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モンキー的2019年11月期待の新作映画

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10月25日

モンキー的2019年11月期待の新作映画

 

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いやぁ~もう今年もあと2ヶ月ですか。

これから年末興行に向けて、大作がガンガン投下されていくので,忙しい日が続きそうです。

それにしてもスターウォーズ熱が全然入らないのは何でですかね…。情報が全然出てこないから?

 

とりあえずハロウィンにクリスマスよりも、東京国際映画祭にコミコンとSW!

今年はこれですな!あ、あとおれ誕生日だ・・・

はい、それではどうぞ~。

 

 

 

 

 

 

 

 

マチネの終わりに

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期待度☆☆☆★★

 

11月1日公開

 

  • 出演

 

蒔野聡史・・・福山雅治

小峰洋子・・・石田ゆり子

リチャード新藤・・・伊勢谷友介 ほか

 

  • 解説

 

東京、パリ、ニューヨークを舞台に音楽家とジャーナリストの愛の物語を描いた芥川賞作家・平野啓一郎の同名ベストセラー小説を福山雅治、石田ゆり子主演で映画化。パリでの公演を終えた世界的なクラシックギタリストの蒔野聡史は、パリの通信社に勤務するジャーナリストの小峰洋子と出会う。2人は出会った瞬間から惹かれ合い、心を通わせていくが、洋子には婚約者である新藤の存在があった。そのことを知りながらも、自身の思いを抑えきれない蒔野は洋子へ愛を告げる。しかし、40代の2人をとりまくさまざまな現実を前に、蒔野と洋子の思いはすれ違っていく……。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

福山と石田、二人合わせてもう100歳になるんですってよ。

50代の恋愛なんて見てもさぁ・・・なんて思うけど、この2人なら見たいよね~。

その辺のおっさんおばさんの恋愛なんて興味ないですし、映画だけは非現実的なものを浴びたいものです。

 

どこか「冷静と情熱のあいだ」にも通じそうなロケ―ションですよね。

いかにもフジテレビ製作って感じのラブストーリーになりそう。

マチネってなんですか?

 

 

 

 

IT イット THE END ❝それ❞が見えたら、終わり。

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期待度☆☆☆★★

 

11月1日公開

  • 出演

 

ペニーワイズ・・・ビル・スカルスガルド

ビル・・・ジェームズ・マカヴォイ

ベバリー・・・ジェシカ・チャスティン ほか

 

  • 解説

 

 スティーブン・キングの小説「IT」を映画化し、世界各国で大ヒットを飛ばしたホラー「IT イット “それ”が見えたら、終わり。」の続編にして完結編。前作から27年後を舞台に、ビル、ベバリーら大人になった「ルーザーズ・クラブ」の面々が、再び「それ」と対峙するさまを描く。小さな田舎町で再び連続児童失踪事件が起こり、「COME HOME COME HOME(帰っておいで……)」という、「それ」からの不穏なメッセージが届く。幼少時代に「それ」の恐怖から生き延びたルーザーズ・クラブの仲間たちは、27年前に誓った約束を果たすため、町に戻ることを決意するが……。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

何と今回の続編、上映時間が169分もあるってことで、ジャンル的にホラーとはいえ、そんなに尺使う必要ある!?ってことの方に少々疑問なんですが。

全作観た時に、周りのお客さんがティーンズばかりってのもあって、驚いたら喋る、驚いたら喋るの繰り返しで、何なんだよ、いちいちリアクションの後共有しないと映画見れないのかよ!!と不満の残った鑑賞でして…。

それだけ世間の子供たちは、この映画に惹かれてるって証拠なんですけど、とりあえず驚いたら喋らずに黙ってスクリーンに集中してほしいですね。

驚いて喋りたいならお化け屋敷に行ってください、絶好の場所ですよ。

 

さて作品ですが、27年後にルーザーズクラブが集結するようで、まさかマカヴォイとジェシカが出てくるなんて誰が想像したでしょう。

一体ペニーワイズとは何者なのか、おさらいしないと思い出せないことが多すぎる・・・

キングらしい青春の切り取り部分にも期待ですな。

 

 

 

 

最初の晩餐

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期待度☆☆☆★★

 

11月1日公開

 

  • 出演

 

東麟太郎・・・染谷将太

北島(東)美也子・・・戸田恵梨香

東シュン・・・窪塚洋介 ほか 

 

  • 解説

 

 父を亡くした家族が通夜に出てきたある料理をきっかけに父と家族の時間を取り戻す姿を、染谷将太主演で描いたドラマ。父の日登志が亡くなり、カメラマンの東麟太郎は葬儀のために故郷に帰ってきた。通夜の準備を進める中、母のアキコが通夜ぶるまいの弁当を勝手にキャンセルし、自分で料理を作ると言い出す。母が運んできた料理は目玉焼きだった。母が作る数々の手料理を食べていく中で、家族のさまざまな思い出が去来していく。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

ご飯を通じて家族の幸せな日々を思い出していく。

死者を送る日に、その人との思い出をこういう形で引き出して心を通わせていく話ってのに今回惹かれて、見てみようかと。

 

どうでもいいんですけど、うちの親父がですね、よく日曜日に俺の昼飯でチャーハン作ってくれたんですよ。バカ盛りの。3合くらいあったんじゃね?

味付けがね~オカンと違って濃ゆいんですよ。

塩とか故障とか鶏がらスープの素とか、きっと目分量なんですよね。

で、具材も均等に切れてなかったり炒めすぎだったり米パラパラじゃなかったり。

まぁお世辞でも誰かに食べさせたいものではなかったんです。

でも、だるそうに昼前に起きて、黙って「食え!」って出されて、いやいや寝起きでこの量は・・・とか思いながら全部平らげるんですよ、おれ。

今でこそわだかまりなんてないけど、高校の頃、そこまで面と向かって会話をしていなかった俺の数少ないオヤジとの交流は、そんなそこまでうまくもないチャーハンでした。

なんで、もしオヤジが死んだら、通夜ぶるまいはこのチャーハンを俺が作るってことでw

まだ生きてるから縁起でもないかw

 

 

 

 

ターミ・ネーター/ニュー・フェイト

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期待度☆☆☆★★

 

11月8日公開

 

  • 出演

 

T-800・・・アーノルド・シュワルツネッガー

サラ・コナー・・・リンダ・ハミルトン

グレイス・・・マッケンジー・デイビス ほか 

 

  • 解説

 

 ジェームズ・キャメロンが生み出したSFアクション「ターミネーター」のシリーズ通算6作目で、キャメロンが直接手がけ、名作として人気の高い「ターミネーター2」の正当な続編として描かれる。キャメロンがプロデューサーとなり、「ターミネーター2」以来にシリーズの製作へ復帰。「デッドプール」を大ヒットさせたティム・ミラー監督が、新たにメガホンをとった。人類滅亡の日である「審判の日」は回避されたと思われたが、まだ危機は去っていなかった。人類の命運を握る女性ダニーを守る謎の戦士グレースと、ダニーの命を狙う最新型ターミネーター「REV-9」が壮絶な攻防を繰り広げる中、彼らの目の前にサラ・コナーとT-800が姿を現す。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

これまで何度も2の続編を作っては失敗に終わってきたターミネーター。

やり続けるたびに、ターミネーター自体の評判を落としているように感じてしまいますが、まぁこれまでの続編はパラレルワールド的な感覚で見るべきかと思います。

もう一つの未来、的な。

ですが、今回はリンダ・ハミルトンに、ジョン役のエドワード・ファーロングが出演するってことですから、これはもうキャスティングの時点で正当な2の続編にするのではないかと。泣いても笑っても。

 

新しい運命ってことで、結局審判の日を回避したは良いけど、運命を変えることはできなかったってのがあらすじのよう。

そして現れる人類の命運をかけた少女の登場に、新しいターミネーター。

あれ、ジョンを守るのが最優先だったと思うんですけど、別の人がまたカギになるわけ?

もうわけわからんわ、また2を見よう。何度見てもいいよね、2。

 

 

 

ひとよ

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期待度☆☆☆☆★

 

11月8日公開

 

  • 出演

 

稲村雄二・・・佐藤健

稲村大樹・・・鈴木良平

稲村園子・・・松岡茉優 ほか 

 

  • 解説

 

 女優で劇作家、演出家の桑原裕子が主宰する「劇団KAKUTA」が2011年に初演した舞台を佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優、田中裕子の出演、「孤狼の血」の白石和彌監督のメガホンで映画化。タクシー会社を営む稲村家の母こはるが、愛した夫を殺害した。最愛の3人の子どもたちの幸せのためと信じての犯行だった。こはるは子どもたちに15年後の再会を誓い、家を去った。運命を大きく狂わされた次男・雄二、長男・大樹、長女・園子、残された3人の兄妹は、事件のあったあの晩から、心に抱えた傷を隠しながら人生を歩んでいた。そして15年の月日が流れ、3人のもとに母こはるが帰ってきた。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

白石監督は、一体いつ休んでいるんだろう、そう思うくらいハイペースで作品制作していますよね。

まだ「凪待ち」の記憶が新しい中で、どうやってスケジュール調整してるのか、創作意欲がわくのか、全く見当もつきません。

そろそろ彼に大きな予算を上げて、面白いものを作っていただける配給会社はいないものか。

 

正直、親のせいで人生を狂わされていくお話って結構あると思うんですけど、それとどう区別と付けてラストに持っていくのか期待であります。

きっと母の想いを知った兄妹の心の機微を丁寧に映し出すと思うんですけども。

まぁ後はメンツですよね。

まだ「蜜蜂と遠雷」が公開してるのに出演の松岡茉優に、渋い佐藤健。鈴木良平なんていつぶりに見るんだろう。田中裕子なんてもっとだよ。

良いメンツだなぁ。

監督はそういうところが恵まれてるよなぁ。

 

 

 

影踏み

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 期待度☆☆☆★★

 

11月15日公開

 

  • 出演

 

真壁修一・・・山崎まさよし

安西久子・・・尾野真知子

啓二・・・北村拓海 ほか 

 

  • 解説

 

 「64 ロクヨン」「クライマーズ・ハイ」などで知られる作家・横山秀夫の小説を、歌手の山崎まさよしが「8月のクリスマス」以来14年ぶりの主演を務めて映画化。住人が寝静まった深夜の民家に侵入して盗みを働く、通称「ノビ師」と呼ばれる泥棒の真壁修一は、忍び込みの技術の巧みさから、警察から「ノビカベ」とあだ名されるほどの凄腕ノビ師だった。そんな真壁は、ある日の深夜、県議会議員の自宅に忍び込むが、そこで偶然、未遂となる放火殺人現場を目撃。これをきっかけに、真壁がずっと心の底に押し込めていた20年前の事件の記憶が呼び覚まされ……。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

山崎まさよしって歌手じゃん!俳優なんてやって大丈夫?と思う人も多いでしょう。

実はだいぶ前ですが「月とキャベツ」という映画で主演をしており、しかも今作の監督はその映画を撮った篠原監督。

久々のタッグってわけですね~。

でもこの題材で山崎まさよしってちょっと厳しいかなぁ…イメージがなぁ…

歳を重ねて貫禄が出てるから雰囲気は良いんだけども。

ちょっと心配。

話は横山秀夫原作だから、面白いとは思いますが。

 

影踏みってのはあれですかね、過去を踏むって意味なのかな?

 

 

 

ブライトバーン/恐怖の拡散者

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期待度☆☆☆☆★

 

11月15日公開

 

  • 出演

 

トーリ・・・エリザベス・バンクス

カイル・・・デビッド・デンマン

マット・ジョーンズ ほか 

 

  • 解説

 

 「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のジェームズ・ガンが製作を務め、SF、ホラー、サスペンス、ドラマなどさまざまなジャンルをミックスして描いた一作。母親になる夢を抱いているものの、なかなか子どもができずに悩んでいたトーリのもとに、ある時、謎めいた赤ちゃんがやってくる。赤ちゃんはブランドンと名づけられ、聡明で才能にあふれ、好奇心旺盛な子どもへと成長。トーリと夫カイルにとっても、かけがえのない存在になっていく。しかし、12歳になったブランドンは、普通の人にはない異常な力を発揮し始め、やがて米カンザス州ブライトバーンの町をかつてない恐怖に陥れていく。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

ジェームズ・ガンは監督でなく製作なのですが、なかなか評判がいいので、今回鑑賞しようかと。

スーパーパワーを持った子がその力を正義のためでなく私利私欲のために使ったら、という自分が反抗期だったら絶対使いまくっていたであろうお話。

凄くバッドエンドな予感がしますし、多分彼の抑止力みたいな存在が現れてもいけない気がするし、何より彼の良心を信じるしかないっていうくらい望みの薄い内容にしてほしいなぁと。

その方がドキドキするじゃん!

 

 

 

アナと雪の女王2

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期待度☆☆☆★★

 

11月22日公開

 

  • 声の出演

 

エルサ・・・イディナ・メンゼル /松たか子

アナ・・・クリステン・ベル/神田沙也加

クリストフ・・・ジョナサン・フロフ/原慎一郎 ほか

 

  • 解説

 

世界中で社会現象を巻き起こし、日本でも歴代3位となる興行収入255億円を記録した大ヒットディズニーアニメ「アナと雪の女王」の続編。雪と氷に覆われたアレンデール王国に陽光を取り戻し、深い絆で結ばれた姉エルサと妹アナ。氷や雪を操る魔法の力を持つ“ありのままの自分”を受け入れたエルサと、明るいキャラクターが持ち前のアナは、仲間たちに囲まれて幸せな毎日を過ごしていた。そんなある日、エルサにしか聞こえない不思議な歌声により、姉妹は未知の世界へと導かれる。それは、エルサの魔法の力の秘密を解き明かす冒険の始まりだった。姉妹は仲間のオラフやクリストフとともに、数々の試練に立ち向かっていく。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

早くも続編が製作され話題だったアナ雪。

日本で爆大ヒットしたこともあり、春休みでなく年末興行に繰り上がりのようですね。

とはいういものの、私前作観てません…当時はまだアニメーション映画なんざ!ってクソ野郎だったもんで…

 

あとこれ性格の問題なんですけど、話題になった作品やらコンテンツやら後ノリするの凄く嫌いでw

そのアンテナを受信していなかった自分の不甲斐なさと、流行に乗っかることへの恥じらいといいますか。

だからよく、モンキーさんこれ面白かったから見たほうがいいよ!って言われるの、実は嫌なんですよ・・・w

特に新作映画ねw

なんてわがままなんだ!死んでくれ俺のこの曲がった性格!

 

あ、アナ雪ね。

ありのままの~の歌しか自分、情報持ってないもんで、とりあえずHDDに入ってる前作をそのうち見てから挑む次第です、はい。

 

 

 

決算!忠臣蔵

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期待度☆☆☆★★

 

11月22日公開

 

  • 出演

 

大石内蔵助・・・堤真一

矢頭長助・・岡村隆史

大高源五・・・濱田岳 ほか

 

  • 解説

 

 「忠臣蔵」を題材に、限られた予算の中で仇討を果たそうとする赤穂浪士たちの苦労を描いた時代劇コメディ。堤真一と岡村隆史がダブル主演し、監督・脚本を「殿、利息でござる!」の中村義洋が務めた。元禄14年3月14日。清廉潔白な赤穂藩主・浅野内匠頭は、かねて賄賂まみれだった吉良上野介に江戸城内で斬りかかり、即日切腹を言い渡される。突如として藩主を亡くした赤穂藩士たちは路頭に迷うこととなり、筆頭家老の大石内蔵助は勘定方の矢頭長助の力を借りて財源の確保などに努めるが、そうした努力や幕府への働きかけも虚しく、お家再興の夢は絶たれてしまう。それでも一向に討ち入る様子のない内蔵助だったが、江戸の庶民たちは吉良への仇討を熱望。しかし討ち入りするにも予算が必要で、その上限の都合上、討ち入りのチャンスは1回きり。予算内で仇討を成功させるべく奮闘する浪士たちだったが……。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

昨今続く、金ない藩が設定の時代劇ブーム、一体いつまで続くんですかね。

思いつくだけで「超高速!参勤交代」、「殿、利息でござる」、「引っ越し大名」、下手したら「武士の家計簿」まで入るんじゃないかってくらい、ホント多い。

これあれか!映画の予算に苦しむ製作陣の、配給会社への皮肉が込められてるのか!

潤沢な予算さえあればめちゃめちゃ大掛かりで面白い時代劇なんぼでも作れるのに、みたいな!違うか!

 

てか時代劇はいつからコメディとセットでないとお客さんが入らないんだろう。

まぁ俺も行ってないからなぁ…痛快なアクション時代劇とかやってほしいんだけどなぁ。

 

ガッツリ吉本とジャニーズが混ざったキャスティングなので、メンツ的には面白いんでしょう。

まだ見るか決めかねてます!

 

 

 

ゾンビランド ダブルタップ

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期待度☆☆☆☆★

 

11月22日公開

 

  • 出演

 

タラハシー・・・ウディ・ハレルソン

コロンバス・・・ジェシー・アイゼンバーグ

ウィチタ・・・エマ・ストーン ほか

 

  • 解説

 

ゾンビが蔓延した世界を舞台に、自ら編み出した「生き残るための32のルール」を実践する引きこもりの青年を描いた人気ゾンビコメディ「ゾンビランド」の10年ぶりとなる続編。爆発的なウィルス感染によって地球上の人類がゾンビと化したなか、コロンバス、タラハシー、ウィチタ、リトルロックの4人は、コロンバスが作り上げたルールに従い、10年にわたってゾンビ社会を生き抜いていた。そして2019年、地球上のゾンビたちが、パワーもスピードもレベルアップした新種へと進化。そのほかの生存者を仲間に加えたコロンバスたちは、ルールさえ守れば何でもありな状態で、ゾンビたちをなぎ倒していくが……。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

まさかの再集結。というかなぜ再集結w

ゾンビものあるあるや、ビル・マーレイ本人出演で大爆笑級のコメディセンスを見せてくれたのが良い思い出です。

我々も死んだように生きてる奴らから逃れるために必死で生きてるようなもので、そういう意味じゃ彼らと変わらんのかな。さすがに襲われることないからぶった推すことはないですけども。

まぁまだゾンビにゃなりたくないなw

しかしアビゲイルちゃん、見るのいつぶりだろう…。

 

 

 

 

アイリッシュマン

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 期待度☆☆☆☆☆

 

11月27日配信

 

  • 出演

 

フランク・シーラン・・・ロバート・デ・ニーロ

ジミー・ホッファ・・・アル・パチーノ

ラッセル・ブファリーノ・・・ジョー・ペシ ほか

 

  • 解説

 

Netflix製作・配給による同作は、伝説的なマフィアであるラッセル・バッファリーノに仕えた実在の殺し屋で、1975年に失踪した全米トラック運転組合委員長ジミー・ホッファをはじめ、多くの殺人事件に関与したとされるフランク・“アイリッシュマン”・シーランの人生を描く犯罪ドラマ。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

はい、ようやく配信です。

長いこと待っておりましたよ、スコセッシのギャング映画!

デニーロ、パチーノはわかるとして、まさかのジョーペシ出演は涙モノじゃないですかね。

 

どうやら製作はだいぶかかったようですし、なんせ予算がかさんだせいで配給が離れたりと、かなりの難産だった模様。

だってよ?上映時間210分だってよ!!!

長いなぁ~wでもネトフリだからトイレ我慢しなくて済むか。

 

マーベルは映画じゃない発言で物議をかもしている最中ですが、こういう映画にお客さんが入ってくれないと、映画館は上映しない、配給会社はお金を出さない、結果マーベルのような映画ばかりになってしまう、映画の文化ってそれでいいのかい?と。

もちろんマーベルにはマーベルの良さがありますから、僕としてはどっち側の意見もわかるし、どっちの映画も見てほしい感じてほしいです。

 

話はそれましたが、久しぶりにグッドフェローズとか見ちゃおうかなぁ。あ、カジノ見てないんだった。それ見ようかな。

 

 

 

 

ドクター・スリープ

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期待度☆☆☆☆★

 

11月29日公開

 

  • 出演

 

ユアン・マクレガー

 レベッカ・ファーガソン

カイリー・カラン ほか

 

  • 解説

 

 スタンリー・キューブリック監督がスティーブン・キングの小説を原作に描いた傑作ホラー「シャイニング」の40年後を描いた続編。雪山のホテルでの惨劇を生き残り大人へと成長したダニーを主人公に、新たな恐怖を描く。40年前、狂った父親に殺されかけるという壮絶な体験を生き延びたダニーは、トラウマを抱え、大人になったいまも人を避けるように孤独に生きていた。そんな彼の周囲で児童ばかりを狙った不可解な連続殺人事件が発生し、あわせて不思議な力をもった謎の少女が現れる。その力で事件を目撃してしまったという少女とともに、ダニーは事件を追うが、その中で40年前の惨劇が起きたホテルへとたどり着く。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

いやぁすごいですね、来月はキングで始まってキングで終わるって人多いんじゃないでしょうか。

これも何故続編なんて!って思っちゃうんですけど、あのオーバールックホテルの中や不穏な劇伴を聞いてしまうと見てみたくなるというか。

あ~怖いw

レディプレイヤー1の劇中でもシャイニングが使われてましたよね。あれきっかけで見たって人もいるだろうから、さぞ人気だろうな今回。

個人的には、ニコルソンもシェリーデュバルも出てきてくれたらいいなぁ…無理か。

 

 

 

 

 

その他の話題作

  • 1日公開

・閉鎖病棟 それぞれの朝(帚木蓬生のベストセラー小説を綾野剛らで映画化)

・CLIMAX クライマックス(ギャスパー・ノエ監督最新作)

・ブラック校則(セクゾ・佐藤勝利とキンプリ・高橋海人主演の青春コメディ。ドラマと連動)

・マイ・ビューティフル・デイズ(ティモシー・シャラメのブレイク前の作品)

  • 8日公開

・永遠の門 ゴッホの見た未来(ジュリアン・シュナーベル監督×ウィレム・デフォー主演でゴッホを描く)

・グレタ(イザベル・ユペール、クロエ・モレッツ主演のサスペンス。)

・生理ちゃん(人気短編コミックを二階堂ふみ主演で映画化)

・残された者 北の極地(ミッツ・マケルセン主演のサバイバルヒューマンドラマ)

  • 15日公開

・エンド・オブ・ステイツ(ジェラルド・バトラーがシークレットサービスの男を演じる人気シリーズ最新作)

・オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁(役所広司主演の日中合作映画)

・地獄少女(白石晃士監督×玉城ティナ主演で送る人気アニメ実写化)

・ベル・カント とらわれのアリア(ジュリアン・ムーア×渡辺謙×加瀬亮)

・LORO 欲望のイタリア(パオロ・ソレンティーノ監督最新作)

  • 22日公開

・EXIT(少女時代・ユナも出演のパニックアクション。韓国で特大ヒット)

・ライフ・イット・セルフ 未来に続く物語(「THIS IS US36歳、これから」を製作指揮した監督が、ボブディランの名曲に合わせて送るヒューマンドラマ)

  • 29日公開

・シティー・ハンターTHE MOVIE 史上最香のミッション(人気コミックがまさかのフランスで実写化)

・MANRIKI(原作・脚本を芸人の永野、プロデューサーに斎藤工で構成されたクリエイター集団の映画化)

 

 

 

 

 

 

 

 

はい、私個人の予定としましては、東京国際映画祭で「フォードVSフェラーリ」を鑑賞予定です。

今回の映画祭で一番楽しみにしていた作品を、ブロガー仲間のMachinakaさんにゲットしてもらいました。

楽しみです!

あとは東京コミコンですかね。

今年は記事書くのはいいかな。

というわけで以上!あざっしたっ!!


映画「IT 2/イット 2 THE END それが見えたら終わり」感想ネタバレあり解説 記憶から逃れたら、終わり。

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11月1日

IT/イット THE END ❝それ❞が見えたら、終わり。

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ホラー映画の歴代興行収入ランキングを塗り替え、世界中で大ヒットを巻き起こした前作IT/イット ❝それ❞が見えたら、終わり。」。

 

とある町で忽然と姿を消した少年少女たちの行方を追うべく、「負け犬たち=ルーザーズクラブ」と称された男女7人が、それぞれの悩みや不安を抱えらながらも、謎のピエロ、❝ペニーワイズ❞が仕掛ける恐怖に立ち向かう青春ホラー映画。

 ❝それ❞=ペニーワイズは、行方不明の弟に、父の暴力に、誰もいない部屋の壁画に、執拗に薬の接種を強要する母に、両親の死に、不良少年に、ピエロにと少年少女らが抱く「怖いモノ」を可視化させ、恐怖を増幅させる恐ろしい人物。

 

なぜ❝それ❞は人をさらうのか、なぜ❝それ❝はピエロの姿をしているのか、なぜ❝それ❞は27年ごとに現れるのか。

 

前作で明かされなかった様々な謎が、今作でいよいよ明らかになる、そうです。

 

www.monkey1119.com

 怖い映画が苦手だと毎度の如く語っているものの、今作は怖さよりも、ルーザーズクラブが大人への階段を上るために「恐怖」を克服する通過儀礼のようなもの、そのためには互いを信じ勇気を振り絞って立ち向かうことで絆を深めていく青春映画、という見方が強く表れていたように思えます。

 

もちろんペニーワイズのフォルムもトラウマ級の怖さでありましたし(特に口を開いたときの不気味さたるや・・・)、町の過去を知っていくことで感じる戦慄など、怖さを煽る演出含め、つい叫んでしまう方たちの気持ちも十分理解できるクオリティでしたよね。

 

あれから27年後、ルーザーズクラブたちはどんな人生を過ごし、再び❝それ❞に立ち向かうのか。

ビルとベバリー、ベンの恋の行方や、他の子たちのその後も気になります。

 

今回上映時間が169分だそうで、なかなかのボリュ―ミーな長尺ホラーになりましたが、それだけ中身も濃厚な物語になっているのでしょう。

早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

作家スティーブン・キングが1986年に発表したホラー小説「IT」の実写映画完結編。

人間の「弱さ」に付け込む謎のピエロ、ペニーワイズに翻弄される人々を描く。

 

少年時代の前編にあたる前作「IT/イット ❝それ❞が見えたら、終わり」は、原作者の代表作としても知られる「スタンド・バイ・ミー」のホラー版とも称されるほどの世界的人気となった。

 

それから27年後の大人になった「現代」を描いた後編が今作にあたる。

現在と過去を交錯しながら描かれる今作は、前作で明らかにされなかった謎が、ついに明らかとなる。

 

まだ終わっていなかった、❝それ❝の恐怖に、ルーザーズクラブはピリオドを打つことができるのか。

前作を遥かに超える「恐怖」と、予想外の展開。

スティーブン・キングも大絶賛のホラーエンタテインメントが、ついに完結する。

 

 

 

IT(1) (文春文庫)

IT(1) (文春文庫)

 

 

 

 

 

あらすじ

 

静かな田舎町デリーで、27年前と同様の連続児童失踪事件が発生。

 

そんなある日、幼少時代に事件に見舞われ、真相に立ち向かったルーザーズ・クラブのメンバーの元に、「COME HOME COME HOME(帰っておいで…)」という不穏なメッセージが届く。

 

“それ”が再び現れたことを確信した彼らは、かつてかわした約束を守るべく、町に戻ることを決意する。(Movie Walkerより抜粋)

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは、前作に引き続きアンディ・ムスキエティ

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監督に関しては前作の感想で読んでいただくとして、今作は原作に大きなリスペクトを捧げながら、映画ならではの改変を脚本家と議論を重ねて作り上げたとのこと。

 

また、ルーザーズクラブ達には80年代風のセリフ回しでという注文や、大人役を演じるキャスト陣には、少年時代の役を演じている子たちを見て研究するようお願いしたとか、恐怖を映像化するインスピレーションは、幼いころに見た恐怖体験を今でも覚えているからこそできる、彼ならではの特技をインタビューで語っていました。

詳しくはこちらをどうぞ。

screenonline.jp

 

 

 

登場人物紹介

 

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  • ビル・デンブロウ(2016年)(ジェームズ・マカヴォイ)・・・ベストセラー作家。映画脚本家としても活躍。
  • ビル・デンブロウ(1989年)(ジェイデン・マーテル)・・・吃音を持つ。行方不明になった弟を探す。
  • ベバリー・マーシュ(2016年)(ジェシカ・チャスティン)・・・アパレルブランドを経営し業界で成功。
  • ベバリー・マーシュ(1989年)(ソフィア・リリス)・・・2人暮らしの父に怯える日々を過ごす。
  • リッチー・トージア(2016年)(ビル・ベイダー)・・・人気コメディアンとして活躍。
  • リッチー・トージア(1989年)(フィン・ウォルフハード)・・・早口のお調子者。分厚いメガネが特徴。
  • マイク・ハンロン(2016年)(イザイア・ムスタファ)・・・デリーの町に残り、事件の調査を続ける。
  • マイク・ハンロン(1989年)(チョーズン・ジェイコブズ)・・・火事で両親を失い、祖父の精肉業を手伝う。
  • ベン・ハンスコム(2016年)(ジェイ・ライアン)・・・有名建築家として成功。原料にも成功する。
  • ベン・ハンスコム(1989年)(ジェレミー・レイ・テイラー)・・・太った転校生。ベバリーに思いを寄せる。
  • エディ・カスプブラク(2016年)(ジェームズ・ランソン)・・・保険会社のビジネスマン。母と似た女性と結婚。
  • エディ・カスプブラク(1989年)(ジャック・ディラン・グレイザー)・・・神経過敏で喘息持ち。過保護な母に悩む。
  • スタンリー・ユリス(2016年)(アンディ・ビーン)・・・会計士。愛する妻と幸せな家庭を築く。
  • スタンリー・ユリス(1989年)(ワイアット・オレフ)・・・司祭の息子。ユダヤ教の成人式を控える。(以上HPより)
  • ペニーワイズ(ビル・スカルスガルド)・・・デリーの町で、27年ごとに人々を襲う謎のピエロ。

 

 

 

 

 

 

日本でも再び「IT」現象が巻き起こるのか!?

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

良いことも悪いことも、決して忘れず乗り越えろ。

あの頃の「けじめ」の物語でした!

・・・しかしスケールデカ過ぎてちょっとバカバカしく思ってしまったw

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「記憶」に縋る生き物。

デリーで過ごした日々などとうに忘れ、大人の人生を謳歌していたルーザーズクラブの面々が、27年ぶりにペニーワイズが繰り出す幻の恐怖に翻弄されるも、死闘と共に、目を背けていた過去、忘れていた過去と向き合っていく姿を描いた物語でした。

 

トラウマという言葉をよく使うこと、あると思います。

過去に精神的肉体的に衝撃を受けたことが、大人になった今でも心の中で大きな傷となってしまうことの呼称です。

僕も高校時代の授業中、極度の緊張が原因で、用を足してもトイレに行きたくなってしまうようになってしまい、だいぶ克服したものの、今でも静かな場所での人口密度の濃い空間は辛いです。

映画館で必ず通路側に座るのはそのためで、両側に人がいるだけで落ち着かないのです。

 

あくまで僕の例ですが、このように克服したとはいえ、心の奥底では、あの時の恐怖や傷はいつだってそこで眠っていて、いつ何時起きるかわからないのです。

 

では、どうすれば恐怖を克服し消し去ることができるのか。

それは恐怖に負けない心を作ることなんじゃないのかと。

凄く単純な結論だと思うんですけど、これまでずっと抱えてた恐怖に慣れること、それを怖いと認めながらも怯えないこと。

もしダメなら同じ境遇の仲間と気持ちを分かち合うことでもいい。

同じ考えの人と団結し結束することで、怖さを乗り越えることができる。

 

今回の映画は、前作でも語られた「恐怖に打ち勝つための術」というテーマを引き継ぎながらも、逃げることで恐怖を遠ざけたまま大人になった者へつきつけた作品だったのではないでしょうか。

 

またずっと抱えていた気持ちや、隠していた気持ちから目を背けていたことにも今作は言及していたように思えます。

外に吐き出すこともできないまま大人になると、それと向き合うことをせず自分を騙し続け、ラクな方へと進んでいってしまうことってあると思います。

それもある種の恐怖と言ってもいいのではないでしょうか。

 

記憶は何時しか都合のいいものへと変化し根付いてしまう。

記憶は都合の悪いことは無かったことにしてしまう。

記憶に縋ってしまうのが人間の性であるが故に、事実を捻じ曲げてしまうのはしょうがないけど、悪いことと一緒に良いことも消えてしまうなら、いっそその痛みも引き連れて大人になった方が、より素晴らしい人生を送れるのではないか。

今作はそういった「記憶」にまつわる物語だったように思えます。

 

 

詳細のあらすじ

移動遊園地で見かけたゲイのカップルに苛立ち、一人に暴行を加え川へ投げ落とす不良集団。

警察の捜索が続く中、無線を傍受したマイクは、現場へ駆けつけると橋の柱に大きく「帰って来い」の文字。

あれから27年の時が立ち、再びペニーワイズの悪行が動き出したことを察知したマイクは、ルーザーズクラブ達に、故郷へ帰ってくるよう連絡する。

 

ルーザーズクラブの面々も大人になり、それぞれの人生で成功してきたけれど、故郷を離れていたことで、デリーで過ごした日々を忘れていました。

 

マイクから呼び出されたことで、かつて左手に刻んだ誓いの古傷が痛んだ者もいれば、声を聞いた途端吐き出した者、運転中身体が固まり事故を起こしてしまった者、財布の中にずっとしまい込んでいた思いのカケラに気付いた者、突然思い立ち家を飛びだす者、そして過去の恐怖を拭うことができず自分を消し去る決心をする者。

 

27年前に誓った言葉を思い出し、るーざーずはデリーの町へ戻ってきます。

 

中華料理屋で再会し、昔話に花を咲かせていましたが、スタンリーだけ姿を見せません。

そこへ運ばれたフォーチュンクッキーを口にすると、奇妙な単語ばかりが書かれたおみくじが。

全員が口から出したおみくじの言葉を並べると「スタンリーは誓いを果たすことが出来なかった」という文章が完成。

するとフォーチュンクッキーは、不気味なバケモノへと変身し、ルーザーズに襲いかかります。

 

気味が悪くなり急いで家に帰ろうとする彼ら。

マイクは帰る前に見せたいものがあると、ビルを自分の住処へ連れていきます。

マイクは唯一デリーの町に残り、この呪われた町の真相を探っていました。

そして先住民から教わった方法で、❝それ❞を退治するために行う、記憶を掘り起こす儀式「チュードの儀式」を皆で実行しようと提案します。

 

説得の結果、ルーザーズは翌日街を散策し、当時の記憶を呼び起こす作業に徹します。

地下の秘密基地に訪れた彼らは、スタンリーとの思い出に浸ります。

 

儀式の前に、それぞれが記憶を燃やすためのアイテムを探し出すために、個別で行動するように。

 

ビルはかつて自分が乗っていた自転車「シルバー号」を購入し、自分が住んでいた家に。

弟ジョージ―が消えてしまった用水路を見つけ、あの時の悔しさと悲しさの記憶が蘇ります。

ペニーワイズが見せる幻覚からうまく逃れたビルは、ジョージ―の船を手に入れます。

 

リッチーは、ビルと喧嘩した後入り浸ったゲームセンターへ。

ゲームを通じて仲よくなった少年に,密かな思いを寄せたものの、悪ガキのリーダー・バグースのいとこだったことが理由で、追い出されてしまいます。

隠していたセクシャリティと向き合ってしまったリッチーは、ペニーワイズの幻覚によって、再び恐怖と対面する結果になり、再び帰る決意をしてしまいます。

 

エディはかつて通っていた薬局へ。

いつも使っていた喘息を抑える薬を処方してもらうも、囁く声に誘われて地下室へ。

そこでは母親が椅子に縛り付けられ、感染症を持っている不気味な男に襲われる場面に遭遇。

あまりの怖さに逃げ出してしまいますが、幻覚から覚めた途端、その男に再び襲われます。

撃退したはいいものの、ゲロまみれになり彼もまた皆がいるホテルへ急いで戻る羽目に。

 

ベバリーは自分が住んでいたアパートを訪ねると、老婆が住んでいること、前に住んでいたベバリーの父はすでに亡くなっていることを知らされます。

中にあがってお茶でもと促されたベバリーは、自分の部屋の壁の下に隠していたベンからの絵葉書を発見します。

しかし老婆の様子がヘンだと感じると、それはペニーワイズでした。

何とか逃げだすことに成功したベバリーはホテルへ急ぎます。

 

ベンは学校へ。

教室で幼いベバリーと遭遇し、いいムードになるも、それもペニーワイズの幻覚でした。

ベバリーへの淡い恋心を思い出したベンは、財布の中にずっとしまっていた卒業文集のサインページに唯一書かれたベバリーのサインを見つけ、ホテルに向かいます。

 

一方、警察官である父を殺害し、マイクによって井戸に突き落とされたバグーズは、あれから27年間刑務所の精神病棟で過ごしていました。

ある日、外を見ると赤い風船を発見したことで、再び狂気に駆られ、亡霊となった友人ホックステッカーの手引きによって脱走します。

 

彼の目的はルーザーズの排除。

ホテルで一段落していた彼らに襲いかかります。

エディがゲロまみれの顔を洗顔していると、彼の後ろにバグーズが。

右頬にぶすっとナイフを刺されたエディでしたが、シャワーカーテンの間から頬に刺さったままのナイフをバグーズの身体めがけてめった刺し。

彼を追い払うことに成功しますが、再び大きな恐怖を抱えてしまう結果に。

 

また図書館を訪れていたマイクも、その後バグーズに襲われますが、リッチーの一撃によって助けられます。

 

 

ビルは自分が住んでいた家に住んでいる少年の実が危ないことに気付き、彼が向かおうとしていた祭りの場所へ急行。

彼を発見しミラーハウスに向かいますが、少年もまたペニーワイズの魔の手にかかり、命を奪われてしまいます。

 

責任感の強いビルは、さらなる自戒の念に駆られ、単身ペニーワイズのいるペントハウスへ。

ビルを追いかけてきたルーザーズは、いよいよ儀式を始めるために井戸のある場所へ向かいます。

 

果たして儀式は成功するのか。

ペニーワイズを退治することはできるのか。

 

 

 

ホラー描写が微妙。

前作はホラー映画とはいえ、青春の要素が強かったことや、大人向けのホラー描写ではなかったことから、そこまでの怖さではありませんでしたが、今回はスケールがデカ過ぎることや、緊張と緩和のバランスを考えすぎていたこと、怖さを通り越してバカっぽく見えてしまうクリーチャーのビジュアルなどの点から、前作以上に微妙な怖さとなってました。

 

中華料理屋でフォーチュンクッキーから出てきたクリーチャー。

見た目は小さいけど人間の赤ちゃんの顔した蜘蛛のようなヤツが出てきたり、飛び交う虫状のヤツなどが登場するんですね。

これがどうみてもCGで見た目がそこまでよろしくなく、B級ホラーチックなんです。

 

前作はペニーワイズ以外にも、壁の絵に描かれた歪んだ顔の女だったり、感染症のただれた顔の男だったりと、あくまで人間のスタイルででてきたバケモノオンリーだったけですが、今作は急に人間以外のヘンテコなバケモノが登場してきたことで、ちょっと世界観がブレ過ぎじゃね?と違和感をもってしまうことに。

 

また少年時代のリッチーを公園の大きなモニュメントが襲ってくるシーンでは、あまりの大きさから怪獣チックな動きと襲い方になってたし、ベバリーの家に住んでいた老婆は、お茶を淹れるといった矢先に素っ裸でうろちょろしてたし(シャマランの「ヴィジット」を思い出したw)、ペントハウスの冷蔵庫から出てきたスタンリーの生首は、顔から足が生えて「遊星からの物体X」のクリーチャーみたいな、顔面蜘蛛みたいな既視感のあるビジュアルで、どれもこれも「イット」っぽくないなぁ、いやそれ通り越して合ってなさ過ぎて笑ってしまうデカさとビジュアル。

 

ペニーワイズに至っては、クライマックスで超巨大化して下半身が先の尖った足が何本もあるタコのようなフォルムで、それでいて上半身はそのまんまみたいな姿で、もうすべてがホラーの領域を越えて、モンスター映画になってしまっているというか。

 

で、怖さがあまり感じられなかった大きな理由の一つに、ギャグ描写が多彩だったことも挙げられます。

大人のリッチーを演じたのがビル・ベイダーってことで、かなり笑いの要素が多かったように思えます。

例えばペントハウスで全作でもあった「怖い」「普通に怖い」「全然怖くない」と書かれた3つの扉を開けるエディとリッチーってシーンで、「全然怖くない」扉を開けると子犬が出てくるんですが、後ろから襲われかけてるのに、結構な間を使って子犬いじりをしたりしてしまう辺りとか。

それこそアクションコメディとかでもよくある、ヤバイ状況にいちいちうまい一言入れるって演出も今回ビル・ベイダーが必ずやってましたね。

 

あくまで僕のこの映画への想いとして、やっぱり終始青春ホラーでいてほしかったのがあって、こういうユーモアとかギャグは求めてなかった、いや、あると思ってなかったので、蛇足だなぁとしか思えなくて。

この思いも結局のところ、笑い以上に怖さがあれば問題なかったんですけど、クリーチャーのビジュアル面が笑えてしまうから、全然笑いと怖さが相殺されない、むしろ笑わずにはいられない映画だったなぁと。

ホラーエンタテインメントにしたかった点は理解できますが、普通に怖さ求めりゃよかったんじゃね?と。

 

前作と比較した演出。

今作は前作で描かれたエピソードと似ていた点が多数ありました。

箇条書きですが、気づいたところを挙げていこうと思います。

 

  • 大人になったベバリーの旦那が、ベバリーの親父のようにDVだったこと。倒し方も足で腹蹴っ飛ばして、頭に陶器ぶつけてトドメさす構図は一緒でした。

 

  • ペントハウスに突入するシーン。自分のせいで巻き込んでしまった一連の騒動に申し訳なく思うビルにたいし、ベバリーが皆で戦おうと助けるのは、前作でもありました。オチもしっかりリッチーがつけてましたね。

 

  • 終盤のベバリー、当時隠れてタバコを吸っていたトイレの中に閉じ込められるんですが、そこで前作同様大量の血が流れてきます。

 

  • エディの奥さん、母親にそっくりどころか、母親役をしていた人が奥さんの役をやっていたのは笑えましたw

 

  • 最後のペニーワイズの撃退シーン。攻撃の仕方が違えど、皆で一斉に攻撃する姿は前作と同じ。

 

  • 採石場の高台から湖へ飛び込んで遊んだ少年時代。ラストでは5人が再びその場所に訪れ飛び込んでいきます。

 

あれ、意外と出てこねえ…

 

 

最後に

監督曰く「恐怖は人を分断させる、打ち勝つには結束が必要」と、今起きている社会へのメッセージとも取れる発言をしたそうで、この映画にもその要素はあったかと思うんですが、クライマックスこそ現れていたものの、それが前面に押し出されたような映画ではなかったように思えます。

 

また、子供時代の顔をCGで当時の顔に変えているのが見ていると分かるんですが、やはり違和感がある表情でしたし、シャンプーハットを被らせているのが、CGでいじり易くするための設定のようにしか見えなかったです。

 

そして長尺にもかかわらず子供時代のシーンが少なかったのはちょっと残念。

大人時代の描写は、ビル、ベン、ベバリー、にフォーカスをあてて、残りのメンバーはもっと短くても良かったよなぁと。

実際リッチーなんか前作でおしゃべりばかりで、彼の恐怖の部分なんか全然描いてなかったので、そこまで重要なメンバーにする理由が見当たらないというか。

まぁ今作は彼が活躍するから面白いってのも一理ありますけども。

 

あとなんだろ、前作で描かれなかった子供時代、特に秘密基地の件は一体どの時期に遊んだものなのかよくわかりませんでした。

ペニーワイズとの決着後なのか、失踪事件の最中の出来事なのか。

その辺の時系列がちょっとわかり辛くて、整理できなかったです。

 

どうでもいいんですけど、ペニーワイズの一件よりも、移動遊園地でゲイのカップルをボコボコにしする不良集団をペニーワイズに食われてほしかったなぁと。

あいつら結局なんなんだよ。

ペニーワイズいなくなってもあいつらはいるんですよね。

デリーの町は結局治安が悪いままってことでいいのかな?

 

あとサプライズゲストいましたね。

ビルの自転車売ってるおっさんがスティーブンキングで、ゲイのカップルでボコられる役が、まさかのグザヴィエ・ドラン監督!

どういう意図で出演したんだろう。

 

とにかく、僕の感想としては前作の良さと記録をちょっと台無しにしちゃったかなぁってのが率直な感想です。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆★★★★★★★3/10

映画「マチネの終わりに」感想ネタバレあり解説 未来で過去は変えられるって、ステキじゃないですか。

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11月1日

マチネの終わりに

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「出会ってしまった事実は、なかったことにはできない」

中々こんなこと口にするような大恋愛をしたことのない私モンキーが、今回鑑賞した映画は、久々の大人のラブストーリーです。

 いきなりなんですけど、洋邦問わず、ここ最近大作級の恋愛映画、なくないですか?

もしかしたら僕が興味なくてスルーしてるだけかもしれないんですけど、今作を見るにあたって、久しく見てないなぁってことに気付きまして。

 

いわゆるキラキラ映画とかは「センセイ君主」以降見てないですし、中高生が登場人物の恋愛モノになると、青春の要素が色濃く出てる気がして、恋愛のみの映画ってホント手を出してないなぁと。

洋画でも恋愛映画はヤングアダルト系ばかりが公開されてるイメージで、それしか見てない気もして。

 

ぶっちゃけ僕も結構な大人なので、こういう世代の恋愛映画も噛みしめなきゃいけないんだよなぁ、なんて、今更ながら感じております。

 

今回の映画、世界の風景をバックにしてる感じとか、佇まいとか切ない表情、悲哀さとか悲恋っぽいところが、なんとなくですけど90年代の大人のラブストーリーっぽく見えません?

今の時代っぽくない質感とか。

というか設定が「ビフォア~」シリーズ想像してしまう・・・。

その辺はきっと監督の作風から意識してるのかなぁ、って勝手に想像しております。

 

とにかく、肌寒くなるこの季節ぴったりの大人のロマンス映画、早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

パリ、ニューヨーク、東京の情緒あふれる三つの街を舞台に、人生半ばを迎える二人の男女の出会いと葛藤、抑えきれない愛を描いた恋愛映画。

 

芥川賞作家・平野啓一郎が、ラブストーリーでありながら、人生の苦悩や世界で巻き起こっている分断や対立といった、社会的な部分も取り入れ、登場人物の心情の変化を緻密に描くことで、6年に渡る物語を濃密なものにさせた代表作を映画化。

 

惹かれあっているにもかかわらず、二人の間を「運命」が遠ざけていく。

情熱と現実のはざまで揺れ動く、二人の愛の行方は。

 

音楽家とジャーナリストのたった三度の出会いがもたらす、切なくも美しい愛の物語です。

 

マチネの終わりに (文春文庫)

マチネの終わりに (文春文庫)

 

 

 

映画「マチネの終わりに」オリジナル・サウンドトラック

映画「マチネの終わりに」オリジナル・サウンドトラック

 

 

マチネの終わりに

マチネの終わりに

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

世界的クラシックギタリストの萌野聡史(福山雅治)は、公演の後、パリの通信社に勤務するジャーナリスト・小峰洋子(石田ゆり子)に出会う。

 

 ともに四十代という、独特で繊細な年齢を迎えていた。

 

出会った瞬間から、強く惹かれあい、心を通わせた2人。

 

洋子には婚約者がいることを知りながらも、高まる想いを抑えきれない萌野は、洋子への愛を告げる。

 

しかし、それぞれを取り巻く目まぐるしい現実に向き合う中で、萌野と洋子の間に思わぬ障害が生じ、二人の想いは決定的にすれ違ってしまう。

 

互いへの感情を心にしまったまま、別々の道を歩む2人がたどり着いた、愛の結末とは——(HPより抜粋)

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは、西谷弘

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主演の福山雅治とのタッグで複数のヒット作を手掛けてきた監督。

僕のイメージとしては、ヨーロッパの名画を現代的に取り入れているような作風、切ない心情をパッケージした映像と物語性、そして海外ロケw、って感じです。

 

フジテレビの社員さんてことで、これまで福山雅治と織田裕二を主演にした、社運をかけた作品が結構あるなぁってのも特徴でしょうか。

 

そんな彼の代表作をサクッとご紹介。

フジテレビのドラマ部で数々の作品を手掛けた実績を買われ、県庁のキャリア公務員が、三流スーパーで様々な違いを肌で感じることで、本当に大切なことを学んでいく「県庁の星」で監督デビュー。

その後も、冴えない人生を送る天才数学者の無償の愛故のトリックに、天才物理学者の主人公が挑む頭脳戦を描くと共に、犯人の切ない心情が深い余韻を残す「容疑者Xの献身」や、開発計画に揺れる海辺の町を舞台に、殺人事件に隠された悲しい過去と切ない人間模様を描いた「真夏の方程式」といった、大ヒットTVドラマ「ガリレオ」の劇場版を務めたことで有名に。

 

容疑者Xの献身

容疑者Xの献身

 

 

また、イタリアの世界遺産を舞台に、少女誘拐事件の解決に奔走する一人の外交官の活躍を壮大なスケールで描いた「アマルフィ 女神の報酬」、スペインを舞台に、インターポールの捜査官とともに巨大な国際犯罪に立ち向かうことになる外交官の姿を描いた「アンダルシア 女神の報復」など、「踊る大捜査線」シリーズの織田裕二が、新たなキャラを確立した作品にも一役買っています。

 

 

最近では、互いに妻と夫をもちながらも不倫を重ねる男女の情事と運命を描き、話題を呼んだTVドラマのその後を綴った「昼顔」も手掛けています。

どれもドラマと映画で差別化を図っているかのような作風が印象的な監督です。

 

 

 

登場人物紹介

 

  • 萌野聡史(福山雅治)・・・世界的なクラシックギタリスト。若くして国内外で認められる演奏家となったが、デビュー20周年を迎えた今、自分の音楽を見失い苦悩する。
  • 小峰洋子(石田ゆり子)・・・パリの通信社に勤務するジャーナリスト。知性と正義感を持った優秀な記者で、繊細な感性を併せ持つ。日系アメリカ人の婚約者がいる。
  • リチャード新藤(伊勢谷友介)・・・洋子の婚約者。アメリカで経済学者として活躍。結婚のため、洋子をニューヨークへと誘う。
  • 三谷早苗(井ユキ)・・・萌野のマネージャー。仕事を越え、萌野が生み出す音楽と才能に入れ込む。
  • 中村奏(木南晴夏)・・・祖父江の娘。幼いころから萌野を知る。結婚後も、一人で暮らす父を気にかけている。
  • 小峰信子(風吹ジュン)・・・長崎に住む洋子の母。世界的に有名な映画監督であるイェルコ・ソリッチの妻。
  • 是永慶子(板谷由夏)・・・萌野を担当するジュピターレコードの社員。古くからの友人である洋子を萌野のコンサートへ誘う。
  • 祖父江誠一(古谷一行)・・・萌野の師である、クラシックギター界の巨匠。萌野が十代の頃から、その才能を高く評価し、弟子に迎える。(以上HPより)

 

 

 

 

 

 

 

独身四十代の恋。

仕事のキャリアも積み、責任や負担が大きく重なる一方で、生活の自由度も高くなる年代なのかな、と想像してしまいますが、その中で二人がどんな恋愛をし、運命に翻弄されるのか。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

未来が過去を変える。

すれ違いの恋愛描写がベタな展開だけど、小説を読んでいるかのような心地よさが残るラブストーリーでした!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

人生を貫通するほどの影響を及ぼすほど恋しい人。

加齢によってキャリアの壁にぶつかるクラシックギタリストの前に安らぎを与える女性ジャーナリストとの、6年間計3回に及ぶ出会いと告白とすれ違いの恋愛模様を、ごくありふれた展開ではあるものの、純文学ならではの美しく哲学的なセリフと、水を打つような静寂にそっと寄り添うように流れるクラシックギターの劇伴、3つの都市の彩り溢れる季節の情景によって描かれ、絵画を切り取ったような映像の数々が上質な大人の恋愛を醸し出し、儚さと美しさに心奪われる作品でありました。

 

正直誰にも共感しないし、どこにも感情移入しない映画ではありましたが、作品全体という大まかな部分から、ギターを抑える指の震えといった細部に至るまで、上品な大人の映画だったなぁという印象を受けました。

 

エピソードの導入部分とか、ごく些細な会話だったりするんですよね。

「新幹線で出会った音楽評論家」の話や、「祖母の死因が自分の大切な記憶」だった話、「20歳の新鋭ギタリスト」の件などなど、入り口は大した話じゃないのに、どんどん萌野の考えてることや価値観といった人物像にフォーカスしていって、それを上手に返す洋子とのやりとりから、やがて他者との関わりがどれだけ自分を鼓舞する存在であるのか、とか、人生を生きる上でこれ以上の意味はないんじゃないか、みたいな、どれもステキなセリフが散りばめられていて、小説を読んでいるような気分でした。

 

代表的な言葉で言えば、「未来は過去を変えられる」という人生観。

洋子は祖母の葬儀のために帰省し、そのついでで萌野のコンサートに赴く形となったんですが、参加した打ち上げの席で、なぜ祖母が亡くなったのかを語るんですね。

幼少の頃自分がいつも台にして遊んでいた大きな石に、頭をぶつけたことが死因だったことを告げるんですけど、その話を横で聞いていた萌野は、これまで大切にしていた思い出が、祖母の死によって全く別の記憶としてすり替わってしまった、だから何とも言えない気持ちになっているのではないか、と言及するんです。

過去として記憶していた物事が、時を経て別の過去に変わる。

良いことであれ悪いことであれ、記憶という概念も様々な時間の経過によって、生まれ変わるのではないか、と。

下手なたとえで言うと、今まで嫌いだったピーマンが歳を重ねて食べられることで、あれだけお母さんに食べさせられた苦痛の日々も、いい思い出として記憶されるんじゃないか、と。

下手だなぁw

 

まぁこの「未来は過去を変えられる」という言葉が、物語の根幹を捉えていた言葉だったように思えます。

 

 

他にも、なぜジャーナリストになったのかを問われた洋子のシーン。

特に理由もなく始めた仕事ではあったものの、パリ生活の目の前で起きたテロを通じて、自分の人生を貫通するような出来事がジャーナリストとしてのやりがいであると同時に、時にそれは銃弾に形を変えて貫通することもあるという恐ろしさを感じた、みたいなことを語るんですね。

それに対し萌野は、突然の告白をしだし、あなたと出会ってしまった事実は変えることはできない、あなたは僕の人生を貫通した、いやまだ心に埋もれたままだ、みたいな返しをするんですね。

僕もまぁそこそこの年齢ですけど、こんなうまい返ししたり、詩的なでインテリジェンスな会話できませんよw

告白の時も、あなたが死んだら僕も死ぬ、あなたが自殺したら僕も後を追うって萌野が言うんですけど、そんな大胆なこと福山雅治だから成立するんだよなぁ。。。と、自分の顔の醜さを恨んだくらいw

俺も言っていいなら言うわw

まぁこの後にそれがどういう意味を意図したものなのかをちゃんと付け加えることで、すごく小説的な形になるんですけどね。

 

 

あとね、洋子の同僚がケガした見舞いで洋子の家を訪れるシーン。

彼女のために、人を笑顔にする1番の方法ってなんだかわかります?って質問した後にポトフを作ったり、それでもゴキゲン斜めだったので、じゃあ2番目は?ってことでギターを演奏して心に安らぎとぬくもりを与えるんですね。

こうして誰かの心に影響を与えることができた萌野だったんですが、その日のコンサートは洋子が来ていないことがきっかけで、演奏中どんどん暗闇の中へ入ってしまい静寂に押しつぶされそうになって、途中で演奏を辞めてしまうという失態を犯してしまうんです。

 

ここに関しては「ライブ演奏あるある」でもあるんですけど、キャリア初めの頃って、オーディエンスが応援しようが聞いてなかろうが、俺の歌を聞け!って一方的な思いと若さみなぎるがむしゃらなやり方で、全然平気だったんですけど、いつからかキャリアを積んでお客さんも入るようになってくると、オーディエンスの顔色を窺って身動き取れなくなる時があるんですよ。

歌に演奏に集中しなきゃいけないのに、自分の前にはその歌を黙って聞いている人がいるってビジョンが目に飛び込んでくると、あれ?ちゃんと伝わってるかな?今日のおれの歌ダメなのかな…みたいな雑念が生まれてしまって、歌詞が飛んでしまう、いつものペースで演奏できなくなるってことがあるんですよ。

萌野くらいの年齢と人気とキャリアから考えると、よほどの余裕があると思うんですけど、その開いた隙間に様々な雑念が生まれるんですよね。

尚且つ加齢による衰えなんかも加わって、色々悩んでしまいがちになったり、疲労が取れなかったり、新しい何かを生み出そうとしても生み出せないジレンマに苛まれて、みたいな。

 

話が逸れちゃいましたけど、その日そういう出来事があって凹んでいたわけです。

また、リハで挨拶した20歳のクラシックギタリストに握手を求めた際、「あなたの事は知ってます」で終わってしまったことにも触れ、世界的に活躍してる自分が、20歳近く離れた同業者に褒めもされず貶すこともされないことに深く傷ついてしまうんですね。

影響力を与えるクリエイターであるはずなのに、影響を与えてないってことは孤独に等しいんじゃないかと。

 

消沈している萌野に対し、洋子は今日のように誰かの心を癒す役目を果たしているあなたは、決して影響力の無い人ではない、現にテロで恐怖に捉われていた自分はあなたの弾くバッハで救われた、そして今自分の人生に多大な影響を与えている、みたいなことを語るんですね。

 

こういうやりとりって、ガキンチョたちが勢いでするような恋愛でなくて、その人となりを見極めるであろう言葉のチョイスや語り口の妙、または二人の思想を共有することで建設的に気持ちを高めていく姿が、マジ大人!って感じで、高い経験値のある二人だからこそ、切なく儚く美しいラブストーリーだったんだなぁって、スクリーンを見つめながら思いました。

 

 

恋愛はタイミングだよなぁ。

突然ですが、いつだったか「グータンヌーボ2」で田中みな実が、3回デートして恋愛が発展しなければ、相手とは脈がない、みたいなことを言っていたんですね。

その場その場は楽しいけれど、互いが次のステップへ踏み込むことが出来なけれれば、このままズルズル引きずってデートを繰り返しても、万が一結ばれるようなことがあったとしても、必ず相手とのタイミングのズレが予期せぬすれ違いを生むことになるだろうから、それ以上の付き合いはしない、みたいな。

 

何というかすごく理にかなった恋愛論だなぁって、この時自分は見ていて思ってたんですけど、今回の映画もそんな「タイミング」がポイントなラブストーリーだったなぁと。

 

 

仕事に悩んだとき、その穴を埋めるモノが異性だとしたら、パリだろうがニューヨークだろうが追いかけてしまう衝動も、規模は違えどあったりしますし、それが時に依存してしまう時だってあります。

萌野が音楽活動を辞めた理由はギターが嫌になったから、と随分と我儘なこといってましたけど、あの時の彼はきっと明確に辞めたい理由を噤んでいたか、ぼんやりとあるけどそれがなんなのかわからなかったのか、見えそうで見えない部分でしたけど、結果的に理由は洋子への想いだったわけですよね。

 

だから2回目の再会での告白は、自分の人生を歩んでいく上での避けて通れないポイントだったと思うんです。

洋子と出会ってからは過去は現実でのものでなくなったとまで言ってましたから、その過去を現実するには彼女の存在は不可欠だと。

何でしょう絶妙のタイミングとでもいいましょうか。

 

でも運命はいたずらに歯車を狂わせていくわけで、第3者が邪魔をしてしまう流れに。

振り返ってみればあのマネージャーの出会いの制止、結果的には2人の糸をさらに強めるような出来事にも思えましたけど、あれはやろうとしてる人がいたらやっちゃいけんよ~w

 

マネージャー視点でこの物語の根幹である「未来は過去を変えられる」に当てはめて考えてみると、彼女はこれまでの過去は素晴らしかったんだと思います。

人生の目的である萌野に携わることで萌野のキャリアも順風満帆になり、常にそばにいられるオプションまでついてくる。

いつの日か彼が自分の献身的サポートに恋心が生まれたら、なんて期待もあったんでしょう。

だから彼女は過去よりも未来のことばかり考えていたように思えます。

でも気づくんですよね、萌野のアーティストとして一人の愛した男として、彼の未来のために過去を変えようと。

あの時自分がしてしまったいたずらは、二人の中でしこりの残る嫌な出来事になってしまったけど、自分が彼らの未来を案じて過去を変えてやろうと。

そうすれば未来も過去も変えられると。

贖罪とは違う気がするけど、後ろめたさあっての行動でしたよね。

まぁだいぶ身勝手なやり口ですし、こういうずる賢い女は地獄に墜ちろ!って思いますけどw

 

え~と、話を戻すとですね、二人は絶好のタイミングで再会し、幸せな道を歩んでいくことでしょう。

一度はすれ違ってしまったものの、第3者の過去の修復によって、3度目の出会いで心に誓った気持ちのまま再会するわけですから。

 

ということで、デートは3回目でどうなるか決まる、って説は、この映画から見ても有力だなとww

 

 

最後に

全体的には結構古いタイプのお話でしたよね。

それこそトレンディドラマのような上っ面だけの切なく美しい恋愛劇。

邪魔者の存在によって運命を狂わされるあたりなんか「東京ラブストーリー」そのものでしたよねw

あれは結ばれないけどw

 

普通にあそこでメールでなくて電話すりゃいいじゃん、とか、いくらテロだからって萌野が心配してます、連絡くださいって内容のメール連発してるのに無視してしまう洋子ってなんなん!?とか、すれ違わないような連絡手段はやり方次第でできるし、なんなら待つんでなく行けや!と、ヤキモキする箇所もありました。

 

未来で過去は変えられる、という言葉。

やってしまったことや物事自体は変えることはできないし、消すこともできないけど、捉え方や気の持ちようは変えられます。

哀しかったことが笑い話になるし、笑ってたことが何時しか笑えないことにもなる。

これから楽しく生きていくために正しく生きていくために、必要な行為なのかもしれませんし、そういう気持ちが新しい自分を生むきっかけになるかもしれない。

 

表面的には大人のラブストーリーで、デートは3回目で決める説も含まれたように思えて、一番大事な部分はここ、なのかもしれません。

 

肌寒くなる秋の季節にピッタリのラブストーリー。

2人の行く末以外にも目を向けると面白いかもしれませんね。

で、マチネって結局どういう意味??

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

映画「最初の晩餐」感想ネタバレあり解説 家族の食卓には必ずステキな思い出が詰まってる。

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11月1日

最初の晩餐

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我が家の夕食でよく巻き起こる出来事。

基本家族が揃ったら食べ始める。

親父は晩酌をしながらおかずをつまみ、母と僕と妹はTVを見ながらああだこうだ言って和やかに過ごす。

親父は濃い味が好きだが、母は「食育」と「健康」を優先して食事を作っているので、基本は薄味、1日30品目を心掛けてくれていた。

 その甲斐もあって僕も妹も好き嫌いの無い大人に育ったが、親父は違う。

やはり濃い味でないと美味しいと感じないらしい。

 

だから、何かにつけて「お母さんの飯は、味が薄いんだよなぁ~」と嘆き、それに真っ向から立ち向かう母、それに対し「はぁ~」と嘆き返す親父、その隙を狙って親父の分の数まで食べてしまう僕。

「残すのはもったいない」という母からの呪文にも似た教えは、異常なまでの「完食」という執着心によって「グダグダ言ってる間に食べ損ねる父」、というのが僕が子供の頃の夕食の思い出。

 

そんな親父は、たまの日曜日、二度寝して朝飯を食い損ねた僕にめっちゃ濃い味のチャーハンを、頼んでもいないのに作ってくれる。

粗く刻んだネギやしいたけにハム、固まり過ぎてる卵。

冷蔵庫から余った具材をみつくろい、順序などお構いなしでフライパンにぶっこむ。

どんな調味料を使ったかまるで見当もつかない親父好みの塩加減で味付けし、約30分かけてできたチャーハンは、いわゆるごく普通の半円状のそれではなく、ラーメンどんぶりにギュウギュウに詰め込んだ、男飯そのものだった。

 

「ホレ!食え!」

 

寝起きでチャーハンて、いくら育ち盛りだからって頬張れるわけねえだろ!と、寝起きの悪い僕は心の中でつぶやくが、この濃い味付けのチャーハンは、なぜか僕の胃袋を刺激し、細胞を活性させ、脳を活発にさせ、休日を満喫するための元気を注入させる、正にカンフル剤であった。

よって約2合分はあるだろう山盛りによそられたチャーハンは、マジックでもしたんじゃないかというほど、あっという間に皿から消えてしまうのである。

 

 

この歳になって時々思う。

薄味にこだわる母の「食育」によって、素材の旨みそのものを舌で捉えることができる味覚をもったのはいいが、あ~あの時の親父のチャーハンが食べたいなぁ、と恋焦れるのである。

バカみたいに濃い味付けのあのチャーハン。

親父、作ってくんねえかなぁ・・・。

 

あ、親父、まだ元気に生きてますw

実家に帰った時に頼んでみようっと。

 

何を急に「親父が作ったメシ」話を書いたかというと、今回鑑賞した映画は、死んだオヤジがかつて作ったご飯を、母が振る舞うことで離れてしまった家族が再び繋がっていく、というお話。

だからオヤジ飯が劇中でたくさん出てくるんだろうなぁ、あ、うちのオヤジ飯は何だったっけ?ってことで、ちょっと書いてみましたw

 

そんなわけで、ほろっとしながらも、ほっこりしそうな家族の物語、早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

サザンオールスターズ」のドキュメンタリーをはじめ、CMやMVなどを手掛けてきた監督の脚本による長編デビュー作品。

 

父の通夜に母が出した「通夜ぶるまい」をきっかけに、離れてしまった家族が、当時の家族の在りし日の食卓の風景、亡き父との思い出、さらに家族も知らなかった秘密が浮き彫りになることで、止まってしまった家族という名の時計の針を動かしていく。

 

実力派キャストに加え、ベテランの映画製作陣が集結し、デビューを飾る監督のバックアップに務めた。

お葬式」や「死ぬまでにしたい10のこと」、「エンディングノート」や「おみおくりの作法」など、さまざまな「終活」にスポットをあてた作品がある中で、新たな「おみおくり」の物語が誕生した。

 

 

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あらすじ

 

独立して2年目となるカメラマン、東麟太郎(染谷将太)は、姉の美也子(戸田恵梨香)とともに薄暗い病院の食堂で、麺がのびきったラーメンを食べている。

 

「親父が死んだ……。65歳になる直前の、夏至の日の明け方だった」久しぶりに故郷に帰ってきた麟太郎は病室で亡き父・日登志(永瀬正敏)と対面し、葬儀の準備をしながら、ありし日の家族を思い出す。

 

通夜の準備が進む実家の縁側で、麟太郎がつまらなそうにタバコを吸っていると、居間では、ちょっとした騒動が起きていた。

通夜ぶるまいの弁当を、母・アキコ(斉藤由貴)が勝手にキャンセルしていたのだ。

なにもないテーブルを見つめて戸惑う親戚たち。

母は自分で作るという。それが父の遺言だ、と。

 

やがて最初の料理が運ばれてくると、通夜の席はまた、ざわつき出した。母が盆で運んできた料理は目玉焼きだった。
戸惑いながらも、箸をつける麟太郎。目玉焼きの裏面を摘む。

ハムにしてはやけに薄く、カリカリしている。

 

「これ、親父が初めて作ってくれた、料理です」

 

 

登山家だった父・日登志と母・アキコは再婚同士で、20年前に家族となった。麟太郎(外川燎)が7歳、美也子(森七菜)が11歳の夏だった。

新しく母となったアキコには、17歳になるシュン(楽駆)という男の子がいた。

 

5人はギクシャクしながらも、何気ない日常を積み重ね、気持ちを少しずつ手繰り寄せ、お互いにちょっとだけ妥協し、家族として、暮らしはじめていた。

それは平凡だけど、穏やかな日々だった。

しかし、1本の電話が、まるで1滴の染みが広がるように、この家族を変えていく…… 。

 

 

そして兄のシュンは、父と2人で山登りへ行った翌日、自分の22歳の誕生日に突然、家を出て行った。


父も母もなぜか、止めようとはしない。

以来、家族5人が揃うことはなかった。

 

 

次々と出される母の手料理を食べるたび、家族として暮らした5年間の思い出が麟太郎たちの脳裏によみがえる。

それは、はじめて家族として食卓を囲んだ記憶だった。
兄弟で焼いた焼き芋、父と兄が山で食べたピザ、姉の喉に刺さった焼き魚の小骨。

あのとき、家族になれたはずだった。


あの日、父と兄になにがあったのか?

死の寸前、父はなにを思ったのか?

姉が抱えている小さなキズとは?

母が長年隠し続けてきたこととは?
家族として過ごした5年間という時間。

それは、短かったのか?長かったのか?

父の死をきっかけに、止まっていた家族の時がゆっくりと動き出す。

そして通夜ぶるまいも終盤に差しかかったその時、兄のシュン(窪塚洋介)が15年ぶりに帰ってきた……。(HPより抜粋)

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは、常盤司郎

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サザンオールスターズの初のドキュメンタリームービー「FILM KILLERSTREET(Director's cut)」や、実の父との関係を綴った短編映画「クレイフィッシュ」など、多岐にわたって映像制作を続けてこられた監督。

 

今回初の長編映画作品にもかかわらず、すごい俳優陣が揃ったなぁと。

 

今作は、監督の父との経験や思い出がたくさん詰まった作品だそうで、食に関する部分も味付けも、監督の過去の体験や好みを取り入れてるんだそう。

さぞ、おいしそうな食事が出てくるんだろなぁ、と期待しております。

 

 

 

 

キャスト

主人公・麟太郎を演じるのは、染谷将太。

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主演作、という立場ではないかもしれませんが、久々に彼の主演作を鑑賞するということで楽しみにしてます。

 

今作について、家族に対する感覚が豊かになったとコメントされています。

現在では2児のパパさんでもある彼にとって、この映画は大きなきっかけになったりしたのではないでしょうか。

 

彼に関してはこちらもどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

他の出演者はこんな感じ。

美也子役に、「SPEC」、「劇場版コード・ブルー」、「あの日のオルガン」の戸田恵梨香。

シュン役に、「GO」、「ピンポン」、「沈黙~サイレンス~」の窪塚洋介。

母・アキコ役に、「三度目の殺人」、「蜜蜂と遠雷」の斉藤由貴。

父・日登志役に、「パターソン」、「」、「カツベン!」の永瀬正敏。

少女時代の美也子役に、「天気の子」、「東京喰種トーキョーグールS」、2020年には「ラストレター」の公開が控える、森七菜。

青年時代のシュン役に、「地獄少女」の公開が控える、楽駆(らいく)。

少年時代の麟太郎役に、「風に立つライオン」で映画デビューした牧純也などが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

これを見ながら僕も家族との食卓の風景を思い出すんだろうなぁ。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

家族の風景を食卓を通じて、繊細に綴った王道映画。

映画もメシもちょっと淡泊くらいが、体にも心にもいいのかもしれない。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家族って何だろう。

父の通夜を舞台に、通夜ぶるまいで出された懐かしの味を堪能しながら、5人が恥ずかしながらも絆を深めていった当時の家族の風景を回想し、今だからこそ明かせる真実に戸惑いながらも受け入れていく、残された家族の再生を描いたハートウォーミングな作品でございました。

 

あの、俺てっきりオヤジ飯がいっぱい出てきて、親父を弔うような話だと思ったら、そういうことじゃなくて、家族の前に出された料理が、家族の中で様々な思い出を引き出すアイテムになっていた、ってことだったんですよね。

俺の冒頭のエピソードが全然活かせないww

 

まぁいいや。

え~上映時間は約80分くらいでしょうか。

ちょっと体感時間が長かったなぁと思いつつも、役者という素材の旨みが凝縮された、薄味ながらもコクのある映画だったのではないでしょうか。

口当たりの優しい序盤から、なぜ家族がバラバラになったのか明かされる辺りの、ピリッと辛口な味付けも、見終わってみれば体も心も温まる、ザ・家庭の味な映画だったように思えます。

 

 

全く血の繋がっていない家族同士が、一つ屋根の下でいきなり暮らすことになるのだから、そりゃあギクシャクもするし、うまくいかないことだってある。

しかも家族になった理由を、当時子供だった麟太郎と美也子に話せなかったことを考えると、キチンと話したかったことでしょう。

まぁ死ぬ前に話せばよかったのに、なんてツッコミは置いといて、死んでしまったお父さんが、もう一度自分の死をきっかけに家族を繋ごうとする粋な計らいに、泣きそうになりました。

 

 

今でこそ大人のたくさんの事情から、いろんな形「家族」の在り方があると思うんですけど、日本の家族って血縁主義じゃないですか。

それこそ都会は行きかう人の多さや多様な受け方があるから、血が繋がってない家族でも、誰が干渉するでもないし、それが何か自分に問題があるわけでもない。

世間がいちいち苦言を呈することなんてないわけです。

でも、彼らの家族は地方の山の中の町で暮らすことになるから、近隣の住民からはあまりよく思われないわけですよ、この血の繋がってない家族が。

そういう風習だか世間体に左右される感覚でしか物事を捉えようとしない奴ら、ってか田舎?オレ大嫌いで、麟太郎にいちいち絡むおじさんの言うことなすこと、マジでムカついてw

夢で飯食ってけねえぞ、とか、お前の家族当時は白い目で見られてたとか、山登りなんて金にならない仕事がどうとか、ホントくだらねえなぁ!!って。

だから麟太郎が胸ぐら掴んでおじさんに突っかかったのは、俺の意志でもあるなぁと、勝手に彼に自分を重ねて見てましたw

 

話が逸れちゃいましたが、この物語は、家族を作るって何だろう?ということを終盤で突き付けてくるんですね。

それは好きになった人と結婚し子供を産んでっていうごく普通の家族の作り方なのか、はたまた一つ屋根の下で食卓を囲めば家族を作ったことになるのか、それとも子供がいなくても結婚さえすれば家族とみなされるのか。

その答えはこの映画では明確に描かれてませんが、親がどんな経緯で一緒になったとしても、この人たちと同じ屋根の下で同じ釜の飯を食えばもうそれは家族同然で、日登志もアキコもこれまでそれができなかったから臨んだカタチなんだろうなぁって。

 

 

メシがウマそうだったよ、やっぱり。

で、家族を作るにあたって一番仲が深まる事柄って何だろうってなった時に、みんなで同じものを食べるってのがやっぱり一番効果的だよね、って教えてくれるのがこの映画の良さでもあります。

お父さんでもお母さんでも娘でも長男でもいい、誰かが作ったご飯をみんなで囲むことが幸せへの近道とも思える光景を、この映画は丁寧に描いてたなぁって思います。

 

これがね、レンジでチンした冷凍食品だったり、スーパーのお惣菜で済ませたご飯だったとしても、僕は絶対嫌ですけど、みんなで食べれば家族の思い出として残ることもあるよなぁとも思いました。万引き家族がその最たる例だなって。

まぁこの映画では田舎が舞台だから手抜き料理ってのはないんですけどね。

 

で、一体どんなご飯が並べられたのかというと、最初に出てきたのは「チーズと一緒に焼いた目玉焼き」。

嫁いできたアキコとの初対面で、アキコが緊張が災いして盲腸で入院してしまうという事態になり、日登志が子供たちに作ったのが、この目玉焼き。

手際も悪いし、ハムを探していたが見つからず目の前に飛び込んできたスライスチーズで済ませる、ザ・男飯でしたけど、こういう時の男の簡単手料理ってなぜか記憶に残るよなぁって、俺のオヤジ飯のチャーハンとダブらせながら見ていましたw

 

あとは家族が違えば料理の味付けも違うということで勃発した「味噌汁のみそ」問題。

白みそが定番だった日登志の家庭は、アキコが作った赤みその味噌汁に不満を漏らし、美也子は食べることを拒否。

白みそじゃないと嫌だとごねる美也子に見かねたシュンが「だったら食べなきゃいいじゃん」と一言放ったことから、この味噌汁問題が勃発するんですね。

美也子に合わせるために白みその味噌汁を翌日作ると、今度はシュンが拒否。

どちらかに合わせるとどちらかが食べないという、なんとももったいないやりとりに、味噌汁を作るアキコは、いい加減にしてもらうために「合わせみそ」で味噌汁を作るという解決策で一件落着するという、ちょっと面白エピソード。

この味噌汁、必ずレンコン入ってるんですよね、あとニンジンとか大根とかとにかく具だくさん。

レンコンなんて灰汁抜きとかめんどくさい野菜なのに、よくもまぁ毎回毎回入れてくれますね。俺にも食わせてくれ!!

 

これ以外にも焼き芋を一緒に作ることで、シュンとのわだかまりを無くし名実ともに兄弟の間柄になったエピソードや、魚の小骨をのどに詰まらせる美也子に、魚の骨が引っかからないおまじないを教え、実行した後ほんとに引っかからなくなった二人の雪解けと、種明かし。

山登りで必ず日登志が振る舞うしめじの入ったピザに、アキコの突然の家出に、家族みんなで作ったシーチキン入りの餃子、台風の日に美也子が夜食で作ったラーメンなど、どれもこれも観てるだけでおいしいのに、酸いも甘いも詰まった家族の思い出つきのおかげで、ほっこりする話が目白押しでありました。

 

 

なんかね、こういうの見てると、うちの家族で出された料理を語りたくなるなぁってなりましたね。

それこそ冒頭の僕のエピソードもそれですし、他の方たちの家庭料理ととんでもエピソードなんかあったら聞いてみたいなぁって。

 

もう映画の話じゃなくなってくるけど、うちの母親が作る「ブルーベリーヨーグルトケーキ」が俺大好きで。

普通のショートケーキって何個も食べるとかなりの高カロリーになりますけど、これはぶっちゃけ3つ食っても全然気にならないくらいの味で。

作り方はわかんないけどブルーベリーソースを上に敷いたヨーグルトのケーキで、ブルーベリーとヨーグルトの程よい酸味が食べた後口の中に広がる優しい味で。

小学生の頃必ず家庭訪問でやってきた先生に出してたし、友達が来ることを前もって伝えると、必ず作ってくれた料理なんすよね。

 

他にも山ほどあるけど、もはや映画の感想でなくなるのでこの辺で。

とにかく、家族で囲むメシはうまいんだよなぁと思えた映画でした。

 

 

最後に

実力派のキャストだからどれも素晴らしいんだけど、中でも斉藤由貴は際立っていたように思えます。

私生活の部分でもお騒がせしてるイメージも重なって、彼女だから出せる後ろめたい気持ちと、それでも家族とともに過ごしたいって気持ちが前面に現れていたように思えます。

 

正直目新しい部分はないし,お話の構成もありきたりでTVドラマチックに見えてしまうところも感じたんですけど、こういう映画はフラットな気持ちで見れるし、なんといっても腹が減るw

これ見よがしなメシを映し方をしてないのもあざとくないというか。

よくありますよね,湯気ガンガン立たせて、それを上手そうに食う役者、みたいなやつ。

あれもいいんですけど、あくまでナチュラルに家族の食卓を描いてるのが好感もてるんですよ。

 

とりあえず、すき焼きにピリ辛ラー油いれるとうまいんだぜ、っていうシュン特製すき焼き、あとでやってみようと思います!

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「ターミネーターニューフェイト」感想ネタバレあり解説 君の選択が、未来を変える。

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11月8日

ターミネーター:ニュー・フェイト

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デデン デンデデン♪

デデン デンデデン♬

B級アクションとして生まれた近未来SFアクションの決定版「ターミネーター」。

 未来で繰り広げられている機械と人間との戦いに終止符を打つため、過去に送り込まれた殺戮兵器に逃げまどいながらも抗戦する一人の男、そして標的にされた女性とのロマンスも描いた第1作は、低予算ながらも第一級の仕上がりになっており、ターミネーターを演じたアーノルド・シュワルツェネッガーを一躍スターダムに押し上げた記念すべき作品でした。

 

そのヒットを受け、制作された2作目「ターミネーター2」では、前作のヒロインと送り込まれた戦士の間に生まれた息子ジョンが標的に。

また前作で敵として登場したシュワルツェネッガーは、今作でジョンを守る側として登場し、液体金属で作られたT-1000型と死闘を繰り返す姿に誰もが興奮したことでしょう。

またジョンとT-800の間に生まれる絆、歴史を繰り返さないために自ら破壊の道を選んだT-800との別れ、そしてサムズアップのまま溶鉱炉へ落ちていくシーンは、誰もが涙を浮かべたはず。

前作からの大きな内容の変化と当時の最新鋭のVFXと大迫力のアクション描写によって、最高のエンタテインメント作品へと変貌を遂げました。

 

しかし、この成功がその後の作品に多大な影響をもたらしたことはご承知のはず。

 T-X型という新たな強敵の登場にもかかわらず全く印象に残らなかった「3」、初の未来世界を舞台に、半分機械の人間と共にスカイネットに立ち向かうジョンの活躍は、モンキー的には大好きだけど、時系列の変更やややこしい内容に低評価になってしまった「4」、そしてシュワちゃん復帰、1と2の世界観やオマージュなども取り入れたものの、別の世界軸やらジョンのキャラが違うとか、割り切って見ようにも割り切れない込み入った思いが我々にはあるんだから壊さないでいただきたい!と不満タラタラだった「ターミネーター新起動(ジェニシス)」。

 

そう、3以降何度生まれ変わっても、「2」を超える作品を生み出すことができなかったのであります。

 

そして迎える「T2」の正当な続編。

未来は変えられたとしても、運命を変えることはできないのか。

それって何度リブートしても成功できないこの作品のことを指してるんじゃないのか…

いや違う!

きっと今回は運命を変えられるはず!

「T2」成功の呪縛から解放されるはず!

そう願っております。

てなわけで早速鑑賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

1984年の第1作目から続いてきた「ターミネーター」シリーズ。

2作目で大成功をおさめたものの、3作目以降道に迷うなどの低迷期をたどった計5作は、満を持して創造主であるジェームズ・キャメロンに制作権利が戻ったことで、今回「T2の正当な続編」と銘打って新作を製作。

前作で復帰したアーノルド・シュワルツェネッガーに加え、2でサラ・コナーを演じたリンダ・ハミルトンが復帰。

最新型ターミネーターにスーパーソルジャーと、「T2」のはるか上をいく機能を持った機械の登場や、予想の斜め上をいくアクション描写など、今だからこそできる「ターミネーター」が完成した。

 

 

1997年8月29日の「審判の日」を回避できたはずの人類。

未来を変えたはずなのに、なぜサラは戦い続けているのか。

溶鉱炉に沈んだはずなのに、なぜT-800は生存しているのか。

いよいよ、その全貌が明らかになる!

 

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ターミネーター:新起動/ジェニシス [Blu-ray]

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あらすじ

メキシコシティの自動車工場で働く21歳の女性ダニー(ナタリア・レイエス)が弟のミゲルとともに、ターミネーターニューフェイト❝REV-9❞(ガブリエル・ルナ)に襲われる。

彼らを守ったのは、同じく未来から送り込まれた強化型兵士のグレース(マッケンジー・デイヴィス)だった。

かろうじて工場から車で脱出するダニー、ミゲル、グレース。

執拗に追いかけてくるREV-9を、待ち構えていたのは、サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)だ。

ターミネーターを宿敵として人生を送ってきた彼女は、REV-9とも激しい死闘を繰り広げ、「アイルビーバック」と言って、その場を去っていった。

 

再び合流しサラは、ターミネーター情報のメールが誰かから届くと告白。

グレースはその発信元がテキサス州のエルパソだと突き止め、3人はメキシコからの国境越えを決意する。

しかし、国境警備隊員になりすましたREV-9が彼らを指名手配していた。

 

そして、エルパソでダニーやサラを待っていたのは、あの男だった…。(HPより抜粋)

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは、ティム・ミラー

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創造主であるジェームズキャメロンは、今回も監督ではなく製作総指揮という形で参加。

早くアバター2を作ってください。そこまで期待してないけどw

 

ティムミラーといえば「デッドプール」を手がけたことでも有名ですよね。

過去作から今作もすさまじいアクション描写が予想されます。

それ以来の長編映画監督作品になるようです。

 

その間は、Netflixアニメシリーズ「ラブ、デス&ロボット」を手掛けてたようですね。

見てないので存じ上げないんですが、彼の持ち味が出た作品なんでしょう。

彼の作品はこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

次回作は決定されてないようですが、「ソニック・ザ・ムービー」の製作総指揮を担当するようです。

 

 

 

 

 

登場人物紹介

 

  • サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)

 

〈審判の日〉を回避するためにターミネーターと戦い続ける女戦士。

のちに人類となるはずのジョン・コナーの母。

人類の未来のために、次々と出現するターミネーターと戦い続けている。

ターミネーターが出現する時と場所については、謎の相手からメールを受け取ることがあり、今回REV-9が現れた際もメキシコシティへ急行する。

そこでダニー、グレースと出会い、ダニーを守ることが人類の未来と大きく関わることを知るのだった・・・。(HPより)

 

  • T-800(アーノルド・シュワルツェネッガー)
 
旧型のターミネーター。
一度はサラ・コナーを抹殺するため、そして二度目はジョン・コナーを守るために未来からやってきた。
T2のエンディングはで自ら溶鉱炉に入り、消滅した。
しかし、その後送り込まれた別のT-800により、再び彼女の人生に大きな影響を及ぼすようになった。(HPより)
 
  • グレース(マッケンジー・デイヴィス)

 

2042年の未来から送り込まれた兵士。

戦闘中に重傷を負ってしまい、手術を受けて強化型スーパー・ソルジャーに改造される。

骨髄が強化され、折れない骨となり、筋肉繊維にも特殊な組織が織り込まれた。

脳の処理能力もレベルアップ。

超人的な反応速度を上げるために、大量の薬品を摂取しているため、数分で相手を倒さなければならない。(HPより)

 

  • REV-9(ガブリエル・ルナ)

 

人工知能が作り出した、最新型のターミネーター。 

触れた相手の外見に変身することが可能。

一つの肉体を、二体に分離することもできる。

皮膚は液体金属、内骨格は金属炭素で、それぞれタイプの違う刃のついた武器を作り出す。

破壊的なダメージを受けても、約30秒で元どおりの姿に戻り、相手を攻撃。

現在のダニーを抹殺すために、リージョンが未来から送り込んだ。

任務をクリアするためなら、あらゆる手段を使う。(HPより)

 

  • ダニー・モラス(ナタリア・レイエス)

 

メキシコシティに暮らす21歳の女性。

父親、弟と暮らし、弟と一緒に自動車工場の製造ラインで働いている。

父親の姿をしてに工場に現れたREV-9に襲われ、グレースに助けられる。

突然目の前に現れた彼らに戸惑いながらも必死に逃走し、そしてサラ・コナーとも遭遇する。(HPより)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なるほど、メキシコですか…。もろに国境問題やりそうですね…。

それ以外にも全てにおいて、「運命」を絡めてきそうですが。

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

中々の強引な設定の物語・・・。

これが正当な続編でいいのかい…?

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

運命を決めるのは君だ。

サラが30億人もの命を救った「2」から22年後の世界を舞台に、再び送り込まれてきたターミネーターに逃げまどいながらも、新たな強化型ソルジャーらを味方に起死回生を狙う女性の運命に抗う姿を、CGを駆使したREV-9のビジュアルと執拗に追いかける姿、それにそれに立ち向かうグレースの鮮やかな身のこなしを含めた豪快で素早いアクション描写、かつての強さに加え貫禄まで身にまとい、これ見よがしにスマートに登場したサラ、そして良心を学んだことで過ちを認め正しい選択をしたことによって、人間臭さを醸し出した新たなるT-800の頼もしさなど、どれもキャラ立ちしていたことで物語の魅力が増した作品でございました。

 

 

父を殺され弟まで殺され絶望にさらされた女性ダニー。

いくら逃げても付きまとう恐怖に立ち向かうには、今の状況を飲み込み立ち上がり立ち向かうしか道はない。

その選択によって彼女は定められていた運命に抗い、希望という名の未来を切り開くのです。

 

そんな運命交差点に絡む3人の人物。

かつて世界を救ったはずなのに悲劇は突然訪れてしまう。

それが彼女の意識を変え、女戦士へと変貌を遂げたサラ。

長きにわたってターミネーターと対峙してきた彼女の前に、最大の敵が現れたことでダニーを守ることを決意。

彼女にとってダニーは、未来の救世主であるジョンと重なり、また彼女の三浦井の姿は今の自分とも重なる。

膨らんだ気持ちが出した答えは、「彼女を守ること」だと悟り、使命を全うすることを選ぶ。

 

未来の時代で司令官を守るために体を張って守ったグレース。

たった3日間で変わってしまった世界の中で逃げるしか術のなかった少女時代。

ターミネーターに怯え、食料を奪おうとする輩に狙われ、行き場を無くしていた彼女を救った恩人。

やがてグレースは自分を救ってくれた恩人の思いに応え、戦場の第一線で戦うことを誓う。

その人のためなら命も惜しまない。

戦う意志はあるものの重傷を負った自身の身体。

彼女は強化型ソルジャーへの改造を望み、2042年の時代で勝利するために、また自分のような人たちが生まれないことを願い、過去へ向かい、使命を全うすることを選ぶ。

 

22年前に自分の任務を全うしたT-800。

未来に戻ることもできなかったために、その時代で人間に順応していくことを選ぶ。

自分の高い学習能力と優しい人間との関わりの甲斐もあって、彼は良心に似たような感覚を覚える。

きっとまた未来から送り込まれてくるであろう機械たちの追撃に備え、彼は贖罪にも似た行動を起こす。

彼女に生きる目的を与えるために。

新旧の救世主と対面した彼は、再び自分の正しい行いをするために、正しい選択をする。

もうかつての自分じゃない、そう決意し、掛けようとしたサングラスを戻し、共に旅立っていく。

 

 

4人の登場人物が、今置かれた状況に対してどう選択するかを色濃く描いた今作。

其々の選択が、定められた運命を回避するため正しい未来を切り開こうとする姿は、今の自分たちにも深く刻まれることでしょう。

立ち上がらなければ未来は変わらないということを。

このまま何も考えずのらりくらりと過ごしていれば、望んでいなかった未来が訪れるかもしれない。

変えるなら、変わるなら今、なのかもしれない。

その選択が自分の世代、次の世代にも大きく影響されるのだと思います。

ダニーが最後に語った「彼女を決して死なせない」という言葉は、正にそれを想起させる意味合いを持っていたことでしょう。

輝かしい未来は、みんなの「選択」によって決まるということを。

 

近未来アクションという仮面をはがせば、そういった今の混沌とした時代へのメッセージが含まれていたのではないでしょうか。

 

 

2を超える必要はない、しかし。

感想の冒頭から慣れない書き出しになりましたが、見終わった感想を率直に申し上げるならば、いたって普通のアクション映画だったなぁ、という印象。

 

一応1のような「狙われた女性が、戦士へと覚醒していく」ような話でもあり、2のような「未来への希望を守るためにひたすら逃げながら戦う」展開でもあったわけで、ファンとしては楽しめた部分でもあります。

 

それこそ始まってすぐやってきたREV-9と、ダニーを守りながら戦うカーチェイスのシーンはド迫力満点の仕上がりで、よくもまぁあそこまで高速道路を知っちゃかめっちゃかにして暴れてくれましたね!最高!と声を上げたくなる盛り上がり。

 

からの、ターミネーターを熟知した女戦士サラの登場に大興奮で、しかも「アイルビーバック」泥棒までしちゃってカッコイイ!!と、さらにテンションはアップ。

 

そしてどうブチのめしても死ぬことをしないREV-9の執拗な追撃によって、何度も何度も戦うことを余儀なくされるシーンは大変楽しかったですね~。

国境を越えるところではドローン機を使って襲ってくるし、収容所に送り込まれても軍隊に紛れて襲ってくるし、輸送機に乗って逃げてもさらにデカい飛行機で追いかけてくるし。

彼のしつこさと、顔色一つ変えない表情と、いくらやっても倒せない姿は、ターミネーター2のT-1000同様、結構な怖さを秘めていて、しかも何、分裂までしちゃって2体になって追いかけてくるから余計に怖い。

片方にトラックやらヘリやら運転させて本体は襲ってくるって、そりゃあずるいわぁ~w

こういうのがターミネーターの面白さですよね~。

 

 

一応今回正当な2の続編と銘打っての宣伝でしたけど、果たしてこの謳い文句通りのお話なのか、と問われると僕としては微妙でした。

正当な続編にするなら、冒頭のあのエピソード要りますか?

大きなネタバレになっちゃいますけど、スカイネットが起こした審判の日を回避して、いつも通りの暮らしを送れていたのに、結局ジョンは再び未来から送られてきたターミネーターによって殺されてしまう、って所から始まるわけです。

 

続編という意味合いは、確かにあの後の話、時系列自体は繋がってるわけだから合ってるわけですけども、おおよその部分をリセットした様な展開になっちゃってますよね。

 

ジョンもサラも2で死んだT-800なしのまま戦い続けてきていて、再びやってきた脅威が別のターゲットを殺そうとするのを防ぐためにグレースたちと合流して、って展開こそ正当な続編だと思うんですよね~。

なんかその方が、「未来を変えたけど運命を変えることができなかった」ってことに納得がいくというか。

要はジョンが死んだから、未来は変わってねえじゃんていうか。

 

で、こうなると、もはやT-800のシュワちゃんは今作に必要だったのかって所まで行っちゃうんですけど。

今作のT-800は決して2の時のT-800ではないということ。

未来から新たに送り込まれた殺人マシンで、ジョンを抹殺することが任務。

で、ミッション遂行したけど、そのままこの時代にとどまって生活していくことで、人間の良心に似たものを学ぶことができた、だからジョンという希望を失ったサラに生きる目的を与えるために、自分の能力を使って新たにやってくるターミネーターを探して、彼女に倒しに行ってもらうように場所と日時をメールで教える、というモノだったんですね。

 

まぁ一つ思うのは、わかってるなら自分で倒しに行けってこと。

わざわざサラを危険にさらしてまで行かせるのはどうなのかと。

むしろ自分が戦ってるところをサラに見せて、くらいの気持ちが欲しかったよなぁと。

確かにサラに生きる目的としてターミネーターを倒させるって考えにケチはつけたくないけど、本当ならサラの手で自分を倒させてあげた方が、より彼女に生きる目的が生まれるんじゃない?って。どうせ簡単に死なないんだから。

 

いかにもシュワちゃんを起用するための無理矢理な設定と登場のさせ方だなぁって思っちゃったんですよね。

 

別にシュワちゃん自体は以前のターミネーターのような機械じみた発言とか行動ではなく、ちょっと人間臭い感情の趣があって、演技という面では良かったとは思うんですけどね。

 

 

まぁ今あれじゃないですか、世代交代を匂わせる映画が多いじゃないですか。

スターウォーズ」でも当時の俳優を出して死なせて、次の世代へ希望を託すみたいな流れですし、「クリード」だってロッキーからクリードへと魂が受け継がれていくみたいな。

今作もその匂いがあったと思うんですよ。

サラが背負っていたものを、ダニーが受け継ぐような感じはそうじゃないですか。

だから続編やるとしたら、次はサラ死ぬよなぁ…とか思っちゃいましたよねw

でもそれをやるのはサラじゃなくてジョンの方がよかったかなぁ。

 

 

とにかくですね、2を意識し過ぎたことによっての感想ではあるんですけど、今の技術によってアクションはすごく楽しかったと思うんです。

倒しても倒しても勝てない相手こそターミネーターの怖さであり面白さであり、その道中で仲間との絆を見せてくれる感動のシーンがあって。

今回だってサラがT-800に対して「誰がお前を名前なんかで呼ぶかよ!」とか「お前を殺す」とか散々憎しみを露わにしていたのに、最後に「カール!」って呼ぶじゃないですか。

ああいうところですよ、ターミネーターのいいところは。

 

 

 

最後に

 

僕が思うのは、4人の登場人物がいることで、全員のエピソードを語ることが必要になってしまってることが今回一番つまらないところだと思うんですよ。

それを会話の中で語るシーンが異常に多くて、せっかくのアクションでの盛り上がりを削いでしまってるというか。

やはり一人減らすくらいはしたほうがよかったかなぁと。

だからT-800は今回必要なかったかなぁって思っちゃうんですよね。

ダニーとダニーを守るグレース、そこに絡んでくるサラだけでもよかったかなぁと。

その方が話がスマートに思えちゃう。

 

てか皮肉ですよね、後のスカイネットを破壊したのに、リージョンって別のAIが誕生しちゃってる。人間て学習しないよなぁ…。

メキシコでの国境を越えるシーンも、特に僕が予想していたような内容ではなかったしなぁ。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10

映画「ひとよ」感想ネタバレあり解説 何があったとしても親子は親子なんです。

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11月8日

ひとよ

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いきなりこんなこと言うのもなんですが、いわゆる「あることが原因で不仲になってしまった人たちがどう再生していくか」という場合、結果的には「誤解を解く」か「赦しを乞う」になっていくと思うんです。

 こうやって書いちゃうと凄くつまらないように聞こえるかもしれないですけど、大体の映画がそうだと思うんです。

 

でもその手の作品がいまだに溢れているということは、僕らの中にも、すれ違いが原因で不仲になったりとか、冷え切った関係にある人がいるとか、コミュニケーション不足による誤解だったりとか、様々なことが積み重なってそうなってしまってる人がいるからで、心の底ではわかりあいたいとか理解したいとか、許して許されて仲のいい関係になりたいとか、そういう願望みたいなものがあるのかなと。

 

だからこういう映画がたくさんあるのかなと。

 

社会とか世界とかで規模を大きく考えても、今ってそういう隔たりとか分断とか足の引っ張り合いとか、そんなのばっかりじゃないですか。

 

映画にはそれを解消する力がある気がするんですよね。

心を育てるというか、後押しするというか。

 

・・・だいぶ今回の映画の話からそれてしまいましたあが、今回観賞する映画は、子を思うがゆえに起こした母の事件を機に、壊れてしまったの家族の話。

いま日本の映画業界で一番映画を製作しているであろう監督。

働きすぎだ!

早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

様々な作品でその手腕を発揮している監督の最新作は「家族」を題材にした物語。

劇作家である桑原裕子が手掛けた同名タイトルの舞台作品を今回映画化した。

 

15年前の事件によって家族の岐路に立たされた、ひとりの母親と三人の兄妹のその後を描く。

母を憎む者、母を避ける者、母を信じる者。

母によって人生を変えられてしまった子供たちが、一つの夜を経て、どうつながっていくのか。

 

豪華俳優陣の巧みなアンサンブルと、監督の熱量が、ヒューマンドラマの傑作を生みだす。

 

ひとよ (集英社文庫)

ひとよ (集英社文庫)

 

 

 

 

 

あらすじ

 

「あなたたちが生まれた夜、わたしがどんなに嬉しかったか。」


どしゃぶりの雨降る夜に、タクシー会社を営む稲村家の母・こはる(田中裕子)は、愛した夫を殺めた。


それが、最愛の子どもたち三兄妹の幸せと信じて。


そして、こはるは、15年後の再会を子どもたちに誓い、家を去った—

 

時は流れ、現在。
次男・雄二(佐藤健)、長男・大樹(鈴木亮平)、長女・園子(松岡茉優)の三兄妹は、事件の日から抱えたこころの傷を隠したまま、大人になった。


抗うことのできなかった別れ道から、時間が止まってしまった家族。
そんな一家に、母・こはるは帰ってくる。

 

「これは母さんが、親父を殺してまで
つくってくれた自由なんだよ。」


15年前、母の切なる決断とのこされた子どもたち。


皆が願った将来とはちがってしまった今、再会を果たした彼らがたどりつく先は—(HPより抜粋)

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは、白石和彌

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2019年は「麻雀放浪記2020」、「凪待ち」に続いて3作目。

1年で3作ってなかなかのペースですよ?(2018年も3作!2年で6作!)

やはり賞レースなどでも必ず名前が上がる監督ですから、お仕事いっぱい入ってくるんでしょうね~。

もしかしてギャラ安いのか?

なら、誰か上げてやってよぉ。

 

基本的にはシリアス、バイオレンス、おふざけの3パターンですよね、監督の映画って。

でも根っこにあるのは「真面目」なんだよなぁ。

笑わせるのも、エロいのも、そう。

もうちょっと肩の力抜いてみてもいいと思うんだけどなあ。

 

今年は「おふざけ」「シリアス」ときたから、「バイオレンス」な映画かと思ったけど、「シリアス」なんですね。

 

監督作品はこちらをどうぞ。

 

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登場人物紹介

 

  • 稲村雄二(佐藤健)・・・稲村家の次男。家族と距離を置き、東京でうだつがあがらないフリーライターとして働く。15年ぶりに会う母を受け入れられない。

 

  • 稲村大樹(鈴木亮平)・・・稲村家の長男。三兄妹で唯一自身の家族を持つ。幼少期より吃音のため、人とのコミュニケーションが苦手。

 

  • 稲村園子(松岡茉優)・・・稲村家の長女。事件によって夢を諦め、スナックで働きながら生計を立てる。母との再会を素直に喜び、受け入れる。

 

  • 堂下道生(佐々木蔵之介)・・・稲丸タクシーの新人ドライバー。別れた妻との間に17歳の息子を持つ。

 

  • 稲村こはる(田中裕子)・・・稲村家の母。愛する我が子を守るために、暴力をふるう夫を殺めてしまう。「15年経ったら必ず戻る」という約束を果たす。

 

  • 丸井進(音尾琢真)・・・稲丸タクシーの社長。稲村こはるの甥。
  • 柴田弓(筒井真理子)・・・稲丸タクシーの事務員。
  • 歌川要一(浅利陽介)・・・稲丸タクシーのドライバー。
  • 牛久真貴(韓英恵)・・・稲丸タクシーのドライバー。通称モー。
  • 稲村二三子(MEGUMI)・・・大樹の妻。別居中の大樹に、離婚を申し出る。
  • 友國淳也(大悟(千鳥))・・・堂下の過去を知るチンピラ。稲丸タクシーに乗りあわせる。(以上HPより)

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひとよ」は、「一夜」であり、「人よ」でもあるんでしょう。

3人と母親が夜という山を越え、家族という名の朝日を浴びることはあるのか。

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

子を思う親の気持ち、親を思う子の気持ち。

一筋縄ではないかない家族の物語は、血で繋がっている以上、家族でしかないんだなぁ。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

親子の心の距離を埋めていく物語

DVパパに耐える子の将来を案じ自らの手で夫を殺した母と、その後の生活によって人生を一変させられた子供たちの15年ぶりの再会によって巻き起こる、家族間の複雑な感情を描いたヒューマンドラマは、とっつきにくいであろう重たく難しいテーマを孕みながらも、細かに回想を挟むことで、観衆に登場人物らの心情を理解させる演出に長けており、タクシー会社で働く稲村家ゆかりの者たちが生むユーモアなやりとりでほっこりさせることで、ギスギスしがちな家族の物語に柔らかな毛布でくるんだような温もりと暖かさを感じさせたハートフルな作品でございました。

 

 

親になったことないのでこはるの気持ちは到底わかることは無いんですが、親のせいでこんな人生になってしまった、って一瞬思うこと、正直あります。

子供の頃、小遣いをたくさんもらってる友達のことを例えに、小遣いアップを要求したら「よそはよそ、うちはうち!」なんて母ちゃんに怒られることがよくありまして、あ~俺んちは金持ちじゃないから!って親を恨んだこと、ぶっちゃけよくありました。

 

親が金持ちならゲームいっぱい買ってもらえるし、好きな服も買えるし、うまいもんも食えるし、どこにだって遊びにも行けるし、なんて今考えたらクソガキレベルの我儘なんですけど、今こうやって我慢しながら過ごさなければいけないのは親のせいだ!なんて。

そんなクソみたいな過去バナを持ち上げてこの映画の感想を語るのは、的外れにもほどがありますが、稲村家の三人は、せっかく親父の暴力から解放されたのに、自由に生きる権利を母親からもらえたのに、その後のバッシングや嫌がらせなどの精神的苦痛によって将来の夢もままならぬ状態で大人へと成長していったわけです。

 

 

美容師になる夢も、美容師学校でいじめに遭い断念し、スナックで働く長女。

小説家になる夢を抱き一人上京したものの、現実は風俗ライターとして働く次男。

出会った女性と結婚するも、過去の苦しみによって心を閉ざしてしまい離婚寸前の長男。

こんな大人になってしまったのは、全て親のせいだ。

そんな気持ちをずっと抱いていたのでしょう。

 

彼ら子供たちが抱える不満は、母との15年ぶりの再会によってより強く出てしまうのであります。

 

急な訪問にとっさに戸を閉めてしまう様子や、何の躊躇もなく食卓を囲むことができない朝の風景、タクシー会社のスタッフたちとすぐ打ち解けてしまう母に難しい表情をしてしまう子供たち。

最初こそ戸惑いと不安を見せるも、少しづつ親子のカタチを作っていくが、それは表面だけ。

それだけ15年の月日は親子の絆を遠ざけてしまっていました。

 

帰ってきた母に対し、子供の時のような接し方で笑顔を見せる長女がいれば、妻との問題がある上にさらに問題が積み重なり徐々に塞ぎ込んでしまう長男、これまでの憎しみを一心に向ける次男と、それぞれが何かしらの思いを持っていることが、序盤では窺えます。

 

 

母はそんな子供たちに決して謝ることをしません。

夫を殺害した時も豪雨の寒さと罪を犯したことからの震えがあったものの、清々しさと誇らしさを持った佇まいで、子供たちとの別れを告げるんですよね。

親としての務めを果たしたかのような。

私がこうすればきっと子供たちの未来は輝かしいものになる、そう思ったのでしょう。

 

だから15年ぶりに帰ってきた母はきっと、子供たちから暖かく迎えられる、そんな気持ちがあったのではないでしょうか。

 

ですが、久々の再会はどこかよそよそしく、気まずく、他人行儀なふるまいをされてしうのであります。

母はきっと、自分が刑務所にいる間、子供たちがどんな目に遭ったのか知らなかったのかと、親子の間にある溝を見ている間考えてました。

 

母には子供たちの前で決して見せてはいけない思いがありました。

それは次男との会話。

誰もが避けていた問題に、記者のようにふるまう次男に対し、「今私が謝ったら、子供たちが迷子になるでしょう」と。

 

きっと母は自分が犯した罪に対し、後ろめたさを見せてはいけないと思ったのでしょう。

タクシー会社で働く弓から同情されたり褒めたたえたりされるも「度胸とかそんなんじゃない」と一喝します。

仕方のない犯罪だったから、やるしかなかったから、だから殺害の罪を肯定してもいけないし、殺したことを後悔してはいけない、そんな思いがあったのではないでしょうか。

かつて次男がやってしまったエロ本の万引きを、母がやるというシーンがありましたが、あれは「私はこういう母親だから」という潔さと、「言葉では語れない難しさ」を体現したシーンだったように思えます。

父の暴力に怯えながら過ごす辛さよりも、ならばいっそのこと加害者を葬って罪を被る辛さの方が楽じゃないのか、消すことのできない過去なんだから、もう巻き込まれてしまったのだから、家族なのだから。

 

 

この物語は、長い月日によって離れてしまった互いの固くなってしまった心を少しづつほどいていく作品だったように思えます。

 

 

非現実的でもある

今回「凪待ち」ほどの圧倒はなかったんですが、顔ドアップでの泣きの芝居とそれを促すイヤらしい劇伴が売りの、感動必至のヒューマンドラマ!みたいなものではなく、シリアスとユーモアの緩急が程よく施された物語だったように思えます。

 

とはいえ、父を殺した母の15年ぶりの再会による親子間のわだかまりは、僕から言わせればこんなもんじゃ済まないだろう…と、どうしても勘ぐってしまう映画でもありました。

 

多分ですよ?この家族もっと崩壊してると思うんですよ。本当なら。

事件後公にさらされたことで、学校でも職場でもかなりの非難を浴びたと思うんです。

その嫌がらせが現在でも続いているんですから、当時はよっぽどだったことでしょう。

しかも子供の時に受けた精神的苦痛は、大人になった彼らの心をかなり蝕んでいると思うんです。

本当の悪は父親ですが、逃げ場を失った子供たちの憎しみの矛先はやっぱり母親になるんじゃないのかなと。

そうなった時に、あれだけのことで打ち解けられるのだろうかと。

 

実は後半、あるサブキャラのサイドストーリーが本筋に絡んでくることで、一番憎んでいた次男の本当の思いが爆発するって流れになるんですが、確かに罪を償ったとしても自分の人生を狂わせた張本人で、憎むべき存在だと自分に言い聞かせていきてきたんだろうけど、やっぱり自分の母親だからと心の奥では思っていたことを、あの場面で描きたかったと思うんです。

でも僕の中ではあの一晩でそんな劇的に変われるのだろうか、と。

というか、母に向ける怒りや憎しみは、結局のところ表面上の感情で、実は帰ってきてくれたことを喜んでいた、って風にしか見えなかったというか。

 

もっと言えば、いくら叔父が引き継いだからってタクシー会社の運営を15年も切り盛りできたことが不思議で仕方ない。

もしかしたら、あの満面の笑みと親しみやすさ、苦労や辛さを決して人に見せない性格、先代との約束を守る律義さなどによる叔父の人柄と草の根運動の甲斐があって、ここまでこぎつけたのかもしれない。

でもだ、田舎ならではの白目とかタチの悪い噂とかの凄まじいいやがらせが15年の間にかなりあったと思うんです。

 

何が言いたいって、あそこでよく会社やってこれたなぁ!と。

土地を移して経営してもよかったろうに。

子どもたちも嫌な思い出が詰まったあの場所で大人になっても住む必要なかったろうに。

名前を変えてもよかったし。

 

なんかね、ずっと違和感を持ったまま見てしまったんですよね~…。

 

とはいえ、そんな苦しい状況があっても,あそこに留まったということは、母との約束を守るという意志なんでしょう。

だから母もあの場所を残してくれたこと、まだ子供たちが住んでいたことがうれしかったのかなと。

言葉にしなくても伝わる親子の気持ちが、実はそこにはあったのかもしれません。

 

 

 

最後に

今回良いアンサンブルをしてましたよね、稲村家の3人。

佐藤健の闇と尖りっぷりがやけくそな態度から溢れてたし、それに対抗して感情を露わにする松岡茉優のべらんめえな口調は先日鑑賞した「蜜蜂と遠雷」の時の無垢な少女の役柄とは180度違う演技。

そこにどもりながらも仲裁する控えめな態度を見せるも、感情が爆発した時の怖さはだれも止められない長男を演じた鈴木亮平。

この3人が母のことで相談したり喧嘩したりする芝居は、映画に活力を与えてましたね。

僕は3人が外でタバコを吸うシーンが凄く好きですw

みんなサマになってるよね~。

まぁこれによって松岡茉優は喫煙者であることがより現実のものとなりましたがw

いや全然オッケーよ、吸ってても!

 

他にも脇を固めた役者陣が良かったですね。

特に音尾拓真!

白石作品ではガラの悪い役ばかりだったから、今回も何かしらやらかすんじゃねえかと思ったら、顔に似合わずコミカルでユーモアがあって真面目な社長!

15年間会社を守ったってのがにじみ出ていた人柄が出てましたよね。

筒井真理子もずるかったし、韓英恵の女らしからぬ雑な態度もよく映えてたし。

田中裕子も、これまで彼女の作品をほとんど見ていなかった自分としては新鮮でした。

ラストの表情、良かったなぁ…。

佐々木蔵之介はぁ、後半のアレは合わないなぁ…声質的に。

 

とりあえず「デラべっぴん」は笑っていいところなんでw

あれさぁ、自分が子供だったら中々つらいぜ~w

 

家族だからこそわかりあえないこと、あると思います。

だからこそわかり合おうとする姿を、この映画は描いたのかなと。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

Netflix映画「アイリッシュマン」感想ネタバレあり解説 レジェンド俳優たちが一堂に揃うだけで一見の価値あるでしょ。

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11月15日

アイリッシュマン

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現実の世界では反社会的勢力=「反社」との関わりは、あってはならないこととして強く認識されていることかと思います。

しかし、こと映画に関して言えば、彼らのような裏社会で生きる人たちのドラマは非常に魅力的なものです。

 そこには愛があり、夢があり、家族の絆がある一方で、誰かを出し抜くためや、のし上がるための裏切り、シマや派閥、利権などから生まれる抗争などといった、生きるか死ぬかの血みどろな戦いがあり、勝っても負けても「悲哀」がにじみ出るのが、彼らのドラマの真髄だと、僕は思います。

 

彼らは悪い人たちなのに、なぜここまで心を打たれるのでしょうか。

それはきっと人間の生き様が色濃く描かれてるからなのかもしれません。

美しい部分もあれば醜い部分もある、それが悪い人たちの場合はっきりと映し出されるからなのかなと。

 

 

相変わらず締まりのない問答になってしまってますが、今回鑑賞する映画は「ゴッドファーザー」シリーズや、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」、「グッドフェローズ」など、ギャング映画史に新たに刻まれるであろう作品。

 

とある映画への発言がSNSで物議をかもしたことでも注目を集めた、あの巨匠の最高傑作とも呼ばれてるわけですが、果たして。

 

今回Netflix作品として配信する前に!

なんと!

劇場公開されるということで、早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

アメリカ映画界の巨匠、マーティン・スコセッシ監督の長年の悲願によって製作された渾身の1作は、チャールズ・ブラントが発表したノンフィクション作品「I Heard You Paint Houses」を原作にした、第2次世界大戦後の混沌としたアメリカ裏社会を舞台にした物語。

 

そのカリスマ性と押しの強さ、そしてマフィアとの蜜月関係という後押しも加わり、トラック運転手の労働組合のトップに君臨したものの、謎の失踪によりアメリカ最大の未解決事件のひとつとなった男ジミー・ホッファ。

彼をはじめ数々の殺害容疑にかけられたヒットマンの半生を描くと共に、当時裏社会に生きた無法者たちの盛衰を綴っていく。

 

製作、資金繰り、キャスティング、配給先など、あらゆる面で困難を極めた作品は、今年度アカデミー賞最有力との呼び声も高く、批評家たちから絶賛の声が既に上がっており、レジェンド俳優たちの珠玉の演技と、現在の技術を駆使したクオリティと重厚な演出によって、男たちの壮絶な生き様が映えていく。

 

 

アイリッシュマン(上) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

アイリッシュマン(上) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 
アイリッシュマン(下) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

アイリッシュマン(下) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 1975年、全米トラック運転組合「チームスター」のリーダーであるジミー・ホッファ(アル・パチーノ)が忽然と姿を消した。

 

その失踪事件に関与した疑いをかけられたのは、伝説的マフィアのラッセル・バッファリーノ(ジョー・ペシ)に仕えていた殺し屋“アイリッシュマン”ことフランク・シーラン(ロバート・デ・ニーロ)だった。

 

第二次世界大戦後の混沌としたアメリカ裏社会を背景に、シーランの数十年にわたる物語が描かれる。(Movie Walkerより抜粋)

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは、マーティン・スコセッシ。

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「グッドフェローズ」、「カジノ」、「ギャング・オブ・ニューヨーク」、など、数々のギャング映画を手掛けてきた監督。

今回は膨れ上がる製作費によって、制作側が難色を示し離脱してしまたっことで、さらに長引いてしまう事態に。

長らく役者を遠ざかっていたジョー・ペシを、何度も説得して出演してもらったくらい今作に意欲的だったわけですから、この時かなりヤキモキしたのではないかと。

 

そこへ手を差し伸べたのが配給会社ではなく、Netflixだったわけです。

今やNetflixは世界で多くの人が利用していることから、多額の制作費を用意するなんてお安い御用なんでしょうか。

それに加え、Netflixは去年「ROMA」でアカデミー賞作品賞を逃したこともありますから、是が非でもスコセッシ監督の作品で栄誉を勝ち取りたい、そんな思惑が透けて見えますね。

 

ようやく完成し世に送り出すことができた監督ですが、先日「マーベルは、映画じゃない、テーマパークだ」なるMCUへの否定的な発言が話題となっています。

 

「出来がいいのも、俳優たちが精一杯の努力をしているのも認めるけれど、生身の人間が感情的かつ心理的な体験を、同じく生身の観客に伝えるべくして作られたものではないという点で、正直なところ映画よりはテーマパークに近いと感じる」という旨の発言でしたが、ファンはかなり荒れていたのがSNSから見て取れます。

 

また映画館がそういったアミューズメントパークのような映画に侵略されてしまったことへの対抗心も見せてましたね。

 

現在キャラ主体の映画が横行し熱狂するファンが多いことから、配給はそちらにばかり資金を出資し、スコセッシのような作家性の強い作品には多額の資金が提供されないことから、映画の文化を滅ぼしかねない、というのも、今作の制作過程の背景から読み取れるのではないでしょうか。

 

 

映画の定義は作る人見る人それぞれにあることは十分承知の上で、僕はどちらも好きなので、彼もMCUファン側の意見も支持したいです。

映画を愛する全ての人がそんな気持ちになってほしいなぁ、と願うばかりです。

 

監督に関してはこちらをどうぞ。

 

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キャスト

全米トラック運転組合の幹部にして、ブファリーノファミリーと共に犯罪に手を染めたヒットマン、フランク・シーマン、通称アイリッシュマンを演じるのは、ロバート・デ・ニーロ。

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スコセッシ監督作品において、必要不可欠な存在な彼を久々に主演にしたことの喜びは、映画ファンならご理解いただけるかと思います。

これで何作目ですか?

え~とぉ、「タクシードライバー」に「キング・オブ・コメディ」に「レイジング・ブル」に、「カジノ」、「グッドフェローズ」、あとはぁ~、

あ、「ニューヨーク・ニューヨーク」!

それと~、あ「ミーン・ストリート」もそうですね!

ケープ・フィアー」もそうか。

 

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うわぁ、こんなにも出演してたんですね~。

てかほとんど主演だ。

4作主演したディカプリオでさえ、足元ににも及ばない本数ですね。

 

先日もスコセッシオマージュだった「JOKER」に出演していたデニーロ。

ぶっちゃけ久々に彼の演技を見ましたけど、風格出てましたよね~w

 

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また今作は、監督と縁の有る俳優たちが続々出てるので、デニーロもそうですけど、彼らにも注目ですね。

特にジョー・ペシとのデニーロの共演は楽しみです!!

 

彼に関してはまた今度ということで。

 

 

 

 

 

 

 他のキャストはこんな感じ。

全米トラック運転組合「チームスター」の委員長、ジミー・ホッファ役に、「ゴッドファーザー」、「スカーフェイス」、「ヒート」のアル・パチーノ。

伝説的な裏社会のボス、ラッセル・ブファリーノ役に、「グッドフェローズ」、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」、「グッド・シェパード」のジョー・ペシ。

フェリックス・ディトゥリオ役に、「ブルージャスミン」、「アントマン」のボビー・カナヴェイル

ビル・ブファリーノ役に、「ビッグ・シック/ぼくたちの大いなる目ざめ」のレイ・ロマーノ

フィラデルフィア・ファミリーのボス、アンジェロ・ブルーノ役に、「レザボア・ドッグス」、「ミーン・ストリート」、「テルマ&ルイーズ」のハーヴェイ・カイテルなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上映時間210分!!

自宅で長尺映画に触れる機会が多々あったんですけど、劇場でとなると、膀胱が・・・。

しっかり調整して臨むぞ!

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

上映時間3時間半。

殺し屋になった男の半生の栄枯盛衰。

これがマフィア映画の終焉にも感じた渾身の1作でした。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レジェンド俳優たちの名演。

ブファリーノファミリーのヒットマンとして裏社会で活躍したフランクの回想録を、渦中の人物であるチームスター会長ジミー・ホッファに出会う前、出会い、その後と3部構成された、友情や対立などエゴイズムが見え隠れしたマフィアたちの表層と内面をあぶりだした、栄枯盛衰な大河ドラマでございました。

 

物語の雰囲気は、マフィアが絡むからと言って激しいドンパチやバイオレンス描写があるわけではなく、また貧乏人の成り上がり成長譚としても描かれてるわけでもなく、あくまで人生の交差点で出会った人物たちの会話劇が主体。

口当たりはかなり渋めのテイストではありましたし、抑揚は比較的少ない流れであるため、心にズキュン!とくるようなパンチの効いた映画ではありませんでした。

 

しかしながら監督得意の長回し風カットや、突然の爆破や発泡などによる効果的な演出、CGに若返りや特殊メイクによる老人の姿、時折挟まれるユーモア描写や長い時間をかけて繰り広げられる登場人物たちの心の機微を丁寧に抽出したことで、これが監督のやりたかったギャング映画だったのか、と感心した次第です。

 

差別もせず人望もあり誰とでも分け隔てなく接することができる人徳の持ち主であるフランクが、ラッセルとジミーとの友情によって板挟みになっていく葛藤と、死に場所を探しながらも娘との確執を解こうと苦悩とする晩年の姿。

ステキなおじいさまという表面とはちがい、マフィアとしての鋭さが目の奥から窺えたラッセル。

なんにでも感情的で自分の思い通りにならなければ気が済まない性分が、やがて彼の突然の人生の末路を迎えてしまうジミー。

 

この3人を軸に描かれる物語は、彼らの壮絶な人生を描くと共に、壮絶であるが故に失ったものも多く、それと向き合った時の切なさと悲哀に満ちたドラマだったように思えます。

どんなに地位と名誉とカネと権力をもってしても手に入れられないものがあり、それにしがみ付く姿は、人間の本質を見てるかのような感覚でした。

 

 

そしてデニーロ、パチーノ、ジョーペシ。

これまでの映画史に欠かすことのできない名優たちの名演技とアンサンブルを、この2010年代の終わりに堪能できたことは、非常に喜ばしいこと。

 

オープニングからヨボヨボなおじいちゃんの姿で出たかと思えば、急に若返りド派手に暴力を振るい、気が付けば凄みをきかせたヒットマンとして完成されていたデニーロの七変化はぶっちゃけ序の口で、

「グッドフェローズ」のような破天荒な暴れっぷりを見ることはなかったものの、相変わらずキュートな出っ歯と鋭い眼光はかつてのマフィアを演じた時そのもので、終始おとなしい姿ではあったものの、彼がいることでこの映画が成立したのではないかというほどの存在感があったジョーペシ。

そして聴衆の前で大見えを切ることで場を盛り上げる意欲的な態度と、人生成功してナンボなハングリー精神と、そのためなら自分の信念を曲げることなど100%無理です!な毅然とした態度で、決して頭を下げず譲ることもしないジミーを演じたパチーノの、溢れんばかりのエネルギッシュな姿。

 

CGで若返りした部分に関しては、大した老いの変化が見られないくせに、子供たちが偉く成長してるせいで、どれだけ時間が経過したのか正直追いつけなかった部分もありましたが、沢山の登場人物がいる中で、終始同じ役をしてくれたことは、それ以上の混乱にならずよかったですし、逆にデニーロやペシのヨボヨボな姿で食事をするシーンは、卓越した二人の細かい表情や仕草によって、老いの刹那と確かな友情を感じることができる素晴らしいシーンだったように思えます。

 

とにかく3人がスクリーンに出るというだけで一見の価値があった作品だと思います。

 

 

上映時間210分。

主人公の半生や生涯を映画で描くにあたって、果たして映画の基本上映時間ともいえる「120分」は適切なのか、という部分に触れて語りたいと思いますが、今回ぶっちゃけて言うと、ここまで長くする必要性はなかったのではないか、というのが僕の今作への感想の一つです。

 

例えば、ジミーの子供チャッキーがフランクを車で迎えに来た時に車内で語った「名前がわからない魚」のシーンでは、本筋にはほぼ関係ない会話をダラダラ語るんですね。

助手席に乗ったトニー・プロの手下が、なぜよくわからない魚を魚屋で購入したのか納得がいかず、ジミーを乗せた後もまだその話を続けるわけなんですが、今回こういうシーンをっちょこちょこ入れてるわけです。

この後物語のターニングポイントを迎えるのですが、もしかしたら日常と非日常の境目を無くすためにごくごく些細な会話を入れるという監督なりの演出だったのかもしれません。

 

スコセッシは過去作でもこういうことをよくする人だよなぁとも思いながら受け入れたものの、僕はどうしても無駄と思える部分は描くべきではない、と考えてしまう性分でして、できる事なら淡々と進んでほしかったなぁと感じてしまったんです。

 

しかし、この物語は一人の男の半生を描くという設定なわけで、彼の半生を重要な場面だけを抽出して繋ぎ合わせたところで、当時の時代背景や人物たちとの関係性を映すことができるのか?実は半生の中の無駄な部分にこそ主人公の人となりが出るのではないか、そこからどうターニングポイントに向っていくかを知るための大事な部分なのではないか、と、見終わった後にしみじみ考えてしまいました。

 

要するに、210分という鑑賞するにはどうしても躊躇してしまいそうな拘束時間なわけだけど、実在した男の半生とその背景をしっかり観衆に伝えるには、これくらいの時間を費やさないと伝わらないのではないか、という監督の希望であると共に、限りある1日の中で、これだけの長い時間を要する今作と向き合うことで得られる体験は、すごく価値のある経験なのではないかと。

 

作品の是非を問う前に、まずこの壮大な叙事詩を劇場でもいいですし、自宅でもいいので、作品と向き合ってほしいなと。

 

 

細かくあらすじ。

物語は老人養護施設のような場所にいるフランクの回想から始まる。

 

精肉を運ぶトラック運転手として働いていたフランクは、ケチな盗みを働きながらコネを使って仕事を得ていた。

ある日トラックが故障して立ち往生しているところに、一人の男がアドバイスをする。

無事に仕事に戻れたフランクだったが、トラックの中身が空っぽだったことに腹を立てた雇い主がフランクを解雇してしまう。

トラック運転組合「チームスター」に所属していたフランクは、顧問弁護士であるビルのグッジョブにより、無事不起訴処分に。

 

祝杯を上げに寄ったバーで、トラック故障の際手伝ってもらった男ラッセルと再会。

彼はビルの兄で周囲の店を手広く運営していた裏社会の大物であることをフランクは知る。

アイリッシュ系であるにもかかわらず、戦争でイタリアにいたことからイタリア語も堪能なフランクは、イタリア系であるラッセルと急速に仲を深めていく。

この出会いが、フランクのその後の人生を大きく変えていくのであった。

 

子供が増えることで出費が増えることを懸念したフランクは、副業として競合相手に苦しむクリーニング経営の男から、店を潰す仕事を任される。

夜中にコソコソ準備をし、あとは火をつければ一丁アガリ!だったフランクだったが、フェリックスに呼ばれ、バーに出向くことに。

そこにはフィラデルフィアファミリーのボス、ブルーノとラッセルが待っていた。

 

燃やそうとしたクリーニング店はブルーノが一部出資していた店であり、ユダヤ系が経営しているとしか聞いていなかったフランクは謝罪。

そのかわりにということで、フランクは彼らに頼まれた裏の仕事=殺しの仕事を命じられる。

これが後にフランクの本業になっていくのであった。

 

やがて組合の幹部にまで昇進したフランクは、ラッセルの口利きで、組合の会長であるジミー・ホッファを紹介される。

「ペンキを塗るってのは本当か?」

家の壁を塗るのはペンキ屋の仕事だと思っていたが、まさか自分がペンキ屋になるとは、という例えを含んだこのやり取りによって、フランクはジミーの側近として公私共に関係を深めていく。

 

ジミーはその手腕と巧みな話術で人の心を掌握するカリスマ性と、銀行から金を借りることができないラッセルらマフィアに多額の融資をすることで利害関係を構築し、一代にして2大政党に匹敵する派閥を作り上げるにまで成功した。

酒は飲まずアイスばかり頬張るジミーは、待ち合わせの時間は厳守というほど、頑固な性格の持ち主。これが後に彼を追い詰める引き金になるのだが。

 

フランクはそんなジミーの下で、トラック運転組合を邪魔する存在のタクシー会社の車を海に沈めたり燃やしたりする仕事もあれば、彼を守るためのボデイーガードなど、多岐にわたってジミーを守っていくことで、家族ぐるみの付き合いにまで発展した。

特にフランクの娘で何かと引っ込み思案な性格のペギーは、父であるフランクやラッセルには心を閉ざしがちだが、ジミーには心を開き、学校の作文発表ではジミーの貢献ぶりを語るほど彼を気に入っていた。

 

順風満帆に見えたジミーの活躍だったが、彼を快く思わない政府と大企業は、彼を牢獄にぶち込むために結託し、元々馬の合わなかったケネディ大統領の弟ロバート司法長官の指示とキューバとの争いに劣勢なアメリカ政府のタイミングによって、運送業界に影響の大きいチームスターを束ねるジミーの力と、彼らのストライキが経済に大きな打撃を与えかねないとして、組合の巨額年金の行方と裏社会とのつながりに関して徹底的に告発する。

 

余裕の姿勢を見せていたジミーだが、手下の裏切りにより懲役13年を食らう羽目になり、彼のいない間ジミーの代わりにフィッツシモンズがチームスターを束ねることに。

 

ニクソンに恩赦をもらったジミーは4年でシャバへ復帰し、再びチームスターのトップに返り咲こうと奔走する。

しかしマフィアたちによって動いていた組合は、既に彼無くしても莫大な利益を上げていたため、彼を再びトップに置こうとはしなかった。

 

憤慨したジミーはマフィアに融資した金や土地を回収しようと企む。

さらには彼しか知り得ない情報を流すと脅すなどして、孤軍奮闘していく。

 

ジミーと深く関わるフランクだったが、付き合いの長さで言えばラッセルの方が上。

微妙な立場になってしまったフランクだが、ついにラッセルを通じて最終警告をジミーに告げることになる。

 

 

様々な社会や企業の裏では、彼らのようなマフィアたちが牛耳ることで経済が回っていた時代。

その裏社会に生きた男たちが、いかにして成功し衰退していったのかを、一人の男の視点から紡いでいく長い長いドラマは、この最終警告を皮切りに哀愁漂うモノへと変化していく。

 

大体3分の2程度ですが、こんなあらすじです。

 

 

最後に

今回ネットフリックスのご厚意によって行われた劇場公開でしたので、休日あさイチで鑑賞したわけですが、さすがに3時間30分という時間を1度鑑賞しただけでは、この映画の良さはきっと理解できないのかなぁと。

 

今後ネトフリでも配信されますから、そっちでももう一度鑑賞して作品の深みを噛みしめようかと思います。

 

とりあえず体調万全で、トイレ対策もしっかりしてご鑑賞することをオススメしますw

 

しかし疲れたなぁw

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「ブライトバーン/恐怖の拡散者」感想ネタバレあり解説 反抗期を迎えたスーパーパワーの男の子の暴走。

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11月15日

ブライトバーン/恐怖の拡散者

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この10年で溢れるほど量産されてきた「スーパーヒーロー映画」。

正統派の勧善懲悪もあれば、CGを余すことなく使ったSF的作品、コミカルに徹した作品、監督の作家性に富んだ作品、社会派もあればサスペンスものもあるし、ドラマ性やアクションに秀でた作品など様々なジャンルと融合することで、現代ならではのヒーロー映画は差別化を図ることで、これまで見たことのない映画体験を我々に与えてくれています。

 最近では、大人ではなく、まだ幼いティーンズがヒーローになるという設定の作品も目立っており、ヒーロー映画はさらなる境地へと踏み込んだ気がします。

 

しかし、どの映画もヒーローは正義。

もし素晴らしい能力を秘めた主人公が、その能力を私利私欲で使うことになったら。

もし超能力を持った主人公が、邪悪な存在だったら。

 

今作はそんなこれまでのヒーロー映画とは一線を画した、恐怖で覆われた邪悪な力を持つ主人公の暴走を描いた「アンチ・スーパーヒーロー映画」です。

 

主人公が少年ということで、なんとなくメッセージ性が透けて見えるんですが、鑑賞後に言及しようということで。

とりあえず体は大人、頭と心はいつまでたってもガキンチョのモンキーが早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

マーベルスタジオの大ヒットシリーズ「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」を監督し、マーベルとライバル関係にあるDCコミックスの作品も手がけるという離れ業をやってのける、生粋のアメコミクリエイター、ジェームズ・ガンが仕掛ける、まったく新しいホラーヒーロー映画が誕生した。

 

田舎町の農場に❝落ちてきた贈り物❞である男の子は超人的パワーを秘めていたが、彼が英雄ではなく、邪悪な存在だったら?という、スーパーマンと逆の発想で展開していく。

このユニークなアイディアからどんな物語に発展していくのか、監督とジェームズ・ガンの遊び心とオタク魂によって、観衆は恐怖にかられることだろう。

 

昨今大ヒットを連発しているホラームービーに、スーパーヒーローというジャンルをミックスさせた今作。

今後展開されるかもしれない「ブライトバーン・ユニバース」の序章として必見の1本です。

 

 

 

 

バッド・ガイ

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あらすじ

 

子供ができず、ずっと苦しんできたトーリ(エリザベス・バンクス)は、母になる日を夢見ていた。

 

ある日、謎めいた男の赤ちゃんの到来でその夢が実現する。

 

聡明で、才能にあふれ、好奇心旺盛な子供ブランドンは、トーリと夫のカイル(デヴィッド・デンマン)にとってかけがえのない存在となった。

 

しかし、12歳になったブランドン(ジャクソン・A・ダン)の中に強烈な闇が現れ、トーリは息子に恐ろしい疑いを抱き始める。

 

やがてブランドンは、普通の人が持つ事のない異常な力を発揮し始める。

 

そしてブランドンは、カンザス州・ブライトバーンをとてつもない恐怖に陥れていった───(HPより抜粋)

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは、デヴィッド・ヤロヴェスキー

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右がジェームズ・ガンで左がヤロヴェスキー監督。

なんだか兄弟みてえだな…w

 

あくまでガン監督は製作総指揮なんですが、ご存じの方も多いように、ガンは自分の家族を積極的に制作に参加させていることが多いんですよね。

実際に今作の脚本も彼の弟といとこが担当しているほど。

 

じゃあ監督も家族か親戚なのか?って思ったんですけど、どうやら違うみたいです…

監督の長編作品デビュー作が「インバージョン 転移」という作品で、見知らぬ部屋で意識を取り戻すも記憶がなく、フラッシュバックするたビ真相に近づいていくという、シチュエーションスリラーだそうなんですけど、この映画にガンの弟ショーン・ガンが出演してるそうなんです。

 

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 おそらくこれがガン監督とつながるきっかけになったのかなぁと。

 

そして「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・リミックス」の特典映像に入ってるミュージックビデオ「Guardians of the Galaxy:Inferno」(デヴィッド・ハッセルホフが歌って、後ろで監督やガーディアンズたちが仮装して踊ってるやつ)の監督をしたのが彼なんですって。

 

ファミリーの一員として、ガン監督は絶対的信頼をおいての今作の抜擢なのでしょう。

ガンのDNAがどこまで映画に反映されているか、楽しみですね。

 

 

 

キャスト

天からの授かりものを受け取る母トーリを演じるのは、エリザベス・バンクス。

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彼女を初めて知ったのは「スパイダーマン」でピーターが写真を持ち込むデイリービューグル社で、編集長の秘書をしているベティ役。

ショートボブでちょっとエロい大人の女を醸し出し、毎度フォローしていたピーターの逞しくなった姿を見て。何度か誘っていたシーンを思い出します。

 

今作はかつてガン監督が手掛けたホラーコメディ映画「スリザー」に出演していた縁でスティングされたそう。

 

それこそデビュー当時の彼女の役柄は「スパイダーマン」以外中々思い出せないんですが、最近では「ハンガーゲーム」のエフィー役や、「LEGOムービー」のルーシー(声)、「パワーレンジャー」のリタ、そして自身が製作・監督も務めた「ピッチ・パーフェクト」シリーズなど、ティーンズたちに人気の作品で存在感を発揮しているのが印象的です。

どうやら製作会社をご主人と共同経営しているそうで、特にピッチパーフェクトはプロデューサーも兼ねての力の入れ様。

今後も子供たちに親しまれる作品で活躍しそうな予感です。

 

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待機作品には、あの「チャーリーズ・エンジェル」を監督としてリメイク、出演もするということで、非常に楽しみです。

 

 

 

 

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

トーリの夫、カイル役に、「パワーレンジャー」、「ローガン・ラッキー」のデヴィッド・デンマン

渦中の少年ブランドン役に、TVシリーズ「シェイムレス5 俺たちに恥はない」や、「アベンジャーズ/エンドゲーム」で、タイムマシンで若返ってしまった頃のスコット・ラングを演じた、ジャクソン・A・ダンなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分の力に心酔する少年と、善良な心を持っていると信じたい母。

これ子供たちが見るよりも、お母さんが見るべき映画にも見えますが・・・。

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

反抗期を迎えた少年に、ホラー要素とヒーロー要素を加えたってのは容易だよねぇ。

それ以上のものは正直感じられなかったです。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思春期の子って・・・。

子宝に恵まれない田舎町の夫婦の元に舞い降りた天使が、実は悪魔の子だった・・・なる設定に、子を信じるあまりに事実を受け入れようとしない母親の子煩悩な一面と、力で抑えようとする父親という、どこにでもありそうな思春期を迎えた子をしっかり大人へと導こうとする両親の葛藤、底知れぬ力を利用して逆らうモノすべてに制裁を加える姿を、反抗期の少年に見立てて描く今作。

 

自分はお父さんではないし、こんな大きな息子がいるわけでもないので、あくまで自分の少年時代と比較しての鑑賞に至ったわけですが、こんなに聞き分けの無いガキんちょ、しかも誰よりも強い力を持ってるとなると、どんな親でもどんなカウンセラーも、どんな国家権力でも正しい道へ導くことは不可能だよなぁ、とそのとんでもない超能力の凄さに圧倒されながらの鑑賞でした。

 

12歳の誕生日を境に、親に命令口調で言い返したり、同じクラスの女の子を信じ夜這いじみた行動をしたり、その姿に怯えてしまった少女に裏切られたと勘違いしケガさせたり、彼女の母親のあまりにもひどい言動と彼へのいき過ぎた処遇に苛立ち、一人残ったダイナーを襲撃し殺害したり、明らかに精神的におかしいと診断したカウンセラーの叔母を夜な夜な訪ね脅したり、叔父に至っては無理矢理両親に報告しようと試みるも、これまた能力フルパワーで殺害。

力の使い方を自分の都合のいい方向へ向かわせるための道具として利用する少年の、あまりにも身勝手で奔放すぎる態度に、ぶっちゃけ苛立ちを隠せませんでした。

 

確かに自分にもこんな反抗的な態度で親を困らせたことはありました。

門限を守らなかったり、非行に走ったり、親に八つ当たりしたり、悪い子たちと付き合ったり。

大人になって言われましたけど、中学生の頃はだいぶ尖ってたようで怖かったんですって。

それでもめげずに自分を正しい大人へと導いてくれた両親には感謝しかありません。

小学生の頃は親父によくフルボッコされましたけど、中学生になってからは一切そういう手出しはしなかったそうで。まぁ怒鳴られることはありましたけどね。

 

この映画でそれ言う!?ってのはあるかもしれないけど、非行に走りかけた子供をしっかり正しい道へ導くには、大人が子供への理解を示すことが大事だよなぁ、と思うんです。

 

で、今作は根本的にブランドンの行動心理が見えないというか、なぜそういう行動をしてしまうのかを誰も訪ねてないんですよね。

全部大人が「こうしろ」か「ダメでしょ」か「大丈夫」しか言わない。

親としての体裁とかカウンセラーという職業の一環としてしかブランドンと接してないんですよね。

トーリは基本過保護で、夜中に納屋へ行っても夜中に帰宅しても決して彼の素行を否定せず受け入れるんです。

逆に父であるカイルは、一体こんな時間まで何やってんだ!とか、誕生日の銃もまだ子供だからダメとか、性に関しては解放していいんだぞとか、一方的に親父のメンツを保とうとして、心の面で大人として認識しつつあるブランドンを子ども扱いしているんです。

カウンセラーである叔母も、彼の内面を知る切り札になるかと思いきや、何故同級生の女の子を手をケガさせてしまったのか、深く理由を探ろうとしないで、言わないと面倒なことになると半ば強引にカウンセリングを終わらせようとするんですね。

 

誰もがブランドンの心の中を覗こうとしないんですよね。

全部大人の言い分で抑えつけようとしている。

 

仮に誰でもいいから彼の考えてることやしたいこと、思考を引き出すようなことをすれば、ブランドンの覚醒した能力もコントロールできたのかもしれません。

 

といっても、思春期の時って何考えてるかわかんないし、近づくと「うるせえっ!」と言って近づけないように威嚇するんですよね。

凄く些細なことでモヤモヤしてそれに触れる者がいれば、感情が爆発して強く反発する。

中々めんどくさい時期なんですよね。

 

また親も親で、思春期を迎える子供にどう接していいのかわからず、自分の親がしたようなことを繰り返してしまうってのもある気がします。

自分がされて嫌だったことのはずなのに。

 

結果としてどう接すればいいか、僕にはわかりませんw

でもトライアンドエラーでいいから、親は何とかしてコミュニケーションを図るべきだと、僕は思います。

 

 

アンチ・スーパーマン

普通のホラー映画に、何真面目に思春期の事の接し方をグダグダ語ってるのかw

 

あくまでこの映画に潜むテーマ性を自分なりに掘ってみましたが、表面的にはブランドンくんの計り知れないパワーが見どころでしたよね。

 

急に夜中に目覚めて納屋の開かずの間をガンガン引っ張って開けようとする姿は、今後覚醒されるであろう力の凄さを予見させるシーンでした。

しばらくして父から芝刈りを頼まれたブランドンくんは、エンジンをかけようと紐を何度も引っ張るもなかなかエンジンがかからない芝刈り機に苛立ち、ついつい力を加減しないで引っ張ったせいで、芝刈り機ごと遠くへ吹っ飛ばしてしまうという、サイヤ人も顔負けのパワーを発揮。

あれ?僕の力ってこんなにすごいの?とどんどん興味津々になり、エンジンのかかった芝刈り機のグルグル回る刃の部分に手を突っ込んでみる暴挙に打って出ます。

普通なら手を切断してしまうかもしれない危ない行動ですが、ブランドンくんの手は芝刈り機の刃よりも丈夫な体。

これで自分の力強さがどれだけ凄いかが決定的になった瞬間でした。

 

段々変な行動に出るブランドンくん。

自分に心を開いてくれた同級生の女の子が気になり、下着を着たモデルの切り抜き写真や、なぜか臓器がアップで映った写真がベッドの下から出てきたことに、しっかり性教育しなきゃと出かけたキャンプの夜、こっそり抜け出しその子の部屋に忍び込む大胆な行動。

んなもん、その子が異性として意識したとしてもアカン!

 

とうとう気味悪がった女の子は、ブランドンくんに「ヘンタイ!」と罵ってしまうくらい嫌いになってしまったわけですが、彼女を信じていた、いやもはや妄信に近い感覚だったブランドンくんは、裏切りやがって!とつぶやき、転んだブランドンくんを起こそうと差し出した彼女の手を力いっぱい握り、右手を粉砕骨折(たぶんw)させてしまいます。

 

段々心と体のバランスが崩れてきたブランドンくんは、彼女の母親エリカをやっちまおうっ!と夜な夜な家を出て、エリカの働くダイナーに襲いに行ってしまいます。

超能力で電気系統を操り、蛍光灯を破壊。

違和感を持ったエリカはその蛍光灯をモロに覗いていたこともあり、思いっきり顔面に蛍光灯の破片を浴びてしまい、挙句の果てに目の中に破片が刺さってしまいます。

自力で破片を抜くエリカの姿がクローズアップされる姿がなかなかの恐怖でしたが、その後保管庫へ逃げるエリカめがけて襲い掛かってくるブランドンくんはもっと恐怖。

保管庫の分厚い扉を目から怪光線(ピッコロさんじゃない)でぶち破り、これまた超能力で扉を明後日の方向へ吹っ飛ばします。

あ…終わった・・・と悟るまでもなく、ただただ宙に浮かぶマスクをかぶった少年の姿に怯えっぱなしのエリカ。

もちろんこの後は・・・てことで。

 

このようにブランドンくんは、目からビームを出したり、地球人にはないほどの腕力やスピードを駆使し縦横無尽に駆け回る能力、また飛行能力も備えており、明らかにスーパーマンさながらの力を持っていることが見て取れます。

とはいえ、胸に「S」のマークのだっさいスーツを着るわけでもなく、どこで作ったのかわからん赤いマスクに、家でいつも使っている赤い掛布団をマント代わりに変身するのであります。

この辺が子供らしい変装だなぁ、かわいげあるなぁとも思えますが、やってることは酷いですから、ちっともかわいくありませんw

まぁさすがに死んだ人を生き返らせるために地球をグルグル回して時間を巻き戻すようなことはしませんでしたね。

 

 

最後に

ホラー要素としては結構ベタベタで、そこまでの驚きと恐怖感はなかったなぁと。

でもそこそこ血はでるし、顔変形してるし、顔面吹っ飛ばしてるし、相手を壁にぶつけて姿形無くすくらい木っ端みじんになってるし、顔面血だらけでピクピクさせてるし、と怖い部分はありました。

 

正直コミックの領域を出ていないなぁというのが残念というか、せっかく思春期の親子のディスコミュを描いてるのだから、何かその解決策みたいなものを提示するくらいのメッセージ性はあっても良かったのかなぁと。

もしかしたら読み違えかもですけどね。

 

今後続編やるんでしょうか。

そしたら人間との全面戦争になるのか、それとも都市伝説的な話になるのか、彼の抑止力が出てくるのか。

やり様はいくらでもあるので、今後にも期待したいですね。

てか、最後にガン・ファミリーぶっこんでくるね~~!!

カメオ出演的には大満足でした。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10


映画「アナと雪の女王2」感想ネタバレあり解説 過去の過ちを正さなければ未来はない。

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11月22日

アナと雪の女王2

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続編公開ギリギリまで、前作「アナと雪の女王」を一切見ようともしなかった私。

あれだけ空前のブームになったのに、あれだけ歌が流行ったのに。

どうしても食指が動かなったんですね~。

 

 これは性格ゆえのことなんですが、自分が飛びつく前に世間で流行してしまうと、意地でも流行に乗りたくないって性分でして・・・。

そういう人いるでしょう。

 

で、今回続編が公開っていうことでね、重い腰を上げてようやく鑑賞したわけです。

地上波初放送の時にちゃっかり録画しておいたノーカット版を(見る気あったんじゃねえか)。

 

正直言うとですね、やけにテンポ良すぎじゃね?ミュージカルの時の切り替え早くね?結局エルサだけ能力あんのさ、アナの性格!、とか間ぁ色々ツッコミたい所があったんですよ。

 

でもなんだかんだで楽しかったです。

あれだけ歌が流行ったのもうなづける楽曲のクオリティね。

これは見てたら気持ちよくなるし、誰かの前で披露したくなる。

すごくいい曲たちだなぁって。

やっぱミュージカルだからなんでしょうね、耳に残るメロディと口ずさみやすいフレーズ。

字幕版でなく吹替え版での鑑賞でしたが、松たか子神田沙也加ピエール瀧もすごくよかったですよ。

 

また真実の愛ってなんだ?ってテーマだったんですね。

自分を犠牲にしてまで他者の事を思えるか、っていう。

それが誠の愛ですよと。

てっきり女性のアイデンティティとかがテーマだとばかり。

ディズニープリンセスもその辺重視してますからね、最近のは。

 

まぁこういう楽しさを、続編でも期待しちゃいますね。

物語どうこうの前に。

俺も続編見終わったら鼻歌交じりで劇場を後にするのかな…どうだろw

 

てなわけで早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

アンデルセン童話「雪の女王」からインスピレーションされた、ディズニー史上初のダブルヒロインファンタジー映画「アナと雪の女王」。

大切な妹を、自身の「触れた物を氷にしてしまう」能力で傷つけてしまったことへの後悔により塞ぎ込んでしまった姉エルサ。

やがて雪の女王となってしまった姉エルサを救うため、妹アナの過酷な冒険の旅を描いた今作は、本国アメリカやこの日本でも空前の❝レット・イット・ゴー❞の歌声が溢れ、「アナ雪」ブームを巻き起こす国民的大ヒットとなった。

 

数々の記録を打ち立てた前作からわずか5年。

再びスタッフとキャストが勢ぞろいし、前作では明かされなかった「エルサの魔法の秘密」が描かれていく。

前作は序章に過ぎなかった。

王国を束ねる二人の姉妹に更なる試練が立ちはだかっていく。

 

 

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あらすじ

 

なぜ、エルサに力は与えられたのか――。

 

命がけの妹アナ(CV:クリステン・ベル/神田沙也加)によって、閉ざした心を開き、“触れるものすべてを凍らせてしまう力”をコントロールできるようになったエルサ(CV:イディナ・メンゼル/松たか子)は、雪と氷に覆われたアレンデール王国に温かな陽光を取り戻した。

 

そして再び城門を閉じることはないと約束した。それから3年――。

 

深い絆で結ばれたアナとエルサの姉妹は、王国を治めながら、失われた少女時代を取り戻すかのように、気の置けない仲間たちと平穏で幸せな日々を送っていた。

 

しかしある日、エルサだけが“不思議な歌声”を聴く。

その歌声に導かれ、仲間のクリストフ(CV:ジョナサン・グロフ/原慎一郎)やオラフ(CV:ジョシュ・ギャッド/武内駿輔)と共に旅に出たアナとエルサは、エルサの持つ“力”の秘密を解き明かすため、数々の試練に立ち向かう。

 

果たしてなぜ力はエルサだけに与えられたのか。

そして姉妹の知られざる過去の“謎”とは?

 

旅の終わりに、待ち受けるすべての答えとは――。(HPより抜粋)

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは、クリス・バックジェニファー・リー

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左はプロデューサーのピーター・デル・ヴェッチョさん

真ん中がジェニファー・リーで、右がクリス・バック。

 

前作と同じ布陣で臨んだ今作。

この映画の最大の魅力は何といっても「楽曲」だと思いますが、今作も新曲を7曲製作したそう。

どの曲も力強いナンバーだそうで、前作に引けを取らないメロディラインとクオリティに期待しかありません。

 

これまでバック監督は、ディズニーアニメ「きつねと猟犬」や「リトル・マーメイド」などにアニメーターとして参加。

その後ソニーピクチャーズへ移籍し、「サーフズ・アップ」の監督を務めた経歴があります。

 

リー監督については、「シュガーラッシュ」で脚本に携わった後、前作「アナと雪の女王」でディズニーアニメ初の女性監督として大抜擢され、見事大ヒットする偉業を成し遂げました。

 

2人で広げた作品のその後。どんな物語になっているのでしょうか。

 

 

 

 

キャラクター紹介

 

  • エルサ(CV:イディナ・メンゼル/松たか子)

 

 アレンデール王国の女王。

“触れるものすべてを凍らせる力”で誰かを傷つけることを恐れ、一度は孤独な雪の女王となるが、妹アナの協力によって力をコントロールできるようになり、現在はアナと共に王国を治めている。物静かで愛情深く、慎重に考えて行動するタイプ。

しかし、自身の謎を突き止めるため、どんな過酷な試練をも乗り越えようとする勇気と諦めない心を持っている。(HPより)

 

  • アナ(CV:クリステン・ベル/神田沙也加)

 

アレンデール王国の次女。

姉のエルサとは対照的に、明るく楽観的で、少しおっちょこちょいの直情型。大好きな姉と王国を救うため、危険を顧みずに命がけの冒険に飛び込む大胆かつ勇敢で情熱的な女の子。

姉を救う旅でクリストフと喧嘩をしながらも惹かれ合う。

姉エルサと共に、エルサの“力”の謎を解き明かす旅に出て、様々な困難に果敢に立ち向かう。(HPより)

 

  • オラフ(CV:ジョシュ・ギャッド/武内駿輔)

 

 かつてエルサによって作り出された、夏に憧れる陽気な雪だるま。

無邪気で人懐こく、ハグが大好き。

今はアナたちの大切な仲間であり、今回も一緒に危険な旅に出る。

仲間思いで、みんなを楽しくさせるムードメーカー。手や顔のパーツが取れやすい。(HPより)

 

  • クリストフ(CV:ジョナサン・グロフ/原慎一郎)

 

少々荒っぽく無骨でオシャレ度は低い山男だが、広い心と勇敢な心、一本筋の通った正義感を持つ。

前作でアナを手助けして旅を共にする中で惹かれ合う。

現在は、王国御用達の氷の納入者として働いている。

相棒のトナカイ、スヴェンとはいつも一緒。トロールたちとも仲良しで、今回の旅でも大活躍をする。(HPより)

 

  • スヴェン

 

アクリストフの相棒の忠実なトナカイ。

子供のころからクリストフと寝食を共にしてきた。

好物はニンジン。言葉は話さないが、クリストフが勝手にスヴェンの気持ちを代弁することがある。(HPより)

 

 

 

 

 

 

 

なぜエルサは能力を持っているのか、なぜ両親は船旅へと出たのか、そしてアレンデール王国の外側はどんな世界なのか。

姉妹と仲間の冒険の旅は、どんな結末になるのでしょうか。

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

過去の過ちを正すための旅。

姉妹が手と手を取って冒険する姿にワクワク!

でも、前作の方がわかりやすいなぁ…。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前作の方がよかったかな。

前作から3年後のアレンデール王国を舞台に、謎の歌声に連れられて、魔法の森へ旅立つ姉妹に訪れる試練と、両親たちの謎、そして王国の過去を追求していく、アナ雪後編と呼ぶべき続編。

 

さすがに3年もたつと、アナも大人びた装いだし、エルサは魔法の力か何だか知らんがバチクソキレイ。

しかし二人の性格は相変わらずで、何でも一人でしょい込む心配性のエルサに、お姉ちゃんはあたしがいないとダメなんだから!と自分の主張が強すぎるアナ。

せっかくクリストフが愛の告白をしようとあれこれ策を練ってるのに、細かい一言が気になって「それってどういうこと?」といちいちツッコむ件は楽しそうに見えるけど、俺はこんな女嫌だ。

とはいえ、前作以上に逞しくエルサをサポートするアナの成長ぶりはすぐ気づくことかと。

 

そんな2人の関係性を比較しながら進んでいく物語は、前作とは違い姉妹2人と仲間を連れて旅立つというもの。

どうやら姉妹が幼い頃に父が話してくれた「魔法の森」ノースルドラでの出来事が発端。

二つの国が上手く交流し、ダムを作ったりとしていたけど、なぜか争いが勃発。

人々たちの争いに怒った4つの精霊たちが森を深い霧で塞ぎ、外界をシャットダウンしてしまったっつう過去があったそうな。

姉妹のお父ちゃんんもそこでおじいちゃんに連れられ行ったわけだけど、頭ぶつけて意識失っちゃって、その先は覚えてねえ、みたいなことを姉妹に話したってのが序盤の展開。

 

これが今回の話に深く関わってくるってことなんですが。

 

僕の率直な感想をまず語るとするならば、単純に前作の方がぽかぁ~んとしていても頭に入ってくる歌と話だったのに対し、こっちはしっかり話を追っていかないと理解するのが大変、みたいな感覚があり、あれ、アナ雪ってこんな複雑な話だったの?とちょっとイメージしていたものと違ってしまったわけで、今回は僕にとっては微妙な感想になってしまいました。

 

途中シリアスすぎるもんだからってんで、ユーモアを挟むのは確かに楽しい。思わずにやけました。

クリストフの告白シミュレーション➡実行➡アナに伝わらない➡落ち込む、って流れから、置いてけぼりにされて急に90年代初めのアメリカンポップスバラードPV風の歌が始まるのはかなりツボ。

クリストフの抱く感情が惜しみなくスクリーンに映し出され、勝手に分身して木陰から別のクリストフが現れてコーラスパート歌ったり、それを遮ってクリストフ本人の顔ドアップがお目見えする。

極めつけは彼の高音域で感情を込めたサビあたりで何匹ものトナカイたちが急にハモりだして、俺は一体何の映画を見てるんだろう…、あ、アナ雪だったかと一瞬我を忘れるくらい。

 

他にもオラフがひたすら旅の途中で蘊蓄たれる辺りもなかなか。

一番重要な蘊蓄は「水には記憶がある」なんだけど、それをカモフラージュするかのように、ホントかウソかわからない蘊蓄をひたすら喋る辺りは、前作のオラフには無かった引き出しだったかも。

というか、オラフって人を和ます愛らしいキャラなんだけど、時々やたらと核心を突くような重たい疑問や格言をサラッというんだよなぁ。

あれ汚ねえわ。

あ、他にも前作見てない、いや色々忘れちゃったって人のためを思ってか、オラフが前作のダイジェストを独り芝居する件は楽しいですね。

軽くdisだよなぁあれw

 

と、こんな風に劇中でのさりげないお遊びのような部分は楽しめたんですが、全体をとしてみると、よくできてるんだろうけど、僕の胸にはあまり刺さらんかった。

 

精霊たちの声に耳を澄まし、両親がかつて話したおとぎ話のような昔話の真実へと近づいていく様は、一見RPGっぽい感じにも見えて、正に冒険している感じは良い。

魔法の森、過去の争い、アースジャイアントの恐ろしいまでのデカさ、火を操るトカゲ・サラマンダーの愛くるしさ(飼いたい…)、この場所になぜ両親が乗った船が遺されているかの疑問と謎、そして手に入れる巻物(テンテテテテンてドラクエの音楽流れたわw)、そこですかさずツッコむオラフ(船ごと防水したらこんな目に遭わないのにw)etc

それはまるでアナとエルサとクリストフとスヴェンと共に旅をしているかのような感覚になれるでしょう。

 

しかし何だろう、次々訪れる試練のようなものがいとも簡単にクリアされてしまうあたりや、子供の頃になんでお母さんは真実を話すことをしなかったんだろう、まだ子供だから?いや真実話とけば誤解も解かれたんじゃない?あ、歌が聞こえないとダメってこと?

あとは、第5の精霊やら、謎の歌声の主など結構な場面で先が見えてしまったあたりや、結局皆が一番知りたいであろう「エルサの力の秘密」ってのがそこまでの意外性が無く、あ~なるほど!とはならない顛末に少々ガッカリというか。

 

とにかく、こんなもんかぁ…と。

 

そもそも前作もツッコミどころは多かったから、リアタイで見てたら無視できなかったのかもしれないけど、それ以上に歌が良かったから、あぁ楽しいことは楽しいな、くらいでしたけど、今回はそれもイマイチというか。

 

 

歌について

正直言うとメインテーマ曲である「イントゥ・ジ・アンノウン」がとっつきにくいメロディでインパクトが弱く、「レット・イット・ゴー」と比べるとあまり好きになれない歌だったなぁと。

ただこの歌、謎の歌声として劇中何度も聞こえる「ア~ア~アア~♪」が、最初は不快なんだけど、スルメソングのようにやみつきになるなぁってのはありましたね。

 

実際レリゴーの方もAメロって暗い感じから入ってくるんですよね。

で、B辺りで助走するかのような軽やかさが生まれサビで跳ねる。

いわゆる典型的なポップソングの進行だから親しまれたのかなぁと分析してるんですが、この「イントゥ・ジ・アンノウン」もその方程式に沿ってはいるんですよね。

ただこっちの方がどうも重たさが前半の部分であって、なかなかサビで跳ねないもんだからもったいないなぁと。

ただ、聞きなれない声に耳を澄ませて不安がよぎるエルサの心情が、やがて未知の旅へと誘う高らかな気持ちにさせる展開は、しっかりエルサの思いに直結していて、巧く作ってるなぁと。

ただ耳に残り辛いんだよなぁ…

 

あとは結構独唱が多い点ですかね。

前作も独唱はありましたけど、それよりもデュエットやみんなで歌う曲の楽しさが印象的で、今回もそういうのが用意されてるんだろうなぁと思ったら、あまり心に残るような曲ではなかったなぁと。

序盤こそ昼間のアナとオラフが落ち葉に誘われてにぎやかに歌い出し、その葉がクリストフ、エルサとバトンのように繋がっていき、最後は夜の集会で一同が集い物語の始まりを告げるかのようないいムードで描かれてるんだけど、それ以降はソロ曲ばかりだなぁと。

今回もエルサとお母さんの歌ってデュエットはありましたけど、前作のアナとエルサの掛け合いのような曲でなくて、主旋律をエルサ、ハモリをお母さんみたいな典型的なデュエットで、目新しさがないなぁ、ミュージカルっぽい部分が欲しかったなぁと。

 

ただ、イントゥ・ジ・アンノウンはパニックアットザディスコが、クリストフのソロ曲はWeezerがエンディングでカバーしてて、こっちの方が僕は断然カッコイイなぁという収穫はありました。

さすが泣きロックの神様ウィーザー。クリストフの歌にピッタリって感じで。

 

 

最後に

あれ、すげえ不満ばかり書いてる・・・

海原を駆けるも高波に邪魔され、何度もトライするエルサのとことか、それこそノースルドラの秋の匂い漂わせる赤い落ち葉が舞う背景とか、キャラクターの表情とか、映像面に関してはさすがディズニーだけあって眼福そのものですし、歌にはっきり好みが出ちゃう性分なもんだから、細かいことウダウダ言ってますけど、きっと誰もが心に残る楽曲ばかりだと思います。

 

過去の過ちを正すことの勇気って大事ですよね。

未来はこの映画を見て夢中になってる子供たちが担うわけで、それを大人たちがしっかり導かなければいけないわけで、でも大人の時点で正しい時代西中やなってのはあるんですけども…

まぁ物語だけで言えば、国を統治する2人が避けて通れない道だったということだったのかな、と。

そういう点においては今の分断強まる世界情勢と照らし合わせると感慨深いテーマだったのかなとも思えるし、それを女性二人が成し遂げようとするのもステキというか。

 

これはもしかしたら2回観ないといけない案件かもしれません。

機会があればもう一度見ようとは思いますが、スケジュールがなかなか難しいな…

 

てかあれだ、今回悪い奴いないのが微妙だったのかな…黒幕というか。

そもそもそういう話じゃないってか。

とにかく水は記憶してるそうなんで、何か忘れたら水を飲むといいのかもしれませんね、違うか。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

映画「ゾンビランド2/ダブルタップ」感想ネタバレあり解説 10年ぶりの続編は中身もゾンビもパワーアップ。

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11月22日

ゾンビランド/ダブルタップ

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日本は遺体を火葬するのが主流。

というかほぼ土葬ができないために、死体のまま蘇った人間=ゾンビが出てくるってのは、日本では馴染みもなければ、言い伝えとかもないと思うんです。

でも、仮にゾンビが目の前に現れたら、どう対処すればいいのか考えたことはありますか?

 そりゃあ一目散に逃げるのが一番だと思います。

しかし、トイレに入ってるときとか、車に乗ろうとしたときなどの不意を突かれた時なんか、とっさの行動なんてできなかったりしますよね。

その結果、つかまったり噛まれたりしたらさぁ大変。

自分もゾンビになってしまうわけですから。

だから彼らによって被害を受ける前に「心得」みたいなのがあると助かると思いませんか?

 

そんな私たちのために、明らかに一番最初にゾンビに食われそうなのに、未だ存命の元引きこもりの青年が考案した「ゾンビから身を守る32の方法」をご紹介します。

 

 

1.有酸素運動

2.二度撃ちして止めを刺せ

3.トイレに用心

4.シートベルトをしろ

5.ゾンビを発見したらまず逃げろ

6.フライパンでぶっ叩け

7.旅行は身軽であれ

8.クソったれな相棒を見つけろ

9.家族・友人でも容赦(ようしゃ)しない

10.素早く振り向け

11.静かに行動すべし

12.バウンティ・ペーパータオルは必需品

13.異性の誘惑には注意

14.ショッピングモールは補給基地

15.ボウリングの球をぶん投げろ

16.人の集まる場所は避けろ

17.英雄になるな

18.準備体操を怠るな

19.葬儀・埋葬の必要はない

20.人を見たらゾンビと思え

21.ストリップクラブは避けろ

22.逃げ道を確保しろ

23.金品よりも食料確保

24.生き残るためには犯罪も

25.火の用心

26.肌の露出は最小限に

27.就寝前には安全確認

28.食事と風呂は短時間で

29.二人組で行動しろ

30.予備の武器を持て

31.後部座席を確認しろ

32.小さいことを楽しめ

 なるほど、これだけ対策しておけば、いつ何時ゾンビに遭遇しても安心ですね!

 

さぁ、今回はそんなゾンビだからけの世界を、悠々自適に過ごしている青年率いる男女たちのその後を描いた作品です。

早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

爆発的なウィルスの蔓延によりゾンビだらけになった地球を舞台に、ゾンビから身を守り、ゾンビ社会で明るく楽しく生き抜く男女の絆と活躍を描き、世界中でバカウケした作品「ゾンビランド」。

今作は、あれから実はまだ生き延びていたという設定の下、10年後のゾンビランドを描く。

 

そもそもお気楽なノリのB級お気楽ゾンビコメディだった前作は、気が付けばキャストの全員がアカデミー賞受賞またはノミネートするほどの大化けぶりで、さらには監督までも超ビッグ映画の監督を務めるほど、皆がビッグネームになってしまったことで、既に今作が「超一流」のお墨付き。

 

彼らは如何にして10年もの間生存し続けることができたのだろうか!

時代の変化によって10年前より厄介になったゾンビたちにどう立ち向かうのか!?

彼ら以外に生存していた者たちとの共存は果たしてうまくいくのか!?

 

新たな局面を迎えた彼らは、ルールをどこまで増やすのだろうか!?

 

ゾンビランド (字幕版)

ゾンビランド (字幕版)

 

 

 

 

 

あらすじ

 

2009年に起きた爆発的なウィルス感染で人類がゾンビと化して10年。

 

当時、大学生だったコロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)は、「二度撃ちして止めを刺せ」「人を見たらゾンビと思え」など独自に編み出した「生き残るための32のルール」を守り、数少ない仲間と共にゾンビ社会を生き抜いてきた。

 

だが、10年が経ち、ゾンビたちもパワーやスピードが増した新種へ進化。

 

新たな生存者の仲間を加えたコロンバスたちは、ルールをさらに強化し、生き残りを懸けた戦いに挑んでいく。(Movie Walkerより抜粋)

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは、ルーベン・フライシャー

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「ゾンビランド」から10年。

再びジェシー・アイゼンバーグを起用し、不運なピザ屋のドタバタ劇「ピザボーイ」や、ロス市警とギャングの抗争を描いた「L.A.ギャングストーリー」、さらにはスパイダーマンの人気ヴィランの誕生譚を描いた「ヴェノム」と、気が付きゃトントン拍子で人気作品を量産している監督。

 

今回は原点回帰ともいえるゾンビコメディとだけあって、彼の本領発揮が炸裂していそうですね。

監督に関してはこちらもどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

キャスト

めんどくさいんで、4人の主要キャラの10年間の功績を。

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  • ジェシー・アイゼンバーグ【コロンバス役】(右から2番目)

前作の翌年2010年に「ソーシャル・ネットワーク」でアカデミー賞主演男優賞にノミネートしちゃう。

その後は日本でも大ウケだった「グランドイリュージョン」や「バットマンVSスーパーマン」でレックス・ルーサーを演じ、悪役としても輝きを放ってました。

相変わらずひ弱でクレバーなイメージですけど、今回で再びこの役を演じるうことで、パブリックイメージがさらに根付きそうですねw

 

  • ウディ・ハレルソン【タラハシー役】(左から2番目)

こちとら既に前作出演前に「ラリー・フリント」でアカデミー賞主演男優賞にノミネートしてる勝ち組ですけども、その後は存在感を示すも賞レースには顔を出してこれなかったんですね~。

でもこの後「ハンガーゲーム」シリーズや、ジェシーと同じく「グランドイリュージョン」などで若い世代にも浸透し、2017年には「スリー・ビルボード」でアカデミー賞助演男優賞ノミネート、「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」では一癖も二癖もあるベケットを演じ注目されました。

 

  • アビゲイル・ブレスリン【リトルロック役】(1番右)

彼女もハレルソン同様、前作よりも前に、しかも子役の時に「リトル・ミス・サンシャイン」でアカデミー賞助演女優賞ノミネートを果たす勝ち組に。

気が付けば随分とふっくらした大人の女性に大変身してますが、近年では家族の皮肉な実情を描いた「八月の家族たち」で反抗期の娘役、またシュワちゃん主演の「マギー」にも出演と活躍しています。

彼女の場合子役時代の方が有名だったよなぁ。

 

  • エマ・ストーン【ウィチタ役】(1番左)

この中で一番の大出世をしたのは彼女でしょう!

前作出演後、「アメイジング・スパイダーマン」でヒロインのグウェン役に抜擢され、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」でアカデミー賞助演女優賞ノミネート、さらには「ラ・ラ・ランド」でアカデミー賞主演女優賞受賞

女王陛下のお気に入り」でもアカデミー賞助演女優賞ノミネートと、オスカー女優として目覚ましい活躍。

 

なんですか、この映画に出演するとご利益でもあるんですか?

 

 

そんなご利益にあやかろうと(断じてそんなつもりはないはずw)、今作からキャラが増加!

マディソン役に「エブリバディ・ウォンツ・サム!! 未来はボクらの手の中に」でヒロインを演じたゾーイ・ドゥイッチ

ネバダ役に、「レント」、「デス・プルーフinグラインドハウス」のロザリオ・ドーソン

アルバカーキ役に、「チャーリーズ・エンジェル」、「俺たちニュースキャスター」のルーク・ウィルソン

フラッグスタッフ役に、「アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!」、「ゴジラ/キング・オブ・モンスターズ」のトーマス・ミドルディッチなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

相変わらずの爆笑ゾンビ映画になっていることでしょう!

てか、これ見ると、タラハシーの大好きなトゥインキーが食べたくなるんだよなぁ…食べたことないんだけど。

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

前作よりくだらなさが倍増!

この腐った世界で俺たちは本当の「ホーマー」になれた!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大まかなあらすじ

前作から10年共に旅をしてきたことでマンネリ化した4人の、突然の巣立ちを機に動き出す旅路を軸に、相変わらずルールを重んじるコロンバスや、高圧的暴力的なタラハシー、いつだってクールで妹想いのウィチタ、幼いころからZ時代を過ごしたことで大人になりたいと望むリトルロック、新たなメンバーなども加わることで、さらにワチャワチャで悪ノリしていったパワーアップな続編映画でした。

 

コロンビア映画のロゴに襲いかかるゾンビを、松明で一掃するバカ強さを見せ始まる冒頭。

世界は未だゾンビランドで消滅する気配は一向になく、バカでマヌケなホーマー【シンプソンズだからOがドーナツ)に、めっちゃ素早く動き気配を消して襲い掛かるニンジャ、スティーブンホーキングばりに賢いホーキングなど、むしろ多種多様なゾンビが増えてきた。

そんな世界でようやく自分たちの寝床を見つけた一行。

メタリカの名曲「Master of Puppets」の曲にのせてカッコよくゾンビたちを成敗していく。

 

何とそこはホワイトハウス。

リンカーンの肖像画やファーストレディの指輪など、そこら中にアメリカの歴史が詰まった所有物を漁り、さも自分たちの所有物のように扱う4人。

コロンバスはそろそろウィチタに結婚を申し込もうとするも、結婚の先に待つのは離婚しかないと断られれてしまうが、案外ケロッとしている。

むしろウィチタの方が、本当にこれでいいのか、と一時的に訪れた平穏に疑問を抱く。

 

一方のタラハシーは自分の車を丁寧にカスタマイズ。

そこに訪れたリトルロックを娘のように接するも、彼女は不満げ。

クリスマスプレゼントにあげたコルト45を上げるもゴキゲンはななめの様子。

 

翌朝バッドニュース。

なんとウィチタとリトルロックが出ていってしまった。

タラハシーの愛車を使って。

 

それから1か月もの間傷心状態のコロンバスと切り替えの早いタラハシーはショッピングモールで食糧調達へ。

これまで頼りない男だと思ってたけど、お前はいい相棒だと話そうとするも、全く聞く気のないコロンバスは、そこでロリポップなおバカガールのマディソンと出会う。

これまで冷凍室で身を隠していたこともあり人肌恋しいマディソンは、クレバーで優しいコロンバスに急接近。

コロンバスもまたぽっかり空いた穴を埋めてくれるマディソンを歓迎し、嫌がるタラハシーをよそにホワイトハウスへ招く。

 

そのままベッドインしてしまったコロンバスとマディソンの激しいピストン運動による振動に、お盛んなこと、とソファーでふて寝しているタラハシー。

その時何やら部屋の奥で大きな物音がすることに気付く。

武器を装備し、そこへ向かうと、何とそこには出てったはずのウィチタが。

 

ウィチタはなぜ戻ってきたのか。

武器を取りに来た、と発したが、実際は道中で拾ったラブ&ピースでノーモアGUNな青年バークレーの、明らかにボブディランのパクリソングで、リトルロックがすっかり心を奪われてしまい、二人は半ば駆け落ちっぽく逃亡。

車ごと奪われてしまい戻ってきた、というわけ。

 

やけに愛のこもってない短めの置手紙を残して去ったものの、こうして戻ってきたのは、やはりコロンバスを思ってのこと。

互いが本心で向き合いもう一度やり直すことを決心・・・したはずが、さっきまでリンカーン像が覗く部屋で激しいピストン運動をしていた相手マディソンが、正にバッドタイミングで、しかも「ロー&オーダー」ならぬ「ロー&マーダー」という寝間着用Tシャツを着て登場。

 

私という女がいながら、いなくなった途端すぐソレですか、かぁ~男って女々しい生き物だと思ってたけど、案外切り替え早いのね、あ、心でなくてアソコで動くのね、ふぅ~んな視線でコロンバスを軽蔑。

2人の関係は修復はおろか、決裂寸前にまでなってしまうのであります。

 

とにかく仲間であるリトルロックの救出に向けてマディソンを加えた4人は、ホワイトハウスを出発し、彼らが向かったであろうエルビス・プレスリーの居住地でもあるグレイスランドへと出発。

 

ウィチタが乗ってきたミニバンにゴキゲン斜めのタラハシーは、道中で大きなマイクロバスが乗り捨ててある場所にたどり着き、乗り換えることを決断。

ハイウェイから降りてバスがある場所へ向かった一行。

マディソンが一番乗りでドアを開けるとブザー音が!

その音に寄ってきたゾンビたちに囲まれてしまう。

 

後ろが6時、前が12時の合図で指示しろとコロンバスに命令し、下でゾンビを待ち構えるタラハシーとウィチタ、ただ突っ立って叫ぶだけのマディソン。

コロンバスの適格かどうかあいまいな指示により、難なくゾンビを退治する2人だったが、そこに新種ゾンビが登場。

撃たれても獲物を食らうまで死にません、なスタイルで襲いかかってくるゾンビを、コロンバスは2番目に大好きな映画(ちなみに一番はファンタジアだそうw)にあやかって、「T-800」と命名。

何とか仕留めたタラハシーだったが、この先こんなゾンビと遭遇したらどうすればいいのか、一同は不安を抱える事態となってしまった。

 

結局バスはタイヤがパンクし、隣にあったラッキーピエロのワゴンは、ピエロがニガテなコロンバスの意向により却下。

結果ミニバンに乗って出発することに。

 

 

道中チョコを頬張るマディソンに異変が。

急に顔は青ざめ、ろれつが回らなくなり、吐き気を催してしまった。

さっきの戦闘でこの娘はゾンビに噛まれたのかもしれない、危険を感じた3人は彼女を降ろし、始末することを決断。

さっきまで仲良く過ごした彼女に、銃口を向けるのはつらいこと。

しかし自分たちの命を守るため、リトルロックの回収が目的である彼らは冷徹と言われてもするべきことをしなくてはならない。

前夜に一夜だけの関係だったとはいえ、そこで愛を感じた自分こそが始末するべきだと悟ったコロンバスは、苦渋の決断で彼女を始末する。

 

ようやく着いたグレイスランドは、既に廃墟を課していてとても住めそうになく、またリトルロックの姿もない。

根っからのプレスリーファンであるタラハシーは、大きなショックを受けるも、すぐさま車を走らせることを決意。

しかし、災い転じて福となすとはこのこと。

その先で煌々と光るモーテルがあるではないか、しかもリトルロックが勝手に乗っていったタラハシーの愛車まで止まってる。

 

モーテルはプレスリー縁の地に便乗したかのような彼のギターや服、靴、ピアノなどが展示された作りになっていて、タラハシーはついついピアノを弾いてゴキゲン。

リトルロックの姿が見当たらない3人の前に、謎の女性がタラハシーに詰め寄る。

ネバダと名乗る女性は、ここを拠点にゾンビから身を隠していたことが分かる。

 

タラハシーはプレスリーで得したエピソードを意気揚々と語ると、その姿にキュンとなったネバダとそのままいいムードに。

 

翌朝、モーテルの前に停めていたタラハシーの車に突っ込んで来たバギーで、全員が目を覚ます。

どうやらネバダのモーテルの先客で、買い出しから帰ってきたらしい。

アルバカーキと名乗るその男は、ハットを被り自信満々で車から降り、お前の車がそこに停めてあるのが悪いと絡んでくる。

その姿はタラハシーそっくりで、ウィチタとコロンバスは目を疑う。

しかも助手席から降りてきたフラッグスタッフと名乗る男は、コロンバスそっくりで、2対2のいがみ合いを始める。

コロンバスが「ルール」を重んじる性格なら、フラッグスタッフもルール(なんて言ってたか忘れました・・・)があるそうで、コロンバスのルールが命令口調な言葉なら、フラッグスタッフはどこかうまい例えのような文句。

2人のいがみ合い、いや交流はなかなか終わることを見せず、ウィチタの仲介でようやく終幕。

 

どう見てもそっくりな二人と酒を飲み交わしていると、カーキたちを追いかけてきたゾンビがモーテルの前までやってきてしまう。

ここは俺たちがと、いいところを見せようとするタラハシーだったが、それを制するようにこの獲物は俺たちのものだと威張り散らすカーキとフラッグスタッフ。

ここはお手並み拝見てことで譲ると、明らかに戦えることに感心。

 

帰ってきた二人に素直に喜べないタラハシーだったが、カーキの左腕にある噛み傷を見つけたネバダは、身構える姿勢に。

フラッグスタッフも2か所噛まれていることをカミングアウトされ、二人はゾンビに急変、密室での大乱闘が勃発!!

果たしてこのピンチを3人は乗り越えられるのか!

そしてリトルロックはいずこへ!

 

・・・って感じです。

残りは劇場でどうぞ。

 

 

いやぁ笑った笑った。

そもそもこの前作「ゾンビランド」って知る人ぞ知るB級ゾンビコメディって解釈だったんだけど、揃いも揃って売れちゃったもんだから、せっかくなら大々的に製作しちゃおうって感じの続編でした。

もちろんそれは悪い意味でなくて、どいつもこいつもいい味だしてるし、明らかに風格が違いましたよね。

 

特にハレルソンなんかブチ切れ度が格段と上がってるし、暴れっぷりや頼もしさ、ユーモアも全然前作と違う引き出しで攻めてきてましたね。

一番見栄えが変わったのはアビゲイルちゃんか…

なんだ、あのムチムチっぷりは!あんな谷間まで出して!けしからんですよあたしゃ!

そりゃあバークレーもイチコロだわなぁw

 

まぁお芝居はとりあえずいいとして、全体的にはゾンビと戦う姿よりも、道中で道草食って強いゾンビに悪戦苦闘、それ以外はひたすら会話会話で途中ユーモア、みたいな、結構杜撰な内容になってたかもしれません。

まぁ前作を思い出せば似たような部分ですが、せっかく10年ぶりの続編なんだから、派手にゾンビ倒しを見せてほしかったなぁ、10年の時を経てどれだけ強くなったかをもっと見せてほしかったなぁってのはあります。

 

それにしてもまぁ笑った笑った。

コロンビア映画のロゴが急に動くジャブが入ったかと思えば、ホワイトハウスでふんぞり返ってやりたい放題の4人、いけすかないバークレーにブチ切れるタラハシーに、10年経ってもパリピ感の抜けないZ第2世代のマディソンの、空気読まない発言やおバカ発言。

特に双眼鏡を逆にしてタラハシーを覗く件はしつこいけど、あぁこういう何も考えてなさそうなおバカっぷりいいなぁ~ってw

バカも拍車がかかるととんでもないビジネス、ってかそれあるよね?、いやこのゾンビ時代にそれやりたいの?みたいなことまで言っちゃうし、しかもオメエ忘れたころに出てくるんじゃねえ!wって感じで、今作の中でだいぶかき回してましたねw

そのせいもあってエマ・ストーンの存在が消えかけてましたよw

 

一応現代の社会とどう繋がってるのかって解釈ですけど、バビロンに住んでる輩は、武器を持たずハッピーライフをエンジョイしている連中で、彼らっていかにも今の若い世代といいますか、戦うことなどせず今の暮らしが幸せならそれで良い的な価値観を持ってるというか。

それに対し、武器を持ってこそ男、戦わずして生きることなどできないと論じるのがタラハシーみたいな対立構造でしたよね。

物語の結果的にはこのバビロンにT-800たちが襲ってくるって流れになりましたけど、ゾンビのような敵、もしくは悪はそこまで来ていて、武器なしでは到底勝ち目がないわけで、タラハシーの考えが正しい、みたいに見えます。

 

アメリカでは銃規制の問題に変換するとなれば、銃を持っているから事件は起きるのか、それとも自衛のために銃は必要なのか、で考えると、やはり自衛のために銃は必要なのかな、ってのがこの映画からも感じられるというか。

 

あくまで強引な解釈で、この映画とそれは無関係であることを大前提として言ってるので、こいつこの映画見て何考えてるんだ!?なんて思わず、さらっと触れるだけで結構です、はいw

映画は何かしらそういう今の時代に照らした部分があるので、そういう見方もできなくはないよなってことで、ええ。

 

まぁあれですよ、この映画は社会的な部分を読み取るのでなく、彼らのゾンビ退治と4人の芸達者のアンサンブルで笑うのが基本的な見方だと思いますw

 

 

最後に

前作で真人間であるにもかかわらず、ゾンビの恰好をしてしまったことでコロンバスに誤って殺されてしまったビル・マーレイですが、今回も登場します。

しかも劇中ではこのような行為を「マーレる」と言うそうで、生存している人たちの間では都市伝説、いや隠語のように語られているんですね。

一体どこでどうやって登場するのか、最後まで!しっかり席を離れずに鑑賞してください。

 

しっかし笑ったなぁ。笑った。

上映時間も短いし、あっというまでした。

クライマックスのドタバタ劇もド派手にゾンビを倒すし、何発撃っても死なないゾンビを、しかも何十匹もどうやって退治するのか、予想がつかなかったですが、そういうこと!と。

ゾンビの習性を活かしたナイスアイディアでしたね。

 

 

続編やるとしたらまた10年後ですか?

そしたら子供もいるんだろなぁ。

とにかく自分のホームはどこにあるのか、それは住処ではなく、共にいるべき人たちなのだ、ということを教えてくれる作品でしたね。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「EXIT/イグジット」感想ネタバレあり解説 ビル群の中で有毒ガスから逃げまくれ!

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11月22日

EXIT(イグジット)

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今や「EXIT」といえば、ピンク色のヘアーでチャラさ満点の細身と、やたらでかい顔を髪型とヒゲで何とかごまかしてる男二人が、やたらとチャラいネタで大人気の渋谷系イケメン漫才師をすぐ連想させますよね。

 

しかし今回僕が言ってる「EXIT」は、韓国映画のこと

 今月の新作映画の中で、まず見ないだろうな、とリストから外していたんですが、劇場で予告を見たときになんて面白そうなんだ!となりまして。

 

韓国映画のエンタメ系って、すごくわかりやすい構成でできてるんですよね

悪い言い方になっちゃいますけど、予告を見た時点で大方の予想がつくw

だからある意味安心して観られるって利点はあります。

 

加えて、アクションありスリルあり恋愛ありドラマありと、あらゆるジャンルを網羅しているのに、全然ごちゃごちゃしていない。

また。大がかりなロケーション撮影を兼ねての大迫力溢れる展開も、拍車をかける面白さに直結しているのが魅力の一つですよね。

 

そんなゴリゴリエンタメ系の韓国映画であろう今作。

早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

公開する前から大規模な試写会を行い、それを見た観客のSNSでの口コミによって、あの「ライオンキング」を抑え、韓国映画興行ランキングで初登場1位を記録。

しかも2019年9月の時点で940万人を動員するという特大ヒットを記録している本作が、ついに日本で公開。

 

上昇してくる有毒ガスから逃れるために、元山岳部の経験を活かし、地上数百メートルの高さのある超高層ビル群の屋上を上り続けるという、超サバイバル映画。

サバイバルパニックを多くの人々が行きかう都市部を舞台にして描く大胆な設定と、いくつものツールを多様的に利用することで現代的で斬新な取り入れ、そして根っこにあるのは男と女が共に助け合いピンチを斬りぬけるという古典的な物語の構成。

今作が長編映画デビューとは思えないセンスで、観る者を圧倒することは間違いないだろう。

 

二人の命がけの脱出劇。

果たして出口はあるのか!!

 

 

 

 

 

あらすじ


韓国のある都心部、突如原因不明の有毒ガスが蔓延しはじめる。

道行く人たちが次々に倒れ、パニックに陥る街——。

 

そんな緊急事態になっているとも知らず、70歳になる母親の古希のお祝いをする会場では、無職の青年ヨンナム(チョ・ジョンソク)が、大学時代に想いを寄せていた山岳部の後輩ウィジュ(ユナ)との数年ぶりの再会に心を躍らせていた。

 

しかし、上昇してくる有毒ガスの危険が彼らにも徐々に迫ってくる。

ガスに触れてしまった姉と両親・親戚たちは、なんとか救助のヘリコプターで運ばれたが、取り残されたヨンナムとウィジュ。

 

彼らの手元にあるのは、ロープとチョークと山岳部で鍛えた知恵と体力。

 

地上数百メートルの高層ビル群を命綱なしで登り、跳び、走る出口は町の一番高い高層ビルよりも上!

 

絶体絶命の中、決死の緊急脱出がはじまる! (HPより抜粋)

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは、イ・サングン

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これまで多数の短編映画を手掛けたり、「史上最強スパイ Mr.タチマワリ」の助監督などを経験してきた監督。

 

どんな人間でも必ずひとつはスキルを持っており、それが危機的状況の時に発揮されたら絶対面白いだろう、という発想から今作は誕生したそう。

また、今作は普通の災害パニック映画のそれとは違い、夜中から朝方まで休む間もなく、一睡もすることなく逃げ続けなければならない状況を描くこと、これだけでも十分なエンタメ性が保てると思ったそうです。

 

意欲溢れる彼のインタビューはこちら。

marcy513.blog.fc2.com

 

 

 

 

キャスト

今作の主人公、ヨンナムを演じるのは、チョ・ジョンソク。

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僕にとっての彼は、なんといっても韓国で大ヒットした映画「建築学概論」で、主人公の学生時代の親友を演じたのが、唯一の鑑賞作品。

確か主人公の恋の悩みをアドバイスするような立場だったと思うんですけど、お調子者感がすごく良くて、何度も笑った記憶が。

どうやらそれが映画初出演だそうで、それまではミュージカルで活躍してたんだそう。

だからこんなユニークなキャラを演じられるんですね。

 

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今作の脚本を読んで「これだ!」と思った彼は、ロッククライミングやワイヤーアクションの練習をハードにこなし、本番に活かしたそう。

そうそう、これほとんどのアクションを演者がやってるみたいで、それがかなり効果をもたらしてるんだとか。

これが彼の代表作としてアップデ―トされればいいですね。

いやぁ~楽しみです。

 

 

 

他の出演者はこんな感じ。

ヨンナムの思い人で学生時代の後輩ウィジュ役に、「コンフィデンシャル/共助」、またアイドルグループ少女時代でも活躍中のユナ。

ヨンナムの母・ヒョノク役に、「グランプリ」、「グッドモーニング・プレジデント」に出演していたコ・ドゥシム

ヨンナムの父・ジャンス役に、「怪しい彼女」、「執行者」のパク・インファン

ヨンナムの姉・ジョンヒョン役に、「あなた、そこにいてくれますか」のキム・ジヨンなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

得体のしれない有毒ガスに追われるのに加え、危険な高所を登るならければならないという2重構造なドキドキパニックアクションサバイバル。

こんなん絶対楽しそうじゃん。

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

いやぁ~ドキドキした!!

朗らかなユーモア描写を挟むことで緩急つけたアイディア勝負の佳作!

もったいない部分もあるけど、デビュー作として上出来。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイディアがすごくいい。

謎の有毒ガスが蔓延したことでビルに閉じ込められた主人公とヒロインが、家族を助けるため、そして自分たちも危機を脱出するために、唯一の特技であるフリークライミングと、それで培った知恵と経験を生かして決死のサバイバルを繰り広げる姿を、自身の哀しい状況や家族内での立場を目いっぱいのユーモアで朗らかにし、現実的に可能な道具でうまく危機を脱出する姿、手に汗握る演出を見事に表現することで、緊張と緩和を上手く融合し、最高のエンタメ映画に仕上げた佳作でございました。

 

恐るべし韓国映画。

ヨンナムの就職難と、全くいうことを聞かない寧ろこきつかわれまくりの立ち位置を、悲哀でなく笑いで緩やかに進めたかとおもえば、すぐ下ではとんでもねえバイオテロで街の人たちを混乱にさせ、どう考えても脱出不可能だろうという舞台を、序盤でたっぷり時間をかけて整える丁寧さがまずお上手。

 

その後ヨンナムが唯一得意とするクライミングで危機を回避する姿!

彼にはこれしか取柄がないということが既に情報で入ってるから、一見頼りなさそうな青年でも期待が持てる瞬間を惜しみなく描くことで、彼を一瞬でヒーローに仕立て上げる中盤の面白さ。

 

このクライミングでの緊張感は、明らかに無謀であるという周囲の怒号と罵声により、さらに緊張感を煽り、さらにはどうしても届かない距離にあるホールドに手をかけるために、ロープを外し体一つでジャンプしようとすることで、この時点で一番の山場を迎えるMAXの緊張感を味わえます。

しかも大学時代での回想で失敗した映像をダブらせることで、うわ!やっぱ無理か!?という思いをリードさせるんです。

これが見事にハマっていて、僕は鼓動が半端なかったです。

 

後半からは後輩でかつて告白に失敗したウィジュ(ユナマジでかわいいw)と、逃げ遅れたことで、夜のコンクリートジャングルを縦横無尽に逃げ回るというもの。

頼りない先輩だから、急に弱音はいたり途中でいなくなったりサポートする姿が不安になったりする部分もあるけど、彼は決してウィジュを置いて逃げたりしない男らしさもしっかり描かれており、逆にウィジュもクライミング経験者だから先輩が頼りない時はリードしますし、女性だから泣きだしたりする様も。

立場がうまい具合に逆になるのも効果的でしたし、かなり感情的になってるけど、それが状況のヤバさを際立たせている点でもありました。

 

 

今回非常に面白いなぁと思ったのは、有毒ガスを脅威にした点。

例えば台風ならクライミングどころじゃない。

例えば火災なら別の建物に逃げればいい。

例えば自身なら建物倒壊してるからそれどころじゃない。

じゃあ煙ならどうだろう、と。

煙は下から上へと上がっていくから、上に逃げないといけない。したがってフリークライミングで逃げるという設定にうまく機能していることが窺えます。

さらに風によって方向を変えたりするなどの行動パターンが読めないために、追われる側はあらゆることを想定して動かなければならないという思考力も備えなくてはならないなど、難易度の高い脅威なんですよね。

 

さらに面白いアイテムとしてドローン機を多用している点。

ガスが蔓延しているために現場へ急行できないTVクルーが、裏ルートで用意したドローン機を操る業者を要して独占映像を得ようとする件があります。

ヨンナムの父が神にもすがる思いで彼らにヨンナムを探してほしいとせっつき、彼らの現状を知るという流れなんですが、結果バッテリー切れにより途中で映像が途切れてしまうんだけど、それを見た国内の若者たちが自分のドローン機を飛ばして彼らが無事かどうかを知らせるという役割を担ってました。

さらにドローン機とうまくコミュニケーションを取り、向かいのビルのパイプ管にロープをひっかける作業を手伝わせるというアイディアまで披露。

いかにも現代的なやり方だったし、誰も助けられない状況の中で協力できるという点でも面白い場面でした。

 

他にも普通の呼吸で15分しか持たないガスマスクが公共施設にしか置いてないという制限でドキドキさせたり、焼き肉店においてある煙を吸ってくれる煙突が今回ばかりはバッドアイテムとして使われていたり、ミッションインポッシブルのイーサンハントと比べてしまうほどキレイに走る姿も印象的だったし、ヘリを呼ぶための救難信号のリズムが心地よいし、そんなときでもウィジュの体重を気にする件や、もっと高い場所にある企業で働くなどのユーモアを挟む優しさ、色々と彼らをピンチに追い込む場面や状況、どれもこれも素晴らしい出来だったと思います。

 

 

あくまで僕の経験談

実際僕もボルダリングをやったことがあるんですけど、すごく難しいんですよね。

チョークを手に付けて登るんですけど、かなりつけないと滑るんですよ、手に汗かいて。

序盤でもリードクライミングっていう、コースを見極めて登ることの大事さを伝えてるんですけど、体中筋肉使ってる最中に、頭も使ってコースを決めなくてはいけないっていうのがホント難しくて。

明らかに初心者だからか、翌日腕とか腰とか股関節とかとんでもなく筋肉痛でw

手が震えてるカットがありましたけど、そりゃあ震えるよなぁ、怖いし力使うしってことで、共感しましたw

 

インストラクターの見本を見せてもらったんですけど、すごく軽やかに登るんですよね。

もちろん経験者ですし、体の使い方もわかってるから柔軟にこなせるんでしょうけど、どうやら腕の力でなくて脚の力を上手く使うことが重要みたいで。

どうしても上に上る時って腕に頼りがちなんですよ。

だけど脚のバネを上手く使えばすいすい登れちゃうこともできるそうで。

劇中でも手の届かないところを足を曲げて届こうとするシーンなんかありましたけど、あれ初心者は何とか腕だけで行こうとしちゃうから、クリアできなかったりするんでんすよね。

 

ただ僕が経験しているのはボルダリングなので、彼らがやってるフリークライミングとは全然難易度が違うでしょう。

さらにサバイバルなわけですから。

 

 

こうすればもっと面白くなるのに

今回監督デビュー作ということでしたが、ホント良くできてました(上から目線ですいませんw)。

今後目を離せないクリエイターの一人になってくれたらいいんですけど、やっぱり初めての長編映画ってことで、色々と丁寧に描きすぎな部分は否めません。

特に序盤は家族内での関係性だったり、実際に本人もアクションしていますってのをしっかり映しておきたいのか、鉄棒で彼の腕っぷしをしっかり映すとこ、韓国の若者の就職難という社会問題など、どれもこれも入れていこう、しかもしっかり描いていこうというスタンスのせいで、その中に笑いがあるからまだましでしたが、本筋に入るまでが非常に長いです。

ここはざっくり切り捨ててすぐ本題に入っても良かったかなぁ。 

 

途中でもバイオテロの犯人がどんな人物でとかって情報も付け加えてるんですが、これが登場人物誰にも関係のない人物で、ここに尺を取るなら誰かしら関係している方が映画的にはセオリーじゃないかなと。

TV局の人たちも色々と特ダネを手に入れようとあちこち情報網を探ってる描写がありましたけど、これが特に意味がない。

きっと韓国内における様々な問題を描こうと思ったんでしょうけど、必要性に乏しかったなぁと。

まぁ韓国エンタメ系映画の良くもあり悪いところだよなぁってのはあります。

 

あとは舞台設定ですかね。

煙が下に充満しているせいで、彼らがいるビルの屋上が一体どれだけ高いのかってのを活かしきれてない気がします。

すぐ下に危機が迫っているという点では機能しているから、彼ら的には怖いんでしょうけど、見てる側はそれでは恐怖感が目で計れないというデメリットもあったように思えます。

だから終盤のクライミングよりも、中盤でヨンナムが屋上へ向かう時の方が怖いんですよね。下がどれだけの高さかわかるから。

 

他にも終盤はひたすらビルの上を飛び越えて煙から逃げるだけってのは、ちょっと芸がないというか。

ひたすらクライミングして逃げるって方が、緊張感あるかなぁと。

逆にリアリティないかもですけどね。

またユーモアもちょっと挟み過ぎあなぁってのもあります。

もうちょっと間隔をあけてサラッと一言って方が、緊張の糸がほぐれるかなぁと。

緊張8:緩和2くらいがちょうどいいのかも。今回4くらいありましたもんね。

 

 

最後に

こうした方が面白いってのはあくまで僕の個人的な観点からいったまでなんで、ほっといてもらうとして、ホントにアイディア満載な一見ベタで古臭い映画でしたけど、新しい要素もしっかり取り入れた作品でした。

 

誰でも得意なものがひとつあって、それを活かせる場面は人生で必ず訪れる、人はその時輝ける、という誰でもヒーローになれる瞬間がるということをこの映画は伝えています。

暗闇があるから光がある、失望があるから希望がある。

人生捨てたもんじゃないぞ、と大袈裟な捉え方ですけど、この映画はそういう意味もこめられてるんじゃないかな。

きっとヨンナムの決死のサバイバルを見て、企業が声をかけてくれることでしょう。

ウィジュとの恋模様もきっと成就する・・・のかな?w

 

てかね、有毒ガスがあれだけ街を覆うって、とんでもなくヤバイ状況でしょ!?

緩和する薬もできてねえし、改善策も水撒く程度。

これきっと相当数の被害者、死傷者が出てるはずですよ。

しかも都市部ですから万単位じゃないですかね。

そんな中で必死に逃げてる二人を追うTVクルーと一般市民ねw

ドラマ見てる場合じゃねえだろw

ま、映画ですからそこは咎めないでってことでw

 

いやぁドキドキした!

タータータタタータータタタ!!

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

モンキー的2019年12月期待の新作映画

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11月25日

モンキー的2019年12月期待の新作映画

 

あっという間に年の瀬が近づいてまいりました。

一気に肌寒くなって体調など崩しておりませんでしょうか?

僕はいたって健康です。

酒飲んでシメにご飯3杯食っても、翌朝しっかり朝ごはんを食らう健康優良児ですから。

 

さて今年最後の新作映画紹介。

今年はあの映画の最終章が公開とあって、映画ファンたちはさぞ盛り上がることでしょう。

僕はそこまで盛り上がってませんw

だって前作がさぁ…。

まぁいいや。

それでは早速どうぞ!

 

 

 

 

 

 

 

ラスト・クリスマス

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期待度☆☆☆★★

 

12月6日公開

 

  • 出演

 

ケイト・・・エミリア・クラーク

トム・・・ヘンリー・ゴールディング

ミシェル・ヨー ほか 

 

  • 解説

 

 1984年の発売以降、クリスマスの定番ソングとして全世界で愛されている「ワム!」の「ラスト・クリスマス」をモチーフに描いたロマンチックコメディ。

ロンドンのクリスマスショップで働くケイト。華やかな店内で妖精エルフのコスチュームに身をまとうケイトは仕事に身が入らず、乱れがちな生活を送っていた。そんなある日、ケイトの前に不思議な青年トム現れる。トムはケイトが抱えるさまざまな問題を見抜き、彼女に答えを導き出してくれた。そんなトムにケイトは心をときめかせるが、2人の距離は一向に縮まることはなかった。やがてケイトはトムの真実を知ることとなるが……。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

 クリスマス映画は、その時期にならないと話題にされないという点で正直見たいなぁと思わない主義でして。

あとはクリスマスに縁がねえからだな!けっ!

・・・その辺は置いといて、ポール・フェイグ監督作品て事で注目です。

そもそもここ最近ロマンス系の映画を見ていないので、ちょうどいいタイミングだったりもします。

 

もちろん一人で見ます…

 

 

 

 

ルパン三世 THE FIRST

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期待度☆☆☆★★

 

12月6日公開

 

  • 声の出演

 

ルパン・・・栗田寛一

次元大介・・・小林清志

石川五エ門・・・浪川大輔 ほか 

 

  • 解説

 

 モンキー・パンチ原作による国民的アニメ「ルパン三世」を初めて3DCGアニメーション化して描いた劇場版。

ルパン一世が唯一盗むことに失敗したという伝説のお宝「ブレッソンダイアリー」に挑むルパン一味の活躍を描く。

20世紀最高の考古学者ブレッソンが遺した最大の謎・ブレッソンダイアリー。その謎を解き明かした者は莫大な富を手に入れることができるとされ、第2次世界大戦時にはナチスもその行方を追い求めたという。ルパンの祖父であるルパン一世でさえ盗み出すことに失敗した、史上最高難度の秘宝を手に入れるべく奔走するルパンたちだったが……。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

 今年「アルキメデスの大戦」で株を上げたのに、「ドラゴンクエストユアストーリー」で元の株に戻ってしまった山崎貴監督の最新作。

ヒット作を作ることを大切さを重んじる彼だからこそ、細かいことは抜きに、アニメーションだからこそできる楽しい描写をメインに、今回もしていることでしょう。

もう予告編の広瀬すずの棒読み具合が既に期待値を下げているんですが、あくまで彼女はゲストですので、メインの活躍に期待ということで。

 

よくよく考えたら、声優陣が変わって初のルパン映画鑑賞かもしれない。

山ちゃんの父っつぁん、俺的にはしっくりこないんだけどなぁ…

 

 

 

 

ゴーストマスター

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期待度☆☆☆☆★

 

12月6日公開

 

  • 出演

 

黒澤明・・・三浦貴大

渡良瀬真奈・・・成海璃子

桜庭勇也・・・板垣瑞生 ほか 

 

  • 解説

 

 三浦貴大と成海璃子を主演に、悪霊によって地獄絵図と化した青春恋愛映画の撮影現場を舞台に描くホラーコメディ。

黒沢清監督に師事し、アメリカ人の父と日本人の母を持つヤング・ポール監督の長編デビュー作。

映画撮影現場で助監督をしている黒沢明は、名前だけは「巨匠」の風格だが、頼まれると断れない性格で要領の悪い、B級ホラー好きの気弱な映画オタクだ。現在の黒沢が携わる「壁ドン」な青春恋愛映画の現場で、監督やスタッフからこき使われる日々を送っていた。いつか自分が監督となった日に撮ることを夢見て、書き温めていた「ゴーストマスター」の脚本は、黒沢の心の支えとして、いつも肌身離さずに持ち歩いていた。しかし、あまりの過酷な撮影現場でたまりにたまった黒沢の不満と怨念のような映画愛が「ゴーストマスター」の脚本に悪霊を宿してしまう。そして、脚本に宿った悪霊により、青春映画の撮影現場は凄惨な地獄絵図と化していく。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

 黒澤もロメロもカーペンターもフーバーもデパルマも、あらゆる巨匠の作品を中途半端にしか見ていない僕ですが、なぜか惹かれてしまいました。

圧倒的B級感から湧き出るパッションが、僕の胸を掴んで離しません。

映画愛が詰まった作品ということなので、きっと誰もがあそこのシーンはあの映画のオマージュだ!みたいな蘊蓄を垂れることでしょう。

僕はそういうことが少ししかできないので、どれだけの愛が詰まった作品なのか、感情論だけで感想を書こうと思ってます。

こういう映画が世にもっと現れることを願った作品だよねきっと。

壁ドン映画をすでにディスってますしw。

 

 

 

 

 

家族を想うとき

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期待度☆☆☆☆★

 

12月13日公開

 

  • 出演

 

リッチー・・・クリス・ヒッチェン

アビー・・・デビー・ハニーウッド

セブ・・・リス・ストーン ほか 

 

  • 解説

 

 「麦の穂をゆらす風」「わたしは、ダニエル・ブレイク」と2度にわたり、カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞した、イギリスの巨匠ケン・ローチ監督作品。

現代が抱えるさまざまな労働問題に直面しながら、力強く生きるある家族の姿が描かれる。イギリス、ニューカッスルに暮らすターナー家。フランチャイズの宅配ドライバーとして独立した父のリッキーは、過酷な現場で時間に追われながらも念願であるマイホーム購入の夢をかなえるため懸命に働いている。そんな夫をサポートする妻のアビーもまた、パートタイムの介護福祉士として時間外まで1日中働いていた。家族の幸せのためを思っての仕事が、いつしか家族が一緒に顔を合わせる時間を奪い、高校生のセブと小学生のライザ・ジェーンは寂しさを募らせてゆく。そんな中、リッキーがある事件に巻き込まれてしまう。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

 「わたしは、ダニエルブレイク」という低所得層の現実を描いた次は、それよりも裕福だけどそこにはそこで辛さがある現実を描く、ということでしょうか。

予告の時点ですでに涙ぐんでしまった僕は、高い期待値で臨む所存です。

家族と社会が生きていく上でどう直結していくのか、まじまじと見せつけられることでしょう。

多分ですけど、日本人からしたらダニエルブレイクよりもこっちの方が同意しやすいのかなぁ。

共働きしている家族、多いだろうし。

 

 

 

 

カツベン!

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期待度☆☆☆★★

 

12月13日公開

 

  • 出演

 

染谷俊太郎・・・成田凌

栗原梅子(沢井松子)・・・黒島結菜

山岡秋聲・・・永瀬正敏 ほか 

 

  • 解説

 

 「Shall we ダンス?」「それでもボクはやってない」の周防正行監督が、サイレント映画時代を舞台に一流活動弁士になることを夢見る青年を主人公にしたコメディドラマ。

当時の人気職業であった活動弁士を夢見る俊太郎が流れ着いた小さな町の閑古鳥の鳴く映画館・靑木館。隣町にあるライバル映画館に人材も取られ、客足もまばらな靑木館にいるのは、人使いの荒い館主夫婦、傲慢で自信過剰な弁士、酔っぱらってばかりの弁士、気難しい職人気質な映写技師とクセの強い人材ばかり。雑用ばかりを任される毎日を送る俊太郎の前に、幼なじみの初恋相手、大金を狙う泥棒、泥棒とニセ活動弁士を追う警察などが現れ、俊太郎はさまざまな騒動に巻き込まれていく。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

 周防正行監督作品は久々なんですが、興味はそっちじゃなく成田凌です。

ここ2、3年で役者意識がたかっまている彼の主演作ということで、是非見ておきたいと。

弁士自体よくわかってないんですが、今でもいらっしゃいますもんね。

どういう職なのか事前に頭に軽く入れて臨みたいなと。

 

ちなみにどっかの監督が彼のアレの大きさを暴露してたことで話題ですが、果たして彼なんでしょうか…。

どうでもいいかそんなのw

 

 

 

 

ジュマンジ ネクストレベル

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期待度☆☆☆☆★

 

12月13日公開

 

  • 出演

 

ドウェイン・ジョンソン

ジャック・ブラック

カレン・ギラン ほか 

 

  • 解説

 

 テレビゲームの世界に吸い込まれた高校生たちが、本来の姿とかけ離れたゲームキャラクターのアバターになって冒険を繰り広げる姿を描き、大ヒットを記録したアドベンチャー「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」の続編。

「ジュマンジ」の冒険をクリアしてから2年。スペンサー、マーサ、フリッジ、ベサニーはそれぞれの進路を歩み、いまは大学生になっていた。しかし、あの時の興奮が忘れられないスペンサーは、破壊したはずのゲーム「ジュマンジ」をこっそり修理し、再びゲームの中に吸い込まれてしまう。スペンサーを救出するため、残った3人も「ジュマンジ」にログインするが、壊れたゲームの世界はバグだらけでキャラの入れ替え設定はめちゃくちゃ。さらに、スペンサーのおじいちゃん達も一緒に吸い込まれていた上に、ジャングルのみならず砂漠、氷山など新たなステージも追加されており……。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

 まさかのスターウォーズと1週違いで公開をぶつけてくるソニーピクチャーズの本気度w

前作でまさかのブレックファストクラブをぶち込んでくることでちょっとした青春要素も醸し出し、ティーンズたちから圧倒的な人気を得た今作。

僕はてっきりキャラは同じで、別のプレイヤーが再びジュマンジの電源を入れてしまったことから話が始まる、っていう続編かと思ったら、ガチで続編じゃねえかw

あの時の興奮を再び!と過去に縋る大人たちの酸いと甘いを今作で描くのか?

虚構は確かに楽しいけど現実の方がいいぞ、なんてたってメシがウマい、というレディプレのハリデーの言葉をここでも使うのか?

どちらにしろ、ゲームの中身は無理ゲーどころじゃないレベルになってるので、そっちメインで吟味したいですね。

 

 

 

 

スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け

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期待度☆☆☆★★

 

12月20日公開

 

  • 出演

 

レイ・・・デイジー・リドリー

カイロ・レン・・・アダム・ドライバー

フィン・・・ジョン・ボイエガ ほか 

 

  • 解説

 

「スター・ウォーズ」の新たな3部作としてスタートした「スター・ウォーズ フォースの覚醒」(2015)、「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」(17)に続く3部作の3作目。「スター・ウォーズ」サーガのエピソード9にあたり、1977年のシリーズ1作目から計9作品を通して語られてきたスカイウォーカー家の物語が完結する。

「フォースの覚醒」を手がけたJ・J・エイブラムスが再びメガホンをとり、主人公のレイを演じるデイジー・リドリーほか、ジョン・ボイエガ、アダム・ドライバー、オスカー・アイザックら3部作の主要キャラクターを演じてきたキャストが集結。初期3部作の「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」(80)、「スター・ウォーズ ジェダイの帰還」(83)に登場した、ビリー・ディー・ウィリアムズ演じるランド・カルリジアンが再登場するほか、シリーズを通して重要な役割を担ってきた、16年12月に急逝したキャリー・フィッシャー演じるレイア・オーガナも、「フォースの覚醒」製作時に撮影されていたものの未使用だった映像を用いて登場する。(映画.comより抜粋)

 

  • 期待どころ

 「最後のジェダイ」で賛否両論を生む大論争を巻き起こしてしまったSWでしたが、今作ではJJが監督に復帰ということで、当初のノリを上手く使って修正していく最終章の予感。

果たしてレイは何者なのか、不気味な笑いで企むパルパティーンの目的は、少数精鋭になっててしまったレジスタンスに勝ち目はあるのか、カイロレンはそのままダークサイドへと墜ちていくのか、そしてスカイウォーカー家の血筋は絶たれてしまうのか。

公開前に色々予想が飛び交ってますが、レイの親は僕は過去のキャラに誰ともつながっていない気がしてるんですけど、それじゃ面白くないよなぁw

 

一応僕が信じたい説は、スカイウォーカーVSパルパティーンの構図に沿って、レイはパルパティーン側、レンはスカイウォーカー側として対立、しかし紆余曲折を経てレイが光と闇のバランスを保つ救世主として君臨する、って説。

 

まぁ何しろ見直さないと考察も減ったくれもないわけで、誰かの説に乗っかるくらいしか今は考えられないです。

そもそも期待度星3つの時点でお察しいただけるかと思いますけど、前作で熱が冷めたので祭りを端から楽しむ程度の気持ちです。

こう短いスパンでやられるとありがたみってものがないので、こういうやり方はもうやめにしていただくか、SW自体これで終わりにしていいのかなと。

やるなら10年後くらいでw

 

 

 

 

THE UPSIDE 最強のふたり

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期待度☆☆☆★★

 

12月20日公開

 

  • 出演

 

フィリップ・ラカッセ・・・ブライアン・クランストン

デル・スコット・・・ケビン・ハート

イヴォンヌ・・・ニコール・キッドマン ほか 

 

  • 解説

 

 日本でも大ヒットを記録したフランス映画「最強のふたり」のハリウッドリメイク版。

スラム街出身で職もなく、妻子にも見放されたデルは、全身麻痺で車椅子生活を送る大富豪フィリップの介護人として働くことになる。秘書のイヴォンヌをはじめフィリップの周囲の人々は、キャリアも教養もなく、お調子者のデルを雇うことに否定的だったが、周囲の反対をよそに、フィリップとデルは互いにひとりの人間として接し、充実した日々を送る。しかし、フィリップは誰にも言えない秘密を抱えており、ある日、ふたりの友情を揺るがす出来事が起こる。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

 これアマゾンプライムで配信中なんですけど、せっかくなら劇場で見たいなってことで。

オリジナル版がめちゃくちゃ好き故に、リメイク版はちょっと…ってのはあるし、当初キャスティングされていたジャックニコルソンではない時点で熱は冷めてしまったんですけど、予告の二人の掛け合いを見て、オリジナル初回時の感動が沸き上がっってきました。

真逆の二人が巻き起こす、人生の動かし方。

堪能したいと思います。

 

 

 

 

テッド・バンディ

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期待度☆☆☆★★

 

12月20日公開

 

  • 出演

 

テッド・バンディ・・・ザック・エフロン

エリザベス・クレプファー・・・リリー・コリンズ

キャロル・アン・ブーン・・・カヤ・スコデラーリオ ほか

 

  • 解説 

 

 「グレイテスト・ショーマン」のザック・エフロンが、30人以上の女性を惨殺した実在の殺人鬼を演じた犯罪ドラマ。

1969年、ワシントン州シアトル。とあるバーで出会い恋に落ちたテッド・バンディとシングルマザーのリズは、リズの幼い娘モリーとともに3人で幸福な家庭生活を築いていた。しかし、ある時、信号無視で警官に止められたテッドは、車の後部座席に積んであった疑わしい道具袋の存在から、誘拐未遂事件の容疑で逮捕されてしまう。また、その前年にも女性の誘拐事件が起きており、目撃された犯人らしき男はテッドと同じフォルクスワーゲンに乗り、その似顔絵はテッドの顔に酷似していた。(映画.comより)

 

  • 期待どころ

 うちの職場の同僚がシリアルキラー好きで、そういう犯罪者モノのドキュメンタリーとか映画とかしょっちゅう俺に面白い!って薦めるんですけど、なかなか見たいと思えなくて。

そんな彼が見たいと言っていたので、せっかくなら俺も見るかってことで入れました。

 

シリアルキラーの語源となった男の真実を、唯一生き残った女性の視点で描くという、法廷モノであり、スリラーモノでもある今作。

まぁあれですよ、顔が良くて女にもてる奴ほどロクな男はいないんですよ。

だから中途半端にダサくて中途半端な顔の男と付き合う方が幸せってもんですよ、って俺は言いたい。

・・・幸せにします。

は?

 

 

 

 

 

 

 

その他の話題作

  • 6日公開

・午前0時、キスしに来てよ(ハシカン×ジェネレーションズ片桐主演のキラキラ映画)

・❝隠れビッチ❞やってました。(佐久間由衣主演のラブコメ)

  • 13日公開

・屍人荘の殺人(デビュー作でミステリ大賞などを受賞した原作を浜辺美波らで映画化)

・2人のローマ教皇(シティオブゴッドの監督最新作。ネトフリ作品)

・ぼくらの七日間戦争(伝説の青春映画がアニメ映画化)

  • 20日公開

・この世界の(さらにいくつもの)片隅に(片淵監督念願の長尺版)

・ヒックとドラゴン 聖地への冒険(ファンの熱意によって最新作は劇場公開へ)

・冬時間のパリ(パーソナルショッパーのオリビエ・アサイアス監督最新作)

・僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング(人気コミックの劇場版第2弾)

  • 21日公開

・仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション

  • 27日公開

・男はつらいよ お帰り 寅さん(50周年記念で22年ぶりの寅さん復活へ)

 

 

 

 

12月っていつもそこまで楽しみにしている作品が少ないんですけど、今年は中々すごいラインナップですね。

2019年映画ベストを決めるのもこれらを見てからになるでしょう!

今年最後の1か月、風邪に負けず映画を楽しんでいきましょう!!!

Netflix映画「マリッジストーリー」感想ネタバレあり解説 離婚だけど結婚の話なんですよこれが。

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11月29日

マリッジストーリー

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先日「ゾンビランド:ダブルタップ」を鑑賞したんですね。

そこでコロンバスがウィチタに結婚を申し出るシーンがありまして。

いわゆるプロポーズってやつですね。

 ただ残念なことにコロンバスは断られてしまいます。

その時ウィチタはこう言いました。

「結婚したらその先には離婚しかない」と。

 

あくまで作品の設定がゾンビ社会だからってのもあるとは思いますが、結婚は決していつまでも続くものじゃないわけで、なんていうんでしょう、契約を交わす以上一定の自由は失われるわけで、とにかく何が言いたいかって、僕にとって結婚だとか夫婦だとかっていうのが法の名のもとに交わされてるものになっているのがすごく嫌なんですよ。

なんかもっとラフでいいというか、そうでありたいというか。

 

だからこの時のウィチタに大賛成だったって話ですw

 

え~というわけで早速ゾンビラン…じゃない!

全く別の映画です、はい。

仲睦まじい夫婦がこじれた関係になり、やがて離婚へ向かっていくというお話です。

 

ほらぁ結婚の先には離婚しか待ってないじゃな~い。

ってウィチタが言いそうな題材のお話ですね。

 

途中円満離婚に向かうような流れになるそうですけど、何だよ!円満で離婚て!

離婚に円満もへったくれもねえだろ!

・・・と僕には全く経験のないお話なので、夫婦のすったもんだについて、いろいろお勉強なんかしつつ楽しもうかな、なんて思ってます。

 

今回Netflixが力を入れてるのか何なのか知りませんが、まさかの劇場公開ということで、早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

第76回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品され、アカデミー賞有力の声も上がる今作。

常に家族や夫婦の悲喜こもごもを、時にユーモラスに時に辛辣に映し、人間関係の難しさと温かさを描写することに定評のある監督が、今作で離婚問題をテーマに挑戦する。

 

互い尊重している夫婦の円満な協議離婚のはずが、積年の怒りがあらわになり、裁判にまでもつれていくヒューマンドラマ。

 物語の結末は果たして復縁か、それとも決別か、それとも新しい関係か。

 

 

 

 

あらすじ

 

女優のニコール(スカーレット・ヨハンソン)と、夫で監督兼脚本家のチャーリー(アダム・ドライバー)。

すれ違いから結婚生活がうまくいかなくなった2人は、円満な協議離婚を望んでいた。

 

しかし、それまでお互いに溜め込んでいた相手への不満が噴出し、離婚弁護士を雇って裁判で争うことになってしまう。

 

このまま決別するか、それとも新たな関係を構築するか、2人は選択を迫られる。(Movie Walkerより抜粋)

 

 

 

 

 

監督

今作を手がけるのは、ノア・バームバック

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 前作「マイヤーウィッツ家の人々」に続いてのネトフリ映画。

もう普通に劇場公開することを考えてないのか、それともネトフリの自由度に惹かれての、敢えての選択なのか。

 

今作はあの名作「クレイマー、クレイマー」以来の最高の離婚ドラマと称されているようで、非常に興味深いです。

クレイマー~はどちらかというと父と息子の関係をフォーカスしていたように思えますが、今作は妻側の視点もしっかり入れていると思うので、比較するのは違うと思いますが、時代の変化という点においては、今作の方が現代的な離婚ドラマであることから、比べてみても面白いのかもしれませんね。

 

監督に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

キャスト

夫で監督兼脚本家のチャーリーを演じるのは、アダム・ドライバー。

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僕とアダム、なんとお誕生日が一緒でございますw

先日知ったんですけどねw

 

そんな僕と縁のある彼ですが、声は野太い、背はでかい、髪はセミロング。

あぁかっけ~。

お芝居で言えば、デニーロアプローチもしないですし、オフビート感で淡々と演じるし、表情のバリエーションはそこまで大げさではない気がするんですが、このスタンスがきっといろんな役にはまりやすいんでしょうね。

有名監督の作品に出ずっぱりってのが最たる証拠なのかなと。

 

そんな彼の過去作をサクッとご紹介。

スピルバーグ監督の「リンカーン」や、イーストウッド監督の「J.エドガー」に端役で出演後、本作の監督ノア・バームバックの代表作で、プロのダンサーの目指す主人公が周囲の人たちと紡ぎながら、ほろ苦くもユーモラスな青春を送る「フランシス・ハ」や、コーエン兄弟監督作品で、売れないフォークシンガーが、猫と共に繰り広げるさえない1週間の出来事を、ユーモアと悲哀を織り交ぜながら描く「インサイド・ルーウィン・ディヴィス~名もなき男の歌」などで存在感を発揮します。

 

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 再びバームバックの監督作で、40代のカップルが20代のカップルとの出会いを通じて自分たちを見つめなおしていく姿を描いた「ヤング・アダルト・ニューヨーク」に出演。

翌2015年には、SF映画の金字塔の待望の続編「スターウォーズ/フォースの覚醒」から3部作を、ハン・ソロの息子で主人公のライバルとなるカイロ・レン役に抜擢。

彼の人気を決定づけるものとなります。

 

 ビッグタイトルと並行してインディペンデント作品にも意欲的に出演。

スコセッシ監督が長年作りたいと願っていた遠藤周作原作の小説を映画化した「沈黙ーサイレンスー」、ジム・ジャームッシュ監督の作品で、アメリカの小さな町でバスの運転手をしながら試作を続ける青年のヒューマンドラマ「パターソン」、ソダーバーグ監督の渾身のクライム・コメディ「ローガン・ラッキー」、スパイク・リーが描く社会派実録コメディ「ブラック・クランズマン」ではアカデミー賞助演男優賞ノミネートを果たすなどなど、名だたる監督の作品に出ずっぱりな状態が続いております。

 

www.monkey1119.com

 待機作品には、鬼才テリー・ギリアムがようやく完成させた悲願の作品「テリー・ギリアムのドンキ・ホーテ」、スターウォーズ新3部作の最終章にしてスカイウォーカー家最後の物語「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」などが控えています。

 

2010年代のハリウッドスター史に名を刻む人といっても過言ではないでしょう。

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

妻で女優のニコール役に、「アベンジャーズ/エンドゲーム」、「ジョジョ・ラビット」の公開が控えるスカーレット・ヨハンソン。

ノーラ・ファンショー役に、「ジュラシック・パーク」、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」のローラ・ダーン

アビエイター」のアラン・アルダ

ジェイ役に、「グッドフェローズ」、「リボルバー」のレイ・リオッタ

キャシー役に、「サイン」、「マーウェン」のメリット・ウェヴァーなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

そもそもタイトルが「結婚物語」ですからね~。その時点でちょっと皮肉というか捻くれてるというか。

さてさてどんなお話なんでしょうか。

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

2人の本気のぶつかり合いの演技に涙…

離婚て愛が消えることじゃないんだよなぁ。

あ、また思い出して涙…

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別れても、好きな人。

NYとロスを舞台に、円満離婚を望んだもののディスコミュと弁護士という他者を巻き込んだことにより、壮絶な泥沼離婚劇へと発展してしまう夫婦の、怒り悲しみ慈しみを時に可笑しく時に切なく、時に激しく映し出し、あくまで子供の視点ではなく夫婦二人にフォーカスをあてた会話劇を、アダムとスカーレットの圧倒的なアンサンブル演技と、監督の巧みで計算しつくされた撮影により、彼ららしい夫婦像へとたどり着くリアルである種理想的な「マリッジストーリー」でした!!

 

別れた夫が子供の誕生日会に出席したり、元夫婦同士がパーティーに参加したりしてお酒飲んだりわいわいしたりっていうシーンを、海外の映画で目にすることが多いと思います。

恐らく子供のために駆けつける行為であるし、それを相手側も理解して招待している、また互いが別の人生を歩んだとしても干渉せずエンジョイライフを見せつけるでもなく謳歌している姿を映画内で見ていると、決して離婚したこと全てがその人にとって「悲しい」出来事ではないんだなって印象を持ってました。

 

逆に日本では、慰謝料がどうたらだとか養育費がどうたらだとか、お金にまつわる問題がすぐさま連想し、離婚後も関係がぎくしゃくしているんだなぁという印象を受けます。

お国柄ってのもあるだろうし、別れた際の奥さんの収入面での苦しさ、旦那さんの支払いの苦しさみたいなものがそのまま感情露わになってるのかなぁ、または、これまでの人生を台無しにしやがって!って怨念のようなものがそうさせてるのかなぁ、と勝手ながらイメージしています。

 

それでも最近は「不倫は文化」で一世風靡したあの芸能人が、別れた奥さんや子供たちを呼んで、今の家族と楽しい夜を過ごしている風景を見ると、日本における離婚問題の希望というか、その先の明るい未来みたいな兆しが見て取れるのかなぁと。

 

で、本題に戻すと今回の映画は、夫のための私ってのに気付いた妻が、自分の人生を歩みたいっていう、使い古されたきっかけではあるんですけど、泥沼化してしまった離婚問題になったことで、夫婦がこれまでにない衝突をすることで、それでも好きな所ってのはずっと心に残ってることに気付いたり、互いの「負けず嫌い」な性格によって、つい勢いで暴言を言ってしまったけど決して本心ではないという本音とのギャップ、そしてたどり着いた答えから見える二人の「愛」を惜しみなく描いていた作品だったと思います。

 

 

2人が衝突するまでの道のり

冒頭では、円満に離婚するためにまずは初めて出会った時の思いを告白し合うっていうのを、弁護士さん(かな?)が間に入って行うっていうのをするんです。

映画の演出として、二人が相手の好きな所良いところを読みあげてるんですけど、実際は読んでもないし渡してもいない。

ニコールが拒否しちゃうことで、その場は終わってしまうんですね。

 

ニコールは映画女優として華々しいスタートを切るも、チャーリーとの出会いによって拠点を彼の舞台集団の看板女優として、また彼の妻としてもの道を歩むことを決意し、NYへ渡ることが明かされます。

仕事も家庭も順風満帆かと思っていましたが、小さなことが積み重なり、ニコールはこれまでの彼との生活は自分のためでなく彼のためだったことに気付き、ロスでの仕事をしに子供を連れてNYから去ってしまいます。

 

正式に離婚調停をするために弁護士も雇い、チャーリーがロスのニコールの実家を訪れた際、その通知を姉の手から手渡されるんですが、まぁこのやり取りがなかなか。

ニコールが直接通知を手渡せない決まりから、母と姉に芝居を頼むんですが、二人はワイン1本開けてしまって既にベロベロ。

早く仲直りしなさいという母と、大役を仰せつかった姉のテンパリ具合が笑いを誘うんだけど、このシーンの結末はまぁ切ないもので・・・。

 

このままだと親権をニコールにとられてしまうことを恐れたチャーリーは、ロスにアパートを借りて弁護士を雇うんですが、この弁護士がまぁ古臭くキレの悪いおじいちゃん弁護士。

いざ4人で話し合いを設けるもチャーリーはこの弁護士ののらりくらりな態度と、ニコールが雇ったやり手弁護士ノーラの巧みな話術、というか揚げ足取りにやられっぱなし。

 

そしてチャーリーは一度は頼んだものの莫大な費用が掛かってしまう弁護士ジェイを雇って、ついに裁判へと発展してしまうというわけであります。

ここで明かされるのは、夫婦の些細なエピソードを思いっきり盛っった話にすることで勝てる材料に仕上げ、彼らの尊厳よりも自分たちが勝つことに執着している弁護士同士のバトルに。

 

これまで相手の目を見てしっかり話し合ってこなかった夫婦が、これを機に初めて向き合って話し合うことに。

離婚の手続きをする前に私たちはそうするべきだった、だからきちんと話し合おう。

でも、何から話すの・・・?

こうして始まった二人の本音の口論は、夫婦なのに、夫婦だから、避けて通ってきた部分の追求をすることになってしまうのであります。

果たして二人の行方やいかに。

 

ってのが、大まかな展開です。だいぶ端折ったなw

 

 

何故に泣けたのか。

正直前半の部分は、こんなにもスピーディーな会話劇なのか、というくらいノンストップなセリフの応酬で、ちょっとついていけなかった部分があったんですね。

僕の準備が至らなかったのが原因の多くなんですけどねw

 

互いの好きな所を記憶しようとするんだけど、言葉とは違う映像に段々スライドしていく時点で、アカン!俺の脳がもうパンクしてしまう!ってことで、もう後は流れに身を任せるしかないな…とw

てか「フランシス・ハ」もこんな感じの会話劇だったりするんですよ。だから、ホントついていけないのは僕のせいってことで、ええ。

 

もうね、後半からは大号泣でした。誇張してませんw

バームバック作品でこんなに泣いたの初めてっていうくらい。

一番ボロ泣きしてしまったのは、チャーリーのロスのアパートでようやく二人が離婚について真摯に相手と話し合いをしようとしだすエピソード。

 

子供のことから切り出したニコールでしたが、その話はちゃんとしたじゃないか、いやしてない、自分だってそんなこと言ってない、言った、という水掛け論になり、終いには相手の悪いところをどんどんぶつけ合い、親の悪口までも投げつけ、エスカレートしたチャーリーはとうとう、死ねレベルの発言までしてしまう。

しかしこの発言によってチャーリーは、こんなこと言いたくないのに自分の性格が災いしてつい口にしてしまったことへの後悔から泣き出し蹲り謝罪するというもの。

 

僕の大好きな映画「ギフテッド」でもありましたが、人間は時々思ってもないことをつい言ってしまうのであります。

この言葉を映画を見て以来教訓として心得ている僕としては、このエピソードは胸に刺さりまくりでした。

劇中ではここまでのシーンで、明らかに互いが想い合っているんだろうなぁって所作が見て取れるんですよね。

もちろんこの後にもセリフや行動、仕草といった細かい所でそういうのが出てくるんですけども。

嫌いなんだけど好きな所もあるってのをすごく断片的に見せているし、ここまで来てしまったことが本望でもあるんだけど後ろめたさもすごくあるというか。

なのになんで僕らは私たちはこんなに憎しみをぶつけあうような関係になってしまったのか、ってのがこの口論のシーンで一気に浮かび上がるんですよ。

それに気づいた時の僕は泣かずにはいられなくていられなくて。

 

ここで涙腺が緩み始めたのか、明らかにそれってシニカルでユーモアが爆発してるシーンなのに、涙が出てしまう事態に。

この映画は悲劇と喜劇の垣根をひょいひょい飛んで描いてる、正にバームバックらしさが際立った映画だと思うんでんすけど、その垣根を僕は見失っていて、後半はもうスクリーンが霞んで霞んでw

 

もちろん結末の辺りでは、いやらしい演出してくるもんだから余計に涙ね。

 

 

2人の芝居が最高!

ここまで僕を振るいあがらせるのは、何もお話だけのことじゃない。

アダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンという、一見キャラムービーのあの人だろ、的な扱いをされがちな二人が、そのキャラを想像させない役作りをし、完璧に演じきっている点。

 

それはまず序盤で完全に理解できるかと思います。

ニコールがノーラというやり手弁護士に、なぜ離婚しようと思ったのか話を聞かせて、ってシーン。

そこで彼女が心にしまっていたものをすべて吐き出すんですけど、ここを長回しでやってるんですけど、次第に高揚していって結果涙が出るほどの辛い状況だったってのをしっかり演じてるんですよね。

ここまで繊細でありながら起伏豊かに演じる彼女を見たのはいつ以来だろうと。

ここで、あ、そうだよスカーレットヨハンソンは長い人生で女優をやってきたんだよ、ナターシャ・ロマノフだけじゃないんよ、これだけの演技をやってのけられる実力のある人なんだよってのを気づかされるんですよ。

 

アダム・ドライバーも同じです。

キャスト紹介で表情が特に変わらない、なんてマイナスなこと書いてしまいましたけど、この映画見たらそのイメージが変わると思います。

自分の信念が強いからなのか時々頑固なところあがあるけれど、それ以外ではすごく気さくで気心知れたステキな舞台監督ってのをサラッと演じてるかと思えば、料理を振る舞うシーンや子供に本を読ませる時のかっけえお父さんもうまく演じるし、終盤では歌まで披露したり、何より先ほど書いた口論のシーンでは、こんなに激昂して感情的な役柄も演じられるのかと。

また子供を笑かすために常に持ち歩いている小さなナイフで自分の腕を間違って切ってしまう時の、落ち着いて見せるも内心ドキドキしてるっていうコミカルな演技も非常に面白くやられていて、アダムが余計に好きになりましたw

 

そして二人のアンサンブルも見事な呼吸でやっていて、あれ、この2人って夫婦だったっけ?と思うほど。

一体どれほどの練習をしたんだろうというくらい、リズムも感情の度合いも、その上げ方もリアルだったなぁ。

 

また、どれも家の部屋という狭い空間の中で繰り広げられる会話劇のために、退屈させないような工夫を凝らしたが随所にあったのも、監督のなせる業といいますか。

 

基本は長回しなんですよね。

相手の心情の変化を捉えるためにあえて固定にして少しづつズームしていくってのもちょこちょこあったんですけど、今作の醍醐味はそれよりも何度もカッティングしてあらゆる角度から夫婦のあるがままの風景を映したり、二人が座った位置に少しの空間を生むことで、二人が向き合っているにもかかわらずまだ距離があることを示唆した映像になってるし、演者が動けばカットして別のカメラで映して、ちょっと開いた扉の隙間から覗かせたり、またはカメラから消えても部屋の向こうでセリフを話すことでリアルを生み出したり、と所狭しと計算された撮影技術があったと思うんです。

この見えてるようで見えない技が、この映画をさらに面白くさせていたように思えます。

 

 

最後に

終盤チャーリーが舞台役者の面々と馴染みのレストランで語らう場面。

泥沼離婚で疲弊していた彼でしたが、突如なったピアノを聞き、歌い出します。

その内容は、生きているということは相手と楽しんだり悲しんだり憎み合ったりすることなんだ、孤独なんて生きてるとは言わない、というような内容。

 

西川美和監督の「永い言い訳」でも主人公がたどり着いた答えは「人生は他者」というものでした。

この言葉を思い出した瞬間でした。

 

離婚という波乱を生んでしまったチャーリーですが、それでも彼が生きているという感情を抱けた、という歌を歌えたのは、まさしくニコールとの生活があったから、彼女との喜怒哀楽を築けたからこそなんだよなぁと。

 

僕はまだ結婚も離婚もしたことがない半端者ですが、未だに人生を噛みしめていないのかな、生きてると言えるような人生を知らないのかな、とも思ってしまったわけで。

 

嫌いな所もあるけれど一緒にいたくないけれど、喧嘩もしたりするけれど、それでも好きな所があって、放っておけなくて。

彼らがたどり着いた離婚のカタチは、紛れもなく彼らの「結婚」の正しい在り方を示したものだったように思えます。

 

どうやら監督もバツイチで再婚したようで、もしかして自身の私生活を反映した作品だったのかな?贖罪の映画だったのかな?と考えると、また面白いのかもしれません。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10

映画「ドクタースリープ」感想ネタバレあり解説 シャイニング続編はオイシイとこどりでした。

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11月29日

ドクター・スリープ

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1作目の映画が大ヒットすると、配給側は何かと続編映画を作りたがります。

基本的には一度ついたファンを逃さないために、またキャラと役者の加齢問題を考慮して、他にもいろいろ理由はあるんでしょうが、なんだかんだ言って配給会社が潤うための「続編制作」ってのが僕の中では一番しっくり来てますw

 ただ最近はずいぶんと長い期間を経て続編が制作されるという面白いパターンも。

例えば「スター・ウォーズ」、「ブレードランナー」、「クリード」、「マッドマックス」、「トレインスポッティング」なんかもそうですね。

 

70年代から80年代に大ヒットした作品が、今になって正当な続編として制作されているわけです。

当時の人が30年後の映画ベストを見たらどう感じるんでしょうねw

 

これらの映画、よく見ると、どれも世代交代を意識した作品がほとんど。

前作で活躍したキャラや登場人物たちが、そのまま年を取った状態で出演し、次の世代へ望みを託すような流れを汲んだ作品ばかりですよね。

こういう作品を制作し公開することで、親子2世代で楽しめるし、過去の作品群を見ることで映画をさらに知ることができる。

今のトレンドでもあるし、非常にいいアイディアだと思います。

 

もちろん僕もこれらの作品によって過去作も新作も楽しませてもらっている身ではあります。

ですが、これらのパターンの続編が増えすぎ、ヒットしてしまえば、オリジナルの作品には制作費はおろか、制作自体が頓挫してしまう状態もなくはないのかと。

過去作や前作の力を借りることも悪くないですが、せっかくなら続編の可能性のある面白い作品が僕はもっと見たいですね。

 

さて、今回観賞する映画は、そんな長い期間(40年!?)をあけて制作された「正当な続編」。

かつて原作者から認められなかった作品を、原作者からも前作を手掛けた監督の財団からもお許しをいただき作られた、という逸話も。

てか、これ続編作る要素あったのか…

その辺も含めて早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

IT ❝それ❞が見えたら、終わり」や「スタンド・バイ・ミー」など数々の作品が映画化されるほどの、世界屈指のベストセラー作家スティーブン・キングの作品の中で、最も傑作の呼び声高い作品が「シャイニング」。

巨匠スタンリー・キューブリックの手によって原作とはかけ離れた内容になったものの、今もなおホラー映画の金字塔として語り継がれる作品の続きを描いたのが今作となる。

 

かつての管理人が家族を惨殺したことから、呪われた場所となっていたオーバールックホテルでひと冬を過ごすことになったジャック一家。

そんなジャックの突然の狂気によって殺されかけ、なんとか逃げ切ることに成功した少年ダニー。

 

本作は彼が大人になって再びあの呪われたホテルへ向かうことで、新たな恐怖を描き出す。

なぜ父は狂気に駆られたのか、なぜダニーには特別な力があるのか、なぜあのホテルで事件は起きたのか。「ドクタースリープ」の意味とは。

 

今作ですべての謎が明らかになる。

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

40年前の惨劇を生き延びたダニー(ユアン・マクレガー)は、心に傷を抱えた孤独な大人になっていた。

父親に殺されかけたトラウマ、終わらない幼い日の悪夢。

 

そんな彼の周りで起こる児童連続失踪事件。

 

ある日、ダニーのもとに謎の少女アブラ(カイリー・カラン)からメッセージが送られてくる。

彼女は「特別な力(シャイニング)」を持っており、事件の現場を❝目撃❞していたのだ。

 

事件の謎を追う二人。

 

やがて二人は、ダニーにとって運命の場所、あの❝呪われたホテル❞にたどりつく。

 

❝呪われたホテル❞の扉が再び開くとき、すべての謎が明かされる——。(HPより抜粋)

 

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは、マイク・フラナガン

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子供のころからキングを敬愛していたという監督。

今回キューブリック作品へ最大の敬意を払いながら作り、結果キング自身からお墨付きをいただいた、まぎれもない「続編」を作り上げた。

 

そんな監督の過去作をサクッとご紹介。

人喰いトンネル MANEATER‐TUNNEL」で注目された監督は、ある姉弟が呪いの鏡によって恐怖に陥れられる「オキュラス/怨霊鏡」を製作。

トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門観客賞を受賞します。

その後も天才子役ジェイコブ・トレンブレイが出演し、夢をテーマにしたホラー映画「ソムニアー悪夢の少年ー」、ある夫婦のマンネリを解消するために参加したゲームが暗転していく「ジェラルドのゲーム」など、ホラー映画を中心に手掛けています。

 

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キャスト

本作の主人公ダニーを演じるのは、ユアン・マクレガー。

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あぁ、ダニーが大人になると彼になるんですねぇ~。

ちょっと意外なキャスティングだなぁと僕は思います。

それは置いといて。

 

なんとユアンは世界で一番怖い映画だという認識から、「シャイニング」を10代後半になるまで見れなかったそう。

結果その通りの怖さだと知り、それ以来見てなかったんだとかw

意外とホラーが苦手なご様子。

またジャックの息子として観客に伝えられるように声色などを強く意識して役に励んだとも語っています。

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彼に関してはこちらもどうぞ。

 

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他のキャストはこんな感じ。

謎の女性ローズ・ザ・ハット役に、「グレイテスト・ショーマン」、「メン・イン・ブラック/インターナショナル」のレベッカ・ファーガソン

シャイニングを持つ少女アブラ役に抜擢された、カイリー・カラン。

ビリー・フリーマン役に、「サンシャイン2057」、「ワイルドスピード/スーパーコンボ」のクリフ・カーティス。

またブラッドリー・トレヴァー役には、「ルーム」、「ワンダー君は太陽」のジェイコブ・トレンブレイが出演しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前作「シャイニング」を見るのは必須だと思いますし、もっと知ってからって方には原作も読むとさらに面白いのかもしれませんね。

ま、僕は前作止まりです・・・

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

なるほど、これならキングが好むわけだ!

特別な力「シャイニング」をフル活用したサイキックホラー映画でした!

面白いけどごめん!キューブリックの方が好きだわ。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原作読んでませんが。

5歳児の記憶とシャイニングがトラウマとなり、アル中髭面金欠おじさんと化していたダニーと、とてつもない能力のポテンシャルを秘めた少女アブラカタブラことアブラちゃんの、シャイニンオンでカマすトラウマ克服&心の救済&バケモノ退治の旅の記録。

 

キューブリック版前作では、このシャイニングなる特別な力を極力そぎ落とし、ホラー要素満載で描いたことに、原作のキングさん、原作改変し過ぎて認めまへん!と相当ご立腹だったのは周知の事実。

では、キングファンを自称すること私めが、キューブリック版に最大の敬意を払いつつキング好みの作品を続編と称して作ってみせましょう、ってことで作った今作。

 

全体通してまず思ったのは、モロにキング好みのテイストとしっかりキューブリック版をしっかり踏襲していること。

やはり続編ですからオーバールックホテルの造形やら美術面、クリーチャーたちのビジュアル面、カメラワークに至るまで相当な配慮が施された部分で、そこまでの過程はモロにキングチックなお話でしたね。

 

序盤はダニーがアル中を克服するまでの話と、アブラちゃんとのシャイニンオン黒板トークによる交流シーン。

それと「真の絆」なる謎のヒッピー妖怪たちが、少年少女を襲って彼らの特別な力=生気を吸って放浪している姿。

これを能力で見ちゃったアブラちゃんが、これまたシャイニングで彼らの動きを透視し、さらには彼らの頭の中に入って、事情を探るなど大活躍。

黒板トークで仲良くなったダニーおじさんは、そんなことしたら彼らに見つかるからおやめなさい!と大人の対応と、社会の風潮上少女と関わったらオレどんな目で見られるかわからんから、と自分の体裁を気にする始末。

しかし、彼もまた5歳の時から能力の師であるハロランおじさんの命により、彼女を正しい道へと導く役目を仰せつかるのであります。

果たして「真の絆」を無事退治できるのか、そしてどうしてこうしてオーバールックホテルへと向かうのか、っつう序盤の展開。

 

ユアン・マクレガーがあれだけ無精ひげを生やして、これからを担うキッズの能力の正しい使い道を教え、さらには道に迷う自分の立場をしっかり教えるハロランおじさんの構図は、どこをどうみたって「スターウォーズのオビワンケノービであり、ハロランはクワイガンジンであり、アブラちゃんはちゃんとライトサイドに行ったアナキンではないですか。

良かったねオビワン、じゃなくてw

 

そんな構図に見立てることもできる物語の中身は、みんながみんなプロフェッサーXで、セレブロ使わなくても誰かの頭の中に入り込めちゃうし、空から対象を探せちゃうし、人の頭の中に入って操ることも可能と、キューブリック版しか知らない僕からしたらだいぶ明後日の方向へ行ってるではありませんか。

 

緊張がMAXになると白目になっちゃうやつとかいますけど(いねえよ)、こっちは能力をフルで使うと白目になるという中々の怖さ。

しかも急に部屋が重力を帯びて90度に傾き、あれよあれよと空中散歩。

それに相手も生気を吸って少年少女を喰う女、ローズザハット(ジャバザハットではなく)、能力には能力で対抗と言わんばかりにアブラちゃんの後頭部をグイッと引っ張って反撃していくではありませんか。

もはやこれはシャイニングの続編なのか?、俺スクリーン入るとこ間違えたか?と思うほどかけ離れた展開に、アメコミやらSW好きの自分としてはワクワクもあるんだけど、違うそうじゃないと俺の鈴木雅之が出る始末。

 

面白さとそうじゃない感がせめぎ合う感情を抱くことになってしまいました。

 

 

もっと制限付けたほうが。

ここでふと思うのは、能力同士の戦いには必ず制限を付けないと面白みに欠ける部分があり、今作はそれがもろに出ていたように思えます。

 

アブラちゃんの能力が強すぎて、なかなか優勢にできないローズ一派。

乙女が寝静まる丑三つ時に、バスの上で座禅を組んでいざ出陣のローズ姐さん。

アブラちゃん探しに夜の町をひとっとびしてたどり着いたアブラちゃん宅。

へぇ、あなたのお部屋ってこんななのねぇ~、と辺りを見回し、彼女がどれだけの記録を持っているか見まわし、さてさてあなたの情報いただきまぁ~す、となった途端、壁にあったたくさんの箱に手を挟んでしまう。

何とアブラちゃん、ダニーおじさんの忠告通り、彼女が来るのを待ちかっまえ罠を張っていたんですね。

裏をかいたアブラちゃんは、その隙にローズ姐さんの頭の中に入り、彼女たちの情報を頂く逆転ホームラン。

 

さすがに頭にきたローズ一派は、彼女を捕らえにローズ姐さんを残して向かいます。

それも先回りして作戦を立てるダニーおじさんとアブラちゃん。

気が動転しているお父さんの説得もあって、こっちから出向く攻めの作戦へ。

これまた能力を使って人形を自分に見立ておとりになったアブラちゃんに、見事に引っかかったローズ一派は、木陰に隠れていたダニーとそのお友達ビリーの猟銃乱れうちによって、どんどん死んでいきます。

 

しかし、ローズ一派に感化された少女の洗脳能力によってビリーは見事に戦死。

しかも裏の裏をかいた一派の副リーダーが、アブラちゃんの実態を確保。

痛み分けの状態となってしまいます。

ダニーは取り乱し酒に手を出そうとするけれど、アブラちゃんを助ける一心で回避、これまた能力を覚醒させて彼女を救助します。

 

このあたりまでとにかく能力の出し惜しみなく繰り広げられる戦い。

もう実態なのか虚像なのかどっちかわからないし、裏をかいたと思ったら裏をかかれ、そのまた裏もかかれ、裏の裏は表なんだからそれくらい考えとけよダニー!と、作戦の甘さがだいぶ露呈していたように見えちゃったし、このシャイニング、一度使ったらかなりの身体的疲労が、とかないとやり過ぎてて、能力のありがたみがないよなぁと。

 

しかも基本的にはアブラちゃんもローズ姐さんも、その場で使うのではなく遠い場所から遠隔で虚像を生んで争うってのを何度もやるので、またそのパターンかよ・・・と、さすがに飽きが来てしまいました。

 

制限がどうとか言ってますけど、実際は睡眠導入剤をかなり多めに投与させることで能力を抑えられるという弱点はあるんですね。

 

実際アブラちゃんもそれで捕まってしまうわけで、ピンチ!とはなるんですけど、結果的にはあっさりダニーおじさんがシャイニンオンしてサクッと助けてしまうもんだから、ピンチも制限も全然盛り上がらない

 

あくまでここが一番盛り上がる展開ではないので、そこを突くのかという指摘も理解できるんですが、やはり人とは違う能力同士の戦いを描くのであれば、もっとやり方があったろうにってのは思ってしまうのであります。

 

 

それにしてもキングだなぁ。

原作を読んでもいないお前がキング語るんじゃない!ってお叱りを受けそうですが、やはり今作も子供たちがトラウマになりそうな恐怖と、そのトラウマが大人になっても残っていて、それを解消しようと尽力するダニーの姿、また特別な能力によってワクワクするような展開を、しっかりダークファンタジー的な世界観に仕上げてるのは、キングそのものでしたし、それをしっかり映像にしたのはキングマニアの監督ならだったのではないでしょうか。

 

「IT/イット チャプター2」でもそうであったように、恐怖へのトラウマは大人になっても心のどこかで眠っているもので、いつしまい込んだはずの恐怖が音を立てて開くのかはわかりません。

その克服を少女との出会いによって決心する姿、しかもその場所を決戦の場所にするのも素晴らしい展開だったなぁと。

 

また野球少年を殺害してしまう件もなかなかの恐怖。

まさかここでジェイコブくんが登場するなんて!と思ってましたが、ホントこの子演技が上手い、マジで怖がってるじゃねえか!

あれだけ叫んで両手両足ロープで縛って、しかも叫んだりケガさせた方が生気が出るからと、ザクザク身体を刺してしまう辺りなんか、大人が見てもトラウマ級ですよ。

こういう描写もキングっぽいよなぁと。

 

そして「ドクタースリープ」というタイトルに関してもしっかり解いてくれたのが面白かったですね。

ダニーは「先生」=ドクターと呼ばれていたのは前作でも今作でもお分かりかと思いますが、何故スリープなのかって、彼が病院で死に近づいてる老人たちを看取る=眠れってするからドクタースリープなのかと。

僕はてっきり、ダニーの能力=トニーが眠っている状態をドクタースリープっていうのかなぁと予想していたんですが、全然違いましたねw

 

子どもたちには未来がある分、その輝きは計り知れないわけで、それを能力に見立てたってことですよね。

勉強しなくてもテストでいい点とれる、特に練習しなくてもヒットが打てる。

その才能をうまく機能させるために努力しなければ、大人になった時に才能頼みでやっていても通用しない、寧ろ消えていってしまう。

そう解釈すると大人になったダニーはアブラちゃんくらいの力があったろうに、薄れてしまっているっていう見方もできるなぁと。

 

 

最後に

終盤のオーバールックホテルでの怖さは見事でしたね。

しっかりキューブリック版のホテルで、あの双子やふろ場のババア、しかもバーテンダーと化していたダニーの親父ジャックまでそっくりな役者を使って再現。

お母ちゃんが風呂場で斧持って叫んでる回想も、あの極寒の中で鬼ごっこする迷路もちゃんと再現してましたね。

もっと言えば、これからホテルへ向かうって時にキューブリック版のオープニングと全く同じカメラワークに音楽で、思わず笑ってしまいましたw

あぁここから怖い展開になるんだよ・・・って。

 

しかしなんだろ、能力バトルで、あれ?これシャイニングの続編だよな?って違和感あって、終盤ホテルでたら、これまでのお話が急にすり替えられた感じがして、なんかおいしい所だけを取って付けたように思ってしまいましたね。

 

きっと原作を読んだら僕の違和感は拭えるんでしょう。

そこまでインプットして初めてシャイニングですよ、と言われてるような気がする。

 

色々愚痴ってますけど、普通に面白かったんですよ、一つの映画として。

ただ前作の凄さが目に焼き付いてるから、どうしても、ってのがありまして。

ドラマ版だけでも見てみましょうかね。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

映画「ルパン三世 THE FIRST」感想ネタバレあり解説 「カリオストロの城」感満載だから楽しいよ。

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12月6日

ルパン三世 THE FIRST

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男には自分の世界がある

例えるなら空をかけるひとすじの流れ星

TVアニメが始まった当初はハードボイルドな姿が印象的でしたが、路線変更や相次ぐ再放送により少しづつ認知され、気が付けば国民的アニメとして皆に愛されるキャラクターへと進化した「ルパン三世」。

 それはもはや、誰にも理解されないようなモノマネや誰にも理解されないような言葉でカルト的人気を博し、お昼の生放送の番組の司会者に抜擢され、「がんばらない」ことが功を奏したおかげで番組が30年も続き、誰からも愛されるお笑い界のBIG3の一人として君臨する森田一義ことタモリと似たような歴史をもったアニメではないでしょうか。

 

僕も第2シリーズと第3シリーズの再放送を、学校から帰って宿題済ませてよく見ていたもので、ドスケベでお調子者でダメダメばかりな性格にもかかわらず、高い知能でピンチを脱出し、キメるところは決め、しっかり仕事をこなすその姿に、同じ男として大きな憧れを抱いたものです。

 

周りのキャラクターもそれぞれキャラが立っているからいちいち説明することもないですが、ドロボウのくせにかっけえったらありゃしない。

海賊のくせにみんなを助け喜ばせる「ワンピース」もそれと同じようなものでしょうか。

 

今回はそんな長年続きたくさんの人から愛されているアニメの最新作を、あの方が3DCGアニメーションで手掛けるということで、せっかく年末だしこういう娯楽大作アニメを見てもいいよね、ってな気分で鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

1967年の連載に始まり、71年にはTVアニメ化、そして78年には劇場版と、長きにわたりお茶の間で親しまれてきたモンキー・パンチ原作の「ルパン三世」。

アルセーヌ・ルパンの孫として生まれた大泥棒とその一味のお宝強奪による冒険活劇を描いたシリーズは、今回23年ぶりに3DCGアニメーションという最新鋭の技術によって劇場版として製作された。

 

2019年は「ルパン三世」にとって悲劇が続いた。

4月には原作者のモンキー・パンチが、そして12月には石川五エ門の声を長年続けてきた井上真樹夫がこの世を去った。

歴史を築き上げてきた原作者や声優への哀悼の意を込めたとともに、新時代の幕開けに相応しく、新たな技術を駆使した新しいルパン三世が、この冬を席巻するに違いない。

 

そんな位置付けてもおかしくはない今作は、ルパンが唯一盗むことができなかった因縁のお宝に挑むという物語。

オリジナルキャストにゲスト声優を迎え、豪華な布陣で臨む今作。

この冬、ルパンがあなたの心を盗みます。

 

 

 

 

ルパン三世 first- TV. BD-BOX [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: VAP,INC(VAP)(D)
  • 発売日: 2008/12/21
  • メディア: Blu-ray
 

 

 

 

 

あらすじ

 

かのアルセーヌ・ルパンが唯一盗むことに失敗した秘宝ブレッソン・ダイアリー。

その謎を解き明かした者は莫大な財宝を手にするといわれている。

 

そんな伝説のターゲットを狙うルパン(CV:栗田貫一)は考古学を愛する少女レティシア(CV:広瀬すず)と出会い、2人で協力して謎を解くことに。

 

しかし、ブレッソン・ダイアリーを狙う秘密組織の研究者ランベール(CV:吉田鋼太郎)と、組織を操る謎の男ゲラルト(CV:藤原竜也)が2人に前に立ちはだかる・・・。

 

ブレッソン・ダイアリーに隠された驚愕の真実とはいったい!?

 

パリ、メキシコ、ブラジル—

かつてないスケールのお宝争奪戦が幕を開ける!!(HPより抜粋)

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは、山崎貴

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2019年は、実写映画として「アルキメデスの大戦」を、翌月には総監督として「ドラゴンクエスト/ユア・ストーリー」を、そして今回のルパンと、年に3作放出するという人気と多忙ぶり。

内容の評価は十人十色ですから深く言及はしませんが、これだけオファーの多いクリエイターも彼くらいなんじゃないでしょうか。

 

彼の持ち味は何といってもVFXであり、その臨場感と現実とは見分けがつかないくらいリアルな演出は、誰もが彼の作品を見て興奮する要因の一つではないでしょうか。

 

今回ルパンを製作するにあたって、最初はアドバイザー的な立場で参加していたものの、ルパンへの愛着から意欲がわき、何とかスケジュールを組んで製作に臨んだそう。

しかしながら国民的アニメであることから生まれる観衆の期待、また新しいフォーマットで製作することで生じるであろう違和感の払拭など、とにかく怖さとプレッシャーの連続だったそう。

それでも自身の愛車でもあるというフィアット500を活躍させたい欲や、楽しんでほしいために時間をかけたキャラの表情、これぞルパンだ!という典型的なプロットなど、彼のこだわりとルパンへの愛情が注がれた、誰でも楽しめるルパンを目指したとのこと。

一体どこまで楽しくなっているのでしょうか。

 

彼に関してはこちらもどうぞ。

 

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キャラクター紹介

 

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  • ルパン三世(CV:栗田貫一)・・・かのアルセーヌ・ルパンの孫であり、狙った獲物は必ず奪う神出鬼没・天下の大泥棒。抜群の身体能力と明晰な頭脳で盗めないものはないとされるが、美女に甘いのが唯一の弱点。

 

  • 次元大介(CV:小林清志)・・・言わずと知れたルパンの相棒。卓越したガンさばきは世界でならぶ者がいない。酒とタバコをこよなく愛し、常にクールに状況を把握して一味のピンチを切り抜ける。

 

  • 石川五ェ門(CV:浪川大輔)・・・剣の道に生きる大泥棒の末裔にして居合の達人。この世に斬れぬものはない。唯一無二の相棒・斬鉄剣とともに修行の日々を送っている。

 

  • 峰不二子(CV:沢城みゆき)・・・類まれなる美貌とプロポーション、そして天才的頭脳を併せ持つ。己の欲望に忠実で、目的のためならためらいなく他人を裏切る魔性の女。

 

  • 銭形警部(CV:山寺宏一)・・・ICPO(インターポール)のルパン三世専任捜査官。ルパンの逮捕に並々ならぬ執念を燃やし、ルパン参上の一報あらば世界中のどこにでも駆けつける。

 

  • レティシア(CV:広瀬すず)・・・ブレッソンダイアリーの謎を追う少女。考古学が大好きで、その知識にはルパンも舌を巻く。

 

  • ランベール(CV:吉田鋼太郎)・・・ブレッソン・ダイアリーを追い求める秘密組織の研究者。かつてはその優秀さから、有名な研究機関の創立メンバーに選ばれるなど、輝かしい過去を持っていたが・・・。

 

  • ゲラルト(CV:藤原竜也)・・・ランベールに指示を出す謎の男。目的のためには手段を択ばない冷徹な性格で、なかなか研究成果を上げられないランベールを軽蔑している。(以上HPより)

 

 

 

 

 

 

 

打診された以上ヒット作を作る、という精神で常に製作している監督が、典型的な物語でありながら壮大で新しいルパンに挑んだという今作。

だからなんでしょうが、僕は普通に楽しめればいいくらいの期待度で臨む次第ですが果たして。

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

心までは奪われなかったけど、目は奪われたかな。

さすが「無難の帝王」山崎貴が、無難にルパンを面白おかしく描いた、誰でも楽しめる娯楽アニメ映画でした。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世代を超えて受け継がれる国民的アニメ

手に入れれば億万長者になり得るとされる秘宝「ブレッソン・ダイアリー」を巡って、ルパン一味と考古学好きの少女、そして歴史的大罪者の復権を夢見る謎の組織との攻防を、3DCGアニメーションというフォーマットによって、クリアで滑らかで奥行きのある没入的映像と、過去作へのオマージュをふんだんに詰めたことによるある種の古典的なプロットが上手く融合した、新たなルパン像を作り出した画期的な作品でございました。

 

いいものはいい。

かつて父や母、もしくは祖父や祖母の時代から、いいものとされてきたモノは現代までしっかり受け継がれていることは周知の事実かと思いますが、それはアニメというコンテンツも一緒。

最初のハードボイルドな風貌と描写で始まったこの「ルパン三世」は、時代性と娯楽性を求める視聴者によって、徐々に誰もが楽しめる娯楽アニメとして変化していきました。

明らかに荒唐無稽で物理的に不可能な動きをするルパンたちの卓越した身体能力と抜群な射撃センスや、お宝を盗むという大泥棒のくせに結果的には世界を救うような大仕事を成し遂げ、誰にも媚びることなく自分たちのポリシーを貫き颯爽と消え去る。

 

そんな彼らのキャラクターの良さに誰もが心を盗まれていったのは、当時若かった親も若者たちも一緒だと思います。

 

今回の製作にあたって、声優さんの口の動きを先に映像で収めて作り出すという手の込んだ映像制作をしたということで、これまで僕らが見てきたルパンが、アニメーションの限界を越え、より没入できる、親しみが持てる映像へと進化しました。

動きに関してもスピーディーな部分はよりスピーディーに、あり得ない動きもよりあり得ない動きに、カーチェイスやアクロバティックなアクション、最後に登場する大量破壊兵器の迫力に至るまで、目を奪われるシーンが目白押し。

TVアニメスペシャルを若かりし頃夢中で見ていた僕ですが、当時の映像とはまた違った楽しさがありました。

 

映像やキャラクターの声をあてる声優の交代など、時代が進むと共に変化していくけども、今でも製作されるということは誰もが求めているからであり、今後もルパンは次の世代へと受け継がれていくのでしょう。

劇中でも少女レティシアとルパンが祖父からの宝物を受け継いだように(アレしちゃったけども…w)、僕らもルパンの楽しさを次世代へ伝えられたらいいなぁと、あくまでにわかなルパン好きですが、今回の作品を鑑賞して改めて思いました。

 

 

と、なぁ~んかお行儀のいい感想とか書いちゃいましたけども、やっぱりファーストの時のルパンよりもカリオストロの城世代の僕から言わせたら、カゴの中の鳥をお外へ解放するようなことして、少女をキュンキュンさせちゃうような、おっちょこちょいで、かしこで、どんなピンチも難なくクリアして、最後は見返りなんて必要ねえぜ、お嬢さん、なんてたっておいらは泥棒だからさ、みてぇなカッコ悪くてカッケ~ルパンが見れて楽しかったよねえ、ってのが今回のざっくりな感想です。

 

そりゃあ、ジャンプする瞬間もあの効果音が鳴って、500を使ってインターポールと怒涛のカーチェイスして、タイプライターの音でサブタイトルが出て、やりたいことをさせてもらえず主の言いなりになっている少女を最後にちゃんと自由にさせてあげるって件は、どう見たってカリ城を思いっきり模倣した様なプロットなんだけども、しっかり監督はカリ城に対しての思いを込めたってのを明るみにしているわけだから、それに対して何か咎めるようなことは言うのはちょっと違うかなぁと思ってて、要するに「無難の帝王」山崎貴は、今回もヒット作を作れという名を受けてしっかり仕事したよなぁと。

彼なりのルパン愛はあった、と。

 

不二子も今の出なくちょっと前のビジュアルでしっかりエロくて、次元もシケモクくわえて無精ひげ生やしてクールだし、五ェ門も寡黙だけどもちゃんとお茶目な部分も見せてくれて、とっつぁんも相変わらずの実直で情に弱いいい人で、あぁこれがおれの好きなルパンだなぁと。

 

 

そもそもの疑問

でもまぁいくつか疑問があって、いや、大きなのは一つなんですけど。

とりあえずですね、なぜに舞台設定が現代でなく、60年代なのかってこと。

 

始まりは第二次世界大戦時のフランス。

ブレッソン・ダイアリーを作ったブレッソンが、子と孫に自分のお宝を託し逃がすということろから物語は始まるんですね。

で、追手がやってくるんだけどそれがナチスで、ダイアリーに書かれているお宝の在り処を欲しくてブレッソンをと問い詰め結果射殺。

ダイアリーを持った夫婦は別の追手によって車をぶつけれられ死んでしまうんだけども、孫はダイアリーを開けるためのカギを握りしめたまま生存してたんですね。

 

で、そこから十数年後の話が今回の物語の大部分を占めるって内容なんです。

 

そもそもこれまでのルパンが一体いつの時代の話なのかは正直分かりませんが、明らかに最新鋭の技術を駆使したハイテクなアイテムでピンチを乗り切る描写もあるから、明らかに最近の時代が舞台だったと思うんですね。

でも今回は明らかに60年代の話。

使ってる銃も第二次世界大戦時の機関銃や拳銃で、飛行機も「紅の豚」みてえな飛行艇で、ルパンのアイテムも袖から出るガスとかワイヤーケーブルのような基本的なもので、連絡手段もスマホでなく無線で、何もかもが古い。

 

恐らく監督が過去作から見ても明らかに戦争を描くのが好きで、それらの武器や飛行機が大好きでってのがあるから、ナチスを敵にした際に、それの残党がまだいるであろう60年代を舞台にした、って推測ができると思うんでんすけど、僕的にはですね、きっとルパンが連載された1967年に近い年代を舞台にして、これがルパンの始まりとしたい「THE FIRST」にしたのかなぁと勝手ながらに思ってます。

 

ただそうなるとですね、ピンチになったルパン一味が銭形警部を呼んで飛行機を盗もうとするも、やはりそこはとっつぁん、死に物狂いでルパンにしがみ付き自分だけ飛行機に乗るけれども、そりゃ縄で縛られちゃうよね、ってシーンがあるんですね。

ここでルパンたちが腹ごしらえをしてるんですけど、食べてるものが「日清カップヌードル」なんですね。

「天気の子」でも「2分がおいしいんだよ」というセリフ込みで思いっきりスポンサーとして映像にねじ込んだシーンで有名ですが、今回もしっかりスポンサーとして登場しているのが見え見えなんですけども。

まぁそこはいいや、大人の事情ですから。

何が言いたいって60年代にカップヌードルってありましたっけ?て話で。

発売されたのって70年代ですよ確か。

仮に国内で流行したとして、世界で普及されるのはもっと後の話だと思うんですけどね。

 

と、細かい所が気になったのでついつい書いちゃいましたけど、それ言ったら「第3の関門」で、どう考えても並みの身体能力じゃ突破することができない難関を、常人では考えられないほどの瞬発力と動体視力と反射神経と運動能力を備えたルパンが、知恵と洞察力とアイテムとじっちゃんの置き土産によって難なくクリアするんですね。

 

まぁ~このシーンが「ルパン△」だったんですよ。

四方八方から飛び出る光の針をシュルシュル抜けて、一瞬着地したと思ったらトンネル内をグルグル走り回ってトラップを回避して、鮮やかな前宙した途端に場面がスローモーションで顔ドアップでめっちゃしたり顔で、そしたら天井にかつて訪れたであろう爺ちゃんの杖が刺さってて、それを瞬時に利用して見事に難関をクリアするのはいいんだけど、しっかり爺ちゃんの傷だらけのハットがおいてあって、それ被って杖ついて扉が開いて後光がさして、はい、キメポーズっていうね。

あ~んるぱぁ~ん♡てなっちゃうひと続出でしょあそこ。

 

めっちゃカッコがついたのに!製作陣がめちゃんこ時間かけたであろうルパン超絶かっこいいシーンなのに!

その後、残った次元たちがゲラルトらに拳銃突き付けられてノコノコ歩いてくるんだよ!

あの光の針が縦横無尽に飛び散ってくる難関のトンネルのところから!

どうなってんだよ!

あれか?到着したルパンが罠を解除したのか?

だとしてもそれはないぜぇ!

あんだけカッコよかったルパンが台無しだぜぇ…

もうちょっと余韻に浸らせてくれよぉ~・・・

 

 

その他雑感。

まぁあとはその難関だらけの遺跡内の技術が明らかに現代では到底たどり着けないであろう仕掛けになってるのも非現実的で、重力を操れるのとか、肉体を圧縮して消滅させてしまう罠とか、斬鉄剣でないと渡れない星の橋とか、そもそもここから急に非現実的な展開になっていく辺りがちょっとファンタジーすぎるというかジブリ過ぎるというか、もしインディージョーンズをオマージュしてるならもうちょっとアナログ感のある仕掛けを施してほしかったなぁとか。60年代なんだし。

あ、これは愚痴だ・・・

 

でもほら、前半はブレッソン・ダイアリーの中身を空けるまでのいかにもアナログにも拘らず精密に作られた、誰も開けられない、いわば決められし者にしか開けられないっていう、オチはすぐわかったけどいいじゃん、ロマンがあって!みたいな展開は大好きだったし、そこから一気に風呂敷広げて壮大な規模にしちゃう辺りがいかにも監督が好きそうな展開で、そりゃあ見事に「わぁ・・・」ってなるわけで、総合的に楽しい仕掛けいっぱいあったよね。

 

しかしまぁこのご時世にヒトラーがブラジルで生きているなんて説を信じて復権を望む残党を敵にするっていう設定を考えちゃう監督ってある意味すげえなぁと。

そりゃああの時代の敵って考えるとまぁ適した相手かもしれないけど、ヒトラーがひっそり生きているってのをああやって大っぴらに描いちゃうのはどうなのかなぁと。

てかナチスみたいな架空の敵にすることはできなかったのかな。

 

 

最後に

実は久々のルパンだったんですけども、画的には進化したものの、話自体は変わってないことに安心しいたというか、変に今に合わせず娯楽に徹した物語になっていたのは満足でした。

 

見てない間にだいぶ声に張りがなくこもり過ぎていて逆に浮いてしまっていた次元役の小林清志さんの声が気になってしまいましたが、舞台挨拶での「もうじき死ぬから最後までやらせてくれ」ってコメントを聞いていたので、例え合っていなかったとしても、周りが若返りした声優陣だとしても、この声が聞けるのはあとわずかだと思うと、一言一言耳を澄ませて聞いていたいものだなと。

 

広瀬すずの声も予告編での違和感がものすごくあったけど、段々レティシアが広瀬すずに見えてきたのはきっと俺だけではないだろうと確信してますw

他のゲスト声優も悪くなかったですよね。

ゲラルト役の藤原竜也の声が、ゲラルトの髪型がツーブロックってのもあって、段々と小栗旬の声に聞こえてきたのは俺だけでしょうか…

終盤の怒り狂った声がさ、藤原竜也の声に聞こえてこなかったんだよ・・・

 

これ以上深く掘り下げることができないくらい深みの無い映画ではありましたけど、絶対に楽しい映画であることは確かだと思うので、気になる方は是非ご鑑賞いただければと。

あ、銭形の顔の表情だけはちょっと無理だったな…般若みたいな顔してたよ、どこかで。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10


映画「ラストクリスマス」感想ネタバレあり解説 ただのラブコメだと思ったら大間違いだぞ。

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12月6日

ラストクリスマス

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クリスマスが今年もやってくるぅ~♪

はい、僕にとって1年で最も縁のない日が近づいてまいりました。

一体何度この日を一人で過ごしたことでしょう。

今となってはいい思い出のわけがありません。

 そんな一人ぼっちのクリスマスを過ごす僕に寄り添ってくれるのは、映画しかありません。

ホームアローン」、「ラブ・アクチュアリー」、「素晴らしき哉、人生!」、「三十四丁目の奇蹟」、そして「ダイ・ハード」!など、クリスマスを舞台にした映画がこの世にはたくさんあるわけで、僕はこれらの映画によってその日を乗り越えてきました。

 

とはいうものの、クリスマス映画ってその時期にならないと見たいと思わないんだよなぁ…って気持ちがどうしてもありまして、そこまでマストな1本としては思えない節があります。

 

ただ最近まともなラブロマンスモノとか、ラブストーリーだとか、ラブコメだとか、どっか敬遠していたなぁと。

で、クリスマス映画でラブコメモノの映画が公開するというベストタイミングに加え、ずぅ~っとぼっちinクリスマスな俺のぽっかり空いた心の穴を埋めてくれそうな匂いがしたので、これは見に行こう!と。

 

しかもですよ、クリスマスソングといえばマライアキャリーと彼らでしょ!って人の代表曲を題材にした映画っていう。

この歌、色んな人がカバーしてますよね。

EXILEもそうですし織田裕二BoAも、海外ではテイラーちゃんやアリアナちゃんまでカバーされているあの曲。

この曲からどんな物語へと発展していくのでしょうか。

というわけで早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

1984年の発売以来、クリスマスの時期になれば世界中で流れるほど定番の人気曲である、ワム!の「ラスト・クリスマス」。

この曲からインスパイアされた、ユニークで心温まるオリジナルストーリーが生まれた。

 

クリスマスのロンドンを舞台に、クリスマスショップで働く主人公の前に突然現れた青年との奇妙な出会いから、近づくと遠ざかってしまう二人の関係と隠された秘密を、飛び切りロマンティックでちょっぴり切ないラブストーリーとして描いていく。

ヒロインの自分探しを通じて特別な季節に相応しい願いを込めた、愛と感動の奇跡がたっぷり詰まった物語。

 

いつか晴れた日に」でアカデミー賞脚色賞を受賞し、「美女と野獣」や「メン・イン・ブラック/インターナショナル」のエマ・トンプソンが脚本を担当し、昨今女性の多用な面をフォーカスした、娯楽要素たっぷりの作品を手掛け続けている監督によって、「ラブ・アクチュアリー」に匹敵し、さらにはクリスマス映画の歴史に新ページを刻む作品が誕生した。

 

また音楽には、ワム!の「ラストクリスマス」以外に、2016年のクリスマスに惜しまれつつもこの世を去ったジョージ・マイケルの楽曲もふんだんに使用。

肌寒いこの季節に、一人淋しい気分が色濃く出てしまうシーズンに、あなたの心に温かな灯をくべるような、そんな素敵な映画です。

 

ラスト・クリスマス (シングル・ヴァージョン)

ラスト・クリスマス (シングル・ヴァージョン)

 

 

 

ラスト・クリスマス オリジナル・サウンドトラック Featuring The Music Of ジョージ・マイケル&ワム!
 

 

 

 

 

あらすじ

 

突然現れた謎のオトコ

想定外のドキドキ

どんどん加速するトキメキ

 

いつも心のそばに──
あなたにもあなたを大切に想うひとがきっと…

 

ロンドンのクリスマスショップで働くケイト(エミリア・クラーク)は、小妖精の格好をしてきらびやかな店内にいても仕事に身が入らず、生活も乱れがち。

 

そんなある日、不思議な好青年トム(ヘンリー・ゴールディング)が突然現れ、彼女の抱えるいくつもの問題を見抜いて、答えに導いてくれる。

 

ケイトは彼にときめくけれど、ふたりの距離は一向に縮まらない。

 

トムを捜し求めつつ自分の心の声に耳を傾けたケイトは、やがて彼の真実を知ることになる……。(HPより抜粋)

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは、ポール・フェイグ

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見てください、この紳士な装い。

正にジェントルマンですよね。

そんな彼は「ブライズメイズ~史上最悪のウェディングプラン」や、女性版「ゴーストバスターズ」、「シンプルフェイバー」など、女性を主人公にした作品が定番ですが、そこには彼なりのポリシーがあります。

 

ようやく女性が主役になれることが普通になりつつある昨今ですが、それでもまだまだ女性が輝くことが難しいということを深く考えているそう。

ならば彼女たちを主役にした映画を作ることが、自分にできる事なのではないかと。

 

直接語っているわけではありませんが、監督がコメディエンヌや女優を主役に起用した映画を製作している背景には、彼のジェントルマンたる姿勢が色濃く出ているからなのではないでしょうか。

 

今作でも脚本を担当したエマ・トンプソンが「心を大切にして生きること」をテーマに執筆したそうで、監督もそれに呼応するように、女性が自分自身を愛することの大切さを念頭に作ったのだと思います。

一体どんな物語になるのでしょうか。

監督に関してはこちらもどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

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キャスト

主演のヒロイン、ケイトを演じるのはエミリア・クラーク。

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僕は全く見ていないんですが、彼女といえば映画ももちろんですが、ドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のイメージが強い人が多いのではないでしょうか。

 

そんな彼女の映画の過去作をサクッとご紹介。

先に挙げた「ゲーム・オブ・スローンズ」でブレイクし、最終シーズンまで出演する活躍と共に、映画にも複数メインキャストで出演。

SFアクション映画の金字塔「ターミネーター」シリーズの第5弾であり、シリーズの1と2の世界観をベースに、人類の未来をめぐる時空を超えた崇会が繰り広げられる「ターミネーター:新起動/ジェニシス」でサラ・コナー役に大抜擢されます。

その後も、不慮の事故で麻痺となってしまった元実業家の青年と介護士として雇われた女性の恋模様を描いた「世界一キライなあなたに」や、「スター・ウォーズ」でも屈指の人気を誇るパイロット、ハン・ソロがルークたちと出会う前の若き日の活躍を描いた前日譚「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」にも出演するなど、大きな作品で存在感を示しています。

 

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今回は歌も披露しているそうなので楽しみですね。

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

謎の青年トム役に、「シンプルフェイバー」、「クレイジー・リッチ!」のヘンリー・ゴールディング。

ケイトの母アデリア役に、「いつか晴れた日に」、「ウォルト・ディズニーの約束」のエマ・トンプソン。

サンタ役に、「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」、「グリーン・デスティニー」のミシェル・ヨーなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

果たして僕の心をときめかせるラブコメになっているのでしょうか。

そろそろ誰かと映画見に行きてぇなぁ…

ここから鑑賞後の感想です!! 

 

感想

いやぁ~ただのロマコメだと思ってたらちょっとナメてた…

これ見たらきっともっと自分を大切に思えるでしょう。

そして人にやさしくも。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただのロマコメじゃない。

子供の頃に旧ユーゴスラビアから移民としてイギリスにやってきた主人公ケイトの、自暴自棄にも似た踏んだり蹴ったりの毎日に突然現れた謎の青年との夜の散歩を皮切りに、恋愛に発展するかと思いきや、日々の小さな行いがやがて自分を作っていくというメッセージを添えることで、自分を大切に優しくすることは、他者をも優しくしていく、それって凄く幸せなことじゃない?と問いかけると共に、EU離脱問題、移民問題、社会的弱者といったマイノリティや社会問題にまで愛の手を差し伸べていくって内容を、ジョージ・マイケルの名曲たちにのせて届ける最高にハッピーなクリスマス映画でした!!

 

いや~やられた、やられました。

僕はてっきりロンドンの素敵な街並をバックに、なかなか幸せになれない女性がステキな男性と巡り合うことで、本当の自分を取り戻してくかのような,極々ありふれたクリスマスロマンスコメディだとばかり思ってましたが、これはヤラレた!

クリスマスのラブコメってのはあくまで表面的なもので、すごくパーソナルな部分に着目しながらも、そこをすくいあげることで社会全体が幸せになれるっていうヒントを提示してくれる、幸せの在り処を見出してくれる、そんなお話だったわけですよ。

 

他にも言いたいこと山ほどあるんですけど、まずはそのパーソナルな部分から。

 

あのぉ僕はワガママなんですよ。自分中心で相手のことなんか考えないクズそのものでして。

なんか嫌なことあったら酒に逃げて自分を全く労わらない野郎でして。

だからどこかで皮肉をこぼしたり卑屈になったり、どうして俺ってこんな人生送ってんだろ、それって俺のせいじゃないよね?オレ以外の全てが悪いからだよね、みたいな考えがどこかにあって。

 

主人公のケイトもそんな感じに見えました。

家に帰りたくないからって理由で、バーで酔っ払って男ひっかけて身を委ねて結果放り出されたり、友達の家に当たり前のようなツラして転がり込んでめちゃめちゃにして謝罪もせず出ていって。

挙句の果てには自分の都合最優先で急いで出ていくもんだから店の鍵もかけずオーディションに行って、よく朝店に行くと泥棒に入られてサンタって名前の女主人に怒られれる。

 

こうなってくると、とにかくツイてないだけとか開き直る前に、下を向いて歩いちゃうんですよね。

あ~あまたやっちまった、どうして私っていつもこうなんだろ、どれもこれも自分のせい?いや違うでしょ、こんな私を受け入れてくれない相手が悪い、泥棒に入った奴が悪い、出ていけというやつが悪い、とあれこれ悪循環に考えてしまうわけで。

 

そんな時に現れる謎の青年トムが颯爽と現れ、夜の散歩をすることに。

これまで下を向いてばかりいたケイトは彼とのステキな夜のお散歩をすることで、いつも通っていたはずの道なのに、新しい発見を沢山していくわけです。

 

こんな素敵な人とお付き合いで来たら・・・って展開になるかと思いきや、物語の方向は、僕が予想していたような物語ではなくなっていくわけなんですが。

 

トムはとにかく「Look Up」、上を見て、とケイトに言うんです。

誰も歩かないような裏通り、大きなバッタがそびえる看板、草木が生える中ライトアップされたベンチのある公園。

どれも下を向いていた彼女では到底見つけられなかった場所ばかり。

常にスマホは戸棚の上に置いているトムだからこそ、こういう場所に気付けるわけで、それをケイトに教えたかったってこと。

 

そう、下を向くってことは実は何も気づけないってことなんですよね。

今の人たちはスマホに夢中で、ネットニュースに夢中で、ゲームに夢中で、LINEに夢中で、それって実は何も見ていなくて何も気づけていなくて、せっかくの時間を台無しにしていることかもしれない。

かのクリストファー・ノーランは「インターステラー」のインタビューで映画評論家の町山智浩さんに、「今の人たちは下を向いてスマホをいじってばかりで上を見ようとしない、上には空があって、宇宙があって、未来がある。だから僕はその思いを映画に込めたんだ」みたいなことをおっしゃってたんですよ。

上を見ることは、そういった些細な発見から心を豊かにする、人生を豊かにする、皆がそれをすれば世界が豊かになることの最初の一歩だと、ノーラン監督もトムも言ってるわけです。

 

見上げることで、女主人のサンタにナイスフォローをすることができる、家族とちゃんと対話できる、ホームレスの人たちがシェルターで食べ物をもらっていることに気付く、移民の人たちがヘイトされていることに気付く、気づけば次に自分に何ができるか考えることができる、結果相手に優しくできる、その積み重ねがやがて自分を労わることができる、という好循環になると。

 

 

 

彼女のバックボーンが大きなキーポイントに。

何故トムがそこまでしてケイトに「上を見ろ」といい続けるのかは核心に触れるので伏せますが、今作は「日々の小さな行いが自分自身を形成する」という格言をキチンと抑えたお話になってたんですね。

 

だから僕もトムの精神性をしっかり受け止めて自分を大事にしよう、そしたら僕の我儘な性格も治ったりしないかなぁ…なんてめちゃんこ映画に影響されてますw

 

実はこの映画、ケイトのある部分を説明せずにお話が進んでいくんですね。

それが彼女が過去に起こした病気と、ケイト以外の名前。

 

序盤いきなりお姉さんがケイトが働くクリスマスショップに尋ねてくるんですね。

なぜかというとケイトは母親からの連絡を断っていたからで、あまりの心配さにお姉さんまで引っ張り出されてしまうからってのが理由。

ちゃんとお母さんお電話に出て!あなたは病気から治ったばかりなんだからお母さんもまだ心配が抜けてないんだから、と。

 

でもケイトは、もう病気は治ったし大人だしちゃんと一人でやっていけるしの一点張り。

こんな具合で中々家に帰ろうとしないってのと、彼女はかつて病気だったことが明かされるんですけど、それから具体的な説明がないまま、トムとの馴れ初めに入っていくわけです。

 

実はケイトは心臓移植を受け、命をつなぎとめた過去がありました。

それまで彼女はきっと家族の中で特別な扱いを受けていたんでしょう。

何せ重病ですから。

母親もさぞ心配したでしょうし、そっちばかりに目をかけてきたことでお姉さんは目をかけてもらえなかったという複雑な過去があったはず。

ケイトの病気によってそういう関係性が現在のこの家族にはあるわけです。

 

これがケイトをも複雑にしていたんですね。

病気を患っていた頃は、皆が心配し注目されてきた。

それが治った途端普通の人として過ごさなくてはいけなくなった。

このギャップが彼女を自堕落にしてしまう要因だったわけです。

 

そこでありがたい言葉と暖かい抱擁をくれるトムの出番。

誰もが特別な自分でいたいってのは、少なからずとも願望としてあると思います。

だから自分をアピールできる格好の場としてインスタはじめとしたSNSてのが盛んだと思うんでんすが、トムいわく、そもそも俺たちって特別じゃん、普通にしろって、そもそも普通って何なん?誰の物差しをもって「普通」なん?

 

トムの言葉にまたもや救われていくケイト。

彼女はこれを機に、本当の自分を見出していくんです。

 

 

で、もうひとつ彼女と家族は旧ユーゴスラビア出身なんですが、1999年以降イギリスに移民としてやってきた過去があります。

大人になった彼女は自分の事をケイトと呼んでいいますが、家族はカタリアと呼ぶんですね。

最初どういう意味かよく分からなかったんですが、要は語り合って名前は本名で、略してケイトだと。

この背景が物語に大きく影響していくんです。

 

現在イギリスはEU離脱という大きな問題を抱えていて(Brexit=イギリスから出るっていう造語もあるそう)、劇中では、それに対するデモ行進だったり、怯える母親の姿が出てきます。

離脱問題の大きな要因は、豊かな国が貧しい国を支える構図が浮き彫りになり、移民で溢れたイギリスが彼らによって雇用を奪われることから、EU離脱の是非を問う国民投票へと発展してしまったわけです。

結果、年代が高い人ほど離脱の意志が強い傾向にあったため、離脱が決定してしまいました。

それが2016年の出来事です。(劇中は翌年の2017年が舞台)

現在も離脱合意に向けて激しく揺れているイギリスですが、今作はそれに向けて言及しているお話でもありました。

 

ケイトも最初こそカタリアと呼ばれるのが嫌な態度を示してましたけど、トムの触れ合いによって少しづつ変化し、カタリアと名乗って同じ移民と交流していくシーンもありました。

また家族にとっても大変な時期を祖国で過ごし移住してきた過去によって、生活を一変にさせられたわけですから、その闇を簡単に晴らすことはできないわけで、そういう部分も隠さず描いているんですね。

 

上でも書きましたけど、排除することで自身を守るよりも、やはり他者を優しくすることが何よりの幸せへの近道なんだってことを、脚本を手掛けたエマ・トンプソンは強く言いたかったんじゃないかなぁと。

 

またLGBTQやホームレスたちなどのマイノリティにも目を向けた内容も見事に織り交ぜていて、ケイトの優しさが彼らにも降り注ぐ後半は楽しさが凄く溢れています。

 

 

ラストクリスマスの歌詞

今回ワム!の「ラストクリスマス」をフィーチャーしたお話なのですが、そもそもこの歌、男がフラれて嘆くんだけどめっちゃ強がってる歌なんですよね。

 

サビの部分の歌詞を和訳すると、

去年のクリスマスに僕は君にハートを捧げたのに、翌日君は捨てたんだ

今年はそうならないように特別な人に捧げるんだ、って内容なんです。

 

毎年この曲を聞くたびに、なぜこれを恋人たちと聞くんだろう、と不思議がっているんでんすが、まぁメロディラインが美メロですからね、クリスマスには持って来いなんでしょう。

 

と、とにかくフラれた男のわびしい気持ちをジョージマイケルの美しい歌声にのせて聞く楽曲なんですけども、これも僕の見る前の予想の材料ともいえる部分で、この歌を直訳したかのような物語になるんだろうなと。

男女の出会いと別れを通じて一つ大人として成長するみたいな。

 

ところがどっこい、この歌がとんでもない歌に変化する物語になっていたことにビックリで。

 

全部言っちゃうと核心に触れるので伏せますが、男の侘しい歌になってないんですよ。

なんていうのかなぁ、僕の心を大切にすることであなた自身が大切な存在になるよ、って解釈がいいかなぁ。

また、マイハートって部分を誰かに捧げるってことは、それは愛であり優しさであり、それを特別な人にあげるって意味で考えると、もっとグッとくるというか。

あ~ダメだ、全部言いたいw

てか読んだら分かる内容になってしまってないか・・・。

まだまだうまい文章が書けないw

 

とにかくだ!

この歌がこんな素敵な解釈ができる歌になるなんて!という驚きのエンディングに期待してほしいです。

 

 

最後に

エミリア・クラークのコメディエンヌな演技もすごく際立ってて、しゃべくり倒す勢いも面白いし、ダメダメな女の子を見事に演じられていて、サンタ演じるミシェル・ヨーとの掛け合いも笑えて、それだけでも楽しいし、ヘンリー・ゴールディングのムチャ紳士ぶりも「クレイジー・リッチ!」同様眼福だし、キャスト面でも最高です。

 

まとめていえば、今生き辛いと感じている全ての人に、愛と優しさと温もりを与えてくれる、エールが込められた映画でした。

愛ってのは決して恋人だけじゃなくて、自分に関わる関わらず全ての人に与えるものだと。

それがまわりまわって世界を愛で包むきっかけになるよと。

それってさ、幸せなことじゃない?とスピードワゴン小沢的な着地でいかがでしょうかw

 

あ~また思い出して涙が・・・

 

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10

映画「ジュマンジ/ネクストレベル」感想ネタバレあり解説 続編は難易度アップだけど面白さダウン。

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12月13日

ジュマンジ/ネクスト・レベル

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果たしてこの映画のナンバリングは、2なのか、それとも3なのか。

一応ジュマンジの正統的な続編が前作「ウェルカムトゥジャングル」だったわけだから、今回の「ネクストレベル」は3になるんだろうけど、ボードゲームがTVゲームへ変かして、主役がドウェイン・ジョンソンになってってなると、今回2ってことにもなる。

 何を悩んでるって、「ジュマンジ」見たいと思うんですけど、どれから見ればいい?って聞かれた時に、ナンバリングで説明した方が分かりやすいかなぁと思ったんだけど、逆に俺がややこしくなってるっていうね。

Dreamin'!!いつからか番号で呼ばれ!!!

・・・番号ふってすいません。

 

はい、いったいどんな気持ちでスターウォーズとぶつけてきたのか、配給側の意図がさっぱり読めないんですが、「ジュマンジ」3作目が公開です。

1作目から趣向を変えてTVゲームの中を舞台にし、ゲームあるあるをふんだんに盛り込み、そして現実の自分とは真逆のキャラでクリアに挑むというものでした。

しかも、そこには「ブレックファストクラブ」的なスクールカーストからの解放を意味する素晴らしい青春映画にもなっている。

さらにいえば、ドウェイン・ジョンソン、ケヴィン・ハートジャック・ブラックといったコメディセンス抜群のキャスト陣が、とにかく爆笑を誘うトークやアクションで楽しませてくれる。

 

こりゃあ世界中で大ヒットするわけですよ、日本ではそこそこでしたけどw

 

もうゲームはしないと思ってた彼らですが、なぜに再びゲームの世界へ行ってしまうのでしょうか。

早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

ロビン・ウィリアムズ主演で描かれたアドベンチャー映画を、20年の時を経てリニューアルした続編「ジュマンジ:ウェルカム・トゥ・ジャングル」。

TVゲームの中に吸い込まれた高校生たちが、自分とはかけ離れたキャラクターになり、特技や仲間との協力のもとクリアを目指す、青春アドベンチャー映画として見事大ヒットを成し遂げた。

 

今作はその冒険をしてから2年後の話。

壊したはずのジュマンジに、なぜ彼らは再び吸い込まれてしまうのか。

監督キャストも続投し、さらに新たなキャラも加えての内容は、敵も難易度も敵キャラもパワーアップ!

 

誰もが食いつくTVゲームの親しみやすさ、その「あるある」にツッコまずにはいられないコメディ描写。

マンをジュしての続編を存分に楽しむがいい!!

 

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あらすじ

 

ジュマンジ~~~~~ !!!!!と叫んで、ジャガー像に宝石をブチ込み、ゲームクリアしたのが2年前。

当時高校生だった、スペンサー(アレックス・ウルフ)、マーサ(モーガン・ターナー)、フリッジ(サーダリウス・ブレイン)、ベサニー(マディソン・アイスマン)もそれぞれの路を進み、今は大学生。

 

しかし、あの時の興奮が忘れられず、粉々に破壊したハズのジュマンジをこっそり修理し始めるスペンサー。

その瞬間、またしてもゲームの中に吸い込まれてしまった。

 

スペンサーを救出するために、再びジュマンジにログインする3人。

しかし、壊れたゲームの世界はバグっており、何故かスペンサーの御祖父ちゃんたちもジュマンジの中に!?!?!?

 

そこはジャングルのみならず、砂漠、氷山など新たなステージが追加され難易度もレベルアップ!

完全に無理ゲーと化したジュマンジ。

しかし、使えるライフは3回。

 

ゲームクリアしか生きて現実世界に帰る手段はない!!!!!

❝全クリ マスト❞です!!!!(HPより抜粋)

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは、前作に引き続きジェイク・カスダン

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やっぱり続編は同じ監督がいいですね。

 

彼に関しては前作で色々書いたので特に言及はありませんが、彼の過去作「ウォーク・ハード」を前作の後に鑑賞しまして、これが大変面白かったです。

架空のロック歌手がどんな人生を歩んできたのかを回想するとともに、ロックの歴史も知れちゃう一石二鳥な内容で、もちろん監督の作品ですから、あらゆるエピソードがパロディになっていて爆笑モノ。

そもそも主人公がジョン・C・ライリーで、15歳時の役を自身が演じてるのですでにそこから笑ってしまうw

俳優陣も今考えると豪華で、まだ世界的に有名でなかったクリステン・ウィグポール・ラッド、まさかのテンプテーションズや、ジャック・ホワイトもちゃっかり出tるからすごい。

 

監督を知るうえで是非見てほしい1作です。楽しいです。

 

ウォーク・ハード ロックへの階段(字幕版)

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 監督に関してはこちらをどうぞ。

 

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キャラクター紹介

 

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  • スモルダー・ブレイブストーン博士(ゲームキャラ)(ドウェイン・ジョンソン)

スキル:勇気、クライミング、スピード、ブーメラン、キメ顔

弱点:???

  • エディおじいちゃん(プレイヤー)(ダニー・デヴィート)・・・スペンサーのおじいちゃん。孫であるスペンサーをゲームの中から救い出すため、慣れないながらも奮闘する。

 

 

  • シェリー・オベロン教授(ゲームキャラ)(ジャック・ブラック)

スキル:地図製作、考古学、古生物学、幾何学

弱点:持久力、暑さ、太陽、砂

  • フリッジ(プレイヤー)(サーダリウス・ブレイン)・・・スペンサーを救うため、再びジュマンジに吸い込まれるアメフト選手。今回のゲームキャラ〈オベロン教授〉には不満のようで…

 

  • ムース・フィンパー(ゲーム・キャラ)(ケヴィン・ハート)

スキル:動物学、武器運び、言語能力

弱点:ケーキ、スピード、強さ

  • マイロ・ウォーカー(プレイヤー)(ダニー・グローヴァー)・・・エディおじいちゃんの友人。しかし、彼とエディの間には何やらわだかまりがあるようで・・・

 

  • ルビー・ラウンドハウス(ゲームキャラ)(カレン・ギラン

スキル:空手、合気道、太極拳、ダンス・ファイティング、ヌンンチャク

弱点:毒

  • マーサ(プレイヤー)(モーガン・ターナー)・・・恋人のスペンサーを救うため、再びジュマンジにログインする。

 

  • シープレーン(ゲームキャラ)(ニック・ジョナス

スキル:マルガリータ、飛行機操縦

  • アレックス(コリン・ハンクス)・・・スペンサー、マーサ、フリッジ、ベサニーよりもジュマンジ内で長く生き延びてきた経験を持つベテランゲームプレイヤー。

 

  • ウマ(ゲームキャラ)

スキル:???

弱点:???

  • ベサニー(プレイヤー)(マディソン・アイスマン)・・・友人たちをジュマンジから救い出すためにある人物に助けを求める。しかし、今回のゲームキャラは人間ではなく馬!

 

  • フリートフット(ゲームキャラ)(オークワフィナ

スキル:金庫やぶり、忍び込み、スリ

弱点:花粉

  • スペンサー(プレイヤー)(アレックス・ウルフ)・・・壊したはずの呪われたゲーム〈ジュマンジ〉を修理してしまったことで、再び吸い込まれる。今度のゲームキャラも〈スモルダー・ブレイブストーン博士〉になると思っていたが…(以上HPより)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前作とは違うキャラになっているのでちょっとややこしいですが、きっとこれが「笑い」を生む要因になっていることでしょう!

なんて立って今回ドウェイン・ジョンソンとジャックブラックの中身は、おじいいちゃんですから!w

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

人生ネクストステージに行っても、俺たちの友情は永遠だ!

今度のジュマンジは難易度アップしたのに、内容がレベルダウンしたぞ…。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

言いてえことはわかる、けどな。

前作から二年後を舞台に、人生を謳歌できず不安に駆られていたスペンサーの衝動的で身勝手な行動により、再びゲームの世界に入ってしまった4人と、なぜか巻き込まれてしまったおじいちゃん2人を中心に、バグを起こしながらも明らかに難易度がアップしたジュマンジ攻略の旅の行方を描いた今作。

 

前作終了後、それはそれはステキなスクールライフを過ごしたことでしょう。

だって俺たちはあの「ジュマンジ」という過酷なゲームの世界で、みんなで力を合わせてクリアし、かけがえのない友情を手にしたのだから。

離れていても心は繋がっている、愛しい人とも幸せな時間を共有できる、と。

 

しかし現実はなかなかそうはいかない。

大学生になり、皆これから自分がどういう大人になるのか、何者かになるのかを模索しなければならない大切な期間に突入するのだ。

もちろんあの時の友情はかけがえのない物だが、そればかりに目を取られている時間はない。

勉学に励み、スポーツに励み、新たなに出会った仲間とその日その日を分かち合う。

そう、いつだって後ろでなく前を見て歩いていかなければならないのだ。

 

しかし劇中の人物スペンサーは立ち止まってしまう。

あの時、命からがらになりながらも豪快に敵を投げ倒し恋人まで作れてしまった、現実の世界では到底なれっこない真逆のキャラクター・ブレイブストーン博士になれた時の思いが、未だどこかにあるのだ。

それと同時に、自分とは違い大学生活を満喫している他の親友たちの近況を見てギャップを感じ、さらに落ち込む。

僕の人生のピークはあの時だったのか。

これ以上謳歌することはできないのか。

それならいっそ、もう一度、ジュマンジに入って最高にスリリングで最高に楽しいあの世界で生きたほうが・・・。

 

そんな彼を救うのは、あの時共に戦い固い友情を結んだ戦友であり親友しかいないのだ。

例え離れていても友達に何かあればいつだって駆けつける、助け合うことができる。

あのゲームの世界も決してひとりではクリアできないのと同時に、現実の世界でも一人では解決できない時、必要なのは友人であり仲間だ。

 

今作はそんな人生のネクストステージに進んだ4人が、離れていてもあの頃の関係性は変わっていないことを教えてくれることを伝えようとしている作品だと思います

 

 

また、彼らと同じようにゲームの世界に迷い込んでしまった老人二人のサイドストーリーも加わり、さらに人生の何たるかを説いていく。

 

あることが原因で確執を生んでしまったスペンサーの祖父エディと、彼の昔の友人マイロ。

現実でもゲームでも何かと衝突していた二人は、ある事をきっかけに和解していく。

それは、死を意識したことで過去のしこりをなくすことだった。

どうせ死ぬならキレイに死にたい、誰もがたどり着くであろう過去の清算をすることで、歳をとって体にガタがきても人生は最高だということも教えてくれる。

 

また前作ではゲームの世界よりも現実の世界の方がいいに決まってるというメッセージに対し、今作は逆説的な解釈も盛り込んだ物語にもなっているのが斬新。

 

現実の世界で生きていたとしても、老いには勝てない。

かつてがむしゃらに働いた体は戻ってこない。

このまま灰となって土に眠るだけの人生。

ならばこのジュマンジの世界で自分に務めが与えられるのであれば、ここでセカンドライフを送ることも有意義な選択なのではないか。

 

今作は役目を終えた人でも別の世界で生き続けることができるのかもしれないという、ゲームの世界を肯定したかのような解釈もできる内容になっていたように思えます。

 

 

ゲームも現実もネクストステージはつきもの。

何かにつまづくこともあるだろう。

クリアできない時は仲間に頼ればいい。

それで関係がこじれれば仲直りすればいい。

そうることで次のステージに進むことができるレベルにたどり着けるのだ。

ジュマンジはそんな映画、だったのかもしれません。

 

 

 

前作より内容がペラッペラ。

・・・とかなんとかうまく映画を汲み取った感想ですが、ごめ~ん!!

今回の全然おもしろくなかったです、はい。

 

ジュマンジの世界のあらすじをザックリ説明するならば、

暴虐王が宝石を独占したことで、太陽が覆われ作物も自然も干ばつ状態になっているジュマンジの世界で、今回も宝石を奪取して再び平和に戻すことが目的。

砂漠に放り出されたプレイヤーは、オアシスという街を目指し歩き、そこで暴虐王の足取りを追い、ジャングルから彼らの要塞である氷の世界へ向かうというもの。

 

前作ではゲームでの「あるある」をうまく利用することで、青春要素以外でも楽しめるエンタメ性が特化されていた、すごくいい出来の映画だったのに、今回はなぜかそのゲーム機能がうまく活かされていないことに加え、おじいちゃん2人も入っちゃったもんだから、妙に描くことが分厚くなってしまっていて、結局しっちゃかめっちゃかになっていたよなぁ、ってのが今作への感想です。

 

もちろんいいところもありました。

今回一度壊したジュマンジを中途半端な修理の状態で入ってしまったもんだから、以前使ったキャラでプレイできないという不具合が生じてしまってるんですね。

特にスペンサーとフリッジが使用していたブレイブストーンとフィンバーの中には、エディとマイロが入ってしまっているという事態。

この不覚にも混ざってしまったゲームど素人のふたりが加わることでの珍道中はかなり面白い。

 

何度もジュマンジの世界を説明しても飲み込むことができない、いや理解する知能を持ち合わせていないせいで、経験者であるマーサとフリッジの足を引っ張る羽目になる序盤は、これぞコメディチックなやりとりでいい感じです。

一度死んだら生き返る機能を全く理解してないマイロが、何度もここは天国だとか地獄だとかぬかす件も笑えるし、ブレイブストーン(中身はエディじいちゃん)の「キメ顔」で一瞬時めいてしまうマーサの表情といった細かい点もお見事です。

 

ダチョウの大群に追われる砂漠の場面でも、動物学者であるフィンバーの特技を発揮するマイロですが、中身がおじいちゃんのためにいちいち回りくどく説明が雑でとにかく簡潔に話せないゆっくりとした口調がイラつくというユーモア描写も劇中では鉄板でしたし、反対にブレイブストーンの特技である勇敢とパワーに惚れすぎて、何でもそれで解決しようとして墓穴を掘るエディおじいちゃんの性格も今回活かされていた気がします。

 

と、こんな風に前半部分は、経験者が初心者ジジイ二人に振り回されるというギャップを生むことでユーモア性が発揮された、イイ展開だったんですよね。

このパーティーで一体どうやってスペンサーを見つけクリアできるのか見ものでした。

 

しかし、後半ある機能が使えることによって、前半積み重ねてきたモノが失われてしまうという設定があることと、経験者であるスペンサーら4人と助っ人でやってきたアレックスたちがライフの減少に対して全く危機感がなく、残り1機であることの恐怖が全くにじみ出ていない点が、非常に残念でした。

 

劇中で、NPC(ノンプレイヤーキャラ)である赤いドレスを着た女性を追うマーサとフリッジが、あるアイテムを見つけるんですが、そこで意外な展開が待ち受けており、それが終盤でクリアするための必要不可欠なキープレイスになってるんですね。

 

僕は現在ではゲームとは無縁なので、実際こういう機能があるゲームなど知らないんですが、これはやっちゃいけないんじゃないの?って。

ゲームでこういう設定がある内以前に、映画でこれやったらこれまで描いてきたことがパーじゃん!って。

核心に触れるので伏せながら書いてるんですけど、要はそのキャラに入った以上はプレイヤーがちゃんと動かしてクリアするのがセオリーなのに、いや、それでクリアするからカタルシスが生まれるのに、それを無視しちゃってるのがつまらない展開というか。

 

もちろんその人には向き不向きがあって、その人なりの特性というモノがあって、それが活かされることが攻略への近道なんだろうけども、それって結局うまくプレイできない奴を排除して進んでいくってだけのことに思えて、なんかモヤモヤしてしまって。

 

 

そしてライフ減少で生まれる制限でのドキドキ感も今作は見事に失われています。

最初に1機減る件は、前作でもジュマンジの世界を理解するうえで仕方のないことなのでいいとして、途中ブレイブストーンの暴走によって全員が1機ずつ失ってしまう時点で、皆がもっと怒る状態にしないとってのは思いました。

だって前作であれだけ必死になって力を合わせてギリギリの状態でクリアしたのに、誰もがそれを忘れてしまってるかのような危機感の低さだったなぁと。

爺ちゃんの身勝手な行動で、貴重なライフが減ってしまったじゃないか!これ3機失ったら生きて帰れないんだぞ!分かってるのか!みたいな説教があってもよかったよなぁ。

で、それに対して素直になれず、老人ならではの頑固さで大きな衝突を生んで、爺ちゃんがピンチの時にみんなが助けることで和解する、みたいな流れもあっても良かったと思うし。

 

もっといえばアレックスですよ。

今回なぜかジュマンジに入れなかったベサニーが、彼に協力を依頼することで、再びゲームに入ってきたんですね。

彼といえば20年間もゲームの世界で一人孤独に過ごしていた人。

残り1機という状態から先へ進むことを恐れてしまい、ずっと仲間が来るのを待っていた過去があります。

そう、この中で一番ライフの価値を理解していると言っても過言ではありません。

そんな彼がウマを救出するミッションに一人で挑むんですけど、見事に障害にハマってしまいわずか数分で2機失うんですね。

お前が一番慎重になっていなきゃ説得力ないじゃん!て。

 

いや、一応残り1機だけど、みんなで力合わせれば絶対クリアできるっていう意志の確認をすることで、結束力が高まるので、全く活かされてないわけではないんですけどね。

 

とにかく、当初の設定をナシにしてしまう展開と、経験者なのにライフの価値を軽んじてるように見えてしまう展開が、すごくもったいないし、前作を越えるような要因になってないことから、おもしろくないなぁと。

 

 

最後に

それにしても、ケヴィン・ハートのおじいちゃんぽい喋り方や、ドウェイン・ジョンソンのキメ顔の微妙な歪みや頑固っぽさは、中身がおじいちゃんであることを十分に理解しているから前作とは違う雰囲気でやり取りしていたのは面白かったですね。

フリートフット演じたオークワフィナも、前半はパッとしなかったけど後半ある変化によってコメディセンスが爆発していて良かったと思います。

ジャックブラックも前半後半でしっかりキャラ変していたのもわかりやすくて、この映画はコメディアン俳優のやり取りだけでも十分見ごたえがあることを証明した映画だったなぁと改めて感じました。

 

まあ全体的に満足度の低い内容に感じはしたものの、最後に起きる出来事がアレな展開のおかげで、続編への希望は生まれたかなぁってのはあります。

マジか、そうくるか、っていうね。

 

是非次回は、話を折るような立ち話のシーンは減らして欲しいなぁとも思いますw

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆★★★★★★★3/10

映画「カツベン!」感想ネタバレあり解説 映画体験の走りってここからだったんじゃない?

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12月13日

カツベン!

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昼休憩の前に弁当を食べるのは「ハヤベン」。

オリンピックにまつわる隊がドラマは「いだてん」。

電気を発生させるのは「ハツデン」。

電気の世界をかめめぐるのは「オノデン」・・・・。

 もはや原型をとどめてないダジャレから始まりました今回の映画感想。

 

その昔、といっても今もいるそうですが、映画がまだ「活動写真」というサイレント映画として上映されていたころ、スクリーンの横で陽気な音楽と共に作品の説明をする人がいたそうで。

当時無声映画は、欧米諸国はの作品はパントマイム文化が基本ですが、日本は古来より物語文化が根付いていたんだそうで、語り部がいないと無声映画は伝わらなかったんですね~。

日本人が娯楽を楽しむための知恵の結晶が、この語り部である「活動弁士」略して「カツベン」だと。

 

この活動弁士、弁士ですか、まともに聞いたことないんでどういうしゃべり方するかわからないんですけど、あれですか?「時はぁ元禄〇年!時の将軍徳川綱吉はぁ!~」みたいな解説から入るやつですかね?

山崎バニラが深夜のTVかなんかで弁士をやってるのを見たことあるんですけど、すでに記憶が・・・w

 

とにかく、今回はその活動写真が盛んな頃に活躍した活動弁士が主人公のお話。

どんな物語なんでしょうね。

・・・でも活動弁士の活躍を活動写真で撮って弁士に語ってもらうっていう映画じゃ駄目だったんですかね…。

まぁいいや、というわけで早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

日本映画に数々の名作を世に送り出した周防正行監督が、5年ぶりに手掛けた映画のテーマは、映画にまだ音がなかった時代、楽士の音とともに語りや説明で映画を彩った「活動弁士」(通称カツベン)を主人公に、彼と彼を取り巻く個性豊かな面々が織りなす、アクションあり、笑いあり、涙ありの痛快エンタテインメントです。

 

今をときめく若手注目株No.1の俳優が、いったいどんな喋りで観衆を沸かせるのか、そして脇を固める周防組常連をはじめとした豪華俳優陣が、決して飽きさせない芝居を見せつけます。

 

さぁ!物語のはじまりはじまりぃ~っ!!

 

カツベンっておもしろい! 現代に生きるエンターテインメント「活弁」

カツベンっておもしろい! 現代に生きるエンターテインメント「活弁」

  • 作者:佐々木亜希子
  • 出版社/メーカー:論創社
  • 発売日: 2019/12/31
  • メディア:単行本(ソフトカバー)
 

 

 

カツベン! (朝日文庫)

カツベン! (朝日文庫)

  • 作者:片島 章三
  • 出版社/メーカー:朝日新聞出版
  • 発売日: 2019/11/07
  • メディア:文庫
 

 

 

映画『カツベン! 』オフィシャル・アルバム (特典なし)
 

 

 

 

 

あらすじ

 

子どものころ、活動写真小屋で観た活動弁士にあこがれていいた染谷俊太郎(成田凌)。

❝心を揺さぶる活弁で観客を魅了したい ❞という、夢を抱いていたが、今では、ニセ弁士として泥棒一味の片棒を担いでいた。

 

そんなインチキに嫌気がさした俊太郎は、一味から逃亡し、とある小さな町の映画館(青木館)に流れ着く。

青木館で働くことになった俊太郎は、❝ついにホンモノの活動弁士になることができる!❞と期待で胸が膨らむ。

 

しかし、そこには想像を絶する個性的な曲者たちとトラブルが待ち受けていた!

俊太郎の夢、恋の運命やいかに・・・!?(HPより抜粋)

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは、周防正行。

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これまで様々なテーマを個性の強い役者たちで面白おかしく描いてきた監督。

有名な映画いっぱいありますよね~…

でも申し訳ない、俺まともに見た作品ひとつもない・・・。

いや、シコふんじゃったとか、Shall We ダンス?とか、TVでやってた時にちょこちょこ見てるんですけどね、まともに見た記憶がねえなぁ…と。

ここ最近の作品も申し訳ないんですけどスルーしてまして…。

まさかまさかの周防監督デビューは今作になることが今回わかりましたw

 

そんな彼の代表作をサクッとご紹介。

若松孝二井筒和幸などの助監督や、ピンク映画の監督を経て、寺家業を継ぐことにした大学生の青春コメディ「ファンシィダンス」で初めて一般映画を手掛けることになった監督。

その後、廃部寸前の相撲部に入ってしまった主人公の奮闘をコミカルに描いた「シコふんじゃった。」で日本アカデミー賞作品賞はじめ主要部門を席巻する快挙を成し遂げます。

そして、平凡なサラリーマンが足を踏み入れた社交ダンスの世界をコミカルに描いた「Shall We ダンス?」でも日本アカデミー賞を総ナメにする圧倒的評価を得るとともに社交ダンスブームまで巻き起こす事態に。

 

Shall we ダンス?

Shall we ダンス?

  • 発売日: 2014/09/12
  • メディア: Prime Video
 

 

長い沈黙を経て制作した、痴漢冤罪事件から刑事裁判の在り方に疑問を持ち、真っ向から問題点を挙げた社会派ドラマ「それでもボクはやってない」や、女性医師と重病患者の安楽死というう選択に至るまでの信頼関係、その医師が殺人の容疑者として検事から執拗に責められる姿を描いた「終の信託」など、リアルで重々しいテーマが目だちました。

 

それでもボクはやってない

それでもボクはやってない

  • 発売日: 2014/09/03
  • メディア: Prime Video
 

 今回は前作「舞妓はレディ」に続く原点回帰ともいえる娯楽要素の強い作品なので楽しみですね。

 

 

 

 

登場人物紹介

 

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  • 染谷俊太郎(成田凌)・・・活動弁士を夢見る青年
  • 栗原梅子「沢井松子」(黒島結菜)・・・女優を夢見る、俊太郎の初恋の相手。
  • 山岡秋聲(永瀬正敏)・・・大酒のみの酔っぱらい活動弁士。
  • 茂木貴之(高良健吾)・・・スター気取りの活動弁士。
  • 安田虎夫(音尾琢真)・・・大金を追う泥棒。
  • 牧野省三(山本耕史)・・・日本映画の父と呼ばれる映画監督。
  • 二川文太郎(池松壮亮)・・・新時代を担う映画監督。
  • 青木富夫(竹中直人)・・・青木館の館主。
  • 青木豊子(渡辺えり)・・・気の強い青木の妻。
  • 橘琴江(井上真央)・・・タチバナ館の社長令嬢。
  • 橘重蔵(小日向文世)・・・青木館のライバル・タチバナ館の社長。
  • 木村忠義(竹野内豊)・・・ニセ活動弁士を追う熱血刑事。
  • 定夫(徳井優)・・・青木館で働く楽士(三味線)
  • 金造(田口浩正)・・・青木館で働く楽士(鳴り物)
  • 耕吉(正名僕蔵)・・・青木館で働く楽士(管楽器)
  • 浜本祐介(成河)・・・青木館で働く職人気質な映写技師。
  • 内藤四郎(森田甘路)・・・青木館で働く汗かき活動弁士。
  • 梅子の母親(酒井美紀

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なかなか濃ゆい面々が並んでおりますが、いったいどんなドタバタ劇になるのでしょうか!

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想に

人生には、続編があってもいい!

弁士を中心に巻き起こる痛快活劇に思わずニンマリ!

だけど、まだこれを楽しめる年齢じゃなかったかもしれない・・・

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これってある意味映画体験だったんだね。

幼いころから弁士になりたいと夢見ていたものの、犯罪の片棒を担ぐ羽目にな、逃亡を図ってり流れ着いた活動写真館での、個性豊かな周囲の人間たちとの関わりや事件勃発に至るままでのドタバタ劇を、活動写真へのリスペクトや歴史、背景をしっかり描くことで、映画へのたゆまぬ愛を丁寧に注ぎ、さらには誰にでも楽しめるようなベタに次ぐベタな笑いでコーティングした、これぞ周防ワールド全開の娯楽映画でございました。

 

昨今映画館では、応援上映や爆音上映、ライブビューイングなど、映画を楽しむための創意工夫を凝らしたイベントを提供することで、自宅で鑑賞するよりも、普通の映画館での映画鑑賞よりも、より奥深い「映画体験」をすることができる時代になりました。

 

そういった体験をすることで、映画の内容は当然として、場内の景色や空気、観衆と一体になることで得られる感動など、視覚だけでなく五感で映画を味わうことができ、さらにはその経験が心に焼き付くことで、誰もが記憶に刻みやすい、またとない経験をさせてくれるのであります。

 

しかしそういった「映画体験」は、今に始まったことなのか。

今作「カツベン!」は、正にその走りを描いたものだったように思えます。

 

上でも書きましたが、チャップリンやバスター・キートンのような体を張ったオーバーアクトで観衆を魅了する欧米のサイレント映画とは違い、日本は物語文化が根強く残っているため、誰かが代弁して解説を入れないと作品が伝わらないことが多かったそうで、どうすれば映画=活動写真が庶民に楽しんでもらえるか、知恵を絞って辿り着いたのが、活動弁士なる役職だそう。

 

彼らによればどんなにつまらない映画でも、上級の面白さへと変換することができる、正に言葉の魔術師だったんですよね。

劇中でもあったように、作品と一緒に弁士の名前がデカデカと看板が立てられていることから、彼らの重責はさぞ大きかったことでしょう。

 

実際に、作品でなく俺の言葉を聞きに来てるんだ、と、自分のペースで映写させたり自分を邪魔しないようにしろと楽士たちに注文を付ける傲慢な弁士もいれば、ご自慢の英語を披露しながら汗だくで抑揚をつけて語る者、さらには七色の声を使い分け、一人で役者のセリフを語る天才弁士など、多彩な顔ぶれが登場していました。

 

そんな彼らは劇中では比較されはしなかったモノの、皆が同じ作品で弁士を務めたら全く違うお話になったことでしょう。

劇中での観衆の反応がそれを物語っていました。

 

その後訪れるトーキー技術の発展により、活動写真は映画として普及される時代が来ることは周知の事実ですが、今、逆に、活動弁士の語りを聞きながら映画を見たら、それは僕らにって、新しい映画体験になったりしないかなぁ~なんてのも思った映画でもありました。

難しいとは思いますがw

 

 

 

ベタな笑いが妙に心地いい

今作は喜劇を意識したかのような笑いが多く含まれていたのが印象的でした。

一番記憶に残ったのは、タンスバトル。

 

青木館へ住み込みで働くことになった俊太郎の部屋は、フィルムの保管庫として使われていた部屋。

警察に追われている身を忘れ仕事に没頭していいた彼の前に、木村刑事が現れたことで、とうとうこの場も危うくなり、身支度をしようと箪笥を開け閉めしていた俊太郎。

その隣の部屋では、主席弁士の茂木と俊太郎の初恋の相手で、現在は女優をさせてもらっている梅子が、シチュエーションを変えてイチャイチャしようと試みておりました。

しかし梅子は彼を拒否、強引に押し倒しながら相変わらず傲慢な態度で俺の言うことを聞けとせがむ茂木でしたが、その瞬間タンスが急に飛び出してくるんですね。

そう、俊太郎の部屋のタンスと隣の部屋においてあるタンスは繋がっていたんです。

俊太郎がタンスを推せば茂木がいる部屋ででっぱり、茂木が押せば俊太郎の部屋のタンスが飛び出てしまうという構図。

イチャイチャの邪魔をされたタンスに苛立つ茂木は、何度もタンスを押しますが、俊太郎も押されたタイミングで腕や頭をぶつけ仕返し。

一体どうしてこうなったた互いが理由もわからないまま、タンスの押し合いをするのであります。

この時の高良健吾と成田凌のリアクションが非常に上手で、本当に思いっきりぶつけて声を上げたのではないかと思うほど、タンスにぶつかって悶絶するのであります。

コメディってこういうベタなやり取りを数回繰り返すことで場内の笑いが大きくなることってよくあると思うんですけど、僕が見た会場ではここが一番盛り上がりましたw

いわゆる活動写真のような構図ではないですが、まるでオーバーアクトで魅了する欧米のサイレント映画を意識したユーモア描写だったのではないでしょうか。

 

また、このタンスが抜かれた状態で盗んだお金を確認している俊太郎の姿を、たまたま隣の部屋で三味線の弦を張り替えようとしていた定夫が見てしまうシーンとしても利用されているのは上手だなぁと。

定夫は、茂木からあれこれヤジを言われている状況や、お給金もままならぬことに不満をもっているという背景があることから、目の前にある大金を見てしまったことで、金を盗んでしまうという流れになっており、この行動が後に大騒動になるんですね。

 

そして訪れる大騒動。

ライバルタチバナ館の社長の画策により、梅子は拉致され、金の在り処を探そうと皆の留守中に虎夫にめちゃくちゃにされる青木館など、俊太郎ピンチの連続という事態。

あれよあれよとうまくピンチを切り抜ける俊太郎に苛立ち、とうとう射殺してしまえと命じられる虎夫に逃げる俊太郎、ちょうどそこへやってきた木村刑事の3人が、必死の逃亡アンド追走劇を繰り広げるんですが、これがなんとまぁ監督らしいというか、いい意味で締まりのないアクションへとなっていくんですね。

修理している自転車を盗んで逃走する俊太郎。

すいません、できません、の繰り返しから隙を見て盗んだ自転車にはペダルがついてなく、ひたすら足を蹴って逃げる俊太郎。

青木館の大看板が倒れるというドリフのようなベタな笑いを挟みつつ、逃げる俊太郎を追いかける虎夫。

目の前を通る台車付きの自転車の運転手に綺麗なドロップキックを見事にかます姿は僕的には不覚にも笑ってしまった瞬間で、急いで俊太郎を追いかけます。

その後を追うために青木館から出てきた木村刑事は、これまた目の前を通った人力車を、国家権力強めで強引に止め追走。

3人とも微妙な速度で追いつけ追い抜けのデッドヒートをかますのであります。

 

お前たち、走った方が絶対いいぞwと思いながらも皆が必死に走っている姿は、笑わずにはいられません。

下り坂を利用してスピードをつけるも、台車の方が重いので加速をつけて近寄ってくるし、人力車は逆に人がブレーキを掛けながら下るので、全然追いつかない。

平坦な道では人力車は追いつくが、虎夫は台車を切り離して再び逃げる。

その隙にこれ以上は登れないと諦め逆走するという大胆な逃げっぷりで、再び差をつける、などなど、ある種のオフビート感を漂わせながら繰り広げるこの逃亡アンド追走劇は、クライマックスという山場にも拘らず、なぜか痛快で楽しい場面でありました。

 

 

盛り込みすぎはいかがなものか。

という具合で終始ベタな笑いで進んでく物語に、楽しませてもらったんですが、全体を通して観ると、恋愛、犯罪、アクション、コメディ、ヒューマン要素など、ジャンルで区切るとかなり盛り込んだ内容に、娯楽映画の集合体を感じた作品ではあったものの、色々欲張り過ぎていてどこか収集つかない話になってないか?と疑問にはなりました。

 

もちろん弁士という存在がどれほど当時の活動写真に重要な人物で、彼らによって楽しみ方が変わるのかという部分は、この映画で十分意味をなしていたと思うんですが、どうにも一つの作品としてどのジャンル要素も中途半端だなぁと。

 

梅子との恋愛模様も煮え切らないまま終わるし、タチバナたちやくざ者の一同も怖みはあるもののどこかマヌケ、琴江に至っては結局何をしたいのかよくわからない。

山岡も結局意図が読めないまま結末を迎えてしまう、など、どこか爽快さに欠けるんですよね。

 

ただ、なぜ敢えてこんな内容にしたのかを考えてみると、終盤徹夜で作り上げた、あらゆる活動写真の切れ端を繋ぎ合わせたのが、この映画の真の意図に思えます

映写技師の浜本は、1日中映写機を回す係で、それをこなすのはかなりの重労働であることを語っており、それでも自分が続けらるのは、好きな写真の切れ端を自分のものにできるからだと劇中で描かれています。

その後虎夫によってフィルムを全部台無しにさせられた結果、苦肉の策で写真の切れ端に俊太郎オリジナルの語りを加え、明日の興行を乗り切る作戦に打って出ます。

このツギハギ写真は、俊太郎以外の弁士が語っても全然客席に伝わらないんですよね。

でも俊太郎が語れば誰もが笑いと涙で拍手喝采してしまうというオチに。

 

この終盤で披露されるツギハギフィルムは、時代劇や洋画などいろんな写真で構成されているんですが、一応は男と女の物語になっているんです。

で、この映画自体も男と女の物語ではあるけれど、結構ジャンルがバラバラ。

あ、もしかして映画内の活動写真は、映画そのものをイメージした作りなんじゃないかと。

盛り込みすぎな要素=ツギハギフィルムなのではないかと。

 

そう考えると合点がいくなぁと思った次第です。

どちらも弁士がいなければ成立しない物語っていう風に考えれば、色々腑に落ちるなぁと。

 

 

ただ、どうしても不満なのは、俊太郎の弁士としての成長部分が一切描かれていないこと。

弁士になりたくて、有名な活動弁士の語りを模写する特技を持つ俊太郎は、ベロベロに酔った山岡の代わりに、全盛期の山岡のマネをして弁士を務めるシーンがありました。

そう、俊太郎は弁士としてはよくできるがオリジナリティがないのです。

その後山岡に余計なことをしやがってと罵られたり、サイレントからトーキーへ変化する時代の中で、それに対応できない弁士の情けなさに憂う山岡の姿など、個性を持つ弁士の重要さと消えゆくであろう職を示唆したシーンが続き、彼に特訓を付けようと試みますが、結局人のマネしかしない俊太郎に嫌気がさす山岡の図、で終わってしまうんですね。

それ以降真似はしないと宣言する俊太郎だったんですが、彼がどうやって自分の色を見出していくのかっていうシーンがごっそり抜け落ちてるんですね。

だから急にオリジナリティをさらし、一気に人気弁士になっていくのには、説得力に欠けるんです。

これはあくまで僕の感覚ですが、中盤で弁士の実力が覚醒される時よりも、冒頭や山岡の前をしていた時の方が上手いなぁと思ってしまって。

 

ここだけはちゃんと描いてほしかったなぁと。

 

 

最後に

決して大きい満足は得られなかったですが、見て損はない映画だったと思います。

ちょっと長いなぁ、余計なシーンが多いなぁとも思ったんですが、しっかり途中で出てきたアイテムやセリフなどを最後にしっかり拾ったり、幼少期のやり取りを大人の時でも同じことをして被せる演出も丁寧でお上手だなぁと。

 

また活動写真内では、城田優や、シャーロットケイトフォックス草刈民代などが出演しているのも気づくかと思います。

他にもいるようなんですが、僕は見つけられませんでした…

 

成田凌主演作ということで鑑賞したわけですが、彼の弁士っぷりはやや力不足が目立ったものの、ひたすらしゃべくり倒す姿や、喜劇をやるという意味では新た一面を見れたという収穫は大きく、今後も追いかけたい役者だなぁと。

 

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

映画「家族を想うとき」感想ネタバレあり解説 その内日本もこういう家族が増える日が来る。

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12月13日

家族を想うとき

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日本が誇る映画監督とイギリスが誇る映画監督が、NHKの番組で対談したのをご存じでしょうか。

二人の作る映画に共通するのは「社会で弱い立場の人が現実でどう暮らしてるかを伝える」こと。

 弱い立場にある人たちは、社会で不当な目に遭われていることを伝える手立てがない、だから彼らの現状を伝えるために、映画という媒体は必要だと、監督は対談でおっしゃっています。

www.nhk.or.jp

 

そのイギリスが誇る映画監督、ケン・ローチの前作「わたしは、ダニエル・ブレイク」は、役場でたらい回しにされる老人から「人間の尊厳」とは何かを訴える社会派ヒューマンドラマ。

 

僕はこの映画をその年のベストに入れたほど胸に刺さった、心に残った映画で、今回の新作もすごく楽しみにしていました。

 

www.monkey1119.com

 

今回は家族をテーマにしたお話のようで、当初は「共働きによる家庭への多大な影響」くらいの、日本の核家族にも通じそうなテーマなんだろうなぁと思ってたんですが、そこは監督、しっかりイギリス社会で今起きていることは今後世界的に蔓延するだろうと、警鐘を鳴らすかのような深い問題をテーマにしているようです

 

一体どんな問題を孕んだ作品なんでしょうか。

早速鑑賞してまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

2016年カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した「わたしは、ダニエル・ブレイク」。これを機に引退を表明したが、彼が見た社会の底辺が再び制作意欲を駆り立てた。

 

今回監督が着目したのは、自由経済が加速する中で浮き彫りになっている「働き方問題」、それが家庭にどのような影響を及ぼしていくのかを作品を通じ伝えていく。

 

耐えられないことがあれば、変えること。

人間の尊厳を訴えた監督が、働き方問題の闇をあぶりだし、社会に労働と家庭の正しい在り方を問う。

 

 

 

あらすじ

 

舞台はイギリスのニューカッスル。

ターナー家の父リッキー(クリス・ヒッチェン)はフランチャイズの宅配ドライバーとして独立。

母のアビー(デビー・ハニーウッド)はパートタイムの介護福祉士として1日中働いている。

 

家族を幸せにするはずの仕事が家族との時間を奪っていき、高校生の長男セブ(リス・ストーン)と小学生の娘のライザ・ジェーン(ケイティ・プロクター)は寂しい想いを募らせてゆく。

 

そんな中、リッキーがある事件に巻き込まれてしまう──。(HPより抜粋)

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは、ケン・ローチ

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新自由主義経済が生まれてから、労働者を守る仕組みが崩壊した、と語る監督。

個人事業主やフランチャイズなど、独立することで利益を得られると言う謳い文句は、とても魅力的です。

監督は実はそれが幻想であり搾取でしかなく、その道を選べば後戻りできない一方通行であることを強く訴えてます。

結果、礎となる生活はおろそかになり、皆がこの仕事の方法を選択すれば、おのずと消費も冷え込む。

幸せなど到底得られるわけがないと。

 

引退を撤回してまで作り上げた今作には、いったいどんなメッセージが込められているのでしょうか。

また家族にいったいどんな顛末が用意されてるのでしょうか。

監督に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

キャスト

 

今作で出演する方たちは、ほとんどが演技経験の少ない方たちで、今回オーディションを受けて採用された人ばかり。

また主役のリッキーを演じる方は、20年間配管工をしてきた経験者とのこと。

ドキュメンタリーチックな撮影で知られる監督の意図に沿うように、なるべくセリフを覚えたり、考えすぎないよう心掛けたともおっしゃってます。

 

  • リッキー役・・・クリス・ヒッチェン
  • アビー役・・・デビー・ハニーウッド
  • セブ役・・・リス・ストーン
  • ライザ・ジェーン役・・・ケイティ・プロクター
  • マロニー役・・・ロブ・ブリュースター  

などが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家族の幸せを願って決断した仕事が、なぜ家庭が崩壊していくまでに至るのか。

監督の怒りと愛に満ちた渾身の一作。

肌で感じたいと思います。

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

わかっていた、彼の映画を見終わった後の気持ち。辛い・・・。

企業よ、体制よ、搾取する側よ、この映画の爪の垢でも煎じて飲みやがれ。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

負の、連鎖。

借金から解放されマイホームを建てることを夢見る主人公が、企業とのフランチャイズ契約をすることで、どんどん家族内の歯車が狂わされていく物語を、主人公以外の家族の視点も織り交ぜながらドキュメンタリータッチで描き、自由経済による競争意識が労働者とその家族にどれほどの打撃を与えるのかを、お世辞抜きで希望抜きで嘘偽りなく綴った、不幸しか見えない、ぐうの音も出ない作品でした…。

 

夜空に光る星々がなぜ美しいのか、夜の海に照らされる灯台はなぜアイン心をもたらすのか、プラネタリウムで回る星や星座になぜ目を奪われるのか、それは暗闇の中で我々に道を示すかのように照らしてくれる希望と同じだからだ。

希望はいつだって人生に活路を見出してくれる。

希望があるからこそ頑張れる。その光が常に自分を照らしてくれるからどんな暗闇でも迷うことなく進んでいける。

 

しかしその光を見つける自分の視界が霞んでしまうとどうなるだろう。

道に迷い、目の前のことしか見えなくなり、やがて光すら見失う。

 

今作の主人公リッキーは、正にそんな事態に陥ってるようだった。

霞んだ視界で、目先の仕事しか見えず、描いた夢や希望、家族の笑顔すら見えなくなっている。

誰にでも与えられる希望を奪うのは一体誰なのか。

彼に異常な労働を押し付ける企業なのか、徹底した低料金をウリに企業の生き残りに必死の経営者なのか、お金こそ幸せと謳う世の中なのか、社会なのか、国か、世界か。

 

サッチャーが断行した民営化や規制緩和によって、多くの労働者が失業を強いられた時代から、徹底して作品を通じて怒りをぶつけるケン・ローチ監督の渾身の1発は、イギリス国内だけでなく、日本や世界各国の企業や社会に警鐘を鳴らした作品でした。

 

決して彼らは食事にありつけないような貧しさではなく、賃貸だけど家もあり車もある、頑張れば子供たちを大学に行かせられるくらいの生活レベル。

なのに、仕事を頑張れば儲かる、独立できるという「やりがい搾取」によって、人生のどん底に叩き落とされる。

彼らはただただ家を買いたいという現実的な夢に向かって、仕事と家庭をうまくコントロールしたいだけなのに、フランチャイズ契約という名の悪魔が、それを崩壊へと導いていく。

 

息子との口論のシーンで、息子は父親に向って「頑張りが足りないからクソみたいな仕事しかもらえない」と罵る。

どこかの資本家や政治家と同じような言葉。

そうやって上にいる人間は、下のものに向って、他人事のように突き放す。

上にいる者が下を救わないでどうするのか。

 

そう、下といっても賃貸アパートも車もある。この生活レベルの人たちが既に大きく苦しんでいる今の社会になってしまったのだ。

こんな状態にならないように、どこかでブレーキを掛けることはできなかったのか。

負の連鎖を断ち切る術は本当に無かったのか。

 

 

 

 

 

 

家族のために自分のために希望を抱きながら、ようやくあり着いた仕事は宅配ドライバー。

フランチャイズ契約は一生懸命頑張れば、やがて事業として軌道に乗ることもできるという甘い蜜に誘われ、妻の車を売って宅配用のバンを購入し先行投資。

1日14時間週6日の重労働は、最初こそうまく機能していたが、仕事の時間が大半を奪う彼の生活は、幸せな家族に大きなひびを入れてしまう結果になっていく。

訪問介護の仕事をする妻は、車を失ったことでバスでの通勤を強いられ、移動時間や帰宅時間に大幅なタイムロスをしてしまう。

そのせいで妹は友達の母親にスイミング教室の付き添いを頼んだり、毎晩レンチンのパスタで腹を満たす。

兄は成績優秀であるにもかかわらず、グラフィティアートに夢中で学校を休みがちにし、両親とのコミュニケーションが格段と減ったことが原因で非行に走ってしまう。

 

夜遅くに帰宅しても子供たちと顔を合わせることもなく、TVを付けても疲労がたまっていびきをかいて眠ってしまう。

朝も早くに出勤しなくてはいけないために、子どもたちとの会話もままならない。

全ては家族のために、と体に鞭打って働く姿を映し出す序盤の時点で、この家族がどうなっていくのかは目に見えている。

もはや見ていられない。

 

 

元々短気な性格が露見されていたリッキーは、労働による疲労から短所がエスカレートし、家族会議でもすぐに一線を越え議論にすらならない。

また彼と子供たちに中立的な立場で介入する妻も、訪問介護での苦労が絶えず、どんどん疲弊していっている。

「自分の母親を見るつもりでお客様と接する」ことを自分に課し、やりがいも感じながら務めている彼女も、介護される側のわがままや雇う側の無理矢理なスケジュール、時間超過への賃金未払いなど、誰も彼女の優しさを受け止めることをせず、ただただ利用するだけの存在へと化していく。

 

リッキーの話に戻すが、会社は個人事業者と契約を交わしてる以上、仕事をポカするわけにはいかない。

どうしても休みたければ代わりのドライバーを見つけなくてはならない。

それが出来なければ高額の違約金やら制裁金を請求され、それを取り戻すのには倍以上の労働をしなければならない。

しかも福利厚生や優遇など存在しない。

車のガソリン代も車のメンテ代も有給休暇もなければ、社会保険もない。

個人事業者だからすべて自己負担なのだ。

 

もはや企業は労働者を雇うことすらリスクになるような考えになっているそうで、こういう個人事業主と契約を交わすような企業はますます増えていくだろう、というのが専門家の予見とのこと。

実際日本でもコンビニエンスストアとフランチャイズ契約した個人事業主が、従業員を雇うことができず、24時間営業しなければならない重いルールから重労働をしなければならない辛い現状が報道されたことが記憶に新しいし、今世間で多くの人が利用する某デリバリーサービスも配達員は皆個人事業主で、賃金引き下げに対するストライキもロクに受けいれてもらえないニュースもあったばかり。

 

個人事業主すべてがこうした現状にあるわけでなく、うまく機能している経営者もいるが、今作のリッキーのようにやむを得ない事情で個人事業主や非正規雇用者、フリーランスになった人への救済措置を、行政は今後考えなくてはいけないのではないだろうか。

テクノロジーの発達や人口増加によって、時代も経済も社会も目まぐるしいスピードで動いているのに法や制度が追い付いていない現在。

 

自由であるはずの事業を選択したのに、結果不自由になり生活も心も貧困に陥ってしまっている彼ら。

 

この映画は正直、僕のような人間だけでなく、企業のトップや経営者、または政治家が見るべき映画です。

マジでこの映画の爪の垢を煎じて飲んでくれ。監督のも。

 

 

最後に

随分と箇条書きのような感想になってしまいましたが、見終わった後の思いをぶちまけてみました。

 

家族を想うとき、なんてこれっぽっちも出てこないほど労働に追われるリッキーの最後を見て、あなたは何を思うか、是非興味を持ってご鑑賞いただければと思います。

見終わった後は胸くそ悪いのでご注意ください。

頑張りが足りないから人生負けだなんて、口が裂けても言えない。

 

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10

映画「スターウォーズエピソード9/スカイウォーカーの夜明け」感想ネタバレあり解説 「血」じゃねえんだよ。

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12月20日

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け

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遠い昔、遥か彼方の銀河系で繰り広げられる、銀河帝国と反乱同盟軍の壮大でし烈な争いと、中心人物であるスカイウォーカー家親子の激闘と愛と喪失を描いた一大サーガは、2015年、いまだ正体不明の少女レイを主人公にした「続三部作(シークエル・トリロジー)」として、新たなるスターウォーズの始まりを描きました。

 第1作目の「フォースの覚醒」では、SWファンを興奮させるような試みを多々描くことで、当時リアルタイムでスターウォーズを見ることができなかった我々に圧倒的な興奮をもたらせてくれたことは、記憶に新しいことでしょう。

 

しかし、続く第2作「最後のジェダイ」では、前作のようなファンに媚を売ったかのような試みではなく、新たな創造と監督の作家性が強く出たことに、賛否両論。

 

過去の作品にリスペクトを置きつつも、次の新しい世代へ向けた作品へとスライドされていくかのような内容は、これがほんとにSWなのか、と戸惑いを見せる者もいれば、ジェダイという選ばれし者の物語としてでなく、誰でもない者にでも希望を持てば輝くことができることの偉大さを描いたことで、SWのさらなる可能性に絶賛した者も。

 

僕としては、もちろん楽しめたことに変わりはないんですが、やはりフォースの覚醒のような、どこか胸わくわくするような展開は少なく、またいろいろと壊しすぎてやしないかい?などのおおむね否定的な感想もあり、今作の「スカイウォーカーの夜明け」は非常に微妙な気持ちです。

 

www.monkey1119.com

 

ファンを喜ばせるオタク、J.J.がどのようにして前作の壊し具合を調整し、新たな答えに結び付けるのか。

それ以前に、レイの正体や、サブタイトルの意味など、多くの謎が存在する新スターウォーズ。

再生と破壊の先にたどり着いた場所とは、いったいどこなのか!

 

今回初の前夜祭に参加できたので、皆様よりも少し早く鑑賞させていただきました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

1977年に公開されてから42年の歴史を持つスターウォーズシリーズ。

ルーク、レイア、アナキン、そしてカイロ・レンと、銀河宇宙の歴史に名を刻んだスカイウォーカー家の戦いは、いよいよ今作でピリオドが打たれる。

 

かつて銀河に君臨し名をはせた祖父ダース・ベイダーに傾倒し、今や支配者として君臨したレンと、ルークの指導によりついにフォースを覚醒させたレイ。

ライトサイドとダークサイドの狭間で常に対立してきた彼らに、どのような幕が下りるのか。

 

さらには姿かたちを変え対立してきた善と悪、ファースト・オーダーとレジスタンスの戦いにも終止符が打たれることだろう。

そして彼らを支える魅力的なキャラクターの活躍や、壮大なバトルにも期待が高まる。

 

かくして光と闇の戦いは、若き二人の男女にゆだねられた。

最終決戦はどのような結末を迎えるのか。

全世界が待ち望んだ最終章がいよいよ放たれる!!

 

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監督

今作を手掛けるのは、J.J,エイブラムス

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レイ3部作の第1章「フォースの覚醒」を手掛けた彼が、スターウォーズに戻ってきてくれました。

今回一番想定外だったことは、なんといってもレイア役のキャリー・フィッシャーの死。

今作もレジスタンスのリーダーであるレイアとファースト・オーダーを指揮するレンとの、大きな家族間の物語になるということで、きっと構想していたことでしょう。

今回は未使用の映像を使うことで、難題をクリアしたと語っています。

 

またファンからは過去作からの引用が多すぎると批判をもらうこともしばしばあるようで、シリーズ全体が一つのドラマだとしたら、過去の伏線を回収しないのは不自然すぎる、それらを先行して作るのではなく、あくまで要素として必然だと思うものは取り入れるんだそう。

jp.ign.com

今作の予告編でもデス・スターの残骸、パルパティーン皇帝の登場が示唆されてますが、僕としてはこういうやり方大賛成なんで、監督、ガンガン使ってください!!

 

彼に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

キャラクター紹介

 

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  • レイ(デイジー・リドリー

 

 辺境の惑星ジャクーの砂漠で、クズ鉄を集めながら孤独に暮らしていた若い女性。幼い頃に別れた家族との再会を願っていたが、ドロイドのBB-8を助けたことからフィンと出会い、レジスタンスとファースト・オーダーの戦いに巻き込まれて行く。強いフォースの持ち主で、その力は、カイロ・レンとの戦い、ルークとの出会いによってますます強大なものとなる。(HPより)

 

  • カイロ・レン(アダム・ドライバー

 

 本名ベン・ソロ。母はレイア将軍、父は英雄のハン・ソロ、叔父はジェダイ騎士のルーク。フォースが強いスカイウォーカー家の血筋で、ジェダイ騎士になるべく運命付けられていたが、日に日に祖父ダース・ベイダーを崇拝する気持ちが高まっていく。ファースト・オーダーの最高指導者スノークの誘いを受けて暗黒面をさらに強め、カイロ・レンに改名した。激昂しやすく野心に溢れた策略家。(HPより)

 

  • フィン(ジョン・ボイエガ

 

 ファースト・オーダーのストームトルーパーだったが、戦うことに葛藤して脱走し、ポー・ダメロンを救出したことをきっかけにレジスタンスに加わる。ポーがトルーパー時代の呼び名”FN-2187”を取って“フィン”と名付けた。レイとは力を併せてさまざまな危機を潜り抜け、強い絆で結ばれることになる。陽気で正義感が強く、頼りになる存在。(HPより)

 

  • ポー・ダメロン(オスカー・アイザック

 

 宇宙一のパイロットにしてレジスタンスの飛行大隊を率いるリーダー。その腕には定評があり、ときに暴走して激怒させることもあるが、レイア将軍の信頼も厚い。BB-8の持ち主だったが、彼にルークの居場所を記した地図を預けたため別行動を取ることになる。惑星ディカーからレジスタンスを逃がすときに、レイア将軍の命令に背いて行動、多くの犠牲を払う結果となった。(HPより)

 

  • レイア・オーガナ(キャリー・フィッシャー)

 

 ルークは双子の兄。惑星オルデランの議員ベイル・オーガナの養女として育ち、成人してからはレジスタンス軍を率いる存在に。後に、ハン・ソロと愛し合う。ファースト・オーダーが台頭してからはレジスタンス軍の将軍として活躍。離れたところにいるソロの死をフォースによって察知した後、自らは宇宙空間を遊泳して生還。性格は男勝り。正義感と勇気は誰にも負けない。(HPより)

 

  • チューバッカ(ヨーナス・スオタモ

 

 愛称はチューイ。ウーキー族で年齢は200歳を越えると言われる。ハン・ソロとは唯一無二の親友。ミレニアム・ファルコン号の副操縦士かつ相棒として行動を共にする。ソロがカイロ・レンに殺されるところを目の当たりにして半狂乱となり、カイロ・レンにボウキャスターを放って傷を負わせ、基地に仕掛けていた爆破スイッチも入れてしまう。その後ルークの島に向かったレイに同行した。(HPより)

 

  • C-3PO(アンソニー・ダニエルズ

 

 幼いころのアナキンが、クズ鉄を集めて作ったプロトコル・ドロイド。600万語もの宇宙言語に精通し、相棒R2-D2の電子音の通訳もする。R2-D2とともにスカイウォーカー家の人々を見つめてきた証人的な役割も果たしている。お喋りな小心者で、優しく慈悲深い。撃たれたり、バトル・ドロイド工場でそれぞれ身体がバラバラにされて四苦八苦したことも。(HPより)

 

  • R2-D2(ジミー・ヴィー

 

 暗号解読や宇宙船の操縦もこなすアストロメク・ドロイド。C-3POと共にスカイウォーカー一族やオビ=ワン・ケノービに仕えている。ルークが身を隠して以来、スリープモードに入っていたが、彼の居場所を示す地図が必要になったときに突如として起動。R2-D2のデータによって地図が完成した。性格はガンコながんばり屋で好奇心旺盛。(HPより)

 

  • BB-8

 

 ポー・ダメロンのXウィング・スターファイターのBBシリーズ・アストロメク・ドロイド。ポーにルークの居場所の地図データを託され、その途中、レイに助けられる。以来、彼女に同行し、ポーと再会したのは惑星ディカーのレジスタンス基地。移動するときは、ボール型のボディを回転させる。高さはおよそ70センチと小さいものの、いざというときは危険もいとわず何かと頼りになる。(HPより)

 

  • D-O

 

 本作で初めて登場する、小さいBB-8のさらに3/4サイズの一輪のドロイド。BB-8が行くところにどこにでもついて行く、まるで相棒のような存在。小さくてかわいらしいだけではなく、重要な役割を担う。(HPより)

 

  • ランド・カルリジアン(ビリー・ディー・ウィリアムズ

 

 ギャンブルや密輸を生業にして帝国支配時代を生き抜いた、したたかで逞しい男。ミレニアム・ファルコン号の最初の所有者だったが、賭けに負けてハン・ソロに奪われる。助けを求めたソロを裏切りダース・ベイダーに引き渡したことを後悔し、その地位を捨てレジスタンスに入る。おしゃれが好きで、そのトレードマークはマント。ハン・ソロの長きにわたる悪友でもあった。(HPより)

 

他にもハックス将軍や、マズ・カナタ、ローズ、新キャラとして、フィンと共に行動するジャナや、マスクをかぶった謎の人物・ゾーリ、そしてパルパティーンも登場と、新旧そして既存が入り乱れる具合となっております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年の最後に相応しい、でっかい花火をみせておくれ!!

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

随分と詰め込んだ感じがするし、編集でガンガン話が進んでいくけど!!

オレは3人が大活躍するだけで大満足だいっ!!

以下、核心に触れずネタバレします。(といっても無理か…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

詳細なあらすじ

ここから内容に触れていますので十分ご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ついに死者の口が開かれた。

元皇帝パルパティーンが復活。

レジスタンスのリーダー、レイア・オーガナはファーストオーダーに潜入しているスパイから情報をもらうため、ポー、フィン、チューイをファルコン号で目的地へ向かわせ、レイはフォースの力を強めるため、レイアの下で修業を積む。

そしてファースト・オーダーの最高指揮官となったカイロ・レンは、死んだはずだったパルパティーンの幻影を倒すため、一人彼をを探す旅に出る。

 

パルパティーンがいた惑星は、難攻不落の惑星エクソゴル。

薄暗い要塞のような建物のの奥深くでは、パルパティーンを生存するためかのような精密機械が軒並んでいるものの、ほとんどが機能していないような状態で荒んでおり、そこにひっそりと白目をむいて佇むパルパティーンが現れる。

 

スノークを殺したレンは、パルパティーンも殺し自分こそが惑星をし配意するべき人間だとパルパティーンに豪語するが、スノークの声も、ダースベイダーの声も全てパルパティーンがレンをダークサイドへお引き寄せるための工作だと告げる。

死んだはずの彼はフォースの力で魂を残し、レンをおびき寄せたのだ。

そして自分の地位につくには、レイを殺すことが最重要事項とも。

 

さらにシスのスターデストロイヤーの艦隊を作っていたパルパティーンは、ファースト・オーダーをファイナル・オーダーとするように命じる。

レンは血眼でレイを探す。

 

一方ファルコン号。

ポー、フィン、チューイは、スパイからの情報を得るために氷の惑星にいた。

チェス対決に熱が上がるフィンとチューイ。

どうしても勝てないフィンとポーは、チューイにイカサマだろ?とはっぱをかけると、チューイ激怒。

そんなことしてる間に、目的地へ到着。

前作のような寄り道はせず、使命を全うするために逞しい顔つきで任務を遂行する2人。

無事情報をゲットしたものの、敵陣に追われるファルコン号。

ここでフォースの覚醒以降待ち望んでいた二人の共闘が炸裂。

後ろで敵機を撃ち落とすフィン、前では細い逃げ道を難なくすり抜けて運転するポー。

ここでジャンプを何度も使うという荒業でピンチを切り抜けた彼らは、レジスタンスのアジトでパルパティーン復活を告げる。

 

 

 

 

 

 

一方レイは、フォースを使いこなすため、さらにはレジスタンス最後の希望となるため、修行に励んでいた。

身体を宙に浮かせ精神統一をするも、なかなかうまくいかずレイアに慰めてもらうレイ。

レイアから渡されたルークのライトセイバーで、森の中を走りながらドロイドの攻撃を交わし続けるレイ。

ライトセイバーをブーメランのように投げると木々が倒れ、その間に木の棒で見事ドロイドを仕留めるも、大木の下敷きになってしまうBB-8。

やはり自分にはまだこれは使いこなせないとライトセイバーをレイアに返却するレイ。

すると、ポーとフィンらを乗せたファルコン号が帰還。

 

ジャンプの使い過ぎで火だるま状態のファルコン号に激怒のレイに対し、自分の相棒であるBB-8が傷だらけの状態であることに激怒するポー。

そこに仲裁に入るフィン。

いつしか3人の阿吽の呼吸が生まれていた。

 

レンがパルパティーンのいる場所へ向かったことを知ったレジスタンスは、パルパティーンを妄信してやまないカルト集団の嘘だと予想を立てるが、科学の進歩や都市伝説かは判断できず、とにかく自分らもそこへ向かうことを考えるも、策が浮かばない。

するとレイがルークからもらった本の中に、かつてルークが惑星エクソゴルへたどり着くために惑星パサーナに寄ったことが記された記録を見て、レイアに相談。

レイ、フィン、ポー、C-3PO、チューイ、BB-8はファルコン号で記された場所、惑星パサーナへ向かう。

 

砂漠の惑星パサーナでは、42年に一度行われ、色鮮やかなカイトと美味しいスイーツがが評判の先祖を崇めるアキ・アキ祭りの最中であることを知る。

そこでは皆が音を鳴らし踊り、子供たちに人形劇のようなものを見せるなどして賑わっていた。

歓迎されたレイはエイリアンから首飾りをもらい、ファミリーネームを明かさず自己紹介するが、そこでレンがフォースチャットをしてくる。

レイを探すために必死のレンは、彼女の出生の謎を語ろうとすることでレイを揺さぶる。

首飾りを奪ったレンは、その場所を突き止め急いで現地へ向かう。

 

ファースト・オーダーの敵兵に見つかったレイらはピンチに陥るが、そこである人物に助けられる。

彼はかつてハン・ソロやルークらとともに帝国軍と戦ったランド・カルリジアン将軍だった。

武勇伝を知る彼らは歓喜。

将軍はかつてルークと共に旅に出ていて、パルパティーンを探す手がかりとなるジェダイハンターのオーチを探していたが、会うことができず行き詰っていた。

 

彼と共に行動したいと嘆願するが、彼らに希望を託した将軍は、無事を祈り見送ることに。

壊れかけのスピーダーを盗んで逃亡を図る一行は、ファースト・オーダーとのスピーダーチェイス。

宙を舞うトルーパー兵に苦戦しながらも無事勝利した一行だが、流砂にハマり砂に飲まれて地下の洞穴へ落ちてしまう。

 

地下に行くと、ランドが探し求めていたオーチの乗り物(シスのエンブレムがついたスピーダーも)の死体に直面。

そこに短剣が眠っていたが、レイは触れると過去がフラッシュバックしてしまう。

また紋章はシスの古代文字で書かれており、解読することができない。

しかしC-3POが自分の言語システムがそれを解決できることを明かすが、それは禁止事項となっており実行すれば自分の記憶が消去されてしまうことも明かす。

ポーはその制御されたプログラムを解除できる人物を知っており、その人物がいる惑星を目指すことを提案する。

道が開けた彼らだったが、そこに巨大なヘビのような生き物に遭遇、威嚇されてしまう。

身動きが取れない一行だったが、レイが怯えることなく近づき、ヘビがケガしていることに気付き、フォースの力で治癒を試みる。

無事傷を癒したヘビは、体をどけてくれたことで外へ出る道を見つけ無事脱出。

 

しかし既にスター・デストロイヤーがパサーナに到着しており、ファルコン号に近づこうとも見張りがいて近づけない。

オーチの船を何とか動かし脱出を試みる一行だったが、レイはレンが近くにいることを確信し、一人別行動に。

船の中には小さなドロイドD-Oが眠っており、修理したBB-8は彼を歓迎。

そんな中一人別行動を取ったレイを心配したフィンは、チューイに彼女に付くよう命じる。

 

 

 

 

 

 

一人砂漠で佇むレイ。

ファースト・オーダーTIEファイターで向かってくるレンに宙返りし、左翼をライトセイバーで仕留めるレイ。

追手への時間稼ぎに成功したかのように見えたが、レイの元へ向かっていったチューイがファースト・オーダーに捕まってしまう。

フィンはレイにそれを知らせると、レイは立ち去ろうとしていた輸送機をフォースで制止。

半焼したTIEファイターから脱出したレンは、彼女の行動を邪魔するために自らもフォースで輸送機を逃がそうと対抗する。

次第にヒートアップしてきたレイはさらにフォースを解放したが、稲光が走るほどの力の強さを発揮し、輸送機を破壊してしまう。

 

チューイを死なせてしまったレイはひどく落胆するも、急いで逃げなくてはいけずその場を立ち去る。

無事追手から逃れることに成功した一行だったが、チューイを死なせてしまったことに落胆していたレイを皆が励ます。

再び絆を結んだものの、短剣を持っていたチューイが捕まってしまったことで再び八方ふさがりになってしまった一行だったが、C-3POのメモリに短剣に書かれた文字が記録されていた一行は、彼を制御プログラムを解除できるポーの知人をあたるため惑星キジーミへ向かう。

 

既にファースト・オーダーのトルーパー兵が群がっており警戒を強める一行。

そこに仮面をかぶった謎の人物がポーのこめかみに銃口を向ける。

彼女こそポーの知人ゾーリだった。

ポーはレジスタンスに入る前スパイスの運び屋として活動、その時に出会ったのがゾーリだった。

その場で和解した彼らは、プログラムを解除できる人物、バブ・フリックを紹介される。

C-3POの制御されたプログラムを解除すれば記憶が消されてしまう。さらにチューイが死んでしまったという状態にひどく落ち込む一行だったが、C-3POはやむを得ないことを告げ、実行することを了承。

彼らを目に焼き付け、ミッションの成功を願い、彼は記憶を失ってしまう。

 

短剣に書かれた文字はパルパティーンがいる惑星の座標がかかれたもう一つのウェイファインダーの在り処だった。

そこへ向かおうとするが、スター・デストロイヤーが既にキジーミに到着しており脱出が困難に。

しかしレイのフォースが働きチューイが生きてることを知った一行は、チューイ奪還作戦を遂行する。

ゾーリからデストロイヤーに潜入できる、ファースト・オーダー出入り自由のメダルをもらい、潜入。

 

3人が力を合わせて進んでいくが、レイは短剣を探しに別行動。

無事チューイを救出したフィンとポーはファルコン号がある場所へ急行するもトルーパー兵に捕まってしまう。

ハックス将軍によって処刑されようとしていた彼らだったが、なぜかまだ生きている、トルーパー兵たちが死んでいる。

何とハックス将軍が彼らを助けているではないか。

何と、ファースト・オーダーの情報発信源は彼からだった。

最高指揮官に座れるはずだったが、レンにより降格してしまった腹いせに、情報をレジスタンスに流していたのだ。

ハックス将軍の手助けによりピンチを逃れた一行は回収されていたファルコン号にたどり着き、ハックス将軍がスパイと見破られないよう偽装工作として傷を負わせる。

 

一方レイはレンの部屋にいた。

短剣を手に入れた彼女だったが、彼女は短剣から自分の過去の回想を見てしまう。

そしてダースベイダーの壊れた仮面を前に立ちどまると、またもやレンがフォースチャットで近づいてくる。

レンは苛立ちを募らせながらも、レイの出生の秘密を再び語り出す。

何度も制止しようと叫ぶが、話し続けるレン。

そしてレンとレイの壮絶なバトルが始まる。

 

レイは果たして何者なのか。

短剣から読み取った自分の過去は一体何だったのか。

そしてレジスタンスはパルパティーンの陰謀を阻止することはできるのか。

 

ここまで大体半分くらいの内容です。

細かく間違ってると思うのですが、大体こんな感じです。

一番肝心なことには触れておりません。

・・・が、十分核心を突いたネタバレですみません。

 

 

 

そらアガるわな。

今回初の前夜祭上映に参加することのできた私モンキーでしたが。ものすごい熱気に包まれた会場の中で、この最終章を鑑賞できたことは、2019年の中で1,2を争う映画での思い出となりました。

コスプレやライトセイバーを振り回してこのイベントを盛り上げようとされていた方々には、本当に感謝です。

 

始まる前にはカウントダウンをし、上映が始まれば大拍手、終わっても大拍手。

またとない経験をしっかり脳裏に焼き付けた瞬間でした。

 

さて上映後の感想ですが、かなり急ぎ足で話が進んでいったなぁ、というのが一番の感想でした。

とにかくテンポが速い速い。

レンのパート、ポーとフィンのパート、そしてレイのパートを淡々と進めていくし、会話もアクションもアップテンポで話が運ばれる、さらには惑星から惑星へ移動する部分も省いてるもんだから、次のシーンになればもう別の惑星。

またファルコン号で逃げるシーンも目まぐるしいほどのスピードで駆け抜けていくし、スピーダーチェイスも一つのスピーダーでなく、2台で逃げるってことでどっちも接戦てのをテンポよく繋いで見せてくれるので、こういうあたりがJJだよなぁ、と。

正直前作「最後のジェダイ」は溜めを作っている部分が多く感じ、話以前に体感時間が非常に長く感じたんですが、今回は本当にあっという間。

これもJJのなせる業、なんでしょう。

とにかく編集作業は見事だったように思えます。

 

一番ぐっと来たのは、ようやくレイとフィンとポーの3人が揃って共闘するところが見れたこと。

ポーとレイってそんなにムキになるほどの性格だったんだ・・・とか、そこに割って入るのがフィンの役目とか、そういうやり取りが見れたのは新鮮だったし、「フォースの覚醒」以降ちゃんとしたフィン&ポーのカッコイイコンビプレイや会話のやりとりにもニヤニヤで、あいかわらずレイを心配してばかりのフィンの優しさにもキュンキュンしたし、そういう「フォースの覚醒」の時にあったツボを今回ちゃんと描いてくれたのは、さすがJJ!といった感じです。(さっきからそればっかw)

 

あとは皆の顔つきですね。

前作「最後のジェダイ」では、どこか空回りだったフィンとポー、自分のことで精いっぱいだったレイ、みたいな印象だったんですが、それを乗り越えて一つの目標に向かっていく姿へと成長してて、大人の顔になった感じがあります。

ホント観てて逞しいんですよ。

あと16時間しかないっていう制限時間もあって、最後の希望は自分たちに託されたってことでの使命感がそうさせてるんだろうと思うんですけど、それでも成長したなぁ、と親の気分ですw

 

ざっとした内容で言えば、短剣を探すための冒険譚、という見方になると思うんですけど、これまではやっぱり別行動ばかりだったので、それが見れただけでも僕は十分満足できました。

 

 

レンに関しては今回一番立ち位置が変わるキャラでしたね。

必至に自分の野望を達成するために一人突っ走ってレイを追いかけて、彼女を追い込んでってなっていくんですけど、ある人物によってようやく本当の自分に気付くというか。

もう中二病とか言われていじられていた彼はここにはいませんw

もうね、惑星エンドア星系の星でのレイとの一騎打ちの後に起きる出来事は感涙です。

あのレンが・・・笑うんだ・・・。

JJズルいなぁ、相変わらずファンサが多いなぁw

そらアガるわ、そら泣くわ…。

 

ファンサで言えば今回だいぶ4~6のエピソードを盛り込んだ話にも感じましたね。

修行を途中で抜け出して使命を果たそうとするところとか、デススターの残骸がある場所で戦うとか、最後にあの場所行くとか、あの人出てくるとか、手下の暴言をフォースで黙らせるレンとか、ランドにファルコン号操縦させるとか、イウォークちょこっと出したりとか、最後のジェダイでオク=トーの海の中に沈んでいたのがそれ!ってとことか、エンディングはまさかのあの惑星とか、その他もろもろまぁオマージュばかり。

JJはそういう人だってことを認識しているので、相変わらずずるいよなぁと。

 

 

結局のところ、今回のレイ三部作って、光と闇は一対してこそ存在しうるものってことを描いてて、さらには「血統」によってその後の人生が決められるってことではないってことも描いてて、ジェダイとかスカイウォーカーとか選ばれし者の物語としても描いていたけれど、何者でもない者たちが力を信じることで道は拓かれるってことを力強く教えてくれた物語でしたよね。

特にフィンは正にそれで、彼こそ自分を信じ仲間を信じ本能を信じて道を切り開いてきた人だったし、レイもルークやレイアに後押しされたことで出生の事実よりも今自分が何をすべきかを本能に従い行動するんですよね。

レンも同じで、ダークサイドを突っ走るけども一番大事な人の死をきっかけに、心根に眠っていた本当の気持ちを表に出すことができた。勇気を振り絞ることができた。

「夜明け」ってのはそういう意味もこめられていたのかなぁと。

 

あとですね、何ですか、この片思いの連鎖は・・・。

結局フィンはさ、レイが好きなの?で、ポーはフィンが好きなの?ローズもまだ淡い思いを抱いてたよね?新キャラのジャナだっけか?彼女も元トルーパーって共通点からちょっと想いあったよね?

そんな一方通行の思いってのが今回すごく描かれてて、全部それがレイの単独行動から出発してて。

もうポーとフィンはブロマンスの域を越えてる部分あった気がするんですよ。

ポーはレイが突っ走るのを追いかけるフィンを、ほとんど止めてましたもの。

なんだよ、生き抜いてきた仲なんだから教えろよ、ってw

 

あと超余談ですけど、細かいこというとデストロイヤーの上をジャナたちの乗る動物で走りぬくシーン、SWっぽくなくて大好きですw

あれは西部劇意識なのか?

 

 

最後に

感想はだいぶ短くなってしまいましたが、とにかく楽しかったことに変わりはありません。

もちろん粗は多い気はします。

新3部作として風呂敷を広げたものの、結末を用意していなかった部分などもあり、うまく進んでいなかったようにも思えます。

過去作や過去キャラを使い脱却を図ろうとしたんでしょうけど、どこか歯車がうまくかみ合ってない気もしました。(おそらく最後のジェダイのせい・・・)

しかしながら何とかその風呂敷をたたもうと、あれこれ考えたのだと思います。

それが今作「スカイウォーカーの夜明け」だったのかなと。

 

編集でバッサバッサ切って、次のシーンへ進んでしまうことなどから、行間が全くなく、事を進めることを優先した結果、キャラに感情移入しない点も多く感じました。

特にレイの出生の秘密は詳しく知りたい部分、いや随分と端折っての説明しかされてないというか。

都合よく現れたランドの使い方もどこか無理矢理だし、前作のフォースチャットが今回だいぶバージョンアップされていたけど、あれはフォースが進化したからなのか?と解釈してもいいけど、だいぶチートだよなぁとか、え~とどこをとっても粗が多い!

 

とまぁなんというか、こういう議論をみんなとしてワイワイやるのが一番なのかなぁと。

 

ジェダイでなくてもフォースを信じれば彼らとともに在ることを描いたように、我々も信じることで道は拓かれる、希望を持つことはできるんですよ。

・・・と、きれいごといいましたが、楽しかったですよね!!

そこはJJのおかげです(また言うかw)

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

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