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映画「あやしい彼女」感想 評価 レビュー

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4月1日

あやしい彼女

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まず、この作品をリメイクだって知ってる人いるのかな?しかもつい最近の映画だし。

 しかも元の作品が非常に面白かっただけにかなり比較した感想になりそうです。

つーわけで、早速見てまいりました。

 

 

 

 

あらすじ

写真館を出たカツはバイクのミラーに映る自分を見て驚愕する…。そこには20歳に若返った自分(多部未華子)の姿があった。

“これは好きに生きてこられなかった自分へ神様がくれたチャンス!”とばかりに、意気揚々と「やりたいこと」へ一直線…。だが、いざとなると「やりたいこと」が全く思いつかないカツの足は、いつもの銭湯へ向かう。

次郎や次郎の娘・麻衣子(三鴨絵里子)と会ったカツは名前を尋ねられ、あこがれの「オードリー・ヘップバーン」と「原節子」から、「大鳥節子」と勢いで答え、この日から節子として生きることに。

別人として若返った彼女が天性の才能を武器に人生を謳歌していくことになるのだが・・・。(公式サイトより引用)


映画『あやしい彼女』予告編

 

 

 

 

 

監督・キャスト

監督はいわゆるTVあがりの映画監督、水田伸生。 

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日テレの方なので日テレ製作のコメディ映画ならこの人!という印象が強いです。

 

2006年に、事故で九死に一生を得た少年が幽霊が見える能力を身につけることで幽霊との交流を経て家族の絆を描いた「花田少年史 幽霊と秘密のトンネル」で監督デビュー。

その後は宮藤官九郎脚本・阿部サダヲ主演のタッグが定番化し、その最初の作品となった、舞妓と野球拳したいという夢を果たすべく京都へ乗り込む男が終始ハイテンションで描かれるコメディ映画「舞妓Haaaan!!!」、

下町の商店街でハムカツが名物の総菜屋を営む主人公が、父に捨てられ、弟とも生き別れた波乱万丈な人生を笑いと涙でつづった人情コメディ「なくもんか」、

どんな難題もありとあらゆる謝罪のテクニックで解決する、謝罪師という架空の職業を生業にした男と問題を抱える人たちが繰り広げるオムニバスコメディ「謝罪の王様」と3作手がけています。

まぁ、どれも阿部サダヲがくどくて途中でおなかいっぱいになってしまうのが玉にキズですが思いっきり笑いたい人には持って来いの3本だと思います。

 

 

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主演の若返ったカツ・大鳥節子を演じるのは多部未華子。

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一応20歳の役柄ですが、彼女の年齢は27歳・・・。ちと厳しくないかい??

コメディ映画としてはほぼ出演がありませんので今作が実質初のコメディ映画なんだと思います。でも、TVドラマ「デカワンコ」なんかでコメディエンヌとしてのポテンシャルはかなりあると勝手に思ってるのでどれだけ楽しませてくれるか期待したいですね。

去年公開の「ピースオブケイク」で恋に悩める等身大の女子を演じたことで、急にロマンスものに路線変更するのか!?と危惧してましたがこの作品の主演にほっとしています。

彼女についてはこちらで紹介してるので割愛します。宜しければ是非。けっこうボロカスかいてるなwww

 

monkey1119.hatenablog.com

 

 

 

 

若返った節子の元の姿・カツを演じるのが倍賞美津子

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もう大ベテランの女優さんです。倍賞千恵子はお姉さんで、アントニオ猪木が元夫というのは有名な話。

松竹の看板女優として「人生劇場」シリーズで活躍した後、今村昌平監督の名作で、5人を殺害した詐欺師の生い立ちや女性遍歴を交えた逃走劇「復讐するは我にあり」で、主人公とその父の間で揺れ動く妻という難役を見事に演じ、ブルーリボン助演女優賞を受賞しています。

その後も数ある名作に出演し、今では、お婆ちゃんの役までこなすほどの方になりましたねぇ。

なかなか昔の映画を見る機会がなく完全にwikiってますが、「復讐するは我にあり」は緒形拳の怪演と三国連太郎のダメ親っぷりが印象的な作品です。

 

 

 

 

 

その他にも、カツの娘・幸恵を演じる小林聡美、節子をスカウトする音楽プロデューサー・小林拓人役に要潤、カツの孫でバンド活動をしている翼役にダンスロックバンド「DISH//」のボーカルでもある北村拓海、カツの腐れ縁・次郎役にいつも影で主役を支える役ばかりないい声のバーコードハゲ、志賀廣太郎などが出演しています。

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怪しい彼女

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こちらが元の作品となる韓国映画。
あらすじを読むかぎりリメイク映画の設定はほぼ一緒のようです。

この作品はとにかくおばあちゃんの毒舌っぷりがツボ!!
女性ならともかく男性ですらこんなボロカス言うこと無いくらいの罵詈雑言!
そして何と言っても若返った「サニー 永遠の仲間たち」で主人公の少女時代を好演じ、この作品で若返った主人公を演じたシム・ウンギョンが最高です!

まるでおばあちゃんが憑依したかのような口調やしぐさや背格好と完璧に演じ、乙女心を完全に捨ててなりきっています。でもって抜群に歌がうまい!!

これが非常に面白く強烈なインパクトを残しています。

 

個人的な思い出として公開前にシネマカリテにて私が好きな映画解説者・中井圭さんが主催するイベント「ナカメキノ」のスニーク試写会(上映まで何をやるかわからない試写会)に参加して鑑賞しました。

トークショーもあり、女優の武田梨奈さんと映画評論家の松崎まことさん、松崎健夫さんの松崎ブラザーズをゲストに迎え4人ともゲキ推しのトークでリメイクやるなら武田梨奈で!なんて話で盛り上がってましたが実現しなかったですねf^_^;)

ホントはグランド・ブタペストホテル狙いで行ったのですが、これはこれで貴重で非常に参加した甲斐があった思い出の作品です。




てなわけで、個性的なキャストと、コメディ映画なら俺に任せろ!な監督で作り上げた、韓国大ヒットコメディ映画をまさかのリメイク!で送る、歌謡曲満載な作品、

その感想は!?






意外と忠実なリメイク!それでも失笑は免れない。

以下、確信に触れずネタバレします。








元の作品を見れば理解度が増すかも。

鑑賞後、まず驚いたのは大まかな設定はそのままとして細かい点まで忠実にリメイクしているところ。
見た人はどこか古臭いなぁなんて感じたり、その設定無理があんじゃない?なんて思う節がある人もいると思いますが、それは元の韓国映画がそうだから!で解決します。
テレビドラマもそうですがなんか韓国映画やドラマのリメイクってどこか日本離れしてると感じたりしないでしょうか?
これもそのひとつで違和感だらけです。きっと韓国の製作会社が絡んでるんだと思います。

場所が下町なのも、歌が歌謡曲なのも、孫がメイクしてデスなロックをやっているのも元の作品をそのまま使っています。
多部ちゃんのオンザ眉毛も今流行っているからでなく、元の作品を意識したものだと思われます。
オードリーヘップバーンの名前をもじってるのも元の作品同様。
ちょっとダサいシチュエーションももしかしたら意識して作ったのかもしれません。





そこまで形にこだわったのに。

多部ちゃんは頑張ってました。ただ、歌唱力に問題がありました。ズバ抜けた魅力が歌を歌う時だけは弱かった。
これは非常にもったいなかった。3カ月トレーニングしたそうですが、元の作品の主役のシム・ウンギョンは所属事務所に入った時から訓練を受けていたのでその差は歴然であります。どうしてもここは比較してしまう。
ライブシーンにしたってコールアンドレスポンスに恥じらいを感じてるせいで寒気がするし。
あとは、体のラインが細いせいかおばちゃんのしぐさをしてもおばちゃんらしさが感じられず、これまたコメディエンヌの素質があるにもかかわらずもったいないな、と。もっと全体的にぶっ飛んで欲しかったです。
いっそ、20歳でババ臭い子をオーディションでやった方が良かったのではないでしょうか。

あとは演出にも問題が。

心の声で心情を説明してしまうのは、なんでも説明しなきゃいけない、ゆとりな日本映画ということでもう諦めたとして、途中からそれが無くなっていたこと。全部やれよ!
しかも、心の声を多部ちゃんがやってしまっていること。そこはバイショーだろ!!
まあ、それは僕だけがいない街藤原竜也が同じことやってるし、それが悪い原因になってるので学習したんだな、ってことにします。

音楽面も劇中歌を小林武史が担当していて歌謡曲を現代風にアレンジしたあたりはまあ及第点かな。きっと、問題作だった愛と誠を見て彼にオファーしたんだと思いますが。
最後にどポップな歌が流れますがモロにコバタケ節だったし。

志賀廣太郎の役者魂

コメディとしてのジャンルにもかかわらず、カツの苦労や親子の絆などに比重を置いたせいか笑いよりも御涙頂戴な方が強く、尚且つ小ネタがかなり滑っていて失笑の連続でした。
まぁ、そこは人それぞれだと思っているので仕方ないとして。

それでも私を笑わせ味のある芝居をしてくれたのがカツの幼馴染・二郎を演じた枯れセン代表、志賀廣太郎でした。
いい歳してカツに夢中な二郎をうまく演じ、しかも体を縛られガムテープで口を塞がれ顔中に洗濯バサミを挟まれるという拷問を受け、
娘から勘違いされ障子に体ごと突っ込まれるという体の張りっぷり!
お見事でした!!
この二郎と娘役の女性の掛け合いが非常に面白く、この作品で唯一声を出して笑ったシーンでありました。これは、監督のおかげでなく役者のおかげでしたね。




親の苦労を子供は知らない。

行方不明になった母を探すべく、娘はツテをたどっていくうちに、母の苦労を初めて知ったことで改めて母の偉大さに気づく、そんな物語でもある。

小学生の頃、学校を風邪で休んだ時、母が食べていた昼飯の質素さにショックを覚えたことがある。
恐らくどストレートに「なんでそんな朝飯の残りみたいなの食べんだ?ちゃんとしたもん、食べればいいじゃん」と言ったと思う。
子供ながらに思ったことをすぐ口にしてしまう自分が今となっては恥ずかしい。
多分、明確な理由はその時言わなかったと思うが今となってはよくわかる。
そうやって父が仕事に行っている間、私が学校に行っている間家計のために節約していたわけで。

まあ、そんな些細なエピソードは置いといて。てか弱いなこんな話じゃww

戦争孤児だった母が女手ひとつで育てた娘が立派な仕事にありついてバリバリやってるのだから母は嬉しいに決まってる。
だから、苦労したとしても苦労とは思わない。そんな思いを知った娘と母の抱擁のシーンは非常に涙を誘うものでした。

ただ、それを理解した娘は母として息子にこれといった影の苦労をしてないのが残念なところで。
少しくらいどこかにシーンを挟んでも良かったのでは、と思った。






まとめとして、元の作品に軍配が上がったのは読んでいただければお分かりの通りだと思います。
ただ、涙を誘うシーンはベタではありますが、感情を震わせる出来だったと思います。
後は、若い人よりも年配の方の方が楽しめる作りになってるのかな、とも。
是非元の作品を観てから見ていただきたい映画でした。



あ、金井克子さんに何故持ち歌を歌わせず恋の奴隷を歌わせたんだい?これは理解不能。


満足度 ☆☆☆★★★★★★★3/10


映画「ミラクルニール!」感想 評価 レビュー

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4月2日

ミラクル・ニール!

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たまにゃあどストレートに笑いたい映画みたいですよねぇ。そんな願いをかなえてくれそうな映画がイギリスからやってきたぜえええぇ~っ!!!!

 全国は4月9日からなんですが渋谷だけ2日からの先行上映ということで、こんな面白そうな作品いち早く見たいっ!ってことで見に行って参りました。

 

 

 

 

あらすじ

はるか銀河系の先の先――。

そこではエイリアンたちが地球滅亡を企んでいた。しかし銀河系でどんな星も一度は存亡のチャンスを与えるべきと定められている為、超適当に地球人をひとり選んで地球の運命を預けることになった――。

知らぬ間に地球の運命を背負わされたロンドンの教師ニール(サイモン・ペッグ)は全知全能の力を手に入れる。

しかし、そのパワーで愛犬のデニスとお喋りをしたりロクなことに使わないニールだった。はたしてニールは地球の運命を変えられるのか!?(映画サイトより抜粋)


映画『ミラクル・ニール!』予告編

 

 

 

 

 

 

監督・キャスト

監督はコメディ集団「モンティ・パイソン」の一員・テリー・ジョーンズ

 

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ははははwwwwいい顔してます。モンティパイソンてコメディ集団なのか!?と恥ずかしながら最近知った挙句、その中にテリー・ギリアム監督もいたのか!?と驚愕の事実を知りまだまだ知らないことがたくさんあるんだなぁ・・・と思い知らされた私です。

 

私より一回り以上年齢が上の方ならご存知かと思いますが「空飛ぶモンティパイソン」というテレビ番組が放送されていたようで日本での認知度も世代的には高いんだと思います。作品内容はかなりシュールだということで、見てみないとなんとも言えませんが受け入れられる人とそうでない人の差が激しそうな気がします。

中には聖書をパロったコントをやったせいで宗教論争にまで発展したものもあるとか

そんな中、パイソンズとしての最後の製作となった「人生狂想曲」はいろいろと実験的にやってみたものの満足のいかないものだったそうですが、それとは裏腹にまさかのカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞したそうです。

 

これを機に見てみたいですね。

 

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主演のニールを演じるのは、イギリスを代表するコメディスター!サイモン・ペッグ!

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はい、大好きな俳優さんです。最近急激に痩せた気がするのは私だけしょうか?何かの役作りならあれですけど、病気じゃないよね??

 

ロンドンでスタンダップコメディアンとしてキャリアをスタートし、TV番組などの出演を経てエドガー・ライト監督と親しくなり作られた、大人になりきれないダメ男の恋愛事情と街を襲うゾンビたちとのサバイバルな戦いを繰り広げたゾンビコメディ映画「ショーン・オブ・ザ・デッド」が大ヒット。

その後も、ご存知IMFのスパイエージェント・イーサン・ハントが不可能なミッションに挑んでいく痛快アクション映画「ミッション・インポッシブル3」でJJエイブラムス監督からその演技と情熱を買われ、「スター・トレック」シリーズでのスコッティ役に抜擢され認知度も上昇、平行してミッションシリーズにもいまだに出演を継続するほどに。

んでもってちゃっかり、去年公開した「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」ではJJエイブラムス監督との交流もあり、レイがジャンク部品を買ってもらう店の主・アンカー・プルート役で出演。実は彼でしたwwわかるかぁいっ!?

もちろんコメディも疎かにしてません。エドガーライト監督と「ショーン~」で競演したニック・フロストと3人での中が深まり、このタッグで再び作られた、どこかでみたことある刑事モノの作品をふんだんにパロった内容をちりばめつつ、事件など起こりそうもない田舎町に左遷されたやる気バリバリの警察官と能天気な警察映画オタクの相棒が巻き起こす痛快アクションコメディ「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」や、

同じくエドガー、ニックと3人で作った、アル中の中年が幼馴染4人と地元のパブ12軒ハシゴするという、学生時代達成できなかった夢を果たすべく地元に帰るも街がとんでもないことになっていたという奇想天外なSFコメディ「ワールズ・エンド・酔っぱらいが世界を救う!とどれもぶっ飛んでいてパクっていてクソ面白いコメディ映画となっています。

 

 

 

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 エドガーライト監督ではありませんが、サイモン&ニックコンビの傑作SFコメディです!

 

アメリカ最大のコミックの祭典「コミコン」に参加すべくイギリスからやってきたオタク2人が旅の途中、UFOがあると噂されているエリア51に立ち寄ると本物の宇宙人に遭遇!政府から囚われの身となっていたポールと名乗る宇宙人を星に帰すべく、二人は人肌脱ぐことに。こうしてSFオタク2人と宇宙人の短い旅が始まるのだが・・・。

 

これまたオタク根性MAXな内容で、わかる人ならわかる小ネタもあるんだけど、オーソドックスな笑いもあって。特に2人もサイコーなんですが,

それ以上にポールの声を担当したセス・ローゲンが下ネタ全開!軽いノリで皮肉たっぷりなジョークも混ぜていて笑わずにいられません。しかも結構いいこと言うもんだから愛着すげぇ湧いちゃうし!

そして、未見の人には絶対言えない、終盤登場する最強の隠し玉の出オチっぷりも最高に笑えます。素晴らしいです!

 

 

 

 

犬のデニスの声を担当したのが故ロビン・ウィリアムズ

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惜しくも一昨年亡くなってしまいました。もう悲しくて悲しくて見てない作品見ようと思ったらどこのレンタル屋も貸し出し中。皆さん同じ思いだったんですね。

一応これが彼の最後の作品だそうです。

 

言うまでもありませんが、彼の作品は名作ばかり。敵地に送り込まれた兵士たちを鼓舞するため型破りなラジオを送るDJを主人公にした「グッドモーニング・ベトナム」、名門進学校に赴任した英語教師が生徒たちに詩の美しさ、人生の素晴らしさを破天荒な授業を通じて教える「いまを生きる」、などの初期の名作から、

近年では一線で輝くコメディ俳優たちを見守るかのような眼差しで演じていた「ナイトミュージアム」シリーズのルーズベルト大統領役が印象的です。

 

 

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 はっきり言うと、ロビンが亡くならなければいまだ見ていなかったであろう作品。

不謹慎ではあるけれど彼の死のおかげでめぐり合った作品です。

 

全寮制で規則の厳しい進学校にOBである英語教師・キーティングが赴任。授業するや否や、教科書なんか破り捨てろ!と彼ならではの授業のやり方に生徒たちは戸惑うも、キーティングが教える詩の美しさ、人生の素晴らしさに感化されていく生徒たち。そんな彼らは以前キーティングが「死せる詩人の会」というクラブをしていた書物を見つけ彼らも会を結成、徐々に彼らの中で自分のやりたいことを自覚していくのだが・・・。

 

子供のとき、どう成長するかは親の教えはもちろんのこと、学校の先生の教え次第でだいぶ変わってくると思います。個人としては、中学のとき英語の先生が受験勉強でピリピリしている中、洋楽の素晴らしさを教えてくれなかったら音楽を志すこともしていなかったという思い出もあり、窮屈にさせることで可能性をつぶしてしまうかもしれない環境や周囲の人間がどれだけ大事かがこの作品を見ればわかると思います。

 

そしてなんといっても生徒役で出演しているイーサン・ホーク初々しさと彼が殻を破っていく瞬間。そしてラストの教室での生徒たち。名シーンです。

 

 

 

 

 

 

他にも、キャサリン役に「アンダーワールド」シリーズでおなじみケイト・ベッキンセール今回は戦わない(!)役柄として出演しています。

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というわけで、イギリスが生んだコメディ界の巨匠とコメディスターのタッグで送る痛快SFコメディの感想です!!!








最期まで笑わせてくれてありがとうロビン!次世代へのバトンはサイモンへ!

以下、核心に触れずネタバレします。









決して下品じゃない!これぞ英国コメディ!

全編通して笑わせてもらいました!特に愛犬デニスが話せるようになってからのニール役のサイモンとデニスの声を担当したロビンの掛け合いは最高でした!

最初こそクスッと笑える部分が所々あるのかないのかレベルだったわけですが、突如能力を手に入れ、力を理解したニールの暴走が始まった途端会場も爆笑しだし、デニスが喋れるようになった瞬間笑いはピークに!
笑うって派生するからホントコメディ映画が波にのると楽しい!


今回笑いの核となったポイントは2つありました。
1つはニールが叶えたい願いに対して、コンピュータのようにうまく解釈せずそのまま受け入れ実行されてしまう頭の悪さ。
最初こそ、ニールよ!そんな風に頼むからそうなっちゃうんだよぉ〜wwと困っちゃうような展開に笑わせてもらいましたが、決してニールのせいではなく何でも鵜呑みにして願いを叶えようとする力自体がバカww

バスに移動させろ!と願うとバスの上に!
いや、違う!バスの中だっ!と願うとバスのエンジンの中に移動してしまうおバカな能力!!www

ナイスバディにしてくれ!と願うと何故か女の方のナイスバディww
流しに溢れてしまったウィスキーを元に戻せ!と願うと流しに溜まったままの生ゴミまで戻ってしまうというアホっぷり!!
なんて柔軟性のない能力!!

こんなのがずーっと続くんですが、飽きないです!何てったってニールがいい加減だから学習しない!能力も宿主を学習しない!ww
序盤はこんな展開ばかりなので、先が分かってるのに笑っちゃう面白さです!



そしてもう一つは愛犬デニスの欲望の剥き出しっぷりwww
あまりにも吠えるデニスに、ニールはとうとう話せるようになれ、と願ってしまいます。
途端にビスケット!ビスケット!ビスケット!ご主人様ビスケットを1つおくれ!棚の上にあるビスケット!

と、脳内で思ったこと、欲しいものをそのまま喋れるバカ犬っぷり!
そんなやりとりから始まり、挙げ句の果てにはご主人様の膝で腰を振りたい!とかニールが想いを寄せるキャサリンをビッチ呼ばわりwww

このデニスの声を担当したロビンがまあ〜うまい!!さすがコメディアン!!抑揚の使い方が上手く、抑えていても小さな声で面白いワードをポロっと吐き捨てたり、ホントに犬が喋っているかと勘違いしてしまうほど。
このデニスとニールのやりとりが非常に楽しく、主人と番犬という関係なのか相棒同士なのかよくわからなくなっていきます。

少し悲しかったのは、犬を撫でると喜ぶのは実は犬の演技で、飼い主がそうすることで喜ぶからやってるだけだよ、という驚愕のカミングアウっ!!
無類の犬好きだけにこれが全ての犬たちの心の声だと思うと…_| ̄|○


というように、この2つが何とも楽しい笑いのポイントでありました。




監督の世界観

この能力を与える宇宙のエイリアンたちがまあちゃっちいクセにグロテスク。エビのモチーフをした宇宙人を筆頭に、なんとも表現し難い4匹のエイリアンたち。
という具合に監督の考えているものが色んな形で具現化され、思いもまた言葉として表れていたと思います。

そのひとつに社会や環境に対する風刺も織り交ぜていました。
途方にくれるニールは思い立って戦争を無くしたり、地球温暖化を止めたり、世界的飢餓を無くしたりと願いを叶えようとします。
でも、それをしたところで別の問題が生じてしまうという悲しい末路になってしまう。
もちろんニールの願いが漠然とした抽象的なもののせいもあるし、言葉そのままに理解してしまう柔軟性のない能力のせいもあるけれど、
何かが良くなった分その代償はつくものだ、何かの犠牲の上で成り立ってんだ、なんてことを言ってるのかなぁなんて思ったり。

そして、全能になったからといって全て上手くいくわけじゃない。そんな簡単に願いが叶ったからといって誰もが嬉しいわけじゃない、そんな監督の思いが垣間見れた気がします。

他にも、同僚が好きな女性に振り向いてもらいたいという願いを叶えようと、彼を崇拝しろ、と願うとストーカーならまだしも本当に崇めてしまう行き過ぎっぷり。
これには、あらゆる宗教に対して、教徒たちにそんなに崇められてもこっちは困るぜっていう神様の本音を見せていたようにも感じたり。


そういったちょっとした毒をうまく笑いで中和させる作りは、アメリカのコメディのように人をバカにして笑わせたり、救いようのないバカを描いたり、ファックワード連発なものではなく、
英国ならではのどこか気品漂うような笑いで、主人公も愛らしい憎めないおバカちゃんで、これぞ喜劇と呼べるような作りになっていたと思います。
もちろんアメリカのコメディも大好物ですけどね。






と、だいぶ褒めた内容でしたが、そこはワガママにもっとケタケタ笑えるかと思いきや、ホームラン級が連発するほどの笑いは起きず若干物足りなさもあり、お話自体は案外単調なものです。
それでも、わかりやすい面白さにドツボにハマる人もいると思います。
あとは、会場がどれだけ盛り上がるかで評価の度合いも変わってくるのかな、と。
ホントこれ大事。笑いは感染するんだって!誰かが率先して大笑いしたらみんなリミッター外して大っきい声で笑い出すから!
そしたら、絶対楽しいものになると思います。



満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

公開間近!「シビルウォー キャプテンアメリカ」にかける思いを書いてみた。

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来る4月29日にアメリカよりも1週間早く公開され、キャプテンアメリカとしては3作目にして完結編、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)シリーズとしては13作目となる「シビルウォー」。

 

 

今回の見所は何といってもアベンジャーズ同士が真っ向対立!その中心がキャップ対アイアンマンという夢の対決でもあり、その対決により今後彼らがどうなっていくのかが非常に気になる、シリーズ史上最大のターニングポイントといっても過言ではないと思う。

それに加え、新たなヒーロー「ブラックパンサー」の登場や、去年公開したアントマン、キャップの前作「キャプテンアメリカ ウィンター・ソルジャー」に登場したファルコン、キャップを監視していたエージェント13、宿敵であり親友でもあるウィンターソルジャー、アベンジャーズ既存メンバーに加え、今回からやっと大人の事情という呪縛から開放されたスパイダーマンの参戦もあり、ソーハルク以外はほぼ全員出演「アベンジャーズ3」といっても良いほどのとお祭り状態である。

 

 

いつもは新作映画の感想ばかり書いているわけですが、先月公開した「バットマンVSスーパーマン」があっまりにも面白くなかったためにこの祭りに過度な期待を寄せてしまい、思いをしたためようと決心した次第です

あ、これが面白くないと書き連ねた記事です。気になったらどうぞ。

 

monkey1119.hatenablog.com

 

 

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ここでこの話を持ってくるとは思わなかった。

原作コミックは読んだことは無いのですがマーベルコミックを語るうえで、このシビルウォーは避けて通れないほど人気のストーリーなようで、

つい先日もコミックとして発売されるシビルウォーⅡに関する記事をみて、いい加減に本買って読もうかなぁと考えるまでに頭の中はシビルウォーでいっぱいなのであります。

 

確かアベンジャーズの実写化が決まり3部作になるというニュースが舞い込んだとき、最後の3作目にはこのシビルウォーをやるだろうという予想と噂が飛び交っていましたが、まさかのキャプテンアメリカでこの話を入れてくるとは意外や意外。

それはそれで非常にわくわくしたんだけど、毎回毎回キャップにはゲストヒーローが出てくることに正直疑問ではあります。

アベンジャーズの主役を張るメンバーの中でいちばん等身大に近い人物とあって他のメンバーに比べて親近感もあるし、何より純粋な正義の持ち主だけあって見ていて清々しい。

 

私は1作目がやっぱり好きで、アベンジャーズの繋ぎになってしまっているラストの展開を除けば、元祖ヒーロー誕生というプロローグとして、勧善懲悪を軸にした見事な話だったと思うし全然単体だけでイケるヒーローだと思うんですが、なぜか今回、前回とゲスト出てくるんだよなぁ。

 

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 だからといって、2作目「キャプテンアメリカ ウィンターソルジャー」も嫌いではない。敵が仕掛ける前に見つけ次第殺すというドローンを使った戦争形態を「インサイト計画」というテーマで一石を投じ、まさかのヒドラの残党がシールドに潜入していた、そして目の前に現れた殺し屋はかつての親友だった!という組み合わせは、アメコミというエンターテインメントと政治サスペンスとの融合に、まさかの仮面ライダーBLACK!!シャドームーン!!の再来っ!!と歓喜したほど。

 

 

となると1作目、勧善懲悪をテーマにスーパーソルジャーとしてヒドラを壊滅したキャップは、完全に改造人間として悪の組織ショッカーを倒すべく戦う仮面ライダーで、2作目はまさかのBLACKで。じゃあ、3作目となるシビルウォーは完全に平成仮面ライダーVS昭和仮面ライダーの流れじゃん!?こう考えてしまうのも無理はない。 まさかマーベルが東映を意識しているなんて考えたくもないですがww

 

 

 

 

 

 

フェイズ3突入から考える期待と不安

MCU1作目「アイアンマン」から「アベンジャーズ」までの6作をフェイズ1、そして「アイアンマン3」から「アントマン」までの6作をフェイズ2という具合にシリーズの章として分けられてきたわけですが、今作から新たな章に突入していくわけです。

その幕開けとなるシビルウォーへの期待としてあげるとすれば、まずはスパイダーマンやブラックパンサーといった新たなヒーローが単体作品よりも先に登場することで、今後公開予定の作品を見たいという欲求が芽生えること。

MCUシリーズでは単体作品の後アベンジャーズに登場という流れが通例でした。だから、ヒーローたちの過去や事情や生い立ちや性格などがわかっている分、一緒になるときどう絡むんだろうというワクワク感があったのですが、

今作でお披露目となる2人は、おそらくこのシビルウォーでいろいろ説明されていくんだろうと思います。

一応ブラックパンサーに関しては前作「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」で彼の故郷・ワカンダでヴィブラニウム争奪戦の舞台として争っているのと、そこで現れた敵・ユリシーズ・クロウの登場から単体作品へと繋がっていくんだろうと思われます。

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そして、登場するというアナウンスがありながらもいまだ新情報のないヴィランでダニエル・ブリュール演じる「バロン・ジーモ」の存在。

予告編にも写っていないので今回キャップ対アイアンマンの対決のみなのかもしれないし、サプライズが待っているかもしれない。

 

他にも、インクレディブル・ハルクに登場したロス将軍といった懐かしい人物や、アイアンマンには欠かせない相棒ウォーマシンやトニーの妻ペッパーポッツといったアイアンマンマン組も登場と、今までにない豪華な布陣といまだ明かされていない謎もありそうだという予感で本当に胸が高鳴るばかりであります。

 

 

しかし、

 

喜んでばかりもいられない。

 

現在予定されているMCUではキャップもアイアンマンも次のアベンジャーズまで登場が無いこと、現在アベンジャーズを離れてしまっているソーとハルクも次作「マイティ・ソー ラグナロク」でとりあえず見納め。

噂では、最後の3作目となる「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」は2部作となりパート1ではニューヒーローのみの出演という情報もあり、そうなるとパート2の公開予定が2019年なので、

フェイズ3は、それまで現在のアベンジャーズを牽引してきた4人とニューヒーローの世代交代になっていくものと思われる。下手したらパート2までニューヒーローでつないでいかなきゃいけない。

 

これが不安とするものとは、ようやく人気も知名度も定着してきてアベンジャーズなら興行収入30億は堅いと思われていたにもかかわらず、シリーズの活性化として彼らを一旦退けるとなるとファンは離れてしまうのではなかろうか?

アイアンマンやキャップが出ないなら他のは見ない!とか。

 

そして、13作目ともなると新規ファンの開拓は難しいのではないだろうか?ということ。

去年公開した「スターウォーズ フォースの覚醒」ですらあれだけ盛り上がったにもかかわらず、見に行かない人たちも大いにいた背景には、やはり過去6作を見なければならないという宿題に手をつけるのが面倒だという理由がひとつあったりもしたわけで。

 

ちなみに、次のMCUは来年公開予定の「ドクターストレンジ」となっているわけですが、これまたニューヒーロー。で、今回ブラックパンサー登場して、次は「キャプテン・マーベル」なんてのも公開される。これだけ乱発したら飽きる人もいるのではないだろうか。

 

これまでレンタルビデオ屋に勤めていたときは、1人でも多くの人に見てほしいという思いから、それこそアメコミ特集なんか勝手に作って自作のPOPたくさん作って販促してたわけで。

友人や同僚、家族にいたるまでいろいろ布教活動してきたおかげで私の周りはずいぶんとマーベルファンが増えました。熱弁するのはラクですが、興味をわかせること、見ようと思わせること、しかもそれを今から12本!!!これは薦めるほうも見る方も大変です。

別に全部見なくてもいいわけでアベンジャーズだけでも2本見ればいいわけですから大したこと無いと思いますが、できることならエンドロール後のオマケもあることだしそういう意味で全ては繋がっているわけだから、結局全部見てほしい願望は強く。

 

 

他にも不安はある。

 

今回アメリカよりも1週間早く公開されるわけで。

向こうは大体サマーシーズンが5月からということでそれに合わせて大作は公開するわけですが、日本のサマーシーズン6月若しくは7月。だからいつも日本公開は遅いのであります。アベンジャーズは1も2も向こうは5月。こっちは7月でした。

でも!今回はまさかのGWにあわせての公開。これはきっと日本でも人気が定着したおかげだと勝手に思ってるわけですが。

そこはGW。特に公開日当日は各配給会社によるイチオシ期待作がひしめきあっていて、

1週間前にはディカプリオ主演のレヴェナント、今作と同じディズニーのズートピア、東宝はアイアムアヒーロー、翌週となる公開日同日にはワーナーのテラフォーマーズ、東宝はちはやふる下の句など競合作品のオンパレード!

 

もー、ワガママに自己中に言わせてもらえればGWはみんなシビルウォーだけ見て欲しいwwせめて週末2日間はこれ優先で。

タダでさえ映画全体の動員数が中国に抜かれてる今、ほんとヒットしないと公開日遅れるわ、キャスト来日しね〜わ、ロケも誘致できねーわ、と悪いことづくめ。

 

 

まーこんなクソまじめに考えなくてもディズニーがバカみたいに金かけて!ヘッタクソなタレント吹き替えに使ってっていう!いい加減違う宣伝できねーのかよ!って毎回思ってしまうんですが、がんばってくれると思います。

 

 

 

 

なんかだんだん独りよがりで薄っぺらい内容にになってしまいましたが、要するに今度のマーベル映画はスゲーお祭りなんだから躊躇しねーで予習してGWに映画館へ行こうよ!

というファンからのお願いでした。

 

もっと詳しくキャップとアイアンマンの対立までとか書こうと思いましたが、それはシビルウォーの感想のときにでも書こうかと。てかこのブログ下書きしてたらアメコミ映画に関してめちゃめちゃいい記事を@Sanyontamaさんが書かれていたのでそっちを是非読んでくださいwww

stohspaceg.hatenablog.jp

アメコミ気になるけどどれ見たら良いかわからない、どれとどれが一緒でどれとどれが違うの?そんな疑問を一気に解決してくれます。

 

 

さりげなく、私もおんなじようなの過去に書いてるのでそちらも是非ww

 

monkey1119.hatenablog.com

 

映画「ルーム ROOM」感想 評価 レビュー

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4月8日

ルーム/ROOM

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先週、まさかの一般試写会がダブるというハプニングに見舞われ、考えに考え抜いた結果なくなく公開日までお預けとなってしまったわけで。

 その分、この映画に対する期待は高まるばかり。

しかも、タイムリーな事に中学生を2年間監禁していた事件もあり、被害者の心情を知る上でも作品に対する関心が高まってるのでは、と思います。

というわけで早速見てまいりました。

 

 

 

あらすじ

施錠された狭い部屋に暮らす5歳の男の子ジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)と、母親ジョイ(ブリー・ラーソン)。

彼女はオールド・ニック(ショーン・ブリジャース)によって7年間も監禁されており、そこで生まれ育った息子にとっては、小さな部屋こそが世界の全てだった。

ある日ジョイは、オールド・ニックとの言い争いをきっかけに、この密室しか知らないジャックに外の世界を教えるため、そして自身の奪われた人生を取り戻すため、部屋からの脱出を決心する。(映画サイトより抜粋)

 


映画『ルーム』予告編

 

 

 

 

監督・キャスト

監督はレニー・アブラハムソン

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アイルランドはダブリン出身の監督さん。

監督デビューした長編作品が国内で高く評価され、その後手がけた作品も世界に絶賛されたようです。

ほとんどの作品が日本では未公開という中でようやく日本で公開された、風変わりな被り物をした男が務めるバンドに加入した青年との奇妙な交流を描いた「FRANK フランク」は映画ファンのなかでも評価の高い作品でした。

そして今作で、念願のアカデミー賞作品賞、監督賞などがノミネートされ話題の監督の一人として注目を浴びています。

 

 

 

FRANK フランク [DVD]

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 ジャンル的にはコメディ・・・ではないか。青春ものですかね。もう非凡な才能に嫉妬してしまいます。

 

音楽で成功を夢見ている青年ジョンは、ひょんなことから常に大きな被り物をした男をリーダーとするバンドに加入、音源製作の為バンドメンバーで合宿をすることになる。合宿は長引くものの、その型破りで誰も発想しない歌を作るフランクに惹かれていくジョンは映像をネットで流したことで話題となりフェスに招かれることになるのだが。

 

 

ずーっとお面をかぶっているのはマイケル・ファズベンダーというのがまずびっくり。んでもって楽曲がかっこいい。まるでジョンと同じようにフランクに惹かれた私です。世間とずれた感覚の持ち主になりたいなぁ、と思うこともありますが、これを見るとそんな人の心の奥にはすげぇ深い闇があんだな、と感じてしまう。やはり自分は自分でしかないし、こういう人たちとは世界が違うんだなと痛感させられました。

それでも、作品自体は音楽も素晴らしくコメディ要素もたっぷりなので、特にUKロック好きには見てもらいたい作品です。

 

 

 

 

 

主演のママ/ジョイを演じるのはブリー・ラーソン。

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まだ知名度の低い女優さんだと思いますがそれもそのはず。

キャリアとしてはTVドラマ中心の活躍。音楽活動なんかもやっていたそうですが、特に目立ったものもない。

徐々に映画にも出演するようになり、馬鹿なマッチョと頭のいいデブが互いの長所を生かし高校へ潜入捜査をしながら事件を解決する超おバカなアクションコメディ「21ジャンプストリート」や、

仕事も女にも困らないのにポルノ中毒な男が、見た目とは裏腹な純粋な乙女と年上で包容力のある女性に出会うことで変化が生まれたジョセフ・ゴードン=レヴィット主演・監督作「ドン・ジョン」などを経て、

青少年向け保護施設で働き、施設のメンバーや子供たちから信頼のある女性が、誰にも言えない心の傷と対峙していくヒューマンドラマ「ショート・ターム」に主演したことでインディペンデント作品ながら、あらゆる賞を受賞し、知名度が上昇。

そして今作で念願のアカデミー賞主演女優賞を受賞し、今後のキャリアが非常に楽しみな女優になりました。

 

 

 

 

ショート・ターム [Blu-ray]

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 ロッテントマトで高評価という宣伝に乗せられ見に行った作品。彼女がすごく輝いています。

 

虐待などで親と暮らせなくなった子供たちを一時的に預かる養護施設。ケアマネージャーのリーダー的存在であるグレイスは、同僚や子供たちから信頼されているが、彼女には恋人にも打ち明けることのできない大きな闇を心に抱えていた。そんな重荷を抱えたまま仕事をに明け暮れる彼女は、ある少女を受け持つことに。誰とも馴染まず施設を転々としてきた彼女と向き合うことで、グレイスは次第に自らのつらい過去と対峙していくのだが・・・。

 

目の前の子供たちがこんなに苦しんでいるのに決して弱っている自分など見せず、むしろそれでも前を向いて進もうとしている子供たちを見て励まされている彼女にエールを送りたくなる、そんな作品です。最初と最後のシーンが非常に印象的です。

 

 

 

 

 

そして、息子のジャックを演じるのがジェイコブ・トレンブレイ。

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5歳から映画やTVで活躍するようになり、「スマーフ2アイドル救出大作戦」での出演から注目を浴びたそうです。その後もTVドラマに出演し天才子役と称され今作に至ったそうです。

今後も注目作が控えているので成長とともに新作のほうにも期待したいですね。とりあえず、マコーレーカルキンみたいにはなるなよっ!!

 

 

他にもばあば役にボーンシリーズでのパメラ・ランディ役でおなじみのジョアン・アレン、じいじ役に去年話題になった「君が生きた証」で監督デビューも果たしたウィリアム・H・メイシー、監禁する男オールド・ニック役にショーン・ブリジャーズが出演しています。

 

 

 

 

 

そんな、新進気鋭の監督インディーズ上がりの女優が魅せる、部屋から抜け出した親子に待ち受けるものとは!

 

ここから感想です!






ドキュンズキュンと胸打つ、親子の苦難を乗り越えた物語!

以下、核心に触れずネタバレします。









ジャック目線で描かれた世界

まず、驚いたのは冒頭からほとんどジャックが見る世界で描かれていることでした。
見上げる天窓、少し高い洗面台、真夜中のクローゼット。
そんな風に見せてくれたおかげで、ある意味童心に帰れた気がします。
そして、ジャックの名付けた家財道具や卵の殻で作ったオモチャに親しみを込めたネーミング、空想上のペットの存在。
彼が生まれて今まで見慣れた六畳一間の世界に、ものの10分で入り込むことのできた脚本も見事でした。

そんなジャックとママの住む部屋は、納屋を改築したもので劣悪な環境でした。
簡易式のオーブンしかないキッチンのすぐ横に浴槽、その隣にフタのないトイレ。あとは折りたたみのテーブルにベッドとクローゼット。
食材や必要なものは日曜の差し入れのみ。
よくこんな環境でジャックを育てたかと思うとゾッとします。
母は強し、と言いますが言葉以上のものがあります。

ジャックにとってはそれが日常で世界であると同時にママを含めた我々大人たちは、監禁生活の背景や置かれたママの辛さも感じてしまう序盤でありました。


今いる場所が当たり前だと思っていたジャックに試練が訪れます。
壁の向こう側は宇宙ではなく世界だとママから打ち明けられます。
空は大きく、テレビの中の人たちはホンモノで、犬もネコも実在する生き物で私たち以外にも人間がいる、
今までウソだと言われていたことが実はホンモノだと聞かされたジャックは拒絶し喚き激昂します。
聞き分けのないクソガキがっ!とも思いましたが、ジャックの立場になったらそりゃあ正しい反抗だし仕方のないことだよなぁ、と。

そして、今まで住んでいた世界から脱出するわけですが、ここが素晴らしかった!
この物語のピークは正にこの中盤のジャックの一連の行動だったと思います。

あまりにも広い世界にジャックの視界がぼやけているんです。今まで狭い部屋の中だったから近くを見るだけでよかった視力が追いついてないわけです。
この時のジャックの表情や見開いた目、行動などがすごくリアルです。
そして特によかったのが音楽!監督の前作での音楽センスがいかされた、ジャックの初めて見るもの触れるもの心の動きなどを表現した完璧なBGM。
このシーンは非常に印象的でした。

その後の内容は伏せますが、後半もジャック目線で映し出されているシーンがたくさんあるので、是非冒頭からジャックの気持ちで見ると感動度が増すかと思います。




演技も素晴らしかった

アカデミー賞主演女優賞?どれどれ、どんなものだい?
と上から目線でじっくり見ていたわけですが、ブリーラーソンもジェイコブくんもまー素晴らしかった!うまい!うますぎるよ!
ブリーラーソンはショートタームの時以上のものがあって、監禁生活の時なんか表情が鬱ギリギリの状態でなんとか子育てできてる感じを見事に醸し出していて。若干の肌荒れやむくみもすごくリアル。
ジャックに説教したり、オールドニックに怒ってる顔なんか鬼気迫るものがあって。
因みにこの時の顔がアップ過ぎてジェラルドバトラーに見えてしまったんですが、同意見の人いませんか?ww

後半でも、ママに襲いかかってくる色々な重圧を前半以上の苦しそうな表情、そしてキレっぷりもさすがでした。


でもってジェイコブくん。
超名子役です!!
君はホントは何歳なんだい!?
前半は純粋で好奇心旺盛でわがままでウザいくらい5歳児を演じていたくせに、後半なんか子リスみたいに縮こまって、あらゆるものに怯えた子供が徐々に受け入れていくとこなんか秀逸で、
子供のクセに子供演じてんだよ!まあースゲー!!
何言ってるかわかんなくなってきた。

やはりジャック目線で見てたとあって、心を揺さぶられたシーンの全部は彼によるもので、ひいき目になってしまうけど誰が見てもこのガキすげーな!って感じると思います。


で、ほとんど出演してませんでしたが、ジィジ演じるウィリアムHメイシーの食卓のシーンにも拍手を送りたいです。タダでさえ情けない顔してる彼の、そう思ってしまって当然だよな、って演技。
あれだけで物語ってしまう被害者家族の心情。すごく自然で同情してしまいます。
これしか見せ場がなかったのももったいなかったですが、名脇役ならではの演技でした。




醜くも美しい世界

誰だって初めて足を踏み入れる世界は、普段住み慣れた環境と違い、不安で恐怖があり勇気のいる場所で、尚且つ閉塞感漂う現代な故うまく溶け込むにも時間のかかるわけで。

そんな世界だとしてもこの映画はジャックを通じて初めて触れる世界に対して、厳しさもあるけれどそれを乗り越えればそれはそれは美しい世界だと教えてくれる気がします。そのおかげで彼は広過ぎて時間が足りないと嘆くのですが、すごく心に残ったセリフのひとつでもありました。

逆にママの立場から言えば、失った7年間を取り戻すのは容易ではなく、卑屈になったりあまりにも一方的な意見で突きつけられる風当たりの強い現実に縮こまってしまうこともあって。

色んな人がいて色んなことがあっての世界も見せています。それはそれで残酷だけど、ひとたびそんな世界に入ればそんなことあるんだよ、と。

この対比が今のこの世界を表現しているようで後半は前半と違い考えさせられるものがありました。






職場の同僚にアニメの好きな女性がいるのですが、高校卒業してからずっと今の職場で働いています。
色んな映画だったりスポーツだったり遊びだったり、それきっかけで見ず知らずの人と仲良くなった話をしたりして、今度機会があったらチャレンジしてみたら?とプレゼンするも、返ってくる答えは、

アタシ人間ダメなんで。

彼女もまた、部屋の中の世界しか知らなかったジャックと同じように、壁の向こう側を知らない、知りたくないと閉じこもっています。
きっと向こう側には不安と恐怖しかない、と思っているのかもしれません。

ひとまわりも下の若い子がこれからまだまだ可能性があるにもかかわらず、現実逃避してしまってることが非常に悲しい、といつもこの返答を聞くと感じてしまいます。


自分もそんな大それたこと言えるほど世界を知ってる立場ではありませんし、余計なお世話かもしれないけれど、遊びだろうが仕事だろうが新しい世界を感じて欲しいなといつも思ってしまいます。






劇中でも、扉は目の前にあるのに誰かが開けるのを待っているの?と不思議の国のアリスの本のセリフがピックアップされます。
縮こまっている我々に問いかけているようにも感じ取れる、これまた印象的なセリフでした。






というわけで久々の良作を見れた気がしました。
扱っている内容はあってはならないことですが、ある種ファンタジーで、親子の絆も描いていて、メッセージ性のある素晴らしい作品だったと思います。


満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10

映画「ボーダーライン」感想 評価 レビュー

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4月9日

ボーダーライン

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これさぁ、劇場数少なすぎでしょー。角川配給だから仕方ないかぁ・・・。

 そもそもそこまでお客さん入るような映画でもねぇか。

とはいえ、ヴィルヌーヴ監督の新作であります。確実に重い話だから覚悟して見に行って参りました。

 

 

 

あらすじ

エリートFBI捜査官のケイト(エミリー・ブラント)は、肥大化するメキシコ麻薬カルテルを潰すためにアメリカ国防総省特別部隊に選抜される。特別捜査官(ジョシュ・ブローリン)に召集された彼女は、アメリカとメキシコの国境付近を拠点とする麻薬組織ソノラカルテル撲滅のための極秘任務に、あるコロンビア人(ベニチオ・デル・トロ)と共にあたることに。

しかしその任務は、仲間の動きさえも掴めない通常では考えられないような任務であった。

人の命が簡単に奪われるような状況下に置かれ、麻薬カルテル撲滅という大義のもとどこまで踏み込んでいいのか、法が機能しないような世界で合法的な手段だけで悪を制せるのかと、善悪の境が揺さぶられるケイト。

そして巨悪を追えば追うほどその闇は深まっていく……。(映画サイトより抜粋)

 


『ボーダーライン』予告

 

 

 

 

 

 

監督・キャスト

監督はこの10年で確実にサスペンス映画というジャンルでにその名を知らしめたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。

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カナダ出身の監督で、98年に製作した作品「August 32nd on Earth」や、2作目にあたる「」が世界中の映画祭で上映されたことで評判となり、続いて製作された作品で、亡くなった母の遺言を頼りに父と兄を探す旅に出た双子の姉弟が、やがて母の壮絶な運命に立ち向かう姿を知ることになっていくヒューマンミステリー「灼熱の魂」がアカデミー賞外国語映画賞にノミネート

その高い評価の中作られた次作で、アメリカの田舎町で起きた少女誘拐事件の捜索の中、冷静に事件を追う刑事と、一刻も早くわが娘を探し出そうと暴走していく父親の姿を対照的且つスリリングに描いたサスペンス映画「プリズナーズ」、

監督の作品に続けて出演することになったジェイク・ギレンホールが瓜二つの男を熱演し、やがてその男の存在を危険視していく難解なサスペンスミステリー「複製された男」などがあります。

待機作としてエイミーアダムスジェレミーレナー主演の作品、そして、ハリソンフォードライアンゴズリング主演であのSF映画の金字塔ブレードランナー」の続編の企画に取り組んでいるとのこと。

 

 

 

 

灼熱の魂 [DVD]

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 これは絶対ネタバレしてはいけない!この衝撃は思わず「えっ!?」と声を上げてしまいます。

 

中東系のカナダ人女性が遺体で発見された。遺された双子の姉弟は彼女からの遺言を聞かされる。それは、父と兄を探し出し手紙を渡してほしいということ。とっくに死んでいた父がいたことはおろか、知らなかった兄の存在に困惑する2人だが遺言に従い父と兄を探しに母の祖国へと旅立つ。衝撃の事実が待っているとも知らずに・・・。

 

双子の姉弟と家族探しと母の壮絶な人生という過去と現在を織り交ぜて進んでいく展開で、中東での宗教対立に巻き込まれた母に訪れる悲惨な過去、そして姉弟がたどり着いた旅の果てに知った答えに魂が震えます。おそらくほとんどの人が弟と同じリアクションします。監督の作品の中では一番好きな作品です。

 

 

 

 

 

主演のFBI捜査官・ケイトを演じるのはエミリー・ブラント。

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たまぁに死んだ目をしてるなぁと思うときもありますが、やっぱり美人さんです。

 

キャリアスタートは「ロミオとジュリエット」の舞台。そこから映画へと進出し、

ひょんなことからファッション雑誌で編集長の秘書として働くことになった女性が鬼上司に振り回されながらも恋に仕事に奮闘する姿と、そのセレブリティなファッションを取り入れたことによって世界中の女性があこがれた映画「プラダを着た悪魔」でヒロインの同僚役に抜擢。

その後も、イギリスのヴィクトリア女王が政争やスキャンダルに巻き込まれながらも夫との絆を深め苦難を乗り越えていった若き日を描いた歴史ドラマ「ヴィクトリア女王 世紀の愛」ではゴールデングローブ賞にノミネート、

殺し屋の標的が30年後の自分という斬新な設定と内容に絶賛されたSFアクション「LOOPER /ルーパー」でも同賞にノミネート、 

エイリアンの襲撃を受ける中、死んでは戻りのタイムループに巻き込まれた兵士がその能力によって戦いへの活路を見出していくSFバトル「オール・ユー・ニード・イズ・キル」ではトム・クルーズと共演、

そして去年はシンデレラやラプンツェル、赤ずきんやジャックとまめの木などのおとぎ話のその後を描いたディズニーのミュージカル映画「イントゥ・ザ・ウッズ」ではその歌声を披露し話題となりました。

 

その流れではないと思いますが、次作には白雪姫をエンタメアクションに仕上げた続編「スノーホワイト 氷の女王」で女王の妹役を演じます。

 

 

 

 

アジャストメント [Blu-ray]

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 ルーパーといい、オールユーニードイズキルといい、この映画といい、エミリーはなぜか時をまたぐ作品が多いです。

 

将来有望な若手政治家デヴィッドはある日、美しい女性に惹かれ深い仲に。しかし、デヴィッドは運命調整局・アジャストメントビューローという決められた運命に逆らわないように調整を行う謎の組織に拉致され、その女性と会えないよう強引に画策されるのだが・・・。

 

いろいろとツッコミどころ満載な話ではありますが、決められた運命から逃れるべく奔走するマットはボーンシリーズまでとは言いませんが、がむしゃらに走ってます。SFではありますがロマンスの強い作品です。SFと聞いて避けてしまう女性でも全然楽しめると思います。

 

 

 

 

そのヒロインを固めるオジ様2人、コロンビア人の元検察官・アレハンドロ役に「21グラム」や「チェ 28歳の革命」「チェ 39歳 別れの手紙」などで素晴らしい演技を見せたベニチオ・デル・トロ

作戦の指揮を執る特別捜査官・クレイヴァー役に、「ノーカントリー」や「トゥルーグリット」といったコーエン兄弟監督作品に縁があり、去年の「インヒアレント・ヴァイス」での片言の日本語が印象的だったジョシュ・ブローリンがヒロインを支えます。

 

 

 

 

そんなサスペンス映画界の新鋭が女性を主人公に描いた、麻薬組織と警察との無法地帯で待ち受ける衝撃の事実とは!?

では感想です!!

 

 

 





相変わらず胸クソ悪い!そして邦題は無視しろ!

以下、核心に触れずネタバレします。













わかってたけど重いし暗い。

さすがヴィルヌーヴ監督。色んな後味悪い重苦し〜い作品で観衆にため息つかせますが、今回も重かった。
話が重いのでなく描写が重かった。
そうさせるような音楽が重かった。
心拍数を上げるような低い打ち込み音とハンスジマーのニセモノみたいな低い弦楽器のBGM。
全編通して内容も描写も音楽も演出も全てが地を這うような低空飛行で進んでいきます。


上映開始1、2分で既に不快です。
おえ〜〜って。
敵のアジトに踏み込んで制圧。でも、銃撃で空いた壁の穴から…わーお、勘弁してよ!!
 もーホラーだよ!!

こんな冒頭からはじまり最初から最後まで緊迫した内容に見終わってから、エンドロール中の肩の力が抜けた感じはすごかった。
最近こういう疲れる映画見てなかったかもしれません。

イヤな感じで書いてるようですが、そんなことありません。監督の作品の中では見やすい方だったと思います。
重さで言えば、灼熱の魂の方が衝撃度もあって遥かに重く感じたし、プリズナーズの方がジメジメしてたのとポールダノのボコられ描写の方が遥かにグロかったし。
これに比べれば何てことはないです。演出や音楽がこっちの方がうまかっただけのこと。

逆に言えば、拷問シーンを筆頭としたもっと映せないグロいシーンを映さねーでどうすんだ?という疑問もありました。
これだけ重苦しい描写なのにそこの一線は越えなかったのにはレーティングの問題でもあったのでしょうか。
それでも、シャットアウトして何も見せないのではなく音だけはそのままに、映像は違う部分で、という具合に想像を掻き立たたせてる演出は良かったと思います。




真の主役はデル・トロ!

すっかり女戦士が板についてきたエミリーでしたが、はっきり言ってエミリー必要でしたか?
この話彼女いなくても成立しちゃうし、百歩譲ってワキにおいた方がオジサン2人が際立つんじゃないか?
というのが率直な感想です。

曲がったことがだいきらい〜エミリーブラントですっ♩
と歌ってもいいほど純粋無垢で清廉潔白な正義感あふれる主人公なわけですが、存在感が弱すぎる。
彼女はほぼ何もしてない。
じゃあ何故作戦に参加させられたかってのは終盤明らかになるので仕方ないとして、もっと何かできなかったのか。
もっとオジサン2人のやることなすことに抵抗しなければ、正義と悪の比率がアンバランスになってしまう。
これに関してはそういう話じゃねーんだよ!とも思ってしまいますが。

ただ苦悩して葛藤して声に出しだとしても行動を実行できない。
実行したとしてもなす術がない。
まっすぐな正義は一線を超えた必要悪に太刀打ちすらできないのか。
そんな役回りをさせられた気がします。
非常に歯痒い役柄でしたね。

それもこれも邦題が悪いんですけどね!

そんなエミリーに不満タラタラな分、オジサン2人が最高に良かった!
特にデルトロは登場するや否やザッツハードボイルドな雰囲気で、確実にこいつ悪そうだなぁというオーラを軽くイッてる目つきと手入れをしてないヒゲとメタボな体から放ち、
蓋を開けてみれば美味しいとこ全部持っていく。

容疑者を捕らえ尋問する際の超近距離で威圧する立ち姿もおっかなかったし、
特に後半は彼の情け容赦ない非道っぷりが冴え渡り、悪を滅ぼすには悪で立ち向かうしかないというこの映画の本質を見事にやってのけている姿にただただ魅了されます。

ジョシュもまた真実をエミリーに語らずうやむやにするいい加減さと胡散臭い笑顔がお上手で。
急にマジな顔になるギャップもまた男らしいなと。







演出や演技、撮影、音楽など非常に良かったと思いましたが、内容に関してはイマイチのれなかった作品でした。

どうしても主人公の色が弱すぎたのが先行してしまい色んな解釈を逃してしまった気がします。

これはレンタルでもう一度見るのが得策なのかな。

続編どうやってつくるんだこれ?


満足度 ☆☆☆☆★★★★★★4/10


映画「スポットライト 世紀のスクープ」感想 評価 レビュー

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4月15日

スポットライト 世紀のスクープ

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待ちに待った今年のアカデミー賞作品賞に輝いた作品の公開です。

 渋い役者の中に、オレのレイチェル!!ぐわぁぁぁたまらん!

りゅうちぇるじゃねーぞ、レイチェルだ。

・・・取り乱しましたが、役者ももちろんのこと、内容も非常に楽しみにしております。では、早速見てまいりました。

 

 

 

あらすじ

 

2001年の夏、ボストン・グローブ紙に新しい編集局長のマーティ・バロン(リーヴ・シュレイバー)が着任する。マイアミからやってきたアウトサイダーのバロンは、地元出身の誰もがタブー視するカトリック教会の権威にひるまず、ある神父による性的虐待事件を詳しく掘り下げる方針を打ち出す。

その担当を命じられたのは、独自の極秘調査に基づく特集記事欄《スポットライト》を手がける4人の記者たち。デスクのウォルター"ロビー"ロビンソン(マイケル・キートン)をリーダーとするチームは、事件の被害者や弁護士らへの地道な取材を積み重ね、大勢の神父が同様の罪を犯しているおぞましい実態と、その背後に教会の隠蔽システムが存在する疑惑を探り当てる。

やがて9.11同時多発テロ発生による一時中断を余儀なくされながらも、チームは一丸となって教会の罪を暴くために闘い続けるのだった・・・。(HPより抜粋)

 


Spotlight Official Trailer #1 (2015) - Mark Ruffalo, Michael Keaton Movie HD

 

 

 

 

 

 

 

監督・キャスト

監督はトム・マッカーシー

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ごめんなさい、どなたか存じません・・・。はい、知らないときはネットで検索です。

 

90年代にショービジネスでキャリアをスタートしたそうで、監督と脚本を手がけた「The Station Agent」が高評価、

その後手掛けた作品、9.11以降厳しい措置で移民政策してきたアメリカを背景に、心をと閉ざした大学教授とジャンベというアフリカンドラムを演奏する移民の青年との心の交流を描いたヒューマンドラマ「扉をたたく人」が話題に。

その後もコンスタントに作品を作りながら、役者としてもたくさん作品に出演しています。

最近では、突如地球を襲ってきたなつかしのゲームキャラたちをゲームオタクのおっさんたちが迎え撃つことで話題となった「ピクセル」に出演していたそうです。どこに!?

脚本も定評があるそうで、ディズニーアニメ「カールじいさんの空飛ぶ家」も手掛けているそうで、なんとも多彩なお方です。

 

 

 

 

 

主演がイマイチ誰かわからないので有名順で。

行動力抜群の熱血記者、マイク・レゼンデス役にマーク・ラファロ

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一言で言えば、もじゃ男。濃い。ハルク。いや失礼しました。

 

9年間バーデンダーをしていた後、「ユー・キャン・カウント・オブ・ミー」に出演したことで注目を浴び、その後、

謎の犯人により引き起こされた連続殺人事件をそれぞれの立場から真相を追い、事件を追及するあまりやがて運命を狂わされていく男たちを描いた奇才デヴィッド・フィンチャー監督作品「ゾディアック」、

匿名の精子提供により子を宿したレズビアンカップルと、やがて成長したことで父親の存在が気になる子供たちの複雑な人間関係をコミカルに描いた「キッズ・オールナイト」などシリアスからコミカルなものまでこなし、

マーベルコミックのキャラクターたちが勢ぞろいしたアクション大作「アベンジャーズ」では、単体作品で演じていたエドワード・ノートンに代わってハルク/ブルース・バナー役として出演するなど娯楽作品にも積極的に出演してます。

 

 

 

フォックスキャッチャー Blu-ray

フォックスキャッチャー Blu-ray

 

 はじまりのうたを紹介してもよかったんですが、マークがすごいのはこっちかな、と。

 

レスリングでロス五輪金メダルを獲得したにもかかわらず、マイナー競技から苦しい生活を余儀なくされているマークは、大財閥デュポンの御曹司から彼のチーム「フォックスキャッチャー」に誘われ、その素晴らしい環境にようやくトレーニングに集中できると思っていたが・・・。

 

 終始重い空気、張り詰める緊張感、そして、御曹司の怪しく不気味な佇まい。サスペンスの基本をすべてクリアしたつくりとチャニング・テイタムと兄演じるマーク・ラファロのガチレスリング!もまた魅力のひとつであり、成功を求めるあまり訪れた代償、その悲劇は非常にリアルだと感じました。良作です。

 

 

 

 

ボストンの街をこよなく愛すスポットライトチームのリーダー、ウォルター“ロビー”ロビンソン役にマイケル・キートン

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この歳になってようやく役者として輝いてきた、堕ちて這い上がってきたバードマン!

 

もともとはスタンダップコメディアンとしてスタート。裏方の仕事もこなしながらコメディ番組に出演したことで知名度が上がり、ティム・バートン監督の「ビートル・シューズ」でブレイク。その後、

DCコミックの人気キャラクターを同じくティム・バートン監督とタッグを組み作り上げた「バットマン」「バットマンリターンズ」にてブルース・ウェイン/バットマン役を演じ人気を不動のものに。

しかし監督降板とともに自身もバットマンを降りたものの、その後作品を選んでいたのか目立った作品はなく。

ようやく目にしたのは、せっかくリメイクしたもののパッとしなかった「ロボコップ」でのオムニコープ社のCEO・レイモンド役。これにしっかりインパクトを残した後、

己の役者人生をそのまま描いてるとも例えられ世界中で絶賛され、落ち目の映画俳優がブロードウェイでの再起を賭けた模様をアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督が作り上げ、ほぼ前編1カットという撮影方法で描いた「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」であらゆる賞を総ナメ。まさに本物の羽を手に入れました。

 

そんな彼の再起作の感想です。宜しければどうぞ。

 

monkey1119.hatenablog.com

 

 

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) [Blu-ray]

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そして!チームの紅一点サーシャファイファー役にオレの!!レイチェル・マクアダムス!!

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私の師匠が言いました。この女はいっつもおんなじ役ばっかりだ!

その通り!!どの役も一緒だ!だからなんだ!かわいいんだから許してくれやっ!!キュートでガーリーな役こそ彼女にしかできないんだ!!いや、その役が彼女そのものなんだ!!そうだろっ!レイチェル!

・・・モンキー暴走してました。女に飢えてるからかな・・・。

はい、そんなキュートでガーリーなレイチェルももう37歳。そろそろ本格的な役者になるべく今作に出演した気がしないでもない。でも、この作品でアカデミー賞助演女優賞にノミネートしたことはそっち路線でも今後問題ないってお墨付きをもらえたと思ってよいのではないでしょうか。

 

運命的な恋に落ちながらも引き裂かれてしまった男女の、時を経た永遠の愛をロマンティックに描いた女子必見の映画「きみに読む物語」でブレイク後、

自分の意思関係なく時間軸移動してしまう男と彼を愛してしまった女の、バラバラな時間軸に翻弄されながらも絆と愛を深めていくSFラブストーリー「きみがぼくを見つけた日」、

交通事故で夫のことを忘れてしまった妻と、記憶と自分への思いをを取り戻そうと必死で尽くす夫の姿を描いた「君への誓い」、

低視聴率で打ち切り寸前のモーニング・ショーに抜擢された女プロデューサーが、頑固でプライドの高いニュースキャスターとの衝突を筆頭に仕事に恋に奮闘する様を描いたロマンスコメディ「恋とニュースのつくり方」、

そして最近は、タイムスリップできる家系の男が意中の女性をモノにすべく悪戦苦闘しながら、やがて人生の何たるかを知っていくSFラブコメの傑作「アバウト・タイム ~いとおしい時間について~」というように、

師匠の言うとおりほぼそっくりな役柄ですwww

 

最近桐谷美玲がレイチェルと同じ事やってる気がして腹が立ってます。

そんなことはどうでもいいとして、どの作品もかわいいレイチェルがみられます。

 

恋とニュースのつくり方 ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]

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 恋に仕事に頑張る女性におススメな1本です!!

 

 

 

 

 

 

他にも、新任の編集局長マーティ・バロン役に「スクリーム」「ウルヴァリンX-MEN ZERO」のリーヴ・シュレイヴァー、ベテラン部長ベン・ブラッドリーJr.役に「アイアンマン2」「アントマン」でトニースークの父ハワード役を務めたジョン・スラッテリーが演じています。

 

 

 

 

 

こんなキャストで作られた、巨大権力とされるカトリック教会の大罪の真相をどう暴いていくのか、そして、この映画を見て我々はどう感じるのか。

では、これより感想です。

 









もうこの新聞の読者になった気分。

以下、核心に触れずネタバレします。










pray(祈り)ではなくplay(餌食)

時は2001年、丁度911テロのあった年。メディアはインターネットの普及により情報化社会の加速が上がっていき、ボストングローブ紙もまた時代の変化に追われる立場となっていました。

そんな矢先、新たに編集局長としてフロリダから就任したユダヤ人でありボストン出身ではないバロンは、神父による性的虐待の訴訟が起きたにもかかわらず示談なになったという小さな記事に疑問を抱き着目し、地元の人間ばかりで構成されたスポットライトチームに取材を要請するところから物語は始まります。

なぜ今さらこんな隅っこに書かれた記事を掘り下げるのか?きっと部外者だからだ、そんな半信半疑で取材は進んでいきます。
しかし、聖職者による性的虐待被害者の会・通称SNAPの一員からの生々しくヒートアップした証言を聞くことで、カトリック教会の信じがたい実態の根深さ、大きさに気づいていきます。

見ていた自分自身も、冒頭こそボケーっと見ていたわけですが、やはりこのシーンの彼の熱弁と小見出しにしたイヤな韻の踏み方による例え、被害者達を生存者と言い放つ言葉の意味、
そして何より過去に沢山のサインを出していたのに気づいたの今かよ!?ざけんなよ!!という悲痛な叫びに、記者たち同様胸を打たれ、ふんぞり返って見ていた体を起こし、ふわふわしていた頭の中をシャキッとさせたくらい印象的なシーンでした。

そして、取材を進めていくうちにボストンでの神父たちによる性的虐待は氷山の一角に過ぎず、バチカンにまで広がりカトリック教会というバカでかい組織ぐるみの隠蔽だというところまでたどり着いていくわけですが。



ボストンといえば、ジョニーデップ主演のブラックスキャンダルでも描かれていたようにアイルランド系の移民が多く、カトリックが根付いているようで、しかも熱心に教会へ通うのは貧困層を中心とした人たちだそうです。
記者達も関心を持たなかったのは、ボストンの内側にいたから、自分含め周りの人たちもカトリック信者で、常に当たり前のようにそこにあったからであって、外部から来た編集局長のようでないと気づかなかった事件だったのでしょう。


そんな多くの信者たちが生活するボストンという街で、善悪の区別もつかず、神様は絶対なんだという信仰心に漬け込んだ子供達に対する神父のあるまじき行為。
これを拒めば、神様を否定することだと言いくるめられ、家族も訴えたところで示談金をもらい神父は異動することで蔑ろにされ、当事者は大人になってもその恥ずべき行為を打ち明けることもできないまま引きずっていく。
しかも、組織はあまりにも大きく警察、弁護士、裁判所などあらゆる法に携わるものを抑えつける力を持っていて簡単に太刀打ちなどできない環境。

これを劇中、取材していくシーンの中で明らかになっていくわけですが、被害者たちは落ち着きがなかったり、腕に注射の跡があったりと確実に精神的ダメージは大きく、その姿と話に呆然としました。





非常に地味な会話劇

社会派の作品を見たことある人には想像つくかと思いますが、この映画にエンタメ性など皆無であり、話は淡々と進んでいきます。
とにかく1シーンが短く、外で取材、会議、外で取材、疲労、外で取材という具合にドラマチックな場面もないまま展開していきます。
ただ、事件の真相に近づくにつれ、アクティブになっていく記者たちの行動や次に繋がっていくヒント、進展があったにもかかわらず立ち止まらざるをえない状況に、見てるこっちはもっと知りたいという欲求にかられ前のめりになるほど夢中になります。

そんな中でも役者達のシブい演技は魅力的でマークラファロ演じるマイクに至っては、積極的な姿勢で声を荒げる素振りも見せるほど熱意溢れる演技でした。
マイケルキートン演じるロビーもスポットライトのリーダーとして感情を抑え目力で訴える演技も貫禄のあるものでした。
リーヴシュレイバー演じる編集局長のバロンもまた、いつもならガルルルな感じの牙むき出しなワイルドなイメージを消し、落ち着いた表情と冷静な眼差しで見守る編集局長を演じていて好感を持てました。
ただ、レイチェルマクアダムス演じるサーシャは、これでアカデミー賞助演女優賞ノミネート?と疑問にも感じましたが、紅一点として被害者たちに真摯な態度で顔色変えずに取材に取り組む姿は見どころのひとつなのかな、と。
てか、個人的にはそこにいるだけでいいんですwwひとつ気になったのはレイチェルのヒジのシワが…あぁ、おばちゃん化してるよ…でも、その肘のたるみもまた愛おしい…


みんなみんな実在した人物を演じているので、モデルになった記者たちがわかればどれだけ彼らに寄せた役作りだったかわかると思いますが、そこは第一線で活躍する人達なので気にすることもないかと。



記者たち頑張れ!

ネット社会の現在、日々飛び交うように溢れるニュース。気がつけば、そういえばあの事件どうなった?と思うことが増えていきました。
こんな事件がありました、あってはならないことだ、私はこう思う、でもこういう意見もある、しかも、それを芸能人がしゃべるなんて情報番組ばかり。
事実と個人の意見で終わることが増え、そこに追求する間もなく埋もれ次のニュースへ流されていくという繰り返し。
今作のように一つの事件に特化して掘り下げていくニュースは非常に貴重だと思います。おかげでもっと詳しく知りたくなった。
しかも、その裏側ではたった4人でクソでかい組織に喧嘩売って、その喧嘩に勝ったわけですから。
すごく時間と労力のかかるものだけど、記者として働く人たちには是非これを見てもっと我々に知らせてほしいなと今回この作品を見て感じました。
マイクの言う、記事にしない場合の責任は誰が取るの?というセリフ。
これに尽きると思います。
我々もこんな深く掘り下げたニュースを見れば、知らないだけで言い逃れできなくなると思うし。

アカデミー賞をとれた要因もこんな理由がひとつとしてあるのかなとも感じました。



事実に基づいた話を題材にした映画でのエンドロールでのおきまりの後日談。その最後に流れるものは、4人から始まった取材がここまで影響を及ぼし明るみになった結果が記されています。
上映時間が長かったからといって、すぐ席を立たず、その記されたものを見てこの事件の規模を感じてみてはいかがでしょうか。







非常に面白いです。説明も多く、地味で疲れると感じる方もいるかと思いますが、そこは、役者たちが魅せてくれます。きっとのめり込むと思います。これを映画と捉えるかどうかは別として、この事件を知るきっかけだけでも味わうだけで一見の価値はあると思います。


満足度 ☆☆☆☆☆☆☆★★★ 7/10

映画「レヴェナント 蘇えりし者」感想 評価 レビュー

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4月22日 

レヴェナント 蘇えりし者

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今年は20世紀FOXさん調子いいっすねー!!オデッセイに始まりこれでしょ?でもってインデペンデンスデイX-MEN新作がある。おーっと!デッドプールを忘れてた!!いやはや、頼もしいです。はい。

 そして何よりデカプーよ、オスカーおめでとう!!!いつかは取れると信じていたけど、そんな遠い先の未来じゃなかったね。もっとおっさんになってからの受賞だと思ってたからね。

そんなことより去年のバードマンに引き続き日本公開が遅いっ!!

もっと早くみせてぇやぁ・・・。レオ様の新作だぞ?

とまぁ愚痴はおいといて早速見てまいりました。

 

 

 

 

あらすじ

 

1823年、西部開拓時代のアメリカ北西部、極寒の荒野の中、狩猟をして毛皮を採取するハンターチームはネイティブアメリカンの一団に襲われ多大な犠牲にあいながら命からがら船で川を下る。

チームのひとり、ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)はネイティブアメリカンの妻との間にできた息子、ホークとともにガイドとして同行していた。船を捨て山越えルートを選んだチームは森で野営する。

翌早朝、グラスは見回り中に子連れの熊に襲われ、瀕死の重傷を負う。急ごしらえの担架でグラスを運ぶが山越えには足手まといであること、瀕死でもあることから、隊長のアンドリュー・ヘンリー(ドーナル・グリーソン)が死ぬまで見届け埋葬する者を募ると、ホーク(フォレスト・グッドラック)とジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)、若いジム・ブリッジャー(ウィル・ポールター)が残ることになった。

ジョンは2人がいない時にグラスを殺そうとするところをホークに見つかり銃を向けられるが、返り討ちにし殺してしまう。ジョンはジムを騙しグラスに軽く土をかけただけでその場を離れる。

一部始終を見ていたが動けないグラスは奇跡的に一命をとりとめ、折れた足を引きずり這いながらジョンを追う。(Wikipediaより抜粋)

 


ディカプリオ主演『レヴェナント:蘇えりし者』予告編

 

 

 

 

 

 

監督・キャスト

監督は去年に引き続きアカデミー賞監督賞を受賞したアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督。

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1回覚えたら声に出していいたい監督の名前ナンバー1だと思います。だってイニャリトゥですよ?いにゃりとぅー!!母音だけでも普段なかなか使わないですもの。

 

名前聞いてなんとなくわかるかと思いますが、メキシコの方です。

ラジオのDJ、テレビやコンサートのディレクターなどを経て、

ひとつの交通事故を起点としたさまざまな人間模様と切なくも激しい愛の物語をオムニバス形式で描き、メキシコが生んだスター、ガエル・ガルシア・ベルナルを主演に迎えた「アモーレス・ペロス」で長編映画デビュー。世界で評判を呼び、

続いて製作された、2人の男と1人の女がある事故により運命的に引き合わされてしまう、命の重さについて問いかける「21グラム」、

役所広司や本作でアカデミー賞助演女優賞にノミネートした菊池凛子の出演、東京が舞台になるなどでも話題となり、世界中のあらゆる場所での伝わらない思いや言葉を、ある事故を通じて描き旧約聖書にある町の名前をモチーフにした「バベル」など徐々に賞レースにその名をとどろかせていき、

ついに昨年、落ち目の俳優が公私共に再起を賭けブロードウェイで成功しようと悪戦苦闘していく様子を全編1カットという驚異の映像マジックで魅了した「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」でアカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞を受賞し、名監督の仲間入りを果たしました。

 

監督の特徴として、時間の交差を多用した人間と人間との交わりだったり、それがもたらす悲劇と奇跡を描くような作品が多いなぁと思います。そして何より暗い!重い!切ない!もしイニャリトゥを立て続けに見ようなんて人にはかなりの根気がいるかと。

前作のバードマンがほんとちょうどいいです。

 

 

21グラム [DVD]

21グラム [DVD]

 

 タイトル見ただけじゃちっともわからない映画ですが、死とは何かを考えさせられる作品です。

 

余命1ヶ月と宣告される大学教授と死ぬ前に子を授かりたいと願う妻、前科者の男は改心し信仰に篤く、くじで当たったトラックさえも神の思し召しと信じ、ドラッグに明け暮れていた女も今では幸せな家庭を築いている。そんな交わることのない3人が居る事故を機に交錯し、思いもよらぬ結末へと導かれていく。

 

人は死んだとき21グラムだけ軽くなるそうで、そんな命の重さをテーマにした人間ドラマです。この作品の見所は時系列がバラバラというところ。ショーン・ペンが弱ってるかと思いきやピンピンしてたり、ベニチオ・デル・トロは職があったりなかったり、という具合に序盤はチンプンカンプンです。

それでも徐々に点と線がつながっていくパズルのような感覚と、終盤訪れる生と死の境界線は21グラムしかないのかという問いかけに考えてしまう1本です。

 

 

 

 

 

 

今回は撮影監督も紹介したいと思います。エマニュエル・ルベツキ

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今回でアカデミー賞撮影賞を史上初の3年連続で受賞した撮影界の神的存在であります。もうアーネスト・ホーストばりにアイム ア スリータイムス チャンピオン!!!

とはいわず謙虚な方だと思いますが。

もうあらゆる監督からオファーが殺到していてさぞ忙しいかと思います。特に「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン監督や、「ツリー・オブ・ライフ」のテレンス・マリック監督の作品には必ずといっていいほど参加してますね。

彼の作風のひとつに長まわしがあります。正確にはそう見せるように編集して視覚効果をもたらしてるわけですが。ゼロ・グラビティやバードマン、トゥモローワールドなんかも彼の技術が最大限発揮されています。

そしてもうひとつは自然光を取り入れた驚異の映像美!これがなんともまぁ美しくて惚れ惚れしちゃいますねぇ。ツリーオブライフは話はちっとも理解しがたいものでしたが映像に関してはグイグイもってかれました。

そんな彼が実はインスタグラムをやっているのをご存知ですか?今作のレヴェナントでの写真をここ1年くらいずーっとアップしてます。メチャメチャきれいです。

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 こんな感じのやつですね。是非探してみて下さい。

 

 

 

 

 

 

主演はヘンリー隊長の元で働く探索ナビゲーター、ヒュー・グラスを演じるのはレオナルド・ディカプリオ

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タイタニックロミオ&ジュリエットのときのようなアイドル俳優なんて遠い昔。彼は完全な演技派俳優として着実に経験値を積み念願のオスカーを獲ることができたわけです。

ただ、クソまじめな性格ゆえ精神的におかしい役やらクレイジーな金持ち、詐欺師、長官、などなどいくらやっても一生懸命すぎて余裕がないというか完璧すぎるというかユルさがないというか。そんな感じに見えます。

おかげで眉間のしわが完全にジャックニコルソンになってます。役に没頭しすぎです。おそらく。

そんな彼も今回は限界突破できたから賞賛されてるんでしょうね。いつもの一生懸命だけが取り柄のデカプーじゃねえっ!って思わせたわけですから。

でも、個人的にはスコセッシ監督の作品で彼にオスカーを獲ってほしかったのが最高の形なんじゃないかな、と。あんだけタッグ組んで取れなかったから余計そう思ってしまいますね。

 

彼の作品は誰でも知ってるから省きます!好きな作品はこれ!

 

アビエイター(Blu-ray Disc)

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 ちゃんとはじめて彼の作品をみたのがこれのおかげで、変な先入観なくこの人すごいなと思えた作品です。

 

 

 

 

 

他にも、ハンターとして働き、グラスと子供を殺そうとするジョン・フィッツジェラルド役に、昨年「マッド・マックス怒りのデス・ロード」で日本男子を虜にさせたトム・ハーディ

彼らを率いる狩猟チームの隊長ヘンリー役に「スター・ウォーズ フォースの覚醒」でハックス将軍を演じるなど最近いろんな話題作に顔を出しているドーナル・グリーソン

ガイド見習いとして働く若者ジム役に、あの「リトルランボーズ」の悪ガキがこんなにおっきくなったとは!最近では「メイズ・ランナー」などにも出演しているウィル・ポールターが演じています。

3人ともイギリス、アイリッシュ出身の役者っていうのも時代のことを考えてのことなんでしょうね。さすがです。

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レヴェナント100連発

twitterにこんなハッシュタグがあるのをご存知でしょうか。撮影時の裏話がふんだんにツイートされてるんですが、是非見る前に知っておくといかにこの映画が過酷で大変だったかがわかると思います。

twitter.com

 

 こんな感じでいくつかマジかっ!!と思えたツイートを書いていきたいと思います。

  • 撮影現場ではバッファローの生レバーを実際に食べて見せたディカプリオ。実は彼はベジタリアンだが、あまりにも役に入り込んでいために躊躇せずにレバーにかぶりついた。
  • ディカプリオは本作のために二種類のネイティブ・アメリカンの言語を習得。特にアリカラ族の言葉は話せる人が10人未満と言われており、もはやディカプリオは言語学の貴重な資料かも
  • ネイティブ・アメリカンの村のセットを建てた美術スタッフは、極寒の中で壁の材料になる泥が凍らないように溶かし続けなくてはならなかった。想像を絶する地味な作業の蓄積
  • 劇中では全身に重傷を負うディカプリオの特殊メイクに一日4~5時間。その後一日中リハーサルを繰り返し、マジックアワーを狙って日没前の1~1.5時間だけ撮影。これをほぼ9か月繰り返した。
  • トム・ハーディの証言によると撮影チームは「文明から隔絶された辺境で一日12時間から16時間労働、現場の往復に8時間、週6日間稼働で8か月間、200kmを陸路で動き回った」。
  • 過酷な撮影を続けるイニャリトゥへの不満を募らせるスタッフのガス抜きため、ハーディは自分が監督の首を絞めている姿をプリントしたTシャツを作って配った。
  • なんでもかんでもスタントなしでやれと言うイニャリトゥ監督にトム・ハーディが激怒。口論からガチのケンカに発展して、ハーディはイニャリトゥの首を絞めたらしい。

 

まだまだありますがこの辺にして。トムハーディがウケるww

 

 

 

 

 

なが~い前振りになってしまいましたが、

果たして、仲間に裏切られ息子を殺された父の復讐の旅の果てにはいったい何が待ち受けているのだろうか?

 

てなわけで、感想です!!











圧倒的な映像と壮絶な描写は絶対IMAXで見るべき!!

以下、核心に触れずネタバレします。










ルベツキの驚異の映像マジック!

わかってはいました。絶対すごい映像だろって。
それでも驚かされる技術とその美しさに圧倒され最初から最後まで瞳孔開きっぱなし状態に陥るほどでした。

彼の代名詞と言える長回しショットは冒頭から発揮され、一気に真冬の西部開拓時代へ誘ってくれます。
基本斜め下から見上げるように人物を撮影した映像が多々あり、しかも役者の顔まで近づくことで息づかいでレンズが曇り血飛沫まで飛ぶといった演出も手伝って、臨場感がハンパない。

接写した状態からグルグルと縦横無尽に回るカメラは決してスピード感のあるものでなくゆっくりと滑らかに写すことでおいてけぼりにはさせません。
奥行きを出すために若干丸みを帯びた映像も忘れちゃいけない。
飛び交う弓矢や弾丸、いきなり飛び出てくる先住民、水中での取っ組み合いもロングショットで写す芸術的テクニック!
バードマンでも使われたような一度上空を写して間を置き場面転換させる演出も彼ならでは。

そして極め付けは自然光を活かした大自然の風景。
朝もやの山々、川の流れ、きめ細やかな吹雪、一面銀世界の中際立つ血や生々しい動物たちの臓物、真夜中火花を踊らせる焚き火などなど、どれも全てが驚くばかり。
なんかもう神々しく感じます。
さすがスリータイムチャンピオン、ルベツキ魅せる徹底された映像でした。


この映像マジックを体感してもらうべく個人としては絶対IMAXで見ていただきたいと思っております。

普通の2Dのスクリーンとはワケが違うんです!でもって音楽もハンパない!


今回坂本龍一が手がけた音楽が作品全体に息吹を与えてくれてるわけですが、非常に邪魔をしない音楽だったと思います。

なんてったってメロディが少ない!その少ないメロディに弦楽器を重ねに重ねた重厚感で自然の壮大さ過酷さだったり、ディカプリオの心情を表し、

先住民との戦いやアクシデントではドンドコドンドコと脈打つティンパニの音も作品を活気づかせたりとメリハリをつけて楽しませてくれます。

是非これを体感してほしいので料金高いけどIMAXで堪能して欲しいですね。





ディカプリオの壮絶体験記

もーなにがなんでもオスカーが欲しかったのでしょうww
そこまでやる必要あるかとばかり悲惨なことをやらされております。
本物の役者がここまでやってしまったら芸人さんは勝てません!
いや、まだ芸人がやった方が笑えるか。

CGとはいえグリズリーとのバトルでは、マウントを取られそこからうつ伏せにされ背中を引っ掻き回された後グルングルンと振り回されフルボッコ。
極寒の中、先住民に見つかり川へダイブ!そのまま流されキャニオニング状態。
グリズリーにやられた喉のせいで水を飲むと傷口が開いてしまうので、木の枝に燃やした草をくくりつけ傷口を火傷させることで塞ごうとするも悶絶!
川辺に囲いを作り、入り込んできた魚を手づかみで捕まえそのままお口へイートイン!!
道中出会った先住民にハントした牛の内臓をお裾分けしてもらいそのままお口へイートイン!
凍える吹雪の中寒さをしのぐため、死んだ馬の内臓を取り除き素っ裸で体内に入り込んで暖をとる!
などなどそこまでやる必要あるかっ!?と思うほどのカラダの張りっぷりにこれはオスカーあげたくなっちゃうよなぁと。
正直グリズリーのバトルは笑ってしまいましたが、あとはグロすぎて笑えないっす…。


そんなグラス演じたディカプリオだけが凄かったわけではなく、フィッツジェラルド演じたトムハーディのクソ強欲っぷりも見事でした。

いきなり何かにつけてグラスに突っ掛かり、野蛮人は所詮野蛮と罵り、何かとワガママで駄々をこね、金のためだけにグラスを見届ける仕事を引き受けグラスの息子を殺し、ブリジャーを騙し、神を冒涜するまでと至る所でクソ野郎をやってくれました!
そんな彼の唯一許せるなと思ったところは、バンダナ巻いてる時はワイルドでカッコよかったりするわけですが、バンダナとったらハゲ散らかってるというwwいっちょまえのこと言っといて何やオマエハゲとるやんけっ!!www
なんでハゲてるかは見てのお楽しみってことで、


死の淵から蘇った男

話は単純明解で、息子を殺した男への父親の復讐劇なわけで。
1度死んで蘇った男に失うものなど何もなく、どんな吹雪が来ようとも先住民が襲って来ようとも耐えて凌いで憎しみだけを糧にして生きながらえるわけです。

死んだ奥さんの語りで、奥深くまで根をはった木はどんな風でも倒れないというセリフがありましたが、それを実行したわけです。


そして、今回のイニャリトゥも神のことをメタファーとして入れてるみたいで、ボロボロの教会の前で死んだ息子と抱擁するシーンや、正確には死んでませんが1度死んで蘇ったグラスもキリストを象徴したものだったり、
フィッツジェラルドがブリジャーに対して俺を神だと思えと怒鳴りつけたり、
そのフィッツジェラルドの父親が信じていなかった神様を急に信じた話だったり。とにかく神という存在を結びつけていた気がします。

神様みたいになったグラスが、じゃあ復讐していいのか?みたいなのがこの物語の裏テーマなのかなぁとバカなりに考察してみましたが、正直よくわかりませんw
どなたかわかる方教えてくださ〜い!









というわけで、最後は丸投げな感じになってしまいましたが、素晴らしい映像美と役者根性を見せたディカプリオの渾身の演技を観るだけでも価値のある映画だと思います。
ただ、上映時間の長さが肝です。
長いです。
しかも中盤はほぼセリフがありません。その分ディカプリオのサバイバルを堪能できますが、中だるみしてしまう人もいるかも。
ぶっちゃけ端折ってよくね?とも思えますが、そこは過酷な環境下で長きにわたって撮影して完成させたキャストとスタッフを労うという暖かな気持ちで見守りながらこの映画の醍醐味を感じて欲しいと思います。

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10


映画「アイアムアヒーロー」感想 評価 レビュー

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4月24日

アイアムアヒーロー

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なんか聞いたこともない映画祭で絶賛とか、賞をもらって予告に冠つけて展開してる宣伝方法に配給側の意図が読めない作品ですが、

 もうそこは純粋に漫画原作の実写で、タレント揃いの娯楽映画って感覚で。

原作途中までしか読んでないし、うろ覚えだし、別に見なくていいんだけど、どうしても東宝配給なのにもかかわらずR15指定というところにすごく惹かれてしまい見に行って参りました。

 

 

 

あらすじ

鈴木英雄(大泉洋)35歳。職業:漫画家アシスタント。彼女とは破局寸前。
そんな平凡な毎日が、ある日突然、終わりを告げる…。

徹夜仕事を終えアパートに戻った英雄の目に映ったのは、彼女の「異形」の姿。一瞬にして世界は崩壊し、姿を変えて行く。

謎の感染によって人々が変貌を遂げた生命体『ZQN(ゾキュン)』で街は溢れ、日本中は感染パニックに陥る。

標高の高い場所では感染しないという情報を頼りに富士山に向かう英雄。その道中で出会った女子高生・比呂美(有村架純)と元看護師・藪(長澤まさみ)と共に生き残りを賭けた極限のサバイバルが始まった…。

果たして彼らは、この変わり果てた日本で生き延びることが出来るのか。そして、英雄は、ただの英雄(ひでお)から本当の英雄(ヒーロー)になれるのか!?

 


「アイアムアヒーロー」予告

 

 

 

 

 

 

監督・キャスト

監督はアクション大作の多い佐藤信介

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初監督作品がぴあフィルムフェスティバルにてグランプリを獲得したことで監督業を開始し、

梶芽衣子主演で製作された作品のリメイクで話題となり、アクション監督にはドニー・イェンが務めたという本各的SFアクション「修羅雪姫」や、死んだはずの主人公が黒い球体からミッションを受け星人と呼ばれる敵を倒していく人気コミック原作のSF映画「GANTZ」「GANTZ PERFECT ANSWER」などの話題作を手掛け、

近年も、表現の自由をめぐって政府と図書隊が対立する模様を描きいた人気小説を実写化した「図書館戦争」「図書館戦争 THE LAST MISSION」があります。

 

今年は、デスノート2016も監督して製作中とあって大忙しみたいですね。とにかく、アクションに定評のある方なので、話云々はおいといてアクションは見ものだと思います。

 

 

 

主演の漫画家アシスタント・鈴木英雄を演じるのは大泉洋。

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どんなへたくそなボールもちゃんと打ち返す、そんな抜群なトーク力と、独特の間や受身の姿勢といったうまい立ち回りのする俳優さんだなぁと。

やはりバラエティで磨かれた瞬発力とと道産子魂の賜物なのでしょうか。

 

大学の同級生と劇団「TEAM NACS」を結成後、北海道のバラエティ番組で知名度を上げていき、TVドラマや映画、舞台などに勤しんでいます。

映画でいえば、ねずみ男役が好評だった「ゲゲゲの鬼太郎」や、怪しげな探偵と中学時代からの親友の行方を捜すハメになった主人公の予測不能な展開で描かれた大どんでん返しな作品「アフタースクール」や、

北海道を舞台にした映画にも多く出演し、歓楽街すすきのBARで助手と営む探偵をハードボイルドに描いた「探偵はBARいる」シリーズや、

洞爺湖の近くでパンカフェを営む夫婦とそこへ訪れる客たちとの交流を描いた「しあわせのパン」、北海道で小麦と葡萄の農業を父から譲り受けた兄弟と突如現れる女性3人でおくる「ぶどうのなみだ」など地元を愛する男ならではの作品も多数出演しています。

 

アフタースクール [DVD]

アフタースクール [DVD]

 

 緻密な脚本で楽しませてくれる内田けんじ監督の作品。

 

母校の中学校で働くお人好しな教師・神野のもとに、かつての同級生だと名乗る探偵が、神野の幼馴染・木村を探しに尋ねてくる。ややこしい問題に巻き込まれるも、神野は徐々に明らかになっていく木村の本性を知り、事態は誰もが予想しない展開に向かっていく。

 

旬なアラフォー俳優3人がメインというだけでも面白いのに、序盤の騙す気満々で怪しいにおいからのどんでん返しは圧巻。「お前がつまらないのは、お前のせいだ」というセリフは最高です。

 

 

 

 

英雄が逃げる道中で出会う女子高生、比呂美を演じるのは有村架純。

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なんかこの映画に関してドタキャン騒動も出てましたが、ドタキャンしたのは本編でなくスピンオフの方みたいですね。何よりお仕事ドタキャンはまずいっすね。

彼女に関してはこちらでどうぞ。

 

monkey1119.hatenablog.com

 

 

 

 

男勝りな元看護師、藪役に長澤まさみ。

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昔は大っ嫌いでしたねー。なんか知らんが。見てて腹立つ演技ばかりというか。でも、モテキを見て何かに吹っ切れたような自信満ち溢れた演技と、あの役柄でのビッチな雰囲気にやられましたwwwありゃあ、男ならほっとかねぇだろ!

 

東宝シンデレラオーディションでグランプリ受賞後、「ゴジラ」シリーズにてモスラの妖精、小美人役として出演、「世界の中心で、愛をさけぶ」では白血病の少女になりきるためにスキンヘッドになるなど話題を呼び、一躍スターの仲間入りを果たしました。

その後、「ラフ ROUGH」や「タッチ」で浅倉南役をやるなどあだち充原作のコミックを実写化した作品ではイメージそのもののキャスティングと話題を呼びながらも、「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」では強い女性像を、「曲がれ!スプーン」では地味なAD役としてなど、いろんな役を演じていき役者の幅を広げています。

 

しかしながら、興行的にはどれも振るわず客を呼べない女優などとレッテルを貼られましたが、転機となったのが、

生まれてからずっと彼女のいないアラサーでサブカル好きな男にモテ期が訪れ、女性たちと交流していく中で自分の本心を見出していく「モテキ」で、セカチュー以来の森山未來とのタッグや男性釘付けな大人の色香をさらけ出したことが好感を呼び、

現在も海外での活動や、脇役としても光る演技を身につけ活躍しています。

 

 

モテキ Blu-ray豪華版(2枚組)

モテキ Blu-ray豪華版(2枚組)

 

 恥ずかしながら劇場へ4回も足を運び、この商品まで買ってしまうという入れ込み様だった当時。あ~はまったなぁ。

 

金なし夢なし彼女なしの31歳独身男、藤本幸世がニュースサイトのライターとして働き始めたある日、ツイッターで知り合った雑誌編集者の松尾みゆきとイイ感じに。彼氏持ちと判明するも簡単には諦めきれない。するとあれよあれよと彼の周りには女性たちが寄ってくる。どうやら藤本に2度目の“モテキ”が奇跡的にやって来たようなのだが…。

 

幸世の心情に合わせた青春のJPOPをこれでもかと投入し、斬新な演出とエロい描写、そしていい歳した男が女を求めてがむしゃらに奔走する生き様!長澤まさみにテンガTシャツ着せたり、真木よう子のとび蹴り、麻生久美子のほおばる牛丼、仲里依沙のたわわな胸、すべてツボです。はい。

 

 

 

 

他にも、生存者たちのリーダー的存在・伊浦役に吉沢悠、その彼とともに行動するサンゴ役に岡田義徳、英雄の恋人・てっこ役に片瀬那奈、英雄と同期の売れっ子漫画家・中田コロリ役に片桐仁などが出演しています。

 

 

 

 

 

というわけで、非常にホラー苦手なんですが、洋画じゃねーし大したことねぇだろうと余裕の気持ちで臨んだ、ダメ人間vsZQNの攻防やいかにっ!!

では感想ですっ!!!










グロいけど途中から慣れて楽しく見られるぞ!

以下、核心に触れずネタバレします。










R指定大正解!

確かワールドウォーZでしたっけ。宣伝からゾンビ隠してたの。
いいか悪いかは別としてヒットしたわけですから結果としては◎だったんでしょうけど、こちらに至っては大人気コミック実写化ですからハナっからゾンビが出ますよーってわかってるわけですよ。
一応ZQNなんて言ってますけどね。

何が言いたいかって生温いゾンビものなんかできないわけですよ、原作が有名だから。
その覚悟があってこその完成度だったと思います。

おびただしい量の血がスクリーンいっぱいに飛び散り吹き出し、血まみれになるキャストたち。
ZQNたちの顔なんかいびつで腫れ上がって、臓物も垂れてハミ出て。
仕上げは猟銃でパァン!ですよ。どうなるかわかりますよね?

寄生獣なんかの時のようなクレイ感でなくどちらかといえば進撃の巨人のヤツに近いような。
あの気持ち悪さですかね、例えて言うなら。


そんなグロテスクな描写がふんだんに盛り込まれてる割には、ビックリさせる演出は案外控えめで。
パニックの部分を強めにしたかったのかどうかはさておき、怖いというよりも気持ち悪さの方が強調された作品だったと思います。

海外で賞を取れたのも納得いくかなと思います。
変に色んな人に見てもらえるようにレーティングを下げてパニックアクションの魅力を削るよりかは、R指定上等!と言わんばかりにとことん細部までこだわってグロさを追求したのですから、海外のこういう作品好きな人たちからはウケますよねー。

てか、そもそもそっち狙いで作ってたのかな?とも考えられるし。
日本は捨てて海外で稼ぐ!みたいな。
日本人はJホラー好きなくせにゾンビは見ないんだよなぁ。
私も見ないんですけどw




大泉洋のおかげです

じゃあ、怖いのダメな私がなんで楽しく見れたのかってのは主役の英雄を演じた大泉洋の演技があったからだと思うんです。

主人公の英雄は35歳で漫画家アシスタント、言わばフリーターです。
職場では同僚にイジられ、隅っこの方でブツブツ言いながら仕事をこなし、
書き上げたネームを出版社に持ち込んでも、同期の有名漫画家の登場により蔑ろにされる始末。
彼女はいるけど英雄のうだつの上がらなさに愛想が尽きて同棲してても会話などない状態。
この状態を伝えるべく、ダメな彼氏をあーだこーだ嘆いてる情報番組をベッドに寝そべりながら見てる彼女が、
カップ麺を黙って食ってる英雄に対して当てつけのようにテレビのボリュームを上げるシーンがうまいなぁと。

こんな序盤からダメっぷりがひしひしと伝わります。
頭ん中じゃすげぇこと言ってるけど実際は言えなかったり、過去の栄光にしがみついて夢を諦めきれなかったり、趣味の射撃で使う猟銃を売れなかったり。

もう既に大泉洋が天パを上手くチョイはね中わけヘアーにしてる時点で、なんかダメな感じの顔に見えてしまうんですけどねww

もー大体銃社会でない日本で数少ない銃の所持者という、この崩壊した場所で超ラッキーな立場なのにもかかわらず、
街がパニックになっても猟銃をなかなか使うこともできず常に逃げ腰。
この後に及んで銃刀法違反だ、人に向けちゃいけないだと能書きを垂れ、
ショッピングモールで猟銃を奪われてボコられても平謝り。

そんな彼が追い込まれ追い込まれて終盤意を決して行動する様がカッコよかったですねー。

そのダメ男が立ち上がるまでもよかったですが、劇中の会話でのさりげな〜い英雄のツッコミ!これがよかった。
やはりどんなボールでも常に打ち返す男だけあって間の取り方だったりボソボソ言う声のボリュームだったり。
他の役者でなく彼ならではの独特のツッコミに、常にZQNたちに追われてるという緊張感続く物語にひとときの緩和をもたらしてくれる彼のユーモラスな部分が楽しめた要因のひとつだったと思います。



もちろん他にも楽しめた、いや笑っちゃう部分もあって、
ZQNたちは過去に留まった状態で常に行動していて、
ショップの店員は常にいらっしゃいませとあいさつし、サラリーマンは電話でいつもお世話になっておりますと話し、
主婦は買い物したくて開かない扉を常に叩いてたり、
体育大生は走高跳びをひたすら繰り返してるという、ZQNになる直前の行動を延々と行動しています。
まぁ、意味不明なのもいますがそんな一連の彼らの動きもまたずっと見てると怖いけど滑稽だなと思えてしまうのもまたこの作品の魅力だったりするのかな、と。




だいぶ端折ってない?

原作うろ覚えなんでわからないところだらけで、富士山に行くまで単行本だいぶ時間かけてやっていた記憶があるんですが、結構あっさり進んでしまってます。
これに関しては映画にする時点で練りに練って要約した結果だと思うし、なんら不自然ではなかったんですが。

それよりも、何より何故そうなったのか?というあらゆる謎も説明もないまま話はどんどん前へ進んで行きます。
もう根本的な部分として何故ウィルスが蔓延したのか?そもそも何のウィルスか?が語られていない。
序盤出てきた自衛隊達はどこへ行った?
比呂美は何故完全なZQNにならないのか?そして、何故ネコっぽいのか?
井浦は何故あのグループの中でリーダーになれたのか?

という具合にクエスチョンが並ぶわけですが、決してそれを説明する件が無かったとしてもなんか成立しちゃってる感があるのは、
会話オンパレードのアホ邦画ではなくゾンビ映画としてそちらに重点を置いたことで、そんなの置いといても話についていけるという超越した面白さがあったからなのかなと。








パニックアクション大作の名に相応しい出来だったと思います。
そこまで期待していなかった分、楽しめた作品でした。

有村架純の立ち位置に必要か不必要か疑問は残りましたが、そこは英雄のカンフル剤として必要だったんだろうと解釈するとします。
エンディングのタバコを吸うシーンからのフェードアウトは良い余韻を残して終わらせてくれたのも個人としてはアリでした。
それでもキモいの怖いの苦手なので満足度は控えめです。
そうそう、ちゃっかりM-1ファイナリストが出てます。探してみてくださいw
是非鑑賞の際は、食前で。

満足度 ☆☆☆☆☆★★★★★5/10


映画「ズートピア」感想 評価 レビュー

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4月23日

ズートピア

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この週末が今月一番忙しいっ!!!もー、事前情報調べて、見て、書いての繰り返しですよ毎日。まぁ、好きでやってるんで苦労してないですけどね。旧作映画見る時間作らなくてはっ!!

 非常に前評判の高い、いや高すぎる作品です。それにもかかわらずなんか盛り上がってない感じがするけど浸透するのに時間かかるのかな。「アナと雪の女王」越えの可能性もあるなんて誰かが豪語してましたが、はたして大作ひしめくGW決戦を制するのでしょうか

そんなことはおいといて映画楽しまなくちゃ!つーわけで見てまいりました。

 

 

 

 

あらすじ

動物たちの“楽園”ズートピアで、ウサギとして初の警察官になったジュディ(声:上戸彩)。でも、ひとつだけ問題が…。

警察官になるのは通常、クマやカバのように大きくてタフな動物たちで、小さく可愛らしすぎる彼女は半人前扱いなのだ。

だが、ついにジュディも捜査に参加するチャンスが!ただし、与えられた時間はたった48時間。失敗したらクビで、彼女の夢も消えてしまう…。

頼みの綱は、事件の手がかりを握るサギ師のキツネ、ニック(声:森川智之)だけ。

最も相棒にふさわしくない二人は、互いにダマしダマされながら、ある行方不明事件の捜査を開始。だが、その事件の背後にはズートピアを狙う陰謀が隠されていた…。

 


『ズートピア』予告編

 

 

 

 

 

 

監督・キャラクター

監督は今回共同で製作したバイロン・ハワードリッチ・ムーア

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名前だけではピンと来ないと思いますが、バイロン・ハワードは、ディズニー所属の監督さんで、人気TVドラマでスーパー犬として活躍する犬が、現実世界で挫折をしながらも仲間と力を合わせ飼い主の元へ帰るまでの旅をアクションやユーモア満載で描いた「ボルト」や、

18年間一度も外へ出たことのない魔法の長い髪を持つ少女が、大泥棒と共に未知なる世界へ飛び出す物語「塔の上のラプンツェル」を作った方であります。

 

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そして、リッチ・ムーアはアメリカの代表的TVアニメ「ザ・シンプソンズ」を手掛けた人であり、ディズニー作品としては、ゲームの世界で長い間悪役として活躍したキャラクターがヒーローになりたいという願いをかなえるべく奇想天外な大冒険を繰り広げる、有名なゲームの悪役キャラが勢ぞろいしたことでも話題になった「シュガーラッシュ」で長編映画デビューしました。

 

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 ゲームの小ネタも満載、笑えて泣ける、大人も子供も楽しめる1本です。

 

ゲームの世界で30年間も悪役を演じてきた大男のラルフは、みんなに愛されるヒーローになりたいと願っていた。ついに我慢できなくなり自分のゲームを飛び出し“シュガー・ラッシュ”というレースゲームに迷い込む。そこで彼は少女ヴァネロペと出会いいつしか友情が芽生えていくが、ゲームの世界には危機が訪れようとしていた。

 

ディズニーがゲームのキャラをここまでふんだんに使うという大胆さ、悪役だってヒーローになりたいという自我、往年のゲームキャラやネタの使い方が非常に懐かしくもありユーモアに富んでいて面白いです。しかも、ハミ出し者同士のバディものという軸もしっかりしていて最後は涙モノです。

 

 

そんなスマッシュヒットを持つ2人がどんな物語を見せてくれるのか期待ですね。

 

 

 

 

 

 

今回はキャストでなくキャラクターの紹介にします。

 まずは、主人公のアナウサギ、ジュディ・ホップス。

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いい年した私が言うのも恥ずかしいんですが、ジュディかわいい~っ!!!と初めて見たときに思ってしまったほどきれいで繊細でかわいい女性を見事に表現したアニメーション。いい仕事してますね~ディズニーさん。

憧れのズートピアで立派な警官になるという夢に向かって奮闘中のウサギ初の女性警官。正義感が強く、行動的で頑張り屋さん。日本語吹き替えでは上戸彩が担当。

 

続きまして、ジュディとひょんなことから相棒になるキツネ、ニック・ワイルド。

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かつて描いた夢を忘れてしまった詐欺師。ズートピアを隅々まで知る情報通で皮肉屋のくせに陽気でやさしい一面も。そんな彼も誰にも見えない心の傷があるのだが・・・。

日本語吹き替えは声優の森川智之。

 

お次はジュディを邪魔者扱いする警察署長のスイギュウ、ボゴ。

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警察の仕事に誇りを持っており、そのせいか重要な事件はカバやゾウといったタフな動物にしかできないと思っている。おまけに頑固で厳しい。

英語字幕版では「パシフィック・リム」の長官役でおなじみのイドリス・エルバが担当。

 

そして、ズートピアの街を仕切る市長のライオン、レオドア・ライオンハート。

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 名前は確実にルーズベルト大統領をもじってますね。

楽園であることの維持を第一に考え、誰でも何にでもなれるというスローガンも彼が作った言葉。

英語字幕版では「セッション」の鬼教師フレッチャー役でアカデミー賞助演男優賞を受賞したJ・K・シモンズが担当。

 

ほかにも動物ならではの特長を生かしたキャラクターがたくさん出てくるようです。うん、楽しみだ!!!

 

 

 

 

 

 

 

徹底して追及した動物の“リアル”さ

公式HPにあった記事を拝借。

とにかく楽しませることに徹底したディズニーですが、今作ではあらゆる動物たちがキャラクターとして個性を生かすために、動物学者と同じ観点で野生観察も含め長きにわたってリサーチしたそうです。

 

主人公のジュディはアナウサギという動物。

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特徴としては、温和で几帳面、人懐っこい性格だそうで、天敵がキツネ。

映画の中でもそんな性格が描かれていたり、ウサギとキツネが昔から知恵比べするような間柄であるように、相棒のニックとの関係性もわかりやすいのかもしれません

 

そんなニックもアカキツネという動物。

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イヌ科の動物にもかかわらず群れを作らず体も小さい。なので、狩をする際は知恵や観察力を駆使して獲物を狙う習性があるそうで賢い動物として知られているそうです。

これがニックの職業・詐欺師として活かされているそうです。

 

署長のボゴはアフリカスイギュウ。

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実は草食動物なんだけどその中でも最強クラス。正義感が強く仲間がピンチの時にはみんなで助けに行くそうです。しかも、普段とは違い敵にはキレやすい性格で、ライオンでさえブン投げてしまう力の持ち主。

そんな性格が警察署長として向いている一因だと思います。

 

免許センター職員のフラッシュはミユビナマケモノ。

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アマゾンのジャングルで暮らす野生のミユビナマケモノは、哺乳類の中でも体温の低い動物だそうで、そのせいかウンチも週1。体にコケが生えるときもあるとか。そんなチンタラした怠けた動物でもありますが、威嚇のときはすばやく動くそうです。この特徴も本編でどう活かされてるのか楽しみです。

 

通りすがりのビジネスマンはレミングというツンドラ気候で暮らすネズミの仲間。

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寒冷地に生息しているけど冬眠はせずトンネルに穴を掘って暮らしているそうで劇中では暑さしのぎの為にアイスキャンデーを食べています。しかも、集団行動をとる習性もあるということで整列しながらアイスを食べるシーンが映っているようです。

 

と、このように動物たちの特徴と習性が他の動物たちとどう絡んでいくのか、それがどのような共存を生むのか楽しみですね。

 

 

 

 

 

 

 

ズートピアBEST MOVIE2015

公式HPにニュースとして掲載されているんですが、面白かったので世界観を楽しひとつとして知ってもらおうと思い載せてみました。まぁ、ハッキリ言ってダジャレですけどねww

 

ズートピアの世界もわれわれと同じように娯楽の一つして映画が存在するみたいで、2015年のベスト映画たちが発表されたようです。

そのランキングがこちら!!

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1位『スター・ウォーズ/モフモフの覚醒』
2位『ソンナコト二・ナッター?ズートピア』
3位『ゾウデレラ』、

4位『Eヤギダ』
5位『ズーラシック・ワールド』
6位『フィフティ・シェイズ・オブ・フクロウ』
7位『アベンジャーズ・エイジ・オブ・ギュウトロン』
8位『ブーマックス』
9位『ナマケモノの子』

なんとわれわれの世界と同じようにズートピアでも人気だったのはスターウォーズだったんですね~wwしかもフォースではなくモフモフwww

やっぱり合言葉は「モフモフと共にあらんことを」とかいうんでしょうか?てかスゲェ力には感じないネーミングww

2位はまさかの「ストレイト・アウタ・コンプトン」をもじった作品。いやーまさかファックザポリスとか歌わないでしょうねぇ。

3位はシンデレファントって読むのかな?邦題はゾウデレラ。ゾウが夫人たちにいびられるの?みたかねぇなぁ。

4位はようやく日本公開が決まった「エクス・マキナ」のズートピア版ですね。ポスターのキャラ怖いな・・・プルートゥにこんなやつ出てこなかったっけ?

5位は恐竜じゃなくてキリンで、6位はフクロウという確実にミスキャストな作品ww誰もフクロウのSMプレイなんか見たくねぇわ!

そして7位は究極の人工知能を持つ牛との対決を描いたアベンジャーズの続編。アベンジャーズも牛なのか・・・?9位はたぶん日本用ですね。バカモノならぬナマケモノ。

 

ディズニーならではの遊び心聞いた内容でしたね。

作中にもきっと、いかにもダジャレだけどユーモアでアイディアに満ちた世界観をふんだんに詰めていることでしょう。ワクワクしますね。

 

 

 

 

 

 

 

そんなわけで、あらゆる動物たちが平和に共存し、まさに理想郷と呼べるにふさわしいこの街でどんな危機が待っているのか、そして、この映画にこめられたものとは。

 

こっから感想です!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すべてのジャンルを網羅した超エンタメムービー!!

以下、核心に触れずネタバレします。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

これをアニメでやったことが悔しい!

世界に夢と希望を与え続ける企業ディズニー。そんなディズニーがまた偉業をやらかした。もう面白くて面白くて。
笑いあり涙あり友情あり成長ありハラハラあり謎解きありメッセージ性あり!そして何よりかわいい!!
かわいいんだよ!すべてのキャラが!
こんなに登場するキャラたちを愛おしく感じたことはないほど細かい表情や描写に脱帽です。
何がすごいって、今まで色んな擬人化をしてきたディズニーが原点に戻り動物達を擬人化して、尚且つ現代社会に問題提起してひとつの答えを見出しているのが新しいディズニー映画の幕開けを意味していること。
これからがまた楽しみだなぁと。
 
話に関しても表向きはウサギとキツネの捜査もの、バディムービーな訳ですが、訴えているものはより良い世界=理想郷を作る努力はまずあなたから、そして自分からというメッセージを、
二足歩行して服を着る動物に置き換えて世界観を作り出し、現代の世界が抱える問題に一石を投じた今までのディズニーには無かったテーマで描いたことが素晴らしいと感じました。

 

基本的にアニメを見ないんですが、洋画実写好きの私としてはこれをアニメでやられたら立場ないっす!これ以上のモノをどう生み出せってんだよ!!

 

 

 

 

 

パロディが秀逸!

もうポスターからユーモアが溢れてるんですよ。とにかく楽しませることに特化した要素がこれでもかと。
ナイキのキャッチコピーをもじってJUST ZOO ITとか、プラダの名前がPRAYDAとか。因みに日本版ポスターにはサマンサタバサがサバンナタバサになってるし。
劇中でも細かな演出がたくさんありました。
裏社会のボス、Mr.ビッグは確実にゴッドファーザーでしょう!ドンコルレオーネですよあれはww
しかも結婚式までやっちゃうんだから完全なパロディですね。
他にも、ジュディが聴いてたiPodにはガンズアンドローゼスの名前が一瞬映ってましたね。なんてもじってあったかはわからなかったですけど。
あとはジュディが落ち込んだ時にラジオから流れる曲がエリックカルメンall by myselfだったり。
イタチが路上で売ってる海賊版のDVDも色んなヒット作のパロディだったり。
 
おそらく他にもたくさんあるそうです。一回見てここまでしか探せなかったんですが、もっと見つけた方はどなたか教えてくださいな!
あっ、隠れミッキーもいたそうなんですがどこにいたんでしょう?
 
 
 
 
 
 
 

神がかった擬人化とメッセージ性

冒頭からこの映画のテーマを語るべく、幼いジュディの劇から始まるわけですが、
元来肉食動物は草食動物を本能のままエサとして餌食にしてきた時から数千年経ち、進化して共生できるまでになったと説明されてます。
そして、獰猛な動物からおびえて暮らしていた草食動物たちは何にでもなれると劇の中で訴えています。
そんなジュディが大人になり、憧れであった警察官へとなったところから物語はスタートしていきます。
 
何かになるまでの話ではなく、何かになってから何を成すべきかという物語もまた面白いですね。
 
草食、肉食関係なく共存出来る街、ズートピア。
もうわかりやすい造語!動物の理想郷、ズーとユートピアの合体した言葉の通り、街はゾウやキリン、クマといった大きな動物からジュディを筆頭としたウサギやネズミに至るまでありとあらゆる動物が入り混じり暮らしています。
その動物たちのためにあらゆるバリアフリーが施されてるのも魅力のひとつ。
電車ひとつにしても大小の動物それぞれのドアや椅子が用意されたり、道路も彼らのために整備された環境で街が成り立っている。
 
でも、見掛けは整っているけれど動物関係は隔りを取り除くには困難でした。
市の哺乳類育成プログラムを推進する為に初の女性草食動物警察官として街の中枢での警察署に配属されたジュディに一人前の扱いなど用意されてなかったわけです。
 
もう署長始め周りの警察官は肉食ばかりで図体のデカいゴリゴリのヤツらばかりの中に草食でちっちゃくて、しかも女性というウサギが入るわけで。
煙たがられるし、先入観から役立たず扱いされマトモな仕事ももらえない。
 
何でしょう、もう社会の縮図ですよ。よくある話でよく見る光景です。
 
相手を先入観で見かけで判断し、偏見し決めつける。
上っ面ではよりよくしますと掲げても、蓋を開ければ力のある者が強者となり、弱者は追いやられる。
そんな関係性がこの世界でも未だ根付いているわけです。
 
でも、この話決して弱者をかばったような話でもありません。
弱者にだって先入観や偏見を持っている。傷つけてないつもりでも傷つけているような表現もありここには考えさせられました。
 
そして、いざ事件への捜査を開始するジュディとバディを組まされるのが詐欺師のキツネ、ニック。
これもまた考えてます。草食動物と肉食動物、しかも男と女で手を組んで事件を解決していく。共存してますねー。
 
この捜査も二転三転していって真の黒幕の意外さ、その動機も映画のテーマに沿って描かれているのがまた秀逸でした。
 
ゴリゴリの警察官達が追っている事件とジュディ達が追っている事件が繋がっていき終息に向かうかと思いきや、真の黒幕の陰謀は終わっていなかったという、ありきたりだけど先の読めない展開も非常に満足のいくものだったと思います。
 
 
 
 
 
 
 
 
ナマケモノやヌーディストクラブの件など他にもたくさん書きたいことありますがこの辺にして。
 
今回初めてディズニーを字幕で鑑賞しましたが、英語ならではの言い回しだったり、隠語やユーモアなどがちりばめられているので正解でした。
まあ、ただ単にAmiのトライエヴリシングが聞きたくなかっただけですけどww
何でトライエヴリシング♬を、やるの〜よ〜♬にしちゃうんだよ!もっと違うフレーズなかったのかよ!
 
ひとつだけ欠点を言うならば、話のテンポが速い!
確かにエンタメ要素をこれでもかと凝縮し終始楽しませ、中弛みなど一切ない完璧な娯楽作でしたが、ポンポン話が進んでしまうのもいかがなものかなと。
どっか小休止できるような場面も欲しかったなぁ。
細かい点や新しい発見なんかは、もう一度見ろってことですかね。
でもこれはブルーレイ購入も考えます。手元に置きたい1本でしょ。
 
 
1800円という授業料で受けられる2時間の道徳の授業を是非劇場で受講してみてはいかがでしょうか。
きっと楽しく学べると思います。

満足度 ☆☆☆☆☆☆☆☆★★8/10

 
 

映画「フィフスウェイブ THE 5TH WAVE」感想 評価 レビュー

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4月24日

フィフス・ウェイブ/THE 5TH WAVE

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ぱっと見、夏に見るような感じの大作モノですが、GW興行にあえて持ってきたって事で。ソニーピクチャーズもこういう映画をぶつけてきたんだと思います。

さてさて、

 クロエたん、大人になりました!!

ついこの前までこ~んなにちっちゃかったのに~、と親戚のおじさん感覚で彼女の成長にびっくりなわけですが、クロエもこういう大作で主役はれるほど大物になったんですねぇ。嬉しい限りです。

としみじみしてる場合ではなく!早速見てまいりました。

 

 

 

あらすじ

ある日、地球から400Km上空を巨大な未確認飛行物体が周回し始めた。

そして、人類は彼らを〈アザーズ〉と呼んだ。

アメリカ、オハイオ州。ニュースでこの衝撃的事実を知った女子高生のキャシー(クロエ・グレース・モレッツ)の平穏な日常は、この日を堺に崩れ去っていった。

10日後、、最初の攻撃が始まったのだ。

圧倒的知能を持つ生命体〈アザーズ〉により4度にわたる攻撃を受け、人類の99%が死滅。壊滅状態となった地球で、生き残ったキャシーは、人間と見分けが付かない〈アザーズ〉への恐怖に支配されながらも、第5の波を止めるべく彼らの秘密を探り始めるが・・・。(HPより抜粋)

 


映画『フィフス・ウェイブ』特別映像

 

 

 

 

 

 

監督・キャスト

監督は英国出身の新鋭、J・ブレイクソン監督。

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聞いたことない名前でしたが、監督としてデビューした作品「アリス・クリードの失踪」の人でした。

今回が2作目ということで、前作のようなスリリングあるサスペンス要素も盛り込まれているのか楽しみです。

 

 

アリス・クリードの失踪 [DVD]

アリス・クリードの失踪 [DVD]

 

 登場人物はたった3人!!密室で繰り広げられる二転三転の展開をご堪能あれ。

 

男2人組が富豪の娘アリス・クリードを誘拐。あらかじめ用意していたアパートに監禁する。身代金の要求額は200万ポンド。首謀者が周到に練り上げた計画は万事抜かりなく、このまま順調に進むかに思われたが…。

 

あらすじでは誘拐ですが、タイトルは失踪。これがどういう意味を成すのか、徐々に紐解かれていく真相や人間性が緻密に計算されていて、ザ・サスペンスといえる密室劇です。

 

 

 

 

 

主演の女子高生・キャシーを演じるのはクロエ・グレース・モレッツ。

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やっぱねぇ、鼻がブスですよねぇ・・・wwでも、そこがかわいらしいというか、ゴージャスに装ってもその鼻のブスさのおかげでなんか身近に感じるというか。

余計なお世話でしたww

 

 

 4人の兄を持つという男系家族の中で育ち、5歳からキャリアをスタート。

草食男子が一目ぼれした女性とのすったもんだの500日間を描いた(500)日のサマーでは、主人公トムの良き相談相手としてちょっと男勝りでスポーティーな女の子を演じ、

翌年、その描写に物議をかもしながらも、若干11歳にして、ほぼ自分自身でスタントをこなしたことと過激なセリフで観客を魅了し、その名を一気にとどろかせた「キック・アス」で大ブレイク。

その後も、スウェーデン映画をリメイクした作品で、ヴァンパイアの恐怖と少年少女のピュアな恋を描いたサスペンスホラー「モールス」、

1930年代のパリを舞台に駅のの時計台に隠れ住む少年の冒険劇を、映画へのオマージュもふんだんに織り交ぜた「ヒューゴの不思議な発明」、

200年ぶりに蘇ったヴァンパイアが、自身の末裔たち暮らしていく中で時代のギャップを感じながらも、一族の再興を計るファンタジーコメディ「ダーク・シャドウ」、

流れ行く時間の中で、いつしか人生の岐路にたった女優の葛藤とプライドを描いた、「アクトレス~女たちの舞台~」

などなど話題作にたくさん出演している今最も輝くティーン俳優の一人です。

 

 

 

キック・アス<スペシャル・プライス版>Blu-ray
 

 クロエを語るうえで、この作品はハズせない!でも、2は見なくていいww

 

 

アメコミ好きでスーパーヒーローに憧れる高校生デイヴは、勧善懲悪のヒーロー“キック・アス”としてパトロールに繰り出すも何の能力も持たないせいで重症になり痛みを知らない体に。そして、動画サイトのおかげで一躍時の人になるが、それをいいと思わない人物が暗躍に乗り出す。

 

 

まだ、ミニシアターに足を運んだこともない自分を誘ってくれ、最初で最後となったシネセゾン渋谷での観賞でした。あの感動と歓声の一体感、忘れないですね。

ざっくりいえば音楽が超カッコよくて、バイオレンスでクレイジーでバカで、んでもってアメコミ万歳っ!!っていうが一番の魅力なんですが、

その背景には劇中でデイヴが俺が許せないのは、悪いことをしているやつじゃなく、それを見てるだけのやつだ!というセリフを代表とした、己の正義に問いかけるメッセージ性も強く、なおかつダメな青年の人間臭さと成長していく過程にグッと来る青春物語でもあり。

何回見てもスカッとする我々世代が後世に残したい1本ではないでしょうか。

 

 

 

 

他にも、ベン役に「ジュラシック・ワールド」に出演したニック・ロビンソン、オリヴァー役にロン・リヴィングストン、ヴォーシュ大佐に「スポットライト 世紀のスクープ」のリーヴ・シュレイバーなどが出演しています。

 

 

 

 

というわけで、いろんな作品を混ぜ込んだ気がしなくないですが、今をときめくクロエを主演に迎えた、人類破滅への5つの波をどう防ぐのか、アザーズとは何者なのか?そんなSFサスペンスな感想です!

 

 

 






ばかやろう、ティーンズ向け映画じゃねーか。

以下、核心に触れずネタバレします。








ど頭からひっかかってはいた。

この映画、上映館数少ないことにまず驚いたんですよ。ディザスタームービーだしSFだし。
で、家から一番近いシネリーブル池袋でやってたので今回は久々にここにしようと。
てか、え?テアトル系列でこんなのやるんだぁ、と。珍しいなぁと。
んで、着いたら中高生がいっぱいいたんだけど、おめあての映画は「ずっと前から好きでした」っつー、私からしたら眼中にないアニメ映画でして。
そもそもシネリーブル池袋って街のイメージなのかアニメ色強いんですよね。
だから、違和感ありありなんですよ、ラインナップにこういうのが入るのが。

てなわけで、ど頭からひっかかってはいたってのは上映前から疑問があったよって話です。





話もひっかかっりまくり

そんでもってお話も案の定ひっかかってばかり。

圧倒的知能をもつアザーズがですねー、突如飛来してくるんですよ。でけー宇宙船で。てかアザーズって姿見せないんですけどね。で、10日くらい浮遊してるんです。
で、いきなり地球に攻撃を仕掛けてくるんですよジワジワと。
なんでジワジワやんのさ?政府と交渉でもしてんのか?
してないんですわー。おい!圧倒的知能!ただ単に弄んでるだけじゃねーか!

でまあ、小手調べてわけで電磁パルスを使って電気を全部止めちゃうんですね。
そしたら、灯りはもちろん携帯電話も使えない。
車は衝突、飛行機は墜落。
でも、軍隊は稼働するという…
アザーズ高笑いしたろうなぁ。

次にアザーズは第2段階として地殻変動を起こします。
おーっ!一気にグレードアップ!
地震が起きて地割れして大津波が押し寄せます!
で〜〜もっ!
クロエ演じるキャシーが住むオハイオ州は海に面してないというww
だから、何とかしようと考えたんでしょうね、湖の波が押し寄せますww
なので、西海岸だか東海岸だかわかりませんが津波のシーンあるけど、要りませんww

それでも人間たちは必死に生き延びます。

じゃあどうしよう、こうしよう!アザーズは考えました。
次はパンデミックだ!
はい、ソダーバーグ監督コンティジョンでもやりました、鳥インフルエンザによる爆発的感染です。
いやー、これでだいぶ人間減ったんじゃないですかね。
さすがにキャシーの身近な人たちも命を落としていきます。
でも、語りではインフルエンザが治った人たちもいたったって言ってたっけ?
おい!圧倒的知能!免疫力なめんじゃねーぞ!

まだ滅びない人間たち。
アザーズは考えました。
もうさ、心理戦で行こうか。
とうとうアザーズは人間たちになりすまして混乱させる作戦に打って出ます。

もー地味!

第4段階で疑心暗鬼にさせるって!
そこで、軍隊たちが人間かアザーズか調べるために大人たちと子供達を分け、子供達を先にバスに乗せ基地へ連れて行くんですけど…

こっから疑問ばかりが続き、おかしな方向へと進んでいきます。
しかも、これここまで正味30分かかってないという早送り感!!
あっチュー間に5分の4の攻撃をやってしまうという時間配分。
あーこれはラストすげーことやんだろうなぁとワクワクしてました。

でも!

なぜかここからヤングアダルトにシフトチェンジしてくんですよ!why?
順序よく書いちゃうとあれなんで例えるとですねー、
トワイライトとかハンガーゲームとかメイズランナーダイバージェントといった類のティーンズ女子大好き、どっちの男も好き過ぎて選べにゃ〜い!
な三角関係のお話になってくという私が一番見たくない洋画のジャンルへと変貌を遂げていくわけです。

だからですねー、この後どうなっちゃうんだろお〜、
話が進まないなぁ〜、
誰この男ぉ〜、

*1..zzzZZ

はい、少しばかり落ちました。

そして、銃声とともに目覚めなんとか話を追おうと後半は必死で観ましたww。




クロエ大人になったね

この映画の一番の見どころは、何と言ってもクロエです。
むしろ、それだけです。
ダコタファニングやらエマワトソンやら子役から大人へと成長する女優は多々いますが、クロエが一番その成長過程を見てる気がします。

もう髪の毛なんかかきあげちゃって、今井華みたいなロングヘアで大人びちゃって。
想いを寄せる男子の前でモジモジするクロエ。
弟を必死で守るクロエ。
なぜか銃の扱いが上手いクロエ。
意外と人を簡単に殺めてしまうクロエ。
途中からは当然か。
そして、太ももが拝めるのがよかったですねー。
男のマッチョなバディを覗き見してバレて動揺しちゃうしぐさもキュートで。
で、いつの間にかキスシーンうまくなってるという…

女性の成長は早いものです。今のクロエもいいけど、私はやっぱりバタフライナイフを振り回してたクソガキのクロエの方が好きですね。






とにかく、結構最初の方から疑問やツッコミどころが満載です。
アザーズが意外と低能です。
最後の片づけ方も雑です。
笑っちゃうくらい雑です。
続編ありきのお話だったのでしょう。
何はともあれクロエを見たければ劇場へ足をお運びくださいませww



おっと忘れてました。エンディングテーマは今人気のあの人です。さすがソニー!

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満足度 ☆☆★★★★★★★★2/10

*1: _ _

映画「シビルウォー キャプテンアメリカ」感想 評価 解説 アベンジャーズ以上の出来!フェイズ3の幕開けはとんでもないものだった!

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4月29日

シビル・ウォー キャプテン・アメリカ

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時は来た!すべてのマーベル男子女子よ、いざ映画館へアッセンブル!!

 2016年4月29日をどれだけ待ちわびたことか。

特にこの1ヶ月間は気が気ではなく、こんな記事まで書いてしまう始末。

 

monkey1119.hatenablog.com

 とにかく盛り上がってほしいのだ。こんなお祭りは当分ないのだから。

ファンには申し訳ないが仮面ライダー大集合のようなのとはわけが違う。いや、規模が違う!スケールが違う!

そんな超ブロックバスター映画を意味のわからない宣伝方法ではあるものの、興味ない人たちを映画館へ運ぶべく頑張ってるディズニーの宣伝担当に、今回ばかりは死に物狂いで頑張ってほしいと切に願っている。

そして、ちょっとでもそのお手伝いができればという気持ちで今回は書いてみようというわけで。

早速見てきたぞ~っ!!!!

 

 

 

 

 

あらすじ

 

数々の危機を救ってきた“アベンジャーズ”が、国連の管理下に置かれることを巡り、激しく対立するアイアンマンとキャプテン・アメリカ。

さらに、ウィーンで起こった壮絶なテロ事件の犯人として、キャプテン・アメリカの旧友バッキーが指名手配されたのを機に、アベンジャーズのメンバーは大きな決断を迫られる。

過去を共にした無二の親友か、未来を共にする仲間たちとの友情か――ふたつの絆で揺れるキャプテン・アメリカがある決断をしたとき、世界を揺るがす“禁断の戦い(シビル・ウォー)”が幕を開ける。 (HPより抜粋)

 

 


映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』日本版予告編

 

 

 

 

 

キャラクター紹介

今作はなんといってもヒーロー同士の対決が一番の見所ということで、そのチーム別で紹介します。

 

まずは、親友をかばうべく自由を主張する正義、チーム・キャプテンアメリカ。

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左上から

キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャースクリス・エヴァンス

第二次世界大戦中に自ら志願した〈スーパーソルジャー計画〉によって最強の戦士となり自国のために戦ってきたが、宿敵ヒドラ党のボス・レッドスカルとの戦いにより氷の海に落ち、70年もの間仮死状態になっていたところを発見され現代に蘇る。

アベンジャーズではリーダー的存在として、新体制になった現在も彼のリーダーシップを遺憾なく発揮している。

 

ウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズセバスチャン・スタン

スティーブと共に第二次世界大戦で戦った唯一無二の親友。戦時中に死んだと思われていたがヒドラの手によって記憶を消された暗殺者としてスティーブの前に現れる。

インサイト計画によってS.H.I.E.L.D.を壊滅させた1人としてその身を追われている。

 

ファルコン/サム・ウィルソンアンソニー・マッキー

元アメリカ空軍兵士。戦時中に友をなくし退役していたものの、スティーブと出会い同じ思いから行動を共にする。人工翼で空を自由自在に飛びまわり戦うのが特徴。

前作アベンジャーズ・エイジ・オブ・ウルトロン(以下AoU)よりアベンジャーズに加わる。

 

ホーク・アイ/クリント・バートンジェレミー・レナー

秘密組織S.H.I.E.L.D.に所属し、ニック・フューリーの下で戦ってきた地上最強の射手。特別な能力はないものの、優れた洞察力と運動神経、判断力でチームの目として活躍。

前作AoUでは家族の存在を明かし、新たに加わったスカーレット・ウィッチを見守る一面も見せた。

 

スカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモフエリザベス・オルセン

双子の弟ピエトロと共に両親を戦争で失い、その原因であるトニーの会社を恨んでいた。人体実験によって得た特殊能力を発揮しアベンジャーズを苦しめたが、改心。新生アベンジャーズとして参加。

感情の大きさによって強大するテレキネシスと幻覚能力を備え持つ。

 

アントマン/スコット・ラングポール・ラッド

かつてS.H.I.E.L.D.に在籍していた天才科学者パンク・ヒム博士が作った身長1.5cmまで縮むことができるスーツを譲り受け、娘にとってのよき父としてヒーローとして悪と戦う。

前作「アントマン」にてファルコンと一戦を交えたことがきっかけで今回参戦するものと思われる。

 

 

彼らがどういった経緯でキャップに賛同したのか注目です。

 

 

 

続いて、政府の下で統制するべきと正義を主張するチーム・アイアンマン。

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左上から

アイアンマン/トニー・スタークロバート・ダウニー・Jr.)

軍事産業と天才的頭脳で地位を築くが、テロリストに拉致された際、自社製品が彼らの手に渡っていたこと、その武器が一般市民を脅かしていたことに気づき自らパワードスーツを開発、世界平和のために戦うことを決意する。

前作AoUで水面下で開発した人工知能ウルトロンの暴走に自責の念を感じ、今作でアベンジャーズを政府の管理下で活動することに賛成の意見を示している。

 

 

 

ウォーマシン/ジェームズ・“ローディ”・ローズドン・チードル

アメリカ空軍大佐。トニーとはスタークインダストリーズから武器を調達していたときからの中であり親友でもある。トニーが自分を見失っていたときにアイアンマンマーク2を勝手に持ち出し改造したことがきっかけでそのまま自分のものに。

現役の軍人のため、政府の管理下での活動に必然性を感じ、トニー側に参戦。

 

ブラック・ウィドウ/ナターシャ・ロマノフスカーレット・ヨハンソン

幼少の頃からスパイとしての訓練を受けており、S.H.I.E.L.D.に在籍する前はフリーで各国の諜報員として活動していた。その超一流の戦闘能力を活かしニック・フューリーに仕え、アベンジャーズに参加。

前作では、ハルク/ブルース・バナー博士にほのかな想いを寄せた描写が映しだされており、今後の動向も気になるところ。

 

ヴィジョンポール・ベタニー

人工知能ウルトロンから最強の人工肉体・クレードルを奪い、トニーを支えてきた人工知能J.A.R.V.I.S.をアップロードさせ生まれた人造人間。

超人的な肉体と能力を兼ね備え、しかも誰にも持ち上げることのできなかったソーの武器であるムジョルニアを軽々と持ちあげてしまうほど崇高な心を持つ。

因みにJ.A.R.V.I.S.の名前の由来は、原作ではスターク家に仕えていた執事の名前から取ったとされています。そして、スカーレット・ウィッチと結婚もしています。

 

ブラックパンサー/ティ・チャラチャドウィック・ボーズマン

今作から登場する新たなヒーローキャラ。その正体はアフリカの小さな国ワカンダの若き王子。

前作AoUで特殊金属ヴィヴラニウムを製造・密売している工場があるワカンダでのバトルが繰り広げられ、何らかの結びつきがあり参戦したと思われる。

 

スパイダーマン/ピーター・パーカートム・ホランド

今回、トニーがキャップたちを傷つけることなく確保するためリクルートしてきた新たなヒーロー。その実力やいかに。

今まで単体で映画化されたものはリセットされ、新たなスパイダーマン像がここから誕生するものと思われます。

 

 

力ではこちらに分がありそうですが、どんな戦いになるのでしょうか。

 

 

 

 

そして、彼らを取り巻くキャラクターたちも今作はボリューム満点!

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 左上から

サディアス・“サンダーボルト”・ロス将軍ウィリアム・ハート

アベンジャーズを政府の管理下に置くべく「ソコヴィア協定」を結ぶよう要求する。

その人物は、かつて「インクレディブル・ハルク」で中止していたはずのスーパーソルジャー計画を復活させるべく、ガンマ線の研究をしていたブルース・バナー博士を招集、そして研究の失敗により怪物ハルクとなったブルースを執拗に追い詰めた。

 

バロン・ヘルムート・ジーモダニエル・ブリュール

今回のヴィラン(悪役)として登場する以外には詳細は明らかにされておらず、本編でどのような混乱を招くのか気になるところ。

原作では、元ナチスの科学者としてさまざまな兵器を開発しキャップの長きに渡る凍結状態の原因を作った人物となっている。

 

エヴェレット・ロスマーティン・フリーマン

こちらも今回から初登場。今後公開される「ブラックパンサー」にも出演予定だそうで、こちらに関しても詳細は明らかにされていない。

原作では、総合テロセンターの職員として、ブラックパンサーがアメリカに訪問する際に関わったとされている。

 

エージェント13/シャロン・カーターエミリー・ヴァンキャンプ

前作「ウインター・ソルジャー」にて初登場したS.H.I.E.L.D.の諜報員。まだ現代に慣れていなかったスティーブの住むマンションの隣人として彼を監視及び警護をしていた。

今回は前作以上の活躍になるのか。

 

クロスボーンズ/ブラック・ラムロウフランク・グリロ

こちらも前作「ウィンターソルジャー」でキャップの部下として任務を遂行していたが、実はヒドラ側の人間だった。

今回は前作で重症を追った体を武装化した姿になってキャップたちの前に立ちはだかるものと思われる。

 

ヴァージニア・“ペッパー”・ポッツグウィネス・パルトロウ

ご存知トニーがCEOの時の秘書であり、恋人であり、彼の会社「スターク・インダストリーズ」の現社長。

今回はトニーとの関係に怪しい雲行きが?果たしてその真相は?

*ごめんなさい、今回は出てきませんでした。情報ミスでした。 

 

 

 

 

 

 

2人の対立までの歴史

なぜ2人は戦う羽目になってしまったのか。その理由が過去の作品で描かれており、また、そこから形成されていった彼らの正義の違いをおさらいしたいと思います。

 

 

 

  •  キャプテンアメリカの歴史

スティーブ/キャプテンアメリカは、国のため組織のために尽力し、忠誠を誓ってきた男でした。

生まれつき体が弱く、兵士として志願するも4回も不合格になってしまうほど。それでも彼はあきらめず、いつか兵士として悪を倒すため正義を全うしたいと信じ、その願いが通じ見事スーパーソルジャー計画の実験対象として抜擢されることになります。

 

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相手が殴りかかってきても決して逃げずやられても何度でも立ち上がる、そんな屈強な精神と強靭な肉体を兼ね備えたスティーブは、例え国のマスコットとして客寄せパンダになろうとも、組織の計画に疑問を感じても正義だと信じ戦ってきました。

劇中での彼を分析してみると、純粋でクソまじめ、汚い言葉が嫌い、チャラチャラしたやつも嫌い。そして、70年間眠っていたので現代社会に馴染めない。実は孤独。んでもって、童貞w

と、キャップとしてはすごくかっこいいですがスティーブとしてはう~ん・・・ww

 

そんな愛国心を持ち任務を全うするスティーブも弱い部分がありました。それは、常にキャップでいなくてはならないこと。今の自分が本当に望んでいた将来ではなかったこと

 

70年という時間はあまりにも長く、突如現代に目覚めた彼の周りには、キャプテンアメリカの存在は誰もが知ってはいるものの、スティーブ・ロジャースという人物を知る者はほとんど居らず。

唯一スティーブになれる場所は思いを寄せていたエージェント・カーターの前でだけ。でも、現在では歳をとり病床から離れることもできない状態。

現在の置かれた状況を受け入れ前に進む姿勢をとるも、やっぱりこんな未来を望んでいたわけはなく、そんな彼の弱い部分がAoUでスカーレット・ウィッチが見せた幻覚で浮き彫りになります。

 

そして前作「ウィンターソルジャー」では、かつての親友が記憶を無くした状態で敵として姿を現し、意識を取り戻しつつあるところで逃亡を図られたことで、スティーブは水面下で彼の探索を行っていたわけです。

 

 

スティーブにとってバッキーは、現代でキャップ以前にスティーブであることをよく知り、理解してくれる数少ない人物。

実は最初の作品でスティーブはヒドラに囚われていたバッキーを救うべく、慰問活動をほっぽりだし彼を救出に向かっています。死んだかどうかもわからないまま、わずかな希望を抱き単独でアジトに向かってしまうほど彼には特別な思いがあるのでしょう。

それだけスティーブにとってはかけがえのない友人だったわけです。 

そして今回今まで国のため組織のために尽力してきた男が、友を救うことが自分にとっての正しい行い、自分にとっての正義だと信じ、普段とは真逆の行動に出てしまうわけです。

 

 

 

 

  • アイアンマンの歴史

そんなキャップとは正反対のトニー/アイアンマンは、国や組織などに縛られないフリースタイルで行動するタイプ。

自社で製造したあらゆる武器を自国に提供してきたトニーは、テロ組織に襲われた際に胸に大ケガをし、しかもその組織が自社製品を使用していたことに驚嘆。一念発起し自らが相手への脅威となるべく武器となり、愛する者を守るため悪と戦うことを世界に知らしめます。

AC/DCブラックサバスなどのロックをこよなく愛し、その破天荒なパフォーマンスと知名度、態度から反感を買われることも多く、挑んでくるのはトニーに恨みを持つものばかり。

 

 

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そして表面上のチャラいキャラはメンタルの弱さを隠すためのカモフラージュでもあります。

心身ともに武装しなければ立ち向かえず、妻であるペッパーすら守れないと悩み、自身の命の危機に幾度も自暴自棄になることも

そんな己との葛藤を乗り越えパワードスーツを捨て、胸のアークリアクターも取り外し、そのままの自分がアイアンマンなんだと悟っていき、ある答えを彼は出していくわけです。

 

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それは自分が戦わずに世の中の平和を維持できる高い知能を持つ兵器の研究(ウルトロン計画)でした。

でも結果、街を破壊しまわりの人たちを危険にさらしてしまう大惨事に。

 

かつてスーツを兵器とみなされ政府に引き渡すよう要求されても拒んできた彼が、今回の件で自責の念に駆られ、今までの自由気ままだったトニーは、アベンジャーズは政府の管理下に置かれるべきだと真逆の意見を今回主張していくわけです。

 

 

 

 

 

  • 2人の理念の違い

青と赤、生身と武装、真面目とチャラ男、優等生と問題児、利他と利己、童貞とプレイボーイ、ニートと金持ち、あらゆる面で正反対の2人の初対面はやはりうまくいくわけもなく。

 

「アベンジャーズ」でその協調性のなさ、歯に衣着せぬ言動など相変わらずなトニーに違和感を抱くスティーブが噛み付いてしまうなど性格面で折が合わない一面もあったが、いざ戦いとなるとお互いの強さを認め合い協力して絆を深めていきます。

 

 

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しかし、「AoU」ではお互いが考える理念の違いが浮き彫りになっていきます

 

トニーは、「アベンジャーズ」で宇宙から突如飛来してきた謎の生物の登場を機に、外敵から身を守る術を模索してきていました。そのせいで不眠症やパニック障害、依存症などに冒されるまでに。

自身が出動しなくとも人工知能を搭載したマシンが対応することで平和を維持できるというウルトロン計画が成功すれば、彼がアベンジャーズに関わる必要がなく平和が訪れる、自分がアイアンマンをやめることが平和への近道だと言い放つトニーに対し、

スティーブは、いつ何時いかなるときも新たな敵が現れれば立ち向かわなくてはならない説き伏せ、相変わらずの純粋でクソ真面目な正義論をぶつける始末。

 

考えは平行線のままウルトロン計画は終息し、トニーは一旦アベンジャーズを退きスティーブは彼らを束ねる立場へとそれぞれの道を歩んでいくわけですが。

 

 

 

 

望んでいなかった現代で組織に振り回されながらも正義を貫いた男は、友を守るためヒーローから一人の男になることを選び、

行く手を阻む者を敵とみなし誰のものでなく自らが正義と主張した男は、世界を守るために、正義を政府に委ねることを選ぶ。

 この選択が血を流すことになるとは知らずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで、ぐだぐだとまとまりのない感じで書いてみましたが、彼らの歴史をおさらいしたうえで今作を見たらより理解が増すのではないでしょうか!?

果たしてどちらの正義が勝つのか?どちらの正義が正しいのか?いや答えなんて出ないのか??もしかしたらまたまたヒドラの陰謀なのか!?

では、ここから鑑賞後の感想です!!!!













正に日本よ、これが映画だ!娯楽と問題提起を兼ね備えたMCU史上最高傑作!

以下、興奮しすぎて核心に触れちゃうネタバレしちゃうかもww











笑わせて黙らせて、完全に飼いならされたw

午前3時。新宿からなんとか歩いて帰れる帰路の中、少々肌寒さを感じながらもスマホ片手に書いてます、
この興奮を少しでも早く言葉にしたくて。
いやー、ヤバい。楽しすぎるし面白すぎる。待ってた甲斐がありましたよ、今回ばかりは。正直言って情報量が多すぎて頭の中で整理がつきません!

はっきり言って予告編はアクションシーンを繋げた見せ場だけのものでフタをあけてみれば見せ場以外も見所ありまくりの作品であったことは間違いなく、
時に息を飲む緊張感で我々を黙らせたかと思えば、小粋なジョークで場をなごませた緩和のワンツーパンチをこれでもかと食らわせ、メインディッシュであるキャップチームとアイアンマンチームのオールスターバトルは開いた口が塞がらないほどの攻防とサプライズの連続にもうお腹いっぱいでございます!
それでも次々と繰り出される問題提起や陰謀、真実といった事件の真相や、ヒーローではなく一個人の人間としての葛藤や心理描写が全ての人物に用意され、よく時間内に収まったな!と感心するほど。
そして訪れるラストの衝撃!!
MCUシリーズフェイズ3の幕開けはすごいことになってました!!
今後どのような展開になっていくのか益々楽しみになっていくことは間違いないでしょう!!




内部戦争勃発の発端とは

アメリカでは主に南北戦争を意味する言葉として用いられるシビルウォー。
その言葉とおり国連の命令なしでは動けない、いわば奴隷としての縦の組織体系と、善悪は己で判断し行動する、誰の指図も受けない自由としての横の組織体系との争いを軸にした物語でありました。

ある地域で生物兵器を奪おうとするクロスボーンズの動きをキャッチした新生アベンジャーズは、抜群のチームワークで事件を解決しようとした矢先、事故を未然に防ごうとしたワンダの行動が裏目に出てしまい、罪のない人たちが犠牲者となってしまう。

そして、AoUでのソコヴィアでの一件以降世論を無視できない国連は、どこにも属さず国境を越え自警活動を行うアベンジャーズを管理下に置くべくソコヴィア協定をウィーンで行うよう指示する。

トニーは、重い口を開きながらスティーブたちに協定にサインするよう訴えても、命令を待っていたら救える人も救えないとサインを拒否し、代表してナターシャがウィーンでの調定会議に向かう。

その会議が行われたウィーンでテロが勃発しスピーチをしていたワカンダ王国の国王が亡くなってしまう。
その実行犯がバッキーだと世界中で報じられ、スティーブ真実を確かめるべく国連の命令を待たずして行動してしまう。

トニーたち協定に賛成派の協力もあり、身柄を拘束されたスティーブは、パッキーの尋問を見守っていた。その矢先施設内が停電し、バッキーが何者かの手によって洗脳された時のバッキーへ戻ってしまう。
再び暴走したバッキーを捕らえ施設から逃げ出したスティーブたちは、事件の真相を探るべく水面下で行動を開始する。
その行動を止めるべくトニーたち協定賛成派とスティーブたち反対派の正義と正義の争いが表面化していく。


こんな感じで物語は始まり怒涛の展開を見せていきます!
これほんの序の口です!この後が衝撃の連続なんです!
ここから先は是非劇場で!






キャラ別解説

キャプテンアメリカ
やはりこの物語の主人公は彼です。正確にはキャップではなく、スティーブの物語でした。彼の人間としての行動や思い、描写が今までで一番色濃く描かれていると思います。突然起きた悲しみ、戻ってきた友への思い、
そして、70年ぶりのキスwwwヘイ、スティーブ!トゥーレイトだぜ!!
そんな彼が心に誓った揺るがない正義に見てて賛同する人も多いのではないでしょうか。

・ウィンターソルジャー
1991年12月16日彼は目覚め洗脳され、彼が起こした事件が後に大きな悲劇を生むきっかけになってしまうという、物語の核として大きな役割を果たしていました。
前作以上にアクロバティックなアクションとキャップとの共闘シーンは感動モノです。
もう、正気に戻ってスティーブと行動しているバッキーを見てたら嬉しくて嬉しくて!2人の思い出話をさらっと会話の中に入れるあたりなんかニクイよ!脚本家!
今回スターウォーズリスペクトのアレは彼でしたね。

•ファルコン
AoUからアベンジャーズに参加してパワーアップしてます!人工翼を巧みに使ったアクションも見事ですが、何と言ってもレッドウィングの登場には待ってました!と心で叫んでました。
原作では、彼のペットのハヤブサが相棒として活躍するのですが、作品では偵察機としてファルコンの行動範囲を広げる役割を担っていました。
そして、バッキーとの掛け合いが最高っ!キャップの相棒はオレだバトルが早くも勃発!ファーストバトルはまさかの助手席争いwwwその後の2人の微笑みを見逃すなっ!!


ホークアイ
やはり、AoUでの闘いの後クリントは家族の事を思い引退していました。今回は事件に被害を出しふさぎこんでいたワンダをサポートするべくキャップチームに参加。
引退しても身体能力の高さは衰えておらず尚且つ多彩な活用を見せる弓矢も出番多し!
アントマンとのチームプレーも面白い!


スカーレット・ウィッチ
彼女のテレキネシスも安定し、強大な威力を発揮してくれています。犠牲者を出してしまったことにふさぎこんでしまうも、過ちを繰り返さないよう自分の行動に責任を持つためキャップチームに参加していきます。
この能力ありゃあキャップチームの勝ちじゃね?と思いがちですが、攻めの攻撃ではなく終始サポートでの戦い方でした。反則だもんなー実際w
そして今回ばかりはブラックウィドウとのセクシー対決は彼女に軍配が上がりましたww
もーだってコスチュームから半分乳がはみでてんだもーんww
たまらん!!


アントマン
小っちゃいオッさんも見せ場たくさんありました!今回の笑いどころもたくさんありましたが、バトルでもスゴイ!
超ビッグなサプライズが待ってますよ!ビッグな!!
スーツを作ったパンク・ヒム博士はトニーのお父さんハワードと袂を分かっていたのでスコットはその思いをトニーにぶつけるんですけど、まぁコレがまた面白いです。
そうだよトニーは間違ってないww





アイアンマン
今回のパワードスーツは腕時計型の簡易的な手のみのものと、終盤はマーク46の登場です。
相変わらずのカッコよさでした。
そして彼の心の根っこにあるフラストレーションが明かされます。常に自分との戦いを強いられてきた彼のキャップに対する嫉妬と前作での反省、そしてペッパーとの確執も語られ、彼が主張する正義も仕方のないことだったのかなぁと同情してしまうほど内面が浮き彫りになってます。
そして訪れる終盤での衝撃の事実!いやぁ、悲しいです。
もちろん彼のユーモラスな会話も健在。スパイダーマン勧誘シーンは笑いの連続です!


ウォーマシン
彼もアベンジャーズに参加してから本格的に戦うのを見るのはコレが初回になるわけですが、やはりアイアンマンとのチームプレーが一番グッと来ますね。
やはり軍人だけあって命令には実直で自分の行動に後悔しない、ある意味キャップと同じ精神で活動していたように思えました。
AoUでの彼のアメリカンジョーク覚えてますか?今回もあの言葉が聞けますよ!
予告でも映ってますが、今回一番のダメージを負うことになります。

ブラック・ウィドウ
いつもながらのアクションと美貌を見せつけてくれた彼女にも新しいガジェットが装備されてましたね。
手首から電気ショックを与えるような武器で気絶させるようなものだったと思います。
今回の立ち回りも彼女ならでは。トニーね揶揄されたりもしますが、そこはナターシャが考えた末での正しい行動だったと思います。
前作では国連で会見し色々関与を否定した立場だったのに今回も彼女が出席し調定にサインするという役割も面白いところ。


ヴィジョン
これズルイよーwww出オチばっかりじゃねーか!!
きっと本人は笑わせてるつもりはないと思いますが笑ってしまいます。
というのも、人間をもっと知るために人間になろうと彼なりの努力が今回うかがえるんですが、それが笑わずにはいられないwww必見です!
もちろん、同じくズバ抜けた能力を持つワンダを同情したり、あくまで数字で導いた持論ではあるものの、すでに人間として形成されつつある彼の行動や考え方が随所に見ることができます。
バトルもワンダ同様サポート的立場で活躍するんですが、大きなミスをしてしまいます。そこもまた人間らしくなった結果なんでしょうか。


ブラックパンサー
今回から新たに登場したヒーローなわけですが、これまたカッコいい!ヴィヴラニウム製の黒いスーツから飛び出る爪と驚異的な身体能力の高さ!空中回し蹴り三連発ですよ!ヒャッホーっ!!
国連での調定会議で父を亡くし復讐の鬼となったティチャラは先祖代々受け継がれてきたという戦闘スーツを見に纏いウィンターソルジャーを執拗に追いかけます。
そんな彼が最後に出した答えはもしかしたら今作で一番正しい答えなのかもしれません。
私なら彼の正義を支持します。
次は単体での作品で活躍するわけですが非常に楽しみですね。


スパイダーマン
おかえりスパイディー!!大人の事情から解放されたとは言え、あんまり出番ないんじゃないかな…
って全然心配する必要なかったww
いつも通りの未成熟で強がりでよく喋る僕らのよく知るスパイダーマン、場を和ますなー!
どういう経緯で力を手に入れたかは詳しく描かれていなかったもの、やはりそこには「大いなる力には大いなる責任」を軸とした彼なりの正義感が芽生えており、トニーからスパイダーマンのスーツを作ってもらい参戦します。
ユーモアも富んでいて、中でもスターウォーズ帝国の逆襲からインスパイアされた攻撃はファンなら、おー!と思えるのでは。
てかさ!メイおばさんマリサトメイって!急に若返っちゃったしエロいし!ミッキーロークレスラーでストリッパーやってた人だよ!?そりゃあトニーもメロメロだわwww







緊張感を巧みに描いた心理スリラー

前作ウィンターソルジャーに続いて監督したルッソ兄弟。
前作でアメコミ映画にポリティカルサスペンスを取り入れたことで高評価を得た監督の次なるテーマは心理スリラーでした。
監督はインタビューで、映画セブンファーゴゴッドファーザーデ・パルマ監督作品、特にミッドナイトクロスからインスパイアされ描いたと語っており、
鑑賞後に思ったのは、終盤は正にセブンでのミルズ刑事を思わせる行動だったように思えます。
ミッドナイトクロスというのもたまたま出くわした事故が巨悪の陰謀だったというプロットを咀嚼して組み込んでいるのが何となくではありますが理解できたように思えます。
ファーゴに関してはどこを取り入れたのか把握できなかったですが、ゴッドファーザーというのも家族の話であるとおり、ファミリーとなったアベンジャーズの多数の人物が入り乱れ描かれているという点では、影響を受けていると言えるのではないでしょうか。
他にも、西部劇を意識したかのような戦う前の横並びの立ち姿だったり、舞台名称を大きく表示したやり方なんかはダニーボイルっぽいアートなイメージだなぁとアメリカ映画の歴史を受け継いで出来上がったものになっていたと思います。


そんな心理スリラーの中で描かれていたのはヒーローではなく人間同士の対立に重きを置いた争いはどうやって起きてしまうのか、またそれはどうやって終わらせることができるのか?といった問題提起であり、
黒幕はそれをアベンジャーズに見せつけるべく些細な仕掛けを用意して彼らの心を揺さぶり巨大な力崩壊させるべく画策しています。
何をもって正義なのかを問う、非常に巧く描かれた監督の力作だったと思います。

そして、これがアベンジャーズインフィニティウォーへどうつながっていくのか、今回とは比べ物にならない何倍もの登場キャラをどう見せていくのか、続投する監督の腕の見せ所に期待したいですね。










とにかく書きたいことを書きたいだけ書いてみましたが、なんとか核心には触れずに書いたつもりです!
あと2回は観に行くので気づいた点納得した点などあれば追記しようと思っています。
今年のGW映画は良作揃いです。その中でも絶対満足できる映画でした!!
絶対観ろよ!!このヤロー!!超楽しいぞ!!


満足度☆☆☆☆☆☆☆☆★★8/10

映画「テラフォーマーズ」感想 評価 レビュー よくもまあこれだけのタレント揃えてやっちまったなぁ。

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4月29日

テラフォーマーズ

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去年気になってコミックレンタルしたんですよ、15巻くらいまで。原作は普通に面白かったんです。途中で中だるみしてきたけど。

 

 

 なんだかんだで、1巻が一番面白かったんですけど。おそらく登場人物から推測するに1巻ベースにした作品だと思います。

そんなことはどうでもいいとして、危険なニオイのする映画であることは間違いないっ!!

そんなことわかっておきながら見てみたくてしょうがない気にさせる三池監督最新作。早速見てまいりました。

 

 

 

 

あらすじ

21世紀、人口爆発を迎えた人類が選択した火星移住計画。人類はコケと“ある生物”を送ることで火星を地球化させようとした。それから500年。計画の仕上げのために火星へ送り込まれた隊員15人のミッションは、その生物の駆除。

ところが、“ある生物”は人型に異常進化した凶暴な驚愕生物へと姿を変え、隊員たちに次々へと襲い掛かる。

絶体絶命な状況の中、彼らの体に秘策が仕込まれていたことが明かされる。昆虫のDNAによって虫の姿に“変異”し、超人的なパワーを発揮できるのだ。

騙されたことに怒りながらも、獰猛過ぎる力を与えられた小町小吉(伊藤英明)のもと立ち上がる隊員。

ついに人類対テラフォーマーの壮絶な戦いが始まる!

だが、その裏で、もうひとつの陰謀が着々と進んでいた・・・。(HPより抜粋)

 


映画『テラフォーマーズ』予告編

 

 

 

 

 

 

 

監督・キャスト

 監督は色々と手を出し過ぎてもはや偉大なのか愚かなのかわからなくなってきた三池崇史監督

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その昔、活躍が期待される非英語圏の監督としてジョン・ウーと共に名が挙がるほどの有望株だったようですが、最近ではカンヌで出品してもコケにされることもあり、せっかく名だたる監督から絶賛されてるだけの実力があるのに、最近は商業モノ、いやコミック原作モノばかりで少々残念な気も。

 

Vシネなどでその名を知らしめ、映画のオーディションにやってきた女性の中から再婚相手を探す中年男性が描いたサイコホラー「オーディション」、歌舞伎町を舞台とした気弱で泣き虫な刺客と、マゾヒストな若頭の抗争を残虐的な描写で話題を呼んだ「殺し屋1」などが海外で評価された後、

近年では、「クローズZERO」、「土竜の唄」、「神様の言うとおり」などといったコミック原作モノ、「忍たま乱太郎」、「ヤッターマン」、「逆転裁判」などのアニメ・ゲームを原作とした異色モノから、

十三人の刺客」、「一命」、「悪の教典」、「藁の盾」などの小説やリメイクといった作品を手掛けるなど「映像化可能なら何でもやってみる」という信条の元、数々の作品を手掛けている、ある意味珍しい監督でもあります。

来年はSMAP・木村拓哉を主演に迎えたコミック原作の時代劇「無限の住人」が公開予定です。

 

十三人の刺客<Blu-ray>通常版

十三人の刺客<Blu-ray>通常版

 

 近年の監督作品の中では一番好きな作品。

 

 

明石藩主で老中になることも決まっている松平斉韶(なりつぐ)の暴君ぶりに幕府の存亡に危機感を募らせた老中・土井利位は、御目付・島田新左衛門に斉韶暗殺の密命を下す。さっそく男たちを集めた新左衛門は、総勢十三人の暗殺部隊を組織、入念な計画を練り上げていく。

 

 

多少のおふざけがなけりゃいい時代劇なのになぁと嘆きつつも若い人でも十分楽しめるエンタメ時代劇です。なかでも、現在療養中でもある松方弘樹の殺陣!みんながむしゃらに斬っていくスタイルの中、一人だけ溜めや間を作り鬼の形相で相手を斬る様はさすが遠山の金さん!と声を上げたくなるほどの威圧感と存在感。これだけでも一見の価値はあるのではないでしょうか。個人的には稲垣吾郎は上手い演技とは思わなかったんですけどねww

 

 

 

 

 

キャスト陣はキャラが多いのでざっくりと。

主演の小町小吉役に伊藤英明。

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スラム育ちで妹のようにかわいがっている奈々緒(武井咲)をかばい殺人罪に。その罪を免れるべく渋々火星に参加することになっていく。

 

三池監督とは「悪の教典」「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」でタッグを組んでいるだけあってお互いいい信頼関係にあると思います。

 

次っ!

 

秋田奈々緒役に武井咲。

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不幸な境遇を救ってくれた小吉を心から信頼している。天真爛漫で楽観的。火星行きも軽いノリ。だがそれは小吉の為でもあった。

 

おいっ!伊藤英明と年齢差ありすぎじゃね?はなっから設定に矛盾が生じてきてますがそこはがんばって伊藤英明が若作りするってことでww

三池監督とはなんだかよくわからないがエネルギーはすごかった「愛と誠」以来の出演。

 

次っ!

 

武藤仁役に山下智久

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自分より強いやつがいることが許せない、闘争心のカタマリの元キックボクサー。

原作ではタイ出身のムエタイ習得しているもとストリートチルドレンのティンがベースになっています。

メイクか修正かわかりませんがだいぶ頬がコケてますねぇ。役作りでしょうか。彼には演技は求めてませんww画が映えてくれれば、それなりにアクションができれば御の字だと思って見ます。

 

次っ!

 

蛭間一郎役に山田孝之

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病気の母親と幼い兄弟たちを支える長男。極貧の家族を養うため火星行きを志願する。

 

はい、この後書きますがほんとコミック原作には欠かさず出演するカメレオン俳優。これで何作目だい?

三池監督とはクローズZERO,十三人の刺客、悪の教典、土竜の唄など多数出演しています。

 

次っ!

 

本多晃役に小栗旬

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 天才頭脳と奇抜なファッションを誇る、尊大で無慈悲な科学者。テラフォーミング計画を立ち上げる。

 

はい、山田孝之と公私の仲であるコミック原作実写化絶対出演しますバカの小栗さん。もう原作とかけ離れた格好がすでに謎です。奇抜なファッションって・・・。twitterでYMOの時の坂本龍一みたいだって言ってた人がいたのがツボだったんですがww

この人は好きな漫画のキャラを演じるって言うだけでほんと楽しく仕事をやっている気がします。ある意味うらやましい。

三池監督とはクローズZERO、スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴで出演しています。

 

はい、あとはダイジェスト!

 

元テロリスト、ゴッド・リー役にケイン・コスギ。元警官、森木明日香役に菊池凛子。バグズ2号の艦長、堂島啓介役に加藤雅也。バグズ2号の副艦長、大張美奈役に小池栄子。元少女売春組織のリーダー、大迫空衣役に篠田麻里子。連続殺人犯、手塚俊治役に滝藤賢一が出演します。

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原作との違いを比較すると、ゴッド・リーは原作ではイスラエル出身になってますが今作では純日本人という設定。

森木明日香は南アフリカ出身のヴィクトリア・ウッドをベースに、

堂島啓介は宇宙飛行士を目指していたアメリカ出身のドナテロ・K・デイヴスをベースに、

大張美奈は中国出身の元スパイ、張明明(チョウミンミン)をベースに、

大迫空衣はジャイナ・エイゼンシュテインをベースに、手塚俊治はインド出身のテジャス・ヴィジがベースになっています。

原作ではこの出身地が後に重要な部分になってくるんですが、これを全員日本人にしたということは、おそらく続編ありきの企画と匂うだけに気になる点ではあります。まぁ、ただ単に進撃の巨人同様外人の配役を日本人がやるっていうのが無理だってだけの話だと思いますが。

 

 

 

彼らがどんな能力を持った変身を遂げるのかはコミック読んでもらうとして、とにかく豪華なキャストであることは間違いないでしょう!!

なんてったって、山Pと山田孝之の競演なんてロングラブレター以来じゃないですか?小栗&山PもおそらくStand up以来。個人的にはこういうところで興奮しておりますww

 

 

 

 

というわけで!

 

大人気コミックを実写化した豪華キャストア~ンド世界の三池監督で作り上げ、無駄にアイスランドまで行って撮影された(www)、人間対テラフォーマーの戦いやいかにっ!!

こっから感想です!!









えー。期待してた通りの萎えっぷりでしたよ。

以下、核心に触れずネタバレします。











正確に言えば超つまらないわけではなかった。

とりあえず、良かった点から言いましょうか。
登場人物からわかる通り原作1巻をなぞった話で、変にその後の火星での国同士の争いを入れず、あくまで日本の世界での地位を確立するための計画というものに置き換えた点は上手くまとめたといっていいのかな、と。
2巻以降入れたら100%収まらないですからね。

あとは、彼らに施した昆虫の説明ね。池田秀一さんのナレーションが心地よく、原作から絶対に削いではいけない大事な説明を入れたのは正解でした。

うーん、もう出てこないなぁ。
あ、ゴキブリたちね。フォルムとかCGはまぁ置いといて、死骸とか体液の生々しさは平成初期あたりの特撮ものを想像させた気持ち悪さでしたね。これはゴキブリを叩き潰したあとのなんとも言えないグロさを表現するのにはCGよりも小道具で見せるのは良かったと思います。

あとはぁ…もうないwww





全てにおいてテンポが悪い!

バトルアクションに関して。
タイマンでの戦いを早回しとスローで1カット1カットカッコ良く見せたいのはわかる。でも、圧倒的な数のゴキブリを相手にするのだから一掃できるような原作にはない技なんか入れても良かったのでは?と思った。
でないと、この数相手の戦いに爽快感が全くもって生まれてこないからだ。

戦いのテンポの悪さ以上に悪かったのは、緊急離陸しなければいけない非常事態にもかかわらず始まる会話劇。
いやいや、お前らの心情吐露よりもこの危機を乗り越える方が先じゃね?
と思えるようなセリフの入れ方。
危機感がまるで感じない。
この危機感の無さが随所に現れます。特に戦いの中で。
まあよく見るシーンと言えばそうなんだけど、相手人間じゃないぜ?害虫だぜ?死にそうな奴との最期の別れに待ったなんかしてくれねーぜ?
というように登場人物たちは状況を把握できてません。



他にも急に変身後の姿からへんなシーンを挟んでからの、昆虫の説明ね。肩肘ついて見てたら滑りましたよ。
んだよっ!そのシーン入れる意味あるか!?
と。編集おかしいでしょ。
あとは、顔のどアップで表情を映すシーン。
間が長い!!じれったい!!そんなにどアップ要りませんw

ウケ狙いも相変わらずの透かしっぷり。今回は小栗旬が頑張ってファッションバカと変人っぷりを怪演してたわけですが、もー自分の笑いのツボをどこもつかないすべり芸にはウンザリでしたね。会場誰も笑ってなかったぞ。
極道大戦争もそうだったけど三池監督のコメディセンスはホント合わないですね。

一番気になったのは火星に向かって39日目なのにもかかわらず、お互いを理解してないところ。
いやいや、それだけ一緒に過ごしたなら素性とか大体わかってるっしょ?なんで志願したとかオレには家族が居ないとか。そういう話したと思うんですよ。

あとは登場人物の多さ故誰にも感情移入できない部分。重要人物に時間割いて描いているにもかかわらず、浅い描写に誰にものっかることができない。

こんな感じで挙げて見ました。なんかねー、久々にずっと真顔で見てた気がします。




そもそもこれ手出しちゃダメな原作じゃん?

火星を舞台にした映画だと今年はオデッセイという良作がありました。
やはり、宇宙ものを描くには日本はまだまだ難しいだろ。というのが今作でより浮き彫りになった気がします。
とにかく予算が少ない。で、少ないなら少ないなりに特殊メイクやら特撮といった古き良き日本映画の技術を取り入れて作っているわけですが、こればかりは無理がありすぎた気がします。
アイスランドで撮影したそうですが、多分俳優たちはロケには参加せず合成処理だったと思うし、変身も特殊メイクでなんとか形になっているもののチープさが目立つ仕上がり。

総じて言えば、ウソくさいものをどれだけリアルに再現できるかをお金の面で怠り、ウソくさいままになってしまっているというのが映像に関して思ったことであり、こういうのはホント大国に任せれば良いんだと改めて感じました。

金が作れないなら無理すんな、日本映画。せっかくの俳優たちがスゲえ演技下手くそに見えるわ。






やはりつまらない映画には文章がノリません。深夜に見たシビルウォーの3分の1にも満たない文量になってしまった。
俳優たちのファンには申し訳ないが今年のGW映画、もっと面白いのがたくさんあるのでそちらを見て欲しいと切に願います。

満足度 ☆☆★★★★★★★★2/10


モンキー的期待の2016年5月の新作映画 とオマケ

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5月2日

モンキー的期待の2016年5月の新作映画

みなさーん!ゴールデンウィークいかがお過ごしでしょうか?
今年のGW映画はどれも良作ばかりねすねー。アレとかはのぞいてw
レヴェナント見ました?シビルウォー見ました?アイアムアヒーロー見ました?ズートピア見ました?
え?まだ見てないの?
うわーっ!もったいない!!
元々ゴールデンウィークって映画業界が作った言葉らしいですよ。
是非なんでもいいので見ていだだきたいですね。
 
てなわけで、今月の新作映画はそんなGW興行もひと段落してることもあり大作ものでこれといったモノはありませんが秀作、または通好みのラインナップだと思います。
あくまで個人的ではありますが期待してる新作映画をいくつか挙げたいと思います。
 
 
 
 
 

ヘイル、シーザー

期待度 ☆☆☆☆★
 
5月13日公開
 
 
出演ジョシュ・ブローリン
        ジョージ・クルーニー
        チャニング・テイタム 他
 
 
 
解説
ノーカントリー」「ファーゴ」のジョエル&イーサン・コーエン兄弟が、ジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、スカーレット・ヨハンソン、チャニング・テイタムら豪華スターを迎えて描いた監督作。(映画サイトより抜粋)

 

 
  • 期待どころ
コーエン兄弟監督久々の新作はコメディ。シリアスなものもいいけどコメディもまた秀逸。しかも、誘拐モノなのでどんな騒動が巻き起こるのか、また監督の下に集まったおなじみの豪華キャストの共演も楽しみ。
個人的には、ジョナ・ヒル&チャニング・テイタムのジャンプストリートコンビが共演というのがどんなコメディを見せてくれるかが非常に楽しみ。
 
 
 
 
 
 
 

殿、利息でござる!

 
 
期待度☆☆☆★★
 
5月14日公開
 
 
出演阿部サダヲ
        瑛太
       妻夫木聡 他
 

  • 解説
武士の家計簿」で知られる歴史家・磯田道史による評伝「無私の日本人」に収録されている一編「穀田屋十三郎」を映画化。物語の舞台となる仙台出身のフィギュアスケート選手・羽生結弦が、仙台藩の第7代藩主・伊達重村役で映画に初出演を果たした。「白ゆき姫殺人事件」「予告犯」の中村義洋監督がメガホンをとり、時代劇に本格初挑戦。(映画サイトより抜粋)

 

 
  • 期待どころ
ここ最近サスペンスに力を入れていた中村義洋監督久々のコメディ。クドカン御用達にも感じる豪華キャストの共演も楽しみに加え、お金にまつわるドタバタ劇という題材もまた楽しみなところ。
監督お得意のユルさとベタな笑いが溢れてくれていることを願いたい。
近年の時代劇コメディといえば、超高速!参勤交代!が頭に浮かぶけどアレが当たったからっての似たような企画じゃないよね?
 
 
 
 
 
 

すれ違いのダイアリーズ

 
期待度 ☆☆☆★★
 
5月14日公開
 
出演 スクリット・ウィセートケーオ
        チャーマーン・ブンヤサック
        スコラワット・カナロット
 
 
  • 解説
田舎の小さな小学校に赴任した青年教師と前任者の女性教師が、日記を通じて交流する姿を描いたタイ映画。都会から遠く離れ、山々に囲まれた小学校に赴任したソーンは、職員室で前任者の女性教師エーンが残した日記を見つけ、読むうちに面識もないエーンを身近に感じるようになる。1年後、ソーンと入れ違いで再びエーンが赴任してくる。ソーンは同じように日記を残しており、今度はエーンがソーンの日記を読み始める。(映画サイトより抜粋)
  • 期待どころ
映画解説者中井圭さんが薦める映画は大体見てしまうほどチェックしてるんですが、今回はタイ映画!
マジかー、見たことねーよー!と思いつつも、彼の紹介のおかげでインド映画やら韓国映画といったアメリカ、ヨーロッパ以外の映画の扉を開けてくれ、しかもそれがベスト級の面白さだったりするのでいつも教えてくれてありがとうと感謝しています。
日記を通じて名前しか知らない女性を想ってしまう男の心情と慣れない土地での奮闘と成長をどんな風に描いてくれるのか楽しみですね。
 
 
 
 
 

海よりもまだ深く

 
 
期待度 ☆☆☆☆★
 
5月21日公開
 
出演 阿部寛 
        真木よう子
        樹木希林 他
 
 
  • 解説
海街diary」「そして父になる」の是枝裕和監督が、「歩いても 歩いても」「奇跡」に続いて阿部寛と3度目のタッグを組み、大人になりきれない男と年老いた母を中心に、夢見ていた未来とは違う現在を生きる家族の姿をつづった人間ドラマ。(映画サイトより抜粋)
 
  • 期待どころ
世界に魅せたい日本映画の代表とも言える是枝監督の最新作は大人になれない男の話。
おそらく余計な演出や音楽といった、味付けの濃い映画などではなく、ごくありふれた風景と家族を無添加無着色で描いてくれるに違いない。
昨年の海街diaryほどのヒット性は無さそうだけど、今年を象徴する1本になるかもしれない。カンヌ映画祭で賞とれないかなー。
 
 
 
 
 
 

ディストラクション・ベイビーズ

 
 
期待度 ☆☆☆★★
 
5月21日公開
 
 
出演 柳楽優弥
        菅田将暉
        小松菜奈 他
 
 
  • 解説
若手実力派キャストが集結し、愛媛県松山市を舞台に若者たちの欲望と狂気を描いた青春群像劇。「イエローキッド」「NINIFUNI」などで世界的注目を集める新鋭・真利子哲也監督が商業映画デビューを果たし、「桐島、部活やめるってよ」の喜安浩平が共同脚本を担当。
 
  • 期待どころ
名前は聞いたことあるものの、作品は全く見たことない監督で。何か凄そうな作品な気がするのは果たして気のせいだけなのか。
ケンカに明け暮れる男とそれに魅了された男の旅の果てに何が待っているのか、そして柳楽優弥が見せる狂気がどれほどのものなのか、そんなところを期待して見たいですね。
 
 
 
 
 

ヒメアノール

 
 
期待度 ☆☆☆☆★
 
5月28日公開
 
 
出演 森田剛(V6)
        ムロツヨシ
        濱田岳  
 
 
 
  • 解説
行け!稲中卓球部」「ヒミズ」の古谷実による同名コミックを、「V6」の森田剛主演で実写映画化。森田が、次々と殺人を重ねていく主人公の快楽殺人犯・森田正一役を演じ、「純喫茶磯辺」「銀の匙 Silver Spoon」などを手がけた吉田恵輔監督がメガホンをとった。(映画サイトより抜粋)
 
  • 期待どころ
かつてグループのセンターを務めていた彼も今や岡田准一の影に隠れ露出度は下がっていたが、地道に舞台で経験を積んでキャリアを積んでいる。
イメージも未だ捻くれた悪ガキ感を残し成熟した彼のサイコキラーな演技が、もしかしたらこれを機に一気に開花しそうな気もする。
監督もほのぼので青くさい映画を得意とする吉田恵輔監督のユーモアがどれだけ光るか、そしてそれと真逆の恐怖をどう観衆に植え付けるのか非常に楽しみです。
あ、古谷実のコミック、私一度も読んだことありませんwギャグとか笑えるかなー。
 
 
 
 
 

若葉のころ

 
 
期待度 ☆☆☆★★
 
5月28日公開
 
 
出演 ルゥルゥ・チェン
        リッチー・レン
        アリッサ・チア  他
 
 
  • 解説
1971年公開の「小さな恋のメロディ」挿入曲としてヒットしたビージーズの「若葉のころ」のメロディとともに、母と娘それぞれの初恋を描いた台湾発のラブストーリー。母が17歳だった1982年と娘が17歳の2013年を舞台に、それぞれの初恋の揺れる思いを瑞々しく描いた。(映画サイトより抜粋)
  • 期待どころ
予告で既にビージーズの名曲流れちゃったらさぁ、ときめくに決まってんじゃない!
近年アジアの青春映画の完成度と来たらまあヤバイ。どれも胸にささってくるのは自分の青春時代を思い出させるような甘くほろ苦い、そして清々しくさせてくれる映画ばかりなんだけど、きっとこの映画もそんな風にさせてくれそうな青春ラブストーリーになりそう。
キュンキュンさせてくれねーかなあー。
 
 
 
 
 

神様メール

 
 
期待度 ☆☆☆★★
 
5月28日公開
 
 
出演ブノワ・ポールブールド
        カトリーヌ・ドヌーブ
        フランソワ・ダミアン 他
 
 
 
  • 解説
トト・ザ・ヒーロー」「八日目」などで知られるベルギーの異才ジャコ・バン・ドルマル監督が、前作「ミスター・ノーバディ」以来6年ぶりに手がけた監督第4作で、ベルギー・ブリュッセルの街に暮らす神様と、その娘が引き起こす騒動を描いたファンタジックコメディ。(映画サイトより抜粋)
 
 
  • 期待どころ
ミスターノーバディは知り合いが面白いと薦めてくれたものの未だ鑑賞してないのでこの映画を見る前に見ときたいところですが、ヨーロッパならではのユーモアセンス光るファンタジックコメディなのでしょうか。
街で暮らす神様がパソコンで面白半分に事故を引き起こしてるなんて、もろに暇を持て余した神々の遊びじゃねーかww
その娘の救済ぶりがどんなカタルシスを生むか楽しみですね。
 
 
 
 
 
 
こんな感じで今月は4月よりも本数が少なく、ミニシアターに足を運ぶ回数が増える月になりそうです。
 
なので、まだ日本公開未定ながらスゲー気になる作品をオマケで紹介したいと思います。
 
 

ハードコア・ヘンリー(原題)

 
 
舞台はモスクワ、主人公のヘンリーは死から蘇ったサイボーグだ。ヘンリーは、彼の妻であり創造主でもあるエステールを、テレキネシスを操る暴君“アカン”と彼が雇った傭兵達の魔の手から救わなければいけない。ヘンリーは妻を救うことが出来るのだろうか。
はい、予告みてお分かりの通りもうこれゲームじゃんwww
こんなの映画と呼べるのだろうか?という不安な気持ちと、なんて革新的で新しい映画なんだ!という期待の気持ちが同居した気分になります。
 
POV映画にあたるとはいえ、ここまで視点を一人称で徹底した映画も見たことがない。
しかも、主人公ヘンリーは喋らないという設定のため自分がその世界にどっぷり入り込んでしまう感じにもなりそう。
そして、アクションがすごい!どうやって撮ってんだこれ??かなりリアリティある映像だし。
なんてったって予告で使ってる曲がクイーンdon't stop me nowときたもんだ!アドレナリンあがるべ!こんなの!
 
先月アメリカで公開され初登場5位を記録したものの日本公開は決定されてないので是非配給会社の方、買付けの方をよろしくお願いしますww
 
 
 
 
以上、今月期待の映画とオマケでした。

映画「ヘイル、シーザー!」感想 解説 プロデューサーはつらいよ!事件にトラブルに駆けずり回る裏方の過酷なお仕事。

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5月13日

 ヘイル、シーザー!

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あー、2週間ぶりのブログです。先週久々に映画館行かない週だった気がする。

もうねー、4月が良作多すぎて。シビルウォー3回見たから映画館15回も行ってましたよ。行きすぎだな。今月は見たいの少ないから助かります。

 てなわけで、今月も気合入れて書いていきたいと思います!!

今日はコーエン兄弟監督の新作を見てまいりました。

 

 

 

あらすじ

1950年代、ハリウッドが“夢”を作り、世界に送り届けていた時代。スタジオの命運を賭けた超大型映画「ヘイル、シーザー!」の撮影中に、主演俳優であり世界的大スターのウィットロック(ジョージ・クルーニー)誘拐事件が発生!

撮影スタジオは大混乱に陥る中、事件解決への白羽の矢を立てられたのは貧乏くじばかり引いているスタジオの“何でも屋”(ジョシュ・ブローリン)。

お色気たっぷりの若手女優(スカーレット・ヨハンソン)や、みんなの憧れのミュージカルスター(チャニング・テイタム)、演技がどヘタなアクション俳優(アルデン・エーデンライク)など、撮影中の個性あふれるスターたちを巻き込んで、世界が大注目する難事件に挑む!(HPより抜粋)

 


映画『ヘイル、シーザー!』予告編

 

 

 

 

 

 

監督・キャスト

 監督はジョエル・コーエンイーサン・コーエン

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映画見始めた頃は難しそうで避けていた監督の一人でしたが、私の大好きな作品である「インサイド・ルーゥイン・ディヴィス」を見てからハマり、それからというもの好きな監督の一人になっています。

 

スランプ状態に陥った脚本家が、貧相で薄暗く蒸し暑いホテルの一室で殺人事件に巻き込まれた「バートン・フィンク」がカンヌ国際映画祭で作品賞、監督賞を受賞したことで世界的に注目を浴び、その後も、

アメリカの田舎町で起きた狂言誘拐が思いもよらぬ惨劇へとなり、その人物たちの奇妙な姿をユニークに描いたサスペンス「ファーゴ」でアカデミー賞脚本賞を受賞

アメリカの片田舎で床屋を営む無口な男が、妻の浮気相手を恐喝したことから徐々に人生の歯車が狂い始めていく悲喜劇「バーバー」でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞

メキシコ国境沿いのテキサスを舞台に、麻薬取引がらみの大金を持ち逃げした男の容赦ない宿命と、彼を追う殺し屋、その事件を追う警官をバイオレンス且つ神話的に描いた「ノーカントリー」でアカデミー賞作品賞はじめ多くの賞を総ナメにし、数々の名作を世に送っています。

 

 

ファーゴ [Blu-ray]

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 今作が誘拐ってこととテレビドラマもやってるのでこちらをご紹介。

 

借金返済のために妻を誘拐し、会社のオーナである義父から身代金をいただく計画をたくらんでいた夫。紹介された2人組に依頼し実行に移すも誤って警官と目撃者を射殺してしまう。女性警官が捜査していくが、その間に誘拐計画は悪い方向へと進んでいく。

 

あらすじ読む限りでは普通のサスペンスですが、冒頭、事実に基づく話と表示されているけど実はこれがウソ。んでもって、妊婦の警官、凸凹コンビの2人組、哀れで情けなく、誘拐を企てた夫などキャラが個性的

サスペンスだ!と真正面で見るのでなく少し違った角度で見るというのがこの映画の楽しみ方であり、そうすることでキャラやセリフや演出が非常にユーモアで溢れていることに気づくと思います。監督の持ち味が詰まった良作です。

 

 

 

 

 

主演の何でも屋エディ・マニックスを演じるのがジョシュ・ブローリン。

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この人は大体おっかない刑事役のイメージが強いですね。先月見たボーダーラインでも胡散臭いCIA捜査官を演じたり、

 

monkey1119.hatenablog.com

 

インヒアレント・ヴァイスでは銭形のとっつぁんばりに声のでかい刑事役だったし、LAギャングストーリーでも終盤マフィアと殴り合ってたし。まぁ、そんな役が多いお方です。

 

1970年代アメリカでセクシャルマイノリティのために戦った政治家の8年間を描いた「ミルク」で好演、その後も監督と2度目のタッグを組んだ「トゥルー・グリッド」では主人公の父を殺したことで追われる身となった元使用人という悪役を演じています。

個人的にはアベンジャーズ最強の敵サノスを演じているので、インフィニティ・ウォーではどんな活躍をしてくれるか楽しみです。

 

 

 

 

トゥルー・グリット [Blu-ray]

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 最近では中々作られない西部劇。ジョシュとコーエン兄弟監督が2度目のタッグを組んだ作品です。

 

父を雇い人に殺された14歳の少女は、父の敵を討つことを心に誓い、腕利きの保安官と屋と任を別の容疑で追っていたテキサスレンジャーと共に彼を追跡する。少女にっとて過酷な旅が始まる。

 

非常に地味な作品だなとは思いましたが、最初こそ無謀な追いかけっこだといいつつも、少女の執念に負け共に追跡する保安官が、終盤訪れる危機に必死に馬を走らせる思い、ラストの少女が保安官に抱いていた思い。深い絆を感じると共に静かな感動が押し寄せる1本でした。

 

 

 

 

 誘拐されてしまう主演俳優ベアード・ウィットロックを演じるのがジョージ・クルーニー。

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コーエン兄弟とは「オー!ブラザー!」「バーン・アフター・リーディング」以来のお仕事でしょうか。コメディ色の強い作品ばかり呼ばれてるみたいですねww

 

彼の今後としては、来月に公開されるジョディ・フォスター監督のマネー・モンスターで主演を演じてるのでこちらも楽しみですね。

 

彼に関しては去年の作品で色々書いてますんで宜しければどうぞ。

 

monkey1119.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

他にも、演技がどヘタなアクション俳優ホビードイルにアルデン・エーデンライク、キレたら超危険な映画監督ローレンス・ローレンツにレイフ・ファインズ、バカ真面目な公証人ジョー・シルヴァーマンにジョナ・ヒル、お色気で勝負の若手女優ディアナ・モランにスカーレット・ヨハンソン、正体不明のベテラン編集者C.C.カルフーンにフランシス・マクドーマンド、ネタを探すしつこい双子の記者ソーラ・サッカーとセサリー・サッカーにティルダ・スウィントン

そして、みんなの憧れミュージカルスター、バート・ガーニーをチャニング・テイタムが演じます。

 

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といった豪華キャストで送るコーエン兄弟お得意の誘拐劇ははたしてどんな意味があり、そしてどんな皮肉が隠されているのでしょうか!?

それでは、観賞後の感想です!!

 









当時の歴史を知らないとおいてけぼりにされるぞ!

以下、核心に触れずネタバレします。










1950年代のハリウッド映画界

まずこの作品は、当時のハリウッド映画に対しての敬愛と皮肉をパロディにした映画だと言うこと、
そして、その時代背景を頭に入れておかないとち〜っともわからないぞ!という、
非常に難解な作品でした。

私も50年代のハリウッド映画など見たこともなければ、知識もない。でも、コーエン兄弟の新作とあらば予習はしとかんといかん!
というわけで、色んな解説を見てから鑑賞したおかげで、それなりに楽しめたわけで。


1950年代のハリウッド映画界は、終戦後TVの普及により映画全体の興行収入が激減したことで大作ものばかりが乱立していたことと、
新規参入させないため全て自社で製作し、撮影所を構え、キャストやスタッフや映画館まで専用のものを用意したスタジオシステムを構築していたものの、
独占禁止法で裁判沙汰になるなどして映画業界は窮地に立たされていたそうです。

それに加え、ソ連が掲げる共産主義に賛同していた業界人たちを弾圧する赤狩りがハリウッド映画界にも広がっていたこともあり、50年代のアメリカ映画は混乱に陥っていたようです。


ざっくりと解説しましたが、そんな時代背景があったということを頭に入れておくだけでだいぶ見方が変わるのではないでしょうか。
因みに会場を後にした時に前を歩いていた5、60代の夫婦ですら「意味がわかんねー!」とボヤいて帰って行ったので、これは若者にはかなり難易度の高いコメディ映画なのかもしれないですね。






とにかくオマージュが満載

じゃあ全く面白くないのか?といったらそんなことはなく、話の本筋は誘拐事件であり、当時のスターや作品を現代の豪華キャストがユーモアに演じているので楽しむところは十分ありました。



何でも屋のマニックスは、映画会社のプロデューサーという肩書きではあるものの、お仕事の内容はキャストやスタッフの尻拭いだったり、根回しだったりを昼夜問わず駆けずり回る苦労っぷり。
多忙を極める仕事内容と業界の衰退にマニックスは見限ろうと、転職まで考えてしまいます。
そんな彼を中心に物語は進み、ハリウッドスターであるベアードの誘拐事件の勃発を皮切りに、ひっきりなしにトラブルが発生していきます。


そのベアードが主演として劇中で作られていく「ヘイル、シーザー!」は、チャールストンヘストン主演の「ベン・ハー」のパロディになっていて、ローマ軍のシーザーが、キリストと出会うというお話になっています。
これをジョージクルーニーが見事に堕落したハリウッドスターをおマヌケに演じています。
何てったって撮影中に誘拐されちゃうもんだから終始ローマ皇帝の格好というのがジワるw

その事件の最中に起きるトラブルが、スカーレットヨハンソン演じるディアナの妊娠。しかも、相手は妻子持ち。
水着の女王」という作品で有名になったエスター・ウィリアムズがモデルだそうで、その清純なイメージとは裏腹に、わがままで口が悪く、やることやってるってのがまたハリウッドの裏側を皮肉ってていいですね。
このトラブルをマニックスはナイスアイデアで危機を回避していきます。


そして、西部劇では定評のあるホビードイルをシリアスなドラマにコンバートすることになり、いざ演技させてみると訛りが酷く演技が出来ないというトラブル。
監督がタイマンでホビーに演技指導する様は必見です。
そして、ホビーの前では紳士的に振る舞ったものの、マニックスの前では怒り心頭!仲裁役としてこれまた手腕を発揮します。


そんなスターたちのスキャンダルを狙おうとする双子のゴシップ記者もまた、ルエラ・パーソンズヘッダ・ホッパーというコラムニストがモデルだそうで、彼女たちが書く記事は異常なまでに権力を持っていたそう。
マニックスももみ消しに奔走する姿が劇中で見られます。



そして、一番笑えたのはバート・ガーニーを演じたチャニングテイタムの歌とダンス!
ジーン・ケリーを彷彿とさせる水兵の格好で、
嵐のマッチョマンだって踊れるんだぞ!とばかりに、ガタイのいい兄ちゃんがこれでもかと周りの俳優たちと息のあったハーモニーとキレのあるタップダンスを披露してくれます。
なんだろなぁ、彼がイメージと違うことするだけでツボになってきてます。ヘイトフルエイトの出オチでも笑ってしまったし。



これはだいぶネタバレになるかもしれないのですが、この人たちを知らないとおいてけぼりになる、と町山智浩氏がラジオで語っていたので書いちゃいますが、
10人の脚本家たちが出てきます。

彼らは当時ハリウッドテンと呼ばれる共産主義者たちで、赤狩りをするため議会から証言や召還を拒否したことにより議会侮辱罪で有罪になった人たちがモデルになってるそうです。
その中には、名前こそ出てきませんでしたが、「ローマの休日」の脚本家、ダルトン・トランボ氏の姿も。
彼は、議会から召集されても頑なに口を割らず仲間を守り、その結果業界から干され、それでも書きたい欲望を抑えることが出来ず名前を伏せて名作を作ったそうです。
そんな彼の壮絶な人生を描いた作品「トランボ  ハリウッドに最も嫌われた男」が7月に公開予定ということで、こちらも合わせて見るとより楽しめる、と町山さんは語っていました。

物語では、この10人が重要な役割をしているので彼らのことを頭に入れておくといいと思います。






とはいえ、不満も。

時代背景は理解した。オマージュも満載だ。といったところで、すごく楽しめたのか?
否!
やはり、正直言うと想像していた面白さではなかったです。

この豪華キャストのアンサンブルが見られるのかと思いきや、マニックスとのワンエピソードごとの出演でしかなく、彼らが協力して誘拐事件を解決するような話でもなかったことが残念でした。

ウィットに富んだジョークや、ハリウッド大作に対する皮肉も全て理解できたわけではなく、改めてコーエン兄弟の脚本の難解さを痛感したのと、まだまだ映画史に対して勉強不足であることを知りました。








終盤、ベアードに対してゲキを飛ばすマニックスのセリフがこの作品でコーエン兄弟が一番言いたいことだったんだろうなぁ、と感じました。

大作映画に集中しがちな当時と似たような感じになっている現代のハリウッド映画に対しての痛烈なメッセージとも取れるし、
そんな業界を支えている裏方さんたちを敬い、監督の映画に対しての愛情が散りばめられた、そんな映画だったのではないでしょうか。


満足度 ☆☆☆☆★★★★★★4/10

映画「殿、利息でござる!」感想 解説 村人たちの知恵と心意気が詰まった深イイ実話!

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5月14日

殿、利息でござる!

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羽生結弦ファンにとっては、劇場の大きなスクリーンで堪能できるとあってさぞ楽しみにしていた作品なのではないでしょうか。しかも、ちょんまげ姿なんて!www

 私はフィギュアスケート競技なんぞにまったく興味がないのでそこ目当てで行くわけではないのですが、ただ面白そうだなってだけで見に行って参りました。

 

 

 

あらすじ

金欠の仙台藩は百姓や町へ容赦なく重税を課し、破産と夜逃げが相次いでいた。さびれ果てた小さな宿場町・吉岡宿で、町の将来を心配する十三郎(阿部サダヲ)は、知恵者の篤平治(瑛太)から宿場復興の秘策を打ち明けられる。

それは藩に大金を貸し付け利息を巻き上げるという、百姓が搾取される側から搾取する側に回る逆転の発想であった。

計画が明るみに出れば打ち首確実。千両=三億円の大金を水面下で集める前代未聞の頭脳戦が始まった。

「この行いを末代まで決して人様には自慢してはならない」という“つつしみの掟”を自らに課しながら、十三郎とその弟の甚内(妻夫木聡)、そして宿場町の仲間たちは、己を捨てて、ただ町のため、人のため、私財を投げ打ち悲願に挑む!(HPより抜粋)

 


映画『殿、利息でござる!』予告編

 

 

 

 

 

監督・キャスト

監督はたまぁにちゃっかり出演もしちゃうお茶目な中村義洋監督。

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人気小説家である伊坂幸太郎原作の映画化ならこの方にお任せ!というほど数々の伊坂作品を扱っている傍ら、最近ではサスペンスに力を入れているようにも見られます。

個人的にはこの人のサスペンスものはそんなに惹かれないので見てませんでしたが、久々の楽しそうな作品に中村節が満載であることを期待しております。

 

93年にぴあフィルムフェスティバルで準グランプリを受賞後、著名な監督陣の助監督を経て、「ほんとにあった!呪いのビデオ」シリーズに携わっていたようです。しかも、現在でもナレーションを務めてるとか。

これは知らなかった・・・。え?あの「もう一度ご覧頂きたい」「おわかりいただけたであろうか・・・。」って言ってるの監督なのか?

 

引越し先のアパートの隣人から本屋で広辞苑を盗まないか?と誘われる大学生の現在の物語とある女性がペット惨殺事件の犯人に目を付けられるという2年間の物語が交錯していく「アヒルと鴨のコインロッカー」や、売れないパンクバンドが作った曲が時代を超えて地球を救う奇跡の物語「フィッシュストーリー」、首相暗殺の犯人に仕立て上げられた男の逃亡劇「ゴールデンスランバー」、空き巣で生計を立てる青年とプロ野球選手の奇跡の出会いと皮肉な運命を描いた「ポテチ」と伊坂幸太郎原作の小説を4本映画化するほどの名コンビぶりだったり、

チーム・バチスタの栄光」、「ジェネラル・ルージュの凱旋」の海堂尊原作の「田口・白鳥シリーズ」の小説も映画化したりというのが比較的多い監督です。

 

最近では、美人OL殺人事件の容疑者としてSNSで噂になってしまう女性とその情報に翻弄されていくTVディレクターを描いた「白ゆき姫殺人事件」(これも湊かなえ原作!)をはじめ、「予告犯」、「残穢~住んではいけない部屋~」などミステリー、サスペンスものが多く、かつて手掛けていた呪いのビデオシリーズで培った能力が活かされているのだと思います。

 

 

 

ゴールデンスランバー<廉価版> [Blu-ray]

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 全く本を読まない私が、鑑賞後真っ先に読みたくなって原作を購入したほどハマッた、私の中では珍しい作品。

 

 仙台に暮らすごく平凡な30歳の独身男が首相の凱旋パレードを行うその日、大学時代の同級生に呼び出され、とにかく逃げろと謎の警告を受ける。やがて自分が首相暗殺の犯人に仕立てられていくことを大量のマスコミ報道で知る。大学時代のサークル仲間でもあった元恋人は、事件の報道に驚き、かつての仲間たちに連絡を取ろうとするのだが…。

 

堺雅人の普通の男っぷりが非常によく、何の変哲もないさえない男だけど人望と性格と日ごろの行いが彼を巨大な見えない敵から救ってくれるという、まさに人徳で逃げ切るという今までにない逃亡劇がすごく面白く、その主人公を助ける人たちの個性的なキャラ設定も凝った設定で愉快です。けっして犯人は誰だ?とかそういう話ではありませんのであしからず。

 

 

 

 

 

 

キャスト陣はぱっと見、クドカンが集めそうなキャストさんばかりですが、監督作品に出演経験のある常連の方々ばかりです。

 

主演の思い込んだら試練の道を行く男・穀田屋十三郎を演じるのは阿部サダヲ。

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この人主演だったんでクドカン作品なんだろなって思ってました。監督作品では「奇跡のリンゴ」以来2度目のようです。最近では「寄生獣」でのミギーの声が印象的でしたね。

え~キャスト多いんで細かい内容は端折ります!

 

 

 

自称吉岡宿イチの知恵者・菅原屋篤平治を演じるのは瑛太。

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最近映画ではお目にかかるのは久々な気がします。一応今64ーロクヨンー前後編ってやってますけど脇役なんでね。役の大きさはこちらの方が大きいのかなと。監督とは「アヒルと鴨のコインロッカー」以来2度目の参加。

 

 

噂では“ケチでしみったれな”金貸し・浅野屋甚内を演じるのは妻夫木聡。

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映画「悪人」で殻を破ったはずなんですが、やっぱり何をやっても普通の好青年にしか見えないんだよなぁ。それだけ人の良さが出すぎてんのかな。今年公開予定の「怒り」では綾野剛とゲイカップル役を演じるということで早くも話題になっています。

 

 

 

皆に愛される飯屋の女将(未亡人)を演じるのは竹内結子

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いやいや、阿部サダヲに瑛太に竹内結子じゃ「なくもんか」の再来ぢゃないか!だからクドカンっぽいんだよこの映画。絶対誰か間違えて見に来るんだろな。てかね、中村監督作品にこれで5度目の出演ですよ。やっぱり彼女が放つほんわかしたエアリーな感じ?wが監督作品に合うんだよなぁ。何語ってんだおれ。要するに好きなんだよ!竹内結子!

 

 

 

そして!!仙台藩の第七代藩主・伊達重村役にフィギュアスケート男子の絶対王者・羽生結弦!!

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まぁこの際演技がどうとかやめましょうねwww役者初挑戦なんですし。仙台出身と合って地元復興のために頑張ってくれる彼の晴れ姿を是非堪能しましょう。お願いですからファンの方は登場するや否や「ゆづく~ん!!」なんて奇声を発しないようにww。

 

他にも、冷酷無比な藩の役人・萱場杢に松田龍平、武士の身分に憧れる純粋な百姓・千坂仲内に千葉雄大、イクメン肝煎・遠藤幾右衛門に寺脇康文、噂好きで疑り深い両替屋・遠藤寿内に西村雅彦などが脇を固めます。

 

 

 

 

 

それでは、つつしみの掟によって今まで明かされなかった、町の人たちを救うため私財を投げ打ってまででた庶民たちの大博打。はたしてどんな銭バトルを繰り広げるのか!?

鑑賞後の感想です!!

 










おいおい、めっちゃ良い話じゃねーか!!

以下、核心に触れずネタバレします。










鑑賞後、心が洗われました。

とにかく行儀の良い作品でした。いや、品の良い作品といった方がいいでしょうか。
決して、お上から利息を巻き上げてよっしゃーっ!て話ではなく、
身を削ってまで町の人を、果てはこれからを背負って立つ子々孫々のことを思いながら、周りの人にどケチ!銭ゲバ!と陰口を叩かれても、銭をひたすら貯めていった商人たちの知恵と覚悟と心意気が詰まった映画でありました。

そんな話を監督お得意のオフビートなゆる〜いテンポと粋なジャズ、
そしてやっぱり出てきた中村組若頭!
オマエの名前が無いからおかしいと思ったぜ!と心でボヤきながら、濱田岳のナレーションがまたお行儀の良いこと!

この演出のおかげもあって時代劇特有の堅苦しさや言葉の難解さを吹き飛ばし、人情味あふれる深イイ話に仕上がっていました。


正直ね、あまりにもテンポが遅くて若干退屈気味だったわけですが、後半ある事実が発覚してから、あまりにもイイはなシーサーな展開に思わず涙腺が弱まりましたよ。ホントに。
一番私利私欲の為にお金持ってる奴がまさか一番の功労者だなんて!!
理由も理由だし、なぜ笑っていられるんだ!!
ホント是非ですね、ゴードンゲッコーのような強欲な奴は、彼らの爪の垢を煎じて飲んで欲しいなと!







悲願達成にはあまりにも長かった。

そもそも、何で村がこんなに財政難なのか。その理由から物語は始まります。

宿場町なのだからさぞかし賑やかな町かと思えば、旅人達はなぜか裏ルートを使
って立ち寄らず、活気もなければ金回りもない。ほとんどは大した畑も持っていない百姓ばかり。
そして、一番きついのがお上たちの宿から宿への荷物運びに必ず使われる伝馬役に選ばれ、その資金は村が負担するという二重苦三重苦。正に負の無限ループが続いていたわけです。
そんな貧しさに押し潰され店をたたみ夜逃げする村人たちが後を絶たない状況の中、京から自称知恵者の茶師・篤平治が嫁を連れて町へ帰ってきます。

辛気臭い町に辛気臭い顔をした町人たち。仲のいい十三郎に何かいい案はないかと尋ねられ、とっさに思いついたアイデアをずっと前から考えていたように話したのが、お上から利息を払ってもらうというアイデアでした。

町からお上に大金を貸し、その利息を伝馬役に充てることで、村人たちからお金を徴収する手間がなくなり、その分本業にお金を回すことで町が潤うというアイデアに十三郎は全てを賭けることを決心します。

最初こそ口から出まかせだった篤平治も覚悟を決め、町の役人である肝煎始め有志を集めゴールを目指して日々節制していくわけですが、そうは問屋がおろさないわけです。




利息を巻き上げて私服を肥やすのではなく、ただただ町の復興の為に身を削る、それを公にすれば評判は上がり鼻高々になり大手を振って歩ける、それが後世まで残り歴史に名を刻む、
オレはこんなにお金出したのにあいつは全然出してない、
などといった欲を持った者も中にはいましたが、そんな気にならないように、勘違いしないようにと、公平を期す為につつしみの掟を自ら課すように彼らは誓いました。
  • 口論や喧嘩はしない
  • このことを決して口外しない
  • 寄付するときは匿名で。
  • 道を歩くときは端っこを歩く。
  • 寄り合いや集まりの際は上座に座らず隅っこで。

このことを肝に命じ、彼らの長きにわたる険しい道のりが始まっていきます。









瑛太主役じゃね?

一応主役は十三郎を演じる阿部サダヲなんですが、物語の中で起点となったり一番感情が激しくなるのは篤平治を演じる瑛太なので、阿部サダヲより非常に目立って見えます。
それも前半部分に多く見られるだけで後半渦中の人物は阿部サダヲになっていくのでどちらかといえばダブル主役な感じにも見て取れます。

それでも瑛太の主張しながらも脇で良い仕事できる、そしてセリフの滑舌の良さはいつも見てて気持ちいいなと。
個人的には彼のせいで阿部サダヲが霞んじゃってしまい、彼が泣こうがいいところを演じようがあまりグッとはこなかったのがもったいなかったです。
笑わせるようなリアクションも今回は少なかったから余計そう感じちゃったかも。

瑛太同様十三郎の弟役を演じた妻夫木聡もよかったですね。前半と後半での微妙な顔つきや口調の変化がうまかったですね。意外と同じ演技かと思いきや全然違う人に見えてしまう技量はさすがでした。

藩の役人を演じた松田龍平も毎度おなじみの腑抜けたマイペース感を消し去り、こわい部分をチラつかせながらキレ者を上手く演じていました。

やはり両替屋を演じた西村雅彦のイヤミな役柄はさすがです。
真田丸でいなくなってからあのしたたかな欲張りっぷりを見れなくなって寂しかったですが久々に見れて良かったw今にも「黙れ小童!」と言ってくれそうな役でしたw


そして、フィギュアスケート絶対王者のゆづくんこと羽生結弦もワンシーンではありましたが、苦しゅうない面を上げぃな立派な殿様を演じきったと思います。
悪くなかったですよ。そんなに棒読み感もなく。
なんかこのシーンは誰が殿様をやるか役者陣には全く知らされてなく、サプライズ本番だったそうで。
登場した時の役者陣のリアクションに要注目ですw







映画としての作品性

今まで頑なに公にされてこなかった小さな町の美談を目にし、確かに見た後は爽快ではありました。
ただ、映画としては如何なものか?と問われれば話は変わります。
この美談を丁寧に丁寧に作り見せたかったのか、前半のナレーションでの当時の状況や難しい言葉を現代訳が頻繁に語られ、
これNHKの歴史バラエティじゃね?と思ってしまいました。
後半ではほぼナレーションでの説明がなかったのと、感情移入できる人物も何人か出てきたり、伏線の回収もなんとかできていたので映画として成立していたようにも感じましたが、
ラストシーンで出てくる現在の跡地が出てきたことで、あーNHKだなぁとまた戻される始末。

映画にするためになんとかならなかったのだろうか。


そして、お金をかけ集めた割には当事者たちの苦労っぷりがそこまで映し出されておらず共感が持てなかった。
どちらかといえば百姓たちの方が貧しすぎてそっちの方が見てられない感じ。


ほんと話が良いだけにもったいないなぁと感じましたね。







松竹配給ならではの人情時代劇でした。最初こそコメディ色の強い、お金の絡んだドタバタ時代劇コメディかと思って見に行ったら、ホロっと泣けて心の温まる古き良き江戸時代のお話でした。
豪華キャスト目当てで行っても全然アリだと思います。




満足度 ☆☆☆☆☆★★★★★5/10


映画「すれ違いのダイアリーズ」感想 慣れない環境で励まし支えてくれたのはあなたの日記でした。

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5月18日

すれ違いのダイアリーズ 

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去年の5月もこんなミニシアター系作品ばかり見てた気がする。そして今回初のタイ映画!

 やっぱり言葉はタイ語なんだよなぁ・・・。眠くなんないかなぁ・・・。それは考えすぎか。

今回は初週にいけなかったのと、この話のオチがおそらく肝なんだろな、しかも何かしら感づいてしまった気がすると思い、なるべく情報は入れずに見にいってまいりました。

 

 

 

あらすじ

ソーン(スクリット・ウィセートケーオ)はいい奴だけどかなり情けないお気楽男子。恋人に定職を持つように叱られて、仕方なく仕事探しを始めたものの、ようやく見つけた仕事は、電気なし・水道なし・携帯電話もつながらない僻地の水上学校の先生だった……。

赴任したものの、スポーツしか自信がないソーンは毎日失敗ばかり。ある日、前任の女性教師エーン(チャーマーン・ブンヤサック)の日記を見つける。そこには、自分と同じように僻地の学校で寂しさを感じ、子供達の教育や恋人との関係に悩む、エーンの正直な心の中が書かれていた。その悩みに共感したり、ある時は教え方を学んだりするうちに、ソーンは会ったこともない彼女に恋してしまう。はたして───。 (HPより抜粋)

 


『すれ違いのダイアリーズ』予告編

 

 

 

 

 

 

監督・キャスト

なんてったって初のタイ映画ですからね、誰も知りません!紹介もクソもあるかって話ですけど、こんな人たちだそうです。

 

監督はニティワット・タラトーン

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2003年に大学時代の映画仲間6人で共同監督した「フェーンチャン ぼくの恋人」がその年の国内での興収ナンバー1ヒットになるだけでなく、タイ映画界そのものを変えるほどの成功をおさめ、日本を始め世界各国で上映されるまでになったそうです。

 

 

主演の新任教師・ソーンを演じるのがスクリット・ウィセートケーオ。

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テレビのオーディション番組からデビュー。タイで最も人気のあるポップスターだそうで、歌手としても活躍するほど多彩な持ち主なんだとか。これが映画初出演。

 

 

ソーンは赴任するまで担任をしていた女教師エーン役にチャーマーン・ブンヤサック。

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テレビドラマや映画に多数出演しているお方とのこと。
 浅野忠信主演の『地球で最後のふたり』にも出演しているそうです。

 

地球で最後のふたり プレミアム・エディション [DVD]

地球で最後のふたり プレミアム・エディション [DVD]

 

 

というわけで完全に引っ張ってきた情報だし、名前が覚えづらいし、書くことねーしw

なので、もう観賞後の感想行きまーす!!

 










ラブストーリーだけじゃない!教師と生徒の交流もいいぞ!

以下、核心に触れずネタバレします。










2つの時間がテンポよく同時進行していく

定職に就くべく何でもやると言った手前、突如水上学校へ転任し悪戦苦闘していくソーンと、その前任者であり、自分のスタイルを決して曲げない為に、恋人と離れ水上学校へ転任し同じく悪戦苦闘していくエーンを、

巧みなカメラワークで同じ時間を過ごしているかのように見せ、ソーンが徐々にエーンに思いを馳せていく様子をうまく表現していました。

もちろん生徒と教師との交流も怠っておらず、生徒にどう教えたらいいかわからないソーンと、学ぶことの重要性を理解してくれない生徒に悩むエーンが、いかにして問題を解決するかを丁寧に描いて非常にハートフルになる作品でした。


このテンポの良さに、生徒とのユーモアなやりとりと、レスリングの元チャンピオンならではの頭よりカラダで行動!なソーン先生のバカっぷりが拍車をかけ、非常にベタではありますが即興コントを見てるようで楽しく鑑賞できます。



そしてこの映画のキーアイテムとなる日記も、ソーンが着任早々に登場し、壁にぶつかる彼を導いてくれたり励ましてくれたりと心の拠り所になっていくのが見て取れます。

嘘偽りないエーンのその日その日の思いや出来事が時間を越えて、ソーンの支えになっていくというありそでなさそうな物語に胸を打たれました。







決して一方的にはならない物語

前半は、ソーンを中心とした物語という構成になっていき、彼にも試練が訪れるのですが、
後半は、エーンのエピソードになっていきます。
同じように進行し、水上学校を離れた後の彼女を描いているのですが、こちらに関しては前半のようなテンポのよいソーンの話と同時進行ではなく、
エーンが求めていた水上学校のような自由な校風から打って変わって、都会の学校での規則に縛られた校風に戸惑いながらも、恋人との将来を重点においた話へとなっていきます。

そもそも、水上学校へ転任する羽目になったのは、手の甲にいれたタトゥーを消す消さないが発端で、
彼女の中には見た目で決めつけたりしない、ルールに縛られないといった確固たるスタイルが冒頭垣間見えます。
授業の教え方も教科書を丸暗記させるのでなく、体感して理解させるという教育方針を持っており、
その考えが水上学校に適していたことと、とあるハプニングがきっかけとなり、彼女は水上学校へ戻っていきます。

そこで、あの日記が再び活躍していくわけですが。







タイの田舎って過酷だな!

タイといったら熱帯気候にモンスーンとチャオプラヤ川。あー蒸し暑そう。
そんなお国のラブストーリーが描かれる場所は都会から車で片道6時間!
しかも、家々や学校は川の上!その移動手段はボートのみ!平日は生徒と昼夜過ごし、週末は先生は都会へ戻り生徒は帰宅。
ヘビやヤモリは出るわ、電気は懐中電灯のみ。しかも、水死体まで出るというサバイバルな学校!!
挙げ句の果てには台風が来て、浦安鉄筋家族の仁くんの家みたいにあらゆるものが吹っ飛ぶ!
いやーすげーとこへトバす学校があったもんだな。

名目は町にある学校の分校という扱いなので、おそらく年度カリキュラム的なものに沿って授業を行いちゃんと試験もあるので、形は学校ですが。

しかも、そこに住んでる人たちのほとんどが漁師とあって生徒たちは週末は小さいながらも手伝わないといけない。で、ゆくゆくは家業を継ぐという決まった道が既にあり、学ぶことに意識の低い子もしばしば。

こんな限られた環境で家の事情もある生徒を大人1人で面倒みるって、そりゃあ日記を書きたくもなるわ。







もうちょい工夫が欲しかった。

テンポのいい出だしと2つのストーリーの同時進行から、食いつきは良かったものの、ソーンが顔も知らない女性に恋焦がれる描写はもっと細かく深くドラマチックにした方が良かったように思えます。
ソーンのようなわかりやすい性格だから成立する部分もありますが、何か唐突な片思いとも見えるし、同じ境遇だった人に励まされるのは理解できるけど恋に発展するもんなのかどうか。
恋は理屈じゃねーぞ!ってのもわかるんですけどね。

エーンに至っても終盤水上学校を離れることになるんですが、その理由もいやいやそれはねーだろ!と思ってしまい、女心はわからんな、とつくづく感じました。
ここ詳しく書いちゃうと核心ついちゃうんで伏せますけど、男としては理解しがたいなぁと。

まあ、あくまで個人的意見なのでね、物語にケチつけてるわけじゃないんですけど納得いくいかないの部分てことで不満点を挙げてみました。







ラブストーリーだけじゃなく生徒たちとの触れ合いもしっかり描いた作品でした。
初のタイ映画ってことで少々構えた感じでしたけど見てみりゃ全然違和感ねーし。逆に最近の日本のラブストーリーの方が抵抗あるなww

SNSが重要な位置にある今の我々にも、恋愛とまではいかないですが、面識のない誰かの言葉がきっかけで変わることがあるかと思います。
現にこの映画を観ようと思ったのもSNSのおかげでしたので。

タイの映画だからと偏見を持たず、まずは興味を持ったら見てみてはいかがでしょうか。


満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10



映画「海よりもまだ深く」感想 解説 みんなどこかで壊れた人生を送ってる。

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5月21日

海よりもまだ深く 

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是枝監督の作品は決まって家族のお話ですね。むしろそれが見たいんですけど。

タイトルから予想するに、海より深い愛情をテーマにしたお話なのでしょうか?

 今回はビシっとカンヌ国際映画祭に公開日をあわせてきましたね。しかも、今回はコンペディション作品でなくある視点部門での出品。星取表チェックしなくては。

こういう日本映画こそ話題になってほしいなぁ。

というわけで、早速見てきました。

 

 

 

 

 

あらすじ

笑ってしまうほどのダメ人生を更新中の中年男、良多(阿部寛)15年前に文学賞を1度とったきりの自称作家で、今は探偵事務所に勤めているが、周囲にも自分にも 「小説のための取材」だと言い訳している。

元妻の響子(真木よう子)には愛想をつかされ、息子・真悟の養育費も満足に払えないくせに、彼女に新恋人ができたことにショックを受けている。

そんな良多の頼みの綱は、団地で気楽な独り暮らしを送る母の淑子(樹木希林)だ。ある日、たまたま淑子の家に集まった良多と響子と真悟は、台風のため翌朝まで帰れなくなる。

こうして、偶然取り戻した、一夜限りの家族の時間が始まるが・・・。(HPより抜粋)


映画『海よりもまだ深く』予告編

 

 

 

 

 

 

 

 

監督・キャスト

監督は、世界の名だたる映画祭で高い評価を受けまくっており、まさに日本を代表するお方、是枝裕和

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今日本の監督で人物と風景を最大限に描写する監督ってこの人以外いないんじゃないか、そう断言してもいいくらい貴重な存在だと思います。

 

番組制作会社に入りドキュメンタリー番組の演出などを経て、95年に一人の女性の「生と死」「喪失と再生」を描いた「幻の光」で監督デビュー。

その後、母が失踪し置き去りにされた子供たちを描いた「誰も知らない」では若干14歳にして主演の柳楽優弥カンヌ国際映画祭で最優秀主演男優賞を受賞する快挙で話題を呼び、

一昨年は福山雅治を主演に迎え、ある日突然、6年間育てた息子が病院で取り違えられた他人の子であると知らされた2組の対照的な家族の、葛藤と決断の中で大切なものに気づかされていくヒューマンドラマ「そして父になる」でカンヌ国際映画祭審査員賞を受賞。

そして去年、父の愛人の子と暮らすことになった4人姉妹の成長と絆を四季を通して描いた「海街diary」では日本アカデミー賞最優秀監督賞、最優秀作品賞を受賞し去年の日本映画界を象徴する作品となりました。

 

monkey1119.hatenablog.com

 

受賞後のスピーチでは、。「この会場に呼んでもらえるようになってまだ2年。ずっと他人事だと思って、テレビで観ながら言いたい放題に悪口を言っていました」と開口一番に毒のある発言をしたり、日本アカデミー賞をもっとオープンにして改革するべきだと訴えるなど、誰もが言えなかったことを口にしたことでも大きな話題になりました。

いや、まさにそうです。配給会社の持ち回りと言われてしまっている、ん?実際にそうに違いない内輪ノリの賞なんかじゃなく、もっと権威ある賞になってほしいものです。

 

 

 

 

 

 

 

主演のダメな中年男・良多を演じるのは阿部寛。

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是枝監督作品ではもう常連だな、と思いながらも、気づけばローマ人になって風呂作ったり、エベレスト登ったり、テレビじゃバルブバルブ!!ヘルプ!!とロケットの部品に命賭けたり。相変わらず年齢を増すごとに情熱あるセリフと演技が円熟していくアベちゃんであります。

 そんな是枝組常連の阿部ちゃんの役名が今回と、「歩いても歩いても」とTVドラマ「ゴーイング マイ ホーム」と同じ「良多」という名前なんだとか。何か意味でもあるのでしょうか。

 

 

下町ロケット -ディレクターズカット版- DVD-BOX

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 映画で彼を見るのがテルマエロマエ以来なので、そっちよりも薦めるならこっちだろ、と。

半沢直樹の大ヒット以降、池井戸潤原作ってだけでみんな食いついちゃう世の中ではありますが、それだけじゃなくて、このTBSのスタッフが演出する「一点の曇りもないクソ真面目な演技で魅せる大逆転劇」を日曜の夜に見るから意味があるんだと思って楽しく見ていました。

相変わらず銀行を絡めた話の中で弱者が強者に勝つという図式に、航平率いる工場の人間たちの足掻いてもがいて苦しんでそして困難に打ち勝つ姿がなんとも頼もしく。

阿部ちゃんがほおばる大福があまりにも美味そうで、大福食べる癖がついちゃいました。

 

 

 

 

元妻・響子を演じるのは真木よう子。

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この人がどうやって女優としての地位を確立することができたのか。それは良い脱ぎっぷりとカッコいい女を、持ち前のナイスバディとロートーンすぎる声で堂々と演じてきたからだと思います。でも、セリフの言い回しは上手いと思ったことはないなぁ。

たぶんこの方、セリフがたくさんある作品よりも動きやしぐさの方が多い作品の方が好きなのかな、と。

 

彼女に関してはこちらで言及しているので是非どうぞ。

 

monkey1119.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

他にも。母・淑子役には是枝作品にはこれで5作連続となる樹木希林、良多の姉・千奈津役に今作で是枝作品初参加(意外!)の小林聡美、良多の部下・町田健斗役に池松壮亮、良多の勤務先の所長・山辺康一郎役にリリー・フランキー、淑子の音楽の先生・仁井田満役に橋爪功とおなじみのメンツから意外な初参加組が混ざったキャストが脇を固めています。

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というわけで、なりたいものになれなかった大人たちがどんな一夜を過ごすのか。

これより鑑賞後の感想でっす!








ほのかな笑いと静かな涙を誘う、ゆっくりと心を掴む作品

以下、核心に触れずネタバレします。









ものすごく狭い世界の話

なりたい大人に、なれなかった人たちへ
こんなキャッチコピーを寄せて我々に届いた監督からの贈り物。
箱の中身は、漠然としたものではないけど私たちの誰もが当てはまる部分が詰まっており、人生の教訓ともいえる言葉がちりばめられていました。

今作は、家族をテーマに掲げる監督作の中で一番身近に感じることができる作品だったと思います。
なんせ私自身が阿部寛演じる良多にひどく重なる部分が多く、その情けなさに、ろくでなしっぶりに目を伏せたくなるほど。
そんなボンクラ息子を優しく包む母の愛情に心を完全に持ってかれました。

そんな息子と母を中心に、どこの町にもいる家族のごくありふれた物語をものすごく自然にものすごく緩やかに描かれていました。

普段の生活にドラマチックなど存在しないし1日で大きく変わるわけでもない。だけど、そんな日常をきちんと起承転結で書き上げた脚本と、
他の映画では、ん?と感じることがあるのにすごく自然体で演じた役者陣、特に阿部ちゃんはホントしみったれたろくでなしを見事にこなし、真木よう子は表情ひとつひとつが冷ややかでうまく、樹木希林の会話のやりとりやセリフ回し、うっすら浮かべる涙が神がかっていて、
それを演出し、まとめ作り上げた監督が、「海街diary」の撮影の合間に撮影して作ったというのにも驚きだし、これだけのものを完成させたのがホントすごいなぁと。



なりたいものになれなかった大人たちの心情

小説家になる夢を未だ捨てきれず、本職の探偵業を小説のネタだと豪語する良多。
その見栄っ張りな性格は母親の前でもお小遣いを渡すというシーンや、
息子の慎悟に三流メーカーでなく、一流メーカーのミズノのスパイクを買ってあげたり、
昼食をマックでなくモスバーガーでとったりと随所に見られます。

そんな人前で見栄を張る傍らで、実家で金目のものを探したり、後輩や姉に金をせびるという情けない部分も。
これも、良き父親でいたい、良き息子でいたいという表れなのか、
うだつの上がらない主人公の性格が行動や些細なセリフでうまく描写されています。

実はなりたい大人になれなかった良多は、同時になりたくない大人になってしまったという意味も込められており、
人から金を借りまくり見栄っ張りだった父親のようになるまいと小さい頃から思っていたにもかかわらず、そんな大人になってしまっているのが面白い構図で。
やはり血は争えないのかなと感じました。
息子の慎悟も同様に父のようになりたくないと思っているのもまた面白いなぁと。


良多の姉も腹黒な部分が感じ取られました。
実家に遊びに来ては母親に翌日の子供達のお弁当のおかずにと煮物を作らせたり、年金を娘のフィギュアスケートの受講料にあてさせたりと母親をうまく丸め込めているのが見られます。
弟の良多は、きっと姉のしたたかな性格をわかっていたのでしょう。そんなやりとりがまた家族の一部分を切り取ってみているようで非常に面白かったです。

おそらく姉はフィギュアスケーターになりたかったけどなれなかったのだと思います。その理由として、セリフで弟がバイオリン教室に通っていたことを口にして、何も残らなかったことを愚痴っていましたが、
弟にはそんなモノになるかわからない習い事をしてた癖に、自分はやりたい習い事に通わせてもらえなかったのではないでしょうか。きっと姉であるが故に我慢をさせられていたからなんだろうな、と。
それで娘にはやりたいことをさせてあげたいと母親の年金をあてにしたのかな、と。
すごく勝手な推測ですけどね。



良多の元妻の響子もなりたい大人になれなかった1人です。
きっと良多と慎悟と3人で幸せな家庭を築きたかったのでしょう。
だがそれは叶わず、離婚し別の男性と交際し、その彼と新しい家庭を築こうと考えているのが見られます。
こんなはずじゃなかった
このセリフが彼女のすべてを物語ってます。



そして、樹木希林演じる母親もなりたい大人になれなかった、けど彼女はそれを乗り越えて今を生きているように感じました。
団地という狭い集合住宅からすぐ近くに構えている分譲マンションに憧れていたり、元のさやに戻って欲しい息子夫婦の仲を取り持ったりと、想いが随所に現れていますが、
幸せは、何かを諦めなければつかめない
と放つセリフからとれるように、諦めた先の幸せを感じながら生きているんだろうなぁと感じました。


息子の慎悟も野球でホームランでなくフォアボールを狙っている部分で、大きく一発当てるようなホームランを狙っている人生を未だに送っている父親を反面教師にし、どんな形でも着々と一歩前へと進むフォアボールのような人生を選択しようとしている様が見て感じ取れます。
しかも、夢が野球選手でなく公務員というのもその表れになってます。
正直堅実すぎてかわいくないですけど!w


グサッと刺さる人生の教訓のようなセリフ

ごくありふれた日常と描いてるからといってダラダラした映画では決してなく、なんでもない会話の一部に、人生の教訓とも感じられるセリフが多々ありました。


  • 男はフラれた女の未来に嫉妬する
良多は、ストーカーの如く元妻の1日を尾行しています。新しい彼氏をひどく妬んでおり、挙げ句の果てには元妻に寝たのかどうか聞くというアホな一面を見せるほどww

  • 愛ってのは無くしてから気付くものなのよ
家庭を顧みなかった良多は、息子を使って復縁を企んでは元妻に父親ごっこはもうやめろと罵られ、なんでもっと父親らしいことを別れる前に出来なかったの?と問われます。
そんな良多に母親が放つ一言なんですが、
良多は、いや、男はきっと失ってみないと気づかない生き物なんだと思います。
ホント男はバカな生き物ですw


  • 水彩画か油絵かで言えば、女は油絵。次の人ができたら、上から重ねてどんどん下は薄くなっていく。でも、データの上書きじゃない。ちゃんとここに残ってる。
中村ゆりが演じる良多の同僚女性が放つ一言。
元妻の心変わりの早さに、女って新しい人ができると簡単に忘れちゃうんだよな、と嘆くと言い返すわけですが、
確かに男は、別れた女に対して諦めが悪く次のステップになかなか踏み込めない後悔ばかりな生き物で、
女はこういう時に切り替えの早い、次のステップにさっさと踏み込んでいくイメージを持っていました。
やはりそこはかさぶたが剥がれたら過去の辛い部分が残っていてヒリヒリと痛いんだろうなぁと。
案外このセリフが一番グサッと刺さった気がします。


  • 花も実もなかなかつかない。でも、青虫がくっついて葉を食べている。こんなミカンの木でも何かの役には立ってる
ベランダで育てているミカンの木。大きくなったはいいもののなかなか花も咲かなければ実もつかない。
大器晩成型だからと言い張る良多に、ミカンの木を例えに励ましの一言なのか、ボソッとつぶやく母親。
これも母親の息子に対する愛情が垣間見れる一言でした。








だいぶ書いてしまった気もしますが、、特に壊れものだったり宝くじだったりとメタ的な部分が多々あり見所はたくさんあります。台風の夜に何が彼らを変えたのか。何に気づいたのか。どうかそれを拾って読み取ってみて下さい。

これぞ是枝作品と言えるほのぼのとした日常を切り取った、ある家族の小さな小さな一歩が描かれていると思います。

劇中で作っていた煮物のようにこの作品も一晩寝かせた方が味が染みて美味しくなる、何年かした後見たらより一層いい作品になってる映画だと思います


満足度 ☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10

映画「ディストラクションベイビーズ」感想 解説 次世代俳優の怪演が素晴らしい!けど胸クソ悪い!

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5月22日

ディストラクション・ベイビーズ 

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青春バイオレンス系作品なんだろうか。正直得意ではないし共感もしないだろうけど、ただただ面白そう、という理由で見に行くことを決意。

 

いつ以来だろう、テアトル新宿で映画鑑賞。「愛の渦」以来かも。

邦画ミニシアター系作品を後回しにする癖がついてしまい色々見逃していましたが、今月は特に大作もないので絶好の機会だ!

というわけで、早速見に行って参りました。

 

 

 

 

 

あらすじ

 愛媛県松山市西部の小さな港町・三津浜。海沿いの造船所のプレハブ小屋に、ふたりきりで暮らす芦原泰良(柳楽優弥)と弟の将太(村上虹郎)。日々、喧嘩に明け暮れていた泰良は、ある日を境に三津浜から姿を消す──。それからしばらく経ち、松山の中心街。強そうな相手を見つけては喧嘩を仕掛け、逆に打ちのめされても食い下がる泰良の姿があった。


街の中で野獣のように生きる泰良に興味を持った高校生・北原裕也(菅田将暉)。彼は「あんた、すげえな!オレとおもしろいことしようや」と泰良に声をかける。

こうしてふたりの危険な遊びが始まった。

やがて車を強奪したふたりは、そこに乗りあわせていたキャバクラで働く少女・那奈(小松菜奈)をむりやり後部座席に押し込み、松山市外へ向かう。

その頃、将太は、自分をおいて消えた兄を捜すため、松山市内へとやってきていた。泰良と裕也が起こした事件はインターネットで瞬く間に拡散し、警察も動き出している。果たして兄弟は再会できるのか、そして車を走らせた若者たちの凶行のゆくえは──(HPより抜粋)


映画『ディストラクション・ベイビーズ』予告編

 

 

 

 

 

 

 

 

監督・キャスト

監督は今作でメジャー映画デビューを果たした真利子哲也監督。

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おっかねー顔してんなぁ。

名前は聞いたことあるものの自主映画まで見る時間などなく、監督の作品を見るのは今作が初めてです。

 

東京藝術大学大学院の終了作品として、ボクサーを目指しながらも閉塞感を抱く青年が漫画家と出会い彼をモデルにした作品を書いていくうちに現実と虚構が交錯していく「イエローキッド」で長編映画デビューを果たし、

その後、中篇映画作品として、事件に関与し自殺を図ろうとする青年と、その目の前でPV撮影をしているアイドルが交差していく「NINIFUNI」を手掛け、世界の映画祭でも招待されるなど今後に期待のかかる監督、とのこと。

 

 

 

 

 

主演の芦原泰良を演じるのが柳楽優弥。

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華々しいデビュー、転落、騒動、激太り、結婚などなど浮き沈みを経てようやく確固たるスタイルを築き上げた彼。すげー男臭くなりましたね。

 

是枝裕和監督作品「誰も知らない」でカンヌ国際映画祭で日本人最年少の快挙となる最優秀主演男優賞を受賞しその名を轟かせた後、

像使いになる為、タイへ留学した少年を描いた「星になった少年」や、年上の女性に恋してしまった青年の甘くほろ苦い初恋を描いた「シュガー&スパイス 風味絶佳」と話題作に出演。

キャリアを着々と積み上げていくが、カンヌでの実績がプレッシャーとなり体調不良が相次ぎ仕事量が激減。体格も変化し、一時は自殺未遂と報道されるまでに

しかし、家族の献身的な支えや結婚などを経て、芸能界に復帰。

最近では、男らしい風貌へと変わり「クローズ EXPLODE」での男気あふれる不良っぷりや「ピンクとグレー」でのつかみきれない役どころなど、ますます魅力的になってきています。

 

 

 

 

 

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 いやぁ、この頃の沢尻エリカは可愛かったなぁ。

 

 

ガソリンスタンドで働いているフリーターの主人公は新しいバイトの女性にかつて感じたことのない感情を抱く。2人で会う時間が増えるにつれ、次第にうち解けていくが、元カレのもとへ一緒について行ったことを機に彼女への気持ちが初めての恋だと気づくのだったが…。

 

 

男の失恋映画ってのもあまり見たことがなかったので当時は等身大の少年を演じた彼に心持ってかれましたねぇ。「女の子はシュガー&スパイス。優しいだけじゃダメなの。」

昔音楽やってた頃、似たような歌詞を書いたなぁとふと思い出しましたww

 

 

 

 

 

 

 

主人公の男に心酔していく高校生・北原裕也を演じるのが菅田将暉。

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先日放送された「ダウンタウンなう」で2人への熱い思いを手紙で読み上げた彼にもらい泣きしてしまい、彼が出たどの作品よりも一番印象に残ってしまうというww

 

今回この2人は「ピンクとグレー」で共演してます。軽く紹介してるのでよろしければどうぞ。

 

monkey1119.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

他の出演者として、主人公たちに拉致されるキャバ嬢・那奈役に「渇き」、「バクマン」の小松菜奈、主人公の弟・将太役を両親にそっくりだなおいっ!と突っ込みたくなる村上虹郎(お父さんは村上淳、お母さんはUA)や池松壮亮北村匠海三浦誠己、そして、でんでんが脇を固めます。

 

 

 

 

果たして新進気鋭の監督の下に集まった次世代を担っていく若手俳優たちがどんな荒くれぶりを見せるのか。そして路上でいきなりストリートファイトをしかける若者の暴力のその先には何が待っているのか??

それでは、鑑賞後の感想です!!

 

 







次世代俳優たちの怪演が光る、胸クソ悪い暴力映画。

以下、核心に触れずネタバレします。









非常に好みの別れる作品

冒頭でも書いた通り、この手の映画が苦手です。若気の至りで済ませちゃうような青春もの。特に日本映画。しかも青い春のような。
じゃあ見なきゃいいじゃんと言われればそれまでなんですが、決して嫌いではなく苦手なので。


冒頭からケンカ!ケンカ!ケンカ!のオンパレードです。
殴る音、蹴る音、血まみれの顔、フラフラの体。ディスコードで歪んだギターを掻き鳴らす向井秀徳の音楽。
既に拒否反応を起こしていました。
しかし人間とは不思議なもので、その場に長くいることで、この一連の暴力描写に慣れていき、やがてケンカの仕方といった細かい部分に目がいき、かっこ悪く見え始め滑稽と感じ、しまいには笑ってしまうという事態に陥るほど。
やべー感覚が麻痺してきてる、やだなぁ、と思いつつもマジマジと見てしまう自分がホント不思議でしょうがなかったです。





静と動が呼応する演技

話云々よりもまず評価したいのは役者たちの演技。
泰良演じる柳楽優弥は、劇中ほとんどしゃべりません。いっその事一言も言わなくてよかったんじゃね?と思ったりもしますが、
楽しければそれでええけん
このセリフは言わなければいけなかったし、凄まじくかっこよかったですね。
これ以外は大したセリフなどなく、目で顔でといった表情と、拳で観衆に見せつけるわけです。
それで圧倒的なインパクトを残すのだからすごい。
クローズEXPLODEの時もそうでしたが、ケンカのスイッチが入った時の闘志剥き出しの顔が非常に狂気に満ちていて恐ろしかったですねー。
逆にケンカ以外の時の無表情と不敵な笑みがまたよく、殴りたくてウズウズしてるのか生きている心地がしないのか、君が悪かったです。


裕也演じる菅田将暉は、序盤こそ屁っ放り腰でナヨナヨした、いざという時何もできない普通の高校生を素で演じているかのようなヘタレっぷりでしたが、
泰良という相棒を手に入れてからの弱者のみの暴挙な振る舞いや、
犯してしまった罪に気づいたあとの絶望感、とにかく言いたい放題やりたい放題のワガママ自己中クソ野郎にまで落ちぶれた男がホント胸くそ悪くていい演技してましたね。


那奈演じる小松菜奈も、感じの悪いキャバ嬢が人質になった時の泣いて喚いての恐怖感、気がついたら共犯になってしまった時の開いた口が塞がらないやっちまった表情、腹を括ってアクセル全開で車を走らせる覚悟を決めた表情、これまで虐げられた行いに対して鬱憤を晴らすかのような捲したてる言葉、そして被害者ヅラして様子を伺う目の動き。
これら全てをうまく使い分けた技術もさすがでした。ただのモデルじゃなかったんすね。




誰もが狂気を潜めてる

泰良は、終始顔色を変えずケンカの相手を探しては挑み殴り合い、倒れたとしても立ち上がりまたそいつに挑む。それをひたすら繰り返していました。
3回までは挑むというルールを自らか課し、道端でバテようが鼻が折れようが歯が欠けようが時間を置いてから挑み、容赦なく殴る。
どうしてそんな風になってしまったのか、そんな人生に後ろめたさはないのか、そんなことなど一切語られずケンカに明け暮れるので心情はわからないし感情移入など全くできなかったので勝手な推測ですが、
ケンカの時以外は無表情を貫くのを見ると、ファイトクラブのように殴り合ってる時が一番生きている感じがするように見えました。
サイヤ人かおまえは。

そんな狂気剥き出しの泰良に比べ、裕也はまだ自らの狂気に気づいていない普通の高校生でした。もちろん、泰良に会うまでは。
きっと、退屈な毎日だったのでしょう。最初こそビビっていましたが、泰良の本能の赴くままに突き進む行動に感化され、彼の狂気が覚醒していきます。
ただ、彼の場合は女や老人といった弱者にのみ発揮されちょっと強そうなあんちゃんが出てこようものなら泰良の出番といったように狡いしズルい。
その場にいる時は楽しかったのでしょうが、いざ罪の大きさに気づきはじめるとまた別の狂気が覚醒します。
全てはおまえが全部やったことだ、オレは関係ない、どうしたらいいんだこれから俺の人生!
強者に手を出せない裕也は、今度は弱者である人質の那奈を標的にしはじめます。
いかにも子供らしい、考えの浅い幼稚な行動が結果彼を狂わせていったわけです。
その分一番腹がたつキャラであり、わかりやすい性格だったので心情もはっきりと伝わりましたね。


人質になってしまった那奈もまた、日常に刺激を求め万引きを繰り返したり、同僚のキャバ嬢をいじめたりとしていましたが、
人質となり、逃げ場を失ったことで狂気
が覚醒します。
極限状態から放たれたその狂気はある意味一番恐ろしく、その行動と言動が全てを物語っていて、彼女が狂気と共に兼ね備えていたしたたかな部分が終盤見えてしまうのがまた恐ろしかったです。


泰良の弟もまた潜んでいた狂気が開花しそうになっていました。
友人と街へ出ると、兄がいた形跡を見つけ兄探しに夢中になる弟に、友人は当初の計画がずれたことに腹を立て、親の悪口を言い始めたことにキレる弟。
友人の悪業はそれに留まらず、家に押しかけイタズラを仕掛ける。
感情が爆発し鉄パイプを握りしめ追いかけるが。
弟の場合、兄と自分を隔てるものがあったり、彼の行動を止める者がいたりといった演出があることで、
理性の向こう側にはいかない人間として描かれています。
これもまた兄と弟でいい比較対象になっているのではないでしょうか。






三者三様の秘めた暴力性の背景には、日常に対するフラストレーションがあったからでしょうか。
何かを境に理性なんか吹っ飛んでしまう狂気。
その一線を超えなければ理解できないのかもしれない。
おそらくその手前で踏みとどまっている私には、理解するには難しいかもしれません。


うーん、うまくまとまりません。
きっとそんなに面白くなかったという現れですww
昨日見た海よりもまだ深くと対極の作品だっただけにせっかくの週末が後味悪くなってしまった…。

とにかく役者はすごいのは伝わった。問題は題材で私には合わない作品でした。
監督には次の作品は全く別のジャンルで見せてほしいと思います。

満足度 ☆☆☆★★★★★★★3/10

モンキー的期待の2016年6月の新作映画

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6月は夏休み興行の入り口ということもあって、中ビッグな大作モノから通好みな作品まで幅広いラインナップになっています。

 特に洋画は、サスペンスものが少々目立ちますかね。

んでもって、これまた見たい作品が多いっ!!

あ~、お金と時間がほしいよぉ~・・・。

とりあえず、嘆くのは後回しにして、さくっと期待の作品の紹介。

 

 

 

 

 

 

 

デッドプール

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映画『デッドプール』予告編

 

期待度 ☆☆☆★★

 

6月1日公開

 

出演 ライアン・レイノルズ

   モリーナ・バッカリン

   エド・スクレイン 

 

 

解説

マーベルコミック原作の人気作「X-MEN」シリーズのスピンオフで、「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」に登場した異色のヒーロー、デッドプールを主役に描くアクションエンタテインメント。(映画サイトより抜粋)

 

 

期待どころ

アメコミ大好きな私のはずなのに、このキャラにはさほど思い入れもなければ知識もない!!なので星3つなんですけど。アメリカじゃ大ウケみたいで。

いろんなオマージュからチャラいキャラ、ノリのいい音楽、正義とは何ぞや?を問うような堅苦しいものではなく、自分にとって都合がよければ右でも左にでもなるぜ、といわんばかりの無責任ぶりを堪能できるとか。

キック・アス」のようなノリノリのバイオレンスアクションと比較したらいいのだろうか。とにかく、日本でも大ヒットしてくれることを願いたいですね。

 

 

 

 

 

 

サウスポー

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ジェイク・ギレンホール驚異の肉体改造!『サウスポー』予告編

 

期待度 ☆☆☆★★

 

6月3日公開

 

 

出演 ジェイク・ギレンホール

   レイチェル・マクアダムス

   フォレスト・ウィテカー 

 

 

解説

トレーニング デイ」などを手がけたアントワン・フークア監督が、ボクシング元世界チャンピオンの再起と家族の絆を描いたジェイク・ギレンホール主演作。(映画サイトより抜粋)

 

 

期待どころ

イコライザー」の監督でもあるアントワン・フークアが次に手掛けたのが短気なプロボクサーの挫折からの復活劇。おまけに、主役がギョロ目マッチョにしてブスな姉を持つ演技派ジェイク!そして妻役に俺のレイチェル!!そしてトレーナー役にハリウッドの笑福亭鶴瓶ことウォレストウィテカーww。うんうん、期待できるよこのメンツ。

ボクシング映画は安定の感動度だったりもするので、そこも安心できるところ。

 

 

 

 

マネーモンスター

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映画 『マネーモンスター』 予告

 

 期待度 ☆☆☆★★

 

6月10日公開

 

 

出演 ジョージ・クルーニー

   ジュリア・ロバーツ

   ジャック・オコンネル 

 

 

解説

 

ジョディ・フォスター監督の4作目となる作品で、財テク番組の生放送中に起きた単独犯による番組ジャックが、やがてウォール街の闇を映し出していくリアルタイムサスペンス。(映画サイトより引用)

 

 

 

 

期待どころ

大女優ジョディフォスターもすでに4本撮ってるんですね。一応今作が監督作品としては初めての鑑賞になるので、楽しみではあります。

主役の二人もオーシャンズシリーズ以来の共演と合って息の合った演技を見せてくれることでしょう。そして、「マネーショート」に続くウォール街ネタとあって理解度を上げるために、これまた予習が必要なのかなぁ。

 

 

 

 

 

シークレット・アイズ

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映画『シークレット・アイズ』特報

 

期待度 ☆☆☆★★

 

6月10日公開

 

 

出演 ニコール・キッドマン

   キウェテル・イジョフォー

   ジュリア・ロバーツ 

 

 

解説

第82回アカデミー外国語映画賞を受賞した2009年のアルゼンチン映画「瞳の奥の秘密」を、ジュリア・ロバーツ&ニコール・キッドマンという2人のオスカー女優の初共演でハリウッドリメイクしたサスペンススリラー。(映画サイトより抜粋)

 

 

期待どころ

サスペンス映画同日対決!しかも、どっちもジュリア出てんじゃんww邦画ならほぼありえないっすね。ジュリアファンはさぞ忙しいことでしょう。そんなにいないかw

ニュースの天才」の監督最新作で、元の映画とはどうやら視点が違うようです。果たしてどんな作品に仕上がっているのか楽しみですね。

 

 

 

 

 

エクス・マキナ

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人工知能の未来『エクスマキナ』予告

 

期待度☆☆☆☆☆

 

6月11日公開

 

出演 アリシア・ヴィキャンデル

   ドーナル・グリーソン

   オスカー・アイザック 

 

解説

28日後...」「わたしを離さないで」の脚本家として知られるアレックス・ガーランドが映画初監督を務め、美しい女性の姿をもった人工知能とプログラマーの心理戦を描いたSFスリラー。(映画サイトより抜粋)

 

 

期待どころ

アカデミー賞視覚効果賞にノミネートしてから目をつけていた作品がやっと公開だよバカヤロー!!おせーよっ!!いいか!俺はオスカーアイザックが見たくてしょうがないんだよ!!ったく待たせやがって。

ぅおーいっ!!何だよ公開館数もめっちゃ少ねーよ!!あー悔しい。

感情的になりましたが、アカデミー賞の時点でどこも買い付けしておらず、こういうときのギャガなんじゃねーの?と思いながらも、日本未公開となっていただけに公開が決まったのはほんとに嬉しいこと。しかも、シネクイントが休館する前の新作映画とあってぜひ渋谷でみたいなぁ、と。あ、でも、これが最後じゃないのか。

とにかく、マッドマックスを抑えてアカデミー賞視覚効果賞を受賞し、旬の役者が顔をそろえたSFスリラーですから、まず目で楽しんで、それから話を深く感じ取ろうと思います。

 

 

 

 

 

教授のおかしな妄想殺人

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『教授のおかしな妄想殺人』予告編

 

期待度 ☆☆☆★★

 

6月11日公開

 

 

出演 ホアキン・フェニックス

   エマ・ストーン

   パーカー・ポージー 

 

 

解説

ウッディ・アレン監督がホアキン・フェニックスを主演に迎え、人生の不条理を独自の哲学で描いたコメディドラマ。哲学科の教授が人生の無意味さに悩み次第に殺人計画を妄想していくことで、活路を見出していくが・・・。(映画サイトより引用)

 

 

期待どころ

安定のウッディアレン監督作に、ひとくせもふたくせもあるホアキンが哲学科の教授として主演するってのがまたウマい。おまけにかわいいどころも忘れてないのが監督らしく、前作に続いて俺のエマ!!wwが出演とあっては見ないわけにはいかない。公開数少ないんだろうなぁ・・・。

 

 

 

 

 

ノック・ノック

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『ノック・ノック』予告

 

 期待度 ☆☆☆★★

 

6月11日公開

 

 

出演 キアヌ・リーヴス

   ロレンツァ・イッツォ

   アナ・デ・アルマス

 

 

解説

 「ホステル」「グリーン・インフェルノ」のイーライ・ロス監督によるサイコスリラーで、理想的な家庭を築いた良き父親が、一晩の快楽の誘惑から破滅へと突き落とされる様を描いた。

 

 

期待どころ

イーライ・ロス作品といえばホラーモノのイメージが強く、一度も監督作を見たことがない自分としては、冒険であり入り口としては入りやすい作品かなと。しかも、キアヌが誘惑に負けて地獄へ堕ちるというプロットがすでに面白いなぁと。あ~怖いのかなぁ・・・。怖かったらどうしようぅ・・・。

 

 

 

 

 

二ツ星の料理人

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6/11公開『二ツ星の料理人』予告編

 

期待度 ☆☆☆★★

 

6月11日公開

 

 

出演 ブラッドリー・クーパー

   ユア・サーマン

   エマ・トンプソン 

 

 

解説

 

世界にひとつのプレイブック」「アメリカン・ハッスル」、そして「アメリカン・スナイパー」と3年連続でアカデミー賞にノミネートされたブラッドリー・クーパーが、問題を抱えた天才シェフを演じた主演作。(映画サイトより抜粋)

 

 

 

期待どころ

なぜかアカデミー賞にノミネートされちゃうほどアカデミー会員から大人気のブラッドリー。個人的に好きだった「8月の家族たち」の監督最新作というのもあって悪くはなさそう。なんとなく話見えてるけどね。王様のレストランっぽい話なのかな。いやそもそも問題児なのは主人公だけだから違うか!これ見たらうまいメシ食べたくなるんだろうなぁ。

 

 

 

 

 

裸足の季節

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『裸足の季節』予告編

 

期待度 ☆☆☆★★

 

6月11日公開

 

出演 ギュネシ・シェンソイ

   ドア・ドゥウシル

   トゥーバ・スングルオウル 他

 

 

解説

トルコ出身の新人女性監督デニズ・ガムゼ・エルギュベンがメガホンをとり、デビュー作ながら卓越した構成力や美しい映像が世界各地の映画祭で高く評価された。第88回アカデミー賞外国語映画賞にノミネート。(映画サイトより抜粋)

 

 

期待どころ

先日鑑賞した「すれ違いのダイアリーズ」のときに予告で流れ、気になった作品。アカデミー賞外国語映画賞にノミネートしたのは知っていたものの、いざ予告を見たら面白そうじゃねーか!

美しい姉妹が厳しいしきたりから逃れ、どうやって自由を求め羽ばたくのか。もうポスターの木漏れ日感がやばい。

 

 

 

 

 

10 クローバーフィールド・レーン

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【映画 予告編】 10 クローバーフィールド・レーン

 

期待度 ☆☆☆☆★

 

6月17日公開

 

 

出演 メアリー・エリザベス・ウィンステッド

   ジョン・グッドマン

   ジョン・ギャラガー・Jr.

 

解説

J・J・エイブラムスがプロデュースした謎のパニックアクション大作。ある日、見知らぬシェルターの中で目を覚ました若い女性と、「君を救うためにここへ連れてきた」と話す見知らぬ男がおり、共同生活が始まるが……。(映画サイトより引用)

 

 

期待どころ

POV方式でエイリアン襲来の記録として描いたパニックアクションクローバーフィールド」は終わっていなかった!!のか?

てか、ポスターと予告がネタバレしすぎでないかい?これ以上にすげえ展開が待っているわけ?今作はPOV方式ではないみたいですが、ジョングッドマンが出てるのがすげー違和感wwそして、主演の女優さんどこかで見たことあるなぁと思ったらスコットピルグリムのあの娘じゃん!

J.J.エイブラムスがどんな製作をしたのか、そして何がスゲーって脚本が「セッション」のデミアン・チャゼルですからねぇ。

とりあえず前作はおさらいしといた方がよさそう。

 

 

 

 

 

レジェンド 狂気の美学

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映画『レジェンド 狂気の美学』予告編

 

 期待度 ☆☆☆★★

 

6月18日公開

 

 

出演 トム・ハーディ

   トム・ハーディ

   エミリー・ブラウニング 

 

 

解説 

トム・ハーディが1人2役で双子のギャングを演じたクライムサスペンス。「ザ・クレイズ 冷血の絆」(1991)などでもその人生が映画化されてきた、実在の双子のギャング、クレイ兄弟の栄光と破滅を描いた。(映画サイトより抜粋)

 

 

期待どころ

もうさ、トムが2役ってだけで狂気ですよwwレヴェナント」でも卑劣なやつを好演した記憶も新しく、この双子をどう演じ分けるかも気になるし、イギリスマフィアモノってのもあまり見ないので面白そう。

 

 

 

 

 

ダーク・プレイス

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映画『ダーク・プレイス』予告編90秒ver

 

期待度 ☆☆☆★★

 

6月24日公開

 

 

出演 シャーリーズ・セロン

   ニコラス・ホルト

   クロエ・グレース・モレッツ 

 

解説

ゴーン・ガール」の原作者ギリアン・フリンの小説「冥闇」をシャーリーズ・セロン&ニコラス・ホルトのマッドマックスコンビで描く。自分以外の家族を兄が殺したと証言した末娘。その代償は大きくひどく無気力になっていた。そして31歳になったある日、「殺人クラブ」という場所から招待状が届く。(映画サイトより引用)

 

 

期待どころ

トムのお次はフュリオサ!ニュークス!何たる偶然!そんな再共演した2人の新作はサスペンス。ゴーンガールの原作者の作品と合ってラストはドン引きの結末になっていくのでしょうか。キャッチコピーもそそりますね。「何を見たのか?」じゃなく「何を見なかったのか?」。

クロエの妖艶な演技もあるようなのでそちらにも期待。

 

 

 

 

 

日本で一番悪い奴ら

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映画『日本で一番悪い奴ら』予告編

 

 期待度 ☆☆☆☆★

 

6月25日公開

 

 

出演 綾野剛

   ピエール瀧

   YOUNG DAIS 

 

 

解説

実在の事件をもとに描いた「凶悪」で話題をさらった白石和彌監督が、2002年の北海道警察で起こり「日本警察史上最大の不祥事」とされた「稲葉事件」を題材に描く作品。(映画サイトより抜粋)

 

 

 

期待どころ

6月唯一期待の邦画。監督の前作「凶悪」の後味の悪さに身悶えたにもかかわらず彼の作品をまた見たいと思うのは、その完成度の高さと役者陣の魅力を最大限まで活かした演出に満足したからであり、予告を見る限りでは全体的にポップなのでわりかし楽しく警察の悪事を堪能できそう。事件の記事もちょこちょこ読んでみよう。

 

 

 

 

 

TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ

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youtu.be

 

 

期待度 ☆☆☆★★

 

6月25日公開

 

出演 長瀬智也 (TOKIO)

   神木隆之介

   桐谷健太 他

 

 

解説

人気脚本家・宮藤官九郎の監督最新作。修学旅行中に交通事故に巻き込まれ死んでしまった主人公が地獄で赤鬼から指導を受け、地獄めぐりしていく奇想天外なコメディ。(映画サイトより引用)

 

 

 

期待どころ

ちゃっかり2本目の期待の邦画。今年2月のバスの事故により延期となってしまったクドカン最新作が、意外と早く公開したことにまず喜びたい。

なんだかんだでね、クドカンが作った話に長瀬が出るってだけで映画だろうがドラマだろうが見ちゃうんだよオイラ!ただのファンです。とにかく彼で笑いたい!話とか映画的なんちゃらとかは二の次三の次っ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つーわけで!盛り沢山な6月期待の新作映画!!その数14本!!100パー全部見れませんwww

雨にも負けず湿度にも負けず映画館を訪れようと思います。

 

 

マジで時間足らないなぁ・・・。

 

映画「神様メール」感想 解説 暇を持て余した神様のイタズラに娘が反旗を翻す!

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5月30日

神様メール 

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いやさぁ、いくら何でもタイトルが安易すぎやしないかい?

もうちょっとさぁひねりのあるタイトルにできないの?

 そんな不満はさておいて、予告を見て面白そうだったので。

ベルギー映画だそうです。ベルギー映画何か見たことあるかな?

まぁいいや。とりあえず早速見てきました~。

 

 

 

 

あらすじ

神様(ブノワ・ボールヴールド)はブリュッセルのアパートに家族と一緒に住んでいて、パソコンでいたずらに世界を支配している。 

ある日、神様の娘10歳のエア(ピリ・グロワーヌ)は人間に運命に縛られずに生きてほしいと思って、神様のパソコンから人々に余命を知らせるメールを送ったからさぁ大変!

エアが大パニックな世界を救うたびに出ると、彼女の小さくてヘンテコな奇跡は思いがけず人々のお悩みを解決していく。

会社員は鳥を追い北極まで大冒険。殺し屋は不死身の美女にめぐり合い、主婦はゴリラと恋に落ち・・・皆、それぞれの生きがいを見つけていく。しかしエアが最後に出会ったウィリーは死期が迫っていて・・・。

小さな奇跡が呼び起こす、神様のパソコンから人類への【最高にハッピー】なメールとは?(HPより抜粋)

 


映画『神様メール』予告編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監督・キャスト

監督は、ベルギーが生んだ奇才、ジャコ・ヴァン・ドルマル

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この方の作品のタイトルは元レンタル屋なので知ってはいましたが、スルーしてたなぁ。ベルギー映画とか括って陳列したんだけどなぁ。

 

20代から短編映画を作り始め、長編映画第1作で、生まれたときに向いの家の子と取り違えられたと思っている男と、人生の幸福を取り戻すため旅を描いた悲喜劇「トト・ザ・ヒーロー」がヨーロッパ映画祭で主要部門を総ナメ、しかもカンヌ国際映画祭にてカメラ・ドールを受賞し一躍有名になります。

その後も、エリートサラリーマンとダウン症の青年の交流から、関わる人との大切さを描いた「八日目」でも、カンヌ国際映画祭にて主演男優賞をダブルで受賞

不老不死の世界で唯一限りある命を持つ男が、過去を振り返り選んだ、または選ばなかった幾通りもの選択肢を美しい映像で描いたSFヒューマンドラマ「ミスター・ノーバディ」でも各賞で絶賛されたようです。

91年にデビューして今作がまだ4本目というマイペースっぷりですが、それだけ緻密に作り上げているからこその期間と実績なんでしょう。

 

 

トト・ザ・ヒーロー [DVD]

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 とりあえず、どんな作風なのか気になり、予習してみました。

 

 自分が産院の火事の際に向かいの裕福な家の子と取り替えられてしまったと信じている主人公の老人。すべての幸福を奪われてしまった人生の思い出が浮かび、ひとつの計画を実行し始める。

 

 過去と現在そして妄想の場面をうまく切り替えながら展開していく作品で、主人公のなんでも他人のせいにしてしまう愚かさと、幼いころに背負ってしまった罪のせいで、どこか幼稚なまま歳をとってしまったような気がして共感はできませんでしたが、作品自体は90分弱と短いながらも無駄のない内容と、主人公の哀愁と父が歌う挿入歌の陽気さが織り交ざった悲喜劇だったように思えます。

 

 

 

 

 

キャストさん、誰も知りませんwww

一応、大女優がお一人出演されてますので軽くご紹介を。

 

ゴリラに片思いしてしまう主婦マルティーヌを演じるカトリーヌ・ドヌーヴ

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もう72歳だそうです。それでもまだ現役なのはうれしいことですね。

つーか、私名前だけしか知らずこの方の作品1本も見てない!せめて有名なやつは見ておかないとなぁ・・・。

 

10代にして活躍し、中でも完全な音楽のみ構成されたミュージカル映画「シェルブールの雨傘」でカンヌ国際映画祭グランプリを受賞とともに世界的に有名に。

その後も、医者の夫とパリで幸せに暮らす美しい若妻が娼婦に興味を持ち、軽い気持ちではじめるも徐々におぼれていく「昼顔」、

美しい双子姉妹がパリに憧れを抱き、夢と理想の姿を追い求める「ロシュフォールの恋人たち」、

近年では、屋敷の中で起きた殺人事件を元にそこにいた8人の女の隠されていた事実が明らかになっていく戯曲をフランソワ・オゾン監督によってミュージカル映画として作られた「8人の女たち」、

以前から熱望していたコメディとして、単なるお飾り妻だったブルジョワ主婦が夫に代わって傾きかけていた工場を運営することになっていく「しあわせの雨傘」などがあります。

 

決してドヌーヴが主役なわけではありませんが知ってる方がいないので・・・。

 

 

他にも、神様(父)役に、ブノワ・ポールヴールド、女神(母)役に、ヨランド・モロー、エア(娘)役に「サンドラの週末」でデビューしたピリ・グロワーヌが出演しています。

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果たして、余命メールで大パニックとなった世界を救うため旅に出た神様の娘がどんな奇跡を起こすのか?

それでは、鑑賞後の感想です!!










ブラックジョークのオンパレードをオフビートで突っ切ったキュートなコメディ!

以下、核心に触れずネタバレします。









奇抜で斬新な切り口。

全体を通して思ったのは、如何にもフランスらしいというかヨーロッパ特有というか、非常に風刺的で笑いありメッセージ性ありの娯楽作品だな、と。


大体神様一家がブリュッセルのアパートに住んでいて、親父である神様がパソコンひとつで世界を作り、様々な法則だったり気まぐれな災難を書斎でやってるって発想がいい。
そしてそこから想像させる親父の昭和的大黒柱からくるオレ様感がものすごく鼻につきイラつかせる人物描写もいいし、俳優さんもまたうまい!
んでもってその後訪れるしっぺ返しがまたクソ笑えます。


そんな笑いどころを全て受け持ってくれる親父とは反対に、
娘であるエアの、力があるが故に親父のせいで何もできない歯痒さやカゴの鳥状態、尚且つ虐待などなど爆発寸前の想いがついに行動となり奇跡を起こす下界への冒険が、非常に可愛らしく愛おしく、それでいて多幸感に溢れたものとなっていて、
親父と娘の末路のギャップに、ゲラって微笑んでの連続でありました。





立ち上がれ、エア!!朽ち果てろ、オヤジ!!

神様はとりあえずブリュッセルという街を作った。
で、あらゆる種を並べてみた。ニワトリだったりキリンだったり。
双眼鏡で覗くと、何かしっくりこない。
つーわけで、自分に似たような人間という種を作ってみた。
あーこれだよこれ。と、しっくりきたのか、ことのついでにイブと名のついた女を作ったことで人間がどんどん繁殖していきいろんなタイプの人間を作り争いをさせ、現在の世界を作っていった。

神様は忙しい。
くわえタバコでデスクに向かい、思いつきでくだらない法則をつくる。
ジャムをつけたパンを落とすときは、必ずジャムの方が下になる
とか、
レジに並ぶと必ず隣の方が早く進む
とか、不運なルールばかり。

挙げ句の果てには、ジオラマ模型を作り、ライターで家に火をつけたり、飛行機を墜落させたりとやりたい放題。

そんな姿を見て苛立ちを隠せないエア。
食卓を囲めば小言は止まらず細かいルールの嵐、風呂を覗かれたり、反抗的な態度をとれば折檻されたりと、神様は絶対なのだと言わんばかりの窮屈な毎日にエアはとうとう反旗をひるがえす。

神様以外入ることの許されない書斎に忍び込み、彼の作った世界の住人が平等に生きられるように、また、なんでも思い通りにしてしまう神様の威厳を奪うためにエアはパソコンから住人全てに残りの命の時間を知らせる、余命が書かれたメールを一斉送信する。


神様一家の食卓には空席がひとつある。
実は、家出してしまった兄がいる。それこそがJC=神の子キリスト。
そんな兄は両親に知られないように部屋の置物として帰ってきていた(笑)

そんな兄から、
エアさぁ、オレの使徒12人なんだけどさぁ、ホントはあと6人増やしたかったんだよねぇ。なんでって?18人いたら野球できんじゃんww だからさぁ、あと6人スカウトしてきてよ
と助言なのかお願いなのかわからないアドバイスを受け、下界への行き方を教わる。


準備は整った。
エアは意を決して初めて外の世界へと足を踏み入れていく。


一方、メールを受け取った人間たちは、残りの時間を知り各々の生活を送ることを決意する。
残りの時間が短い者たちは死を覚悟し自暴自棄になっていき、また長い者はあらゆるムチャや余裕を見せ優位な気分に浸って行く。

果たして、エアは奇跡を起こすことができるのか?





とにかく、親父である神様のクソっぷりがお気に入り。
観た人は確実にこいつに敵意むき出しになり、テメーで作った法則が、報いとして親父に降りかかった時、ほれ!見たことか!と爆笑になることでしょう。
そしてエアの健気な志と、可愛らしい眼差しに癒されることでしょう。

なんか、同じこと書いてるな。


下界の人間たちの行動もせつなかったりユーモアだったり、おバカな奴までいたりと様々で笑ったりほろっとしたり。
特にケヴィンくんはアホですww
彼は最後まで笑わせてくれるのでお見逃しなく。




人生、何が起こるかわからないから楽しい
なんてよく言いますが、
人生の残り時間がわかってしまう世界ってのももしかしたら面白いのかなぁとも思ったり。
だってこの話だと前者は結局神様のいいなりで成り立っていて支配されてるってことを謳ってるわけですから。
もしそうなら腹立たしいし、事故や災難といった不条理なことは全てこいつの仕業なわけですからね。
かといって、残り時間の長さによって自分の人生があらかじめ決まってしまうというのもイヤなもので。
まあ、真面目に考える必要もないんですけとね。







旧約聖書vs新・新約聖書

この物語は、エアが兄キリストの作った新約聖書に新たな解釈を加えた新・新約聖書を作るという筋書きで進んでいきます。
となると、親父が作ってるのは何なのか?となると、これが旧約聖書になるそうです。

旧約聖書はユダヤ教の教典としてまとめられたもので、ざっくり言うと、言うこと聞かないと消しちゃうよ?
というのに対し、新約聖書は旧約聖書をキリストが引用した新しい解釈のものでそれでも私は許そう、というものだそうです。

なので、親父がやってることは神はおれだけだ!ということで、争いをさせたりキリストを追い出しちゃったりと旧約聖書を反映したものになっています。

逆に新約聖書は、右の頬を叩かれたら左の頬を出しなさい、汝の隣人を愛せよといったように、
エアが使徒として探し当てた人間を許すかのような振る舞いが見て取れます。


どうしても、使徒というとエヴァを思い出してしまう現代っ子ですが、どうやら6人増やして18人てのも深い意味があるようで。
どなたかわかる方いたら教えてくださいまし。








とまあ、ホメホメな内容とざっくりな解説でしたが、個人的にはやはり聖書に関して無知なため、触りは面白かったものの深い理解が得られず、高い満足度は得られませんでした。
ひとつひとつのユーモアは最高に面白いんですけどね。
なんてったって下界じゃJCっていったらユニバーサルソルジャーですからww


とにかくブラックユーモア満載のベルギー映画、楽しかったです。

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10

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