

さすがに夏以降は洋画は公開が決まってないのですが、ジュラシックワールドもありますし、ミッションインポッシブルもありますし、洋画は盛り上がりそうですね。

 

邦画に関しては、東宝と松竹が2018年4月から公開日を金曜日初日にするという発表があり、土日で混雑する映画館がちょっと緩和されたり、興行にとってプラスになればいいなあぁと。モンキー的には金土が休日ということもあり、非常に助かるんですけどねw

現時点で白石和彌作品が2本控えてること。この2つは2018年を席巻しそうな気がします。

あと好みとしては、韓国映画「サニー永遠の仲間たち」を大根仁監督がリメイクする「サニー 強い気持ち強い愛」。今年久々に音源をリリースしたりフジロックに出たりと精力的に活動したこともあってオザケンの名曲をサブタイにもってくるあたりがもう憎い。

 TVドラマ「モテキ」でも使われていた楽曲だけに監督も相当な思い入れがあるはずだし、きっと彼のことだから90年代を彩ったサブカル要素をガンガンぶち込んでくることでしょう。オレ絶対これ興奮するわw

 

 

 

 

 

 ということで、今年も1年間ありがとうございました!

来年もよろしくお願いします!!!

モンキー的2018年1月期待の新作映画

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1月2日

モンキー的2018年1月期待の新作映画

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あけましておめでとうございます。

昨年は酉年ということで、飛ぶ鳥落とす勢いでアクセスも伸び、一昨年に比べ随分と大きく成長した年でした。

今年も欲を張らずにマイペースに続けていこうと思っております。

 

 

さてさて昨年の年末大作がしばらく動員を引っ張っていくであろう年始の映画興行。

近年はスターウォーズという横綱が暮れに居座り、三役すら寄せ付けない年末年始巡業ならぬ年末年始興行。確かにこいつは強え!強えんだよ!

だけど1度2度ならまだしも、3度も続くと、他の大関関脇いやいや小結級の映画たちまでがブルブル震えて前に立とうともしない。

何とか一泡吹かせてやろうぜ!位でぶつかってくれないと、せっかくの年末年始がてんでつまらない。

 

是非各相撲部屋、もういいかw映画会社の皆さんは打倒スターウォーズ!のような作品をぶつけてもらって映画興行というものを盛り上げて頂きたいものです。

 

というわけで1月期待の新作映画紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キングスマン ゴールデン・サークル

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期待度☆☆☆☆★

 

1月5日公開

 

  • 出演 

 

ハリー・・・コリン・ファース

ポピー・・・ジュリアン・ムーア

エグジー・・・タロン・エガートン 他

 

 

  • 解説

 

世界的ヒットを記録したイギリス製スパイアクション「キングスマン」の続編。

イギリスのスパイ機関キングスマンの拠点が、謎の組織ゴールデン・サークルの攻撃を受けて壊滅した。残されたのは、一流エージェントに成長したエグジーと教官兼メカ担当のマーリンのみ。2人は同盟関係にあるアメリカのスパイ機関ステイツマンに協力を求めるが、彼らは英国文化に強い影響を受けたキングスマンとは正反対の、コテコテにアメリカンなチームで……。(映画.comより抜粋)

 

 

 

  • 期待どころ

 007をはじめとした名だたるスパイ映画のオマージュをふんだんに盛り込み、階級社会の下層でくすぶっていた青年が一流のエージェントになっていくと同時に、紳士とは身分なのか、いやそうじゃねえ!マナー(気の持ちよう)だ!という成長譚を描いた「キングスマン」。

まさかのハリー復活!?え、どうやって助かったのさ!?という疑問が頭から離れませんが、まずは続編が作れるほどヒットしたことに安堵。

しかも今度はあれだけ小ばかにしていたアメリカとタッグを組んで事件を解決するのですからどんな内容か楽しみ。

前作でザ・アメリカだったバレンタインを超えるヴィランなのだろうか。

やや批評家サイトでは低いようですが、そんなの気にしねぇ!てか、もっと早くやってほしかったなぁ。

日本でも角川配給から20世紀FOXに変わったことでスクリーン数も大幅に増えることでしょう。「キックアス」のような大惨敗にならなければいいけど。

 

 

 

 

 

嘘八百

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

1月5日公開

 

  • 出演

 

小池則夫・・・中井貴一

野田佐輔・・・佐々木蔵之介

野田康子・・・友近 他

 

 

  • 解説

 

中井貴一と佐々木蔵之介がダブル主演を務め、「幻の利休の茶器」をめぐって繰り広げられる騙し合いを軽妙に描いたコメディドラマ。千利休を生んだ茶の湯の聖地、大阪・堺。大物狙いだが空振り続きの古物商・小池則夫は、腕は良いのに落ちぶれてしまった陶芸家・野田佐輔と出会う。大御所鑑定士に一杯食わされた2人は、仕返しのため「幻の利休の茶器」を仕立て上げて一攫千金を狙う。そんな彼らの行動が、家族や仲間、文化庁までも巻き込む大騒動に発展し……。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 あぁ、年始恒例の松竹のやつね。これはシニア層が行く映画だな・・・と思ったら大間違い。低予算映画だった「百円の恋」の監督脚本コンビが、とうとう大物キャストでギャガ配給で映画を撮るまでになったのだから、映画ファンは見逃してはいけない。

 互いに腕は確かなのになかなか日の目を見ない、ダメなオヤジ2人が、一発逆転の大博打に出る、何ともわかりやすいお話。

骨董品の鑑定ってことで、「なんでも鑑定団」でおなじみの中島誠之助先生が出演して「いい仕事してますね~」なんて流れも入ってるのかどうなのか。

 

 まぁモンキー的には骨董品の目利きに関しては、「ハンターハンター」のゼバイルさんで学んだくらいで、あとはちんぷんかんぷんなので、初心者でもわかりやすい説明も混ぜて楽しませてほしいところ。

 

 

レディ・ガイ

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

1月6日公開

 

  • 出演

 

フランク・キッチン・・・ミシェル・ロドリゲス

Dr,ガレン・・・トニー・シャルーブ

Dr,レイチェル・ジェーン・・・シガニー・ウィーバー 他

 

 

  • 解説

 

「ストリート・オブ・ファイヤー」「48時間」などで知られるウォルター・ヒル監督が、性転換手術で男から女にさせられた殺し屋の戦いを描くアクション映画。

銃撃戦によって意識を失った凄腕の殺し屋フランク・キッチンは、見知らぬベッドの上で目が覚める。全身に巻かれた包帯を取り去り、鏡を見たフランクは、自分の姿がまぎれもない女に変貌していたことに驚愕する。フランクは正体不明の女性医師によって性転換手術を強行されており、しかも、それが医師のフランクへの復讐を意味しているという。大切なものを奪われたフランクもまた、自身の姿を男から女に変えた者への復讐を開始する。(映画/comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 ミシェルロドリゲス、そんなに好きじゃないんですよね・・・。どうしても「ワイルドスピード」のイメージが強くて、あぁドクの彼女・・・もっといい女いるのに・・・と常々思っていたほど。

そんなイメージが先行してるんだけど、この予告を見ておもしろそーじゃん!とテンション上がって、ワイスピのことなんか忘れました。

殺し屋が勝手に性転換手術されて女にされてしまい復讐する、なんだこれB級?と思ったら監督ウォルターヒルかよ!じゃあアクションカッケーに決まってるわwはい見ます!

 ってことで、これは楽しそうです。

 

 

 

 

ネイビー・シールズ ナチスの金塊を奪還せよ!

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

1月12日公開

 

  • 出演

 

マット・バーンズ・・・サリバン・ステイプルトン

スタントン・ベイカー・・・チャーリー・ビューリー

ジェイコブ・レヴィン少将・・・J・K・シモンズ 他

 

 

  • 解説

 

リュック・ベッソンの原案、脚本、製作で、ナチスが残した金塊を手に入れるため奮闘する精鋭部隊を描いたアクションアドベンチャー。

1995年、紛争末期のサラエボで大胆な戦略を展開するマット率いる5人のネイビーシールズのもとに、ある日、湖に重さ27トン、総額は3億ドルに及ぶナチスの金塊が眠っているとの情報が入ってくる。この金塊があれば、戦争に苦しむ避難民を救うことができると、メンバーの1人が恋に落ちたウェイトレスから懇願された5人は、金塊を奪取するため作戦を計画。敵陣の真っただ中に位置する水深45メートルの湖から、8時間という限られた時間で金塊を運び出すミッションがスタートする。(映画.comより抜粋) 

 

  •  期待どころ

 これまた面白そうな内容のお宝ミッション。主役は泥棒でなくて特殊部隊の奴らってのが面白い。

湾岸戦争でフセインが隠した金塊を奪おうとする軍兵たちを描いた「スリーキングス」と似たような流れですが、スリーキングスは反戦的な内容を強く意識していたのに対し、本作は完全に娯楽的なにおい。

ネイビーシールズのならず者たちってのが、すでにいい雰囲気だし、それぞれキャラが立っていてどういうチームワークを見せるのか。そんな不良集団に目を光らせるJKシモンズってのもいいw「You're fired!」っていうのかな今回もw

 

 「イントゥザストーム」の監督ってことで期待。

 

 

 

5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

1月13日公開

 

  • 出演

 

サリヤ・・・コスティア・ウルマン

マックス・・・ヤコブ・マッチェンツ

ラウラ・・・アンナ・マリア・ミューエ 他

 

 

  • 解説

 

95%の視力を失いながら「5つ星ホテルで働きたい」という夢のために大芝居を打った学生の実話を、「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」のマルク・ローテムント監督のメガホンにより映画化。

先天性の病気により95%の視覚を失ってしまったサリー。5つ星ホテルで働くという夢を実現させたいサリーは、無謀にも目が見えないことを隠して一流ホテルで見習いをスタートすることに成功する。周囲からの助けも借りながら、持ち前の明るさと機転を利かせ、サリーは次々とホテルの研修課題をクリアしていった。しかし、完璧かに思えた偽装計画は、ある女性との出会いによって、徐々にほころびが出るようになってしまう。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 今月の掘り出し物的扱いですが、見なかったら後悔しそうなヒューマンドラマ。

あきらめなければ夢は叶うってテーマはいつの時代の映画も色あせることなく感動を与えてくれるもんで、視力のせいであきらめかけたホテルマンが仲間の助けを経て夢を実現させようと奮闘するお話。

ただのホテルじゃねえ5つ星だ!雇われる側はいいかもしれんが雇う側は大変だよこれ。どうやってバレないように働くのか。楽しみですね。

「ぼやけた明日が輝きだす」ってのキャッチコピーも素敵ですやん!

 

 

 

 

ジオストーム

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

1月19日公開

 

  • 出演

 

ジェラルド・バトラー

ジム・スタージェス

アンディ・ガルシア 他 

 

  • 解説

 

地球の気候をコントロールすることを可能にした人工衛星が暴走し、世界中が異常気象や大災害に見舞われるなかで、未曾有の危機に立ち向かう人々の姿を描いたディザスターパニックアクション大作。

世界各国の最新テクノロジーを集結し、天候を完璧に制御することを可能にした気候コントロール衛星の運営開始から3年。突如として衛星が暴走を始め、世界中で異常気象を発生させる。衛星の生みの親でもある科学者のジェイクは、衛星の暴走原因を突き止めるため宇宙へ向かうが……。(映画/comより抜粋) 

 

  • 期待どころ

 ジェラルドバトラー主演の大作映画ということで、すでに大やけどしそうな予感がプンプンしますが、1月はキングスマンとこれくらいしか大作モノがないので、ミーハー魂で一応候補に。

もう天候を管理してる時点で地球はヤバいじゃん、ツケが回ってきたんだよって思ったらそうじゃないんですね。天候を管理する衛星が暴走して、その原因究明と復旧作業すんのがジェラルドバトラーのようで。てか科学者かよ、見えねーよ。

あれなんですか、「アルマゲドン」ですか?「インターステラー」ですか?非常に似たような流れですが、まぁ目を瞑りましょう。

 

 

 

 

 

パディントン2

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

1月19日公開

 

  • 出演

 

パディントン・・・ベン・ウィショー(声)

ブラウン・・・ヒュー・ボネビル

フェニックス・ブキャナン・・・ヒュー・グラント 他

 

 

  • 解説

 

1958年に第1作が出版されて以降、世界40カ国以上で翻訳され、3500万部以上を売り上げるイギリスの児童文学「パディントン」シリーズの実写映画化第2弾。

ペルーのジャングルの奥地からはるばるイギリスのロンドンへやってきた、真っ赤な帽子をかぶった小さな熊のパディントン。親切なブラウンさん一家とウィンザーガーデンで幸せに暮らし、今ではコミュニティの人気者だ。大好きなルーシーおばさんの100歳の誕生日プレゼントを探していたパディントンは、グルーバーさんの骨董品屋でロンドンの街並みを再現した飛び出す絵本を見つけ、絵本を買うためパディントンは窓ふきなど人生初めてのアルバイトに精を出していた。しかしある日、その絵本が何者かに盗まれてしまう事件が発生し、警察の手違いでパディントンが逮捕されてしまい……。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 恥ずかしながら1を見ておりません。ですが、まさか続編をやるとは思ってなくて、ちょっと気になってきましてw

前作をおさらいしてから見に行こうかと思っています。

だあらですが、このクマが何なのか全くわかっておりませんw「テッド」とどう違うのかってとこから始めないとついていけなそうですw100%下品ではないと思うけど。

 

 

 

 

 

嘘を愛する女

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

1月20日公開

 

  • 出演

 

川原由加利・・・長澤まさみ

小出桔平・・・高橋一生

木村(キム)・・・DAIGO 他

 

 

  • 解説

 

長澤まさみと高橋一生が共演し、恋人の大きな嘘に翻弄されるキャリアウーマンの運命を描いたラブサスペンス。

食品メーカーに勤める川原由加利は、研究医である優しい恋人・小出桔平と同棲5年目を迎え、公私ともに充実した日々を送っていた。そんなある日、自宅で桔平の帰りを待つ由加利のもとに、警察が訪ねてくる。桔平がくも膜下出血で意識を失っているところを発見されたのだが、桔平の所持していた運転免許証や医師免許証はすべて偽造されたもので、職業も名前も全てが嘘であると判明したのだ。ショックを受けた由加利は桔平の正体を突き止めるべく、私立探偵の海原匠と彼の助手キムに調査を依頼。やがて、桔平が書き溜めていた700ページにも及ぶ未完成の小説が見つかる。その内容をもとに、いまだ病院で眠り続ける桔平の秘密を探るため瀬戸内海へと向かう由加利だったが……(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 すんごく東野圭吾のにおいがしますが、なんとオリジナル作品。東宝はしれっとこういうのを配給するから偉い。ちゃんと次世代を育てようとする心意気は買いますよ。変な大作ばっかだけど。

なんかもうこの二人が素敵すぎて今をときめきすぎて、それだけでおなかいっぱいなんだけど、目の前にいる愛する人はほんとに本人ですか?と。あなたは相手の何を見てそう認識しているのか、そんなことまで考えさせられそうな作品なんでしょうか。

てか、長澤まさみに嘘つくなんて許さん。

 

 

 

 

 

デトロイト

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

1月26日公開

 

  • 出演

 

ディスミュークス・・・ジョン・ボイエガ

クラウス・・・ウィル・ポールター

グリーン・・・アンソニー・マッキー 他

 

 

  • 解説

 

「ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」のキャスリン・ビグロー監督が、1967年のデトロイト暴動の裏で実際に起こった、ある一夜の出来事を映画化。

67年、夏のミシガン州デトロイト。暴動発生から2日目の夜、ミシガン州兵隊集結地付近で銃声の通報が入った。デトロイト警察やミシガン州警察、ミシガン陸軍州兵、地元の警備隊たちが、ピストルの捜索、押収のためアルジェ・モーテルの別館に乗り込むが、そのうち何人かの警官が捜査手順を無視し、宿泊客たちを脅迫。誰彼構わずに自白を強要する不当な強制尋問を展開していく。(映画/comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 相変わらず社会的な映画を作り続けるキャスリンビグロー監督の新作は、暴動時の夜に無慈悲なやり方で黒人を脅す警官と、それから何とか逃げようとする黒人たちのお話。

デトロイトという街で何が起こったのか歴史的背景を調べてから見るのがよさそうな気がします。

最近の監督の作品は臨場感あふれる画で魅了し、そこからあぶりだされる問題に考えさせられるわけですが、今度も今アメリカが抱える問題を過去の事件から掘り起こし、あの時のようなことがおきてはいけないというメッセージなのかどうなのか。

 

 

 

祈りの幕が下りる時

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youtu.be

 期待度☆☆☆★★

 

1月27日公開

 

  • 出演

 

加賀恭一郎・・・阿部寛

浅居博美・・・松島菜々子

松崎脩平・・・溝端淳平 他

 

 

  • 解説

 

阿部寛主演、東野圭吾原作による「新参者」シリーズの完結編。

父との確執、母の失踪など、これまで明かされることがなかった加賀自身の謎が明らかとなる。東京都葛飾区小菅のアパートで滋賀県在住の押谷道子の絞殺死体が発見された。アパートの住人も姿を消し、住人と押谷の接点は見つからず、滋賀県在住の押谷が東京で殺された理由もわからず捜査は難航する。捜査を進める中で加賀は、押谷が中学の同級生で演出家の浅居博美をたずねて東京にやってきたことを突き止めるが……。(映画.comより抜粋) 

 

  • 期待どころ

 毎回毎回事件の犯人よりも、疑われた人の過去を暴くことでその人を解放する、それって刑事のすること?と感じていた新参者シリーズ。

今回は主人公加賀の過去が明かされるということですが、このパターンだと全く事件と関係ないって予想してしまうんですが、いったいどうなのか。

とりあえずドラマをおさらいするのは時間がかかるので、麒麟の翼は見直そうかなぁ。ガッキーのやつ。

いつも買えないたい焼きは出てくるのか。

 

 

 

 

 

ダークタワー

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

1月27日公開

 

  • 出演

 

ローランド・・・イドリス・エルバ

ウォルター・・・マシュー・マコノヒー

ジェイク・・・トム・タイラー 他

 

 

  • 解説

 

スティーブン・キングが1970年代から30年もの歳月をかけて完成させたライフワークともいえる小説「ダークタワー」シリーズを実写映画化。

ニューヨークで暮らす少年ジェイクは不思議な夢に導かれ、時空を超越する荒廃した異世界に迷い込んでしまう。現実世界と密接するその世界では、世界の支柱である「タワー」を巡り、タワーを守る拳銃使いの戦士=ガンスリンガーのローランドと世界の崩壊をもくろむ黒衣の男ウォルターが壮絶な戦いを繰り広げていた。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 え?これスティーヴンキングなの?と思うほどSFチックなお話。いや西部劇?いったいどんな話なのか本編見ないとわからないけど、いろいろ設定やらセリフがかっこいいみたいなので楽しみ。

もう主役やるくらい売れてしまったイドリスエルバの孤高っぷりがかっこいいし、それに対峙するマシューもまたいい味出してる。

 

 

 

 

その他の話題作

 

  •  12日公開

伊藤くんAtoE(自意識過剰男と5人の女をめぐるお話)

  • 13日公開

劇場版マジンガーZ INFINITY(今もなお人気のアニメの劇場版)

悪と仮面のルール(人気小説か中村文則原作を映画化)

  • 20日公開

ガーディアンズ(マーベルもびっくりのロシア版ヒーローアクション)

ルイの9番目の人生(9年で9度死にかけた少年の物語)

  • 26日公開

ザ・リング/リバース(ハリウッド版リング3作目)

 

 

 

 

これさぁ、申し訳ないけど小粒作品ばかりじゃないか?どれだけスターウォーズにビビってんだ?何かお正月映画なのにそこまで魅力を感じないのは自分だけだろうか。

そんなこと思いながら足繁く映画館に通うつもりのモンキーです。今年も一年よろしくお願いします。

モンキー的2017年記事別PVランキング

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1月3日

モンキー的2017年記事別PVランキング

 

はいどうも~モンキーで~す。

去年1年間で一番読まれた感想はどれか集計したよ!っていう超自己満足な記事で~す。いえ~ぃ。

 

去年の10月以降アクセス数が半分になってしまい、いまだ回復しない状況なんですが、それまでは順風満帆だったんすね。なので、恐らくそれ以前の新作映画の感想ばかりがランクインしてるんだろうと思うんですが、まぁあくまで自分のために?一応作ろっかな?的な?ってことで、だいぶ文章ゆるゆるでやってみよ~ってことでおつきあいくださぁ~い。

 

とりあえず上位10記事を下から順に紹介しま~す。

あい、行きまーす。

 

 

 

 

 

 

 

 

第10位

新宿スワンⅡ

 

www.monkey1119.com

 PV数:約5万5000

 

ソニーピクチャーズとしては数少ない邦画配給作品、前作のヒットを受けて続編でしたが、原作を読んでない自分としては面白みに欠ける内容で。

どうしても酷評した方がアクセス伸びてしまうわけで、そうなると絶賛派からボッコボコにされるんですが、これに関しては全くレスポンスが無く、逆に気味が悪かったですね。

みんな共感したってことか?

とりあえず言いたいのは園子温監督は商業映画やらない方が・・・。 

 

 

 

 

第9位

アウトレイジ最終章

 

www.monkey1119.com

 PV数:約5万7000

 

基本うちのブログ、全く映画に興味のない人たちからアクセスが集中するんですが、やはり巷で話題ということで、アップした途端アホみたいに伸びましたね。

で、長続きするかと思ったら、3日後にはあっという間に検索から埋もれるという。

これはやはり実力のある方の記事の方が読みごたえもありますし、わかりやすいですから。

そういう方たちの記事が上位に来るのは当たり前で、その分実力不足な僕のブログが埋もれるのは仕方のないことで。

 

まぁそれでも6万に行くかというところまで来たのはびっくりです。

 

 

 

 

第8位

チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~

 

www.monkey1119.com

 PV数:約7万

 

これは結構持続した記事で、結果的に自分は酷評したんですが、それでも今青春真っただ中の中高生には絶対見てほしいとメッセージを添えました。

どうしても評判を気にしてこういうブログを探す人が多い中、一番お金にシビアである中高生が自分のブログを見に来て「なんだぁつまんないんだって~やめよ~」って思わないように、俺はこうだったけど君たちには絶対胸に刺さるから感動するから、と最後に書き記しました。

届いたかどうかはわかりませんが、レンタルでもいいから見てもらって、これをきっかけに部活でもいいし夢中になってることでもいいし、何かに限界まで頑張るってことがどれだけ素晴らしいかを体感してほしいです。

 

ちなみにコメントで、演出がどうとか色々ケチつけるのはおかしい、誰誰のせいとか、あなたは映画の何を見てるんですか?おかしいです、と言われました。

俺は映画の全部を見てるつもりなんですけどね。

 

 

 

 

 

第7位

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

 

www.monkey1119.com

 PV数:約7万3000

 

正確には2016年の記事ですが、年をまたいでレンタルされるまでと息の長いアクセスを頂戴しました。

最初こそ検索下位だったんですが、気が付いたら上位にいて。大作映画は皆さんこぞって書いているので激戦なんですが、とりあえず熱を帯びた内容が功を奏したのか、詳しい解説見たさに訪れた方がたくさんいたのか、理由はともかく感謝です。

 

ちなみに、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」は完全に埋もれましたw

 

 

 

 

第6位

パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊

 

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 PV数:約8万2000

 

今年ディズニーは前売り券を作らない、という噂が流れて、実際「ドクターストレンジ」なんかはイベントでしか購入できないという、いけなかった人や地方の人からしたらふざけんな!ってやり方だったんですが、このパイレーツオブカリビアンも実はギリギリまで作らない方向だったんだとか。

 

でも販売したおかげで、ネームバリューもあって普通に大ヒットなんですからさすがです。

話といえばジャックは特に何もしてないって中でバルボッサの男気というか父としてのけじめをとり幕を下ろしたわけですが。

続編は果たしてやるのでしょうか。やらないって噂ですけどね。

 

記事としては初日3日間くらいで軽く5万は越えたので、それだけ注目度の高い作品だったってことですかね。

 

 

 

 

 

第5位

グランド・イリュージョン/見破られたトリック

 

www.monkey1119.com

 PV数:約8万4000

 

 これいつの映画だっけ?と思うほど忘れていた作品の記事。なんだかんだでず~っとアクセスを積み上げていた、うちのブログの縁の下の力持ち。

内容はまぁツッコミどころもあるけど普通に楽しい。しかし1の方が好きだ程度。

きっとレンタルビデオ屋さんにいって、サスペンスのコーナーで、「あ、これ1見たことある!2出てるんじゃん!面白いのかなぁ、調べてみる?」という流れでこのブログにたどり着いたのでしょう。

ありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

第4位

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

 

www.monkey1119.com

 PV数:約10万1000

 

 とうとうPVも10万まで行きました。去年では考えられなかったことです。

何かこうやって並べると戦闘力みたいで笑けるなwモンキーの戦闘力がぐんぐん上がっていく!何っ!?戦闘力10万だと!?ま・・・まさか、アイツが伝説の・・・っ!!!

ってね。

 

8月は夏休み真っ只中ってことで、大作映画がひしめくということもあり、気合を入れて臨んだわけですが、中々アクセスの伸びない日が続き凹んでおりました。

あれ~、みんなジョジョとかスパイダーマンとか興味ねぇのか・・・。

そんな8月前半から一気にガツンとアクセスが集中したのが本作の感想。

公開日ギリギリまで製作中で、マスコミ試写も少なかったようでもちろん一般試写もあったかないかレベル。そりゃあ評判は気になるってか。

まぁいつものように初日観賞で勢い任せの愚痴を並べたのが、早くも検索上位に食い込み、情報の価値が高かったのでしょう。

 興行の足を引っ張ったんだろうなぁでもつまんなかったんだもん。

 

 

 

 

 

 

第3位

バイオハザード・ザ・ファイナル

 

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 PV数:約15万2000

 

 2016年の一番最後に見たであろう今作。これまでのシリーズの中ではよくやった方だという評価だったんですが、今回この感想を書いたことで、え!?これそんなにファン多いの!?というほどコメントをもらい、その中のほとんどが絶賛派かゲームや原作からのファンて方で。

無論ゲームなどやったこともないモンキーですので、何でそんなにこの映画を擁護するんだ・・・と驚きを隠せなかったですね。

 

 ここからですよ、評価の悪い感想を書くと原作を読んでくれ!って絶賛派から言われ始めたの。

もちろん読んでみたい気持ちはあるけど、あくまで映画としての評価なんだから、観賞後に補足で原作読んだって映画そのものの評価は変わらないんですよ。

 原作をそのまま2時間でやるのは無理があるんだから、監督なり脚本家がうまくまとめないと。それで1本の映画にしないと。

で、先入観ってのはどう足掻いたって拭えないわけで、今年で言えば「3月のライオン」は原作が好きで読んでから見に行ったので、まぁ比較しちゃて楽しめなかったんですよね。

 だから原作は読まずに映画を楽しむ、を今後も心がけていこうかと。

「メッセージ」はねぇ未だに原作読みたい気持ちはある。ただ時間がない。

 

 

 

 

第2位

ワイルドスピード/ICE BREAK

 

www.monkey1119.com

 PV数:約16万3000

 今年になって初めて映画館で観賞したワイスピ。

自宅で軽く1を見た途端はハマり、アマゾンプライムで5まで見た後、レンタルビデオ屋に駆け込んで残り2作をレンタル、結果1日で全て観賞。ある意味有意義な1日だったわけで、その気持ちを保ったまま見に行ったから非常に楽しく観賞できた。

そんなワイスピ童貞だったオレの記事がこんなに読まれていいのかと、ちょっと恐縮気味でしたが、逆に言えばまだ見たことない人にも見てみたいと響いたら本望だなと。

 

 

 

 

 

 

 

 

第1位

ソーセージパーティー

 

www.monkey1119.com

 PV数:約16万8000

 

「モンキー的映画のススメ」がこれだけアクセスを稼げるようになったのは、この記事がずっと読まれているからです。感謝です。

未だに「ソーセージパーティー」と検索すればトップに来ますし、公開当初は公式より上だった、オレにとっての神記事です。

 

そもそもこれマイナーというかコア層しか見ない作品だったし、公開スクリーン数もめっちゃ少なかったわけで、なのに公開時からたくさんアクセスがあり、レンタルするともっと跳ねたんですね。

そういう点を考えるとこの10記事の中では特に異例のもので、それが一番アクセスが多かったことを考えると、おお化けしたなぁと。

 

 

 

 

 

 

 

というわけで、2017年記事別アクセス数ランキングでした。

この10記事で1年の総アクセスの約3分の1を占めるほどの人気記事となりました。

今年はこの調子だと、この半分くらいのアクセス数になりそうで気が滅入る毎日ですが、続けることに意味があると思っておりますので、引き続き「モンキー的映画のススメ」よろしくお願いします。

というわけで以上!あざっした!!

映画「キングスマン2ゴールデンサークル」感想ネタバレあり解説 秒でアガッた!!

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1月5日

キングスマン:ゴールデンサークル

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2018年1発目に大好きな映画の続編を鑑賞できるという幸せ!!!

イギリス大好き、スパイ大好き、マシューボーン大好きなモンキーにとってこんなに嬉しいことはありません!

今回英国紳士たちがアメリカに協力を求め事件を解決する話だそうですが、前作でアメリカを軽視したユーモアはどう描かれるのかも気になります。

まさに今年のお正月映画のオープニングを飾るに相応しい「秒でアガる」今作。

「Manners maketh man」の精神で早速観賞してきましたよ!!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 

表向きはロンドンの高級テーラー。しかしその実態は、どの国にも属さない世界最強のスパイ機関だった!

人生を半ば投げやりに過ごしていた青年の前に現れた英国紳士の、「礼儀が人を作る」という言葉に導かれ一流のスパイエージェントに育った主人公が、今回さらに活躍するだ人気スパイ映画の続編。

アクションもガジェットもスケールもキャストもパワーアップした今作。舞台をアメリカに移し主人公エグジーが暴れまくる!!!

 

 

キングスマン ゴールデン・サークル (竹書房文庫)

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  • 作者:ティム・ワゴナー,ジェーン・ゴールドマン&マシュー・ヴォーン,平澤薫
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Kingsman: The Golden Circle - O.S.T.

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あらすじ

 

キングスマン壊滅!英国紳士は世界を飛ぶ!

世界的麻薬組織、ゴールデンサークルの攻撃により壊滅したキングスマン。

残された二人、エグジー(タロン・エガートン)と、メカ担当のマーリン(マーク・ストロング)は、バーボン・ウイスキーの蒸留所を経営するコテココテにアメリカンな同盟スパイ機関:ステイツマンと合流。

さらに、彼らの前には死んだはずのハリー(コリン・ファース)まで現れる!

 

一方、上品な見た目に反して超サイコなゴールデンサークルのボス、ポピー(ジュリアン・ムーア)は、世界中の麻薬使用人を人質にした驚愕の陰謀を始動させていた。

果たしてエグジーの前に現れたハリーの秘密とは?

そして、一流エージェントに成長したエグジーは、敵の陰謀を阻止することができるのか!?(HPより抜粋)

youtu.be

 

 

 

 

 

監督

前作に引き続き監督は、マシュー・ボーン。

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はい、スパイ映画しか近頃撮ってないと専ら噂のマシューですが、それもそのはず、念願だった「007」シリーズの監督に抜擢されるかと思いきや結局お声がかからず、悔しくて悔しくて原作者のマーク・ミラーと作ったってのがこの「キングスマン」なんだとか。

だから1作目が興行的にも批評的にも成功だったもんで、結果このキングスマン、3部作構想になると報じられてましたね。それはそれで嬉しいんだけども、別の映画も作って欲しいなぁ。

 

そんな彼の作品をサクッとご紹介。

 ガイ・リッチー監督作品をプロデュースを経て、イギリスの裏社会が舞台のスタイリッシュな群像クライムサスペンス「レイヤー・ケーキ」で監督デビュー。評価がよかったことから監督として作品を手掛けはじめます。

その後、ヒーローに憧れる平凡なオタク高校生の行動がやがて思わぬ事態へと発展していくバイオレンスアクションコメディ「キック・アス」が大ヒット。

その腕が変われ、遺伝子の突然変異で力に目覚めてしまったミュータントを描く「X-MEN]シリーズの前日譚を描いた「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」の監督に抜擢。こちらも高評価を得るなどしてキャリアを積み重ねていきます。

 

 

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X-MEN:ファースト・ジェネレーション [Blu-ray]

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キャラクター紹介

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左上から。

  • ゲイリー・“エグジー”・アンウィン(タロン・エガートン)・・・ハリーの後をついで「ガラハッド」のエージェント名を継いだストリートあがりのキングスマン。亡き父がキングスマン候補生であったが、任務中に命を絶ってしまう。その命に救われたハリーによって、キングスマンにスカウトされ成長を遂げていく。

 

  • ハリー・ハート(コリン・ファース)・・・冷静沈着ながら時に激情を垣間見せるキングスマンのエースエージェント。エグジーをスカウトしキングスマンに育て上げていくが、ヴァレンタインの巧妙な罠によって殺されてた、ハズだった。

 

  • マーリン(マーク・ストロング)・・・キングスマンの頼れるブレーにしてメカ担当。候補生を訓練する教官も兼任しており、エグジーたちを影で見守っていた。

 

  • テキーラ(チャニング・テイタム)・・・ショットガンを愛用するミスター・アメリカン。強くて自信満々だが、ステイツマンの問題児でもある。

 

  • ジンジャー(ハル・ベリー)・・・ステイツマンの紅一点にしてメカ担当。実はエージェントになることを望んでいる。

 

  • ポピー(ジュリアン・ムーア)・・・世界的麻薬組織ゴールデンサークルのボス。その物腰や風貌からは想像できないほどのサイコパス。

 

  • シャンパン(ジェフ・ブリッジス)・・・ステイツマンの豪快なリーダー。アル中を克服した今でも酒を愛し、なにかと口に含んでいる。

 

  • ウィスキー(ペドロ・パスカル)・・・レーザー投げ縄を操るステイツマンのエース。陽気な性格で女性を口説くのも大好き。

 

  • チャーリー(エドワード・ホルクロフト)・・・キングスマンの試験に不合格となった元候補生。ポピーの“右腕”としてエグジーの前に立ちはだかる。

 

  • ロキシー(ソフィー・クックソン)・・・試験に合格し、晴れてエージェント・ランスロットとなったキングスマンの紅一点。高い場所が苦手だったが、エグジーとの訓練と任務によって克服。

 

  • エルトン・ジョン(本人)・・・ポピーに誘拐されたナイトの称号を持つ世界的スーパースター。ポピーのためにピアノを弾かされる毎日を送る。

 

 

 

前作のおさらい

 

キングスマン [SPE BEST] [Blu-ray]

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 ある日、エージェントの一人が何者かに殺害され、その欠員を補充するためハリーは、貧困地区で無軌道な生活を送っていた若者エグジーをスカウトする。

彼の父はキングスマンのエージェントで、17年前、その犠牲的行為でチームを救い、命を落としたハリーの恩人だったのだ。

こうしてエグジーは、父の後を継ぐべくキングスマンの過酷な新人試験に身を投じていく。一方ハリーは、天才IT富豪のリッチモンド・ヴァレンタインが水面下で進めていた恐るべき陰謀の謎を追っていくが…。

 

 

労働者階級で無為な生活を送っていた青年が、紳士を作るのは階級ではなく、マナーからだ、という言葉に引き寄せられ一流のスパイとして成長していくシンデレラストーリーにして、バイオレンススパイアクション。

雰囲気や組織、ガジェットや衣装などあらゆる面においてスパイ映画の金字塔「007」を意識した作りになっており、特にロジャームーア版ボンドからインスパイアされてる節があります。

そして一番印象的なのはイギリスがアメリカを皮肉っているユーモア。キリスト原理主義者を教会でボッコボコにするシーンや、ハンバーガーもてなす件も爆笑。

敵のヴァレンタイン演じるサミュエル・L・ジャクソンもいつもと違うタイプの役柄で、不気味さ漂うエコテロリストも抜群にキャラが立っています。

前作ではそのヴァレンタインの罠により殺されていしまうハリー。「これは映画ではない」というセリフから、ほんとに死んでしまったと思っていたわけですが、一体どうやって死の淵から蘇ったのか、いやその前にあんな至近距離で撃たれてどう助かったのか。

謎は深まるばかりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで、軽く前作をおさらいして臨む続編は、アメリカ組織との掛け合いが楽しそうですね。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

感想

秒でアガった!!!

ファンならグッとくる感動の連続!!故郷を失ったか彼らにカントリーロードが突き刺さる!!さぁ、みんなで帰ろうホームに!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1を見ないとこの感動は味わえない。

敵に詳細を知られ、自宅やアジトや仲間もろとも壊滅させられたエグジー。しかし、彼らにはいとこがいた!

アメリカの組織、そして恩師であり上司でありよき友である男の復活。

泣くな!エグジーこれは任務だ!情に流されずこらえにこらえた男の任務遂行と復讐の炎が一気にスパークしていく怒涛のスパイアクションでした!!

 

 

まず率直に感じたのは、1を見ていないとエグジーとハリーの絆や師弟関係から生まれる感動の連続が薄れてしまい、ひっじょーーーにもったいないということ

 

出勤の朝、テーブルマナーだけでも覚えておいた方がいいという彼女に、大丈夫それはもう完璧だからと、ハリーからテーブルマナーを教わる回想シーン、それを思い出し涙ぐむエグジー。

後ろをむけば彼が飼っていた犬、Mr,ピックルのはく製に再び涙。

 

そして突如訪れる再会にも涙、しかし彼には記憶がないという状態に涙、そこから何とか記憶を取り戻すべく荒療治が続くも回復しないハリーに対し涙、記憶の回復への突破口を見つけ、ついに記憶を取り戻したハリーとエグジーのハグに涙!!

あれ・・・エグジー以上に俺が泣いている!!!

 

ハリーに会いたかったのはエグジーだけじゃねぇ!!俺もだよ!!!

 

そんな感動の連続があってか、監督お得意のアメリカ風刺ギャグもなかなか笑えない!なんて副作用だ!!

 

礼儀が人間を作る、今の自分がどうあるべきか、それは身分で決まることではなく、マナーがそれを決めるのだ。そんな格言から徐々に成長を遂げるエグジーにとって、ハリーはかけがえのない存在でした。

鏡の前でこれは何なんだ?と戸惑ったとしても、常に彼を鼓舞し励まし導いてくれる。

彼によってハエの幼虫のような奴だった男が、彼によって青虫へと変化し、やがて羽が生え大きく羽ばたいている。

 

 

自分がいなくなっても立派なエージェントとして紳士として成長したハリーからの目線、どんなに成長しても未だハリーが恋しくてたまらない仕草を見せるエグジーの目線で見ても泣けてくるシーンがたくさんありました。

 

そんな二人がクライマックスで共闘するシーンは最高です!!!とうとうこの二人が対等になって敵に立ち向かい、鮮やかなコンビプレイで一網打尽にするんです!

 

なのでぜひ今作を鑑賞する際は1をおさらいし、映画館でどっぷり感情移入することを薦めます。

 

 

もちろんユーモア描写もおもろいぞ!

今回一番びっくりしたのは、前作でバレンタインに捕らえられていたスウェーデン王女ティルデと真剣交際をしているというサプライズ!!

労働者階級の身分だった彼が、とうとう王室の女性と付き合うまでに!マナーが紳士を作るという言葉を着々と実行しているエグジーにびっくりです。

 

そんな展開に笑いながら淡々と物語は進み、ちょいちょい挟んでくるアメリカ小バカギャグも痛快。

 

ステイツマンの面々の恰好がまず小バカにしてますよねw。テンガロンハットかぶって、ジーンズにブーツといったラフな格好。そのいで立ちはカウボーイときたもんだ。武器も投げ縄と鞭。これが進化した武器だからカッコイイんですけども。

 

アメリカのスパイ組織「ステイツマン」のエージェント、ウィスキーとの合同任務で、追跡装置内蔵コンドームを見せる際、あまりの小ささに何でもデカいものを好むんだろ?とおちょくったり、ゴールデンサークルのボス、ポピーのアジトが50年代風のダイナーというのもどこか馬鹿らしい設定。

 

ステイツマンの本部がケンタッキー州にある事に気付いたエグジーが、マーリンにそれを話すとフライドチキンは好きだぞ!と言い返すあたりも、ケンタッキーといえばフライドチキンだろという共通意識あってのユーモア。

アメリカ西部劇を見たことある人ならあるあるネタなのが、奴らはとにかくツバを吐く。

テキーラが登場するや否や唾を吐く姿もあれば、シャンパンの座る席の横にしっかりたんツボが置かれており、しっかりぴゅーっと飛ばしておりましたw

 

そして何といっても一番小バカにしているのが、麻薬使用者を全て犯罪者扱いにしてしまう大統領。

ポピーの企みは、これだけ稼いでいるのに表に出られないのは、麻薬が違法だから、だったら合法にしてもらえばいい。ということでドラッグに毒を仕込ませ、世界中の麻薬使用者を人質にし、その解毒剤を差し出す代わりに合法にし、尚且つ自分と関係者に恩赦を与えろというもの。

これに対し大統領は、苦肉の策で了承するかと思いきや、逆に麻薬を使用している奴らを一掃することで犯罪者がいなくなり、加えてポピーも捕まえられる、と企むわけです。

どうしても麻薬となると日本では非常に危険であり有害であり、持っているだけでも捕まってしまうほど厳しく取り締まっている薬物ですが、アメリカでは州ごとで法律が違い、州によっては大麻も合法なところもあります。

それに加え医療用としても非常に役立つ場合もあり、人によっては有効になることだってあるわけで。

ただ単に使用している人も同罪にしてしまうという、非常に倫理に反するやり方をするんですね。

 

そこまでドラッグ事情に精通してないんでよくわかりませんが、民衆の声を聞かずなんでもかんでも強行突破してしまうという姿勢を小バカにした演出だったのではないでしょうか。

 

下ネタも健在。体内の血液に追跡装置を仕掛けるコンドームというガジェットを渡されたエグジー。このガジェット、なんでも粘液でないと意味がないそうで、要は鼻の穴とかでもいいんですが、今回はこれをですね、いわゆる下の穴の方に指を入れるという何ともエロ~い描写で使われる、男としてはアガる演出になっております。

 

ホントに秒でアガる。

日本公開のキャッチコピーで記載された「秒でアガる。

最初すげぇだっせーキャッチコピーだなぁと思ったんですが、始まった途端繰り広げられるバトルアクションに、なるほど、これはピッタリだ!!ゴメン!!!と心でつぶやきました。

 

高級テーラー「キングスマン」から出てくるエグジーの前に、前作でテスト失格の烙印を押され、バレンタインの配下になてしまったチャーリーが登場し、エグジーと車内でバトルをおっ始めます。

プリンスの「Let's Go Crazy」にのせて暴れまわる2人の攻防は、正にクレイジーにさせてくれるぶっ飛びアクション。

後部座席という狭い空間で、殴る蹴る!義手が飛ぶ!毒針が飛ぶ!ドアが開いて外へ投げ出されてもくらいつくエグジー!何度ぶっ飛ばしても死なないチャーリー!エグジー危機一髪!!なアガるシーンの連続でございました。

 そしてさらに事態はカーチェイスへと発展し、ロンドンの道路を失踪するシーンもまたアガる部分です。

なんか途中車がかなり走ってるコーナーをスルスルーってキレイに弧を描いてすり抜けた箇所ありましたけど、あそこはすごかったですね。

 

 

あれこれ解説

ここからは色々わかる範囲、調べた範囲で恐らくこれはこれを指しているよ!ってのを紹介したいと思います。

 

ゴールデンサークル

ポピーが仕切る麻薬組織「ゴールデンサークル」。彼女に服従するものには、全員金の輪っかのタトゥーを入れなければいけないんですが、一体元ネタは何なのでしょうか。

これは黄金の三角地帯、通称ゴールデントライアングルが元ネタと思われます。

黄金の三角地帯とは、タイ、ミャンマー辺りにあるメコン川の山岳地帯にある、麻薬の密造地帯だそうで、世界的にも大きな場所なんだそうです。

実際にポピーランドもカンボジアの山奥深くにあるという設定もこれに絡めて来てるのではないかと思います。

 

さらにいうと、このポピーという名前。花の名前にも思いつく人多いかと思いますが、このポピーという花はケシ科です。そうケシは麻薬の原料になる植物

まさに今作の敵にふさわしい名前というのが分かります。

 

エルトン・ジョン

今回本人役で出演をしているエルトンジョン。アメリカ人の女性に誘拐され、ひたすら名曲を惹かされてるかと思いきや、別の曲を弾かされる屈辱を味わってましたw

今回ただピアノを弾くだけではなく、ちゃんとセリフもあり、ジャージ姿でFワードを連発し、挙句の果てには、飛び蹴りを披露するなどの大活躍。

劇中でも彼の曲がふんだんに使われており、「Daniel」や「Rocket Man (I Think It's Going to Be a Long, Long Time)」、エンドロールでも「Jack Rabbit」といった初期のプログレッシブが主流だったころの彼の曲が多々使われていました。

中でもクライマックスでのポピーランドでのバトルで使われた「Saturday Night's Alright for Fighting」は、前作でハリーが洗脳されて教会で暴れるシーンを彷彿とさせるものでした。

劇中では水曜日にぶちまかそうぜ!みたいなことを言ってますが、実際の曲は土曜日です。てか何で水曜日だったのか・・・。

 

Xーメンファーストジェネレーション

マシューボーン監督は、以前「X-メン/ファーストジェネレーション」を手掛けたことでも有名ですが、実は本作でこの作品の曲を使っています。

「Rage And Serenity」という曲なんですが、「X-メン」では、まだ能力をコントロールできないエリックに対し、チャールズが彼の奥底に眠るものを引き出させようと彼の脳内に入り込み解放し、遠くにある衛星アンテナを動かすときに流れる曲なんですが、本作では、ハリーが自分の記憶を取り戻すときに使われていました。

 

007オマージュ

イギリスのスパイということで、前作でも「007」へのオマージュが多々盛り込まれていました。

今回も冒頭のカーチェイスの後、緊急時合流地点に向かうため湖に車ごと入るエグジー。何と車は潜水艇へとチェンジし、キングスマンが所有する地下の車庫にたどり着くんですが、この車が潜水艇へとチェンジするのは、「007 私が愛したスパイ」が元ネタだと思われます。

 

他にも、時計を駆使したアクションが今回大活躍しており、電子機器をはハッキングして操るという仕掛けがありましたが、「007 死ぬのは奴らだ」でも時計に強力な磁石を装備しており、金属を吸い寄せる機能として描かれていました。これも元ネタのひとつかもしれません。

 

きっとほかにもあると思うんですが、ガジェットばかり目が行ってたので、エピソードやネーミングなどもオマージュがあるかもしれません。

 

viva las veganの意味

ウィルスの進行を防ぐために一刻も早く解毒剤の配布をしなければならないエグジーたちは、ポピーにその解除コードを問いただすのですが、ここでポピーは「ビバラビーガン」と答えます。

これどういう意味だ?と思う方も多いかと思います。

英語はちんぷんかんぷんなので、あくまで考察ということでご理解ください。

 

まずvegan という意味ですが、これは完全なベジタリアン=菜食主義を指します。これどうやらイギリス発祥の言葉らしいですね。

それをviva la というスペイン語の後に付けてるので、直訳するとベジタリアン万歳!という意味になるかと思います。

 

で、これをバリバリ肉ばっか食ってるアメリカ人代表であり、序盤で人肉バーガーを作って振舞っていたポピーが言うというのが、きっと野菜指向が増えてきてるアメリカ人に皮肉を込めたギャグになってると思われます。

しかもこれをイギリス人に向かって言うというw

 

※追記

  • エルヴィス・プレスリーの曲「ラスベガス万歳」の表記が「Viva Las Vegas」ということ。
  • そのエルヴィスが人気を博した年代が、ポピーが愛した50年代ということ。
  • 実際に「Viva la vegan」とレストランで注文すると、肉・野菜・砂糖抜きで出て来るそうで、劇中で「麻薬よりも砂糖のほうが依存性が高いのよ」、なんてポピーが発言していることから察すると、これは「白砂糖抜きで」という皮肉をこめたギャグなのではないか。
  • 依存性の高い砂糖は合法で、麻薬は非合法という現実にポピーの痛烈な想いがこの解除コードにこめられてるのは。

 

ということを、コメントでいただきました。この説、モンキー的にすごく納得してます。ピコピコさん、ありがとうございました!!

 

 

 

 

最後に

今回ジョン・デンバーの名曲「カントリーロード」が重要な場面で流れるんですが、前作で威風堂々が流れたのと同じように、イギリス人にとって威風堂々が国歌のようなものなのなら、アメリカ人にとってカントリーソングもそれと同じであって、それを代表する曲カントリーロードが使われたのも、同等の意味を成しているのかなぁと感じました。

故郷を奪われたエグジーたちにとって、故郷へ帰ろうと歌い上げるある人物の姿は感慨深いものがありました。僕の中ではあそこが一番グッときましたね。

 

と、褒めてばかりですが、どうしても前作と比較してしまうと盛り上がりに欠ける部分は多々あり、ご都合主義すぎる点もかなりあるわけで。悪党度も考えると、ポピーはヴァレンタインを超えられなかったなぁというのが残念なポイントです。

 

 

とはいえ、アクションシーンは必見です。愛かわらずワンカット風に撮影してアクロバティックなバトルを繰り広げ、残虐な殺し方もコミック調にサクッと描いてしまうあたりはこれぞマシューボーン、といったところでしょうか。

是非鑑賞したい方は前作は必見です。でないと感動しないから。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10


映画「嘘八百」感想ネタバレあり解説 劇中にウソが800個出てくる話です。嘘です。

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1月5日

嘘八百

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正月映画に必ず佐々木蔵之介が出演してる説。今年もその通りになりましたw

若年層にはあまりウケそうにない、このポスターの感じ。しかもお宝コメディ?骨董品?益々ウケないじゃないか!

何だよシニア層狙った松竹映画かぁ?

ノンノン、これ配給がギャガなんですよ。意外ですよね。

 

 

その意外さも理由の一つですが、あの「百円の恋」の監督脚本コンビが作った新作ということで結構期待しております。あんな低予算映画から、こんな2大キャストでしかもギャガ配給なんですから大出世です。きっといい作品が作れたんだと思います。

というわけで早速新春初笑い、かましてきましたよ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

ぐうたら女子が一人の男との出会いからボクサーとして成長していく青春映画を、低予算ながら見事に構築された物語で観客を歓喜に沸かせた「百円の恋」で、2016年日本アカデミー賞優秀作品賞並びに、最優秀脚本賞受賞という快挙を成し遂げた監督脚本コンビが、再びオリジナルストーリーでダメンズたちの再起をかけた物語を作り上げた。

千利休の幻の茶器が発見されたという、ウソか誠かの真贋を巡る大騒動を、うだつの上がらない古物商と陶芸家の掛け合いを軸に、どんでん返しの一発逆転劇をユーモラスに描く。

嘘八百から生まれたマコトとは一体どんなものなのか。新しい年の幕開けにふさわしい、極上の骨董ロマンをお宝コメディに仕上げた、開運エンターテインメント映画です。

 

嘘八百

嘘八百

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

大阪・堺。千利休を生んだ茶の湯の聖地に、目利きだが大物狙いで空振りばかりの古物商小池則夫(中井貴一)が娘のいまり(森川葵)を連れてやってきた。

「西に吉あり」。ラジオの占いに導かれるように車を走らせてると、蔵のある屋敷にたどり着く。門から様子を伺うと、主らしい男・野田佐輔(佐々木蔵之介)が帰ってきた。蔵の中を見せてくれという。庭にはジオラマづくりに夢中の息子・誠治(前野朋哉)がいた。

佐輔は「骨董の事はわからない。これ一つでも車一台は買えると聞いている」と言って茶器を差し出す。則夫は名物に似せた贋物だと見抜き、売りつけた古美術店の名前を聞くと、茶器を譲り受けた。

 

則夫は早速、その店を訪ねる。素人に贋物を掴ませた証拠をネタに高額で引き取らせる魂胆だ。ところが店主の 樋渡(芦屋小雁)と大御所鑑定士の棚橋(近藤正臣)に軽くあしらわれてしまう。

くさっていると佐輔からの電話。屋敷に再び呼ばれた則夫は、書状を見せられ絶句する。利休直筆の譲り状だ。「お宝でっか?」と尋ねる佐輔にしらばくれる則夫。

譲り状があれば茶器があるはず。はやる心を抑えながら蔵の中を探すと、ついに利休の形見の茶器が現れた。国宝級だ。

「蔵の中のもの全部、百万円で引き取りましょう。」すました顔で申し出ると、佐輔は快く応じた。

 

翌朝、支払いを終え、お宝を積んだ車を上機嫌で走らせていると、ラジオから「油断大敵」の声。不安になって箱を開くと茶器は真っ赤なニセモノだった。

大慌てで戻ると、屋敷の主は全くの別人(寺田農)だった。佐輔は留守番を頼まれただけだったのだ。則夫が佐輔の行きつけの居酒屋に乗り込むと、百万円を山分けしている。

警察の筆跡鑑定も潜り抜ける達筆のマスター(木下ほうか)、紙に詳しい表具屋のよっちゃん(坂田利夫)、どんな箱でも作って見せる材木屋(宇野祥平)。彼らは贋作に関わる仲間たちだった。

隙を見て逃げ出した佐輔を追いかけると、さびれた家に着く。そこには佐輔の妻・康子(友近)と誠治、そして、いまりがいた。屋敷に通ううち、誠治といまりは心を通わせていたのだ。息子に恋人ができた事に安心した康子は家を出ていく。陶芸家としての才能があるにもかかわらず、樋渡と棚橋にそそのかされ、贋物を作り続け、くすぶっていた佐輔に愛想をつかしたのだ。

 

利休形見の茶器の本物の<譲り状>と<箱>がある。だが肝心の<茶器>がない。則夫は一瞬でも自分の目を惑わせた佐輔の腕を見込み、一世一代の大勝負を持ち掛ける。「悔しかったら、やり返せよ。」実は則夫自身にも樋渡と棚橋に一杯食わされた過去があった。

利休に関わる博物館を訪れた二人は、利休を愛してやまない学芸員(塚地武雅)に出会う。

昔の情熱を次第に取り戻す佐輔。それを支える則夫。力を合わせて作り上げる茶器はきっと「本物よりも凄いモノ」になるはず。

2人が仕掛けた一発逆転の大勝負は、樋渡や棚橋だけでなく文化庁をも巻き込み、前代未聞の大騒動に発展する、

果たして人生の借りを返し、一獲千金の夢を叶えられるのか—。(HPより抜粋)

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監督

 監督は武正晴

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原作コミックや小説が映画になるのがほとんどの中、オリジナル作品にこだわって悪品を作り続ける数少ない監督。

そういう場合中々予算がもらえないのが、現在の日本の映画産業の欠点なんですが、金なんかかけなくてもいい映画は作れる!と示してくれたのが「百円の恋」だったと思うんです。

もちろん監督だけの力ではなくて、コンビを組んだ脚本の足立紳の面白さがあり、主役を演じた安藤サクラ新井浩文の役者魂があってのことなんですが、よくまとめたなぁと。

去年もオリジナル作品「リングサイドストーリー」が公開されましたが、こちらはちょっと期待外れだったので、その分今回楽しませてほしいですね。



監督に関してはこちらをどうぞ。

 

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キャスト

主人公の小池則夫を演じるのは中井貴一。

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実はお父さんも佐田啓二という名優であり、二世俳優だというのをご存知の方は少ないのではないでしょうか、かといって俺も親父さんの映画1本も見てないんですけどもw

今や大御所俳優としてあらゆる作品で存在感を発揮している「ぴっちり横分け鼻デカ兄さん」。

モンキー的にはこの方は、DCカードのCMと「最後から二番目の恋」、あとNHKの「サラめし」のナレーションのイメージが強くて、今回コメディをやるというのが凄くしっくりきます。とぼけた顔が好きですねw

昔から活躍されてる方なのでほとんどの作品をみてはいないんですが、「ビルマの竪琴」、「激動の1750日」、「壬生義士伝」といったシリアスな作品や、「寝ずの番」、「グッドモーニングショー」といったコメディまで幅広い演技で魅了してくれる人です。

 

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もう一人の主演である、売れない陶芸家・野田佐輔を演じるのは佐々木蔵之介。

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独身俳優唯一の砦。彼が結婚したらどれだけの世の女性たちが悲しむのでしょうか。

離婚弁護士」で散々ラクダ顔としていじられてきたので、モンキー的にはもうラクダにしか見えないんですが、やはりかっこいいですよね。

 

彼の代表的な作品をご紹介しましょう。

映画として一番大きな役に出演したのは、森田芳光監督作品「間宮兄弟」。

いい年して仲良く暮らしている兄弟の平凡だけどささやかな日常に満たされる人情コメディで、本作にも出演しているドランクドラゴンの塚地武雅と兄弟役で出演しています。

その後もコンスタントに映画に出演し、1979年の田舎町を舞台に、悪戯好きの高校生たちと新米警官との、アイデア溢れる憎めないイタズラを巡る攻防を綴った「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」、中学からの親友の行方を怪しい探偵と共に探す主人公が巡る予想できない物語「アフタースクール」、最近では、幕府の陰謀でたった5日で参勤交代を命じられた貧乏藩が、維持と知恵で立ち向かう時代劇コメディ「超高速!参勤交代」が続編まで製作される人気を博しました。

去年は、舞踏はヤクザとへっぽこ建設コンサルタントのコンビが、だまし取られた金を取り戻すべく奮闘するコメディ「破門 ふたりのヤクビョーガミ」、ごく平凡な家族がある日宇宙人に覚醒し、地球滅亡の危機から救おうとする姿を描いた異色のSFヒューマンドラマ「美しい星」などに出演しています。

 

 

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他のキャストはこんな感じ。

則夫の娘いまり役に、「恋と嘘」、「TOO YOUNG TO DIE ! 若くして死ぬ!」「渇き。」の森川葵、

佐輔の妻・康子役に、「酒井家のしあわせ」、「地獄でなぜ悪い」の友近、

佐輔の息子・誠治役に、「桐島、部活やめるってよ」、「勝手にふるえてろ」の前野朋哉、

大御所鑑定士・棚橋役に、「龍三と七人の子分たち」、「海賊と呼ばれた男」の近藤正臣、

学芸員・田中役に、「間宮兄弟」、「アイアムアヒーロー」の塚地武雅などが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

馬面とラクダ面(失礼w)のコンビがどんな掛け合いをし、どんな一発逆転劇を見せてくれるのか。そこからどんなウソを並べたてダマしてくれるのか?非常に楽しみです!

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 感想

獺とトカゲが古狸に過去の借りを返す一発逆転リベンジマッチ!

骨董品わからなくても笑って楽しめる正月ならではの喜劇映画でした!!

 以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人生を取り戻す戦い

共通の敵に人生を台無しにされた骨董商と陶芸家が協力し合って、人生最大の大博打に打って出る様を、大阪ならではのにぎやかな掛け合いや、「セッション」でのクライマックスを思わせる緊張感高まるドラムソロの音楽、そして何よりどう見ても負け臭しかしない、おっさん二人の絶妙な演技が化学反応を起こし、最後までワクワクしながら見てしまうコメディ映画でございました。

 

正直申し上げれば、劇中で扱った骨董品に何の興味もなく、千利休についても全く知識のない、その筋ではド素人のモンキーではありますが、そういった部分に疎い人でも、この主演二人を見ているだけでどこか楽しく見えてしまう芝居に見とれてしまうわけであり、どうかこの冴えない二人に救いの手を!と最後まで目が離せない展開に楽しく鑑賞できた作品でありました。

 

 

まぁあれですよ、自分も仕事柄、商品に値をつけて買い取りそれ相応の値をつけて売るという点において、この則夫の職業とは近からず遠からずなわけで、それなりの親近感があります。決してダマすわけではないんですけどねw

まぁこういう職業はちゃんとした値をつけないとお客さん来なくなっちゃう、信用がものをいう商売なわけで。それで人生躓いた則夫に同情してしまうというか。

 

とはいえ、あくまでベースはいかにダマして吹っかけてのやり取りで、骨董品というものの目利きをすることに、いかに勉強しなければならないかが、則夫のセリフからも読み取れます。どの歴史にも精通してないと無理ですからね。

まぁ則夫はクライマックスでかなりのハッタリかましてますけども、かなりの弁が立たないと相手を説得できないですし、大変な職業だなぁと。

 

そして佐輔も物を作る仕事という点においての苦労もちゃんと描かれていいるのがこの映画のいいことろ。

まだ夢に向かって一直線な時に評価され、ようやく一人前だと自信をつけたのに、フタを開けていればただ騙されていただけ。そんな夢と結果にぶら下がったまま年老いてしまった中年が、陶芸から足を洗えず、贋作ばかり作っているというのもどこか同情してしまうわけで。負け癖もついてしまっているからか、妻が出ていくといっても、今の自分を俯瞰で見ても全く悔しがらない佐輔に、自分だったら絶対いやなのにどこか愛おしく感じてしまう。俺もしかして枯れ専か?

 

そんな枯れに枯れた中年二人が、家族を取り戻すために、自分の人生を取り戻すために、なくしたものを取り戻すために共闘して立ち向かう姿は、アクション映画でもよくある構図であり、こういうダメな男の再起をかけた姿、再生を描く姿をずっと撮り続けている監督に拍手を送りたいですね。

 

 

ダマしダマされの連続

冒頭からダマしダマされが描かれているのがこの映画の最初の見どころ。

蔵のある家を探しながらうろうろしている則夫は、ラジオの占い通り西に向かい、見事にお宝が眠っていそうな家を発見。娘を使って隙を作る計算も見事にあたり、早速お邪魔します。

値打ちのない茶碗なのに、高い値段で買ったという茶碗を譲ってもらい、その店に行っていちゃもんをつけいにいくと、こっちの目利きは本物だ、TVにも出てる大物鑑定士もそう言ってる、言いがかりも体外にしてくれ、と逆にいちゃもんを突けられる始末。

明らかに嘘をついていると自分の目を疑わない則夫だが、それに論破できずへこんでしまう。

再び佐輔に呼ばれ蔵の中を漁ると、値打ちの匂いがする書状を発見。

お宝でっか?と顔を覗き込む絹田に対し、則夫は百姓一揆の書状だと嘘をつく。

これ全部譲ってくれたら100万でいいよ、という問いにあっさり承諾する絹田。

いやぁ~いい買い物した~!!と言っていたのもつかの間。中を開けると茶碗は入ってなく箱と書状だけ。あれ確かに茶碗は言ってたし、あの茶碗は本物だったよなぁ・・・。

 

急いで戻ると絹田はいない。代わりに別の老人。なんとその人こそ絹田であり、立ち会った人物はただの留守番だった!まさに狸が狐につままれたのです。

 

ここから互いの能力を認め合い、ここは協力して俺らを騙したあの骨董品店主と鑑定士に一泡吹かせてやろうぜ!とチーム結成!

筆跡鑑定もダマしてしまう腕を持ち、その腕で店にディカプリオのサインまで飾っている居酒屋の店主、紙を舐めればどれだけの価値があるかひと味でわかる阪神ファンの表具屋の親父、同じく阪神ファンでどんな箱でも簡単に作ってしまう材木屋、そして今となっては贋作ばかり作っているが、一瞬でも則夫の目を騙したほど腕のある陶芸家、絹田改め佐輔。

役者はそろった!あとはあの古狸2人にうまく言いくるめて競りに呼び出せば完璧。

 

物語は決戦の舞台へと移っていくのです。

 

 

千利休について

今回主人公2人が作ったのは千利休が最後に作ったとされる茶碗だったのですが、そもそも千利休ってどんな人だったっけ?ってことで軽く調べてみました。

ざっくり言えば、安土桃山時代に茶人として信長や秀吉にかわいがられ、わび茶というお茶そのものを楽しむ道を作りながらも、影で秀吉を操っていた人物ってのが、一般的ですが、最後はどうなったのかってのはイマイチわからないって人も多いんじゃないでしょうか。

 

派手好きな秀吉と、渋くて素朴なものを好む利休の間に次第に溝が生まれていったそうです。そして貿易の利益を独占しようと堺の町に圧力をかけていく秀吉に対し、それを煩わしく思っていた利休。愛弟子も口のきき方がなってねえ!!って理由で秀吉に殺されてしまうというショッキング出来事も重なり、ますます関係は悪化。

その後利休にとって後ろ盾であった、秀吉の弟秀長が亡くなってしまったことで、利休は徐々に窮地に立たされます。

秀吉の独りよがりなやり方は徐々に強まり、ついには上下関係をはっきりさせるべく利休を自宅謹慎にして、誤りに来させようと計らいますが、利休はこれを拒否して自宅から出なかったそうです。

秀吉の怒りも頂点に達し、ついには利休に切腹を命じます。それに応じ利休は切腹し死んでしまうのでした。

 

秀吉のちっちゃい器のせいで死ななければならなかった利休。彼もまた茶を愛するがゆえに譲れないものがあったわけですが、やはり上には逆らえなかったってことですかね。にしても互いにプライド高いなぁ。

 

と、こんな最後だったそうですが、本作ではこの直前に作った器を巡っての騙し合いというわけです。

実際にそんな器が存在するのかわかりませんが、物語では死を覚悟した利休がようやく自分が求めていた場所を大海原の上を飛ぶカモメに例えて読んだ俳句が詠われており、主人公の二人もまた、次の舞台へと足を運ぶ姿をカモメに例えた画で幕を閉じるという、利休の最期と重ねた流れになっていました。

 

 

最後に

「百円の恋」ほどの熱はおびていませんでしたが、この監督脚本コンビは実に映画作りが巧いなぁと感心します。ふと思ったのですが、この二人は「スティング」でもやりたかったのかな。

監督の手持ちカメラでワンカットで見せるやり方や、佐輔が丹精込めて器を作る画も丁寧に描く技術は素晴らしいし、足立さんの脚本もちゃんと端にいる人物設定まで目を配り必要最低限だけ描いて、キチンと終着させる話の無駄のなさに今回も納得の出来でした。

 

あえて言うなら今度は王道のネタでいってほしいですね、全く知識が無くても楽しめるとはいえ、興味のない世界の話なので中々セリフ理解できない部分もあり、そこが残念だったなぁと。あくまで俺が悪いんですがw

 

何が本当何がウソなのかわからない世の中で、こういうウソもいいもんだ、と笑ってしまえる喜劇だったのではないでしょうか。ただこれはあくまで映画ですので、なるべく嘘は言いたくないもんですw

ちなみにこの映画の感想はウソではありません。僕の本当の想いです。大したこと書けてませんがw

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「レディガイ」感想ネタバレあり解説 ミシェル姉さんカラダ張ってます。

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1月6日

レディ・ガイ

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 女に改造されても、弾丸(タマ)はある。

ナイスキャッチコピーですぞこれは!!

凄腕の殺し屋が、目覚めたら女になってました、てめぇふざけやがって!ぶっ殺してやる!って流れの、奇抜な設定ながらも単純明解なお話。

正直ミシェルロドリゲス好きじゃないんだけど、この設定は面白そうだ!しかも監督がウォルターヒル!ドンパチガンアクションがきっとすごいんだろうなぁ。

 

というわけで早速観賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

80年代のアクション映画でその名をとどろかせた名匠ウォルター・ヒル監督の最新作は、凄腕の殺し屋が、性転換手術で女にさせられ、その手術をした女医から奪われたものを取り戻す復讐劇。

監督自らグラフィックノベル化した企画を、自身が得意とするハードボイルドな世界観に仕上げ、主人公を女性にすることでセクシーでスリリングなアクション映画へと昇華させた。

演じるキャストも、男勝りなセリフと動きで男性ファンから圧倒的支持を得ているミシェル・ロドリゲスと、監督が脚本に携わった「エイリアン」シリーズで世界的人気となったシガニー・ウィーバーが敵対する、新旧最強女優対決となっている。

 

 

 

 

あらすじ

 

 

男の名はフランク・キッチン(ミシェル・ロドリゲス)。裏社会からの依頼を受け、邪魔者をこの世から消し去る凄腕の殺し屋だ。

ある日、フランクの隠れ家にマフィアのボス、オネスト・ジョン(アンソニー・ラバリア)が手下を連れてやってくる。ジョンはフランクに数々の殺しを依頼している上顧客。1週間後にラスベガスから来る一人の男を暗殺する仕事も請負い中だ。だが、ジョンの様子はいつもと違っていた。

「お前は敵を作りすぎた」ジョンがそう言った瞬間、彼の手下が銃を取り出した。必死に応戦するも、銃撃戦の果てに被弾したフランクは意識を失ってしまう。

目覚めると、フランクは見知らぬ安ホテルのベッドで全身を包帯で巻かれた状態で寝ていた。包帯を取って鏡の前に立った彼は変わり果てた自分の姿に驚愕する。そこにいたのは、まぎれもない女だった。フランクは意識を失っている間に性転換手術を施されていたのだ。

ベッドの脇に置かれたテープレコーダーを再生すると、見知らぬ女の声が流れ始めた。その声によると、自分は手術をした医者で、それはフランクへの復讐を意味しているという。怒りに打ち震えるフランクは、大切な《もの》を奪った女医を見つけ出して落とし前をつけるため、女アサシンとなって復讐に立ち上がる―。 (HPより抜粋)

 

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監督

 

 今作を手掛けたのは、ウォルター・ヒル。

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ほとんどの作品を見てるわけではありませんが、「ストリート・オブ・ファイヤー」、「48時間」など、80年代のアクション映画でその名を馳せた監督の一人ではないでしょうか。

特徴は何と言っても、熱い男の生き様とすさまじいアクションの数々を描いていることですかね。

 

そんな監督の代表作をサクッとご紹介。

助監督や脚本家を経て、全米の町を放浪しストリートファイトで金を稼ぐ男とマネージャーを、C・ブロンソンJ・コバーンの2大俳優で描いた「ストリート・ファイター」で監督デビュー。

その後、泥棒の逃亡を助けるドライバーと、それを執拗に追いかける警察、そこに絡む美女が夜のロスを舞台にスタイリッシュなハードボイルドアクションに描き、ライアン・ゴズリング主演「ドライヴ」の元にもなった「ザ・ドライバー」や、NYのストリートギャングたちがとある事情で逃走を続けるアクション映画「ウォリアーズ」、南北戦争後に暴れたギャング団の誕生から終息を描いた西部劇「ロング・ライダーズ」では、カンヌ国際映画祭に出品されるなどして注目されていきます。

 

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80年代には、数年ぶりに帰って来た男がかつての恋人を無法者グループから助け出すまでを、ミュージックビデオさながらのロックな演出で観る者を熱くさせるアクション「ストリート・オブ・ファイヤー」や、白人刑事と黒人囚人の凸凹コンビが短時間限定で犯人を追うバディムービーの名作「48時間」などでアクション映画に磨きをかけていきます。

 

 最近は、エドガー・ライト監督「ベイビー・ドライバー」にちらっとカメオ出演してたのが印象的です。

 

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キャスト

主人公フランク・キッチンを演じるのはミシェル・ロドリゲス。

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どういうわけかこの女優さん好きになれないんですよねぇ。単純に顔がタイプではないw

それだけで映画見るか見ないか決めちゃう悪い子です。

とはいえちゃんと彼女を認識したのは去年一気観した「ワイルドスピード」シリーズからなんですがw

そういえば「バイオハザード」にも出てたなぁ。

 

そんな彼女の代表作をサクッとご紹介。

ひとりの少女がボクシングと出会い様々な経験をしていく「ガールファイト」で主演デビュー。その後、ストリートレーサーたちの熱い友情と大掛かりな強奪ミッションを繰り広げ、第8作まで続く一大シリーズ作品へと拡大する「ワイルドスピード」に主人公の恋人レティ役でレギュラー出演し知名度を上げていきます。

他にもパンデミックと化した街でゾンビと戦う女性を描いた、人気ゲームの実写映画「バイオハザード」や、警察特殊部隊の活躍を描いたポリスアクション「S.W.A.T.」、異性人が暮らす星の資源を奪うべく解く主任務に就く青年の苦悩を中心に、圧倒的大スケールと3D技術を駆使した革新的映像で魅了した「アバター」、ロバート・ロドリゲスクエンティン・タランティーノが製作し2本立て映画「グラインドハウス」の中で流れた架空の映画の予告編を、長編映画として完成させたバイオレンスアクション「マチェーテ」など、アクション映画を中心に活躍する女優さんです。

 

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他のキャストはこんな感じ。

フランクを女性に変えてしまった女医、Dr,レイチェルジェーン役に、「エイリアン」シリーズ、「アバター」のシガニー・ウィーバー。

Dr,ガレン役に、「メン・イン・ブラック」、「ギャラクシー・クエスト」のトニー・シャルーブ

フランクの顧客オネスト・ジョン役に、「依頼人」、「アナベル 死霊人形の誕生」のアンソニー・ラバリア

ジョニー役に、「ソーシャル・ネットワーク」、「マジック・マイク」のケイトリン・ジェラードなどが出演しています。

 

 

 

 

 

男時代のフランクを演じるミシェルロドリゲスの漢っぷりも見所な今回の作品。一体どんな復讐劇を見せてくれるのか。監督がどんなアクションを演出してくれるのか。

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

 感想

 俺の身体を返せ!!!悲しみと怒りを45口径に詰め込んでぶっ放す復讐劇!!でも、お話はかなり退屈・・・。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイデアは最高。なんだけど。

刑務所での精神鑑定で、女医であるジェーンがいったい何があったのかを雄弁に語り始め、物語は回想シーンを含んで構成されていく。

 殺し屋として仕事をこなすフランク・キッチンは、マフィアのボスに拉致され、ふと起きると女に変わっていた。

なぜこうなってしまったのか。いったい誰が何のために。それは憎しみの連鎖によって生まれた悲劇だった。

 

凄腕の殺し屋が女になっちまった!マジこんな俺にした奴ぶっ殺す!という斬新なアイデアということでいったいどんな映画なんだろうと楽しみにしていましたが、いざ鑑賞してみると、えら~く会話の続くお話で、上映時間90分にもかかわらず、体感時間が非常に長く感じた退屈な作品でした。

ほんとこれね、もったいない!と。

一応監督がグラフィックノベルを作って企画しただけあって、いちいちそれっぽい画を挟んでくるんですよ。コミックっぽい静止画のようなものを。そして場面転換もページをめくるような感じで変わったりとか。

シンシティ」みたいな感じって言ったら通じるでしょうか。

 

だから総合してみると、孤独な殺し屋の悲哀と怒りの描写をコミックっぽくしながらも、どこかノワール調にした雰囲気になっていて、アイデア任せのおバカな内容になってないから、ものすごく不自然に感じたし、視点が変わるからややこしいんですよ。

 

ジェーン女医の回想から始まるのに、気が付くと、フランクが自撮り初めて語り出すんですね。いやいや、今これ誰の頭の中の話してんのよ。なんでジェーンの頭の中で別の人間の視点になって語り出してんのよ。

で、この説明をダラダラ話しちゃうんですね。その後俺は誰々を殺しに行った、とかとにかく説明。

アクションも銃撃戦のみで、体を使ったアクションは一切なし。まぁ殺し屋ですから銃だけで十分なんですけども。

このアクションもフランクが優秀過ぎてそこまでの危険もなく淡々と殺すばかり。一度捕まりますけどスリリングな展開には感じません。

 

 

何故同じ役者に。

最初こそですね、女医が精神鑑定を受けている、現場で唯一生き残っていてその場所では整形手術をしていた形跡があり、いやあなた医師免許剥奪されてるでしょ?ダメダメ!ちょっと異常だから分析しますってんで、事件の詳細を尋問するところから、フランクキッチンてダレ?って回想で始まるんですけども。

 

そこからミシェル姉さん、素っ裸で男を演じてるんですね。シャワーでひとっ風呂浴びて、カメラは彼女、いや彼の裸体を上から下へ映すんです。

そうするとまず胸がない。長い髪でうまく隠してるんかなぁと思ったらそうじゃなくてほんとに胸がない。そして大きな十字の傷が施されており、肝心のお股にはそれはそれは立派なヴィンディーゼル・・・じゃねえや、イチモツ様が振り子の法則にしたがってゆっさゆっさしてるわけです。

ここで思わず心の中でガッツポーズしたわけです。あ、これはおもしろい予感!!!

 

ミシェル姉さんも男の役を自分で演じるということで、頑張ってお顔に髭なんかつけちゃって、いつもより声のトーンも低くして頑張ってました。

なんだこの胸は!?って自分の胸鷲掴みにしたり、俺のイチモツはどこだ!?ってんで指ツッコんだりして落ち込む姿は、女なのに男の気持ちでうまく演技してたと思います。

あ、そうそうこのシーンはミシェル姉さんモロ全裸です。

なぜかうれしい気持ちにならなかったのは、タイプの女性ではないからか、ミシェル姉さんが本気で男になり切って演技してるからかはわかりません。とにかく俺の股間はうずきませんでした。

 

そんな体を張って男を演じたミシェル姉さんですが、やっぱり体つきは女ななのでシャワーシーンでも方のラインから背中の肉付きなんか逞しさは感じますが、やっぱり男特有のゴツゴツ感がない。

髭面も思いっきり男装している女性そのものでコント臭もする完成度。

 

やっぱりここはですね、男くさいロン毛のおっさんが、手術してミシェル姉さんに変わってしまうという方が、説得力あるなぁと。

そうすることでですね、ジェーンの医者として腕がものすごく伝わるというか、ジェーンアホすぎるだろ!というか。

サイコパスっぽくも見えないんですよねぇ。ジェーンが。

 

後はせっかく女性になったのだから色気を武器にして戦ってもいいと思うんです。

一応、敵に捕まってるときに、ぶっきらぼうな言葉で「おい、俺女なんだぜ、この胸も本物見たいだろ?下だってちゃんと機能してんだよ、一度試してみるか?」みたいなことを言って隙をつくんですけど、何つーかもろ男だから色気はほとんどないんですね。

一応手術して顔が変わってるのだから、女殺し屋として体を使って誘惑して殺すという手段をやるってのも面白いんじゃないかなぁと。

そしたらそこで混戦して、寝技決めたり拳で殴ったり見たいなアクションも生まれるだろうし、手下を一人一人同じパターンで殺してもそれは消化してるだけになってしまって物語がトーンダウンしてしまうわけで。

 

 

最後に

家族を殺された腹いせに女にさせられてしまった殺し屋。復讐を果たしていく過程で新たな家族を迎え入れ、別の人生を歩み始める物語。

ミシェル姉さんの体を張った演技と、元に戻ることができないが故の葛藤に拍手を送りたいですが、いかんせん話がシリアスで会話と説明の多いB級映画でした。

 

 

最初から最後まで愚痴っぱなしの感想になってしまいましたが、そこそこ期待してただけに残念でした。

というわけで以上!あざっした!!

 

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満足度☆☆☆★★★★★★★3/10

映画「ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!」感想ネタバレあり解説 ちゃんと金塊は海底にあります!

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1月12日

ネイビー・シールズ/ナチスの金塊を奪還せよ!

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正月からスカッとしそうなミッション型アクションムービーの登場です。

特殊部隊が戦争するんではなく、特殊部隊がお宝を奪うというトレジャーハンティングな内容。そして登場人物は曲者のニオイで、戦車つかって大砲撃ってやりたい放題!

楽しそうじゃないか!アガりそうじゃないか!

 何というか「エクスペンダブルズ」と「ナショナルトレジャー」を掛け合わせたようなお話なのでしょうか。とにかく今月の大穴作品で見る予定に入れましたが、予告を見る時点では非常に良さそうです。

というわけで早速観賞してきましたよ!!!

 

 

 

 

 

 

作品情報

高い水泳スキルで海や河川から隠密進入、陸では苛酷な環境にも対応し、パラシュートをつけ空中からの進入も可能、そんな陸海空どこからでも任務を遂行できる特殊部隊、それがネイビーシールズだ。

そんな彼らが、ナチスの秘宝が眠る場所へ8時間以内に奪還に挑むというアクションエンタテインメントを、3月に作品公開が控える「レオン/LEON」のリュック・ベッソンが製作と脚本に携わり、「イントゥ・ザ・ストーム」で注目を浴びた監督が手掛けた。

登場人物演じる俳優陣も本格的なトレーニングを重ねていくうちに絆も生まれ、ハードな撮影を乗り越えた作品となっている。

ド迫力なアクションと制限時間の迫るスリルを同時に味わえる、2018年正月にもってこいのお祭りアドベンチャー映画です!!

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ 

 

1995年、紛争末期のサラエボ。

強引かつ大胆な戦略で敵の将軍を拉致、敵に囲まれたら戦車で大暴走とやりたい放題のマット(サリバン・ステイプルトン)率いる5人のネイビーシールズ。上官のレヴィン少将(J.K.シモンズ)も手を焼く毎日。

そんな中、メンバーの一人が恋に落ちたウェイトレスから聞いた、湖に沈んだナチスの金塊・総額3億ドルの話。それさえあれば、戦争に苦しむ避難民を救うことが出来ると懇願され、5人も作戦を立てることに。

タイムリミットはわずか8時間。敵陣真っただ中にある湖の水深45mの湖底から、重さ27トンの金塊をどう運び出すのか? 彼らのとんでもない奇策とは!? 史上最強のアウトサイダーたちが挑む、前代未聞の奪還作戦、遂に始動!!(HPより抜粋)

 

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監督

今作を手掛けるのはスティーブン・クォーレ

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うん、裏方向きの顔ですね(失礼)。

 モンキーが彼の作品で唯一鑑賞済みの作品がこれ。

 

イントゥ・ザ・ストーム [Blu-ray]

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 アメリカの片田舎で超規模な竜巻が発生し、住民達を恐怖に陥れる様を臨場感溢れる映像でリアルに再現したパニックアドベンチャー。

90分という短い時間ながら、教頭とその息子達、竜巻を追うストームチェイサーを要所要所でPOVを入れながら描き、ちゃんとドラマとして成立してるのが素晴らしいです。

映像もかなり迫力あります。しがみついていないと体ごともっていかれ、家屋の屋根は吹っ飛び、炎まで食ってしまうことでとてつもない火柱へと変貌を遂げる。それがどこへ向かうのか予想もつかない。そんな臨場感溢れる映像が見事です。

巨大竜巻に巻き込まれることなんて、桃鉄のハリケーンボンビーくらいしか経験のない僕らにとって、ここまで脅威となることも想像できないし、あんなに街をめちゃくちゃにしてしまうものなのかと。

 

こんな作品を手掛けた監督ですから、今回も面白いに決まってると信じてます!

 

 

 

キャラクター紹介

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左上から。

  • マット・バーンズ(サリバン・ステイプルトン)・・・ならず者のネイビーシールズを束ね、冷静沈着で仲間思いなチームのリーダー。
  • スタントン・ベイカー(チャーリー・ビューリー)・・・チーム一の色男。恋人ララから金塊の話を聞く。
  • ララ・シミッチ(シルヴィア・フークス)・・・避難民を救うため、金塊奪還をチームに持ちかける。
  • ベン・モラン(ジョシュア・ヘンリー)・・・数学の天才。金塊の搬出方法を算出する。
  • カート・ダッフィー(ディアミッド・マルタ)・・・集められない資材はない、腕利きの調達屋。
  • ジャクソン・ポーター(ディミトリー・レオニダス)・・・重火器のエキスパート。通称JP。
  • ジム・レイニー(ユエン・ブレムナー)・・・海軍一のパイロット。腕もノリも最高。
  • ジェイコブ・レヴィン少将(J.K.シモンズ)・・・チームに手を焼きながらも信頼を置く、頼れる上司。

 

 

 

 

 

 

 

最強軍団の男達が一体どうやって海底から金塊を運ぶのか!彼らの暴走に期待膨らむ本作!

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

 感想

俺たちハミ出しネイビーシールズ!こっそり隠れて金塊見つけて街を救っちゃうぞ!

わかりやすい話だけどちょっとスケール小さくないか?そんなことは気にせず大きな期待をせずに観れば楽しいぞ! 

 以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怒涛のオープニング

ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中のサラエボ。そこで平和維持活動で派遣されたネイビーシールズたち。敵セルビア軍のペトロビッチ将軍を捕獲する任務を遂行するも、白昼堂々やりたい放題で、作戦は成功したものの上官にこっぴどく叱られ、追って処分を受けることに。

その間酒場の女性から聞いた海底に眠る金塊の話。これでサラエボの町を復興できる、だから協力してほしいという願いに、俺たちはここで何か成し遂げたのか?俺たちが本当にすることはこういうことなんじゃないのか?と自問自答を繰り返し、彼らは上官たちに内緒で極秘作戦を開始する。

しかし、将軍をさらったことで怒り心頭のセルビア人勢力が、彼らを血眼で探していたのだった・・・。

 

はい、つーわけでそこまで大きな期待はしていませんでしたが、鑑賞後の率直な感想としては、こんなもんだけどつまらなくはなかったし、そこそこ楽しめた!といったところでしょうか。

これきっと予算とかやり方によってはめっちゃエンタメ指向の大作映画にできるんだけど、時代背景が現代でもなければ第二次世界大戦とかでもない、一応大きな紛争での出来事だけど、イラク戦争や湾岸戦争とか我々が詳しく知るようなものではないから、中々設定を理解するのも難しいところ。

正直申し上げれば、そんな時代背景なんか全然無視しちゃってオッケーです。

なんてたって、「特殊部隊が金塊を探す」。これだけですからw

 

じゃあいきなり探し始めるのかってわけではありません。モノには順序ってものがあります。

  • どういう経緯で海底に金塊が眠ってしまったのか。
  • このネイビーシールズはどんだけの力やぶっ飛び具合なのか。

この辺をですね、ちゃ~んと丁寧に見せているのです。

 

で、やはりツカミは大事ってことでいきなり本作の見せ場がお出まし。それは「ペトロビッチ将軍誘拐作戦」。こいつを捕らえればこの紛争も終結に近づくという理由なのでしょう。

そんな極秘任務に我らがネイビーシールズの出番であります!

 

まずカートとスタントンが、将軍のインタビューと称し、報道員の恰好をして潜入。ゲートに着くや否や、「お前ら服を脱げ!!」と銃を突き付けられなんか隠してないか、部はないか入念にチェックされます。

ここでカートは星条旗柄のおパンツをはいてきてしまったことにちょっぴり後悔。おぉこういう細かいユーモア入れてくるのね?いいよいいよぉ~w

まぁそもそも報道のやつがこんなマッチョなバディってことに敵は何も感じないのか・・・。お前ひたすら不眠不休でこの紛争を取材してんのに偉いマッチョだな!怪しい!撃てぇ~っ!!

とか行かないよね映画だもんねw

 

その間、隊長とJP,ベンは川から潜入!おぉ!これぞネイビーシールズ!上で2人が将軍にインタビューしている間、一気に基地の裏手から地下へもぐりこみます。

そして爆弾を設置部屋に穴を開けてそこから将軍をかっさらっていくという魂胆です。

作戦は無事成功!さぁてとっとと引き上げだ!と思ったら川に敵が!

はいここからドンパチドンパチの大乱闘です!

 

訓練の成果なのか、こんなの朝飯前なのか敵を一発で仕留めるんだけど、敵はどんどん増えていきます。ここは空から援護してもらって逃げるしかない!と思ったら直ぐ来れないって!マジかよどうする隊長!!

 

なかなか追っ手を撒くことができないネイビーシールズ!気持ちもネイビーってか?何だ気持ちがネイビーって。淡いんか、なぁ淡いんか。意味わからん。

倉庫へ避難すると戦車あんじゃん。ここで隊長、わ~お、これいいぢゃん!ニヤリ!

 

はい壁ぶっこわしてどおおぉ~ん!ある意味これも壁ドン!と戦車で反撃開始!

隊長戦車操縦できんすか!あぁ?操縦したことねーよ!でも俺ならできる!頼もしいっす隊長!!!とりあえずね、JPちゃん、あの鉄塔倒しちゃおうか、イエッサー!!いくぜ!ちゅどーーーんっ!!はい、後ろの敵全滅~っ!

モンキー的になぜかここは「特攻野郎Aチーム」のテーマが脳内を駆け巡るのでありました。

 

てな具合で、来る敵来る敵大砲ぶっ放してガンガン進んでいきます。

しかし前方に敵が待ち構えており、橋の上で挟み撃ちになってしまいます。どうするんだ隊長!よし!大砲を10時の方角へ!な、なんて?こうなったら川へ飛び込むのさ!泳いで逃げるぜいいなっ!イエッサー!!

ちょっと待って!捕まえて眠らせた将軍を川にいれたらどうやって呼吸するのさ!

そんな細かいことは忘れてこの窮地を楽しもうじゃないか!

 

てな具合で川を泳ぎボートを奪い、何とか撒いて、養鶏車と共に基地へ到着。

少将!任務完了です!!

 

 

はい、こんな具合で序盤はスリリングでアクション満載。僕らのハートを鷲掴みにしてくれます。

ただ残念ながらこれを超えるアクション映像はこの後ありませんwオープニングがピークです。

 

 

Jkシモンズのアメとムチ

 

ぶぁ、ぶぁ、ぶぁかもおおおぉ~~~~~んっっっ!!!

 

無事将軍をさらってきたのに、上官である少将にこっぴどく怒られるシールズ。

 

いいか、俺はな、将軍をさらって来いといったんだ!誰が戦車乗り回して街を破壊してこいって頼んだっ!!あぁん!

そんなに怒ってばっかじゃ血圧あがっちゃうぜ少将?と心の中で何人が思ったのか、いやきっと誰も思ってないだろう。早くこの説教終わってくれとシールズの誰もが思ってるに違いない。

 

お前らな、俺がこの後始末をどれだけ根回しして穏便に済ませてると思ってるんだ!感謝しろ!ったく、とりあえず処分は追って報告するからそれまで休め!

お、ちょっと待て。これ持ってけ。全員分あるぞ。とりあえず今日は飲め!

と隊員全員分のウイスキーを渡して労う少将。

 

何だよ!!優しいじゃねえか少将!!!

 

そうです、ここんとこ怒鳴り散らしてばかりの役(いや昔っからそんなのばかりだったけど)が多いJKシモンズですが、今回はちゃんとアメとムチをつかいわけてめっちゃカッコイイ上官を演じています。

上にも書いたように、とにかく暴れまわる部下たちをまずはめいいっぱい叱るんです。で、とりあえず言いたいことをしっかり言ったあと、ちゃんとフォローも怠ることなく彼らを褒めるんですね。

 

序盤の説教では、これで任務の疲れを癒せとばかりにウイスキーをプレゼントし、処分の結果が帰国ということで、よかったなお前ら命があってというニュアンスの言葉で彼らを讃え、彼らがピンチだと分かった瞬間彼の権力で援護を送り、ラストではめっちゃ粋なことをしてくれます。

もちろんこの直前までは、隊員たちをめっちゃ叱るんですけどねwバカヤローコノヤロー何勝手なことしてんだアホンダラッ!!って具合に。

 

まぁこれがJKシモンズだから逆にウケるんですね。なぜかって、「スパイダーマン」の編集長の時も、「セッション」での鬼教師でも、または「ララランド」のチョイ役でのクラブのオーナーでも、とにかく「クビだっ!」とか「ファッキンテンポっ!!」とか罵りまくってますからw

それをわかったうえで、この役をやってると妙にツボです。何というか彼以外がこの役をやると説得力がないです。おそらく。それくらいこの少将を演じたJKシモンズ、かっこいい、いやオイシイです。

 

 

中盤からはトーンダウン

この調子で、荒くれ者的な感じでバカみたいに暴れまくってくれたらいいんですが、どうもそれ以降はもたもたした展開が続きます。スタントンと町の娘ララとの水中デート、どうやって金塊を盗むかをサクッと見せずに右往左往してしまう件、突然命じられる帰国命令、で、これがタイムリミットってわけでもない。

極めつけは、なぜ海底に金塊が眠っているかという回想シーン。

 

これはララのおじいちゃんの少年期、つまり第二次世界大戦の頃に町の住民たちを大虐殺をして、そこに金塊を隠そうとしていたという事実が明かされ、そのナチス軍を全滅させようとダムを爆発して決壊させ、町ごと水没させた、というものだったんですが、なぜかこれをちょっとお涙頂戴的なテイストで描いてるんですね。

史実に基づくのかどうかはわかりませんが、ここはもうナチスが金塊隠したってことだけでおバカな雰囲気を貫いてほしかったですね。

 

あと途中で隊長がなぜ独身なのか過去に何があったのかを説明するシーンがありますが、それが明かされたことで何か物語に味付けが加わるのかというと、そうでもない。変に物語の雰囲気を変える程度のもので、だったらこれもおバカらしく貫いてほしかったですね。

 

 

で肝心の強奪作戦なんですが、やっぱりピンチは訪れます。それも水中で。そう水中でアクションする場合、普段よりスピードが落ちるので編集や音楽でうまく見せないとめっちゃピンチのはずが大したことないように映ってしまいます。

 

ここが非常にもったいない流れで、一つ一つのシーンだけで考えるとよくできてはいたんです。水中で敵が何人かやってきて、これぞネイビーシールズ!ってな感じでいとも簡単にやっつけるんですね。殴っても効果あるのかわからないからナイフなんか出してそれを交わして奪って逆に刺し殺す。こんな感じで。

これをうまくスピーディーに見せていたし、手榴弾を落として爆風で海底の建物が崩れていく中でどうやって金塊を水面に上げるか、酸素ボンベの残圧が残りわずかの中、この危機をどうやって脱するかって色々ヤバイ状況を作れていたので、結構スリル合ったんですが、この要素をうまく使えずにあっさり事が片付いてしまう展開。

 

やはり敵が手榴弾しか持ってないのがまずおかしくてランチャーやらバズーカぶっ放して大爆破して、隊員たちがもっとピンチな状況を作ってほしかったし、ボンベの残りがわずかな中で奴らが攻めてきて苦しい状況の中で、ネイビーシールズの本気を見せてほしかった。

要は危機的状況を劇的に回避するような描写が弱かったんですね。

 

後はやっぱりオープニングのド派手な破壊シーンと比較してしまうから、この水中戦が弱いんですね。夜ってのも大きいかな。

 

 

 

最後に

時代背景が分からないって人はですね、このツイートを見てください。非常にわかりやすく4コマで教えてくれます。

 

 

過度に期待を寄せて見に行くと残念に感じますが、頭空っぽで観て、細かいとこツッコまなければ非常に楽しく鑑賞できます。単純明解ですし。

あとあれです、ゴリゴリの男たちの中に混ざって、ララ演じるシルヴィア・フークスの美しさがマジでこの映画のオアシスです。「ブレードランナー2049」のラブの時と全然印象が違います。こんなの俺だって頼まれたら金塊獲りに潜るってんだい!だろ?男どもよ!

 

てなわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

Twitterユーザー500人が教えてくれた「女性が元気になれる映画」ランキング

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Twitterユーザー500人が教えてくれた「女性が元気になれる映画」ランキング

 

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はいどうも~モンキーです。

 

いつも新作映画の感想を書いてるんですが、今回は嗜好を変えまして企画記事です。

その名も「Twitterユーザーが教えてくれた『女性が元気になれる映画』」!!

仕事に恋愛におしゃれに子育てに毎日忙しく過ごしている女性の皆さんを労うための、僕からのささやかなプレゼンテーションなんですが。

実は元から企画して目論んでってわけではなくて、個人のちょっとした事情から生まれたものなんです。

 

 

 

色々突っ込みたいことも多いかと思います。なぜ男性じゃないのかとか、いやお前!映画の感想ばっか書いてるなら、映画詳しいんとちゃうんかいっ!!とか、Twitterユーザー500人から教えてもらったって少なくない?とか。

是非このようなツッコミはこらえて頂いて、詳しい経緯を読んで頂いてからランキングを読んで頂けたらと思います。

その辺のまとめ記事よりちゃんとしてると思います。まず僕目線じゃないですから。みんなが教えてくれたんだから。

 

 

 

 

 

 

ことの始まり

 僕がお世話になってる女性が入院することになりまして。

もちろん手術をすればぜんぜん問題ないものなんですが、その人にとって初めての大きな病気、初めての入院、初めての手術ということに加え、非常にメンタルの弱い方でして。

誰かといるときは平静を保てるそうなんですが、1人になるととてつもなく恐怖と悲しさがこみ上げてきて耐えられないとのことで、そんな気持ちを紛らわすために、または勇気付けてもらうために、「女性が元気になれる映画」を探していたわけです。

 

で、バカみたいに映画を見てる僕に相談してきたので、パパッとオススメの映画を教えることができるかなぁと思ったら、意外と出てこない・・・。

あれ・・・どうしよう・・・と。

しかも条件がありまして、

  • 入院中気持ちが滅入らない作品
  • 病気・死を連想させるものはNG

てことと、入院までの時間、それから入院中含めてかなり時間があるので、それ相応の本数を挙げないといけない。

それプラス以前から「女性がお仕事で活躍する映画」にハマってたそうで、それ系の映画は既にススメており、それを省くとホントに出てこなかったんですね。

 

その日は保留にさせてもらって、後日Twitterでこんなツイートをしてみたんです。

 

ツイート当初はフォロワーさんからちょこちょこリプをいただいて、一人一人丁寧にお返事してたんですけど、あれよあれよですんげー拡散されまして。

結果約500名(※Facebookなどの他SNSも含む)の方から映画を薦めていただいた訳です。

 

で、最初こそ、こういうことをブログに書くのってどうなんだろうって躊躇していたんですが、これだけの声を無駄にするのはもったいない、これを他の人にも参考にしてもらえないだろうか、という答えに行きつき、ブログに書いて読んでもらおうと。

 

相手の方を気遣う言葉や、作品の見所の詳細を細かくメモ帳に貼り付けて教えてくれたり、Youtubeで予告を貼ってくれたりと、様々な形で教えていただきました。

ここまで反響があると思っておらず、全部お返事すると自分の生活に影響が出るのと、一通り数が揃ったこともあり、途中でお返事しなかった方が数多くいらっしゃるんですが、この場を借りて感謝を申し上げます。本当にありがとうございます!!

 

 

というわけで前置きが長くなりましたが、皆さんから教えてもらった作品を、票数の多かった上位20位まで発表したいと思います!!!

あ、一応ですね。全部で約350作品ありました!!!スゲェッ!!!

 

 

ではどうぞ!!

 

 

 

 

 

票数の少ない作品の中で気になった作品たち

 んだよっ!もったいぶるなぁ!

なんて思わず、票数が少なかったけど、モンキー的にも見てみたい!って思った作品をちょこっと紹介したいと思います。

 

マルタの優しい刺繍

 

マルタのやさしい刺繍 [DVD]

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  • 解説

 夫に先立たれて生きる気力をなくしたおばあさんが、若い頃に見た夢を実現しようと奮闘する、スイスのヒューマンコメディ。

  • Twitterユーザーからのコメント

・年を取ることが前向きになれる

・タイトルに優しいと入ってるのに全然優しくないwおばあちゃんが大復活!

  •  ひとこと

タイトルこそ知ってはいたのですが、そんな話なのか!と。ヨーロッパ映画というのも中々薦められないと手を伸ばさないっていうのもあり見てみたいと思いました。

 

 

こねこ

 

こねこ [DVD]

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  •  解説

子猫と家族のふれあいをさわやかに描いたドラマ。大都会に迷い込んだこねこと仲間たちの冒険の物語。

  • Twitterユーザーからのコメント

・ネコがひたすらかわいいので、ほぼ全ての人が元気になれると思います。

  • ひとこと

予告編を見た途端、犬派の僕でさえ、「ニャンだっ!この可愛さはっ!!これは映画ニャのか!」と発狂しました。

 

フォロー・ミー

 

フォロー・ミー【Blu-ray】

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  •  解説

夫婦の些細な疑惑から訪れる危機までのなかで、私立探偵が彼らを修復していくロマンティックラブストーリー。

 

  • Twitterユーザーからのコメント

・元気になるかはわかりませんが気が滅入ることはないと断言できる作品です。

  • ひとこと

実はレンタルビデオ店員時代から気にはなっていた作品。今回教えていただいたのを機に見てみたいと思いました。

 

バグダッド・カフェ

 

バグダッド・カフェ 完全版 [DVD]

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  •  解説

寂れたモーテルでの切り盛りに嫌気がさした女性。だが訪れた女性客によってそこはオアシスへと変わって行く。た女同士の友情の物語。

 

  • Twitterユーザーからのコメント

・見終わった後の気持ちがとても穏やかになった。

  • ひとこと

これも未見だったのと、前から気になってた作品。女性の友情をテーマにした作品をあまり見ていないのもあり、今回非常に興味を持ちました。

 

アタック・ナンバーハーフ

 

 

アタック・ナンバーハーフ〈デラックス版〉 [DVD]

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  •  解説

オカマのバレーボール選手達が国体を目指す実話を基にしたタイのコメディ。

  • Twittwerユーザーからのコメント

・笑えて前向きになれる。

  • ひとこと

これも知ってはいたけど当時完全スルーしていた作品。どうやら続編もあるみたいなので、観賞後面白かったら続編にも手を出してみたいところ。

 

 

ランキング発表

 

ハイ、ここから本番です。では、20位からどうぞ!!

 

 20位~11位

第20位 タイピスト! 7票

 

タイピスト!(吹替版)

タイピスト!(吹替版)

 
  •   解説

 1950年代のフランスを舞台に、保険会社で働く女性秘書が、上司の徹底的指導の下、世界早撃ちタイプライター選手権で優勝を目指し挑んでいくロマコメ映画。

  • Twitterユーザーからのコメント

 ・オシャレでかわいくて主人公がひたむきに頑張る姿に元気がもらえる!

・かわいく見せかけたスポ根モノなのでとっつきやすい。

 

  • ひとこと

これは僕も大好きな作品。

お互い思いあってるのに、社長と秘書の関係以上に、またコーチと選手の関係以上になれない二人のもどかしさに王道ラブストーリーの要素をいれながら、がっつりスポ根モノとしてテンションも上がる!そんないい素材しかない元気になれる映画です。

 

 

第19位 川の底からこんにちは 7票

 

川の底からこんにちは [DVD]

川の底からこんにちは [DVD]

 
  •  解説

 妥協を重ねたことで「中の下」まで落ちた女性が、どん底を迎えたことで開き直り、逆境に立ち向かっていく姿をオフビートなユーモアでつづった1作。

  • Twitterユーザーからのコメント

・最初から最後まで見ていて元気になれた!

・♪しーじみの、パック詰め~♪しじみのパック詰め~♪と歌いたくなりますw

  • ひとこと

 モンキーはこれ見てないんですが、当時勤めていたレンタルビデオ店でも同僚のススメもあって高回転だったのを憶えています。ジャケットに載っている衛生服を着て口を魚のように開けている満島ひかりの姿が、この作品のユーモラスな部分を映しているのではないでしょうか。

 

 

第18位 お買い物中毒な私 7票

 

  • 解説

 カード限度額を超えてまで買い物に夢中な女性が、持ち前のポジティブ精神で切り抜けていく様と、突円訪れる恋の行方を描くロマンティックコメディ。

  • Twitterユーザーからのコメント

 ・途中ビターなとこもありながら、笑えるしハッピーになる。

・色使いも主人公も破天荒で元気が出る!

  • ひとこと

 ストレス発散をするために服を衝動買い!なんて女性も多いはず。この映画はそんな買い物しすぎなこじらせ女子の奮闘ぶりがかわいいです。プロデューサーもジェリーブラッカイマーということでめちゃめちゃご都合主義なお話ではありますが、深く考えず彼女に身を任せて楽しめる映画だと思います。

 

 

第17位 マダム・イン・ニューヨーク 8票 

 

  •  解説

 家族のために人生をささげてきたインド人主婦が、英会話教室に通い始めることで人生の新たな喜びを見出していくヒューマンドラマ。

  • Twitterユーザーからのコメント

 ・元気出ること間違いなし!

・迷いながらも一歩ずつ自分の世界を広げていくところが素敵です。

  • ひとこと

 家族のためにあれこれやっていても果たして感謝されているのか。私を尊重してくれているのか。そんな思いを抱えている方にはお勧めの作品ではないでしょうか。

今回の件をきっかけに鑑賞したんですが、しっかりインド映画でのお決まりのアレを入れて楽しくさせながらも、新しいことに挑戦したことで、今までの古い生活の意味を教えてくれる映画だと思います。

そしてほんと英語を学びたいなぁとも感じてしまうステキな作品です。

 

第16位 ホリデイ 8票

 

ホリデイ (吹替版)

ホリデイ (吹替版)

 
  •  解説

 アメリカとイギリスに暮らす2人の女性が、クリスマス休暇だけ互いの家を交換し、それぞれ運命の恋人と出会っていくロマンティックコメディ。

  • Twitterユーザーからのコメント

・とてもほっこりした恋愛映画。仕事休んだ時こそ観ると元気になれる!

  • ひとこと

 こちらも今回の件をきっかけに鑑賞。非常にオトナでステキなお話です。

ナンシーマイヤーズ監督は基本エンタメ路線でラブストーリーを描いてくれるので楽しく見れるし、あとは古い物や人に対してのリスペクトも忘れない。そういう部分に非常に好感を持てる映画でしたし、何よりこの頃のキャメロンディアスはかわいいw

 仕事に恋に疲れたらこれを観てリフレッシュできる映画なのではないでしょうか。

 

第15位 シェフ 三ツ星フードトラック始めました 8票

 

  •  解説

 ちょっとした怒りから務めていたレストランを首になってしまった料理人が、キューバサンドと出会ったことで移動販売で大陸横断を目指しながら、家族の絆を取り戻していくヒューマンコメディ。

  • Twitterユーザーからのコメント

 ・決して滅入らない。お腹は空くけど。

・悪者を作ろうとしてないところがいい。

  • ひとこと

 とにかく見てる途中でお腹が空いてしまうのは当たり前。劇場で鑑賞後キューバサンド無性に食べたくなったんだけど、どこにもないからドトールのミラノサンドで我慢した記憶があります。

そして父と息子の関係が少しづつ深まっていく描写がうまいし、Twitterを多用していること、そして音楽がすごく良い!そんな全部いいとこどりの映画です。ジョン・ファヴローモテ過ぎってのがちょっとやりすぎw

 

 

第14位 エリン・ブロコビッチ 8票

 

  •  解説

巨大企業相手に訴訟を起こし勝利した実在の人物、エリン・ブロコビッチの活躍を描いたヒューマンドラマ。

  • Twitterユーザーからのコメント

 ・悪事は必ず暴かれる!圧巻です!

・弱ってた時見てたけど力強さもらえた映画です。

  • ひとこと

学歴もない、仕事もない、夫もいない、そんな崖っぷち女にあるのは、寄せた胸とガッツだけ!やはり女性は強いんだということを思い知らされるし、なんつってもこの役を演じたジュリア・ロバーツの逞しさが素晴らしい!実はアーロン・エッカートもフリーダムなイケメンでグッドです!

 

第13位 スウィングガールズ 8票

 

スウィングガールズ [Blu-ray]

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  •  解説

 ひょんなことからブラスバンド部でスウィング・ジャズを演奏することになり、徐々にその世界のとりこになっていく女子高生たちの青春物語。

  • Twitterユーザーからのコメント

 

  • ひとこと

 すべての人間は2種類に分けられる、スウィングする者としない者だ!という名ゼリフを残し、日本全国スウィング旋風を巻き起こした青春映画の傑作であります。話は単純で楽器も弾いたことない、学校生活も満喫してない、サボってなんぼの女子高生たちが、ブラスバンド部にしてしまった責任と、充実したスクールライフをスウィングジャズによってつかんでいく最高の物語なのです。

音楽にはちとうるさいモンキーですが、このリズムこそ元気にさせてくれる要因で、劇中で高橋一生が表でリズムをとる観客に気持ち悪さを感じ、一人裏のリズムで手拍子をすることで会場全員も裏でリズムをとる件があります。

ここが一番盛り上がるシーンなんですが、要はこの手の楽曲って裏拍を意識して音楽を聴くと、自然に心も弾む=元気になる=スキップしたくなる=空も飛べるはずってな感じになるわけで、そういう意味でもこの映画は元気なれる作品として十分に効果のある作品なんだ!ってことが言いたかっただけです。はい。

 そういう意味では岡本喜八監督の「ジャズ大名」とかもモンキー的には元気になれるかな。バカバカしいしw

 

 

第12位 かもめ食堂 9票

 

かもめ食堂

かもめ食堂

 
  •  解説

 フィンランドのヘルシンキを舞台に、3人の日本人女性と地元の人たちの交流を緩やかな流れの中で綴っていく、心温まるコメディドラマ。

  • Twitterユーザーからのコメント

 ・もたいまさこの演技にクスッとするし、おいしそうな食事がたくさん出てくるので元気になれます。

・この映画を見て食欲が湧いた。

  • ひとこと

荻上尚子監督作品は、「彼らが本気で編むときは、」ではじめて鑑賞し、そのオフビートなユーモアを堪能させてもらったこともあり、いつか過去作も見ようと思って未だ見れてないんですが、監督作品の中ではこれが一番有名ですよね。

その「彼らが本気で編むときは、」でも「かもめ食堂」同様、フードコーディネーターの飯島奈美さんが料理を担当しており、監督はきっと料理を映すということをとても重要視しているんだと思います。

 だからこれを見ればきっとお腹が空いて元気になれるって方のコメントが理解できますね。

 

 

第11位 ドリーム 10票

 

ドリーム (吹替版)

ドリーム (吹替版)

 
  •  解説

 NASAの「マーキュリー計画」を陰で支えた3人の黒人女性数学者の知られざる活躍を、心地よいソウルナンバーと、色鮮やかなファッションで彩り、見るものに感動を与えるヒューマンドラマ。

  • Twitterユーザーからのコメント

 ・女性が活躍していてすっきりする!

・芯が強くて自分で人生を切り開いていくからオススメ!

  • ひとこと

 去年話題になった作品が早くも「元気になれる映画」にランクするとは!

どちらかというと人種差別が色濃く出た話ですが、自分の力を周りから認めてもらい活躍していくという点でも楽しめるし、明日への活力の源になってくれますよね。

とりあえずですね、「肌の色は違くても、おしっこの色は一緒だ!!」ですw

僕の感想についてはこちらでどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

10位~1位 

第10位 魔法にかけられて 10票

 

魔法にかけられて (吹替版)

魔法にかけられて (吹替版)

 
  •  解説

 魔女に騙され、おとぎの国から現実世界へ追放されたプリンセスの大騒動を、ディズニーの自虐ネタをふんだんに取り入れ、アニメと実写の融合を実現させたファンタジックコメディ。

  • Twitterユーザーからのコメント

 

  • ひとこと

 なんでしょう、ほんとこの手のジャンルはほとんど見ていないわけで、これも実は見てません・・・。

みんな大好きディズニーが、セルフパロディとしてプリンセスの大騒動を描いたのであれば、絶対楽しい映画なんだろうなぁというのがうかがえます。

 

 

第9位 南極料理人 10票

 

南極料理人

南極料理人

 
  •  解説

 南極の地で観測隊として男8人が共同生活していく中で、代り映えのない日常生活に少しでも潤いを与えようと、調理担当が限られた食材で隊員たちをもてなしていき、喜怒哀楽様々な人間模様を、その料理とともに優しいタッチで描いたコメディドラマ。

  • Twitterユーザーからのコメント

・美味しそうな御飯がたくさん出てきてほっこりする!

・のんびりした内容ですが、堺雅人が作る料理がすべて美味しそう!

  • ひとこと

 これはもうジャンル関係なく鉄板のおすすめ映画です。モンキーも太鼓判ですw

あたり一面白銀の世界。周りにはいつも同じメンツ。しかも全員男!仕事以外で楽しみなのはメシしかないわけです。そんな彼らの乾いた生活をちょっとでも楽しくしようと、堺雅人演じる主人公が腕のよりをかけて毎日おいしいご飯を作ってもてなす。これだけでなんか元気になれるし、クセがすごい登場人物たちも物語を楽しくさせてくれます。

とりあえずこれを見て学んでもらいたいのは、伊勢海老はフライにしちゃダメですw

 

第8位 ピッチパーフェクト 10票

 

  •  解説

 渋々入った大学でアカペラ部に入部したヒロインを中心に、個性的な面々が衝突しながらも絆を深め成長していく姿を、本格的な迫力あるアカペラや、かっこいいパフォーマンス、そして過激な下ネタも飛び出す学園音楽コメディ。

  • Twitterユーザーからのコメント

 ・歌が好きなら楽しめる。

・続編もあるからそっちも見てほしい!

・キャストさんの歌唱力が素晴らしい!

  • ひとこと

 海外TVドラマ「glee」を思わせる極上のアカペラが魅力の映画です。それに加え、ひとくせもふたくせもあるメンバーが笑わせてくれます!

主演のアナ・ケンドリックが劇中で「カップス」をやってるのでそちらも必見です。

 

第7位 バーレスク 16票

 

バーレスク(字幕版)

バーレスク(字幕版)

 
  •  解説

 スターを夢見るヒロインと、ショー・クラブの再建を目指す人々との人間模様を、華麗で迫力あるパフォーマンスとともに描くミュージカルドラマ。

  • Twitterユーザーからのコメント

・ストーリーはシンプルなので疲れることもなく、パワフルな歌とダンスですっきりできる。

・赤いヒールで踊りたくなる。

  • ひとこと

 これも今回の件をきっかけに鑑賞。

とにかくシェールとクリスティーナアギレラの伸びのあるパワフルな歌声と、セクシーなダンスに魅了される、カッコイイ女性の物語だと思います。

ライバル役の女性がどっかで見たことあると思ったら、「ヴェロニカマーズ」のクステン・ベルだったのも驚き。

信じていれば夢はかなう、なんて使い古した言葉ですが、それを体現する主人公を見てるだけで元気になれる映画だったのではないでしょうか。

 

第6位 キューティーブロンド 20票

 

キューティ・ブロンド 1 & 2 ダブルパック [DVD]

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  •  解説

 陽気で天然ブロンド美人の主人公が、持ち前のガッツとボジティブシンキングで、目標に向かって突き進んでいくコメディドラマ。

  • Twitterユーザーからのコメント

・とにかくおバカでカワイイ

・オシャレでかわいくて元気になれる!

・弁護士を目指す女の子の話でスカッとする

  • ひとこと

 これ未見なんですが、多くの方からご支持をいただいたロマコメ映画です。

続編もあるくらいですし、当時勤めていたレンタルビデオ店でも多くの女性がレンタルしていた記憶があります。

モンキー的にはリースウィザースプーンが苦手ってのがあるんですが、彼女の代表作ですし、これを機に鑑賞して見ようと思います。

 

第5位 マンマ・ミーア! 20票

 

マンマ・ミーア!(字幕版)

マンマ・ミーア!(字幕版)

 
  •  解説

 人気ポップグループ「ABBA]のヒットナンバーにのせて構成された傑作ミュージカルを映画にしたロマンティックコメディ。ギリシャのリゾート地を舞台に、結婚式を目前に控えた娘と突如現れた父と名乗る3人の男性、そして母を巡っての1日を歌と踊りで楽しく描く。

  • Twitterユーザーからのコメント

・ABBAの歌が好きなら最高の映画!

・無条件にものすごく元気が出る!

・音楽も秀逸で画面も明るく繰り返し観られる!

  • ひとこと

 アマンダ・セイフライドの笑顔を見るだけでも元気が出るし、メリル・ストリープのパワフルな歌もいい。そしてナイスミドルな3人の父親候補もステキ。それ以上に美しいギリシャをバックにキャスト全員が「ダンシング・クイーン」や「マンマミーア」、

「Gimme!Gimme!Gimme!」、「Money、Money、Money」、「チキチータ」といった往年のヒット曲を歌い踊るシーンはどれも心をウキウキさせるものばかり。

これは僕もおすすめの元気が出る映画です。

 

第4位 マイ・インターン 23票

 

マイ・インターン(吹替版)

マイ・インターン(吹替版)

 
  •  解説

 ファッションサイトを運営する女社長が、文化も考えも違う70歳のインターンに戸惑いながらも、彼の振る舞いやアドバイスによって次第に絆が芽生えてくるハートフルコメディ。

  • Twitterユーザーからのコメント

・仕事や人間観っ形に疲れた時にこれを観て、明日も頑張ろうと思えます。

・ロバートデニーロが最高です!

・アン・ハサウェイだけでなくデニーロに勇気をもらえます。

  • ひとこと

これはアンハサウェイが主役何ではなくて、デニーロが主役なんですよね。日本ではアンハサウェイを前面にした方が女性の集客が見込めるということでこのタイトルになったと思うんですが。

仕事と家庭を両立する完璧な女性社長。だけど悩みは尽きない。そんな彼女の前にあr割れた一人の老人インターンによって職場や家庭での問題が解消されていく様を、これまたフェミニズム映画の伝道師ナンシーマイヤーズ監督が見事なエンタメドラマに仕上げています。

何事も今を楽しむことを忘れないデニーロ演じるインターンの生き様に元気がもらえる映画だと思います。

 

 

第3位 天使にラブソングを・・・ 25票

 

  •  解説

 ウーピーゴールドバーグの人気を不動にしたミュージックコメディ。とある殺人現場を見てしまったことで命を狙われる羽目になってしまった売れないクラブ歌手が匿ってもらった修道院で聖歌隊をゴスペルチックに改造していく。

  • Twitterユーザーからのコメント

・何度借りても何回リピートしても見てしまう。

・元気なれれる映画でこれはハズせない!

  • ひとこと

一応お題が「死や病気を連想させるものがNG」ってことだったんで、大体の方が1よりも2を薦めてくださったんですが、これは1も2もどちらも元気が出る映画だと思います。

ゴスペルってリズムも大事だけど、歌い手の圧倒的なパワフルボイスも大事で、そういう意味ではこの映画はストーリーもそうだけど音楽面でも非常に元気になれる要素が多い作品なんだと思います。

音楽は偉大です。 

 

第2位 ヘアスプレー 31票

 

ヘアスプレー (吹替版)

ヘアスプレー (吹替版)

 
  •  解説

 差別や偏見がまだ色濃かった60年代のボルチモア地方を舞台に、人気TV番組のダンサーを目指す女子高生を中心に描くミュージカルドラマ。

  • Twitterユーザーからのコメント

・キレイになって見返すのではなく、ありのままの自分を好きなってもらう映画。

・ダンスや歌がとにかく楽しい!

・明るく芯のある主人公に励まされます。

 

  • ひとこと

こちらも今回の件をきっかけに鑑賞。見た目や偏見で差別などしない主人公がやがて町全体を変えていくステキなミュージカルです。

彼女もまた魅力的ですが、彼女の母親を演じたジョン・トラヴォルタもある意味魅力的w人ひとつの所作というか仕草がめっちゃ女性的なのがさすが役者だなぁと感心してしまったし、あの体でダンスもしっかり踊れるのか!という部分も見てて感じました。

お話の方も、黒人が差別される時代の中で、ぽっちゃりな女子高生がその境界線を何の躊躇もなくぶっ壊していく様は爽快ですし、ザックエフロンが惚れてしまうのもわかるなぁと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして栄光の第1位は!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1位 プラダを着た悪魔 39票

 

プラダを着た悪魔 (字幕版)

プラダを着た悪魔 (字幕版)

 
  •  解説

ひょんなことから一流ファッション雑誌で働くことになった主人公が、鬼上司に振り回されながらも恋に仕事に奮闘し本当の自分を見出していく姿をユーモラスに描いたコメディドラマ。 

  • Twitterユーザーからのコメント

・アンハサウェイがどんどんキレイになって、キャリアアップしていくので女子力が上がります。

・オシャレして高いヒール履いて仕事頑張る女性がカッコよく見える。

・私も元気がない時に繰り返し観ています。

・目まぐるしく変わる衣装にワクワク!

  • ひとこと

 堂々の1位はもはや女性が元気なれる映画以上に、女性におすすめの映画といっても過言ではない作品ですね。

 なんだかんだで女性は恋も仕事もどっちも成功したいんですよね。最初こそ冴えない主人公ですが、見違えるほど美しくなって仕事もバリバリこなしていく姿に、みんな見惚れてしまうのもわかります。

そういう意味で、これぞ今の私を応援してくれる、明日からまた頑張れる映画としてみんなから愛されているのではないでしょうか。

主題歌の「Suddenly I See」も映画に合ってるし、モンキー的には、彼女をサポートするスタンリートゥッチが印象的。彼の役めっちゃ切ないじゃん。

 

 

 

次点

 チャーリーズ・エンジェル

 

コヨーテ・アグリー

 

コヨーテ・アグリー(吹替版)
 

 

 

 

 

 

最後に

 はい、というわけでこんなランキングになりました。

傾向を見てみると、やはりミュージカル映画や音楽がテーマの映画は非常に元気になれる映画として好ましく、またアンハサウェイはこの手のジャンルにはうってつけの女優というのも見て取れるのかなぁと。あとは、メシがテーマの映画もみんな好んで推してくれる。これ見てお腹が空いて元気になれるって最高じゃん。

 

 そしてTwittterで頂いて分かったのですが、この手の作品て俺全然見てない・・・。

東京の片隅で映画の感想書いてるくせに、俺ってまだまだだなぁと。

 

でもってみんなすごく映画見てんじゃん!!!これが何よりうれしかった!350作品も挙げてくれたんですよ!ちゃんとみんな映画見てるんだなぁと。映画館に足を運ぶ人は減ってしまってるけど、日常生活において映画ってまだまだ需要あるんだなと改めて感じました。

 

 そしてお相手の方ですが、先日皆さんからいただいた作品の中から選別してリストをお渡ししました。貸したDVDの中にこっそり入れて。見つけた途端嬉しくて泣いてしまったそうです。

ま、まぁ、見つけてくれて、よ、よかったですよ、とにかく。ね。

これも皆さんの「やさしさ」がもたらした小さな感動だと思います。本当に感謝しております。

僕もこの記事で元気になりたい人の力になれればと思っております。

 

というわけで以上!あざっした!!

映画「パディントン2」感想ネタバレあり解説 彼が会釈をするだけで街は華やぐ。

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1月19日

パディントン2

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甲: あ?なんだって?それアレだろ?あの~「きかんしゃトーマス」の~新しい版みたいなの。

乙:それは「チャギントン」。乗り物じゃないから・・・。

甲:あ~あれだ!この前買った時計のことだっ!ジャズマスター!

乙:それは「ハミルトン」。付けるモノじゃないから・・・。

甲:え~じゃあの人か!あのぉ~俺の好きな「大脱走」とかぁ、「荒野の七人」とかぁ、ああとあれだ!「狼よさらば」とかぁ・・・、

乙:それはチャールズ「ブロンソン」。モノじゃなくなったね・・・。動物だよ動物!

甲:え?なに動物なの?おし今度こそわかったっ!!あれだ!5人組の!ふら~いあげ~いん♪イエッ♪イエッ♪ってやつ!

乙:・・・・・・それは「MAN WITH A MISSION」。もう!最後の「ン」しかしか合ってないよ!

 

はい。

というわけで、今回TV放送で前作を観賞したことで、なぜオレはこれを劇場でスルーしてしまったんだっ!!!めっちゃ楽しい映画じゃねえか!!子供向け映画だと思ってたよ!大人でも十分笑って泣けるじゃねえかよ!!

と後悔し、続編は必ず劇場で見ようと堅く心に誓った「パディントン2」が公開です。

 

今回はどんな騒動を巻き起こすのでしょうか。非常に楽しみです。

というわけで早速鑑賞して来ましたよ!!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

おっちょこちょいだけど誰に対しても親切で礼儀正しい、どんなときも挨拶と感謝を忘れない“紳士”なクマ・パディントン。

ペルーからロンドンへとたどり着き、ブラウン一家にお世話になるまでの騒動を笑いと感動で包んだ前作は、本国イギリスで公開され、瞬く間に世界中でパディントン旋風を巻き起こした作品。

モフモフボディに赤い帽子、青いダッフルコートをを纏った彼が、再び世界中に笑いと感動をマーマレードと共にやってくる!

 

 

パディントンベア 映画版 ぬいぐるみ M 座高20cm

パディントンベア 映画版 ぬいぐるみ M 座高20cm

 
クマのパディントン

クマのパディントン

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

 

ロンドンのウィンザー・ガーデンで、ブラウン家の“家族”として、幸せに暮らすパディントン(声:ベン・ウィショー)。
誰に対しても礼儀正しく親切なパディントンは、たくさんの友達に囲まれていた。
もうすぐ、ペルーでひとりぼっちだったパディントンを育て、ロンドンへと送り出してくれたルーシーおばさんの100歳の誕生日。
完ぺきなプレゼントを探していたパディントンは、グルーバーさん(ジム・ブロードベント)のアンティークショップで、ワンダフル! な飛び出す絵本を見つける。
だが、世界にたった1冊しかないその絵本は、とても高価だ。
パディントンは、働いてお金を貯めようと決意する。

 

 

まずは、理髪店の雑用係を始めるパディントンだったが、店主の留守の間に訪れた客の髪をバリカンでごっそりと刈ってしまったのがバレて即刻クビに!
気を取り直して、ブラウン家の人々と今日からオープンする移動遊園地へ出かけると、昔は人気俳優だったが、今は落ち目のブキャナン(ヒュー・グラント)が司会を務めていた。
開会宣言の役に指名されたパディントンは、ブキャナンからかなえたい夢は何かと聞かれ、飛び出す絵本を手に入れることだと答える。
するとなぜか、ブキャナンの目がギラリと光るのだった。

 

翌日から、窓ふきの仕事を始めるパディントン。
最初は失敗続きだったが、徐々に腕を上げ、貯金箱代わりのボトルに着々とコインが貯まっていく。

ある夜、帰り道にグルーバーさんの店のウインドウを覗き、「もうすぐだよ」と瞳を輝かせていたその時、何者かが窓から侵入し、飛び出す絵本を盗んで逃げて行く。
必死で追いかけるが、男は跡形もなく消え失せ、なんと駆け付けた警官にパディントンが逮捕されてしまった!

 

実は絵本には、驚くべき秘密が隠されていた。
それを知って長年探し求めていたブキャナンの仕業なのだが、舞台衣装とメイクで変装していたため、パディントンの証言による似顔絵では誰だかわからない。
裁判で有罪を言い渡されたパディントンは、すっかりしょげるが、刑務所一凶暴な囚人ナックルズ(ブレンダン・グリーソン)のハートをつかみ、食堂のメニュー改革を成し遂げて人気者となり、意外にも楽しいプリズンライフを送り始める。

だが、ルーシーおばさんの誕生日までには、何としても無実を証明しなければならない。
果たして、パディントンはブラウン家の人々と共に、絵本の秘密と真犯人にたどり着くことが出来るのか──?(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

 

監督

 

監督は前作同様ポール・キング

 

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監督としてのキャリアは、前作と「Bunny and the Bull」という作品のみなんですが、プロデューサーであるデヴィッド・ヘイマンは、前作の世界的大ヒットの要因は彼の完成のおかげだということで今回も続投をお願いしたんだとか。

やはり続編やるなら同じ監督が良いですよね。

 

 

 

 

 

キャラクター紹介

 

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左上から順に。

  • パディントン(声:ベン・ウィショー/吹替:松坂桃李

 

ペルーからロンドンへやって来て、ブラウン一家の一員となったクマ。
人に親切で礼儀正しい“紳士な”性格から、たちまち街の人気者に。
育ての親のルーシーおばさんのレシピで作るマーマレードが大好物。
トレードマークは赤い帽子とダッフルコートだが、
今回は別のファッションもまとうことに。(HPより)

 

 

 

  •  ブラウンさん(ヒュー・ボネヴィル/吹替:古田新太

 

リスク管理の会社に勤める。
“中年の危機”を迎え、仕事では部下に追い越され、
妻にも「最近、心が狭い」と責められる。(HPより)

 

 

  • ブラウン夫人(サリー・ホーキンス

 

冒険物語のさし絵画家。
今は水泳にハマっていて、フランスまで泳ぐ練習中。
大らかな性格で、想像力豊かで好奇心旺盛。(HPより)

 

 

  • フェニックス・ブキャナン(ヒュー・グラント/吹替:斉藤工

 

 若い頃は有名だったが、今は落ち目のローカル俳優。
豪邸に住み、ブラウンさんの会社のプラチナ会員だが
本当は金欠中。(HPより)

 

  • ナックルズ(ブレンダン・グリーソン)

 

パディントンが入れられた刑務所で一番凶暴な囚人。
食堂のシェフを務め、超マズい料理を出すが、
誰も文句を言えない。(HPより)

 

  • ジュディ(マデリン・ハリス/吹替:三戸なつめ

 

ブラウン家の長女。
失恋のショックを乗り越え、今は新聞作りに夢中。
プロ並みの取材力で絵本泥棒の犯人探しにも貢献。(HPより)

 

 

  • ジョナサン(サミュエル・ジョスリン

 

ブラウン家の長男。
SLオタクだが、ダサいからと内緒にしている。
学校ではラッパーを気取り“Jドッグ”と呼ばれている。(HPより)

 

 

  • バードさん(ジュリー・ウォルターズ

 

ブラウン家に同居する親戚で、家事を一手に引き受けている。
口が悪くて不愛想だが、人並外れた度胸を誇る。
手品が得意。(HPより)

 

 

  • グルーバーさん(ジム・ブロードベント

 

アンティークショップの店主。
自身も移民だったために、パディントンの良き理解者で、
何かと親身に相談にのってやる。(HPより)

 

 

  • カリーさん(ピーター・カパルディ

 

ブラウン家の隣人。
会員は自分一人だけの“街を守る会”の会長。
クマは危険な動物だからとパディントンを嫌っている。(HPより)

 

 

 

 

前作のおさらい

 

 

パディントン [Blu-ray]

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 ペルーの山奥でおじいちゃんクマとおばあちゃんクマと暮らしていた1匹のクマ。祖父母が若い頃にロンドンの探検家と出会った事から、言葉や文化などを学び、ロンドンに憧れるようになっていた。

しかし地震が起きたことでおじいちゃんは亡くなってしまい、住処も移さなくてはならない状況に。まだ幼いクマを隠居させるのは惜しいと感じたおばあちゃんは、憧れの街ロンドンへ行くよう薦め、彼はカバンにたくさんのマーマレードを詰めて単身ロンドンへ向かいます。

英国紳士が行き交う街ロンドン。ここで暮らすにはきちんとした言葉で、挨拶と感謝を心掛けなくてはいけない、そう教えられすれ違う人たちに挨拶や会釈をするも誰も相手にされない。

日が暮れて落ち込みを隠せないクマの前に、ブラウン一家が声をかけます。ブラウン夫人は、彼を引き取ってくれるかもしれない探検家の家が見つかるまで、しばらく預かることを決心。そして名前も出会った駅から「パディントン」と名づけることに。

こうして、パディントンは都会での生活をブラウン一家と始めるのですが、それはドタバタの連続の始まりでもありました――。

 先日自宅にて観賞したんですが、見終わった後、劇場での観賞しなかったことを後悔しました。

これは楽しいっ!心が温まる喜劇でございました。パディントン自体かわいくてめっちゃ紳士なんだけど、メシ食うときはめっちゃケモノ!このギャップがたまらないです。

彼が巻き起こすドタバタ劇もワチャコラスイッチとでも申しましょうか、そんなうまい具合にいくかよwwってくらい見事なぶっ壊し方。

そして一番うまいと思ったのは複線の回収です。

ブラウン一家の性格や長所短所悩みを、物語がクライマックスに近づくにつれて、きちんと解決又は有効活用していく素晴らしい使い方。

ブラウンさんはリスクマネンジメントという職業柄、何事にも心配性でしたが、それも克服してかつての自分を取り戻し、ブラウン夫人は娘を変なあだ名で呼ばなくなり、挿絵の顔もきちんと埋まり、また下水道の下見が役に立つ。

ジュディもクラスメイトに変に見られないようにしていたけど、パディントンによって克服。中国語の勉強からヒアリング能力が長けており、クマ語もマスター。これが後に発揮される場面もあり、ジョナサンの宇宙飛行士になる夢というのも、後にパディントンを助ける大きな役目を果たすなどなど、最初に説明されたものが全て後に繋がっていく、キレイな展開でした。

 

 なんというか「ホームアローン」を観ていたときの気持ちを思い出す良作です。オレこれ劇場で見てたらベスト入れてたかもw

 

 

 

 

 

 

はい!前置きが長くなりましたが、今回パディントンがどんな騒動を巻き起こすのか。そして彼がロンドンの街の人たちや我々をどのように笑いと感動で包んでくれるのか。

ここから観賞後の感想です!!!

 

 感想

今回も最高にかわいくてドタバタでみんなから愛されるクマでした!!話もシンプルで非常に丁寧!ラスト泣いちゃったよ!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歪んでた心をキレイにしてくれる。

ロンドンに住み始めてから街の一員としてみんなと仲良く楽しく暮らすパディントンに事件が起こる。濡れ衣を着せられたパディントンとブラウン一家の絆が試される。

 

前作同様、いやそれ以上に楽しめる良作でした!

もうはちみつを下半身丸出しでなめてはしゃいでいるクマの時代は終わった!これからは親切心と礼儀を重んじる赤い帽子と青いダッフルコートのママレード好きのクマなんだ!

ママレードベアーだ!だ・け・ど・気になる♬(わかる人には伝わるかな・・・)

相変わらず色々とやらかしちゃうパディントンのピタゴラスイッチならぬ、ワチャッコラスイッチも健在だったし、色んな伏線を最後にきれいに回収する丁寧な脚本は圧巻であります!

前作と比較するとロンドンのロケーション風景が各段に上がっていましたし、そこで追いかけっこしたり、ブキャナンが忍び込んであれこれやったりと、そういう意味でもロンドンの雰囲気を味わえたのは前作よりもよかったですね。

そして何といっても今回はブラウン一家との絆、街の人との絆によって生まれるパディントンへのささやかなプレゼントが描かれるラスト!!

はい、号泣しました!!

え?ウソ?マジで?うわぁ!!で余韻に浸らせることなく締めてしまう終わり方がニクい!!でもって湿っぽく終わらせないのがまたいいところ。エンドロールが始まったからといって席を立たないでください。

後日談とこれ一生懸命頑張ったんだろうなぁというある人の努力の結果が描かれてますw笑えますw

 

実際連勤続きで疲労困憊だったのですが、あさイチでこれを観て心が晴れやかになりました。もうね、親切されたら親切しか生まれないよね。

 

 

伏線の回収は今回も見事

前作を自宅で鑑賞して最も感動したのはキレイに伏線を回収してキレイに終わらせる巧さでした。

今回もどのように回収していくのか楽しみにしていました。

基本的には、ブラウン一家の面々が今どういう状況なのかを、パディントンがルーシーおばさんに手紙をしたためることが伏線になっていて後に繋がってくるわけです。

今回、ブラウン夫人は冒険モノの本の挿絵を描いた影響で冒険心が芽生え、海峡を泳いで渡ろうと泳ぎの練習にハマっているということが明かされます。

ブラウンさんは会社で後輩に出世されたことで中年の危機に突入。色々と考えが無難になり、若かりし頃の移動遊園地でのデートで、ボールでの的当てを一発で仕留めるようなワイルドなカッコよさはなく、ピラティスにハマっている。

ジュディは前作では語学力に長けていたことや気になる男子がいましたが、今回はその彼と破局し、学校で見つけた印刷機械に惹かれ、新聞を独自で作ることにハマってます。

ジョナサンは、夢見ていた宇宙飛行士から現在はSLにハマってますが、それを知られるとオタク扱いされることからヒップホップ好きな今どきの男の子を偽って暮らしています。

 

パディントンに至っては、街の人とも打ち解け仲良くなり、しまいには野良犬の得るファーとも仲良くなっていました。

 

ここに書かれていることが終盤全てうまく使われていき、パディントンをブラウン一家が助けるという、前作同様うまい構成になってます。

さらに言えば、劇中で出てくるリンゴ飴、バイトで使っていたはしごなどなど小物も見事にキーアイテムとしてちゃんと出てくるのでどの部分も見逃せないのです。

 

相変わらずやらかすパディントン

今回パディントンはルーシーおばさんの誕生日を祝うため、世界にひとつしかない飛び出す絵本を購入するため、初めての労働をすることになります。

まずはじめに理髪店で掃除のバイトを始めます。

主人がちょっとの間留守にしてた時にお客さんが。自分しかいないのでとりあえずやるかと電気バリカンを手にするとあまりの振動に驚き、たちまちそのコードで体がグルグル巻きに。

棚に置いてあったブラシの毛はその影響で刈り取られ、どんどんお客さんに近づいていきます。

寸でのところでバリカンが届かなかったことにほっとしたのもつかの間、コードはお客さんお座っている座席のレバーに引っかかっており、見事にシートが倒れ、きれいに頭のど真ん中を刈ってしまいます・・・。

とうとうコードは天井扇に引っかかり一人メリーゴーランド状態。

外で髪を切ることを躊躇している親子の前にべたっと窓に張り付くパディントン。・・・別の店で切りましょう。それ正解。

何とかバレないように刈ってしまった髪の毛をママレードで張り付けるという暴挙。はいもちろん気疲れドヤされ、ちょうどそのとき主人が帰宅。

これは違うんですという言い訳もむなしくクビになってしまいます。

 

その後窓ふきに挑戦。バケツ一杯に溜めた洗剤水を2階の窓まで運ぼうとしますが、重くて持ち上がりません。そこで排水溝に紐をくくり持ち上げる作戦に。

これは頭がいい。いい調子で持ち上がるかと思いきや力が足りずロープでぶら下がります。それでも持ち上がらないので、2階の窓においてあった鉢をもって重くすると、バケツ持ち上がった~良かった~って自分が今度下がってるよ!結局下まで降りてしまい持っていたロープを離してしまいます。

はいお分かりですね。見事に水の入ったバケツは自分の元へ落ちてきて水浸し。しかもバケツが抜けない。もうドリフ。

 

だけど、それが功を奏したのかモフモフの身体が潜在まみれになったことで自らがブラシとなりキレイに窓が更けていくという結果に。

これを機に住宅の窓や高層ビルの窓まで拭いていくというナイスアイディアでお金をためていくのです。

この窓ふきをするパディントン。今までで一番かわいいですw

 

その後刑務所に入ってしまうパディントンですが、ここでも彼はいつも通りやらかしていき、やがて薄暗い刑務所をハッピーなものに変えていくという素晴らしい場所へと変貌させていきます。

 

洗濯係を担当することになったパディントン。みんなの囚人服を洗濯機に入れるんですが、その中にひとつだけ赤い靴下を入れたことによってすべての囚人服がピンク色に変色してしまいます。

何でしょう囚人服ってピンクになるだけでこんなにも印象が変わるものなんですね。みんな犯罪者なのにちょっとかわいいw

そして食堂で出された食事にいちゃもんをつけるパディントンは、料理を担当する囚人ナックルズさんと一触即発になりますが、いつも忍ばせている防止の中から出て来たママレードサンドによって、仲良くなり、みんなの朝食作りを担当。2人で作ったママレードサンドは、食卓の場を明るくさせていきます。

なぜ飯が不味かったか。それはナックルズが1パターンしか料理ができなかったことに加え、その悪い評判からふてくされていただけでした。パディントンの提案により誰か料理が作れる人はいないか問いただすと、みんな怖い顔してるのに、意外と家庭自慢の洋菓子が作れることが判明。

その後みんなでプリンやケーキなどお菓子作りに奔走し、刑務所はどんどん乙女チックな雰囲気に。

なんなんだこれはww

 

誰にでもどこかいい心は持っていると信じているパディントンは、刑務所の雰囲気までも変えていくというエピソードとなっていました。

 

 

考えると深い物語

今回はパディントンがブラウン一家にとって、そして街の人たちにとってどのような存在なのか、というのが強く描かれていた作品だったと思います。

彼がいることで朝食を食べられる人、彼がいることで試験勉強ができる人、彼がいることで家のカギを忘れず出かけることができる人、彼がいることで曇っていた心を晴れやかにし、最愛の人と出会うことができる人。

そうウインザーガーデンは、彼によって毎日がうまくいき、苛立つことも無くなってしまうほど穏やかな日々を過ごしていたのでした。

 

そんな彼が泥棒に入ったという濡れ衣を着せられ、彼は刑務所へ入ってしまいます。そうするとどうなるか。街の人たちはやっぱりクマなのか。所詮動物なのかという不信感が芽生えていき、彼がいなくなったことでいつもの調子が出なくなり些細なことで苛立っていくのです。

前作でもそうでしたが彼は親切心の塊なのです。その親切を忘れてしまうと人々の心はくすんでいき、やがて軋轢が生じてしまうのです。

 

でも彼を家族の一員として迎え、暮らしているブラウン一家は違いました。パディントンは確かにクマだが、決して泥棒をするような野蛮な動物ではない。彼こそイギリス人が忘れかけていた英国紳士であり、親切と礼儀を重んじるとても優しい生き物なのだ。

隣人であるカリーさんは、前作以上に彼をクマというだけで偏見を持ち警戒していましたが、それに対しガツンと一言声を荒げるブラウンさんはカッコよかった!その後がカッコ悪いんだけどw

 

そうです。移民を大量に受け入れることで、自国民の不満は爆発し結果EU離脱に発展してしまったイギリスという国の背景を考えると、今彼らに必要なのはパディントンのような心なのではないか?

そしてそれはイギリスに限らず、ギスギスした世の中に対しても言えること。すれ違う人には軽く会釈をし挨拶をし、困っている人がいたら手を差し伸べる。そうする事で生まれる笑顔、感謝。

こんなに素晴らしいことはないです。そんなことをパディントンは教えてくれている気がします。

 

 

最後に

今回悪役として登場するブキャナンを演じたヒューグラントも素晴らしかったですね。あまり彼の作品を見てないんですが、あんなにコミカルな演技をできるとは思ってませんでした。彼あっての楽しさだった気がします。

終盤ブラウン夫人が水中でパディントンを助けるシーンがあるんですが、あれはどう考えても夫人演じるサリーホーキンス主演の「シェイプ・オブ・ウォーター」のオマージュにも見えたんですが考えすぎでしょうかw

 

とにかく今作もまたパディントンに笑い、パディントンに泣き、パディントンに心をキレイにしてもらえた、そんな作品でした。

嫌なことがあった人、毎日に疲れた人、心が重く感じる人は是非これを観て心の洗濯をしてみてはいかがでしょうか。晴れやかになりますよ!!

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆☆★★8/10

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