ヴァチカンのエクソシスト
神の存在とか悪魔の仕業とか、そういうオカルト系に全く疎く、寧ろ信じてもいねえモンキーですw
悪魔祓いを扱った映画。
代表作「エクソシスト」をはじめ、誰もが続編を望む「コンスタンティン」、アンソニー・ホプキンスが主演した「ザ・ライト/エクソシストの真実」など、これまで悪魔祓いをする祈祷師を主人公にした作品はもちろん、悪魔がとり憑いた者たちを描いたオカルト映画は数多く製作されました。
個人的には「あんなのフィクションだろ?w」と思っていましたが、実際にあったそうで。
で、今回観賞する映画の主人公は、なんとローマ教皇に仕えた実在の悪魔祓いっていうから驚き。
そんな彼がハンパねえ悪魔と激闘、そして驚愕の真実にたどり着くというお話。
またね~このエクソシストをラッセル・クロウがやるってのがいいんすわw
どちらかっていうと神より己の拳を信じてそうな人が、聖水ぶちまいたり十字架つきつけたりって姿がもう面白そうでw
悪魔にアオラレるラッセルを堪能するため、早速観賞してまいりました!!
作品情報
カトリック教会の総本山ヴァチカンのローマ教皇に仕え、生涯で<数万回の悪魔祓い>を行った実在のチーフ・エクソシスト「ガブリエーレ・アモルト神父」。
人間にとりついた邪悪な悪魔との壮絶な戦いを記した著書「エクソシストは語る」を基に、ナチス×ゾンビで真正面からB級映画を描いた「オーヴァー・ロード」や、少年と老人の交流×ヒーローアクションの融合「サマリタン」など、少年が一度は憧れるようなマンガチックな設定が売りのジュリアス・エイバリー監督の手によって映画化。
悪魔に憑りつかれた少年の言葉をきっかけに、チーフエクソシストの主人公が相棒の神父と共に、ヴァチカンがひた隠してきた謎の究明と、悪魔との壮絶なバトルを描く。
徹底したオカルトビジュアルや背景描写、そこにキャラクター性をしっかり描いた職人性がしっかり表れていた「オーヴァーロード」同様、本作もヴァチカンや修道院の描写に力を入れており、アウトロー感がありながらもバディへの信頼は厚く、上級層にはしっかり盾突く主人公のキャラクター性、さらにはバディもの特有のミステリーとしても機能した作品となっている。
主人公のアモルト神父を演じるラッセル・クロウといえば、これまで「グラディエーター」や「L.A.コンフィデンシャル」、「ロビン・フッド」など暴力を発揮するイメージのある俳優だが、本作は拳でなく十字架と経験値を武器にして戦うキャラだ。
「ホラー映画」が苦手な彼が、徹底したリサーチを重ね人物像を形成。
果たしてどんなキャラクターになっているのか。
他にも「レディ・バード」、「イット・フォローズ」に出演したダニエル・ゾヴァット、「ドクター・スリープ」のアレクサンドラ・エッソー、「続・荒野の用心棒」をはじめ数多くの作品に出演したイタリアの重鎮フランコ・ネロなどが出演する。
アモルト神父曰く「悪魔に憑かれた人間の98%は、精神疾患などによるものだが、残りの2%は実際に悪魔に憑りつかれた人」だそう。
カトリック教会の暗部を抉りながら悪魔と戦う本作。
いったいどんな壮絶な戦いが描かれているのか。
あらすじ
1987年7月――サン・セバスチャン修道院。
アモルト神父(ラッセル・クロウ)はローマ教皇から直接依頼を受け、憑依されたある少年の《悪魔祓い》(エクソシズム)に向かう――。
変わり果てた姿。
絶対に知りえないアモルト自身の過去を話す少年を見て、これは病気ではなく“悪魔”の仕業だと確信。
若き相棒のトマース神父(ダニエル・ゾヴァット)とともに本格的な調査に乗り出したアモルトは、ある古い記録に辿り着く。
中世ヨーロッパでカトリック教会が異端者の摘発と処罰のために行っていた宗教裁判。その修道院の地下に眠る邪悪な魂――。
全てが一つに繋がった時、ヴァチカンの命運を握る、凄惨なエクソシズムが始まる――(HPより抜粋)
感想
#ヴァチカンのエクソシスト 観賞。
— モンキー🐵@「モンキー的映画のススメ」の人 (@monkey1119) July 14, 2023
オカルトホラーでバディもので尚且つミステリー。冗談言いながら悪魔と対峙するラッセルクロウは決して拳でなく信仰で解決。てか拳出してもよかったw
しかし悪魔強すぎww
でもってクライマックスの迫力にさらに笑ってしまったw
もっとケレン味あってもよかったかも pic.twitter.com/mrBWF1yU7V
決して奥行きのある物語じゃないんだけどシリーズ化されたら追いかけたいオカルトホラー。
悪魔が半端なく強すぎて、どうやったら倒せるか心配だったよw
終盤の迫力も半端ねえw
以下、ネタバレします。
悪魔は妄想ではございません。
ローマ教皇直属のエクソシストが、ヴァチカンがひた隠す謎を解きながら悪魔退治を行う本作は、今にも拳を出しそうなラッセル・クロウが十字架と信仰で悪魔と対峙するんだけど、弱みに付け込む悪魔に翻弄されっぱなしで一体どうやったら倒せるんだろうと終始心配になりながら楽しめたバディ感のある娯楽作品でございました。
正直宗教も疎いしホラーも得意でない俺が一体どうやって楽しめるんだろうと心配でしたが、思いのほか楽しめましたw
本作をザックリ解説すると、当時の教皇を引きずり降ろそうとする輩が、チーフエクソシストとして君臨するアモルト神父を目の敵にしてることろから始まるんですね。
おい!お前!許可なしで悪魔祓いしたろ!と咎めるんだけど、アモルト曰く「悪魔に憑りつかれたとか言う人のほとんどは精神疾患なんですよ、で、今回もそれでした。なのであたくし悪魔祓いしてませんよ~だ!」と突っぱねてその場を回避するわけです。
舞台は変わり、スペインのセバスチャン修道院では修復工事をしており、そこを任されていた夫を失った家族は、それを売ることで生活できるってことで立ち合いにやってくるわけです。
だけど、この修復工事が原因で悪魔が蘇ってしまい、やってきた家族の息子ヘンリーに憑依してしまうってわけ。
もう眼は真っ赤っかでお腹にはなんか書かれた傷があるほど痛々しい姿になってしまったヘンリーを見て、お母さんは病院へ駆け込むんだけど、全く相手にしてくれない。
とりあえず憑依されたヘンリーは「司祭を呼べ」とドスの効いた声で訴えるじゃありませんか。
とりあえず地元の司祭であるトマースを呼んでは見たものの、憑依ヘンリーのとてつもない力で思いっきり吹っ飛ばされて門前払い。
結果、教皇に呼ばれたアモルトが現地でスクーター飛ばしてやってくるというのが序盤の流れでございます。
もう冒頭からアモルト神父のキャラがしっかり際立っております。
エクソシズムを始める前に軽いジョークを交えながら悪魔を相手に対峙するわけですけど、まずは悪魔が憑依してるかどうかを見極めなくてはならない。
そのためにはちょっとした小細工と芝居を打って判断するという、一種のディストラクションを仕掛けるわけです。
そうした経験値を知ら締めた後、本作は「悪魔なんて妄想」に過ぎないという結論を彼に突きつけるわけです。
自分もそんなの迷信に過ぎないと思ってるクチではあるものの、いやいやあんたらはそれを貫いてよと思ってたので意外でした。
さぁ果たしてその真相はっていうんで、いよいよ本筋に突入。
ヘンリーと対面したアモルトは、まだ自分の名前も言ってないのに、ペラペラと話してくる憑依ヘンリーに動揺を隠せませんでした。
なんで俺の名前知ってるん?しかも俺が犯した罪まで知ってるとかあり得んわ~・・・と悩み始めます。
相方のトマースにも「あいつに俺の名前教えた?」と聞くと、「いや言ってないですけど…」と返す。
一体なぜ悪魔が自分の名や過去を知ってるのか解明しなくてはいけない、しかも!エクソシズムを行うにはこの悪魔の正体を調べないと出来ないというのっぴきならない事情がありました。
とりあえずいろいろ準備を施していざエクソシズム!とやってみたものの、悪魔はみんなの弱みを可視化させ、悪魔祓いの邪魔をするのであります。
そう、アモルトは神に赦しを得たモノの、ずっと重荷になっていた過去があったのであります。
それは相方のトマースにも、憑依されたヘンリーにもあったのであります。
特にヘンリーは父を1年前に亡くし、しかも亡くなった姿を直面したことで一切喋らなくなってしまったほどメンタルがやられており、そういう心の弱さによって目をつけられてしまった背景がありました。
トマースも最愛の人を失っており、悪魔に恋人の事をボロカス言われてしまい、悪魔祓い中祈りを強く捧げろと言われていたにもかかわらず、つい手を出してしまう暴挙に出てしまい、我を忘れてしまうわけであります。
そもそも悪魔ってこういう風に弱みを見せて相手の隙をつくやり口なんですね。
こりゃ勝てねえわ…ということで、もっと他に別の手段はないか庭を散策していると、なんとヴァチカンの紋章が打ちつけられた井戸を発見。
アモルトがスクーターに縄を括りつけて開けてみると、中には骸骨がびっしり並べられた穴が出てくるではありませんか。
火をつけた紙を投げてみると、腐乱した死体によって発生したガスによって大きな炎が上がります。
トマースを呼んで中を探検すると沢山の死体を発見。
色々調べていくと、どうやらかつてこの場所は悪魔サタンに憑りつかれた場所であり、ヴァチカンがそれを封印したこと、異端審問をしたエクソシスト自身もまた悪魔に憑依されたこと、教会自体がこれらを隠ぺいしたことなど、次々と謎が明かされていきます。
そしてそれを仕切っていた悪魔の名前が「アスモデウス」であることを知ったアモルトたちは、再び憑依ヘンリーと対峙するため、もう一度罪を懺悔することを始めるのであります。
ここで素晴らしいのは、トマースとの絆を深めるためにアモルトが過去の罪を告白すること。
アモルトは、パルチザンとしてナチスとの戦争に出向いていましたが、仲間が次々と殺されてる中、自分だけ助かったのは神のおかげだと思い、神に尽くす所存だったにもかかわらず、精神疾患だと思っていた少女が目の前で飛び降り自殺をしたことを悔いており、それが自分の傲慢によって招いた結果だったと思っていたのです。
こうした弱い部分を相手に打ち明ける行為って、バディものにとってはすごく重要なポイントで、素をさらけ出すこと自体が相手を信用してるからで、それを聞いた相手は優しくなれるんですよね。
実際トマース神父は真面目な奴ですけど、普通のバディモノっていがみ合ってるカップルが主役だったりするから、こうした弱さを見せるシーンてホント大事でウェット感が出るんですよね。
本作の場合は、冗談ばかり言うけど仕事はちゃんとできるっていうエクソシストなんだけど、彼もまた人間なんだっていうところを浮かび上がらせたシーンだったんじゃないかと。
そしていよいよアスモデウスとの一騎打ち…かと思ったら、あっちもあっちで保険をかけていたんですね~。
何とお姉ちゃんにも憑依していたという。
悪魔の弱みにも負けず祈りを捧げてきたアモルトたちは、向こうの保険によって攻撃を回避され、完全に立場を逆転されてしまいます。
そもそもアスモデウスの本来の目的は、司祭=アモルトをここへ呼び出し、彼に憑依してヴァチカン内部に潜入、ヴァチカンをのっとってやるぜ~!!ってい計画だったんですね。
だからアモルトの体が狙いだったアスモデウスは、計画通りアモルトに憑依します。
憑依されながらも必死で抵抗するアモルトですが、目の周りは黒焦げ、苦しみながら口からどす黒い血を吐き出すなど、めちゃめちゃ苦しそう。
挙句の果てには「俺と共に死ねい!!」と縄を首に巻き付け自殺を図ろうとするではありませんかw
どんどんエスカレートしていく戦いは、ついに最終決戦。
地下の死体が眠っていた場所で、トマース神父協力の下、アスモデウスを退治しようと壮絶な火花が散る戦いへと発展していくのであります。
このクライマックスはめちゃくちゃド派手でしてね、アモルトもトマースも家族たちもめちゃめちゃ吹っ飛ぶし、辺りは日が放たれたり火花が散ったりと、かなり大掛かりな仕掛けで映画そのものを盛り上げるわけですよ。
余りの迫力ぶりに段々笑えて来ましてw
おまけにラッセル・クロウが憑依されてるってことで、一人芝居始めるわけですよ、「うぅ~!!お前なんかに乗っ取られてたまるか!」ってw
そりゃ芝居ですから真剣そのものなんですけど、実際は悪魔になんか乗っ取られてないわけですよ。
ヘンリー少年は特殊メイクも手伝って本当に憑依されてるように思えたんですけど、ラッセル・クロウってのがよくないんですかね~憑依され具合が面白く見えてしまってw
最後なんかトマース神父と一緒に十字架使って祈って倒すんですけど、衣装的にも立ち位置的にも「処刑人」みたいな雰囲気になってて、これもっと外連味ある内容だったら、むちゃくちゃ好きなのになぁどこか真面目なんだよなぁ作りが…とか、笑いながらも色々分析し始めてしまいましたねw
最後に
劇中ではどうやら堕天使は世界各地に200もの場所で封印されており、それを全て回って片づけなくちゃいけないって流れで幕を閉じるんですけど、是非続編をやってほしいですね。
もう「オーヴァーロード」の監督さんてことで、オカルト的ビジュアルも見事でしたし、物語の運びも職人監督的な無難で楽しめる構成になっていて良かったですね。
てか、教皇がすごいっすよね。
病室に運ばれてるのに、アモルトが今どんな状態かって把握できちゃう超能力みたいなの持ってるんですからw
思いっきり血を吐いてましたけど命に別状ないの半端ないっすねw
とにかく僕としては段々笑ってしまうほど迫力が想像以上のオカルトものってことでまとめさせていただきますw
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10