8月11日
ジャングル・ブック
ディズニー映画またまた傑作の予感がするポスターですね。アニメでもこの作品は存在しますが果たして実写映画の出来は如何に。
奇しくも8月11日は今年から制定された祝日「山の日」ということもあり、この作品以外に「ペット」、「X-MENアポカリプス」、「ゴーストバスターズ」の2D先行上映と公開日が重なっており、この日に映画見に行かないとかどうかしてるぜ!!といわれてる気がしてならないくらい大作映画がズラリでございます。
ま、どれを見ても楽しいだろうし、各世代で好みが分かれそうなラインナップです。
どれでもいいから見に行ってほしいですね。
というわけで早速見に行ってまいりました!!
あらすじ
ジャングルにひとり取り残された人間の赤ん坊、モーグリ(ニール・セディ)。死を待つだけの幼き命を救ったのは、黒ヒョウのバギーラ(声:松本幸四郎)だった。彼がモーグリを母オオカミのラクシャ(声:宮沢りえ)に託した時、モーグリはジャングルの子となった。
バギーラから自然の厳しさと生き抜くための知恵を教わり、ラクシャから惜しみない愛を注がれ、モーグリは幸せだった。人間への復讐心に燃える恐ろしいトラのシア・カーン(声:伊勢谷友介)が現れるまでは…。
「人間は、ジャングルの敵だ…!」果たしてシア・カーンの言うように、人間であるモーグリはジャングルの“脅威”なのか? それとも、ジャングルに光をもたらす“希望”なのか?
そして、モーグリを守ろうとするジャングルの仲間たちの運命は…?(HPより抜粋)
監督・キャラ紹介
今回の監督はとにかくお帰りなさい!!字四・羽生朗・・・あ間違えた。ジョン・ファヴロー。
俳優業の傍ら監督もこなすという多彩な男です。
過去には、「バットマン・フォーエヴァー」でのチョイ役や「デアデビル」のフォギー役など脇役として存在感を放ち、TVドラマにも多く出演。
監督業も「ジュマンジ」の作者原作のボードゲームが現実世界で行われてしまうという斬新な発想のSFコメディ「ザスーラ」、本人もハッピー役として現在も出演しているマーネルシネマティックユニバースの第1作目「アイアンマン」そして「アイアンマン2」、カウボーイが異性人と戦うというB級感をガッツリエンタメ作品に仕上げた「カウボーイ&エイリアン」と大ヒット作を連発していきます。
しかし、続編となる「アイアンマン3」を降板してしまいます。色々と揉めたなんて噂もありましたが、その答えとして彼が作り上げたのが「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」。
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上からあれこれ支持されるような映画はもう作りたくない、 彼は自分の作りたい作品を作りたかった。正にこの主人公は雇われ料理長としての肩身の狭さに嫌気が差し店を辞め、車に惚れた料理と息子を乗せてできたての料理を振舞う、これ以上幸せなことなんてないんだ。
そんなファヴローの気持ちが詰まった究極の飯テロ映画であり、親子の絆を深めるロードムービーであり、スカヨハをオレの女役にする隙のないキャスティング、SNSを多用した現代ならではの演出などなど彼の自由気ままな作風がラテン音楽とともに描かれた良作です。
そんな作品を経て彼がディズニーに帰ってきてくれたことはマーベル映画好きの私としては非常にうれしく、この新作も首を長くして待っていました。どんな手腕が発揮されているのか期待したいです。
ここからはキャラクター紹介。
まずはオオカミの子・モーグリ。(ニール・セディ)
赤ん坊の時にジャングルに取り残され、動物たちに育てられた少年。人間への復讐心に燃えるトラの出現によってジャングルを追われ、真の居場所を探す冒険に旅立つ。
今作のオーディションで2000人の中から選ばれたという演技未経験、ニューヨークという都会育ちの男の子なんだとか。彼に泣かされちゃうのかな~。
黒ヒョウのバギーラ。(ベン・キングズレー 吹替:松本幸四郎)
モーグリの守護者ともいうべき、威厳に満ちた黒ヒョウ。赤ん坊のモーグリを発見し救い、自然の厳しさや生き抜く知恵を教え、鍛え導いてきた。
モーグリの育ての親ってところですね。
熊のバルー。(ビル・マーレイ 吹替:西田敏行)
陽気なクマ。規則に縛られずに自らのルールで生きる、根っからの自由精神の持ち主。食べることが大好きな怠け者で、感情豊かでユーモラス。
モーグリがバルーと出会うことで芽生える意識とはどんなものか。
ちなみにこの画像のシーン、熊は監督が自らやってるんだとか。
オオカミのラクシャ。(ルピタ・ニョンゴ 吹替:宮沢りえ)
人間の赤ん坊・モーグリを我が子として迎え入れた母オオカミ。自身の子と一緒に育て、惜しみない愛を注ぐ。
こちらは育ての母。眼差しが既にお母さん。
トラのシア・カーン。(イドリス・エルバ 吹替:伊勢谷友介)
人間を憎悪する残忍なトラ。人間が操る「赤い花」(火)によって刻まれた傷跡がある。人間への復讐心をモーグリに向け、命を狙う。
ギガントピテクス(巨大類人猿)のキング・ルーイ。(クリストファー・ウォーケン)
何百匹ものサルたちを統治するサルたちの王。人間が持つ“赤い花”(火)を手に入れ、支配力を得てジャングルに君臨するという野望を持つ。
オランウータンじゃあないんだね。
ニシキヘビのカー。(スカーレット・ヨハンソン)
その魅惑的な声と催眠を促す視線でモーグリを誘惑し罠にかけようとする。過去の出来事を見せる不思議な力を持つ。
her/世界でひとつの彼女でも絶賛されたスカヨハの声。今回も楽しみです。
というわけで、モーグリ以外全部CG!そして、超豪華な声優陣たちを監督がどう束ね演出し映像化したのか。また、この物語がモーグリたちを通じて何を伝えているのか?
ここから鑑賞後の感想です!!!
ジョンやっぱあんたスゲーよ!映像技術と少年の成長に笑い涙せよ!
以下、核心に触れずネタバレします。
褒めるところしかないよ。
まずは率直な感想。とにかく監督のこだわりが細かに現れた力作であり、この物語の根底にある、道を作るのは親だけど道を決めるのは自分自身なんだ、大自然の中で動物たちと触れ合いながら人生の岐路に立たされた主人公の選択と成長をユーモアとかわいらしさを欠かさず描いた作品でした。
この物語の1ページ目から一気にジャングルの世界へと誘う疾走感のある描写、ディズニーのお家芸とも言えるべきあらゆる伏線の回収、豪華声優陣による匠の技、今回抜擢された主人公のニールくんのポテンシャルを秘めた演技、そしてリアルを追求した細部まで丁寧に表現されたCG技術などどれを挙げても褒めるところしかない出来だったと思います。
監督の経験が活かされた作品
まず評価したいのはジョンファブロー監督によるジャングルの表現力。
宣伝でも謳われている通りモーグリ以外は全てCG。実際に森の中ではなく限られたスペースであるスタジオ撮影。そんな環境下で大自然を駆け巡るモーグリをどう描いたのか。それは監督の過去作「アイアンマン」から感じ取れることができます。
人気コミックが原作とあって、その世界観を壊さないようとった方法がカット割りを細かく多用することでした。これによりコミックを読んでいるような感覚でアクションシーンを表現することを監督は経験し今回活かしています。
スタジオ内で走り続けるモーグリをあらゆる角度から何度も撮影し、CG合成することで今回の疾走感のある描写にできたんだと思います。恐らく走っているシーンで10秒以上画面が切り替わらないところはなかったと思います。
その象徴ともいえるべきシーンを冒頭から入れてくるあたり。監督の本気度が伝わってくるし、観衆の心を一気に映画の世界へいざなうと言う意味でも抜群の演出だったと重います。
そしてたくさんの動物たちの表情から動き、皮膚の質感、毛並みなど細部までこだわった映像。これは相当なリサーチと観察が必要だったと思います。1匹ならまだしも何十匹も登場するわけですからさぞ膨大な資料だったことでしょう。
個人的にはその表情から微かですが動物たちの喜怒哀楽が見えたようにも感じました。1番わかりやすかったのはバリーがアルマジロ(こぶただったかな?)のハチミツだらけになったカラダを舐めるシーン。身悶えた表情をする顔が現実的ではないにしろかわいらしく、ホッコリするシーンとして印象的でした。
豪華俳優陣の匠の芝居
今回字幕版を観賞したわけですが、理由のひとつとして動物たちの声の担当をした俳優のキャスティングにあります。その中でもダントツでよかったのがバリー役のビルマーレイ。
そもそもこの人をキャスティングすることがまず無理なんです。彼はエージェント契約もしてなければマネージャーもいない、要はツテをたどって見つけ出すしかないわけで。業界では映画をヒットさせるより難しいなんて言われてるほど。
そんな彼が今回引き受けた理由がこの原作の大ファンだったから、というもの。だからなんでしょうか、クマのバリーにビルが乗り移っているかのように見えて驚きと笑いが絶えなかったです。
コブシをきかせた歌い方だったり、おっとりした口調だったりとビルならではのコメディセンスが随所に聞き取れ、大雑把だけど茶目っ気溢れたあの笑顔が思い浮かぶくらいビルとバリーが一心同体していたように見えました。
もちろん彼だけが素晴らしかったわけではなく、バギーラの声を担当したベンキングズレーもまたよかった。モーグリの育ての父として、気品と威厳を兼ね備えた掟に忠実な黒ヒョウを見事に演じていたり、
今回のヴィランであるトラのシア・カーンを担当したイドリス・エルバも「ズートピア」に引き続きディズニー映画での声優とあって堂々たる演技。静か語り口から漂うのは人間に対する怒りかと思えば、逆に過去の負傷に対する恐怖だったりってのが伝わってくるし、
ヘビ役のスカヨハも「her」でのしゃがれ声に艶やかな色気を感じましたが、今回はそれプラス妖しさを醸し出していて。しかもエンディングテーマも歌うというサプライズ付き!!これにはビックリ&うっとり。
キングルーイを担当したクリストファーウォーケン。何でしょう、「I wanna be like you」のYOU~♪のときの「ううぅうぅうぅ~♪」ってビブラートwwあの歌い方はクセになります。
どう決めるかは自分次第。
人間なのにオオカミの子として育てられたモーグリ。手と足とそれを使う賢さがあるのにオオカミらしく暮らさなければいけない窮屈な生活。そんな毎日にもかかわらず一人前のオオカミになりたいと日々追いかけっこに没頭している。
なぜ反発しないんだ!?とも思えるけど彼にとってはオオカミの掟が当たり前で全てなんですよね。それ以外知らないしわからない。人間だとは理解してるけど。
ジャングルでは平和が保たれているわけだけど他の動物たちから見たらモーグリはオオカミではなく人間であり、平和を乱すかもしれない危険分子として一目置かれてしまってる。
印象的だったのは水を飲むのに道具を使って飲むシーン。動物たちは誰も羨ましがらず冷ややかな目線を送る。一人多く水を摂取するわけだし、それが基で自然界のバランスを崩す要因になりかねない。まして人間は「赤い花」を操ることを知っている。
過去にそれが原因でキズを負った事を根に持ち露骨に怒り狂うシア・カーンからの圧力により、他のオオカミたちにも迷惑をかけたくないと感じたモーグリは人間がいる村へと旅だちます。
しかし、その道中で待っているのは、妖しいお姉さんの誘惑であり食い物をひったくられるという被害であったり、モーグリが持つ武器を悪いことに使おうと画策する裏世界のボスだったり、掟などに縛られない自由奔放な生き方だったりととにかく刺激いっぱいの世界でした。
特にバリーとの出会いはモーグリにとって大きな刺激となります。今まで苦痛だとは思わなくてもあれはダメこれもダメ、オオカミらしくないなどと掟、おきて、オキテ、掟ポルシェな毎日(すいませんどうしても言いたくてw)に対し、とにかくやりことをやりたいように暮らすオールフリーなクマ。モーグリの可能性をすぐに見出し、やるなと言われてきたことをやらせ、歌を知らないモーグリに歌を教える。でも自由に暮らすことへの代償もきちんと教える。それがハチミツ取りだったり。
そんな誰からも指図受けなくていいけどテメーのケツはテメーでなんとかするという自由奔放な生活を知ったモーグリに新たな試練が訪れるわけですが。
この旅が何を意味するのか、それは成長していく上で自分がどのように生きていくかということ。今までいた場所が当たり前だと思っていた自分が、いざ外の世界で見たもの感じたものはすごく自由で楽しくて、でも危険がいっぱいな世界。
幼いモーグリにとって初めて迫られる選択。元の人間として暮らすのか、トラにおびえながらもオオカミとして暮らすのか、それともジャングルで自由に暮らすのか。しかもどうするかを考える余裕もなく新たな試練がタイミング悪く訪れ迫られる決断。そんな状況を周りの大人たちが支え見守りながら成長していくモーグリを、どこか上京したときの自分と重ねて見てしまう人も多かったのではないでしょうか。
伏線の回収
冒頭の追いかけっこ。腐った木に飛び乗り落ちてしまったことでバギーラにつかまってしまうわけですが、この腐った木をあえて「死んだ木」というんですね~。この「死んだ木」のことを覚えていたモーグリはラストでこの木を使ってワナを仕掛けるんですがナイスアイデアでしたね。
後はゾウです。ジャングルの中で神のような存在ということもあり敬意を示すべくひれ伏すわけですが、このゾウとのやり取りが後に、動物にはないモーグリの知恵により事故を防ぎ、やがてその恩を返すべく動き出すゾウといった、関係を構築していく素晴らしい流れになっています。言うなればモーグリはジャングルの一員として認められたってことを意味してるのかなと。
オオカミの掟も最後にいいとこで使われるんですね~。え~と~どんな言葉かというと~忘れちゃった!!wてへ。これから見る人はこんなことにならないようにチェックしておきましょうw
というわけで最後は中途半端になっちゃいましたがとにかくCGだということ忘れてしまうほど圧倒された大自然の美しさと、少年と動物たちの戯れ、なんてったって歌もある!その中でこの映画が伝えたいことなど魅力がたくさん詰まった作品だと思います。なんてったって上映時間106分でこの内容です!!監督すげーよマジで。
あ、エンドロールは最後まで見ましょう。読んで字のごとく「ジャングルブック」が味わえますよ。
というわけで以上! あざっした!!