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映画「パトリオットデイ」感想ネタバレあり解説 必ず最後に愛は勝つ。

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6月9日

パトリオット・デイ 

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最近イギリスでテロ事件が活発化しています。

つい先日もイギリスでアリアナ・グランデのコンサート終了後に、爆発テロ事件が起き、警察のすばやい対応によって、犯人は逮捕されたニュースが報道されたばかり。

 我々はこういった事件の表側をニュースで見るけれど、事件の裏側では何が起きているのか、どういったことが行われているのか、なぜこんなにも早く犯人を特定し逮捕できたのかは見ることが出来ない。

警察はどう行動し逮捕まで至ったのか。

今作はそんな警察の人間達にスポットをあてた、ザ・プロフェッショナルなお仕事映画です。

早速見てまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

2013年4月15日、アメリカボストンで行われた第117回ボストンマラソンで起こった爆弾テロ事件。世界中で瞬く間に報道された未曾有の凶悪犯罪は、たった4日間で犯人を特定、逮捕に至った。

なぜ、そんなにも早く事件を終結させることができたのか。

本作は、メディアが伝えていない驚くべき102時間の真実を、今年メキシコ湾での原油流出事故の真実描いた「バーニング・オーシャン」の監督と主演が再びタッグを組み製作。

今、知られざる英雄達が起こした奇跡の真実が明かされる。

 

 

 

 

あらすじ

 

 

2013年4月15日。
殺人課の刑事トミー(マーク・ウォールバーグ)は朝からボストンマラソンの警備に駆り出されていた。


オリンピックの次に歴史の古いこのマラソン大会は、毎年祝日である“愛国者の日”に開催され、117回目を迎えるこの日も50万人の観衆で賑わっていた。

 

次々と走者がゴールインする最中、トミーの背後で突如大爆発が起こる。歓声は悲鳴に変わり、逃げ惑う人々と折り重なって倒れる負傷者で現場はパニックとなった。


到着したFBIのリック(ケヴィン・ベーコン)は現場に散乱した金属片を見ると「これはテロだ」と断言。テロだとFBIに管轄が移る。犯人逮捕に燃えるトミーは歯ぎしりをするが、病院を回って負傷者たちの話を丁寧に聞いてまわるのだった。

 

やがて監視カメラに映る不審な“黒い帽子の男”と“白い帽子の男”が容疑者として浮上し、事件はアメリカ全土を揺るがす緊迫の事態へと発展していくのだった……。(HPより抜粋)

 

 

youtu.be

 

 

 

 

 

 

監督

監督はピーター・バーグ

 

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もう彼については「バーニング・オーシャン」で言及したので、特に言うことはございません。

とりあえず、バーグ×ウォールバーグの実録3部作がこれで完結、いやもっとやってほしいんだけどいったん別の作品にとりかかるのかなぁ。

この功績をたたえて、2016年のナショナル・ボード・オブ・レビューでは作品賞トップ10とスポットライト賞が贈られたとのこと。

 

4月に公開した「バーニング・オーシャン」の感想はこちら。最高っす。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

キャスト

ボストン警察巡査部長、トミー・サンダースを演じるのはマーク・ウォールバーグ。

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はい。彼もまたバーニングオーシャンにて紹介しておりますので、省略いたします。

今年は8月に主演作となる「トランスフォーマー 最後の騎士王」が公開予定です。

 

 

 

 

FBI特別捜査官、リック・デローリエを演じるのはケヴィン・ベーコン。

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もうベテランです。レジェンドです。彼の作品を一体何本見たことか。

最近では、「COP CAR/コップカー」でわる~い保安官として、パトカーを盗んだ少年を執拗に追いかけていたのが印象的でした。

 

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あとは「X-MEN ファーストジェネレーション」でセバスチャン・ショウ役としてヴィランを熱演してました。

他にも、「フットルース」や、「告発」、「ミスティック・リバー」、「アポロ13」などなど数知れず。基本は脇の人だったり悪役が多いですかね。主演作は最近こそ少ないですが、存在感はバッチリ。 

今作は、捜査の指揮官ということで、頭のキレそうな役どころになるのかな。

 

 

 

 

ボストン警察警視総監、エド・デイヴィスを演じるのはジョン・グッドマン

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あれ、ちょっと痩せた?気のせいかな。

はい、コーエン作品には欠かさず出演のジョングッドマンですが、今年は「キングコング髑髏島の巨神」で特殊研究機関モナークの一員として出演していました。今後のモンスターユニバースにも出演するのかな?

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

ウォータータウン警察巡査部長、ジェフ・ビュジリーズを演じるのは、J・K・シモンズ

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シモンズといえば「セッション」ですね。フレッチャー先生怖かったなぁ・・・。

最近は「ラ・ラ・ランド」でクラブのマスターとして、セバスチャンをクビにしてましたねw

てか、サム・ライミ版スパイダーマンの時も、新聞社の編集長役で3作出演してましたが、さんざんクビにしてましたww

今後は「ジャスティス・リーグ」でゴードン本部長を演じるとのこと。ええナイスキャストです!!

 

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トミーの妻、キャロル・サンダースを演じるのは、ミシェル・モナハン

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あまりブレイク作はないイメージですが、ヒロイン役として色々出演してますかね。

最近だと、ゲームオタクが地球を救う「ピクセル」とか、「ミッション:8ミニッツ」、「ゴーン・ベイビー・ゴーン」、あと「ミッション・インポッシブル3」でイーサンの奥さん役として出演してましたね。あれそういやもう出演してないけど別れちゃったって設定だったけな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、意外と渋い俳優達が揃ったバーグ×ウォールバーグ第3弾。ローン・サバイバーやバーニング・オーシャンのようにアツイ漢たちのお仕事映画となっているのか。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

緊張と緊迫の連続!!人が、警察官が、州が、ボストンに関わる全ての人が団結し、愛をもって悪に立ち向かった102時間!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやぁリアルでした。

事件に関わった被害者、加害者、警察官など様々な視点が交錯し、このテロ事件の全貌を解明しながら、4日間で起きたことをうまく編集し抽出したことで、決してダレることなく緊張感を保ったまま描いた良作でございました。

 

事件がどのように解決していいくのかを事細かに映画として描いていると同時に、様々な登場人物にドラマがあり、そこに住む人たちがいかにこの街を愛し、団結し、愛を武器に悪に立ち向かう様子を描いていたように思えます。

 

はっきり言ってこの事件、ある人物の勇気ある行動がなければ、犯人はボストンの包囲網から抜け出し、ニューヨークで再びテロを起こしていたといってもいい内容でした

だから警察やFBIの力だけではこの事件は防げなかったわけで、4日間で解決したのはほんと奇跡だったんだなぁと。

 

そしてテロ発生後の悲惨な現場を生々しく描いていたのも今作のリアルな部分の一つ。

街のあらゆる監視カメラが、爆破の瞬間を映しているため、いろんな角度からその瞬間が映るのですが、どれも悲惨に映っていて、正直もういいよ・・・と思ってしまうほど。

爆破後のトミーの迅速な行動も非常にリアルだし、イマイチ状況を飲み込めてない後輩警察官たちもまたリアル。そして負傷者たちを手助けする一般人たちもまたリアル。

この部分に関してはR指定なんじゃないの、これ?と思うほど被害者が重傷を負っていいる映像が流れます。

つま先がぐちゃぐちゃになってる女性や、自分よりも子供の安否を心配してる場合じゃないでしょというほど膝から下が大けがのパパ、亡くなってしまった8歳の子供の上にシートがかかっていて、遺体は証拠だからということで一定時間方知せねばならず、そこに立っていなければいけない警察官の悲しい表情、爆発物が近かったところは、あえてカメラは外していましたが、道路は血だらけだったように見えます。

ぶっちゃけ、ちぎれた足までちらっと映るほどリアルです。思わず顔をしかめました。

 

クライマックスの銃撃戦もリアルです。

後半に行くにつれて犯人側の視点も増え、どのようにして彼らが逃走を図ったのか、その用意の無さ、隙がありありな展開が故に、彼らはどんどん追い込まれていき、夜の住宅街で繰り広げるのですが、この事件こんなに派手な展開だったの?とちょっと疑ってしまうほど、ドンパチやってます。

手製の爆弾で警察官たちを吹き飛ばし、続々と現場へ到着する警察官が、バンバン拳銃やマシンガンで応戦している様は、かるくギャング映画並みです。

その中で住民がこれで犯人ぶん殴れ!とハンマーを警察官に投げ渡す描写もなんかリアルでした。あ~アメリカ人ならここで銃持って一緒に戦いそうだもんなぁ、とか思ったり。

この場面では、管轄外だったためにあまり出番のなかったJ.K.シモンズの華麗なタックルが見れますのでご期待くださいw

 

 

そしてまさか街全体が犯人逮捕のために、交通機関を封鎖し、大規模な屋内待機までするほどの警戒態勢になっていたとはつゆ知らず。

最後まで緊迫した場面の連続にもかかわらず、瞬きさせできない映像の連続に、きっと見たら満足すること間違いないでしょう。

 

 

いろんな登場人物。

パトリオットデイとは愛国者の日として祝日にあたり、ボストン市民は、その日何をするかっていうと、マラソンに出るか、マラソンを見るか、野球観戦と相場は決まっているということで、愛国者としてみんなでボストンを讃えるような日を、各々が送っているわけで。

 

冒頭では、そんなボストンに住む様々な登場人物の平穏な日々を映し出しており、この後悲劇と混乱が渦巻く数日間になるとは誰も思ってない様子が描かれています。

 

当時自分はこの事件をニュースでしりましたが、事件の勃発と犯人逮捕以外は何も知らず、この登場人物たちが事件とどう関わっていくのか全く見当もつきませんでした。

 

仲睦まじい新婚カップルは、彼女のディナーのショボさとは真逆の幸せぶりを見せており、翌日は二人で満喫しようと会話しているシーンが流れます。

彼女のレッドソックスの発音がおかしいと指摘するも、あえて直さないではにかむ彼女の表情は正に幸せそのもの。

 

新車を親に自慢し、早朝ジョギングをこなす中国人は、その後自ら考案した宅配アプリをプレゼンし、そのミーティングに使ってたお店の女性に好意を抱きはじめます。

 

マサチューセッツ工科大学の構内を警備巡回する大学警察の若者は、思いを寄せる女性の研究室におお邪魔し、ライブに招待。それをルームメイトと賭けていて、喜びを分かち合っています。

 

自宅で何やら怪しいビデオを見ながら、何かを作っている中東系の若者。兄と兄嫁とその子供と暮らす大学生がカバンに鍋を詰め込み、2日としてどこかへ出かけていきます。

 

そして主人公であるトミーもまたドラマがありました。殺人課の刑事にもかかわらず、どうやら小さな事件を追っていて、ドアをけ破ろうとして左ひざを痛めるというアクシデントが発生。

しかも乗り込んだ部屋の男は、加害者じゃなくて被害者だった。でも逮捕w

このケガが後に彼を苦しめていきます。

どうやら彼は誰か(犯人?)を蹴ったことで、お咎めを食らい、一線から退いて小さな事件を担当していたようです。

それも翌日のボストンマラソンの警備を終えれば現場に復帰できる、という状況でもありました。

 

だから彼にはそれなりのキャリアがあり、事件直後の行動の素早さにも納得がいきます。しかも、監視カメラの場所を把握していることもあり、事件の進展になる大きな活躍を見せてくれます。

 

 

彼らの様々なドラマをこぼさず描いているのもこの映画の楽しさの一つになっているので、そこも見逃さず堪能してもらえればと思います。

 

 

ボストンよ強くあれ。

よく映画で見る光景ではありますが、アメリカ人は、素直に感情を露わにするからか、こういった大きな悲しみに対し、誰もが共有し、団結して声高にアピールするのをよく見かけます。

これ日本ではほんとに見ないので、ちょっとうらやましいな、と見るたびに思ったりするんですが、今作でも、そんなアメリカ人の団結力が描かれています。

 

悲しみを乗り越えるために、とにかくボストンという街がもう一度輝きを取り戻すために、負傷した人に手を差し伸べ、警察に協力して自宅待機したりして、犯人逮捕を願う。

この事件を通じて再び強くなったボストン市民。そのおかげでこの年のメジャーリーグではレッドソックスが優勝した年だったんだとか。

その力がスポーツにまで影響を与えてしまうのもすごい。

 

終盤でトミーが話す、愛は憎悪に負けないという言葉の通り、市民の愛という力によって解決したテロ事件。

もし日本でも同じような状況になった時、あっちゃいけないんですが、団結できるような気持ちでいたいですね。

 

 

最後に

ここまで褒めといてなんですが、やはり「バーニングオーシャン」に比べると見劣りしてしまう部分多かった気がします。

バーニングオーシャンは自身にも通じる組織の対立構造といった部分や、映画としてのわかりやすいパニック満載の災害規模の大きさといった部分から、見ごたえ十分だったこともあり、比較してしまうと今作はちょっと弱かったかなぁと。

最後に本人登場でインタビューというのも前作でやっているわけですし。

 

言い方悪いですが、再現ドラマになってしまってる、というのが一番の残念な所でしょうか。

 

とはいっても、バーグ×ウォールバーグの最新作ということで、この実録お仕事映画、今後も時間のある時に(無いかww)続けてほしいなと思います。

 

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10


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