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映画「バーニングオーシャン」感想ネタバレあり解説 原油流出事故の真実に迫った実録映画!

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4月21日

バーニング・オーシャン

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モンキー的今月一番楽しみにしていた作品の登場です。「美女と野獣」もいいけども、やばい状況下でひたすら人命救助に専念する男のドラマとかアツイぢゃん!!!おいらのハートもバーニングしてくれるような燃え盛る展開なんだろうと期待しております!

 だって、マークとピーターバーグって「ローン・サバイバー」コンビだぜ!あの緊張感MAXのやばい状況がまた拝めるんだぜ!しかもこれだけじゃねえ!なんと6月にはこのコンビの新作映画も観れるんだバーーーニングッッッッッ!!!

・・・と少々興奮気味の中、早速鑑賞してまいりました。

 

 

 

 

 

 

作品情報

2010年4月20日、アメリカ・ルイジアナ州に程近いメキシコ湾沖の石油掘削施設「ディープウォーターホライゾン」で流出した原油が爆発。すさまじい大火災から3ヶ月間で海に大量の原油が流れ、自然破壊や近隣住民や作業員などに甚大な被害を与えた。

施設内部で一体何が起こったのか、生き残った作業員はどう行動したのかといった真実を、克明なインタビューに基づき映画化され、アカデミー賞視覚効果賞と音響効果賞にノミネートされた。

大災害、そして人災でもあったこの大事故を圧倒的なスケールで描き、その極限状況下で仲間の救出を諮った男の人間ドラマも描かれた、究極のディザスター映画です。

 

 

 

 

 

あらすじ

 

2010年4月20日の早朝。トランスオーシャン社のエンジニア、マイク・ウィリアムズ(マーク・ウォールバーグ)は、愛する妻フェリシア(ケイト・ハドソン)と幼い娘とのしばしの別れを惜しんでいた。これからメキシコ湾沖の石油掘削施設ディープウォーターホライゾンへと赴き、電気技師として3週間の勤めを果たさなければならないのだ。

126人の作業員が働く最先端テクノロジーを備えたこの巨大施設は問題が山積みだった。中でも厄介なのは、雇い主であるBP社の管理職社員ヴィドリン(ジョン・マルコビッチ)が掘削作業終了前に必要なテスト担当者を帰してしまったことだ。安全管理を何よりも重んじるマイクの上司ジミー(カート・ラッセル)は大幅な工期の遅れを取り戻そうとしているのを見抜き、厳しい口調で問い詰める。

結果耳を貸さないヴィドリンはテストで異常値を示したものの、そのまま終了。その後掘削泥水の除去作業が開始され、作業員たちはこれで家に帰れると胸をなでおろしていた。この後未曾有の大事故へとなってしまう事も知らずに。(HPより引用)

 

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監督

この事故に興味を示し映画化した監督はピーター・バーグ

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監督業よりも先に俳優業に精を出していたことも有名なお方。俳優としての彼は全然知らないのですが、医療ドラマ「シカゴホープ」に出演してたというから驚き。

その傍らで脚本や監督もこなしていき、結婚間近に奇怪な事件が多発するも挙式を強行突破しようともくろむ「ベリーバッド・ウェディング」で監督デビューします。

その後も着々と作品を手掛けていきます。

サウジで起きた自爆テロによって仲間を失ったFBIの職員がテロ組織を追い詰めていく様を描いた「キングダム/見えざる敵」、人々に尊敬されるはずのヒーローが、そのスタイルと言動、解決に至るまでの過程によりトラブルメーカーになってしまった男の成長をコミカルに描いた「ハンコック」、エイリアンの襲撃に立ち向かう日米軍艦乗組員たちの攻防を描いた「バトルシップ」、ネイビーシールズによるアフガンでの作戦中に起きたネイビーシールズ史上最大の悲劇をリアルに描いた「ローン・サバイバー」があります。

「バトルシップ」や「ハンコック」など酷評が半端ない作品もあれば、「ローンサバイバー」のように緊迫した息を呑む展開にシビレる作品もあったりと様々。今回も「ローンサバイバー」のようなリアル描写に期待です。

 

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 前半からもんのすごい緊迫感です。オススメです。

 

監督の待機作はなんと6月に今作でも主演しているマーク・ウォールバーグを再び向かえ、ボストンマラソンの爆撃事件とその余波を描いた「パトリオット・デイ」が控えています。

 

 

 

 

キャスト

主人公のエンジニア、マイク・ウィリアムズを演じるのは、マーク・ウォールバーグ。

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 彼が肉体派俳優と化したのはいつからでしょうか。そのくせコメディもできる芸達者な男。ユーモアとマッチョのハイブリットスターであります。

日本ではきっと「テッド」で一躍顔が売れたのかな?もっと前から活躍してる方なんですけどね。

そんな彼の代表的な作品がどんなものか簡単にご紹介。

おそらく彼の初主演は、70年代後半のポルノ業界を舞台にした辛らつな人間ドラマ「ブギーナイツ」だと思います。アレが大きいということでスカウトされ瞬く間にスターになっていく主人公を演じてます。

他にもイラク駐屯のアメリカ兵が謎の地図を入手し黄金強奪作戦を開始する異色の戦争映画「スリー・キングス」、SF映画の金字塔をティム・バートンによりリメイクした「PLANET OF THE APES/猿の惑星」、香港ノワールの大傑作「インファナル・アフェア」をマーティン・スコセッシによりリメイクした犯罪サスペンス「ディパーデット」ではアカデミー賞助演男優賞にノミネート、命が吹き込まれたくまのぬいぐるみとダメな中年コンビが繰り広げる大人向けの痛快コメディ「テッド」、人気フィギュアを実写化したアクション超大作の第4弾「トランスフォーマー/ロスト・エイジ」など、アクションコメディSFサスペンスと、そのマッチョバディで派手に動き、頭も筋肉だろwといわんばかりのおバカっぷりをかます、器用な役者さんです。

 

 

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 マッチョ好きはぜひ。

 

 

待機作に、今作同様ピーター・バーグ監督とタッグを組んだ「パトリオット・デイ」、前作から主演になったトランスフォーマーの続編「トランスフォーマー・最後の騎士王」と今年も大忙しの模様です。

 

 

 

 

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

マイクの上司ジミー・ハレル役に、キングオブ漢!今年は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・リミックス」にも出演するカート・ラッセル

管理職責任者のヴィドリン役に、「マルコヴィッチの穴」のジョン・マルコヴィッチ

マイクの妻フェリシア役に、「あの頃、ペニー・レインと」のケイト・ハドソンらが出演します。

 

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実際に起きてしまった史上最悪の原油流出事故。極限状態の中作業員たちはどのように助かったのか。この春最高のディザスタームービーがついに幕を開ける!!

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

溢れんばかりの泥水と燃え盛る炎!!安全第一怠るとこうなっちゃうよ!!漢たちの勇姿を見届けろ!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とんでもない実録映画

石油掘削施設の作業が遅れている中、急いで軌道に乗せたい巨大企業と安全第一の下請け企業、それぞれが対立する中起きてしまった爆発事故。その中でなんとか被害を食い止めようと危険を顧みず体を張った作業員たちを描いた実録映画でございました。

 

映画だから、と何かドラマチックな展開を期待してたら大間違い。こんな規模の事故をエンタメチックに描いたら罰が当たるぜ!とでも思ったのか、オープニングのウィリアムズと女性作業員のアンドレア(ジーナ・ロドリゲス)の日常以外はほとんど描かれてない。

この物語は美談で語られるような美しいドラマなんかでなく、どうしてこのような災害が起きてしまったのか、利益に特化して追及するとどんな目に遭うか、そういった部分を冒頭から丁寧に物語に組み込むことで、このような危険な現場での人命最優先ということがいかに大切かということをまじまじと突き付けられます。

 

前半は親企業と下請け企業の仕事に対する優先順位について言い争う場面がメインとなっていきます。このような事態になったからには、安全性を優先するジミーの言い分が最もなわけですが、自分の職場に当てはめてみればよくあることで、ヴィドリンも所詮中間管理職。上からきつく言われてるゆえの強行突破だったのではないでしょうか。

決して仕方なかったでは済まされないことですが、両者ともそれぞれの立場での行動だったことから片っ方だけを裁けないよなぁなんて考えてしまいます。

そんな言い合いの中で、小さな故障個所がいくつもあること、利益優先のため超過労働が行われていること、どういった仕組みで石油が汲み上げられるのかといった装置の構造、いくつもテストを繰り返さなければいけないシビアな環境、そのテストもしっかり見極めないといけない慎重な現場、などなどなかなか関わることのできない掘削作業の中身をうまくセリフに盛り込みながら説明されていきます。

 

後半はウソだろっ!?と思うような大災害を目の当たりにします。海底から溢れる泥水にまみれ瞬く間に施設の最上部分まで噴き上がり、小さな故障個所を修復してない状態といった積み重ねが災いとなり、緊急停止装置は作動せず、ガスに引火。個室で休んでいたウィリアムズやジミーも大けがするほどの大爆発が起きてしまいます。

ドアの下敷きになったり、そこらじゅうのガラスの破片が体中に突き刺さり目もあけられなかったり、資材の下敷きで足の骨まで刺さって抜け出せなかったり、服に引火したり泥まみれになったり。

大爆発になったからといってすぐさま逃げださない彼らの仕事への思いもまた素晴らしいです。

どうやったって助からないだろコレ!と思ってしまうような状況の中で、主人公ウィリアムズはじめ、ジミーやアンドレアがケガを負っているにもかかわらず、仲間を救いに行ったり事故を最小限に留めようと尽力する彼らの真摯な思いに心を打たれることでしょう。

 

 

 

職人監督ピーターバーグ

この作品をドキュメンタリーチックに描いた監督の職人技がとにかくすごい。

なんてったって本物なのかCGなのか見分けのつかない大災害を再現した演出。アカデミー賞視覚効果賞にノミネートされただけのことはあります。

泥水が一気に噴射されるシーンでは何人か吹っ飛ばされてるし、ジミーもシャワー浴びてる最中に部屋の中でふっとばされたり。そしてガスが引火した時の大爆発。スクリーンいっぱいに炎が包まれる映像は、下手な戦争映画よりも迫力があり、あ。終わった・・・感でいっぱいになるでしょう。

 

前半と後半の中にも緊張感を保ったまま描いていて、緩急をつけた演出が見事です

冒頭から不吉なことを少しづつ挿入してるんですね。ウィリアムズの奥さんが見た夢が不吉だったり、娘が書いたパパの仕事についての作文を読んでいるときも、コーラを逆さにして穴を開け、そこに液体を流すことでコーラが噴き出すシーンだったり、アンドレアの車が動かなかったり、視察に訪れた上司のネクタイの色が警告サインの色と一緒だったり、いろんなフラグが立っていることで、いつ大災害が起こるのかを煽っている小さなエピソードの連続に目が離せなくなっていきます。

 

後半はもう怒涛の展開。正直言って主要キャスト以外誰がどこで何をしてるのかわかりません。耳がキーンとなってる状態で周りの音が流れる中で、顔は血だらけガラスの破片だらけ油まみれ、しかも夜の暗い中。今映ってるこいつはBP社の人間なのかトランスオーシャンの人間なのか。

そして自分もそこにいるのではないかという感覚をもたらすカメラワークも緊張感に拍車をかけます。

 

前半は少々長いかなぁと感じた分、後半は息つく暇もないヤバイ状況が続いてあっというまの上映時間です。

 

 

 

 

 

 

まとめ

海猿でも、天然ガスプラントでの事故の犠牲者を救出しに行く潜水士達が描かれていましたが、あれの比ではありません。むしろあれに感動した方、ぜひこれを見て生々しい事故現場を体感してください。

「必ず生きて帰るんです!!!」なんて言ってる場合じゃないです。あんなカッコイイヒーローなんかそうそういません。まじまじと救助者を説得してたら炎はすぐ後ろまで来てしまいます。そんな時は、ウィリアムズのように気持ちをほぐしてリラックスさせるんです。

そんなリアリティ溢れる体感型ディザスタームービーでありながら、お仕事に対しるジレンマ、そこに潜む危険性なんかも丁寧に描いた、緊張感MAXな作品でございました。

はい!これ良かったという方。是非、6月公開のマーク主演×ピーター監督3作目「パトリオット・デイ」も見に行きましょう。もっと言えば「ローン・サバイバー」も見て、ヤバイ状況3部作と称して鑑賞記録にとどめるのもいいと思います。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★ 7/10


映画「3月のライオン後編」感想ネタバレあり解説 ついに妻子捨男登場!どうなる川本家。

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4月22日

3月のライオン 後編

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はじめに

 

 

 

3月に公開した前編。人気原作コミックの世界観を大友啓史監督がどのように映像として構築していくのか非常に楽しみでありました。

 が、しかし、過去の監督作品に比べ、余計なセリフの排除の徹底や役者陣の迫力ある演技に拍手を送りつつも、原作の上辺だけをなぞったような流れに加え、一貫したシリアス路線。

非常に時間が長く感じたし、エピソードを詰めすぎて人物描写に深みが感じられない。川本家と零の件はもっとなくちゃあいけないなと思ったし、一番の要因は原作ではかかせないユーモアの欠如。おやつ対決くらいしか笑える描写がなく、これに関しては非常に残念だった。

ただ、これはあくまで「原作との相違」に対して文句を言うというよくある批判。原作未読の方のほうがもしかしたらもっときちんと評価を下してるのかもしれない。

 

そんなことをダラダラ書いた前編の感想です。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

とりあえず前編のおさらいです。

 

 

 

 

前編のおさらい

 

春のある日、東京の将棋会館で、17歳のプロ棋士・桐山零(神木隆之介)は、義理の父で師匠の幸田柾近(豊川悦司)との対局に勝利する。9歳の時に交通事故で両親と妹を失った零を内弟子として引き取ったのが、父の友人の幸田だった。

 

零は幸田家を出て、下町のアパートで一人暮らしを始めていた。1年遅れで再編入した高校では、会話を交わすのは担任の林田先生(高橋一生)だけだ。中学生でプロ棋士としてデビューした零は、史上5人目の天才ともてはやされているが、家も家族も友達もなかった。

 

ある時、具合が悪くなって道に倒れていた見ず知らずの零を、近隣の町に住む川本あかり(倉科カナ)が自宅へ連れて帰り介抱してくれる。その日から、長女のあかり、次女のひなた(清原果耶)、末っ子のモモ(新津ちせ)の3姉妹、すぐ側で和菓子屋〈三日月堂〉を営む祖父の相米二(前田吟)と零との温かな交流が始まる。

 

冬を迎えたある夜、零の部屋の前で義姉の香子(有村架純)が待っていた。妻のいるプロ棋士の後藤正宗(伊藤英明)と微妙な関係を続けている香子は、かつて弟の歩と共にプロ棋士を目指していた。二人が零に勝てなくなった時、幸田は自分の子供たちにプロへの道を諦めさせる。荒れる香子を見て零は家を出たのだが、香子も父親を避けて家をあけるようになっていた。

 

新年を川本家で迎える零。楽しいお正月は、皆で初もうでに出かけた神社で、後藤と香子に出くわしたことで一変する。零は香子から、もし自分が獅子王戦トーナメントで後藤に勝ったら、家に戻るという約束を強引に取り付ける。

 

獅子王戦─それは、将棋界の最高峰を決めるビッグタイトルの一つ。タイトル保持者の宗谷冬司(加瀬亮)と闘う挑戦者をトーナメントで決めるのだ。零が後藤に当たるには、島田開(佐々木蔵之介)を倒さなければならない。さらに幼い頃からのライバル、二海堂晴信(染谷将太)が「新人王になる」と宣戦布告した、新人戦トーナメントも待ち受けていた──。

 (HPより抜粋)

 

 

 

3月のライオン コミック 1-12巻セット (ジェッツコミックス)

3月のライオン コミック 1-12巻セット (ジェッツコミックス)

 

 

 

前編では、原作コミックス1巻~6巻あたりまでのエピソードを映画用にまとめた作りになっていました。

基本的なエピソードとしては、棋士としての獅子王戦と新人戦、その他リーグ戦を描き、零としての部分は、川本家での暖かな家庭味溢れるシーン、それとは反対に一人暮らしでの暗く孤独に浸るシーン、学校生活での林田先生との微笑ましいボケとツッコミ、そして幸田家にいた頃の回想シーンなどで構成されていました。

 

回想シーンでは、零が幸田家で育っていくところから始まり、当時の零の心境、また香子がグレていくきっかけなどを要所要所で回想シーンとして描くことで、零が将棋でしか生きていけなかったこと、その存在によって父親から将棋人生を絶たされる香子のつらさなども映し出しています。

 

また、学校生活でも林田先生との絡みがちょくちょく挟まれたり、二階堂との友情、さまざまな事情を抱えた棋士たちとの試合、といった小さなエピソードを描くことで零が人とつながっていくことの大切さを感じ、成長が伺える内容となってました。

 

 そういった零個人の視点から描かれた(主人公なんで当たり前ですが)前編でした。

果たして後編はどのような展開になっていくのでしょうか。

 

 

 

 

 

そんなわけで、後編のあらすじ。

 

後編 あらすじ

 

「もう1年になる? 桐山君が初めてこの家に来てから」とあかりに言われ、「お世話になってます」と頭を下げる零。今では川本家の家族の一員のように、3姉妹と自然に食卓を囲んでいる。

 

今年も獅子王戦トーナメントの季節が始まるが、零の周りの棋士たちに様々な試練が降りかかる。まずは幸田が、頭のケガで緊急入院して不戦敗となる。引きこもってゲームばかりしている歩を叱ったら、反対に突き飛ばされてしまったのだ。香子も派遣もバイトも続かず、後藤への想いを持て余し、幸田家は崩壊へと向かっていた。

 

一方、後藤は入院中の妻の容体に心を痛め、実は難病を抱えている二海堂はそれでも闘いたいと願っていた。初タイトルを目指す島田は故郷の山形の人々の期待に押し潰されそうになり、将棋の神の子と恐れられる宗谷でさえも、ある重大な秘密を抱えていた。

 

そんな中、川本家にも次々と事件が襲いかかる。ひなたのクラスでいじめが始まり、さらに3姉妹を捨てた父親が現れ、耳を疑う要求を押しつけたのだ。大切な人たちを守るため強くなるしかない。新たな決意のもとトーナメントに挑む零。愛することを知った零の闘いの行方は──?

 (HPより抜粋)

 

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後編では、零以外にもさまざまな試練が訪れるようです。そこで零はどう行動するのか、また肝心の将棋は勝ち進んでいくのか。原作連載中の中、どう結末を迎えるのか。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

なんとか上手く完結させたものの、ちと駆け足すぎやしないかい?

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

免疫ついた

原作6巻から12巻までをベースに、新人王戦優勝後の記念タイトルである、宗谷との対決、ひなたに降りかかる問題、川本家に現れた父、そしてオリジナル脚本を組み込み、さらに葛藤を重ねる零がまた一回り大きく成長していく青春群集劇でした。

 

個人としては、前編に対して原作の時系列バラバラだ!とか、顔アップ多過ぎ!とか、ああだこうだ文句を言ってましたが、後編に関して言えば、前編を観たことで大友マジックに免疫がついており、ある程度フラットな感覚で鑑賞できたと思います。

 

後編は、原作の時系列バラバラなどの改変はなく、順を追ってエピソードが繋がっており、ここでそうくるの⁉︎といった驚きもないまま先読みできるけど、そう決着するかぁ、とある意味納得しながら目くじらたてず観させてもらいました。

 

前後編で連載中であるこの物語をどう終わらせるか、製作するにあたってかなり試行錯誤したんだと思います

なぜならば、後編にあたる6巻から12巻まで登場人物はだいぶ絞られており、香子と後藤のその後も無ければ、後藤の奥さんの容態もない

二階堂も島田もほとんど顔を出さないし、師匠の幸田も歩も出てこない。

出てくるのは、映画の登場人物で言えば、川本家と宗谷がメインなのでこのままの流れでは、前編で語られた原作に登場しないキャラの決着がないまま終わってしまう。

だから、原作にはない獅子王戦の決勝の相手が後藤だったり、宗谷戦の零のアフターケアに島田や二階堂が出てきたり、幸田家のゴタゴタなど全てカタをつけてまとめたのは良かったのかな、と。

 

 

細かい点を言えば、前編であまり絡まなかった川本家が中心に描かれていたこと、その中の小さな部分が原作通りだったことは嬉しかったです。

 

次女ひなたが学校でいじめられてる友達を庇ったことで、標的が自分になり学校生活の中で厳しい立場に遭っていること。辛くて悔しくて涙し、家を飛び出したひなたを零が守ると誓う場面。そこでフラッシュバックする零のいじめられていた頃の記憶。

そして、勝手によそで子供を作って出ていった父が戻ってきたことで、不安な川本家を零が守ろうと突っ走るエピソード。

 

原作では一番盛り上がるエピソードなので、ここ省かれたら後編どこが面白いんだよ?と思っていた所なので嬉しかったですね。

 

ひなたが学校でいじめられてることを知ったあかり達が、彼女を励ましたりする中での食卓に、原作通りひなたの好きな唐揚げやマカロニサラダが並んでいたり、ちゃっかりネコが3匹になっていたり。

 

お祭りで三日月堂が出店して祭りを盛り上げるシーンもありましたし、ちゃんとひなた考案の新作お菓子も出てくる。

そうそう、この新作お菓子を川本3姉妹があれこれ考えてるシーンでの、ワクワク感!これがあったのも良かった!

お餅の中に何入れる?では、モモちゃんがちゃんと「ガム!」と言ってくれたww(できればしたり顔ドアップで欲しかったw)。

 

 

こういった原作での小さな細かい設定やエピソード、どうでもいい部分あっての3月のライオンだと思っている自分としては、前編よりも組み込まれていて非常に微笑ましい場面でした。

 

 

 

それでも駆け足だった後編

そんな細かい設定やエピソードに喜んでいたもの束の間。

せっかく川本家のゴタゴタに零が大活躍する流れにもかかわらず、ここからオリジナルの展開に運ばれていくのは、いささか原作無視し過ぎやしないかい、と。

 

 

まず、いじめられてるひなたがどのように解決されていくか。

こんなことで学校生活から逃げたら、いじめのリーダー高城の思うツボ、私のやったことは決して間違ってない!後悔しない!と決意表明するひなた。

もちろんこの後教室で啖呵をきって手をあげなかったり、担任の先生がぶっ壊れて学校側が本腰をあげる、までは原作通り。

 

ここで原作なら学年主任が出てきて高城やクラスの生徒にグサグサ的を得たことを言うところが個人的には痛快だったのですが、実際は本腰をあげた学校側が一人一人面談をして高城を追求するところでこのエピソードは終わり。

 

う~ん・・・もうちょっと時間割いてほしかったですねぇ。

 

特にこの学年主任がバッシバシ物言う場面がホント痛快で。原作だったら、3年の夏休みに担任が代わってしまうことにぶーぶー文句言う生徒たちに、「お前らがほったらかしにしてきた代償なんだから、それくらいのことは覚悟しとけよ」みたいなことを言って黙らせるんですね。

 

他にも、一向に反省しない高城を何度も呼び出して心の弱点を突こうと試行錯誤するシーンとかあったりして。

正直、この時点でひなたはいじめは解決してるので必要ないっちゃあ必要ないんですけどね。

 

 

そして、問題の川本家の父、通称妻子捨男と零の直接対決です。

 

原作では、満面の笑みで自分勝手なことを平然と言う捨男に対し、よそ者にもかかわらずとことん情報収集し、弱点をついて真っ向勝負する零。極めつけはひなたと結婚する宣言w

 

もう完全に勝つことだけに執着した零の新たな一面が見られる面白くもあり、捨男の軽薄でめんどくさい、なるようになる、それは誰かの犠牲の上で成り立ってることを気づかせる、これまた痛快なエピソード。のはずなんですが。

 

本編では、結婚宣言するものの、その後倒れたひなたが礼をいって零くんとなら・・とまんざらでもない様子を浮かべる表情もなければ、モモを幼稚園から勝手に連れて帰る捨男に憤りを感じた零があらゆる法的手段を使っててでもあなたと川本家を切り離すと、男らしい部分を見せつけるシーンからオリジナルな展開になってしまう。

 

よくよく考えてみれば、他人なのでそこまででしゃばるのはどうかしてるし、3姉妹できちんと話し合って今後どうするかってのはごくごく普通の流れなので原作の方がとんでもない展開なんだけども。

 

しかも、そのような運びになることで、一度家庭を壊してしまったと思い込んでる零が、お世話になってる家を守るためにとった行動を否定されたことで、再び居場所を無くしてしまい、自暴自棄のまま師子王戦決勝を迎えるって流れは悪くないんですが!

 

ここもファンとしては、原作通り零の面白おかしいしかもカッコイイ部分を見せてほしかっただけに、流れが悪くない分、認めたいけど認めたくないジレンマが生じた部分でありました。

 

何が悔しいって、この盛り上がるエピソードが本編では案外あっさりカタがついちゃうことなんですよね。確かに将棋がメインで零がメインなんで、彼が将棋も人間も成長するのが一番大事なんですが。

 

ここで端折った分、後藤の奥さんの様態が悪化し結果亡くなってしまうこと、その時の試合中の後藤の葛藤、そこから師子王戦決勝に向けて香子と縁を切り将棋に集中すること。

香子は荒れて幸田に八つ当たりするところ。幸田は歩と格闘しケガして入院してしまうこと、などのエピソードを加えることで、それぞれの登場人物に問題が生じ解決していくオリジナルの流れに時間を使っていて。

 

ここも実はあっさり解決しちゃう。結局香子と後藤はそのままだし、幸田が香子に説得するシーンも、そんな昔の事今更言って解決するんならもっと前に言えたでしょパパ!!と。

ここも実は零が解決するのが筋だったりしないか?と。で、師子王戦決勝で後藤と対決するんだから、前編であれだけ敵意むき出しで勝ったら香子を取り戻すって話はどこ行った?と。両者とも忘れてませんか?香子の事。

 

てか、零と香子が一緒にいるシーン1つしかなかったよ?前編であれだけ絡んでたのに。

 

せっかく時間使ってオリジナルのエピソード入れてるんだから、もっと素敵な展開にしてほしかったですね。

 

 

 

 

 

まとめ

原作好きが故に、それと映像作品との違いにあれこれそうじゃない!っていうのは見方が違うとわかっているし、逆に未読の状態でこの作品をもう一度見たい気持ちがあるわけですが、先入観は消すことはできないわけで。きっとほかの見方ができたと思うんです。

 

しかしながら、もうこれはこれで一つの見方として自分が思ったことを書かせていただきました。

 

結果前編よりも後編の方が、いろんな登場人物のフォーカスが当たっているし、零以外の登場人物にもハッピーエンドが描かれてる点においては、これで完結と謳っていることもあり良かったことだと思います。

 

欲を言えば、島田や二階堂にももっと出番をあげてほしかったですね。

 

もう欲張りで我儘な感想ですよwwあそこいらない、これ原作通りやれ、もっとあいつの出番増やせ。そんなことやったらただでさえ後編155分もあるのにもっと長くなるわww

あぁ俺監督向いてないなきっとww

 

とにかく!将棋しかない状態になった零と後藤がタイトル戦を席をめぐって争う試合にもっていく流れはクライマックスとしては申し分ない展開でした。勝敗は結果、愛なんていらねえよ、か、愛をもっとちょうだい、かが勝敗の別れ目だったってことで。

 

ちなみにエンディングテーマで流れる藤原さくらの「春の歌」はナシです。あいつ歌うまいと思ったことがない。そのままスピッツでよかった。しょうがない、事務所ごり押しの抜擢ですから。アミューズ強いなぁ。

実現失礼しました。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10

 

映画「スウィート17モンスター」感想ネタバレあり解説 お前がつまらないのはお前のせいだ。

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4月23日

スウィート17モンスター

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久々に当たりそうな青春映画の公開です。何てったって、「こじらせたまま大人になってしまったすべての人へ捧ぐ」ですよ?

 はい、該当者であります!!だから当てはまるような言葉や行動、たくさんあるんじゃないかと。笑っちゃうのかなぁ、突き刺さるのかなぁ、泣いちゃうのかなぁ。

主人公は女の子でありますが、性別など関係ない。このお年頃の男女はみんながみんな悩める10代だったのだから。

というわけで早速鑑賞してまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

アメリカ批評サイト「ロッテントマト」で95%の高評価をたたき出し、ゴールデングローブ賞にもノミネートした青春映画です。

思春期を経験した誰もが、あの頃のリアルな痛さを思い出して悶絶してしまう、そんな心も体も整っていない17歳の、友情、恋愛関係、将来といった葛藤と成長を、新進気鋭の監督、才能豊かな女優と彼女を支える個性派俳優が結集し作り上げています。

 

Ost: the Edge of Seventeen

Ost: the Edge of Seventeen

 

 

 

 

 

あらすじ

主人公のネイディーン(ヘイリー・スタインフェルド)は17歳。キスもまだ経験なしのイケてない毎日。恋に恋する妄想だけがいつも空回りして、教師のブルーナー(ウディ・ハレルソン)や、母親(キーラ・セジウィック)を困らせてばかり。

たった一人の親友クリスタ(ヘイリー・ルー・リチャードソン)だけが自分のすべてだと思っていたのに、何をしてもかなわないとコンプレックスを抱いていた天敵の兄ダリアン(ブレイク・ジェナー)と親友のクリスタが恋に落ちてしまう。

この衝撃的事件により、ネイディーンは父が他界して以来ずっと取り乱しがちな母や、なぜかシンパシーを感じる変わり者の教師のブルーナー、自分とは正反対のイケメンで誰からも愛される兄ダリアンなど、自分を取り巻く人々へ新たな視点と気持ちを向けざるをえなくなる。

 

人生は彼女が思う以上に複雑で、誰もが何かをこじらせながら大人になっているのだ・・・。(HPより抜粋)

youtu.be

 

 

 

 

 

 

監督

監督は、今作で監督デビューしたケリー・フレモン・クレイグ。

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なんと35歳!若い!てかキレイ!!監督!女優もイケますよ絶対!!

今作で監督と脚本を手掛け、NY映画批評家賞第一回作品賞を受賞し、結果賞レース4受賞18部門ノミネートという快挙を成し遂げました。

おそらく来年の新作はもっと注目されるんでしょうね。会社の犬にならないことを祈りたいですw

 

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 監督の脚本デビュー作だそうです。おっと、俺の好きなアレクシス・ブレデルが。見たい。

 

 

 

 

キャスト

主人公の17歳こじらせ女子、ネイディーンを演じるのはヘイリー・スタインフェルド。

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どこか指原莉乃と系統が似てる気がする・・・。

ヘイリーちゃんといえば「トゥルー・グリット」での勇ましい姿が印象的です。あの頃14歳でしたか。立派な女性に成長しましたよね。てか歌うたってたなんて知らなかったなぁ。

そんな彼女の出年作品をざっくりと。

父を殺した犯人へ復讐を果たすべく、2人の男を従え危険な追跡の旅に出る少女の旅路を、素晴らしい映像美で描いたコーエン兄弟監督の傑作西部劇「トゥルー・グリット」で1万5000人の中から選ばれ、アカデミー賞助演女優賞ノミネートをじめ、数々の賞で受賞し脚光を浴びます。

その後も、崖っぷちの音楽プロデューサーと失恋したての女性シンガーソングライターが手を組み再起を図る音楽映画「はじまりのうた」では、ビルの屋上でのゲリラレコーディングでギター演奏を披露、大学の女子アカペラ部を舞台にした学園青春コメディの続編「ピッチ・パーフェクト2」では歌声も披露するなど、音楽面の顔ものぞかせる演技で魅了しています。

 

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 ジェフ・ブリッジスがカッケーんすわ。

 

 

 

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

ネイディーンの母親モナ役に、TVドラマ「クローザー」でおなじみキーラ・セジウィック。

ネイディーンの教師ブルーナー役に、「グランド・イリュージョン」や「ゾンビランド」、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」、今年は「猿の惑星 大戦記」が控えているウディ・ハレルソン。

親友クリスタ役に、シャマラン監督最新作「スプリット」にも出演しているヘイリー・ルー・リチャードソン。

兄であるダリアン役に、「エブリバディ・ウォンツ・サム!」のブレイク・ジェナーらが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

なんで私だけこんな目に?17歳こじらせ女子が、どんな風に周りを巻き込み、やらかし、追い込まれながらも大人への一歩を踏んでいくのか。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

 いやいや笑ってる場合じゃない!みんなにもこんな時があったのだから!笑えるけどどこか心当たりのある痛快青春映画!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

様々な愛が描かれていた。

体は大人でも頭ん中はまだ子供。家族がウザい、友達が少ない、先生が相談にのってくれない、みんな私のこと誰も理解してくれない。そんなすべてが暗闇に覆われてると思ってるティーンズ女子が、周りの人間を困らせながらもちょっぴり大人への一歩を踏み出す青春映画でございました。

 

なんでアタシがこんな目に!?そう誰もが思っていた17歳という多感な時期を思い起こさせるこじらせっぷりに、大いに笑える場面もあれば、あまりに行き過ぎた行動に母親や兄に同情してしまう場面など、彼女と同じようなことをしていたり言っていたことに共感したり、またはそんな彼女にやきもきしながらも彼女のことを理解しようと努める母親や兄のような大人の目線で共感できる、どちらの目線でも楽しめる映画になっていました。

 

 

そこから読み取れるのは、親子愛や兄弟愛、親友との友情や自分を好きでいてくれる人との関係といった様々な愛も描かれていること。

娘のことを理解できないでいる母親、母へのご機嫌取りばかりする兄、絶交された親友、彼女への好意がなかなか伝わらないクラスメート。

彼女を取り巻く人間たちが、たくさんの愛情を注いでるにもかかわらず受け取ろうとしないネイディーンに、周りの人たちはとうとう愛想が尽き、つい本音を言ってしまうけど、その本心に気付いたネイディーンが向き合っていくラストに、大きな愛を感じた瞬間でありました。

 

 

お前がつまらないのは、お前のせいだ。

タイトルからしてモンスターとは主人公ネイディーンのことであります

しかも誰目線で言ってるのか、それはもちろん彼女以外の周りの人間。このモンスターをどう説き伏せようにも説き伏せられないわけです。

どうしてそうなってしまったのか。ひとつは自分のよき理解者である父親が亡くなってしまったこと。そしてもうひとつは唯一の親友がリア充である兄と恋仲になってしまったこと。

父が死んでしまい悲しみに暮れ落ち込みはしたものの、まだ親友だけは自分の味方でいてくれた。その命綱一本を掴んでかろうじて生活していたネイディーンに、ついにその命綱が絶たれてしまう。はい、とうとうモンスターの誕生です。も~んすたぁ!!(嵐も歌っぽく)

 

モンスターはまず、兄と親友とパーティーに出かけますが、どんどん兄のエスコートでリア充と化していく親友クリスタの行動に腹が立ち勝手に帰ってしまいます

次にモンスターは、兄と真剣に付き合うことを決めたクリスタに、アタシと兄貴どっちか選んで!とムチャぶりをします。もちろんクリスタは選べるわけもなく、結果モンスターは絶交よ!とブチ切れ。

そして一人ぼっちになったモンスターはどんどん深い闇に。

モンスターに好意を持っているクラスメートのアーウィンを誘い、遊園地へいったり、家に遊びに行くわけですが、彼の好意をわかっていながら平気で踏みにじる言葉を浴びせます。

モンスターは学校の先生にも平気で気分を悪くさせる言動もします。このうだつの上がらないハゲ教師!

しまいには、親友に会いたくないがために母親の職場までついていき、母の邪魔をしたのちに、母の車で無免許運転。

やりたい放題もいいとこです。

 

 

人間は2種類に分けられる。イケてる奴とイケてない奴。そのイケてないほうに分類されたとばかり思い、何から何までひがんでばかりのネイディーン。

最初こそ彼女の行動や言動に笑いっぱなしでしたが、さすがに後半は笑えません。ちょっと腹が立ってきました。 ブルーナー先生も、アーウィンも、母も兄もクリスタもよく我慢出来たなと。

このときなぜかふと、映画「アフタースクール」の名セリフ、「お前がつまらねぇのは、お前のせいだ。」が浮かびました。

あなたが一歩踏み出すことで世界はこんなにも変わるのに、どうしてそれに気付かない!

 

そう思うのは自分が大人になったからなんだよなぁ。

俺もあの時そうだった。高校時代の自分を思い出しました。今思えば相当周りに迷惑をかけてました。その代償に友人も減っていきました。それでも自分は悪くない。そう考えていた自分がいました。

どこでどう変わったのか、自分もよくわかっていません。むしろまだ変わってないのかもしれない。こじらせたままなのかもしれない。それでもこのネイディーンに腹が立ってるっていうのは、昔の自分と重ねてみてたり、歳を取ったから。そういうことにしとこうw

やっぱ変わってねえなw

 

 

話が逸れましたw

 

このモンスターをどう退治するか。

大人たちは真っ向から勝負していきます。

兄貴は人生は不公平なんだ!乗り越えろ!とめちゃめちゃいいこと言いますが、まったく効果なし。

母親は取り乱しながら罵倒しますが、いつもの常套句に慣れてるモンスターに見透かされ、その後なんて言うか当ててあげる!と逆に煽られ全く効果なし。

アーウィンに至っては腹が立つけど、やっぱりネイディーンが好きだから強く言えずに、今言いたいことをもろに歌ってる曲を流して伝えますが、モンスターにそんな遠回しの攻撃など通用するわけもなく。

 

だが、先生はそんなモンスターに真っ向勝負せず、のらりくらりなつかみどころのない切り返しで対等に接していきます。さすが何年も子供相手に修羅場をくぐってきた男。

自殺してやる!とモンスターが吠えれば、授業を休んでアイスでも食えと落ち着かせ、モンスターのご乱心により暴言を吐かれても、そんな低い年収で例えられたのは初めてだと威圧し、それでもお前はお気に入りの生徒だよ!とすかさずフォロー!仕上げはクッキーあげるよ!で、ハイ一丁あがり!さすがです。

 

そんな先生に気を許したのか、色々あってへこんだモンスターは彼を頼っていきます。徐々にモンスターは、どうしてこうなってしまったのか、ようやく答えにたどり着いていくんですねぇ。

というわけでモンスターはどうやって大人しくなっていくのか、何が彼女を変えていくのか、先生がどんなアドバイスをしたのか、ぜひ劇場で目に焼き付けていただきたいです。

 

 

 

見事な演技

今回主役を演じたヘイリーちゃん。いやぁ名演技でしたwそのこじらせ方は素ですか?と思ってしまうほどやらかしてくれます。

酒に酔って酒におぼれてグダグダになったり、早口でまくし立てて暴言はいたり、他人を傷つけるような偏見を平気でポンポンしゃべったりと、いい感じで子憎たらしい10代をコミカルに演じてくれました。

ネタバレ知っただけで見た気になるから教えて!と今どきの10代らしさを見せたり、ニキビ面で「ナポレオン・ダイナマイト」と同じ髪型で悲しい表情をする彼女には大いに笑わせてもらいましたよw

しかも最初のふくれっ面から一転、クライマックスでは大粒の涙を流しながらシリアスな演技。そしてラストは晴れ晴れとした表情で大人への片鱗を見せる演技。

いやぁ大したもんです。

 

そして、先生役のウディ・ハレルソン!彼もまたいい先生を演じていました。

顔こそコワモテな感じですが、それを一切封じ、気だるさを醸し出しながらも、ネイディーンを一人前のように扱う眼差し、声を荒げて怒りたい気持ちを抑えながら静かに語る間の置き方、その一方で子煩悩なパパの表情をサラッとこなす切り替えの早さ。いい先生を演じてくれました。こんな先生いたらなぁ!と思わせてくれる演技でした。

 

母親役のキーラ・セジウィックも、夫に先立たれたことで悲しみを埋めようと何かに没頭しつつも、娘のことになると取り乱す、ちょっと残念な母親を好演してたし、兄貴のダリアンを演じたブレイク・ジェナーもイケてるオーラを放ちながら、妹に母に振り回される兄を熱演しておりました。

 

 

 

最後に

大人になるってどういうことだろう。

きっと相手を許せることだったり、相手を思いやることだったり、妥協することだったり、あきらめることだったり。

そういった一歩引いた行為の積み重ねなんじゃないだろうか。

ネイディーンの周りの人間は彼女にそういう行動をすることで大人の対応をしていたわけで。兄貴はその素振りをしていたことを素直に認め、母親は自分の主張を抑えることで彼女を受け止め、クリスタやアーウィンは彼女を変わるのをひたすら待ち続けた。

それが伝わった時の彼女の表情を是非目に焼き付けてほしい。大人になった瞬間を。

 

な~んて、わかった風な書き方しましたが、そんなね、深く考えずに色々笑って、色々昔を思い出して、ちょっとだけ成長していく彼女を温かく見守りながら見ていただけたらと思います。

もうざっくり言いますけどね、この映画良い!!!ww

毎度のことながら残念な文章構成でございますが、この辺で。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10

 

モンキー的2017年5月期待の新作映画

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4月25日

モンキー的2017年5月期待の新作映画

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GW前ですが来月期待の新作映画の紹介です。

正直今年のGW映画、去年と比べるとこれは面白そう!っていうのがあまりなくてですね、早く5月になんねえかななんて3月あたりから思ってまして

なんでって、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・リミックス」がGW明け公開だからって理由が一番なんですけども。

これGWにやってよぉ~ディズニー。「美女と野獣」推しなのはわかるけどさぁ。

まぁ逆に、5月は興行的には動員が少ない時期なので、それがあるってことで盛り上がって欲しいなと。

 

はい、前置きはこれくらいにして早速いってみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カフェ・ソサエティ

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期待度 ☆☆☆★★

5月5日公開

 

  • 出演

 

ボビー・・・ジェシー・アイゼンバーグ

ヴォニー・・・クリステン・スチュワート

ヴェロニカ・・・ブレイク・ライヴリー

フィル・・・スティーヴ・カレル ほか

 

 

  • 解説

ウッディ・アレン監督が1930年代ハリウッド黄金時代を背景に、きらびやかな社交界(カフェ・ソサエティ)に身を置くことになった青年の恋や人生を描いたロマンティックコメディ。

映画業界で働くことを夢見るニューヨーク生まれの青年ボビーは、業界の有力者である叔父フィルを頼ってハリウッドにやってくる。フィルの秘書を務める美女ヴォニーに心を奪われたボビーは、映画スターやセレブリティを相手に、フィルの下で働きながらヴォニーと親密になっていくが、彼女には思いがけない恋人の存在があった。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

 相変わらずこの時代のラブロマンスが好きなウディアレン。そろそろブラックコメディやるのかなとおもったら、またもや明るいロマンスコメディ。いや、待てよ、もしかしたら業界をdisっている内容かもしれない。

そんな設定の裏側など考えずに、セレブリティが集う社交場の華やかさに現を抜かして、どっちの女か迷ってる早口ジェシーを観るってだけで、普通に面白そうだよなぁ

 オレなら断然、ブレイクライヴリーを選びますけどね!

 

 

 

 

追憶

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 期待度☆☆☆★★

5月6日公開

 

  • 出演

 

四方篤・・・岡田准一

田所啓太・・・小栗旬

川端悟・・・柄本祐

四方美那子・・・長澤まさみ

田所真理・・・木村文乃 ほか

 

 

  • 解説

 

鉄道員(ぽっぽや)」「あ・うん」などの名作を手掛けた監督・降旗康男と撮影・木村大作が9年ぶりにタッグを組み、岡田准一を主演に迎えたヒューマンサスペンス。ひとつの殺人事件の刑事・容疑者・被害者として再会した幼なじみ3人が、心の奥に封印してきた過去と向き合う様子を描く。

1992年、冬。親に捨てられた13歳の少年・四方篤は、似た境遇の田所啓太、川端悟と共に、軽食喫茶を営む仁科涼子と山形光男のもとで家族のように暮らしていた。しかしある事件をきっかけに幸せな日々は終わりを迎え、彼らは離れ離れになってしまう。25年後、成長して刑事になった篤は、無残な刺殺体となって発見された悟と再会を果たす。そして捜査が進められていく中、啓太が容疑者として捜査線上に浮上し……。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

 日本が誇る名監督と名カメラマンが、今をときめくキャストで描くヒューマンサスペンス。果たして若い人たちは観ようと思うのでしょうか。いくら岡田君が主演とはいえ、「海賊とよばれた男」がコケたのだから、微妙だよねぇ。

そもそも、幼馴染が大人になって、刑事と容疑者と被害者って、完全に「ミスティック・リバー」じゃねえか。いいのかおい。アレに勝てるのか。

ともかくタイトルの「追憶」という言葉がどういう意味になるのか。

 この手の作品は、長めのイメージなのに上映時間99分と短め。

 

どうでもいいんだけど、俺が監督でこのキャストなら岡田くんと小栗旬を戦わせるアクション撮りますけどね。2人ともカリ・シラットやってるし。

 

 

 

 

 

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス

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期待度☆☆☆☆☆

5月12日公開

 

  • 出演

スターロード/ピーター・クイル・・・クリス・プラット

ガモーラ・・・ゾーイ・サルダナ

ドラックス・・・デヴィッド・バウティスタ

ベビー・グルート・・・ヴィン・ディーゼル(声)

ロケット・・・ブラッドリー・クーパー(声) ほか

 

 

  • 解説

アベンジャーズ」シリーズに代表されるマーベル・シネマティック・ユニバースの一作で、お尋ね者たちが成り行きでチームを結成し、銀河の危機を救う羽目になる姿を描いたアクションアドベンチャー「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のシリーズ第2作。

スター・ロードを自称するガーディアンズのいい加減なリーダー、ピーター・クイルを筆頭に、凶暴で毒舌なアライグマのロケット、知性をもつ木で25センチまで再生したグルートら、前作からおなじみの面々が、新たな危機に直面し、再び強大な敵と立ち向かうことになる様を描く。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

アメコミ大好きモンキーがこの映画にどれだけの思いを抱いてるか。ワルさとユルさとヤバさとイイカゲンさを武器に、特に能力もない奴らがノリで銀河を救うんだぜ。

こんなの絶対面白いに決まってるんだよ!

何つったって予告編で使われてる音楽のチョイスがまたまた秀逸。また一発屋でかき集めるのかな。そしてロケットに萌え萌えな私ですが、今回のベビーグルートのかわいさにもまたヤラれそう。

こんなかわいいのが大暴れするのかぁ楽しみだなぁ。

で、かわいいとは程遠いカート・ラッセルシルベスタ・スタローンも今作に登場。まぁある意味かわいいおっさん二人がどのキャラを演じるのか楽しみですね。

他にも、来年公開の「アベンジャーズ・インフィニティ・ウォー」へどう繋がってくるのか。インフィニティストーンは出てくるのか。そういった部分にも注目が集まります。

 前作は3回見に行きましたが、今回もそれくらい行っちゃいそう。

 

 

 

 

 

スプリット

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期待度☆☆☆☆★

5月12日公開

 

  • 出演

ケビン・・・ジェームズ・マカヴォイ

ケイシー・・・アニヤ・テイラー=ジョイ

フレッチャー・・・ベティ・バックリー

マルシア・・・ジェシカ・スーラ

クレア・・・ヘイリー・ルー・リチャードソン ほか

 

  • 解説

シックス・センス」「ヴィジット」のM・ナイト・シャマランが、ジェームズ・マカボイを主演に迎えてメガホンを取ったサイコスリラー。

見知らぬ男に拉致され、密室に閉じ込められた女子高校生3人組は、監禁場所で神経質な雰囲気を漂わせた男を目にする。男が部屋から立ち去り、必死に脱出方法を思案している最中、ドアの外から男と女が会話する声を耳にした3人は助けを求めて声を上げるが、そこに現れたのは、女性の服に身を包み、女性のような口調で話す先ほどの男だった。男には23もの人格があり、9歳の少年やエレガントな女性など、ひとりの体の中で人格が激しく入れ替わっていく。そして、そんな男に24番目の人格が現れ……。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

 坊主のマカヴォイが出てるからってX-MENアポカリプスのその後の話ではありません。イギリスが生んだ芸達者がなんと23の人格を持つ異常者を演じる、なんともサイコなお話。

前作「ヴィジット」が久々の高評価で、今作も上々とここんとこのシャマランちゃんは右肩上がりでございます。ようやく過去の呪縛から解き放たれ生き生きと作品作りをしているのでしょう。

果たしてどんだけ怖くとんでもないオチが待っているのでしょうか。いやはや楽しみ。

 

 

 

 

 

 

 

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ

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期待度 ☆☆☆★★

5月13日公開

 

  • 出演

美香・・・石橋静河

慎二・・・池松荘亮

玲・・・佐藤玲

牧田・・・三浦貴大

アンドレス・・・ポール・マグサリン ほか

 

  • 解説

舟を編む」の石井裕也監督が、注目の詩人・最果タヒの同名詩集をもとに、都会の片隅で孤独を抱えて生きる現代の若い男女の繊細な恋愛模様を描き出す。

看護師をしながら夜はガールズバーで働く美香は、言葉にできない不安や孤独を抱えつつ毎日をやり過ごしている。一方、工事現場で日雇いの仕事をしている慎二は、常に死の気配を感じながらも希望を求めてひたむきに生きていた。排他的な東京での生活にそれぞれ居心地の悪さを感じていた2人は、ある日偶然出会い、心を通わせていく。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

 船を編むで絶賛され、奥さんは満島ひかり監督として順風満帆だった彼に何があったのか。「バンクーバーの朝日」が大コケし、奥さんに三行半を突きつけられ、まさに人生を転がり続けてる石井裕也監督。

とりあえず原点回帰なのか。いやいやあなたの原点はオフビートなヒューマンコメディでしょう。男女の若者の青春映画、困ったときの池松荘亮ですか。

というわけでこれは原点回帰ではないですな。監督がまた上り詰めるための第2章なんでしょうな。

てか主役の女優さん誰?

  

 

 

 

 

マンチェスター・バイ・ザ・シー

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期待度☆☆☆☆★

5月13日公開

 

  • 出演

リー・チャンドラー・・・ケイシー・アフレック

ランディ・・・ミシェル・ウィリアムズ

ジョー・チャンドラー・・・カイル・チャンドラー

パトリック・・・ルーカス・ヘッジズ

シルヴィー・・・カーラ・ヘイワード ほか

 

  • 解説

ジェシー・ジェームズの暗殺」「インターステラー」のケイシー・アフレックが主演し、心を閉ざして孤独に生きる男が、兄の死をきっかけに故郷に戻り、甥の面倒を見ながら過去の悲劇と向き合っていく姿を描いたヒューマンドラマ。

第89回アカデミー賞では作品賞ほか6部門にノミネート。アフレックが主演男優賞、ロナーガン監督が脚本賞を受賞した。

アメリカ、ボストン郊外で便利屋として生計を立てるリーは、兄ジョーの訃報を受けて故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーに戻る。遺言でジョーの16歳の息子パトリックの後見人を任されたリーだったが、故郷の町に留まることはリーにとって忘れられない過去の悲劇と向き合うことでもあった。(映画/comより)

 

  • 期待どころ

 「容疑者ホアキン・フェニックス」をきっかけにハリウッド干され状態だったケイシーが、万里の長城に行かなくちゃということでマット・デイモンから譲ってもらった役が、ここまで評価されるとは本人もわかっていなかったでしょう。

アゴ圧で押して来る兄のベンアフとは違い、繊細な面持ちと語り口で演じるケイシーはきっとこの役にぴったりだったのでしょう。兄が死んだって設定もお兄ちゃんがいることで役に入りやすかったのかな。

マンチェスターって行ったら、イギリスだろって思ってたけど、アメリカにマンチェスターバイザシーって地名があんのね。日本で行ったら新宿って東京以外にもあるよって話か。地元にもあるな新宿。

 久々にブタ美人のミシェル・ウィリアムズを見れるのも楽しみ。

 

 

 

 

 

メッセージ

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期待度☆☆☆☆★

5月19日公開

 

  • 出演

ルイーズ・バンクス・・・エイミー・アダムス

イアン・ドネリー・・・ジェレミー・レナー

ウェバー大佐・・・フォレスト・ウィテカー

ハルベーン・・・マイケル・スターバーグ ほか

 

  • 解説

プリズナーズ」「ボーダーライン」などを手がけ、2017年公開の「ブレードランナー 2049」の監督にも抜擢されたカナダの鬼才ドゥニ・ビルヌーブが、異星人とのコンタクトを描いた米作家テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」を映画化したSFドラマ。

ある日、突如として地球上に降り立った巨大な球体型宇宙船。言語学者のルイーズは、謎の知的生命体との意思疎通をはかる役目を担うこととなり、“彼ら”が人類に何を伝えようとしているのかを探っていくのだが……。(映画.comより)

 

  •  期待どころ

 去年の東京国際映画祭にて上映されたドゥニドゥニの新作がようやく公開です。

あの黒い巨大な物体を「黒いばかうけ」だとか「黒い柿ピー」だとか「黒いハッピーターン」とかいろんなお菓子に見立てて映画サイトが盛り上げてます。どれもまずそうなお菓子だけどなっ!

とにかく見た人が絶賛ツイートの嵐で、そんなにスゲーの!?と。

正直ドゥニドゥニは「灼熱の魂」が一番好きで、後はそんなに好きじゃない。いや正確に言えば好みではないんだけど、今作は評判も後押しして楽しみにしてます。

エイミーアダムスは賞レースでよく名前を見たけど、ジェレミーはあまり観なかったなぁ。たいした見せ場ないってこと?弓矢持ってないとダメか。あ、持っててもダメか。「ハートロッカー」以降アクションばかりだからなぁ。

 

あまり関係ないとは思うんですが、タイトルの「メッセージ」の「セ」だけ明朝体なのが気になる。

 

 

 

 

 

夜に生きる

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期待度☆☆☆☆★

5月20日公開

 

  • 出演

 

ジョー・コフリン・・・ベン・アフレック

ロレッタ・フィギス・・・エル・ファニング

トム・コフリン・・・ブレンダン・グリーソン

ディオン・バルトロ・・・クリス・メッシーナ

エマ・グールド・・・シエナ・ミラー ほか

 

 

  • 解説

 

アカデミー賞を受賞した「アルゴ」以来となるベン・アフレックの監督作で、「ミスティック・リバー」やアフレックの初長編監督作「ゴーン・ベイビー・ゴーン」でも知られるデニス・ルヘインのノワール小説を映画化した犯罪ドラマ。

禁酒法時代のボストンで厳格な家庭に育ったジョーは、警官幹部である父に反発し、ギャングの世界に足を踏み入れていく。ある日、強盗に入った賭博場でジョーはエマと出会い、やがて2人は恋に落ちる。しかし、エマは対立組織のボスの娼婦で、超えてはいけない一線を超えてしまったジョーの運命は大きく狂わされていく。(映画.comより)

 

 

  • 期待どころ

 みんながみんなバットマンのことばかり聞いてきてもう嫌なんだよ!!俺の新作映画のこと聞いてくれよ!!

と、とうとう本音を記者の前で打ち明けてしまい、結果「バットマン」監督を降板しちゃったベンアフ。つらかったんだね。心中お察しします。

というわけで、その誰も聞いてくれなかった彼の新作映画が公開です。

いつも心にボストンを。いつか弟にオスカーを。をモットーに頑張ってきたベンアフ。今作もまた警察官かギャングしか生きるすべのない当時のボストンを舞台に、いいとこの息子が親に反発して不良の道に入り、敵の親玉の娘といい感じになっていく、というどこかで聞いたことある展開。あ~死ぬんだろうなぁw

個人的には、「アルゴ」も「ザ・タウン」も「ゴーン・ベイビー・ゴーン」もすごく面白くて好きなのでただただ期待。

 

 

 

 

 

 

 

美しい星

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期待度☆☆☆★★

5月26日公開

 

  • 出演

 

大杉重一郎・・・リリー・フランキー

大杉一雄・・・亀梨和也

大杉暁子・・・橋本愛

大杉伊予子・・・中嶋朋子

黒木克己・・・佐々木蔵之介 ほか

 

 

  • 解説

 

三島由紀夫の異色SF小説を、「桐島、部活やめるってよ」「紙の月」の吉田大八監督が映画化。平凡な家族が突如として「宇宙人」に覚醒する姿を、舞台を現代に置き換えた大胆な脚色で描く。

予報が当たらないことで有名なお天気キャスター・大杉重一郎は、妻や2人の子どもたちとそれなりの暮らしを送っていた。そんなある日、重一郎は空飛ぶ円盤に遭遇したことをきっかけに、自分は地球を救うためにやって来た火星人であることを確信。さらに息子の一雄が水星人、娘の暁子が金星人として次々と覚醒し、それぞれの方法で世界を救うべく奔走するが……。(映画.comより)

 

 

 

  • 期待どころ

 私としては、桐島以降賞レースに絡むことが多くなってしまったがゆえに、初期の「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」や「クヒオ大佐」のようなパンチのきいたブラックな笑いをそろそろやってほしいなと思ってたのに、今回はSFですって。

つっても、原作三島由紀夫ですからね。どんな脚色を施すのか。リリーフランキーがぶっ飛んでてほしいな。

亀梨君忙しいですね。「PとJK」やったばかりで、これやって24時間テレビでしょ。そんなに演技うまいと思わないんですけどね。それでもいろんな監督と仕事させてもらってるのはすごいよなぁ。

 

 

 

 

 

 

光をくれた人

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期待度☆☆☆★★

5月26日公開

 

  • 出演

 

トム・シェアボーン・・・マイケル・ファスベンダー

イザベル・・・アリシア・ビカンダー

ハナ・・・レイチェル・ワイズ

セプティマス・ポッ・・・ブライアン・ブラウン

ラルフ・アディコット・・・ジャック・トンプソン ほか・

 

 

  • 解説

 

ブルーバレンタイン」のデレク・シアンフランス監督が、孤島に流れ着いた赤ん坊を我が子として育てる灯台守夫婦の愛と葛藤を描いたM・L・ステッドマンの小説「海を照らす光」を映画化したヒューマンドラマ。

第1次世界大戦後のオーストラリア。孤島ヤヌス・ロックに灯台守として赴任した帰還兵トムは、明るく美しい妻イザベルと幸せな日々を送りはじめる。やがてイザベルはトムの子を身ごもるが、立て続けに流産と死産に見舞われてしまう。そんな矢先、男性の死体と生後間もない赤ん坊を乗せたボートが島に流れ着く。赤ん坊に心を奪われたイザベルは本土に報告しようとするトムを説得し、赤ん坊にルーシーと名付けて我が子として育てはじめるが……。(映画.comより)

 

 

  • 期待どころ

 3月に公開予定だった今作。

ムーンライト」のアカデミー賞で作品賞を受賞したことにより、配給元のファントム・フィルムは、もともと5月に公開予定だったムーンライトと今作の公開を逆にするという大英断を決行。

結果ムーンライトは拡大上映もでき、ヒットしたことで会社も御の字。

3月の期待作でこれ書いてるので、特に言うことはないですが、これ見る前にブルバは1回見ておこうと思ってます。

 

 

 

 

 

 

他の話題作

その他観る予定はないですが、話題になるであろう作品たちのご紹介です。

  • 5月3日公開

ラストコップTHEMOVIE(TVドラマの実写化)

  • 5月5日公開

ノーエスケープ 自由への国境アルフォンソ・キュアロン監督の息子がメガホン)

  • 5月12日公開

パーソナルショッパー(カンヌ監督賞作品。シャネルも協力の心理ミステリー)

  • 5月13日公開

サクラダリセット 後篇(3月に公開した作品の続編)

潜入者ブライアン・クランストン最新作は犯罪モノ)

破裏拳ポリマー(タツノコプロの作品を溝端淳平主演で実写化)

  • 5月20日公開

たたら侍EXILE HIROプロデュースの時代劇)

ピーチガール山本美月とHeySayJUMP伊野尾慧で人気少女コミックの実写化)

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(日本のアニメをモチーフにしたイタリア映画

  • 5月27日公開

家族はつらいよ2山田洋次監督の最新作は前作の続編)

ちょっと今から仕事やめてくる(ベストセラー小説の実写化。社会人は必見の作品)

河瀬直美監督最新作。カンヌ映画祭にも出品の模様)

 

 

 

 

 

 

 

てな感じで、5月も映画を楽しんでいきましょう!!

 

映画「ワイルドスピード8アイスブレイク」感想ネタバレあり解説 ワイスピを超えるのはワイスピだけ!

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4月28日

ワイルドスピード ICE BREAK

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え~、何から話そうか。

まず「ワイスピ」シリーズ、1度も見たことありませんでした!!

なんでって、車に興味ないからです。あとヴィン・ディーゼル好きじゃないからです。そんな食わず嫌いだった私に、ありとあらゆる映画仲間から見たほうがいいよ、と。

特に前作「ワイルドスピード SKY MISSION」の時は、ポール・ウォーカーで感動するから見たほうがいいよ、とかなり言われました。

 それでも観なかった私。そう、薦められるとなぜか拒むクセがあるというクソめんどくさい性格な故、結果見なかったわけです。

 

だってこれ観るのに7作観なきゃいけないんでしょ?そんな時間ないし・・・。

アメコミ映画全作観ろ!って言われてる人の気持ちがようやく理解できたかも。

なので後回ししてたんですが、今月最新作公開というタイミングもあり!しかもアマゾンプライムビデオで1~5まで見れるし!丸1日暇だったのでスカイミッションまで全作みたぞ!!!

 

4月の期待作にも入れてなかったのに!あれだけ薦められて拒んでたのに!どうなっちまったんだオレ!!何がそうさせた!!車ダメだったぢゃん!ヴィン・ディーゼル好きじゃなかったぢゃん!!

なのに!なのに!

結果タダの食わず嫌いでした。

めちゃんこ面白かった!!!

この高揚感を保ったまま、8作目にして初の劇場鑑賞してまいりました。前置き長くてメンゴ。

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

ストリートレーサーたちによるカーアクション映画としてスタートした「ワイルドスピード」シリーズ。続編が何作も続くと、減少傾向にある映画業界のセオリーを打ち破り、右肩上がりで面白くなっていき、気づけば今作で8作目。

前作「SKY MISSION」では、第1作から出演していたポール・ウォーカーの死により続行が危ぶまれていたが、続編を熱望していたポールの意志を受け継ぎ、今作に至ったのとのこと。

毎度お馴染みレギュラーキャストに加え、新たな敵が登場、果たして彼らは闘いに勝利できるのか。

最新作にして最高の盛り上がりを見せている「ワイスピ」シリーズ8作目が幕を開ける。

 

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あらすじ

 

長い逃亡生活と史上最悪の敵との激しい戦いを終え、ドミニク(ヴィン・ディーゼル)、レティ(ミシェル・ロドリゲス)、ローマン(タイリース・ギブソン)ら、固い絆で結ばれた“ファミリー”は、束の間の日常を楽しんでいた。

だが、その平穏を破ったのは、誰よりもファミリーを大切にしてきたはずのドミニクのまさかの裏切りだった。

予想外の事態によって投獄されるホブス(ドウェイン・ジョンソン)。崩壊の危機に直面するファミリーだったが……。(Movie Walkerより抜粋)

 

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監督

監督は、F・ゲイリー・グレイ

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アレ?こんなおっさんだったっけ?

以前「ミニミニ大作戦」を撮ってるだけあって、カッコよく車を撮るのは朝メシ前のはず。

一昨年の「ストレイト・アウタ・コンプトン」はかっこよかった。今回も男くさ~い、ド派手な内容期待してます。

彼に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

 

 

キャラクター紹介

いっぱいいるのでざっくり紹介します!

 

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左上から右へ。

  • ドミニク・トレット(ヴィン・ディーゼル)

このチームのリーダーでゼロヨンレースのカリスマ的存在。過去にはそのカーテクニックで輸送車を襲って国際的指名手配になりましたが、気がつけば、FBIなどの手助けをし、恩赦をもらい優雅な生活を送っています。

今作での愛車はプリムスGTX第2世代。

 

  • レティ・オルティス(ミシェル・ロドリゲス)

第1作目からほとんど登場しているワイルドキャット。現時点ではドミニクの妻として彼をサポートしています。過去には死んだり生き返ったり敵になったり記憶をなくしたりと、ファンをどきどきさせますが、今回はどうなんでしょうか。

今作での愛車はシボレーコルベットC2.

 

  • ローマン・ピアース(タイリース・ギブソン)

チームのムードメーカー的存在、そのトークで場を和ませたり駄々をこねたり、愉快痛快なキャラ。元々はブライアンの友人であり、腕の立つ仲間を探していたところドミニクのチームに加わって今に至ります。

今作での愛車は、ベントレーコンチネンタルGTとオレンジのランボルギーニ。

 

  • テズ・パーカー(クリス・“リュダクリス”・ブリッジス

チームのメカニック担当。ハッキングから車の改造からお手の物。かつてはアフロヘアーでマイアミのストリートレースを仕切っていた彼ですが、ローマン同様、その技術を買われブライアンからの紹介でチームに参加しています。

今作での愛車は、メルセデスAMG、スバルBRZ、雪上でのシーンでは戦車も運転する模様。

 

  • エレナ・ネベス(エルサ・パタキー

ホブスの部下として、彼をサポートしている捜査官。かつては新米警官ながらホブスに引き抜かれ通訳として同行。やがて独り身だったドミニクと恋人関係にまで発展しています。レティが現れたことで身を引いています。

 

  • ルーク・ホブス(ドウェイン・ジョンソン)

FBI特別捜査官。その全身筋肉なバディと力任せの技でドミニクをサポートする。

最初こそドミニクを追いかける敵であったが、自分の部下が殺されたことで共通の敵を倒すため手を組む。その後ヤバそうな案件はまずドミニクに相談。気がつけば仲間に。

警察官なのでド派手なレーシングカーには乗りませんが、今作では雪上シーンで雪仕様の装甲車に乗り込む模様。

 

  • デッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム

前作「SKY MISSION」でのヴィラン。元イギリス特殊部隊員。「EURO MISSION」で、弟である国際的犯罪組織のリーダー・オーウェン・ショウの悪事を阻止し、重症を負わせたドミニクたちに復讐していった。今作では、互いの利益のためにチームに協力する模様。

今作での愛車は、ジャガー・F・TYPE。

 

  • ミスター・ノーバディ(カート・ラッセル

アメリカ政府に属する秘密特殊部隊を率いる男。前作でドミニクたちに近づき重要人物の捜索を依頼、無事成功したことからドミニクたちとデッカードを倒すべく協力する仲に。

ベルギー産ビールが大好き。

 

  • ラムジー(ナタリー・エマニュエル

凄腕の女性ハッカー。前作で世界のあらゆる情報機器から誰がどこにいるかを瞬時に見つけ出せるという「ゴッド・アイ」を開発したことである組織に捕らえられてしまう。ドミニクたちが救出した後はチームに尽力。テズとなにやらロマンスのにおいが。

 

  • サイファー(シャーリーズ・セロン

謎のサイバーテロリスト。今作でチームを裏切るドミニクを裏で操っている黒幕。果たしてその理由やいかに。

 

 

 ほかにも、デッカードの母親役としてヘレン・ミレンが、ミスターノーバディの部下、リトル・ノーバディ役としてスコット・イーストウッドも出演とのこと。

 

 

 

ワイスピの歴史

イッキ見した自分が語るのもなんですが、彼らの歩みを簡単にまとめてみました。

 あ、軽くネタバレしてますのでご注意を。

  • ワイルド・スピード(2000年)

 

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登場キャラ・・・ドミニク、ブライアン(ポール・ウォーカー)、レティ、ヴィンス、ミア(ジョーダナ・ブリュースター

 

最初はクソでかい事件やら大爆発なんてのはほとんどなく、ストリートレース中心で潜入捜査モノだったんですねぇ。

捜査官であるブライアンが、改造車集団による輸送貨物車襲撃の容疑者であるドミニク一味と仲良くなっていくことで、妹のミアに惚れていき、ドミニクに情が沸いてしまう、「ハートブルー」よろしく、トンだ友情物語でした。日本車がかなり出てくるのはうれしいところ。

 

 

  • ワイルド・スピードX2(2003年)

 

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登場キャラ・・・ブライアン、ローマン、テズ

 

舞台はロサンゼルスからマイアミへと移り、ドミニクを逃がしたことで警察を辞め、追われる身となったブライアンと旧友ローマンが麻薬組織の囮捜査をする羽目となっていく。

マイアミが舞台とあって開放感溢れるロケーションにど派手な車がまたグッド。

なんといっても船に突っ込んでいく車のシーンは大迫力。

 

 

  • ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT(2006年)

 

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登場キャラ・・・ショーン(ルーカス・ブラック)、ハン(サン・カン)、ドミニク

 

東京に来た車好きの高校生が、ヤクザの叔父を持つ通称DK(ドリフトキング)とレースで勝負するお話。ここからジャスティン・リンが4作続けて監督。シリーズが右肩上がりになってく礎をここで作っています。

シリーズの主役であるブライアンも出なければ、ドミニクもラストにちょこっと。じゃあ見なくていいじゃん!と思ったら大間違い。実はこの3作目は6作目「EURO MISSION」の後日談になっていて、SKY MISSIONへと繋がる大事なエピソードなのです。ま、超強引ですけどもww

 

 

  • ワイルド・スピードMAX(2009年)

 

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登場キャラ・・・ドミニク、ブライアン、レティ、ミア、ハン、ジゼル(ガル・ガゾット

 

犯罪の積み重ねにより、警察から逃げるのが厳しくなってきたドミニク。責任をひとりで背負い込もうと姿を消したが、そのせいでレティが死んでしまう。一方ブライアンはFBIに復帰。麻薬組織を追っていた。

アレだけのウソをついておきながら結局ドムとブライアンがまた仲良くなっていくのがいい。初期メンバーも集結し、最初の頃の面白さが蘇ってきます。黒人に止めを刺すドムのウィリーが最高!

 

 

  • ワイルド・スピード MEGA MAX(2011年)

 

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登場キャラ・・・ドミニク、ブライアン、ミア、ヴィンス、ハン。ジゼル、ローマン、テズ、ホブス、エレナ

 

前作で捜査に協力したにもかかわらず懲役25年をくらったドム。いやいや助けるっしょ!というわけでブライアン、ミア共々国際指名手配になった3人。リオヘ逃げたはいいものの、ついにホブス登場!ミアが妊娠!とりあえず仲間集めて悪徳実業家から金奪って逃げようぜ!ってなお話。

今までの総力を結集したかのようなオールキャストでド迫力の内容しかもやってることはオーシャンズでミッションインポッシブルな展開につまらないわけがない。しかもここから天井知らずな面白さへとなっていくからたまりません!

 

 

  • ワイルド・スピード EURO MISSION(2013年)

 

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登場キャラ・・・ドミニク、ブライアン、ホブス、ミア、レティ、エレナ、ハン。ジゼル、ローマン、テズ

 

穏やかに暮らすドミニクたちにホブスが現れ、犯罪組織逮捕に向けて協力を求める。最初こそ拒んでいたが、その組織に死んだはずのレティの存在を知り、確かめるべく協力に応じ、再びチームが集結する。

まさかのレティ登場にボルテージが上がります。しかもクライマックスではハイウェイに戦車登場の、旅客機相手に車で挑むというトンデモな展開。もうおなかいっぱいです。ここでハンとジゼルがいなくなってしまうのも切ない。

 

 

  • ワイルド・スピード SKY MISSION(2015年)

 

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登場キャラ・・・ドミニク、ブライアン、レティ、ミア、ローマン、テズ、ホブス、エレナ、ミスターノーバディ、デッカード

 

前作オーウェンの敵を討つべく、兄デッカードがチームを襲う。ハンは殺され、ホブスも急襲に遭う。ドミニクの家にも爆発物が届くといった容赦ない襲撃に、チームは特殊部隊の協力を経て反撃に出る。

とうとうスーパーカーたちが空からスカイダイビング、アブダビでは超高層ビルから車でジャンプ、しかも2連続。毎度毎度どう考えても死んでるだろ!いやせめて鞭打ちだろ!なのにケロッとしている彼らが不思議でしょうがないw

そして今作で惜しまれつつも亡くなってしまったポール・ウォーカーを偲ぶラストシーン。全作見たからこそ大感動してしまうシーンでした。

さよならも言わずにいなくなるのか。」さらば友よ。

 

 

というわけで何の情報も入れず見たことで時系列が実はバラバラだったことだったり、タダの走り屋の戦いだけじゃないってことに驚き、非常に楽しくイッキ見できました。

これから見ようと思ってる人は、是非1⇒2⇒4⇒5⇒6⇒3⇒7の順で見てみてください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい!長々と書いてしまいましたが、シリーズ最新作にして最高傑作の呼び声高い「ICE BREAK」。全作以上の迫力は果たして拝めるのか。サプライズなキャラは出るのか。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

バカがつくほど圧倒的スケール!!!こいつらとうとう世界を救っちまった!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見どころテンコ盛り盛り!

シリーズの不安を扶植

一人の親友が去ってしまったことでシリーズが盛り下がってしまうのではないか、なんて不安を微塵にも感じさせない、パワフルで豪快で笑いっぱなしの超エンタメ映画になっておりました。

 

何よりも大事なファミリーを崩壊させてしまうほどの頭脳と力を持つ敵に、ドミニクがそしてレティたちが奮闘することで、前作以上に彼らの絆を強く感じた作品でした。

 

今まで劇場で鑑賞することを見逃してた数年間をめちゃくちゃ後悔したと同時に、今後製作予定の2作は劇場で堪能できるんだという楽しみが増えた瞬間でもありました。

 

 

 

口あんぐりなシーン連発

何が楽しいって、スケールのでかさですよ。やってることバカじゃないのwwって思うほどめちゃくちゃなカーアクションが満載です。

街のあらゆる車をハッキングし、遠隔操作して混乱させるシーンでは、何十台もの車が道を塞ぎ街の人たちを脅かしパニック状態に。しかもビルの上層階から車を落下させるという前代未聞のド派手な演出。

思わずおおおおっ!!!っと声を上げたくなるほどです。

 

 

冒頭ではキューバの街でのストリートレース。

ポールが亡くなったこともあり、シリーズとして再始動の意味も込めたかのような、原点であるストリートレースを取り入れ、キューバの市街地を2台の車がガンガン駆け回るシーン。

第1作目でブライアンがドミニクに勝つためにやっていたニトロエンジンの使い方を、今回ドミニクが秘策でやったっていうのも初期を思い出させてくれるし、その車が火を吹いてバック走行で走るってのも、ミニマムながらアガる要素の一つでした。

冒頭からアドレナリン全開であります!!

 

車だけじゃない!肉体と肉体がぶつかるアクションも堪らない!

理由あって刑務所に収容されたホブスの独房の正面には、忌まわしきデッカード。目を血走らせながら口論し、突如独房のドアが開いた途端、収容者たちが脱走したさに暴れまわる!

その隙に逃げようと企むデッカードを追うべく、ホブスが走る!でも警官たちが行く手を阻む!警官たちはゴム弾が装着された銃で収容者たちを鎮めますが、なんとホブスにゴム弾が効かないwww

マジかよww強すぎるぜ!!!

残念ながら前作のリベンジマッチは実現しませんが、このシーンではとにかくホブス無双を堪能できる、はっきり言っておもしろカッコイイぜ!な展開でした。

 

これだけでは終わりません、クライマックスにはシリーズ史上ビッグなものがチームを襲ってくるんです。

それが潜水艦!!!

スケールが半端ない!!っていってますが、そのほとんどを占めるでかいスケールでございました。明らかにそれ逃げきれんだろお前らwwって思うんですけど、そこは映画ですから、形勢逆転!潜水艦だって俺達には勝てないぜ!!って流れになってますんで、どうやって敵を倒すかニヤニヤしながら見てほしいですね。

 

 

人間模様も最高ww

で、アクションだけじゃない、チーム内の対立や恋の駆け引きも今回は盛りだくさん。

対立ってのはもちろんホブスとデッカードです。前作から因縁アリアリでしたからね、出会うものなら挑発合戦ですよ。

デ:お前あの時逃げただろ!

ホ:うるせー!部下を守るために飛び降りたんだよ!

デ:言い訳だけは一丁前だな!女の助けがないと勝てないのか!

ホ:てかおめえ殴りあいの場に爆弾なんか使うんじゃねーよ!

デ:勝つためにはルールなんか必要ないんだよ!

ホ:次やるときは確実にオレの方が勝つからな!

ホ:お前のケツを太鼓みたいに叩いてやるからな!

(すいません、だいぶ脚色してますがこんな感じのやり取りです)

前回のバトルでの指摘と言い訳と挑発を独房越しで言い合うセリフの応酬は笑いが止まりません。ハゲとハゲが何をケンカしてんだww

その後もですね~、いがみ合うわけですよこの二人。

仕方ないっちゃあ仕方ないんですが、いつしか二人に何かが芽生えてくんですね~。マジ顔で口論してたのに、急に二人とも吐き出して笑い、ある悲劇が訪れるんですが、そのことに怒りをあらわにする部分も描かれていて。

あれ?お前ら急に仲良くなってんじゃんwwwって。

これにはニヤニヤが止まりませんでしたね。

 

そして、前作から何やらこそこそやり取りしていたテズとラムジーの二人。おいらってきりこの二人が正式にお付き合いしてる流れになると思ってたら、ローマンが未だに頑張ってもうアピールしてたんですね~。

そう、恋の三角関係が今作では描かれてるんです。

やはりハッカーとメカニック担当だけあって、お互いをリスペクトしてるように見えるんですが、テズが真面目だからなのかどうか知りませんが、恋愛には発展してないみたいで。そこへ歩くおしゃべりクソ野郎ローマンがこれでもかとラムジーにアピールするんですね~w

作戦を考案するときも、どう?オレちゃんのひらめき!すごいでしょ?見直してくれた?みたいなニンマリな笑顔w

でも、車に乗るときはテズの助手席なんだよなぁ~wだからといってテズに意識があるわけでもないラムジー。さてはこやつ小悪魔か・・・?

この恋の行方どう決着するのか。

そこんとこも見どころでございます!!

 

新キャラであるリトルノーバディも見逃せません。

チームの面々にはどこか上から目線のリトル。あれこれミスターにまだまだ半人前だな、と指摘されながら彼らをコントロールしようとしますが、やはり反感を買うんですね~。

特にローマンとは相性が悪く、色々揉めたりけなし合ったり。この掛け合いがまた面白いし、彼にもちゃんと成長の兆しが描かれてるのもニクイ演出になってます。

 

サプライズもあるよ!!

毎回過去作からあいつを引っ張り出してくるのか!?と、え!?あの人死んじゃうの!?という喜びと悲しみが同居するのもシリーズの見どころの一つ。

もちろん今作でも、あいつとあいつとあいつが登場し、あの人が死んでしまうという悲しい展開が用意されてました。

正直ここは核心に触れると思うので控えますが、やはりうれしいサプライズの方は、もっと出番増やして~!って思ったけど、そうか公開時期が・・・ってこれ以上は言えない!

そしてそんなフェードアウトなのかよ悲しすぎるじゃねーか!というサッドなサプライズも見逃せません。

 

これは言っていいかなぁ。ブライアンとミアは登場しません!!ブライアンに関しては親族が代役でみたいな噂が色々されてましたが、全く出てきません。セリフでは出てきますけどね。

でもこれに関しては素敵なサプライズが用意されており、ジワっと涙を誘うことでしょう。

 

 

意外と深いぞ!アイスブレイク

今回原題である「Fast&Furious」シリーズの8作目のタイトル、海外ではFast8ってなってるみたいなんですが、省略すると、「F8」になるんですね。ポスターにもでっかく載ってます。

で、自分で自分の運命を決めていた彼に、その運命を狂わせる試練が起こるけです。

そう、だから今作はドミニクの運命がかかった物語になってるんです。

ここで、省略されたタイトル「F8」を思い出して、声にして読んでみるとフェイトって読めますよね。

そう、F8=Fate=運命って意味になるんですよ!!!

 

おおおおっ!!!カッケーーーー!!!!ふけぇーーっ!!!

 

こんな遊び心あるネーミングになってたなんて!!

 

 

で、今回ドミニクは国際テロリストであるサイファーに弱みを握られることから、じゃあ自分の運命を決めなさいと選択を迫られるわけです。

全ては選択で決まるのが運命と押し付けるサイファーに、ドミニクがどう抗い自らの運命を切り開くのか。しかもその選択はサイファーの手によって支配されてるって描写もあって、サイファーがめっちゃ手ごわいってのも面白い展開で。もう選択の余地ないのにどうすんのドミニク!?と思っちゃう。

そこも堪能してほしいところであります。

 

核心ついちゃったらごめんなさい。この選択、前作でブライアンが迫られた選択と同じ局面にドミニクは出くわすことになります。

前作は製作上ポールの死によってああいう終わり方になりましたが、物語上では、この先ドミニクと仕事をすると失う恐れがあるものが生じてくることにブライアンは葛藤していたんです。

それが愛する者、ミアと子供たち家族です。既に一人子供がいましたが、ミアはもう一人子を授かることをブライアンに伏せていました。何故なら、これ以上ブライアンを悩ませないため。

でもそれを知ったブライアンは、ドミニクとの仕事はこれが最後と決め、仲間ではなく家族を守ることを選択します。

今作では裏切ったドミニクを倒すにはブライアンしかいないんじゃ・・・とローマンが口走ってしまうセリフもありますが、これをレティが制止するやり取りがあり、本当に彼らと会ってもいなければ連絡すら取っていないことが分かります。

 

なんとなく感づいている方もいると思いますが、まさにブライアンが葛藤しながらも選んだ道に対し、ドミニクはこの同じ状況下でどう決断するのか。そして、その選択すらさせないサイファーの悪事っぷりに苦虫を噛む思いでいるドミニクの表情も楽しんでもらえたらと思います。

 

 

 

最後に

長々と書いた割には感想少なめなんですけど、これ以上書くとる核心に触れずネタバレ感想を書くというポリシーに反してしまうのでこの辺で。

とりあえず、今作は「EURO MISSION」と「SKY MISSION」が大きくかかわってくるのでこの2作はおさらいした方がいいと思います。今作のヴィランであるサイファーはこの2本に絡んでくるし、デッカードにも絡んできます。デッカードに絡んでくるということは・・・?はいストップ!

 

他にも小さい部分で言えば、ホブスの娘の登場や、ホブスの親バカっぷり、サッカーの試合でなぜかラグビーのアレを披露したりといったホブスの一連のギャグパートも最高だし、ドミニクの「もう一度言えばお前は死んでいる」という北斗の拳のケンシロウを思わせる一言にゾクッとしたり、クライマックスでのある人物の別ミッションも最高に笑えますし、チームのムードメーカー、ローマンの卓越したユーモアセンスも最高です。

 

そしてラストはヴィンディーゼルがプライベートでもやってることを映画でもやるという涙涙の締めが待っています。これにはヤラれた(涙)。

是非ゴールデンウィークはワイスピを見て楽しもうじゃありませんか!!!

というわけで以上!あざっした!!

 

満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10

 

映画「無限の住人」感想ネタバレあり解説 映画館で木村拓哉を観るという贅沢さ。

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4月29日

無限の住人

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 あちこちテレビや雑誌でPR活動している元SMAPの木村拓哉。あ~元とかつけたくない・・・。なぜそんなに宣伝活動に勤しむのか?

 

それは彼がこの先ひとりで進んでいくための試練であり覚悟だからだ!

これがもしコケようものなら、彼の俳優生命は厳しい道となるかもしれない。SMAPという後ろ盾のない今、他のメンバーが各分野で頑張っている以上、散々な結果になってはいけないのだ!

 先月まで放送されていた「A LIFE~愛しき人~」もなんとか高視聴率を保ち面目を守った彼ですが、映画でも業界を席巻できるのか。

てか、なんでこんな出だし?そりゃあキムタクが好きだからだよ!!

でもだなぁ、この不死身の男が少女を守るってのは、完全に6月公開の「LOGAN/ローガン」と同じだろうと。いや同じにしちゃいけないんだけどね。

とにかく!ソロとして歩き始めた彼にとって幸先のいい年となるのか。この目でしっかり見届けてまいりました!!

 

 

 

 

作品情報

アジア各国でも支持される沙村弘明原作の同名コミックを、日本を代表する二人がタッグを組み、その他豪華なキャストを迎えて作られた新たな時代劇エンタテインメントの誕生です。

 

 

無限の住人 コミック 全30巻完結セット (アフタヌーンKC)

無限の住人 コミック 全30巻完結セット (アフタヌーンKC)

 

 

 

 

 

あらすじ

 

両親を殺され復讐を誓う少女・凛(杉咲花)はある日、謎の老婆から❝不死身の侍❞の存在を耳にする。

江戸中を探し回り、ようやく見つけたその男の名は万次(木村拓哉)。

顔に大きな傷を持ち、異形の武器を携えた独眼のその男は、妹を失って半世紀、生きる糧を失いただただ生きていた。

どこか妹の面影を残す凛の願いを受け、万次は敵討ちを手伝うことになる。

二人の狙いは逸刀流統主・天津影久(福士蒼汰)。

幕府を手を焼くならず者が集う、最強の剣客集団の首領である。

立ちはだか刺客との激戦で不死身のはずの身体に異変を感じ始める万次。

しかし凛と出会い、生きる目的を見出した彼は、全てを懸けて凜を守ると決意する。

ようやく天津のもとへたどりついた二人。しかしそこには彼らと同じく天津を追っていた300人の幕府軍の姿が。天津もろとも二人に襲い掛かる幕府軍。

そして物語は意外な結末へ・・・。(HPより抜粋)

 

 

youtu.be

 

 

 

 

 

 

監督

監督は三池崇史

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とりあえずオファーがあれば、予算内で何とか形にします!の人。

できない映画はないのか、とりあえず頼む方も頼む方で、大体がコミック実写不可能な作品を頼みます。

だからなのか、原作ファンや映画を見た人からはここんとこ低評価されてしまうものばかり。

かくいう自分もかなり酷評しておりますが、今回はちょっと期待。なぜって「十三人の刺客」を思わせる1VS300人の戦いがクライマックスに待っているから。

果たしてどんな内容になってるのか。

 

彼の過去作はこちら。

 

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最近オリジナルやってねえじゃんwしかもこの後「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは眠らない~第1章~」が8月に待ち構えてます。怖い。

 

 

 

 

 

 

キャラクター紹介

 

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左上から右へ。

万次(木村拓哉)

賞金稼ぎに妹を殺され、怒り狂い100人相手に斬り倒した果て、謎の老婆により不死身の体に。

それから50年後、突然現れた少女に亡き妹の面影を感じ用心棒を引き受ける。「めんどくせぇ」が口癖。

 映画出演は「HERO以来2年ぶり、時代劇映画だと「武士の一分」以来になります。剣裁きやいかに。

 

 

浅野凛/町(二役)(杉咲花)

江戸最強と謳われる❝無天一流❞を受けつぐ浅野道場の一人娘。

道場破り現れた天津影久に父を殺され、敵討ちのための修行中、万次のうわさを聞き、彼を探し用心棒を頼む。

 「湯を沸かすほどの熱い愛」で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞したばかりの彼女。今作でも泣かせる演技を見せるのか。

 

 

天津影久(福士蒼汰)

流儀や格式にとらわれず、あらゆる武器・剣技を用いて勝つことのみを目指す剣客集団、逸刀流の統主。

古代風の斧での戦いを得意とする。 

 彼はここで覚えた剣技を、来年公開の「BLEACH」でうまく役立ててほしいですね。5月には「ちょっと今から仕事やめてくる」が公開。

 

 

尸良(市原隼人

逸刀流を狙う集団・無骸流に属し、自分たちと組んで天津を倒そうと万次に持ち掛ける。

己の欲望のためならなんでもし、女子供にも容赦しない残虐非道な男。

 監督とは「極道大戦争」以来の出演。最近ではすっかり脇役ばかり。やんちゃなイメージゆえにキムタクと揉めなかったのかな。

 

 

乙橘槇絵(戸田恵梨香

天津が「奥の手」と呼ぶ、逸刀流の剣客。

普段は遊女だが、思いを寄せる天津の命で 万次を排除しに現れる。

三節槍を巧みに使い万次を圧倒する。

 キムタクの「エンジン」では、彼女まだブレイク前の女優として出演してたんですよね。こんなにトップ女優になるとは、当時思いもしませんでした。

 

 

黒衣鯖人(北村一輝

鎧兜を身にまとい、長刀を操る、巨漢の逸刀流剣士。

凛に一目ぼれしており、それから二年間恋文を送り続け、彼女を殺すことで永遠の愛を手に入れるという異常な考えを持つ。

 三池作品常連でございます。今後は「8年越しの花嫁」、「羊の木」が公開予定。

 

 

百琳(栗山千明

無骸流に所属する眼光鋭く気風の良い姉御肌のの金髪美女剣士。

逸刀流を狙うのは、ある事情から。 

 彼女いるところに市原隼人アリ。てかキャスティングでカブるの多くない?

 

 

凶戴斗(満島真之介

逸刀流の剣士。

元は百姓の息子で、あろことから武士階級を憎んでいる。 

 待機作に嵐の大野智主演の時代劇「忍びの国」があります。

 

 

司戸菱安(金子賢

浪士組の猛者で、賞金目当てに万次を追う。

万次の妹を殺し、怒り狂った万次と対決する。 

 知り合いがキムタクと金子賢がビリヤードしてた場所に遭遇し、金子賢の方がかっこよかったとか言ってました。こらこら。

 

 

八百比丘尼(山本陽子

800年生きているという謎の老婆。

瀕死の万次を不死身の体にしてしまう。 

 こんな大女優もこういう映画に出てくれるんですね。ほっぺに渦巻いたメイクまでして。

 

 

閑馬永空(市川海老蔵

逸刀流に属する剣士だが、虚無層な姿で単独で行動し、時代がかった言葉遣いをするミステリアスな男。

万次に自分と手を組んで天津を倒し、逸刀流を乗っ取ろうと話を持ちかける。 

 三池監督とは「一命」、「喰女ークイメー」以来3度目の出演。歌舞伎役者だからこその言葉遣いなのかなこの役は。カニ蔵だったらファンは沸くよね。100%ないけど。

 

 

吐鉤群(田中泯

幕府の新番頭。天下泰平となった今の若い武士の生温さを嘆き、幕府御用達の武芸所を作り、もう一度彼らに武士道とは何かを教えたいと考えている。

普段は礼儀正しく、静かで重厚なたたずまいだが、その奥にただならぬ殺気を漂わせている。 

 「るろうに剣心」では見事なアクションを披露してくれました。今回もやはり動くんでしょうね。

 

 

伊羽研水(山崎努

由緒ある流派として知られ、かつて幕府の剣術師範もつとめていた心形唐流の高潔な総師。

今後必ずや訪れるであろう動乱を戦い抜ける武士を育てることが必要だと感じ、天津に逸刀流の同志に加わりたいと申し出る。 

 監督作品では「藁の楯」に出演してました。もう80歳ですよ。まだまだ長生きしてほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カンヌ国際映画祭にも出品される、世界へ向けて放つ、ぶった斬りエンタテインメントと称したGW話題作の1本。果たして、監督と主演のこのコンビ、吉と出るか凶と出るか。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

斬って斬って斬りまくる!!血まみれなキムタクもまた画になる!!なのに長いと感じちゃうのはなんでだろう。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱりキムタクはかっこいい。

死にたくても死ねない、むしろ死にたいと望んでいた男が、誰かを守るために身を粉にして敵に立ち向かう姿を、長きに渡りトップに君臨し続けるスターが、いつもとは違う一面を覗かせた、剣劇アクション映画でございました。

 

守るものを失ったことで、この世で生きていく理由などない。いっそ一思いに殺してくれと願った男に宿った不死の能力。一人の少女に出会うまでの50年間、さぞ空虚な思いだったことでしょう。

その空虚な思いを埋めるかのように現れた、妹に瓜二つの少女の要求に、表向きは嫌々ながらも、心のどこかでようやく生きていく意味を見出していく。

自分にとって妹の生まれ変わりのような彼女をこれ以上苦しませないため、彼女の恨みを晴らすため、そして自分が果たせなかった使命を全うするため、ただひたすらに敵を斬って斬って斬りまくる。

しかしながら、彼も死なないとはいえ決して強いわけではない。斬られて斬られて斬られまくるのだ。その都度痛み苦しみもがきながらも立ち上がって敵に立ち向かっていく。

 

 

この物語は、そんな二人が出会い絆を深めていく描写も交えながら、自らの悲願を達成したいと願う剣士の一途な思いや、彼を思うあまり望んでもいない戦いに参加せざるを得なくなった女、己の欲望を満たすためだけに暗躍する男、その剣士を疎ましく思う幕府の思惑といった部分が交錯していくドラマにもなっていて、斬り合い以外にも見どころが多い作品になっていたと思います。

 

 

それ以上に魅力的なのはやはり木村拓哉の存在感でしょう。

何をやってもキムタクと揶揄されてきた彼の演技。今回もきっとそうなんだろう、と思ったら大間違い。

いつもの遊びを効かせた彼の演技はここにはありません。画面いっぱいに映るその顔は、何かに疲れたようなどこかギリギリで、それでいて渋みを帯びながらも怒りに満ちた表情。正に覚悟の顔といった感じでしょうか。

そしてそんな表情を浮かべながら、昔の彼を想像させるぶっきらぼうな言葉遣い。

めんどくせぇ、バカ、ボケ、ざけんななどなど、時代劇にはちと似合わないような言葉遣いも彼が言えば何ら違和感のない言葉の数々に、いつものキムタクだ!と安心する気持ちも芽生えたり。

 

そこから醸し出される男らしさもたまらない。

突っ張りながらも、さらっと「ちょっとだけ俺の背中貸してやるよ」なんて、さらっと飾らずに言えてしまうのが木村拓哉という男の持てる業。彼以外ならこんなセリフ鼻につきますよw

 

そんないつもと違う表情といつも通りの言葉遣いを組み合わせ、縦横無尽に駆け回る冒頭の百人斬りと、クライマックスの300人斬りは圧巻であります。

何が凄いって片目であれやってるわけです。

片目であれだけ動くってかなり至難の業。やはり歌って踊ることを常日頃やってきた彼にとって、殺陣もリズムで覚えたんだろうなぁ。

しかもただ覚えるだけじゃなく、間の取り方や緩急の付け方、その間にもセリフがあったり、にらみをきかせたりと色々な要求を見事に体現した、そんなアクションだったと思います。

 

常にヒーローとして希望の光として演じてきた彼ですが、また新しい彼のヒーロー像を拝めた、そんな気がします。

スクリーンから放たれるそのオーラに酔いしれながら見るのもまた楽しい見方なんではないでしょうか。

 

 

 

意外と真面目路線。

映画の演出に関して言えば、いつも必ずおふざけに走る三池監督ですが、今作では目立ったおふざけは全くなく、バトル以外はほぼ無音、しかも冒頭の百人斬りをモノクロで撮るという、いつもと違ったこだわりを見せていました。

さすがにここんとこぼろくそ叩かれていたからなのか、それともこの作品に並々ならぬ覚悟があったのか、監督の本気が伝わった気がします。

「十三人の刺客」での殺陣を思わせる斬り合いのシーンも、その作品を彷彿とさせるカメラワーク。はっきり言って目で追えません。相当時間をかけた撮影だったんじゃないかと思います。

アクションはホントもう豪快にがむしゃらにといった派手な演出ですが、それ以外の会話のシーンなんかはカメラ固定にして、役者の顔をただ静かにずっと映すように撮っていて、静と動を使い分けた撮り方だったんじゃないかなと思います。

 

しかしながら、今回141分という長尺にもかかわらず、緩急の付け方や、後半に向けて盛り上がってくような作り方ではなかったので、だれてしまう部分もしばしば

キャラも多いし、それそれの思惑も描かなくちゃいけなかったりとかなり詰め込んでいるため、一人一人に時間を割けず、人物描写を深く描けていなかったかなぁと。

そもそも刺客なんかぶっちゃけ設定とかどうでもよくてって思って。

いきなり登場するやいなや、俺はどこどこの生まれでとか、急に斬り合い辞めてアタシ我に返るとダメなんです!とか、人斬りの心得とか語り出すから、あいかわらず説明口調のセリフだし、場面が動かないカメラ固定の状態だから紙芝居映画と化してる部分もあって、やっぱりそういうとこは監督の悪い癖が出ちゃったなぁと。

 

もちろん全30巻もある原作コミックを2時間の映画にするのだから、そういう細かい描写や設定も必要なんだろうけど、そろそろ言葉で伝えるんじゃなくて動きで想像させるような撮り方をやってくる人はいないのかなと。

その分カット割り多くなるからやはり予算が多くないときついのかなぁ。この手の映画となると。

 

 

その他の役者

個人的にはですね、久々にクソ生意気な市原隼人を見れてうれしかったです。

以前の彼のイメージであるやんちゃで熱い不良キャラから成長しまして、今回は自分の欲のためなら女子供でも容赦しないクソ野郎っていうキャラを見事に演じています。

やはり役者の順番で言うと4番手5番手くらいだから出番結構多いんですね。途中こそ万次に加担して逸刀流を倒そうってなるんですけど、段々腹の中が見えてきて、本性が暴かれるって展開で。もう女を容赦なくいたぶるとこなんか今回の彼の見せ場だと思いますw

セリフ回しもですね、昔のクソガキの感じから成熟してホントのワルって感じの言い方で。

彼は今後悪役やったらいい花咲かすと思うんです。それこそヤクザ映画出て、スクリーンの中で暴れまわってほしいなぁなんて思っちゃったりするわけですよ、今回の役どころを見ると。是非やってほしいなぁ。

 

福士蒼汰は正直敵キャラにしてはまだ早すぎたかなぁという印象。彼はまぶしいんですよスクリーンから見ると。悪役のオーラをまとってない。もちろんキャラの設定がただ自分の流派を幕府御用達にしたいっていう望みだけでそこに善悪の区別をつけてないから、どこか純粋さを持つ彼にはぴったりっちゃあピッタリなんですけども。

なんてったって相手がキムタクですからね、存在感が薄くなっちゃうんですよ。まだ彼レベルでは。正直市原隼人の方が存在感で言ったら強い。

まぁこれからの俳優さんなので色々演じたらいいと思います。

 

 

戸田恵梨香に関して言うことはただひとつ。

足がたまんねぇ!!!

これに尽きます。アクション頑張ってたとか、いい表情してたとかそんなのは見てません。もう俺は長いスリットからはみ出る細くて美しい足が拝めただけ十分です。

ここまで褒めときながら顔はタイプじゃないという、どうでもいい情報も入れる俺をどうかクズと呼んでくださいww

 

他にもわずかな登場ながら、ストーカー鎧野郎を演じた北村一輝の異常っぷりもインパクトあったし、万次と同じ能力を持つことに葛藤しながらも敵として戦いを挑んでくる市川海老蔵も落ち着きのある演技、そこから放つ妖艶さもあって、キムタクと2人おなじ画面に映る豪華さと来たらたまりません。

 

最後に杉咲花ちゃんですが、彼女もまた新たな引出しを出してきたなぁという印象。弱々しくか弱い部分は「湯を沸かす~」の時とほぼ同等のいい演技でしたが、彼女でかい声で怒鳴って啖呵を切るときもいい表情してます。

一回でいいから俺のことも兄様って呼んでくんねえかな・・・。すぐやられるショボ用心棒ですけどw

 

 

 

最後に

やはり木村拓哉の木村拓哉による木村拓哉のための映画です。もちろん褒めてますよ!ほんと彼なしでは成立しないほど圧倒的な画力でしたから。ほんと松田優作を模倣したような余計なアドリブやってないと思います、今回は。

やたらとマスコミや世間の目が向かれた去年の撮影時のことを考えると、今後を見据えての気合の入れ方だったのかなぁとか考えちゃいますが、そんな詮索はほっといて、目の前のことを全力でやったキムタクの勇姿を映画館で堪能できる映画だったのではないでしょうか。

ほんとにかっこよかった。

ただ、映画はもっとうまくできたよなぁと。登場キャラ半分でよかったよ。

あ、そうそう。血の量がとんでもなく多いです。さすが三池監督です。軽くスプラッタ並みです。切断された手も平気で出てきます。さすが三池監督です。軽くホラーです。

でも、万次の服血まみれからすぐ元通りなんだよなぁwww

というわけであざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

映画「フリーファイヤー」感想ネタバレあり解説 人はなかなか死なないそうです。

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4月29日

フリー・ファイヤー 

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確実にこの手の作品はレンタルなら高回転しそうな映画です。でも侮るなかれ、これマーティン・スコセッシ製作総指揮で、キャストが意外に豪華なんだよ!

しかもちょっとした災いが大きくなって、全員戦闘態勢!銃撃戦勃発!といった室内劇って展開にめちゃめちゃ魅力を感じたわけでありまして。

 これ単館系とかもったいないっしょ!と。

レンタルなんか待たずに劇場で堪能しなきゃ!と思い早速見てまいりました。

 

 

 

 

 

 

作品情報

2013年に園子温監督「地獄でなぜ悪い」が受賞した、トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門。エッジの効いたクレイジーな映画を集めたこの部門で去年話題賞を受賞した作品がついに公開。

グッド・フェローズ」などのバイオレンスな作品を数々手掛けた巨匠マーティン・スコセッシが今回製作総指揮として参加し、新鋭監督とタッグを組んだ今作は、90分という短いワン・シチュエーションの中で、ガンアクションはもちろん、スリルな展開、ブラックユーモアな会話劇とあらゆる要素を盛り込んだアクション・コメディに出来上がった。

 

Free Fire

Free Fire

 

 

 

 

あらすじ

 

とある倉庫に集まった二組のギャング。

それは簡単は取引のはずだった・・・。

ある揉め事から交渉がこじれ突如として壮絶な銃撃戦に!

全員瀕死の発狂状態の中で、最後まで生き残るヤツは、一体誰だ!?

(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

監督

監督はベン・ウィートリー

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去年彼が監督した「ハイ・ライズ」という作品が公開されたんですが、泣く泣く劇場に足を運べず、監督作品は未鑑賞。今作が初となります。

短編映画作家兼アニメーターというキャリアから始まり、あらゆる媒体に携わり経験値を上げたそう。

日本では未公開の作品ばかりみたいですが、ホラーからブラックコメディ、SFチックな作品と多彩なジャンルを作ってきたそうです。

今作はガンアクションと会話劇なわけですが、スコセッシの力も借りていることもあり、非常に楽しみであります。

 

ハイ・ライズ[Blu-ray]

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キャスト

一応二組のギャング別でご紹介。

 

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左上から右へ。

紅一点の女ギャング、ジャスティンを演じるのはブリー・ラーソン

今年は「キングコング 髑髏島の巨神」に出演。キュートなスマイルを魅せたあの顔、忘れない!

今後は「キャプテン・マーベル」や自ら監督デビューもしたそうで、そちらの作品も是非公開して欲しいですね。

彼女に関してはこちらをどうぞ。

 

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キレ者の武闘派、クリスを演じるのはキリアン・マーフィー

彼といえば「28日後・・・」やノーラン版「バットマン・ビギンズ」でのスケアクロウなどが有名ですが、この手の作品に彼が出演するのはなんとなく意外な気がします。

今年はクリストファー・ノーラン監督最新作「ダンケルク」に出演。こちらも楽しみ。

彼に関してはこちらもどうぞ。

 

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後は手短に。

アイルランドの兄貴肌、フランク役に「ワールド・エンド~酔っ払いが世界を救う!」マイケル・スマイリー

チンピラ問題児、スティーヴォ役に「高慢と偏見とゾンビ」のサム・ライリー

チンピラハット帽、バーニー役に、監督作品「ハイ・ライズ」にも出演していたエンゾ・シレンティが出演。

 

 

 

 

もう一方のギャングはこちら。

 

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左上から右へ。

ナルシストな伊達男、オード役にアーミー・ハマー

最近だと「コードネームU.N.C.L.E.」での活躍が有名でしょうか。こういうインディペンデントな映画にも出るんですね~。待機作にトム・フォード監督の最新作「ノクターナル・アニマルズ(原題)」に出演とのこと。

彼に関してはこちらもどうぞ。

 

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南アフリカ訛りの大悪党、ヴァーノン役にシャールト・コプリー

今月「ハードコア」に続いて2回目ですよ!貴方を見るの!なかなかないですよね、彼の出演作品がこんな連続で公開って。

彼に関してはこちらもどうぞ。

 

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あとはざっくり。

ブチギ長髪メガネ男、ハリー役に、「シング・ストリート 未来へのうた」のブレンダン兄ちゃんでお馴染みジャック・レイナー

元ブラックパンサー党員、マーティン役に「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」のバボー・シーセイ

影は薄いが髭は濃い、ゴードン役に、「シャイン」のノア・テイラーが演じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

個人的には「レザボア・ドッグス」を匂わせてそうな今回の作品。どんなやり取りが行われ、そしてどう展開していくのか。いやぁ楽しそうな90分。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

私利私欲にまみれた男女がこれでもかと銃を乱射する姿に呆れて笑える!登場人物の展開が巧い!んだけど・・・。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これはコメディか?

頼んだ銃を受け取り金を渡し、双方の目的が達成されたら、その場限りなんだからすんなり後ろに振り返りかえればよかった。ただそれだけの事だった。

だが事態は悪い方に悪い方に転がっていく。その結果一人が銃の引き金を引き、打ち返そうとすると別の人間に当たりと、一人の怒りが別の誰かへと飛び火することで、壮絶なバトルロワイヤルへと発展していくといったお話。

 

この中に冷静な奴は一人もいないのか!!と突っ込みたくなるほど、どいつもこいつも頭に血が上っている10人が、呆れるほどバカで欲の塊でそれはそれは楽しい銃撃戦でございました。

もう冒頭からこいつら何かと突っかかってくるあたりから、何かありそうなザワザワ感が漂い、「ここで皆さんに殺し合いをしてもらいます」とキタノ先生が言ってるかのような一発の銃声が合図となり、いざバトルロワイヤルへと突入していく流れに非常にワクワクしました。

余裕ぶっこいて一服しながら様子を伺うやつもいれば、とにかく金欲しさにロレックスやるからあそこの金が入ったブリーフケース取って来いと命令したり、昨夜のバーでのもめ事を妬んで頭に血が上ってる奴、この取引を裏で操り最後に銃も金も両方奪おうと画策してる奴、銃を持たないことから逃げようとしあっけなく死ぬ奴、その死がきっかけで急にヘロイン吸っておかしくなる奴、実はアル中だったおっさん、せっかく仲介したのに何でこうなるのと嘆く女、などなどそれぞれが暗躍したり事情を抱えながらこの場を切り抜けようと、ひたすら撃ちまくるわけですが。

 

正直冒頭こそいつ始まるの!?と緊張感が漂い、いざ勃発するともっとやれ!!って感じになるんですが、なかなか話が進まない停滞気味な流れが長く感じ、90分の上映時間にもかかわらずちょっと飽きてきちゃいました。

この手の話は会話劇も重要だし、その分テンポが良くないといけないわけですが、会話劇の方に重点を置いていたのか、口論ばかりで話が進まない。ひとつひとつのやり取りは確かに面白いんですけどね~。

一応そのだれた感じを払拭しようと、10分に一度くらいの割合で思いもよらない事態を挿入し、場面転換にもっていく工夫はされているので、そういうとこは評価したいんですが、個人的にはそれもあまり効果なく。

 

やはり「レザボアドッグス」が好きなので、あれと比べちゃうと物足りなく感じちゃうかなぁと。まぁあっちも会話劇だけど、のめり込めるテンポが良かったからなぁ。

 

 

銃撃戦勃発までの流れ

冒頭、監督からのメッセージが流れ、「FBIからたくさんの資料を読んだ結果、人間は銃で撃たれてもちょっとやそっとで死ぬということはない、ということがわかり、今作はそれを基に人間の往生際の悪さを描いた」という表記。

 

1970年代、マサチューセッツ州ボストン。

 

今回初めて取引に参加するスティーヴォ。仲のいいバーニーと車で、クリスたちの元へ向かいます。スティーヴォは左目の下に大きなアザを作っていました。昨夜にどうやら男と揉めた様子。

クリスと合流すると、そこにはフランクと今回の取引の仲介人ジャスティンの姿が。

スティーヴォに目をかけているフランクはちゃんと仕事しろと強く念を押すがスティーヴォはどこか不真面目。とにかくアザがカッコ悪いと、ファンデーションを貸してくれとジャスティンから化粧品を拝借。

するとそこに、取引相手の中心人物であるオードがやってきます。

オードはルックスもよく気づかいの出来るジェントルマンな装い。そんな彼を一目見て嫌いなタイプだと思ったのかフランクは、オードに対して冷たい態度をとります。

 

取引場所である傘の廃工場まで長いことあるかされた5人は、今回の取引相手であるヴァ―ノンとマーティンを紹介されます。

ヴァ―ノンは、南アフリカ系のアメリカ人でとにかく金目のモノが好きそうな装い、それに対して元ブラックパンサー党員であるマーティンも派手な服装で物腰柔らかい話術だが、どこか怪しげ。

今回の取引は銃の売買。クリスたちが金を出し、ヴァ―ノンが銃を売る。

後ろで控えていたハリーとゴードンがジョン・デンバーの曲を大音量で流しながら車で登場し銃を運んでくる。

ここで何か焦り出すスティーヴォ。マジでヤバイといいながらこの場を離れようと後ずさりするが、バーニーに制止される。

 

銃の詰まった木箱を開けてみると、ヴァ―ノンが調達してきたのはクリスの頼んだ銃ではなかった。

その頼んでない銃を説明しようとすると、クリスは「銃が違う」仲間に耳打ち。

「なんだアイルランド人てのは、人の説明もロクに聞かない奴らなのか!」

苛立つヴァ―ノン。

そこでクリスが銃が違うことを説明するが、せっかく調達したんだし、欲しかったライフルと何ら変わりないだろ、と説明。

試しに撃たせてくれと工場のあらゆる場所を撃ちまくるクリス。撃った銃弾のカスや巻きあがった埃がヴァ―ノンのスーツを汚し、ヴァ―ノンご立腹。

ぎゃあぎゃあわめくが一度落ち着きその場を収める。

結果クリスが折れることで取引は進む。

穏便に済ませたいオードは、交渉成立したことで、フランクの肩に手を置きとりあえずよかったですね、と話しかけるも、その手を振り払い触るなと怒るフランク。肩に抜け毛があっただけだよと言い返すオード。

どちらも謝ることを知らない。

 

実はヴァ―ノン、クリスが頼んでいたライフルを用意しているにもかかわらず別のライフルを売りさばこうと画策していた。しかも売るのは銃のみで、銃弾は別料金で売ろうとも考えていた。金の亡者である。そのことをマーティンにひそひそ話し、ほくそえんでいましたが、マーティンもまたそんなヴァ―ノンをどこかあざ笑っていました。

 

一方何かに怯えているスティーヴォですが、昨夜バーでケンカした男があそこにいるから顔がばれたら大変なことになると打ち明ける。それがハリーでした。

結局ハリーはスティーヴォを見つけ、胸ぐらを掴み殴りかかる。

両グループが二人を抑えますが、二人は制止を振り切ろうと怒りが収まらない様子。

ハリーによると事の発端は、自分の17歳になる従妹をスティーヴォが傷つけたことが原因。

それを聞いたフランクはスティーヴォをボコボコに殴ります。

 

肝心の取引をこんなことで中止したくないクリスは代表して誤りスティーヴォにも謝罪させますが、腹の虫がおさまらないスティーヴォは、その時の状況をハリーに向かって話したことで、ついにハリーは腰に収めてた銃に手を当て、スティーヴォめがけて引き金を引きます。

 

こうなると収拾がつきません。みんながみんな散らばり壁に隠れての銃撃戦へと発展していきます。

 

 

 

ざっくりでありますが、冒頭から10分程度の流れはこんな感じです。

この後の銃撃戦がどうなっていくのかぜひ劇場でご鑑賞ください。

 

 

 

 

最後に

感想書いてあらすじの詳細書きパターンの場合、そこまで面白く思えないときの苦肉の策でありましてw

これ以上書きたいことがないという表れでございますw

彼らがなぜ銃を調達したかったのかとか、70年代のファッションについてとか、なぜ彼らは怒りを抑えることができないのか、とか調べればなんとか情報量を多くできるんですが、いかんせん面白くないときの感想のやる気のなさと来たら・・・。

だからといってレンタルで見るのがいいかも・・・とは決していいませんよ!!

あくまで個人の感想ですから。

劇場には多くの女性客も足を運んでいたので驚いたし(多分アーミハマー目当てでしょうw)、カップルの方たちもいたのでどんな世代でも見てみたいと思える映画だったんじゃないでしょうか。

このメンツの会話劇を見るってだけでも見る価値はあるかと!

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆★★★★★★★3/10

映画「カフェソサエティ」感想ネタバレあり解説 NYタラレバ息子。

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5月5日

カフェ・ソサエティ 

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5月に入り、ますますお出かけしやすい季節となりました。ただ、ちょっと薄着で出かけようものなら、劇場の空調が効きすぎてブランケットがないと体が冷えてしまう、男のクセに冷え性の私です。

さて5月1発目は、ウディ・アレン監督の新作です。

もう80歳を超える年齢ながら、年1回ペースで新作作ってるんだからすごい。

 去年の作品を見逃してしまったので、今年は見に行こう、ということで早速見てまいりました。

 

 

 

 

 

 

作品情報

今年の冬に「東京タラレバ娘」なんてTVドラマがやってましたが、こちらの作品も“もしもあのときこうしていたら”という、大人になった誰もが感じる「タラレバ」でほろ苦なひとときを、1930年代のハリウッド黄金期を舞台に、ひとりの男とふたりの女がつむぎ出す、大人のロマンティックコメディ映画です。

 

「カフェ・ソサエティ」オリジナル・サウンドトラック

「カフェ・ソサエティ」オリジナル・サウンドトラック

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

もっと刺激的で、胸のときめく人生を送りたい。

漠然とそんな願望を抱いたニューヨークの平凡な青年ボビー(ジェシー・アイゼンバーグ)がハリウッドを訪れる。

時は1930年代、この華やかなりし映画の都には、全米から明日の成功をめざす人々が集まり、熱気に満ちていた。

映画業界の大物エージェントとして財を築いた叔父フィル(スティーブ・カレル)のもとで働き始めたボビーは、彼の秘書ヴェロニカ(クリステン・スチュワート)"愛称ヴォニー"の美しさに心を奪われる。

ひょんな幸運にも恵まれてヴォニーと親密になったボビーは、彼女との結婚を思い描くが、うかつにも彼はまったく気づいていなかった。

ヴォニーには密かに交際中の別の男性がいたことに……。(HPより抜粋)

 

 

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監督

監督は奇才ウディ・アレン

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今作のようなロマコメもやれば、風刺の効いたブラコメもやったりと、彼独自のコメディセンスで現在も魅了し続けるお方。自身が主演の作品も数多く、あのデッドプールよりも早く第4の壁を突破した人なんじゃないでしょうか。

監督本人も、彼が出演していないときの人物も、どこか繊細で神経質な人物設定のイメージがあります。

まぁこんなこといっときながら、彼の作品は「アニーホール」と「マンハッタン」と直近10年前後の作品しか見てないド素人なので、決して詳しいわけではないんですがw

 

そんな彼の代表作を簡単にご紹介。

ニューヨークを舞台に、コメディアンとシンガーの出会いと別れを笑いで綴ったラブストーリー「アニーホール」で、アカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞などを受賞し、この作品で監督は作品のスタイルを確立します。

 

その後も、アニーホールと双璧と化す、監督の傑作と謳われる、ニューヨークに住む男女の愛を小粋に描いた恋愛劇「マンハッタン」、周囲の環境に溶け込み、どんな人種にも変身してしまうという架空の人物の生涯の記録をドキュメンタリー方式で綴った「カメレオンマン」などが初期から中期の代表作として知られています。

 

近年では、イギリスの上流社会を舞台に、運に翻弄される人々の姿をスリリングに描いた「マッチポイント」。

監督最大のヒット作となった、作家志望の男が1920年代のパリにタイムスリップし優雅で幻想的な世界をロマンティックに綴った「ミッドナイト・イン・パリ」ではアカデミー賞脚本賞を受賞

どん底から再出発を図る元セレブが心身をすり減らしながらも、悪あがきしていく様をシニカルに描いた「ブルー・ジャスミン」でアカデミー賞主演女優賞を受賞しています。

 

 

 

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キャスト

主人公ボビーを演じるのはジェシー・アイゼンバーグ。

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一言で言えば、ちょいオタちょいサイコパス早口野郎ですw

ちょいオタは「ゾンビランド」から、ちょいサイコパスなのは「バットマンVSスーパーマン」から、そして早口なのは「ソーシャルネットワーク」から、という完全に役のイメージですw

監督とは「ローマでアモーレ」に続いての出演。

 

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今年は「ジャスティス・リーグ」で再びレックス・ルーサーの役を演じるということで再び坊主になるのかな?さすがに伸びてるか。

 

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ボビーの叔父フィルの秘書ヴォニーを演じるのはクリステン・スチュワート。

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美人ではあるがタイプではない。しかし目が合ったらそらさずにはいられない。ええ勝手な妄想ですw

トワイライト」シリーズだけかと思いきや、案外他の作品でも存在感を放ってる彼女。今後もコンスタンスに演技の幅を広げていくんでしょうね。

でもって、ジェシーとは「エージェント・ウルトラ」で共演済み。息もぴったりなんでしょう!!

話はクソつまんなかったけどね。

彼らのイントロダクションはこちらでどうぞ。

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この映画公開後に、「パーソナル・ショッパー」の公開も控えてます。

 

 

 

 

 

もうひとりのヴェロニカ役にブレイク・ライブリー

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はい!オレ断然彼女のほうが好き!超ひいきw

彼女といえば、ライアン・レイノルズの奥さんであり、「ゴシップガール」のセリーナであり、あとはよく知らん。好きだ!

 

ウディアレンもホント美女がお好きですね~。

 

去年はサメと格闘するサーファーを体当たりで演じた「ロスト・バケーション」が好評でした。

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 つい先日鑑賞しましたけど、シンプルに女VSサメってB級感あるのに映像がきれいだから全然そんなことなくて。血と海の色のコントラストも怖さが増すし、ちょっとした人物設定や、アイテムがすごく効果的に使われて、サメと闘うことができるってのが良いですね。あとはもう彼女のバディがエロい。これだよ。

 

 

 

最後に、ボビーの叔父フィル役を演じるのはスティーヴ・カレル。

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最近はコメディ俳優の枠を越え、「フォックスキャッチャー」や「マネーショート」で渾身の演技で新たな一面も魅せています。

監督とは「メリンダとメリンダ」出演以来だそう。

待機作はなんと「怪盗グルーのミニオン大脱走」で声の出演をするとのこと。

 

彼に関してはこちらをどうぞ。

 

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というわけで雑なイントロダクションですが、ウディアレンが仕掛ける、エレガントでゴージャスな雰囲気漂う、夢の都で繰り広げる大人なロマコメ。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

小粋なジャズに、ゴージャスな社交界に、そして夢に夢見る男と女に酔いしれよう!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ララランドみたい。

情熱的に愛した女との出会いと別れ。時を重ねても、その場限りの情事を重ねても忘れられないあの人への思い。

過去を引きづったまま出会った運命の女性は、奇しくも同じ名前の女性。

そして唐突に訪れる再会。

社交界という華々しい世界で着々と成功の階段を登り、2人の同名女性に徐々に翻弄されていく男の人生を描いたロマンティックな作品でした。

 

見終わった後に感じたのは今年の名作「ラ・ラ・ランド」を彷彿とさせる、成功を夢見る男女が挫折を感じながらも、徐々に思いを寄せあいながら愛を深めていき、現実に直面する展開。

そしてあの時こうしていたら、こうしていれば、という自分が下した選択への後悔。

こういう言い方に批判されそうですが、監督流のララランドといってもいい作品でした。

 

こんな話でした。

ハリウッドスターのエージェントとして活躍する叔父の下で仕事にありつこうと、故郷ニューヨークを捨て、ハリウッドへ足を運んだ主人公が、人脈を作っていきながら、この人こそ運命と思った女性と、少しづつ愛を育んでいく。

 

女には思いを寄せる男性がいた。相手がいると知りながらも、ブレーキをかけることなく彼女を射止めようと必死にアプローチ。

その思いは成就し、結婚の約束までこぎつけ、華やかながらも嫌気の刺した見栄とゴシップだらけのこの世界を離れ、彼女と故郷で細々と暮らそう、そう考えていた男に突然の悲劇。

 

夢見たハリウッド、夢見た女性に別れを告げることになった男は故郷で、ギャングである兄が経営するナイトクラブを、ハリウッドで培ったコネを使い、一流のクラブへと成長させ成功を収める。

そこでまた一人の女性と運命的な出会いをする。

女の名前はヴェロニカ。ハリウッドで恋した女性と同名だった。

彼女もまた親友に夫を寝取られ傷心だった。

やがて子を授かり結婚。仕事に家庭に順風満帆な男の目の前に、神様のいたずらか、運命の巡り合わせなのか、再び彼女が現れる。

 

これぞウディアレン節!

今作も監督作品のお約束であるハリウッド批判とアイラブニューヨークという対比も今作で読み取れます

ハリウッドで失恋と挫折したボビーがニューヨークへ帰り、そこで成功するってのがもろです。

しかしながら今作では、ハリウッドで出会ったヴォニーに失恋した後でも思いを馳せるボビーの気持ちを考えると、実は監督ハリウッドに今でも憧れを抱いてるんじゃね?って思ってしまう一面も。

これを2人の女性に当てはめてしまう監督のうまさが際立つ内容でした。

 

そしてユダヤ人ネタもやはり今作で炸裂。

ボビーの強引な口説き方や、神経質な性格、母親の口うるささ、兄の改宗に対してユダヤ教は退屈だからなんて件もありましたね。

 

特に今回早口なセリフで軽妙に話すジェシーが主人公とあって、どこか監督とダブって見えてしまうようにも見えました。

一番感じたのは、叔父に会えなくてどうしようか悩み、とりあえず娼婦をホテルに呼ぶシーン。

娼婦は遅刻し部屋も間違えるという失態を侵し、ボビーをイラつかせます。まぁボビーも女に対して奥手な部分があり緊張していたわけで、そんな予定外な状態になるとただでさえ神経質な性格のユダヤ人なら尚更。

しかも娼婦は女優の卵で、こんなこともしないと生活できないということで始めたバイトの初出勤というこれまたボビーにとって想定外の出来事。

だからボビーはそっちに関してのプロでないとわかると、ヤる気が失せ、お金あげるから出て行ってくれと懇願します。

これに対し女も、私のどこがいけないの!?なんて引き下がらないから面白い展開に。

あぁこの展開監督作品でよく見る~!!しかも監督が主人公演じてる奴~!!って思いながらニヤついて観てしまいました。

 

そんなウディアレンらしさが詰まった作品だったと思います。

 

 

これが社交界か。

当時のハリウッドの社交界は本当にこんな感じなんだろうなぁという、毎日繰り返されるパーティーの風景やスターの豪邸がずらりと並ぶロケーション。

そのゴージャスな衣装にやフォーマルな装いにうっとり。

すべて把握できてはいませんが、フレッド・アステアゲイリー・クーパージョーン・クロフォードジンジャー・ロジャースなどの当時のスターの名が飛び交い、噂話や業界のアレコレ、ナレーションで語られる「実はこいつら○○」みたいなプライベートなゴシップの数々に、聞きたいけど聞いちゃいけないような話がズラリ。

ニューヨークでも同じように豪華な服を纏った業界人が出入りし、業界話やアブナイ話が飛び交う。そこで流れるムーディーなジャズもまたうっとりしてしまう。

こんなところに飛び込んだボビーにとって、さぞ刺激的で退屈しない世界だったことでしょう。

 

 

ボビー家も描かれてます。

実はこれだけじゃないのもまた面白く、作中ではボビーの家族のことも描いてるのがどこか現実的だったり非現実的だったり。

兄はギャングで、姉の旦那は共産主義。母はボビーの叔父であるフィルを誇りに思ってるけど、父はユダヤ人の恥だと嫌うばかり。

特に兄のギャングっぷりはかなりバイオレンスなことをやってますが、監督らしくユーモアを込めての演出に笑うこと必至。

簡単に人を殺めてはセメントで埋めて証拠隠滅というこわ~いことしてますが、コミカルに描かれてよかったです。

 

 

 

 

 

最後に

きらびやかな社交界で、成功したのに手に入らない相手を思う男女の、恋に恋焦れ恋に泣く切なさがたまらない作品でした。

ラストカットの2人のもうあの頃に戻れないという何とも言えない虚しさと、それでも僕らはこの世界で生きていくといったような気持ちが混同した表情がいい余韻を残します。

 

余談ですが、妊娠した時にボビーがヴォニーとか昔の彼女の名前出したり、急にバラの花束をお土産に買ってくるボビーの接し方ににこやかに対応したり、夢でボビーがハリウッドで浮気してる夢を見たと話す、といったヴェロニカの一連の行動が、ボビーの浮ついた気持ちをわかったうえで試してるのか、わかってない天然ちゃんなのか。

前者ならめちゃめちゃ怖いなぁ・・・と。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10


映画「追憶(2017)」感想ネタバレあり解説 岡田准一の演技が健さんみたいだ。

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5月6日

追憶 

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まずこの予告を見て思ったことはクリント・イーストウッドの「ミスティック・リバー」とおんなじ話じゃね?なんて思っちゃって。

幼馴染の3人が大人になって刑事で容疑者で被害者ってもろじゃねえかと。

きっと話の出口や空気感はそれとは違うと思うんだけど、どうしても切り離して見れない。

 しかも降旗×木村大作コンビ作品をほとんど見てないので、ちょっと抵抗感もある。

じゃあなんで見に行くのさって、そりゃあ岡田×小栗の掛け合い見たさってミーハーな部分が先行しての鑑賞なんで、そこまでたいした感想は言えなそうです。

そんな思いを抱きながら早速鑑賞してまいりました。

 

 

 

 

 

作品情報

高倉健主演作である「駅 STATION」や「居酒屋兆次」、「鉄道員(ぽっぽや)」などを手掛けた日本映画の伝説のコンビが、今をときめく豪華俳優陣を従えて、新たなる日本映画を生み出した。

風情豊かな北陸の地で、見るものを揺さぶる景観をスクリーンに焼き付けた今作は、ひとつの事件をきっかけに25年ぶりに再会した幼馴染が、心の奥にしまったままでいた過去と向き合っていく姿を描いたヒューマンサスペンスです。

 

追憶 (小学館文庫)

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追憶 オリジナル・サウンドトラック

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あらすじ

 

 

富山県の漁港で殺人事件が起きた。

事件によって、かつて親友だった3人は、刑事、容疑者、被害者として再会することになった。

刑事・四方篤(岡田准一)―――

妻(長澤まさみ)へ自分の心をうまく伝えられず、すれ違いの日々を送る。なぜ、愛する人にも心を開くことが出来ないのか。

容疑者・田所啓太(小栗旬)―――

会社の好転、妻(木村文乃)の妊娠、新居の建築と幸せの絶頂の中、なぜ、事件の真相を語ろうとしないのか。

被害者・川端悟(柄本祐)―――

倒産寸前の会社と家族のため、金策に奔走していた。

なぜ、殺されなければならなかったのか。

 

25年前、親に捨てられた3人は、涼子(安藤サクラ)は営む、喫茶「ゆきわりそう」に身を寄せていた。

常連客の光男(吉岡秀隆)とともに5人はまるで家族のような間柄になった。

だが、ある事件を機に、その幸せは終わった。

無実を信じる、四方の問いかけにも田所は口をつぐむ。

一体、何を守ろうとしているのか。

 

3人の過去に、何があったのか。

複雑に絡み合った壮絶な人生のドラマは、25年のときを経て、再び運命の歯車を回し始める。(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

監督

監督は高倉健との共作で有名な降旗康男

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 この方の作品は1作しか見ていません。しかも今作とは程遠い時代劇。

昔は高倉健主演の任侠モノが多いですが、80年代以降は彼主演のヒューマンモノが多い印象です。

今作は名カメラマンである木村大作とのタッグゆえ、そのあたりを簡単以後紹介。

 

初めてのタッグは刑事と3人の女の出会いと別れを描いた3部構成からなるドラマ「駅 STATION」。ある撮影地点をどこにするかで意見が一致したことから信頼関係が深まっていったとのこと。

その後も港町で両氏として生きる男の壮絶な過去や縺れた愛を描いた「夜叉」、鉄道員として気概と誇りを胸に生きてきた男の物語「鉄道員(ぽっぽや)」、戦争の傷跡を内に抱えて生きる夫婦の物語「ホタル」などがあります。

 

で、監督作品で唯一見てるのが・・・

 

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 これw

なぜか子供の頃録画してたやつを何回も繰り返してみていた作品。

中島貞夫脚本で降旗康男監督、アクション監督にバーチーこと千葉真一

自分の長男を殺そうとしている家光の刺客から、子供を守るため浪人たちが命がけで守る!って話なんですけど、とんでもねぇアクロバットアクションです。さすがバーチーです。で、その浪人の中にまだ売れてなかった頃の織田裕二が出演しています。速攻で死にます。

で、最後はアルフィーの主題歌。・・・最高です!!

 

 

 

 

キャスト

刑事・四方篤を演じるのは岡田准一(V6)

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気がつけば健さんの遺志を継いで、日本を代表する俳優街道を突き進んでいる岡田くん。

去年の「海賊とよばれた男」では、20代から60代までを一人で演じたのが話題でしたが、特殊メイクで施したとはいえ、少々無理があったなぁ。かなり気合い入った演技でしたけども。

 

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今後は8月に時代劇「関ヶ原」が公開予定。石田光成を演じます。

 

 

 

 

あとはざっくりキャスト紹介。

容疑者・田所啓太役に、7月に「銀魂」と「君の膵臓を食べたい」が控えている小栗旬。

被害者・川端悟役に、昨年は「64-ロクヨンー」に出演した、若きバイプレイヤー柄本祐。

別居中の篤の妻、美那子役に、こちらも7月に「銀魂」、9月に「散歩する侵略者」の公開が控えている長澤まさみ。出産間近の啓太の妻、真理役に、11月に映画版「火花」が公開予定の木村文乃。

喫茶「ゆきわりそう」の店主・仁科涼子役に、柄本祐の奥様!9月公開予定の「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」に出演する安藤サクラ。

涼子に思いを寄せる山形光男役に、岡田くんとは「海賊とよばれた男」で共演済みの吉岡秀隆らが演じます。

 

 

 

 

 

 

 

豪華キャスト、そして、日本を代表する監督撮影コンビがどんなドラマを作り出したのか。映りだす情景はどんな意味がこめられてるのか。

 

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

岡田准一の演技が冴えわたる!過去に翻弄された男たちの真実に胸が締め付けられる!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一昔前のドラマみたい。

過去を忘れることができず生きている者、過去の出来事により巻き込まれた者を必死で守る者、やっとできた家族を守る者。

それぞれが抱えた過去への思い。

運命は再び彼らを結びつけ、過去と対峙していく。

海から見渡す夕日や、皆既日食、桜並木、半島の海沿いなどなど能登の絶景をバックに、過去の彼らに何があったのかを少しづつ紐解きながら、主人公の心の闇を少しづつ取り払っていく、抗うのでなく、受け入れることでこれからどう生きていくのかを描いたヒューマンサスペンスでございました。

 

簡単に言うとですね、東野圭吾のヒューマンサスペンスのような内容でした。

結果的には事件は事件で、3人の過去は過去としてって話で。

ここをどう絡ませて、観衆を迷わせるのかってのをうまく描いてたように思えます。

 

伏線とか別の人物の視点とか、伸ばそうと思えば伸ばせるような話なんですが、無駄な要素を省くことで、コンパクトにまとめており、そのくせ登場人物たちの心の機微をうまく抽出した作品だったのではないでしょうか。

そして事件の犯人は誰なのか?ってことよりも、3人が抱えた過去の秘密、そしてひたすら黙ったままの啓太が守ろうとしているモノに焦点をあて、それが明かされた時のカタルシスを楽しむ作品だったと思います。

 

展開に関しても、冒頭で3人の過去の秘密を明かしたり、エピソードとエピソードの間に過去の回想シーンを細かく短く入れる作りに、多少のくどさはありつつも、あえて伏線をすぐ回収するような流れは、最近の作品ではあまり見ないやり方だったので、忘れることなくスムーズに解釈ができる作りになっていたと思います。

 

例えば、初めてゆきわりそうを訪れた篤に差し出されたラーメンのメンマを残す件を先に見せた後、すぐに現在の場面に切り替わり、メンマを残す男性を見て、悟が篤だと気づく食堂でのシーン。

他にも、篤が母親に金を渡しに行くも不愛想に対応する篤のあと、すぐに険悪な関係の発端である過去のシーンを挿入したり。

 

前半ではこういった編集により、過去の彼らに何があったのかがすぐわかるような流れになっていました。

 

映像の質感も最近のデジタルなつくりではなく、どこか温かみのあるフィルムでの撮影だったように思えます。

それにより役者の表情や風景も鮮やかでありながらも、どこか懐かしさがこみ上げるような、一昔前の映画を見てる感覚になりました。

やはり昭和を代表する監督とカメラマンなので、どこの場面でどう撮るかという構図や風景をどう美しく撮るか、その前に立つ役者などこだわりのある映像だったように思えます。

 

 

岡田准一の渋さ。

そんな監督たちが、キャスティングした主人公篤役の岡田准一の演技は、今回高倉健を意識したような演技に感じました。

過去の出来事を忘れないように生きてきたことで、心に闇を持ったまま成長した篤を、笑顔も声も抑え、鋭い眼光で他者を見つめる眼差し。

その寡黙さからにじんでくる渋さは正しく監督と多くの作品を撮ってきた健酸を思わせる演技だったと思います。

 

だからといって無骨な感じではなく、妻と円満でない生活を送っていながらも、どこかやさしさを忘れない言葉や表情に微かな柔らかさを見せる演技はさすがだったのではないでしょうか。

 

 

啓太を演じた小栗旬も久々の普通の一般人役ということで、違和感なく見ることができたのかなと。

 

そして涼子を演じる安藤サクラも今回ある意味で役の光と影のような部分を分けて演じなければいけないようになってるので、その差を見事に演じていたように思えます。

夫である柄本佑との共演も1シーンだけですが、終盤に流れるので個人的には嬉しい場面でした。

 

 

 

最後に

篤はなぜ刑事になったのか。

それは過去の出来事のせいである人を怖い存在と思っていたことから、その怖さを隠すために刑事になりました。

けど彼は啓太や悟と25年ぶりに再会し、当時の人たちと関わっていくことで、過去の自分と対峙し、現在の妻との関係、母親との関係、そして現在の自分がこれからどう生きていくのかという答えを見出していきます。

 

ラストカットの篤の表情と沈む夕日に、彼の追憶が重なり、静かな余韻に浸るエンディングと感じることでしょう。

 

若干の物足りなさも感じるでしょうが、昨今のコテコテの演出でおなか一杯になりがちな作品とは違い、これだけさらっと観られるヒューマンサスペンスもなかなかお目にかかれないので是非見てみてはいかがでしょうか。

 

今回どの部分も書いたら核心をつきそうなので、なるべく全容を伏せての感想ではありますが、豪華キャストが、間を大切にしながら、細やかな表情で演技し構築してきた作品を是非ご堪能いただければと思います。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

映画「ガーディアンズオブギャラクシー2リミックス」感想ネタバレあり解説 本当の父は誰だ!

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5月12日

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・リミックス (GotG2)

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それは2014年。

マーベルシネマティックユニバースに見たことも聞いたこともないヒーローたちの映画に、誰もが「これ大丈夫か?」と疑問と不安を抱えながら公開を待ちわびていた。

しかぁし!

フタを開けてみれば、宇宙と70年代音楽という今まで組み合わせたことのない舞台と音楽の融合が、見るもの達の心を鷲づかみにし、てんでダメなお尋ね者たちという悪者的立ち位置の連中が知恵と力と技術ときれっきれのダンスを活用し、ノリとイキオイとイキフンで銀河を救う超オキラクゴクラク痛快爽快ハイパー冒険活劇だったのであーーーーる!!

大抵のアメコミ映画は好きなのですが、この作品に関しては暴走キャラのアライグマ、ロケットをこのブログのアイコンにしているほど熱を入れ込んでおり、個人的にもその年のベストに入れたほど大大だーーーーい好きな作品なのだ!!!

 

その続編がついに公開なんですよ!!!

どれだけ待ちわびていたことか!!!そしてなぜGW明けに公開なんだばかやろーーーっ!!

去年のシビルウォーの盛り上がりを忘れたかディズニージャパン!!

 

このままだと来年のインフィニティウォーまで日本は後回しにされてしまいそうだ・・・どうか・・・どうかそれだけはご勘弁を・・・

今度流れ星が流れたら願い事しよう。

 

 

はいっ!前置きが長くなりました。

もう楽しみなんで、いつも通り最速上映行きーの、ソッコーで感想書いちゃいますよー。

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

ついに累計興行収入1兆円を突破したMCUシリーズの中で、もっともヒーローらしくないあいつらが帰ってきた!!

宇宙で育った地球人と2人の宇宙人、そしてしゃべるタヌキ・・・いやアライグマと、前作からだ~いぶ小っちゃくなった木という奇妙な関係のやつらが、今作では新たな仲間を加えて、ゴキゲンな曲にノリながらまたしても銀河を救う!・・・のか?

 

 

 

 

 

Guardians Of The Galaxy, Vol. 2

Guardians Of The Galaxy, Vol. 2

 

 

 

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/コンプリート・ヒストリー

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/コンプリート・ヒストリー

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

“スター・ロード”ことピーター・クイル(クリス・プラット)をリーダーに、凶暴なアライグマのロケット(声:ブラッドリー・クーパー)、マッチョな破壊王ドラックス(デイヴ・バウティスタ)、ツンデレ暗殺者ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)など、たまたま出会ったノリで結成された宇宙の“はみ出し者”チーム、<ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー>。
 

小遣い稼ぎに請けた仕事をきっかけに、強大な力を持つ“黄金の惑星”の指導者アイーシャ(エリザベス・デビッキ)率いる無敵艦隊から総攻撃を受け、彼らの宇宙船ミラノ号は壊滅寸前に…。

間一髪、ガーディアンズを救ったのは“ピーターの父親”と名乗る謎の男エゴ(カート・ラッセル)と、触れただけで相手の感情が分かる能力を持つマンティス(ポム・クレメンティエフ)だった。

 

仲間からの忠告にも関わらずエゴに魅了されていくピーターの姿を見て、次第にチームの絆に亀裂が…。
 

そこへ“ピーター育ての親”ヨンドゥ(マイケル・ルーカー)が率いる宇宙海賊の襲撃や、さらに銀河全体を脅かす恐るべき陰謀が交錯していく。

はたして、ピーターの出生に隠された衝撃の真実とは? そして、彼らは絆を取り戻し、銀河を救うことが出来るのか?


 その運命の鍵を握るのは、チーム一小さくてキュートな、ガーディアンズの最終兵“木”グルート(声:ヴィン・ディーゼル)だった…。(HPより抜粋)

 

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監督

監督は前作に引き続きジェームズ・ガン

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やっぱねぇ、続編やるなら監督も続投して欲しいわけですよ。

作品によっては別の監督がとることで、数倍面白くなったりすることもあるけれど、このノリは彼でないと無理な気がする。

 で、彼を語る上ではずせない映画がこれ。

 

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 愛する妻を取り戻すために、スーパーヒーローになって立ち向かうさえない中年男を、悲哀をかもし出しつつバイオレンスにコルに描いた作品。

ぱっと見コメディ調に感じますが、重いレンチを武器に殴りかかるという地味な戦闘、相棒のぶっ飛んだ性格、徐々にシリアスになっていく展開、ヒーローとはいえ生身の人間ゆえの痛みがジワジワ伝わる、「キック・アス」以上に生々しさを感じる1本です。

この作品をきっかけにGotGの監督に抜擢されます。やはりヒーローモノがすきなんですね。

 

監督はGotGの続編もやると表明してるので、ますます楽しみですね。

 

 

 

 

 

キャラクター

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スター・ロード=ピーター・クイル(クリス・プラット)

 

 

地球生まれ銀河育ちのお調子者。ワケあり仲間をまとめつつ、なぜか銀河を守るハメに。以前は銀河を荒らし回っていたお宝ハンター
 誇れるものは、敵を出し抜く悪知恵と怖いもの知らずの行動力。プレイボーイで底抜けに明るい性格だが、幼い頃地球からさらわれ来たという不運な過去を持つ。亡き母を慕い、父が誰かを知りたいと願う、その心は永遠の思春期。
 特技はダンス&口説き文句。(HPより)

 

 

 

 今作ではついに自分を捨てた父と対面。どんな展開になるんでしょうか。

 

 

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ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)

 

 殺人兵器になるべく育てられた、美しく危険な暗殺者。クールで、ミステリアスで、セクシー。他人との関わりを避け、くだらない罵り合いを続けるチームの仲間たちに呆れ返りながらも、実は誰よりも仲間思いという、ツンデレな一面も。
 特技は、ありとあらゆる暗殺術とマーシャルアーツ。(HPより)

 

 元は、アベンジャーズの宿敵となるサノスの養娘。義理の姉妹であるネビュラとの溝は埋まるのか。

 

 

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ロケット(声:ブラッドリー・クーパー)

 

 

 遺伝子改造が施された高度な知能の持ち主で武器のエキスパート。可愛らしい外見とは真逆で、超過激な無法者。毒舌家で怒りっぽく、「アライグマ」と呼ばれるのが大嫌い。だが、悪態をつきながらも仲間のために奔走してしまう“人情”を持ち合わせる。現在、幼いベビー・グルートを“子育て”中、かつ、自身の相棒へと育成中。
 特技は、オリジナルの最凶武器の製作。(HPより)

 

 

かわいい顔してめちゃめちゃ凶暴な彼ですが、前作では相棒グルートを失った時の彼の号泣につられて泣いてしまいました・・・。今回も涙を誘うのか!?

 

 

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ベビー・グルート(声:ヴィン・ディーゼル)

 

 

小さくてキュートだが怒ると危険な“木”。その“前身”は、仲間を守るために自らを犠牲にした“樹木型ヒューマノイド”グルート。
 ロケットの懸命な世話で小枝の挿し木として蘇り、やっと小さな“木”に育ったところ。話せる言葉は「ボクはグルート」だけだが、その意味は多様。怒ると、制御不能な戦闘能力が覚醒!
 特技は、伸縮自在の枝。(HPより)

 

 

アレからここまで育ったのか。元に戻るのはどれだけかかるのか。

ロケットがツッコミなら彼はボケ。二人の掛け合いに何度笑ったことか。今回は動向のカギを握りそうなので注目。

 

 

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ドラッグス(デイヴ・バウティスタ)

 

 野獣の力を宿した荒くれ者。何事にも猪突猛進する一途な男。しばしば天然すぎる言動で仲間を唖然とさせるが、その素直な心からの発せられる言葉は、時に仲間を繋ぐことになる。
 特技は圧倒的なパワーによる戦闘。 

 

 ロナンに家族を殺され、敵を討つべくピーターとともに脱走し、ともに行動している彼。頭で考えず体で動くようなこういうキャラは見てて頼もしいですw。

 

 

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ヨンドゥ(マイケル・ルーカー)

 

  かつて、まだ子供だったピーター・クイルを地球から誘拐し悪事を教え込んだ、宇宙海賊ラヴェジャーズのリーダーの一人。冷酷で狂暴な男だが、何ともいえぬ人間臭さい面もある。
 特技は、恐ろしく正確で自由自在に矢を飛ばせる口笛。意外にも可愛い小物を集める趣味がある。(HPより)

 

 このヨンドゥをもし日本人でやるなら是非橋本じゅんでやってほしいw

前作でピーターに出し抜かれてしまったわけですが、今回復讐しにくるのか、それとも。

てかあの武器めちゃめちゃ強いよなぁ。あれ、トサカ長くなってるよね。

 

 

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ネビュラ(カレン・ギラン

 

 ガモーラと共に暗殺者として育てられた妹。姉に対して、嫉妬心や激しい敵意、愛憎入り混じった複雑な感情を抱いている。育てられる過程で身体の大半を機械にされた。 (HPより)

 

 予告ではガモーラをジェット機で狙いつつも、ガーディアンズとともに行動しているようですが、仲間になるのか、いまだガモーラを根に持っているのか。

 

 

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マンティス(ポム・クレメンティエフ)

 

 エゴの惑星で二人きりで生きてきたため、人との接し方がわからないエゴのお世話係。頭に生えた触角には、相手に触れただけで感情が分かる能力がある。純粋すぎる心の持ち主で、周りの空気が全く読めないが、次第にガーディアンズに心を開く。(HPより)

 

 今作から登場する新キャラ。不思議ちゃんぽいイメージです。でもよく見ると怖い。原作ではもっとゴツイ感じです。

 

 

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アイーシャ(エリザベス・デビッキ)

 

すべてを見下している、“黄金の惑星”ソヴリンの指導者。自身の惑星を敵から守るためにガーディアンズたちを傭兵として雇うも、一転、激しく攻撃を仕掛ける。(HPより)

 

 今回のヴィランなんでしょうか。今回ガーディアンズに何か任務を依頼するようですが。てかこの映画、宇宙が舞台だからみんな肌の色が様々。特殊メイク大変だろうなぁ。

 

 

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エゴ(カート・ラッセル)

 

 ガーディアンズを危機から救った、ピーターの父親と名乗る男。理想郷のような惑星に住んでおり、ダンディでカリスマ性を持つ。
 男性の姿をしているが、その正体は謎に包まれている。 (HPより)

 

 ついにピーターの父親登場です!ホントに父さん???

おそらくここで彼とお母さんがどうして結ばれたのかとか、ピーターの出世伊野秘密が明かされるんでしょう!ピーターの好きな音楽も絡んできたりするのでしょうか。

てかカートラッセルさ、「バーニングオーシャン」、「ワイルドスピード アイスブレイク」でこれで出演作が立て続けなんですけどw

 

 

 

 

 

 

 

というわけで!!前置きが長くなってしまいましたが、再びノリノリで笑いと感動の渦をもたらしてくれるのか!?隠れキャラであるシルベスタ・スタローンは何役で登場するのか!?前作のおまけエンディングに登場したハワード・ザ・ダックは今回も登場するのか!?

見所しかない今作鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

笑った!!笑った笑った!!!いやあ~~笑った後にまた泣かせるのかよ!!!

宇宙規模の父子の物語だったよ!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小学生かよwww!!

前作以上にバカみたいな会話がてんこ盛り!空中戦やガチンコバトルがてんこ盛り!そしてクライマックスに涙腺決壊!!の超娯楽大作になっておりました!! 

 

 

 

オープニングからですよ?いきなり80年代の地球でのシーンから爆笑ですよ!

 

あ~そこから始まるの?と思ったら34年後の現在にすぐさま戻り、ドンパチ開始!!

ノリで銀河を救うなんてキャッチコピーはきっとこの冒頭のバトルシーンのことを言っているんでしょう。

相変わらずこいつらはどうでもいいことで言い合ったりバカにし合ったりしながら真面目に戦うやつもいれば猪突猛進もいて、戦った後にオイタしたり、結果何もせずに踊ってたり。

 それでもまかり通ってしまうからこのノリ最高!って感じるんだよねぇ。

 

ケンカのレベルも今回はヒドイwww

無数の敵機から逃げるのに隕石群の中を突っ込まなければならない、ここでピーターとロケットが操縦の奪い合い!

俺の方が操縦巧いぜ!

いや俺だ!

このアライクマ!

てめぇ!お間の枕元にクソ詰めてやるぜ!

しかもドラッグスのな!

がはははっwwとドラッグス。

呆れるガモーラ!

 

君たち今死ぬかもしれない瀬戸際ですよ??www

しかも口論の中身がお前の母ちゃんでべそレベルww

小学生かお前ら!!!

 

こんなオープニングを皮切りにゲラゲラ笑える会話がず~~~~っと続くんだから最高でしかない!!

 

そんなギャグやコメディ満載の核を担ったのはドラッグス!

前作ではどちらかというと、怒りが先走ってバカみたいな行動をするイメージが強かった彼ですが、今回は怒りは抜け、ひたすらわけわからん言い訳したり、ひたすら笑ったり、見た目をバカにしたり、しかもそれが恋の予感で愛情の裏返しみたいな発言をかますという、完全にコメディ担当として大活躍しておりました。

 

ジェットロケットを唯一付けない彼の理由が乳首が痛くなるから、という子供みたいな言い訳をし、戦う仕草がガムシャラすぎて最高だし、敵のとどめを刺したのがガモーラなのに、自分が倒したと勘違いしたり、人の顔をかわいくないとか罵ったかと思えば、マジな顔して恋しちゃったみたいなこと言う始末。

 

前作の最後、曲に合わせて踊るグルートをドラッグスが見るとストップする一連の流れが今回も登場します。

 

とにかく彼の言動や行動を見聞き逃すな!!笑い損するぞ!!

 

 

そんなドラッグスにかわいさで対抗するのはベビーグルート!!

お前小っちゃくなったらとんでもなくかわいくてニヤニヤしちゃうじゃねえか!!

オープニングのバトルシーン。みんなが一生懸命任務を全うしようと戦ってる中、ちっちゃい爬虫類追いかけてはやられたりして余計なことしてるかと思えば、音楽流してひたすら踊ってるwww

かわいい~~~~っ!!!

他にも、みんなに抱きかかえられたり、ぶん投げられたり、シートにちょこんと座っておかし食べてたりとかわいさMAX!

捕らえられたヨンドゥとロケットが脱出するために必要なある道具をグルートに盗んできてもらうよう頼むシーンがあるのですが、ここでもかわいさと小ボケを連発し、我々観衆をニコニコさせてくれます!

 いやあ、カワイイは正義だなぁw

 

個人的に一番笑ったのが、ピーターたちがいる惑星に向かうには、生身の人間では耐えられないほ体にど負担がかかる空間を移動しなければいけなく、そこへ突っ込む中で、トリップ状態になりながら進んでいくんですが、無事抜け出せた瞬間のグルートに起きた悲劇に大爆笑!!

まぁ普通そうなるんだけどさ!あなたがやったら笑いにしかなりませんよww

今回「I AM GROOT」を17回言ってたそうです。

是非見逃さないでください!!

 

 

他のキャラも大活躍!!

ガモーラもツンデレツッコミ担当ということで、ドスの効いた一発をかましたかと思えば、ピーターと進展アリ!?みたいな心情が読み取れたり、バトルシーンもネビュラとタイマン張ったり、銃に剣にと多様に武器を使いまわし暴れまわります!

今回はネビュラとの関係をどう修復するかというサイドストーリーもあり、ずっと勝負して負けてきたネビュラの本当の気持ち、そして勝つことにこだわったことで見失っていたガモーラのネビュラへの気持ちが打ち上げられる場面も見逃せません。

 

私モンキーが大好きなロケットも、ありとあらゆる武器を発明し、追手を一網打尽するシーンは愉快痛快!!

そして相変わらずの暴言を吐いたり、勝手な行動をしてチームがピンチになったりしますが、彼にも彼で暴言の奥深くに隠れる思いが今回浮き彫りになることで、涙を誘います。

生い立ちがひどければひどいほど、優しくされるとつい突っ張ってしまう。彼なりの愛情表現なんだよなぁ。

これ以上辛い思いはしたくない故の行動に切なさがこみ上げます。

 

そして!

前作ではとんでもない強欲海賊のボス、ヨンドゥだったわけですが、今回はやけに湿っぽい。おいおいどうしちゃったんだいヨンドゥ。

そんな彼の内面を紐解く過去が明かされることでヨンドゥがどんどんいい奴に見えてきちゃうんだよなぁ。

しかもクライマックスでは彼が男になるんだよ!!

勝手に地球でピーターを誘拐しておきながら盗人に育て上げたり、あれだけお前を食うのを我慢して育てたとか、恩着せがましいこと言ってたヨンドゥが!!

 

誘拐したのにはワケがあったんだよ!!しかも今回の黒幕のことを知って、ピーターを守るために一大決心したんだよ!それが積み重なって彼は孤立しちゃうんだよ!!

不器用に生きてきた男が、最後まで不器用に生きる。

あ~思い出すだけで涙・・・。

 

頭がトサカになったのもちゃんと解明されます!あ~そういうことね!!

 

ということで今作の影の主役はヨンドゥです!彼の勇姿を見届けろ!

 

他には、ジルベスタ・スタローンがどんな役を演じるかが気になっていましたが、彼はヨンドゥが元々いたラヴェジャーズの幹部スタカーでした。

スタカーは、過去にヨンドゥをある掟を破ったことでラヴェジャーズから追放しており、今回久々の再会をしますが昔のような仲にはならないわけで。

それでも彼を思うが故の行動を最後にするので、彼を追放したのも掟あってのものだったことがわかります。本当はお前のことわかってるよって。

 少ないシーンでしたがエンドクレジットにも登場し続編に出演しそうな予感をさせた意味深な幕切れでした。

 

 

今回も小ネタ満載!!

今回も敵機が遠隔操作で攻撃するという、ゲームセンターのアーケードゲームをやってるかのような演出や、ゲームウォッチのようなレトロなゲーム機で敵を察知する機械をピーターが持っていたりと、80年代オマージュが満載だったわけですが、一番個人的に盛り上がったのはナイトライダー!!!

デヴィッド・ハッセルホフの名をしきりに出していましたが、この方、ナイトライダーの主人公マイケルを演じた方の名であります。

しかも途中一瞬ですが本人が出てるじゃありませんか!!!

これには大爆笑!!

他にもヨンドゥのメリーポピンズ状態やパックマン登場も笑えましたね。

 

あとはハワード・ザ・ダック!!ちゃんと出てきましたね!!お前コレクターんとこから逃げ出して悠々自適じゃねーかww

宇宙犬もいたそうですが、エンドロールでしか確認できず。本編のどこにいたのか見逃してしまいました。

 

今回はピーター所有のカセットテープに収録された音楽に、グルートがノリノリで踊ったり、ロケットが口ずさんだり、臨戦態勢に入るためのファンファーレ的な扱いで自発的にかけたりと、知らぬ間に仲間達がハマっているのが印象的でした。

 前作でようやく封を開けた母からの贈り物に入っていたカセットテープの存在によって続編を示唆するパーツとして、前作鑑賞時歓喜しました。

今回も続編へ繋がるよう、ある人物から贈られるわけなんですが、今回カセットテープじゃないんですね~。

カセットからかなり進化したものでしたが、どういう意味なのか。聞いたことないものだったので調べたらマイクロソフトが開発したZune(ズーン)という音楽プレイヤーでした。

10年位前に発売されたものの、日本での販売はなく現在では販売、生産、サービスが終了してるという、過去の遺物的なものでした。

しかも300曲入ってるということで、続編はそんなに楽曲使うの!?とちょっとびっくり。

果たして続編はどんな物語になるのか気になります。

 

 

 

 

音楽も最高!!

今回も音楽が最高です!!しかもちゃんと歌詞がついてるのでどういう意図で使われているのかが明確でした

ピーターの父エゴが歌っていたルッキング・グラスの「Brandy(You're A Fire Girl」ではエゴの本心を歌ったものだったり、バラバラになりかけたチームの時や、大事なものが何かを理解した時にかかる曲がフリートウッド・マックの「The Chain」だったり。

これは前作に比べて非常に本編に効果的な楽曲だったと思います。

 

他にも、オープニングで流れるのがエレクトリックライトオーケストラの「Mr.Blue Sky」で前作の超カッコイイオープニングクレジットを彷彿とさせたのと同様に、今回もノリノリでいくぜ!!ってのが凄く感じられる選曲でした。

エゴの星に到着するときに流れるのがジョージ・ハリスンの「My Sweet Load」。父エゴの惑星に到着するときにこれが使われるというのが凄くマッチしています。私の優しい神様ってタイトルですからね。

ピーターとガモーラがダンスするシーンで流れるのがサム・クックの曲だったりと今回もナイス選曲だったと思います。

 

そして!!!クライマックスに流れるキャット・スティーヴンスの「Father and Son」!!父と子がテーマであるこの物語を決定付ける最高の選曲!

こんなの泣くだろ!!

映像はめっちゃきらびやかなのにフォークソングって!!

ここもしっかり歌詞字幕が出るので感情移入しやすいと思います。

相変わらずナイスセンスな監督のチョイスに脱帽です!!

 

ただ今回に関してはエンドロールで3曲も流れるのが少々くどかったし、予告で流れたスウィートの「Fox On The Run」が本編では使われてなかったのが残念でした。

 

 

 

 

最後に

ピーターの前に現れた生みの父親。突如現れた父親に戸惑いながらもようやく本当の家族に出会えたことに喜びを感じる。

しかし本当にそれでいいのか。家族とはどういうことなんだろうか。血がつながってれば、今まで築いてきた絆はどうでもいいのだろうか。

過去に心の傷を負った荒くれ者たちが、各々の欠けた部分を補うことで繋がってきた彼らの絆が、ピーターの行動により揺らいでいきます。

そんなピーターを正気にさせたのは、仲間であり、育ての親であるヨンドゥの存在でした。 

是非彼らが抱える不器用な思いを噛みしめながら笑い泣きしていただけたらと思います。

 

 

 

 

今回エンドクレジットのオマケ映像が4つも出てきます!!

2つはギャグ、もう2つは続編を示唆する内容!

ん?あれミシェル・ヨーじゃね?

ん?あれアベンジャーズとはどう繋がんだこれ?

それよりついにあの強敵が誕生するぞ!!!第3作も見逃せない!!!

 

 

今回は監督がホントやりたい放題やってるなぁという印象が強く、見どころがガンガン投入されてるのであっという間です。

おもちゃ箱を開けたような発想や遊び心満載の演出、アイテム、設定、ギャグ、セリフ、会話などなど、これでもかというほど監督のアイディアが詰まった作品でした。

 しかしながら、前作と比べると、笑いや演出がド派手な分、内容が乏しいなぁという印象も大きかったですね。

今回別行動になってるので、せっかく彼ら全員の掛け合いが楽しいだけに、ちょっとこれはもったいないなぁと。

 

前作が良すぎたんだよなぁ…。

 

 

 

とにかく!笑って笑って笑って泣ける痛快爽快なアメコミ映画でございました!

というわけで以上!あざっした!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「スプリット」感想ネタバレあり解説 マカヴォイの怪演が光る!!

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5月12日

スプリット 

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ボウリングやってると、よくやらかすんですよねぇ。

で、その状態からスペアとか獲った時にゃあ、ガッツポーズですよ。

っしゃあっ!!って。

今回はそんなボウリングでなかなかストライクの獲れない男が3人の女の子相手にムキになるという姿を・・・

 

って話じゃねーからww

 はい、失礼しました。スプリット違いですw

毎回毎回オチを期待してしまってばかりのシャマラン監督の最新作です。この人の持ち味はオチだけじゃないってのが前作の「ヴィジット」でようやくわかりかけた若輩者でございます。

今回も批評家からの評価は前作に引き続き上々で、これで監督の低迷期からの脱出はほぼ確実なんでしょう。

というわけで、早速見てまいりました。

 

 

 

 

 

 

作品情報

前作「ヴィジット」でその鬼才健在をアピールし、見事に成功した監督がまたしても観客の予想を裏切る期待作を作り上げた。

拉致された女子高生3人VS多重人格者の攻防を、恐怖や興奮、緊張感漂うキレのあるスリラーに仕上げた今作は、監督全盛期を彷彿とさせると話題騒然。

アメリカでも3週連続1位を記録するほどの加熱ぶり。

完全復活した監督最新作、決してあなたの期待を裏切らない!

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

級友のバースデーパーティーの帰り、車に乗った3人の女子高生。

見知らぬ男が乗り込んできて、3人は眠らされ拉致監禁される。

目を覚ますとそこには殺風景な密室・・・彼女たちはその後、信じがたい事実を知る。

ドアを開けて入ってきた男はさっきとは違う異様な雰囲気で、姿を現す度に異なる人物に変わっていた――

なんと彼には23もの人格が宿っていたのだ!

そして、さらに恐るべき24番目の人格が誕生すると、彼女達は恐怖のどん底に。

3人VS〈23+1〉人格。

果たして、3人は無事に脱出できるのか!?(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

 

 

監督

監督はM・ナイト・シャマラン

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 前作「ヴィジット」で原点回帰したことが低迷期脱出の引き金となり、これからの作品も大いに期待できるほど、信頼も回復されたように思えます。

 

個人的にも「ヴィジット」は不安でしたが、怖いのダメな自分でも楽しめた作品だったし、オチにも納得だったので、今回はもう期待しかしてないです。

 

 では監督の作品をざっくりと。

驚愕のラストに世界中がざわついた「シックス・センス」で数々の賞や高い評価を受けたことで監督の代名詞ともいえる作品になりました。

その後も、大規模な列車事故で助かった男ととある難病を抱えた男の奇妙な関係を描いた「アンブレイカブル」や、ある家族の前に不可解な現象が起きていく「サイン」などヒット作が続きますが、謎の美女と出会ったことで不可思議ね出来事に遭遇していく男を描いた「レディ・イン・ザ・ウォーター」以降低迷期に入ります。

数々のジャンルの作品を作り酷評されながらも、彼らしさを忘れず作り続けてきたことが報われたのか、祖父母の元へ訪れた姉弟に予想だにしなかった恐怖が襲ってくる「ヴィジット」で批評的興行的に上々の兆しを見せ、原点回帰とまでささやかれるようになりました。

今作の評価も非常に高くヴィジット同様に期待が持てそうです。

 

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キャスト

多重人格者ケヴィンを演じるのはジェームズ・マカヴォイ

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もう昔からいい演技する役者さんなんでね、彼が多重人格者やるなんていっても驚かないですよ。彼なら大丈夫。そう勝手に思ってますw

やはり坊主で登場ってことは去年のX-MENアポカリプスでの剃髪以降そのままにして演じたのかな?

 

彼も代表作を簡単にご紹介。

まず名が知れたのは、ひょんなことから不思議な生き物と暮らす異世界に迷い込んだ4人兄弟の冒険の物語「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」でタムナスを演じたこと。

それ以降、国民の期待を集めながらも権力を得ると独裁者へと変貌していった男を描いた「ラスト・キング・オブ・スコットランド」、少女の過ちによって引き裂かれた男女の行方と、それを一生かけて償う様を描いた「つぐない」などで数々の賞を受賞。

ハリウッドへ進出後も、一人の青年が血筋によって暗殺者へと覚醒していくバイオレンスアクション「ウォンテッド」や、長きに渡って演じることになったX-MENシリーズでの若きプロフェッサーXも様になった演技を見せています。

 

 

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そのほかのキャストはこんな感じ。

さらわれる女子高生ケイシー役に、アニヤ・テイラー=ジョイ

同じくさらわれる女子高生クレア役に「スウィート17モンスター」にも出演していたヘイリー・ルー・リチャードソン

Dr,カレン・フレッチャー役をベティ・バックリーが演じます。

 

 

 

 

 

 

 

というわけで、どんな百面相をマカヴォイが見せてくれるのか、監督が誰にも言っちゃいけないとまで豪語するオチはどんなものなのか。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

終始マカヴォイ祭り!!あんたやっぱすげえな!それに対抗する美少女も忘れるな!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャマラン作品はこうでなくちゃ。

多重人格者にさらわれ監禁された女子高生3人が、彼を出し抜いて脱出するスリラーかと思いきや、野獣対女子高生というB級チックな展開に。

しかしながらこの物語の根底にあるのは、過去のトラウマや恐怖から逃げずに向き合うことで、己の心の弱さに打ち克つというシャマラン作品でもおなじみのテーマでありました。

 

 

多感な10代の女の子なのだから、こんな状況に遭ったら大体が、騒ぐ、わめく、泣く、怯える、そこから怒りに変わりアタシ半年間からてやってたから倒せるとか言って立ち向かおうとする。

そんな無謀さも見せながらイメージ通りの行動をする2人に対して、ヒロインであるケイシ―は至って冷静。

笑わない、泣かない、群れない。その大きな瞳で虎視眈々とこの危機をどう切り抜けるかを見極めようとしている。

なんて子だ!!めっちゃ大人じゃないか!

しかも、3人をさらった人格デニスが、マルシアを捕まえて別室に連れてこうとしたら「オシッコしちゃえ!!」とアドバイス。

ヤバい状況でもサラッとアドバイスできちゃう機転の速さ。

 

彼女はなんでこんな冷静に判断できるのか。

そういった疑問を、現在の視点から離れ、彼女の幼少期のシカ狩りの回想シーンから徐々に紐解いていく流れがあることで、この物語が決してケビンだけが主役でないということが分かります。

 

ではケビンがただの多重人格者なのかというとそうでもなく、彼を長年カウンセリングしているフレッチャー先生の視点から、執拗に送られるメールや、目の前の人物がどの人格なのか、ケビンが作り出した数々の人格が何を企んでるのかを、ミステリー調で推理していき、彼のビギニングな部分が明かされる流れになっており、この二人がなぜこんな人物になったのかを丁寧に抽出し、絡まっていく流れはお見事でした。

 

なんで最近までつまんない映画ばかり撮っていたのか不思議でしょうがないww

やればできんじゃん!!といった、緻密な脚本が功を奏した作品でありました。

 

 

マカヴォイヤバい。

何といってもこの物語はマカヴォイの怪演なしでは成立しないほど、作品に緊張感と恐怖感を与えてくれました。

前にも日本のカメレオン俳優は大したことないみたいなことを書いたのですが、なぜ大したことないかっていう答えが彼の演技観たらわかるなぁ、と。

 

今回ぶっちゃけ23人も演じてないんです。

それでもですよ?9歳の男の子や、ちょっとオネエなファッションデザイナー志望の男、潔癖症で完璧主義のインテリ野郎、不気味さ漂う貴婦人、そして24人目の人格であるビーストとどれも全く異なる人格を、ワンポイント変えるだけでここまで演じ分けられるかと。

何でしょう、顔の筋肉の使い方がどうかしてます。

例えば、ファッションデザイナーのバリーは口調こそオネエ調ですが、若干眉間にしわを寄せ、常に口角を上げて話していて。そこから潔癖症の今回の実行犯であるデニスになると、メガネはかけますがその奥は冷たい眼差しでこわばった表情へとすぐ切り替わる。

9歳の男の子ヘドウィグも舌足らずな口調とへたくそなキスには笑ったけど、下唇を微妙にひん曲げたり、目をとろんとさせたりとあらゆる人格にアクセントをつけて違いを見せていました。

 

これをですよ、オーバーに変えないってのが凄いんですよ。

特に最後のシーンで鏡越しにいろんな人格が出てきて話し合うシーンがあるんですが、すぅ~っと顔色変えて別人格に変わる。これノーカットですよねきっと。

でもって一瞬誰なのかわからないんです。これ明らかにわかっちゃったら凄み感じないと思いません?

きっと多重人格者ってこうなんだと思います。

他人から見たらあなた今誰?って思うような変化を見事に体現してたなと。

 

極めつけは24番目の人格ビースト。

途中でフレッチャー先生が学会みたいな場所でウェブカメラで語ってましたが、人格が行くとこまで行くと肉体まで変化するんだよ、ってフリがありましたが、その通りになっていくんですねぇ。

急に列車の中で上半身裸になって、ウウウゥ~っ!!ってなるもんだから悟空が大猿みたいなるのか、はたまた坊主でマッチョだからアンディ・ラウマッスルモンクみたいな超ムキムキマッチョになるかとドキドキしてましたが、案外現実的な変身で。

そのあともビーストっぽい暴れっぷりと暴走っぷりに、一人クスクス笑ってしまった私ですw。

ある意味マカヴォイの真骨頂を見た七変化でございました。

 

 

アニヤもステキ!!

今作のヒロインに抜擢されたケイシー役のアニヤ・テイラー=ジョイも良かった。

なんてったってその大人びた表情がかわいい!

序盤こそ笑わない、泣かない、叫ばない、慌てない、そんな大人な雰囲気を見せていましたが、大きな瞳がウルウルしだす表情や、しゃがれた声、これは本気で逃げ出せないと分かった時の絶望感をゆっくりと涙を流しながら表面に出し取り乱していく演技。いやぁうまいなぁ!!

もう他の二人の女子高生と空気感が違う!明らかに違う!

後は何といってもそのプロポーションですよ!!

今回潔癖症男デニスがですね、服を脱げって何回も言うわけです。汚れた服で部屋に居て欲しくないからなんでしょうね。

だから、ちょっとずつ彼女たちが下着姿になっていくんです。

マルシア役の子はおパンツ一丁で、クレア役のヘイリーはブラジャーだけで、そして、アニヤちゃんは胸元の大きく開いたインナー一丁で過ごすんですが、寝そべってる時の胸元がまぁエロい。

後ろで寝そべってるマカヴォイと代わってほしかったよ畜生。

てかシャマランはあれか?裸よりも下着フェチか?

 

どうでもいいけど今回シャマラン監督久々に1シーンだけ登場して、フーターズについてアレコレ突っ込まれてますww

やっぱりあなたはそういうの好みなのかい?

 

 

核心に触れます。

ここから核心を突いたネタバレします。

 

監督がオチは誰にも言っちゃダメ!!っていってたから今作のオチを久々に期待していたんです。

どんな終わり方をするんだろう、もしかしてシックスセンス以上のものだったりして!?

物語はクライマックスへ。

もはや刃物すら折れてしまうほど筋骨隆々となったビーストにショットガンなど効くのだろうか。

そんな小さな疑問など考える余裕もなく逃げるケイシー。

そしてついに追い込まれてしまったケイシー!!果たしてどうなる!?

 

そこから警察に通報したことで事件となり、ケビンの家の所在地がそんなところにあったのかといったタネ明かしや、ケイシーの恐怖に打ち克ったことで踏み出す新たな一歩なんかも描かれて、え?これで終わり???どこが凄いオチなの???と。

 

場面は変わり朝のダイナーで今回の監禁事件のニュースを見ていたお客さんが、「確か15年前にもこんな事件あったわよね~。なんか車いすで変な名前を名乗ってた男が犯人の・・・なんて名前でしたっけ・・・?」

「ミスターガラスですよ。」

んん???どこかで聞いたことある名前。

そこからカウンターの奥に座っていたある男がクローズアップ。

なんとブルース・ウィリス登場!!!

ここで幕は閉じエンドロールへ。

 

エンドロール後、急告の文字。

「スプリット」と「アンブレイカブル」の続編「Glass(原題)」2019年公開予定と表記された告知がラストに登場。

 

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帰ろうとしていたお客さんは立ち止まり、驚いた人もいれば、アンブレイカブルって何?と「?」がいっぱいだった人もいたり。

じゃあ私はどうだったのか。

 

うわ~~~~!!!!この前このニュース見たから俺知ってたぁ~~~!!!!

 

決して自分からネタバレ記事を探したわけでもなく、twitterから回ってきただけでもなく、監督来日後に重大発表をtwitterで明かしたという内容のニュースを、よく見る映画ニュースサイトが掲載しており、たまたまそれを読んでしまっていたわけで。

 

当時はへぇ~、と、とうとう監督もシャマランユニバースみたいな構想で攻めてくのかなぁ、なんて今後の作品に期待していて。だったらアンブレイカブルおさらいしておくか、とわざわざレンタルして鑑賞し今作に備えたのですが、まさかふたを開けたらそれがオチかよ!!!!と。

 

いやぁ~悔しい。悔しいよ。

お話は決して悪くなかったから、これ知らずに見たら、ラストのブルース登場でむっちゃ歓喜したのになぁ。

 

まぁあれですよ、アンブレイカブルでもデヴィッドが監禁してた女性たちを解放して犯人と戦ってましたからね。あれをケビンが犯人的な感じでやるんでしょうね恐らく。

 

んな先の話の予想なんかどうでもいいんだよ!!!

監督も監督で、来日して浮かれてツイートしてんじゃねえよ!それをしっかりニュースサイトで拾ってんじゃねえよ!!

ふつう日本で公開してからやれよ!!公開前に掲載してんじゃねえよ!!

 

そうです、たまたま見てしまった私が悪いんです。

予習の鬼とか言っといて地雷踏んでしまった私が悪いのです。

あ~あ。

 

 

 

 

最後に

ケビンを守るために、むしろケビンを黙らせるために、彼が生み出した人格たちがさらなる進化を求め、生まれた獣という人格。その獣に過去の恐怖を重ねた女子高生が一人立ち向かう緊張感満載のスリラーでございました。

最後のオチを知っていなければ、もっと楽しめたことでしょう。

しかしそれを無視しても、役者たちのシリアスな演技と、緻密な脚本もあって作品としては十分面白い内容になっていたと思います。

 

今回深い内容は書いておりませんが、皆さんもネタバレにはくれぐれも気を付けるよう努めましょう!

 

俺が言えた義理じゃないけどねww

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

 

 

映画「マンチェスターバイザシー」感想ネタバレあり解説 主人公の苦悩を静かに描く良作。

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5月13日

マンチェスター・バイ・ザ・シー 

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今年のアカデミー賞はじめ、各映画賞を賑わせた作品の登場です。

マンチェスターと付いているからといって、決してイギリスが舞台の話ではございません。アメリカにマンチェスターバイザシーという町があるのです。

偉大なる兄の下でコツコツとキャリアを重ねてきた一人の男に、ようやく光が当たった記念すべき作品。

非常に楽しみな作品を早速見てまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

本年度アカデミー賞にて主演だ優勝と脚本賞の2冠に輝いた本作は、マット・デイモンがプロデューサーを、また「ギャング・オブ・ニューヨーク」の脚本家が監督を務め、一人の男の絶望と再生を丁寧に優しく描いた人間ドラマとして完成させました。

 

マンチェスター・バイ・ザ・シー

マンチェスター・バイ・ザ・シー

  • アーティスト:レスリー・バーバー,デューク・エリントン,ドン・ジョージ,ジョニー・ホッジス,ハリー・ジェームス
  • 出版社/メーカー:ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2017/05/10
  • メディア: CD
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あらすじ

 

 

アメリカ・ボストン郊外でアパートの便利屋として働くリー・チャンドラー(ケイシー・アフレック)のもとに、ある日一本の電話が入る。故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーにいる兄のジョー(カイル・チャンドラー)が倒れたという知らせだった。
リーは車を飛ばして病院に到着するが、兄ジョーは1時間前に息を引き取っていた。
リーは、冷たくなった兄の遺体を抱きしめお別れをすると、医師や友人ジョージと共に今後の相談をした。兄の息子で、リーにとっては甥にあたるパトリック(ルーカス・ヘッジズ)にも父の死を知らせねばならない。

ホッケーの練習試合をしているパトリックを迎えに行くため、リーは町へ向かう。見知った町並みを横目に車を走らせるリーの脳裏に、過去の記憶が浮かんでは消える。仲間や家族と笑い合って過ごした日々、美しい思い出の数々——。

兄の遺言を聞くためパトリックと共に弁護士の元へ向かったリーは、遺言を知って絶句する。「俺が後見人だと?」

兄ジョーは、パトリックの後見人にリーを指名していた。弁護士は、遺言内容をリーが知らなかったことに驚きながらも、この町に移り住んでほしいことを告げる。「この町に何年も住んでいたんだろう?」
弁護士の言葉で、この町で過ごした記憶がリーのなかで鮮烈によみがえり、リーは過去の悲劇と向き合わざるをえなくなる。なぜリーは、心も涙も思い出もすべてこの町に残して出て行ったのか。なぜ誰にも心を開かず孤独に生きるのか。

リーは、父を失ったパトリックと共に、この町で新たな一歩を踏み出すことができるのだろうか? (HPより抜粋)

 

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監督

監督は今作で脚本も手掛けたケネス・ロナーガン

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 初めて耳にするお方です。

元々は脚本家としてキャリアをスタートした方のようで、「アナライズ・ミー」や続編「アナライズ・ユー」、「ギャング・オブ・ニューヨーク」ではアカデミー賞脚本賞を受賞する快挙を成し遂げています。

監督としては今回が2作目のようで、デビュー作は「マーガレット」。マット・デイモンやマーク・ラファロなどの豪華キャストでありながら、日本未公開だったようです。

ここでプロデューサーであるマットと繋がったんでしょうね。

 

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キャスト

主人公リー・チャンドラーを演じるのはケイシー・アフレック。

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お兄ちゃんのベン・アフレックより細身です。半開きな口がだらしない兄に比べて凛々しい表情が魅力的。

今作で念願のアカデミー賞主演男優賞を受賞し、その時の涙を流しながら壇上の弟を見る眼差しが最高にステキでした。

 

彼の作品は半分くらい見てますが、今までこんなに光が当たった作品を見てないので今回非常に楽しみです。

 

そんな光の当たらなかった彼の地道にキャリアを積み上げた作品を簡単にご紹介。

映画デビューはガス・ヴァン・サント監督の「誘う女」。その後、兄であるベンの出演作「チェインジング・エイミー」や「200本のたばこ」などに出演。

え?これも出てたのか!と後々気づいた「オーシャンズ」シリーズには、いつもけんかばかりしていたモロイ兄弟の兄として出演しています。

 

転機となった作品が、アメリカ西部開拓時代の荒くれ者にし今でも南部の人間から愛されている男と彼を慕いながらも刺繍的に殺してしまう男のドラマを描いた「ジェシー・ジェームズの暗殺」でアカデミー賞助演男優賞にノミネートし話題になります。

 

兄ベンの監督デビュー作「ゴーン・ベイビー・ゴーン」でも主役を演じ評価を得ますが、彼が監督製作脚本撮影と作品のほとんどを手掛け、俳優ホアキン・フェニックスが俳優人生を辞め、ヒップホップアーティストに転向すると言う発言が、実はフェイクドキュメンタリーだったということを公表するまでを描いた「容疑者、ホアキン・フェニックス」がメディアや一般人から反感を買い、業界から干されてしまう事態に。

 

最近では、食糧危機となった地球の人たちを救うべく宇宙へと旅立つ父、離れ離れになりながらも地球で彼を支える娘との絆と、人類の運命を壮大なスケールで描いた「インターステラー」で主人公クーパーの息子役として出演しています。

 

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他のキャストはこんな感じ。

リーの元妻ランディ役を、「ブルーバレンタイン」や「ブロークバック・マウンテン」、そしてジャニス・ジョップリンの伝記映画にも主演予定のミシェル・ウィリアムズ

リーの兄・ジョー役に、「SUPER8」や「アルゴ」、「キャロル」などに出演していたカイル・チャンドラー。

リーの甥・パトリック役に、「ムーンライズ・キングダム」や「グランド・ブタベスト・ホテル」などに出演していたルーカス・ヘッジズが出演しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人々の心を揺さぶると評判の今作。主人公が過去に犯した過ち、そして直面する問題にどう向き合っていくのか。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

その痛み、その悲しみ、消し去ることはできない。

消えない思いを背負った男の悲しくもどこか温かいヒューマンストーリー!

以下、核心に触れずねたばれします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

体感時間は長いけども。

ある出来事を境に、悲しみと痛みを背負い心を閉ざしてしまった男が、父を亡くした甥と過ごしていくことで、再び痛みと悲しみに向かい合っていく様を描いたヒューマンドラマでした。

 

誰にでも犯した過ちを消し去ることなどできない。いつだって逃げたいに決まっている。時間が忘れさせてくれるのか。過去はそう簡単に変えることはできない。

だったらどうすればいいのか。いっそのこと逃げたまま生活すればいい。そうすることで生きていけるならそれもひとつの答えだ。

そんなことを教えてくれる作品だと感じました。

 

兄が死に、甥の後見人となって地元へ戻る。葬儀が執り行われるまでの間、パトリックの将来を案じ、あれこれ模索するリーだが、パトリックは彼の提案を拒む。

この町にいたくないリーと、留まりたいパトリック。

平行線のまま時は流れるも、少しづつリーはパトリックへ歩み寄っていく。

 

劇中に何か劇的な変化が訪れるわけでもなく淡々と物語は進む。

この物語には、観客を飽きさせないような15分に一度の変化という映画お得意の演出などどこにもない。ただただパトリックとの生活がそこには描かれている。

日常なんてそんなもんだよ、と監督に言われてるような気がした。

そして、リーが抱える悲しみはたった2時間ちょっとの内容では救われないのだ、そうも言われてる気もした。

だから体感時間が非常に長く感じた。

とはいえ決して苦痛な時間ではなく、リーの悲しさがおおよそを占める中で、ごくごく小さなエピソードに些細なユーモアが混じっていたことも手伝って、程よく退屈にならないような工夫人へのもされていて見やすい作品だと感じました。

 

殺風景の中に。

言葉で語られない分、画で心に訴えてくる描写がたくさんありました。

リーの空っぽの心が、曇った空と海しかないマンチェスターバイザシーの殺風景とリンクし、時折吹く冷たい風が彼の体温を奪っていく。

それでも飛び続けるカモメがリーの現在を映し出しています。

リーは、後見人としてパトリックと共に暮らすことで、どうにか変わろうと努力していることが分かります。

 

他にも、冒頭と終盤でリーの行動を同じように描いてるのも面白い。

例えば、便利屋としてアパートの部屋をまわり、修理するリーが映し出されているが、途中クレームを物申す住人に悪態をつく。

バーカウンターの向かいでちらちら自分を見る男性2人組に苛立ち殴りかかる。

このような行為から彼の心が不安定だということが読み取れるが、終盤でも同じようなことをしでかしている。

便利屋を辞めて地元へ戻ってきても、物語の最後には再び便利屋に戻り仕事を続ける。

要するに彼は変わってないことが読み取れる。

 

彼以外にも、パトリックの心情もうまく描かれていた。

父の遺体を冷凍保存することをかたくなに拒んでいたパトリック。突然夜中に起き、冷凍庫を開けると山のように詰めていた冷凍チキンがあふれて落ちてくる。

それを見て彼は発作を起こす。

落としたチキンを冷凍庫にしまいたいけどうまく仕舞えない。

きっと冷凍保存したくない父のことを思っての発作だったんだろう。

 

このように、言葉でなく画で表現する描写がたくさんあり何度見ても感慨深くさせる作りになっていました。

 

 

何故こいつらモテる?

リーとパトリックの共通点は大きな喪失感であり、物語が進むにつれて二人はその喪失感をどう埋めていくか、どう向き合っていくかを描いているわけですが、それ以外にも二人には共通点がありました。

それは女からモテること!

何だよ、心に深い闇を持ってる奴は女を引き寄せられるのか???

 

まずリーですが、便利屋として便器のつまりを直しに女性宅に訪れるわけですが、直してる最中に、奥で女性が友人に電話をしています。

「ヤバイ私今便利屋に恋しちゃいそう!」「汚れてるとこ直してもらってるにもかかわらず、なんでこんな気持ちになっちゃうの?」

そして彼女はチップを渡すことで好意を示しますが、リーは素っ気ない態度!

おいおいつれないねぇ、リーさんや。

 

その後もパブで一人一杯ひっかけてるところに、いかにもエロイ女が、リーと吉家画を作るために、超わざとらしくリーの服にビールをこぼします。

「あらごめんなさい!!マスター、ナプキン貸して!」「ほんとにごめんなさい、私○○っていうの、あなたは?」

「大丈夫だから、気にしないで。」

これまたリーさん素っ気ない態度!!その2!!

せめて名前くらい言えや!

 

そして、なんとパトリックの彼女のお母さんまで彼に好意を持つというモテっぷり。

パトリックの彼女の家でのバンド練習の送迎で、外で車中待機しているリー。

するとお母さんが出てきて、「まだ練習終わるまで時間がかかりそうだから中で待ちませんか?もしよかったらパトリックと一緒に夕食でも?」

「時間になったらまた来ます。」

これまたリーさん素っ気ない態度!!その3!!

なんて非社交的なんだ!!

 

このことを彼女から聞いたからなのか、パトリックはあることをひらめきます。

彼女とHしたい願望MAXのパトリックですが、定期的に母親が部屋を訪ねてくるので、そうさせないようリーと彼女の母親を会話させることで、Hする時間稼ぎをさせようと目論みます。

お母さん、大きく胸元の空いた服でセクシーさをアピール!もっとお酒を飲ませようと頑張りますが、

これまたリーさん素っ気ない態度!!その4!!!

なかなか会話の弾まない空間に耐えられなくなって、お母さんギブアップ!!!

 

こんなモテモテのリーの素っ気ない態度が何度も出てきて笑わせてくれます。

こいつ気づいてんのか?

 

そしてパトリックも超グラマーな彼女が。

父を亡くしたことで心配になり、パトリックの元を訪れた彼女。彼の父ジョーも公認であり、何度も家にお泊りまでする仲。

そんな彼女がいるにもかかわらず、パトリックには別の彼女がいます。地下ビジネスとか例えてますが、お前それ立派な二股だからな!

その彼女こそバンドの女性ボーカル。彼女とバンド練習をした後、彼女の家で宿題をやると称して、Hに勤しむという性欲むき出しなパトリック。

 

これ以外にも希望者が二人出てくるというモテっぷり。

 

こんなモテモテな二人をどうか笑いながら見てくださいw

 

 

 

最後に

はい、今回もまた考えがまとまらないままのグダグダな文章になってますが、要は良い映画でしたww

終盤で必死に謝る元妻ランディとの会話のシーンは涙腺決壊すること間違いないでしょう。そこでリーはどう接するのか。是非見て感じてほしい場面です。

 

リーの犯した過ちが何なのかが結構序盤で明かされ、その衝撃度の大きさに、彼が心を閉ざすのも仕方ないよなぁと同情してしまいます。

自分も彼の立場なら地元へ帰りたくないです。これは辛すぎる。自責の念が強すぎる。だからこそ、この映画はそんな辛い過去を持つ人に、手を差し伸べる作品になっていると思います。

どう足掻いたって消えないのなら、逃げてもいいよと。

クライマックスは冬から春、そして夏の訪れを感じさせる季節で幕を閉じます。

リーにもきっと雪解けの季節が訪れる日が来る、そう感じさせる終わり方でした。

 

ケイシ―アフレックの、一見何考えてれるかわからないような無表情な演技が、この役に見事にマッチしてるのも見どころです。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

 

 

映画「メッセージ」感想ネタバレあり解説 ばかうけからたくさん教わったよ。

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5月19日

メッセージ

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去年の東京国際映画祭で上映されて以降、見た人からの絶賛評が絶えないドゥニドゥニことドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の最新作が遂に公開です。

地球に降り立ったクソでかい「黒いばかうけ」と、ネット上では呼ばれてますが、実際のところ何なのか。

また、最後に待ち受ける衝撃の真実とは何なのか。

正直ドゥニドゥニは得意ではないですが、彼がずっと撮りたいと熱望していたSF映画ということで期待しております。

 というわけで!さっそく鑑賞してきましたよ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

独特の映像美と世界観を構築した作品が評価され、ついにはSF映画の金字塔「ブレードランナー」の続編まで任された監督が、優れたSF作品に贈られることでも知られるネビュラ賞を受賞した作家テッド・チャンの小説「あなたの人生の物語」を基に映画化。

突如出現した未知なる飛行体。

❝彼ら❞は人類に何を伝えようとしてるのか?

すべての人の胸を打つ感動のSFドラマが遂に幕を開ける。

 

あなたの人生の物語

あなたの人生の物語

 

 

 

 

 

あらすじ

突如地上に降り立った、巨大な球体型宇宙船。

ヘプタポッドと呼ばれる知的生命体と意志の疎通をはかるために、また、人類にとって平和の使者なのか脅威なのかを判断するために軍に雇われた言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)は物理学者のイアン(ジェレミー・レナー)とチームを組み、、“彼ら”が人類に<何>を伝えようとしているのかを探っていく。

やがて人間のものとは全く異なる、まるで動く絵画のような異質な言語解読に没頭するうちに、ルイーズは時間が逆行するような奇妙な錯覚に陥っていく――。

その謎を知ったルイーズを待ち受ける、美しくそして残酷な切なさを秘めた人類へのラストメッセージとは―。

 

 

 

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監督

監督はドゥニ・ヴィルヌーヴ。

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言いづらい名前です。というか声に出して読みたい監督です。

だから誰かが言ってたのを拝借して、ドゥニドゥニの愛称で私は呼んでますw

まぁそれでも言いにくいので、きゃりーぱみゅぱみゅのイントネーションでドゥニーヴィルヌヴって言い方とか・・・ダメか。

 

まぁ個人的には彼の作品は「灼熱の魂」以降すべて見てますが、灼熱の魂以外はあまり好きになれない作品ばかりで・・・。

プリズナーズ」は重いし、マッチョ二人が主人公だし、ポールダノのボコられっぷりが半端ないし(いやこれはアリかw)で、この手の作品は合わなかったというのが本音で。

複製された男」も監督の解説がなかったらホントわけわかんない終わり方で、あれは短い上映時間だから救われたけど、難解すぎて。

ボーダーライン」も、まだ見れたし楽しめた方だけど、主人公途中で変わっちゃうんだもの。

まぁこんな感じで、やはり映画好きだから彼の新作は見るんだけど、相変わらず感想はそこまでよかったとは言えず。

彼の世界観を理解できてない自分が悪いんですけどね。

 

彼に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

今後は10月にSF映画の金字塔「ブレードランナー」の続編「ブレードランナー 2049」が公開、そしてSF作品の代表作である「デューン/砂の惑星」の映画化にも挑むとのこと。ドゥニドゥニの勢いが止まらねーっ!!!

 

 

 

 

 

 

 

キャスト

今作の主人公、言語学者ルイーズを演じるのはエイミー・アダムス。

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魔法にかけられて」とか「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」のころは可愛かったですね~。

いやいや今も変わらずの美しさですが、ちょ~っとおばちゃん化が加速しているというか、ぽっちゃりというか。

スーパーマンの彼女ってのも年齢的にヘンリーカヴィルと離れすぎじゃね?と疑問だったし。

まぁ、いい年齢の取り方をして偉大な女優へとなっていってほしいですね。

 

では恒例の代表的な作品をあれこれと。

天才詐欺師と捜査官との追跡劇を軽妙に描いた「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」で、エイミーはディカプリオの恋人役として出演し、後にあれエイミーだったの?と彼女が売れた後に気づかされます。

魔女に騙され、アニメーションというおとぎの国から現実世界に追放されたプリンセスの大騒動を描いたディズニー渾身の自虐映画「魔法にかけられて」では主人公ジゼル姫をコミカルで愛らしく演じ、

実在のボクサーと兄、そして家族が絆を深めながら頂点を目指していくボクシング人生を描いた「ザ・ファイター」では、女優メリッサ・レオと見事なキャットファイトを見せてくれました。

最近では、60年代モダンアート界でブームを呼んだ画家夫婦の驚きの実話「ビッグ・アイズ」や、DCコミックスのヒーローたちが集結していくDCEUシリーズの序章「マン・オブ・スティール」「バットマンVSスーパーマン」でクラークケントの恋人ロイス・レイン役として出演。

今後もレギュラー出演していく予定です。

 

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ほかの出演者はこんな感じ。

ルイーズとチームを組む物理学者イアン役に、「アベンジャーズ」のホークアイ役や、「ミッション・インポッシブル」シリーズのウィリアム・ブラント役でも知られるジェレミー・レナー

軍の大佐、ウェバー役には、「ローグ・ワン/スターウォーズストーリー」ノソウ・ゲレラを演じたフォレスト・ウィテカーが演じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

個人的には監督の過去作「灼熱の魂」のオチに「うぎゃああああああ!!!」だったので、それ以上のモノだと勝手に期待しております。どんなメッセージが送られるのか楽しみですね。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

原作タイトル「あなたの人生の物語」!!なるほど!!!

未知との遭遇から生まれる壮大な人生の始まり、そして対話とは何かを教えてくれる映画でした!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このドゥニドゥニは好きだ!!

今までのドゥニドゥニの作品は、見応えはあるものの、その重厚感とじめっとした作りから不得意な監督と勝手に決めつけたわけだけど、今作はその悪いイメージを払拭してくれた映画でした。

じゃあ軽いタッチのSF映画なのか。

答えはNO!

ドゥニドゥニとよくタッグを組むヨハン・ヨハンソンの音楽が終始緊張感と重厚感を与えるもんだから、心拍数は上がりっぱなしで、どのセリフ、どの場面もこの音楽のせいでずっと張り詰めたものはありました。

それでも好きだ!と思ったのは、見終わった後の爽快感。

あらゆる謎が解けた後、この映画のメッセージを感じ、頭の中で整理しながらエンドロールを見つめ、見てよかった~!!と。

 

今までの作品て暗い余韻を引っ張ったまま外に出なくちゃいけないものが多かったから、この終わり方と伏線の回収に非常に満足しました。

 

構成や展開も非常にスムーズで、イライラさせない、余計な所はほとんどない作りに、たいへん見やすく、尚且つ、考えさせられる作品にもなっていてこれぞSF!!だなと。

 

対話するとは何か。

一番考えさせられたのは、言語の通じない相手どうコミュニケーションしなければいけないのか。

やはり地球外生命体ですから、放射能を放ってるんじゃないか、人体に危険を及ぼす奴らなんじゃないのか、ってことでものすごく構えるんですよね人間側は。

 

まずは、あれこれ調べていくと、宇宙船内の酸素は人間では2時間しかもたず、扉の開閉も18時間(15時間だっけか?)ごとなのがわかる。

まぁこの辺の下調べはわかるとして、その後防護服を着て、徹底的に構えて対面するわけです。

 

この辺に関しては、初めて会う人間にも言えることで、まずは下調べして、実際普段とは違う仮面をつけて対面することが多いかと思います。

 

そして、彼らは言葉ではなく、墨汁で輪を書いたような表意文字で会話をしようとする。

表情もわかんねえし、こいつら何て言ってるかわかんないよ!!

そう目くじらを立てずにルイーズは「急がば回れ」の精神で彼らと向き合っていくわけです。

ファーストコンタクトこそ、何の成果もないまま時間を迎え終わってしまうわけですが、2回目、3回目とルイーズは彼らと真に向き合っていくためにある行動に出るわけです。

それは防護服を脱ぐこと。

 

構えたままでは彼らは心を開いてくれないんじゃないか。まずは友好的に接するのが筋じゃないか。そう考えたわけです。その結果エイリアンは構えを解いた人間たちに心を開いていくわけです。

人間側も彼らをヘプタポッドと相性をつけ、さらに2体のヘプタポッドにアボットとコステロと名付け、愛着を持たせ語りかけていきます。

 

 

しかし、対話を試みてる人間はルイーズだけじゃない。12体もあるこの飛行体をの意図を探ろうと世界中の国の人間たちが彼らとの対話に挑んでいて、中には、しびれを切らし宣戦布告までする国まで出てくる始末。

確かに、そう読み取れそうな表記文字をルイーズは解読しますが、ちょっと待て!と。この意味は合ってるのか?と。

世界各地で情報を共有していたのに、敵意を感じると急に情報をシャットアウトしていく国々たち。

 

どんどん緊迫状態は加速していきます。

 

それもそのはず。地球は侵略されるんじゃないかと怯えながら過ごす一般市民は、政府の進展のない態度に苛立ち、世界のあらゆる場所で暴動や買い溜め、襲撃などが相次ぐ始末。

米軍の中にも勝手な行動をし始める輩まで出てくる事態に。

 

世界中で武器を取れという声が溢れてく。時間を迫られたルイーズは、再度彼らの下に赴き対話を試みていきます。

そこでついに真実に近づいていくわけですが。

 

 

仕事柄、よく海外の方と接する機会があります。

まぁ、このブログ読んでる人はわかるかとは思いますが、いかんせん学がないので英語も中国語もちんぷんかんぷんなわけで。

ぶっちゃけ全然何言ってるかわからなくて、どう話したらいいかわからなくて苛立つことがしばしばあります。

ここ日本なんだからお前ら少しは日本語覚えてこいや!!みたいな。

 

この感情って正に、劇中で攻撃を仕掛ける国の人たちと一緒だなあって。

相手を理解できないことを、相手のせいにしてる

それってホントは自分が悪いんじゃないの?と。

だからルイーズのように「急がば回れ」の精神で少しずつ一歩ずつ歩み寄ることが相手を理解する最善の策なんだよなぁと。

そんなことを思いながら見ていました。

 

 

さらに言うと、劇中でサピア=ウォーフの仮説という論文を読んだと、ジェレミー演じるイアンが話し始めます。

それは、話す言語がその人の価値観を決めつけている、というもの。

だから新たな言語を身に着けることで、世界観や人生観が変わるんじゃないか、という説で。

 

彼らを理解することで今まで固執していた見方が変わり、概念を無くすことでルイーズにある変化が訪れるわけなんですが。

これもまた言うなれば、相手を理解することで、言語を覚えることで、文字を理解することで、その結果歩み寄ることで、彼らを受け入れ苛立つこともなく友好的に接することができ、また自分の中で新しい価値観が芽生えるきっかけにもなるよなぁと。

 

時は流れるものじゃない、って冒頭で語られる通り、この映画は時間の流れの概念を変え、それが世界を救うって話なんで、実際の生活において何かを変化させるような話には程遠いかもしれませんが、自分は実生活でも非常にためになる、何か変えさせてくれそうな、そんな感覚に陥りました。

だからこの「メッセージ」って邦題、私はピッタリだなぁと。

 

ヘプタポッドは俺らににらみ合ってねえで歩み寄れよ、と言われてるような気がしました。

 

 

 

最後に

もっと言いたいこと書こうとしましたが、これ以上言うと核心に触れてしまうのでこの辺で、ということで。

「あなたの人生の物語」という原作タイトルの意味が最後に理解できる、壮大なヒューマンSFドラマでした。

冒頭から流れるルイーズと娘の触れ合いのシーンからあなたは既にこの映画のミスリードにはまっています!!

とはいってもそこまでのミステリー要素はなく、案外中盤辺りでもしかして?なんて勘ぐってしまうかもしれませんが、それでも満足のいく作りになっていると思います。

ほんと無駄がなくて、構成もよくて、神秘的でかつ哲学的で。

感覚的には「インターステラ―」と似た感覚かなぁ。え?あ、そういうこと!?みたいな。「コンタクト」とかにも通じるものがあるかなぁ。

とにかくこれは面白かった!

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆☆★★8/10

 

映画「夜に生きる」感想ネタバレあり解説 ベンアフの飽きさせない作りが巧い!

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5月20日

夜に生きる 

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つい先日ケイシー・アフレックがオスカーを獲った作品「マンチェスター・バイ・ザ・シー」を見て感動したわけですが、アフレック兄弟の進撃は止まらない!とばかりに、今度はおにいちゃん、ベン・アフレックが5年ぶりに監督主演を果たした作品が公開です。

どの作品も地元であるボストンを舞台にすることから、「いつも心にボストンを」が信条のベン兄ちゃん(弟の作品もボストンね)。

今回もまたボストンが舞台で、禁酒法時代のギャングのお話と来たもんだからこれまた楽しみ。

アル・カポネとか出てくるのかな??

果たして、「アンタッチャブル」や「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」のような名作たちと肩を並べる作品なのか!?

ポストクリントイーストウッドに一番近い男の作品。

早速鑑賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

名作「ミスティック・リバー」や「シャッター・アイランド」など、数々の作品が映画化されたとして知られる小説家デニス・ルヘイン

彼が2012年に書き上げた原作を、レオナルド・ディカプリオが映画化権を取得。

誰が監督にふさわしいか、レオは友人であるベン・アフレックに依頼したことで生まれた作品です。

禁酒法時代のボストンで、警察幹部の父に反発し、ギャングの道を選んだ男の生き様をベン本人がシリアスに演じます。

 

夜に生きる〔上〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

夜に生きる〔上〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 
夜に生きる〔下〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

夜に生きる〔下〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

 禁酒法時代のボストン。警察幹部トーマス・コフリン(ブレンダン・グリーソン)の三男として生まれたジョー(ベン・アフレック)は、厳格な父に反発して家を飛び出し、不良仲間とチンピラ稼業に明け暮れていた。

そんなある日、賭博場を襲撃したジョーは、そこでアイルランド系ギャングのボス、ホワイトの愛人エマ(シエナ・ミラー)と出会い恋に落ちる。

しかしホワイトの罠にはまって刑務所送りとなってしまう。

危険な獄中生活で裏社会での生きる術を身につけていったジョーは、父トーマスの尽力でわずか3年で出所すると、ホワイトと敵対するイタリアン・マフィアの傘下に入り、ホワイトが牛耳るフロリダ州タンパへと乗り込んでいくのだったが…。(allcinemaより抜粋)

 

 

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監督・主演

今回監督と主演のジョー・コグリン両方務めるのはベン・アフレック。

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今作で「アルゴ」以来5年ぶりに監督と脚本と主演を演じるベンアフ。

既に前作でアカデミー賞作品賞を獲得したので、狙うは監督賞でしょうか。

 

2017年はベンアフイヤーだ!って、「ザ・コンサルタント」でも言及しましたが、ほんとに今年は彼の話題が絶えなくて嬉しい限りです。

ただ、残念なニュースがひとつあって、米メディアがベンにインタビューするたび、製作中の監督主演映画「バットマン」のことばかり聞くもんだから、ベンは痺れを切らし、「今度俺が監督した作品も聞いてよ!!!」と吐露。←今回の作品ね。

これが原因かわかりませんが、彼は結局「バットマン」の監督を降板してしまいました。

 

それでも、まだバットマンとして「ジャスティス・リーグ」も11月に控えてますし、バットマンの主演を降りたわけではないので、是非ですね、マスクの下から覗くケツアゴを拝みたいものです。

 

 

彼に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

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キャスト

地元警察本部長の娘、ロレッタ・フィギスを演じるのはエル・ファニング

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今年はレフン監督の「ネオン・デーモン」で、田舎丸出しながら天性の美を放ち、徐々に欲望をむき出していく妖艶な大人の女を演じ魅了してくれた彼女。

今作でもその美しさを活かしたような演技を見せてくれるのか。

 

彼女に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

待機作として「20センチュリーウーマン」が来月公開予定です。

 

 

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

ジョーの父、トーマス・コブリン役に、「白鯨との戦い」や「アサシン・クリード」に出演していたブレンダン・グリーソン。

ジョーの幼馴染の相棒ディオン・バルトロ役に、ベン監督作「アルゴ」 に引き続き出演のクリス・メッシーナ

ボスの愛人エマ役に、「アメリカン・スナイパー」に出演していたシエナ・ミラー。

ジョーが新天地で出逢う女性、グラシエラ役に、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」でのガモーラや「スター・トレック」のウフーラなど数多くのレギュラー出演を持つゾーイ・サルダナ

ロレッタの父であり警察本部長であるフィギス役に、「ボーン・アイデンティティー」や、個人的に大好きな作品である「アメリカン・ビューティー」、近作では「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」に出演していたクリス・クーパーらが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

己の流儀を貫き、ギャングの道をひた走る男の生きざまをベンアフがどう演じ、どう描くのか。

クライムエンターテインメント作品の歴史に、新たなページは刻まれるのか。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

やっぱり監督脚本主演なんだからカッコよくなくちゃ!!己のルールに従い成り上がっていく男の愛と権力と金と野心が詰まった渋いギャングストーリー!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱりうまいよね~。

バットマンに続いて夜を生きることを決心したベンアフが、とにかくモテて、憎まれて、その敵の裏をかいてのし上がっていく、ハードボイルドあり、銃撃戦あり、ベッドシーンあり、の盛りだくさんな内容。

それでいて終始哀愁漂う作りに、この男の人生って果たして良い人生だったのかな?なんて些細な疑問も生まれるほど。

冒頭でも挙げたギャング映画にもその哀愁さってどこかしらあるけれど、それとはまた違った感じの物悲しさというか。

自分に課したルールを曲げずにのし上がるということは、敵も増え、葛藤も増え、やりたくないこともしなければいけない。そんな中で裏切りありの親しい者の死ありので避けられない部分があっての哀愁なのかなと。

その哀愁がベンアフの相手の表情にもにじみ出ていて拍車をかけてるように感じましたね。

 

そして結構長い人生を描いてるにもかかわらず、不要な部分はベンアフの語りを中心にエマトの逢瀬の日々、刑務所での日々、タンパでののし上がってく日々などをさらっとまとめてダイジェストにしたり、

アイルランド系のギャングのボスホワイトから、イタリア系のギャングのボスのマゾ、KKKの手先のRD、プロテスタントに心酔し聖女と化したロレッタと、要所要所で主人公の行く手を阻む存在がかわるがわる現れるようにしたり、

これだけじゃクライマックス盛り上がらないだろうということで2大ボスとの怒涛の銃撃戦を挟んだり、

禁酒法末期のボストンからキューバののころが漂うタンパの情熱的で開放的な当時の風景やラグジュアリーな衣装、男は決まってハットにコート、キャデラックばかり走る車や、禁酒法だけにもぐりの酒場があったりと当時の街並みも再現されてたりと、

作り手としてもう慣れっこだよ!っていうベンアフの楽しませるための工夫が随所に施されてるのもすごいところで。

 

 

2時間弱という時間で、これだけの内容を作れるベンアフはすごいよね~って話で。

 

 

役者陣もいいぞ!

そんでもってそのベンアフがかっこいいんだなぁ。

ギャングだけどギャングじゃないって信条を掲げてるから、純粋な悪じゃないっていうとこが共感もてるし、俺はこのやり方で間違ってないって思ってるところも見習いたいと思えたり。で、ちゃんと最後は自分の立場をわかって身を引いたりする潔さもあって。

普通のギャング映画ならもっと野心にあふれて栄光時代があって、そして挫折して衰退していくってのがあって。

そのなかで息もつかないほどの暴力とバイオレンスが渦巻いてるんだけど、この映画ではそういうものとは一線を引いて、男たるものどんな形であれ、こうであれってのを伝えるようにベンアフがちゃんと演じてるのがもうカッコよくて。

 

その相手をする美女たちもステキでした。

ボスの愛人であるエマを演じたシエナ・ミラーの悪態ぶりと尻軽な感じ、それでいて愛と自由に飢えている心情をうまく見せていたし、ジョーの妻となるグラシエラ役のゾーイ・サルダナの美しい背中!そして、ほうれい線と下がった口角からがこぼれる哀愁さも醸し出していたし。

一番の化けっぷりはロレッタ演じるエル・ファニングでしたね。

ハリウッドスターを夢見るもヘロイン中毒になり、地元に帰ってくると宗教にどっぷりハマり、気が付けばこの世に蔓延る悪と罪を無くすために広告塔のようにあらゆる場所で演説で訴えるんですが、その姿がまるで何かにとりつかれたかのような表情というか、ヘロインの後遺症から来てるのか、それともほんとに宗教に心酔してるのか、とにかく心ここに新津みたいな顔をしていて。

登場時は普通のお嬢様だったのに、ここまで変わるものなのかという豹変ぶり。

何かにはまりすぎるとこんな顔になる人いるよなぁと。

 

今回のキャスティングは文句なしの配役だったと思います。

 

 

当時の背景

この時代のボストンは、アイルランド系とイタリア系移民ばかりが住んでいて、警察官になるかギャングになるかってくらいわかりやすい世帯だったわけで。

最近で言えば「ブラック・スキャンダル」がボストンでの抗争を描いてるので参考にするといいかもしれないです。

 

www.monkey1119.com

 

 

そんでもって第一次時世界大戦から、ドイツを敵対視することでビールの製造を取り締まり、酒を他人に売ったり作ったりさせない禁酒法ってのが生まれた時代でもあり、劇中でもビールっぽい飲み物を飲むジョーとフィギスが描かれていたり、そこに目を付けたギャングたちが酒を密造したり密売したりして稼いでいたんですねぇ。

劇中では末期を描いるので、銀行は倒産し、職を失う人も増えるといった失業状態が相次いでいるとセリフで語られていて。

実際に世論の反発も大きく、酒税がないことで財源が減っていた政府の内情もあり、解禁に向かっていきます。このままだとそれで食っていた俺たちギャングも食いっぱぐれるぞってことで、新たな事業拡大のためカジノを作ろうとするジョーが描かれています。

 

 

ジョーがタンパで事業に精を出していると、それに反発する者が現れます。RDという男なんですが、彼はKKKという組織に属した人間ということが分かります。

KKKって何?ってことで調べてみました。

KKKとはプロテスタント原理主義者による白人至上主義団体のことを指すようで、カトリックや有色人種、フェミニズムなどに異を唱える過激派集団だったんですねぇ。

属していた人間は絶頂期には500万人にも達していたようで、それこそあらゆる職場や政治職にも存在していたみたいです。

ジョーはカトリックでアイルランド系しかも恋人が黒人、酒の密売、などやることなすこと反感を買うような立場から狙われるわけなんですねぇ。

劇中でも、白装束に白いお面をかぶって酒場の前ででかい十字架を燃やすシーンがありましたが、あれもKKKが良くやってた儀式的なもののようで、アメリカを浄化するという意味で脅迫手段の一つとして使っていたようです。

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かなりざっくりですが、当時のアメリカにはこんなことがあって、それが劇中でもきちんと描かれていた、という話でした。

 

 

 

最後に

劇中で警察官であるジョーの父は悪事を続けているジョーに対し「報いは必ず受ける」といわれる一幕があります。

ラストシーンではその報いを間接的に受けるんですが、そう簡単に人生うまくいくもんじゃないってのをちゃんと残しながら描いて終わるというのも印象的でした。

 

物語的にはちょっとうまくいきすぎな話にも感じますが、それだけジョーという男がクレバーだったというだけで、鼻につくほどのものではなかったですかね。

まぁ監督が主演なんですからいいじゃないですかww

今までのクライムギャングものとはちょっと違うけど、これはこれで見ごたえのある作品でした!

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★ 6/10

モンキー的2017年6月期待の新作映画

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5月25日

モンキー的2017年6月期待の新作映画

 

今年ももう半年が経とうとしています。

上半期最後の期待作の紹介です。

なんやかんやで今年もいい映画が目白押しで、映画ファンの私としては、去年以上に忙しい毎日を送ってます。

6月もビッグタイトルは多くはないものの、面白そうな作品がいっぱい。

というわけで早速行ってみよーーーっ!!

 

 

 

 

 

 

 

LOGAN/ローガン

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youtu.be

期待度☆☆☆☆☆

 

6月1日公開

 

  • 出演

 

ヒュー・ジャックマン・・・ローガン/ウルヴァリン

パトリック・スチュワート・・・プロフェッサーX

ダフネ・キーン

ほか

 

  • 解説

 

X-MEN」シリーズを代表するキャラクターで、ヒュー・ジャックマンが演じるウルヴァリン/ローガンを主役に描く「ウルヴァリン」シリーズ第3作。

不死身の治癒能力が失われつつあり、生身の人間ローガンに戻ろうとしているウルヴァリンが、絶滅の危機にあるミュータントの唯一の希望となる少女を守るため、命をかけた壮絶な最後の戦いに身を投じる。(映画/comより)

 

 

  • 期待どころ

モンキー的 6月度期待作ナンバーワンである今作。

とうとう長きにわたりウルヴァリンという役から降りることを決めたヒュージャックマンの最後の勇姿をこの目で焼き付けたい!

もうこれだけで泣きそうになってしまう最後のローガン。

しかも乾いた大地にカントリーソング、白髪交じりのローガンの前に一人の少女。

X-MEN アポカリプス」から続いている時系列とはいえ、いったいミュータントたちに何が起きたのか。

超気になるし、ラストはとにかくすごいと評判。

てか海外では大絶賛しかないんだとか。

あ~楽しみ。まだ「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・リミックス」の余韻残ってますけど???

 

 

 

 

ゴールド 金塊の行方

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

6月1日公開

 

  • 出演

 

マシュー・マコノヒー

エドガー・ラミレス

ブライス・ダラス・ハワード 

ほか

 

  • 解説

 

インターステラー」「ダラス・バイヤーズクラブ」のマシュー・マコノヒーが、1990年代に株式市場に大混乱をもたらした、通称「Bre-X事件」を自身の製作、主演で映画化した犯罪サスペンス。

鉱山事業に失敗し、破産寸前に追い込まれた金鉱採掘者ケニー・ウェルズは、謎めいた地質学者と組み、インドネシアの山奥で巨大金脈を発見する。一攫千金の夢を成し遂げたケニーは一躍時の人となるが、170億ドルの金塊が一夜にして消えたというニュースが飛び込んでくる。

(映画.comより)

 

  • 期待どころ

 堕ちる、のし上がる、また堕ちる。なぜ?

謎めいた地質学者が怪しいに決まってる!!!

そう、あらすじを読んでなんとなく予想がついてしまったわけですが。

その渦中の人物を、ハゲ上がった、そしてメタボ体系のマシューの浮き沈みな演技に期待ですね。

喜怒哀楽がきっとすごいんでしょうね。

実際に起きた事件ということもあり、どんな背景があったのかも気になります。

 監督が「シリアナ」や「トラフィック」の監督ということで、そんないエンタメな作品ではない気がしますが、最近見てなかった気がするジャンルだけに何とかして時間作って見に行きたいですね。

 

 

 

 

 

 

 

20センチュリーウーマン

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

6月3日公開

 

  • 出演

 

アネット・ベニング・・・ベニシア

エル・ファニング・・・ジュリー

グレタ・ガーウィグ・・・アビー

ほか

 

 

  • 解説

 「人生はビギナーズ」で自身のゲイの父親をモデルに描いたマイク・ミルズ監督が、今度は母親をテーマに描いた物語。

1979年のサンタバーバラを舞台に、15歳の少年ジェイミーとシングルマザーのドロシア、そして彼らを取り巻く人々の特別な夏を描いた。

思春期の息子ジェイミーの教育に悩むシングルマザーのドロシアは、ルームシェアで暮らす写真家アビーと、近所に暮らすジェイミーの幼なじみのジュリーに、ジェイミーを助けてやってほしいと頼む。

(映画.comより)

 

  • 期待どころ

 「人生はビギナーズ」を見よう見ようと早4、5年。結局見れてないので今作が初めてのマイク・ミルズ監督作になりそう。

予習はしておこう。ちゃんと。

前作が父親なら今度は母親で。しかも片親。自由奔放な母親が息子の子育てを周りにいるちょっと風変わりな女性たちにお願いするというわくわく感。

俺が15っていう思春期でこんな環境なら間違いなく楽しいひと夏になりそうなお話に違いない。

 

 んでもって、1979年という時代設定が故に、映画のサントラの楽曲がたまらん!!

ルイ・アームストロングベニーグッドマンといった往年のジャズと、デヴィット・ボウイDEVOトーキング・ヘッズといったロックやパンク、ニューウェーブがどんな融合を果たし、物語を演出するのか。

公式HPがね、めっちゃオシャレです。凝ってます。

1979radioってやつ聞いてみてください。アガるぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

武曲 MUKOKU

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

6月3日公開

 

  • 出演

 

綾野剛・・・矢田部研吾

村上虹郎・・・羽田融

前田敦子・・・カズノ

ほか

 

  • 解説

 「私の男」の熊切和嘉監督が綾野剛を主演に迎え、芥川賞作家・藤沢周の小説「武曲」を映画化。

現代の鎌倉を舞台に、生きる気力を失った凄腕剣士と、天性の剣の才能を持つ少年が繰り広げる宿命の対決を活写する。

剣道の達人だった父に幼少時から鍛えられ、剣道5段の腕を持つ矢田部研吾。しかし父をめぐるある事件をきっかけに剣を捨て、自堕落な日々を送っていた。

研吾のもう1人の師匠である僧侶・光邑は、研吾を立ち直らせるため、ラップのリリック作りに夢中な高校生・羽田融を送り込む。

融は剣道初心者だったが、本人も気づかない恐るべき剣の才能を秘めていた。

(映画.comより)

 

  • 期待どころ

 これはですねぇ、予告での綾野剛から放たれるオーラですよね。久々に見る眼だと思う。

怒り、悲しみ、憎しみ、あらゆる負や陰の感情が混ざったようなオーラを放つ綾野剛をとにかく見たい。

それに対抗するのが、世の中ナメた様な眼差しでカメラを見つめる虹郎!!

お前の目はホント母ちゃんそっくりだな!でもって、父ちゃんのようなノリの軽さ。

果たしてどんな芝居を見せてくれるのでしょうか。

いろいろと壊れかけてる主人公を、少年は剣を交えることで救うことができるのか。むしろ少年が彼によって救われるのか。

恥ずかしながら初の熊切作品。見たいですね~。

 

 

 

 

 

 

パトリオット・デイ

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

 

6月9日公開

 

  • 出演

 

マーク・ウォルバーグ・・・トミー・サンダース

ケビン・ベーコン・・・リック・デローリエ

ジョン・グッドマン・・・エド・デイヴィス

ほか

 

  • 解説

 

2013年に発生したボストンマラソン爆弾テロ事件の裏側を、「ローン・サバイバー」「バーニング・オーシャン」でもコンビを組んだマーク・ウォールバーグ主演&ピーター・バーグ監督のタッグで映画化。

捜査関係者や犯人、被害者の市民など事件に関わった多くの人々の動きをたどりながら、事件発生からわずか102時間で犯人逮捕に至った顛末を、映画オリジナルのキャラクターであるウォールバーグ扮する刑事の視点から描く。(映画.ccomより)

 

 

  • 期待どころ

 はい来ました!!

ウォルバーグ×バーグのWバーグ3部作最終章!!!

ついこの前「バーニングオーシャン」で、実際に起きた事故を見事に再現し、しかもその中で会社内のよくあるジレンマをじわじわあぶり出し、事故現場もバーニングのぱねぇ迫力だったけど、そのジレンマにも怒りバーニングだったよなぁ、なんて改めてこのコンビはオモれーなぁ!!と歓喜に満ちたばかり。

で、今回は何やんの?ってまた実際に起きた事件かい!!

結果このコンビはそういった実録もので攻めるコンビだったわけですねぇ。

確かにバーニングオーシャンの事故よりもこちらのボストンマラソンでの事故のほうがよく覚えてます。

朝からニュースガンガン流れてましたからねぇ。そして犯人がすぐ捕まったのも覚えてる。

そのわずかな日数で警察やFBIがどういった捜査をしていたのか。

これまたお仕事映画にして、知られざる英雄たちにスポットを当てた胸アツストーリーであることは間違いないでしょう!

 

見るべし!!

 

 

 

 

 

 

 

22年目の告白~私が、殺人犯です~

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

6月10日公開

 

  • 出演

 

 藤原竜也・・・曾根崎雅人

伊藤英明・・・牧村航

夏帆・・・岸美晴

ほか

 

  • 解説

 

 藤原竜也と伊藤英明がダブル主演し、2012年の韓国映画「殺人の告白」を原作に描くクライムサスペンス。

ジョーカー・ゲーム」「SRサイタマノラッパー」の入江悠監督がメガホンをとり、22年前の連続殺人事件の犯人を名乗る男の「告白」が新たな事件を引き起こす様子を描き出す。(映画.omより)

 

  • 期待どころ

 キンキンに冷えてやがるよぉ~!!なんて最近ではモノマネ芸人によって、俳優としてでなく、キャラが先行してしまっている竜也さん

そのキャラをさらに加速させてくれそうな新たな「クズ」役を今回も拝めるというのだから楽しみである。

 しかもそれに対抗するのが、時に大根役者、時に当たり役の英明さん

色々とアンチが多そうな二人ですが、共演したら案外面白い気がする、かな?

原作となった「殺人の告白」をまだ見てないので、公開までに見ておきたいですね。

 

 

 

 

 

 

 

セールスマン

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

6月10日公開

 

  • 出演

 

シャハブ・ホセイニ・・・エマッド・エテサミ

タラネ・アリシュスティ・・・ラナ・エテサミ

ババク・カリミ・・・ババク

ほか

 

  • 解説

 

別離」「ある過去の行方」などで知られるイランの名匠アスガー・ファルハディ監督が手がけ、2016年・第69回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で男優賞と脚本賞を受賞、第89回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞したサスペンスドラマ。

小さな劇団に所属し、作家アーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」の舞台に出演している役者の夫婦。ある日、引っ越したばかりの自宅で夫が不在中に、妻が何者かに襲われる。

事件が表ざたになることを嫌がり、警察へ通報しようとしない妻に業を煮やした夫は、独自に犯人を探し始めるが……。(映画.omより)

 

 

  • 期待どころ

 「別離」を見て、「ある過去の行方」も鑑賞したので今回も見ましょうか、と。

しかもアメリカに入国できないことを抗議したことが、アメリカの現在を写し出す意味も持つアカデミー賞において、この映画の無冠はありえないよね~てな感じで、外国語映画賞をもらっちゃうんだから、きっとここまで計算済みだよなぁ監督よ。

そんな裏事情はどうでもよくて、このアスガーファルハディは今回もまた男と女のいざこざを描くんですね。大好きですね、男女の険悪な世界。

ただこれだけなら過去作と何ら変わらない。これにサスペンス要素と、劇中劇が加わり、複雑に絡んでいくのだから楽しみである。

果たして俺に理解できるか?

戯曲「セールスマンの死」は軽く勉強しておこう。 

 

 

 

 

 

 

キング・アーサー

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

6月17日公開

 

  • 出演

 

チャーリー・ハナム・・・アーサー

ジュード・ロウ・・・ヴォーティガン

エリック・バナ・・・ペンドラゴン王

ほか

 

  • 解説

 「シャーロック・ホームズ」「コードネーム U.N.C.L.E.」のガイ・リッチー監督が、中世から語り継がれているアーサー王伝説をモチーフに手がけたソードアクションエンタテインメント。

王の子でありながら路地裏のスラムで育った貧しい青年アーサーが、伝説の聖剣エクスカリバーを手にし、救世主として語り継がれる存在へと成長していく姿を描いた。

 

  • 期待どころ

 なんか史劇を描くってのがガイ・リッチーっぽくないだろ~なんて思ってましたが、いざ予告を見ればいつものリッチーぢゃんっ!!ってことで、大味なアクションからスローモーションの多用、男と男の戦い。はい、いつも通り!

 

スラムのガキから王になれ!ってキャッチコピーも男心をくすぐるいいフレーズだと思います。

残念ながら「聖剣無双」というサブタイトルはなくなってしまいましたが、映画を見ない周りの野郎たちは、やはりこのサブタイトルに食いついていたので、宣伝的に非常にもったいないなぁと。

 

今回はアーサー王誕生までの話をやるのでしょうか。下手したら続編も作れるほど長い話ですから、それはそれで楽しみですけど、いかんせん評価が低いのが・・・。

とりあえず見届けたいですね。 

 

 

 

 

 

 

ありがとう、ドニ・エルドマン

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

6月24日公開

 

  • 出演

 

ペーター・シモニスチェク・・・ヴィンフリート/トニ・エルドマン

サンドラ・フラー・・・イネス

ハデビック・デニス・・・タチアナ

ほか

 

  • 解説

 正反対の性格の父娘が織り成す交流をユーモラスに描き、ドイツで大ヒットを記録したヒューマンドラマ。

陽気で悪ふざけが大好きなドイツ人男性ヴィンフリートは、ルーマニアで暮らす娘イネスとの関係に悩んでいた。コンサルタント会社で働くイネスは、たまに会っても仕事の電話ばかりしていて、ろくに会話もできないのだ。

そこでヴィンフリートは、ブカレストまでイネスに会いに行くことに。イネスはヴィンフリートの突然の訪問に戸惑いながらも何とか数日間一緒に過ごし、ヴィンフリートはドイツへ帰っていく。

ところが、今度は「トニ・エルドマン」という別人のふりをしたヴィンフリートがイネスの前に現われて……。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

 アカデミー賞外国語映画賞にノミネートし、オスカーも獲るだろうと期待されていたが、ある意味反則的にアスガーファルハディに持っていかれた不運な映画。

しかし何でもかんでもアカデミー賞を物差しにしちゃあいけません。ほかでもめっちゃ褒められてますから。

ぶっちゃけ中身の読めるヒューマンドラマですが、それを分かったうえで楽しみたい、興味をそそる何かが、このトニ・エルドマンに秘められてる気がします。

普通に楽しそうじゃん、このおっさんw

娘の前にしか現れないからねw

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジーサンズ はじめての強盗

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

  • 出演

 

モーガン・フリーマン・・・ウィリー・デイビス

マイケル・ケイン・・・ジョー・ハーディング

アラン・アーキン・・・アルバート・ガードナー

ほか

 

 

  • 解説

 モーガン・フリーマン、マイケル・ケイン、アラン・アーキンという3人のオスカー俳優が、平穏な余生を取り戻すために銀行強盗を企てる老人3人組を演じた犯罪コメディ。

ウィリー、ジョー、アルの3人は平和な老後生活を送っていたが、40年以上勤めていた会社の合併によって大きく変わってしまう。

突然の年金打ち切りで会社から見放され、銀行からも冷たくあしらわれてしまった彼らは、今までの生活を取り戻し、家族と幸せに暮らすため、まさかの銀行強盗という命がけの大勝負を決意する。(映画.comより)

 

 

  • 期待どころ

 お年を召した方の奮闘劇は、邦画でも「死に花」のように、本人たちはまじめだけど見てるこっちはコミカルにみられるから面白い。

老後の危機という悲劇をどのように喜劇に変えられるか。そしてうまく強盗できるのか。できたら奇跡ww

 

それに加え、この3人の豪華さたるや。

ダークナイトの2人に、アルゴ、ファックユアセルフ!のおじいちゃんまで加わるのだから、さぞ面白そう。

しかもキャスト陣の中には、バックトゥザフューチャーのドク役、クリストファーロイドまでいるじゃないか!!

脚本も「ヴィンセントが教えてくれたこと」のセオドア・メルフィとあって、期待度が増しますね。

 

 

 

 

 

 

 

ハクソー・リッジ

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

6月24日公開

 

  • 出演

 アンドリュー・ガーフィールド・・・デズモンド・ドス

サム・ワーシントン・・・グローバー大尉

テリーサ・パーマー・・・ドロシー・シュッテ

ほか

 

  • 解説

 

メル・ギブソンが「アポカリプト」以来10年ぶりにメガホンをとり、第2次世界大戦の沖縄戦で75人の命を救った米軍衛生兵デズモンド・ドスの実話を映画化した戦争ドラマ。

人を殺してはならないという宗教的信念を持つデズモンドは、軍隊でもその意志を貫こうとして上官や同僚たちから疎まれ、ついには軍法会議にかけられることに。

妻や父に助けられ、武器を持たずに戦場へ行くことを許可された彼は、激戦地・沖縄の断崖絶壁「ハクソー・リッジ」での戦闘に衛生兵として参加。

敵兵たちの捨て身の攻撃に味方は一時撤退を余儀なくされるが、負傷した仲間たちが取り残されるのを見たデズモンドは、たったひとりで戦場に留まり、敵味方の分け隔てなく治療を施していく。(映画/comより)

 

  • 期待どころ

 ついに復活したメル・ギブソン。オスカーにもノミネートされた今作が一体どのような作品なのか。

戦争シーンがエグすぎる!なんてチラホラ聞こえますが、そこも大事だけど、「沈黙~サイレンス~」で役者の才能を爆発させたアンドリューが楽しみなんですよ

スパイダーマンやってた頃のふわふわした感じの等身大の演技もよかったけど成長もしなきゃだもんね。

そして、武器を持たずに戦場に向かった男をなぜ描こうとしたのか、という監督の意図も見ながら感じたい作品だと思います。

 

 とここまで語っときながら、メルギブ作品1本も見てないので、何かしら見なければ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他の話題作はこんな感じです。

3日公開

  • 花戦さ(野村萬斎主演のエンタメ時代劇)
  • ブラッド・ファーザー(メルギブ主演のサバイバルアクション!!)

9日公開

  • 怪物はささやく(少年VS怪物の魂の駆け引きを描いたダークファンタジー)

10日公開

  • 昼顔(人気TVドラマの映画化。デリコの主題歌はカッケー。)

16日公開

  • 映画 山田孝之3D(よくわかりません。きっとあのドラマの延長かと。)

17日公開

  • こどもつかい(タッキー映画初主演は清水崇監督のホラー作品)
  • TAP THELASTSHOW水谷豊主演、そして監督デビュー作。東映は彼のおもちゃですか。)

23日公開

  • フィフティ・シェイズ・ダーカー(全然ハードじゃないSMラブストーリーの続編)

24日公開

  • いつまた、君と 何日君再来向井理のおばあちゃんの半生記を映画化)

30日公開

  • 兄に愛されすぎて困ってます(人気コミック原作を土屋太凰主演で映画化)

 

 

 

6月最終日が金曜ということで、翌1日には一気に夏映画一色になって行きます。

いきなりパイレーツオブカリビアンですからね。

忙しくなりそうです!!

 

 

というわけで以上!あざっした!!

 

 


映画「美しい星」感想ネタバレあり解説 地球の未来は宇宙人に託された。

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5月26日

美しい星

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日本映画だとSF映画って予算の都合上難しいんですけど、なにも宇宙でドンパチやったり、宇宙人が出てきたり、超能力バトルばかりがSFではなくて。

まぁこれもどちらかといえばヒューマンドラマの域だとは思いますが、ある日宇宙人に覚醒した家族って時点でSFですからね。

 しかも地球を救う使命を授かるわけですから一体どんな話になるのか、もしかしたらすげー難しい話なのか。いや、笑う要素のほうが大きいだろww

というわけで、早速見てまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

昭和を代表する作家、三島由紀夫が記した異色のSF小説を、近年の作品が軒並み賞レースにノミネートするほどになった監督が、時代背景を現代にアップデートし、ある家族を通じて、現代を生きる人間を鮮やかに活写する。

果たしてどんな人間賛歌が描かれているのか。

 

美しい星 (新潮文庫)

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映画『美しい星』オリジナル・サウンドトラック

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あらすじ

 

 

その手で、美しい星・地球を救えると信じた、とある平凡な“宇宙人一家”の悲喜劇。

“当たらない”お天気キャスターの父・重一郎(リリー・フランキー)、野心溢れるフリーターの息子・一雄(亀梨和也)、美人過ぎて周囲から浮いている女子大生の娘・暁子(橋本愛)、心の空虚を持て余す主婦の母・伊世子(中嶋朋子)。

そんな大杉一家が、ある日突然、火星人、水星人、金星人、地球人として覚醒。

“美しい星・地球”を救う使命を託される。

ひとたび目覚めた彼らは生き生きと奮闘を重ねるが、やがて世間を巻き込む騒動を引き起こし、それぞれに傷ついていく。

なぜ、彼らは目覚めたのか。本当に、目覚めたのか――。

そんな一家の前にひとりの男が現れ、地球を救う価値などあるのかと問いかける。(HPヨリ抜粋)

 

 

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監督

監督は吉田大八

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はい、みんな大好き「桐島、部活やめるってよ」の監督さんですね。

他にも、宮沢りえ紙の月」なんかも作ってます。

特に桐島はブルーレイも購入するほど大好きな作品なので、その分監督の作品て新作出るたび期待しちゃうんですけど。

でもですね、彼のデビュー作「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」のブラックユーモア満載の作品も好きなんで、ああいうテイストの作品そろそろ復活してくんないかなぁと。

そう、だから、近年の作品て彼のコメディ色をあまり感じなかったんです。

今作は予告こそシリアスな話のように感じるのですが、果たしてその中身は。

 

 

ほとんど彼の作品挙げてますが、改めて彼の代表作を。

都会に上京するも売れなかった、我侭で自意識過剰で自己愛の強い姉が巻き起こすブラックコメディ「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」で監督デビューします。

 

その後も、付け鼻をつけてアメリカ人大佐と偽り、何人もの女性を騙した、実在した結婚詐欺師を描いたコメディ「クヒオ大佐」や、海辺の田舎町に離婚して戻った主人公の恋や友情をコミカルに描いた「パーマネント野ばら」などを手掛けていきます。

 

そして、学校の中心人物が突如いなくなったことで、生徒達の人間関係が徐々にこじれ、結果振り回されていく青春映画の傑作「桐島、部活やめるってよ」で、日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀監督賞をはじめ、その年の賞レースを席巻し話題となりました。

 

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ [DVD]

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桐島、部活やめるってよ (本編BD+特典DVD 2枚組) [Blu-ray]

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待機作に関ジャニ∞の錦戸亮主演のヒューマンサスペンス「羊の木」が来年公開予定です。

 

 

 

 

 

 

キャスト

宇宙人一家の長、お天気キャスターの火星人、大杉重一郎を演じるのはリリー・フランキー。

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昨今の日本映画で、ちょっとおかしい、狂ってる、詳細不明な叔父さんという登場人物を誰にキャスティングするか。

そんなキャスティングの順番を決めるマニュアルがあるとするならば、間違いなくこの人の名前が1番に挙がっていることは間違いないでしょう。

おそらくそれを決定付けたのは「凶悪」でのケタケタ笑いながら人をいたぶるクズっぷりがホントにヤバいやつに見えて仕方なかったから。

 

そもそもこのリリーさん、役者畑のひとではございません。物書きであり、絵描きであり、写真も撮り、作詞作曲もこなし、バラエティでも存在感を放つ。

そんでもって俳優もこなしちゃう。なんでもできちゃう超マルチタレントさんであります。

なんなんだあんたは。

 

今作も突如火星人として覚醒したお父さんをどんな風に演じるのか。楽しみであります。きっとおかしく演じるんだろうなぁ。

 

そんなリリーさんの代表作をざっくりと。

役者としてブレイクした作品はおそらく「ぐるりのこと。」での出演でしょう。

優柔不断だけど優しさ溢れる性格の夫を好演していました。

 

その後も「オレって正確でしょ?」という名ゼリフを生み出した「モテキ」、子供を取り違えられた大所帯夫婦の主として出演した「そして父になる」、戦争下で飢餓状態の敗残兵が狂気に満ちていく「野火」、高校生漫画家コンビを叱咤激励する編集長を熱演した「バクマン。」、スキャンダルを追いかけるカメラマンに情報を流すも、終盤凶変し観衆をぞっとさせた「SCOOP!」などなど、彼の出演遍歴を振り返ると、いいお父さんか狂気に満ちた役どっちかっすねw

 

大根仁監督作品は皆勤賞ですww彼の最新作「奥田民生になりたいボーイと出会う男全て狂わせるガール」(なげーよっ!)にも出演します。

 

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

重一郎の息子で、メッセンジャーのフリーターである水星人・一雄役に、地元じゃ負け知らずなジャニーズの野球バカ、最近は山Pと公私べったりの亀梨和也。

重一郎の娘で、大学生の美女の金星人・暁子を演じるのは、「桐島、部活やめるってよ」や「寄生獣」、最近は「PARKS パークス」が話題の、昔にに比べてだいぶ太っちゃったけどやっぱりかわいい橋本愛。

重一郎の妻で、専業主婦の地球人・伊余子役に、「北の国から」の蛍から云十年、最近は山田洋次監督の「東京家族」、「家族はつらいよ」と立て続けに出演、ガリガリすぎて養命酒のCMがハマりすぎてこわい中嶋朋子(元オセロじゃないよ)。

一雄が師事する参議院議員の秘書・黒木克己役に、「超高速!参勤交代」や今年は「3月のライオン」での胃痛持ちな苦労人・島田八段がめっちゃぴったりだった、独身俳優最後の砦のラクダ顔、佐々木蔵之介が演じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

公式HPの監督のコメントに、この原作を古典にしないために現代風に更新したことは最大限の敬意だと語っています。

そして最後、かなり笑えます。と添えてます。

そうか、笑えるのか。これは予想に反して面白そう。

ここから鑑賞後の感想です!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

何だ観終わった後のふわふわした感じ。

あれこれギリギリの線で描かれた、地球と家族の話でした!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なかなか難しい話。

突如宇宙人に覚醒した家族たちが、互いを思いやり絆を深めていくミクロな部分と、今後の地球の未来に関わる環境破壊問題、地球温暖化などのマクロな部分をうまく融合させたSFヒューマンドラマでした。

最初こそバラバラな家族が覚醒し、みんな自分勝手に明後日の方向に向かっていくけど、結局家族をまとめるのが地球人であるお母さんで、みんなを受け入れて家族として成立させていく流れが、宇宙人に目覚めようとも人間の家族なんだからって言ってるような気がして良かったですね。

 

しかしながら、地球人抜きで地球の話をするなどの、なんともクソまじめなのかふざけてるのか判断できないギリギリのラインで展開していく物語に、個人としては楽しさ半分つまらなさ半分といった複雑な気持ちで見終えた、というのが感想です。

 

原作未読なので、何をどう変えたのかのかとかはさっぱりなのですが、そもそもこの話、現代に置き換える必要があったのか?というのが大きな疑問として残りました。

というのも、結局人間が素晴らしい、家族って素晴らしいというような終わり方で幕が下りるし、地球はこれからどうするべきかというこの物語の核となる部分に明確な答えは出ないまま終わってしまう。

それならいっそのこと原作をそのままの時代設定でやった方が、当時の状況や問題、歴史などを振り返りながら鑑賞でき、映画を楽しめたんじゃないだろうか。

なんてことを考えてしまったわけです。

 

まぁ、原作をそのまま映画にしたやつも見てみたい、っていう単純なことです。

 

笑うとこなのか、まじめなとこなのか。

覚醒した後のリリーフランキーと橋本愛の、世間とずれてる感覚で演じてる様も非常に滑稽でした。

人間としての重一郎は、息子とも険悪で、仕事にやる気もなく、アシスタントのお天気お姉さんと不倫している、いかにも一家の主とは呼べない人。

そんな人があるとき光を浴びてから、宇宙人に興味を持ち、自分はアブダクションされたのか疑問に思い始める。

ニュース番組での自分の出番の直前、火星に水が流れていたことが分かったというNASA発表のニュースで映った火星に、なぜか涙を流し始める重一郎www

いいですね~wここは笑えるところだったんじゃないでしょうか。

それからお天気コーナーの時間、適当に明日の天気を説明した後、フリップをもって、世界各地の湖が干ばつしている、日本もこのままだとそうなるぞ!太陽系連合からのメッセージです!この動きを止めるのは我々地球人の使命です!!

はい、決めポーズ!!!

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はい、ここも笑うところですww

 

ここからどんどん彼の行動がエスカレートしていくわけですが、そもそもこのお天気キャスターの役をリリーフランキーがやるというだけですでに可笑しいww

どんなにきっちりした格好で明日の天気を語っても、信憑性がかんじられないとか、うさん臭さが顔に出てて、実際こんな人テレビで使わないでしょww

こんな感じで笑えたらきっと本編も楽しめることでしょう。

 

 

暁子演じる橋本愛もミステリアスな美女だけど、段々わけわかんないこと言い始める感じが面白かったですね。

あまりにもきれいだから、授業の後教授から、私のゼミに参加してよ、春休み私の研究手伝ってよ、なんて下心見え見えの誘いを振り払ったあと、ミスコンに出てよ、君なら準ミス以上は保証する、と広告研究会のロン毛野郎に声をかけられる。

自分の美にコンプレックスを抱いてる彼女だからこそ、そういう見た目から寄ってくる人たちに嫌悪感を抱き、まわりの人を遠ざけてしまってるんですねぇ。

 

そんな彼女がなぜ?なぜ?サラッとしか聞いてないストリートミュージシャンを気に入り、CDを買い、彼のホームタウンである金沢まで足を運んでしまうほどのめりこんでしまうんだいwww

その歌にシンパシーを感じ、彼と共にUFOを呼びよせ、金星人へと覚醒していく暁子。

そんな彼には実は裏があるんですが、そこは見てからのお楽しみ。

これ知った後、妙に彼女が笑えてくるんです。何故にそんな奴にシンパシー感じて覚醒してしまうんだwwそれは妄想の域なんじゃないか???と。

それを大真面目に演じてるんですから、まじまじと見ちゃうと思うんですけど、笑ていいとこなんでこの2人の演技は柔軟に見るといいかもしれません。

 

 

他にも、お母さんがどんどんマルチ商法にはまっていくところや、一雄が言われる「いい顔だけど所詮フリーター」とかまされるシーンは必見ですw

 

 

 

クライマックスも好き。

一番好きなシーンは、重一郎が番組内での言動に対し謝罪したあと、息子の一雄、そして秘書の黒木とディベートしてくシーンなんですが。

この3人すごくまじめに地球のことを語ってるんですけど、ニュースを読むスタジオでやってるんですね。しかも、まわりには司会者とスタッフが大勢いて。

これを誰も止めないっていう構図が既に面白いww

 

とまぁ、そういう見方もできるんですが、この3人が語ってるどれも間違っていない意見だからグッとくるというか。

 

重一郎は、環境問題に今から真剣に取り組めば間に合うからみんなで何とかしようという意見に対し、息子の一雄は、そうやって大人は好き勝手やってきて次の世代に押しつける、そんなことは大人たちで解決しろよと投げかける。

でも重一郎は責任は次の世代にも受け継がれていくんだから、お前が何もしなくていいとはならないと反論します。

そこへ黒木登場。

彼は、裏で参議院議員を操っており、環境問題よりも限りある資源を使い切ってしまった今の地球人のために別のエネルギーを推奨しようとしてました。

そして黒木はもう地球は手遅れだから一度滅ぼして何百万後に生まれ変わればいいという持論を展開します。自然はお前らのためにあるんじゃないと。

 

膨大なセリフの量だったのでこんな感じのことを語っていたんだと思います。これもっと長回しで役者同士がやりあったらもっと面白かったのに!と思うほど。

 

 

で、たまたまtwitterから流れてきた監督のインタビュー記事を読んだんですが、このシーン、ある特撮ドラマのシーンを意識して作ったそうです、

 

それがウルトラセブンの第8話「狙われた街」。

 

ある街で、次々と豹変し、狂気に駆られた人たちが人々を襲うという事件が多発。ウルトラ警備隊の隊員たちにも被害が及び深刻な事態に、

原因を追求するダンとアンヌが怪しい人物を追跡すると、それはメトロン星人による地球侵略の罠だった、というお話。

 

この回で有名なシーンがこれ。

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なんと宇宙人がちゃぶ台を挟んで真面目に地球の話をするというもの。

めちゃめちゃシュールですよねw

私もウルトラセブンが大好きなので、このシーンはよく覚えてます。しかも今作の予習でこの回観てから行きましたから。

今見返すとカットがいちいちカッコよくて、夕日をバックに戦うシーンも素晴らしく、今でも語られるわけだよなぁと改めて感じました。

ラストも皮肉なナレーションで締めるというのもオツなものでしたし。

 

話はそれましたが、これ地球人と宇宙人の対話じゃないのはわかりますでしょうか。右はモロに宇宙人ですが、左はウルトラセブン=モロボシ・ダンとい仮の姿なので、どちらも宇宙人が明らかに変な場所で、地球人抜きで真面目に地球の話をしているという、今作と全く同じシチュエーションになっているんです。

 

ダンは重一郎の立場ですかね、どちらかというと。この地球はまだ救える!みたいな。でもって、メトロン星人は、人間が信頼し合っている気持ちを利用し、お互いに不信感を抱かせ破滅させる、そうすれば特に危害を加えることなく我々が侵略できる、というような、無理矢理ではありますが黒木側の意見ですよね。

 

まさかこのシーンを映画に撮り言えるという発想が素晴らしいですよね。原作の時代もウルトラセブンが放映された1970年代という関連性もあり、うまいなと。

 

このクライマックスを見た後にウルトラセブンをみると面白いかもしれません。

 

 

 

 

最後に

決してつまらないわけではないですが、作品の裏にどんなメッセージが発せられているか読み取るのが、私のようなバカにはちょっとハードルが高くて厳しかったです。

 

しかしながら、宇宙人に覚醒にしなくとも、何かに感化され、目覚めそれに向かって使命を全うしていくことは日常においてもありうること。

もしそれが達成されずとも、受け入れてくれる人がいる、そしてまた立ち上がり

戦おう、僕たちはこの世界で生きていかなければならないのだから!

By桐島、部活やめるってよ

 

と、強引に監督過去作と結びつけましたが、色々と解釈できる作品だったと思います。

いつも通りうまくまとまりませんが、この辺で、

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

Netflix映画「ウォーマシーン戦争は話術だ!」感想ネタバレあり解説 反省しないアメリカを笑い飛ばせ。

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5月26日

ウォー・マシーン:戦争は話術だ!

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すっかり忘れてました。こんな作品が今月配信開始だってことを!!!

約2年位前から楽しみにしていたブラピのネトフリ映画がついに配信開始です。

ネトフリオリジナルコンテンツ映画を見るのは「最後の追跡」以来。とうとうこのコンテンツにもこんな大物スターが参戦となると、ますますストリーミング配信事業が過熱していきそうな気配。(つってもネトフリの国内シェアはかなりやばいみたいですが)

 

どうも、ウォーマシーンというタイトルがですね、アメコミ映画好きの私としては、アイアンマンの相棒、ローズが装着するマシンと同じ名前なので困ってしまうんですが、今作はアメコミとは全く関係のないガチの戦争映画。

でもってガチといっても「プライベート・ライアン」のようなシリアスなものではなく風刺のきいた戦争映画なんだとか。

公式HPが存在しないので、なかなか情報が見つからないんですが、早速自宅で鑑賞したしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

実在のアメリカ陸軍将軍、スタンリー・マクリスタルに密着した、マイケル・ヘイスティングスのノンフィクション本「The Operators」を原作に、アフガニスタン駐留米軍の司令部将軍にまで上り詰めた主人公の栄光と衰退を描き、戦争の不条理さ、人間の滑稽さといった戦争への風刺を交え大胆に脚色した戦争映画です。

製作は今年アカデミー賞を受賞した「ムーンライト」を手がけ、主演のブラッド・ピットが運営する「プランBエンターテインメント」。

世界的なシェアを誇るストリーミング配信サービス「ネットフリックス」が配給権を獲得したことにより配信化。

 

 

 

 

 

あらすじ

 

2009年、長引く戦争を終わらせるべく、司令官としてアフガニスタンに送り込まれたマクマホン(ブラッド・ピット)。

常に強い訛りと片眉を上げた表情のマクマホンは、腹心の部下とともに「平和で自由な国作り」という理想に向かって「終わらない戦争」に勝利するべく邁進するも、撤退を望む米政権の思惑や、食わせ物のアフガン大統領(ベン・キングズレー)、厳しいマスコミの追求など、山のような試練に迫られる。

 

 

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監督

監督はデヴィッド・ミショッド

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初めて存じ上げる方です。こういう映画撮るってことは、コメディ映画とか戦争映画とか撮ってきた人なのかな?、と思って調べてみると、犯罪ものやバイオレンスものを撮ってきた人のようです。

長編デビュー作は「アニマル・キングダム」。

80年代のオーストラリアを舞台に、真面目な青年が犯罪一家に加わる羽目になり熾烈な運命をたどっていくお話だそうで、この作品で一躍有名になったんだそう。

そして次回作となった作品が「奪還者」。

この作品は原案から製作脚本とほぼ監督が作ったといってもいい作品のようで、暴力が支配する近未来のオーストラリアで無法者に愛車を奪われた男の執念の追跡劇だそう。

なんかマッドマックスのような・・・。

 

アニマル・キングダム [DVD]

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今作が一番予算がありそうなのでどんな作品に仕上がってるか楽しみですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

キャスト

主人公の司令官、グレン・マクマホン大将を演じるのはブラッド・ピット。

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今年は「マリアンヌ」でブラ泣きなどとというキャッチコピーが物議をかもしましたが、今作はそれに沿って言うならば、ブラ睨みといった感じでしょうか。

予告を見る限りずっと右目を細めた状態というか右目だけ睨んでるというか。

今回はクセがすごい役だそうで、あまりクドくなきゃいいんですが。

 

彼が運営する制作会社「プランB]ですが、今後もNetflixでポン・ジュノ監督の「Oxja」が配信される予定なので、ますますストリーミング配信に力を入れてくんだと思います。まずは自分の出演作で拍をつけたいってとこですかね。

 

彼に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

元アフガニスタン大統領ハーミド・カルザイ役に、「ザ・ウォーク」、「ジャングル・ブック」のベン・キングズレー。

マクマホンの部下、マット・リトル役に、「スパイダーマン3」や、「エージェント・ウルトラ」のトファー・グレイス

マクマホンを攻め立てるドイツの政治家役に、「ドクター・ストレンジ」、「ヘイル、シーザー!」のティルダ・スウィントンらが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

どれだけ風刺の効いたコメディなのか。葉術で戦争にどう勝利するのか。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

風刺はきいてるけども、ブラピのクセの強さ以外そこまで笑えない、至って真面目なお話。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界のリーダー。

世界の平和は我々で成り立っている、そんないつまでもリーダー気取りのアメリカが、勝ち目のない戦争をだらだら続け、なかなか終止符の打てない状況を打破すべく送り込まれた戦争のスペシャリスト、テロ組織の敵、野獣、ビッグ・グレンなどなどいろんなだなのついたエゴの塊マクマーンの、栄光という名の強引なやり方と、衰退という墓穴を掘った何とも言えない虚しいお話でございました。

 

説明調のナレーションが入る映画は、正直いらないときもあれば、決行重要な役割を果たすときもあって、今作では後者の意味合いが強く感じたナレーションでありました。

これがなければ、時事ネタに超疎い私でもそこそこ理解できる話だったように思えます。

このナレーションが後にローリングストーン誌で書かれたマクマーンの取材記事の内容になってくるとはつゆ知らず、それが彼を失脚させる決定打になるわけで、それが分かるともっと話に入っていけたかも。

 

そもそもこの戦争、相手が国じゃなく武装勢力だから、一般市民と見分けがつかない、それでいて彼らがどの拍子で武装勢力になるかわからない。

で、そんな奴らがあちこちにいて、どんなに絶対王者のアメリカでもこればかりは収拾がつかない。そして引き際もわからない。

そんな時に百戦錬磨の戦争の鬼、マクマーンに白羽の矢が立つわけです。

 

 

ドンパチやる戦争じゃない。

まず戦争というワードを言ったら、思い浮かぶのは、兵士たちが銃を撃ちまくったり、たくさんの血まみれの負傷した兵士や巻き添えを食らう一般市民とかが思い浮かびますが、現代の戦争はドローンなんか使って戦いますからね、どれだけ血を伴わない、犠牲者を出さない、スマートな戦争をやるかになってきてるわけです。

 

だから、戦争は話術だ、というサブタイトルがどういう意味を成すのか、最初こそわかりませんでしたが、マクマーンの行動を見ると非常に納得できるサブタイトルでした。

 

やり方は単純、自分の土地を侵略された人たちが武器を持つことで生まれる武装勢力を鎮圧するのは不可能に近い。だからアメリカが助けに来たと信じ込ませることで、彼らを抑え込み、治安を維持させるのが当面の活動になる。

そうすれば国民たちは武装勢力よりアメリカの方がいいと思い込み、人気を得ることで勝利への近道となる。

戦地の街に赴いて、我々はこの町に秩序と安全をもたらしにやってきました、だから安心してください、という地味な活動をマクマーン自ら赴き実践していくわけです。

 

その治安を維持するために政府を作り、治安を回復し民主主義を根付かせる。軍も鍛え自分たちで守らせるようにする。仕事も与え学校も道路も作り、経済も活性化させる。

 

何て優しいアメリカ。(皮肉)

 

そんなことを地道に続け制圧していくわけですが、なかなかうまくいかないのがこの戦争。それだけ武装勢力は厄介であり、8年も続くわけです。

 

もう無理な地域はほっときゃいいのに、私が来たのだから全部制圧して勝利しなければならない!と、もはや国の利益や立場も考えず、己の軍歴のため、プライドのため、部下から称賛されるため、とにかくエゴのために、あれこれ手をまわし、お偉方の意見も無視し、よその国まで巻き込んで行くことになっていくわけです。

 

 

ブラピのクセのすごさ。

主人公マクマーン大将を演じたブラッドピットですが、彼は演技が巧くないことで有名です。

とはいっても、向こうの国の人たちの演技力の優劣など正直私のようなド素人にはち~っともわかりません。全然ブラピの演技で泣けるっつ~の。

でもですよ、そう言われてる人が、なんか癖のあるような顔つきやぎこちない動作をするとどう見えるかってなると話は別で。

今回ブラピが演じた役は、ゴリラが走るようなジョギングで、常に胸を張って歩き、片眼を細め、声色を変えて、いかにも軍人っぽく、しかもちょっと笑える感じの役作りをしたわけでなんですが。

これがどうも鼻について気にくわない。

例えば、ジャックスパロウを演じるジョニー・デップがこういうわかりやすい変化をするのは見慣れてることもあり、むしろ彼に至ってはこういう風変わりな役でないと直視できないくらいになってきていることもあり、突拍子した変化の役作りには抵抗がないわけなんですが、これが普段から普通の役ばかりやってきたブラピがやると違和感だらけで受け入れられないわけです。

 

でもって、この役の人が実在するならまだしも、スタンリー・マクリスタルという実在する人物をモデルにした役を演じてるだけであって、果たしてこの役作りは何のためにやったのか。彼を想定させたいための役作りなのか。

この辺の意図がよくわからなかったのであります。

 

だから逆に演技が目立ってしまい、鼻についたというわけです。

 

 

 

最後に

この手の映画は、フィクションだとしても実際のところこういうとこがをやってた、こういうことをしてた、ということが分かるだけで見る価値の作品なんですが、いかんせんブラピの演技が邪魔をして、笑いにしたいのか、アメリカがしてきたことを笑い飛ばしたいのか、なんかブレブレな感じがして映画としてはそこまでの満足には至りませんでした。

 

銃で国は作れない、とわかっておきながら結局銃で国を作ろうとするしか方法はなく、それに対し、現地の人々は事を荒立てるだけだから帰ってくれといわれる始末。

おまけに、あれこれすっぱ抜かれて解任されてしまうというマクマーンの悲しい幕切れかと思いきや、反省しないアメリカを映して終わるという何とも皮肉なエンディングでありました。

 

これラストカットに大物スターが映ってるように見えましたけど、あの彼であってますよね?クレジットにどこも載ってないので、え?っとなったんですけど。きっとハリウッドのくまモンだったに違いない。

 

とにかく、ブラピの演技は置いといて、アメリカってホントいつまでたっても空気の読めないふんぞり返ったリーダーかぶれだったね、というブラックジョークなお話でした。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10

 

映画「光をくれた人」感想ネタバレあり解説 孤島で暮らす夫婦の罪と赦しの物語

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5月26日

光をくれた人 

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この作品の撮影後、ホントに恋人同士になった2人の愛の感動作の登場です。

配給会社の作品「ムーンライト」が今年度アカデミー賞作品賞を受賞したことで、公開日が今作と入れ替わる形となり、5月まで伸びてしまいました。

 まぁ、アカデミー賞作品が5月末公開ってのもありえないですから、正しい判断でしたよ、ファントムフィルムさん。

てか、「ブルーバレンタイン」でボロクソ泣かせてもらったデレク・シアンフランス監督の最新作なので、今作も泣くでしょう、きっと。

早速鑑賞してまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

結婚の末路と出会いの時系列をバラバラにし、裏(500)日のサマーとまで称され、まさに結婚の理想と現実を美しい映像で描いた「ブルーバレンタイン」の監督が、オーストラリアの作家、M・L・ステッドマンの小説「海を照らす光」を映像化。

子を授かることに苦労していた燈台守の夫婦、そんな彼らの元に授けられた希望の光。過ちと知りながらも受け入れた二人にどんな試練が待ち受けるのか。

様々な父性を描いた監督が、演技派スターとブレイク女優で再び愛の物語を描きます。

 

 

海を照らす光 (上) (ハヤカワepi文庫)

海を照らす光 (上) (ハヤカワepi文庫)

 
海を照らす光 (下) (ハヤカワepi文庫)

海を照らす光 (下) (ハヤカワepi文庫)

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

オーストラリア西部の孤島ヤヌス・ロックで暮らす、灯台守のトム(マイケル・ファスベンダー)とその妻イザベル(アリシア・ヴィキャンデル)。ふたりは強い絆で結ばれていたが、イザベルは2度の流産に傷ついていた。

そんな中、女の子の赤ん坊が乗った謎のボートが流れ着き、自分たちの娘として育てたいというイザベルの懇願にトムは折れてしまう。

それから4年、愛らしく育った娘と幸せの絶頂にいた夫婦は、娘の生みの親のハナ(レイチェル・ワイズ)と偶然出会うことになる。

絶望の中を彷徨うハナを見たトムは、正しいことをするべきだと悔い改め始めるが、イザベルには娘のいない人生など耐えられなかった。

娘の本当の幸せは、夫婦の愛の行方は? 苦悩の果てに二人が選んだ道とは──?(Filmarksより抜粋)

  

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監督

監督はデレク・シアンフランス。

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 冒頭でも書いた通り、彼を知ったのは「ブルーバレンタイン」。

 

ブルーバレンタイン [Blu-ray]

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 家族を守ることが夢であり自分の使命だと語る夫と、出会った頃の才能あふれる彼をいつまでも見ていたい妻との、夫婦としてのすれ違いと出会った当時の馴れ初めから見る恋愛模様を、時系列をシャッフルすることで、現在と過去の2人の温度差を見せながら、結婚の理想と現実、喜びと儚さを交互に魅せた良作。

冒頭からハゲ上がったライアンゴズリングに衝撃を食らい、ミシェルウィリアムズの気怠さが妙にエロいのが印象的。

そしてどうしてこうも想いというものはすれ違ってしまうのか、出会ったばかりのころは些細なことも気にならないのに、現在ではこんなにも口論の火種になってしまうのか。

映像もフィルム感があって、どこか温かみがあり、ホテルのシーンのコントラストもきれいです。

ラストカットとエンドロールで上がる独立記念日の花火に涙が止まらない作品です。

あ、カップルで見てはいけませんw

 

 

あまりにもこの映画が気に入り、次回作となった「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命」も見てるんですが、こちらはお互いの犯罪者と刑事の父と子の2世代が交錯していく話で。

 

 子を授かったことでまともな職に就こうと決心するも、結局見つからず強盗で食いつなぐライアンゴズリング、それを捕まえようと躍起になる野心あふれる新米警官のブラッドリークーパーという犯罪者と刑事の物語から、この事件を機に昇進していくクーパーの苦悩と葛藤そして成功、それから15年後、互いの子供たちがつながっていくという3部構成で描かれた数奇なお話。

ブルバほどではないですが、この作品もすごく好きで、もう最初のゴズリングの長回しでのバイクスタントやら風貌がすでにカッコいい。

そんなのに見とれてたら、話は数少ないまじめな役のクーパーの話になり、罪悪感を感じながらも成功していくことで何とか正気を保つ繊細な面をうまく見せていき、極めつけはディンデハーンが「クロニクル」の時同様に感情をあらわにする演技に胸を打たれます。

こちらはブルバと違って順を追った時系列。これもシャッフルしてよかったんじゃない?なんて思いもしましたが、それでも見ごたえのある作品です。

 

 

今作も過去作同様、こだわりのある映像と描写に期待したいですね。

 

 

 

 

 

 

 

キャスト

主人公の灯台守トムを演じるのはマイケル・ファスベンダー。

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今年は「アサシン・グリード」での迫力あるアクションが話題となりましたが、作品の中身としてはやや不満の残る内容だったので、これでいつものファスベンダーを見せつけてほしいです。

 

www.monkey1119.com

 

今後の待機作にエイリアンの起源に迫る「プロメテウス」の続編に位置する「エイリアン・コヴェナント」が9月に公開予定です。

 

 

 

 

 

妻イザベルを演じるのはアリシア・ヴィキャンデル。

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いつも見るたびに吉川ひなのにしか見えないのは私だけでしょうか。

この作品の制作を機に、プライベートでも熱い仲となった二人。まぁマイケルなら仕方ねえよなぁ・・・。

 

そんなおいらの気持なんか置いといて、気が付けばトップ女優となったアリシアちゃん。今作は育ての母としてどんな表情をみせてくれるのでしょうか。

 

去年は出演作がどんどん公開されましたが、今年はこれだけになりそう。そして来年は「トゥームレイダー」のリブート作品としてアンジーに代わり、ララ・クロフトを彼女が演じます!楽しみ!

 

彼女に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他のキャストとして、生みの親であるハナ役に、「ナイロビの蜂」や「ロブスター」のレイチェル・ワイズが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光をくれた人とは誰のことなのか。灯台がもたらす意味は何なのか。幸福と痛みが伴う愛の物語。いろいろ考察できそうですね。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

人は人を憎むためにあるのではない!赦すために存在するのだ!

過ちを犯した夫婦を、上質な映像で描いた赦しの物語!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

孤独はアカン。

大戦時に数々の夥しい光景を目の当たりにし、心に闇を抱えた男。そりゃあ、もう僕の事放っておいてください。むしろ誰もいない孤島の灯台の中で、ひたすら光を灯すだけの仕事だけさせてください、ってなりますわな。

そんな中、島で出会ったイザベルからの猛アタックに打ちのめされ添い遂げることを決めたトム。一目ぼれってあると思う?あると思うよ、けどさ、どこに惹かれて結婚したいとか言っちゃうの?イザベルさん。

なんかもうゲスい感情が先行して、あなたホントはお兄ちゃん死んじゃったから、一人になりたくて灯台行こうとしたんじゃいの?なんて。

 

そんな孤独同士の二人が結婚し孤島で愛を育んでいくわけですが、神様って悪戯好きが過ぎます。流産2回もさせて、悲しみMAX状態の中、ボートでどんぶらこっこって赤ちゃん運んできますかね?神様。

ここでの葛藤というか誘惑というか、感情ブレブレになるイザベルの気持ち凄くわかります。2回流産して、3度目の正直にトライするほど元気ないし、2度あることは3度あるっていうじゃない?

だから、せっかく現れた赤ちゃんの登場は、神様が私たちに授けてくれたものって、いいように解釈する。そうだよね~もうまわり見えないよね~。なんか信号送ってちゃんと報告する旦那、何してんだよ!ってなりますよね~。

 

でもでもマイハートイズ良心の旦那、トムはそういうわけにはいかない。これちゃんと報告して母親のところへ戻さないと。

わかったわかった、じゃあ養子にしてもらうようにお願いしよう!

でも、ここ孤島よ?周り誰もいないし学校も施設もない!そんな場所に住む私たちに養子の許可が下りると思うトム?いくら何でもその案は無理だわ~。

結果、妻の猛プッシュに押しに押されて、嗚呼オレの良心ごめんね、とばかりに泣く泣く実の子として育てる決意をするトム。まぁここまでは良かったんですよ。

 

 

結果、これが孤独ゆえの大きな過ちだと気づくんですが、孤独ってそんなに人の心を蝕んでいくなんて気にも触れませんでしたね。冒頭でも、トムは臨時の職員として採用されるんですけど、なんで臨時かって前任者が孤独ゆえに情緒不安定になっちゃったからってんだから、この物語の末路を暗示していたってわけで。

 

 

 

光をくれた人たち

でまぁ、この物語には孤独な人たち、孤独だった人たちってのが登場してくるわけです。その暗~い闇の中で灯台が照らすように一筋の光となって現れるってのが垣間見えるんですね。

 

トムにとっての光は、なんといってもイザベル。

本当は一人で灯台守として過ごそうと思っていたにもかかわらず、彼女とピクニックにいって猛アプローチ受けてから、手紙にびっしり彼女への愛を認め、一生彼女にいやな思いはさせまいと決意。

そりゃあ2度も流産させて、他人の子供を育てたいって懇願されたらそれが罪だとしても受け入れますわな。

 

そんなイザベルにとっての光は、その問題の子供ルーシー。

灯台でトムと暮らし、家族を作りたいと頑張って子作りに励みますが、2度の流産。そもそも、孤島でどうやって子供を産もうと思ったのか、その辺のことがよくわかりません。陣痛来たらほんとに自分で産むつもりだったのか?

そんなことは置いといて、彼女との暮らしはさぞ幸せの日々だったことでしょう。発見時から肌身離さず抱えてたあたりを見ると、一目見てから育てようと決心してたんでしょうな。

 

そしてルーシーの実の親、アナにとっての光は、娘もそうですが、トムだったんでしょう。

まぁ正確には、ポストに娘の安否を知らせてくれた名無しさんというのが正しいんでしょうけど。

好きになった人が大戦時の敵国であるドイツの人ってだけで周囲から虐げられる毎日。でも彼はいい人だった。だから全てを捨ててでも一緒になりたいと願った。反対する父から離れ、子も生まれ幸せな生活を送っていたのに、いまだに敵扱いする市民から逃れるために、彼は手漕ぎボートで海へ飛び出し行方不明に。

それから彼女はずっと孤独でした。

捜索願も出したけど、手がかりはなかったんでしょうね、そんな中、一通の手紙によって彼女に光がもたらされるわけです。

あなたの旦那は神の御許に行ったけど、娘さんは無事ですよ。

まさにオ~マイガッド!!だったんでしょうね。それからというもの、どこかで無事に育っている彼女を思いながら生きていたんでしょう。

 

 

 

メタファーもいっぱい

物語の舞台となるヤヌス島。

1月(ジャニュアリー)の語源にもなってるこの名前は、二つのものを見つめ、二つの物事の間で引き裂かれるヤヌスの神からとられた名前だそうで。

しかもこの島、インド洋と南極海という二つの大きな海の狭間で、島から光を照らしていたわけです。

そうなってくると、2つのものを引き裂く、2つのものを照らすという意味から、この物語と非常にリンクしていきます。

それはイザベルとルーシーであり、イザベルとトムであり、ハナと実の娘グレース(ルーシー)であり、あらゆるものを引き裂くメタファーになってます。

それでいて、実はこの引き裂いた二人をちゃんと照らしていたということも示してるし、もっと言えば罪と赦しというものまで引き裂き、照らすものとして表現されていたんじゃないか、と大雑把ではありますが読み取れるんじゃないでしょうか。

 

あぁ、誰かうまくまとめてwww

 

演技も圧巻

やはりオスカー俳優ですよ。

細かい表情がまぁ巧い!

マイケルに至っては、X-MENでもべた褒めしましたが、涙の流し方ですね、抜群にうまい!

町一番の金持ちの娘、アナがルーシーの本当の母親だったことを、彼女が墓参りしてたのを見かけ、墓石に掘られた文章を見て知ってしまい、トムは驚愕の真実と、偽りの家族の生活に終わりが見えてしまったことで、悲しい表情を浮かべるわけですが、これをですね、片方の目から涙を流すんですが、垂れ流すんじゃなくて、寸止めさせるんですね~。涙を溜めるのはできますが、粒の状態で寸止めさせるってなかなかできないですよこれ!しかも片方だけ!!!

これは話がどうこう以前に演者としてすげ~表現力だなぁと感心しました。

 

もちろんアリシアを負けてない。デレク監督がこれみよがしに、ドアップで彼女の表情を捉えてますが、そんなとこよりも(いやそこも十分素晴らしい表情なんですけど)、まだ来てはいけない、早すぎる陣痛が来てしまった時の、辛い表情!

お願い待って!まだ生まれてきちゃダメ!!と苦しい表情をしながら願うアリシア。この辛さを少しづつ平静を保ちながら、ピアノの前で悶えていく様がね~真を突いていてよかったです。

他にも、怒り狂ってトムに当たるとことか、絶対トムを許さない時の表情とかいい顔してました。

すげ~どうでもいいとこですけど、早歩きがですね、ほんとに早い歩き方しててwあんな早い歩き方する早歩きなかなか普段の生活でも見ないなぁとw

あれもまた真を突いていた迫真の演技でした。

 

 

 

 

最後に

孤島からの絶景をロングショットでおさめ、そこに表情をドアップで映す上質な映像から2人の罪と赦しを描いた物語だったわけですが、いかんせん、後半のトムに対するイザベルの強硬な態度が腹立って腹立って。

お前マイハートイズ良心のトムが、おめえの事黙って罪を告白してんのに、なんだその態度は!!オモチャ取り上げられたガキか!!と。こういうところから2人の兄を持っていた末っ子ガールの性格が出るというか。

欲しいものは手に入れるという姿勢が冒頭から溢れてたしね。

まぁ最後には改心するので結果オーライだけども、そりゃないぜと途中でムカついたという部分がですね、満足度を下げる原因だったという・・・。

 

ラブストーリーというよりもそういった罪への意識、それに対する赦し(何が赦しなのか書いてなかった・・・)を描いた作品でした。

やっぱブルバが好きだなぁ。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

 

 

 

映画「ローガン/LOGAN」感想ネタバレあり解説 ヒュージャックマン、長い間ありがとう。

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6月1日

LOGAN/ローガン

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ひとつの役をずっと続けていくこと。役もそのまま歳を取るのならずっと続けていけるだろう。ジャックスパロウ、イーサンハント、ルーク・スカイウォーカーなど意外と挙げればでてくるもので。

しかし、再生能力を持つ男、という役をやり続けるのには限界がある。歳をとらない役なのだから。

そんな特殊な役を17年演じ続けてきた俳優が、ついにこの役を引退する。

 その名はヒュー・ジャックマン。今回最後のウルヴァリン=ローガンを全身全霊で演じたと語っており、その役から離れることに思いもひとしおだったことでしょう。

その甲斐もあってか、世界中で絶賛の嵐を巻き起こしている作品がいよいよ日本で公開です。

早速鑑賞してまいりました。

 

 

 

 

 

 

作品情報

2000年代からアメコミ人気を牽引してきた人気アメコミキャラ・ウルヴァリン。「X-MEN」シリーズからスピンオフ映画として過去2作公開され、アメコミキャラとして確固たる地位を築いてきた。

その役を長きに渡り演じたヒュー・ジャックマン。彼といえばウルヴァリンという代名詞として定着するほど、彼にぴったりの役であったが今作でウルヴァリンを卒業する。

今作では不死身であるウルヴァリンのはずが、治癒能力の著しい低下により、体は衰え、老化も目立った風貌で登場する。

そんな老いた姿で、生身の人間として戦うウルヴァリンを満干の思いで演じたヒュー・ジャックマンの最後の勇姿を見届けろ!!

 

 

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あらすじ

 

 

既にミュータントの大半が死滅した2029年。

長年の激闘で心身ともに疲弊し、超人的な治癒能力が衰えてしまったローガン(ヒュー・ジャックマン)は、雇われのリムジン運転手として日銭を稼ぎながらメキシコ国境近くの廃工場で、衰弱しきってスーパーパワーをコントロールできなくなったチャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)と、太陽光の下では生きられないミュータントのキャリバン(スティーヴン・マーチャント)で暮らしていた。

そんなある日、ローガンはヒスパニック系の看護師ガブリエラ(エリザベス・ロドリゲス)から、ローラ(ダフネ・キーン)という少女をカナダ国境のノースダコタまで送り届けて欲しいと頼まれる。

図らずも擁護することになったローガン一行は、ローラを奪い返すためにやってきたピアース(ボイド・ホルブルック)率いる武器集団からの襲撃を受ける。

辛くも一派から逃げ出したローガン一行は、ノースダコタ目指して車での旅を繰り広げていく。

ローガンそっくりの能力を備えた少女ローラを奪うため最強の敵がローガンの前に現れる。

ミュータント最後の希望を守るため、ローガンは命がけの戦いに身を投じていく(HPより引用)

 

 

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監督

監督はウルヴァリンの前作「ウルヴァリン:SAMURAI」に引き続きジェームズ・マンゴールド

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前作のウルヴァリンが正直つまらなかったので、また彼なのか!?と思いましたが、それとは打って変わっての評価なので、非常に期待しております。

 

そんな彼の代表作をざっくり紹介。

リヴ・タイラー主演の青春恋愛映画「君に逢いたくて」で監督デビューした後、警察内部の闇にスポットあてたサスペンス映画「コップランド」、精神療養施設に送られた少女が自分よりもさらに深い心の闇を持つ患者達とかけがえのない時間を過ごす「17歳のカルテ」、現実主義の女性とタイムススリップしてきた英国貴族が織り成すファンタジックラブコメディで、ヒュージャックマンと最初の出会いとなった「ニューヨークの恋人」など、あらゆるジャンルを手掛けています。

 

他にも、カントリー歌手ジョニー・キャッシュと、2人目の妻で歌手のジューン・カーターのヒューマンラブストーリー「ウォーク・ザ・ライン/君に続く道」では、主演の2人がアカデミー賞はじめ多くの賞レースを席巻し話題となりました。

 

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キャラクター紹介

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ローガン=通称ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)

 

 

本名ジェームズ・ハウレット。

超人的な鋭い感覚と身体能力、治癒能力を秘めたミュータント。ストライカー大佐による「ウェポンX」計画により体内にアダマンチウム合金を組み込まれ、あらゆるものを切り裂く体へとなった。

 

かつてのウルヴァリンの面影はどこへ。もうぐちゃぐちゃ状態のX-MENシリーズの時系列ですが、去年公開した「X-MEN アポカリプス」にウルヴァリンが登場していたこともあり、あれからどうなったのかが語られることでしょう。

 

 

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チャールズ・エグゼビア=通称プロフェッサーX(パトリック・スチュワート)

 

 

史上最強のテレパシーを持ち、他人の心を読んだり、記憶を操作することが出来る。

人類とミュータントの共存を夢見ており、「恵まれし子らの学園」を設立した。

 

 最近は若かりしプロフェッサーXばかりだったので、一応言っておきますが、パトリックこそ真のプロフェッサーです。マカヴォイもいいけども。

にしても彼の身にも何が起こったのか。ただの老化なのか。ミュータント自体なぜこんな調子悪くなってるのか気になりますね。

 

 

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ローラ(ダフネ・キーン)

 

見かけはあどけないが、性格は凶暴で並外れた戦闘能力をもつミステリアスな少女。

手足からアダマンチウム合金の爪が飛び出すことから、ローガンと何らかの関係が持たれる。

 

 彼女の正体をすでに分かってますが、ここはネタバレの場所じゃないので伏せるとして。

予告での彼女の凶暴さハンパないっすね。目といい吊り上がった眉毛といい獣の表情です。よくこんな子見つけてきたよなぁ。

 

 

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ドナルド・ピアース(ボイド・ホルブルック)

 

メカニックな義手を持つ冷酷な追跡者

トランシジェン研究所から逃げ出したローラを奪い返すため、武器集団を引き連れてローガンの前に現れる。 

 

彼は原作コミックでは、世界支配をたくらむ秘密結社ヘルファイヤークラブの幹部として登場しています。

原作ではいろいろな能力を持ってるようですが、義手からどんな能力が発せられるか見ものです。

 

 

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キャリバン(スティーヴン・マーチャント)

 

ミュータントを感知する能力を持つミュータント

太陽光を浴びることができないため、 全身を日よけで覆って過ごしている。

 

 もともとミュータントを感知できる能力はチャールズが持っていたのですが、チャールズの設定が老化による衰えもあって、このキャラが必要だったのかなと。

ということは、誰かミュータントを探しあてるのか、それとも敵の感知だけなのか。

 

 

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ドクター・ライス(リチャード・E・グラント

 

邪悪な野心に取りつかれた遺伝子学者

新たな人間兵器開発のため、子供たちを使って悪魔のような人体実験を行っている。

 

 

彼は原作コミックでのザンダー・ライス博士と思われます。ウルヴァリンを誕生させたウェポンX計画を親子2代で携わっており、父はウルヴァリン脱出時に殺害されてしまい、それから彼に恨みを持ってるそうです。

果たして原作通りなのか。

 

 

 

 

X-MEN アポカリプスのエンドロール後のおまけ

youtu.be

 

X-MENシリーズ前作にあたるアポカリプス。

劇中で政府によって捕らえられたミスティークたちの前に、ゲストキャラとしてウルヴァリンが登場したのを覚えてますでしょうか。

実はここ、ウェポンX計画をしていた施設だったんですね~。

サイクロプスとナイトクロウラー、ジーンを前に雪景色の中へと姿を消したわけですが、その後のおまけ映像が次作を予感させる終わり方でした。

それは、施設の後片付けをしながら、ある血液の入った試験管をケースに入れて持ち帰ろうとするスーツの男が映っています。

試験管のラベルには「ウェポンX」の文字。そしてケースのにはエセックスコープと記されています。

 

これはどういうことかというと、遺伝学の科学者であるナサニエル・エセっクス、後のミスター・シニニターという不死の肉体を持つ能力でX-MENを苦しませる代表的な敵が、この計画の背景にいることを示唆したものなんだとか。

そして、持ち出されたウルヴァリンの血液。

今作で登場するローガンと同じアダマンチウム合金の爪を持つ少女。

はい、何となくつながってきましたね。

 

劇中でこの計画の全貌が明かされるのか、それとも。

 

 

 

 

 

 

 

シリーズがどうつながっていくかも重要ですが、まずはその前に、物語を楽しみたいですね。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

これが最後のウルヴァリン!満身創痍で敵に立ち向かう、彼の勇姿を目に焼き付けろ!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これアメコミ映画ですか?

突然変異によって特殊能力を持ち、人類から脅威として見放されてきたミュータント。彼らは人類との共存を望み、片一方は人類を配下にしようと企む、そんな2つの異なる考えを持つ派閥が争いを繰り広げてきた「X-MEN」。

 

時に仲違いした時もあれば、協力し合い人類の危機に直面し歴史を変えてきたミュータントたちの活躍は、良くも悪くもSF娯楽大作映画として非常に楽しめる作品だった、というのがこれまでのX-MENシリーズだったように思う。

 

それはスピンオフとして単独映画となったウルヴァリンシリーズもそうだった。一人の男の葛藤を描きながらも、やはり一番の魅力はそのワイルドで凶暴で獰猛で、いまにも血管が切れそうなほど怒り狂った彼のファイトシーンだった。

 

しかし今作は、そんな今までの通例ともいえるSFヒーロー娯楽大作の枠をはみ出し、一人の男の、埃にまみれながら、血まみれになりながら、汗臭く泥臭く、もがき苦しむ様を描いた極上のヒューマンドラマとなっていました。

 

 

 

心も体も・・・

正直言ってあんな弱々しいウルヴァリンは、ウルヴァリンではない。

好きなキャラでありながらこんな風に突き放したくなるほど、老いに老いていたローガン。

白髪交じりの頭髪、伸ばしっぱなしの髭、ロクに文字も読めず老眼鏡、常に咳をし、足を引きずっている。

戦いの後の傷も直ぐに癒えず、常に苦しく、傷跡は残ったまま。目は真っ赤に充血し、今にも倒れそうな姿。

冒頭でのバトルシーンも、たかがチンピラごときに防戦、銃弾も直ぐに体外に出ないくらい弱った治癒能力。

一発の銃弾によってあおむけに倒れたローガンの横に、タイトルバック。

ああ、この物語は彼がこうなるよ、といっているかのよう。

 

俺が好きなローガンはどこへ行った。

髪は逆立ち、葉巻をくわえ、すかした表情で観衆をにらむ、あのローガンはどこへ行った。

 

そんなボロボロの体に加え、心もボロボロだった。

「正しいことをしたとしても、人殺しの烙印を押される」、チャールズとローラがホテルで見ていた西部劇「シェーン」の1シーンが物語っているように、ローガンは沢山の相手を葬ってきた。時には友や愛する人でさえも殺さなければいけなかった。

そんな彼の悲痛な後ろめたさが、体調の変化によって心までも蝕んでいったのだった。

 

 

 

最後にして報われたもの

常に周りの輪を乱しながらも、優しさを持ち合わせていたローガン。その不器用な性格は今作でも変わっていなかった。

どこか強がり、他人を煙に巻きながら、何かあれば汚い言葉で荒れるけど、それでも薬の副作用でわけのわからない言葉をまくしたてるチャールズを放っておけず、無口から多くを語らない、暴走ばかりするローラを放っておけず。

 

だけど辛かった。俺が愛した人は傷つく、と思っていたからだ。これ以上愛をもって接してけば必ずその人は自分の前から姿を消し去っていく。

案の定劇中ではそんな描写が訪れる。

もうこんなこと繰り返しながら生きていくことに疲れた、死にたい。そう、ローガンは死に場所を探していた。

そんな彼に、あなたは生きて、生き抜いて!とゲキを飛ばすのがローラ。

仲間が待っているエデンという名の場所へ行くには彼が必要だった。

ようやく喋ったかと思えば、まだそんな夢みたいなことを言うのかこいつは。怒鳴りながら夢から覚めろと激高するローガンに、一歩も引かないローラ。

 

そんな二人の逃避行は、結果楽園という名の場所へ向かうローラと、天国という名の場所へ向かうローガンのロードムービーにもなっていた。

ローラにとってはゴール目前での悲劇だったかもしれないが、ローガンにとっては最後にようやく孤独から解放され、幸せを掴んだ一瞬を映し出していたように思う。

 

 

 

残虐描写がすごい

はい、めちゃめちゃ箇条書きのような書き方してしまいましたが、一人の男の生き様を描いたヒューマンロードムービー調のアメコミ映画だったわけです。

この映画で特筆すべきなのは、話の中でのローガンよりも、そのバトル描写です。

なんてったって、殺し方がエグい!グロい!

 

あの拳からニョキニョキっとでてくる爪でですね、敵の顎から脳天にブシュッ!!後頭部から頬骨に向かってブシュッ!!これがスクリーンいっぱいに映ったかと思えば、自身も今作ではやられっぱなしなので、傷口が生々しく映っています。

 

ローラちゃんも負けてません。ウガーーーッ!!と叫びながら、相手に飛びかかり両足で首をロック!そのまま爪でグサッ!!とひと突き!!

オマケに生首を敵にぶん投げるおまけ付き。

おぉぉかわいい顔しておっかないことしますね~ローラちゃん。もうその目つきは獣そのものです。さすがローガンの子!!

 

 

結局ローラは。

はい、しれっとネタバレしてますが、ローラは、ウルヴァリンの遺伝子で生まれたミュータントだったわけです。

劇中では、ミュータントがいなくなったっから人工的に作って軍用化しようぜっていうドクター・ライスの研究によって、1から生まれた人工的ミュータント。その一人がローラだったわけです。

残念ながら彼女は感情を持っていることから反発的な行動をとったり、自傷行為も繰り返すことから失敗作だったようで、研究所はその失敗作の子供たちを安楽死させようとしましたが、そこで働いていた看護師たちがそれを阻止しようとし、ローラを逃がしてきたんですねぇ。

じゃあ成功作はできたのかよ?と。ええできてます。無から作ったといわれるミュータントがローガンたちの行く手を阻みます。どんな奴かは見てのお楽しみ!なんとなく想像つくと思いますけど。

 

原作では彼女は「X-23」という名前で登場しており、ちゃんとウルヴァリンのクローンということで描かれているので、今作もそれに忠実に実写化していることが分かります。

 

ただ、上記で言及した「X-MEN アポカリプス」のエンディングのオマケシーンに直接つながっているのかどうかっていうのは正直明確にされてないので何とも言えませんでした。

 

過去作とのつながり

今作では2029年までに実際何がおこったのか、事細かに語られてはいませんでした。

X-MEN フューチャー&パスト」で時系列が変わってしまっているため、過去の作品はなかったことになってるんですが、小さなアイテムは残っていました。

 

まず、モーテル自由の女神は、「X-MEN」第1作目のラストバトルの場所が自由の女神だったことから、それを想起させる演出になっていました。

他には、ローガンが首にぶら下げていた認識票。あれも、「ウルヴァリン X-MEN ZERO」で、アダマンチウムの研究の際につけられたヤツを思わせます。

後は、愛する人を傷つけたというセリフは、きっと「X-MEN ファイナルディシジョン」でのジーン・グレイがフェニックスとしてヴィラン化した時のローガンの行動の事を指しているように思えます。あれは切なかった・・・。

 

 

このように、過去作を関連させるような部分が他にもあると思うので、鑑賞された方は是非思い返してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

最後に

実際問題、なぜウルヴァリンを卒業するのかは、ヒュージャックマンの奥さんが熱望していた、なんて記事を読んだことがあるので、彼が辞めるのはお金とか体力とかじゃなく、奥さんを愛するが故の決断だったんだ、ということにしておきましょうw

今後アメコミ映画は世代交代という問題がキーワードになってくるはずです。今作ではそれをうまく活用した作りになっていたし、人気のあるキャラクターをしっかり終わらせることができた、いい例だったのではないでしょうか。

 

最期は泣けるし、いいはなシーサーだったんだけど、個人的にはあんな劇的にせずに淡々と物静かに進んでいくやり方でもよかったんじゃないかなぁと。あの乾いた荒野の風の音を感じたかったなぁ。

どうでもいいですが、道中で一泊する農家のマンソンさん。彼、「ER 緊急救命室」のベントン先生やってた人ですよね?

久々に見て懐かしい!!と勝手に心で叫んでました。

 

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

 

 

映画「20センチュリーウーマン」感想ネタバレあり解説 親の心子知らず、子の心親知らず。

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6月3日

20センチュリー・ウーマン

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T-REXの名曲、「20センチュリーボーイ」ではお前の20世紀は俺だぜ、俺はおまえのおもちゃだ!という内容の歌でしたが、それとかけたようなお話なのでしょうか。

あんたにとっての母親はあたしだけだぜ!!みたいな。きっとちがうだろうなw。

 今回これを見たいと思ったのは、公式ホームページがめちゃオシャレでアートなつくりに惚れてしまったためであり、予告見て云々てわけじゃないんです

それ以外にも、音楽がすごく物語を彩ってそうだったり、15歳って微妙なお年頃の男の子がどんな夏を過ごすのかってのを描くわけですから、こういうのを夏が訪れる前に見るってのがまたいいなぁと。

まぁ、前置きはこんくらいにして、早速鑑賞してまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

自身の父親を題材にした映画「人生はビギナーズ」が絶賛され、名を知らしめた監督が、今回は自身の母親を題材に製作。

1970年代後半の南カリフォルニアで、3人の女性と様々な経験をしていくうえで、大人へと成長していく少年を描く。

今作で批評家から絶賛評をもらい、その甲斐もあって今年度アカデミー賞脚本賞にノミネートされた。

 

20センチュリー・ウーマン

20センチュリー・ウーマン

  • アーティスト:サントラ,ロジャー・ニール
  • 出版社/メーカー:ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2017/05/24
  • メディア: CD
  • この商品を含むブログを見る
 

 

 

 

 

あらすじ

 

1979年、サンタバーバラ。

シングルマザーのドロシア(アネット・ベニング)は、思春期を迎える息子ジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)の教育に悩んでいた。

ある日ドロシアは、ルームシェアで暮らすパンクな写真家アビー(グレタ・ガーウィグ)と、近所に住む幼馴染で友達以上恋人未満の関係、ジュリー(エル・ファニング)に「複雑な時代を生きるのは難しい。彼を助けてやって。」とお願いする。

15歳のジェイミーと彼女たちの特別な夏が始まった。

(HPより抜粋)

 

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監督

監督は、マイク・ミルズ

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見よう見ようと思って何年も見ていなかった監督の前作「人生はビギナーズ」。

さすがに新作見る前にどんな作風なのか予習しておこうということで見てみました。

 

いや良かったよ!!

 

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 母の死後、ゲイをカミングアウトした父が、病気になりながらも人生を謳歌していく姿を、そばで見ながら自分自身の人生を見つめなおしていく息子の、恋の行方と成長を淡々と物語っていく作品。

 

ハイ、もうなんといっても犬がクソかわいい!!!父が飼っている犬を息子が引き継いで飼うんですが、とにかくかわいい。しゃべる(正確には黙った状態で字幕が出る)。留守番させると吼える。そんな犬を放っておけないユアンマクレガーがかわいいwでもって、戯れるメラニーロランが最高にかわいい。

 

物語もピアノジャズを主流とした音楽やどこかモダンアートな作風。やはりグラフィックデザイナーという肩書きも持っているからでしょうか。

はにかんでしまうような小さなユーモアから、幸せそうな光景が続くのに、常に主人公の悲しみが付きまとう。

たとえその瞬間が幸せだったとしても、どこかちらつく寂しさが潜んでいて、なんともいえない空気感。

始めからうまくいかないと思ってる人生を送ってる人に、小さなエールを送った映画です。

今作は監督自身の父を思った作品ですが、劇中の主人公の母親が「20センチュリーウーマン」に通じていそうな雰囲気だったので、それは鑑賞後の感想で言及したいと思います。

 

 

 

 

キャスト

シングルマザーのドロシアを演じるのは、アニット・ベニング。

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私の中で彼女の作品といえば「アメリカン・ビューティー」です。これ超好き!!

 

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 アメリカの中流家庭の闇をシニカルに綴った、ミステリー調のお話。これをイギリス人のサムメンデスが監督してるってのが既に面白い。

劇中に散らばる赤という赤にたくさんのメタファーが織り込まれており、シンメトリーを基調とした構図、あまりにもこぎれいな家屋が不気味さを漂わせ、ザ・アメリカの核家族の見せ掛けの幸せとそこに宿る孤独を、無駄に美しく描いてます。

娘の友達に本気で恋するハゲ親父のケビンスペイシーが、少しずつマッチョになったり、妻のご機嫌取りをやめ、急に俺様気取りになる様は痛快。

そんな夫に、すでにでかいのに豊胸願望の娘が明らかにミスキャストなのがウケるし、妻のアネットベニングも成功したい願望から不倫に走り、隣家の軍人親父と、その親父の前ではいい子ちゃんだけど悪いことし放題の息子。

みんなみんな仮面をつけて過ごし、その仮面がはがれたときの清々しさが面白い。

 

個人的にはオールタイムベスト級に好きなので、アネットつながりではありますが是非見て欲しい1本です。

 

 

ちなみにアネットはこの作品でアカデミー賞主演女優賞にノミネートしています

 

 

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

ルームシェアしている女写真家アビー役には、「フランシス・ハ」(これも超好き)でお馴染みグレタ・ガーウィグ。

ドロシアの息子、ジェイミーの親友以上恋人未満ジュリー役に、「夜に生きる」「ネオンデーモン」など今年は出演作が立て続けに公開しているエル・ファニング。

ドロシアとアビーとつながりのある大工ウィリアム役に、「君が生きた証」「ウォッチメン」のビリー・クラタップ

ドロシアの息子で15歳の高校生ジェイミー役に、今後の活躍が期待されるルーカス・ジェイド・ズマンらが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

監督の作風が、前作で非常に好みだったことがわかり、ちょっと期待値が上がっております!!

果たしてジェイミーにとってどんな夏になるのか。今作もアートな内容なのか。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

前作同様アートチックな演出がキレイ!!!

母と息子物語以上に、フェミニズムな話だった!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

画はほんとキレイ。

「人生はビギナーズ」では、父と子の人生観の物語だったのに対し、今作はシングルマザーと息子のお互いを想うあまり、思いのすれ違いを描いた物語でありました。

 

特に目が行ったのは、お話し云々の前に、サンタバーバラの街並や、登場人物たちのファッション、小物や、音楽などなど、あらゆる所で監督の演出が際立っていたこと。

 

冒頭から見下ろす海辺の絶景はもちろん、その海沿いを走る車や、スケボーで遊ぶたまり場、浜辺、クラブ、バー、そして彼らが住む住居などを、デジタルな映像にもかかわらず、太陽の木漏れ日をうまく多用した、温もりのある映像や質感でした。

 

これ見たらサンタバーバラってどこにあるかわからないけど、今度旅行してみたい!!なんて思う女子が急増するんじゃないかってくらいキレイです。

 

そして前作同様、小物や当時の映像や写真、あらゆる画像をパッパッと映す、いつもの演出も今回登場。監督このパターン好きっすねw

 

そんな監督のこだわりはカットにも現れていて、オープニングでドロシアが長年愛用していた車が、スーパーの駐車場で燃えているカットも美しく。

車が走るシーンでは必ず七色のプリズムの残像で加工してたり、ジュリーがセラピーを受けている部屋をドアの外から映すカット(このカットは前作でも結構使われてました)、部屋の壁の配色、モノ思老い緒にふけるドロシア一つとっても何だかおしゃれに見えてしまう非常にアートでおしゃれな映画だったのではないでしょうか。

 

 

音楽も素晴らしい。

その物語の時代背景を非常にうまく演出していたのが音楽だったと思います。

今作では、ジャズとパンクロックが劇中で頻繁に流れていて、ジャズはドロシアがこよなく愛す音楽として、パンクロックはジェイミーやアビーがこよなく愛す音楽として、彼らが登場するたびに流れていました。

ジャズはルイ・アームストロングや、エンディングでの「カサブランカ」のテーマ曲としても有名な「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」などが流れており(序盤、親子二人でカサブランンカ見てるんですよ)、パンクロックはというと、劇中では軟弱派扱いされていたトーキング・ヘッズ、それとは対照的なハードコアバンド、ブラック・フラッグデヴィッド・ボウイなどが流れ、物語を彩っていました。

 

正直この時代の音楽にそこまで詳しくありませんが、パンクロックが現していた心情は、劇中でアビーが語っていたように、技術を情熱が上回ることで観衆に訴えていたとあって、思春期真っただ中のジェイミーや、病気に対して葛藤していたアビーの心情を代弁しているような使われ方をしていたと思います。

 

それに対しドロシアが聞いていたジャズは、どこか自分の幼い頃の時代を美化したような、ノスタルジックに浸っていたような、逆に今の時代って難しいなぁ、みたいなそんなドロシアの気持ちを代弁していたように思えます。

 

 

母と息子

そんな二人の溝を埋めるために、同居人であるアビーと、ジェイミーと親しくしているジュリーに、息子の親代わりになってほしいと頼むドロシア。

そもそもドロシアは、息子に対し寛容な教育をしていたように思えます。

息子が学校をさぼったら、なぜサボっちゃ悪いのか、とか、銀行の口座をまだ子供のジェイミー名義で作らせようとしたりだとか。

夜遊びしても頭ごなしに叱らない。むしろ今度はご飯作らなくて済むからで開ける前に一言言ってとか。

 

 

ただジェイミーが何を考えてるかわからなくなる事件が起こることで、ドロシアは考えてしまうわけです。

 

55歳のドロシアにとって、15歳の男の子をどう手なずけるか。ただでさえ難しい年ごろなのに、自分は3倍以上年を取っていることもネックになり、悩むのもしょうがない。

というわけで、2人に彼を託すわけですが、息子は息子でちゃんと成長しているんですよね、親の知らないところで。

 

逆に息子ジェイミーはジェイミーで、意外と自分の事を話さない、介入させてくれない母親に苛立ちを覚えていて、しかも親代わりを他人に頼んでしまう母親が分からなくなって余計に腹が立ってしまう。このすれ違いがなんとも歯がゆい。

タバコは体に毒とか言っておきながらなぜ自分はスパスパ吸ってるのか(タバコは粋だそうですw)、父親と離婚した後、なぜ新しい相手を探そうとしないのか、そんな人生でいいのかよお母ちゃん、と。

ジェイミーもジェイミーなりに母親の事を心配しているのになかなか伝わらないのがもどかしい。

 

この苛立ちを晴らすために、ジェイミーは外で色々なことに触れていきます。好きなパンクロックのライブに車でロサンゼルスまで足を運び見に行ったり、アビーに連れられ、クラブでビールをかっくらい、年上の女性と話してみたり、ジュリーと車で遠出したり。

そんな中で、ジェイミーは性に対し興味を持ち始めます。妊娠検査薬というものがあるということ、オーガズムとはどういうものなのか、なぜジュリーは誰彼構わずセックスに勤しむのか。

女性に対してのおもてなしとか接し方もアビーから教わったりなんかして。

 

この経験によって、イカセ自慢する男と揉めるって構図がまた面白いし、それを罪悪感なしに、お母さんにケンカの原因を話すってシーンはケタケタ笑ってしまいました。お前に恥じらいはないのかwwと。

 

まあこの年頃の男の子なら、この辺は無駄に熱心に勉強しちゃったりするわけで。でも、これ彼にとっていいことだったのは、男から教わるんじゃなくて、年上の女性から教わるっていうこと。

この経験は自分にはなかったので、ある意味彼の将来は、女性の視点に立って物事をおわかってあげられる起点にもなったんだろうなぁ、と想像しちゃいましたね。

 

 

だけど、こんなことに夢中になる母ドロシアはアビーやジュリーに対し、刺激が強すぎると嫌悪感を抱きます。

ここもまた難しいとこで、「立派な男にしてほしい」というドロシアからの大雑把なお願いを、アビーやジュリーは、性に対してやカッコイイ男に焦点をあてて教えていたんですよね。

きっとドロシアはそんなことじゃなく、外の世界にいるジェイミーが、道に外れないように正しく成長してくれるとを望んでいたんだと思うんだけど、実際はそっちの方ばかり夢中になっていくジェイミーを見て、いかん!と思ったんでしょう。

 

物語は、そんなすれ違いの母子が最後に理解し合えるひとときが訪れることで幕を閉じていきます。

決してドラマチックではないけれど、その一瞬は、当時の自分と母を見ているかのような、どこか懐かしくあり、どこか愛おしくある一瞬だと感じました。

 

 

 

最後に

ジェイミーの周りの女性たちや、同居していたウィリアムのこともきちんと描かれています。

子供が生めないかもしれないことに悩むアビー、家庭環境に悩み、男に走ってしまうジュリー、自分から積極的に女性と向き合えないウィリアム。

少ない登場人物たちの生い立ちや、焦点をあてる部分を複雑にせず、シンプルに描くことで丁寧に説明している部分が、非常に交換を持てる作りだったように思えます。

そこから見えるのは、いつまでたっても男は男の子な感じや、女性の逞しさ、素晴らしさといった女性讃歌。

 

監督は、自身の少年時代を基にこの映画を作ったそうですが、大人になった今、あの時育ててくれた女性たちを讃えたいと思い、作ったんだと思います。

 

そして世の思春期男子を持つお母さん方、この映画を見て安心してほしい、と思春期などとうに過ぎた私からのアドバイスでございますww

 

そしてもうひとつ。一緒に添い寝してくれる男性を求める、いわゆるソフレ男子を求める世の女性たちよ。あれは男をダメにするだけだ!

てか男ならそんなんで満足するな!

と、この映画を見て思いましたw

 

 

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★ 6/10

 

 

 

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