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映画「マスカレードホテル」感想ネタバレあり解説 多分観たら犯人が誰かすぐわかってしまう気がする。

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1月18日

マスカレード・ホテル

 

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嵐・二宮和也との共演で話題を呼んだ「検察側の罪人」から早4ヶ月。

もうキムタクの新作映画が観られるのか。

一応年はまたいでいるとはいえ、こんな短期間で映画主演作が公開されるなんてどうしたんだい木村君。

オトコ前だね木村君。(いいたいだけ)

 そもそも2018年冬にTVドラマをやってからは、お芝居に関して言えば、検察側のみで、映画に出演する時間も結構あったってことですよね。

SMAPの活動がないぶん、こっちでガンガンやっていくぞ!という現れなんでしょうか。

 

さてさて今作に関してですが、ホテル内に潜む犯人を捜すためにホテルマンとして潜入捜査する刑事と、潜入とはいえアンタ一応ホテルマンなんだからちゃんとやってよね!って激オコなホテルウーマンとにらみ合いながら事件解決を目指すっていうお話なのかと。

まずね、原作が東野圭吾なんですけど、彼の作品っぽくないのがいいですね。

そして予告編でも言ってるけど、これ新HEROとしてシリーズ化目論んでるのかな?

 

とりあえずいっぱい登場人物いるけどきっと全員チョイ役で、しかも犯人は警察内部!とかってオチなんじゃないの!?

まさかね!そんなことないよね!

って期待値低めで挑もうと思います。

かっこいいキムタクみたさに早速鑑賞してまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

東野圭吾原作の人気シリーズ「マスカレード」の第1作に当たる同名小説を実写映画化。

連続殺人事件を解明するためにホテルに潜入する刑事と、彼と共に事件の真相に迫る一流女性ホテルマンが、次々と訪れる素性のわからない宿泊客相手に奔走する。

全ての宿泊客を疑う刑事と、全ての宿泊客を信じるホテルマン。

立場も性格も正反対な二人は、ホテルという非日常な空間での難事件を無事解決することができるのか。

 

満を持して初の刑事役に挑む木村拓哉と、今や日本映画界に欠かすことのできない女優として成長した長澤まさみが初めてコンビを組んで演じ、二人を取り巻く20名の豪華キャストが宿泊客や刑事役として出演するのも見所の一つ。

 

果たして、誰が宿泊客で誰が犯人なのか。

究極の騙し合いに、あなたもきっと騙される!

 

 

 

マスカレード・ホテル (集英社文庫)

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映画「マスカレード・ホテル」オリジナルサウンドトラック

映画「マスカレード・ホテル」オリジナルサウンドトラック

 

 

 

 

あらすじ

 

 

都内で起こった3件の殺人事件。

すべての事件現場に残された不可解な数字の羅列から、事件は予告連続殺人として捜査が開始された。

 

警視庁捜査一課のエリート刑事・新田浩介(木村拓哉)は、その数字が次の犯行場所を示していることを解読し、ホテル・コルテシア東京が4番目の犯行場所であることを突き止める。

しかし犯人への手がかりは一切不明。

そこで警察はコルテシア東京での潜入層を決断し、新田がホテルのフロントクラークとして犯人を追うこととなる。

そして、彼の教育係に任命されたのはコルテシア東京の優秀なフロントクラーク・山崎尚美(長澤まさみ)。

 

次々と現れる素性の知れない宿泊客を前に、刑事として「犯人逮捕を第一優先」に掲げ、利用客の“仮面”を剥がそうとする新田と、ホテルマンとして「お客様の安全が第一優先」のポリシーから、利用客の“仮面”を守ろうとする尚美はまさに水と油。

お互いの立場の違いから幾度となく衝突する新田と尚美だったが、潜入捜査を進める中で、共にプロとしての価値観を理解しあうようになって行き、二人の間には次第に不思議な信頼関係が芽生えていく。

 

そんな中、事件は急展開を迎える。

追い込まれていく警察とホテル。

 

果たして仮面(マスカレード)を被った犯人の正体とは・・・。(HPより抜粋)

 

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監督

今作を手がけるのは鈴木雅之

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違う、違う、そうじゃ、そうじゃな~い♪

じゃない方の鈴木雅之さんです。曲のチョイスがややこしw

今作はがっつりフジテレビ製作映画なので、監督もフジテレビの方。

 

そして彼といえば「HERO」ですね。言うまでもなく。

彼の特徴は、演者をカメラ目線で演じさせるのが基本。今作も予告編の時点で宿泊客はカメラ目線で演じてます。

まぁ手法としては大嫌いですが、あれTVで観ると視聴者自身が言われてるように感じるから没入できるんですよね。

しかも撮る側はそこまでスキル要りませんし、時間がかからない。

まぁそれを映画でやるのはいかがなものか、と言いたいですが、TV局製作だから、ま、いっか。

 

 

HERO Blu-ray BOX (2014年7月放送)

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登場人物紹介

 

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  • 刑事

・新田浩介(木村拓哉)・・・破天荒だが、人を見抜く天才(捜査一課刑事)

・稲垣(渡部篤郎)・・・新田も黙る、捜査一課・係長。

・能勢(小日向文世)・・・新田の頼れる!?元相棒。

・尾崎(篠井英介)・・・冷静沈着な管理官。

・元宮(梶原善)・・・口は悪いが仕事はできる先輩刑事。

・関根(泉澤祐希)・・・真面目で素直な若手刑事。

 

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  • ホテルマン

・山岸尚美(長澤まさみ)・・・超真面目なホテルマン(フロントクラーク)

・川本(石川恋)・・・尚美を慕う若手フロントクラーク

・久我(東根作寿英)・・・常に笑顔の先輩フロントクラーク

・田倉(鶴見辰吾)・・・温和で品ある宿泊部・部長。

・藤木(石橋凌)・・・ホテル・コルテシア東京の総支配人

 

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  • 宿泊客

・役名不明(生瀬勝久、菜々緒、濱田岳、高嶋政宏、橋本マナミ、笹野高史、前田敦子、田口浩正、宇梶剛士、松たか子、勝地涼

 

 

 

 

 

 

 

 

キャスト的には監督の作品に出演経験のある方ばかり。スタッフも同じだろうから演者はいい空気感で臨めたのかなと感じます。

さてさて、犯人は一体誰なんでしょう。トリックも気になりますね。

ぶっとんだトリックで頼んますよ!!

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

プロフェッショナルに仕事をする二人が互いを認めていく過程にどこか胸を打たれる。

しかし、まぁテレビドラマの延長を感じる低予算の映画だったなぁ。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

郷に入っては郷に従え。

予告連続殺人事件の犯人を確保するため、予告された一流ホテルでの潜入捜査をすることになったアウトローな刑事・新田が、教育係としてバディを組むことになったフロントクラークの山岸と共に、プロ意識の高さから衝突を繰り返すも、様々なお客様との関わりから信頼関係と築くと共に事件解決への糸口を見出し、浮かび上がる意外な犯人像にたどり着くまでの物語を、ふてぶてしい態度から徐々にホテルマンとしての佇まいを見せていく変化を丁寧に見せていくこれぞキムタク!な演技、凛とした姿勢でお客様をもてなす長澤まさみの美しさ、豪華キャストとのアンサンブルからのちょっとしたドタバタ劇を順序よく描いた作品でございました。

 

ホテルを訪れるお客様は、皆仮面をつけている。

その仮面を決して剥がさずにもてなすのがホテルマンの務めであるのに対し、疑うことを職務とする刑事がその仮面をはがそうと躍起になるという全く真逆の職業がバディを組んだら果たして事件は解決に向かっていくのか?というテーマに沿いながら進んでいく今回のミステリー。

 

刑事という職業を隠すために潜入捜査をする新田にとっては完全アウェイなわけです。

身分を見破られないようにそれ相応の態度でホテルのお客様と対応しなければならない、そのためにはまず身なりから、形から入らなければならない。

伸ばしきった髪、無精ひげ、ネクタイからピンの向きまでいつもとは違う窮屈な服装になることで、とりあえず形だけは様になった新田でしたが、態度はまだ刑事。

眉間にしわを寄せ視界に入る人を片っ端から睨みつける。

 

こんなホテルマンがいるホテルに誰が泊まろうというのか。

山岸は彼にホテルマンとしての態度や心構えを一からレクチャーしていくんですね。

 

最初こそかったりぃ~といつものキムタクを見せていましたが、いろんなお客様を対応していくうちに彼の中で変化が訪れます。

 

本当は目が見えているのではないか?と疑う視覚障碍者の老婆とのエピソードでは、怪しいそぶりを見せるも、真摯な対応を続ける山岸を見て彼女に一目置きはじめ、ある人物が訪ねたら部屋を教えないでと告げる女性には、お客様第一を貫き秘密にすることを徹底する方針に、彼女は本当にプロ意識の高い人なんだ、と新田なりに心を開いていく。

それをきっかけに、ある宿泊客の様々な言いがかりを受ける新田は怒りが頂点に達するもホテルマンとしてのたしなみを自然と見せていく。

 

郷に入っては郷に従えという言葉があるように、その場所ではその場所ならではのルールがある。だから新田もホテルに潜入しているのだからイチホテルマンとしての身だしなみと心構えを少しづつ身に着け変化していく姿というのは、ホテルマンをリスペクトしていくことからなんだということをこの映画は木村拓哉という役者を通じて伝えています。

 

 

バディムービーの要素をキチンと取り入れた映画。

お客様の身に何か起きたらそれはホテルマンとして恥ずべき事。そう心がける山岸も最初は潜入捜査としてフロントに立つもギラギラした目でお客様を睨みつける新田に苛立ちを隠せません。

 

お得意様である重役の男性が、チェックアウトを早く済ませたいが列が進まず苛立っていた時に、順番を守れと詰め寄る新田。

ひと悶着になる前にすかさず臨機応変に対応する山岸。

お客様がルール。ホテルマンとしての鉄則を忘れないようにと彼に叩き込んでいく山岸は、徐々にホテルマンらしさを見せていく新田に信頼を寄せていきます。

 

そんな彼女も新田の観察眼によって要注意人物を見つける能力に驚いていく。

視覚障碍者の老婆を一目見ただけで怪しいと言い張る新田に、そんなはずはないと反発する山岸。

視覚を失った人にとって聴覚と触覚は必要不可欠、にもかかわらず手袋をしているのはおかしい、また足跡だけでホテルマンがもう一人いると当たり前に認識しているのも不自然だという新田の推測は、山岸のホテルマンとしてのプライドが許せませんでしたが、いざふたを開けると犯人ではなかったものの、確かに変装して宿泊していたことが判明。

これを機に、山岸は彼の鋭い感覚とプロ意識ならお客様が事件に巻き込まれないで済むかもしれないと徐々に信頼を置いていきます。

 

 

このように全く違うタイプの人間が、最初こそ対立するものの、徐々に心を開き互いを認め事件を解決していく構図は、これまで数多く世に出た「バディムービー」の要素を多く含んだ作品と同じだったのではないでしょうか。

郷に入っては郷に従えを学び彼女を信頼していく新田と、その能力で怪しい人物を特定しお客様とのトラブルを回避できた事で、彼に一目置くようになる山岸。

終盤に大きな溝が生まれてしまうが、今回の事件によって宿泊客に何かあれば職を辞する覚悟という互いのプライドが再び信頼関係を築いていく姿は、バディムービーとして非常によくできていたように思えます。

 

 

とはいうもののリアリティに欠ける。

今回のマスカレードホテル、そんな異なる職業によるバディムービーの要素を含んだ作品ではありましたが、映画の組み立て方としてはやはり無理がある部分がいくつか見られます。

 

一つは、連続殺人事件の詳細が分かりにくいということ。

3つの殺人事件が実はつながっていたきっかけが現場に残されたメッセージによるもの、というのはあらすじにも書いてあるので理解は容易ですが、新田は捜査線上に浮かびあがった人物が気がかりでなりません。

ただその人物にはアリバイがあり、捜査本部としてはこれ以上追わないという方針になっていました。

しかし直前までバディを組んでいた能勢の協力と山岸とのふとした会話をきっかけにより、アリバイのトリックが崩せそうになるというもの。(これに関しては裏付けとってねえだけじゃねえか、というツッコミも)

じゃあその人物がやはり犯人なのか、となるわけですが実はそうじゃないという流れになるんですが、これが非常にわかりにくい。

 

3つの事件とこれから起きるであろう事件は同じ犯人だ、というのに対し、新田はそうは思っていないもんだから、一体誰を追っているんだ?となるんですね。

しかも結局この3つの事件は別の犯人の犯行によるものとわかり、新田の追っていた人物は結局犯人だったわけですが、黒幕ではない。

追いかけていたものが要は振出しに戻るというのが中盤で判明するんですが、こういう事件は観ている方からすると非常にややこしい。

 

こっちは犯人は誰だろうと考えながら見ているのに、その考え一旦忘れて~と言われてるようなもんです。

きっと原作ならこの辺りが快感なんでしょう。ミスリードってヤツですね。作者にしてやられたわけですから。

しかしその「ヤラレた!」ってのを映画で表現させてくれないのが不満なのです。

もっと細かく言うと、再現VTRのようなものが羅列し、相関図を重ねながら会話シーンを挿入していく演出方法を取り入れているんですが、どうにもキレイな運びには感じない。2時間サスペンスもののよくある演出なんですけどね。

だからこの場合に関して言えばもっと丁寧に説明してほしい、というのが僕の不満の一つです。

 

まぁそこで不満言っても本筋と関係なかったんだから、ってのはあるんですが。

 

 

もう一つはリアリティに欠ける部分。

これ潜入捜査です。関係者以外がいる前でべらべら事件の経過など話してはいけません。

そしてホテルマンはお客様のいる場所の前では死語は慎むのがプロとしてのルール。

にもかかわらずロビーで普通に新田と山岸がお客様のいる広間でぺちゃくちゃ話しているではありませんか。

そういうのはせめてお客様の見えない場所で話すのが鉄則なのでは?

 

あとはストーカー対策。

お客様に部屋番号をとっさに教えてしまったという件がありますが、あれどんな場合であれ始末書モノなのでは?

この人が来たら部屋を教えないでくれというお客様がいて、実際にその追われている男性が宿泊しました。

以前似たようなケースがあり、何とかして宿泊させないようにしたというエピソードが語られましたが、なぜか山岸は動揺してその追われているという男性をチェックインさせてしまう。

その件を女性に謝りに行く際、その男性の部屋番号を教えてしまう。

するとその女性は逆に男性の部屋を訪ねてしまうことに。

要は女性が男性を追っていたというケース。

まぁ結果離婚届を渡しに尋ねたという夫婦のエピソードで、これが後に本筋に絡んでくる伏線にもつながる話だったんですが、その事後処理ちゃんとやったのかなぁと。

まぁどうもいいツッコミですがw

 

また一流ホテルという割にはエントランス狭くないですか?そしてロビー狭くないですか?

正月映画らしい豪華な映画を用意したんだろうなと思うんですが、いかにもちゃっちい。

昔六本木の大きなホテルの清掃職員を日雇で働いたことがあって、ロビーの清掃を任されたんですが、一人でやるにはあまりに広すぎていやになったことがありまして。

そこに比べるとまぁ狭い。

ロビーって待ち合わせの場所としても使うから、劇中のホテルのようにあんなに人が肩ぶつかるくらい行きかう場所だったら逆に気が散ってなんもできないですよ。

何が言いたいってホテルのロビーを明らかにセットで作ってるのが見え見えで、そこはもう高嶋政伸の「HOTEL」のようにちゃんとホテルをロケーションとして手配して撮影してよ!せっかくキャスト豪華なんだからその辺ももっと豪華にして!と。

(どうやらロケ地はロイヤルパークホテルのようでしたが、多分客室だけだよなぁ)

ちなみにホテルの裏側はあんな感じでスタッフがごった返してますw

 

 

最後に

不満といってもまぁ細かい部分が気になりました程度の事なので、こいつどこ観てんだよ!新田と違う観察眼もってんじゃねえよ!とツッコみたくなる気持ちもわかりますが、どうかお気になさらずに。

 

やはりTV映画の素晴らしいところは何でもかんでも丁寧に順を追って話が進んでいくところ。

ペーパーウェイトがやたらチラチラ映ったりするのは絶対この後重要なアイテムになるんだろうなってのは誰もがお気づきになると思うし、ちゃんとエピソードで語られることはその後のエピソードに繋がるようになっているし、犯人は誰なのかってのも、キャスト観ればわかるっしょ?明らかにこの中でギャラが違う人いるでしょ?と。

まぁ監督主演が彼なら・・・おーっと!これ以上は詮索しないで!!

 

まぁミステリーとしては意外性が特にないのが残念な所ではあります。

 

あとはもう木村拓哉の変化ですよ。あれだけふてぶてしいいわゆる90'sのキムタクが、HEROやグッドラック以降のTVドラマで見せた正義感あふれる真面目な大人へと変化する。

ある意味彼のこれまでの役者人生を総括するかのような映画だったのでは?

 

あとエンドクレジットで知ったんですけど、友情出演であのお笑い怪獣が出演していたようで。どこにいた?全然わかんなかったぞ。エレベーターの中?

 

とにかく彼と長澤まさみという2大キャストが主演した映画ですから、僕のような戯言など鵜呑みにせず見に行ってほしいものです、はい。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10


映画「ミスターガラス」感想ネタバレあり解説 良くも悪くもシャマラン流ヒーロー映画。

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1月18日

ミスター・ガラス

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なんかタイトルだけ観ると違和感ありありですが、いよいよシャマランユニバースが始動であります。

M・ナイト・シャマラン監督がかつて手がけた「アンブレイカブル」が、一昨年公開した「スプリット」に繋がる作品だった、という壮大なシャマランマジック。

一体誰が想像したことでしょう

そしてこの内容を知った時点で、今「スプリット」を見ていない、という人は今観ても楽しいですが、ラストのオチに驚きも何も感じないので、まぁ今のうちにごめんなさいといっておきましょう。

 

www.monkey1119.com

 

 一体この超人3人を集めてどんな話を描くのか、シャマランぽくないようにも感じますが、楽しませてくれることに変わりはありません。

 

また今作はディズニーが配給しているのも面白いところ。てことはあんまりグロい描写とか怖い描写はないのかな?

てか、あれか、「アンブレイカブル」自体が配給ディズニーだったのか。わかるかそんなの!

 

果たしてどんな結末が待っているのか。

早速鑑賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

鬼才M・ナイト・シャマラン監督が「アンブレイカブル」のその後を描いた衝撃のサスペンス・スリラー。

「スプリット」という作品内で「アンブレイカブル」との繋がりを明かすという、斬新なアイディアで観衆を驚かせ、シャマラン節健在をアピールした。

 

多重人格、天才頭脳と脆い体、そして強靭な肉体を持った3人は本当のヒーローなのか、それともただの妄想に過ぎないのか。

そして試される研究内容とは。

 

ついにそのベールが明かされる!

 

アンブレイカブル [Blu-ray]

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スプリット [Blu-ray]

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あらすじ

 

 

フィラデルフィアのある施設に3人の特殊な能力を持つ男が集められ、研究が開始された。

彼らの共通点はひとつ―自分が人間を超える存在だと信じていること。

不死身の肉体と悪を感知する力を持つデヴィッド(ブルース・ウィリス)、24もの人格を持つ多重人格者ケヴィン(ジェームズ・マカヴォイ)、そして、非凡なIQと生涯で94回も骨折した壊れやすい肉体を持つ〝ミスター・ガラス″(サミュエル・L.ジャクソン)…。

 

彼らは人間を超える存在なのか?

最後に明らかになる“驚愕の結末”とは?(HPより抜粋)

 

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監督

今作を手がけるのはM・ナイト・シャマラン。

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シックス・センス」で世界的に注目されたものの、一時は低評価が続き飽きられてしまったシャマラン。

ですが「ヴィジット」で再び彼の本気が見え、そして「スプリット」でのオチ!

やっぱり彼の映画には驚愕のオチがつきもの、というのが彼に対する世間の目。

でもお話だったり演出だったりてのを切り取ると作りがものすごくうまいなと感じる部分が結構あるんですよ。

てかその結末までの緊張感てのは絶対凄いものがあるわけで、これがあるからのオチなわけで。

 

スプリットのオチは当初激オコでしたけど、そこまでのマカヴォイの演技とかぞくぞくしましたし。

 

そういえば自身がチョイ役で出演することがありましたけど、最近出てないような。今作も出ないのかな?

出てほしいなぁ。

 

 

 

 

 

キャラクター紹介

 

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左上より。

  • ミスター・ガラス/イライジャ・プライス(サミュエル・L・ジャクソン)

 

 

非凡なIQと、生涯で94回骨折した壊れやすい肉体を持つ。

十数年前、“不死身の肉体”を持つ“スーパーヒーロー”を捜し出すことにとりつかれ、そのためには残酷な手段をとることもいとわなかった男。

捜し出したデヴィッドを覚醒に導くが、事実を知って絶望した彼と訣別に至った。(HPより)

 

  • ケヴィン(ジェームズ・マカヴォイ)

 

 

24もの人格を持つ。

潔癖症の青年、9歳の少年、女性人格などの人格を抱え、現れた人格によって体型や体質まで驚異的に変化する。

女子高生の誘拐監禁事件を起こした時に、凶暴で超人的な24番目の人格 “ビースト”が新たに出現。

母親から虐待されていた過去を持つ。(HPより)

 

  • デヴィッド・ダン(ブルース・ウィリス)

 

 

決して壊れない不死身の肉体と、悪を感知する能力を持つ。

十数年前、悲劇的な列車事故の唯一の生存者となったことをきっかけに謎めいた男、ミスター・ガラスに遭遇。

自分の中に存在する特殊能力----怪我も病気もしない肉体、悪を感知する力などに気づかされていった。葛藤しつつ、今はその能力を使って人々を救うことを自らの使命と感じている。(HPより)

 

  • エリー・ステイプル(サラ・ポールソン

 

 

スーパーヒーローの存在を問う“禁断の研究”を進める精神科医。

デヴィッド・ダン、ケヴィン、ミスター・ガラスと対峙する。(HPより)

 

  • ケイシー(アニヤ・テイラー=ジョイ

 

 

かつてケヴィン(の一人格)によって誘拐されるも、判断力を失うことなく、攻防の果てに、ケヴィンの24番目の人格、凶暴な“ビースト”の脅威から唯一サバイバルした女子高生。

ケヴィン同様、虐待という辛い体験を持つ。(HPより)

 

  • ジョセフ・ダン(スペンサー・トリート・クラーク

 

 

デヴィッド・ダンの息子。

少年の頃、大好きな父が特別な存在であることを感じ取った彼は、父が“スーパーヒーロー”としての使命を受け入れることを願い、そのピュアな思いでデヴィッドを後押しした。 (HPより)

 

  • ミスター・ガラスの母(シャーレーン・ウッダード

 

 

 

全身を骨折した身体で生まれてきた息子イライジャ(ミスター・ガラス)を、厳しさと深い愛情で育て上げた。

“壊れやすい肉体”という試練を乗り越えて生きる息子を誇りに思っている。(HPより)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれからガラスとダンは何をしていたのか気になりますし、なぜダンも施設にいるのかも気になります。ケヴィンはまぁ捕まったんでしょうけどw

あとはタイトルが「ミスターガラス」ですから、やっぱり彼が何か企んでいるってことですよね。

ケヴィンとダンを戦わせるための何か、みたいな。

スリラーだからなぁ、悪と戦うとかって話じゃないよなぁ。力合わせて。

あぁ気になるぅ!!

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

シャマランユニバース始動と思ったら完結かよ!

監督なりのヒーローとは?と追及した新しい形のヒーロー映画でした!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何ともまぁ遠回しな・・・

触れるだけで心を読める力持ち、獣を含んだ多重人格、そして体は脆いが頭脳はずば抜けた男3人が一堂に会し、君たちはヒーローという妄想に憑りつかれていると超強引な解釈で論破しようとする精神科医と対峙していく物語を、監督がお得意のサスペンス風味をふんだんに活かし、いやらしいまでに本題にたどり着かないスローペースな語り口と、中々オチまでたどり着かせない遠回しな展開、そしてたどり着く結末!からの本当の結末に驚愕を隠せない、これぞシャマランムービーの真骨頂!な作品でございました!!

 

いやぁ~なんだろう、正直面白かった!とは言えない。

彼のいいところと悪いところが出ていたとも取れる映画だったなぁと。

この何年もたくさんのヒーロー映画が世に排出され、それに感化される我々ですが、実際問題そんな奴らは存在しないわけで、逆にいたらただの危ない奴らですよ、あんたらいつまでそんなヒーロー映画ばっかり見てるの!?いい加減目を覚ましなさい、こんなアメコミは単なる欲望の塊で全部現実にあるものをヒントに描かれた寓話に過ぎないんです!

と超こじつけに映画の中で語らせておいて、いやいや待ちんさい、いるのですよちゃんとこの世の中に、それは私が生み出したといっても過言ではない、なぜ生み出せたか、それはヒーローがいるということを信じていたからだよ!!!わたしが誰かって?私はミスターガラス!

って誇らしげに語っておいて、お前テロリストであることには間違いないからな!

とまぁ色々スッキリしない部分もありましたが、英雄は存在するのか?という定義をシャマラン流に語らせたらこうなることも予想できたわけで。

 

とはいえ、なんでしょう、イライジャという男が長きにわたって持ってきた夢が叶った瞬間であり、それが世に知れ渡ることに成功し、それを見ている世の中の人たちは果たしてどう思うのだろう、やっぱりヒーローはいたんだ!!って感じるよねっていう。

きっと監督もイライジャに託したんだと思うよ、信じることの素晴らしさってものをさ。

でもあいつのやったことはテロだけどな!(譲れない)

 

とまぁあたくしも今回の映画のように本題まで入らないようにウダウダ感想を述べております。はい。

 

恐らくこれ短い期間を2時間弱にまとめたお話なんだろうなってのは感じます。

だからほんとテンポが悪く見えるんですよね。いやシャマランなんだから今更テンポの悪さを突っ込むなってのは承知の上で言うんですけど。

て事はやっぱり僕は彼の作風って皆さんほど好きじゃないのかなぁと。じれったいヤツ大嫌いなもんでw

とはいえ、簡単に嫌いつまらないと切り捨てるには惜しい方ですから、それなりに分析とか解説とかしていこうと思うんですけど、はい。

 

 

ぐだっと細かなあらすじを途中まで。

「スプリット」から3週間後、ケヴィンは未だ野に放たれた獣として、監禁事件をやっている模様。またもやか弱いティーンズ4人を捕まえ、いくつもの人格に変わりながらあれこれお説教している様子。

どうやらドレイクが好きみたいですね~9歳の男の子の人格。

 

一方街中ではスーパーマンパァ~ンチ!と通行人にパンチを食らわし、それを動画に収めている輩がはしゃいでおります。

自宅に帰り編集作業をしていると、ドアがバタン。おいお前鍵締めたか?いいや?誰?

へへ、肉に塩振ってやるぜ!スーパーマンパンチをお見舞いしてやるぜ、と思ったら片割れがキッチン前でフルボッコ。

え、何これやだこれ誰これってあ、あんたウワサの!!

 

そうです、デヴィッド・ダンはあれからずっと自警活動を行っていたのです。

しかも息子とともに。

ホームセキュリティを親子で営んでいる彼は散歩と称して行動していたんですね。息子をオペレーターとして。

巷では緑色のポンチョを着た男は誰なのかで話題になっており、新聞にも監視カメラの映像写真が載っているほど。もちろん警察も捜査しているぐらい。

ダンは行方不明の女の子4人の行方を追って行動していたのであります。

息子の推理によると、工場周辺が怪しいということで翌日散策に出かけます。

すると、フードを被った子供っぽい大人と接触。彼の能力の一つである「触れることで相手の心を読み取る」力で、監禁した犯人であると確定、アジトに乗り込んで女の子たちを助けます。

 

しかしそこに現れたのはビーストと化したケヴィン。

いよいよ我々が待っていたダンVSケヴィン(ビースト)のバトルが切って落とされるのです!

おいおい、この展開ちょっと早いんじゃない??と僕の心配をよそにバトル勃発。

どちらも戦い方を知らないのか、机持って投げ合って、その隙に背後に回って羽交い絞め。

シャマランよ、アクション撮るのへたくそすぎるだろ!とちょっと苛立ちを隠せないモンキーでありますが、そんな怒りはすぐに収まります。

なぜかって?あっという間に決着がつくからだよ!

ダンは体を掴まれたまま窓に突っ込んで外に飛び出すんですね。

そしてラウンド2!と思った瞬間、警察に包囲されているのです。

その中心には白いコートを纏った謎の女性が。

彼女こそ精神科医のステイプル先生であります。

 

連行された二人はそれぞれの部屋に軟禁状態。

もちろん二人が職員を襲ってこないように、ダンには水に弱いため、いくつものホースが配置され、何かすればそこから高圧水流が出るというモノ、ケヴィンは光に弱いため、ビーストにならないように高性能フラッシュライトを設置。

 

そしてこの施設にはダンを脱線事故によって覚醒させたイライジャがいました。

イライジャは先生にお願いしてあらゆるところに監視カメラを設置するようにお願いしていました。能力を持つ人間がいるわけですから警備と監視はしっかりしないといけませんしね。

 

2人は隙をついて脱出を試みますが、部屋に設置された装置によって能力を抑えられ弱体化してしまい、中々思うようにいきません。

ダンは仕方なく先生の言う通りMRIをとることに。

 

 

ピンク色の部屋に招かれた3人は、先生の診断を受けます。

あなたたちは自分はヒーローだという妄想に憑りつかれています。

例えばダンさん、あなたなぜ4人の女の子がレンガ工場にいるとわかったのですか?

もしかして隣にいる人(ケヴィン)のスウェットに赤土がついていて、それで勝手に妄想を膨らませてそこにいると思い込んだんじゃないですか?

何でしょう、この方、精神科医なのにどっかの裁判の悪徳弁護士が言いそうな超下手くそな持論を振りかざすじゃありませんか。

続いてケヴィンさん、あなたビーストになるそうですね、もんのすごい力があるんですって?でも聞いて、あなたが折り曲げた動物園の鉄柵、あれね、相当老朽していて私でもペンチで曲げられるくらい脆かったの。え??効かなかったショットガンはどう説明するって?それもねケヴィンさん、古い弾が装填されてたの。

おいおいおいおい、いくら何でも「古い」ってワード2つも続いたらめちゃんこ胡散臭いですよ先生、先生!あなたホント先生ですか!

 

その間びくともしないイライジャ。首を20度くらい曲げてほげーっとしています。

どうやら鎮静剤打ちすぎてこうなっちゃったようです。

 

先生は3日間の内に彼らを研究して結果を出さなければいけないリミットがあるようで、なんとか彼らを説得して研究に協力させないと、一生彼らは精神病院で過ごすことになるとのこと。

それにしてもどこかのんきに見えるのは俺だけか。

 

ダンの息子やケヴィンに監禁された女子高生ケイシーは精神病院を訪れ、能力を持っているがちゃんと自我を持っている冗談の好きな父ちゃんなんだ、私が話せば彼はちゃんと普通の人間に戻れると説得します。

2人はアメコミを買ってヒーローがどういうモノかを学んでいきます。

そこでダンの息子はケヴィンについて調べていくと驚きの事実を目にするのであります。

 

一方意識がシカゴ辺りに飛んでいるイライジャですが、部屋の鍵が締まっておるのに、廊下に出ています。職員たちは、おいおいこいつどうやって外へ出たんだよ!お前ちゃんと鍵かけたか!?と口論に。

その後も夜中部屋が開いていることに気付いた職員。お前の足に懐中電灯落としたら骨が砕けちゃうのかな?え!?勝手なことしてんじゃねえぞ、と忠告。

 

そしてとうとうイライジャが行動に移します。

私は君が来るのを待っていた、さぁ行動にうつそうと彼を口説き、まずはビーストへと変身させます。

イライジャの目的はダンとケヴィンを、新設されたビル・オオサカタワーで戦わせ世間にヒーローがいることを知らせること。

そのために職員を殺害し、監視カメラのある場所を通り、早く脱出すればいいものをあえて地下道を通って遠回りしたりと、どこかおかしな行動をしながら逃亡。

ダンにもそのことを館内放送で告げ、ビルまでおびき寄せようとたきつけます。

彼を止めなければ!と力を使って部屋から脱出を図ったダンは、病院の外で彼らと遭遇。

今度こそラウンド2の始まりです。

果たしてどちらが勝つのか、それとも予想だにしない展開になっていくのか!?

 

というのがクライマックスまでのあらすじです。

ここから先は劇場で。

 

 

インクレディブルファミリーから見るヒーロー観。

 

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この映画を引き合いに話しても、ん?となりそうですが、去年公開した「インクレディブルファミリー」の敵は、ヒーローに依存した世間に一言モノ申す!ってのがありました。

突き詰めていくと世間のやつらはテレビの画面に映る様々な出来事にあれこれ文句言っててめえは何ひとつしねえ、それを言ってスッキリして勝手にヒーローのつもりでいるみたいなことなんですが。

特にこの10年、マーベル映画を筆頭にヒーロー映画がものすごく量産される時代になり、僕らはただそれに一喜一憂しては消費しているだけになってしまっているわけで。

 

で、恐らく監督はですね、きっとそれは見てる僕らがとっくにフィクションだと思ってるから消費してるだけなんじゃないか、現実にそんなのいないんじゃないかと思ってる人が多いのではというところにたどり着いたんじゃないかなと。

なら僕が作ったろうやないの、これでヒーローがいることを信じようぜ!と今回の映画を作ったように思えます。

 

またインクレディブルファミリーのような敵側の提示とは違い、ヒーローなどいない、ということを観衆に突き付ける。

そんなの現実にあることを盛り込んだものに過ぎない、善も悪もぶっちゃけ必要ない、平和を保つにはそれが一番というもの。そんなこと信じてる人はどうかしてると。

いやいや待て待て、実際いるんだからそれを公にして何が悪い、もっと世間にヒーローが実在することを広めてもいいじゃないか。現実にヒーローがいるということを。

そんな思いを監督はイライジャに投影させ、この映画を作ったのではないか、とかなり暴投にもほどがある分析でございます。

信じることは大事だぜ、夢を持とうぜ、ヒーローはいるぜっていう。(超テキトーw)

だから今作のタイトルがミスターガラスなんだなと。

 

 

 

最後に

まぁ最後のは忘れてください・・・途中で眠くなったw

もうニュアンスで感じてください。

 

まぁ今回驚きの事実が明かされるんですが、それだけでは終わりません。お、そういうオチ!?と。

この映画の中の悪は一体誰なのかってのが判明した途端、あ、それは正義だったのか。と納得のいく結末に向かっていきます。

 

ぶっちゃけもっとストーリーとしてやり様があったようにも感じるんですが、「アンブレイカブル」と「スプリット」の続編としてちゃんとピリオドをつけたのでとりあえずよかったなと。

 

やっぱりマカヴォイ無双な映画でしたよ。

ライトが光る度に強制的に人格を変えられてしまうケヴィンがフレームアウトした途端別の人格に早変わりして演じる姿はまぁ楽しい。

1回瞬時に違う人格が出たと思ったらまた別の人格になったりと、前作よりレベルが縣様にも思えたシーンもあり、マカヴォイ好きにはたまらない作品になってたんじゃないでしょうか。

 

とりあえず監督は今回のために家を抵当に入れてまで臨んだ作品だそうなので、みんな見てほしいですね。

シャマランに愛の手を。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

映画「マイル22」感想ネタバレあり解説 Wバーグだけに肉々しい男の映画だったぜ!

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1月18日

マイル22

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この街も変わらねえなぁ、ボストンマラソンのテロ事件を映画化して以来だなぁ・・・ん?どうした。

なんだなんだ、また金ローでジブリかよ、みたいな目をして俺たちを見やがって!

忘れちまったのかぁ?

俺たちだよ、俺たち!Wバーグだよっ!!

 マーク・ウォールバーグピーター・バーグ、二人合わせてWバーグだよっ!

 

そりゃ確かに基本マークが襲われたり、火の中突っ込んだり、テロリスト追いかけたり、って大体が体を張るような映画ばかりで、似たような映画になってるかもしれないけど、だからって忘れるこたぁないだろう。

だからもう忘れないように、今回もまたマークが体を張ってゴリゴリのスパイアクションを作ったんだ。

俺たちといえばこの映画って具合にね。

 

 

・・・さすがにハンバーグ師匠のような肉汁たっぷりの鉄板ジョークは思いつきませんでした。

 

てなわけでございまして、あのコンビがついに4度目のタッグを組んで映画を作ってしまいました。

もうそれってトム・ハンクスとスピルバーグ、ジョージクルーニーとコーエン兄弟くらいの仲ってことですよ、ええ。

で、またこの二人はすげえ銃撃戦だったり、とんでもねえ視覚効果でアクションやったりと、凄くシリアスで緊張感ある話の中でムチャクチャなアクションやるってのが持ち味といいますか、それが醍醐味といいますか。

 

それをまた観れると思ってなかったので、今回非常に楽しみでございます。

というわけで早速鑑賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

世界を揺るがす危険な物質が盗まれ、その行方を知る重要参考人を亡命させる作戦を描いた護送ミッションを、アクション映画に定評のある監督と、アクションからコメディ、ヒューマンドラマまでこなし多彩な顔を持つ俳優が今回で4度目のタッグを組んで製作。

脇を支えるキャスト陣も、これからの活躍が期待できるアクション俳優ばかり。

ピーター・バーグ史上最高のアクション映画が誕生した。

 

これまで様々な正義の男たちを描いてきた二人が、今作では最強の地上特殊部隊と完璧な頭脳チームという頭と体両方のスペシャリストたちを描く。

劇中に登場する組織は架空とはいえ、2人が作った映画「ローンサバイバー」製作時に情報を集めたQRF(軍人によって構成された救急対応部隊)が大体のモデルになっており、実際に様々な特殊部隊のバックアップを勤めている。

 

果たして、アメリカ大使館から移送機の待機場所までの22マイルを護送するオーバーウォッチ作戦は成功するのか!

 

ローン・サバイバー Blu-ray

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Mile 22 (Original Motion Picture Soundtrack)

Mile 22 (Original Motion Picture Soundtrack)

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

世界を揺るがす危険な物質が盗まれた。

その行方を知る唯一の男リー・ノア(イコ・ウワイス)が重要参考人として保護される。

 

男を抹殺しようと多数の武装勢力が送りこまれるなか、彼を国外に脱出させるためジェームズ・シルバ(マーク・ウォールバーグ)率いるCIAの機密特殊部隊は、アメリカ最高機密『オーバーウォッチ』作戦を発動。

アメリカ大使館から空港までの22マイル(35.4km)を護送する究極のミッションを遂行する。

 

周囲を敵に囲まれる極限状態のなか、彼らは無事に脱出をすることができるのか……。(HPより抜粋)

 

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監督

今作を手がけるのは、ご存知ピーター・バーグ。

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マーク・ウォールバーグを主演に迎え、「ローン・サバイバー」、「バーニング・オーシャン」、「パトリオット・デイ」といった、男の戦場ばかりを描いてきたわけですが、今回はただ闇雲に主人公が危機と向かい合うようなお話とは違い、護送ミッションという形でちょっとしたエンタメ要素が入っている気がします。

特にマーク演じるシルヴァは、なかなかの戦闘能力を持っており強気な性格のようなので、今回マーク無双映画になっている、のかもしれません。(イコ・ウワイスいるからそうでない気もしますが)

それもこれも事実に基づく話から一旦離れた作品になっているからなのかなと。

 

監督に関してはこちらをどうぞ。

 

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キャスト

 特殊部隊のリーダー・ジェームズ・シルバを演じるのはマーク・ウォールバーグ。

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 去年は「ゲティ家の身代金」で犯人との交渉人チェイスを演じてましたが、今回はバリバリのアクションを見せてくれます。

そしてなんでも今回の役柄は、上司としては最悪だが、いざ現場でたらむちゃんこ頼りになる特殊部隊のリーダーだそうで、一体どこまで最悪で最強なのか楽しみですし、なんだかんだでWバーグはマーク無双ですから、その辺も期待したですね。

 

彼に関してはこちらをどうぞ。

 

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他のキャストはこんな感じ。

部隊に所属するエージェント・アリス・カー役に、「バットマンVSスーパーマン/ジャスティスの誕生」のローレン・コーハン。危険物質を唯一知る重要参考人・リー・ノア役に、「ザ・レイド」、「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」のイコ・ウワイス。

サム・スノウ役に、「ワイルド・スピードSKYMISSION」、「エクスベンダブルズ3/ワールドミッション」のロンダ・ラムジー

部隊の司令官・ビショップ役に、「バーニング・オーシャン」、「RED/レッド」のジョン・マルコヴィッチなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マークにイコ・ウワイスですから、まぁ~ド派手なアクションになっているんでしょう。そしてピーターバーグですからリアルを追求した演出にもなってるはず。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

あ~~俺もイライラしたらゴムバンドパンパンパンパンやろおぉ~~っ!!

息もつかせない銃撃戦と肉弾戦で爽快だぜ!

話なんかどうだっていい!わけないけど楽しいのだ!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな上司がいたらオー人事。

インドカーなる国でのタレこみで都市部6つ分は吹っ飛ぶ威力のセシウム発見のため、そのカギを握る重要参考人の亡命ならびに護送をすべく立ち上がった特殊部隊がオーバーウォッチ作戦を敢行するも、その距離22マイルの道のりは生死をさまようほどか国で悲惨なものだった。

リアル指向でナンボの作品をた多々生み続ける監督と、その作品に溺れ続けることでとうとう頭のネジがどっか吹っ飛んでしまったのか?と思うほどマークの終始ブチ切れモードの頭脳派武闘派キレキレリーダーっぷりがワラけて仕方なく、それ以外はひたすら銃撃戦と男臭プンプンな熱い格闘バトルがワンサカ飛び出る怒涛のアクション映画!だっ気でなくオチも裏の裏の裏をかいてきやがって、コラァ1本とられやしたぜ旦那!な映画でございました。

 

ジェームズシルバという男の半生を様々な資料な文書で走馬灯のように語っていくオープニングから、いかに彼が頭のキレる、そして癇癪持ちなんじゃないかとまで思ってしまう短気っぷり、それでいて体力もずば抜けている最強の戦士だってことが理解できます。

そんな彼は、部下がポカしたり、ミスしたりしようものなら、どこだってなりふり構わず説教。

アリスが地元警官から入手した情報によれば、コンテナの中にセシウムがあるはずといいうことでガサ入れするも見事に失敗。

カフェにいるシルバに報告がてら今日アタシ誕生日なんでケーキ食わして下さいと女性の部下が注文すると、テーブルに到着した途端、ファッキンバースデーケーキ!!!

とケーキを手で床に落とします。

ちなみにこの時ムカつき度70%とのこと。

 

そして情報に惑わされミスを犯したアリスをお説教しに、なんと女子シャワー室へ。

お前のミスでどれだけの費用使ったと思ってんだよ、(ゴムバンドをパンパン)お前セシウムのヤバさ知らねえだろ、あれが街に投下されたらどうなるか教えてやろうか、あ?広島知ってっか?長崎知ってっか?(ゴムバンドをパンパン)あれくらったら人間手遅れなんだよ、俺たちのしてる仕事ってのはそれくらい重要なんだよ、おめえの選択ひとつで世界が変わっちまうんだよ、(ゴムバンドをパンパン)だったらのんきにシャワー浴びてんじゃねえよ、その警察官マジで信用できんのかよ、出てきたのただの絵画だぞ?ムンクだぞ?贋作だぞ?それでも1億2万ドルってホーリーシット!(ゴムバンドをパンパン!!)

とまぁ~~~マシンガントークですよ、いやガトリングトークですよ。おまけにゴムバンドをパンパンだよ。

ちなみにセシウムの在り処を示すファイルを解読する解析チームの女の子がなかなか作業が進んでない時も同じようにブチ切れてお説教してます。

 

で、さすがにここ女子シャワー室だから!と退室させた後、部下同士でアイツマジで狂ってる・・・と愚痴りあい。

 

そんなアリスは夫と離婚中。アプリを使って夫とどうやら揉め事をしています。

娘と一緒にケーキを作る約束を叶えられそうにないとのことで口論に発展。

そこへ再び鬼上司シルバがゴムパンパンしながら登場。

おい!お前そんなどうでもいいこと職場に持ち込んでくんじゃねえ!会議の前にさっさと片付けちまえ!!

 

もちろん上司が上司なら部下も部下。アプリでファックワードを言ったもんなら通信を強制終了されちゃうんですね。もちろん頭きたぁ~~~っ!!とスマホごと床にたたきつけます。これに関しては無効に親権があるのか、やたらアリスを挑発するように仕向けてそれが我慢できなく撃てついつい上司の口癖・・・ってやっぱりシルバのせいなのか!?w

オマケにアリスは上司に八つ当たりまでする始末。こんな仕事のせいで日曜にセックスできたらまぁ夢のようなことね!と歯を食いしばっていっちゃうくらい。おいおい…。

 

と、こんな感じでシルバさん、どこへ行ってもイライラしております。(アリスもね)そのイライラを腕に巻き付けたゴムバンドをパンパンして気持ちを落ち着かせるんですが、それでもイライラです。

絶対高血圧だと思います。

たぶん辛い料理とか食べたら死ぬんじゃないでしょうか。

塩分は抑えてほしいですね。

フライドチキンとか食ってる場合じゃないです。

アミールS飲んでください。

あ、あれは血糖値下げるやつか、まぁいいや。

知らん。

 

是非ですねこんな上司がいたら転職をオススメしたいところですが、特殊部隊ってのはまぁそう簡単に辞められるような場所ではなさそうですし、デッドオアアライブみたいなところなんだてのがこの後映し出されるわけです。

これも世界を救うためなんですね~。俺無理。

 

 

 

真昼間から戦争かよ!!

そんなこんなでセシウムどうやって見つけんべ!と揉めていると、なんとアリスに密告した地元警官が大使館へやってきて亡命させてくれと懇願しにやってきます。

まぁ重要機密事項を持っている男ですから自国から狙われるのも仕方ない。これバラしたら国家崩壊しちゃうレベルだそうですし。

 

てなわけで彼を尋問。

彼が持ってきた機密情報のファイルのパスワードを、亡命オッケーして尚且つ飛行機にちゃんと乗せたら教えてあげるよ~でもタイムリミットはあと数時間ですよ~どうしまっか~とシルバ達をふるいにかけます。

ここで面識のあるアリスちゃん登場。

あんたよくもあたしを騙したわねただじゃおかないわよ、女だからってなめんじゃないわよ、あんたなんか一網打尽にできちゃうんだからとまたもやいきった表情でまくし立てます。

ちなみに彼が教えてくれたコンテナの中にあったムンクの絵画を削ると微量のセシウムを発見。

あ、こいつマジで知ってるわと上層部。

 

とりあえず彼を信じて護送するしかない、だってセシウムだもの。早く回収しないと。

よしそしたらオーバーウォッチ作戦始動だね、ってことに。

このオーバーウォッチ作戦、部隊員の心拍数が分かる何かを体に注入させて状態を把握したり、上空をドローンで空撮してCTスキャンみたいなので敵を熱感知して発見したり、あらゆるモニターをハッキングして監視したり、挙句には射殺許可の権限まで持ってらっしゃるとんでもねえ作戦部隊。

シルバ達は現場で、マザーと呼ばれる上司と通信チームはPCを使って指示を送ったりをある部屋で行うことで作戦を円滑に進める完璧な作戦なのであります。

とか言いながら最初のシーンで何人か殉職しましたがw

 

というわけで、リーという男の身体をくまなく調べることに。

護衛が席をはずし医者だけになったと思ったら、まさかの自国が送り込んできた殺し屋たちだったんですね。

そうです、彼は自国を売ったことになるので、警察のお偉いさんがわざわざ大使館へ出向いて返してくれとお願いにあがってたんですね。

それをまぁシルバが茶化す茶化すw一触即発でしたよあれは。

 

ここでリ―演じるイコ・ウワイスのアクションの見せ所!

腕に手錠がかけられしかもそれがベッドに繋がってるもんだから思うように身動き取れないんですけど、どうやったらそういう突発的なことできるの!?ってくらい早業で敵の攻撃を交わし反撃。

とうとう手かせもぶっちぎって臨戦態勢で狭い医療室の中でアクロバティックにせいやー!せいやー!ですよ。

とどめは首んとこにレンチみたいな道具でブシュ!と一刺し。

血と汗とガラスの破片だらけのリーの身体がまぁステキw

 

 

さぁていよいよ護送開始。

その距離22マイル。

30キロくらいでしょうか。

無事にたどり着けるのか!って、んなわきゃない。

バイク集団がいきなり車の脇に爆弾しかけて、もちろんドカン!部下が重傷を負います。

もう一人で~歩けない~時の風がつよすぎてぇ~(フォーエバーラブ)、じゃないですけどもう私の事はほっておいて先へ行ってください!

よくやった、とシルバは部下に手榴弾を渡し、その後何も言わずに護送に戻ります。

部下は命と引き換えにバイク部隊を一掃します。

 

多勢に無勢な状況のシルバ達はそれでも任務を遂行していきます。

途中車を変えるため近くの隠れ家に待機しますが、見せの向かいには大使館に来た警察のお偉いさんが。

おいおいお前手を引けって言ったろう、部下たちがどうなっても知らねえぞ?とメンチを切るシルバ。

あんたこそどうなって知らんよ、こっちは仕事だからね~。

奇遇だな、俺もだ。

そう言い残し再び店に戻ると、店のカウンターに爆弾が!

伏せろ!と子供をかばうシルバ、その時に部下が足を負傷してしまいます。

しかもそこにいた女性をお客さんは敵でした!あちゃうあ~!と足技で翻弄していきます!そこにリーも加わり再び肉弾戦勃発!!

女ならでは身のこなしで突進してきますが、そこは野獣2人、ダメージは受けたものの見事に仕留めます。

 

そして負傷した部下を引き連れてまたもや逃げるシルバ達。

もうすぐ引く気が到着する時間。

急がなかければならないのに、敵の数が多すぎて足止め。

近くの大きな団地アパートに身を隠します。

ここでも足を負傷した男に入口を任せシルバは中へと消えていきます。

部下は負傷した足が思うように動かず、むしろ立つことすらもままならない状態でひたすら銃を打ちまくり敵の数を減らしていきます。しかし、向こうも大人数、見事にハチの巣にされ殉職していきます。

 

もう何でしょう、ローグワンですかこれ、いや十三人の刺客ですか、七人の侍ですか、荒野の七人ですか、マグニフィセントセブンですか、いや別にならず者じゃないんですけど、多勢に無勢の中次々と戦士が戦死していく姿、それを引け目に感じながらも任務を遂行していくシルバを見て、往年の名作たちを思い出さずにはいられません。

そして真昼間の市街地で行われる銃撃戦なんてのはマイケル・マン監督のヒートを彷彿とさせる迫力。

さすがに本家にはかないませんが、この時はもうシルバのゴムパッチンでケタケタしていたモンキーなんていません。

本気の銃撃戦に爆破シーンにヤバババーン!です、やばたにえんです。なんですかやばたにえん、て。

 

果たして無事リーを飛行機地点まで送り届けることができるのでしょうか!

 

 

最後に

この映画、これだけシルバで笑わせておいて、これだけ銃撃戦や肉弾戦で熱くさせといてラストはとんでもねーオチが待っています。びっくらこきまろです。ギャグがしょうもない!

劇中ちょいちょいシルバが誰かに向かってひたすらこの事件を話しているシーンが出てくるんですが、オチが分かった瞬間そういうことだったのか!と合点がいくんですね。

時系列が違うってことなんですが、まぁそれは良い。

とにかく裏の裏の裏をかかれるんですよ。

ヒントは瞑想だ!

今度は戦争だ!

すいません、眠いんです!

 

はっきり言って誰にも感情移入とか起きないし、ドラマ性も中途半端だし、セシウム結局どうなったんや!最初の事件急に持ってくるな!イコ・ウワイスのアクションカット割り多すぎて見づらいがな!と色々言いたいことありますが、そういうのもひっくるめてWバーグは素晴らしいです。

中身スッカスカです。

でも100%ビーフです。

いや100%実録です。

ツナギとか使ってません。

肉と肉ががっぷり四つです。

食べたらおいしいから、Wバーグ。

さぁ、みんなでご唱和ください、

し~ち、はぁ~ち、きゅ~、じゅう~。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「バジュランギおじさんと、小さな迷子」感想ネタバレあり解説 シャヒーダーがかわいすぎて反則です。

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1月19日

バジュランギおじさんと、小さな迷子

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いや~~2018年はインド映画が盛り上がりましたねぇ!!

バーフバリ・・・ダンガル・・・パッドマン・・・どれも好評価連発でしたし、熱烈なファンまでできたくらいですから。

ええ・・・、

どれも観てねえ。

 やっちまったと思ってるんですよ、映画館に通って新作映画を観るあたくしと致しましては。

特にインド映画ってのは映画館で見るべき作品だと思ってるんです。

これ自宅でインド映画みるってなるとかなりハードル高いんですよ。

なんでって?

上映時間が長いからっ!!

映画館てのは映画を観る以外行動が制限されているし、誘惑もない。

だから長時間の作品こそ映画館で見るのが最適だと思ってるんです。

だから3時間以上もあるインド映画とかは、まぁ、自宅ですとぉ、そのぉ、長くてぇ、スマホとかぁ、いじってぇ、集中力がぁ、切れてしまうんですねェ・・・。

 う~ん現代人の悩み。

 

なので次見ようと思うインド映画は映画館で観るぞ!と思った矢先に、今作激推し!!とTwitterのフォロワーさんがツイートしてるのを読みまして、何これ面白そう!と

それに加えて僕が信頼している評論家さんも素晴らしいと絶賛していたので、これは見るっきゃないな、もうインド映画を見逃さないようにしようと。

 

おっさんとコドモのロードムービーになるんですかね一応は。

一体どんなお話なのか、どんな感動が待っているのか、早速鑑賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

正直でお人よしなインド人青年と、声が出せないパキスタン人の迷子の少女の二人旅を、インド映画お決まりの演出やほっこりした笑いで包んだロードムービー。

2015年にインド国内で大ヒットし、インド映画興行収入歴代3位の記録を打ち立てた今作は、長きに渡って起こっているインドとパキスタンにおける国同士や宗教面での諍いを孕ませながら、そういった対立を乗り越えて人間と人間の間に生まれる愛の物語として娯楽テイスト満載で描いていく。

これまでアクション映画を中心に活躍した俳優が新たな一面を覗かせたのも話題の一つ。

彼と共に冒険に繰り出す少女が笑いと涙と温かな感動を届けます。

 

 

 

 

 

Bajrangi Bhaijaan

Bajrangi Bhaijaan

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

パキスタンの小さな村に住む女の子シャヒーダー(ハルシャーリー・マルホートラ)。
幼い頃から声が出せない彼女を心配したお母さんと一緒に、インドの
イスラム寺院に願掛けに行くが、帰り道で一人インドに取り残されてしまう。

そんなシャヒーダーが出会ったのは、ヒンドゥー教のハヌマーン神の熱烈な信者のパワン(サルマン・カーン)だった。

 

これも、ハヌマーンの思し召しと、母親とはぐれたシャヒーダーを預かることにしたパワンだったが、ある日、彼女がパキスタンのイスラム教徒と分かって驚愕する。

歴史、宗教、経済など様々な面で激しく対立するインドとパキスタン。
それでもパスポートもビザもなしに、国境を越えてシャヒーダーを家に送り届けることを決意したパワン。

 

国境では警備隊に捕まり、パキスタン国内ではスパイに間違われて警察に追われる波乱万丈の二人旅が始まった。

 

果たしてパワンは無事にシャヒーダーを母親の元へ送り届けることができるのか?
そこには、思いもよらなかった奇跡が待っていた…(HPより抜粋)

 

 

youtu.be

 

 

 

 

 

監督

今作の製作・脚本・監督を務めたのはカビール・カーン

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はい、いつも通りまったくもって知りません。

なので調べてみましたところ、2006年に監督デビューし、ドキュメンタリーなんかも手がげたんだとか。

その後主演のサルマン・カーンと組んで手がけた「タイガー/伝説のスパイ」という映画が大ヒットしたそうで、今作では再びタッグを組んで臨んだってはこびなんですって。

インドでは今作が爆発的大ヒットってことで、今後も彼の作品が日本で公開することが増えていくんでしょうね。

 

 

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キャスト

主演のバジュランギおじさんことパワンを演じるのは、サルマン・カーン。

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インドには「ボリウッド映画界3大カーン」と呼ばれる人気の俳優さんたちがいるそうで、一人は「きっと、うまくいく」のアーミル・カーン、もう一人は「恋する輪廻/オーム・シャンティ・オーム」のシャールク・カーン、そして彼、というわけなんですが。

僕としてはアーミル・カーンしか知らず、初めて3大カーン何てのがインド映画を席巻してるなんて知りましたよ。

普通カーンって言ったら、オリヴァー・カーンでしょうよ。国が違えかw

あとスタートレックのカーンね。もはや言いたいだけ。

 

そんな彼の簡単にご紹介。

88年に映画デビューし(30周年でしたか!)、翌年「Maine Pyar Kiya」で主役を演じ、新人男優賞を獲得。

日本で公開した作品としては、恋人との仲を引き裂かれ親の取り決めた相手と結婚したヒロインが、再び恋人の下へ旅に出る「ミモラ~心のままに~」、正義のためなら何でもしてしまう型破りな警官のアクションマサラムービー「ダバング/大胆不敵」、そしてインド諜報局のスパイが対立するパキスタンのスパイに恋してしまうスパイアクション大作「タイガー/伝説のスパイ~」に出演しています。

 

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他のキャストはこんな感じ。

声を出せない少女シャヒーダー役に、本作でのオーディションによって選ばれたハルシャーリー・マルホートラ。

ラスィカー役に、「きっと、うまくいく」のカリーナ・カプール

チャンド・ナワーフ役に「めぐりあわせのお弁当」、「LION/ライオン 25年目のただいま」のナワーズッディーン・シッディーキーなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間と人間の間に境界線なんてねえんだ!ってのを説教くさく感じさせない映画になっているような気がします。

俺泣いちゃうかなぁ・・・。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

ラスト泣いたぁ~~!!

シャヒーダーのトンデモなかわいさと、バジュランギおじさんの信心深さからの男前な覚醒が折衷された笑いと涙のロードムービーでした!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子供に弱いモンキー。

ハヌマーンの神に熱烈な信仰を注ぐパワンが声を出せない迷子の女の子を家に帰すために、過去の歴史から憎みあっている隣国パキスタンへ裏口から入国するけど、俺の信念曲げません!てことで寄り道遠回りしまくりの冒険譚を、歌あり踊りありビンタあり異教徒との対立めっちゃありなお国事情も含め、おじさんも少女もめっちゃかわいいとこあって怖いおっさんも出てきて、急に心を入れ替えるジャーナリストも協力しての、笑いあり涙ありでポリウッド映画色満載の感動映画でございました!!!

 

シャヒーダーが声を出せない、そしてパワンも宗教上に理念からスムーズに行動できないという互いのハンディキャップが重なり、中々思うように事が進まない部分や、やっぱり上映時間3時間もあるので、また歌かよ~とか、バスの中で急に半生語り出したりとか中々本筋まで進まねえなぁ~と、細かい不満もありますが、全編通して楽しく見れた大きな理由は、パワン同様この迷子になってしまった女の子を家に帰してあげたくなる気持ちにさせていく、これに尽きるなぁと。

 

だってよ?あのシャヒーダーちゃんめっちゃかわいいでしょう!変な意味じゃなくね?

冒頭の子ヤギと戯れる姿、迷子になるけどきっと助かるということを予見した崖の木での場面、迷子になってしまい貨物列車で野宿する姿、パワンの圧倒的スター性に惹かれ、きっと彼を神様だと思ったのか彼以外についていこうとしない純粋な表情、それ以降は基本笑うか泣くか首を横に振るか縦に振るか手を挙げるかしかしない少ないジェスチャーでスクリーン映像を成立させてしまう破壊力にとにかくやられっぱなしの3時間でありました。

 

あとね、やっぱり6歳なのかな、興味を持った対象に向かって猪突猛進していくでしょう。だから劇中この子何回迷子になったって!

冒頭の崖の木の枝でしょう?ごはん中に肉のにおいに誘われてムスリム教徒の家でチキン食ってるときでしょう?ハヌマーンの神様にモノ盗もうとしてごめんなさいって謝ろうとしたときに、向かいのムスクに勝手にタッタッタッタって行っちゃうときでしょう?

これがね~困ったちゃんですねぇ~だめですよぉ~勝手にどっかいっちゃあ。って気持ちにさせるんだなぁ!怒れないよ俺!!!

反則級ですよこのかわいさは。

カワイイは正義!って世の中の女性に訴えるクソエステのCMがありますけどね、この映画に関してはその通りだと実感しました。はい。

 

 

歌も踊りも一級品。

冒頭パキスタンでのシャヒーダーのパートから流れるんですけど、パキスタンパートは基本歌と踊りあまりないんですよ。あることはあるんですけどお国柄ってことですかね、歌のみでした。

ところがインド(いんでぃあ!byストⅡ)でシャヒーダーが迷子になった途端町へ行ったらパワンがセンターで踊り出すというね。

ハヌマーンの神を称える歌と思ったらセルフィーガンガンやっていこうぜ!ってよくわからん歌w

しかも曲調がどことなく「江南スタイル」みたいな感じ。インドでも流行ったのかあれ?

踊りもいつも通りきちんとふりを揃えて町の人全員が踊るキレのあるダンス。床に赤い粉を巻いてあるから踊るとそれが舞ってまぁ華やか。

踊り終わったら、店の人にパワンが「スターみたいだったねぇ~」と茶化すセリフもあって、え?何だこれパロッたってこと?と一瞬疑問に思うも、なんだかんだで彼スターだからなぁと我に返るシーンでありました。

 

それ以降インドでのパートは度々踊るシーンが多々挿入されています。

ジャヒーダーが肉を食べるムスリム教徒であることを知り、いっぱいチキン食べなさいコケコッコ―!と歌うシーン何かが印象的でしたね。

 

ちゃんと対比もしている。

歌と踊りのシーンはパキスタンに入ると一気に減る、ということを上でも書きましたが、実は他にも立場が入れ替わるようなことも取り入れてたんですよね。

 

まず前半。

パワンは地元からデリーの町に住む父の知り合いのところに下宿することになります。そこの娘さんと恋仲になり、結婚を意識していくんですが、お父さんに半年以内に家を購入出来たら、という条件を出されるんですね。

そんな時にジャヒーダーを保護するんですが、自分の家ではないのでずっとは置けない。

しかも下宿先のお父さんは原理主義といいますか異教徒は家を跨がせないくらい頑固なお方。ジャヒーダーが異教徒と分かり、しかもクリケットでパキスタンを応援していることから、お父さんは直ちに国に追い返せ!とパワンに詰め寄るんですね。

それ以外にもパワンを困らせるようなことばかりしてるんですね。

 

で、後半。

いざパキスタンの家まで送り届けようとするんですが、国境まで送ってやるよと、金を巻き上げようとする男につかまるんですが、パワンは無視。

いやいや一人で行ったら警備隊に撃たれて終わりだから!と立場が逆になっても無視。

何とか説得して国境までたどり着き、トンネルからパキスあtんりょ内へはいることに成功するんですが、警備隊に許可を取らないとと言い張るパワン。

普通に考えてビザもパスポートもない人が国境越えたら強制送還ですが、ここパキスタンね、まず射殺だよね。

にもかかわらず許可をもらおうとするパワン。正気じゃないです。

ハヌマーンの神の教えで、何事もコソコソしない心構えを持つことみたいなのがあるとかないとかで、堂々としてれば道は開かれるという意味なんでしょうか。

結局警備隊に見つかり、正々堂々と許可をくださいとお願いするんですね。

あまりの真っ直ぐさにたじろいだのか仏の心が出たのか(あ、神様違うな)、10分後にここにきてまだいたら射殺するぞ!と逃げる時間を与えたのに、10分後そこで立ち止まったままのパワン。さすがにボコられます。

お前俺の話聞いてたか?次あったら撃ち殺すぞって言ったよな?はい、でも許可をもらってません。

何でしょう明らかに立場が下なのに上に感じるパワンの言い分w

これを結果3度もやって時間を費やしたパワン。この間シャヒーダーは、散々腕を引っ張っていこうよ行こうよ!ってやってたのに動こうとしないパワンに手をおでこにぶつけ、あちゃぁ~の連発。かわいい。

 

他にも途中肉料理を出した店で食べなかったり、警察に捕まってしまい、警官がシャヒーダーに手を出した途端反抗して投げ飛ばしたり、バスの添乗員に正直に話したりと、身を隠さないと大変なことになるのに、正直さと宗教上の理由などが災いし、全てが旅の足かせになってしまってるんですね。

 

このように前半困らせるのはシャヒーダーで、後半のパキスタンではパワンがシャヒーダーを困らせるという構造になってたんですね。

それでもお互いが怒らないのは、この映画が一番伝えたいことに繋がってくるんだなぁと部分に行きつきました。

 

 

ノーボーダーで行こうぜ。

声が出せないのは自らが望んだことではないからそれが原因で怒るのはおかしいし、宗教上の理由でどうしてもできないってのも尊重すべきこと。

オジサンと少女の間にはそれが当たり前のようにあったわけです。

この構造が物語が進むにつれて拡大していきます。

前半ではパキスタン人でしかもムスリム教徒だったことが分かった途端態度を変えた恋人のお父さん。

これがパキスタンに行くと、警察全体がパワンをインドのスパイと勝手にでっち上げて追いかけてくる。

互いが対立してしまい断絶をしてしまうことで、より対立が激化してしまっていることを映画の中で描いています。

 

イギリス領インド帝国が第二次世界大戦後に解体したことを機に、ヒンドゥー教徒とイスラム教徒の対立が激化、やがてインドとパキスタンは独立するも3度の戦争を招いてしまっているのが今日までの歴史。

そういった根強い対立が原因でパワンとシャヒーダーの旅は困難を極めているわけです。

 

しかしいざパキスタンへ行けば、親切に寝床や警察から匿ってくれる人たち、宗教が違うからといって拒絶する必要はない、誰でも受け入れると優しく手を差し伸べてくれるムスクの人、そして最初こそスパイと思っていたがちゃんと接していくうちに、命がけで本国に入り愛をもって迷子を家へ送り届けようとしているパワンを見て心境の変化を遂げていくチャンド・ナワーフなど、どの人たちも国の対立など一切気にせず寛容な人たちばかりなのです。

しかもこのニュースを扱おうとするマスコミはどこもいなく、チャンド・ナワーフはネットを使って報道します。

憎しみばかり報道して、こういう人の愛を扱うマスコミはなぜいないのか。

確かにどのニュースも国境を越えて育まれた微笑ましいニュースを見るのは少ないです。こういうニュースが日々流れれば対立などあるようでなかったりするのではないでしょうか。

むしろ勝手に対立しているのはお偉方だけだったりするんじゃないでしょうか。

 

一歩外を出れば違うことだらけの世の中。言葉も体格も常識も宗教も何もかも違うからといって、それを分断して何になるのか。心の中は同じなんじゃないのか。

このブログ恒例のミスチルの歌から引用すれば、

 

左の人 右の人

ふとした場所で きっと繋がってるから

片っ方を裁けないよな

僕らは連鎖する生き物だよ

 

これだよなぁと。

チャンド・ナワーフはそのことを声高に世界へ発信していくんですね。

 

たかがおじさんと少女のロードムービーが世界規模に発展していく物語の流れ、そして迎えるクライマックスに涙が止まりませんでした。

 

 

最後に

インド(いんでぃあ!ByストⅡ)の娯楽要素をふんだんに詰め込み、オジサンと少女、インドとパイキスタン、ヒンドゥー教とイスラム教など、さまざまな相反するものを背負った二人が旅していく過程で、そんなものに線を引く必要なんてない!という平和的メッセージを掲げ、最後は超感動のシーンで幕を閉じる、良作映画でした。

 

最初こそ落第ばかりで信心深いのが取り柄の優しいおじさん止まりのパワンが、少女の危機を救ったことで急に男らしさを出してくるところから急激に面白くなりましたね。

 

インド映画は社会問題をエンタメに混ぜて描く作品が多々あります。

学歴問題なら「きっと・うまくいく」、宗教問題なら「PK」など。それに今回国同士の対立を取り入れた映画が加わり、インド映画はますます面白く、しかもちょっと世界まで学べてしまうおまけつき。

是非見終わった後は2国間の歴史を調べてみるのもいいかもしれません。

俺もその辺詳しくわかんないんで勉強しますw

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10

映画「十二人の死にたい子どもたち」感想ネタバレあり解説 ただの自殺志願者のオフ会でした。

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1月25日

十二人の死にたい子どもたち

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少年少女たちに「死」がまとわりつく群集劇。

過去には「バトルロワイヤル」、「ハンガーゲーム」、「悪の教典」、「神さまの言うとおり」なんかが挙げられますね。

いわゆるデスゲーム系の映画ってやつですね。

今作も若い男女に「死」が絡んでくるお話ですが、今挙げた作品たちとはちょっと違う。

登場人物たちは「死にたい」んですね。でも、殺されるのはイヤだってことで

わがままだな!

なんだ!カレーは良いけど、カレーうどんはイヤだってか!

それならオレも同じだ!

よし、大目に見よう。

 そんな死にたい子達が集まって、みんなで死のうね~!いえ~い!あれちょっと待って、呼んでない人がいる!しかも死んでる!誰殺したの!?いやぁぁっ~~!!

っていう密室集団心理スリラー映画です。

 

恐らく犯人は誰だ!?ってのが先行される映画になるとは思うんですが、若者が死にたいと思う理由から現代の闇みたいなものを読み取ってみてみたら、この映画の価値が変わってくる気がします。

しかもこれ要はオフ会ですよね。

死にたいって思う子達の。

多分同じ思いをもっている人たちに会いたいってほうの気持ちが強いんじゃないかなぁ。

そんな映画じゃねえのかなぁ。

と、あれこれ予想妄想を膨らませています。

 

そんな期待を胸に早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

マルドゥック・スクランブル」「天地明察」の沖方丁が原作の同名小説を、「SPEC」や「ケイゾク」から「人魚の眠る家」と幅広いジャンルの人気作品を世に送り出している監督によって映画化。

集団自殺をするために廃病院に集まった見知らぬ12人の未成年の前に、見知らぬ死体が発見されたことで事態は一変し、犯人探しのために皆が疑心暗鬼になっていく、リアルタイム型密室ゲームを含んだ新感覚密室サスペンス映画。

これから生まれる作品にきっと欠かせなくなるであろう有望な若い俳優陣が集結し、作品に華を添えると共に、彼らの芝居によって上映中気が抜けない緊迫感を体感できる作品として完成された。

 

果たしてこの中に殺人鬼がいるのか?

ウソと騙しあいが交錯していく中で、彼らの死にたい理由から現代の若者の抱える闇が浮かび上がっていく。

 

十二人の死にたい子どもたち (文春文庫)

十二人の死にたい子どもたち (文春文庫)

 

 

 

映画「十二人の死にたい子どもたち」オリジナル・サウンドトラック

映画「十二人の死にたい子どもたち」オリジナル・サウンドトラック

 

 

 

十二人の死にたい子どもたち(1) (アフタヌーンコミックス)

十二人の死にたい子どもたち(1) (アフタヌーンコミックス)

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

安楽死を求めて廃病院の密室に集まった12人の未成年者たち。

主催者のサトシ(高杉真宙)、いじめられっ子のケンイチ(渕野右登)、ゴスロリ少女のミツエ(古川琴音)、推理好きのシンジロウ(新田真剣佑)、ファザコンのメイコ(黒島結菜)、高度な知性を持つアンリ(杉咲花)、吃音のタカヒロ(萩原利久)、学校の人気者ノブオ(北村匠海)、不良のセイゴ(坂東龍汰)、ギャルのマイ(吉川愛)、目立つことが嫌いなユキ(竹内愛紗)、そして、謎の少女・リョウコ(秋川莉胡)。

 

ところが、彼らはそこで13人目のまだ生温かい死体を発見する。

 

あちこちに残る不自然な犯行の痕跡や、次々起こる奇妙な出来事に彼らの安楽死は阻まれる。

計画は彼らしか知らないはずのため、この12人の中に殺人鬼がいるのかと探り合う一同。

死体の謎と犯人をめぐって嘘と騙し合いが交錯するなか、彼らの死にたい理由が生々しくえぐられていく。

いつ誰が殺人鬼と化すかも分からず、パニックは最高潮に達する。

彼らは安心して死ねるのか、それとも怯えながら殺されるのか……?(MovieWalkerより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

監督

今作を手がけるのは堤幸彦

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いろ~んな映画を撮っております。

それもTV局製作が多いですかね。いわゆる何でも屋のイメージ。

去年は「人魚の眠る家」がありましたね。

恐らく日本アカデミー賞に絡んでくるでしょう。松竹代表で。

でもブルーリボン賞には入ってないな・・。

 

今回密室サスペンスということですが、これまで複線を張り巡らせたサスペンス映画をいくつか手がけているので、ある意味得意のジャンルかもしれません。

最近だと「イニシエーションラブ」とか作ってましたね。

とりあえずお手並み拝見ということで。

監督に関してはこちら。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

登場人物紹介

 

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左上から。

  • 1番サトシ(高杉真宙)・・・15歳。高校1年生。安楽死の集いの主催者。冷静沈着。「僕は死に取り憑かれてしまったんです。」

 

  • 2番ケンイチ(淵野右登)・・・16歳。高校2年生。いじめられっ子。空気が読めない。「僕なんて人を恨んだり憎んだり・・・がっかりすることばっかりだったもんなぁ」

 

  • 3番ミツエ(古川琴音)・・・16歳。高校2年生。ゴスロリ。大ファンのバンドマンはゲリ閣下。「死ぬときはいちばん美しいと思う姿でいたいから」

 

  • 4番リョウコ(橋本環奈)・・・17歳。高校2年生。芸名:秋川莉胡。天才子役から人気女優へ。大人びて冷静。「死ぬときまで誰かに利用されたくありません」

 

  • 5番シンジロウ(新田真剣佑)・・・17歳。高校3年生。推理好き。クスリや医療機器に詳しい。「自分の死は自分の意志で決めたい」

 

  • 6番メイコ(黒島結菜)・・・18歳。高校3年生。ファザコン。利己主義。「ろくでもない女が多すぎるんです」

 

  • 7番アンリ(杉咲花)・・・17歳。高校3年生。全身黒。高度な知性。「自分は生まれてこないほうがよかった」

 

  • 8番タカヒロ(荻原利久)・・・16歳。高校1年生。吃音。クスリを常用。「とにかく深い眠りにつきたい」

 

  • 9番ノブオ(北村匠海)・・・18歳。高校3年生。爽やかな青年。学校の人気者。「無昔っから大抵のことは人並み以上にできちゃったから」

 

  • 10番セイゴ(坂東龍汰)・・・15歳。高校1年生。不良キャラ。弱者には優しい親分肌。「ババアの周りには殺しなんて屁とも思わねえのがゴロゴロいるからな」

 

  • 11番マイ(吉川愛)・・・17歳。高校3年生。ギャル。難しいことがわからない。「ごめん。マイ、全然追いつけない。」

 

  • 12番ユキ(竹内愛紗)・・・15歳。高校1年生。おとなしい。目立つことが嫌い。「もう楽になってもいいはずだって・・・そう思ったんです。」

 

  • 13番・・・???

 

 

 

 

 

 

 

キャスト発表並びに4番は誰か!?に話題が集まった今作。

なんか、ホームページから#廃病院集合のページに飛ぶと、時計のように数字が並んでてカーソルもっていくと様々なワードが出てくるんですけど、「11」だけ輪からはみ出てるんですよね~。

ミスリードでしょうか。

そもそも犯人いない説がオレの中にはあるんだが・・・。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

まぁみんな死ぬわけないよね、ってわかりきっていたから、もっと「死」を煽ってほしかったよね~。

というわけで色々中途半端に感じたお話でした。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局何がしたかったのでしょう。

12人の若者たちが廃病院に集まって集団安楽死を遂げようとした矢先、招いていない13人目の、しかも死体があることで、それぞれの意志統率に乱れが生じ、事態は13人目は誰なのか、13人目はなぜここにいるのか、13人目が死体ならば自殺なのか他殺なのか、という犯人探しに発展していく流れとともに、個々の死にたい理由が明らかになり「死にたい」絶望感を共有し呼応することで、それが「生きたい」希望へと導かれていくサスペンススリラーでありながら青春群集劇へとスライドしていく作品でございました。

 

冒頭でデスゲーム系の映画、とはちょっと違う話なんだろうと自分で言っていましたが、予想通りの映画でした。

 

だってそもそも「十二人の怒れる男たち」をもじったタイトルですよ、そんなの「死にたい」って思ってる人の中に反対意見が一人いて、話がこじれていくって筋道が既に予想できるわけで。

だからこれは希望に向かって話が進んでいく映画なんだろうと。

 

ふたを開けてみればまさにその通りで、招かれざる客がいたことで集団安楽死実行に足並みがそろわなくなっていくわけです(ぶっちゃけそんなの無視して実行すればいいのに)。

しかも都合のいいことに趣味が推理だという人物がいたことで、どんどん安楽死の事など忘れて犯人探しへと発展していく。

 

そしてこの事件が二転三転していき・・・ってことなんですが。

 

率直な感想を申し上げれば、予想できた結末であったことに異論はありませんが、その答えにたどり着くまでの過程が非常に浅く、結局何をしたかったんだろうとつい感じてしまいました。

 

その理由の一つは自殺という決断に至った彼らの意志の弱さ。

基本的には皆「生きたいけど誰かや何かによって生きていく自信を無くした」という理由で集まったわけです(まぁ当たり前か)。

いじめ、家庭内でのゴタゴタ、病気という理由が分類されますが、なんだろう病気はしょうがないとして、それ以外は何とかして逃げれば生きていけるという選択をしないまま自殺を望んでいる子たちばかりだなぁ、と思っちゃいまして。

そりゃあ子供ですから親の保護下にあるわけですから、勝手に逃げるという選択はできないんでしょうけど、せめてぎりぎりまで悩んで自殺するって決断に踏み切った奴が一人でもいてほしかったなと。

で、そいつによって自殺しないって空気の中、場を荒らしてほしかったなぁと。

まぁそんなに死ぬことの意志が強い奴は、みんなで一緒に死のうね!なんて思わないんでしょうけど。

 

あとは自殺を望んでいるのにどいつもこいつも明るいし、我が強いし、本気で自殺したいように見えない奴らばかり。

本当に自殺したいんだなぁってやつ12番の女の子だけに感じましたね。

一番誰とも会話しようとしないし暗いオーラガンガン出ていたし、あぁマジで生きてるの辛いんだなと。

他のメンツはどこかまだ生きていてもいいことある、みたいな部分がちょっと出ていて、そんな子たちが犯人探しするからどうも死ぬ気あるのかこいつらと。

 

あとはこれ原作通りだからしょうがないんでしょうけど、いるはずのない13人目を連れてきたのは誰なのかっていうイベントが発生したことで、メッセージ性が弱くなってしまっていること。

もちろん映画を面白くするためのエピソードなのだからそこいらねぇってどういうことよ?ってなるんですけど、この13人目は結果殺されてないんです。

既に死んでいて誰かが運んできた、その犯人は誰かってことなんで、「死にたいから殺さないで」ってキャッチコピーがもう全然間違ってるんですよね。

誰もそんな殺さないでって劇中で言ってないし。

だったらもう誰かが殺したことにして、殺人犯が紛れていて、みんな本気の疑心暗鬼になってやっぱり生きたい!って方向の方が話が盛り上がるし、こんな危険を感じた、生きててよかった!って方がメッセージ性も強く響いたりしないかなと。

 

僕としては本気で自殺したい人たちが集まったのだから、本当にこれで人生終わりにしていいの?って議論を若者なりの価値観や考え方で2時間とことんやってもらってそれで答えを出すっていうガチの会話劇の方が面白い気がするんですけどね。

「真剣10代シャベリ場」みたいな感じで。

そしたらお客さん来ないかw

 

一応テーマとしては、一人で「死にたい」と悩んでる気持ちを他者に打ち明け意思疎通していくことで、心の重さは軽くなるからみんなオフ会に行こうぜ!ってことなんすかね。

ただでさえ今の社会色々な人が出てきては悩み戦い生きているって人が多いわけで、そんな同じ気持ちを持った人が近くにいるだけで案外救われることが多くて

もちろんそれだけじゃ何の解決にもならないんだけど、誰かがいるってことで生きる希望になるんだよな、そんなことをこの映画は伝えているんだなぁと。

 

とにかく一人で抱え込んでないで誰かに打ち明けてみませんか、死を選択する前に。

生きてりゃいいことあんだよ、いつか。

今すぐってわけじゃないけどね。

 

 

ザックリ解説。

エンドクレジットで時間軸を説明する映像が流れるので、それを見ればどういうトリックだったのかってのが簡単にわかると思いますが、それやると核心に触れるので、とりあえず12人の死にたい理由なんぞをザックリ書こうかなと。

 

1番サトシくん。

彼は舞台となる廃病院の院長の息子でした。

院長である父は鬱により自殺、その理由は兄が医大に落ちたことが原因で母と共に無理心中を図り、別々に暮らすことになったから。

急に自分の周りに死が蔓延したことで、死に憑りつかれてしまったことが理由でした。

彼は基本自分の意見をあまり言わず、周りを見るのが役目。

だから12人の中では一番不気味。

 

2番ケンイチくん。

彼は空気が読めない性格のため周りからよくウザがられてしまいがちで、それがいじめに繋がってしまった。

いじめの発端は担任の先生から。

典型的ないじめのパターンですね。

みんなが集まって集団安楽死の実行を最初に反対したのは彼から。

 

3番ミツエさん。

死にたい理由は大好きなビジュアル系バンドのメンバーが自殺してしまい、生きる理由がなくなったから。

急に方言で喋るシーンがあるので地方の子かと。

4番が人気女優の秋川莉胡だと知り、あなたが死んだらファンが後追い自殺する、だから死なないで、そういうのは私で終わりにするから、と彼女の自殺に猛反対する。

 

4番リョウコさん。

人気女優であるが故に、今の自分は大人が作り上げた商品でしかないことにストレスを抱えている。

だから芸能人としてでなく、自分の意志を貫くために自殺を志願している。

結構な喫煙者。

 

5番シンジロウくん。

劇中13人目の死体が現れたことで、趣味を生かして推理を勝手にはじめる。

両親は警察官。

彼によって今回の事件の犯人が暴かれていく。

余命いくばくの病気を患っているため医療機器やクスリの効果などはかなり詳しい。

髪の毛はカツラ。

 

6番メイコさん

愛する父が何人も母親を変えており、ろくでもない母親は排除されるという考えをもっている。

父の会社が倒産しており、自分が死んで江保険金が入れば大好きな父は私のおかげで助かった、だから一生私の事を忘れないと考えている。

が、自殺したい理由はそんな父親に自分も排除されてしまったことが原因。

劇中ではひたすら我を貫くことで場を荒らしている。

 

 

7番アンリさん

左脚全体に大きな火傷の痕。

幼少の頃ろくに子育てせず帰宅しない母がたまたま帰ってきてタバコを吸ったのが原因で火事になり、弟はそれによって死亡、自分は屋根の下敷きになり左脚に大きな火傷を負う。

集団安楽死をすることが公になれば、社会に対して生まれてきてしまったことへの抗議になると考えている。

 

8番タカヒロくん。

吃音障害を患っているため、小さいころから母親に色々な薬を飲まされており、その結果頭の中がいつもぐしゃぐしゃしているために死にたいと決断。

序盤で13人目を殺した人物を特定しており、意外な観察眼を持っている。

 

9番ノブオくん

昔から大抵の事は人並み以上にできるため、いじめの対象にされていた。

その主犯格を階段から突き落とした過去がある。事故死と断定されたが本人はそのことが頭から離れず自殺を使用と考える。

 

 

10番セイゴくん。

母親の事が大嫌いで、その母親と付き合っている連中は恐らく暴力団関係者。

自分に保険金がかかっており、それが母親の手に渡らないようにするには自殺することが一番と考え今に至る。

不良だが意外と兄貴肌の持ち主で、ケンイチのいじめに関し、ここで出会ってなければ俺が何とかしたのにと吐露する。

 

11番マイさん。

ギャル。

気持ち悪いオヤジに無理矢理ベロチューされたことで、病気が感染ってしまい自殺しようと考える。

その病気は口の中にできたヘルペス。(笑うところです)

劇中みんなの事を勝手にあだ名で呼ぶ。途中難しい話題になると「マイには難しくてついていけない」といちいち自分の今の心境を話す。

 

12番ユキさん

事故の後遺症が原因で、早く楽になりたいと願っている。

このメンバーの中では一番口数が少なく、本当に自殺したいオーラを放っている。

 

 

 

振り分けられた番号は廃病院に到着した順番を現しています。

11時に部屋の鍵を開けているので12時までに来てくださいというメールがサトシによって事前に送信されており、皆病院の裏口から金庫にある番号札をもって部屋に向かいます。

冒頭では全員が集合するまでに、何かしら不自然なモノ、音、出来事に遭遇します。

  • 主催者サトシが到着する前に配電盤の電源が入っていたこと
  • 裏口からしか入れないのに、正面玄関のドアが開いていたこと
  • そこにモップが落ちていたこと
  • 女子トイレに男物のスニーカーが片方落ちていたこと
  • 受付に帽子とマスクが置いてあったこと
  • 人が落ちたような物音がしたこと
  • エレベーターが椅子でつっかえて6階でとまっていたこと
  • そして1番のベッドに死体がねむっていること

一体誰の手によって事件は起きたのか、この不自然な事象をみんなで究明していくわけです。

 

 

 

はい、劇中で語られていた自殺したい理由とおかしな部分はこんな感じです。

犯人はだーれだ?ってのを、ヒントを残して書いてあります。

ちなみに一人じゃないです。

それと振り分けられた番号は到着順、というのも実は大きなトリックに繋がっています。

本当にこの到着順なのか?ってのはセリフを聞いているとすぐわかるかと思います。

 

 

最後に

なんかもうね、全てにおいて順序が良すぎるというか、演技も何もかもお行儀が良すぎるというか。

予定調和過ぎるんですよねぶっちゃけ

心理サスペンスって、予定が乱れる出来事が起きるから面白いわけじゃないですか。なのに物事全てが順番どおりなんですよね。

最初に不自然なことをこれ見よがしに見せるのも優しすぎるし、どんでん返し的なことも正直弱い。

会話劇なのに、誰か途中で口を割って意見を言うなんて状況もない。

誰か言ったら次の人が言う、そいつが話し終わったら次の人って具合に。

誰もアドリブ的なことしてないというか。

 

気になったのは、途中誰かフェードアウトするんですけど、みんな探しに行かないんですよ。戻ってくるだろって。で、いないなら仕方ない、決を採りましょうっていうんですよ。

いやいや!探しに行けよ!

12人全員揃って安楽死実行なんだろ?

あたかも戻ってくる前提で話が進むんですよ、しかもそのいなくなった人物は事件の全容を知ってるってことだったんですよ。それを把握するまで次にいけないのにそいつが来ないから話進めるって変でしょう。

 

とまぁ色々不満な点は多く、こちらを欺くようなトリックにも感じず。

 

とりあえず生きる希望を見せる映画を作るなら、こういうテイストの映画でなく、もっとど真ん中の映画を作ってくれ。

てかあれなんだよな、死生観を見せる映画だったのかもしれないけど、命の重さ的なことは一切語られなかったな。

 

とにかくこれからの芸能界を引っ張っていくであろう役者大集合って事だけは価値のある映画でした。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆★★★★★★★3/10

映画「サスペリア」感想ネタバレあり解説 リメイク版は色々と深いし不快になる描写連発です。

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1月25日

サスペリア

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こんにちは、怖いの苦手なモンキーです。

イタリアの有名なホラー映画がリメイクされるそうで。

しかも監督するのが、少年と青年のひと夏のまぶしいほどの愛を描いた「君の名前で僕を呼んで」のルカ・グァダニーノってことで、めっちゃ興味。

正直、怖いの苦手なのでオリジナルはこの段階では観ておりません。

観てから行くか、観ないで観に行くか、非常に悩んでおります。

 そもそもどう怖いのかもわかっていないので、観て泡ふかねえかな大丈夫かなとビビリまくりです。

そこまで怯えてるなら観にいかなきゃいいのに、とお思いでしょうが、そんな風に見ない理由を決めたら今後も見ないでしょうし、映画好きの名が廃るってもんで。

もしかしたらオレハマるかもしれない。

興味あるものは見る、僕の中の少年は「好奇心」が原動力なんでね。

がんばって歯を食いしばって行ってきますよ(ガクガ゙クブルブル・・・)

 

てなわけで早速鑑賞してきました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

“鮮血のイリュージョン”の異名を持つイタリアの映画監督ダリオ・アルジェントの代表作「サスペリア」。

日本で公開当時「決してひとりではみないでください」という謳い文句で観衆の興味を煽り、それまでのホラー映画のイメージを覆した名作を、昨年圧倒的評価で話題をさらい、世界中の男女を魅了させた「君の名前で僕を呼んで」のルカ・グァダニーノ監督が大胆にリメイク。

有名舞踊団に入団するため訪れたヒロインが、次々と起こる謎の殺人事件や怪奇現象に巻き込まれていき、これまで明かされるのことのなかったバレエカンパニーの闇が浮き彫りになっていく物語を、それまで誰も見たこのない色彩や恐怖、初の劇伴を担当したレディオヘッドトム・ヨークによるおぞましくも官能的なメロディによって、悪夢ながらも感動的な作品へと完成させた。

 

監督を目指していた当初から暖めていたこの企画は、ベネチア国際映画祭で上映された際、そのあまりの芸術的挑戦と挑発に、空前の賛否激突を生み、数々の感動と号泣、罵声と失神を巻き起こした。

 

果たして国内で再びトラウマが増殖てしまうのか、それとも崇高なホラー映画として賞賛されるのか。

今作も「決してひとりで見ないでください」。

 

 

 

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あらすじ

 

 

 

女たちが踊る夜、禁断の宴がはじまる。

 

1977年、ベルリンを拠点とする世界的に有名な舞踊団<マルコス・ダンス・カンパニー>に入団するため、スージー・バニヨン(ダコタ・ジョンソン)は夢と希望を胸にアメリカからやってきた。

 

初のオーディションでカリスマ振付師マダム・ブラン(ティルダ・スウィントン)の目に留まり、すぐに大事な演目のセンターに抜擢される。

 

そんな中、マダム・ブラン直々のレッスンを続ける彼女のまわりで不可解な出来事が頻発、ダンサーが次々と失踪を遂げる。一方、心理療法士クレンペラー博士(ルッツ・エバースドルフ)は、患者であった若きダンサーの行方を捜すうち、舞踊団の闇に近づいていく。

 

やがて、舞踊団に隠された恐ろしい秘密が明らかになり、スージーの身にも危険が及んでいた――。(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

 

監督

今作を手がけたのはルカ・グァダニーノ。

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去年映画ファンの誰もが個人的ベストに入れたであろう「君の名前で僕を呼んで」。

僕も去年の7位に入れさせてもらったほど。

いつまでも心に残るような、いや、あの映画で見た感覚はすでに心に焼き付いていてそれを再び思い起こさせた、そんな気持ちにさせてくれた素晴らしい映画でした。

なんてったって、北イタリアの避暑地に行きたい!って思わせる映像の美しさがあふれてましたよね。

 

だからさ、なぜにホラー映画!?って思うわけですよw

一応この映画のリメイクをずっとやりたかったって言ってますからね、それならぁ、うん、しょうがないよなぁと。オレも見てみるよ監督、と。

次回作はどうやら「君の名前で僕を呼んで」の続編やるみたいです。あのエンディングから始まるとかネットで見たぞ?

場所もイタリアから別の場所へ移るとか。

ウン、楽しみ。

監督に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

キャスト

主人公スージー・パニヨンを演じるのはダコタ・ジョンソン。

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監督作品にはこれで2作目の出演だそうです。

僕としては彼女の作品はあの問題作「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」しか鑑賞してなくて、それに続いての鑑賞作品になるのかと。

あの映画はまぁ面白くなかったなぁ・・・。

あ、一応超チョイ役で「21ジャンプストリート」に出てたなぁ。潜入捜査官役だったかなたしか。

色々チョイ役で出てるので、大きな役はやはりフィフティシェイズ以降になるのでしょう。

今作ではコンテンポラリーダンスが作品の肝になっているので、普通に演じるだけでなく踊りの方も演じるのが大変だったことでしょう。

その成果がどんなものか、楽しみです。

 

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他のキャストはこんな感じ。

マダム・ブラン役に、「ミラノ、愛に生きる」、「胸騒ぎのシチリア」などグァダニーノ監督作品常連の女優ティルダ・スウィントン。

サラ役に、「ニンフォマニアックVol.2」、「エベレスト3D」のミア・ゴス

パトリシア役に、「キック・アス」、「モーリス」、「キャリー」のクロエ・グレース・モレッツ

そしてアンケ役に、オリジナル版「サスペリア」で主演のスージーを演じたジェシカ・ハーパーなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

多分僕が思う怖い映画ってのは、怖そうなキャラが怖がらせるタイプの映画なので、恐らくこの映画はそういう怖さを秘めている映画ではない、とは思うものの、やっぱり怖そうだなぁと。

しかもトムヨークが音楽ってのがなぁ。絶対ディスコードとかたくさん使ってるタイプの曲だよきっと・・・。

うし!気合入れて見っぞ!!

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

なんてこった!!!

いささか凡庸に進んでいくからあれ?だったけど、クライマックスが阿鼻叫喚過ぎて鼻息フンガフンガでしたっ!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一応オリジナル観ました。

学校の推薦もなく体一つでカンパニーの門を叩いた主人公スージーの周りで起きる不可解な出来事、表の顔は講師で裏の顔は魔女とそのトップを決める派閥争い、失踪した患者の行方を探す精神科医、背景にドイツ赤軍のハイジャック事件といった社会情勢をうまく物語にはめ込んだ今作は、美しくも怪しいコンテンポラリーダンス、目を伏せたくなるようなゴア描写、クラシカルな色彩からの深紅といった官能と恐怖の二重構造的ビジュアルと、電子音やギターのアルペジオといった音色を巧みに操り作品に不可解さと不快感を煽ったトムヨークの劇伴によって、2時間半という長尺を退屈ながらもある意味夢見心地にさせたグァダニーノ監督の意欲的作品でございました。

 

 

とりあえず先に、オリジナル版について。

結果リメイク版を楽しむために、予習として自宅で鑑賞しました。

はっきり言ってそこまで面白くはなかったです。

感じたのは様々な強みを帯びた色彩と、蛆虫やら死体のグロさが際立ったビジュアル重視の映画だったんだなということ。

それ以外はどこか拍子抜けした物語だったなと。

アメリカからやってきた主人公が、バレエカンパニーで水面下で行われている悪行に気付きもせず、昼間はフラフラ踊って、夜は友人の話もおぼろげに聞いて、ってちゃんと主人公やってくれ!って感じだったのに、結局お前が魔女倒して終わりかよ!って感じでなんだかなぁと。

終始苦笑した感じでした。

 

だからおいおい今回のリメイク大丈夫なんか?って半信半疑で臨んだんですが、はっきり言ってこっちの方がまだ面白い。まだね。

なんでまだ面白かったって表現かというと、オリジナル版での薄っぺらい感じのお話よりもボリュームがあったし、グロテスクな表現もこちらの方が明らかに悍ましくそれでいて美しくも感じたんですね。

しかしながらスージーが見たサブリミナルチックな夢だったり、不可解なセリフ、社会的背景なんかが入ったことでオリジナル版のようなスムーズな進行というのが無くなっていて、素直にこれはすごい!面白い!とは言えないってのが僕の率直な感想

 

そして正直終始ダラダラ緩急つけずに進む作品はどうしたって睡魔が襲ってきてしまうのが僕の弱点であり、今作もそれに属する作品だったわけで。

でもまぁこの感想を書きながら色々整理してみると、色々思いついたことが出てきたので、それをいつもながら勢いで書いていこうと思います。はい。

 

結局咀嚼してかみ砕いてかみ砕いてかみ砕いてみると、入り口と出口はオリジナル版と一緒だったんですよね。

で、入り口から出口までの入り組んだ道々を監督のやりたいようにやったんだなと。

料理で例えるならば、名前こそ同じものの、素材の切り方選び方下ごしらえ焼き加減煮込み加減など料理の仕方を全く違う方法で作っていき、そこにドイツ赤軍という当時の反帝国組織から見る社会情勢というスパイスを加え、一癖も二癖もある全く別の料理に変えてしまったと。

ここまで変わってしまうものかという点においては驚きを隠せません。

 

オリジナル版て、カンパニーの中でだけでお話を完結させるんだけど、監督は当時のドイツはあれだけ大変だったのにそりゃないぜ!(ドイツの秋ってのがあったんですって)ってこと入れたんでしょうねきっと。

実際お話の中でもこのドイツ赤軍がハイジャック事件を起こし、行方不明だったパトリシアがダンスも大事だけどこっちも大事ってことでそっち行っちゃったってことにされてたり、そのパトリシアの行方を捜しているクレンペラー博士も、奥さんが強制収容所に行っちゃって、そのことで心を痛めているという設定が加わっており、作品により時代性が増したものになっていたんだなと。

 

 

バキッ!ボキッ!

そんな時代背景を加えた今作の描写ですが、まぁ~中々の目を伏せたくなるような映像が要所要所で映っておりまして、ホラー苦手な僕を悩ますものでありました。

 

訪れたのはスージーがセンターで踊りたいです!って言ってから。

そもそもスージー、普通誰かの推薦とかテスト受けて合格したとか裏口入学とかそんなこと一切してないんですよね。

マダムブランのダンスに惹かれてやってきました、ぜひ入れてください!って感じでやってきて、じゃああんたの踊りみてあげるから、その代わり音ナシね、マダムブランなんかあんたの踊り観ませんって悪い待遇受けて、そして踊ってみたらアラヤダ、素晴らしいじゃない、って思った矢先、別の教室でスージーのすんばらしい踊りを第6感で感じるマダムブラン。

そんな逸材を入れないわけにはいきませんてことで、即入門。

で、10か月もかけて準備してきた「民族」という踊りのレッスンをやろうとしたんだけど、センター不在(パトリシアがいなくなったので)、どうしようこうしようオルガやってとマダムブランからのご指名。

で、ご指名受けたオルガは、なんでパトリシアはいなくなったの!と急に発狂。

あんたのせいよ!あんたは魔女よ!といって出て行ってしまうんですね。

あ~あ、またセンターいなく名ちゃった、誰かやってみないセンターとマダムブラン。

誰も名乗り出ません。

いやいやセンターだよ?花形だよ?なぜ手を挙げねえ!千載一遇のチャンスじゃねえのか!?

と、みんながウジウジしてると、はい!私やりまぁ~すッ!と、何も状況把握してないアメリカ娘スージーちゃん元気よく挙手!

はいよくできました!じゃねえよ、空気読めよ、お前みたいな新米が10か月も準備して作り上げてきたこのダンスのセンターをそう簡単にできるわけねぇだろ、ちっとベルリンの風に吹かれて頭冷やして来いこのバカたれ、と誰もが思ったことでしょう。

しかし、彼女のポテンシャルと熱意は相当なものでした。マダムブランは、それこそまだまだ完成度は低く粗削りなものでしたが、彼女のその才能に惚れ惚れし彼女をセンターに置くことを決めるんですね。

何ですかこの出来すぎたシンデレラストーリーは。AKBだってそんな奴いなかっただろうに。

 

で、このダンス披露の裏で何が起きていたかというと、途中で発狂して帰ってしまたオルガがすれ違った別の講師の魔術によって、ひたすら涙を流しながら自分の意志とは違う場所へ連れていかれ、急にダンスを踊る羽目に。

スージーが腕をびしっと伸ばせば、オルガは腕を折り、スージーが回転すれば、オルガは腰を砕き、スージーが足を開けば、オルガの足はとんでもないい方向に曲がり、スージーが飛び跳ねれば、オルガは思いっきり鏡にぶつかり、体がボロボロになるんですね。

そんなオルガの前に講師改め魔女たちがやってきて、よく精肉工場とかで豚に引っ掛けるようなフックを彼女にぶっ刺します。あ~~~~~っ!!!!!目が‼目がぁ~~~っ!!

モンキーに30のダメージ!残りHP60!誰か回復魔法ください!!薬草でもいいです!

 

とまぁこんな具合で、強烈な映像を見せてくるわけですよ。

 

で、こんなの所詮前菜ってことで、さらに血まみれの映像がガンガン飛び込んできます。

 

どうやら講師改め魔女たちは、ボスを誰にするかで投票していたようです。

マダムブランかマザーマルコスか。

で、ボスになったマルコスの新たな体探しをしてるんですね。

それがパトリシアであり、オルガであり、スージーであると。

そんな体探しに嫌気がさしたのか、魔女たちの中でひたすら黙っているメガネのおかっぱのおばちゃんがいまして。

ある日食事をしていると、急にナイフ持ち出して首の動脈めがけてサクッと一切りしちゃいます。

あ~~~~~っ!!!!!おいおい勘弁してよ!ちゃんと予告しといてよ急にやらないでくれよぉ~っ!!と、モンキー20のダメージ。残りHP40です。

 

 

その頃スージーの友人サラは、外でクレンペラー博士から、あのカンパニー秘密の部屋があるよきっと、と吹き込まれていて、夜中声がする方へ行くと、グロテスクな臓器の置物が並んでいる部屋を見つけます。

そこで首を切って自殺しようとした魔女の手当てをしてるところを見ちゃうんですね。

これを観たことが魔女たちにバレて彼女もまた餌食になってしまうんです。

 

で、とうとうダンスお披露目という名の儀式当日。

サラちゃん衣装来たけど控室にいません。

そう、またあの秘密の部屋の方へてくてく歩いて行っちゃうんですね。そこで傷だらけで弱っているパトリシアとオルガを見つけちゃうんですけど、見た目が妖怪だったもんだから逃げちゃうんですね。

もちろんこのことを未だ姿を現さないマルコスはわかっていて、彼女の足めがけて床からザクっ!!と突き刺すんですね~。

またこのサラちゃんの叫びがねぇ、女の子がよく言う「きゃぁ~~~っ!!」じゃないんですよ。

何でしょう声高めの「きゃぁ~~~っ!!」って、怖いもの見た時の声のいめーーじなんですけど、実際傷を負った時はそんなもんじゃないんですね。腹の底から「ぐうぃやぁ~~~っ!!」なんですよ。しかもめっちゃ声が低い。

これがまた恐怖を助長させてくれるんで、まぁ~嫌な気分です。

 

で、彼女がいないと儀式が成立しないので、マルコスの呪いを体内にしまい込んだままそのままダンスに参加させるんですね。

しかしサラちゃん結局お披露目の前で再び倒れ叫びます。

 

そしてとうとう本当の儀式へ。

ここで起きたことは核心に触れるので伏せますが、マザーマルコスのビジュアルよ!!

それあれだよ、妖怪百目だよ。百個目がある妖怪。

真っ裸で胸が垂れてるのはまだいいとしてお腹の脂肪がただれて、しかもそれでいてサングラスってどういうセンスだよ。

そんな彼女の前で生徒たちが素っ裸でひたすら激しい踊りをしています。

その真ん中で腹を掻っ捌かれている素っ裸のサラちゃん!!腸が飛び出しています!

うわぁ~~~~~っ!!

 

マダムブランもマルコスの術で首をボキッ!と手とうでやられてしまいます。

そこへ真っ黒で詰めの長いバケモノが登場し、マルコスを瞬殺!そして投票でマルコスにいれた講師たちを一人ずつ瞬殺していきます。

この場面常に場面が真っ赤です。そんな中でこの真っ黒クロスケが一人ずつ首根っこを掻っ切っていくたびに血しぶきが飛び散ります。

そしてスージーが自分の胸元に手を伸ばし、内臓を見せつけます!

この後彼女によってパトリシアもサラもオルガもある意味救われていきます。

まさにこのクライマックスシーン、阿鼻叫喚、画面真っ赤だけど俺顔面蒼白、戦々恐々です。

俺はこんな地獄絵図が描かれてるなんて聞いてない。

ただこの後講師たちがお掃除してる光景を見てちょっとほっこりしましたw

 

 

とまぁかなり刺激的なシーンがあったんですけど、怖いの苦手とか言っておきながら意外とちゃんとまじまじと観れたんですよね。

残りHP5くらいでしたけどw

 

 

最後に

結局何が言いたい映画だったって、スージーちゃんは救世主だったんですかね、アメリカからやってきた。

あたしは魔女の血を引いた継承者って嘘ついて生徒たちを好き放題しているマルコスどもを成敗するために生徒たちを解放するためにやってきた、マダムブランも彼女の力に気付いていて、でも彼女を娘のように可愛がっていて気持ちが揺れ動いていて。

そういう話の中にクレンペラー博士というナチス政権を生き抜いたにもかかわらず奥さんの事で後悔しっぱなしの男を入れ、彼の顛末はスージーによって意外な方向へと向かっていく、その行為が果たしていいことなのか悪いうことなのか、てか何彼女は救世主じゃないの?という事を観客に考えさせて終わるというなかなか奥が深い映画だったんだなと。

 

まぁ凡人以下の低能なあたくしの考えなど忘れてください、てかスージー様この映画の中でのホラー描写を忘れさせてください、夜眠れません。

 

僕が敬愛してやまないナオミント姐さんの記事も貼っておきます。

絶対僕のクソミソな感想よりすごくうまく伝えていることでしょう。

是非寄り道を!

 

www.cinemashufu.com

 

ちなみにクレンペラー博士、公式には本人が演じてるとか書いてますけど、これどうやらティルダスウィントンが演じてるみたいんですね。

なんか爺ちゃんなのに声が女っぽいなぁと思ったんですよ!でも素っ裸のシーン、ち〇こあったような・・・。

しかもどうやらティルダ様、3役演じてるそうで、もう一人何かを演じてるそうなんですが、もしかして…??あれ???

 

まぁでも僕はこういうのは正直得意でもないし、もう一度見たいかと言われるとう~ん、という気分です。

でも大好きな人は何度も観て色々考察したのを書いてもらえると、僕のようなバカは助かりますw

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

モンキー的2019年2月期待の新作映画

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1月26日

モンキー的2019年2月期待の新作映画

 

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寒いですね~。

やってらんないですね~。

でもそんなときこそ筋肉体操だと思うんです。

代謝をあげるなら冬!

映画を観るのも冬!

ウン、つなげるのへたくそ!

 

はい、アカデミー賞授賞式が2月25日に行われるので、ノミネート作品が少しずつ日本でも公開されてくる流れです。

今回はすでに公開してる作品なんかもノミネートされてるので、どうなるかわかりません。

てかさぁ、今年配給会社頑張ってるよね。受賞式前に結構見れそうじゃん。

いいこと!これはいこと!

要は新作映画も授賞式も楽しもうぜ!ってことで。

ではどーぞー。

 

 

 

 

 

 

 


七つの会議

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

 2月1日公開

 

  • 出演

 

八角民夫・・・野村萬斎

北川誠・・・香川照之

原島万二・・・及川光博 他

 

  • 解説

 

 テレビドラマ化もされた池井戸潤の同名企業犯罪小説を、野村萬斎主演で映画化。

中堅メーカー・東京建電の営業一課で万年係長の八角民夫は、いわゆる「ぐうたら社員」。トップセールスマンで、八角の年下である課長の坂戸からは、そのなまけぶりを叱責され、営業部長・北川誠が進める結果主義の方針の下、部員たちが必死で働く中、八角はひょうひょうとした毎日を送っていた。そんなある日、社内でパワハラ騒動が問題となり、坂戸に異動処分が下される。坂戸に代わって万年二番手に甘んじてきた原島が新しい課長として一課に着任するが、そこには想像を絶する秘密と闇が隠されていた。(映画.comより抜粋)

 

  • 期待どころ

 昨年も池井戸潤原作コンテンツは好評のようで、今年も映画やドラマとどんどん映像化の企画が挙がっては実現することでしょう。

そんな彼の原作の中でも人気の高い作品が映画化。

予告を見る限りだと全容が全く見えず、ひたすら豪華俳優陣という宣伝と、彼らによる顔芸のオンパレード。

まぁTBS主導の映画なのでよく見る顔ぶれだし、安定の人たちなので全くつまらないってことはないでしょう。

それよりも「半沢直樹」の続編を早く見たいってのが本音。 

 

 

 

 

 

メリー・ポピンズ リターンズ

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

2月1日公開

 

  • 出演

 

 

メリー・ポピンズ・・・エミリー・ブラント

ジャック・・・リン=マニュエル・ミランダ

マイケル・バンクス・・・ベン・ウィショー 

 

  • 解説

 

 

アカデミー賞5部門に輝いた1964年公開の名作ディズニー映画「メリー・ポピンズ」の20年後を描いた続編。

大恐慌時代のロンドン。バンクス家の長男マイケルは今では家庭を持つ父親となり、かつて父や祖父が働いていたロンドンのフィデリティ銀行で臨時の仕事に就いていた。しかし現在のバンクス家に金銭的な余裕はなく、さらにマイケルは妻を亡くしたばかりで家の中も荒れ放題。そこへ追い打ちをかけるように、融資の返済期限切れで家まで失う大ピンチに陥ってしまう。そんな彼らの前に、あの「ほぼ完璧な魔法使い」メリー・ポピンズが風に乗って舞い降りてくる。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 今年のディズニー実写映画は、とんでもない気合の入れようでその幕開けがこのメリポピリターンズ

50年以上前の映画の続編をやるってんだからすごい。

てか、なぜ今になって?ってのは思う。

きっと時代が必要としているのかも。

まず前作を見ていないのでそこはきちんと観てから臨みたいところ。

前作観てる人で余裕があれば「ウォルトディズニーの約束」を見るとまた作品に思い入れが深くなれるのではないでしょうか。

アカデミー賞では、残念ながらエミリーのノミネートはありませんでしたが、

 プロダクション・デザイン賞
衣装デザイン賞
作曲賞
主題歌賞(歌曲賞)にノミネート。

歌に関してはアリーに軍配なのかなぁ。

 

 

 

 

フロントランナー

 

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

2月1日公開

 

  • 出演

 

 

ゲイリー・ハート・・・ヒュー・ジャックマン

リー・ハート・・・ヴェラ・ファーミガ

ビル・ディクソン・・・J・K・シモンズ 

 

 

  • 解説

 

 

「グレイテスト・ショーマン」「X-MEN」シリーズのヒュー・ジャックマンが、スキャンダルにより失脚した実在の政治家ゲイリー・ハートを演じるドラマ。

1988年アメリカ大統領選挙。ゲイリー・ハート上院議員は、史上最年少の46歳で民主党の大統領候補となり、予備選で最有力候補として一気に躍り出た。その若さからジョン・F・ケネディの再来と称され、大衆からも愛されていたハートの状況を一変させる出来事が起こる。アイアミ・ヘラルド紙の記者が入手したハートに関する「ある疑惑」。このスキャンダルが一斉に報じられたことで、ハートの支持率は急落し、予備選の当落線上から姿を消すことになってしまう。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 ここ最近ユルめのユーモア描写が挟まれる作品をあまり見ないジェイソン・ライトマン監督最新作。

あるスキャンダルによって落選してしまった議員の話ということですが、これあれですかね、いわゆる情報一つで簡単に天国にも地獄にも行けてしまう今の世の中のことをこの映画で伝えようってことなのかな?

我々はもっと慎重に物事を見極めないと、こんな素晴らしい人を見落としてしまうのだ!みたいな。

読み違いな気もするけど明らかに賞レース狙いのネタなので、あり得るようにも感じますが、とりあえず監督作品はほとんど観てるのでチェック。

てかちょうど1年前のおヒュー様は興行師役で歌って踊ってたなぁ。

 これ書いてるときに、「ゴーストバスターズ」続編を息子ジェイソンライトマンが監督という超ステキなニュースが!こっちのほうがむしろ見たいw

 

 

 

 

アクアマン

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youtu.be

期待度☆☆☆☆☆

 

2月8日公開

 

  • 出演

 

 

アクアマン/アーサー・カリー・・・ジェイソン・モモア

メラ・・・アンバー・ハード

ヴァルコ・・ウィレム・デフォー 他

 

 

  • 解説

 

 

DCコミックス原作のヒーローで、「ジャスティス・リーグ」にも参戦したアクアマンを主役に描くアクション大作。

海底に広がる巨大な帝国アトランティスを築いた海底人たちの王女を母に持ち、人間の血も引くアクアマンは、アーサー・カリーという名の人間として地上で育てられた。やがて、アトランティスが人類を征服しようと地上に攻め入り、アクアマンは、アトランティスとの戦いに身を投じていく。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 実はこちら先日の試写会で鑑賞済み。

感想は公開日にアップしますが、まぁね・・・ウフフ・・・ぐふふ!!!

 

 

 

 

 

ファースト・マン

 

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youtu.be

期待度☆☆☆☆☆

 

2月8日公開

 

  • 出演

 

 

ニール・アームストロング・・・ライアン・ゴズリング

ジャネット・アームストロング・・・クレア・フォイ

エド・ホワイト・・・ジェイソン・クラーク 他

 

 

  • 解説

 

 

「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル監督&主演ライアン・ゴズリングのコンビが再びタッグを組み、人類で初めて月面に足跡を残した宇宙飛行士ニール・アームストロングの半生を描いたドラマ。

ジェームズ・R・ハンセンが記したアームストロングの伝記「ファーストマン」を原作に、ゴズリングが扮するアームストロングの視点を通して、人類初の月面着陸という難業に取り組む乗組員やNASA職員たちの奮闘、そして人命を犠牲にしてまで行う月面着陸計画の意義に葛藤しながらも、不退転の決意でプロジェクトに挑むアームストロング自身の姿が描かれる。(映画.comより抜粋)

 

  • 期待どころ

 セッションララランドと音楽映画を手がけてきたデミアン・チャゼル監督の最新作は宇宙飛行士のお話。

アームストロング船長の話なのだから劇中で月に降り立つところまでやるのかな?それともそれ以前の話までしか描かないのか。

画的にノーラン臭が漂ってますが、彼のような映像マジックをやるのかやらないのかは予告の時点ではわかりません。

一人の人間にとって小さな一歩だけど、人類にとっては偉大な1歩、とアームストロングが残した言葉の通り、映画史に名を刻むことができるのでしょうか。

またクライマックスに大仕掛けしてそうな予感。

多分これ観たらまた「ライトスタッフ」を見たくなるのかな。 

 

 今回彼が脚本ではないのがウィークポイントなのか。

賞レースはちょっと弱いですね。

アカデミー賞も結果、

プロダクション・デザイン賞
音響調整賞
音響編集賞
視覚効果賞

 の4つ。主要部門には絡みませんでしたね。

でもそんなのは関係ない。楽しみであることは間違いない。

 

フォルトゥナの瞳

 

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

2月15日公開

 

  • 出演

 

 

木山慎一郎・・・神木隆之介

桐生葵・・・有村架純

金田大輝・・・志尊淳 他

 

 

  • 解説

 

 

他人の死が見えてしまうという不思議な力を持ってしまった青年が、最愛の女性の「死」に立ち向かう姿を描いた百田尚樹の同名小説を映画化。

幼少期に飛行機事故で家族を失い、友人も恋人もなく仕事にのみ生きてきた木山慎一郎。しかし、慎一郎が「死を目前にした人間が透けて見える能力」=「フォルトゥナの瞳」を持っていることに気づいてしまったことから、生活が一変。なぜこのような力を持ってしまったのかを自問自答する苦悩の日々が続く。そんな日々の中で慎一郎は桐生葵という女性に出会い、互いに惹かれあった2人は幸せな日々を過ごす。慎一郎の孤独な人生に彩りを与えてくれた葵という存在。しかし、葵の身体が突然透け始めてしまう。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 え~これに関してはあくまで三木監督の作品だから、彼の映像の美しさ見たさに行くって思いが強いです。

話に関しては、死を目前にした人間が透けて見える能力を持っていて、彼女がだんだん透けていく、どうしよう、苦悩・・・ってことで、予告見て思わずそりゃどうすることもできんじゃろう・・・とつぶやいてしまいまして。

 そんな荒んだ考えしかもてないあたくしめに素敵なエンディングを見せて下せえ監督!って感じです。

 

 

 

 

 

女王陛下のお気に入り

 

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

2月15日公開

 

  • 出演

 

 

アン王女・・・オリヴィア・コールマン

アブゲイル・ヒル・・・エマ・ストーン

レディ・サラ・・・レイチェル・ワイズ 他

 

 

  • 解説

 

 

18世紀イングランドの王室を舞台に、女王と彼女に仕える2人の女性の入り乱れる愛憎を描いた人間ドラマ。2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で審査員グランプリを受賞し、女王アンを演じたオリビア・コールマンも女優賞を受賞した。

18世紀初頭、フランスとの戦争下にあるイングランド。女王アンの幼なじみレディ・サラは、病身で気まぐれな女王を動かし絶大な権力を握っていた。そんな中、没落した貴族の娘でサラの従妹にあたるアビゲイルが宮廷に現れ、サラの働きかけもあり、アン女王の侍女として仕えることになる。サラはアビゲイルを支配下に置くが、一方でアビゲイルは再び貴族の地位に返り咲く機会を狙っていた。戦争をめぐる政治的駆け引きが繰り広げられる中、女王のお気に入りになることでチャンスをつかもうとするアビゲイルだったが……。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 去年の東京国際映画祭でこちらは鑑賞済み。見た後すぐ勢い任せで感想を書くモンキーは、あとでいいやと未だに手をつけておらず、細かい部分を忘れてしまっているのでもう一度劇場に観にいく所存です。

とりあえず3人の女優がどれもアクの強いお芝居をしておりますし、ランティモス監督が「ロブスター」のときのようなブラックなジョーク、下ネタも満載でございます。

あと、撮影方法にも特徴があるので、その辺も注視してもらえれば。

 

 アカデミー賞ノミネートは最多10部門きました!

 作品賞
監督賞
主演女優賞
助演女優賞(エマ・ストーン)
助演女優賞(レイチェル・ワイズ)
脚本賞
撮影賞
編集賞
プロダクション・デザイン賞
衣装デザイン賞

恐らくオリヴィアコールマンは獲るでしょう。ただグレンクローズがいるので、6割暗いかなぁ。

エマとレイチェルは、賞レースほぼ独走のレジーナキングに対抗できるか。

 

 

 

半世界

 

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

2月15日公開

 

  • 出演

 

 

高村紘・・・稲垣吾郎

沖山瑛介・・・長谷川博己

岩井光彦・・・渋川清彦 他

 

 

  • 解説

 

 

「エルネスト」「人類資金」の阪本順治監督のオリジナルストーリーで、稲垣吾郎が主演を務めた人間ドラマ。

山中の炭焼き窯で備長炭の職人として生計を立てている紘の前に元自衛官の瑛介が現れた。突然故郷に帰ってきた瑛介から紘は「こんなこと、ひとりでやってきたのか」と驚かれるが、紘自身は深い考えもなく単に父親の仕事を継ぎ、ただやり過ごしてきたに過ぎなかった。同級生の光彦には妻・初乃に任せきりの息子への無関心を指摘され、仕事のみならず、反抗期である息子の明にすら無関心だった自分に気づかされる。やがて、瑛介が抱える過去を知った紘は、仕事、そして家族と真剣に向き合う決意をする。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 ゴローちゃんの主演作っていつぶりよ!?「催眠」以来か?

と、ちょっと貴重だなぁって感じで入れてみました

舞台なんかでは主演作が多いと思うんですけど、映画やドラマはここ最近脇役に徹していたので、それを経て俳優としてどう成長したのかは気になります。

 お話は無関心ということがどれだけの他者を傷つけているのか、って内容なんでしょうか。そんな重い話じゃねえのか?

 

 

 

 

 

アリータ/バトル・エンジェル

 

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youtu.be

期待度☆☆☆☆☆

 

2月22日公開

 

  • 出演

 

 

ローサ・サラザール

クリストフ・ヴァルツ

ジェニファー・コネリー 

 

 

  • 解説

 

 

木城ゆきとによる日本のSF漫画「銃夢(ガンム)」を、同作の映画化を長年にわたり熱望していたジェームズ・キャメロンの脚本・製作により、ハリウッドで実写映画化したアクション大作。

数百年後の未来。スクラップの山の中から奇跡的に脳だけが無傷の状態で発見されたサイボーグの少女アリータは、サイバー医師のイド博士によって新たな体を与えられ、目を覚ます。しかし彼女は、自分の過去や今いる世界についてなど、一切の記憶が失われていた。やがてアリータは、自分が300年前に失われたはずの最終兵器として作られたことを知り、そんな兵器としての彼女を破壊するため、次々と凶悪な殺人サイボーグが送り込まれてくる。アリータは、あどけない少女の外見とは裏腹の驚異的な格闘スキルをもって、迫り来る敵たちを圧倒していくが……。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

本当なら2018年12月21日公開で、アリーとシュガラとの3つ巴になったのに!と公開延期が発表されたとき悔しがりましたが、まぁあっという間ですね公開日が来るのw

日本のSFコミック原作だそうですが、そもそもそのコミックすら知らないので純粋に映画として楽しみです。

またジェームズキャメロン脚本て謳ってますけど、これロバートロドリゲス監督ですよ!そっちも推してくれよ!

シン・シティの!マチェーテの!フロム・タスク・ティル・ドーンの!って。

無理か。

とりあえずアクションが凄そうですね。アリータちゃんの動きがロボットだからすばやすぎるんですよ。終盤ではもっと凄いことになってるんだろうなぁ。

楽しみ。

 

 

 

 

 

THE GUILTY ギルティ

 

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youtu.be

期待度☆☆☆☆★

 

2月22日公開

 

  • 出演

 

 

アスガー・ホルム・・・ヤコブ・セーダーグレン

イーベン・・・イェシカ・ディナウエ

ミケル・・・ヨハン・オルセン 他

 

 

  • 解説

 

 

電話からの声と音だけで誘拐事件を解決するという、シンプルながらも予測不可能な展開で注目され、第34回サンダンス映画祭で観客賞を受賞するなど話題を呼んだデンマーク製の異色サスペンス。

過去のある事件をきっかけに警察官として一線を退いたアスガーは、いまは緊急通報指令室のオペレーターとして、交通事故の搬送を遠隔手配するなど、電話越しに小さな事件に応対する日々を送っている。そんなある日、アスガーは、今まさに誘拐されているという女性からの通報を受ける。車の発進音や女性の声、そして犯人の息づかいなど、電話から聞こえるかすかな音だけを頼りに、アスガーは事件に対処しなければならず……。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 これTwitterでフォロワーさんたちが言及していて興味。

 電話越しで誘拐事件を解決しちゃうんですかこれ。

これあれですか?一切向こう側の視点なしでいくのかな?だか観てるらこっちも臨場感あるみたいな。

良いですよね、想像を掻き立てるような映画って。ワクワクします。

まさか誘拐されたって人が愉快犯みたいなオチじゃねえよな・・・。

 これもアカデミー賞外国語映画賞ノミネート候補、でしたが、惜しくもノミネートされませんでした。

でも絶対話題をさらっていくよなこれ。

 

 

 

 

 

サタデーナイト・チャーチ/夢を歌う場所

 

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

2月22日公開

 

  • 出演

 

 

ユリシーズ・・・ルカ・カイン

アマラ・・・マーゴット・ビンガム

ローズ・・・レジーナ・テイラー 他

 

 

  • 解説

 

 

LGBTの人々のための支援プログラムとして教会を開放して行われる「サタデーナイト・チャーチ(土曜の夜の教会)」を題材に、学校でのいじめや家族の無理解など、厳しい現実に悩む主人公が経験するさまざまな出来事を、ミュージカル調の演出を取り入れて描いた人間ドラマ。

これが初監督作となるデイモン・カーダシスが、ボランティアを務めていた教会での実体験などをもとに、物語をつむぎだした。

ニューヨークのブロンクス。「美しくなりたい」という思いを抑えられずにいる青年ユリシーズは、ある夜、ストリートで出会ったトランスジェンダーのグループに「サタデーナイト・チャーチ」に誘われる。そこは静かで厳格な昼間の教会とは異なり、ダンスや音楽を楽しみながら、同じ境遇の仲間と語らう場として開放されていた。ユリシーズは、その自由な雰囲気に魅了され、少しずつ自分を解放してゆくが、ある日、隠していたハイヒールが家族に見つかってしまい……。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 これもTwitterのプロモーションで流れてきたのでちょっと興味。

LGBTもので家族に反対されてってべたな展開ですが、めちゃめちゃ好みのお話ですし、ミュージカルっていうんですから、観ていて爽快になるかなと

教会だからゴスペルやるのかな? 

 ただまぁ、この週見たい作品がたくさんあるので全ては観れないかなぁ。

 

 

 

サムライマラソン

 

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

2月22日公開

 

  • 出演

 

 

唐沢甚内・・・佐藤健

雪姫・・・小松菜奈

辻村平九郎・・・森山未來 他

 

 

  • 解説

 

 

「超高速!参勤交代」の原作・脚本で知られる土橋章宏が、日本のマラソンの発祥と言われる史実「安政遠足(あんせいとおあし)」を題材に執筆した小説「幕末まらそん侍」を、主演の佐藤健をはじめ日本を代表する豪華キャストの共演で映画化。

外国の脅威が迫る幕末の世。安中藩主・板倉勝明は藩士を鍛えるため、15里の山道を走る遠足を開催することに。しかし行き違いによって幕府への反逆とみなされてしまい、安中藩取り潰しを狙う刺客が藩士不在の城に送り込まれる。遠足参加中に藩の危機を知った安中藩士の唐沢甚内は、計画を阻止するべく走り出す。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 これコメディなのか・・・違うなぁ、一体どこ狙って作ったんだろうと。

無駄に豪華キャストで、マラソンがメインかと思いきや帰りは戦。

どっちやねん。

これ珍作っぽいなぁと思ったらこれ監督が日本人でなくて外国人。

アンナ・カレーニナ」のバーナード・ローズ監督ってことで、はぁ、どうしてこうしてこの映画?とちょっと困惑。

どうしてもサムライの映画やりたかったのかなぁ。でもこれマラソンなんでしょう?

ネタ的にコメディ要素含んでそうですけど、絶対どヒューマンだよなぁこれ。

 

一応キャストが贅沢ってことで期待作に入れておきますw

 

 

 

 

ビール・ストリートの恋人たち

 

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youtu.be

期待度☆☆☆★★

 

2月22日公開

 

  • 出演

 

 

キキ・レイン

ステファン・ジェームス

コールマン・ドミンゴ 

 

 

  • 解説

 

 

「ムーンライト」でアカデミー作品賞を受賞したバリー・ジェンキンス監督が、1970年代ニューヨークのハーレムに生きる若い2人の愛と信念を描いたドラマ。

ドキュメンタリー映画「私はあなたのニグロではない」の原作でも知られる米黒人文学を代表する作家ジェームズ・ボールドウィンの小説「ビール・ストリートに口あらば」を映画化し、妊娠中の黒人女性が、身に覚えのない罪で逮捕された婚約者の無実を晴らそうと奔走する姿を描いた。(映画.comより抜粋)

 

 

  • 期待どころ

 バリージェンキンスはまたもや黒人差別を色濃く描いた作品で挑戦。

ポスターから感じる色彩の鮮やかさがまた美しい。

彼の持ち味ってこういうカラーリングだなってのは前作を見て感じましたが、似たような作品だと比較しちゃうんだよあぁ。

これもアカデミー賞ノミネートされております。

助演女優賞
脚色賞
作曲賞の3つ。

助演女優賞は濃厚です。後は脚色賞ですが、ブラッククランズマンのほうが優勢かな?

 

 

 

 

 

 

その他の話題作

  • 1日公開

・雪の華(中島美嘉のヒット曲「雪の華」をモチーフに、登坂広臣&中条あやみ主演で描くラブストーリー)

・バーニング劇場版(イ・チャンドン8年ぶりの新作は村上春樹原作を映画化。アカデミー賞ノミネート叶わず)

  • 2日公開

・ゴッズ・オウン・カントリー(大自然の中で求め合う2人の孤独な青年の愛の行方を描き、ベルリン国際映画祭などで高評価を獲得したラブストーリー)

・ともしび(シャーロット・ランブリングがベネチア国際映画祭で主演女優賞を受賞したドラマ)

  • 9日公開

・洗骨(ガレッジセール・ゴリ監督・脚本の長編作品)

・デス・ショット(ブルース・ウィリス×フランク・グリロ共演のクライムアクション)

  • 15日公開

・トラさん 僕が猫になったワケ(キスマイ北山初主演映画)

  • 22日公開

・あの日のオルガン(東京大空襲の戦火を逃れた「疎開保育園」の実話を戸田恵梨香大原櫻子の主演で描く)

・翔んで埼玉(埼玉自虐ギャグ漫画をGACKT二階堂ふみで映画化)

 

 

 

 

 

2月は冒頭でも言ったように、メリポピリターンズ、バーニング劇場版、ファーストマン、女王陛下、ビールストリート、ギルティといったアカデミー賞ノミネート候補作品が一気に公開。

またネトフリックス加入者ならROMAが、劇場ならアリー、ボヘミアンラプソディシュガーラッシュオンラインが、レンタルならブラックパンサー犬ヶ島インクレディブルファミリーがみれますので、是非是非25日の受賞式までに見ておくといいでしょう。

また日本映画も万引き家族未来のミライがそれぞれノミネートする快挙。

 

ね、こうやって並べると3~4割は鑑賞した段階で、1年に1度のお祭りを楽しめるのではないでしょうか。

 

僕は作品賞は「グリーンブック」が本命だと思ってるんですが、これが3月1日公開っていう悔しさ!

 

はい!というわけでアカデミー賞も新作映画も楽しんでいきましょう!

 

というわけで以上!あざっした!!

 

映画「七つの会議」感想ネタバレあり解説 企業犯罪撲滅推進映画を顔芸でご堪能下さい。

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2月1日

七つの会議

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池井戸潤原作というと、窮地に立たされたサラリーマンがあの手この手で状況を打破しながら勝利していく、みたいなのが定番だと思うんですが、今回の映画もそんなパターンなのでしょうか。

 

 僕自身「半沢直樹」は毎週欠かさず見ていてめちゃんこ面白かったので、この続編を早く見たいのですが、いつになっても製作が始まらない。

それをはぐらかされるように、「空飛ぶタイヤ」、「ルーズベルトゲーム」や「下町ロケット」、「陸王」などなど別の作品が次々と映像化されていく。

そして今回の「七つの会議」。

これはもう諦めろってことですかねぇ~。

 

とりえず、その半沢直樹以降定期的にTVドラマ化してきたTBSが、気合を入れて臨んだであろう映画。

キャストも池井戸ドラマおなじみの人から、異業種キャストまで入れて来る手法は映画でも一緒。

果たしてどんなお話になっているのか。

早速鑑賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

企業の矛盾、そして働く人々の葛藤や絆などを汲み取り、ミステリー要素を孕みながら痛快エンタテインメントを生み続けている小説家・池井戸潤。

彼の作品の中で傑作とも呼ばれる作品が、いよいよ満を持して映画化となった。

 

「結果が全て」という考えが今も尚蔓延っている中堅メーカーで起きたパワハラ騒動。

そこには会社員たちの人生、そして会社の存亡にも関わってくるほどの謎が潜んでいた。

「働くこと」の正義とは?そして守るべき信念とは何か?

現代に生きる全ての日本人に捧ぐ、企業犯罪エンタテインメントです。

 

 

七つの会議 (集英社文庫)

七つの会議 (集英社文庫)

 

 

 

映画「七つの会議」オリジナル・サウンドトラック

映画「七つの会議」オリジナル・サウンドトラック

 

 

 

Make You Feel My Love

Make You Feel My Love

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

都内にある中堅メーカー・東京建電。

 

営業一課の万年係長・八角民夫(野村萬斎)、通称“居眠りハッカク”はどこの会社にも一人はいる所謂ぐうたら社員。

ノルマも最低限しか果さず、定例の営業会議では傍観しているだけの八角は、トップセールスマンである課長・坂戸(片岡愛之助)からその怠惰ぶりを叱責されるが、一人飄々と毎日を送っていた。

 

一方、甘えたサラリーマン根性の部下は完膚なきまでに叩き潰してきた社内で絶対的存在の営業部長・北川誠(香川照之)が進める結果第一主義の方針のもと、部員たちは寝る間を惜しんで働くのだった。

 

そんなある日、突然、坂戸がパワハラで訴えられ異動となる。

訴えたのは、年上の部下である八角だった。

北川の信頼も厚いエース・坂戸に対するパワハラ委員会の不可解な裁定に揺れる社員たち。

 

そんな折、万年二番手に甘んじてきた営業二課長の原島(及川光博)が新課長として着任。

だが、会社の顔である一課で成績を上げられず、原島は場違いすら感じていた。

誰しもが経験するサラリーマンとしての戦いと葛藤。

だが、そこには想像を絶する秘密と闇が隠されていた・・。(HPより引用)

 

 

youtu.be

 

 

 

 

 

監督

今作を手がけるのは福澤克雄

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TBSの数々の話題ドラマを作ってきたお方。

特に池井戸潤原作ドラマはこの方が全て演出しております。なので、どれも一緒に感じてしまうって人、多かったりして。

僕もその一人。ただそれを悪いとはいってません、味です。

 

映画に関しては、「私は貝になりたい」、新参者シリーズ「祈りの幕が降りる時」に続いて3作目。

毎回TV局製作の映画には言ってますが、ぜひTVサイズの画作りでなく映画サイズの画作りをしてほしいです。

今回は果たして。

 

監督に関してはこちら。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

登場人物紹介

 

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左上より

  • 八角民夫(野村萬斎)・・・東京建電・営業一課の万年係長。通称「居眠りハッカク」。どこの会社にも一人はいる、所謂“ぐうたら社員”。入社当時は敏腕営業マンだったらしいが・・・。

 

  • 北川誠(香川照之)・・・東京建電・営業部長。結果第一主義のモーレツ管理職。社内の絶対権力者。会社に全てを捧げ、甘えたサラリーマン根性の部下は完膚なきまでに叩き潰してきた。

 

  • 原島万二(及川光博)・・・東京建電・営業二課長。名前通りの万年二番手、平凡を絵に描いたような男。パワハラ騒動後、“華の”営業一課長に急遽抜擢される。

 

  • 坂戸宣彦(片岡愛之助)・・・東京建電・営業一課長。部長の北川が全幅の信頼を寄せるトップセールスマン。部下である八角にパワハラで訴えられ、異動に。

 

  • 三沢逸郎(音尾琢真)・・・老舗のネジ製造工場・ねじ六の四代目。経営難に陥っている。過去に東京建電との取引があった。

 

  • 新田雄介(藤森慎吾)・・・東京建電・経理部長代理。プライドが高く、社内で犬猿の仲である営業部の“粗”を探すことに執着している。

 

  • 浜本優衣(朝倉あき)・・・東京建電・営業一課員。社内環境の改善のためにドーナツの無人販売を企画した。寿退社を控えている・・・。

 

  • 佐野健一郎(岡田浩暉)・・・東京建電・カスタマー室長。元は“華の”営業一課で出世街道を歩いていた。自分を切り捨てた北川に恨みを持っている。

 

  • 田部(木下ほうか)・・・ゼノックスの副社長。絶対的な権力者である。徳山の腹心。

 

  • 淑子(吉田羊)・・・八角の元妻。とある理由で離婚しているが、八角のよき理解者。

 

  • 三沢奈々子(土屋太凰)・・・三沢逸郎の妹。契約が減り、従業員が少なくなったねじ穴を陰で支える。

 

  • 奈倉翔平(小泉孝太郎)・・・東京建電・商品開発部員。東京建電で取り扱う数多くの商品とその部品を開発、管理している。

 

  • 星野(溝端淳平)・・・若き八角が営業を行った老夫婦の息子。

 

  • 飯山孝実(春風亭昇太)・・・東京建電・経理部長。社内では営業部の北川に並ぶ実力者。営業部を目の敵にしている。

 

  • 江木恒彦(立川談春)・・・東京建電の下請け会社・トーメイテックの社長。営業一課が扱うねじの部品を一手に製造している。

 

  • 加茂田久司(勝村政信)・・・東京建電・経理部経理課長。営業部が行った転注についての報告を新田から受け、役員会で追求することを部長の飯山に進言する。

 

  • 村西京介(世良公則)・・・東京建電・副社長。同期である梨田との出世競争に敗れ、ゼノックスから出向した“外様”の役員。

 

  • 梨田元就(鹿賀丈史)・・・強権的な態度で出世した、ゼノックスの常務取締役。過去に東京建電に在籍し、営業部で八角と北川の上司だった。古巣にゼノックス製の型落ち商品を一方的に押し付ける。

 

  • 宮野和弘(橋爪功)・・・東京建電の社長。製造部から、叩き上げで社長に上り詰めた。全社的なコスト削減を推し進めている。

 

  • 徳山郁夫(北大路欣也)・・・東京建電の親会社・ゼノックスの代表取締役社長。徳山が出席する定例会議は“御前会議“と呼ばれている。

 

 

 

 

 

 

 

 

全部っていうくらい濃い、濃ゆい役者が勢ぞろいでございます。

予告編でも全員顔芸のオンパレードでしたが、肝心の中身はもっと凄いのか?w

やはり主演に野村萬斎をキャスティングしたということは、主人公はかなりの曲者なんでしょう。というか彼の現代人の役ってのが新鮮。

企業の闇って一体何なんでしょうか。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

会社の犬になっているサラリーマンがこの映画をどれだけ見ているのか。

高圧的な演出で胸やけするけど、爽快感と今後の人生を考えたくなる映画でした。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこの会社もこうなんですか?

中堅メーカーで謎の人事異動が相次ぐことに不信を抱いた、営業一課課長と寿退社を控える女性社員が、社内で今一体何が起きているのかを追求していくことで浮かび上がる社内での不正隠蔽工作の真実が見えてくる物語の中で、その中心人物であるぐうたら社員の過去、部署同士での争い、縦割り構造、トカゲのしっぽ切りといった、作りあがってしまった企業の体質や暗部、そしてそこで働く我々が今後どう付き合っていくかを考えさせられる、企業犯罪撲滅推進映画でございました。

 

私モンキーは、この映画に出てくるような企業で働いておりません。

しがない販売店で細々と働いているイチ従業員です。

そこでは出世もないし、昇給もない。

ホント~~にショボい職場です。

なのでこの映画で描かれていることは僕にとっては体感したことのない空間でのお話でした。

ですが、日本の社会人の多くはこういう場所で朝から晩まで靴の底すり減らして働いていることでしょう。

そういう方たちにとっては、非常に胸をつくお話だったのではないでしょうか。

 

しかしながら僕は一つの疑問を抱きました。

果たしてそんな休日返上までして、朝から晩までデスクにしがみ付いたり靴の底すり減らして駆けずり回って契約を取ろうと、会社にいいようにコキ使われているようないわゆる社畜たちがこの映画をみるのかどうか。

そんな時間あるんだろうかと。

すごくザックリ言えば、そんな会社さっさと辞めちまえばいいのにと、めちゃめちゃ無責任な見方で見ておりました。

 

そんな僕が感じたのはどこの会社もこんな不正隠蔽とかしてるんですか?とか、ノルマ達成するためにコンペを勝ち取るためにズルしてまでやらなきゃいけないことなんですか?それが仕事なんですか?それでバレたら責任取らされて左遷ですかクビですか?それであなたの人生いいんですか?といった子供じみた疑問ばかり。

お前世間知らずだなと言われたらそれまでですが、そんな企業で働いたことのない人からしたら、そう思ってしまう疑問の数々でした。

 

 

サラリーマンて難しい。

そんな僕の感じたことはひとまず置いといて一体どんな作品だったのかを語っていくことにしますが、謎の人事異動を辿っていくと必ずその線の先には、会社のお荷物的存在であるぐうたら社員の八角が見え隠れすることで、これ怪しいんじゃね?あいつもしかして会社の事で何か隠してるんじゃね?と探りを入れ始める営業一課課長の原島と女性社員の浜本さん。

そもそも営業一課課長が本業サボってそんな探偵みたいなことしてる場合じゃないでしょう、と思わずツッコみたくなりましたが、彼と彼女の行動によって社内での対立構造や足の引っ張り合い、ドーナツ無人販売の無銭飲食の犯人、さらにはねじ製造会社の下請けの変更からどんどん掘り下げていくことでたどり着く、会社ぐるみの不正隠蔽という顛末。

ぐうたら社員である八角はなぜそこまでして事実を隠すような行動をして会社を守ろうとしていたのか、なぜ彼が会社から守られているのか、そして彼は一体何を考えているのかってのが後半からわかってくるんですが。

 

サラリーマンは自分のために家族のために働いています。

決して会社のために働いているわけではありません。

なのに上の人間は会社のために働けと言っています。

会社のために利益を生めと言っています。

その利益のためなら別に不良品を売っても問題ないと言っています。

売って売って売りまくれと。

その不良品によって何か問題が起きたらどうするか。

それは会社が責任を負うのではなく、売った担当者が責任を負わされます。

会社は責任を負えないのです。

それで会社が責任を取ったら社内の人間全員が路頭に迷うからです。

被害を少なくするには、誰か一人に責任を被せるのが最良なのです。

会社が生き残るためには。

会社が上の人間が何としてでもノルマを達成しろと命令したのに。

不正してでもノルマを達成しろといったのに。

やれといったのに。

 

そんなしみついてしまった会社の体質に異を唱え、働くことの正義を全うしていくぐうたら社員・八角と、それでも会社で働くならば仕方のないことと割り切って出世街道に乗った北川との対比を見せつつ、二人が不正を隠した会社に責任を取らせるために手を組んでいく後半は熱くこみ上げるものがありました。

 

どちらのサラリーマン人生もある意味正しいのかと思います。

きれいごとだけでは生きていけない社会。

一度汚してしまった手はそう簡単に洗って落とせるわけではない、一生償っていくことでしか、そうやって責任を取ることしかできない不器用な性格の八角。

過去に起こしてしまった過ちを教訓に、会社に正しいことをしてほしいと訴える姿はサラリーマンというより人間の鏡だなとも思える姿。

不良品が混じった自社の製品が世に出てしまい毎日ヒヤヒヤしていた彼の気持ちを考えると、さぞ辛かったことでしょう。

彼にとって売ってしまえばそれでおしまいという風には考えられなかったってことですよね。

 

それとは対照的に自身の出世のためならばどんな手を使っても会社の言いなりになることを選んだ北川。

一度汚した手をキレイにすることができないのであれば、そのまま汚れた手で突き進むしかない、どんな仕事も全ては会社のため、自身の出世のためと割り切って営業部長にまで上り詰め、一度は八角のあまりの突飛な行動に制止するよう促しますが、やはり根っこは正しいことをするべきなのだという結論にたどり着くのですが。

 

正義のためならとことん追求するのが務めと考える者と、会社のために守ることが正義と考える者。

どちらも悪くないよなぁとも思える二人の立ち位置だったわけですが、でもやっぱりそれで何かあったら切られるのは下の人間なわけで。

とにかく僕が言いたいのは、そういう会社なんだと判断したら辞めるのが一番だよなぁと。結局ここに戻るw

 

 

でもやっぱりTVドラマ止まり。

僕は兼ねてからTVドラマのような撮影方法や説明過多なセリフは、それだけで映画の本質を損ねてしまっているという考えを持っていて、今回の映画は正にそれを加速させた作り方だったなぁと感じた映画でした。

そんなのTV局の人間が監督で、キャスティングも池井戸ドラマの人たちばかりなんだから文句言うんじゃない、それが分かってみてるんだからそこを指摘するんじゃなくて見なければいいだけだろうと言われても何の文句も言えないのですが、監督の前作「祈りの幕が降りる時」はこのやり方がハマっていたから、今回もちょっと期待していたんですよ。

でもふたを開けてみればいつも通りになってたなぁと。

 

予告から顔芸のオンパレードだなぁと感じていましたが劇中でもその通りでした。

ニヤリとしながらひぇっひぇっひぇっ、と笑う野村萬斎、売って売って売りまくれ!と叫ぶ香川照之、そのプレッシャーに吐き気を覚える及川光博、居眠り八角ににらみをきかせる片岡愛之助、会議の後ろでふんっ!と怒気をひそめる鹿賀丈史などなどとにかく、顔アップで圧、圧、圧をかけてくる序盤。

さすがにここまで圧をかけてくると、俺もミッチーみたく吐き気を覚えちゃいますよ。

 

そこから急に一人一人の語りが入ってくる。

今の自分の立場や過去での出来事、社内での関係性などなどすべて説明してくれる。

確かにこれだけの登場人物が出演していて、かなり入れ込んだ相関図を劇中に一気に入れるのは困難でしたし、誰かが語らないと整理しにくいってのはわかるんだけど、それを一人一人にやらせるんですか。

最後TVニュースが入った時に、「その時歴史が動いた」でお馴染み松平定知さんの声が入っていたんですけど、彼よくTBSの池井戸ドラマのナレーションもしている人で、だから今回も声のみの出演だったんだなぁと思ったんですけど、この映画の語り全部彼がやればよかったのにと。

 

で、これに加え出てくる登場人物が出てきては問題起こしてすぐさま退場の繰り返しでその人たちが後半まるで活きてこない。

結局は会社のための犠牲となった人たちってことで描かれてるんだけど、まず彼らに何の感情も起きないし、オリラジ藤森なんかあれだけ登場時間あったのに身から出た錆扱いで、その後何も活きてこない。

全てが情報で作られている気がしてドラマになっていないのが凄く気持ち悪かったです。

 

もっと言えば野村萬斎にサラリーマンをやらせたのは一体全体どうしてだろうと。

誇張したニヒルな笑い方や社会人ぽくない歩き方やお辞儀はどうしても目がいってしまう。

特に御前会議で愛之助演じる坂戸と並んで社長に頭を下げて挨拶するシーン。

坂戸はキレイに手を足にピッタリつけてお辞儀するのに対し、萬斎果は手を足から離し片方の足を少し前にしてお辞儀をする。

それあなたの本職での立ち方でしょう。普段の人の演技になってないですよ。

 

 

最後に

一つの小さな部分が大きな屋台船を揺るがすような物語の構造は、「HERO」とか「踊る大捜査線」のようなTVドラマで出来上がった感じの物語の構造だったので、親しみがあったし見慣れている分決して難しくなく、そこに一人の人間が正義を掲げて立ち向かっていく姿ってのはやっぱり爽快です。

しかも今の企業の悪しき部分が未だに蔓延ってるということを強く語るラストも、勧善懲悪でキレイに終わらせない形で締めくくっており、この映画の一番言いたいことが集約されている気がしました。

 

やはり問題は登場人物の多さで、それを全て入れようとする辺りや、ただでさえ重厚に感じる企業の問題なのに、さらに圧をかけてくる撮影方法や情報でしかないセリフで固めてくる演出は非常にもったいなく感じます。

全てが足し算でしかなく、引き算をすることを忘れてしまっている映画だったなぁと。

全部入れる必要ないんですよ。

違うな、全部著名な役者で固める必要が無い。その人がちょっとでも出てくると何かあるんじゃないかと感じてしまう。

経理部の部長もトーメイテックの社長もねじ工場の人たちもエキストラでいい。だってほんのちょっとしか出てこないんだもの。本筋に全く関係ないんだから。

 

とりあえず全部説明してくれるから、頭使わずに楽しめるんじゃないでしょうか。

何度も言いますが、その会社で働くことにちょっとでも疑問を感じたら、ずっとしがみつかずに辞めてしまえばいい、と僕は思います。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10


映画「メリーポピンズリターンズ」感想ネタバレあり解説 前作を踏襲しディズニーらしさを強めた力作。

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2月1日

メリーポピンズ リターンズ

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困ったときに使う魔法の言葉、スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス!!

1964年に公開された「メリー・ポピンズ」の劇中で、みんなが口をそろえて唱える言葉として非常に有名です。

意味はぁ・・・よく知りませんw

が、一度は声を大にしていいたくなる言葉ですよね。

 そんな言葉が飛び交う歌や、アニメーションと実写の融合によって、夢と希望が詰まったステキなミュージカル映画の続編が公開になりました

ちなみに前作、なんと54年前だそうです。

え?キャストはまさか同じ人たち?そんなわけないでしょう。

 

前作から25年後のロンドンでのお話になるようです。

メリーのおかげで家族たちが仲睦まじく暮らすようになったバンクス一家。

大きくなった子供たちの前になぜ再び彼女が現れるのか、そしてあの「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」は歌われるのでしょうか。

 

てなワケで早速鑑賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

PLトラヴァースの同名小説「メリーポピンズ」。

ディズニーの創始者ウォルト・ディズニーがヒロイン像にほれ込み、1964年、何とか映画化の権利を取得し出来上がった映画は、実写とアニメーションが融合した当時にとっては革新的な映像と、一度聞いたら耳から離れなくなるような楽しい歌と印象的なダンス、そして彼女の魔法としつけによって幸せを見出していくバンクス一家の物語に誰もがときめき、心に残る一作となった。

 

アカデミー賞でも13部門ノミネート5部門受賞という快挙を成し遂げた前作から50余年。

舞台は25年後のロンドンへ変わり、再び彼女が舞い降てくる。

再びピンチとなったバンクス一家に、そして色々とうまくいかない世の中に、メリーポピンズがカラフルと最高のハッピーをもたらす!

 

 

 

 

 

メリー・ポピンズ リターンズ(オリジナル・サウンドトラック/英語盤)

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  • アーティスト:サントラ,ナサナエル・サレー,リン=マニュエル・ミランダ,エミリー・モーティマー,ジュリー・ウォルターズ,スコット・ウィットマン,マーク・シャイマン
  • 出版社/メーカー:ウォルト・ディズニー・レコード
  • 発売日: 2019/01/30
  • メディア: CD
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あらすじ

 

 

大恐慌を迎え暗く厳しい時代のロンドン。

バンクス家の長男でありかつて少年だったマイケル・バンクス(ベン・ウィショー)は、今では自らの家族を持つ親となっていた。

 

かつて父や祖父が働いていたフィデリティ銀行で臨時の仕事に就き、3人の子どもたち、アナベル(ピクシー・デイヴィーズ)、ジョン(ナサナエル・サレー)、ジョージー(ジョエル・ドーソン)と共に、桜通り17番地に暮らしていたが、ロンドンは大暴落の只中で金銭的な余裕はなく、更にマイケルは妻を亡くしたばかりだった。


子どもたちは「自分たちがしっかりしなくては」と躍起になるが上手くいかず、家の中は常に荒れ放題。さらに追い打ちをかけるように、融資の返済期限切れで家を失う大ピンチ!

 

そんなとき、魔法使いメリー・ポピンズ(エミリー・ブラント)が風に乗って彼らのもとに舞い降りた。

 

20年前と同様にバンクス家の子どもたちの世話をしに来たと言う彼女は、一風変わった方法でバンクス家の子どもたちの “しつけ”を開始。

バスタブの底を抜けて海底探検をしたり、絵画の世界に飛び込み、華麗なるミュージカル・ショーを繰り広げる。

 

そんな彼女に子供達は少しずつ心を開き始めるが、実は彼女の本当の魔法は、まだまだ始まったばかりだった…。(HPより抜粋)

 

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監督

今作を手がけたのはロブ・マーシャル

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彼といえばミュージカル映画。

そうです、今作にもってこいの人材ですね。

ここ最近ディズニー映画ばかり撮っている気がしますが、それだけ信頼されている証なのでしょう。

 

そんな彼の作品をサクッとご紹介。

元々ブロードウェイで演出や振り付けをやっていたんですが、彼が神様とあがめる演出家ボブ・フォッシーの名作を映像化するために監督としてデビュー。

それが、思惑や野望を秘めた3人の男女の熾烈な駆け引きや人間模様を歌とダンスで表現した「シカゴ」。

デビュー作にしてアカデミー賞にノミネートされるなどの快挙を成し遂げた監督はその後も、フェリーニの名作「8 1/2」を基にしたミュージカルで、新作の撮影を控えた一人の映画監督が精神的に追い詰められていく姿を描いた「NINE」、シンデレラや赤頭巾ちゃんといった童話の人気キャラクターが登場し、おとぎ話のその後をミュージカル調で描いた「イントゥ・ザ・ウッズ」など、ミュージカル映画を作り続けています。

 

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キャラクター紹介

 

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左上より。

  • メリー・ポピンズ(エミリー・ブラント/声:平原綾香)・・・エレガントでしつけに厳しく、ちょっと”上から目線”な魔法使い。バンクス家に教育係として舞い降り、不思議な魔法で人々を幸せへと導く!

 

  • ジャック(リン=マニュエル・ミランダ/声:岸祐二)・・・いつも陽気な街灯点灯夫。
    メリー・ポピンズの友人で、相棒のような存在。

 

  • マイケル・バンクス(ベン・ウィショー/声:谷原章介)・・・かつて父や祖父が働いていたフィデリティ銀行で臨時の仕事に就き、3人の子どもたちと共に、桜通り17番地に暮らす。ロンドンは大暴落の只中で金銭的な余裕はなく、妻を亡くしたばかり。

 

  • バンクス家の子供たち・・・双子のジョンとアナベル、弟のジョージーの3人兄弟。母を亡くしたばかり。「自分たちがしっかりしなくては」と躍起になるが上手くいかない。

 

  • ジェーン・バンクス(エミリー・モーティマー/声:堀内敬子)・・・マイケルの姉。兄とバンクス家の子供たちを気にかけている。

 

  • ウィリアム・ウェザーオール・ウィルキンズ(コリン・ファース)・・・ドース・ジュニアの甥で、バンクス家の父親マイケルが勤める銀行の頭取。ピンチに陥ったバンクス家に親身になってくれるが…。

 

  • トプシー(メリル・ストリープ/声:島田歌穂)・・・メリー・ポピンズのまたいとこ。なんでも直せる不思議な修理屋を営んでいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モンキー的にはお話こそご都合的に感じたものの、劇中での歌とダンスは非常に楽しかったという前作の思い出があります。

その雰囲気を現代の技術でさらに鮮やかな映像に仕上げていることでしょう。とりあえずエミリーのキュートな歌とダンスが見れりゃオイラそれで十分だぞ。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

うん!これは楽しかった!

前作をキチンと引き継ぎながら、あえてオリジナル楽曲で勝負した潔さ!

何だって可能なのだ!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前作は観ておいた方が。

前作から25年後の恐慌時代のロンドンを舞台に、家を売りに出さなくてはいけないマイケル一家に、再び訪れたメリーポピンズが魔法にあふれた世界を見せることで人生の素晴らしさ、何だって可能なんだというメッセージを送る物語を、薄暗く霧のかかったロンドンを華々しい世界に変え、歌とダンスとステキな言葉で魅了し続けると共に、前作へのオマージュなども垣間見えた、これぞディズニーミュージカル映画といえる良作でございました!!

 

 

これは正当な続編ということで是非前作を見て、その世界観を味わってから見ていただきたいというのが、まず率直な感想です。

なんでかって、まずメリーポピンズ演じたエミリーブラントが、ジュリーアンドリュースが前作で演じたメリーと差がなく、ちょっと上から目線で厳しめでありながらいつでも子供たちに寄り添う優しさを兼ね備えたふるまいが、もうまんま!

それでいてちゃんとエミリーらしさも出ていたのでこれはピッタリのキャスティングだなと。

で、ストーリー自体も前作より少々事態は深刻でそれでいて全く違うものになっているんだけど、前作のあのシーンに似てるなこれ!と思えるような場面があるので、前作を見ていたら2倍3倍と楽しめる内容

さらに隠れキャストとして、前作に出演していたあの人がでてるし、とにかく製作陣がちゃんと前作に敬意を払いながら愛をもって手掛けたってのが凄く伝わるので、そういう意味でも前作は観ておいてから今作を楽しんでほしいなというのが僕の思いであります。

 

 

エブリシング イズ ポッシブル。

さてさて、やはり今回もメリーポピンズは完璧でした。

家を売りに出さなくてはいけなくなったマイケル。奥さんを亡くしたことと不況の波が重なり、色々と精神的に参ってる様子。

そんなパパを見て子供たちもなんとかしなくては!となった時に、あの時の風が!

そうです、かつてマイケルとジェーンの乳母としてやってきたメリーポピンズではあり

ませんか!

相変わらずお美しい、一体いくつになったんだ?というのはどうやら失礼だそうで、これまでの間何していたのかってのは特に語られずストーリーは進んでいきます。

 

子どもたちが汚れてるのでお風呂に入らせようとしますが、中々言うこと聞いてくれないのでいつもの魔法で最高にハッピーなバスタイムを演出したり、高価なものを売ってそれを家の借金の肩代わりにしようと子供ながらに考えるけど、ついついお母さんの形見のツボを割ってしまう子供たち。

すると今度はメリーの魔法でツボの絵の中へ大冒険!魔法が解けたら急にお母さんなんでいなくなっちゃったの・・・と悲しむジョージ―に、永遠にいなくなったのではなく、今いないだけ、月の裏側にただ隠れているだけ、あなたたちに会えるまで待っているだけと静かに歌い出すメリー。

そんなメリーの教えによって少しづつ賢くなっていく子どもたちとは裏腹に、未だあくせくしているパパマイケル。

果たして家を手放すことになってしまうのかバンクス一家よ!

という物語であります。

 

何といっても今回の素晴らしい点は、全部CGに頼っていないところでしょうか。

前作の最大の素晴らしい点て、実写とアニメーションの融合によって魔法の世界を具現化したことだと思うんです。

当時の技術としてはかなりすごいことだったと思うんですけど、それを今回もうまく使って表現しているってのが今作でも見受けられました。

もちろんCGに頼っている部分もあります、バスタブの中から海底に行くシーンはけっこうCG使ってるので、う~んこれはもしや全編こういう感じで行くのか?それはこの映画ではやってほしくないなぁ・・・と思っていたら、次のエピソードであるツボの絵の中に行くシーンで見事に実写とアニメーションの融合で描いてくれていたので大満足。

 

このシーン、衣装が手書きで書いたようなドレスコードなんですよね。しかも馬車に乗るときも手で持つパーツも手書きっぽく作られていたり、ジョージ―が馬車の運転手である犬と帽子を交換するときも実写とアニメーションをうまく演出していたりと相変わらず細かい配慮がされている。

そこからテント内で行われるショーへと話は進み、メリーとジャックが踊りながらパフォーマンスを披露。

ここもジャックが歌いながら本で出来上がった階段を上るシーンとかアニメとシンクロしていてめちゃめちゃ楽しい!

 

そして歌ですね。

冒頭でも書きましたが、僕はこの映画前作の有名な歌をもう一度使うのかと思ってました。エミリーが歌うスーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャスを期待していたのですが、今回前作で歌った楽曲は一切使っていません。

じゃあ楽しくないって?とんでもない!どの歌も心に染みるし大人の僕たちでも突き刺さる歌詞の数々でしたよ!

途中でも書きましたけど、死んでしまった人に会いたいと吐露するジョージ―に対して、永遠にいなくなったわけではなく、今いないだけと語るメリー。

あなたの心の中で生きてますってよく歌の歌詞で見かけるような、ありきたりなこと言わないんですよ。自分の周りに常にいるんだけど姿を見せないだけ、姿を見せる時はあなたが住む場所から離れた時それまで心待ちにしているのと。

またいいこと言うぜ!

他にもメリーの従姉妹トプシーおばさんの家では、第2水曜日はお休みでびっくりカメになっちゃうからということで家がさかさまになってしまう事態に。

そんな時にメリーは、バカボンのパパよろしく、反対の反対は賛成なのだ!的解釈で、さかさまの世界でさかさまになれば元に戻れるという歌で、トプシーおばさんを納得させ、見事にトラブルを解決してしまうわけであります。

いつだって心を柔軟にすれば道は拓けるという深い意味を持った歌だったんですね。

そして!

銀行からの帰り道、霧がかった道を黙々と歩いていると、迷子になってしまう一同。

そんな時はどうすればいいか、暗闇の中に小さくと灯る灯に向かって歩けばきっと帰れるという歌で子供たちを励まし、見事に家に帰る子供たち。

そうです、プラネタリウムと同じ、暗闇の中で小さな星々を探し当てるように、希望はきちんと我々に光をともしているのです。小さくて見えないだけなのです。それを見つけたらその光に向かって歩んでいけば必ず道は拓けるのです。

 

こんな具合に子供でも大人でもつまづいた時のアドバイスのようにメリーは我々に教えてくれるのです。

物語でも終始しかめ面だったベン・ウィショー演じるマイケルが子供のような笑顔を取り戻すように、この映画を見れば誰もが子供の時のような笑顔を取り戻すことができるのです。そんな素敵な映画がありますかって!

 

 

前作とここが似ていた!

さてさて、今回のメリーポピンズリターンズ。

結構前作と似ていた点があったのにお気づきでしょうか。

自分で気づいた点をまとめてみました。

 

  • 鞄と鏡

メリーのカバンはその大きさに対し明らかに入らないであろうデカいものが飛び出してくるのが有名。

今回もカバンの中から大きな帆船を出したりパラソル、アヒルのオモチャを次々と出していきます。

そしてメリーは鏡を見ると鏡に映った自分が別の動きをするのも前作でありましたが、今回もあります。

 

前作では凧あげをしていたら子供たちが迷子になってしまうというシーンや、エンディングでバンクス一家全員で凧上げをして終わるというシーンがあるほど重要なアイテムでしたが今作も凧が前作以上に重要なアイテムとして登場します。

 

  • 階段の手すり

前作でメリーがやってきた時、2階の子供部屋へ行く時手すりに座って自動的に登っていくシーンがありましたが、今回もそのシーンがあります。しかもメイドとして長く働いているエレンとあいさつまで交わすおまけ付き。エレン驚けよ。

 

  • 絵の中に入る

前作でバートが公園の入り口の道に書いた絵の中に入って冒険をしたメリーたち。

今作でもお母さんの形見であるツボの絵の中に入って冒険をしていきます。

このシーンはかなり似ていて、馬車に乗る件、ショーの一環としてペンギンと共に歌を披露するシーンでは、メリーとバートがペンギンたちとタップダンスしながら歌を披露するシーンを思わせたり、ジョージ―を捕らえたオオカミたちを追いかけるスリリングなシーンは、メリーゴーラウンドの馬に乗って競馬をするシーンを思わせるような感じがします。

そもそも実写とアニメが融合したって意味でもこの場面は非常に似ていましたね。

 

  • 子どもたちを邪魔する者

前作では時間にきっちりな性格のパパが子供たちを邪魔するような人物として立ちはだかっていましたが、その時彼は懐中時計を肌身離さず持っていました。

今回も懐中時計を肌身離さず持ち、時間に正確な人物が子供たちやマイケルを苦しめる存在として登場します。

 

  • 街頭点灯夫軍団

前作ではバートが様々な仕事をしていましたが、その中の一つで煙突掃除の仕事もしていました。

その仕事の途中父に怒られたマイケルとジェーンと遭遇し、自宅まで届けると子守りまでさせられる羽目になるんですが、バーと共に煙突から屋根に上って煤だらけになりながらバートの仲間たちと踊り明かす件があったんですが、今回それがジャックの仕事仲間たちと自宅へ帰るというシーンとして登場します。

この街頭点灯夫軍団はクライマックスである魔法をかけるシーンでも活躍します。

 

  • 小遣いの2ペンス

前作で貧しい老婆に鳩の餌用として小遣いの2ペンスを渡そうとしましたが、そのお金を銀行に預けるべきだと叱る父との言い争いが発展し銀行に迷惑をかけるシーンがありました。

この2ペンスが今回まさかの奇跡を起こすのであります。それは見てのお楽しみに。

 

思い出せるのはこの辺です。きっと探せばもっと前作に繋がる部分があるかもしれません。それもこれも前作を見ていけば探せるはずです。

 

 

最後に

実は前作ってあまりに都合よく終わってしまうもんだから、メリーの魔法でハッピーになっていく過程は非常に楽しめたんだけど、急にお父さんにピンチが起きてそれを解決する件があっさり過ぎてお話的にはそこまで満足していませんでした。

でも今作は、家が無くなるかもしれないという明確な道筋に向かって進んでいき、このピンチをどうするかというのを、子どもたちがマイケルに教えていくことで、マイケルはかつてメリー教えてくれたことを思い出していく、そして暗闇の中で光る小さな灯に向かって走っていくバンクス一家という具合に物語は進んでく、

という決して唐突でなくわかりやすいお話として組み立てており、その中で前作同様メリーの魔法で楽しませる内容になっていたので、僕はこっちの方が好きです。

 

ひとつ苦言を呈するのであれば、やっぱり歌は素晴らしいもののキャッチーなフレーズってのが無く、そこは残念なところでもあります。

 

家族が一つになっていくために再びやってきたメリーの活躍と、それによってマイケルが救われていく。

その救われた表情が見られる最後のシーンは格別にハッピーです。ぜひ劇場でご覧ください。

あれ?結局壺直ってねえじゃん。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10

映画「フロントランナー」感想ネタバレあり解説 アメリカにも文春はあったんですね。

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2月1日

フロントランナー

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一体いつからだろうか。

有名人著名人が不倫しただけでめちゃめちゃ叩かれる時代になったのは。

なぜ不倫が明るみになったことで世間に対し「ご迷惑をおかけしました」と謝らなければならないのだろうか。

当事者だけで片付ければいい話なのに、いつの間にかマスコミは世間にまるで大罪を犯したかのように報じ、我々はそのことで持ちきりになる。

 と、昨今の日本のスキャンダル報道について語ってみましたが、もちろん不倫はよくないことです。

よくないけど、僕個人の考えでは芸能人や政治家がそんなことしてたって、犯罪犯したりしてなきゃやることしっかりやってりゃ不倫の一つや二つ全然気にしないです。

特に芸能人なんて芸の肥やしになるでしょうそんなの。

 

ですが世間一般は僕のような考えではないってのがここ数年続いてるって事ですよね。いやこれからも。

実績や実力、人気があっても、そういうことをするだけですっぱ抜かれるだけで、過去の功績はなかったことにされてしまう。

まぁでもベッキーは衝撃だったよ。そして好感上がったよ逆にオレは。

 

 

で、何をド頭から話してんだよ、ってことですが、今回鑑賞する映画は、そんな不倫スキャンダルによって失墜してしまった超有望株の若手議員のお話です。

実話です。

これが30年前の話だそうで。そんな昔から不倫発覚で干される問題があったんですね。最近からじゃねえんだなぁ。

 

果たしてこの映画は僕らに何を教えてくれるのか。なんとなく察しはつきますが早速鑑賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

ジョン・F・ケネディの再来とまで言われ若き天才政治家ゲイリー・ハート議員。

大統領選挙の最有力候補(フロントランナー)にまで躍り出たが、スキャンダルが報じられたことで、事態は一変。

政策や理念などには触れずスキャンダルを報じるマスコミ。その報道に世間は踊らされ迷走し、国の未来を考えることすら考えなくなっていく。

 

政策よりも人柄、清廉潔白さが優先されていくようになったこの報道を、「ジュノ」や「タリーと私の秘密の時間」の監督が初めて実話を映画化。

 

全てを変えてしまった1988年の出来事から30年。世界はどうなったか。

彼が大統領にならなった責任は誰にあるのだろうか、マスコミか、世間か、それとも彼自身なのか。

この一連の事実の裏側にある真実とは。

 

 

The Front Runner (All the Truth Is Out Movie Tie-in) (English Edition)

The Front Runner (All the Truth Is Out Movie Tie-in) (English Edition)

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

 

 

史上最年少の46歳で民主党の大統領候補になった若きカリスマ政治家ゲイリー・ハート(ヒュー・ジャックマン)。

ジョン・F・ケネディの再来と言われた彼は1988年の大統領選予備選で最有力候補《フロントランナー》に一気に躍り出る。

 

しかし、たった3週間後、マイアミ・ヘラルド紙の記者が掴んだ“ある疑惑”が一斉に報じられ、急展開を迎える……。

勝利を目前に一瞬にして崩れ去る輝ける未来。

その時、ハートは? 

家族は? 

選挙スタッフは? 

スクープを求めるジャーナリストは? 

そして、国民はどんな決断をしたのか?(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

 

監督

今作を手がけるのはジェイソン・ライトマン監督。

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はい、大好きな監督です。

「ジュノ/JUNO」や「マイレージ・マイライフ」など、かつてはアカデミー賞によくノミネートされる監督でしたが、最近はちょっと遠ざかってますかねぇ。

基本的には、何かしらこじらせた考えを持った主人公が、他者によって救われていくって内容を、彼独自のユーモアと毒を織り交ぜて描いてる作品がほとんど

 

ただ今作は初めての実を基にした作品に挑んでいるため、今までとは全く違ったものになっていそうです。

 

監督に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

てかね、これも楽しみだったんだけど、このニュース見てからもっと楽しみでさぁ。

 

jp.ign.com

 アイヴァン・ライトマンが監督した「ゴーストバスターズ」を、なんと息子である彼が監督として続編を製作するというビッグニュースが!

リブートした女性版ゴーストバスターズも最高でしたが、それの続編には関わっいないそうで、となると、父が手がけた作品の続編を作るのか、はたまた新たに作り直すのか。

公開は2020年夏だそうなので、首を長くして待ちたいと思います!!

ごーすとばすたぁ~ず!!

 

 

 

 

キャスト

コロラド州選出上院議員ゲイリー・ハートを演じるのはヒュー・ジャックマン。

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もうなんでしょう、高感度の塊ですよね。

悪い話全然聞かないし、ファンには神対応だし、飼ってる犬めっちゃかわいいし。

最後はいいかw

そんな彼が不倫してしまう政治家を演じるってのが、またこれずるいなと、

野望や志は高そうなお顔立ちですし、その裏で・・・って悪さするわけじゃないしきっと不倫もわけがあるんですよ。この顔はきっとそう(決め付けw)

 

なんとおヒュー様、3年連続でプロモーションで来日したそうです。

ローガン、グレショ、そしてこれってことですよね。

前の二つはいわゆる大作モノだから来日ってのはわかるけど、これ小規模映画ですよ正直言って。一応ソニーピクチャーズですけどね。

それでも来てくれるって凄いですよ、いっそ日本に住んでくれ!!

 

彼に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

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他のキャストはこんな感じ。

妻リー・ハート役に、「マイレージ・マイライフ」、「ミッション:8ミニッツ」のヴェラ・ファーミガ

ビル・ディクソン選挙参謀役に、「セッション」、「JUNO/ジュノ」のJ.K.シモンズ

ワシントン・ポスト紙主幹ベン・ブラッドリー役に、「スパイダーマン2」、「レイダース/失われたアーク」のアルフレッド・モリーナ

スケジュール担当アイリーン・ケリー役に、「パラノーマル・アクティヴィティ2」のモリー・イフラムなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たった一つの報道で未来を絶たれてしまった男。この映画を観て議論してほしいと語るおヒュー様、その真意とは?

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

マスコミも政治家もどちらも悪いしどちらも正しい。

でも、う~ん・・・監督もゲイリーもユーモアがねえよ。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不倫ネタはここから大衆の大好物になったのか。

若手有望株で大統領選挙最終候補にまで上り詰めたゲイリーハートが、たった3週間という短い期間で失墜をしてしまうまでの物語を、当時の風景や状況をBGMやフィルムを多用して事細かに映し出すとともに、未来のビジョンをしっかり持ち将来のアメリカのため使命を全うしようとする眩しいほどの強い信念を持ったゲイリーを、ヒュージャックマンが見事に演じきった印象を感じたものの、いかんせんユーモアを得意とする監督がそれ一切排除してしまったこと、そしてテーマやメッセージがいささか的外れになっているような感覚が如実に出てしまい、手放しでは褒められない映画でございました。

 

全体の印象としては、当時のスキャンダル風景を完璧にカメラに収めようと、かなりの資料を使って作ったように見えた今作。

事実に基づく物語を今回初めて描いた監督渾身の1作であったが、正直彼のウリであるユーモアが排除されていることで、ひたすら地味に地味に作られてしまっていることが今回の映画のつまらなさの要因だと僕は思います。

 

やろうとしていることは明確で、将来有望な人材を不倫スキャンダルということで大衆へ煽ったことの罪は一体誰にあるのか、ということ。

 

昔はケネディも不倫をしていた、なんてセリフが劇中あるけど、それでもおとがめなしだったのは昔の話で、この時代ではすでに女性の地位向上によってあがる声は無視できない時代で、社会は既婚者の不倫に対して厳しい視線を送るようになっていたわけで、そんな時代が来ているとは知らずに、ひたすら思想を掲げてアメリカの将来を語ろうとしても、世間一般はどうしたって彼のプライバシーを無視できないし、そんな奴に大統領になってほしくないという風潮になってしまうのは仕方のないことだったと。

 

この映画の面白いと思ったところは、マイアミヘラルド紙の記者は、ゲイリーと彼の不倫関係にあったドナ・ライスのツーショットをカメラに抑えていないながらも、鉄は熱いうちに打てと言わんばかりに記事にして公表したということ。

これに対してゲイリーは、プライベートなことに関して一切触れさせないという無駄なプライドが災いして、自分の事務所のスタッフにも内容を告げなかったり、マスコミへの対応力がめちゃめちゃ下手すぎたことが描かれていること。

 

もちろんゲイリーの不倫はダメだという前提ですけど、例えばマイアミヘラルドは見切り発車をしたといってもいい記事を書いたわけです。電話のやり取りだとか裏付けは撮って入るものの確実な証拠は持っていないし、裏口があったことも知らなかった。

張り込み下手すぎなんですけどね。

そこにフォーカスをあてて事実を捻じ曲げることだってできたと思うんです、ゲイリー陣営は。

でもゲイリーは、マスコミはしょうもないことを取り上げる、すぐに鎮静化する、と自信のプライベートを誰にも語らず、放っておけばいいみたいなスタンスでいたから、こうなってしまったわけで、やはり彼が1分1秒でも早く対策を練るように陣営に煽っておけばここまでの問題にはならなかったのかなぁと。

 

とはいえ、彼はやはり女性に対して蔑視している点が見受けられます。

彼は過去にもロビイストと不倫していたことがマスコミによって発覚します。一度注目されたら徹底的にやるのが彼らの仕事です。

しかも彼の奥さんはこの事実を知っており、別居という形ではあるものの彼との縁は切らずにいたわけです。

それで今回の騒動、奥さんはゲイリーに、アタシが別れないのはあなたにこの罪の重さを感じてもらうため、みたいなことを言うんですね。

それに対しゲイリーは、じゃあいつか許してくれるか?と答えるわけです。

お前奥さんに許されないことして、よくそんなこと言えるな!

その重い十字架を背負って一生生きろ、贖罪しろと三下り半を突き付けられてるのに、いつか許してくれるのか?ってバカか。許したらお前絶対また浮気するだろう。

他にもゲイリーの不倫相手ドナ・ライスにマスコミが詰め寄っている状況を報告した女性スタッフが、彼女を守らなくていいんですか?という問いに誰も反応しないというシーン。

ここは真っ先にゲイリーが、スタッフを送るとか護衛をつけろとか言うべき立場なのに、目前に控えた記者会見で頭がいっぱいでそれどころじゃないって、やっぱりお前ダメだわ。

という彼女がそんな提案する前に、スタッフに、それ以上にドナに超多大な迷惑をかけたのだから、せめてもの罪滅ぼしで自腹切ってどっか別の街に引っ越させるとかなんかできるだろう。

所詮お前は自分の政治生命が大事で、相手の女性がどうなろうと知ったこっちゃないんでしょうよ。せめてスタッフが提案した時に、率先して何か手を打てば彼女の冷ややかな視線を浴びずに済んだろうに、そういうとこだよゲイリー!

君は女性を大事に扱えない時点で大統領になる資格なんかないんだよ、もし今回の騒動を乗り切ったとして大統領になってもきっとスキャンダルによってボロクソ叩かれるんだろうよ。

 

・・・ってあれ?

オレ冒頭で実力があれば犯罪犯してなければ不倫くらい問題ないって言ってたな・・・。

うん、前言撤回ですねw

 

 

マスコミに関して。

今回「大統領の陰謀」や「ペンタゴンペーパーズ」などでお馴染みのワシントンポスト紙が登場します。ベンブラッドリーってまだこの頃もバリバリ新聞屋やってたんですね。

今回ゲイリーの番記者役で若い記者が担当していたんですが、恐らく彼ポスト紙の新聞たるもの高貴なものでなければならないみたいな部分に憧れて入社したのかなと感じた部分があり、実際ゲイリーには政治面の事は色々聞くけど、それ以外のプライベートな部分は若干躊躇したり一呼吸置いたりして聞いてるんですよね。

そういう戸惑いがもっと出たのは、各紙がゲイリーの不倫ネタに沸く中とうとうポスト紙も一面で掲載持っていくぞ!という決定事項に対して、ポスト紙はそんな新聞じゃないでしょう!と反論するシーン。

 

その言葉に対して主幹は、確かにポスト紙はそういう下世話な内容の記事は他にやらせて、こっちはそれを上から目線で見降ろし、そんなのがスクープなんか、新聞はそういうことを扱う媒体なのか、と高みの存在だったわけだけど、今となってはなぜポスト紙はこういうネタを扱わないのかと非難される立場になってしまった。

と返すんですね。

 

それだけゲイリーの不倫スキャンダルはマスメディアの姿勢を変えるほどの一大スキャンダルだったってことがわかるシーンだったと思います。

 

そしてもう一つ出てくるのがマイアミヘラルド紙。

彼らもまたマイアミにゲイリーが訪れた際に、あるタレコミを聞き、当初のスケジュールからそれを無視していましたが、そのスケジュールが急きょ変更されたことに疑問を抱き、張り込みを開始します。

何というか尾行が凄く下手くそです。

スクープを激写して他紙を出し抜こうとしているのにカメラマンを後から読んだり、交代で見張ればいいのに全員寝ちゃったり、ゲイリーにすぐ勘付かれたり、それを決定的にする車の発進トラップに見事にひっかかったり、挙句の果てにはゲイリー宅の間取りわかってなくて、裏口があるのも気づいてない。

恐らくこういうのやったことなかったんでしょうね。

普通、車の中で画張り込みするならあんな至近距離に止めないし、見張りも交代制にするし、カメラマンと同行するのも当たり前だし、ターゲットを逃さないように出口くらいは確認すると思うんです。

要はこういう取材を今までしてこなかった、あるいはそういう媒体じゃなかったのかなと感じたシーンでした。

 

きっとこの一件以来どこの媒体も張り込みの際に色々注意したりトラップかけたりするようにしてスクープを狙ったのかなと。

 

 

今日のマスコミというのは果たしてマスコミとして機能しているのか、というくらいどうでもいいニュースや記事が横行しています。

特に今回のような不倫スキャンダルによって、ゲイリー自身を非難するのは当然ですが、その家族や不倫相手までも追いかけるというのはやはりやり過ぎともいえる行動だと思います。

そしてそのネタを欲しがり、事が覚めたら次のスキャンダルを欲しがってしまう我々も良くない。気が付けば国民は関心がそっちにばかり行ってしまう。

他人の不幸は蜜の味ってヤツですね。

もっと取り上げなければいけないニュースがたくさんあるはずで、我々にも少なからず責任があるはず。

でもこの映画の中で、ポスト紙の若手記者が不倫をしていても彼の功績はすごい、そこも注目しなければいけない、という発言に対し、女性記者は「どんなに彼が素晴らしい人材でも、プライベートでそういうことをしてれば信用問題に関わる、我々はそれを世間にジャッジしてもらうために伝えなければならない」みたいなことを言ってて、決して彼らは彼を不倫した悪い人物として取り扱うのではなく、彼がこういうことをしました、皆さんはそんな彼をどう思いますか?と投げかけているんだと。

そういう意味では私たちは伝える義務がある、といっているように聞こえます

男と女の違いという見方もできますが、政治家はやはり清廉潔白でなければクリーンな人材でなければ民衆を引っ張っていけない事は、この事件で明確になったわけで、それが今までずっと続いているんだなと。

 

 

最後に

というわけで、今回を機に、やっぱり不倫してるような政治家は今すぐ引退すべき、という考えに変わりましたw

ただマスコミは当事者を追求し、関係者への接触は控えるということを行ってほしい、そんな気持ちを抱きました。

でもハニートラップとかだったら追いかけてもいいのかなw

 

とりあえずゲイリーが失墜した原因は、不倫もそうですが、それに対しての対応の下手さと、女性蔑視の疑いがある、これだなと。

これをユーモア交えて返せるくらい切り返しが巧く、大事になってもぶれない鈍感力、そして国民の前に立つ立場なのだから常に丸裸であることを、肝に銘じておけばここまでにならなかったのに。

 

とまぁあれこれ書きましたが、映画的にはうん、そこまで面白くは感じませんでした。

事実をそのまま描いて観衆にゆだねるような内容にするなら、どっちにも非があるような着地の仕方にしないと、ゲイリーがしっぽ撒いて逃げたみたいな終わり方になってるんで、もうちょっとゲイリーを労わるように、マスコミの過度な取材の描写とかを入れるとかしてほしかったですね。電話越しで娘がケガしたとか挟むんでなく。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10

Netflix映画「ベルベットバズソー」感想ネタバレあり解説 アートで金儲けしてる奴らに制裁を!

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2月2日

ベルベット・バズソー~血塗られたギャラリー~

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以前、人間は絵に興味を持つか音楽に興味を持つかで分かれる、なんて話を聞いたことがあります。

どっちもって人もたくさんいるんでしょうけど、趣味としてどっちをやるかに分かれるんですって。

 

そんなアートや芸術に関しては全く疎く、音楽に没頭していたモンキーです。

展示会とかほぼ行かないですし、美術に関しても知識がない。

そんなオレにアートを扱った映画が理解できるのか。

 今年の映画ラインナップの情報を探すとき、Netflixも一緒に探すんですが、あれは威信日具体的に書いてないんですよね。

で、今回の映画が配信されることは知ってたけど、まさかこんなに早く配信されるなんて聞いてねえよ!って。

そう、配信日の前日に知りました。はい。

 

まぁなんでこの映画チェックしてたかって、ジェイク・ギレンホール主演てのもそうだけど、タッグを組んだ監督が「ナイトクローラー」のダン・ギルロイってことで。

 

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 ムチャクチャ頭の切れる男がジャーナリストとしてのし上がっていく姿を、昨今のジャーナリズムや報道での行き過ぎた部分を風刺的に描き、スリラーテイストで仕上げた良作だったんですが、今回その二人が「アートギャラリー」を舞台に、一体どんな映画を作ったのか楽しみですということで。

 

早速自宅にて鑑賞いたしました!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

ボーン・レガシー」や「キングコング/髑髏島の巨神」の脚本で知られ、刺激的なスクープを求めるあまりモラルを逸脱していく、フリーランスのカメラマンの姿を描いた「ナイトクローラー」で監督デビューしたダン・ギルロイ。

そしてその映画に主演したジェイク・グレンホールが再びタッグを組んで製作した映画を、ストリーミングサービスNetflixによって配信される。

 

大金を稼ぐアーティストとメガコレクター。アートとビジネスが絡んんでいくにつれとてつもない代償を払う羽目になっていく姿を、「ナイトクローラー」同様に皮肉な風刺を用いてホラーチックに描く。

 

 

 

 

あらすじ

 

 

ロサンゼルスのアート業界。

画廊の商売人たちは如何にして絵を高く売りつけるかということばかり考えていた。

 

そんな彼/彼女らにとって、絵の価値が分からないのに良い絵を買おうとする金持ちはカモでしかなかった。

商売人たちはスノッブを上客として扱いつつも、心の底では軽蔑していたのである。

 

ジョセフィーナ(ゾウイ・アシュトン)はそんな世界に飛び込んだばかりであった。

 

ある日、ジョセフィーナは偶然にも素晴らしい絵の数々を発見した。

それは同じアパートに住んでいた老人が描き残したもので、極めて不気味な作品ではあったが、傑作の風格がそこにはあった。

 

その話を聞いたモーフ(ジェイク・ギレンホール)とロードラ(レネ・ルッソ)はジョセフィーナを出し抜き、老人の絵画を高値で売り出すことにした。

 

老人は亡くなる間際に「自分の死後、描いた作品は全て廃棄して欲しい」と言い残していたが、利益に目がくらんだ2人は遺言を無視した。

絵画の素晴らしさはSNSを通して世界中に発信されていった。

 

ところが、2人の周辺で怪現象が頻発するようになった。

事態を重く見たモーフは絵画を処分しようとしたが、時既に遅かった。(wikipediaより抜粋)

 

 

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監督

今作を手がけるのはダン・ギルロイ。

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冒頭でも書きましたが、「ナイトクローラー」で監督デビューしたお方。

それまでは「落ちた天使」や「落下の王国」といった作品の脚本家として著名な方でございます。

 

ギルロイと聞いてあれ?と思った方は大正解。

お兄ちゃんはジェイソンボーンシリーズの脚本や、あの「ローグ・ワン」で退屈だった前半から再撮影し、後半がらりと楽しい作品へと昇華した手腕を絶賛されたトニー・ギルロイです。

 

監督これが2作目、なんて思った人も多いかと思いますが、実はこれ3作目。

人権派の弁護士が資金調達に奔走し、自分の信念を試されていく、デンゼル・ワシントン主演のドラマ「ローマンという名の男~信念の行方~」が前作なんですね。

 

ローマンという名の男 ー信念の行方ー ブルーレイ & DVDセット [Blu-ray]

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 これデンゼルワシントンがアカデミー賞主演男優賞にノミネートした作品なんですけど、見事にDVDスルーとなってしまっていて。

最近レンタルしに行かないので、ソフトが出ていたことも知らず。

デンゼルといえば、その前の「フェンス」も劇場公開しなかったですよねぇ。

日本に嫌われてるのか?

配給会社は頑張って上映してほしいものです。事情はあるんでしょうけど。

 

というか、ナイトクローラー以外監督作品は劇場にかかっていないんですよね、日本では。

今後も配信映画に尽力するのでしょうか。

 

 

 

キャスト

アートディーラーのモーフを演じるのは、ジェイク・ギレンホール。

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今年こんな早くに彼の主演映画が拝めるなんて!という気持ちです。

「ナイトクローラー」では、ガチムチの体をできるだけ絞ったことで、ボディはひょろひょろ、目はギョロ目という、まさに不摂生でカタブツで何かに取り付かれたようなキャラへと変化をし話題となったんですが、今回は一体どんな役作りをしたのでしょうか。

見るところヘアースタイルがマッシュルームに黒縁めがね。

いかにもアートに詳しい雰囲気の姿ですね。

やっぱサスーンカットなのか?

 

彼に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

www.monkey1119.com

ジェイクの次回作は、まさかのアメコミ!

アベンジャーズ/エンドゲームのすぐ後から始まる物語として話題の「スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム」でミステリオ役として出演します。

敵かな?味方かな?

 

 

 

 

その他のキャストはこんな感じ。

モーフと組んでディーラーをしているロードラ・ヘイズ役に、「ナイトクローラー」、「マイティ・ソー」に出演し、監督の奥さんでもあるレネ・ルッソ。

グレッチェン役に、「500ページの夢の束」、「ヘレディタリー/継承」のトニ・コレット。

新人ディーラー・ジョセフィーナ役に、 「ノクターナル・アニマルズ」のゾウイ・シュトン。

ジョン・ドンドン役に、「パイレーツ・ロック」、「メアリーの総て」のトム・スターリッジ

ココ役に、Netflixドラマ「ストレンジャー・シングス」のナンシー役でおなじみ、ナタリア・ダイアー

そしてピアース役に、「マルコヴィッチの穴」、「マイル22」のジョン・マルコヴィッチなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

予告見る限り結構怖そうなんですが、ジェイクが驚いたときの顔で笑っちゃうんですけどw

まぁいいや、アートの見る目もない拝金主義のディーラーに一体どんな罰が下るのか。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

俺もそのうちに映画に殺されるのか?

現代アートを食い物にする画商たちが恐怖に染まるアートホラーでした。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品の価値とは。

LAの現代アートを富裕層に高値で売りつけることを商売とする画商たちが、無名作家の作品を展示販売していくうちに、その作品の呪いによって恐怖の沙汰に追い込まれていく姿を、資本主義によってただただ消費されるだけのアートに対して、また一つの批評によって作品の価値を左右させてしまう批評家たちに対して、皮肉と警鐘を鳴らした強いメッセージ性の作品であると共に、渦中の人物たちが救いようもなくアートに殺されていく様をスタンダードなホラーテイストで描くことによって娯楽性を高めた、監督の作家性が秀でた作品でございました。

 

最近東京都内の壁に落書きされたアートが、街の片隅の壁に社会風刺的なグラフィックアートをゲリラ的に書くことで世界的に有名な覆面芸術家・バンクシーのものかもしれないと話題になりました。

そんな彼の作品がオークションに出品され、落札された瞬間、内部に装置されたシュレッダーが自動的に動き出し裁断されてしまうというニュースがありましたよね。

www.huffingtonpost.jp

バンクシーはオークション事態を嫌ってるそうで、それに対する挑発だったということで、こういうパフォーマンスをしたそうですが、いつからか現代アートはアーティスト至上主義から、金持ちが金を落とすことで資本主義による経済へと発展していき、一つのビジネスと化してしまっているそうで。

 

そこに群がるのが、アーティストと顧客を仲介し、作品に付加価値をつけ売りつける画商たちや、作品を自身の観点で批評し価値をつける批評家たちなのであります。

 

今作はそんな現代アートを描き続ける作り手の懐に入って金をちらつかせ価値そのものの基準を崩壊し、それを巧みな戦術で高く売りつけたり、言葉一つで0にも100にもさせてしまう批評家たちへ一杯食わせてやろうといった、監督独自の皮肉たっぷりの映画になっておりました。

 

作品の価値は誰が決めるのか。

そもそも価値とは、その商品に対して提示された額以上の価値があると判断した時に価値が決まり、買い手はお金を出すことで、商売が成立するわけです。

だから本当ならアーティストと買い手が直接値段交渉して成立するのが一番いいことだと思うのですが、アーティストが単独で作品を売るのに、宣伝しなければ世に広まらない。

その間に宣伝してくれる人が立てば、売買はより発展する可能性がある。その代わり仲介料をいただきますよ。

うん、段々ビジネスになってきた。

気が付けばその仲介人によって「付加価値」という名の単なる値段のつりあげによって作品の価値は徐々に高騰し、ビジネスが拡大していく。

観てください、彼、今後絶対アーティストとして名が売れます、この画この値段で買っとけば、あとで付加価値が付きますよ!

みたいな感じで、富裕層はドンドン金をつぎ込んでいく。

いつしか、作品は金額の高さが評価の基準になってきている。

高いものが良いもの、優れたもの。

果たして本当にそうなんだろうか、ってところがこの映画の言いたいことの一つだったのではないでしょうか。

 

 

 

批評することとは。

これを観た僕の感想としては他人事ではないなぁ、ということ

現にこうしてこの映画の感想を書き、満足度という作品への評価を数値化してネット上にアップしているわけですが、嬉しいことに検索で上位にあがることが多くたくさんの方に触れていただいている、その広告収入で懐が温まっているわけで、それを読んだ人たちに僕の作品の評価を植え付けてしまっていることも事実であり、それによって興行を左右させてしまっている身分、かもしれないということです。(うぬぼれんなw)

 

 

これってモーフのやってる事と同じではないか?と。

彼は批評家として名の知れた存在であり、彼が高い評価をつければ作品の価値は上がるし、彼が価値が無いと酷評すればその作品を作ったアーティストは作家生活をもしかしたら絶たれるくらい業界から干される可能性だってある。

もちろん僕はモーフのような名の知れた存在ではないし、影響力だってないです。そもそも批評家ではないし。

しかしやってることは力の差は歴然であれ、同じではないかと。

勝手に鑑賞し勝手にあれこれ言って作り手の気持ちを無視し、酷評することもあります(最近はあまりしてないけど)。

その感想を読んだ人が、どう判断するかはその人次第ですが、それによって見に行かないという選択肢を取った人が大勢いたら、そのせいで興行が失敗したら、と考えると、僕は映画に殺されても仕方ないなと。

 

とまぁ、料理にしろアートにしろ、音楽にしろ、名だたる批評家の言葉一つで、作り手の人生は決まってしまう、なんてのは大げさかもしれないけど、この映画では実際モーフの批評によって、買い手が離れお蔵入りしてしまう人もいたり、彼が相手に対する気持ちひとつで、天にも地にも行かせることができる事を伝えています。

 

はっきり言って、批評家なんてジンベエザメの下でうようよ泳いでいるコバンザメと何ら変わりありません。

作品や作り手が無ければ食っていけないわけですから。

あくまで立場が上なのは作品であり作り手であって、その立場が逆転してはいけないのです。

劇中ではモーフに良い批評お願いね、なんておねだりしている人が多々見受けられますが、もう逆転していますよね。

こんな市場であってはいけないわけです。

謙虚な姿勢で作品を評価したり批評する。もちろん愛をもって。

僕も肝に銘じたいと思います。

 

 

登場人物の立ち位置。

なんか、いつものようなテイストで書けてないのが、自分でも気持ち悪いんですがw

登場人物をよくよく見てみると、色々面白いなぁと感じた今作。

 

モーフは上でも書いた通り、僕の言葉一つでアートの価値が決まると思い込んでる、

インテリ前髪ぱっつんメガネマッチョなんですが、ちょっとオネエ入ってましたよね。

彼バイセクシャルだったんですね~。アート業界然りファッション業界然りこういう方が多いんだなぁってのは色んな映画見て思いましたが、今作ではモーフがそういう持ち回りだったようで。

 

そしてロドラ。彼女かつてアート集団「ベルベット・バズソー」に在籍してたみたいなセリフありましたけど、あくまでスタンスはパンクであり初期衝動でアートを描いていたようで、結果夢破れて画商の道で食っていこうと決めたみたいな過去がある人物として描かれています。

どこもかしこも弱肉強食と悟ったことが、この業界で生きていく決め手だったんでしょう。

現に彼女は色々アーティストを口説いて他のギャラリーから出し抜こうとあれこれ策を練っているのが見て取れます。

 

そしてジョセフィーナ。

この業界でのし上がっていこうと頑張っている彼女。

彼女によって、無名作家ディーズの作品が発掘され、その恐怖が広がっていくわけですが、当初はそれを自分の手柄にしようとしていたんですよね。でもロドラに手柄を取られ、その代わりマージンをもらうことで優雅な生活を手に入れていく。

しかしそんな彼女もあの絵画に襲われていく羽目になっていくんですが。

こいつ劇中で3人も恋人変えてるんですよね。

しかも、めちゃんこ被害者ヅラしてて、恋人が浮気した➡モーフに慰めてもらう➡元カレの個展ボロクソ書いてとモーフに頼む➡そのせいでモーフちょっとへこむ➡あなたに魅力感じなくなった➡別れて別のアーティストと付き合う

とまぁこんな具合でコロコロ変えるんですけど、自分を高尚な人間と思いこんでる節があるのか、それとも恋人を自分の所有物と思ってるのか、はたまた恋人は自分にふさわしい才能あふれた人物でないとダメとか、要はビッチだろこいつ!と非常に嫌いなキャラでしたね。

こんな女に近づいてはいけません。はい。

 

お次はココちゃん。

はい、ストレンジャーシングスで大活躍中の彼女もとうとう映画に進出。

今回も髪降ろしてアラレちゃんメガネかけて、あ~かわいい。

ココは最初ヘイズギャラリー(ロドラが経営するアートギャラリー)にいましたが、ロドラにボロカス言われて、商売敵のジョンがいるアートギャラリーへ転職、めちゃめちゃロドラの事リークしてます。

そして次は美術館のキュレーターからアートアドバイザーに転職したグレッチェンのアシスタントに付き、最後はモーフのお手伝い。

彼女最初から最後までリークするのと、死体を発見する役柄なんですよね。

ジョセフィーヌに恋人が浮気してることを教える➡ロドラに怒られジョンとこへ転職➡ロドラの情報リーク➡ジョンの死体発見できゃああ~~っ!!➡グレッチェンのアシスタントに写る➡グレッチェンの死体発見できゃあああ~~っ!!➡モーフの手伝い➡モーフにロドラの情報リーク➡モーフの死体見つけてきゃあああ~~っ!!➡田舎へ帰るw

あこいつ出てきたってことは寝返って色々バラすんだろうな、って途中からパターン読めてきてさすがに笑っちゃいましたw

田舎に帰りたくなくて彼女なりに必死にしがみ付いたけど、伝手を無くしたことで結局ロスから離れるというちょっと寂しい役柄でした。

可愛いから許す。(ジョセフィーヌとえらい違いw)

 

グレッチェンは、まず恰好がロスの現代アート業界で活躍してますって匂いがプンプンしてます。

いかにもな服装にいかにもな髪型、流行ちゃんと取り入れてますみたいなのが既に監督の皮肉に見えます。

本当にアート分かってる?みたいな感じ。

そんな彼女は美術館のキュレーターが安月給なのか知らんけど、アートアドバイザーとして独立します。するとすごく態度が変わるんですよね。

横柄というか傲慢というか。やっぱパトロンの存在がそうさせたのか。

もちろん彼女の言動にモーフはブチ切れ。

ディーズの作品をロドラから借りて古巣の美術館で超強引に展示会をやるよう要請。

はい、もちろんこんな女性もアートの呪いによる制裁が行われます。

 

最後にピアース。

劇中の中で一番の巨匠なんですが、画商につられて複製を作って売ろうと。その間新作創作に励もうとしているようで。

あれですな、アンディ・ウォーホルみたいなことやろうと。ちとちがうか。

田舎にファクトリー作って複製を作っている傍ら新作製作に打ち込んでるんですが、完全に創作意欲が沸いていません。

恐らくディーズのすごい画を見てしまったことで、自分を信じられなくなってしまっているのか、それとも限界に達したのか。

僕は恐らく複製して売ってる事への罪悪感からきてるのかなと。

 

まぁこんな具合に登場人物の欲が渦巻いた作品としても楽しく鑑賞できるのかなと。

 

 

最後に

「ナイトクローラー」が不気味で胸くそ悪かったのに対し、今作はアートで金儲けする人たちが殺されていくという一種の復讐が成立しているせいで、そこまでの胸くそ悪さは感じませんし、その殺され方も意外性があまりなく、ホラーとして見るとパンチはだいぶ弱いです。

ただ監督はこの映画を通じて、お金がお金を生み市場をどんどん大きくしてしまうことで制作者へのリスペクトが無いまま商品が売買されてしまう現代アートに問題提起していることは容易です。

こんなこと続けるとバンクシーにまたシュレッダーかけられちゃうぞ!

ただまぁあれだよなぁ、これ売る方が罰せられて、買う方が罰せられないのはいいのか?

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10

映画「アクアマン」感想ネタバレあり解説 ハッキシ言っておもしろカッコイイぜ‼︎

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2月8日

アクアマン

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あらゆるアメコミヒーローがどんどん増えてきて、もうおなかいっぱいだよ!と思ってる方。

実はさらに増えるんですねぇ。

4月には「シャザム!」、3月には「キャプテン・マーベル」にスパイダーマンのアニメーション映画「スパイダーバース」、もっと言えばX-MENのスピンオフ「ニュー・ミュータンツ」ってのも一応今年公開予定だし、バットマンの宿敵であるジョーカーの単体映画ももしかしたら今年公開予定。

こんな具合にどんどん新たなアメコミ映画が今年増殖、いや誕生するんですね。

そんな華々しいアメコミイヤーの最初を飾る作品がこの「アクアマン」なんですね~。

 海外ではめちゃめちゃお客さんが入ってるようで、とうとうDC映画でナンバーワンの記録を更新したとかしないとか。

日本でも大ヒットになるのかなぁ。

面白かったら盛り上げたいよなぁ。

 

さてさて肝心のアクアマンですが、一昨年公開した「ジャスティス・リーグ」にて単体映画をやる前に登場してるんですよね。

MCUの場合だと、先に単体映画やってからアベンジャーズに合流させるってのが主な流れですが(ブラックパンサーだけ違うけど)、DC映画はその逆を行くんですよね。

まぁ興行的にも製作的にも色々順風満帆にいってないのも加味してのやり方に感じますが、先に登場している分、アクアマンがどんな能力でどんな性格でっての理解してるから、こいつの単体映画が見たい!って気持ちにさせてくれますよね。

 

果たしてどんな作品になっているのでしょうか。

というわけで今回は一足お先に試写会で堪能してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

スーパーマンやバットマン、ワンダーウーマンらと共に映画「ジャスティス・リーグ」内で戦った海の戦士「アクアマン」がついに主役単体映画として登場。

海底に広がる巨大な帝国アトランティスを築いた海底人たちの王女を母に持ち、人間の血も引くアクアマンは、シャチやサメをはじめ海の生物全てを味方につけ、意のままに操る能力を持つ。

そんな彼の出生の秘密からアトランティスの王としての宿命までの物語を、スリラー映画の革命児にして、「ワイルドスピードSKYMISSION」を世界的ヒットにさせた監督が人類未体験の海中バトルアクションエンタテインメントに仕上げた。

 

故郷が人類を征服しようとしたとき、守るのは人類なのか海底なのか。

アクアマン第1章がついに幕を開ける。

 

 

 

LEGO アクアマン ブラックマンタの攻撃 76095

LEGO アクアマン ブラックマンタの攻撃 76095

 

 

 

Aquaman (Original Motion Picture Soundtrack)

Aquaman (Original Motion Picture Soundtrack)

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

アクアマン(ジェイソン・モモア)は、海底王国アトランティスの末裔だったが、人間として育てられた。

しかしある日、彼は未知の文明を持ったアトランティス帝国が人類の支配を狙っていることを知る。

アトランティスの強大さを知るアクアマンは、地上と海どちらの側につくか葛藤する。(シネマトゥデイより抜粋)

 

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監督

 

 今作を手がけるのは、ジェームズ・ワン

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そもそもこのお方、こんなアクションエンタメ映画で成り上がったお方ではありません。

元々はホラーやスリラー映画畑の人。

ですがワイスピ史上誰もが泣いた「ワイルドスピードSKYMISSION」が大当たりしたことで、今作の監督として白羽の矢が立ったのかなと。

ホラー映画撮る作り手って低予算でできるのが強みの一つだと思うんですけど、その分アイディアだったり技術が伴うわけですよ。そういうことをこれまでして来た人たちってのは、映画を面白くする見せ方を知ってるんですよね。

監督もその一人なんじゃないかと。

だからスカイミッションであんな超高層ビルの間をジャンプさせたり、スカイダイビングさせるっていうムチャ中のムチャをやってのけてしまうアイディアをもってるんですよね。

今回は一体どんなアイディアで楽しませてくれるのか期待です。

 

そんな彼の作品をサクッとご紹介。

8分のパイロット版を製作して売り込み映画製作にこぎつけた作品で、理由もわからぬままある部屋に放り込まれた2人の男の姿と、それをゲームと称して指揮する謎の人物をスリリングに描いたスリラー映画「ソウ/SAW」がサンダンス映画祭で絶賛され、いきなり世界に注目されていきます。

続編以降はでは製作総指揮として周り、別の作品に着手。

昏睡に陥った子供を救うべく奔走する家族の顛末をひねりの聞いたストーリー展開で驚かせた「インディシアス」、実在する超常現象研究家負債が体験した事件を描いた戦慄のオカルトホラー「死霊館」などどれもシリーズ化され、人気ホラー映画を次々と製作していきます。

一度ホラー映画から離れることを宣言した後、凄腕ドライバーたちがド派手なドライビングテクニックを見せながら仲間と共にミッションを遂行していく「ワイルドスピード」シリーズ第7弾「ワイルドスピードSKYMISSION」が大ヒットし再び注目を集めます。

その後ホラー映画に戻り、「死霊館」シリーズの続編で、最も有名なポルターガイスト現象の一つとして知られる事件の顛末を描いた「死霊館/エンフィールド事件」を手がけています。

 

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キャラクター紹介

 

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左上より

  • アクアマン/アーサー・カーリー(ジェイソン・モモア)

 

一見ぶっきらぼうだが、実は最高熱いハートの持ち主。命がけで戦うときもユーモアを忘れない、頼れる男。

海底アトランティス帝国と人間の2つの血を引き、海の生物すべてを味方にできる。

世界の脅威をメラから知らされ、やむなく立ち上がるが・・・。(HPより抜粋)

 

 

  • メラ(アンバー・ハード

 

水を自在に操る力を持つ、赤い髪の美女。海底国ゼベルの王女。地上に迫るアトランティス王国の脅威を防ぐため、アクアマンの前に現れる。

いい加減なアクアマンに手を焼きながらも、ともに世界を股にかけた戦いに身を投じていく。(HPより抜粋)

 

  • ブラックマンタ/デビッド・ケイン(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世

 

父と共に海賊として生計を立てる野心的な男。アクアマンに父を見殺しにされたことで、彼に執着してく。オームより特殊なアーマーをもらい、維新で改良を重ねたことでブラックマンタとして復讐を誓う。マスクから致命的なエネルギーブラストを発する強力なアーマーの一式をまとい、アクアマンとアクアマンが愛するすべてのものを破壊しようとしている。(ワーナー公式より引用)

 

  • オーシャンマスター/オーム・マリウス(パトリック・ウィルソン

 

 

アトランティス帝国の若き王。海を汚し、海の平和を壊す人類を憎む。

“オーシャンマスター”を名乗り、手段を択ばず地上と海を合わせた地球丸ごとの征服を狙う。(HPより抜粋)

 

 

  • バルコ(ウィレム・デフォー

 

アトランティス帝国に仕えるオームの参謀。アクアマンが幼い頃、密かに水中呼吸や戦闘術を教え、彼の才能を開花させた。(HPより抜粋)

 

  • ネレウス王(ドルフ・ラングレン

 

 

メラの父親。海の平和を望む思いから海を汚す人類を憎むオームに賛同し、地上への勢力拡大に賛同する。(HPより抜粋)

 

  • アトランナ女王(ニコール・キッドマン

 

 

アクアマンの母。男勝りの戦士にして、アトランティス帝国の女王。(HPより抜粋) 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロン毛に無精ひげなワイルド系、オレ様肌のぶっきらぼうな見た目ですが、「ジャスティスリーグ」でも垣間見せた人情味溢れる男気と、実は心の中の弱さなんかもちょっぴりもった、いかにも人間らしいヒーロー。

一体アトランティスはなぜ人類を征服しようとするのか、そしてアーサー、いやアクアマンはどちらの味方をするのでしょうか!?

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

だぁ~~~~っ!!これぞ男の浪漫!!

漫画をそのまま映画にするってのはこういうことだよ!

徹頭徹尾水浸しアクションで、お肌も心もウルオス映画でした!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もうお腹いっぱいです。

半分人間半分海底人の超人アーサー・カーリーが腹違いの弟による地上への侵攻を止めるべく、どこかに眠る王の証「トライデント」探しをしながら、真の王になるとはどういうことかという自分探しの冒険の旅をしていく姿を、ジェームズワンの渾身のアイディアによって描かれた少年漫画チックなアクション描写、あれ?これあの映画から引っ張ってきた?と思わせるいいとこどりな場面の数々、そしてスクリーンの隅々までガシャガシャさせる大盛り上がりなクライマックスによって、話は二の次だ!とにかく映像だ!それが映画だ!と教えてくれた、海洋ロマンアドベンチャーバトルヒーロー映画でございました!!!!

 

いやぁ~2時間20分これあるんですけど、画がね、とにかく飽きない。

最初から最後までず~っとバトルですよ。いや大袈裟じゃなく。

さすがに最後のバトルはスゴイを通り越して思わず笑っちゃいました。監督あんた何やってんのwwって。

 

この映画の数式を作るなら、魚魚魚(ギョギョギョ)+(マトリックス+ギャレゴジ+スターシップトゥルーパーズ)×(スターウォーズ+インディジョーンズ)÷ジュラシックワールド+ジェームズワンのホラー映画=アクアメーーン!!!

みたいな。

あ、数式テキトーなんでw

 

それくらいね、色んな映画のオイシイところをを監督流に咀嚼してシェイクして、そして100%海洋深層水(つってもCG)を流し込んでできたのがこの映画なんだなぁと。

あ!あとちょっとオイニ―がツイキーでウェッティだけど、それが俺の持ち味さ♬と言わんばかりのマッチョバディを常に魅せてくれるジェイソンモモアのワイルドっぷりもトッピングで。

あ!それと真っ赤な髪とうろこのドレス装備であらゆる液体アタシのおもいどおり♪と言わんばかりの水を操るイイ女、米良、じゃねえメラ演じたアンバーハードのセクシーさもトッピングで。

 

さっきからなんか幼稚なワードばかり並べてんなこいつって思うでしょ。

いやねこれどっからどーみても「ぼくがかんがえたあくあまん」みたいな、いかにも子供が考えそうな映像のオンパレードで、アクションがほんと凄すぎて笑っちゃうんですってw

 

 

冒頭ではアーサーの父ちゃん母ちゃんの馴れ初めをアーサーが詩的に語るところから始まるんですけど、いきなりアトランナが槍持ってアトランティス帝国の傭兵と戦うんですよ。

一応事前にブログ仲間のしーまんさんから監督のアクションの傾向を聞いてたんですけど、被写体の周りをカメラがグルグル回るヤツ絶対あるから!って言ってて、それがこのシーンでいきなり出てくるんですね。

しかも敵を地面にたたきつけるところではカメラも一緒に倒れるってのがいくつもありまして、これがまぁ迫力ありましていきなり心掴まされるわけです、はい。

とりあえず、しーまんさんの「アクアマン」アクション解説はこちら。

 

www.shi-man6354.com

 

 

そこから現在、潜水艦に侵入した海賊たちを懲らしめるために我らがアクアメーーン!がメガトン級のバカ力で海底から海面まで持ち上げて、あいさつ代わりに入口破壊の敵脳震トウ!で、その入り口のふたをキャプテンアメリカみたく銃弾防御からのフリスビーSmashっ!!首絞められても一本背負いのとにかく敵を一網打尽していく様をコマ撮りでパッパッと映してくんですね。

で、後のブラックマンタとなるデビッドと、ご都合的に用意された広~い場所でサシの勝負。

向こうは両手にナイフですよ。

それをいとも簡単によけるアーサーくん。

シメた!と胸を刺すんだけど、アーサーくんはもちろん、きーかーなーいー(ニヤリ)ですよ。

そこへデビッドの父ちゃんがロケットランチャー1発お見舞いちゅどーん!!

なんだけど、アーサーくんはもちろん、きーかーなーいー(ニヤリ)ですよ。

 

とまぁこんな具合にバトル!バトル!バトル!が繰り広げられるので、前菜だけで腹八分目です。

おいおいこのままいったらデザート食えるかおい、俺をどれだけアクションで太らせる気だ監督!です。

 

 

まだまだあるんだアクションシーン。

一方その頃海中では、アーサーの腹違いの弟、マリウス葉、じゃねーやマリウス王がですね、何やら企んでるわけですよ。

メラの父ちゃんイヴァン・ドラゴ改めネリウス王と何やら揉め事してるとそこへ潜水艇がどどーんと向かってくるんですね。

危ない!とバルコが叫ぶとマリウス(オームでいいか)が突如シャイニングフォームで突撃。

槍で潜水艇の横をガガガガーっと切れ目を入れた後、後ろのモーターをバキン!と真っ二つにする様をスローモーションで丁寧に映します。

 

この海中シーン、「ジャスティスリーグ」でも短いエピソードとして描かれてましたが、エアーバブルでの会話ってのはありませんでしたね。

さすがに普通に会話できるように設定し直したんでしょう。

そして普通の人間が海中で動くような鈍さは一切なく、かといって地上で普通に動くようなスピードでもないほど良い速さでキャラが動くんですね。これがまぁリアル。

その時髪の毛はユラユラと浮いてるし、呼吸のあぶくもちゃんと用意されている。

そしていざ戦う時はもんのすごいスピードでびゅーん!と動く。

監督のこだわりとリアルさが細部にまで行き届いていたCG描写でしたね。

 

でまぁ、地上に宣戦布告だぁ!とオームがいうので、ネリウス王もそこまでいうならオーレも♪と賛同。

ちょっとまってよパパ!パーパ!と納得いかない様子の娘米良、じゃねえやメラは、地上で人間の生活を謳歌しているアーサーに会いに行って、これから起きようとしていることを説明し、アーサーに止めてもらうよう説得します。

その後泥酔した父ちゃんを車に乗せて家まで帰ろうとすると、パーフェクトストームみたいな大津波(ノブ風に言わなくてもおおつなみ)がアーサーの車めがけてやってきます。

車ごと飲み込まれたアーサーは離れてしまった父ちゃんを助けるため、津波の中を猛スピードで泳ぎます。

ここカメラがグルングルン回るもんだから何が起きてるか全然わかんなかったw

 

 いい加減やつらを動き食い止めねえと、あぶねえなこれってことで、メラと共に海底へ行き、バルコから、で、で、でんせつのぉ~トライデント(三又槍)をさがすのじゃぁ~!と言われ、よしいくぞ!ってなったとたん敵襲!敵襲!

見事にアーサーは捕獲されちゃうんですね。

ここでようやくオームとご対面、あ、ゴタイメーン!

母を失ったのはお前のせいだ!ってことで、兄ちゃんであるアーサーを嫌うオーム。

こんときのアーサーは兵士が持つ鎖につながれてるんですが、ふんぬぅ~っ!と兵士ごと引っ張ってオームの前まで近づく力を発揮。

 

そして、決闘です。

タコがドラムをドンドコドンドコ。何してんだよ。

二人とも聖闘士星矢みたいな格好して決まってるぅ~!

 

これ何がいいって、海の中なので一個一個動くたびに波動ができるんですよ。

で、二人の槍がぶつかったときとかさらに大きくなる。

そして一個一個攻撃が決まったりよけたりするとスローモーション。

吹っ飛ばしからのスピード移動で取っ組み合いで打撃打撃!

でもって、アツアツの溶岩ぶん投げて、その間に突っ込んでいくと向こうも突っ込んできてて、二人が衝突⇒ビッグバン!みたいな衝撃波ね。

これね、二人が金色のオーラまとってたらドラゴンボールのバトルシーンですよ完全に。

あのBGMが脳内で流れますもんw

 

いくら海底人の血を引いていても、これまで地上で生活していたアーサーにとって、純海底人の弟を簡単に倒すことはできません。

アーサーピンチ!ってところでメラがが助けに入り、間一髪でアトランティスから脱出。

ようやくトライデント探しの旅へ向かいます。

 

とりあえず人間ぽい格好した二人は、飛行機に乗って移動開始。

どうやってチャーターしたのよ。

アトランティスの王が眠っていた墓みたいなところがこの辺にあるってことで、サハラ砂漠上空へ。

よしいくわよ~!!っとメラさんいきなりパラシュートつけずにダイブトゥデザート!!

あはははは!いいね!おれもそれやる!

とあとからアーサーも落下!

アーサーさんめっちゃ笑顔ですw

もうこれあれですよ、監督の過去作「ワイルドスピードSKYMISSION」のセルフパロディですよw(車ごとスカイダイビングって件があるのです)

 

 

ある意味最大の山場。

 

・・・てかアクションシーンの解説だったなここ。

 

まぁなんだかんだありましてシチリア島へたどり着いた二人の前に、謎の黒くて頭でっかちでふわふわ空飛ぶ、どうみても敵?だよね?ってやつがアトランティスの兵隊を引き連れて登場。

オレの名はブラックマンタ!!クワックワッ!(それはブラックデビルだ!)

 

もうね、最初このブラックマンタのフォルムっていうんですか?だっせーなぁ・・・なんて思ってたんですけどね、見るたびに、あれ、なんか、かっこよく、見えてきたぁ!ってなりましてですね、5分バージョンの予告編を何度も見てましたよ、はい。

 

このブラックマンタ、誰かと申しますと冒頭でアクアマンに父ちゃんを殺されたと思い込んでいて敵討たな、ってなってるデビッド君でして。

ウチの戦闘服貸しちゃるけぇ、黙って使いんさい、とオームからもらったんですけど、いや俺が白着るってアホくさ黒に決まってんじゃんとカスタマイズしちゃうんですね。

 

で、まぁ説明書なんてないから色々手さぐり(といってもかなりのエンジニア)でいじるんですけど。

で、フルフェイスの部分いじってたらビュイーン!

とブラストビームの威力が半端なくて、これあれだな、このままこれ被ってこのビーム出したら俺が危ない、どうしようこうしよう頭でっかちにしようって事で、このフォルムになりました。

 

 

そしていざ対決!ってなるんですけど、このシーンがまぁすごい

アーサーとメラは二手に分かれて戦闘開始。

アーサーはブラックマンタの破壊力に悪戦苦闘。

ブラストビームをモロに食らって腕が真っ黒です。

てか、スゲーふっとび様。

 

冒頭の二人の戦いでは、デビッドが胸をナイフで刺そうとしても、アーサーが頑丈すぎて刺さらないんですけど、今回のバトルは見事に刺さっちゃうんですね。

こういう対比をちゃんと取り入れる監督、好き。

 

どんどん押されていくアーサー。

終いにはブラックマンタがエドモンド本田ばりにスーパー頭突き(どすこい!)を食らわせ、教会の鐘のほうまで吹っ飛ばすんですね。

 

 

一方のメラは3体の兵隊と格闘。

これも被写体の回りグルグルカメラ方式で、しなやかな体で相手の攻撃をかわしながら、えいやぁ~!!と敵をしとめるメラを効果的に捉えています。

 

そのまま追いかけられてシチリア島の家々の上を走りながら逃げるんですが、ちょっとパルクール的動きで屋根の上を駆けおり、手は棒に捕まってジャンプしたりと、それスーパーマリオじゃんっ!と思わせるアクション。

実は下からもメラの方向に向かって敵が追いかけてきてるんですけど、またこいつが家の壁をガンガン突き破っていくんですよw

それキャプテンアメリカでやってたなぁ。いや家から家へジャンプする辺りなんてボーンアイデンティティですよ。ん?スプレマシーだったか?まぁいいや。

 

 

はい、で、どこがこのシーンおんもしれーっ!かっていうと、この2人のアクションをあくまでワンカット風に繋げて描いているんです。

アーサーVSブラックマンタでアーサーピンチ!

ってところから、画面が急に奥のほうへスライドしていくと、メラが追いかけられてる。

そしてメラが家の上をスタコラサッサしてるところを映したら、再びカメラが手前のほうへきて、アーサーがブラストビームを再びズドンと喰らう場面に変わるんですね。

 

またねぇ、とどめの刺し方もいいんですよ。

アーサーは空中にいるマンタめがけてツボぶん投げることで、ビームを自分で喰らってそのままどこか遠くへ吹っ飛んでいくっていうしとめ方。

 

こっちはまぁ普通なんですけど、メラのほうは凄い。

ワインが保管してある倉庫でピンチになるんですけど、液体を操れるメラはワイン全部操って、針状に変えてぶっ刺すんですね。

もうあれですよ、ここちょっとしたホラー要素入ってますよ。

後ろ真っ赤ですからね。

スティーブンキングのキャリーのあれですよ。パーティーのやつ。

 

しかも戦いが済んだら、あんだけ押されてたのに、アーサー君、「楽しいな(キラーン)」ですよwサイヤ人だな。

 

こんなの中盤でもってきて、クライマックスとかどうすんの!?って思ったら、この数分後またもや激闘のシーンが始まるので、もうこの辺でやめときますw

キリがねぇ。

 

 

最後に

このあと、急にホラーチックになってクリーチャーが出てきて、なかなかのスリリングな展開がやってきたと思ったら、スターシップトゥルーパーとかマトリックスのザイオンの戦いみたいな大戦争が勃発して、しかもそこから大怪獣出現して小者一掃って、画面の中が散らかりすぎてて、はっきりいってやりすぎw。

胃薬飲まないとおなかいっぱい過ぎて動けませんw

 

ただ動きばかりが2時間以上も続くので静の部分が少なく、もっと緩急がほしかったっていうのは正直あります。

アクション凄すぎてマジ話が頭に入ってこないんですものw

あとCGがなぁちょっと雑にも感じたかなぁ・・・。

アトランティスの景観は美しいんですけどね。

あとは海洋汚染は地上のやつらのせいだ、って事に対しての答えがないっていうのは、何のためにそれ言ったのかってのは思います。

しかもアーサーは地上も悪いことばかりじゃない的な発言で片付けてたし。

DCはこういうとこが甘い気がします。

 

ま、でも!超楽しかったからオッケーー!

 

とりあえずおかわりいってこようと思います。IMAXにしよ。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10

 

映画「ファーストマン」感想ネタバレあり解説 険しい道を歩んでたどり着いた月の美しさ。

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2月8日

ファースト・マン

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人類が初の月面着陸をしてからもう50年になるんですね。

当時は冷戦状態のソ連との宇宙開発競争が激化していたこともあり、国の威信をかけて力を入れていたようですが、今となっては計画すらもされていない様子。

その理由はやはりお金がないから、なんでしょう。

費用が莫大なんだろうし、当時はその費用をまかなえるほどの軍事力と産業力があったからできたんでしょう。

 かつて「インターステラー」を製作したクリストファー・ノーランは、今みんな手元にあるデバイスに夢中で下を向いてばかりで、どんどん内のほうへ向かってしまっている。

上を見上げることすらしない。外を見ようとしない。

我々が進化を遂げるには、外へ宇宙へ目を向けることだ、そんな気持ちをこめて作った。

と、言ったとか言わないとか。

 

きっと今回の作品を手がけたデイミアン・チャゼルもそんな思いで作ったのでしょうか。

ただインターステラーと違うのは、向こうはオリジナルに対してこちらは実在した人物のお話。

前人未到の月面着地へ向けて、いくつのもの困難を乗り越えて挑んだ男たちの奇跡のドラマ

夢を現実にする作品を描き続ける夢想家、デイミアン・チャゼルの新たな挑戦は、そんな死と隣り合わせの過酷なミッションを成し遂げた男にフォーカスを当て、観る者に再び夢を現実にすることのすばらしさを与えていくのだと思います。

下ばかり向いてないで空をみなよ、と。

そしてどんな映像マジックを見せてくれるのかにも期待です。

というわけで早速鑑賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

21世紀に入りテクノロジーが急激に進化を遂げる現在でも宇宙空間での任務は簡単には実現できないのが現状。

しかし50年以上前、今より技術が及ばなかった時代に月へと旅立った者たちがいた。

人類で始めて月面着陸をした宇宙飛行士ニール・アームストロングこそその一人だ。

 

その彼が偉業を達成するまでの過酷な道のり、仲間との絆、家族の支え、そして奇跡が現実に変わる瞬間を、ニールの視点で掘り下げていくドラマが誕生した。

 

手がけたのは「セッション」「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル。

夢を現実のものしていく作品を描いてきた彼が、今度は宇宙を舞台に、リサーチと構想に膨大な歳月をけて壮大なエンターテインメントに仕上げた。

また、宇宙でのシーンと地球でのシーンでカメラを使い分けることによって、ニール目線に近づけて撮影することを心がけ、彼のふとした瞬間といった細部な面や、まるで彼と一緒にアポロ11号に乗ってるような映像体験を可能にした。

人類史上初にして最も危険なミッションと人類にとっての偉大な一歩をスクリーンで体感せよ。

 

 

ファースト・マン 上: 初めて月に降り立った男、ニール・アームストロングの人生 (河出文庫)

ファースト・マン 上: 初めて月に降り立った男、ニール・アームストロングの人生 (河出文庫)

  • 作者:ジェイムズ・R.ハンセン,James R. Hansen,日暮雅通,水谷淳
  • 出版社/メーカー:河出書房新社
  • 発売日: 2019/01/22
  • メディア:文庫
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ファースト・マン 下: 初めて月に降り立った男、ニール・アームストロングの人生 (河出文庫)

ファースト・マン 下: 初めて月に降り立った男、ニール・アームストロングの人生 (河出文庫)

  • 作者:ジェイムズ・R.ハンセン,James R. Hansen,日暮雅通,水谷淳
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First Man -Digi/Bonus Tr-

First Man -Digi/Bonus Tr-

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 

1961年 愛する娘との別れ

空軍でテストパイロットを務めるニール・アームストロング(ライアン・ゴズリング)は、仕事に集中できずにいた。

まだ幼い娘のカレンが、重い病と戦っているのだ。

妻のジャネット(クレア・フォイ)と懸命に看病するが、ニールの願いもかなわずカレンは逝ってしまう。

いつも感情を表に出さないニールは妻の前でも涙一つ見せなかったが、一人になるとこらえきれずむせび泣く。

悲しみから逃れるように、ニールはNASAのジェミニ計画の宇宙飛行士に応募する。

 

 1962年、人類の長年の夢、月旅行へ

 NASAに選ばれたニールは、妻と長男を連れてヒューストンへ引越し、有人宇宙センターでの訓練と講義を受ける。

世界の宇宙計画ではソ連が圧勝していたが、そのソ連も到達していない“月”を目指すと指揮官のディーク・ストレイン(カイル・チャンドラー)は宣言する。

月への旅に耐えられる宇宙船は重すぎて、たとえ到着しても月から打ち上げられない。

飛行士は母船から小型船に移り着陸、任務終了後に母船とドッキングして地球へと帰る。

2機のドッキングができると実証するのがジェミニ計画。

成功したら月に着陸するアポロ計画へと移行することが決まる。

 

1964~65年、訓練&訓練&訓練・・・

宇宙空間で活動するための想像を絶するハードな訓練を共にし、飛行士たちは絆を結んでいく。

ニールが最初に心を開いたのは、軍人ばかりの飛行士の中で互いに民間人だったエリオット・シー(パトリック・フュジット)だ。

向かいに暮らすエド・ホワイト(ジェイソン・クラーク)とは、家族ぐるみで親しくなった。

ある夜、エドの家に集まったとき、テレビからソ連が人類初の船外活動に成功したというニュースが流れる。

それはエドがもうすぐ成し遂げるはずのミッションで、またしてもソ連に先を越されてしまった。

 

1966年、死を覗き見したドッキング

ディークから、ジェミニ8号の船長として史上初のドッキングを命じられるニール。

その任務からはずされたエリオットが、訓練機の墜落事故で命を落とす。

友の無念を胸に、デイヴ・スコット(クリストファー・アボット)と2人、ジェミニ8号に飛び乗ったニールは、アジェナ目標機とのドッキングに成功するが、ジェミニの回転が止まらなくなる。

非常事態に家族の通信も切られ、血相を変えたジャネットがNASAへと駆けつけるが、何とかニールの冷静な判断で危機を脱出、アジェナを切り離して帰還する。

その結果、NASAはメディアに人命を危険にさらし、莫大な費用を無駄にしていると書き立てられる。

だが、調査委員会はニールの功績を認めてアポロ計画へと移行、パイロットにエドが選ばれる。

名誉ある任務に就いたエドを、ニールとデイヴは心から祝福するのだった。

 

1967年、アポロ計画最大の悲劇

エドと2人の乗組員が、アポロの内部点検を行っていたとき、ニールはホワイトハウスのパーティーに出席していた。

政治家と話が合わず手持ち無沙汰の彼に、ディークから電話が入る。

それはアポロ内部で火災が発生し、3人全員が死亡したという知らせだった――。

 

1969年、未知とのカウントダウン

莫大な税金をかけて犠牲ばかりだと、アポロ計画は世間から避難を浴びる。

逆風の中、月に着陸するアポロ11号の船長にニールが任命される。

乗組員はバズ・オルドリン(コリー・ストール)、マイク・コリンズ(ルーカス・ハース)の2人だ。

出発の日、ジャネットは息子たち黙って行こうとするニールに、「帰れない場合の心構えをさせて」と訴える。

無邪気に笑う次男の横で、長男は父に「戻ってこれる?」と尋ねるのだった――。

家族と別れ、宇宙服に身を包み、3人はついに“未知”へと旅立つ――。(HPより抜粋)

 

 

youtu.be

 

 

 

 

 

監督

今作手がけるのはデイミアン・チャゼル。

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前作「ラ・ラ・ランド」でアカデミー賞監督賞をはじめ6部門受賞という快挙を成し遂げましたが、今回の作品は残念ながら主要にノミネートはされず、視覚効果賞などに名前が挙がっています

そりゃあ宇宙へ行く話しですから、そこはかなり悪戦苦闘したんでしょう。

実際家庭などでのシーンは35ミリと16ミリで、宇宙シーンはIMAXカメラで撮影したそうで、画で勝負する彼ならではのこだわりが見て取れます。

 

今後はTVシリーズの製作に入るそうなので、監督の映画はしばらくお預けになるのかなぁ。

監督に関してはこちら。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

キャスト

宇宙飛行士ニール・アームストロング演じるのはライアン・ゴズリング。

f:id:monkey1119:20190124153312j:plain

「ラ・ラ・ランド」に続いて、監督作に出演したライアン。

一昨年は「ナイスガイズ!」「ブレードランナー2049」など3作も出演作品が公開されましたが、去年は1本もなし。

久々のライアンなので彼の「フフッ」なハニカミっぷりを堪能したいところ。

そして相変わらず今作でもオーバーな表情をせず寡黙な感じで演じているのでしょう。

もはやあなたにはそれが取り柄だ!

 

今後の出演作品がまだ出てませんが、そろそろ監督業のほうもまたやりだすのかな?

彼に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

ニールの妻ジャネット役に、「蜘蛛の巣を払う女」のクレア・フォイ。

エド・ホワイト役に、「猿の惑星:新世紀」「ターミネーター創世記」のジェイソン・クラーク。

デューク・スレイトン役に、「SUPER8」や「ゴジラ/キング・オブ・モンスターズ」に出演予定のカイル・チャンドラー。

バズ・オルドリン役に、「アントマン」、「ブラック・スキャンダル」のコリー・ストール。

ボブ・ギルルース役に、「ジャスティス・リーグ」、「レッド・スパロー」のキアラン・ハインズなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

今作はチャゼルが脚本を書いていない、しかも原作があるというのが今までの作品と違うところ。

そして月面着陸のことは知っているけど、アームストロング船長のことってそこまで詳しくないから、この映画を通じて学びたいですね。

そしてこれを見る前に、「アポロ13」や「ライトスタッフ」、「ドリーム」なんかも見ておくとより深くこの映画を堪能できる気がします。

ライトスタッフは観ておこ。

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

飛行士訓練の過酷さと、ニールの内に秘めた葛藤が見ていて辛い。

それでも月は美しい。

チャゼルって多分Sっ気あるよね。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寡黙な表情に何を思う。

X-15飛行実験のパイロットから宇宙飛行士へとなったニール・アームストロングの月面着陸までのドラマを、彼の私生活や仲間との絆と突然の別れ、訓練による苦悩と葛藤などを決して多くを語らない彼の表情から読み取り感じさせ、それを至近距離で重く静かに描いた作品でございました。

 

一体何が彼を突き動かすのか。それは幼くして病死してしまった長女への思いからだと思う。

それ以外にも飛行機で大気圏を抜け宇宙をまじまじと見たからだったり、それによって飛行禁止発令が出てしまったこともあるが、やはりエンディングのあのシーンを見れば一目瞭然だろう。

長女の死をあそこで初めて受け入れ、ようやく別れを告げることができた、僕はそう解釈した。

 

ニールは基本感情をあらわにしない。

重力を開館する訓練で気を失いトイレに駆け込んで嘔吐しても、その後駆け込んできたエドに紳士的に道を開けたり、その後の講義でも皆が疲弊してる中、平然と真面目に取り組む。まるで何事もなかったかのように。

ヒューストンで出会ったアストロノーツたちと、ビールを飲みながら夢と未来と任務とソ連への対抗心を語り合い、絆を深めた翌日には、仲間が事故で命を落とすというあっけない幕切れでも、葬儀の参列にも徐々に慣れていってるとはいえ、誰にも涙は見せない。

バズが暴言を吐いても、口を慎めの一言で黙らせたり、ドッキング実験でのトラブルでもどんなに体に負荷がかかっても冷静さを失わない。

とにかく慌てないし喜怒哀楽を中々見せない。

精神が強いのか、それともそういう性格なのか。

きっと宇宙飛行士にふさわしい素質を持った人だったんだろう。

どんなに腹立たしいことがあっても八つ当たりはしないし、人前で哀しい表情を見せない。感情を押し殺して物事を見つめる人だった。

そういう意味では中々喜怒哀楽をオーバーに演じないライアン・ゴズリングは適任だったように思う。

 

それとは対照的に奥さんのジャネットは常に動揺を隠せない。

何かあれば喫煙し、次男の暴れっぷりには厳しく叱り、月へ向かうニールの不自然な行動には一括して子供たちに向き合うよう説得する。

安定した暮らしを求めて彼と一緒になったはずなのに、とエドの奥さんに打ち明ける辺りや、ドッキング実験での通信を遮断された時に宇宙センターへ駆け込む姿などから、彼女が如何に常に不安だったかが感じられる。

夫の身の安全を願い続ける妻の献身ぶりが、この物語の中で一番ウェットな部分になっていて、彼女に寄り添ってみると、夫の仕事がどれだけ命を懸けた任務なのかが理解できるのではないでしょうか。

 

 

息がつまる・・・。

これら登場人物たちの表情を超至近距離で捉えながら月への第一歩まで描く今作。

ザックリ感想を述べるとすれば「息が詰まる」の連続でした。

やはりスクリーンいっぱいに顔ドアップというのは、それなりの圧迫感をもたらす撮影方法であり、それに加え訓練の過酷さや飛行訓練でのトラブルがどれだけ危険なものなのかを何度も見せるのは、結構なものがあります。

 

冒頭、X-15の飛行実験。

高度15万フィートまで到達し大気圏を突破するんですが、体に重力がどれだけかかっているのかをどう映画で表現するかというのがここで描かれています。

とにかくカメラがブレブレであり、機体はグワングワン揺れ、操縦レバーをきちんと持てない状態、これに加えて轟音が鳴り響き、顔面硬直状態のニールをドアップで映す。

 

こんなシーンがこの後も続きます。

ジェミニ計画に入る前に与えられた訓練では、コクピットが縦横無尽にに回転する装置に一番最初に乗る羽目になったニールが、意識を失いながらも訓練を乗り越える姿が見ていて辛いです。

そしてジェミニ計画本番。先に打ちあがったアジェナとドッキングを試みる任務。

銀色で埋め尽くされた狭い船内を見ているだけでも息苦しい中、順調にドッキングを行うニール。しかしどんどんジェミニの回転が増し、重力が体を押し付けていく。

船内は徐々にきしむ音を立て、再び場内は轟音でいっぱいに。

ここでも船内と船外を至近距離で映し、今飛行士たちがどういう状態にあるのかをまじまじと見せつけていく。

ここでも冒頭のX-15でのシーンと同じく、機体にものすごい圧がかかっているのをこれでもかと見せつけ、まるで我々も搭乗し同じ苦しみを味わっているかのような感覚を味あわせてくれます。

 

このように、当時どれだけの宇宙飛行士が未知の任務に対し過酷な訓練を受け、実験を重ね、そのうえで命を落としたのかという事実を、今の人たちにも体感してほしいかのようにスリリングに且つ緊張感にあふれた映像の数々が劇中にはありました。

 

月の美しさ。

何か一生懸命努力して成果を成した時の爽快感は、体験した人にしか理解できない領域があると思います。

険しい山を登った時や、練習を繰り返し本番を終えた時、身近なことで言えば月曜の朝から金曜の夜まで働き終えた時でもいい。

とにかく目の前に連なる困難な道のりを進んだ後に観る景色は、その人にしかわからないわけです。

 

この映画は、まさに宇宙飛行士たちが過酷な試練を乗り越え達成した景色がどれだけ美しいものだったのかを教えてくれています。

観ているこちら側も、彼らとともに息苦しい映像の数々を見届けた後、彼らとともに月の素晴らしさを感じるような演出が施されています。

 

今回月のシーンはIMAXカメラで撮影したそうで、それまでの地球での映像は16㎜や35㎜で撮影したそう。宇宙空間に行くと格段にキレイな映像になっているのが見ているとわかると思います。

粒子のように細かい月の土や、どこまでの底があるのかわからないクレーター。そこから見た地球の距離。未開の地に降り立った彼らでなければ感じることのできない映像がそこにはありました。

 

正に息を飲むシーンとはこのことで、これを観ただけでもこの映画を見ただけの価値があると思います。

 

教科書でしか知りえなかった月面着地。

そこには計り知れない訓練や実験の数々、そこで起きてしまった事故や犠牲の数々、計画そのものがどれだけ技術が追い付いておらず無謀だったかがわかり、国の威信をかけて費やした莫大な予算や、それに対してどんな反感があったのかという背景などなど、その計画に携わった人たちのドラマや、困難や心の傷を乗り越えて達成したニールの鼓動や呼吸に至るまでをこの映画に凝縮させたことで、我々はこの偉業の素晴らしさと辛さを感じられるのではないでしょうか。

 

 

とはいえ映画としては。

はい、ここまで色々書いてきましたが、実際面白いのか否かという二極的な面を言うのであれば、否というのが僕の評価。

だってこれ、ニールのエピソードと史実を組み立てただけ、っていう映画にしか見えない。

恐らく膨大な資料や未だ存命の関係者から話を聞いて映画を作ったんでしょう。その努力は認めますが、結局のところニールの内面だったり今何を思っているかっていうのがごっそり抜けている。

いやそれはお前の観察力が弱いとか言われても仕方のないことなんだけど、とはいえニール自身が何も語らないことにはドラマとして成り立たないわけですよ。

その役割を担うのが奥さんなので、彼女のセリフからだったり一緒にいる時のシーンでないと、彼の本質が掴めない。

多分僕らが見たいのは彼のプライベートでのことではなく、職務でどういう気持ちだったかなわけで、職場で彼の気持ちを代弁してくれる人がいないから、中々伝わりづらい。

 

僕はセッションもララランドも大好きなんだけど、これらが嫌いな人ってのは監督が如何にドラマを描くのが下手かってので嫌ってて、今回のファーストマンを見て僕も監督が嫌いだって人の感覚がちょっとわかった気がします。

何というか映像で圧倒的没入感を生むことには長けてるんだけど、それ以前で人物を描くことが本当にうまくなくて、セッションでのジャズもララランドでのミュージカルも記号でしかなく、どんなにオマージュをささげていても独自性がない。

 

自分の好きなモノや題材をそのままでしか出していないというか、咀嚼して新たなものを見せてないんですね。

監督が凄くドリーマーでロマンチストだって部分はすごく好きなだけに、そろそろ映画監督らしい一面を見せないと、今回の映画のようにただストーリーをなぞるだけの物しか作れなくなってくる気がしてなりません。

今回は脚本がチャゼルではなかったものの、そういう部分が目立ってしまったように思えます。

やはりドラマなのですからもっと人物描写にフォーカスをあてて物語の構造にしっかり波をつけてほしいなというのが僕の気持ちです。

 

とまぁここまで言っておきながら僕はチャゼル大好きなんですけどねw

 

 

最後に

ニールアームストロングの偉大な言葉、「人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな一歩だ」という言葉の通り、今当たり前のように存在する技術だったり景色だったり生活ってのは、先人が努力や苦労、犠牲を重ねて生み出されたものです。

宇宙開発も同様に、莫大な費用と数えきれない犠牲があってこそ成し得た功績なのです。

ただ、その先人のおかげ、という部分を噛みしめることができる宇宙飛行士の映画は今作よりも「ライトスタッフ」の方が感動的です。

残念ながらそれを超えるような作品ではなかったなぁと。

 

というよりもこれはニールの物語なので、彼が長女を亡くした悲しみからどうやって解放されたか、って方がしっくりくる映画だったかなぁと。

それでも描写弱いんだけどw

 

チャゼル3作目は僕にとっては平凡な作品でした。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10

映画「女王陛下のお気に入り」感想ネタバレあり解説 戦争中なのに王室で恋の戦争勃発。

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2月15日

女王陛下のお気に入り

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今年度アカデミー賞9部門10ノミネートと、今回大本命の映画がいよいよ公開です。

何が嬉しいって、受賞式直前に本命の作品が日本で見られるという喜びですよ。

 と言っても私、去年の東京国際映画祭ですでに鑑賞しておりまして。

まぁ~笑わせていただきました。

え?笑えるの?ですって?

いやいや笑えるんですよ。マジで

嫉妬と駆け引きと愛憎と下ネタのオンパレードです。

大奥ですこれ。

あまりここで言っちゃうとあれなんでこの辺にして。

 

ただ、これ鑑賞したのがもう4ヶ月近く経っていて、色々細かい点とか忘れちゃってる部分もあったんで、もう一度見ておかないとブログ書けないなぁと。

というわけで、早速鑑賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

去年のヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞、その後ゴールデングローブ賞をはじめ様々な賞レースで賞賛され、さらには本年度アカデミー賞大本命とまで言われた作品がいよいよ日本で公開される。

 

国民がひもじい思いをしながらもフランスとの戦争を続けている18世紀のイギリス王宮内を舞台に、女王の幼馴染であり彼女の側近として仕える官長、その官長の従姉妹でありながら上流階級から没落し召使として働くことになった女の二人が、政治に関心を持たないお飾りでありながら子を失った悲しみを拭え切れずにいる女王のお気に入りになろうと、嫉妬と野望渦巻く熾烈な駆け引きを繰り広げていく姿を描く。

 

ロブスター」、「聖なる鹿殺し」などで人間の奥底に眠る欲を抽出し、捻りを効かせたブラックなユーモアで笑いと不快さを覆ったヒューマンドラマを生み出しているヨルゴス・ランティモス監督が、今回初めて英国の歴史を舞台にしたドラマを手がけ、豪華絢爛でありながらスリリングな宮廷ドラマへと完成させた。

 

息もつかせぬイギリス版大奥をごらんあそばせ。

 

 

 

The Favourite (Original Motion Picture Soundtrack)

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あらすじ

 

 

時は18世紀初頭、アン女王(オリヴィア・コールマン)が統治するイングランドはフランスと戦争中。

アン女王の幼馴染で、イングランド軍を率いるモールバラ公爵の妻サラ(レイチェル・ワイズ)が女王を意のままに操っていた。

 

そこに、サラの従妹だと名乗るアビゲイル(エマ・ストーン)が現れる。

上流階級から没落した彼女はサラに頼み込み、召使として雇ってもらうことになったのだ。
ある日、アビゲイルは、痛風に苦しむアン女王の足に、自分で摘んだ薬草を塗る。

サラは勝手に女王の寝室に入ったアビゲイルをムチ打たせるが、女王の痛みが和らいだと知り、彼女を侍女に昇格させる。

 

イングランド議会は、戦争推進派のホイッグ党と、終結派のトーリー党の争いで揺れていた。

戦費のために税金を上げることに反対するトーリー党のハーリー(ニコラス・ホルト)は、アン女王に訴えるが、ホイッグ党支持のサラに、女王の決断は「戦争は継続」だと、ことごとく跳ね返される。

 

舞踏会の夜、図書室に忍び込んで、蝋燭の灯りで本を読んでいたアビゲイルは、ダンスホールを抜け出して突然駆け込んできたアン女王とサラが、友情以上の親密さを露わにする様子を目撃してしまう。

 

国を動かす二人と最も近い位置にいるアビゲイルに目を付けたハーリーが、アン女王とサラの情報を流すようにと迫るが、アビゲイルはキッパリと断る。

アビゲイルはそのことをサラに報告するが、褒められるどころか「双方と手を組む気かも」と探られ、空砲で脅されるのだった。

 

アビゲイルはサラが議会へ出ている間のアン女王の遊び相手を命じられるが、女王は「サラは国家の仕事より私を優先させるべき」と駄々をこねる。

アビゲイルは、女王の亡くなった17人の子供の代わりだという17匹のウサギを一緒に可愛がり、上手く女王をなだめるのだった。

 

アビゲイルはサラの信頼を徐々に勝ち取り、女王のお守役を務める機会が増えていく。

いつもストレートに物を言うサラに対し、甘い言葉で褒め称える従順なアビゲイルに女王は心を許していく。

 

議会では、トーリー党が激しく抵抗して増税を食い止める。

女官長に就任して以来、初めてその権力に翳りが見えたサラに、今度は女王との関係を揺るがす大きな危機が訪れる。

それは、いつの間にか野心を目覚めさせていたアビゲイルの思いがけない行動だった──。(HPより抜粋)

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監督

今作を手がけたのはヨルゴス・ランティモス。

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僕は「ロブスター」という映画で彼を知りました。

 

ロブスター(字幕版)

ロブスター(字幕版)

 

 

 

結婚しないと動物にさせられてしまうために恋愛養成所みたいなところに入った主人公が、結婚したくないってことで何とかしてその場から逃げるんだけど、今度は恋愛したら殺すみたいなゲリラ組織で生活しているうちに女性と恋に落ちてしまう、さぁどうしようってお話で。

これがノーマークながらなかなか面白くて

とにかくブラックユーモアが満載で下ネタも多くて、滑稽な人間模様が微笑ましく愉快な映画だなぁと思ったら、ちゃんと観衆を揺さぶる刺激的な描写もぶっこんで来る後味の悪さ。

もうね、色々と卑怯です。

これは記憶に残る映画だったなぁと。

 

そしてその後製作された「聖なる鹿殺し」。

 

www.monkey1119.com

 こっちはブログ読んでもらうとして、終始不快で終始不可解。

僕は考えるのをやめましたw

ロブスターのようなジョークはどこにもなく、とにかく重い。そしてどうしようもない顛末。

2作ともカンヌで賞を獲っているので見て損はないかと思いますが、僕としてはロブスターのほうがオススメかなぁ。

 

そして満を持して今作がアカデミー賞にノミネート。

一つでも多く獲得してほしいですね。

てか、この人ギリシャ人なんだけど何ゆえイギリス王室の話なんか作ったんでしょ

 

 

 

キャラクター紹介

 

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  • アン女王(オリヴィア・コールマン)・・・グレートブリテン王国が世界的権力として台頭した時期に君臨した女王。虚弱体質で痛風をはじめとする数々の病気を抱えていた。わがままで淋しがり屋。

 

  • レディ・サラ(レイチェル・ワイズ)・・・女官長、王室歳費管理官、さらにアン女王の政治顧問的な役割で国家を指揮する。素晴らしい知性と激しい気性、大胆な決断力に美貌も兼ね備える。

 

  • アビゲイル・ヒル(エマ・ストーン)・・・上流階級だったが、父親が賭けに負けて没落。人を魅了する才能を持ち、冷静且つ賢く空気を読み、召使から侍女、寝室付き女官へと駆け上っていく。

 

  • モールバラ公(ジョン・チャーチル)・・・5人の君主の治世にまたがって活躍した軍人、政治家。対フランス戦争で、最高司令官としてイングランド、オランダ、ドイツの軍を率いる。アン女王より公爵の位を授かる。

 

  • サミュエル・マシャム・・・大佐。アビゲイルに恋をする。アン女王に取り入ることが目的のハーリーの仲介で、上流の階級を手に入れたいアビゲイルと結婚する。

 

  • ゴドルフィン・・・大蔵卿。モールバラ公に同調し、フランスとの戦争を資金面で支える。

 

  • ロバート・ハーリー(ニコラス・ホルト)・・・トーリー党員で、戦争は経済的大失策だと考えている。横柄で傲慢だが、人を操ることにも長けている。華美に着飾るのが大好き。

 

 

 

 

 

 

 

さっさと感想いきますか!

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

国のことを考えていない人を王座に座らせると、国民の知らないところでこんなことやってます。

陛下に気に入られようと女同士で競り合っている姿を、まるで覗き見しているかのような映画でした!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これがアカデミー賞ノミネート??

実在した女王アンの隣座を巡る、女同士の醜くも滑稽な争いの顛末を、6章から連なるエピソードで描く物語は、当時の豪華絢爛な美術やエレガントな衣装で舞台を演出し、広角レンズや下からのアングルでの撮影、暗がりの中、蝋燭の灯を多用することで被写体の輪郭を際立たせる方法などなど細かい部分での演出が目に留まる楽しさがありながら、下ネタやFワード連発のセリフ、男が女を手玉に取ろうも気がつけば立場が逆になっている構図から来るユーモアが非常に笑える作品でございました

 

作品の内容を、監督の過去作に例えていうのであれば、「聖なる鹿殺し」のような不快感は極力抑え、「ロブスター」でやってきたブラックユーモアを入れることで、監督作品としては不快さとコメディのちょうどいいところにおいてきた、もっと言えば、どちらにも傾いていないから、ヨルゴス・ランティモス作品を見るにはちょうどいい塩梅の映画だったように思えます。

初心者向けってことですかね。

 

で、あの、いいですか?

何でこれアカデミー賞にノミネートされるんですか?ww

そう言っちゃうとちょっと語弊があるかもしれないですが、アカデミー賞ってほら、世界情勢とか今アメリカでどういうことが必要とされているのか、みたいなメッセージ性の強い作品が候補に挙がるじゃないですか。

この映画、そういう部分が全然見えてこないというか。

だって、結構な下ネタとか入ってますよ?あたしを○○してっていうし、そんな男との初夜は男としてはかなり屈辱なモノで・・・。いや逆にアリかw

一応女性扱ってるし、ジェンダーフリーな部分もあるし、今の時代にはうってつけの映画ではあるんですが。

 

いやもちろん中身はものすごく面白いです。

歴史のドラマはちょっと私には・・・なんて思ってる人にこそ、見たら楽しめる映画ですよ

確かに歴史の部分は重要かもしれないけど、この映画を見た後に調べればその後のこととかわかりますんで。

まぁだからあれですよ、こんなね、国のこととかぜ~んぜん考えてないような人が一番上にいると、このあとどうなるか・・・て、はっ!?そういうメッセージ?

いや深読みですかねぇ、今僕はそこにトランプの影がチラつきましたが。

 

とりあえず、なんでこれがアカデミー賞に?ってのは去年も「ファントム・スレッド」っていうかなりエッジの効いたラブストーリー?コメディ?がありましたし、要はいいモノはいい、って精神で今後もいい映画を選出してくれよと。

 

 

で、肝心の中身ですが、いやぁ~愉快ユカイなお話でしたよ。

女王はてめぇの寂しさ埋めるために国のことなんかそっちのけでお気に入りを品定め、サラは国を機能するため女王の寂しさをSっ気交じりで埋め、ノコノコと野望を膨らませてやってくる召使は、サラが居座っている場所を引き摺り下ろそうとあの手この手で策を練る。

そこに女を使って政治を動かそうとするコスイやつも出てきたりと、まぁドロドロですわ。昼ドラですわ。泥棒猫ですわ。

 

 

何で人間同士の愛憎って当事者は真剣なのに、端から見ると笑えてしまうのでしょうか。

そう見せてるだけ?

一生懸命生きてるって意味での、ある形の一つを見せられた、そんな気分です。

そこには様々な欲が散らばっていて、周りのこととかどうでもよくて、ただ目の前の目標に向かって、どんな卑怯な手を使っても意のままにしたい者たちがワンサカいたってワケで。

それが我々の住む下界であろうと、富裕層の世界であろうと、さらには今作のような宮廷内でも渦巻いてるんだなぁと。

上品なんてのは見た目だけで、腹の中は誰でも一緒なんだね。

 

 

 

女王の悲しみ、サラの献身、アビゲイルの野望

サラにとって女王とは

 

そんな欲望の絶えない宮廷内。

一体何が起きてるってフランスと戦争状態にあるわけで、それを仕切ってるのは女王でなくて側近のサラ。

スンマセンウチのトップ、どうも政治は下の下でして・・・なんか小汚ねぇウサギのことしか頭にないし、体中痛いかなんかで、毎晩毎晩大変なんすよ、うわぁ痛ぇ!マッサージしろぉ!ってねぇ、もう超迷惑w

おまけに化粧が下手でねぇwアタシ何て例えたっけ?クマだっけか?

 

みたいなことを、包み隠さずぜ~んぶ女王の前で言っても特にお咎めなしなサラ。

なんでなんでなんで?

それは女王と幼馴染だからなんですね~。

でも、幼馴染、と思ってるのは女王の方だけ、にも見える。

 

 

サラはこの戦争状態を継続し、それをまかなうための資金を増税によって工面しようという戦争推進派。

議会でもこの戦争を推進する者と、国民のことを考え戦争を終結させようと唱える反対派で割れております。

といっても基本決定権があるのは女王のみ、で、女王は政治わかんない国のことどうでもいいウサギLOVEなお方なので、その辺のことはサラが掌握しているとっても過言ではないわけです。

 

サラにとって女王の存在って何なんでしょうか。

自分が国を動かすための道具だったんですかね。

女王の性格から何から全てわかっているから、彼女でないとコントロールできないのか。

国のことを思ってサラは彼女の近くにいる覚悟なのか。

でも、それ以前に女王への愛ってのも劇中見受けられましたよね。

だからこその手紙っていうふうにも感じましたけども。

なんというか、愛より職務優先って人だったんでしょうね。

だからすぐ甘える女王に厳しい言葉を与え、それで傷ついてしまったらちゃんとフォローする。あ、ツンデレですか。

 というか、いい面も悪い面も正直に言える仲ってのは、思いやりや気遣いなど表面的には見えづらい部分もあるけれど、しっかり「愛」ってモンが隠れておりまして。

サラとしては確かに愛をもって接していたんだけど、ミスチルの「ニシエヒガシエ」のジャケットの女性そっくりな(体格だけね)アン女王にしては、あまりにアメとムチのアメが少なかったんでしょうね。

 

 

アビゲイルにとって女王とは

 

そんな良好な関係を崩そうと虎視眈々と狙う女アビゲイル。

彼女元々上流階級ってのがミソですよね。

以前は裕福な生活だったのに、お父ちゃんのせいで何もかもパーになってしまった。

だからサラを伝ってやってきたわけですよ。彼女に頼めば再び上流階級として生活できる、と。

そのためには例え火の中水の中女王の懐の中と、あれこれやっていくんですね。

女王に近づくため、灰汁の入った水に手を突っ込んで薬草を取りに行く口実を作り、女王の痛風を治してあげる。

テテテテテッテッテー♪

ランクアップです。

召使から侍女へ。

 

それからというもの、少しずつ女王の信頼を勝ち取ってく彼女にまたとないチャンスが。

それは女王とサラが表の関係を超越した関係だったということ。

まぁ想像力膨らませてくれい。

見ーちゃったぁ、見ぃちゃったぁ、ですね。

この秘密が後々彼女に追い風を吹かす手段になっていくんですねぇ。

 

ところ変わって、サラが実権を握っているといっても過言ではない議会で、彼女の思惑を阻止しようと躍起になっているハーリーという議員がいます。

彼は戦争反対派で非常に野心的。何とかして女王をこっち側につかせたい、何か手はないか、と考えたときに、アビゲイルを見つけるんですね。

おい女、お前女王とサラに近づいて何か聞きだせ、と。

アビゲイルは一旦拒否するも、この手札はまだ持って置こうとこのとき考えたに違いありません。

 

そして女王の飼っているウサギに目が留まり、あやしているところを女王は痛く気に入るんですね。

こうしてアビゲイルはどんどん女王の近くに詰め寄ってくるんです。

終いには、サラとおんなじことまでして。というか女王がさらにお願いしていたことをサラはずっと拒んでいたんですが、アビゲイルはするんですね~。

何を?ってそれは劇場でご確認を。

いくら野心があるからってそこまでしますかぁ、ってやつです。

 

序盤こそ彼女はおとなしい召使でしたが、心の奥底に眠っていた欲望が開花していく、そんなキャラだったんですね~。

 

劇中で言えば、女王とサラの関係だからこそうまく回っていた国の情勢。それを私利私欲のために壊すことになった原因にもなる立場ではありますが、決して彼女が悪く見えないようになっているのも印象的。

なので彼女がどんどん本性を出していく過程をマジマジと見ていくことでこの映画の面白さが際立つ役柄だったと思います。

 

 

 アン女王の我儘と悲哀

さてさて、彼女をめぐって繰り広げられるこの物語。

一体どんな魅力的な女性なんでしょ・・・と思ったら、まぁ見た目はセルライトの塊で化粧もうまくできない、容姿なんてあまり気にしていないのかしら、な風貌。

そして性格は甘えん坊でわがままで、淋しがり屋で生意気で憎らしいけど好きなの、ってキャンディーズかwってくらい中々癖のあるお方。

 

そんな女性のどこがいいのって、権力!!権力ですよ。

見た目や性格なんか関係ない、とにかく権力があればどんな人も寄って来るのです。

そこに愛はあるのかい?そんなの近寄った人の胸中に聞いてください。

てな感じで実際近くにいた人を引きずり降ろして、自分を取り合う様を高みの見物で品定めするのが今回のアン王女の役目なのであります。

 

このワガママな性格ってのは、まぁ王族の方ですから想像はつきます。

痛風が痛くてたまりましぇ~ん!!って時は家来を呼んで、とにかくマッサージ。

しかしそれでも痛みが取れない!

イタイよぉ~痛いよぉ~!!お前たちが直してくれなかったらギロチンだぞこの野郎~~!!

てなくらい喚き暴れ泣き叫びます。

別のシーンでも、あるパーティーでサラが上機嫌に踊っている姿をみて「帰るっ!!」と車いすを自分で押して部屋へ戻ろうとするアン。

フン何よ、自分だけ楽しんで。あたしってもんを差し置いてふざけやがって、あんたはみんなのものじゃないよ、アタシのサラなんだよ!それを、それおおおっ~~~!!

とでも考えていたのでしょうか。

 

そして胃の調子もあまりよろしくない。

食べたら嘔吐するのわかってるくせに、ケーキをほおばってしまいます。

もちろんリバース。ホレ見たことか、とサラ。

 

体調面だけでこれだけめんどくさいお方、アン女王。

これに拍車を蹴るように性格面もめんどくさい。

 

しかし彼女、なぜここまでめんどくさい女になってしまったのでしょう。

それは過去に17人もの子供を亡くしてしまったこと。

その代わり身となるウサギを溺愛している姿をみると、やはりそこは悲しみに暮れた一人の母親の姿でもあるのです。

そんなウサギに、ちゃんとフンのお掃除して頂戴!汚らしい!と嫌うサラに対し、ウサギを抱きかかかわいがるアビゲイル。

アン王女の中で厳しいサラと優しいアビゲイルをいつしか天秤にかけてしまうんですね。

 

もうそれからは、暇を持て余した神々の遊びのように、国がどうなっていようとお構いなしの上から高みの見物であります。

ふふふ~ん、どちらが私を愛しているのかしらん?みたいな。

とにかく自分に尽くしてくれればそれでいいのです。

 

こんなめんどくさい女に嘘お偽りなく接する幼馴染、そして自身の王族復帰のために近づくアビゲイルが、激しい心理戦を繰り広げるのであります。

 

 

 

 

撮影や衣装が面白い。

とにかく醜くも滑稽な3人の物語。

それをどういう風に撮影しているのかというと、広角レンズを多用して歴史ある建造物を余すことなく見せるかのように撮影しているのです。

例えば議会でのシーンやアン王女の部屋のシーンを見るとわかるんですけど、部屋の隅から全体的に映るように撮ってるんですね。

で、お気づきの方もいると思いますが天井まではっきり映っている。

はて?天井。

そうです、被写体の上にあるはずの集音マイクがないのです。

どう録音したかはわかりませんが、屋内でのこういう視点はめずらしいかと。

で、もちろんライトもありません。

何とこれ自然光を使って撮影してるんだとか。

道理でコントラストがナチュラルなわけだ。

 

で、夜のシーン。

これもものすごい数のろうそくが灯っております。

もちろん当時電気なんてありませんし、昼間照明使ってませんからろうそくは欠かせないわけですが、まぁ多い多い。

この建造物はセットではなく借りモノだそうで、沢山ろうそくをともせばその分ロウが垂れるわけで、それはそれは大変な撮影だったそうな。汚すわけにはいきませんからね。

で、この努力の甲斐もあって、夜のシーンはくっきり顔だけが浮かぶことで、夜の親密なシーンを覗いてしまうサラとアビゲイルの表情が神秘的。

建造物の古さも相まって当時の風景がよりリアルに感じられるシーンになっています。

 

そしてカメラアングル。

建物の隅から広角レンズを多用して映しているのと、1対1の対話のシーンは下から覗くように撮ってるんですよね。

これもきっと自然光を沢山使うためのアイディアかと。真っ直ぐだと恐らく被写体に光が当たり過ぎて見えないでしょうし。

 

とまぁあくまで自然に撮影するための技術ということなんですが、僕が見ていて思ったのは、一般市民が戦争のせいでぜぇぜぇはぁはぁ言ってるのに、国を統治する女王はそんなことはお構いなしでそんなことしてるんだぁふ~~ん、クソがっ!っていう一般市民がのぞき見しているように感じました。

部屋の隅からのショットは隠れて観ているかのように、下からのアングルは、王族よりも下の身分であることのメタファーとして。

確か主観で映っているショットはあまりなかったと思うんですけど、どれも一体誰の視点で描いているのかって考えると、僕はしっくりきたなぁと。

まぁあくまで僕の勝手な見解なので正解ではないですが、そうやって見てみるとなるほどって思いません?

 

そして衣装もステキ。

当時の衣装を再現しながらもどこか現代的にも見えるファッションや小物。

黒と白を基調としたドレスやお召し物。

狩りをしているサラの衣装はめちゃんこかっこいいです。

がっつり化粧をしている男性陣もまた面白いですね。

 

 

 

最後に

エンドロールと共に流れるのはエルトン・ジョンの「Skyline Pigeon」という曲。

史劇であるにもかかわらず近代ポップスを流す監督のセンスがマッチした楽曲で、ハープシコード(チェンバロの方が耳にするかも)というピアノの元にもなった楽器で演奏しておりそこからパイプオルガンも絡んでくる、クラシック感ある当時の時代を感じさせるような音色で余韻に浸らせてくれます。

ラストカットからこの曲を聞き、どういう意味だろうと思った方は歌詞を検索してみてください。

一筋縄ではいかない恋模様がほのかに感じられる歌だと思います。

 

これがアカデミー賞ノミネート作品?とも思ってしまうほど3人の醜くも滑稽な愛の物語でした。

とにかく3人のアンサンブルが素晴らしいです。そしてユーモアセンスが最高です。

3人が主人公であり、時に善時に悪という具合にコロコロ立ち位置が変わっていく役柄が非常に楽しく、誰も責められないようにできていたと思います。

サラとアビゲイルの必死な表情、それをほくそ笑んで見物しながらも胸中は寂しさでいっぱいなアン王女の姿を見てやってください。

あとエマ・ストーンの濡れ場とまではいきませんが露わな姿も♡ 

 

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10

映画「フォルトゥナの瞳」感想ネタバレあり解説 慎ちゃんの行動にピーター・パーカーを見た。

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2月15日

フォルトゥナの瞳

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死を目前にした人が透けて見えてしまう」という特異体質な男。

もう呪いでしかなくないですか?

その能力があったとして、一体何が得なのか。

ちょっと考えてみましょう。

  •  周りの人が一気に透けて見えたら確実に災害レベルなので、一足早く逃げられる。

あ~ね、これは便利だよね。屋内にいる人たちが全員急に透けてきたら、地震か火事だもんね。

これはアリ。

  • 「デスノート」ごっこができる。

目の前の人が透けてきたら、すかさずノートを出し、テキトーに名前書くと、その人が死ぬ。プチ夜神月の完成ですね。リュークいなくてもおっけーだ。

  • ちょっとした預言者になれる。

名前売って番組に出て生放送に出演。街頭カメラから歩行人たちを覗き「あ、あの人もうすぐ死にます」というと見事的中。それ以降TVに呼ばれなくなる。

  • 患者がいっぱいいる病院で活躍。

ベッドが足りない、そんなときはまずフォルトゥナの彼に相談。もうすぐ死が近づいている人をピックアップし、予定日を立てられることで、ベッドの空き状況がすぐ確認できる、

 

全然得しねーし、むしろ不謹慎ですね。すいません。

 

とにかくそんな力を持ってしまった主人公の恋人が透けてきちゃったよ、どうしようというちょっとSFチックなヒューマンラブストーリーが公開です。

一体この能力で、どうやって彼女の運命を変えるのか。

早速鑑賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 

永遠の0」、「海賊とよばれた男」の百田直樹原作の同名小説を、若い男女の切なく淡い恋愛模様や飛び切りの笑顔や涙といった輝かしい青春の1ページを、演者の表情をクローズアップした映像や、陽の光を巧みに使うことで永遠の一瞬を演出する青春映画の名匠・三木孝浩によって映像化。

 

運命の女神“フォルトゥナ”の瞳を持つ者には「死を目前にした人間が透けて見える」という不思議な力が宿る。

その「運命が見える」力を持ってしまった男と、“死の運命”に導かれようとする女が織り成す、心震えるラブストーリーです。

 

フォルトゥナの瞳 (新潮文庫)

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Eye of the Storm (初回限定盤)

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あらすじ

 

 

幼少期に飛行機事故で家族を失った【木山慎一郎】(神木隆之介)は、友人も恋人も作らず仕事のみに生きてきた。

 

しかしある日、「死を目前にした人間が透けて見える能力」―フォルトゥナの瞳―を持っていることに気づき、生活が一変してしまう。

 

自分の力に苦悩する日々の中、偶然入った携帯ショップで【桐生葵】(有村架純)に出会う。

明るく、自分に夢や自信を与えてくれる彼女に心惹かれていき、孤独だった慎一郎の人生に初めて彩りが生まれる。

 

互いに惹かれ合った2人は幸せな日々を過ごしていくが、それもつかの間、突然街ゆく人々が次々と透け始めてしまう。

そして、ついには葵までもが― 

 

「人は朝起きてから夜寝るまで9000回何かを選択している―」(劇中より)

 

愛する人の“死の運命”が見えた時、慎一郎は何を選択するのか。心震えるラストが待ち受ける―(HPより抜粋)

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監督

今作を手がけるのは三木孝浩。

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三木監督といえば、近年の青春恋愛映画を語るに欠かせない人物でしょう。

そんなこといっておきながら全作見てるわけじゃないんですがw

 

去年は「坂道のアポロン」を手がけました。僕は終盤で描かれた体育館でのジャズセッションに涙止まりませんでしたね。

ほかにも「先生!」では、女子高生が先生に恋するという、いわゆる禁断のラブストーリーですが、世間の目とかコンプラとかそれ以前に、人が人を好きになるということだけを抽出することで、まじりっけのない爽やかな青春恋愛映画に仕上げた彼の力は凄いなと感じた1本でした。

 

監督に関してはこちらをどうぞ。

 

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キャスト

フォルトゥナの瞳を持った主人公・木山慎一郎を演じるのは、神木隆之介。f:id:monkey1119:20190130140652j:plain

 「桐島、部活やめるってよ」とか「バクマン。」とか「TOO YOUNG TO DIE/若くして死ぬ」とか制服ばかり着ている役柄が多く、ずっと少年のイメージが付きまとう彼ですが、もう立派な青年なんですよね

ラブストーリーの一つや二つやってもいいんですよ。

今回初めてなんじゃないですか?恋愛モノ。

一応声優で「君の名は。」とかやってますけどね。

 

そんな彼の代表作をサクッとご紹介。

子役から芸能界で活躍する彼は、悪役レスラーの父と、そんな父が嫌いな息子が衝突しながらも絆を結んでいく「お父さんのバックドロップ」で映画デビュー。

妖怪たちと力を合わせて人類滅亡をもくろむ謎の魔人に立ち向かう冒険ファンタジー「妖怪大戦争」では12歳にして初の主演を務めます。

TVドラマやアニメ映画での声優としても活躍し、人気子役から人気俳優として着実にキャリアアップしていきます。

 

その後は、バレー部のエースが突然退部したことで、スクールカーストが崩れていく青春群像劇「桐島、部活やめるってよ」に出演し、見事日本アカデミー賞作品賞を獲得。

かつて“人斬り抜刀斎”とよばれるも、不殺の誓いを立て平穏に暮らしていた男に、新たな試練が立ちはだかる、人気コミック内最高のエピソードを映画化した「るろうに剣心/京都大火編」と「伝説の最期編」では、見事なアクションを披露。

様々な孤独の中、史上5番目の若さでプロ棋士となった主人公の困難を乗り越えて成長していく姿を、彼を支える3人姉妹家族の温かな交流を交えて描かれた青春ドラマ「3月のライオン」は前後編2部作で主演を務めるなど、名実共に俳優として目覚しい活躍を続けております。

 

 

妖怪大戦争(2005)

妖怪大戦争(2005)

 

 

 

3月のライオン[後編]

3月のライオン[後編]

 

 

 

 

 

 

その他のキャストはこんな感じ。

慎一郎の恋人・桐生 葵役に「ストロボ・エッジ」、「コーヒーが冷めないうちに」の有村架純。

慎一郎の同僚・金田大輝役に、「探偵はBARにいる3」、「帝一の國」の志尊淳

慎一郎の勤める職場の客・宇津井和幸役に、「ニセコイ」、「嘘を愛する女」のDAIGO

慎一郎のかつての同僚・植松真理子役に、「青空エール」の松井愛莉

慎一郎の主治医・黒川武雄役に、「響HIBIKI」、「オーバーフェンス」の北村有起哉

慎一郎の勤め先の社長の奥さん・遠藤美津子役に、「三度目の殺人」、「いぬやしき」の斎藤由貴

慎一郎の勤め先の社長・遠藤哲也役に、「グッドモーニングショー」、「サバイバルファミリー」の時任三郎などが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

お話の結末は正直予想できてしまうような部分もありますが、2人が紡いでいく関係性を監督ならではの画のタッチでキュンキュンさせてほしいなと思っております。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

色々不可思議な点を不可思議にさせずに説得させる監督の力が見事に発揮されたステキなラブストーリーですよこれ。

そしてこれもうピーターパーカーだよね。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

運命とは選択の連続で導かれる。

幼少時の飛行機事故がトラウマとなり心を閉ざし自分で選択することを避けてきた主人公が、運命の女神によって授かった特殊能力に戸惑いながらも、本当に守りたいものを見つけ命を削りながらも奔走していく姿を、監督得意の光眩しい映像や行間から感じられる男女の距離感を巧みに演出させることで、SFチックに感じさせずよどみのない純粋なラブストーリーへと昇華させた非常に素敵な作品でございました。

 

 

 

主人公の木山は、簡単でもあり時に困難にもなり得る選択を自ら決めることができなかった。

事故によって心を閉ざした彼はガレージ工場の社長に拾われかわいがられ、その恩を感じながら仕事に没頭する。しかし社長の目からは彼が時間の空白を埋めるための作業のようにしか感じられなかった。

未来ある若者ならもっと人生を謳歌してほしい、そんな思いがあったように思う。

過去に木山は自分を密かに思ってくれる女性がいた。

しかし彼女の思いを知りながらも引き留めることができず、彼女は別の男の元へ。

もしあの時自分が引き留めていれば、彼女は別の未来を歩んでいたのかもしれない。

 

そんな常に自分の選択ミスに後ろめたさを感じながらひっそりと人生を過ごしていた彼に異変が生じる。

それは死を目前にした人の身体が透けて見える現象。

 目の前で人が死んでいく姿を見て再び飛行機事故のトラウマが蘇るが、ひょんなことから行為を寄せるようになった女性・葵の手が透けてたことを機に、木山は能力を使い相手の運命を変えることを決断していく。

その姿はこれまで塞ぎ込んでいた彼の人生を変えるほどの転機だった。

 

「人間は朝起きて夜眠るまでおよそ9000回も選択をしている」

朝先にコーヒーを飲むか歯を磨くか、から、どの順に食事を摂るか、どっちの靴から履くか、何時の電車のどの車両のどの席に座るか、どの順に仕事をこなし昼食に何を食べるか、退社して誰と何をするかそれとも一人まっすぐ帰って何をするか、そして何時に寝るか。

気が付かないうちに我々は様々な選択をして1日を終え、再び朝になれば選択の連続をし日々を過ごしている。

その中でどんな人間と出会い関わり親密になっていくか。

 

そして現在。今そこに立っている自分は決して運命によって導かれたのではなく、自らが数多ある選択を決断した結果に過ぎない。

誰かに流されたとしてもそれは自身の決断によってたどり着いた今で、決して運命なんかではない。

 

しかしこの物語は運命めいたものに魅せるように描いている。

木山が葵と出会ったのも選択を重ねてたどり着いた場所であるが、逆を言えば運命めいたものなのだ。

その意味は核心に触れるので伏せるが、運が導いたわけでもなく、星のめぐりあわせでもなく、神様が出会わせるための少しの猶予を与えたことによってできた宿命ともいうべきか。

映画を見終えた後そう感じる人も多い気がする。

 

 

話を元に戻して。彼女をどのように思い優先順位を考え、彼女に思いを打ち明け共に生きていくか、それは自身の選択と決断次第なのだ。

そして徐々に体が透けてしまう葵を見て決断する。

彼女に定められてしまった運命を変えようと。

初めて木山は未来を将来を選択するのだ。

それを運命と宿命と感じ決断し行動する。

 

しかしこの能力には「代償」が伴う。

他人の運命を変えるとその分自分の心臓を苦しめてしまう。

自分の寿命を縮めてまで他人の運命を変える、命を救うことは果たして意味があるのか、それによって命を落としたとしても誰も感謝などしない、虚しいだけだ。

そんな人生でいいのか、そんなことを主治医から窘められる木山。

結果狭心症にまで悪化してしまった木山は、能力によって他人の身体が透けていても観て見ぬふりをするようになる。

顧客の死を見てしまうまでは。

 

 

もはやスパイダーマンの心意気。

他人と関わることを避け、干渉されずに生きていくことが当たり前になっていく世の中。

木山もそんな人生を送っていたが、誰かのために命を削ってでも守ることに初めて生きる悦びを感じた姿を見て、今の世の中に必要なことなんじゃないかと大袈裟ながらに感じる。

 

目の前で死ぬとわかっている人を自分だけが分かっていて、それを黙って見過ごすことなど出来ない。

もし自分があの飛行機事故で生かされた身であるならば、その意味とは何なのか。

もしかしたらこの能力を誰かのために使うことなのではないか。

そして好きになった女性を守るためなのではないか。

それを受け入れた木山の行動に、真っ直ぐな瞳に、大きな覚悟に非常に感銘を受けた。

 

誰かを愛することというのは自分を犠牲にしてでも守る覚悟を持つということとイコールだと思う。

 

 

あ~~~ダメ、ダメだ。

また断定的に書くといつものように収集つかない。カッコつけるのヤメた!!

 

え~フォルトゥナの瞳、僕としては意外にもいい映画だと思います。

観ていて思ったのはですね、木山君完全にスパイダーマンと同じですよこれ。

だって特殊能力に目覚めて、その力を使って彼女を守ろうと、例えこの身がどうなろうとも、そして彼女と一緒に市民も救っちゃおうと。

親愛なる隣人になりますよ!って。

名セリフ言っちゃっていいですか?

まさにこの映画「大いなる力には大いなる責任が伴う」ですよ。

 

最初は葵に、次に社長の運命を変えたことで、誰かの命が救え初めて生きた心地がするわけです。でもその代償はものすごく大きく自分の命にかかわってくる。

じゃあしょうがない、今こうして葵と幸せな日々を送ることが俺の人生の生きる意味だもんなぁ、と思ったらやっぱり自分に近しい人物の死を解っていながら無視したらもう心が折れそうだ!

という感じで力を持つ者の使命を理解するんですよ。

俺があの時死ななかったのはこういうことだったのか神さま!オッケー、自分の幸せのためになんかにこの命を費やさない、誰かのために生きるんだ!

ってことで、保育園の園児に急に近寄ったりそれを変質者扱いされ通報されたりしても関係ない!俺は間違ったことをしてない!これは命を救う者の障害だ!と割りきって、まさかの「スパイダーマン2」の名シーンの一つである電車を止めるという行動に出るのです。

 

観ている最中なんとなくピーターみてぇだなぁこいつ、と思いながら見てたら、まさか電車を止めてみんなを救うなんてシーンが出てくるとは思ってもみなかったですよ。

 

屈折した見方かもしれませんが、結構類似してるよなぁと。

 

 

ツッコミどころは多いけども。

そんなヒーロー映画、じゃねえや、自分の使命を受け入れ大事な人を守るSFラブストーリーですが、これかなりツッコミどころ多かったですよね~。

 

同僚が顧客の車勝手に使って怒られて逆切れして解雇して、逆恨みで社長を闇討ち未遂までしてるのに、木山の直談判でお咎めなしって!

とか。

個人情報を扱う携帯ショップに勤めてるのに、それを私用で閲覧して木山の居所突き止めちゃう葵のあまりにも大それた行動!しかも自分でツッコんじゃう辺りwかわいいいからってそれはいかんだろう!

ま、まぁ?オレが木山でも全然許すけどね。

とか。

死を目前にした人の姿が透けて見える割には目前って時間が凄くあいまいで、すぐだったり何日か後だったりかその辺のさじ加減が大雑把で、実際朝7時30分の電車がなぜ翌々日の朝に事故を起こすって特定できたのか、それに加え保育園の園児たちはその電車でなく別の事故で命を落としてしまう可能性だって考えられるのに、なぜそこまで特定できてしまうのか、もっと言えば発射寸前の電車に接触すればあんな踏切に入ってまで止める必要もなく、大事にならずに済んだかもしれないのに、などなど粗は挙げたらキリがありません。

 

でも!でもだよ!

そこに至るまでの過程然り、木山と葵の超絶幸せな生活とか、ガレージ工場で心を入れ替えた金田の心意気とか、そういうのを監督が丁寧に描いてるのすごくいいじゃん!て観てて思うんですよ。

粗やツッコミはあるけど、それを気にさせないように大袈裟にさせないようにサラッと流しちゃう作りが巧いんですよ、監督の映画って

例えば「先生!」って映画あったでしょう、女子高生が先生好きになっちゃうやつ。

あれも普通アウトなお話ですよ、でも夢見せてくれるんですよ、映像で。おかしいと思わせないようにうまく作ってるんですよ。

監督ってそういうのホント上手だなぁと。

 

人間の嫌な部分とか決して見せずに、ピュアな面だけを描くんですよ監督の映画って。

基本好青年で好女性(そんな言葉ねえか)が出て、純情可憐に素直な気持ちで綴るんですよね。

これがホントこの映画のいいところですよ。

 

でね、僕が好きなシーンは、木山と葵がでファミリーの微笑ましい光景を見ながらピクニックしてるシーン。

休日の昼間にビール片手にちょっとほろ酔い気分でいる葵と、ファミリーの光景を見て自分の過去を憂う木山。

ここで木山のドアップが映るんですけど、後ろでバドミントンしている人をぼかしてカメラに収めてるんですよ。

これを挿入することで、結構重めの話が若干軽くなるのと、カメラが後ろで動いている人を撮っていることで紙芝居みたいな止まっただけの映像になってないんですよね。

普通なら顔だけ収めればいいのにあえて後ろの人をぼかして入れてるのにはちゃんと意図があるんですよ。

その後も二人の後ろ姿を撮っているシーンがあります。ここで未来予想図を語るんですけど、ちゃんとぼかして彼らが見ているファミリーを入れている。

そうすることで彼らの心境だったり距離感だったりを、セリフだけでなく視覚で表現してるんですね。

 

もっというとここ、葵が木山の方に寄り添ってるんです。

木山は体育座りのままですが、葵は深刻な彼に寄り添うかのように手をついている。

こういう演出、大事ですよ。

まだいうとですよ、このシーン結構間が多いんです。でもその間って緊張からの間でなく、幸せな二人の間にあるごく自然な会話で発生する間なんですよね。

こういう演出、大事ですよ。

極めつけはラストシーン、葵が木山の机に入っていたものを掲げ涙を浮かべる表情を、木漏れ日で神々しく美しく映す。

これ三木マジックです!彼の作品では必ずあります。思わずキターッ!って心で叫びましたw

こういう演出、大事ですよ。

 

 

最後に

SF要素強めの設定ながら、純粋な恋愛を重ねていく二人のラブストーリーに仕上げていく監督の腕はホントすごいなと感心しながら見終えました。

途中、二人のデート映像がダイジェストで流れる時に主題歌を担当したワンオクの歌が流れるんですけどめちゃめちゃよくて。

ぶっちゃけ俺ワンオク好きじゃないんですけど、この歌はちょっと特別な歌になりそう。

 

あとどうでもいいけど、神木君も架純ちゃんもauのCMに出てるからやっぱり出会いの場所はauっていうw

ちゃっかり斉藤由貴もいたし。スポンサーは大事ですな。

 

そしてラストは物語の真相が明かされます。これ知っちゃったらダメ案件なんでネタバレ踏まないように。

僕は正直気づきませんでした。何かあるとは思っていたけど。そういうことか、でもそれにしても偶然が過ぎるなぁとも。

でも偶然なんかじゃない、この物語は2人が選択と決断を重ねて出会った奇跡で、それを見終えた後、これは運命だったんだと感じる映画になってました。

2人の思いを丁寧に抽出したステキな映画でした。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10


モンキー的2019年(第91回)アカデミー賞予想 「ROMA」か「グリーンブック」か、それとも。

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2月19日

モンキー的第91回アカデミー賞受賞予想

 

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毎年このブログではアカデミー賞受賞速報を記事として書いています。

その中で自分も予想していくつ当てたか!?なんてやってたんですが、今回はちゃんと予想の記事も書こうと思いまして。

というのも、毎月ブログ仲間とTwitterで映画トークを配信しておりまして、2月はその予想をみんなでやるってことになったんですね。

そこで自分が解説も務める関係で、なるべく今回の受賞式がどういう式になるのかってのも含めてここでまとめておこうと。

 

なので、予想と解説を含めずずずぃ~~~っと書き記しておこうと思います。

 

というわけで、僕の予想どうぞ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

その前に今年のアカデミー賞は転機かも。

今年のアカデミー賞は、色々ゴタゴタが生じているようです。簡単にまとめてみました。

  • 司会者不在

事前に決定していたケヴィン・ハート(ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングルの人)が、過去の差別ツイートが原因で、発表48時間後に辞退を表明。

その後、後任を探していたもの、結果司会者なしで授賞式を行うというアナウンスが。

 

僕は最近アカデミー賞を見るようになったので、今までにそんなことあったのかよ!?と驚きましたが、どうやら過去にもあったようで実に30年ぶりとのこと。

ウワサでは、放送するTV局ABCネットワークの親会社がディズニーということもあって、「アベンジャーズ」が大集合するのでは、ということで、それはそれで楽しみであります。

実際プレゼンターも決まってきており、アベンジャーズの面々が名を連ねているので、実現しそうですね。

 

  • 放送時間短縮

今回放送するABCが、これまでの視聴率不振を回復するために放送時間を4時間から1時間短縮して3時間で放送することが決定。

先日、撮影賞、編集賞、短編映画賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の4つの賞が、コマーシャル中に授与されることが発表されましたが、アルフォンソ・キュアロン監督はじめ多くの著名人が反発したことにより、結果通常通り放送中に発表となりました。

 

実は去年から「人気映画部門」新設とか、歌曲賞ノミネート曲ナシとか、色々テコ入れを試みてるようなんですが、どれも反感を買ってしまい泣く泣く延期や中止を発表している始末。

これで視聴率回復しなかったらどうするんでしょうか。

 

ちなみに、ABCは2020年までアカデミー賞の放映権をもってるそうで、最後までに有終の美を飾りたいと躍起になっている模様。

前回のアカデミー賞授賞式は過去最低視聴率だったそうで、挽回したい気もわかりますが、数字に走っちゃいかんでしょう。

 

  • ストリーミング映画が席巻するか。

これはもう予想の話になってきますが、アルフォンソ・キュアロン監督作「ROMA/ローマ」が、ネットフリックス映画にもかかわらずヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を獲得したのを皮切りに今年の賞レースを席巻しております。

アカデミー賞でも10部門ノミネートと最多作品になっております。

 

この作品が作品賞をもし獲ったなら、時代が大きく変わることになる歴史回になることは間違いないのです。

作品も絶賛されているので賞を取る確率は高いですが、映画は映画館でみるもの、という声も多く、ただでさえ保守的な会員が多く存在するアカデミー賞で作品賞を獲ることができるのか、というのが今回一番の争点になってくると思います。

ネットフリックスはアメリカ映画協会に入ったそうで、今後配給会社と肩を並べてくるでしょうし、今回是が非でも賞を獲りたいようで、大規模なキャンペーンも現地で行っている様子。

 

というわけで、今年のアカデミー賞は色々と波乱を巻き起こしそうな予感。

映画の新時代の幕開けとなるのか、それとも時期尚早なのか。

特にROMAが作品賞を獲るのかどうなのか、そこを踏まえて予想したいと思います。

 

 

 

作品賞

 

 

 ・『ブラックパンサー』 
 ・『ブラック・クランズマン』 
 ・『ボヘミアン・ラプソディ』 
 ・『女王陛下のお気に入り』 
 ・『グリーンブック』 
 ・『ROMA/ローマ』 
 ・『アリー/スター誕生』 
 ・『バイス』

 結論から言うと、作品賞はグリーンブック、外国語映画賞はROMAになるだろうと。

これだけストリーミング映画が部門を席巻したことは評価に値するものの、今年はここまでだろうというのが、きっとアカデミー賞会員が下した判断になると予想します

あくまでアメリカの今を象徴するのが作品賞の役目にもなっている中、黒人と白人が言い争うのでなく、絆を結んでいくことを強く示す物語であろう「グリーンブック」の方が、「ROMA」よりも意義があるのではないか、と。 

 

とはいえ先日、トランプ大統領がメキシコ国境に建設中の壁の予算を確保するために「非常事態宣言」をし、なんとしてでも壁建設を強行する姿勢が見えたことで、メキシコ人の家政婦を家族として受け入れる「ROMA/ローマ」への関心が勢いを増すのではないか、とも読めたり読めなかったり。

 

「ブラックパンサー」も一般客からの評価は高いかもしれないし、今年の賞レースでも存在感を出してはいますが、今回はアメコミ映画が初ノミネートというところまで躍進下、それ以上は恐らくないでしょう。

きっとそれは10年後くらいになるのかなぁ。

 

 

監督賞

 

 

 ・スパイク・リー『ブラック・クランズマン』
 ・パヴェウ・パヴリコフスキ『COLD WAR あの歌、2つの心』
 ・ヨルゴス・ランティモス『女王陛下のお気に入り』 
 ・アルフォンソ・キュアロン『ROMA/ローマ』
 ・アダム・マッケイ『バイス』

 作品賞をあげないぶん、それ以外の賞はROMAが掻っ攫っていきそうな予感です。

前哨戦の中で最も有力視される監督組合賞を制覇しているのは大きいです。

 

基本作品賞と監督賞は同じ作品が獲る、なんてのが恒例になってますが、最近はセットにならないことが多く、今年もそんな予感がします。

 大穴はスパイク・リー監督。これまで黒人監督が未だ監督賞を受賞していないという歴史を彼が止めるのかも。

 

主演男優賞 

 

 ・クリスチャン・ベール 『バイス』
 ・ブラッドリー・クーパー 『アリー/スター誕生』
 ・ウィレム・デフォー 『永遠の門 ゴッホの見た未来』
 ・ラミ・マレック 『ボヘミアン・ラプソディ』
 ・ヴィゴ・モーテンセン 『グリーンブック』

 クリスチャンベールは、「ザ・ファイター」でアカデミー賞助演男優賞を受賞していますが、主演では「アメリカン・ハッスル」でノミネートしたもののまだ無冠。

 

彼が恐らく一番有力ってのが大方の予想ですが、僕はあえてクーパーで!

クーパーは今回監督賞にノミネートされてないんですよね。だから同情票が多く集まるのではないか?という読み。

現に彼は主演男優賞ノミネート3回目ですよ。これはすごいこと。(といってもヴィゴ・モーテンセンも3度目なんだけどねw)

 

ただ怖いのは「ボヘミアン・ラプソディ」がゴールデングローブ賞ドラマ部門で、作品と俳優それぞれが受賞したことで、ラミマレック旋風が起きてること。

前哨戦の中で最有力視される俳優組合賞も、このメンツを抑えて獲得したのはかなりのサプライズでした。

もしかしたらこの流れでアカデミー賞もいくのかどうか。 

 

 

主演女優賞

 

 

 ・ヤリッツァ・アパリシオ 『ROMA/ローマ』
 ・グレン・クローズ 『天才作家の妻 40年目の真実』
 ・オリヴィア・コールマン 『女王陛下のお気に入り』
 ・レディー・ガガ 『アリー/スター誕生』
 ・メリッサ・マッカーシー 『ある女流作家の罪と罰』

前哨戦で最有力される俳優組合賞ではグレンクローズが獲得。

女優はピークを逃すとずっとノミネートすらされなくなることがあるようで、彼女もその一人でした。

今回これとゴールデングローブ賞でも受賞しているので、彼女が一番有力ではあります。

 

 しかし。

 さっきROMAが作品賞以外独占するんじゃないか?とか言っといて、主演女優はオリヴィアコールマンで予想。

だってもう超わがままなのに内面から悲哀が溢れていて、まぁ小憎たらしいったらありゃしない。

という僕の主観推しです。

 

 

 

 

助演男優賞

 

 ・マハーシャラ・アリ 『グリーンブック』
 ・アダム・ドライヴァー 『ブラック・クランズマン』
 ・サム・エリオット 『アリー/スター誕生』
 ・リチャード・E・グラント 『ある女流作家の罪と罰』
 ・サム・ロックウェル 『バイス』

残念ながら「ビューティフル・ボーイ」のティモシー・シャラメが落選してしまった助演男優賞。

マハーシャラ・アリが「ムーンライト」に続いて2度目の受賞なるか?ってのがこの賞の最大のポイントだと思います。

実際ゴールデングローブ賞も俳優組合賞も彼が獲っているので、僕もこの賞は便乗で。

 

案外サム・エリオットってのもありそうな気はします。

さすがに2年連続でサムロックウェルってのはできすぎな気はします。

 

 

 

助演女優賞

 

 ・エイミー・アダムス 『バイス』
 ・マリーナ・デ・タビラ 『ROMA/ローマ』
 ・レジーナ・キング 『ビール・ストリートの恋人たち』
 ・エマ・ストーン 『女王陛下のお気に入り』
 ・レイチェル・ワイズ 『女王陛下のお気に入り』

 「女王陛下のお気に入り」の2人が共にノミネートしている助演女優賞。

さすがにこれは票が割れてしまう気がします。

 

俳優組合賞はここにはノミネートされていないエミリーブラントが獲っている、さらに俳優組合賞にノミネートされていないレジーナ・キングがいることもあって予想しにくい部分はありますが、実は未だ無冠であるエイミーアダムスに僕は1票。

 

 いやいやいい加減彼女にあげてくださいよオスカーを!!

 

 

 

脚本賞

 

  ・『女王陛下のお気に入り』 
 ・『魂のゆくえ』
 ・『グリーンブック』 〇
 ・『ROMA/ローマ』 
 ・『バイス』 

 今回ポール・シュレイダー監督の「魂のゆくえ」が軒並みノミネートからもれてしまっているのが結構な話題になってるんですが、脚本賞はしっかりノミネート。

そんな中、これも監督賞にノミネートされていないグリーンブックが僕の中では一番かと。

 しかし、先日発表された脚本組合賞が、この中にない作品が獲ったために予想が難しくなってきました。

どれが来てもおかしくない、ということですね。

 

 

 

脚色賞

 

  ・『バスターのバラード』 
 ・『ブラック・クランズマン』 
 ・『ある女流作家の罪と罰』
 ・『ビール・ストリートの恋人たち』 
 ・『アリー/スター誕生』 

ここにもちゃっかりネットフリックス映画が入っております。

アカデミー賞常連のコーエン兄弟は、今回ノミネート止まりな気はします。

 先日発表された脚本組合賞の脚色賞はメリッサ・マッカーシーの「ある女流作家の罪と罰」が受賞。

順当にいけばこれが赤で未詳でも受賞するような流れですが果たして。

 ちなみにこの映画、国内はDVDスルーですって。ちっ。

 

 

 

撮影賞

 

  ・『COLD WAR あの歌、2つの心』
 ・『女王陛下のお気に入り』 
 ・“Werk Ohne Autor(Never Look Away)” 
 ・『ROMA/ローマ』 
 ・『アリー/スター誕生』 

 米・撮影監督協会賞(ASC)2019 では「COLD WAR」が受賞。

ですが、僕はここでキュアロンが初めて撮影したROMAが来ると予想。

女王陛下も広角レンズで自然光を多用して撮った意欲的な映画でしたが、ROMAのほうに分があるかなぁと。

 

 

 

 

編集賞

 

  ・『ブラック・クランズマン』 
 ・『ボヘミアン・ラプソディ』 
 ・『グリーンブック』 
 ・『女王陛下のお気に入り』 
 ・『バイス』 

 編集協会者賞では、ボヘミアンと女王陛下が共に受賞しているため、ここは監督降板というハンディを見事乗り越えたボヘミアンに1票。

 

 

 

美術賞

 

 ・『ブランクパンサー』 
 ・『ファースト・マン』 
 ・『女王陛下のお気に入り』 
 ・『メリー・ポピンズ リターンズ
 ・『ROMA/ローマ』 

 美術監督組合賞では、ブラパンと女王陛下がこの中では受賞しています。

ブラパンの美術も凄かったですが、やはり歴史モノが強いのかなと。

かなり現代的にアレンジしていたようですし。

 

 

衣装デザイン賞

 

 ・『バスターのバラード』 
 ・『ブラックパンサー』 
 ・『女王陛下のお気に入り』 
 ・『メリー・ポピンズ リターンズ』 
 ・『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』 

 こちらも歴史モノが2作品入っており、女王陛下に軍配が上がると予想。

 

 

 

メイキャップ&ヘアスタイリング賞

 

  ・“Border(Gräns)” 
 ・『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』 
 ・『バイス』 

 去年「ウィンストンチャーチル」で辻一弘さんが受賞したこの賞。

やはりバイスのキャストはだいぶ本人に寄せた役柄なので、特殊メイクの功績は大きいかと。

 

視覚効果賞

 

 ・『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』 
 ・『プーと大人になった僕』 
 ・『ファースト・マン
 ・『レディ・プレイヤー1』 
 ・『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』 

 これはもうただの僕の推しですw

もしかしたらファーストマンかもしれないです。

月のシーンはLEDウォールなる特殊な機械で撮影したそうで、新しい技術を好みそうなこの賞はそっちに集中するかも。

視覚効果協会賞はいろんな部門があり、そこではファーストマンもレディプレもアベンジャーズも賞を獲っているだけに、予想は難しいです。

 

 

 

録音賞

 

  ・『ブラックパンサー』 
 ・『ボヘミアン・ラプソディ』 
 ・『ファースト・マン』 
 ・『ROMA/ローマ』 
 ・『アリー/スター誕生』 

 音楽映画が2作品入ってるだけに、アリーもボラプもどっちがとってもおかしくはないです。

アリーのあの爆音のライブ映像もいいし、ボラプは完全にシンクロしてる。

てかフレディの声にラミマレックの声を混ぜてるっていう高度な技術も評価されそう。

 

 

 

音響編集賞

 

  ・『ブラックパンサー』 
 ・『ボヘミアン・ラプソディ』 
 ・『ファースト・マン』 
 ・『クワイエット・プレイス』 
 ・『ROMA/ローマ』 

 ボラプでもいい気はしますが、この辺はファーストマンが掻っ攫っていきそう。

ファーストマンはコクピットの轟音とか臨場感あって凄かったんですよね。あれは参った、色々と。

 

 

 

オリジナル作曲賞

 

 ・『ブラック・クランズマン』 
 ・『ブラックパンサー』 
 ・『ビール・ストリートの恋人たち』 
 ・『犬ヶ島』 
 ・『メリー・ポピンズ リターンズ』 

 前哨戦ではこの中ではビールストリートの恋人たちのニコラス・ブリテルがリードしているようですが、あえてここはブラパンで。

 

 

 

オリジナル歌曲賞

 

 ・『ブラックパンサー』-“All The Stars” 
 ・“RBG” -‘I’ll Fight’ 
 ・『メリー・ポピンズ リターンズ』-‘The Place Where Lost Things Go’ 
 ・『アリー/スター誕生』-‘Shallow’ 
 ・『バスターのバラード』-‘When A Cowboy Trades His Spurs For Wings’ 

 

 これShallow以外の曲だったら怒るわww

 

 

 

短編映画賞

 

  ・“Detainment”(アイルランド・英/30min) 
 ・『母』“Mother(Madre)”(西/19min) 
 ・“Fauve”(カナダ/17min) 
 ・『マルグリット』“Marguerite”(カナダ/19min) 
 ・“Skin”(米/20min) 

 

もはや勘。

 

 

長編ドキュメンタリー賞

 

 ・“Free Solo”(米) 監督・製作:ジミー・チン(Jimmy Chin)
 ・“Hale County This Morning, This Evening”(米) 監督・製作:RaMell Ross 
 ・“Minding the Gap”(米) 監督・製作:Bing Liu 
 ・『父から息子へ ~戦禍の国より~』“Of Fathers and Sons”(独・シリア・レバノン・カタール) 監督・製作:タラール・デルキ(Talal Derki) 
 ・“RBG”(米) 監督・製作:Julie Cohen、Betsy West 

 僕が予想したRBGってのは今度フェリシティジョーンズが主演の「ビリーブ」って映画のモデルになった人のドキュメンタリーで、女性として2人目の最高裁判事になったルース・ギンズバーグのプライベートをつづった作品とのこと。

まぁ調べたのがこれだけってだけの意味での予想ですw

 

 

 

短編ドキュメンタリー賞

 

  ・『エンド・ゲーム 最期のあり方』“End Game”(米/40min)
 ・“Lifeboat”(米/40min)
 ・“A Night at the Garden”(米/7min)
 ・“Period. End of Sentence.”(米/26min)
 ・“Black Sheep”(英/26min)

 

 エンドゲームは、過去に長編ドキュメンタリー賞を獲得したロブ・エブスタイン監督作品。他の監督はまだ賞を取ってないものの、手堅く経験者狙いで。

 

 

 

長編アニメーション賞

 

  ・『インクレディブル・ファミリー』“Incredibles 2”(米) 
 ・『犬ヶ島』“Isle of Dogs”(独・米) 
 ・『未来のミライ』“Mirai”(日) 
 ・『シュガー・ラッシュ:オンライン』“Ralph Breaks the Internet”(米) 
 ・『スパイダーマン: スパイダーバース』“Spider-Man: Into the Spider-Verse”(米) 

 これはもうゴールデングローブ賞から圧勝ムードなのでスパイダーマンに1票。

ディズニーがいっつもここで賞を獲っているイメージがあるので、たまには違うやつがとってもいいでしょう。

未来のミライはないでしょう。そもそもノミネートすることにもびっくり。 

 

短編アニメーション賞

 

 ・『BAO』“Bao(包宝宝)”(米/8min) 〇
 ・『One Small Step』“One Small Step”(米・中/8min) 
 ・“Weekends”(米/15min) 
 ・『Late Afternoon』“Late Afternoon”(アイルランド/10min) 
 ・“Animal Behavior”(カナダ/14min) 

 これに関しては記憶のあるBAO一択で。

 

 

 

外国語映画賞

 

 ・ドイツ:“Werk Ohne Autor(Never Look Away)”(独) 
 ・ポーランド:『COLD WAR あの歌、2つの心』“Cold War(Zimna Wojna)”(ポーランド・英・仏) 
 ・レバノン:“Capharnaüm(Capharnaüm)”(レバノン) 
 ・日本:『万引き家族』(日) 
 ・メキシコ:“『ROMA/ローマ』”(メキシコ・米)

 作品賞はあげられないけど、こっちならあげてもいいよ、ってのが会員の出す答えな気がします。

もし仮に両方受賞しちゃったら、これは正直褒めすぎだろうと。

もう配給会社がアカデミー賞獲る気無くすよw

で、もう一つ仮に作品賞がROMAなら、こっちは万引き家族になると思います。

先に発表されるのはこっちなんで、それによって作品賞発表はめっちゃ面白くなりそうですけどね。

 

 

 

 

ということで、

「ROMA/ローマ」・・・3部門

「グリーンブック」・・・3部門

「女王陛下のお気に入り」・・・3部門

「アリー/スター誕生」・・・2部門

「バイス」・・・2部門

「ブラックパンサー」・・・1部門

「ボヘミアンラプソディ」・・・2部門

というバランスの取れた数の予想になりました。

特にバランスよく考えたわけじゃないんですけどね。

 

おそらく半分くらいは的中すると思うんですが、自身はありませんw

きっと「ROMA/ローマ」の独占な気がしますw

 

授賞式は2月25日午前10時からです!!

みんなでアカデミー賞楽しもう!

受賞されなかったからって見ないのなしね。ここにノミネートされたことが既に素晴らしいのですから。

 

というわけで以上!あざっした!!

映画「アリータ/バトルエンジェル」感想ネタバレあり解説 戦って、思い出して、恋をして。

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2月22日

アリータ:バトルエンジェル

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去年の12月に公開予定だった今作。

およそ2ヶ月の延期を経ていよいよ公開です。

話に関してはよくあるSF,のような気もしますが、そこは製作・脚本を務めたジェームズ・キャメロンがとんでもない映像革命をしてくれることでしょう。

 そしてキャメロンが脚本ってことは、いくつものピンチを作り、そこから抜け出したと思ったらまたピンチ!ってパターンが何度も用意されていることで、みてるこっちはずぅ~っとハラハラしながら楽しめるような内容になっている気がします。

ぶっちゃけ大味なんですけどねいつも。

エイリアン2」も「アバター」も「ターミネーター2」もそうだった。

 

それでもいいんです、楽しいことに変わりはないのですから。

 

そして今回の主人公アリータ。

目が大きい!!

こんな目の大きい人間いるんですか?

あれですか?

整形ですか?

いやいやさすがにCGです。

原作コミックの主人公もこんな感じで目が大きいようで、そこもしっかり忠実に映像化したんだとか。

ネットで検索すると「気持ち悪い」って出てくるんですけど、いやみんな目を大きく見せることしてんじゃんw

 

てか、どうでもいいんだけど「アリータ」だけにくりぃむしちゅ~の有田を宣伝部長にするっていうことをしなかった20世紀FOXさん、ありがとうございます。

 

というわけで早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

1990年から95年にかけて「ビジネスジャンプ」にて連載された木城ゆきとのSFコミック「銃夢」。

荒廃した未来の世界で、空中都市とそこからでた廃棄物にまみれたクズ鉄町を舞台に、主人公のサイボーグ少女が、様々な敵と戦いを繰り広げていくSF格闘コミックである。

この漫画を、兼ねてより日本のサブカルチャーを愛してやまないギレルモ・デル・トロ監督から紹介されたジェームズ・キャメロンは、その世界観と斬新な設定に痛くほれ込み映画化権をすぐに獲得。

20年という長い構想期間を経てようやく完成させた。

 

この作品を「シン・シティ」などでスピード感溢れるアクションとスタイリッシュな映像で魅了し続けるロバート・ロドリゲス監督が、映像に命を吹き込み、より原作の持つ世界観を具現化させた。

 

ハリウッドが誇る2大巨匠によって誰も見たことのないスペクタクルアドベンチャー。

主人公アリータが分断された世界の運命に立ち向かう!

 

 

 

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  • アーティスト:サントラ,ケネディ・リッケン,マティアス・ラーソン,ロビン・フレドリクソン,トム・ホーケンバーグ,デュア・リパ
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  • 発売日: 2019/02/20
  • メディア: CD
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あらすじ

 

 

 

天空に浮かぶユートピア都市“ザレム”と、“ザレム”から排出された廃棄物が堆積して山をなす荒廃したクズ鉄町“アイアンシティ”。

大戦後の未来は、“支配する者”と、“支配される者”の2つの世界に分断されていた。

“アイアンシティ”に暮らすサイバー医師のイド(クリストフ・ヴァルツ)は、クズ鉄の山から少女の頭部を発見し拾い上げる。

彼女はなんと300年前のサイボーグだった。

奇跡的に脳は生きていたものの、長い休眠状態により過去の記憶を失っていた。

イドによって新しい機械の身体を手に入れたそのサイボーグの少女は、アリータ(ローサ・サラザール)と名づけられ、イドの元で大切に育てられる。

 

ある日、アリータは襲ってきた敵からイドを守るために戦った際、自分の中にコントロールできないほどの戦闘能力が備わっていることに気づいてしまう。

実は彼女は、300年前対戦中に失われたテクノロジーで作られた“最終兵器”だったのだ。

 

果たしてアリータと分断された世界の過去に隠された秘密とは・・・。

人々の温かさに触れ、感情が芽生えた心を持ったサイボーグの少女アリータは自分の命の意味を見つけるため、そして、大切な人を守るため、二つに分断された世界の秩序に立ち向かう。(HPより抜粋)

 

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監督

今作の監督はロバート・ロドリゲス。

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監督作品ていつぶりだろう、「シン・シティ」の続編以来かな。

僕の彼の作品のイメージは、めっちゃ抽象的ですが、いわゆる男の子が「かっこいい」と思えるような映画です。

それは主人公とか登場人物のキャラもそうだし、生き様とかもそうだし、アクションとかもそうだし、ガジェットもとにかく男が「かっこいい」と思える映画ばかり作っている気がします。

もうひとつはなんだろう、バカなところでしょうかw

これは頭が悪い「バカ」ではなく、なんちゅうもん作るんだ「バカ」みたいなばかです。

ギターがマシンガンになったり片足がマシンガンになったりと、中々でしょう。

普通の人ならそんな映画作りません。監督ならではのアイディアですし、それを映像にしてしまうのは彼のようなバカしかいません。(めっちゃ褒めてます)

こんなバカでかっこいい映画ばかり作る最高にクールな監督が、キャメロンにいちいち指図されてイライラしなかったのか是非聞いてみたいですねw

オレはお前の犬じじゃねえ!って陰で言ってそうな気がするのはオレだけか?

 

そんな監督の代表作をサクッとご紹介。

メキシコのマリアッチ(流しの歌手)が暗殺者に間違われ狙われる姿を描いた「エル・マリアッチ」で監督デビューした彼は、これを予算増加によってセルフリメイクした「デスぺラード」、その続編でジョニー・デップも参加した「レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード」という「マリアッチ3部作」が有名。

それ以外でも、幼い姉弟がスパイである両親をガジェットを駆使して助けに向かうスパイコメディ映画「スパイキッズ」も、4作作られるほどの人気に。

 

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また彼はクエンティン・タランティーノ監督と親交が深く、彼と共に作品を制作することも有名。

兄弟強盗が待ち合わせに使った酒場でとんでもない事態へと発展していまうギャングスプラッター映画「フロム・タスク・ティル・ドーン」、ゾンビに片足を奪われたヒロインがマシンガンを装着して挑むセクシーバイオレンスアクション「プラネット・テラーinグラインドハウス」、罪の町で繰り広げられる3人の男の愛と復讐をモノクロをベースに斬新な色使いで描き、コミックライターのフランク・ミラーと共同で監督した「シン・シティ」、その続編「シン・シティ/復讐の女神」など、どれもバイオレンスでありながら馬鹿馬鹿しさも混ざった作品が多いです。

 

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キャラクター紹介 

 

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左上より。

  • アリータ(ローサ・サラザール)・・・300年前に失われたテクノロジーで創られた、記憶を失ったサイボーグの少女。クズ鉄の中から、奇跡的に脳だけ生きていた状態のところをイドに拾われた。

 

  • イド(クッリストフ・ヴァルツ)・・・アリータの名付け親であるサイバー医師。新しい機械の体を与えてアリータを蘇らせ、父親のようにやさしく見守っている。

 

  • チレン(ジェニファー・コネリー)・・・イドの前妻。モーターボール選手の調整技師(チューナー)で、ベクターと共に行動する。

 

  • ベクター(マハーシャラ・アリ)・・・ファクトリーのオーナーで、モーターボールの支配者。アリータを破壊しようと目論む。

 

  • ヒューゴ(キーアン・ジョンソン)・・・ザレムへ行くことを夢見るアイアンシティの若者。アリータに好意を持ち、失った過去の記憶を取り戻す手助けをする。

 

  • ザパン(エド・スクレイン)・・・アリータに敵対心を持つ、非道なハンター戦士。

 

  • グリュシュカ(ジャッキー・アール・ヘイリー)・・・伸縮自在のカギ爪を操る巨大なサイボーグ。ベクターの配下にあり、アリータを襲う。

 

 

 

 

 

 

 

 

いわゆる富裕層と貧困層に分断された世界って聞くと「エリジウム」を思い出すような設定ですが、あれよりももっと未来志向な映画であると共に、少女のアイデンティティ探しや冒険、しかも武器とか防具とか僕らがワクワクしそうなアイテムも出てきたり、最後はモーターボールって何!?って聞いたことない競技まで出る始末。

キャメロンは自身の娘をこの映画に投影したようですが、それよりも舞台設定が現代を象徴しているかのようで、社会面への痛烈なメッセージにもなっている気がします。

一体どこまで面白いのか!?

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

上いかねえのかよw

少女から大人へと成長し、己の存在意義を確信していく序章的物語でした!!

それにしてもつまんねえ・・・。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映像はとんでもなく素晴らしい。

最終都市からごみ溜めの街へと落ちてきた一人の少女が、過去に大きな傷を負った医師に体と心を与えられることで、自身が何者なのかを追求し使命を全うしていく覚悟を決めていく物語を、キャメロン印の大味すぎる脚本のひどさにあっけにとられながらも、最新鋭のVFX技術によって、サイバーパンクな街並からモーターボールでの格闘戦、果ては主人公の細かな動きから質感、表情に至るまでを瑞々しく表現することで、実際に存在するのではないかと感じる作品でございました。

 

まず特筆すべきなのは、アリータという一人の少女、いや最終兵器を細胞レベルで表現できたことへとの驚き。

冒頭目覚めのシーンのアップから彼女にどんどん引き込まれていくことは容易で、大きな目はもちろんのこと、オレンジを食べた時のこめかみが動く反応から、ヒューゴとのファーストタッチで起きる「赤い実はじけた」感、潜在意識レベルで動くアクションの反射神経、

そして肝心のアクションに至っては、とにかく素早い動きでアクションをこなし決め技スローモーションで顔ドアップする度に監督得意のダイナミックなアクションが炸裂する展開に胸アツに。

さらにはモーターボールでの四面楚歌的展開では、序盤でのアクションをさらにグレードアップさせたハイスピードなスケーティングと一発KOの快感。

 

要は何が言いたいって、アリータというアンドロイドがしっかりそこにいて、青い血を脈々と打ち、鼓動し、呼吸している姿を大きなスクリーンで感じられるということ。

誰だ!目が大きくて気持ち悪いとか言ってたやつは!

こんなのかわいいに決まってるだろ!!

野良犬にあんなに微笑んで、オレンジをあんな食べ方して、ヒューゴにMajiでKoiする5秒前的表情で見つめて(モーターボールはちょっと苦手~)、そんな彼女が徐々に記憶取り戻すたびに戦士の顔になってくんだよ!

最高じゃねえか!

やっぱりキャメロンは戦う女を描いたら一級品ですな。

 

おっと、話が逸れた。

映像に関してですな。

街並みもブレードランナーのような暗く湿ったような世界観ではなく、きちんと太陽があって夕陽が差し込み、その上にデカデカと最終都市ザレムが浮かんでいて、現実と非現実がうまくマッチした世界だったのではないでしょうか。

何だ結局映像のことじゃないじゃないか。

もういいや。

 

まぁ映像はとにかくキレイであることにかわりはありません。キャメロンとロドリゲスが目指した最新鋭の映像だったということです。

ただ今回IMAX3Dで鑑賞したんですが、これ3Dの意味あるのかってくらいショボかったです。普通に2Dでもいいかもしれません。

 

 

話は全然盛り上がらない。

僕はてっきりアリータが上と下で別れた世界の境界線を壊す救世主になる物語だと想像していましたが、これがなかなかその展開にならない。

むしろ、その覚悟をするまでの話であったということにがっかりしました。

 

中心になるのは、アリータが覚醒する過程の部分で、生まれ、育ち、恋をし、親に反発し、我を通し、大人の戦士になっていく、ということ。

なんですが、どうしても恋愛描写がついて回るせいで目的がよく分からなくなってくるんですね。

 

すっかり恋に落ちたアリータはヒューゴの夢である「ザレムへ行くこと」の手助けをするんです。どうやって行くかってのが「モーターボールで優勝すること」。

それはいかん!と止めるイドを説得し、ようやくモーターボールに出場するんですが、ヒューゴにはある事情があり、レースを途中中断してヒューゴの元へ行くわけです。

まぁ助けに行くんですけど。

で、これはこれで別にいいんです。

いいじゃないですか、初めて好きになった男の夢を是が非でも叶えたいアリータ。

ほら私の心臓見て?これを売ればあなたはザレムに行けるしお釣りも来るわ!

もう見てられないですよ、ノボせすぎて。乙女すぎます。

というか、恋の暴走が過ぎましたよね、アリータ。

 

で、僕が言いたいのは、このアイアンシティ、そこまで息苦しい場所なのか?と。

確かにお金を作るのに苦労しそうな世界ではあります。不幸せな人たちも多いでしょう。

でもみんながみんなザレムに是が非でも行きたい!みたいな世界じゃないんですよね。

絶対いけないとわかっているからあきらめてはいるものの、モーターボールで優勝すれば行けるってわかってるわけですから、結構な人たちがムチャしているシーンがあってもいいと思うんです。

それでいいはずなのに、序盤から女性狩りの犯人捕まえたり、ハンター戦士になるとかダメとかの件だったり。

 

で、本気でザレムへ行きたいチレンもその本気度がよくわからんのです。

アリータをうまく手籠めにして利用すればイケるとわかっていながら、失敗しても焦らないしムキにならないし、エゴイスティックにならない。

う~ん燃えない。

 

要はアイアンシティの皆々がザレムに憧れ持ってるような設定になってないので、ヒューゴがザレムへ行きたい理由が明確に感じないんです

てか恋人出来たんだからまずそこを楽しめよと。

それで次のステップに行けよと。

ベクターも言ってましたけど、今上に行っても下の身分のまま、だったら下で支配した方がよくないか?と。

そう、ヒューゴとチレンくらいしか上に行く野心が見えないから、そこにアリータが彼氏のために!と言ってもなんだかなぁと。

 

で、この流れの中で、アリータの記憶探しの話も入ってくる。

なぜ私はこんなに強いのか。戦った時でないと記憶が蘇らない。

強くなることを求めて記憶を取り戻すことを考えハンター戦士になる。

ケンカを買った相手との再戦、敗北。

で強化スーツ手に入れてしまったから、ここからはもう彼女がピンチになることが少なくなってくる。

 

例えば、ヒューゴが実はアリータの300年前の時と何かしら関係があってアリータが恋愛する過程で記憶を呼び覚ますとかだったら、恋愛描写は効果があると思うんですが、結局戦士の記憶を取り戻す過程と恋愛が全く別になってるので二つの線を追わないといけないし、最後これが混ざったところでいかにも強引にたたみ過ぎてて、もうヒューゴの存在必要ねえじゃん、と。

そこイドの存在が無くなるって風にしたほうが話がうまくまとまるじゃんと。

 

 

イド=キャメロン?

そう、僕が思ったのは、これ父と娘の話限定にすればよかったのにと。

多分、イドはキャメロンそのものだと思うんです。

キャメロンは結婚離婚を繰り返している人なんですが、それでも娘にはそれなりの愛情を持っていたんだと思います。

それがこの映画に強く現れていたように感じます。

 

アリータを蘇らせた当初は、遠くへ行くな、夜になる前に帰ってこい、といっぱしのお父さんぽい言葉をアリータに言いますが、これは結局娘を自分の檻の中に閉じ込めているだけなんですよね。外の世界は危険だから見せない方が娘のため、みたいな。

でも好奇心がどんどん膨らんでいくアリータは、父の本当の姿が気になりついていく。

少しづつ互いの過去や本性を話し合うことで距離が縮まっていくかと思いきや、またもや娘アリータと衝突。

アタシは戦うと思い出す、この強化スーツを着たらもう大丈夫、だからお願いこれを接続して!と。

でも、イドお父さんはこれを拒否。

ダメダメ、君は今のままで十分なんだ、と。

娘を持ったパパあるあるですかね~。

 

でまぁ結局根負けして許しちゃうお父さん。

強化スーツを着て少女から大人の女性へと変貌を遂げていくアリータとともに、イドお父さんは嫁入り前の娘を見るかのような眼差し。

 

キャメロンにもこういう葛藤がきっとあったと思うんですよね。

自分のカワイイ娘を手放したくなくて、かごの中の鳥のような育て方をしたけど、羽ばたきたいわけですよ娘は。で、結局押しに押されて許しちゃうみたいな。

 

これをもっと軸にして親子の話にした方が面白かったと思うんですよね。

もっと言えばヒューゴと付き合うことに猛反対するイドの姿ってのがあったら、よりアリータが少女から大人の女性へなるのに説得力があるというか。

いや、何だろうもっと身近な親子の姿に感じられるからアリータが戦士だとかアンドロイドとか忘れさせる要因にもなるというか。

 

 

最後に

途中でも書きましたがキャメロンの脚本は大味なんですよね。

なんだけど、主人公が難関をクリアする度にすぐ難関が押し寄せるからハラハラドキドキするんです。

なのに今回はそれが全く感じられない。

アクションは確かにすごい。すごいんだけどそこまで。そのすごい!って気持ちを次のシーンで打ち消しちゃうというか引きずらせてくれない。

だから気持ちが高ぶらない。

アリータの成長物語にしたかったのはわかるんですが、どうもゴチャゴチャだなぁこれと。目的が全然見えてこなくてがっかりでした。

 

とりあえずマハーシャラ・アリに眼福。

 

 

原作読んでませんのでどうかファンの方お手柔らかにお願いします。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆★★★★★★★3/10

映画「サムライマラソン」感想ネタバレあり解説 外国人が時代劇を撮るとここまで変わるか。

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2月23日

サムライマラソン

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I don't know the way of truthがなんだかなぁ。

あい、え~ドライブでなくてこっちはマラソンでしたね。

こんにちはモンキーです。

ただいまNHKにて放送中の大河ドラマ「いだてん」。

毎週見ててね思うんですよ、オレもマラソンしてえなぁって。(本気よ)

それに拍車をかけるような映画が公開です。

今日鑑賞するのは、日本で始めてのマラソンは江戸時代末期だよ~ってことを描いてると思いきや、マラソンの最中に城が危ない!よし急いで戻ろう!!って話。

 なんだそらw

って思うでしょ。でもメンツが豪華。

時代劇でこんなメンツなのに、な~んか日本の時代劇っぽく見えないんだよなぁと思ったら監督が外国人でした。

そうか、みんな彼の作品に出たいから集結したのかぁ。なるほどねぇ。

 

一体どんな映画なんでしょうかね。

早速鑑賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

侍の時代が終わりを告げようとしている幕末。現在の群馬県安中市にあった安中藩主が、武士を鍛えるために始めた日本で最初のマラソン大開催という史実を元に、「超高速!参勤交代」の土橋昌宏がエンタテインメント性を加え書き上げた小説を映画化。

 

これを「ラストエンペラー」や「戦場のメリークリスマス」、「十三人の刺客」などをプロデュースしたジェレミー・トーマスが中心となり、日本映画界を背負って立つ豪華俳優陣が集結した。

また監督はじめ、音楽衣装などスタッフもアカデミー賞受賞経験者という布陣で製作し、日本の、しかも幕末を舞台にした世界基準のエンタテインメントを誕生させた。

 

ペリーによって開国を迫られた幕府に不満を抱く安中藩主の計らいで催されたマラソン。何でも望みを叶えるという副賞目当てで、参加者はそれぞれの思いを胸に走っていくのだが。

武士の心を錆らせてしまった侍たちが、本当の侍へと変貌を遂げていく痛快時代劇です。

 

幕末まらそん侍 (ハルキ文庫)

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あらすじ

 

 

 

260年間、日本は国を守るために鎖国してきた。だが、それもいよいよ終わりを迎えようとしていた。

1855年、幕末。幕府大老の五百鬼祐虎(豊川悦司)は、黒船でアメリカからやってきた海軍提督ぺリー(ダニー・ヒューストン)と面談し、和親条約という名の開国を迫られる。

 

安中藩主の板倉勝明(長谷川博己)はアメリカは口では和平を唱えているが、日本への侵略が目的だと疑っていた。

「国と藩を守らなければいけない」と腹を決めた勝明は、藩士たちの心と体を鍛錬するために「明日、十五里の遠足を行う」と宣言する。

「優勝者はどんな願いも叶えられる」と聞いて、藩士たちは色めき立つのあった。

 

そんな中、城内で騒ぎが持ち上がる。勝明の娘の雪姫(小松菜奈)が、城を抜け出したのだ。

芸術的才能に恵まれた雪姫は、江戸へ出て絵画を勉強し、いずれは異国へも渡りたいと願っているのだが、父からは厳しく反対されていた。

重臣の息子で、傲慢な辻村平九郎(森山未來)を婿にとって藩を治めるよう命じられ、強い決意のもと逃げ出したのだ。

 

城下の人々の間では。早速誰が1着になるかの賭けが始まった。

藩で一番足が速いのは、足軽の上杉広之進(染谷将太)だと誰もが知っていた。上杉は両替商の留吉に茶屋でおごられ、1着にならなければ10両渡すと八百長を持ちかけられる。

1着とお金とどちらをとるか頭を悩ませる。

 

ところが、その夜、江戸城では、安中藩の人々にとって、絶体絶命の司令が下されていた。

 以前から勝明を「何をするかわからん」ものだと警戒していた五百鬼が、安中藩の遠足を“謀反の動き”と見て、アメリカの最新式の拳銃を携えた刺客を放ったのだ。

 

翌朝、五百鬼の企みに気づいた男がいた。 

彼の名は唐沢甚内(佐藤健)、安中藩に仕える勘定方は仮の姿で、実は代々幕府の隠密として、不穏な動きを察知したら直ちに報告する役目を負っていた。

藩の上司の植木義邦(青木崇高)にはもちろん、妻にさえ打ち明けてはならない秘密だった。

だが、何かを感じた妻の結衣(門脇麦)は、密かに忍びの武器を着物に仕込んだ夫に、「どうかご無事に」と声をかけるのだった。

 

それぞれの思いを抱えた参加者たちが、出発地点に集まってくる。

どうしても娶りたい雪姫は消えたが、虚栄心から不正をしてでも1着をとろうと気合を入れる辻村。だが、その背後には、遠足に乗じて江戸まで行こうと計画し、男装身を隠した雪姫がいた。

守護番を解雇された栗田又衛門(竹中直人)は、最後にひと花咲かそうと、亡き親友のまだ幼い息子と出場する。

 

太鼓の音が響き、開始の掛け声で、一斉に元気よく飛び出す藩士たち。

だが、ほどなく刺客たちも到着し、まずは関所が襲撃される。幕府か藩か揺れる中、愛する者たちとは、すべてここで出会ったことに気づいた甚内は、仲間たちに危機を告げ、一刻も早く城へ戻ろうと全力で走り始める。

 

果たして、甚内は大切なものを守れるのか?

そして、ゴールのその先に待つ日本の未来とは?(HPより抜粋)

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監督

今作を手がけるのはバーナード・ローズ

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「アカデミー賞スタッフが贈る!」って宣伝文句、あれ日本人でアカデミー賞取った人って思うじゃないですか。実際そうなんだけども。

だから監督も日本人て思うよね、時代劇だし。

そしたら監督、外国人でしたよw

これにはびっくりでした。

 

というわけでローズ監督ですが、僕タイトルこそ知ってはいるものの、1作も見ておりませんので何も言及できません。日本での映画が初とは。これもいいきっかけってことで、サクッと代表作をご紹介。

 

マネー・ウォーズ」という映画でデビューした監督は、都市伝説を研究していた女子大生に起こる恐怖を描いたホラー映画「キャンディマン」がカルト的人気を誇り脚光を浴びます。

その後偉大な音楽家の知られざる苦悩と秘めた思いを弟子の視点で進んでいく軌跡を描いた「ベートーヴェン/不滅の恋」、世界の文豪トルストイの名作「アンナ・カレーニナ」、19世紀に活躍した異端の天才ヴァイオリニストの愛と狂気の人生を描いた「バガニーニ/愛と狂気のヴァイオリニスト」など、ホラーから音楽家のドラマなど幅広く手がけております。

 

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キャスト

主人公の隠密・唐沢甚内を演じるのは佐藤健。

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もうこのブログでは散々彼について書いているので、特に何もありませんが、一応撮影監督が「るろうに剣心」の方だそうで、彼は隠密ってこともあり、それなりにアクションを見せてくれるんじゃないかと期待しております。

 

彼に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

雪姫役に、「恋は雨上がりのように」、「来る」の小松菜奈。

辻村平九郎役に、「モテキ」、「怒り」の森山未來。

上杉広之進役に、「きみの鳥はうたえる」、「KU-KAIー美しき王妃の謎」の染谷将太。

植木義邦役に、「来る」、「モリのいる場所」の青木崇高。

栗田又衛門役に、「くちづけ」、「マンハント」の竹中直人。

五百鬼祐虎役に、「ラプラスの魔女」、「後妻業の女」の豊川悦司。

板倉勝明役に、「シン・ゴジラ」、「半世界」の長谷川博己などが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

イギリス人監督が時代劇を撮るとどんな化学反応が生まれるのでしょうか。

よくハリウッドでは日本を変な風に描くことがありますが、予告の段階ではそれらしき部分は見当たらず、カットの構図も邦画っぽくない気もします。

そういう意味では新鮮味を感じ期待が持てますが、お話はいかがなものか。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

いや、これ中々の珍作!

外国人監督が時代劇を撮るとここまで質が変わるんか!

マラソン侍たちが泥臭く血なまぐさい姿が美しい!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時代劇も開国すべきだ。

1855年、黒船ペリー来航により和親条約を結ぶかどうかという瀬戸際の時代を舞台に、藩士の強化を図るために遠足(とおあし)を催す安中藩に起きてしまう不測の事態を、これまでの時代劇の常識を一切取っ払うかのようなカメラアングルや劇伴、鮮明な映像によって泥臭く血生臭い藩士たちの姿を捉えながら、アクションやユーモア描写も忘れないエンタメ要素も含んだ、中々の珍作でございました!!!

 

僕は豪華キャストに外国人監督の時代劇という点で今回興味を持ち鑑賞したんですが、どうしても外国人が時代劇?いやぁ~大丈夫?設定とか情緒とか時代設定とか、などなど世界が見る日本の侍を屈折して見ていないかな?という不安がありましたが、全然問題ありませんでした!!

 

時代劇なんだけど日本臭さが全くなく、いわゆるヨーロッパ調のアート性が垣間見えた作品とでも言いましょうか。

何というかお決まりの展開、というのがどこにも用意されてないんですよ。

例えば途中チャンバラ的展開があるとするじゃないですか。そういう時はアクション多めでゴリゴリの音楽が流れて、でもって拮抗しながらもぎりぎりで勝負あり!みたいなシーンてどの時代劇にもあると思うんです。

でもこの映画にはそういうチャンバラ的展開はない。

ならず者が急襲した時は、斬り合いなどせずとりあえず畑に逃げて体を隠し、一瞬のスキをついて仕留める。しかもあえてスローモーションで描く。

佐藤健VS青木崇高という「るろうに剣心」の剣心VS佐之助って夢のマッチも、低いカメラアングルから被写体の周りを縦横無尽に追いかけ、青木演じる植木が佐藤演じる唐沢を追い込んだ際に、唐沢が一瞬のスキをついてとどめを刺す。

他にも帰りの戦の中で森山未來演じる辻村が,息も絶え絶えな中で刀を振り回す姿をスローモーションで描くことで、彼の呼吸をまじまじと感じるし、溜めた力で振りかざす渾身の一撃がめちゃめちゃカッコイイ。

 

このように結構要所要所でスローモーションを多用することで、彼らの息遣いをものすごく感じられるんです。

 

そしてひとつひとつのカメラの構図も時代劇チックではないのが新鮮。

例えば、冒頭。

姫と殿のファーストカットは二人が対面している姿を横から撮ってます。

日本の時代劇ではあまりこの構図見ません。どちらかが背を向けて会話するのが多いかな。で、この横で映す構図がペリーと五百鬼とが浦賀でのシーンでも使われている。

この二つを続けて映すことで、互いの主張が巧く通らない、そんな風に感じさせるのを強調していたかに思えます。

 

他にも、又衛門がきのこ売りの子供の家を訪ねた際、子供の母親の美しさに見惚れる又衛門をいちいちカメラで抜かずそのまま回しっぱなしで映す。

居間での又衛門と母とのやり取りの際、後ろの戸を開けて置くことで奥行きが生まれ、その後ろで子供が木をまとめ、ゆっくりとズームインしていく最中に、外からおなかをすかせた雪姫が入ってくる。ここまでの流れをカットなしで描いている演出が見ていてうまいなぁと。

 

他にもならず者との戦いの中で、弓矢によって命を落とした藩士の顔を超クローズアップして撮っているんですが、雨が降りしきる中血まみれの状態で死んでおり、その顔をカマキリが這っているんですね。

これがねぇ儚さを堪能できるショットだなと。美しいんですよとにかく。

この画だけでも僕は観てよかったと思ってます。

 

 

 

基本的に最近の日本映画は寄りが多すぎます。

表情をアップで映すことで、さも見ているこちら側の人間が入り込みやすくするための手法だと思うんですが、逆を言うと背景を撮ることができない人なんですよ。

もっと言うと後ろで動いているエキストラや役者に芝居をつけることができない。

さらに言えば背景に重きを置いていない。

しかし諸外国のクリエイターは背景も後ろに映る役者陣にも気を配って撮影しています。

この日本映画におけるワンパターンな構図をこの映画では一切やっていません。

ちゃんと自然を美しく撮り、そこに映る被写体をいきいきと捉えています。

 

例えば役者がマラソンしている姿を寄りで撮りません。

何人かが競い合っている姿を気持ち引きで撮るんですね。他にも帰りの道で急いで城に戻る際は森の中を走るんですが、ちゃんと手前に木々を挟みんで被写体を映しているからちょっとしたスピード感があります。

ならず者との一触即発のシーンも揺れる稲穂を掻き分ける藩士を引きで撮ることで自然とマッチした画になっていて、時代劇ではあまり見ない画に徐々に引き込まれることでしょう。

 

そして忘れていけないのが結構グロテスクなシーンが多いということ。

この辺容赦ねえな!と。

最近古い時代劇を立て続けに見ていた自分としては、昭和の時代劇では当たり前のように映されていた生首の生々しさに慣れていたので、この映画で驚くことはなかったのですが、結構生々しいです。

例えば行方をくらました雪姫を探すために馬で走る辻村が、雪姫の着物を持っていた乞食を見つけた途端首チョンパするんですね。ここしっかり映してます。

しかもまたニクイことに、首チョンパして飛び散った血が稲穂にキレイにしみついてるところまで映すんですね。こういう細かいところが抜け目ないなぁと。いやらしいなぁと。

これが伏線となったのか、自分の側近である岡島が実は隠密だったことを知った辻村は、彼を馬で追いかけ見つけた途端これまた首チョンパするわけです。

こっちは転げ落ちた首が逆さの状態で口から血を吹き出しながら映っており、マジマジと死に様をカメラでとらえているんですよね。

 

このようにひとつひとつを嘘くさく感じさせない侍の躍動と死に様に、監督ならではの「美」が多く含まれたシーンがたくさんあったように思えます。

 

 

 

とはいえ話はツッコミが多い。

ひとつひとつのカメラの構図や映像の美しさに惚れ惚れした時代劇でしたが、肝心のお話は色々とっ散らかている印象はあります。

 

例えば、唐沢が仕事をしている勘定方の上司、植木は隠密だったことが分かります。

一番ケツのグループにいた植木は、疲れて立ち止まって一番ビリになり、一人になったところを見計らって道の端に隠しておいた馬で、ならず者たちの元へ向かいます。

そしてならず者を見つけ合図を送るんですが、このならず者たち、実はまだ安中藩の中に入ってないんですね。

この後彼らは関所の外からやってきて門番を殺しまくるんですけど、その時に、ん?なんで?と感じてしまいまして。

要は植木は関所の外まで馬で向かったことになり、まだ関所にたどり着いてないトップグループの辻村や上之進達よりも早く向かっていることになる。

なんかおかしいんですよ。

 

他にも雪姫は藩の一般人に扮してマラソンに参加するんですが、関所の人間にはすぐばれちゃうんですよ。

スタート前に通行手形を発行してもらってる際に、それを渡したスタッフは気づいてない様子でしたが、なぜか門番にお達しが来ている。

しかも唐沢や辻村は彼女にあった途端すぐ気づくんですけど、殿の近くで働いていた又衛門は彼女と共に走ったりご飯食べてるのに全く気づかない。

うん、変です。

 

また辻村の側近の岡島は隠密だったことがわかるんですが、彼はなぜ走っている途中で辻村を裏切ったのか理由がわかりません。

何かしらの伝達事項でマラソンの最中にならず者が城を襲うということを聞いていたと仮定して、なぜ走っている最中に辻村たちをあそこで葬ろうとしたのかイマイチピンときません。

あそこで辻村に感づかれたのならわかるんですが。

というか行きの最中に籠を使ってショートカットする際に殺してしまえばよかったのに。

 

あとは最後。ならず者のリーダーハヤブサが、殿の元へやってきて銃を構えます。

殿はなぜか強気なんですね。

殿の気持ちとしては今城ががら空きだけど、奴らはすぐ帰ってくると。だからお前に殺されるわけがない的なことを言うんですよね。

いや彼ら60キロ走ってるんですよ、そう簡単に帰ってきませんよ。

しかもハヤブサは、なぜかそこで殿を仕留めず、彼らの帰りを一緒に待ってるんですよね。いや何のためにもったいぶってんだよw。

 

とまぁ、色々目につく話のおかしい部分でございました。

 

 

最後に

あとは色々ユーモアが感じられるシーンもあって、ペリーがやってきた時に通訳の中川大志が、彼の声がどもって何言ってるかわからないので、ゆっくり話してもらうように聞いてみますと五百鬼に言うんです。

で、お願いすると中川大志はオランダ語で話してるわけですよ。

ペリーはこいつ何言ってるかわかんねえよ、と。

 

他にも又衛門演じる竹中直人が、竹中直人らしいしつこい主張や体を張ったシーンがあって彼によって緩和がもたらせれた瞬間でもありました。

キノコ売りの子供に走り方を教えるシーンは、段々又衛門というより竹中直人じゃんw、とか、走っている最中腰痛が悪化するんですが、それを走りながら背骨をバキボキ鳴らして気合い入れて走る姿が妙に笑えるし、あとちょっとでゴールという時になぜか服を全部脱ぎだしてふんどし一丁で走ったりと、あなたそこまで目立つような役柄でないでしょうとw。

 

 

多分これを「超高速!参勤交代」の本木監督とか、「殿、利息でござる!」の中村義洋監督とかが撮るともっとコミカルになるんでしょうけど、藩のために死力を尽くした侍たちの勇姿を描くとなるとシリアスさが足りないのかなと。

僕は外国人監督が時代劇を撮ったことは、これはこれでよかったと感じます。

珍作ではありますが。

 

物語もそれぞれの思惑がある描写を短時間でしっかり描いているので、全然問題ないです。

姫をもらいたいためにズルをしてでも1位を獲りたい辻村。

遊女を妻にしたい侍の夢、もう一花咲かせたい又衛門。

足の速さが取り柄の足軽が、賄賂を渡されることで目先の金か念願の夢が揺れる広之進。

父親の厳しさ故に自分の夢を叶えられない姫の単独行動、そして自分の見誤りが原因で藩のピンチを招いてしまった唐沢の苦悩。

 

100分程度の上映時間が非常に濃密でございました。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

映画「ビールストリートの恋人たち」感想ネタバレあり解説 甘いだけでは2人を語れない。

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2月22日

ビールストリートの恋人たち

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今年度アカデミー賞3部門にノミネートした作品がいよいよ公開です。

なんというか、ポスターが良くないですかこれ?

監督の前作「ムーンライト」と同じで、色遣いがまたきれいできれいで。

 たしか「ムーンライト」ってカラーリストを入れて、映像の上からさらに色をつけたなんて話を聞きましたけど、今作も同じ手法を取り入れてるのでしょうか。

予告を見るとやってそうな気がしますが、今作もその色で覆われた素晴らしい愛の物語の予感です。

そして監督は黒人ですから、きっとマイノリティーな面が描写されてることでしょう。

てことは酸いも甘いも詰め込んだ話なのかな?

まぁ当然か。

というわけで早速鑑賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

性と人種的マイノリティに苦しむ一人の黒人男性が自身と向き合っていく物語「ムーンライト」で、強敵「ラ・ラ・ランド」を抑えアカデミー賞作品賞を受賞したバリー・ジェンキンス監督。

彼が以前から映画化したいと臨んでいた作品がこの「ビールストリートの恋人たち」。

ジェイムズ・ボールドウィン原作の同名小説は、70年代のニューヨークに生きるカップルの物語。

どんな困難な状況になっても決して諦めることなく愛をはぐくんで言った恋人たちのラブストーリーを監督自ら脚色し、人種や社会的に差別を受けることが再び強くなってきた現代にもう一度抵抗するために強いメッセージをこめて書き記した。

 

その甲斐もあって、今年度アカデミー賞で脚色賞にノミネート。さらには助演女優賞と作曲賞にもノミネートされている。

 

愛よりももっと深い“運命”で結ばれた恋人たちのラブストーリーが、あなたをロマンティックな世界へと誘う。

 

ビール・ストリートの恋人たち

ビール・ストリートの恋人たち

 
オリジナル・サウンドトラック『ビール・ストリートの恋人たち』

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  • アーティスト:ニコラス・ブリテル,Nicholas Britell
  • 出版社/メーカー:ランブリング・レコーズ
  • 発売日: 2019/02/20
  • メディア: CD
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あらすじ

 

 

恋人たちに訪れた過酷な運命。

愛の試練はふたりをどこへ連れて行くのか。

 

「赤ちゃんができたの」



1970年代のニューヨーク。

ティッシュ(キキ・レイン)は19歳。恋人のファニー(ステファン・ジェームス)は22歳。

幼い頃から共に育ち、自然と愛を育み、運命の相手を互いに見出した二人にとって、それは素晴らしい報告のはずだった。

 

しかし、ファニーは無実の罪で留置所にいる。

彼はティッシュの言葉を面会室のガラス越しに聞いた。

小さな諍いで白人警官の怒りを買った彼は強姦罪で逮捕され、有罪となれば刑務所で恥辱に満ちた日々を送るしかない。

 

二人の愛を守るために家族と友人たちはファニーを助け出そうと奔走するが、そこには様々な困難が待ち受けていた...。

 

魂を試されるようなこの試練を乗り越え、恋人たちは互いの腕の中に帰ることが出来るだろうか。(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

監督

今作を手がけたのはバリー・ジェンキンス。

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 冒頭でも書いたとおり、前作「ムーンライト」でアカデミー賞作品を受賞した監督。

キャスト、監督、脚本が総て黒人という作品が、作品賞を獲得したのはこれが初なんだとか。

そういう意味で言えば歴史に名を刻んだ監督とも言えますね。

 

今作は賞レースを見る限り、前作ほどの勢いはありませんが、アカデミー賞3部門ノミネートは素晴らしい快挙。

特に脚色賞は、脚本に定評のある監督だけに期待が持てそうですね。

 

監督に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

 

キャスト

恋人を待ち続ける女性・ティッシュを演じるのはキキ・レイン。

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TVや舞台で活躍されていたお方だそうで、今回が長編映画初の出演とのこと。

一体何に出てたんだろうって検索したんですけど、全然出てこなくてw

経歴よりも、マイケル・B・ジョーダンとのスキャンダルしか出てこない・・・。

 

まぁこれからの方だと思うので注目しておくことにしましょう。

 

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

ティッシュの恋人・ファニー役に、「 栄光のランナー/1936ベルリン」のステファン・ジェームス。

ティッシュの母・シャロン役に、TVシリーズ「アメリカン・クライム」、「ザ・エージェント」、「エネミー・オブ・アメリカ」のレジーナ・キング

ジョーゼフ・リヴァース役に、「リンカーン」、「大統領の執事の涙」のコールマン・ドミンゴ

アーネスティン・リヴァーズ役に、「幸せの始まりは」、TVシリーズ「グッド・ワイフ」のテヨナ・パリス

ダニエル・カーティ役に、スティーヴ・マックイーン監督最新作「妻たちの落とし前」が控えているブライアン・タイリー・ヘンリー

ペドロシート役に、「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」のディエゴ・ルナ

レヴィー役に、「グランド・イリュージョン」、「21ジャンプストリート」のデイヴ・フランコ

ピエトロ・アルバレス役に、「キングスマン/ゴールデン・サークル」、「グレートウォール」のペドロ・パスカル

ペル巡査役に、「デッドプール」、「アリータ:バトルエンジェル」のエド・スクレインなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回イントロダクションの中身が薄くてスイマセン・・・。

ムーンライトは色でいうと様々な「青」が強調されていたように思いますが、今作はそこまで色彩を強調しているようには感じません。

しかしここぞの場面では監督ならではの色の演出が冴えているように感じます。

果たして2人はどんな運命にあるのか。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

美しすぎる2人の愛と映像、それとは裏腹につきつけられる過酷な環境。

アフリカ系アメリカ人の物語を甘く苦く詩的に描いた映画でした!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほのかに色づく赤と黄色。

まだ結婚もしてない二人の男女が、刑務所という1枚のガラスに隔てられながらも、逆境にくじけず愛を育み真実を追い続ける物語を、過去での馴れ初めや二人のエピソード、現在での刑務所の中で耐えに耐えるファニーの姿、そのファニーを救うべく弁護士とともに真実を追うティッシュの家族たちの姿、そして初めての出産に苦しみながらも確かな愛の結晶を感じていくティッシュの姿、そして彼らを通じて黒人たちが強いられてきた歴史を、行間溢れる美しい映像の数々と共に描いた、ビタースィートシンフォニーな物語でございました。

 

ムーンライトに続いて作られた「愛の物語」は、中々報われることが無い二人がそれでも無実を信じ永遠の愛を貫く、甘くもあり切なくもある映画でした。

監督の前作は途中でも書いた通り、青を基調とした色彩で彩っていましたが、今作は暖色系、特に赤と黄色が印象的な色合いで彩っていたような気がします。

どことなく登場人物の顔がほのかに赤く染まっており、二人の間に確かな愛が芽生えていたようなそんな感覚を与えてくれえていました。

撮影監督であるジェームズラクストンが被写体を接近して撮ることで、その色合いは余計に感じることができると思います。

 

ファッションも原色をふんだんに使った衣装でしたし、街並でのライティングやマニファクチャ―といった細かなものまで当時のものであるかのような配色になっており、「色」を堪能する映画でもあったと思います。

 

それとは対照的に白人警官や被害に遭ったとされるプエルトリコ人の女性はどこか寒色系の配色が施されており、黒人=温かい、白人=冷たい、という印象を与えていたようにも思えます。

 

この暖かな色をふんだんに使うことで、ティッシュとファニーの純愛が誰にも邪魔されないようなオーラを纏っているようでしたし、序盤で描かれるティッシュの妊娠を祝う家族の映像はごくありふれた幸せな家族の風景を助長させていたように感じます。

我々が暮らす日常がこんなように描かれていたら誰も不幸にはならないのに、とも感じられるシーンにも思えました。

 

全てが甘く進むわけではない。

この色合いを楽しみながら鑑賞していたわけですが、二人はこの幸せの絶頂をガラス1枚で隔てられた場所で味わうことになります。

プエルトリコ人の女性が暴行を受け、その犯人はファニーであることを面通しで証言したことで、彼は刑務所に入れられることになります。

実際ファニーは当時友人と共に現場からかなり離れた場所におり、仮に彼が犯人だったとしもて距離的にあり得ないことが分かっているにもかかわらず、「警官が彼が逃亡する姿を見た」というだけで逮捕されてしまいます。

 

ファニーは無実であることを信じ、ティッシュやティッシュの家族が働いて費用を工面し、弁護士を雇い真相を追い求める姿が中場以降描かれています。

 

過去では二人が運命によって結ばれるかのようなエピソードが散りばめられている反面、現在では一向に事件の真相が見えない状態が続き、突発的に苛立ちを見せるファニーの姿、それに戸惑いながらも二人の愛はこんなことでは決して壊れないことを強く願うティッシュの姿が描かれていました。

また、ファニーの友人も些細なことで逮捕されますが、それが警官の罠であること、そして刑務所での生活が本当に苦痛であったことを重く語り、黒人がどれだけ不条理な社会で生き抜いてきたかが理解できるシーンでした。

 

黒人というだけで人生が決まってしまうような人たちが多々いる中で、ファニーは己の道を突き進むことを選択します。

その甲斐もあってティッシュと愛を育むことができたわけです。

確かに白人は彼らを下に扱い、警官は神の如く絶対君主として我が物顔で町を練り歩くような時代だったわけですが、それでも良心的な人たち(ユダヤ系やメキシコ系といった様々な人種)がファニーとティッシュを支える姿はひと時の希望にも感じる一幕。

常に希望と絶望が付きまとう時代だったんですね。

 

このように、ごくありふれた2人の過去と現在を、登場人物の近すぎる眼差しによって甘く苦く映していたわけです。

 

 

しかし肌に合わない。

そんな監督の最新作。

正直僕はムーンライトの方が好きです。

あの映画はずっと不遇な人生を送ってきた主人公がようやく自身を解放していく物語だったと思うんですが、今作は物語が平行線のままだった気がします。

何というかカタルシスが無い、とでも言いましょうか。

 

確かに劇中では二人の様々な表情に、家族たちの応援に心動かされるわけですが、ファニーの家族の女どもは狂信的な考えのせいで全く二人を助けようとしないし、途中に出てくるバーテンや不動産業者はほんの一部分にすぎず2人を救うようなキーマンにもなってない。超ざっくり言えば出てくる必要性が無い。

もっと言えば二人の物語がきれいに終わる話でもないんですねこれ。

2人の愛はどんなものでも壊れない、ってことだけしか描かれてないんですよね。

確かに今も昔も変わらないんですよ黒人たちが受けている状況って。それがラストシーンでうっすら感じるようになってるんですが、そこはほのかな希望でなく大きな希望を描いて欲しかったというのが本心です。

 

とはいえ、この物語は本当の犯人を捜すような物語ではないし、白人たちが何か罰を食らうような話でもない。ごくありふれた黒人二人のラブストーリーなわけでそこに当時の社会的抑圧を加えて描かれたってだけの事なんですよね。

 

あとはこれ、本当に申し訳ないんですけど、余韻というか行間が空きすぎて、そこまで溜める必要あるか!?ってくらい長いシーンが近距離撮影が続いて。

表情をあれだけの近い距離でセリフも少なく描くのは、中々圧が大きくそれでいて話も進まない。僕にとっては中々の拷問でした。

ムーンライトも同じだったんですけど、あそこまで行間なかったし、3章で構成されている分進み食いが分かりやすいんですよね。

しかしこっちは過去と現在が並行して進むので、時間の進み具合がとにかく遅い。

ちょっとお腹が大きくなったかかと思えば再び回想シーンになり、ティッシュの説明が挿入される。

ここまで映像で圧倒しておきながらそこは説明なのか・・・と。

 

 

 

 

最後に

どうしたって肌の色で記号的に見てしまう僕ら。

中身は同じはずなのに、なぜ彼らは社会的抑圧を受けなければならないのか。

彼らは僕らと同じように決して多くを望んでいるわけではありません。ささやかなお金と愛があれば誰にも迷惑をかけることなく暮らしていけるのです。

不条理な社会の中で確かな愛を育む二人の姿に心打たれる物語でありました。

 

しかしながらその物語を甘い余韻と苦い現実でスローペースで描くことが僕にはちょっときつかったです。

彼らを通じて、普通の愛を育めなかった人たちを知るという意味では非常に感慨深い作品であったために、ちょっともったいなく感じたモンキーでございました。

 

今回短いなw

まぁいいや。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10

映画「THE GUILTY/ギルティ」感想ネタバレあり解説 目で観て耳で想像する新たな映画体験。

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2月22日

THE GUILTY/ギルティ

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最近何かと設定が限定された状態で物語が進む作品が、高い評価を得たりヒットしたりしているのが目立ちます。

去年だけでも、音を立てたら即死の「クワイエット・プレイス」や全編PC画面「search/サーチ」なんてのがありますし、場所が限定されるとなると、箱の中に閉じ込められて窒息死まで後何分みたいなお話でライアン・レイノルズが主演した「リミット」ってのがあります。

 いわゆるシチュエーションスリラーってやつですかね。こういうの。

 

で、今回の映画、誘拐されたって人質からの通報を頼りに電話からの音だけで犯人をつきとめるっていうお話でして。

おいおいそれ映画でやる意味あるのかよ!?耳だけ使えばいいんだからラジオで十分だろ!?って思う人もいると思うんだけど、そこはほら、主人公と同じ目線で見れるっていう距離感がさ、ワクワクすんじゃん!てことで。

 

コリン・ファレルが公衆電話取ったら犯人から脅されて離れることができないサスペンス「フォーン・ブース」なんて映画ありましたけど、あれはファレルの視覚も重要だったから、それとはまた違う感じがすると思うんです。

 

結構前にフォロワーさんがスニークプレビュー試写会(何を上映するかシークレットで行う試写)にいったようで、ふたをあけたらこれだったんですって。

で、めちゃめちゃおもしれー!って言ってて。

もちろんミーハーなオレは、そのツイートみて、いいないいないいないいな・・・ッてムズムズしてたんですよ、ええ。

 

なんかこれね、その内テレ朝の深夜とか、もしくはまさかのフジの月9辺りで、似たような話をドラマにしそうな気がするんですけど、ないですかね。

 

とにかく、色んな期待と妄想が入り混じった気持ちを抱え、早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

電話からの声と音だけで誘拐事件を解決する、というシンプルでありながら予測不能な展開を描く今作は。インディペンデント映画が集う第34回サンダンス映画祭で、全編PC画面で描かれるサスペンス映画「search/サーチ」と並び観客賞を受賞。

それを皮切りに他の映画祭でも話題を掻っ攫っていった。

その勢いから米映画批評サイトとして有名な「ロッテントマト」では、脅威の100%をたたき出すまでになり、アカデミー賞外国語映画賞のデンマーク代表にまで選出され、さらにはハリウッド俳優の中で最もカメレオン俳優として名高いジェイク・ギレンホールを主演にハリウッドリメイクまで決定した。

 

何もかもがとんとん拍子でことが運ぶ今作。

我々は主人公と共に、劇中で溢れる様々な音の中から犯人を探す体験を映画ですることになる。

耳に神経を集中させ、想像力を働かせろ。

 

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あらすじ

 

 

人間が聴覚から得られる情報は、僅か11%。

あなたの〈想像力〉はその限界を越えられるか――

 

緊急通報指令室のオペレーターであるアスガー・ホルム(ヤコブ・セーダーグレン)は、ある事件をきっかけに警察官としての一線を退き、交通事故による緊急搬送を遠隔手配するなど、些細な事件に応対する日々が続いていた。

 

そんなある日、一本の通報を受ける。

 

それは今まさに誘拐されているという女性自身からの通報だった。

彼に与えられた事件解決の手段は”電話”だけ。

車の発車音、女性の怯える声、犯人の息遣い・・・。

 

微かに聞こえる音だけを手がかりに、“見えない”事件を解決することはできるのか―。(HPより抜粋)

youtu.be

 

 

 

 

 

 

監督

今作を手がけたのは、これが長編デビュー作となるグスタフ・モーラー

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音声というのは、誰一人として同じイメージを思い浮かべることがない、ということにヒントを得た。観客一人ひとりの脳内で、それぞれが異なる人物像を想像するのだ。

 

こんなことを仰っている監督。

 

要は音声以外情報とか先入観がない状態が続くから、ってことですかかね。

これ結構なストレスになるんじゃねえのかw

でも皆が皆違う人物を想像するからサスペンスとして面白くなってるってことですよね。マジで犯人わかんねー!って声が続出するのかも。

 

ちなみに誘拐された女性のキャスティングはブラインドオーディションといって、彼女の写真や実像は観ずに、音声ファイルだけで審査して決めたんだとか。

徹底してますね~!!

あのなんですか、「留守番電話サービスセンター」の声の女性いるじゃないですか。あの人は実際にいるんですよ。いるんですけど、多分世に顔出したらみんな色々詮索したり先入観抱いて多分その人の声でメッセージをどうぞって言われても・・・とかになっちゃうと思うんですよ。

そういうことを踏まえて言うと、この映画に関して音声以外一切の情報を省かないと先入観働いて成立しないんでしょうねぇ~色々と。

 

主人公と観客の目線を合わせ、距離をできるだけ縮めたかったから、と語る監督。

いやだいぶ縮まるだろこれ、マジで耳を研ぎ澄ますんでしょうね、みんな。

 

 

 

 

キャスト

主人公のアスガー・ホルムを演じるのはヤコブ・セーダーグレン。

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デンマーク生まれ、デンマーク育ちという生粋のデンマーク人でございまして、私と致しましては、過去作を並べたところで全然判らないので省きますw

 

なんかですね、「リハーサルは一切行わなかった。誘拐された女性と初めてセリフを合わせるのは、そのシーンを撮影する時だった。その新鮮さを求めていたから、事前に読み合わせはしなかったんだ」

んですって。

完全にシチュエーションものとして徹底してるんですよ。やはり先入観入っちゃうと取れないんですね。あれだ、ネタバレと一緒だ。知っちゃうと面白くなくなっちゃうっていうあれ。

新鮮さを大事にすることで、主人公から緊張感がほとばしるんでしょうね。

 

 

 

 

 

 

僕は彼が警官を辞めたことが、何かカギになっていそうな気がするんですが気のせいでしょうか。

一応このブログ、ネタバレはするけど核心には触れないように努めますが、この映画は無理かもしれないw全部言わないとw

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

ワンシチュエーションスリラーもここまで来たか!

緊張感フルMAXの中、「耳」で見る初の映像体験を映画館で!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょうどいい上映時間

ある事件をきっかけに緊急ダイヤルオペレーターとして勤務する主人公アスガーに入電される1本の電話を境に、二転三転する事件の中で主人公の偽りの正義といっても過言ではない身勝手な振る舞い、すぐに暴言や八つ当たりを繰り返す短気な性格が見え隠れし、予想だにしない真相と主人公の過去、それを清算しようと改心していくまでの物語を、ほぼ顔面ドアップでしかない映像を見ながら、聴覚でもう一つの映像を想像するという画期的な作品であると共に、館内で同じ時間を共有する観衆が生む静けさが新た映像体験へと進化していく画期的な映画でございました!!

 

上映時間82分。(多分)

この中で一体どんなことが描かれているのか。

答えは簡単、オペレータールームの中でひたすら聴覚によって事件を想像する主人公を見る、これだけでございます。

え?それって映画なの?と思うでしょう。

もう最高の緊張感ですよ。

何なんでしょう、この短い時間の中で主人公の性格が一目瞭然だし、すぐ事件が始まるし、その事件はまさに「事件は会議室で起きている」ことを想像させるし、その部屋の中で解決へと導くんだけど、それだけではなく、自分の判断を最優先する主人公の性格が物語、いや事件をさらに困難にさせていく。

罪を作ってしまうのは一体何なのか、その罪を作ってしまったのは誰なのか、という深い問題へと直結させていく、中々の佳作映画でございました。

 

 

これね、何が凄いって、目の前の映像とは別の映像を頭の中で浮かべながら事件の行方を追っていく感覚に陥れるっていう新鮮さがあるんですよね。

 

まず主人公アスガーが入電で受け、その会話を彼のドアップの顔と共に観ることになります。もちろん視覚は皆スクリーンを向いているので、いつもと変わらない「映画鑑賞」になるんですけど、耳がですね、自然とアスガーがヘッドフォンから聞いている会話に傾けていき、相手が今どこにどんな状況なのかってのを想像していくんですね。

 

本筋に入る前にアスガーの能力がどれだけ長けているのかってのを理解できるエピソードがあります。

男が少女から財布を盗まれたという通報。

どんどんヒアリングをするアスガーは、この男が風俗店が連なる場所の近くにある倉庫街で買春をしていたことが判明。

自業自得だけど、一応パトカー出動しておくよ、みたいな感じで淡々と事件を解決していくんですね。

しかしどこか横柄にも見える態度。まぁ元警察官ですからそういう人柄なんだろなってのが読み取れます。

基本アスガーは通報を受けた後、PCに表示される電話の持ち主、登録住所、大まかな発信場所を特定でき、別の指令室に電話をかけ、パトカーを向かわせるように出動要請をするのが仕事。

もう本当に机から離れることなく事件を解決してしまうわけです。

 

そして本筋に入ると共に、アスガーが今置かれている立場が透けて見えてきます。

アスガーは翌日裁判所へ出向き供述書通りに応えれば、晴れて本職に復帰できるという諸事情がありました。

 

そしてすぐさま事件発生。

ある一人の女性から誘拐された旨の通報が入ります。

最初こそ酔っ払いか何かのいたずらであろうと考えたアスガーでしたが、よく聞いてみると女性が子供に向けて電話をしている様子。

向こうのペースに合わせてヒアリングをしていくと誘拐されていることが分かります。

そして犯人はすぐ近くで運転している、ということは車内から電話をかけていることが分かります。

犯人にバレたら女性に危険が迫る、そう考えたアスガーは子供に電話している設定で話すよう指示し、イエスかノーで応えられるような質問をすることで、少しずつ状況や車の車種、色、場所などを特定してくんですね。

 

さすが刑事といった感じの手際の良さで、見てるこちら側に緊張感と心地よさを与えてくれます。

 

ここからアスガーは、現状では細かい場所を特定できないため事件の全容を知るべく、彼女の電話に登録された住所や夫の存在、留守番している子供と、次々と事件に近づいていくんですが、徐々に衝撃の展開へと進んでいくのであります。

 

アスガーの性格

何とかして助けたい、その気持ちはアスガーの行動や言動からひしひしと伝わるのですが、彼の性格が少々難ありというのがこの映画における大事な部分なんですよね

 

冒頭からクソ!といったり八つ当たりしたり、私用電話を勤務中に取ったりと、勤務態度がどこかよろしくない。

そりゃそうです、自分はこんな場所で働くような男ではない、刑事のプライドがそうさせているのでしょう。

ただ彼にも良心がある。隣に座る同僚にこれまでの態度を誤るから許してくれないか?と謝罪する一幕。

感心ですね、謝れる男。僕も見習いたい。

 

しかし本筋である事件に近づけば近づくほど他の指令室との連携がスムーズにいかず苛立ち、段々と横暴になっていくアスガー。

気持ちはわかります。今目の前で苦しんでる人がいるのに、お前らちゃんと被害者救う気あるのか!

内心そう思っていたに違いありません。

でも別の指令室の女性オペレーターは、自分の持ち場を互いに尊重して任務につきましょうと。そうです、自分だけ躍起になっても他の場所で働いている人の事情ってもんがあります。

それを無視して勝手なことなどできないのです。

アスガーはそれが分かっておらず、別の指令室や、現地の警察官、刑事の時の上司、果ては自分の相棒にまで足を使わせ事件を早急に解決しようと指示するのです。

そして事件の真相にたどり着いたとき、彼の心の奥深くでうずいていた罪の意識が膿となって現れてくるのです。

 

そんな自己中心的な考えが、ウソをつき、それをかばうために罪を犯し、自分を正当化する、という悪いスパイラル=蛇となって彼を苦しめ、この誘拐事件の顛末によって彼は解放されていくのです。

解放といっても報われるわけではありません。これまでアスガーが犯し積み上げてきた罪を認め、それを清算するために彼はこの緊急ダイヤル指令室を出ていくのです。

 

事件の顛末もなかなかのものでしたが、それ以上にアスガーの贖罪に繋がってくる脚本に僕は楽しませてもらいました。

 

最後に

と、ここまで言っておいてなんですが、さすがに彼の表情だけでは画が持ちません。

耳をもっとフル活用して頭を働かせないとこの映画は楽しめないでしょう。

目で追ってばかりが癖になっている僕はそこが難点でした。

 

しかし静寂という緊張と、会話内を聞き取りどういう状況かを考えていくことで生まれる緊迫感は中々の体感です。

会話があってもなくても緊張するんですよ。

で!で!

これ、映画館で見るともっと堪能できます。

だってみんなシーンとして耳を澄ませるから自然と静かにしなきゃいけない空間を作ってるんですよ。

もう服がすれる音まで立ててはいけない空気です。それだけみんながこの映画に集中して聴覚で映画を見ているんですね。

これは是非映画館で体験していただきたいです。

 

早くジェイクギレンホールのリメイクが見たいですね~、どこを改変していくんでしょう。全く同じ話にはしないよねきっと。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

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