11月11日
南瓜とマヨネーズ
ゆでたカボチャにマヨネーズを和えれば、サラダになる。
キューピーハーフ。
コミック原作を映画にしたなんて情報など知る由もなく、ただこのタイトルを見たときに、オレの耳元で福山雅治がこうつぶやいた気がしたんですよね。
あ、どうも!!サラダにかけるのはポン酢派のモンキーです。
今回観賞したのは、男からすると久々に痛そうで共感できなそうなラブストーリーなんですけど、売れないミュージシャンを支える女性というのが親近感が湧くというか、元ミュージシャンとしてはしみじみしてしまうというか。
まぁふたを開けてみないとわからないんですが、とりあえず観賞してまいりました。
作品情報
90年代のファッションカルチャーブームを牽引してきた雑誌「CUTIE」から派生した「CUTIE Comic」で連載し、当時のティーンズ女子のバイブル的存在となった、恋愛マンガの金字塔にして、漫画家・魚喃キリコの代表作を映画化。
鬼才の監督と、原作ファンを裏切らないキャスティングはもちろんのこと、音楽やカメラマンといった人気クリエイターたちが作品に彩りを加え、夢を追いかける恋人と忘れられない昔の男に揺れる女性の姿を浮き立たせます。
あらすじ
ライブハウスで働くツチダ(臼田あさ美)は同棲中の恋人せいいち(太賀)がミュージシャンになる夢を叶えるため、内緒でキャバクラで働きながら生活を支えていた。
一方で、自分が抜けたバンドがレコード会社と契約し、代わりにグラビアアイドルをボーカルに迎えたことに複雑な思いを抱え、スランプに陥っていたせいいちは、仕事もせず毎日ダラダラとした日々を過ごす。
そんなとき、ツチダはお店に来た客、安原(光石研)からもっと稼げる仕事があると愛人契約をもちかけられる。
ある晩、隠していた愛人からのお金が見つかってしまい、ツチダがその男と体の関係をもっていることを知ったせいいちは働きに出るようになる。そして、ツチダが以前のようにライブハウスだけで働きはじめた矢先、今でも忘れられない過去の恋人ハギオ(オダギリジョー)が目の前に現れる。
蓋をしていた当時の思いが蘇り、過去にしがみつくようにハギオとの関係にのめり込んでいく。(HPより抜粋)
監督
今作を手掛けたのは冨永昌敬。
意外と作品撮ってるほうなんですけど、実はあまり見たことがない方で。どちらかというとコメディ色の強い作品を手掛ける傾向にあるのかなと。
「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」が面白く、その流れで本谷有希子舞台を再び映画化にした作品「乱暴と待機」は鑑賞してます。
古びた平屋の集合住宅を舞台に、男女4人の歪んだ愛と欲望をブラックユーモアで綴ったコメディ映画なんですが、変な形の復讐をしている偽装兄妹に、浮気性の男と妊娠中の妻が絡んでくることで、事の真相と意外な結末を迎える、というもので、そこまでの楽しさはなかったんですが、浅野忠信の気持ち悪さが尾をひく後味の悪さと、美波のめがねにお下げのスウェット姿が妙にかわいく、一癖も二癖もある役者達の怪演は見ものです。
監督は他にも、自称天才レントゲン技師が伝説のオオサンショウウオの誘拐という奇想天外な物語に巻き込まれる「パビリオン山椒魚」や、教え子を盗撮し地元を追われた元教師が、女を連れて戻ってきたのを引き金に、思いもよらない騒動が起こっていく「ローリング」などがあります。
キャスト
人物相関図はこんな感じ。
主演のツチダを演じるのは、臼田あさ美。
え~おだんご頭のクチビルオバケ、臼田さんです。褒めてます。かわいいです。出会う男全て狂わせる系の人だと思います。この作品でも狂わせるのか、それとも狂わされるのか。そんな話じゃないかw
彼女が主役ってのが全然ピンと来なくて、そもそも彼女は5番手6番手の人じゃないですか。映画でもドラマでも。だから俄然見たくなったってのが今回見たい理由のひとつでもあるんですけど。
そんな彼女の出演作をざっくり紹介。
モデルデビューした後テレビで活躍していた彼女。
ロックとは対極の平凡な暮らしをしていた高校生が、思春期特有の恋や煩悩に悩まされながらも、出会いと音楽を通じて成長していく青春コメディ「色即ぜねれいしょん」でヒロインに抜擢されます。
その後、恋などに目もくれず堅実に生きてきた女性が、双子の妹に振り回された末、恋に目覚めていくロマンスドラマ「ランブリングハート」で念願の映画初主演。
その後は脇役ながらも、インパクトのある等身大の女性などを演じ、今の地位を築いています。個人的には「鈴木先生」の彼女役が好きですw
エロチシィズムゥ~っ!!!♪
せいいちを演じるのは太賀。
結構前から俳優業をやっているんですよね。ここ最近ようやく注目されてきた次世代俳優の一人でしょう。
お父さんはアウトレイジの「木村、もういいよ、帰ろう」の木村役(どんな紹介だよw)でお馴染み中野秀雄です。お父さん、「WEAR」でちょこちょこその日のコーデアップしてるんだよなぁ。普通におしゃれw
てか息子の紹介しなきゃw
結構たくさん出演してるので、自分が彼を認識した作品をご紹介。
学校で一番の存在だった男が部活をやめたことで周囲の人間の生活が一変していく青春ドラマ「桐島、部活やめるってよ」でバレー部の控え風助を演じていました。
「一生懸命やってこの程度なんだよっ!!」というセリフは忘れられません。
他には、平凡な家族の前に一人の男が現れたことで、少しずつ心の闇があぶりだされ崩壊していく様を、ミステリアスかつ不穏な空気で描く「淵に立つ」で、父のことを知るために工場へ就職した孝司を演じていました。
一見好青年ですが、その生い立ちを語ったことで再び家族が揺れ動くキーパーソンとして熱演していました。
それとは真逆の役を演じたのが、とある地方都市で失踪したOLの軌跡を、3つのエピソードで描き、ポップで斬新な演出で作り上げた「アズミハルコは行方不明」のユキオ役。
何の取り柄もなく楽してのし上がろうとするチャラい男を見事に演じていました。
現在主演映画「ポンチョに夜明けの風はらませて」も公開中。
他のキャストはこんな感じ。
ツチダの昔の恋人・ハギオ役に、「湯を沸かすほどの熱い愛」、「オーバーフェンス」のオダギリジョー。
せいいちのバンドメンバー・田中役に、「桐島、部活やめるってよ」、「悪の教典」の浅香航大。
ツチダに愛人契約を持ちかけるキャバクラのオーナー・安原役に、「アウトレイジ最終章」、「シン・ゴジラ」の光石研などが出演します。
一体オレは忘られない人と好きな人の狭間で揺れる女心を理解できるのか。多分心理描写がどれだけ自分に伝わるかによるんですが・・・。
ここから観賞後の感想です!!!
感想
やっぱり理解できなかった・・・
いい大人たちの身勝手な恋心のすれ違いを、生活音共に静かに綴った青春恋愛映画でした!!
以下、核心に触れずネタバレします。
ツチダに全く共感できない。
バンドマンの恋人を養うために水商売や体を売る仕事までしたのに、恋人には愛想をつかされる主人公。そんな時に昔の恋人が姿を現し、当時の想いが蘇る。
2人の男に揺れながら尽くしたい女の、痛さ、切なさ、やるせなさ、押しつけがましさが隅から隅まで溢れていながらも、相手を思うこと、相手のこれからを理解することで少し成長する女性のお話でした。
ええこれはですね、学生時代に選択授業で「女心」という科目を選ばずに大人になってしまったモンキーとしては、全く理解できない、共感できない女の話でございまして。
浮気する男は嫌なくせに、今の恋人とうまくいかなくなってたまたまばったり出会った元カレと浮気しちゃう女なんか、こっちから願い下げだよバカヤロー、って気分でですね、こんな女の涙を見ても心ピクリとも動きませんでした。
それでいて曲が好きでほれ込んだバンドマンのせいいちに、何もしなくていいから曲を作れ、アタシがあんたを養う。仕事もしなくていい、家事もしなくていい、だから曲を作ってって。
ほぉ~~、只でさえ曲作るの難産なのに産めってか。部屋にずっとこもらせてひたすら音楽に没頭しろってか。まぁそれもいいだろうなぁ、ミュージシャンとしては最高の環境かもな、でもな!そんなことしたってできないもんはできんのや!それ以前にお前のその押し付けが重くて重くて音が降りてこないんじゃ!
なんかあの~売れない芸人とかミュージシャンとかを彼に持つ女性って、このツチダみたいなとこありません?彼が売れるために自由にさせて自分が犠牲になって働くことにものすごく一生懸命になって。
で、その見返りを激しく求めるっていう。まぁそれだけ身を粉にしてるのだから頑張ってくれないと困るってのは百も承知ですが、それをですね、頼んでもいないのに押し付けてくるのがものすごく見苦しいと言いますか。
で、ですよ。大概そういう関係で付き合ってる男はおそらく売れません。花が咲きません。浮気します。彼女の金を湯水のように使います。そういうもんです。
なんて話をよく聞くわけですが、このツチダの恋人せいいちはそんな薄情な男ではなく、音楽に真っ直ぐな優しい青年だったんですよね~。
せいいちくんはいい奴だ。
そんな彼女からのプレッシャーを受けてるにもかかわらず、バンドメンバーから彼女の一途で健気な行動に対して何も思わねえのか!とヤジられても、決して彼女に八つ当たりせず、音楽にひたすら打ち込むせいいち。
まぁ棚を1日かけて作って何やってんだよってツッコミはスルーして。おそらく気分転換だとは思うんですけど。
きっとね葛藤がものすごくあったんですよ、てか心のやり場がなかったんですよ。
バンドはレコード会社の意向で、グラビアアイドルをボーカルに入れて売り出すことになり、せいいちはそれが許せなった。そんなのどうせ切り捨てられて終わりだ、自分たちが作った音楽もあれこれいじられ思っていたものにはならなくなる。
要はメンバー間で理想論と現実論が歩み寄らない状況だったわけで。せいいちはどっぷり理想を胸に音楽をやってるもんだから、譲れないんですよね。
で家に帰れば、彼女が早く曲作れとせがむ。
きっと本音を言えずに苦しんでいたんだと思います。
そのため込んでいたモヤモヤが部屋にたまったゴミ袋と洗濯物なのかなぁと。そんなものに囲まれながら、慰め合う二人。
でもやっぱり正義感というか夢に素直な男なもんだから、何で稼いだかわからない札束を見たらやってられなくなるわけで。突発的に怒ったものの、ああ俺は彼女をここまで追い込んでいたのか、俺は彼女に知らぬ間にぶら下がっていたのか、と。
だからがむしゃらに働くんですよね、寝る間も惜しんで。音楽ばかり考えてる暇もなく、彼女にそんなことさせちゃいけないって。
で、それがせいいちの音楽制作にも影響してくるわけで、今まで彼女に曲作りをせがまれながら家で一人ぼ~っとしてたけど、少しずつ曲の断片が見えてくる。
今後音楽で飯を食ってくには彼女の存在が邪魔になる。ん?言い方がひどいな、彼女の将来を考えたらお互いのために、今の状態の方がいい。それが自分のためにもなるし彼女のためになる、と。
ハギオ、お前ってやつは。
そんな夢にクソまじめ、女にもクソまじめなせいいち君とは違い、俺女に困ってません、彼女とかめんどくさいしそもそも俺誰かの所有物じゃありません、でも言い寄って来る女がアリだったら、後先考えず、抱きます!って顔に書いてあるようなチャラさMAXの男ハギオが、ツチダのぽっかり空いた穴に侵入してくるんですね~。
そもそもツチダはハギオにしろ、せいいちにしろ、どっぷり男に浸かってしまう体質なようで、せいいちと付き合う前にかなりハギオに入れ込んでいたようで、ハギオとの再会場面ではかなりあたふたしながらも、ここであったが百年目!みたいに決してその手を離さないようしっかり繋ぎとめようとしている姿が垣間見えたわけで。
で、昔はキャンキャン好き好き押し付けてきてウザかったぁ~とか言っておきながら、あれ今あったら楽しいじゃん、エッチしようよ~と心の隙間にすぐ入り込んでくるテクニック!さすがプレイボーイ。
何でしょう、あ、今こいつ寂しがってるみたいなのわかるんですかね~。常に女を見てると身に着くものなのか。
しかも過去にハギオの子を身ごもっていたにもかかわらず、笑顔でハギオのために降ろしたと平気で言ってしまうツチダのハギオへの入れ込みっぷりに興醒めしたかと思えば、ハギオはそれに対し、ウソ~そうだったの~ありがと~、ってその興醒めのさらに上をいく会話!!!
あれ、俺今ゾクゾクしてる、ぞくぞくしてる!!嫌っ!!耳鳴りがする!!
恋愛経験の乏しい自分としては、こんな会話を聞いただけで拒否反応です。こんな奴らと仲良くしたくありません。お前らはお前らで好きにしてください。
俺は俺だし、お前はお前でいいじゃん、だから後腐れもなしね、なスタンスにも勝皮割らず、そのルックスが女としてはほっとけない。危険なにおい、怪しい目線、セクシーな佇まい、なのに原付!なのにサンダル!飾らない男ハギオ!ハギオって苗字?名前?
役者陣は文句なし。
登場人物に対して嫌いだとか、好きとか、わかる、わからない、なんてあれこれ文句やら共感やら思いのたけを書き連ねましたが、結局のところお前面白かったんかい!?と。
まぁ率直に言えばですね、短い上映時間ながらしっかり登場人物の心理描写も描けてたし、細かな所で監督のコミカルな演出とかが際立っていて楽しめましたよ、ええ。
で何といってもですよ、役者陣良かったですね~。
主人公ツチダを演じた臼田あさ美の、あ~お前みたいならうイブハウスのスタッフいるわ~!な感じwやはりバンドマンを夫に持つ女優だからでしょうか、それとも今の旦那と付き合う前からライブハウスに入り浸っていたのか、ライブの転換中にマイクのコードを巻く姿、タバコを吸う手慣れた感じ、瓶ビールを受付で飲みながらライブノリノリで見てるとことか、自分がミュージシャン当時のライブハウスにいたスタッフの子を思い出します。
そこからブルマ姿に競泳水着姿、タンクトップにホットパンツがまぁ似合う。(このドスケベ猿め!!)
でもって、男に尽くしそうなあの重たい感じとかよく演技出来てたと思います。
せいいち演じた太賀も芸達者というか、そもそもギター弾けるの?てくらい様になってましたね。仰向けになってメロディー浮かばせながら、ギター見ないで音を探すあたり、パーカッションの手つき。大したもんですw
あとツチダを思う優しさみたいなのが顔から溢れてましたよね。彼ってあの屈託のない笑顔が役者として一つの武器になってるというか、イマイチ大人になり切れてない幼さを持ち合わせながらも、髭を生やすことでちょっとぶっきらぼうな男にも見せることができるふり幅も持ってて、今回見ていてつくづくいい役者だなぁと。
で、極めつけはハギオ演じたオダジョーですよ。相変わらず、ああいうクソミソクズイケメンやらせたら似合いますよね~w自分のやってることに罪悪感ないっす、ギルティフリーっすみたいなスカした笑顔。
ちょっと気になったのは頭頂部がちらっと映った時、あれ・・・薄くない・・・?と。結構頭皮が見えていたのが気になったんですが、気のせいです!ええ気のせいです!!
最後に
一番許せなかったのはですね、あんだけ音楽が生まれてこないせいいちが、結構今風の音楽を作ってるバンドにいたせいいちが、ラストに曲作ったって言ってツチダに聞かせる曲が、ねこがどうたらこうたらにゃ~にゃぁ~って、思いっきりやくしまるえつこ調の歌を歌ったことですね。まぁ音楽提供が彼女なんで仕方ないんですが。
いやいや君音楽性180度変わってるでしょw原点回帰か!?そういう音楽性で今後行くんか!?女の子が歌うならまだしも、男でそんな生ぬる~い猫の歌うたってもヒットしねぇぞ!と。猫の歌を歌っていいのはマサムネさんかハナレグミ、って相場は決まってんだよ、なんて思ってしまいましたw
ピースオブケイクでも感じたんですけど、この手の大人の恋愛映画ってやっぱり下北沢じゃないと無理があるなと。これ渋谷でも六本木でもおかしいよね。ハマらないよね。まぁ吉祥寺か高円寺ならハマるか。やっぱりそういう場所じゃないとこの物語は無理があるかな。
愚痴をこぼしましたが、ツチダのように男で複雑な思いをした方、それを経て成長したことのある女性は是非見てみたらいいと思います。自分はツチダに共感できませんでしたが。
てか、結局南瓜とマヨネーズってどういう意味?固い頭のせいいちとふにゃふにゃしたハギオってこと?
まぁいいや。
ちなみにツチダが来ていたTシャツはこれだ!!松永!!!!
というわけで以上!あざっした!!
満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10